JP2010134405A - 対物レンズ - Google Patents
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Abstract
【課題】 レーザによる損傷を受け難く、可視光域から近紫外域までの領域において、諸収差(特に色収差)が良好に補正され、透過率が十分に高く、さらに作動距離が十分に確保された、レーザ加工および加工前後の観察に好適な対物レンズを提供する。
【解決手段】 物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、正の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、負の屈折力を持つ第3レンズ群G3とを有する。第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1と、物体側レンズ面の曲率半径の絶対値より像側レンズ面の曲率半径の絶対値が小さい正レンズL2とを有する。第3レンズ群G3は互いに接合されていない3枚の単レンズL13〜L15のみを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】 物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、正の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、負の屈折力を持つ第3レンズ群G3とを有する。第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1と、物体側レンズ面の曲率半径の絶対値より像側レンズ面の曲率半径の絶対値が小さい正レンズL2とを有する。第3レンズ群G3は互いに接合されていない3枚の単レンズL13〜L15のみを有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、レーザ加工や加工前後の被加工物の観察に用いる、可視光域から近紫外域まで諸収差が良好に補正された対物レンズに関する。
近年、半導体ICパターンなど微細加工が必要とされる分野において、レーザ加工および加工前後の被加工物の顕微鏡観察を行うため、作動距離が長く、加工波長および観察波長の領域、具体的には近紫外域から可視光域までの領域に対応可能な対物レンズが開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、従来の対物レンズでは、高いエネルギーを持ったレーザ光の入射側のレンズが接合レンズで構成されており、損傷を受け易いという問題があった。さらには、可視光域から近紫外域までの領域において、諸収差(特に、色収差)の補正が不足しているとともに、開口数も十分ではなく、昨今のレーザ加工における要求加工精度(1.5μm)に対応することが難しい。
また、従来の対物レンズでは、可視光域から近紫外域までの領域において、光の透過率が十分とは言えなかった。これは、レーザ光が対物レンズを通る際にガラスによる光の吸収が起きていることを意味するもので、レーザ加工を続けるうちに、さらに透過率が下がり、ついにはレーザ加工に用いることができなくなる。このように、ガラスにおける使用光領域の透過率が十分でないと、対物レンズの劣化が早まり、早期交換せざるを得ないという問題が生じる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、レーザによる損傷を受け難く、可視光域から近紫外域までの領域において、諸収差(特に色収差)が良好に補正され、透過率が十分に高く、さらに作動距離が十分に確保された、レーザ加工および加工前後の被加工物の観察に好適な対物レンズを提供することを目的とする。
このような目的を達成するため、本発明の対物レンズは、物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群と、正の屈折力を持つ第2レンズ群と、負の屈折力を持つ第3レンズ群とを有し、前記第1レンズ群は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズと、物体側レンズ面の曲率半径の絶対値より像側レンズ面の曲率半径の絶対値が小さい正レンズとを有し、前記第3レンズ群は、互いに接合されていない3枚の単レンズのみを有する。
なお、前記第3レンズ群は、物体側より順に並んだ、負の屈折力を持つ単レンズと、正の屈折力を持つ単レンズと、負の屈折力を持つ単レンズとを有することが好ましい。
また、前記第2レンズ群は、複数の接合レンズを有し、最も物体側に、物体側より順に並んだ正レンズ、負レンズからなる色消し接合レンズを配置するとともに、少なくとも1組は、物体側から順に並んだ正レンズ、負レンズ、正レンズからなる3枚色消し接合レンズを含むことが好ましい。
また、全系の焦点距離をfとし、前記第3レンズ群の焦点距離をf3としたとき、次式1.80<|f3/f|<4.00の条件を満足することが好ましい。
また、全系の焦点距離をfとし、前記第1レンズ群の焦点距離をf1としたとき、次式
2.00<f1/f<8.00の条件を満足することが好ましい。
2.00<f1/f<8.00の条件を満足することが好ましい。
また、前記第2レンズ群は、複数の接合レンズを有し、前記複数の接合レンズのうち少なくとも1組は、正レンズと負レンズとを有し、n355を波長355nmの光線における屈折率とし、nFをF線における屈折率とし、nCをC線における屈折率とし、ndをd線における屈折率としたとき、θ=(n355−nd)/(nF−nC),ν=(nd−1)/(n355−nC)で定義されるθとνについて、前記正レンズの場合をθp,νpとし、前記負レンズの場合をθn,νnとしたとき、次式−0.10<θp−θn<0.00および8.00<νp−νn<16.00の条件を満足することが好ましい。
また、厚さが10mmのとき、波長355nmの光線における透過率が90%以上である硝材のみで構成されていることが好ましい。
また、前記第3レンズ群が有する、物体側の前記負の屈折力を持つ単レンズの形状因子をq(L1)とし、前記正の屈折力を持つ単レンズの形状因子をq(L2)とし、像側の前記負の屈折力を持つ単レンズの形状因子をq(L3)としたとき(但し、形状因子は、レンズの物体側面の曲率半径をr1とし、像側面の曲率半径をr2としたとき、q=(r2−r1)/(r2+r1)で定義される)、次式0≦||q(L3)|−|q(L1)||≦0.5、0≦|q(L2)|≦0.5の条件を満足することが好ましい。
また、全系の焦点距離をfとし、前記第3レンズ群が有する、物体側の前記負の屈折力を持つ単レンズの焦点距離をf31とし、前記正の屈折力を持つ単レンズの焦点距離をf32とし、像側の前記負の屈折力を持つ単レンズの焦点距離をf33としたとき、次式1.5≦|f31/f|≦2.9、1.5≦|f32/f|≦2.9、1.5≦|f33/f|≦2.9の条件を満足することが好ましい。
また、製造時のレンズの偏心調整の際には、加工用レーザ光及び加工前後の被加工物の形状を観察するための観察光に対する収差を同時に補正し、かつ、前記加工用レーザ光の集光位置と前記観察光の集光位置とのズレが0.5μm以下となるように、前記第1レンズ群及び前記第2レンズ群を構成するレンズから偏心調整用のレンズを選択することが好ましい。
なお、前記観察光はd線(波長587.56nm)であり、製造時のレンズの偏心調整の際には、前記観察光の像面(光軸上)における点像強度分布の値が0.97以上となるように、前記第1レンズ群及び前記第2レンズ群を構成するレンズから前記偏心調整用のレンズを選択することが好ましい。
また、前記加工用レーザ光は波長355nmの光線であり、製造時のレンズの偏心調整の際には、前記加工用レーザ光の像面(光軸上)における点像強度分布の値が0.85以上となるように、前記第1レンズ群及び前記第2レンズ群を構成するレンズから前記偏心調整用のレンズを選択することが好ましい。
以上説明したように、本発明によれば、可視光域から近紫外域までの領域において、レーザによる損傷を受け難く、諸収差(特に色収差)が良好に補正され、透過率が十分に高く、さらに作動距離が十分に確保された、レーザ加工および加工前後の観察に好適な対物レンズを提供することができる。
以下、好ましい実施形態について説明する。本実施形態に係る対物レンズは、物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群と、正の屈折力を持つ第2レンズ群と、負の屈折力を持つ第3レンズ群とを有する。第1レンズ群は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズと、物体側レンズ面の曲率半径の絶対値より像側レンズ面の曲率半径の絶対値が小さい正レンズとを有する。また、第3レンズ群は、互いに接合されていない3枚の単レンズのみを有する。
本実施形態において、第3レンズ群はレーザ光の入射側に位置し、第3レンズ群を構成するレンズは、(第1レンズ群および第2レンズ群を構成するレンズに比べて)レンズ外径が小さいため、レーザを照射すると、(他のレンズ群に比べて)単位面積当たりに受けるレーザエネルギーが大きくなってしまう。すると、第3レンズ群を接合レンズで構成すると、レーザ照射によって接着剤がダメージを受ける可能性がある。そこで、本実施形態において、第3レンズ群は、接合レンズを使用せず、さらにはレンズ構成を工夫して枚数をより抑え、3枚の単レンズのみで構成している。
なお、本実施形態において、第3レンズ群は、物体側より順に並んだ、負の屈折力を持つ単レンズと、正の屈折力を持つ単レンズと、負の屈折力を持つ単レンズとを有することが好ましい。
厳しい偏心公差を満足するためには、偏心を抑えるための特別な金物設計やレンズ加工などが必要であり、生産コストの大幅な上昇を招く。ゆえに、偏心公差は緩く設定することが好ましいとされる。一般に、レンズは接合した方が、偏心公差を緩く設定することが可能である。しかしながら、本実施形態においては、第3レンズ群を物体側から並んだ負、正、負の単レンズのみで構成することで、コマ収差を良好に補正し、各レンズの屈折力を適切に設定しながら、偏心公差を緩やかに設定することを可能にしている。
また、本実施形態において、第2レンズ群は、複数の接合レンズを有し、最も物体側に、物体側より順に並んだ正レンズ、負レンズからなる色消し接合レンズを配置するとともに、少なくとも1組は、物体側から順に並んだ正レンズ、負レンズ、正レンズからなる3枚色消し接合レンズを含むことが好ましい。
このような構成により、第2レンズ群において、球面収差(色の球面収差を含めて)を発生させずに、色収差を良好に補正することができる。
また、本実施形態において、全系の焦点距離をfとし、第3レンズ群の焦点距離をf3としたとき、次式(1)の条件を満足することが好ましい。
1.80<|f3/f|<4.00 …(1)
上記条件式(1)は、対物レンズの作動距離を十分に確保しつつ、コマ収差を良好に補正するための条件である。この条件式(1)の上限値を上回ると、対物レンズの作動距離を十分に確保できなくなる。逆に、条件式(1)の下限値を下回ると、第3レンズ群の屈折力が強くなりすぎ、コマ収差の発生を補正しきれなくなる。
また、本実施形態において、全系の焦点距離をfとし、第1レンズ群の焦点距離をf1としたとき、次式(2)の条件を満足することが好ましい。
2.00<f1/f<8.00 …(2)
上記条件式(2)は、対物レンズの長作動距離を確保しつつ、色変化も含めた球面収差を良好に補正するための条件である。一般的に、対物レンズの作動距離を長くしようとすると、色変化も含めた球面収差の高次の曲がりが強調され、補正が困難となる。そこで、第1レンズ群に関し、適切なパワー配置を与えることが重要である。この条件式(2)の上限値を上回ると、第1レンズ群の屈折力が弱まり、特に短波長の球面収差が正に残存し、補正が困難となる。逆に、条件式(2)の下限値を下回ると、第1レンズ群の屈折力が強くなりすぎ、球面収差に高次の曲がりが生じ、色による変化も大きくなる。
また、本実施形態において、第2レンズ群が有する複数の接合レンズのうち、少なくとも1組は、正レンズと負レンズとを有し、n355を波長355nmの光線における屈折率とし、nFをF線における屈折率とし、nCをC線における屈折率とし、ndをd線における屈折率としたとき、θ=(n355−nd)/(nF−nC),ν=(nd−1)/(n355−nC)で定義されるθとνについて、前記正レンズの場合をθp,νpとし、前記負レンズの場合をθn,νnとしたとき、次式(3)および(4)の条件を満足することが好ましい。
−0.10<θp−θn<0.00 …(3)
8.00<νp−νn<16.00 …(4)
8.00<νp−νn<16.00 …(4)
上記条件式(3)は、可視光域と近紫外域における色収差補正を良好に行うための条件である。通常、可視光域のみで色収差を補正する目的で接合レンズを用いる場合は、条件式(3)の値は正となることが多いが、正になると可視光域と近紫外域における色収差補正ができなくなる。逆に、条件式(3)の下限値を下回ると、接合レンズを構成する正レンズと負レンズのアッベ数の差が小さくなり、可視光域における色収差が補正不足となる。
上記条件式(4)は、本実施形態に係る対物レンズを構成する際に、選択すべきガラスの条件である。通常、可視光域のみで色収差補正を行う場合は、正レンズと負レンズとのアッベ数の差は大きい方が望ましいとされる。しかしながら、本実施形態においては、可視光域に加えて近紫外域における色収差補正を行う必要があり、条件式(4)の上限値を上回ると、近紫外域の色収差補正が不足する。逆に、条件式(4)の下限値を下回ると、可視光域での色収差補正が不足する。
また、本実施形態において、厚さが10mmのとき、波長355nmの光線における透過率が90%以上である硝材のみで構成されていることが好ましい。
この構成により、対物レンズは、可視光域から近紫外域までの領域にかけて、高い透過率を確保することができる。その結果、ある程度レーザパワーが低くてもレーザ加工を行うことができるため、レーザ光源自体の寿命を延ばすことが可能であるとともに、レーザを照射した際のガラスによるレーザ光の吸収が抑えることができるため、対物レンズの劣化を防いで、対物レンズの寿命も延ばすことが可能である。
ところで、本実施形態のような対物レンズを用いて、半導体ICパターンなどの微細加工を行う際には、モニタ(可視光域)或いはガイド光(波長780nm近辺の光線であることが多い)にて加工位置を定めてから、YAGレーザの第3高調波(波長355nm)等の加工用レーザ光を照射して加工する。しかしながら、定めた加工位置と、実際にレーザ加工した位置とではズレが生じている場合がある。そのズレは0.5〜1μm程度であり、数十μmのレーザ加工形状においては問題とならないが、2〜3μmの場合にはそのズレ量は問題となる。したがって、レーザ加工と加工前後の被加工物の観察を、レンズ交換なしに行う対物レンズでは、このような集光位置のズレがないものが望まれている。
一般に、対物レンズの製造においては、レンズを組み上げた段階では偏心が残っている。そして、この偏心による収差も出ており、見え方も悪い。このため、対物レンズを構成するレンズのうち、予め決めておいた偏心調整用レンズを動かすことにより、レンズの偏心を取ると同時に、偏心による収差も除去する。なお、この調整は可視光を用いて行うことがほとんどである。
ここで、本実施形態に係る対物レンズにおける、好ましい偏心調整用レンズの選択の仕方について説明する。
本実施形態に係る対物レンズのように、ある程度の空気間隔を持ち、大別して2つのレンズ群(例えば、本実施形態のように、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2と、負の屈折力を持つ第3レンズ群G3との2つ)に分けられる対物レンズにおいては、第3レンズ群は、接合レンズで構成されている場合と、非接合のレンズ(全てが単レンズ)で構成されている場合とがある。
例えば、第3レンズ群が接合レンズにて構成されている場合、偏心に対する公差を緩く設定することが可能であり、上記のズレもそれほど大きくはなく、偏心調整用レンズの選択は比較的自由である。また、偏心を調整して、レンズの偏心と偏心による収差を除去した後も、集光位置のズレ量が増えることはない。ところが、第3レンズ群は、第1レンズ群及び第2レンズ群と比べると、レンズ外径が小さいものが多く、単位面積当たりのレーザエネルギーが強く照射されることとなり、レーザによってレンズを接合する接着剤がダメージを受ける可能性があるため、第3レンズ群を非接合(すなわち、全て単レンズ)としている対物レンズが多い。
第3レンズ群が非接合のレンズにて構成されている場合、その偏心公差は途端に厳しいものとなる。このとき、偏心調整用レンズが適切に選択されていないと、レンズの偏心及び(観察光として用いる)可視光域における偏心による収差は除去できるものの、(加工用レーザ光として用いる)波長355nmなどの目に見えない波長域での収差は補正されていなかったり、狙った加工位置と実際の加工位置とのズレ量が偏心調整後に増大してしまったりする可能性がある。
そこで、本実施形態では、製造時のレンズの偏心調整の際に、加工用レーザ光(波長355nm等の近紫外光)及び加工前後の被加工物の形状を観察するための観察光(d線等の可視光)に対する収差を同時に補正し、かつ、加工用レーザ光の集光位置と観察光の集光位置とのズレが0.5μm以下となるように、第1レンズ群及び第2レンズ群を構成するレンズから偏心調整用のレンズを選択することが好ましい。
そして、観察光がd線(波長587.56nm)である場合、製造時のレンズの偏心調整の際には、観察光の像面(光軸上)における点像強度分布(PSF)の値が0.97以上となるように、第1レンズ群及び第2レンズ群を構成するレンズから偏心調整用のレンズを選択することが好ましい。
また、加工用レーザ光が波長355nmの光線である場合、製造時のレンズの偏心調整の際には、加工用レーザ光の像面(光軸上)における点像強度分布(PSF)の値が0.85以上となるように、第1レンズ群及び第2レンズ群を構成するレンズから偏心調整用のレンズを選択することが好ましい。
このように偏心調整用レンズを適切に選択することによって、レンズの偏心と、偏心による収差(具体的には、d線(可視光域)での偏心による収差及び波長355nmの光線(目に見えない波長)での偏心による収差)を除去することができる。さらには、モニタ上で定めたレーザ加工位置と実際の加工位置とのズレが、実用上問題にならない程度(0.5μm以下)に軽減させることが可能である。
また、本実施形態においては、第3レンズ群を、負の単レンズ、正の単レンズ、負の単レンズの順に並べて構成するとともに、以下に示す条件式(5)〜(9)を満足することで、収差を良好に補正しながら、第3レンズ群を構成する各レンズの屈折力を適切に設定することができ、偏心公差も厳しすぎないものとすることが可能である。
具体的には、第3レンズ群が有する、物体側の負の屈折力を持つ単レンズの形状因子をq(L1)とし、前記正の屈折力を持つ単レンズの形状因子をq(L2)とし、像側の負の屈折力を持つ単レンズの形状因子をq(L3)としたとき(但し、各形状因子は、レンズの物体側面の曲率半径をr1とし、像側面の曲率半径をr2としたとき、q=(r2−r1)/(r2+r1)で定義される)、次式の条件(5)及び(6)を満足することが好ましい。
0≦||q(L3)|−|q(L1)||≦0.5 …(5)
0≦|q(L2)|≦0.5 …(6)
0≦|q(L2)|≦0.5 …(6)
上記条件式(5)及び(6)は、第3レンズ群全体を対称形に近づけて、偏心と、この偏心による収差の発生を抑えるための条件である。ここで、条件式(5)の上限値を上回るか或いは下限値を下回ると、第3レンズ群において、最も物体側に位置する負の単レンズの形状と、最も像側に位置する負の単レンズの形状とが一致せず、第3レンズ群全体を対称形に近づけることが難しくなり、偏心およびこの偏心による収差を取り去ることが難しくなる。また、条件式(6)の上限値を上回るか或いは下限値を下回ると、第3レンズ群の中央に位置する正の単レンズの形状が対称形(両凸レンズ)から遠ざかってしまうため、第3レンズ群全体を対称形に近づけることが難しくなり、偏心およびこの偏心により発生した収差を取り去ることが難しくなる。
さらに、本実施形態においては、全系の焦点距離をfとし、前記第3レンズ群が有する、物体側の前記負の屈折力を持つ単レンズの焦点距離をf31とし、前記正の屈折力を持つ単レンズの焦点距離をf32とし、像側の前記負の屈折力を持つ単レンズの焦点距離をf33としたとき、次式(7)〜(9)の条件を満足することが好ましい。
1.5≦|f31/f|≦2.9 …(7)
1.5≦|f32/f|≦2.9 …(8)
1.5≦|f33/f|≦2.9 …(9)
1.5≦|f32/f|≦2.9 …(8)
1.5≦|f33/f|≦2.9 …(9)
上記条件式(7)〜(9)は、収差を良好に補正しながら、第3レンズ群を構成する各レンズの屈折力を適切に設定し、かつ、偏心公差を厳しすぎないものとするための条件である。これら条件式(7)〜(9)の上限値を上回ると、第3レンズ群を構成する各レンズの屈折力が不足し、負の球面収差が増大し、コマ収差が補正できなくなる。逆に、これら条件式(7)〜(9)の下限値を下回ると、第3レンズ群を構成する各レンズの屈折力が強くなりすぎ、全体での収差(特に球面収差、コマ収差)のバランスが取れなくなり、好ましくない。また、これら条件式(7)〜(9)の下限値を下回ると、偏心公差が厳しくなり、これに伴い偏心を抑えるための特別な金物設計が必要となったり、偏心を抑えるためのレンズ加工が必要となったりするなど、生産コストの大幅な上昇を招き、好ましくない。
以下、本実施形態に係る対物レンズの各実施例を、図面に基づいて説明する。
なお、以下に表1、表3、表5、表7を示すが、これらは第1〜第4実施例における各諸元の表である。[全体諸元]において、fは対物レンズ全系の焦点距離、βは倍率、NAは開口数、WDは作動距離を示す。[レンズデータ]において、面番号は被加工物を観察する際に光線の進行する方向に沿った被加工物体側からの光学面の順序を、rは各光学面の曲率半径を、dは各光学面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離である面間隔を、ndはd線(波長587.6nm)を基準とする屈折率を、νdはd線を基準とするアッベ数を示す。[条件式]において、上記の条件式(1)〜(9)に対応する値を示す。
なお、表中において、焦点距離f、曲率半径r、面間隔d、その他の長さの単位は、一般に「mm」が使われている。但し、光学系は、比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、単位は「mm」に限定されることなく、他の適当な単位を用いることが可能である。また、表中において、空気の屈折率「1.00000」の記載は省略している。
なお、各実施例において対物レンズはいずれも無限遠設計となっているため、被加工物を観察する際は対物レンズの像側に結像レンズ(第2対物レンズ)を配置し、対物レンズと結像レンズとの組み合わせにより結像光学系を形成している。全ての実施例では、焦点距離200mmの結像レンズを使用しており、[全体諸元]に記載の倍率βはこの結像レンズを使用したときのものである。また、各実施例において、レーザ加工の前後に観察を行う場合は、[レンズデータ]に示す面番号の順序で(すなわち物体側のレンズ面から順に)光線が進行する。また、レーザ加工を行う場合、観察時とは逆の順序で(すなわち像側のレンズ面から順に)光線が進行する。
また、一般に、ある程度の空気間隔を持ち、大別して2つのレンズ群(例えば、本実施形態のように、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2と、負の屈折力を持つ第3レンズ群G3)に分けられる対物レンズにおいて、第3レンズ群G3を全て単レンズ、すなわち非接合として設計すると、第3レンズ群G3を構成する各レンズの偏心(シフト)許容量は2〜3μm程度となり、かなり厳しい精度が要求される。しかしながら、各実施例では、第3レンズ群G3が非接合であっても、上記構成を満たすことにより、第3レンズ群G3を構成する各レンズの偏心(シフト)許容量を5μm程度まで緩和することが可能である。また、第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2の偏心許容量は10〜15μm程度と、通常の対物レンズにおける偏心(シフト)許容量と同等である。
そこで、各実施例では、第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2を10μm、第3レンズ群G3を5μm、それぞれ偏心(シフト)させた場合について計算し、説明している。なお、対物レンズを構成する各レンズ群を偏心させる場合、移動方向には2種類、すなわち光軸に対して上方向(プラス)と、下方向(マイナス)がある。各実施例では、各レンズ群を全て同じ方向に偏心(シフト)させるのでなく、各レンズ群をそれぞれの群毎に定められた方向に偏心(シフト)させることによって、発生する収差(の足し合わせ)が最大となるような方向に偏心(シフト)させている。しかしながら、以下においては、各レンズ群の偏心(シフト量)は記載するものの、偏心(シフト)の方向は省略し、全て上方向(プラス)の値として記載する。
(第1実施例)
第1実施例に係る対物レンズについて、図1(図中のOは物体を示す)、図2及び表1、表2を用いて説明する。図1に示すように、第1実施例に係る対物レンズは、物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、正の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、負の屈折力を持つ第3レンズ群G3とを有する。
第1実施例に係る対物レンズについて、図1(図中のOは物体を示す)、図2及び表1、表2を用いて説明する。図1に示すように、第1実施例に係る対物レンズは、物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、正の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、負の屈折力を持つ第3レンズ群G3とを有する。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1と、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL2とを有する。
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、両凸レンズL3と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL4とからなる接合レンズと、両凸レンズL5と両凹レンズL6と両凸レンズL7とからなる3枚色消し接合レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL8と両凸レンズL9と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL10とからなる接合レンズと、両凸レンズL11と両凹レンズL12とからなる接合レンズとを有する。
第3レンズ群G3は、互いに接合されていない3枚の単レンズ、すなわち、物体側より順に並んだ、負の屈折力を持つ両凹単レンズL13と、正の屈折力を持つ両凸単レンズL14と、負の屈折力を持つ両凹単レンズL15とを有する。
なお、本実施例に係る対物レンズを構成する全レンズL1〜L15は、厚さが10mmのとき、波長355nmの光線における透過率が90%以上である硝材のみで構成している。
表1に、第1実施例に係る対物レンズを構成する各レンズの諸元の表を示す。なお、表1における面番号1〜24は、図1に示す面1〜24に対応している。
(表1)
[全体諸元]
f=10mm,β=20X,NA=0.50,視野数24mm,WD=17.5mm
[レンズデータ]
面番号 r d nd νd
1 -64.019 5.1 1.473916 86.51 L1 G1
2 -17.9002 0.2
3 -740.340 4.3 1.473916 86.51 L2
4 -28.859 0.2
5 135.649 7.5 1.433852 95.25 L3 G2
6 -20.0484 1.5 1.706637 54.62 L4
7 -48.219 0.2
8 49.119 5.8 1.473916 86.51 L5
9 -49.119 1.5 1.590841 59.41 L6
10 32.095 7.6 1.473916 86.51 L7
11 -32.095 0.2
12 88.499 1.5 1.706637 54.62 L8
13 23.5499 8.7 1.433852 95.25 L9
14 -23.5499 1.5 1.706637 54.62 L10
15 -166.520 0.2
16 22.897 4.9 1.473916 86.51 L11
17 -69.615 1.5 1.706637 54.62 L12
18 99.596 17.8
19 -15.4009 1.2 1.473916 86.51 L13 G3
20 16.5586 1.1
21 20.9999 4.1 1.576594 41.97 L14
22 -15.5502 0.7
23 -21.196 1.5 1.473916 86.51 L15
24 17.7286
[条件式]
条件式(1)|f3/f|=2.27
条件式(2)f1/f=2.86
条件式(3)θp−θn=-0.055(L3,L4)
θp−θn=-0.025(L5(L7),L6)
θp−θn=-0.055(L8(L10),L9)
θp−θn=-0.066(L11,L12)
条件式(4)νp−νn=14.09(L3,L4)
νp−νn=9.43(L5(L7),L6)
νp−νn=14.09(L8(L10),L9)
νp−νn=11.36(L11,L12)
条件式(5)||q(L3)|−|q(L1)||=0.052856
条件式(6)|q(L2)|=0.14910
条件式(7)|f31/f|=1.664
条件式(8)|f32/f|=1.616
条件式(9)|f33/f|=2.012
[全体諸元]
f=10mm,β=20X,NA=0.50,視野数24mm,WD=17.5mm
[レンズデータ]
面番号 r d nd νd
1 -64.019 5.1 1.473916 86.51 L1 G1
2 -17.9002 0.2
3 -740.340 4.3 1.473916 86.51 L2
4 -28.859 0.2
5 135.649 7.5 1.433852 95.25 L3 G2
6 -20.0484 1.5 1.706637 54.62 L4
7 -48.219 0.2
8 49.119 5.8 1.473916 86.51 L5
9 -49.119 1.5 1.590841 59.41 L6
10 32.095 7.6 1.473916 86.51 L7
11 -32.095 0.2
12 88.499 1.5 1.706637 54.62 L8
13 23.5499 8.7 1.433852 95.25 L9
14 -23.5499 1.5 1.706637 54.62 L10
15 -166.520 0.2
16 22.897 4.9 1.473916 86.51 L11
17 -69.615 1.5 1.706637 54.62 L12
18 99.596 17.8
19 -15.4009 1.2 1.473916 86.51 L13 G3
20 16.5586 1.1
21 20.9999 4.1 1.576594 41.97 L14
22 -15.5502 0.7
23 -21.196 1.5 1.473916 86.51 L15
24 17.7286
[条件式]
条件式(1)|f3/f|=2.27
条件式(2)f1/f=2.86
条件式(3)θp−θn=-0.055(L3,L4)
θp−θn=-0.025(L5(L7),L6)
θp−θn=-0.055(L8(L10),L9)
θp−θn=-0.066(L11,L12)
条件式(4)νp−νn=14.09(L3,L4)
νp−νn=9.43(L5(L7),L6)
νp−νn=14.09(L8(L10),L9)
νp−νn=11.36(L11,L12)
条件式(5)||q(L3)|−|q(L1)||=0.052856
条件式(6)|q(L2)|=0.14910
条件式(7)|f31/f|=1.664
条件式(8)|f32/f|=1.616
条件式(9)|f33/f|=2.012
表1に示す諸元の表から、本実施例に係る対物レンズでは、上記条件式(1)〜(9)を全て満たすことが分かる。
図2は、第1実施例に係る対物レンズの諸収差図であり、紙面左側から球面収差図、非点収差図、歪曲収差図を示す。なお、図2は、像側(レーザ光の入射側)から光線を入射させて、物体O上で結像させたときの諸収差図を示したものである。各収差図において、NAは開口数を、y´は像高を示す。また、実線はd線(波長587.6nm)、破線は波長355nmの光線、一点鎖線はC線(波長656.3nm)、二点鎖線はF線(波長486.1nm)に対する収差をそれぞれ示す。以上の収差図の説明は、他の実施例においても同様である。
図2に示す各収差図から明らかであるように、第1実施例に係る対物レンズでは、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能が確保されていることが分かる。
ここで、本実施例に係る対物レンズを製造するにあたり、レンズを組み上げた段階で、第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2が10μm、第3レンズ群G3が5μm、それぞれ偏心(シフト)している場合、d線での像面(光軸上)での点像強度分布(PSF)を計算すると、0.1339とほぼゼロとなった。このd線の光軸上の結像位置を基準とすると、波長355nmの光線では約1μmの集光位置のズレが起こる。これは、モニタ上で定めたレーザ加工位置と、実際に波長355nmのレーザ光を用いて加工したときの位置ズレが約1μm生じることを意味する。
続いて、本実施例の各レンズ群G1、G2を構成する各レンズL1〜L12をそれぞれ偏心調整用レンズとして偏心させた場合の、偏心(シフト)量[μm]、d線での点像強度分布(PSF)の値、波長355nmの光線での点像強度分布(PSF)の値、当該レンズを偏心(シフト)させた時に生じるモニタ上で定めたレーザ加工位置と実際のレーザ加工位置とのズレ量Δ[μm]を表2に示す。但し、第3レンズ群G3については、全て単レンズで構成されており、偏心公差が厳しいことから、偏心調整用レンズとして用いるのは不適切であり、最初から偏心調整用レンズ候補から除外する。
(表2)
レンズ番号 偏心量 PSF(d線) PSF(355nm) ズレ量Δ
L1 470 0.979 0.002 5.6
L2 90 0.975 0.811 0.08
L3,L4 50 0.972 0.866 0.5
L5,L6,L7 27 0.995 0.852 1.0
L8,L9,L10 63 0.993 0.892 0.84
レンズ番号 偏心量 PSF(d線) PSF(355nm) ズレ量Δ
L1 470 0.979 0.002 5.6
L2 90 0.975 0.811 0.08
L3,L4 50 0.972 0.866 0.5
L5,L6,L7 27 0.995 0.852 1.0
L8,L9,L10 63 0.993 0.892 0.84
本実施例においては、レンズL11,L12からなる接合レンズは偏心に対して効きが弱く、相当量偏心(シフト)させても、d線及び波長355nmの光線に対する収差を補正することができなかったため、表中での記載を省略している。表2より、レンズL3,L4からなる接合レンズを偏心調整用レンズとして選択することで、d線での収差と、波長355nmの光線での収差を補正すると同時に、モニタ上に定めたレーザ加工位置と、実際のレーザ加工位置とのズレを小さくすることが可能であることが分かる。
なお、実際の偏心調整に係る作業上の観点からは、偏心(シフト)量があまり大きいと作業がし辛いということもあるため、レンズL2よりはL3,L4からなる接合レンズを偏心調整用レンズとして選択することが好ましい。
(第2実施例)
第2実施例に係る対物レンズについて、図3(図中のOは物体を示す)、図4及び表3、表4を用いて説明する。図3に示すように、第2実施例に係る対物レンズは、物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、正の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、負の屈折力を持つ第3レンズ群G3とを有する。
第2実施例に係る対物レンズについて、図3(図中のOは物体を示す)、図4及び表3、表4を用いて説明する。図3に示すように、第2実施例に係る対物レンズは、物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、正の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、負の屈折力を持つ第3レンズ群G3とを有する。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1と、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL2とを有する。
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、両凸レンズL3と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL4とからなる接合レンズと、両凸レンズL5と両凹レンズL6と両凸レンズL7とからなる3枚色消し接合レンズと、両凸単レンズL8と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL9と両凸レンズL10と両凹レンズL11とからなる接合レンズとを有する。
第3レンズ群G3は、互いに接合されていない3枚の単レンズ、すなわち、物体側より順に並んだ、負の屈折力を持つ両凹単レンズL12と、正の屈折力を持つ両凸単レンズL13と、負の屈折力を持つ両凹単レンズL14とを有する。
なお、本実施例に係る対物レンズを構成する全レンズL1〜L14は、厚さが10mmのとき、波長355nmの光線における透過率が90%以上である硝材のみで構成している。
表3に、第2実施例に係る対物レンズを構成する各レンズの諸元の表を示す。なお、表3における面番号1〜23は、図3に示す面1〜23に対応している。
(表3)
[全体諸元]
f=10mm,β=20X,NA=0.50,視野数24mm,WD=17.5mm
[レンズデータ]
面番号 r d nd νd
1 -90.027 4.9 1.473916 86.51 L1 G1
2 -18.600 0.2
3 -209.934 4.8 1.473916 86.51 L2
4 -26.409 0.2
5 131.507 7.2 1.473916 86.51 L3 G2
6 -20.267 1.5 1.706637 54.62 L4
7 -70.487 0.2
8 52.620 6.6 1.473916 86.51 L5
9 -30.354 1.5 1.590841 59.41 L6
10 37.996 6.6 1.473916 86.51 L7
11 -81.739 0.2
12 36.639 5.6 1.433852 95.25 L8
13 -50.655 0.2
14 22.6245 1.5 1.706637 54.62 L9
15 11.8701 8.8 1.433852 95.25 L10
16 22.897 4.9 1.473916 86.51 L11
17 22.6245 19.0
18 -18.333 1.2 1.473916 86.51 L12 G3
19 23.0005 1.0
20 28.005 3.8 1.576594 41.97 L13
21 -18.647 0.5
22 -34.809 1.5 1.473916 86.51 L14
23 22.1999
[条件式]
条件式(1)|f3/f|=2.74
条件式(2)f1/f=3.58
条件式(3)θp−θn=-0.066(L3,L4)
θp−θn=-0.025(L5(L7),L6)
θp−θn=-0.055(L9,L10)
θp−θn=-0.014(L11,L10)
条件式(4)νp−νn=11.36(L3,L4)
νp−νn=9.43(L5(L7),L6)
νp−νn=14.09(L9,L10)
νp−νn=12.16(L11,L10)
条件式(5)||q(L3)|−|q(L1)||=0.108257
条件式(6)|q(L2)|=0.20059
条件式(7)|f31/f|=2.132
条件式(8)|f32/f|=2.001
条件式(9)|f33/f|=2.836
[全体諸元]
f=10mm,β=20X,NA=0.50,視野数24mm,WD=17.5mm
[レンズデータ]
面番号 r d nd νd
1 -90.027 4.9 1.473916 86.51 L1 G1
2 -18.600 0.2
3 -209.934 4.8 1.473916 86.51 L2
4 -26.409 0.2
5 131.507 7.2 1.473916 86.51 L3 G2
6 -20.267 1.5 1.706637 54.62 L4
7 -70.487 0.2
8 52.620 6.6 1.473916 86.51 L5
9 -30.354 1.5 1.590841 59.41 L6
10 37.996 6.6 1.473916 86.51 L7
11 -81.739 0.2
12 36.639 5.6 1.433852 95.25 L8
13 -50.655 0.2
14 22.6245 1.5 1.706637 54.62 L9
15 11.8701 8.8 1.433852 95.25 L10
16 22.897 4.9 1.473916 86.51 L11
17 22.6245 19.0
18 -18.333 1.2 1.473916 86.51 L12 G3
19 23.0005 1.0
20 28.005 3.8 1.576594 41.97 L13
21 -18.647 0.5
22 -34.809 1.5 1.473916 86.51 L14
23 22.1999
[条件式]
条件式(1)|f3/f|=2.74
条件式(2)f1/f=3.58
条件式(3)θp−θn=-0.066(L3,L4)
θp−θn=-0.025(L5(L7),L6)
θp−θn=-0.055(L9,L10)
θp−θn=-0.014(L11,L10)
条件式(4)νp−νn=11.36(L3,L4)
νp−νn=9.43(L5(L7),L6)
νp−νn=14.09(L9,L10)
νp−νn=12.16(L11,L10)
条件式(5)||q(L3)|−|q(L1)||=0.108257
条件式(6)|q(L2)|=0.20059
条件式(7)|f31/f|=2.132
条件式(8)|f32/f|=2.001
条件式(9)|f33/f|=2.836
表3に示す諸元の表から、本実施例に係る対物レンズでは、上記条件式(1)〜(9)を全て満たすことが分かる。
図4は、第2実施例に係る対物レンズの諸収差図であり、紙面左側から球面収差図、非点収差図、歪曲収差図を示す。図4に示す各収差図から明らかであるように、第2実施例に係る対物レンズでは、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能が確保されていることが分かる。
ここで、本実施例に係る対物レンズを製造するにあたり、レンズを組み上げた段階で、第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2が10μm、第3レンズ群G3が5μm、それぞれ偏心(シフト)している場合、d線での像面(光軸上)での点像強度分布(PSF)を計算すると、0.1421とほぼゼロとなった。このd線の光軸上の結像位置を基準とすると、波長355nmの光線では約1μmの集光位置のズレが起こる。これは、モニタ上で定めたレーザ加工位置と、実際に波長355nmのレーザ光を用いて加工したときの位置ズレが約1μm生じることを意味する。
続いて、本実施例の各レンズ群G1、G2を構成する各レンズL1〜L11をそれぞれ偏心調整用レンズとして偏心させた場合の、偏心(シフト)量[μm]、d線での点像強度分布(PSF)の値、波長355nmの光線での点像強度分布(PSF)の値、当該レンズを偏心(シフト)させた時に生じるモニタ上で定めたレーザ加工位置と実際のレーザ加工位置とのズレ量Δ[μm]を表4に示す。但し、第3レンズ群G3については、全て単レンズで構成されており、偏心公差が厳しいことから、偏心調整用レンズとして用いるのは不適切であり、最初から偏心調整用レンズ候補から除外する。
(表4)
レンズ番号 偏心量 PSF(d線) PSF(355nm) ズレ量Δ
L1 290 0.981 0.001 3.25
L2 66 0.996 0.984 0.10
L3,L4 43 0.980 0.876 0.35
L8 28 0.994 0.938 0.65
L9,L10,L11 33 0.991 0.962 0.25
レンズ番号 偏心量 PSF(d線) PSF(355nm) ズレ量Δ
L1 290 0.981 0.001 3.25
L2 66 0.996 0.984 0.10
L3,L4 43 0.980 0.876 0.35
L8 28 0.994 0.938 0.65
L9,L10,L11 33 0.991 0.962 0.25
本実施例においては、レンズL5,L6,L7からなる接合レンズは偏心に対して効きが弱く、相当量偏心(シフト)させても、d線及び波長355nmの光線に対する収差を補正することができなかったため、表中での記載を省略している。表4より、レンズL2、もしくは、レンズL9,L10,L11からなる接合レンズを偏心調整用レンズとして選択することで、d線での収差と、波長355nmの光線での収差を補正すると同時に、モニタ上に定めたレーザ加工位置と、実際のレーザ加工位置とのズレを小さくすることが可能であることが分かる。
なお、実際の偏心調整に係る作業上の観点からは、偏心(シフト)量があまり大きいと作業がし辛いということもあるため、レンズL2よりはL9,L10,L11からなる接合レンズを偏心調整用レンズとして選択することが好ましい。
(第3実施例)
第3実施例に係る対物レンズについて、図5(図中のOは物体を示す)、図6及び表5及び表6を用いて説明する。図5に示すように、第3実施例に係る対物レンズは、物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、正の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、負の屈折力を持つ第3レンズ群G3とを有する。
第3実施例に係る対物レンズについて、図5(図中のOは物体を示す)、図6及び表5及び表6を用いて説明する。図5に示すように、第3実施例に係る対物レンズは、物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、正の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、負の屈折力を持つ第3レンズ群G3とを有する。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1と、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL2とを有する。
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、両凸レンズL3と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL4とからなる接合レンズと、両凸レンズL5と両凹レンズL6と両凸レンズL7とからなる3枚色消し接合レンズと、両凸レンズL8と両凹レンズL9と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL10とからなる接合レンズと、両凸レンズL11と両凹レンズL12とからなる接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とを有する。
第3レンズ群G3は、互いに接合されていない3枚の単レンズ、すなわち、物体側より順に並んだ、負の屈折力を持つ両凹単レンズL14と、正の屈折力を持つ両凸単レンズL15と、負の屈折力を持つ両凹単レンズL16とを有する。
なお、本実施例に係る対物レンズを構成する全レンズL1〜L16は、厚さが10mmのとき、波長355nmの光線における透過率が90%以上である硝材のみで構成している。
表5に、第3実施例に係る対物レンズを構成する各レンズの諸元の表を示す。なお、表5における面番号1〜26は、図5に示す面1〜26に対応している。
(表5)
[全体諸元]
f=4mm,β=50X,NA=0.52,視野数24mm,WD=15.7mm
[レンズデータ]
面番号 r d nd νd
1 -90.027 4.5 1.473916 86.51 L1 G1
2 -18.411 0.2
3 -172.020 4.3 1.473916 86.51 L12
4 -25.286 0.2
5 180.518 7.4 1.473916 86.51 L3 G2
6 -18.3005 1.5 1.590841 59.41 L4
7 -41.204 0.2
8 40.600 7.2 1.473916 86.51 L5
9 -24.7999 1.5 1.590841 59.41 L6
10 47.002 6.4 1.473916 86.51 L7
11 -30.577 0.2
12 30.036 6.0 1.433852 95.25 L8
13 -24.995 1.5 1.590841 59.41 L9
14 11.7497 4.6 1.433852 95.25 L10
15 102.048 0.2
16 24.693 5.2 1.473916 86.51 L11
17 -14.983 1.5 1.706637 54.62 L12
18 33.1233 10.2
19 9.7509 2.9 1.473916 86.51 L13
20 11.368 19.2
21 -6.9001 1.2 1.473916 86.51 L14 G3
22 6.9001 0.8
23 12.7505 3.1 1.576594 41.97 L15
24 -6.2002 0.3
25 -8.5507 1.5 1.473916 86.51 L16
26 12.531
[条件式]
条件式(1)|f3/f|=2.81
条件式(2)f1/f=6.93
条件式(3)θp−θn=-0.025(L3,L4)
θp−θn=-0.025(L5(L7),L6)
θp−θn=-0.014(L8(L10),L9)
θp−θn=-0.066(L11,L12)
条件式(4)νp−νn=9.43(L3,L4)
νp−νn=9.43(L5(L7),L6)
νp−νn=12.16(L8(L10),L9)
νp−νn=11.36(L11,L12)
条件式(5)||q(L3)|−|q(L1)||=0.188804
条件式(6)|q(L2)|=0.34565
条件式(7)|f31/f|=1.771
条件式(8)|f32/f|=1.924
条件式(9)|f33/f|=2.621
[全体諸元]
f=4mm,β=50X,NA=0.52,視野数24mm,WD=15.7mm
[レンズデータ]
面番号 r d nd νd
1 -90.027 4.5 1.473916 86.51 L1 G1
2 -18.411 0.2
3 -172.020 4.3 1.473916 86.51 L12
4 -25.286 0.2
5 180.518 7.4 1.473916 86.51 L3 G2
6 -18.3005 1.5 1.590841 59.41 L4
7 -41.204 0.2
8 40.600 7.2 1.473916 86.51 L5
9 -24.7999 1.5 1.590841 59.41 L6
10 47.002 6.4 1.473916 86.51 L7
11 -30.577 0.2
12 30.036 6.0 1.433852 95.25 L8
13 -24.995 1.5 1.590841 59.41 L9
14 11.7497 4.6 1.433852 95.25 L10
15 102.048 0.2
16 24.693 5.2 1.473916 86.51 L11
17 -14.983 1.5 1.706637 54.62 L12
18 33.1233 10.2
19 9.7509 2.9 1.473916 86.51 L13
20 11.368 19.2
21 -6.9001 1.2 1.473916 86.51 L14 G3
22 6.9001 0.8
23 12.7505 3.1 1.576594 41.97 L15
24 -6.2002 0.3
25 -8.5507 1.5 1.473916 86.51 L16
26 12.531
[条件式]
条件式(1)|f3/f|=2.81
条件式(2)f1/f=6.93
条件式(3)θp−θn=-0.025(L3,L4)
θp−θn=-0.025(L5(L7),L6)
θp−θn=-0.014(L8(L10),L9)
θp−θn=-0.066(L11,L12)
条件式(4)νp−νn=9.43(L3,L4)
νp−νn=9.43(L5(L7),L6)
νp−νn=12.16(L8(L10),L9)
νp−νn=11.36(L11,L12)
条件式(5)||q(L3)|−|q(L1)||=0.188804
条件式(6)|q(L2)|=0.34565
条件式(7)|f31/f|=1.771
条件式(8)|f32/f|=1.924
条件式(9)|f33/f|=2.621
表5に示す諸元の表から、本実施例に係る対物レンズでは、上記条件式(1)〜(9)を全て満たすことが分かる。
図6は、第3実施例に係る対物レンズの諸収差図であり、紙面左側から球面収差図、非点収差図、歪曲収差図を示す。図6に示す各収差図から明らかであるように、第3実施例に係る対物レンズでは、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能が確保されていることが分かる。
ここで、本実施例に係る対物レンズを製造するにあたり、レンズを組み上げた段階で、第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2が10μm、第3レンズ群G3が5μm、それぞれ偏心(シフト)している場合、d線での像面(光軸上)での点像強度分布(PSF)を計算すると、0.1201とほぼゼロとなった。このd線の光軸上の結像位置を基準とすると、波長355nmの光線では約1μmの集光位置のズレが起こる。これは、モニタ上で定めたレーザ加工位置と、実際に波長355nmのレーザ光を用いて加工したときの位置ズレが約1μm生じることを意味する。
続いて、本実施例の各レンズ群G1、G2を構成する各レンズL1〜L13をそれぞれ偏心調整用レンズとして偏心させた場合の、偏心(シフト)量[μm]、d線での点像強度分布(PSF)の値、波長355nmの光線での点像強度分布(PSF)の値、当該レンズを偏心(シフト)させた時に生じるモニタ上で定めたレーザ加工位置と実際のレーザ加工位置とのズレ量Δ[μm]を表6に示す。但し、第3レンズ群G3については、全て単レンズで構成されており、偏心公差が厳しいことから、偏心調整用レンズとして用いるのは不適切であり、最初から偏心調整用レンズ候補から除外する。
(表6)
レンズ番号 偏心量 PSF(d線) PSF(355nm) ズレ量Δ
L2 90 0.971 0.905 0.08
L5,L6,L7 41 0.990 0.630 1.1
L8,L9,L10 48 0.988 0.947 0.20
L11,L12 45 0.980 0.961 0.05
L13 80 0.987 0.830 0.90
レンズ番号 偏心量 PSF(d線) PSF(355nm) ズレ量Δ
L2 90 0.971 0.905 0.08
L5,L6,L7 41 0.990 0.630 1.1
L8,L9,L10 48 0.988 0.947 0.20
L11,L12 45 0.980 0.961 0.05
L13 80 0.987 0.830 0.90
本実施例においては、レンズL1およびレンズL3,L4からなる接合レンズはそれぞれ偏心に対して効きが弱く、相当量偏心(シフト)させても、d線及び波長355nmの光線に対する収差を補正することができなかったため、表中での記載を省略している。表6より、レンズL8,L9,L10からなる接合レンズ、もしくは、レンズL11,L12からなる接合レンズを偏心調整用レンズとして選択することで、d線での収差と、波長355nmの光線での収差を補正すると同時に、モニタ上に定めたレーザ加工位置と、実際のレーザ加工位置とのズレを小さくすることが可能であることが分かる。
(第4実施例)
第4実施例に係る対物レンズについて、図7(図中のOは物体を示す)、図8及び表7及び表8を用いて説明する。図7に示すように、第4実施例に係る対物レンズは、物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、正の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、負の屈折力を持つ第3レンズ群G3とを有する。
第4実施例に係る対物レンズについて、図7(図中のOは物体を示す)、図8及び表7及び表8を用いて説明する。図7に示すように、第4実施例に係る対物レンズは、物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、正の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、負の屈折力を持つ第3レンズ群G3とを有する。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1と、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL2とを有する。
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、両凸レンズL3と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL4とからなる接合レンズと、両凸レンズL5と両凹レンズL6と両凸レンズL7とからなる3枚色消し接合レンズと、両凸レンズL8と両凹レンズL9と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL10とからなる接合レンズと、両凸レンズL11と両凹レンズL12とからなる接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とを有する。
第3レンズ群G3は、互いに接合されていない3枚の単レンズ、すなわち、物体側より順に並んだ、負の屈折力を持つ両凹単レンズL14と、正の屈折力を持つ両凸単レンズL15と、負の屈折力を持つ両凹単レンズL16とを有する。
なお、本実施例に係る対物レンズを構成する全レンズL1〜L16は、厚さが10mmのとき、波長355nmの光線における透過率が90%以上である硝材のみで構成している。
表7に、第4実施例に係る対物レンズを構成する各レンズの諸元の表を示す。なお、表7における面番号1〜26は、図7に示す面1〜26に対応している。
(表7)
[全体諸元]
f=4mm,β=50X,NA=0.52,視野数24mm,WD=15.7mm
[レンズデータ]
面番号 r d nd νd
1 -90.027 4.5 1.473916 86.51 L1 G1
2 -17.790 0.2
3 -250.255 4.5 1.473916 86.51 L2
4 -30.159 0.2
5 43.991 7.4 1.473916 86.51 L3 G2
6 -23.7005 1.5 1.590841 59.41 L4
7 -61.390 0.2
8 43.201 6.7 1.473916 86.51 L5
9 -26.0499 1.5 1.590841 59.41 L6
10 26.049 6.4 1.473916 86.51 L7
11 -32.309 0.2
12 55.180 4.5 1.433852 95.25 L8
13 -28.311 1.5 1.590841 59.41 L9
14 12.6511 5.0 1.433852 95.25 L10
15 220.073 0.2
16 24.3805 5.4 1.473916 86.51 L11
17 -15.7519 1.5 1.706637 54.62 L12
18 103.020 0.2
19 26.796 3.2 1.433852 95.25 L13
20 56.002 20.0
21 -8.0996 1.2 1.473916 86.51 L14 G3
22 7.2708 0.8
23 18.0004 3.0 1.576594 41.97 L15
24 -6.0317 0.3
25 -9.8099 1.5 1.473916 86.51 L16
26 8.5009
[条件式]
条件式(1)|f3/f|=6.96
条件式(2)f1/f=2.56
条件式(3)θp−θn=-0.025(L3,L4)
θp−θn=-0.025(L5(L7),L6)
θp−θn=-0.014(L8(L10),L9)
θp−θn=-0.066(L11,L12)
条件式(4)νp−νn=9.43(L3,L4)
νp−νn=9.43(L5(L7),L6)
νp−νn=12.16(L8(L10),L9)
νp−νn=11.36(L11,L12)
条件式(5)||q(L3)|−|q(L1)||=0.01757
条件式(6)|q(L2)|=0.49803
条件式(7)|f31/f|=1.972
条件式(8)|f32/f|=2.053
条件式(9)|f33/f|=2.341
[全体諸元]
f=4mm,β=50X,NA=0.52,視野数24mm,WD=15.7mm
[レンズデータ]
面番号 r d nd νd
1 -90.027 4.5 1.473916 86.51 L1 G1
2 -17.790 0.2
3 -250.255 4.5 1.473916 86.51 L2
4 -30.159 0.2
5 43.991 7.4 1.473916 86.51 L3 G2
6 -23.7005 1.5 1.590841 59.41 L4
7 -61.390 0.2
8 43.201 6.7 1.473916 86.51 L5
9 -26.0499 1.5 1.590841 59.41 L6
10 26.049 6.4 1.473916 86.51 L7
11 -32.309 0.2
12 55.180 4.5 1.433852 95.25 L8
13 -28.311 1.5 1.590841 59.41 L9
14 12.6511 5.0 1.433852 95.25 L10
15 220.073 0.2
16 24.3805 5.4 1.473916 86.51 L11
17 -15.7519 1.5 1.706637 54.62 L12
18 103.020 0.2
19 26.796 3.2 1.433852 95.25 L13
20 56.002 20.0
21 -8.0996 1.2 1.473916 86.51 L14 G3
22 7.2708 0.8
23 18.0004 3.0 1.576594 41.97 L15
24 -6.0317 0.3
25 -9.8099 1.5 1.473916 86.51 L16
26 8.5009
[条件式]
条件式(1)|f3/f|=6.96
条件式(2)f1/f=2.56
条件式(3)θp−θn=-0.025(L3,L4)
θp−θn=-0.025(L5(L7),L6)
θp−θn=-0.014(L8(L10),L9)
θp−θn=-0.066(L11,L12)
条件式(4)νp−νn=9.43(L3,L4)
νp−νn=9.43(L5(L7),L6)
νp−νn=12.16(L8(L10),L9)
νp−νn=11.36(L11,L12)
条件式(5)||q(L3)|−|q(L1)||=0.01757
条件式(6)|q(L2)|=0.49803
条件式(7)|f31/f|=1.972
条件式(8)|f32/f|=2.053
条件式(9)|f33/f|=2.341
表7に示す諸元の表から、本実施例に係る対物レンズでは、上記条件式(1)〜(9)を全て満たすことが分かる。
図8は、第4実施例に係る対物レンズの諸収差図であり、紙面左側から球面収差図、非点収差図、歪曲収差図を示す。図8に示す各収差図から明らかであるように、第4実施例に係る対物レンズでは、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能が確保されていることが分かる。
ここで、本実施例に係る対物レンズを製造するにあたり、レンズを組み上げた段階で、第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2が10μm、第3レンズ群G3が5μm、それぞれ偏心(シフト)している場合、d線での像面(光軸上)での点像強度分布(PSF)を計算すると、0.1301とほぼゼロとなった。このd線の光軸上の結像位置を基準とすると、波長355nmの光線では約1μmの集光位置のズレが起こる。これは、モニタ上で定めたレーザ加工位置と、実際に波長355nmのレーザ光を用いて加工したときの位置ズレが約1μm生じることを意味する。
続いて、本実施例の各レンズ群G1、G2を構成する各レンズL1〜L13をそれぞれ偏心調整用レンズとして偏心させた場合の、偏心(シフト)量[μm]、d線での点像強度分布(PSF)の値、波長355nmの光線での点像強度分布(PSF)の値、当該レンズを偏心(シフト)させた時に生じるモニタ上で定めたレーザ加工位置と実際のレーザ加工位置とのズレ量Δ[μm]を表8に示す。但し、第3レンズ群G3については、全て単レンズで構成されており、偏心公差が厳しいことから、偏心調整用レンズとして用いるのは不適切であり、最初から偏心調整用レンズ候補から除外する。
(表8)
レンズ番号 偏心量 PSF(d線) PSF(355nm) ズレ量Δ
L3,L4 86 0.961 0.499 0.45
L5,L6,L7 50 0.993 0.156 1.30
L8,L9,L10 56 0.995 0.956 0.43
L11,L12 34 0.994 0.980 0.22
レンズ番号 偏心量 PSF(d線) PSF(355nm) ズレ量Δ
L3,L4 86 0.961 0.499 0.45
L5,L6,L7 50 0.993 0.156 1.30
L8,L9,L10 56 0.995 0.956 0.43
L11,L12 34 0.994 0.980 0.22
本実施例においては、レンズL1,L2,L13はそれぞれ偏心に対して効きが弱く、相当量偏心(シフト)させても、d線及び波長355nmの光線に対する収差を補正することができなかったため、表中での記載を省略している。表8より、レンズL8,L9,L10からなる接合レンズ、もしくは、レンズL11,L12からなる接合レンズを偏心調整用レンズとして選択することで、d線での収差と、波長355nmの光線での収差を補正すると同時に、モニタ上に定めたレーザ加工位置と、実際のレーザ加工位置とのズレを小さくすることが可能であることが分かる。
なお、以上のような本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明に係る要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
Ln レンズ名(n:物体側からのレンズ面番号)
O 物体
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
Ln レンズ名(n:物体側からのレンズ面番号)
O 物体
Claims (12)
- 物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群と、正の屈折力を持つ第2レンズ群と、負の屈折力を持つ第3レンズ群とを有し、
前記第1レンズ群は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズと、物体側レンズ面の曲率半径の絶対値より像側レンズ面の曲率半径の絶対値が小さい正レンズとを有し、
前記第3レンズ群は、互いに接合されていない3枚の単レンズのみを有することを特徴とする対物レンズ。 - 前記第3レンズ群は、物体側より順に並んだ、負の屈折力を持つ単レンズと、正の屈折力を持つ単レンズと、負の屈折力を持つ単レンズとを有することを特徴とする請求項1に記載の対物レンズ。
- 前記第2レンズ群は、複数の接合レンズを有し、
最も物体側に、物体側より順に並んだ正レンズ、負レンズからなる色消し接合レンズを配置するとともに、
少なくとも1組は、物体側から順に並んだ正レンズ、負レンズ、正レンズからなる3枚色消し接合レンズを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の対物レンズ。 - 全系の焦点距離をfとし、前記第3レンズ群の焦点距離をf3としたとき、次式
1.80<|f3/f|<4.00
の条件を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の対物レンズ。 - 全系の焦点距離をfとし、前記第1レンズ群の焦点距離をf1としたとき、次式
2.00<f1/f<8.00
の条件を満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の対物レンズ。 - 前記第2レンズ群は、複数の接合レンズを有し、
前記複数の接合レンズのうち少なくとも1組は、正レンズと負レンズとを有し、
n355を波長355nmの光線における屈折率とし、nFをF線における屈折率とし、nCをC線における屈折率とし、ndをd線における屈折率としたとき、θ=(n355−nd)/(nF−nC),ν=(nd−1)/(n355−nC)で定義されるθとνについて、前記正レンズの場合をθp,νpとし、前記負レンズの場合をθn,νnとしたとき、次式
−0.10<θp−θn<0.00
8.00<νp−νn<16.00
の条件を満足することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の対物レンズ。 - 厚さが10mmのとき、波長355nmの光線における透過率が90%以上である硝材のみで構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の対物レンズ。
- 前記第3レンズ群が有する、物体側の前記負の屈折力を持つ単レンズの形状因子をq(L1)とし、前記正の屈折力を持つ単レンズの形状因子をq(L2)とし、像側の前記負の屈折力を持つ単レンズの形状因子をq(L3)としたとき(但し、各形状因子は、レンズの物体側面の曲率半径をr1とし、像側面の曲率半径をr2としたとき、q=(r2−r1)/(r2+r1)で定義される)、次式
0≦||q(L3)|−|q(L1)||≦0.5
0≦|q(L2)|≦0.5
の条件を満足することを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載の対物レンズ。 - 全系の焦点距離をfとし、前記第3レンズ群が有する、物体側の前記負の屈折力を持つ単レンズの焦点距離をf31とし、前記正の屈折力を持つ単レンズの焦点距離をf32とし、像側の前記負の屈折力を持つ単レンズの焦点距離をf33としたとき、次式
1.5≦|f31/f|≦2.9
1.5≦|f32/f|≦2.9
1.5≦|f33/f|≦2.9
の条件を満足することを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載の対物レンズ。 - 製造時のレンズの偏心調整の際には、
加工用レーザ光及び加工前後の被加工物の形状を観察するための観察光に対する収差を同時に補正し、かつ、前記加工用レーザ光の集光位置と前記観察光の集光位置とのズレが0.5μm以下となるように、
前記第1レンズ群及び前記第2レンズ群を構成するレンズから偏心調整用のレンズを選択することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の対物レンズ。 - 前記観察光はd線(波長587.56nm)であり、
製造時のレンズの偏心調整の際には、前記観察光の像面(光軸上)における点像強度分布の値が0.97以上となるように、
前記第1レンズ群及び前記第2レンズ群を構成するレンズから前記偏心調整用のレンズを選択することを特徴とする請求項10に記載の対物レンズ。 - 前記加工用レーザ光は波長355nmの光線であり、
製造時のレンズの偏心調整の際には、前記加工用レーザ光の像面(光軸上)における点像強度分布の値が0.85以上となるように、
前記第1レンズ群及び前記第2レンズ群を構成するレンズから前記偏心調整用のレンズを選択することを特徴とする請求項10又は11に記載の対物レンズ。
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