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JP2010144041A - 液晶組成物及び調光材料 - Google Patents

液晶組成物及び調光材料 Download PDF

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JP2010144041A
JP2010144041A JP2008322554A JP2008322554A JP2010144041A JP 2010144041 A JP2010144041 A JP 2010144041A JP 2008322554 A JP2008322554 A JP 2008322554A JP 2008322554 A JP2008322554 A JP 2008322554A JP 2010144041 A JP2010144041 A JP 2010144041A
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Takashi Kato
隆志 加藤
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Fujifilm Corp
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Abstract

【課題】紫外光に対する耐久性に優れたゲストホスト方式による液晶組成物及び調光材料の提供。
【解決手段】式1で表される二色性色素と、ホスト液晶と、を含有する液晶組成物。
Figure 2010144041

【選択図】なし

Description

本発明は、液晶組成物及び調光材料に関し、特にゲストホスト方式の調光材料の技術分野に属する。
環境に対する関心の高まりにともなって、光の量を電気的に調節できる材料、いわゆる電気的な調光材料の重要性が高まっている。なかでも、300nmから420nmの波長、いわゆる紫外線に対する調光材料に対する関心が高まっているが、従来、紫外線を電気的に調光させる材料は、ほとんど知られていなかった。
また、レーザー技術の発展により、高いエネルギー密度を有する紫外領域のレーザーが注目されている。たとえば、351nmに発振するXeFレーザー、405nmに発振するGaNレーザーなどが提案されている。
とくに、これらの紫外レーザーは高いエネルギー密度を有するため、その調光材料には高い耐久性が必要とされる。
他方、液晶と二色性色素を組み合わせたゲストホスト方式を用いた調光材料は、明るい調光が可能であり、調光用途に適した方式として期待されている。とくに、紫外域に吸収を有する二色性色素に関しては、アゾ系色素が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、アゾ系色素では光に対する耐久性が満足すべきレベルにない場合があり、その改善が求められていた。
なお、通常の表示素子や調光材料に用いる二色性色素は、吸収域が可視域にあり(例えば、特許文献2参照。)、この二色性色素を紫外線用の調光材料に適用しても紫外域での二色比が低く、紫外線を調光することができない。
米国特許第4,395,350号明細書 特開平9−244070号公報
本発明の課題は、紫外光に対する耐久性に優れたゲストホスト方式による液晶組成物及び調光材料を提供することにある。
上記状況を鑑み、本発明者は、鋭意研究を行なったところ、特定の置換基を有するアントラキノン系二色性色素を組合せることで紫外光に対して非常に高い耐久性を与える液晶組成物ならびに調光材料が実現できるという知見を得、この知見に基づいてさらに検討して本発明を完成するに至った。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
<1> 少なくとも1つ以上の下記一般式(1)で表される二色性色素と、少なくとも1つ以上のホスト液晶と、を含有する液晶組成物。
Figure 2010144041
一般式(1)中、R、R、R、R、R、R及びRは各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、又はハロゲン原子を表す。Bは2価の環状脂肪族炭化水素基を表す。Qは2価の連結基を表す。Aはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はアシルオキシ基を表す。p及びqは各々独立に1〜5のいずれかの整数を表し、nは1〜3のいずれかの整数を表す。nが2以上の時、2以上の{(Q)−(B)}は同一でも異なっていてもよい。pが2以上の時、2以上のQは同一でも異なる2価の連結基であってもよい。qが2以上の時、2以上のBは同一でも異なっていてもよい。
<2> 前記一般式(1)で表される二色性色素において、pが1であり、qが1であり、且つnが1である前記<1>に記載の液晶組成物。
<3> 前記一般式(1)で表される二色性色素において、Qがカルボニル基又はメチレン基であり、Bがシクロヘキシル基であり、Aがアルキル基である前記<1>又は<2>に記載の液晶組成物。
<4> 前記一般式(1)で表される二色性色素において、R、R、R、R、R、R及びRが水素原子である前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の液晶組成物。
<5> 更に、カイラル剤を含有する前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の液晶組成物。
<6> 前記ホスト液晶が、ネマチック液晶である前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の液晶組成物。
<7> 前記ホスト液晶が、環状脂肪族基を有する前記<1>〜<6>のいずれか1項に記載の液晶組成物。
<8> 前記ホスト液晶が、下記一般式(2)で表される化合物である前記<1>〜<7>のいずれか1項に記載の液晶組成物。
一般式(2): T−((D−L−(D−T
式中、D及びDは、各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Lは2価の連結基を表し、T及びTは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表す。eは1〜3のいずれかの整数を表し、mは0〜3のいずれかの整数を表し、kは1又は2を表し、且つe×m+kは2〜4のいずれかの整数である。eが2以上の時、2以上のDは同一でも異なっていてもよい。kが2の時、2つのDは同一でも異なっていてもよい。mが2以上の時、2以上の((D−L)は同一でも異なっていてもよい。
<9> 前記一般式(2)で表される化合物において、D及びDが2価の環状脂肪族炭化水素基である前記<8>に記載の液晶組成物。
<10> 前記一般式(2)で表される化合物において、T及びTがアルキル基又はシアノ基である前記<8>又は<9>に記載の液晶組成物。
<11> 前記一般式(2)で表される化合物において、eが1であり、mが0であり、且つkが2であるか、又はeが1であり、mが1であり、且つkが2である前記<8>〜<10>のいずれか1項に記載の液晶組成物。
<12> 一対の透明電極と、
前記電極間に、前記<1>〜<11>のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶層と、
を有する調光材料。
<13> レーザー光を電気的に調光する前記<12>に記載の調光材料。
<14> 前記レーザー光の波長が、300nm〜420nmである前記<13>に記載の調光材料。
本発明によれば、紫外光に対する耐久性に優れたゲストホスト方式による液晶組成物及び調光材料が提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」はその前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
<液晶組成物>
本発明の液晶組成物は、少なくとも1つ以上の下記一般式(1)で表される二色性色素と、少なくとも1つ以上のホスト液晶と、を含有する。
Figure 2010144041
一般式(1)中、R、R、R、R、R、R及びRは各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、又はハロゲン原子を表す。Bは2価の環状脂肪族炭化水素基を表す。Qは2価の連結基を表す。Aはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はアシルオキシ基を表す。p及びqは各々独立に1〜5のいずれかの整数を表し、nは1〜3のいずれかの整数を表す。nが2以上の時、2以上の{(Q)−(B)}は同一でも異なっていてもよい。pが2以上の時、2以上のQは同一でも異なっていてもよい。qが2以上の時、2以上のBは同一でも異なっていてもよい。
本発明の液晶組成物およびこの液晶組成物を用いた調光材料は、ホスト液晶の配向状態を変化させて、紫外域に極大吸収波長を有する二色性色素の配向状態を変化させることで、紫外域の光を調光することができる。
本発明の液晶組成物において、二色性色素は、ホスト液晶中に溶解し、紫外域の光を吸収する機能を有する化合物と定義される。本発明に係る二色性色素の極大吸収波長は、300〜420nmの範囲であることが好ましい。
本発明では、二色性色素として、前記一般式(1)で表されるアントラキノン化合物を用いる。
前記一般式(1)で表される二色性色素は、紫外域に極大吸収波長を有する化合物であり、紫外線を調光することができる。なお、通常の液晶組成物等に用いられるアントラキノン系の二色性色素は可視域に極大吸収波長を有し、紫外域での二色比が低いため、紫外線を調光することが困難である
また、二色性色素がアントラキノン骨格を有することで、調光材料として用いたときに、光に対する分解が抑制され、とくに調光材料として重要である電気的な悪影響を及ぼす分解物が生成しないため、優れた光に対する耐久性を発揮する。この前記一般式(1)で表される二色性色素を用いた液晶組成物は、紫外光に対する耐久性が高いという予期せぬ効果が得られることが見出し、とくにエネルギー密度の高い紫外域のレーザー光を電気的に調光するのに好適であることが明らかとなった。
一般的にアントラキノン化合物は溶解性が低く、とくに液晶組成物に対して高い溶解性を有するものはあまり知られていない。一方、前記一般式(1)で表されるアントラキノン化合物は、ホスト液晶に対しての溶解性が良好であり、ゲストホスト方式による液晶組成物に好適に用いることができるという予期せぬ効果を見出した
以下、一般式(1)で表される二色性色素について詳細に説明する。
(二色性色素)
本発明の液晶組成物は、少なくとも1つ以上の下記一般式(1)で表される二色性色素を含有する。
Figure 2010144041
一般式(1)中、R、R、R、R、R、R及びRは各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、又はハロゲン原子を表す。Bは2価の環状脂肪族炭化水素基を表す。Qは2価の連結基を表す。Aはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はアシルオキシ基を表す。p及びqは各々独立に1〜5のいずれかの整数を表し、nは1〜3のいずれかの整数を表す。nが2以上の時、2以上の{(Q)−(B)}は同一でも異なっていてもよい。pが2以上の時、2以上のQは同一または異なる2価の連結基である。qが2以上の時、2以上のBは同一でも異なっていてもよい。
一般式(1)中、Bは2価の環状脂肪族炭化水素基を表す。2価の環状脂肪族炭化水素基の好ましい具体例としては、シクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基であり、特に好ましくは、(E)−シクロヘキサン−1、4−ジイル基である。
一般式(1)におけるBは、更に置換基を有していてもよい。
この中でも、Bは、無置換、アルキル基、又はハロゲン原子を置換基として有する場合が好ましく、無置換又はアルキル基を有する場合がより好ましく、無置換又は炭素数1〜5のアルキル基を有する場合が更に好ましく、無置換又はメチル基を有する場合が更に好ましい。
Bにおける置換基の数は、0〜4であることが好ましく、0〜3であることがより好ましく、0又は2が更に好ましい。
Bにおける置換基の位置は、Bがシクロヘキサン−1,4−ジイル基の場合には、3位、5位、2位、又は4位であることが好ましく、3位又は5位であることが高い溶解性とオーダーパラメーターの観点から好ましい。
一般式(1)中、Qは2価の連結基を表す。好ましくは、炭素原子、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる原子から構成される原子団からなる2価の連結基を表す。
前記2価の連結基としては、炭素数1〜20のアルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、シクロヘキシル−1,4−ジイル基)、炭素数2〜20のアルケニレン基(例えば、エテニレン基)、炭素数2〜20のアルキニレン基(例えば、エチニレン基)、アミド基、エーテル基、エステル基、スルホアミド基、スルホン酸エステル基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、カルボニル基、−NR−基(ここで、Rは水素原子、アルキル基又はアリール基を表す)、アゾ基、アゾキシ基、複素環2価基(例えば、ピペラジン−1,4−ジイル基)、又はこれらを2以上組合せて構成される炭素数0〜60の2価の連結基が挙げられる。
一般式(1)におけるQは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、エーテル基、チオエーテル基、アミド基、エステル基、カルボニル基、又はこれらの組合せからなる2価の連結基であることが好ましく、アルキレン基、カルボニル基、エーテル基、又はこれらの組合せからなる2価の連結基であることがより好ましい。特に一般式(1)におけるQの総数が1個のときには、カルボニル基又はメチレン基であることが更に好ましい。
一般式(1)中、Aはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はアシルオキシ基を表す。
Aの好ましい例としては、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキル及びシクロアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、ペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−プロピルシクロヘキシル基、4−ブチルシクロヘキシル基、4−ペンチルシクロヘキシル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−フェニルエトキシ基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシル基(例えばアセチル基、ピバロイル基、ホルミル基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基);炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2−ベンジルオキシカルボニル基);が挙げられる。
Aとしてより好ましくはアルキル基又はアルコキシ基であり、さらに好ましくはアルキル基である。Aで表されるアルキル基として好ましくは、炭素数1〜8のアルキル基であり、より好ましくは、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基である。Aで表されるアルコキシ基として好ましくは、炭素数1〜8のアルコキシ基であり、より好ましくはメトキシ基、ブトキシ基、トリフルオロメトキシ基である。
Aで表されるアルキル基及びアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよいが、高いオーダーパラメーターの観点から直鎖のアルキル基及びアルコキシ基であることが好ましい。
また、Aで表されるアルキル基及びアルコキシ基は、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよく、該ハロゲン原子としてはフッ素原子であることが好ましい。フッ素原子で置換されたアルキル基又はアルコキシ基は、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフロロアルキル基又はパーフロロアルコキシ基であっても、水素原子の一部がフッ素原子で置換されたフルオロアルキル基又はフルオロアルコキシ基であってもよい。
一般式(1)において、特に好ましくは、Qがカルボニル基又はメチレン基を表し、Bがシクロヘキシレン基を表し、Aがアルキル基を表す場合である。
一般式(1)中、p及びqは各々独立に1〜5のいずれかの整数を表し、1又は2であることが好ましく、より好ましくは1である。
なお、pが2以上の時、2以上のQは同一でも異なっていてもよい。qが2以上の時、2以上のBは同一でも異なっていてもよい。
一般式(1)中、nは1〜3のいずれかの整数を表し、1又は2であることが好ましく、より好ましくは1である。
なお、nが2以上の時、2以上の{(Q)−(B)}は同一でも異なっていてもよい。
p、q及びnの好適な組み合わせの例を以下に挙げる。
(i)p=1、q=1、n=1
(ii)p=1、q=1、n=2
(iii)p=1、q=2、n=1
p、q及びnの組み合わせとしてより好ましくは、p=1、q=1、且つn=1の場合である。
以上から、一般式(1)における{(Q)−(B)−Aは、下記構造式(A)で表される基であることが好ましい。構造式中、波線は連結位置を表す。
Figure 2010144041
構造式(A)中、Qはアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、エーテル基、チオエーテル基、アミド基、エステル基、カルボニル基、又はこれらの組合せからなる2価の連結基を表す。Rは、アルキル基を表す。mは0又は2である。Aはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はアシルオキシ基を表す。p及びqは各々独立に1〜5のいずれかの整数を表し、nは1〜3のいずれかの整数を表す。nが2以上の時、2以上の{(Q)−(B)}は同一でも異なっていてもよい。pが2以上の時、2以上のQは同一でも異なっていてもよい。qが2以上の時、2以上のBは同一でも異なっていてもよい。
構造式(A)におけるQは、アルキレン基、カルボニル基、エーテル基、エステル基又はこれらの組合せからなる2価の連結基であることが好ましい。構造式(A)において、Qの総数が1個のときには、Qはアルキル基又はカルボニル基であることが好ましい。
構造式(A)におけるRは、メチル基であることが好ましい。
構造式(A)におけるRの総数(m×q×n)は、0〜4であることが好ましく、0〜2であることがより好ましい。
構造式(A)におけるp及びqは、各々独立に1〜5のいずれかの整数を表し、1又は2が好ましく、1がより好ましい。
構造式(A)におけるnは1〜3のいずれかの整数を表し、1又は2が好ましく、1がより好ましい。
構造式(A)におけるAは、アルキル基又はアルコキシ基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜8のアルキル基であることが更に好ましく、炭素数1〜8の直鎖のアルキル基であることが更に好ましい。
前記構造式(A)は、下記構造式(B)〜(E)のいずれかであることがより好ましい。構造式中、波線は連結位置を表す。
Figure 2010144041
構造式(B)〜(E)中、Rはアルキル基を表す。kは0又は1である。Aはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はアシルオキシ基を表す。
構造式(B)〜(E)におけるRは、メチル基であることが好ましい。
構造式(B)〜(E)におけるRの総数は、0〜6 であることが好ましく、0〜 4 であることがより好ましい。
構造式(B)〜(E)におけるAは、アルキル基又はアルコキシ基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜8のアルキル基であることが更に好ましく、炭素数1〜8の直鎖のアルキル基であることが更に好ましい。
一般式(1)における{(Q)−(B)−Aの具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない(図中、波線は連結位置を表す)。
Figure 2010144041
前記一般式(1)において、R、R、R、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子又はアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基またはハロゲン原子を表す。
具体的には、ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、沃素、フッ素);ヒドロキシ基;炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−フェニルエトキシ基);炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えばフェノキシ基、p−メチルフェノキシ基、p−クロロフェノキシ基、ナフトキシ基);炭素数6〜80、好ましくは炭素数6〜40、更に好ましくは炭素数6〜30のアリールチオ基(例えばフェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、2−ピリジルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ基、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ基、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ基、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニルチオ基);炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5の無置換のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基);炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5の置換アルキル基{例えばヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、カルボキシエチル基、エトキシカルボニルメチル基、アセチルアミノメチル基、またここでは炭素数2〜18、好ましくは炭素数3〜10、更に好ましくは炭素数3〜5の不飽和炭化水素基(例えばビニル基、エチニル基1−シクロヘキセニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基)も置換アルキル基に含まれることにする};炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜15、更に好ましくは炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基、p−カルボキシフェニル基、p−ニトロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、p−シアノフェニル基、m−フルオロフェニル基、p−トリル基、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニル);炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜10、更に好ましくは炭素数4〜6の置換もしくは無置換のヘテロアリール基(例えばピリジル基、5−メチルピリジル基、チエニル基、フリル基、モルホリノ基、テトラヒドロフルフリル基);が挙げられる。これら置換基群はベンゼン環やナフタレン環が縮合した構造もとることができる。さらに、これらの置換基上にさらに置換基が置換していてもよい。
上記置換基として好ましいものは、炭素数6〜80、より好ましくは炭素数6〜40、更に好ましくは炭素数6〜30のアリールチオ基(例えばフェニルチオ、p−メチルフェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、4−メチルフェニルチオ、4−エチルフェニルチオ、4−n−プロピルフェニルチオ、2−n−ブチルフェニルチオ、3−n−ブチルフェニルチオ、4−n−ブチルフェニルチオ、2−t−ブチルフェニルチオ、3−t−ブチルフェニルチオ、4−t−ブチルフェニルチオ、3−n−ペンチルフェニルチオ、4−n−ペンチルフェニルチオ、4−アミルペンチルフェニルチオ、4−ヘキシルフェニルチオ、4−ヘプチルフェニルチオ、4−オクチルフェニルチオ、4−トリフルオロメチルフェニルチオ、3−トリフルオロメチルフェニルチオ、2−ピリジルチオ、1−ナフチルチオ、2−ナフチルチオ、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニルチオ)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子)、置換若しくは無置換のアルキル基(例えば、メチル、トリフルオロメチル)、置換若しくは無置換のアルコキシ基(例えば、メトキシ、トリフルオロメトキシ)、置換若しくは無置換のアリール基(例えば、フェニル)、置換若しくは無置換のヘテロアリール基(例えば、2−ピリジル)、置換若しくは無置換のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ)、)などである。
一般式(1)において、R、R、R、R、R、R及びRにおける置換基としてより好ましくは、上記置換基の中でも、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子アリールチオ基である。
、R、R、R、R、R及びRの中で、置換基の総数は、0(即ち全てが水素原子)〜2であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、全てが水素原子であることが更に好ましい。
、R、R、R、R、R及びRの中で少なくとも1つ以上が置換基である場合には、R、R及びRから選ばれる少なくとも1つが置換基であることが好ましく、R、Rから選ばれる少なくとも1つが置換基であることがより好ましい。
以上から、前記一般式(1)で表される二色性色素は、下記一般式(1−1)で表される二色性色素であることが好ましい。
Figure 2010144041
一般式(1−1)中、Qはアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、エーテル基、チオエーテル基、アミド基、エステル基、カルボニル基、又はこれらの組合せからなる2価の連結基を表す。Rは、アルキル基を表す。mは0又は2である。Aはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はアシルオキシ基を表す。p及びqは各々独立に1〜5のいずれかの整数を表し、nは1〜3のいずれかの整数を表す。nが2以上の時、2以上の{(Q)−((R−1,4−シクロヘキシレン)}は同一でも異なっていてもよい。pが2以上の時、2以上のQは同一でも異なっていてもよい。qが2以上の時、2以上の((R−1,4−シクロヘキシレン)は同一でも異なっていてもよい。
一般式(1−1)におけるQは、アルキレン基、カルボニル基、エーテル基、エステル基又はこれらの組合せからなる2価の連結基であることが好ましい。一般式(1−1)において、Qの総数が1個のときには、Qはアルキレン基又はカルボニル基であることが好ましい。
一般式(1−1)におけるRは、メチル基であることが好ましい。
一般式(1−1)におけるRの総数(m×q×n)は、0〜4であることが好ましく、0〜2であることがより好ましい。
一般式(1−1)におけるp及びqは、各々独立に1〜5のいずれかの整数を表し、1又は2が好ましく、1がより好ましい。
一般式(1−1)におけるnは1〜3のいずれかの整数を表し、1又は2が好ましく、1がより好ましい。
一般式(1−1)におけるAは、アルキル基又はアルコキシ基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜8のアルキル基であることが更に好ましく、炭素数1〜8の直鎖のアルキル基であることが更に好ましい。
前記一般式(1−1)で表される二色性色素は、下記一般式(1−2)〜(1−5)のいずれかで表される二色性色素であることがより好ましい。
Figure 2010144041
一般式(1−2)〜(1−5)中、Rはアルキル基を表す。kは0又は1である。Aはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はアシルオキシ基を表す。
一般式(1−2)〜(1−5)におけるRは、メチル基であることが好ましい。
一般式(1−2)〜(1−5)におけるRの総数は、0〜4であることが好ましく、0〜3であることがより好ましい。
一般式(1−2)〜(1−5)におけるAは、アルキル基又はアルコキシ基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜8のアルキル基であることが更に好ましく、炭素数1〜8の直鎖のアルキル基であることが更に好ましい。
以下に、本発明に使用可能な二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。なお、化学式中の波線は連結位置を表す。
Figure 2010144041
Figure 2010144041
Figure 2010144041
Figure 2010144041
前記一般式(1)で表される二色性色素は、公知の方法を組み合わせて合成することができる。
なお、本発明の液晶組成物では複数の二色性色素を混合してもよい。また、本発明の調光材料は、1つの液晶層中に複数の二色性色素を混合してもよい。
複数の二色性色素を用いる場合、前記一般式(1)で表される二色性色素を複数種用いてもよいし、或いは一般式(1)で表される二色性色素のほかに他の二色性色素を組み合わせてもよい。一般式(1)で表される二色性色素以外の二色性色素を用いる場合、二色性色素の総量のうち、他の二色性色素の含有量は、1質量%〜50質量%であることが好ましく、1質量%〜20質量%であることがより好ましい。
なお、効率良く紫外線の調光を行なうという観点からは、二色性色素としては、前記一般式(1)で表される二色性色素のみを用いることが好適である。
(ホスト液晶)
本発明の液晶組成物および該液晶組成物を用いた調光材料に使用可能なホスト液晶とは、電界の作用により、その配向状態を変化させ、ゲストとして溶解されている紫外域に極大吸収波長を有するアントラキノン系色素、とくに前記一般式(1)で表される二色性色素の配向状態を制御する機能を有する化合物と定義される。
本発明に使用可能なホスト液晶としては、二色性色素と共存しうるものであれば特に制限はないが、ネマチック相を示す液晶化合物が利用できる。ネマチック液晶化合物の具体例としては、アゾメチン化合物、シアノビフェニル化合物、シアノフェニルエステル、フッ素置換フェニルエステル、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、フッ素置換シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、シアノフェニルシクロヘキサン、フッ素置換フェニルシクロヘキサン、シアノ置換フェニルピリミジン、フッ素置換フェニルピリミジン、アルコキシ置換フェニルピリミジン、フッ素置換アルコキシ置換フェニルピリミジン、フェニルジオキサン、トラン系化合物、フッ素置換トラン系化合物、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリルなどが挙げられる。「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第154〜192頁及び第715〜722頁に記載の液晶化合物を用いることができる。例えば、Merck社の液晶(ZLI−2806、4692、MLC−6267、6284、6287、6288、6406、6422、6423、6425、6435、6437、7700、7800、9000、9100、9200、9300、10000など)、チッソ社の液晶(LIXON5036xx、5037xx、5039xx、5040xx、5041xxなど)、旭電化社の液晶(HA−11757)が挙げられる。
特に、本発明の液晶組成物及び該液晶組成物を用いた調光材料は、下記一般式(2)で表されるホスト液晶を含むことが好ましい。
一般式(2): T−((D−L−(D−T
一般式(2)中、D及びDは、各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Lは2価の連結基を表し、T及びTは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表す。eは1〜3のいずれかの整数を表し、mは0〜3のいずれかの整数を表し、kは1又は2を表し、且つe×m+kは2〜4のいずれかの整数である。eが2以上の時、2以上のDは同一でも異なっていてもよい。kが2の時、2つのDは同一でも異なっていてもよい。mが2以上の時、2以上の((D−L)は同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(1)で表される二色性色素の溶解性を高めるという観点から、前記一般式(2)中、D及びDとして少なくとも1個は2価の環状脂肪族炭化水素基であることが好ましく、D及びDの全てが2価の環状脂肪族炭化水素基であることがより好ましく、1,4−シクロヘキシル基であることが更に好ましい。
一般式(2)におけるD及びDは、置換基を有していてもよく、該置換基としてはアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基を挙げることができる。このなかでも、D及びDの置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、又はシアノ基が好ましく、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又はシアノ基がより好ましく、アルキル基、アルコキシ基、フッ素原子、又はシアノ基が更に好ましい。
が2価の環状脂肪族炭化水素基の場合、Dの置換基の置換位置は、Lと同じ位置であることが 広い液晶温度範囲を示すという観点から好ましい。
が2価の環状脂肪族炭化水素基の場合、Dの置換基の置換位置は、Tと同じ位置であることが 広い液晶温度範囲を示すという観点から好ましい。
前記一般式(2)中、T及びTは、アルキル基又はシアノ基であることが好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5の無置換のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基);炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5の置換アルキル基{例えばヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、カルボキシエチル基、エトキシカルボニルメチル基、アセチルアミノメチル基、またここでは炭素数2〜18、好ましくは炭素数3〜10、更に好ましくは炭素数3〜5の不飽和炭化水素基(例えばビニル基、エチニル基1−シクロヘキセニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基)も置換アルキル基に含まれることにする}が好ましく、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、又はヘプチル基がより好ましい。
前記一般式(2)中、eは1〜3のいずれかの整数を表し、1又は2であることが好ましく、1がより好ましい。
前記一般式(2)中、mは0〜3のいずれかの整数を表し、0〜2が好ましく、1がより好ましい。
前記一般式(2)中、kは1又は2を表し、1が好ましい。
一般式(2)におけるe、m、kの組み合わせとして好ましくは、e=1、m=0、且つk=2、又はe=1、m=1、且つk=2の場合である。
前記一般式(2)において、eが2以上の時、2以上のDは同一でも異なっていてもよい。kが2の時、2つのDは同一でも異なっていてもよい。mが2以上の時、2以上の((D−L)は同一でも異なっていてもよい。
以下に本発明に好適に用いられるホスト液晶の具体例を示す。
Figure 2010144041
Figure 2010144041
Figure 2010144041
Figure 2010144041
本発明に使用するホスト液晶の誘電率異方性は、正であっても負であってもよい。
誘電率異方性が正のホスト液晶と水平配向膜とを組み合わせた場合には、電圧無印加時には液晶は水平に配向しているために二色性色素も水平となり紫外域の光を吸収する。一方、電圧印加時には液晶分子が垂直に傾くため二色性色素も垂直に傾き、その結果、紫外域の光を透過するようになる。すなわち、電圧印加時には透過状態、電圧無印加時には吸収状態となる。
誘電率異方性が負のホスト液晶と垂直配向膜とを組み合わせた場合には、電圧無印加時には液晶は垂直に配向しているために二色性色素も垂直となり紫外域の光を吸収することなく透過する。一方、電圧印加時には液晶分子が水平に傾く二色性色素も水平に傾き、その結果、紫外域の光を吸収するようになる。すなわち、電圧無印加時には透過状態、電圧印加時には吸収状態となる。
誘電率異方性が負の液晶となるためには、液晶分子の短軸に誘電率異方性が大きくなる構造にする必要があり、例えば、「月刊デイスプレイ」(2000年、4月号)の第4頁〜9頁に記載のもの、Syn Lett.,第4巻、第389頁〜396頁、1999年に記載のホスト液晶が挙げられる。例えば、Merck社の液晶(ZLI−2806など)が挙げられる。中でも、電圧保持率の観点から、フッ素系置換基を有する誘電率異方性が負の液晶が好ましい。例えば、Merck社の液晶(MLC−6608、6609、6610など)が挙げられる。
さらに、本発明の液晶組成物及び該液晶組成物を用いた調光材料は、二波長駆動性を示す液晶を用いることもできる。二周波駆動液晶とは、該液晶に印加される電場の周波数が低周波数領域の場合に正の誘電率異方性を示し、高周波数領域の場合に誘電率異方性の符号が負に逆転する液晶である。日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第189〜192頁に詳しい。
なお、本発明に用いるホスト液晶の屈折率異方性(Δn)は、透明状態と透明状態を切り替える場合には、Δnの絶対値が小さなものが好ましく、散乱状態と透明状態を切り替える場合には、Δnの絶対値が小さなものが好ましい。ここでいう屈折率異方性(Δn)とは、液晶分子の長軸方向の屈折率(n‖)と液晶分子の短軸方向の屈折率(n⊥)との差として定義される。
Δn = n‖ − n⊥
透明状態を利用した相転移方式を用いる場合には、Δnの絶対値が小さな液晶としてΔn=0.1以下のものが好ましい。Δnが小さいと螺旋構造におけるウエーブガイドが抑制されて光漏れが小さくなり、調光性能が向上するためである。
一方、散乱状態と透明状態を切り替える方式として相転移方式を用いる場合には、Δnの絶対値が大きな液晶としてΔn=0.1以上のものが好ましい。さらに好ましくはΔn=0.12以上である。これは、ランダムなフォーカルコニック状態に基づく散乱状態ではホスト液晶のΔnが大きいほど散乱強度が高くなり、調光性能が向上するためである。
なお、本発明の液晶組成物では複数のホスト液晶化合物を混合してもよい。また、本発明の調光材料は、1つの液晶層中に複数のホスト液晶化合物を混合してもよい。
複数のホスト液晶化合物を用いる場合、前記一般式(2)で表される液晶化合物を複数種用いてもよいし、或いは一般式(2)で表される液晶化合物のほかに他の液晶化合物を組み合わせてもよい。一般式(1)で表される液晶化合物以外の液晶化合物を用いる場合、液晶化合物の総量のうち、一般式(1)で表される液晶化合物の含有量は、20質量%〜100質量%であることが好ましく、50質量%〜100質量%であることがより好ましい。
本発明の液晶組成物及び該液晶組成物を用いた調光材料におけるホスト液晶及び二色性色素の含有量については特に制限はないが、本発明に係る一般式(1)で表される二色性色素の溶解性が良好である点と、吸光係数の観点から、二色性色素の含有量はホスト液晶の含有量に対して0.5〜15質量%とすることが好ましく、1〜10質量%とすることがより好ましく、2〜10質量%とすることが更に好ましい。
また、ホスト液晶及び二色性色素の含有量は、双方を含む液晶組成物を調製し、その液晶組成物を封入した液晶セルの吸収スペクトルをそれぞれ測定して、液晶セルとして所望の光学濃度を示すのに必要な色素濃度を決定することが望ましい。
特に、本発明に係る一般式(1)で表される二色性色素の吸光度を考慮すると、二色性色素の含有量はホスト液晶の含有量に対して2〜8質量%とすることが好ましく、3〜6質量%であることがより好ましい。
(その他の添加剤)
本発明の調光材料には、ホスト液晶の物性を所望の範囲に変化させることを目的として(例えば、液晶相の温度範囲を所望の範囲にすることを目的として)、液晶性を示さない化合物を添加してもよい。また、カイラル化合物、酸化防止剤などの化合物を含有させてもよい。そのような添加剤は、たとえば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第199〜202頁に記載のTN、STN用カイラル剤が挙げられる。カイラル剤を添加すると、コレステリック液晶相を形成し、ネマチック液晶に溶解した二色性色素がらせん状に配列されることになる。よって、互いに直交する直線偏光に関して、両方の偏光を吸収することができるため、吸収状態における光の吸収量が増加するため好適である。一方、一軸配向されたネマチック液晶層を用いた場合には、光は理論上半分しか吸収されないこととなる。
カイラル剤の添加量は液晶組成物中、0.1〜30質量%であることが好ましく、0.1〜20質量%であることがより好ましく、0.2〜10質量%であることが更に好ましい。30質量%よりも多い場合、カイラル剤がホスト液晶から析出しやすくなる場合がある。また、カイラル剤は複数種類使用してもよい。とくに、カイラルピッチの温度依存性が正のものと負のものとを組合せ使用することで、カイラルピッチの温度依存性が小さくなる場合が好ましい。
以下に本発明に用いられるカイラル剤の具体例を示す。
Figure 2010144041
Figure 2010144041
Figure 2010144041
本発明の調光材料における調光性能については、その吸収状態と透過状態における紫外域の光の透過率の比(透明状態/着色状態)が2〜500の範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、3〜500の範囲であり、特に好ましくは、4〜500の範囲である。
本発明の調光材料に用いる液晶組成物は、ポリマーと共存させてもよい。本発明の調光材料が、散乱状態と透明状態を切り替える方式の場合、ポリマーと共存させることが好ましい。
本発明の調光材料に用いる液晶組成物を分散含有するポリマー媒体層は、例えば、液晶組成物を分散したポリマー溶液を、基板上に塗設することにより形成することができる。ポリマー溶液中に液晶組成物を分散する方法としては、機械的攪拌、加熱、超音波、あるいはその組合せなどを利用して行うことができる。
前記ポリマー媒体層において、高分子媒体中に分散された液晶組成物とポリマー媒体との質量比は、1:10〜10:1が好ましく、1:1〜8:2がより好ましい。
高分子媒体層を形成する方法としては、高分子と液晶組成物とを溶解させた溶液を、基板上に塗設する方法もしくは液晶組成物とポリマーとを共通の溶媒に溶解した後、基板上に塗設し、溶媒を蒸発させる方法が好ましい。
前記ポリマー媒体層に用いる高分子には特に制限はない。シロキサンポリマー、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン、ポリビニルブチラール、ゼラチン等の水溶性高分子、ポリアクリレート類、ポリメタクリレート類、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリカーボネート類、酢酸ビニルやポリビニルブチラールに代表されるポリビニルアルコール誘導体類、トリアセチルセルロースのようなセルロース誘導体類、ポリウレタン類、スチレン類等の非水溶性高分子が用いられる。本発明の調光材料に用いる高分子としては、ホスト液晶との相溶性が高いという観点からシロキサンポリマー、ポリアクリレート類、ポリメタクリレート類が好ましい。
さらに、ポリマー媒体層中には、液晶組成物の分散を安定化することを目的として、界面活性剤を用いることができる。本発明に適用できる界面活性剤に特に制限はないが、非イオン系界面活性剤が好ましく、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキエチレンアルキルエーテル類、フルオロアルキルエチレンオキシド類等が用いられる。
特に、本発明に係る二色性色素は一般式(1)で表される化合物であるため、ポリマーとして環状脂肪族炭化水素基を有するものを用いると、ポリマーとの相溶性が高くなり、調光性能を高めることができる。
本発明の調光材料において、前記ポリマー媒体層の厚みは、1〜50μmであることが好ましく、2〜40μmであることがより好ましく、5〜30μmであることが更に好ましい。
また、調光材料の場合においては、特に二色性色素の添加量が多いほうが、調光性能が向上するため好ましい。またポリマー分散型液晶を調整する方法として散乱強度の高くなりやすい重合相分離方式を適用した場合、重合時におけるラジカル種による二色性色素の分解を抑制する観点から、重合温度は室温よりも低くすることが好ましい。また、ラジカル種による反応性が低い場合が二色性色素の分解を抑制する効果があり、その観点からメタクリレート系モノマーを用いることが好ましい。また、光重合を利用する場合には、UV照射時における二色性色素の分解を抑制する観点から、UV照射強度を小さくすることが好ましく、例えば、1〜500mW/cmの範囲が好ましく、さらに好ましくは1〜50mW/cmの範囲である。
ポリマーと液晶組成物とをあらかじめ混合してから相分離をさせる方法を適用する場合、適用するポリマーとしては二色性色素の染着を低下させる観点から芳香族基を持たないポリマーが好ましく、例えば、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリイミドなどが好ましい。以上の施策によって透明状態における透過率が高くなるため好適である。
<調光材料の構成>
(基本構造)
調光材料は、少なくともホスト液晶及び前記一般式(1)で表される二色性色素を含有する液晶層が存在すればよい。したがって、単に一対の支持体間に液晶層を存在させてなる態様であってもよいし、一対の電極基板間に液晶層を存在させ、電気的に調光状態を制御する態様(調光素子)であってもよい。好ましくは、支持体や基板が透明の場合である。
また、本発明の調光材料における液晶層は、前述の高分子媒体層であってもよい。
(各構成部材)
−電極基板−
電極基板としては、通常ガラスあるいはプラスチック(ポリマー)からなる基板上に、電極層を形成したものを用いることができる。好ましくはプラスチック基板である。プラスチック基板としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、PESあるいはPENなどが挙げられる。基板については、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第218〜231頁に記載のものを用いることができる。基板上に形成される電極層は、好ましくは透明電極層である。例えば、酸化インジウム、ITO(インジウム錫オキサイド)、酸化スズ等から形成することができる。透明電極については、たとえば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第232〜239頁に記載のものが用いられる。
−スペーサー−
本発明の調光材料は、例えば、一対の基板をスペーサーなどを介して、1〜50μm間隔で対向させ、基板間に形成された空間に液晶組成物を配置することにより作製することができる。前記スペーサーについては、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第257〜262頁に記載のものを用いることができる。本発明の調光材料は、基板上に塗布あるいは印刷することにより基板間の空間に配置することができる。
本発明の調光材料の場合、液晶層の厚さ、すなわちスペーサーにより形成される基板間の間隔は、1μm〜50μmであることが好ましく、より好ましくは2μm〜40μmである。液晶層の厚さが上記範囲内にあると、透明状態における透過率の低下が抑えられ、かつ部分的な欠陥に起因した通電による調光ムラの発生が抑えられる。
特に、本発明に係る一般式(1)で表される二色性色素の吸光度を考慮すると、液晶層の厚さを5μm〜30μmとすることが好ましく、10μm〜20μmであることがより好ましい。
−その他の部材−
その他の部材としては、例えば、バリア膜、反射防止層、ハードコート層、汚れ防止層、有機層間絶縁膜、位相差板、配向膜などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
バリア膜としては、有機ポリマー系、無機系、有機−無機の複合系いずれでもよい。有機ポリマー系としてはエチレンービニルアルコール(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVA/PVOH)、ナイロンMXD6(NーMXD)、ナノコンポジット系ナイロンなどが挙げられる。無機系としてはシリカ、アルミナ、ニ元系などが挙げられる。その詳細は、例えば「ハイバリア材料の開発、成膜技術とバリア性の測定・評価方法」(技術情報協会、2004年)に記載されている。
本発明の調光材料において、バリア層は、製造しやすさの観点から支持体上の透明電極が設置されていない面側に設置することが好ましい。
反射防止膜は、無機材料又は有機材料を用いて形成され、膜構成としては、単層であってもよく、又は多層であってもよい。さらにまた、無機材料の膜と有機材料の膜との多層構造であってもよい。反射防止膜は、調光材料の一面側又は両面に設けることができる。両面に設ける場合、両面の反射防止膜は、同じ構成であっても別の構成であっても良い。例えば、一方の面の反射防止膜を多層構造とし、他方の面側の反射防止膜を簡略化して単層構造とすることも可能である。また、透明電極又は支持体上に直接反射防止膜を設けることができる。
反射防止膜に用いる無機材料としては、SiO、SiO、ZrO、TiO、TiO、Ti、Ti、Al、Ta、CeO、MgO、Y、SnO、MgF、WO等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を併用して用いることができる。これらの中でも、低温で真空蒸着が可能なSiO、ZrO、TiO、Taが好ましい。
無機材料で形成される多層膜としては、ZrO層とSiO層の合計光学的膜厚がλ/4、ZrO層の光学的膜厚がλ/4、最表層のSiO層の光学的膜厚がλ/4の、高屈折率材料層と低屈折率材料層とを交互に成膜する積層構造が例示される。ここで、λは設計波長であり、通常520nmが用いられる。最表層は、屈折率が低く、かつ反射防止膜に機械的強度を付与できることからSiOとすることが好ましい。
無機材料で反射防止膜を形成する場合、成膜方法は例えば真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、CVD法、飽和溶液中での化学反応により析出させる方法等を採用することができる。
反射防止膜に用いる有機材料としては、例えばFFP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)等を挙げることができ、レンズ材料やハードコート膜(有する場合)の屈折率を考慮して選定される。成膜方法は、真空蒸着法の他、スピンコート法、ディップコート法などの量産性に優れた塗装方法で成膜することができる。
ハードコート層としては、公知の紫外線硬化もしくは電子線硬化のアクリル系もしくはエポキシ系の樹脂を用いることができる。
汚れ防止膜としては、含フッ素有機重合体のような撥水撥油性材料を使用することができる。
配向膜としては、ポリイミド、シランカップリング剤、ポリビニルアルコール、ゼラチン、シリカ蒸着膜などを用いることが好ましく、ポリイミド、シランカップリング剤を用いることが、配向能力、耐久性、絶縁性、コストの観点から好ましい。配向膜としては、水平配向膜、垂直配向膜いずれであってもよい。
ポリイミド配向膜に関しては、例えば、「液晶便覧」(液晶便覧編集委員会編、丸善、2000年)の第253〜258頁に記載のもの、「液晶デイスプレイの最先端」(液晶若手研究会編、シグマ出版、1996年)の第83〜104頁に記載のものを用いることができる。
本発明のポリイミド配向膜として、垂直配向膜を用いる場合には、垂直配向能力、いわゆる垂直アンカリング力が高いものが好ましい。垂直配向能力を高めたポリイミド膜を用いることで、本発明の調光材料のコントラスト比が向上する。垂直配向能力を高めたポリイミド膜としては、ポリイミド側鎖のアルキル鎖長を伸ばして疎水性を高めた構造、また、長鎖アルキル鎖を有するジアミン部分の導入率が高まった構造が好ましい。
一方、本発明のポリイミド配向膜として、水平配向膜を用いる場合には、水平配向能力、いわゆる水平アンカリング力が高いものが好ましい。水平配向能力を高めたポリイミド膜を用いることで、本発明の調光材料のコントラスト比が向上する。水平配向能力を高めたポリイミド膜としては、ポリイミド側鎖のアルキル鎖を短くする、もしくは親水的な官能基を導入することにより親水性を高めた構造が好ましい。
ポリイミド配向膜としては、たとえば、国際特許番号2002/051909号、特開平7−301805号、特開昭62−297819号、特開平1−262527号、特開平1−262528号、特開平5−43688号、特開平6−82794号、特開2003−96070号、特開2003−114437号、特開2004−18422号、特開2004−163724号、特開2005−105019号、特開2005−170818号、特開2000−104073号、特開2001−108831号、特開2001−100038号、特開2001−100040号、特開2001−100041号に記載の配向膜が好適に用いられる。
配向方法については、ラビング処理していても、していなくてもよい。ラビング処理としては、布によるラビング処理が用いられ、たとえば「液晶デイスプレイの最先端」(液晶若手研究会編、シグマ出版、1996年)の第83〜104頁に記載の方法が好適に用いられる。
ポリイミド配向膜は、塗布、印刷などにより付設することができる。通常は、ポリアミック酸の溶液を塗布、焼成することでポリイミド膜への変換させるプロセス、もしくはポリイミドの溶解させた溶液を塗布、溶媒を留去させることでポリイミド膜を形成させる方法が好ましい。ガラス基板を用いた場合、焼成温度は200℃前後が好ましい。また、フイルム基板を用いた場合には、フイルム基板のTg温度よりも低い温度で焼成することが好ましい。特に、PENフイルムの場合には、120℃以下の場合が好ましい。
ポリイミド配向膜の膜厚は、10nmから1μmの範囲が好ましく、より好ましくは20nmから300nmの範囲である。さらに好ましくは、30nmから200nmの範囲である。
シランカップリング剤は、浸漬などにより付設することができる。通常は、シランカップリング剤を含むアルコール溶液に基板を浸漬させた後、加熱、乾燥させることでシランカップリング剤が結合された基板を形成させる方法が用いられる。
<用途>
本発明の調光材料は、紫外域の光に対する高い調光性能を与えることができるため、調光、環境、セキュリテイー、紫外レーザーの光シャッターとして好適に利用することができる。本発明の調光材料は、光、熱及び湿度に対する耐久性が高いことから耐候性に優れ、屋外用途ならびに高いエネルギー密度を有する紫外レーザーにおいても好適に使用することができる。
特に本発明の調光材料は、300nmから420nmの間の波長のレーザー光の調光に好適に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の主旨から逸脱しない限り適宜変更することができる従って本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
[実施例1]
1.二色性色素及び液晶の調製
二色性色素(No.1)、(No.3)、(No.9)を、公知の方法に従い合成した。以下では、二色性色素No.3の合成スキームを説明する。
Figure 2010144041
原料A(東京化成品)をリチウムアルミニウムハイドライド(LAH)(東京化成品)にて還元することにより、原料Bを得た。原料Bをオキシ塩化リンを作用させることにより、原料Cを得た。原料Cと2−ヒドロキシアントラキノン(東京化成品)を炭酸カリウム存在下反応させることにより、目的化合物No.3を得た。
(二色性色素No.3の同定)
H−NMR(Brooker500MHz)
CDCl3中:ppm:0.90(t、3H)、0.95−1.4(m、14H)、1.8−2.0(m、5H)、3.95(d,2H)、7.28(dd、1H)、7.69(d、1H)、7.75−7.8(m、2H)、8.2−8.3(m、3H)
ホスト液晶ZLI−1132(ネマチック液晶)及びカイラル剤R−1011はメルク社から購入した。
2.調光素子の調製
透明電極であるITO付きガラス基板上にポリイミド水平配向膜(日産化学製)をスピンコート、焼成により付設した。つぎに、得られた水平配向膜付きガラス基板にラビング処理を施した。
ホスト液晶(ZLI−1132)1.0g中に、下表1に示した二色性色素と、カイラル剤(R−1011、メルク社製)とを、表1に示す組み合わせ及び添加量で混合し、これを加熱して溶解させた後、室温下1日放置させた。各々の二色性色素の添加量は、上記液晶組成物を8μmの液晶評価用セルに注入した場合における色素の極大吸収波長における透過率が15%となるように調整した。このときのホスト液晶に対する二色性色素の含有量を表1に示す。
得られた液晶組成物に12μmの球状スペーサー(積水化学製)を少量混合し、上記のITO付きガラス基板を配向膜側が液晶層に接するようにはさんで、光硬化型シール剤(積水化学製)にて封止した。
3.評価
(透過率比の測定)
得られた本発明の調光材料は、電圧無印加時に紫外域の光に対して吸収状態であった。信号発生器(テクトロニクス株式会社製)を用いて、電圧(±40V、100Hz)を印加した場合には、液晶層は透過状態となった。また、二色性色素の極大吸収波長における吸収状態と透過状態におけるUV/vis吸収スペクトル測定(島津製UV2400)を行い、各々の透過率を測定し、透過率の比(T(透過)/T(吸収))を表1に示す。表1に示す通り、本発明の調光材料は、電気的に紫外域の光の透過率を制御できる調光機能を有することが確認された。
(レーザー光に対する耐久性の評価)
得られた調光材料を、電圧を印加しない状態で、特開2001−185795号記載の紫外域のレーザー(波長370nm、出力1mW)を、30cm離れた距離から12時間照射した。その後、上記同様の評価を行った結果を表1に示す。
Figure 2010144041
[比較例1]
二色性色素を下記に示す色素H−1に代えた以外は、実施例1と同様にして調光素子を作製し、実施例1と同様に評価し、その結果を表1に示した。
表1に示すように、本発明の調光素子であるサンプルA〜Fに比べ、比較の調光素子であるサンプルGでは、紫外域のレーザーに対する耐久性が低いことが明らかとなった。
Figure 2010144041
[比較例2]
二色性色素を下記に示す二色性色素H−2に代えた以外は、実施例1と同様にして調光素子を作製し、実施例1と同様に評価し、その結果を表1に示した。
表1に示すように、下記二色性色素H−2は、極大吸収波長が440nmであり、紫外域での透過率比が極めて小さいことがわかる。
Figure 2010144041
[実施例2]
(耐熱性の評価)
85℃に設定したオーブン中に、実施例1で作製したサンプルA、C及びEの調光材料を1週間保存したのち(熱経時後)透過率を測定し、加熱前の透過率からの低下率を評価した。その結果を表2に示す。
本発明の調光材料であるサンプルA、C及びEは電気的な特性に変化はなかったが、比較の調光材料であるサンプルGは、吸収状態の光の吸収率が減少し、調光機能が低下していることが確認された。すなわち、本発明の調光材料であるサンプルA、C及びEは耐熱性に優れていることが確認された。
Figure 2010144041
(熱湿度耐久性の評価)
湿度95%、温度60℃に設定した恒温オーブン中に、実施例1で作製したサンプルA、C及びEの調光材料を1週間保存したのち(湿熱経時後)透過率を測定し、熱湿度耐久性試験前の透過率からの低下率を評価した。その結果を表3に示す。
本発明の調光材料であるサンプルA、C及びEは電気的な特性に変化はなかったが、比較の調光材料であるサンプルGは、吸収状態の光の吸収率が減少し、調光機能が低下していることが確認された。すなわち、本発明の調光材料であるサンプルA、C及びEは熱湿度耐久性に優れていることが確認された。
透過率の比について、湿熱経時後の低下率(%)を測定した結果を表3に示す。
Figure 2010144041
[実施例3]
<溶解度の測定>
本発明に係る二色性色素No.3を、芳香族系ネマチック液晶ZLI−1132(メルク社製)と、脂肪族系ネマチック液晶ZLI−2806(メルク社製)とに対してそれぞれ5質量%添加したのち、100℃1時間加熱し、室温下で1週間放置して、溶解度を測定した。
その結果、ZLI−1132への溶解度が4%以下であったのに対して、ZLI−2806への溶解度は4%を超えており、本発明に係る二色性色素No.3は脂肪族系ネマチック液晶に対して高い溶解度を有することが確認された。
Figure 2010144041
Figure 2010144041
[実施例4]
<調光材料の作製>
透明電極であるITO付きガラス基板上にポリイミド垂直配向膜(日産化学製)をスピンコート、焼成により付設した。つぎに、得られた垂直配向膜付きガラス基板にラビング処理を施した。
ホスト液晶(ZLI−2806)1.0g中に、二色性色素No.3と、カイラル剤(R−1011、メルク社製)とを、加熱して溶解させた後、室温下1日放置させた。二色性色素の添加量は、上記液晶組成物を8μmの液晶評価用セルに注入した場合における二色性色素の極大吸収波長(371nm)における透過率が15%となるように調整した。このときのホスト液晶に対する二色性色素の含有量は、3.5質量%であった。カイラル剤の濃度は液晶組成物中0.4質量%となるように調整した。
得られた液晶組成物に12μmの球状スペーサー(積水化学製)を少量混合し、上記のITO付きガラス基板を配向膜側が液晶層に接するようにはさんで、光硬化型シール剤(積水化学製)にて封止した。
<評価>
得られた本発明の調光材料は、電圧無印加時に紫外域の光に対して透過状態であった。信号発生器(テクトロニクス株式会社製)を用いて、電圧(±40V、100Hz)を印加した場合には、液晶層は吸収状態となった。
また、二色性色素の極大吸収波長における吸収状態と透過状態におけるUV/vis吸収スペクトル測定(島津製UV2400)によって透過率を測定し、透過率の比(T(透過)/T(吸収))は、3.0であった。
本発明の調光材料は、電気的に紫外域の光の透過率を制御できる調光機能を有することが確認された。
<レーザー光に対する耐久性の評価>
得られた調光材料を、電圧を印加した状態で、特開2001−185795号記載の紫外域のレーザー(出力1mW)を、30cm離れた距離から12時間照射した。その後、上記同様の評価を行った結果、透過率の比(T(透過)/T(吸収))は、3.0であった。すなわち、本発明の調光材料は、レーザー光に対して高い耐久性を有することがわかった。

Claims (14)

  1. 少なくとも1つ以上の下記一般式(1)で表される二色性色素と、少なくとも1つ以上のホスト液晶と、を含有する液晶組成物。
    Figure 2010144041

    〔一般式(1)中、R、R、R、R、R、R及びRは各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、又はハロゲン原子を表す。Bは2価の環状脂肪族炭化水素基を表す。Qは2価の連結基を表す。Aはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はアシルオキシ基を表す。p及びqは各々独立に1〜5のいずれかの整数を表し、nは1〜3のいずれかの整数を表す。nが2以上の時、2以上の{(Q)−(B)}は同一でも異なっていてもよい。pが2以上の時、2以上のQは同一でも異なる2価の連結基であってもよい。qが2以上の時、2以上のBは同一でも異なっていてもよい。〕
  2. 前記一般式(1)で表される二色性色素において、pが1であり、qが1であり、且つnが1である請求項1に記載の液晶組成物。
  3. 前記一般式(1)で表される二色性色素において、Qがカルボニル基又はメチレン基であり、Bがシクロヘキシル基であり、Aがアルキル基である請求項1又は請求項2に記載の液晶組成物。
  4. 前記一般式(1)で表される二色性色素において、R、R、R、R、R、R及びRが水素原子である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  5. 更に、カイラル剤を含有する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  6. 前記ホスト液晶が、ネマチック液晶である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  7. 前記ホスト液晶が、環状脂肪族基を有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  8. 前記ホスト液晶が、下記一般式(2)で表される化合物である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    一般式(2): T−((D−L−(D−T
    [式中、D及びDは、各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Lは2価の連結基を表し、T及びTは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表す。eは1〜3のいずれかの整数を表し、mは0〜3のいずれかの整数を表し、kは1又は2を表し、且つe×m+kは2〜4のいずれかの整数である。eが2以上の時、2以上のDは同一でも異なっていてもよい。kが2の時、2つのDは同一でも異なっていてもよい。mが2以上の時、2以上の((D−L)は同一でも異なっていてもよい。]
  9. 前記一般式(2)で表される化合物において、D及びDが2価の環状脂肪族炭化水素基である請求項8に記載の液晶組成物。
  10. 前記一般式(2)で表される化合物において、T及びTがアルキル基又はシアノ基である請求項8又は請求項9に記載の液晶組成物。
  11. 前記一般式(2)で表される化合物において、eが1であり、mが0であり、且つkが2であるか、又はeが1であり、mが1であり、且つkが2である請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  12. 一対の透明電極と、
    前記電極間に、請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶層と、
    を有する調光材料。
  13. レーザー光を電気的に調光する請求項12に記載の調光材料。
  14. 前記レーザー光の波長が、300nm〜420nmである請求項13に記載の調光材料。
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