JP2010136553A - 電源システムおよびそれを搭載した電動車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数組の蓄電装置および電力変換装置を備える電源システムにおいて、蓄電装置の過充電または過放電を確実の防止した上で、効率改善のための上アームオン固定モードを導入することである。
【解決手段】複数組の蓄電装置および電力変換装置を備える電源システムにおいて、コンバータの上アームオン固定モード中の蓄電装置に入出力される電流積分値に基づいて、上アームオン固定モードを終了する。これにより、SOC推定値の精度に過度に依存することなく、簡便な判定方法に基づいて適切に上アームオン固定モードを終了することができる。その結果、蓄電装置の過充電または過放電を確実に防止した上で、上アームオン固定モードを導入することが可能となる。
【選択図】図7
【解決手段】複数組の蓄電装置および電力変換装置を備える電源システムにおいて、コンバータの上アームオン固定モード中の蓄電装置に入出力される電流積分値に基づいて、上アームオン固定モードを終了する。これにより、SOC推定値の精度に過度に依存することなく、簡便な判定方法に基づいて適切に上アームオン固定モードを終了することができる。その結果、蓄電装置の過充電または過放電を確実に防止した上で、上アームオン固定モードを導入することが可能となる。
【選択図】図7
Description
この発明は、電源システムおよびそれを搭載した電動車両に関し、より特定的には、蓄電装置および電力変換装置を複数組備える電源システムにおいて、蓄電装置の過充電・過放電を防止する技術に関する。
近年、走行駆動力源として電動機を搭載するハイブリッド自動車や電気自動車などの電動車両において、加速性能や走行持続距離などの走行性能を高めるために、蓄電機構の大容量化が進んでいる。そして、蓄電機構を大容量化するための一手法として、複数個の蓄電装置を並列に配置する構成が提案されている。
たとえば、特開2008−109840号公報(特許文献1)には、複数個の蓄電装置を備える電源システムにおいて、各蓄電装置の許容放電電力が制限されるまでの放電可能容量の比率に応じて、蓄電装置の放電電力分配率を算出するとともに、許容充電電力が制限されるまでの充電可能容量の比率に応じて、蓄電装置の充電電力分配率を算出して、これらの放電電力および充電電力分配率に従ってコンバータを制御する技術が開示されている。
この技術によれば、上記分配率に従うことにより各蓄電装置に均等に充放電がなされるので、充放電特性が異なる複数の蓄電装置において、システム性能を最大限に引き出すことが可能となる。
また、特開2003−00229号公報(特許文献2)には、コンバータの負荷側の電圧と蓄電装置の電圧との電圧差が所定値以上であるときには、コンバータの出力側の電力線間に接続されたコンデンサに蓄積された電力を、蓄電装置にチャージバックするようにコンデンサを制御する電源システムが開示されている。
特開2008−109840号公報
特開2003−00229号公報
蓄電装置を備える電源システムにおいては、充放電制御の際に蓄電装置と当該電源システムに接続される負荷装置との間の直流電圧を調整するために、昇降圧コンバータが備えられる場合がある。このコンバータは、たとえば電力用半導体スイッチング素子(以下、単に「スイッチング素子」とも称する。)を有するチョッパ回路を含んで構成される。
このように、スイッチング素子を含むコンバータでは、その電力変換動作をする際の各スイッチング素子のオン・オフ動作に伴う電力損失(以下、「スイッチング損失」とも称する。)が発生する。上記のような、複数の蓄電装置を有する電源システムでは、各コンバータでスイッチング損失が発生することにより、システム全体の効率低下が懸念される。特に、入出力電力が小さい軽負荷時においては、このスイッチング損失による効率の低下が顕著になる。
このような軽負荷時において、コンバータによる昇圧・降圧動作が不要であるような場合は、複数のコンバータのうちの、1つのコンバータに含まれるチョッパ回路のスイッチング素子の一方(上アーム)をオン状態に、そして他方(下アーム)をオフ状態に固定し、残りのコンバータについては動作を停止するような充放電をすることで、スイッチング損失を減少させる動作モード(以下、「上アームオン固定モード」とも称する。)が可能である。
ただし、このような上アームオン固定モード中は、充放電状態については制御されないので、上アームオン固定モードを適切に終了させなければ、蓄電装置に過充電・過放電が発生するおそれがある。
たとえば、蓄電装置の残存容量(以下、「SOC(State of Charge)」とも称する。)の推定値(絶対値)に基づいて、上アームオン固定モードを終了させて通常のスイッチング動作に移行する手法が考えられる。しかし、一般的に蓄電装置のSOC推定には誤差が生じるので、SOC推定値に過度に依存して上アームオン固定モードの終了を判定すると、当該モードを不適切に継続することによって蓄電装置の過充電・過放電が発生する可能性がある。
この発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、複数組の蓄電装置および電力変換装置を備える電源システムにおいて、蓄電装置の過充電または過放電を確実に防止した上で、効率改善のための上アームオン固定モードを導入することである。
本発明による電源システムは、負荷装置と双方向に電力の授受が可能な電源システムであって、複数の蓄電装置と、複数の電力変換装置と、制御装置と、各蓄電装置に対応して設けられ、各蓄電装置に入出力される電流を検出するための電流検出器とを備えている。電力変換装置は、負荷装置と接続される電力線と複数の蓄電装置との間にそれぞれ接続され、各々が、複数の蓄電装置のうちの対応する蓄電装置と電力線との間で双方向に直流電力変換を行う。また、制御装置は複数の電力変換装置の動作を制御する。そして、各電力変換装置は、対応する蓄電装置および電力線の間に挿入接続される電力用半導体スイッチング素子と、蓄電装置から電力線に向かう方向を順方向として、電力用半導体スイッチング素子と並列に接続される整流素子とを含んでいる。また、制御装置は、所定条件の成立に応答して開始される、複数の電力変換装置のうちの、1つの電力変換装置において電力用半導体スイッチング素子をオン固定するとともに、残余の電力変換装置の動作を停止する所定動作モードの終了を判定するための判定部と、電力用半導体スイッチング素子をオン固定した1つの電力変換装置に対応する蓄電装置に入出力される電流を、所定動作モードの開始時から積分した電流積分値を検出する検出部とを含んでいる。そして、この判定部は、電流積分値に基づいて本所定動作モードを終了する。
上記の電源システムによれば、複数組の蓄電装置および電力変換装置を備える電源システムにおいて、所定動作モード(上アームオン固定モード)中における蓄電装置の入出力される電流の電流積分値に基づいて、上アームオン固定モードを終了することが可能となる。この結果、複数の電力変換装置全体でのスイッチング損失減少による効率改善効果が高い一方で、充放電状態を制御できない上アームオン固定モードについて、簡便な判定に基づいて適切に終了させることができる。すなわち、効率改善のための上アームオン固定モードを、蓄電装置の過充電または過放電を確実に防止した上で導入することができる。
また、好ましくは、制御装置は、各蓄電装置の状態に基づいて、各蓄電装置の残存容量推定値を算出する推定部をさらに備えている。そして、判定部において、検出部による電流積分値と推定部による残存容量推定値との両方に基づいて、本所定動作モードを終了する。
このような構成とすることで、電流積分値と蓄電装置の残存容量推定値(SOC推定値)との両方に基づいて、上アームオン固定モードの終了判定をすることができる。この結果、電流積分値に加えてSOC推定値も考慮して上アームオン固定モードの終了判定ができるので、さらなる効率改善および蓄電装置の過充電・過放電の確実な防止が可能となる。
また、好ましくは、判定部は、電流積分値と所定の基準値との比較に基づいて所定動作モードを終了させるとともに、所定動作モード開始時における残存容量推定値に応じて基準値を可変とする。
このような構成とすることで、電流積分値と所定の基準値とを比較するという簡便な判定手法によって、上アームオン固定モードの終了判定が可能となる。また、上アームオン固定モード開始時のSOC推定値に応じて、この基準値を可変とすることができる。一般的にSOCの値が小さい(すなわち、完全放電状態に近い)場合、またはSOCの値が大きい(すなわち、満充電状態に近い)場合は、SOC推定値は比較的誤差が少なく信頼性も高くなる。そのため、このようにSOC推定値に応じて電流基準値を可変とすることで、SOC推定値の信頼性が比較的高くなる領域では、電流基準値に余裕を持たせて上アームオン固定モードを継続することで、スイッチング損失を低減することが可能となる。
あるいは好ましくは、判定部は、電力用半導体スイッチング素子をオン固定した1つの電力変換装置に対応する蓄電装置の充電時には、前記残存容量推定値が、残存容量推定値の信頼性が相対的に低下する残存容量領域に対応して予め定義される第1の領域のときには、電流積分値に基づいて所定動作モードを終了させる一方で、残存容量推定値が前記第1の領域より小さいときには、所定動作モードを継続させる。
このような構成とすることで、蓄電装置が充電時には、SOC推定値が、SOCの信頼性が相対的に低下する所定の第1の領域においては、充放電電流の積分値を用いて上アームオン固定モードの終了判定を行う一方で、SOC推定値が第1の領域より小さいときには、上アームオン固定モードを継続させることが可能となる。この結果、充電時において、SOC推定値の信頼性が低い領域を含んだ第1の領域においては、過充電の防止を優先しつつ、SOC推定値の信頼性が比較的高くかつ充電電力に十分余裕があるような領域においては、スイッチング損失の低減を優先することが可能となる。
また好ましくは、判定部は、電力用半導体スイッチング素子をオン固定した1つの電力変換装置に対応する蓄電装置の放電時には、前記残存容量推定値が、残存容量推定値の信頼性が相対的に低下する残存容量領域に対応して予め定義される第2の領域のときには、電流積分値に基づいて所定動作モードを終了させる一方で、残存容量推定値が前記第2の領域より大きいときには、所定動作モードを継続させる。
このような構成とすることで、蓄電装置が放電時には、SOC推定値が、SOCの信頼性が相対的に低下する所定の第2の領域においては、充放電電流の積分値を用いて上アームオン固定モードの終了判定を行う一方で、SOC推定値が第2の領域より大きいときには、上アームオン固定モードを継続させることが可能となる。この結果、放電時において、SOC推定値の信頼性が低い領域を含んだ第2の領域においては、過充電の防止を優先しつつ、SOC推定値の信頼性が比較的高くかつ放電電力に十分余裕があるような領域においては、スイッチング損失の低減を優先することが可能となる。
好ましくは、判定部は、電力用半導体スイッチング素子をオン固定した1つの電力変換装置に対応する蓄電装置の充電時には、残存容量推定値が、蓄電装置の充電限界として設定される所定の第3の残存容量基準値よりも上昇したときには、電流積分値にかかわらず所定動作モードを終了する。
このような構成とすることで、充電時には、SOC推定値が蓄電装置の充電限界として設定される所定の管理上限値を超えるような場合には、上アームオン固定モードの終了を行うことができるので、蓄電装置の過充電をより確実に防止することができる。
また好ましくは、判定部は、電力用半導体スイッチング素子をオン固定した1つの電力変換装置に対応する蓄電装置の放電時には、残存容量推定値が、蓄電装置の放電限界として設定される所定の第4の残存容量基準値より低下したときには、電流積分値にかかわらず所定動作モードを終了する。
このような構成とすることで、放電時には、SOC推定値が蓄電装置の放電限界として設定される所定の管理下限値を超えるような場合には、上アームオン固定モードの終了を行うことができるので、蓄電装置の過放電をより確実に防止することができる。
また好ましくは、電源システムは、負荷装置に入出力される電力の電圧を検出する電圧検出器をさらに備えており、判定部は、電圧検出器によって検出された電圧の所定時間あたりの変化量が所定の電圧変化量基準値を超過した時は、電流積分値にかかわらず所定動作モードを終了する。
このような構成にすることで、充放電電圧の急激な変化が発生した場合に、その電圧の変化量に基づいて上アームオン固定モードの終了を行うことができるので、蓄電装置の過充電・過放電をより確実に防止することができる。
また好ましくは、電動車両は、負荷装置と上記の電源システムとを備えており、この負荷装置は駆動力を発生するように構成された回転電機と、電力線および回転電機の間に接続され、電力線と回転電機との間で双方向に電力変換を行なうように構成されたインバータ装置とを含んでいる。
このような構成とすることで、上記のような電源システムを搭載した電動車両において、たとえば緩い勾配の登坂路または降坂路が継続するような場合、すなわち少量の充放電電力が継続的に入出力される場合に、蓄電装置の過充電または過放電を確実に防止した上で、上アームオン固定モードを導入して電力変換装置の効率を改善することができる。
この発明によれば、複数組の蓄電装置および電力変換装置を備える電源システムにおいて、蓄電装置の過充電または過放電を確実に防止した上で、効率改善のための上アームオン固定モードを導入することが可能となる。
以下において、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態に従う、電動車両100の全体ブロック図である。なお、電動車両100は、充電可能な蓄電装置からの電力によって走行可能であれば、その構成は特に限定されるものではない。電動車両100には、たとえばハイブリッド自動車,電気自動車および燃料電池自動車などが含まれる。
図1は、この発明の実施の形態に従う、電動車両100の全体ブロック図である。なお、電動車両100は、充電可能な蓄電装置からの電力によって走行可能であれば、その構成は特に限定されるものではない。電動車両100には、たとえばハイブリッド自動車,電気自動車および燃料電池自動車などが含まれる。
図1を参照して、電動車両100は、電源システム80と負荷装置90とを備える。
負荷装置90は、インバータ20−1,20−2と、モータジェネレータMG1,MG2と、エンジン2と、動力分割機構4と、車輪6とを含む。図1においては、電動車両100としてエンジン2を備えたハイブリッド車両を例として説明するが、電気自動車および燃料電池自動車の場合には、このエンジン2の配置は省略される。
負荷装置90は、インバータ20−1,20−2と、モータジェネレータMG1,MG2と、エンジン2と、動力分割機構4と、車輪6とを含む。図1においては、電動車両100としてエンジン2を備えたハイブリッド車両を例として説明するが、電気自動車および燃料電池自動車の場合には、このエンジン2の配置は省略される。
インバータ20−1,20−2は、主正母線MPLおよび主負母線MNLに互いに並列して接続される。そして、インバータ20−1,20−2は、ECU30からの駆動信号PWI1,PWI2に基づいて、主正母線MPLおよび主負母線MNLから供給される駆動電力(直流電力)を交流電力に変換してそれぞれモータジェネレータMG1,MG2へ出力する。また、インバータ20−1,20−2は、それぞれモータジェネレータMG1,MG2が発電する交流電力を直流電力に変換して回生電力として主正母線MPLおよび主負母線MNLへ出力する。
モータジェネレータMG1,MG2は、それぞれインバータ20−1,20−2から供給される交流電力を受けて回転駆動力を発生する。また、モータジェネレータMG1,MG2は、外部から回転力を受けて交流電力を発生する。モータジェネレータMG1,MG2は、たとえば、永久磁石が埋設されたロータとY結線された三相コイルを有するステータとを備える三相交流回転電機から成る。そして、モータジェネレータMG1,MG2は、動力分割機構4と連結され、動力分割機構4にさらに連結される駆動軸を介して回転駆動力が車輪6へ伝達される。
また、モータジェネレータMG1,MG2は、動力分割機構4を介してエンジン2にも連結される。そして、ECU30によって、エンジン2の発生する駆動力とモータジェネレータMG1,MG2の発生する駆動力とが最適な比率となるように制御が実行される。また、モータジェネレータMG1,MG2のいずれか一方を専ら電動機として機能させ、他方のモータジェネレータを専ら発電機として機能させてもよい。
電源システム80は、蓄電装置15−1,15−2と、コンバータ10−1,10−2と、ECU30と、電圧センサ40−1,40−2,46と、電流センサ50−1,50−2と、温度センサ60−1,60−2と、平滑コンデンサCとを含む。
蓄電装置15−1,15−2は、充放電可能に構成された電力貯蔵要素である。蓄電装置15−1,15−2は、たとえば、リチウムイオン電池あるいはニッケル水素電池などの二次電池、電気二重層キャパシタなどの蓄電素子により構成される。蓄電装置15−1は、正極線PL1および負極線NL1によってコンバータ10−1に接続され、蓄電装置15−2は、正極線PL2および負極線NL2によってコンバータ10−2に接続される。
コンバータ10−1,10−2は、互いに並列に主正母線MPLおよび主負母線MNLに接続される。コンバータ10−1は、ECU30からの駆動信号PWC1,UA1,SD1に基づいて、蓄電装置15−1と主正母線MPLおよび主負母線MNLとの間で電力変換を行なう。コンバータ10−2は、ECU30からの駆動信号PWC2,UA2,SD2に基づいて、蓄電装置15−2と主正母線MPLおよび主負母線MNLとの間で電力変換を行なう。
電流センサ50−1,50−2は、蓄電装置15−1に対して入出力される電流Ib1、蓄電装置15−2に対して入出力される電流Ib2をそれぞれ検出し、その検出値をECU30へ出力する。なお、各電流センサ50−1,50−2は、対応の蓄電装置から出力される電流(放電電流)を正値として検出し、対応の蓄電装置に入力される電流(充電電流)を負値として検出するものとする。なお、この図1では、各電流センサ50−1,50−2が正極線の電流を検出する場合が示されているが、各電流センサ50−1,50−2は負極線の電流を検出してもよい。
電圧センサ40−1,40−2は、蓄電装置15−1の電圧Vb1、蓄電装置15−2の電圧Vb2をそれぞれ検出し、その検出値をECU30へ出力する。また、温度センサ60−1,60−2は、蓄電装置15−1の温度T1、蓄電装置15−2の温度T2をそれぞれ検出し、その検出値をECU30へ出力する。
平滑コンデンサCは、主正母線MPLと主負母線MNLとの間に接続され、主正母線MPLおよび主負母線MNLに含まれる電圧変動成分を低減する。電圧センサ46は、主正母線MPLと主負母線MNLとの間の電圧VHを検出し、その検出値をECU30へ出力する。
ECU30は、コンバータ10−1を制御するための信号PWC1,SD1,UA1を生成し、負荷装置の状態に応じて選択されたいずれかの信号をコンバータ10−1へ出力する。また、ECU30は、コンバータ10−2を制御するための信号PWC2,SD2,UA2を生成し、いずれかの信号をコンバータ10−2へ出力する。
また、ECU30は、負荷装置の駆動のために電源システムに対して要求されるパワー(以下では「要求パワー」とも称する。)PRの入力を受ける。たとえば、要求パワーPRは、アクセルペダルの開度や車両速度などに基づいて、電動車両100の全体を統合制御する車両ECU(図示せず)によって演算される。
さらに、ECU30は、インバータ20−1,20−2をそれぞれ駆動するための信号PWI1,PWI2を生成し、その生成した信号PWI1,PWI2をそれぞれインバータ20−1,20−2へ出力する。
なお、ECU30は、いずれも図示しないが、CPU(Central Processing Unit)と、記憶装置と、入出力バッファとを含み、各センサの入力や各機器への制御指令の出力を行い、電動車両100および各機器の制御を行なう。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、一部を専用のハードウエア(電子回路)で構築して処理することも可能である。
図2は、図1に示したコンバータ10−1,10−2の構成を示す図である。
図2を参照して、コンバータ10−1は、電力用半導体スイッチング素子Q1A,Q1Bと、ダイオードD1A,D1Bと、リアクトルL1と、平滑コンデンサC1とを含む。
図2を参照して、コンバータ10−1は、電力用半導体スイッチング素子Q1A,Q1Bと、ダイオードD1A,D1Bと、リアクトルL1と、平滑コンデンサC1とを含む。
本実施の形態において、スイッチング素子としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が適用されるものとするが、制御信号によってオン・オフを制御可能であれば任意のスイッチング素子を適用可能である。たとえば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)やバイポーラトランジスタ等についても用いることができる。
スイッチング素子Q1A,Q1Bは主正母線MPLに接続された正母線LN1Aと主負母線MNLに接続された負母線LN1Cの間に直列に接続され、ECU30からのPWC1,SD1,UA1の信号に従って、図示しないドライバー回路を介してオン・オフの動作を行う。また、ダイオードD1A,D1Bは、それぞれスイッチング素子Q1A,Q1Bに逆並列に接続される。リアクトルL1の一方端は、スイッチング素子Q1A,Q1Bの接続ノードに接続され、他方端は正極線PL1に接続された正極線LN1Bに接続される。平滑コンデンサC1は、正極線LN1Bと負極線NL1に接続された負母線LN1Cとの間に接続され、正極線LN1Bおよび負母線LN1C間の直流電圧に含まれる交流成分を低減する。
コンバータ10−1はチョッパ回路11−1からなる。コンバータ10−1は、基本的には、各スイッチング周期内でECU30からの信号PWC1に従って、スイッチング素子Q1AおよびQ1Bが相補的かつ交互にオン・オフするように制御される。コンバータ10−1は、昇圧動作時には、蓄電装置15−1から供給された直流電圧Vb1を直流電圧VH(インバータ20−1,20−2への入力電圧に相当するこの直流電圧を、以下「システム電圧」とも称する)に昇圧する。この昇圧動作は、スイッチング素子Q1Aのオン期間にリアクトルL1に蓄積された電磁エネルギを、スイッチング素子Q1Bおよび逆並列ダイオードD1Bを介して、正母線LN1Aへ供給することにより行なわれる。
また、コンバータ10−1は、降圧動作時には、直流電圧VHを直流電圧Vb1に降圧する。この降圧動作は、スイッチング素子Q1Bのオン期間にリアクトルL1に蓄積された電磁エネルギを、スイッチング素子Q1Aおよび逆並列ダイオードD1Aを介して、負母線LN1Cへ供給することにより行なわれる。これらの昇圧動作および降圧動作における電圧変換比(VHおよびVb1の比)は、上記スイッチング周期におけるスイッチング素子Q1A,Q1Bのオン期間比(デューティ比)により制御される。なお、スイッチング素子Q1AおよびQ1Bをオフおよびオンにそれぞれ固定すれば、VH=Vb1(電圧変換比=1.0)とすることもできる。
さらに、コンバータ10−1は、ECU30からの信号UA1に従って、上アームのスイッチング素子Q1Bがオンに固定されるとともに、下アームのスイッチング素子Q1Aがオフに固定される。このような動作によって、スイッチング損失を低減しつつ蓄電装置15−1からの充放電電力の入出力が可能となる。
また、コンバータ10−1は、ECU30からの信号SD1に従って、上下アームのスイッチング素子Q1BおよびQ1Aの両方がオフに固定される。これにより、蓄電装置15−1からの充放電電力の入出力を停止することができる。
コンバータ10−2は、コンバータ10−1と同様の構成を有する。コンバータ10−1において、スイッチング素子Q1A,Q1Bをスイッチング素子Q2A,Q2Bにそれぞれ置き換え、ダイオードD1A,D1BをそれぞれダイオードD2A,D2Bに置き換え、リアクトルL1をリアクトルL2に置き換え、平滑コンデンサC1を平滑コンデンサC2に置き換え、正母線LN1A,負母線LN1C,正極線LN1Bをそれぞれ正母線LN2A,負母線LN2C,正極線LN2Bに置き換え、正極線PL1,負極線NL1をそれぞれ正極線PL2,負極線NL2に置き換え、チョッパ回路11−1をチョッパ回路11−2に置き換えた構成が、コンバータ10−2の構成となる。
図3は、図1に示したECU30の制御ブロック図である。図3を参照して、ECU30は、コンバータ制御部200とインバータ制御部110を含む。
コンバータ制御部200は、電圧センサ40−1で検出された電圧Vb1、電圧センサ46で検出された電圧VH、および電流センサ50−1で検出された電流Ib1を受け、これらに基づいてコンバータ10−1のスイッチング素子Q1A,Q1Bをオン・オフさせるPWM(Pulse Width Modulation)信号PWC1を生成する。また、コンバータ10−1を停止するためのシャットダウン信号SD1および、スイッチング素子Q1A,Q1Bをオフおよびオンにそれぞれ固定する上アームオン信号UA1を生成する。
そして、コンバータ制御部200は、負荷装置の状態に応じて選択される動作モードに従って、PWM信号PWC1、シャットダウン信号SD1および上アームオン信号UA1のうちの1つを選択的にコンバータ10−1へ出力する。
コンバータ制御部200は、同様に、電圧センサ40−2で検出された電圧Vb2、電圧センサ46で検出された電圧VH、および電流センサ50−2で検出された電流Ib1を受け、これらに基づいてコンバータ10−2のスイッチング素子Q2A,Q2Bをオン・オフさせるPWM信号PWC2を生成する。また、コンバータ10−2を停止するためのシャットダウン信号SD2および、スイッチング素子Q2A,Q2Bをオンおよびオフにそれぞれ固定する上アームオン信号UA2を生成する。
そして、コンバータ制御部200は、負荷装置の状態に応じて選択される動作モードに従って、PWM信号PWC2、シャットダウン信号SD2および上アームオン信号UA2のうちの1つを選択的にコンバータ10−2へ出力する。
インバータ制御部110は、モータジェネレータMG1,MG2のトルク指令値TR1,TR2、モータ電流MCRT1,MCRT2およびロータ回転角θ1,θ2、ならびに電圧VHに基づいて、インバータ20−1,20−2に含まれる電力用半導体スイッチング素子をオン/オフするためのPWM信号PWI1,PWM2を生成し、その生成したPWI1,PWM2をインバータ20−1,20−2へ出力する。
なお、トルク指令値TR1,TR2は、たとえば、アクセル開度やブレーキ踏込量、車両速度などに基づいて、図示されない車両ECUによって算出される。また、モータ電流MCRT1,MCRT2およびロータ回転角θ1,θ2の各々は、図示されないセンサによって検出される。
次に、図4を用いて、図3で示したコンバータ制御部200におけるコンバータ10−1,10−2の制御を説明する。図4は、コンバータ10−1,10−2の電圧/電流制御を説明する機能ブロック図である。
図4を参照して、コンバータ制御部200(図3)は、目標値設定部210と、電圧制御部215−1と、電流制御部215−2とを含む。図4の例では、通常制御時には、コンバータ10−1が電圧制御されて、システム電圧VHを目標電圧VRに制御する一方で、コンバータ10−2が電流制御されて、対応の蓄電装置15−2の充放電電流を目標電流IRに制御するものとする。
目標値設定部210は、モータジェネレータMG1,MG2のトルク(代表的には、トルク指令値TR1,TR2)および回転速度MRN1,MRN2(指令値あるいは、回転角θ1,θ2の検出に基づく検出値)、ならびに蓄電装置15−1,15−2のSOC1,SOC2に基づいて、電圧制御されるコンバータの目標電圧VRおよび、電流制御されるコンバータの目標電流IRを生成する。
目標値設定部210は、モータジェネレータMG1および/またはMG2の力行動作時および回生制動時においては、モータジェネレータMG1,MG2のトルク指令値TR1,TR2および回転速度MRN1,MRN2に応じて、システム電圧VHが適切なレベルとなるように目標電圧VRを設定する。たとえば、目標電圧VRは予め設定されたマップによって設定される。なお、このマップは一般的にモータジェネレータMG1,MG2に対して個別のマップが設定されており、各々のマップによって設定された目標電圧の最大値をシステム全体の目標電圧VRとして設定する。また、目標電流IRは、蓄電装置15−1,15−2間のSOCが均衡するように考慮して設定されることが好ましい。
電圧制御部215−1は、減算部222−1,226−1と、PI制御部224−1と、変調部228−1とを含む。減算部222−1は、目標電圧VRからシステム電圧VHを減算し、その演算結果をPI制御部224−1へ出力する。PI制御部224−1は、目標電圧VRとシステム電圧VHとの偏差を入力として比例積分演算を行ない、その演算結果を減算部226−1へ出力する。
減算部226−1は、電圧Vb1/目標電圧VRで示されるコンバータ10−1の理論昇圧比の逆数からPI制御部224−1の出力を減算し、その演算結果をデューティ指令Ton1として変調部228−1へ出力する。変調部228−1は、デューティ指令Ton1と図示しない発振部により生成される搬送波(キャリア波)とに基づいてPWM信号PWC1を生成する。
電流制御部215−2は、減算部222−2,226−2と、PI制御部224−2と、変調部228−2とを含む。減算部222−2は、目標電流IRから電流Ib2を減算し、その演算結果をPI制御部224−2へ出力する。PI制御部224−2は、目標電流IRと電流Ib2との偏差を入力として比例積分演算を行ない、その演算結果を減算部226−2へ出力する。
減算部226−2は、Vb2/VRで示されるコンバータ10−2の理論昇圧比の逆数からPI制御部224−2の出力を減算し、その演算結果をデューティ指令Ton2として変調部228−2へ出力する。変調部228−2は、デューティ指令Ton2と図示されない発振部により生成される搬送波(キャリア波)とに基づいてPWM信号PWC2を生成する。
電圧制御部215−1は、目標電圧VRに対してシステム電圧VHが低い場合、および理論昇圧比の逆数(Vb1/VR)が低下した場合には、下アーム素子(Q1A)のオン期間比が上昇(または、上アーム素子(Q1B)のオフ期間比が上昇)するように、PWM信号PWC1を生成する。
一方、電流制御部215−2は、蓄電装置15−2からの出力電流Ib2が目標電流IRよりも低い場合、および理論昇圧比の逆数(Vb2/VR)が上昇した場合には、下アーム素子(Q2A)のオン期間比が上昇するようにPWM信号PWC2を生成する。
なお、電流制御部215−2は、蓄電装置15−2の充電時、すなわち目標電流IRが負値(IR<0)に設定される場合には、目標電流IRよりも電流Ib2(Ib2<0)が低いときに(|IR|<|Ib2|、すなわち充電電流過大時)、上アーム素子(Q2B)のオン期間比が低下するようにPWM信号PWC2を生成する。反対に、充電電流不足時(IR<Ib2、すなわち|IR|>|Ib2|のとき)には、上アーム素子(Q2B)のオン期間比が上昇するようにPWM信号PWC2が生成される。
図4に示した制御構成によって、上アーム素子Q1Bおよび/またはQ2Bならびに下アーム素子Q1Aおよび/またはQ2Aのスイッチング(オン・オフ)動作による、コンバータ10−1の電圧制御およびコンバータ10−2の電流制御によって、システム電圧VHおよび蓄電装置15−1,15−2の充放電バランスを制御することができる。
これにより、本実施の形態の電源システムでは、力行動作時には、蓄電装置15−1,15−2から放電された電力を、負荷装置の入力電圧としてのシステム電圧VHに変換して、電源配線(主正母線MPL)に出力するように電力変換動作が実行される。一方、回生制動動作時には、電源配線(主正母線MPL)上の充電電力により、蓄電装置15−1,15−2を充電するように電力変換動作が実行される。
なお、図4では、コンバータ10−1によって電圧制御が実行される一方で、コンバータ10−2によって電流制御が実行される構成例が示されるが、電圧制御および電流制御をいずれのコンバータで実行するかについては切換可能である。たとえば、蓄電装置15−1,15−2のSOC等に応じて、電圧制御/電流制御を行なうコンバータを切換えることが可能である。
図5は、図3に示したコンバータ制御部200によるコンバータ10−1,10−2の動作モード制御の構成を説明する機能ブロック図である。
図5を参照して、コンバータ制御部200(図3)は、コンバータ10−1を制御するための電圧/電流制御部220−1と、上アームON指示部230−1と、シャットダウン指示部235−1と、指示選択部240−1とを含む。
さらに、コンバータ制御部200は、コンバータ10−2を制御するための電圧/電流制御部220−2と、上アームON指示部230−2と、シャットダウン指示部235−2と、指示選択部240−2と、蓄電装置15−1,15−2のSOCを推定するSOC推定部270と、判定部250と、モード選択部260と、検出部280とを含む。
電圧/電流制御部220−1は、たとえば、図4に示した電圧制御部215−1および電流制御部215−2の一方によって構成され、目標電圧VRに従った電圧制御または目標電流IRに従った電流制御のためのPWM信号PWC1を発生する。上アームON指示部230−1は、コンバータ10−1を上アームオン固定するための上アームオン信号UA1を発生する。
シャットダウン指示部235−1は、コンバータ10−1の動作を停止するためのシャットダウン信号SD1を出力する。
指示選択部240−1は、モード選択部260からのモード制御信号MS1に従って、PWM信号PWC1、上アームオン信号UA1およびシャットダウン信号SD1のうちの1つをコンバータ10−1へ出力する。
同様に、電圧/電流制御部220−2は、たとえば、図4に示した電圧制御部215−1および電流制御部215−2の一方によって構成され、目標電圧VRに従った電圧制御または目標電流IRに従った電流制御のためのPWM信号PWC2を発生する。上アームON指示部230−2は、コンバータ10−2を上アームオン固定するための上アームオン信号UA2を発生する。
シャットダウン指示部235−2は、コンバータ10−2の動作を停止するためのシャットダウン信号SD2を出力する。
指示選択部240−2は、モード選択部260からのモード制御信号MS2に従って、PWM信号PWC2、上アームオン信号UA2およびシャットダウン信号SD2のうちの1つをコンバータ10−2へ出力する。
SOC推定部270は、電圧センサ40−1,40−2で検出された電圧Vb1,Vb2、電流センサ50−1,50−2で検出されたIb1,Ib2、温度センサ60−1,60−2で検出された温度T1,T2などに基づいて、各蓄電装置15−1,15−2のSOC1,SOC2を算出し、判定部250に出力する。このSOCは、たとえば蓄電装置が満充電状態であるときに100%であると定義され、蓄電装置が完全に放電した状態であるときに0%であると定義される。SOC1(SOC2)は、電圧Vb1(Vb2)や電流Ib1(またはIb2)、温度T1(またはT2)などを用いて、種々の公知の手法により算出することができる。
モード選択部260は、負荷装置(インバータ20−1,20−2およびモータジェネレータMG1,MG2)の駆動のために電源システムに対して要求される要求パワーPRと、目標値設定部210によって設定された目標電圧VRとに基づいて、コンバータ10−1,10−2の動作モードを選択する。具体的には、モード選択部260は、コンバータ10−1,10−2の一方を電圧制御とし他方を電流制御とする「電圧/電流制御モード」、もしくは一方のコンバータの上アームスイッチング素子をオン固定に設定する一方で他方のコンバータの動作を停止させる「上アームオン固定モード」のいずれかを選択する。なお、この上アームオン固定モードについては、基本的には、1つの蓄電装置で充放電をまかなうことができ、かつ昇圧・降圧が不要であるような範囲内の任意の条件で選択される。
より詳細には、モード選択部260は、「電圧/電流制御モード」選択時には、PWC1、PWC2を選択してインバータ20−1,20−2に出力するように、指示選択部240−1,240−2に対してモード制御信号MS1,MS2を出力する。また、モード選択部260は、「上アームオン固定モード」選択時には、電圧Vb1,2およびSOC1,2などの蓄電装置15−1,15−2の状態に基づいて、上アームオン固定とするコンバータを選択する。そして、モード選択部260は、上アームオン固定と選択されたコンバータ側の指示選択部に対しては、上アームオン信号UA(UA1,UA2を総括的に表記するもの)が選択されるようにモード制御信号を設定する。一方、他方のコンバータ側の指示選択部に対してはシャットダウン信号SD(SD1,SD2を総括的に表記するもの)が選択されるようにモード制御信号を設定する。
また、モード選択部260は、上アームオン固定モード選択中に、判定部250から入力される上アームオン終了信号CSTPがオンされた場合は、上アームオン固定モードを終了し「電圧/電流制御モード」を選択するように、モード制御信号MS1,MS2を設定する。
検出部280は、電流センサ50−1,50−2で検出されたIb1,Ib2と、モード選択部260からのモード制御信号MS1,2との入力を受ける。そして、検出部280は、モード制御信号MS1,2のいずれかが、上アームオン固定モードである場合に、
上アームオン固定モードとなっているコンバータに対応する蓄電装置に入出力される電流の、上アームオン固定モード開始時からの電流積分値ΣIbを検出する。そして、その電流積分値ΣIbを判定部250に出力する。
上アームオン固定モードとなっているコンバータに対応する蓄電装置に入出力される電流の、上アームオン固定モード開始時からの電流積分値ΣIbを検出する。そして、その電流積分値ΣIbを判定部250に出力する。
より詳細には、所定時間における上記電流積分値ΣIbを検出することによって、検出部280は、蓄電装置から入出力された充放電量を算出することができる。そして、この算出された充放電量と蓄電装置の定格容量とから、SOCの変化量を算出することが可能となる。また、上アームオン固定モードの場合は、充放電を行っているときの電圧がほぼ一定であるので、検出した電流積分値ΣIbと充放電中の蓄電装置の電圧Vbとによって、充放電電力を算出することも可能である。すなわち、上記で検出された電流積分値ΣIbは、充放電実動作中における蓄電装置のSOCの変化量および充放電電力を反映するものと考えることもできる。したがって、本実施の形態では電流積分値ΣIbに基づいて上アームオン固定モードの終了判定を行っているが、これは電流Ibに基づいてSOC推定を行っている場合のSOCの変化量に基づいて判定を行うこと、および実際の充放電電力に基づいて判定を行うことを含む概念であるといえる。そのため、電流積分値ΣIbに基づいて上アームオン固定モードの終了判定を行うことにより、SOC推定値(絶対値)を用いる場合と比較して、より正確かつ簡便に上アームオン固定モードを終了することが可能となるので、蓄電装置の過充電または過放電を確実に防止した上で、上アームオン固定モードを導入することが可能となる。
判定部250は、SOC推定部270で推定されたSOC1,2、電圧センサ46で検出された電圧VH、検出部280で検出された電流積分値ΣIb、およびモード選択部260からのモード制御信号MS1,2の入力を受ける。そして、判定部250は、モード制御信号MS1,2のいずれかが、上アームオン固定モードである場合に、上記入力される信号の状態に基づいて上アームオン固定モードを終了するか否かを判定する。そして、判定部250は、上アームオン終了信号CSTPをモード選択部260に出力する。この、上アームオン終了信号CSTPは、上記の判定において、上アームオン固定モードを終了する場合にオンされる。
図6には、蓄電装置のSOCと電圧との関係の例が示される。図中のW1がSOCと電圧の関係を表す曲線の例である。蓄電装置に含まれる電池の種類によっては、図6に示すように、SOCの中間部(図中の領域A2)において、SOCの変化に対して電圧の変化が小さくなってしまうことがある。そのため、蓄電装置の出力電圧Vb(Vb1,Vb2を総括的に表記するもの)や温度T(T1,T2を総括的に表記するもの)などに基づいてSOCを推定した場合、たとえば実際には図中のb2の状態であったときであっても、検出誤差などによって、図中のb1の状態と推定する可能性がある。このような場合は、蓄電装置への充電を行う際に、実際には蓄電装置のSOCが大きいにも関らず、実際よりもSOCを小さい(充電電力に余裕がある)と推定してしまうこととなる。そのため、SOC推定値のみに過度に依存して上アームオン固定モードの終了を判定してしまうと、実際に可能な充電電力以上の電力が入力されて過充電となってしまうおそれがある。
そのために、本実施の形態1においては、図5の説明にて述べたように、上アームオン固定モードの終了判定として、電流積分値ΣIbを制限することによって、蓄電装置に対する過大な充放電電力を抑制する。これによって、上アームオン固定モード時の過充電・過放電を防止することが可能となる。
図7は、図5の機能ブロック図で示した上アームオン固定モードの終了判定制御処理を詳細に説明するフローチャートである。図7を始めとして、以降に示すフローチャート中の各ステップについては、ECU30に予め格納されたプログラムを所定周期で実行することによって実現される。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。
なお、図7においては、蓄電装置を充電する場合について説明する。また、本フローチャートは、各コンバータに対応して個別に適用されるが、図7ではコンバータ10−1に対して適用した場合について説明する。
図7を参照して、ECU30は、まずステップ(以下、ステップをSと略す。)400において、蓄電装置15−1の電流Ib1、電圧Vb1、および温度T1、システム電圧VH、要求パワーPR等の各データを取得するとともに、取得したデータに基づいてSOC1を推定する。
次に、ECU30は、S410にて判定に必要となる、SOCの上下限値および電流積分基準値などの基準値を設定する。なお、上記電流積分基準値は、所定の固定値と設定してもよいし、該当の蓄電装置の上アームオン固定開始時のSOC推定値によって可変にするように設定してもよい。たとえば、SOC推定値が増加するにしたがって、徐々に電流積分基準値が変化するように設定してもよいし、SOC推定値が大きい領域、中程度の領域、小さい領域のように区分して、各区分ごとに電流積分基準値を設定することとしてもよい。このようにすることで、充電時であれば、SOC推定値が小さい場合は、たとえSOC推定値に多少の誤差があった場合でも、過充電となるまでには充電電力に十分余裕があるので、電流積分基準値を大きく設定して上アームオン固定を実施する期間を可能な限り長くすることで、スイッチング損失の低減を優先することができる。
そして、次に、ECU30は、S420において、上アームオン固定モード選択中であるか否かを判定する。
上アームオン固定モードでない場合(S420にてNO)、すなわち「電圧/電流制御モード」である場合には、S500に制御が移され、ECU30は、引き続き「電圧/電流制御モード」を選択する。そして、S490にてコンバータ10−1にPWM信号PWC1を出力する。
一方、上アームオン固定モードである場合(S420にてYES)は、次にECU30は、蓄電装置15−1,15−2の状態に基づいて、当該コンバータが上アームオン固定対象のコンバータか否かを判定する(S430)。具体的には、SOC1および2、または電圧Vb1およびVb2の比較に基づいて判定が行われる。
上アームオン固定対象のコンバータではない場合(S430にてNO)は、処理がS510に移され、ECU30は、当該コンバータのスイッチング動作を停止するように選択する。そして、ECU30は、S490にて、当該コンバータにシャットダウン信号SD1を出力する。
また、当該コンバータが上アームオン固定対象のコンバータである場合(S430にてYES)は、次にS440にて、蓄電装置の充電状態、車両の走行状態および負荷装置の状態に基づいて、上アームオン固定の開始条件が成立しているか否かが判定される。
そして、上アームオン固定の開始条件が不成立の場合(S440にてNO)は、ECU30は上アームオン固定モードを終了し、S500に処理が移されて「電圧/電流制御モード」が選択される。そして、ECU30は、S490にてコンバータ10−1にPWM信号PWC1を出力する。
一方、上アームオン固定の開始条件が成立している場合(S440にてYES)は、次にS450に処理が移される。そして、S450では、S400で推定した上アームオン固定モードに選択されたコンバータに対応する蓄電装置のSOC推定値が、蓄電装置の充電可能な管理上限として設定されるSOC上限値を超過しているか否かが判定される。
SOC推定値が上記のSOC上限値を超過している場合(S450にてNO)は、たとえSOC推定値に多少の誤差があって実際よりも過大に推定していたとしても、それ以上の充電によって過充電となる可能性が非常に高いといえる。そのため、このような場合には、過充電を防止を優先するために、S500に処理が移されて、直ちに上アームオン固定モードが終了されるとともに「電圧/電流制御モード」が選択される。そして、ECU30は、S490にてコンバータ10−1にPWM信号PWC1を出力する。
一方、S450にて、SOC推定値が上記のSOC上限値以下の場合(S450にてYES)は、次にS460に処理が移され、インバータ20−1,20−2からの回生電流、すなわち蓄電装置への充電電流の積分処理が行われる。これによって、上アームオン固定モードが開始されてからの、上アームオン固定モード中の電流積分値ΣIbを得ることができる。なお、本実施の形態においては、上述のように充電電流を負値として表す。
次に、ECU30は、S470にて、S460で処理した電流積分値ΣIbの絶対値がS410にて設定した電流積分基準値を超過するか否かを判定する。
電流積分値ΣIbの絶対値が電流積分基準値を超過する場合(S470にてNO)は、S500に処理が移されて、上アームオン固定モードが終了され「電圧/電流制御モード」が選択される。そして、S490にてコンバータ10−1にPWM信号PWC1を出力する。
一方、電流積分値ΣIbの絶対値が電流積分基準値以下の場合(S470にてYES)は、ECU30は、引き続き上アームオン固定モードを選択する(S480)。そして、コンバータ10−1の上アームのスイッチング素子Q1Bをオン固定とするとともに、下アームのスイッチング素子Q1Aをオフに固定するように、コンバータ10−1に対し上アームオン信号UA1を出力する(S490)。
このような構成とすることにより、複数組の蓄電装置および電力変換装置を備える電源システムにおいて、充電電流の積分値に基づいて、コンバータの上アームオン固定モードを終了することが可能となる。その結果、SOC推定値の精度に依存することなく、過充電となることを防止することができる。なお、上記で説明した図7のフローチャートにおいては、S450のステップがなくとも上述の効果を得ることができる。また、コンバータ10−2についても、上述の同様の処理が適用される。
なお、上記では蓄電装置を充電する場合について説明したが、蓄電装置から放電する場合についても同様の処理が可能である。この場合、電流の積分値については、回生電流ではなく蓄電装置からの放電電流の積分値によって判定を行うこととすればよい。また、S450におけるSOC推定値と制限値との比較については、SOC上限値に代えてSOC下限値と比較し、SOC推定値がSOC下限値より小さい場合に上アームオン固定モードを終了することとすればよい。また、充電時と放電時において、上記判定を行うための電流積分基準値は異なる値としてもよい。
また、一度上記のフローチャートの処理に従って上アームオン固定モードが終了されて「電圧/電流制御モード」が選択された場合であっても、その後再度上アームオン固定モードを選択可能な条件が整えば、その時点で上アームオン固定モードの選択を再開することができる。このとき、蓄電装置の状態(SOC,電圧など)によって、前回上アームオン固定としたコンバータと同じコンバータを再度選択してもよいし、前回シャットダウンしていた他方のコンバータを上アームオン固定に選択してもよい。
[実施の形態1の変形例]
上記の実施の形態1では、SOC推定値が蓄電装置のSOC上下限範囲内において、上アームオン条件が成立しているときには、常に電流積分値ΣIbにより上アームオン固定モードの終了判定を行う場合について説明した。
上記の実施の形態1では、SOC推定値が蓄電装置のSOC上下限範囲内において、上アームオン条件が成立しているときには、常に電流積分値ΣIbにより上アームオン固定モードの終了判定を行う場合について説明した。
実施の形態1の変形例では、SOC推定値がSOC上下限範囲内であっても、SOC推定値を考慮して、電流積分値ΣIbによる上アームオン固定モードの終了判定を省略する場合について説明する。
実施の形態1の場合、SOCが比較的小さい領域において、電流積分値ΣIbによる充放電電力によって上アームオン固定モードを終了すると、まだSOCに十分余裕がある場合であっても、通常の「電圧/電流制御モード」となってしまい、スイッチング損失低減効果が小さくなる場合がある。
図6に示したように、SOCが小さい領域(図6中の領域A1)やSOCが大きい領域(図6中の領域A3)では、SOCの変化に対する電圧の変化が大きいため、SOC推定値の信頼性が比較的高くなる一方で、図6中の領域A2ではSOC推定値の信頼性が相対的に低くなる。そのため、たとえば充電の場合には、SOCが小さい領域(A1)では、電流積分値ΣIbによる上アームオン固定モードの終了判定を行わず上アームオン固定を継続する一方で、SOC推定値が所定のSOC基準値(たとえば図6中のS1)以上となったときから、電流積分値ΣIbによる上アームオン固定モードの終了判定を行う手法をとることも可能である。これにより、SOC推定値の信頼性が比較的高い領域ではスイッチング損失の低減を優先しつつ、SOC推定値の信頼性が相対的に低い領域では過充電防止を優先することが可能となる。
図8に、本変形例における上アームオン固定モードの終了判定制御処理を説明するフローチャートである。図8は、実施の形態1で示した図7のフローチャートにS451が追加されたものとなっている。なお、図7と重複するステップについては説明は繰り返さない。
図8を参照して、S450にて、SOC推定値がSOC上限値以下の場合(S450にてYES)は、ECU30は、次にS451に処理を進め、SOC推定値が所定のSOC基準値より小さいか否かを判定する。ここで、この所定のSOC基準値は、たとえば図6におけるS1のように、SOC上限値より小さく、かつSOCの変化に対する電圧の変化が小さくなる領域、すなわちSOC推定値の信頼性が低くなる領域を区別できるような値に設定することが好ましい。
そして、SOC推定値が上記所定のSOC基準値より小さい場合(S451にてYES)、すなわちSOC推定値の信頼性が比較的高く、かつ蓄電装置の充電電力に余裕のある領域であるような場合は、ECU30は、S460およびS470の回生電流の積分処理と、その電流積分値ΣIbに基づく上アームオン固定モードの終了判定処理をスキップして、S480の処理に進んで上アームオン固定モードの継続を選択する。そして、該当コンバータの上アームのスイッチング素子をオン固定するとともに、下アームのスイッチング素子をオフに固定するように、該当のコンバータに対し上アームオン信号UAを出力する(S490)。
一方、SOC推定値が所定のSOC基準値以上の場合(S451にてNO)、すなわちSOC推定値の信頼性が低い領域または蓄電装置の充電電力にあまり余裕がない領域であるような場合は、実施の形態1と同様に、S460に処理が移されて、電流積分値ΣIbによる上アームオン固定モードの終了判定を行う。
このような構成とすることによって、SOC推定値の信頼性が比較的高く、かつ蓄電装置の充電電力(放電の場合は放電電力)に余裕のある領域においては、過充電(放電の場合は過放電)となる可能性が低いので、上アームオン固定モードを継続することでスイッチング損失の改善を優先するとともに、SOC推定値の信頼性が低い領域または充電電力(放電の場合は放電電力)にあまり余裕がない領域においては、電流積分値ΣIbによる上アームオン固定モードの終了判定を行うことにより、過充電(放電の場合は過放電)の防止を優先して行うことができる。
なお、本説明においても蓄電装置に充電する場合について説明したが、実施の形態1での説明と同様に、放電する場合についても適用可能である。すなわち、S451においては、SOC推定値が所定のSOC基準値以下の場合に、放電電流積分値ΣIbによる上アームオン固定モードの終了判定を行うように処理を実行すればよい。
上記の充電時における所定のSOC基準値以上の領域が、本発明における「第1の領域」に対応し、放電時における所定のSOC基準値以下の領域が、本発明における「第2の領域」に対応する。
[実施の形態2]
実施の形態2では、実施の形態1による判定に加えて、システム電圧VHの急激な変化が起こった場合に、上アームオン固定モードの終了判定をさらに行う場合について説明する。
実施の形態2では、実施の形態1による判定に加えて、システム電圧VHの急激な変化が起こった場合に、上アームオン固定モードの終了判定をさらに行う場合について説明する。
上アームオン固定モード選択時には、システム電圧VHと充電装置の電圧Vbがほぼ同じであって、コンバータによる昇圧および降圧動作が不要な状態であることが必要である。しかしながら、急ブレーキや急加速をしたような場合は、充電または放電の要求パワーが急変するために、システム電圧VHが急激に増減する。
このような場合、充電時には過大な回生パワーが短時間に蓄電装置に入力されることとなり、一方、放電時には過大な放電パワーが短時間に蓄電装置から出力されることになる。そのため、平滑コンデンサCによって吸収ができないような急激なシステム電圧VHの変動が発生した場合に、SOCの状態および電流積分値の状態によっては、上アームオン固定モードの終了判定が遅れてしまい、蓄電装置の過充電・過放電となってしまう可能性がある。
そのため、実施の形態2では、システム電圧VHの所定時間あたりの変化量を監視することによって、上アームオン固定モードの終了判定をさらに行うことで、急激な充電・放電パワーの変動があった場合に速やかに上アームオン固定モードを終了できるようにする。
図9は、実施の形態2における上アームオン固定モードの終了判定制御処理を説明するフローチャートである。図9は、実施の形態1で示した図7のフローチャートにS415が追加されたものとなっている。なお、図7と重複するステップについては説明は繰り返さない。また、本説明についても蓄電装置に充電する場合について説明するが、実施の形態1での説明と同様に、放電の場合についても適用可能である。また、本実施の形態2は実施の形態1の変形例についても同様に適用可能である。
図9を参照して、S410にて判定に必要な各基準値を設定後、ECU30は、S415にてシステム電圧VHの単位時間あたりの変化量を検出することによって、その変化量が所定の電圧変化量基準値(閾値)より小さいか否か、すなわち急激な電圧変動が発生しているか否かを判定する。
ここで、判定に用いるシステム電圧VHの変化量については、電圧センサ46の検出誤差に起因する変動の影響を少なくするように、たとえば制御周期のn回分(n:自然数)の移動平均値の変化量などを用いることが好ましい。
そして、システム電圧VHの変化量が所定の電圧変化量基準値以上の場合(S415にてNO)は、処理がS500に移され、上アームオン固定モードが終了されるとともに、「電圧/電流制御モード」が選択される。そして、ECU30は、S490にて該当コンバータに対しPWM信号を出力する。
一方、システム電圧VHの変化量が所定の電圧変化量基準値より小さい場合(S415にてYES)は、S420に処理が移され、実施の形態1と同様にS420以降の処理が実施される。
このような構成とすることによって、急激な充放電パワーの変化によってシステム電圧VHが急変した場合には、速やかに上アームオン固定モードを終了し、蓄電装置が過充電・過放電となることが防止できる。
なお、実施の形態1、変形例および実施の形態2においては、2つのコンバータとそれぞれに対応する蓄電装置を備えた電源システムについて説明したが、3つ以上のコンバータおよび蓄電装置を備えた電源システムについても適用可能である。この場合、上アームオン固定モード選択中には、上アームオン固定となるコンバータに対し1つの蓄電装置が対応する形態となるようにすれば、コンバータと蓄電装置が同数で1対1に接続される形態としてもよいし、ある1つのコンバータに複数の蓄電装置が接続されシステムリレー等によって切替る形態としてもよい。また、コンバータ、蓄電装置とも1つの電源システムについても、適用可能である。
なお、コンバータ10−1,10−2が本発明の「電力変換装置」に対応する。ECU30が本発明の「制御装置」に対応する。また、主正母線MPLおよび主負母線MPLが本発明による「電力線」に対応する。また、モータジェネレータMG1,MG2が本発明の「回転電機」に対応する。また、充電時のS450での判定に用いたSOC上限値が本発明の「第1の残存容量基準値」に対応し、放電時のS450での判定に用いたSOC下限値が本発明の「第2の残存容量基準値」に対応する。
なお、上述した機能ブロック図およびフローチャートについては、記載したすべての機能ブロックおよびステップを備えることは必須ではなく、必要に応じて一部の機能ブロック、ステップを省略することが可能であることを、確認的に述べておく。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 エンジン、4 動力分割機構、6 車輪、10−1,10−2 コンバータ、11−1,11−2 チョッパ回路、15−1,15−2 蓄電装置、20−1,20−2 インバータ、30 ECU、40−1,40−2,46 電圧センサ、50−1,50−2 電流センサ、60−1,60−2 温度センサ、80 電源システム、90 負荷装置、100 電動車両、110 インバータ制御部、200 コンバータ制御部、210 目標値設定部、215−1 電圧制御部、215−2 電流制御部、220−1,220−2 電圧/電流制御部、222−1,222−2,226−1,226−2 減算部、224−1,224−2 PI制御部、228−1,228−2 変調部、230−1,230−2 上アームON指示部、235−1,235−2 シャットダウン指示部、240−1,240−2 指示選択部、250 判定部、260 モード選択部、270 SOC推定部、C,C1,C2 平滑コンデンサ、CSTP 上アームオン終了信号、D1A,D1B,D2A,D2B ダイオード、Ib1,Ib2 電流、IR 目標電流、L1,L2 リアクトル、LN1A,LN2A 正母線、LN1B,LN2B 正極線、LN1C,LN2C 負母線、MCRT1,MCRT2 モータ電流、MG1,MG2 モータジェネレータ、MNL 主負母線、MPL 主正母線、MRN1,MRN2 回転速度、MS1,MS2 モード制御信号、PL1,PL2 正極線、PR 要求パワー、Q1A,Q1B,Q2A,Q2B 電力用半導体スイッチング素子、T1,T2 温度、TR1,TR2 トルク指令値、Vb1,Vb2,VH 電圧、VR 目標電圧、θ1,θ2 回転角。
Claims (9)
- 負荷装置と双方向に電力の授受が可能な電源システムであって、
複数の蓄電装置と、
前記負荷装置と接続される電力線と前記複数の蓄電装置との間にそれぞれ接続され、各々が、前記複数の蓄電装置のうちの対応する蓄電装置と前記電力線との間で双方向に直流電力変換を行うための複数の電力変換装置と、
前記複数の電力変換装置の動作を制御する制御装置と、
各前記蓄電装置に対応して設けられ、各前記蓄電装置に入出力される電流を検出するための電流検出器とを備え、
各前記電力変換装置は、
前記対応する蓄電装置および前記電力線の間に挿入接続される電力用半導体スイッチング素子と、
前記蓄電装置から前記電力線に向かう方向を順方向として、前記電力用半導体スイッチング素子と並列に接続される整流素子とを含み、
前記制御装置は、
所定条件の成立に応答して開始される、前記複数の電力変換装置のうちの、1つの電力変換装置において前記電力用半導体スイッチング素子をオン固定するとともに、残余の電力変換装置の動作を停止する所定動作モードの終了を判定するための判定部と、
前記電力用半導体スイッチング素子をオン固定した前記1つの電力変換装置に対応する蓄電装置に入出力される前記電流を、前記所定動作モードの開始時から積分した電流積分値を検出する検出部とを含み、
前記判定部は、前記電流積分値に基づいて前記所定動作モードを終了させる、電源システム。 - 前記制御装置は、
各前記蓄電装置の状態に基づいて、各前記蓄電装置の残存容量推定値を算出する推定部をさらに備え、
前記判定部は、前記検出部による前記電流積分値と前記推定部による前記残存容量推定値との両方に基づいて、前記所定動作モードを終了させる、請求項1に記載の電源システム。 - 前記判定部は、前記電流積分値と所定の基準値との比較に基づいて前記所定動作モードを終了させるとともに、前記所定動作モード開始時における前記残存容量推定値に応じて前記基準値を可変とする、請求項2に記載の電源システム。
- 前記判定部は、前記電力用半導体スイッチング素子をオン固定した前記1つの電力変換装置に対応する蓄電装置の充電時には、前記残存容量推定値が、前記残存容量推定値の信頼性が相対的に低下する残存容量領域に対応して予め定義される第1の領域のときには、前記電流積分値に基づいて前記所定動作モードを終了させる一方で、前記残存容量推定値が前記第1の領域より小さいときには、前記所定動作モードを継続させる、請求項2に記載の電源システム。
- 前記判定部は、前記電力用半導体スイッチング素子をオン固定した前記1つの電力変換装置に対応する蓄電装置の放電時には、前記残存容量推定値が、前記残存容量推定値の信頼性が相対的に低下する残存容量領域に対応して予め定義される第2の領域のときには、前記電流積分値に基づいて前記所定動作モードを終了させる一方で、前記残存容量推定値が前記第2の領域より大きいときには、前記所定動作モードを継続させる、請求項2に記載の電源システム。
- 前記判定部は、前記電力用半導体スイッチング素子をオン固定した前記1つの電力変換装置に対応する蓄電装置の充電時には、前記残存容量推定値が、前記蓄電装置の充電限界として設定される所定の第1の残存容量基準値よりも上昇したときには、前記電流積分値にかかわらず前記所定動作モードを終了する、請求項2〜4のいずれか1項に記載の電源システム。
- 前記判定部は、前記電力用半導体スイッチング素子をオン固定した前記1つの電力変換装置に対応する蓄電装置の放電時には、前記残存容量推定値が、前記蓄電装置の放電限界として設定される所定の第2の残存容量基準値より低下したときには、前記電流積分値にかかわらず前記所定動作モードを終了する、請求項2、請求項3または請求項5のいずれか1項に記載の電源システム。
- 前記負荷装置に入出力される電力の電圧を検出するための電圧検出器をさらに備え、
前記判定部は、前記電圧検出器によって検出された電圧の所定時間あたりの変化量が所定の電圧変化量基準値を超過したときは、前記電流積分値にかかわらず前記所定動作モードを終了する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電源システム。 - 前記負荷装置と、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の前記電源システムとを備えた電動車両であって、
前記負荷装置は、
車両駆動力を発生するように構成された回転電機と、
前記電力線および前記回転電機の間に接続され、前記電力線と前記回転電機との間で双方向に電力変換を行なうように構成されたインバータ装置とを含む、電動車両。
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