[go: up one dir, main page]

JP2010134094A - 像加熱装置 - Google Patents

像加熱装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010134094A
JP2010134094A JP2008308545A JP2008308545A JP2010134094A JP 2010134094 A JP2010134094 A JP 2010134094A JP 2008308545 A JP2008308545 A JP 2008308545A JP 2008308545 A JP2008308545 A JP 2008308545A JP 2010134094 A JP2010134094 A JP 2010134094A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heater
stay
heat
fixing
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008308545A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiji Uekawa
英治 植川
Yusuke Nakazono
祐輔 中園
Hisashi Nakahara
久司 中原
Jun Asami
順 浅見
Kan Takeda
敢 竹田
Hideyuki Matsubara
英之 松原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2008308545A priority Critical patent/JP2010134094A/ja
Publication of JP2010134094A publication Critical patent/JP2010134094A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】フィルム加熱方式の加熱定着装置において、装置がコールド状態においても、不必要なウェイトタイム無しに、またヒータの温調温度を上げることなく良好な加熱定着を行う手段を提供する。
【解決手段】加熱ヒータ11を内包した定着フィルム13と加圧ローラ20との圧接部に形成されるニップ部に、記録材を導入して通過させることにより加熱をおこなう像加熱装置において、加熱ヒータを保持する断熱ホルダー12に対して、長手方向に渡って加圧するための逆Uの字型に成型された金属製のステー14の表面に、ステーの表面積に対して3%以上の空孔を長手方向に略均一の間隔で設ける。ステーの熱容量削減と断熱効果の向上により、コールド時の熱伝達効率を上げる。
【選択図】図2

Description

本発明は、記録材に形成された画像を加熱する像加熱装置に関し、特に複写機やプリンタ等に搭載される加熱定着装置として用いれば有効な像加熱装置に関する。
従来、電子写真方式、静電記録方式等を採用する画像形成装置に具備される加熱定着装置(以下、定着装置と呼ぶ)においては、未定着トナー像を担持した記録材を、互いに圧接して回転する定着ローラと加圧ローラとで形成されるニップ部を通過させることにより記録材上に永久画像として定着させる、いわゆる熱ローラ方式の定着装置が広く用いられている。
また一方で、スタンバイ時に定着装置に電力を供給せず、消費電力を極力低く抑えたフィルム加熱方式の定着装置が実用化されている。フィルム加熱方式の定着装置は、例えば特開昭63−313182号公報・特開平2−157878号公報・特開平4−44075号公報・特開平4−204980号公報・特開平8−6409等に提案され実用化されている。
図10に代表的なフィルム加熱方式の定着装置を表す概略構成図を記す。断熱性ホルダー52に保持されたセラミックヒータ51と加圧ローラ50との間に樹脂性や金属性の高熱伝導フィルム53(以下、定着フィルムと記す)を挟んで定着ニップ部Nを形成させ、その定着ニップ部Nに未定着トナー画像を形成担持させた記録材を導入して加熱定着を行う。良好な定着画像を得る為の十分な定着ニップ幅Nを形成する手段として、ヒータ51および定着フィルム53を含む定着部材は、加圧ローラ50に対して加圧バネ等55によって、加圧ローラ50の弾性に抗して押圧されている。また、定着部材の長手方向に渡って、略均一な幅の定着ニップ幅Nを安定して形成する為には、ヒータ51を保持する断熱ホルダー52が加圧手段によって撓んだり、回転駆動時に捩れたりしないようにすることが重要である。その手段として、断熱ホルダー52は54に示されるような逆Uの字形状に形成された金属製のステーを介して長手方向に略均一な加圧力で押圧されることが必須である。
特開昭63−313182号公報 特開平2−157878号公報 特開平4−44075号公報 特開平4−204980号公報 特開平8−6409号公報
しかしながら、上述した逆Uの字の金属ステー54は、加圧力に対して十分な剛性を確保する為に、少なくとも1.0mm以上の厚みが必要であり、加圧力が大きいほどその厚みを増す必要がある。ステー54はアルミや鉄などの金属部材であるため、定着部材を構成する他の樹脂製部材よりもはるかに大きな熱容量をもつ。
フィルム加熱方式の加熱定着装置では、その加熱効率の高さから、スタンバイ時に所定の待機温度を保つ為の電力供給を必要としない。したがって長時間画像形成装置を使用しない場合、定着部材は室温と同等の温度にまで冷却される(以下、コールド状態と呼ぶ)。コールド状態においてプリントを開始すると、ヒータ51からの熱エネルギーは熱容量の大きい金属ステー54にも吸収されてしまうので、定着ニップ側に伝達する熱量が少なくなる。
このような状態においても良好な定着画像を得る為には、金属ステー54が十分に温まるまでスタンバイした後に加熱定着を行うか、ヒータ51の温調温度をより高く設定する等の手段がある。しかしながら、前者の場合は、ユーザーに不必要なウエイトタイムを与えてしまうので好ましくない。また、後者の場合、温調温度を高く設定することに設計上の余裕があれば問題ないが、近年のプリンタや複写機の高速化に伴って、ヒータ51の制御温度は既に限界に達しており、更なる高温で制御すれば、周辺の樹脂部材の耐熱温度を越えたり、サーモスイッチや温度ヒューズなど通電安全素子の限界温度を越えたりしてしまう。また、省エネルギーの観点からも好ましくない。
そこで、本発明に係る目的は、加熱定着装置のコールド状態においても、不必要なウエイトタイムを必要とせず、またヒータの温調温度を上げること無く良好な加熱定着を行う手段を提供することである。
上記目的を達成する為に、本発明による像加熱装置は、互いに圧接させた加熱部材と加圧ローラとの間に形成されるニップ部に、記録材を導入して通過させることにより加熱をおこなう像加熱装置において、
前記加熱部材は、加熱ヒータと、加熱ヒータを保持する枠体と、枠体を加圧する金属製のステーと、前記加熱ヒータと加圧ローラに挟まれて、加熱ヒータと摺動しながら加圧ローラと同速で移動する低熱容量の耐熱フィルムからなり、前記金属製のステーには、表面積に対して3%以上の空孔が長手方向に均一の間隔で設けられたことを特徴とする。
以上に説明したように、本発明によれば、加熱ヒータを保持する枠体の長手方向に均一な加圧力を伝える為の金属製ステーの表面に、長手方向に均一の間隔で空孔を設けることにより、金属製ステーの熱容量を下げると共に、断熱性を向上させることができるので、像加熱装置がコールド状態における加熱動作時においても、ヒータの熱を効果的に記録材の方向に伝えることが可能となり、定着不良等の画像不良を抑制することが可能となる。
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
(1)画像形成装置
図1は本実施例における画像形成装置の概略構成図である。
1は感光ドラムであり、OPC、アモルファスSe、アモルファスSi等の感光材料がアルミニウムやニッケルなどのシリンダ状の基盤上に形成されている。感光ドラム1は矢印の方向に回転駆動され、まず、その表面は帯電装置としての帯電ローラ2によって一様帯電される。次に、レーザースキャナ3より、画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザビームLによる走査露光が施され、静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置4で現像、可視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。
可視化されたトナー像は、転写装置としての転写ローラ5により、所定のタイミングで搬送された記録材P上に感光ドラム1上より転写される。ここで感光ドラム1上のトナー像の画像形成位置と記録材の先端の書き出し位置が合致するように8のセンサにて記録材の先端を検知し、タイミングを合わせている。所定のタイミングで搬送された記録材Pは感光ドラム1と転写ローラ5に一定の加圧力で挟持搬送される。このトナー像が転写された記録材Pは定着装置6へと搬送され、永久画像として定着される。
一方、感光ドラム1上に残存する転写残りの残留トナーは、クリーニング装置7により感光ドラム1表面より除去される。また、9は加熱定着装置6内に設けられた排紙センサであり、紙がトップセンサ8と排紙センサの間で紙詰まりなどを起こした際に、それを検知する為のセンサである。
(2)加熱定着装置6
図2(a)、(b)は加熱定着装置6の概略構成模式図である。この加熱定着装置6は基本的には互いに圧接してニップ部Nを形成する定着アセンブリ10と加圧ローラ20よりなるフィルム加熱方式の加熱定着装置である。
図2の断面図(a)において、定着アセンブリ10は主に定着フィルム13と、加熱ヒータ11とヒータを保持する断熱ホルダー12、および加圧バネ15より加圧力を受けて断熱ホルダー12を加圧ローラ20に抗して押圧する金属ステー14から構成される。
1)加熱ヒータ11
加熱部材としての加熱ヒータ11は、定着フィルム13の内面に接触することによりニップ部Nの加熱を行う。低熱容量のプレート状であり、アルミナや窒化アルミ等の絶縁性セラミック基板11の表面に、長手方向に沿って、Ag/Pd(銀パラジウム)、RuO、TaN等の通電発熱抵抗層が、厚み約10μm、幅約1〜5mm程度でスクリーン印刷等により形成されている。この加熱ヒータ11が定着フィルム13と接する面には、熱効率を損なわない範囲で通電発熱抵抗層を保護する保護層を設けてあっても良い。保護層の厚みは十分薄く、表面性を良好にする程度が望ましい。一般的には厚み50μm〜70μm程度のガラスコートが用いられる。あるいは、通電発熱抵抗層を設けた面とは反対の面を定着フィルムと接するような裏面発熱タイプの構成にしてもよく、その場合はセラミック基板上に直接ガラスコートを施し、摺動性を持たせる。または、PTFEやPFA等のフッ素系樹脂、ポリイミドあるいはポリアミドイミド等のイミド系樹脂層を単層あるいは混合して被覆するか、グラファイト、ダイアモンド・ライク・カーボン(DLC)、二硫化モリブデン等から成る乾性皮膜を潤滑材、摺動材として形成してあっても良い。
加熱ヒータ11を保持する断熱ホルダー12は、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等の耐熱性樹脂により形成さる。熱伝導率が低いほど加圧ローラ20への熱伝導が良くなるので、樹脂層中にガラスバルーンやシリカバルーン等のフィラーを内包してあっても良い。定着フィルム13の回転を案内する役目も持つ。
14は金属ステーであり、断熱ホルダー12と接触し、定着アセンブリ全体の撓みや捩れを抑制する。詳細は後述する。
2) 定着フィルム13
定着フィルム13は、クイックスタートを可能にするために総厚200μm以下の厚みの耐熱性フィルムである。ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK等の耐熱性樹脂、あるいは耐熱性、高熱伝導性を有するSUS、Al、Ni、Cu、Zn等の純金属あるいは合金を基層として形成されている。樹脂製の基層の場合は熱伝導性を向上させるために、BN、アルミナ、Al等の高熱伝導性粉末を混入してあっても良い。また、長寿命の加熱定着装置を構成するために充分な強度を持ち、耐久性に優れた定着フィルム13として、総厚20μm以上の厚みが必要である。よって定着フィルム13の総厚としては20μm以上200μm以下が最適である。さらにオフセット防止や記録材の分離性を確保するために表層にはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE(エチレン テトラフルオロエチレン共重合体)、CTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂等の離型性の良好な耐熱樹脂を混合ないし単独で被覆して離型性層を形成してある。被覆の方法としては、定着フィルム13の外面をエッチング処理した後に離型性層をディッピングするか、粉体スプレー等の塗布であってもよい。あるいは、チューブ状に形成された樹脂を定着フィルム13の表面に被せる方式であっても良い。または、定着フィルム13の外面をブラスト処理した後に、接着剤であるプライマ層を塗布し、離型性層を被覆する方法であっても良い。
3) 加圧ローラ20
加圧ローラ20はSUS、SUM、Al等の金属製芯金21の外側にシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムで形成した弾性ソリッドゴム層、あるいはより断熱効果を持たせるためにシリコーンゴムを発泡して形成した弾性スポンジゴム層、あるいはシリコーンゴム層内に中空のフィラー(マイクロバルーン等)を分散させ、硬化物内に気体部分を持たせて断熱効果を高めた弾性気泡ゴム層等の弾性層22からなる弾性ローラである。この上にパーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)等の離型性層を形成してあってもよい。
4) 加熱定着装置6の駆動および制御方法
定着部材10は次のような構成により加圧ローラ20の弾性に抗して押圧され、所定のニップNを形成する。すなわち、図2(b)に示すように、金属ステー14は、その長手方向の両端が断熱ホルダー12から突き出ていて、ステー両端部にあるバネ受け部14aがバネ受け部材を介してコイルバネ15によって加圧される(本実施例では総圧10.0〜12.0kg)。荷重はステー足部14bを介して断熱ホルダー12の長手方向に渡って均一に伝達される。
定着ニップ部Nでは、加圧力によって定着フィルム13が加熱ヒータ11と加圧ローラ20の間に挟まれることで撓み、加熱ヒータ11の加熱面に密着した状態になる。
加圧ローラ20は芯金21の端部に設けられた不図示の駆動ギアにより、図2(a)の矢印の方向に回転する駆動力を得る。駆動力は制御手段を統制する不図示のCPUからの指令に従い、不図示のモータより伝達される。
この加圧ローラの回転駆動に伴って、定着フィルム13は加圧ローラ20との摩擦力により従動回転する。定着フィルム13と加熱ヒータ11との間には、フッ素系やシリコーン系の耐熱性グリース等の潤滑材を介在させることにより、摩擦抵抗を低く抑え、滑らかに定着フィルム13が回転可能となる。
また、加熱ヒータの温度制御はセラミック基板の背面に設けた不図示のサーミスタ等の温度検知素子の信号に応じて、CPUが通電発熱抵抗層に印加する電圧のデューティー比や波数等を決定し適切に制御することで、定着ニップ内の温度を所望の定着設定温度に保つ。
未定着トナー画像を保持した記録材Pは所定のタイミングに、不図示の供給手段によって適宜供給され、定着ニップ内に搬送され加熱定着が行われる。定着ニップより排出された記録材Pは不図示の排紙ガイドに案内されて排出される。
(3)本実施例における金属ステーの特徴
本実施例を代表する金属ステー14の詳細を図3に示す。ステーは厚み1.6mmのジンコート鋼板に予め直径4.0mm程度の空孔16を、各々の空孔が均等間隔になるように打ち抜いたものを、逆Uの字型に曲げ加工して成型してある。図3(a)のようにステーの各面において一列に空孔を配置させる場合や、図3(b)のように小さい空孔を複数列配置させる等、配置の方法はこれらに限定されるものではない。ステーに用いる他の材料としてはアルミやステンレス等、所定の加圧力に対しても剛性を確保できるような金属単体あるいは樹脂等と組み合わせた複合材料であってもよい。加工に関しても材料によっては切削や型成型等により所望の形状に成型することもできる。
ステー全体の熱容量を下げる為には、空孔16は大きくて数が多いほうがよいが、加圧力に対する撓みを少なくし、剛性を損なわない程度にとどめる必要がある。後述するが、ステーの表面積に対しての空孔の割合が(以下空孔率と呼ぶ)、5%〜40%程度が望ましい。空孔の大きさとしては、直径1.0mm〜6.0mm程度とし、空孔率に応じてその数を決定し、長手方向の歪み応力が均等に分散されるように空孔間の距離も均等に設定し配置させる。また、板金の曲げR部分のように応力が集中する箇所や、断熱ホルダー12と接触するステー足部14b付近には空孔を設けないほうが良い。
ここで空孔率に対する金属ステーの撓み量と、ステーに加わる最大応力を表1に示す。なお、ステー両端部にかかる加圧力は片側5.0kgづつで両端合わせて10.0kgfとした。撓み量はステー足部14bの長手中央部と端部の差にて表す。
Figure 2010134094
表1より明らかなように空孔率が増加するにつれて、両端部の撓み量、最大応力ともに増加していることがわかる。ここで、図4に金属ステー14と断熱ホルダー12のステー受部12aを長手真横から見た概略説明図を示す。加圧による金属ステー14の撓み量が大きくなると、ステー受部において接する断熱ホルダー12およびヒータ11もその撓みに沿ってしまうので、加圧ローラ20に抗して押圧される加圧力が長手方向によって異なってしまう。その結果、図のように定着ニップの形状が中央部で細くなり、長手方向において均一な加熱定着が行えない。このような問題を回避する為に、図5(a)に示すように、予め金属ステー14の断熱ステーと接触する面に長手方向に渡ってクラウン量を設ければ、加圧力が働いた時に、断熱ステーと接するステー足部14bはストレート形状を保つことができるので、長手方向に安定したニップを形成することができる。あるいは図5(b)に示すように、断熱ステー側の金属ステー受部にクラウン量を設け金属ステー14の撓みを補正すれば、安定した形状の定着ニップを形成できる。表1のように空孔率によって撓み量が変化すれば、それぞれに応じたクラウン量を設定すればよい。
しかしながら、空孔率が30%を越えると最大応力が100Mpa付近まで増加していることがわかる。これは、荷重に対する応力が部分的に集中するような箇所、例えば金属ステーの逆Uの字コーナー部分と空孔が接近するような部分において、最大応力が大きく増加することによる。本実施例に使用したジンコート鋼板製の金属ステーは最大せん断応力が約250Mpaであるため、40%以上の空孔率を形成した場合は加重によるステーの変形に対して充分な強度を確保できない。以上のことから、金属ステーの表面に設ける空孔の割合は、40%以下に設定することが適当であると考えられる。なお、空孔の大きさや、各空孔間の距離、または金属ステーの厚み、および加圧力に応じてステーの撓み量や最大応力は異なる為、適正なクラウン量は上表における撓み量に対して限られるものではなく、設計条件に応じて適宜調整することが望ましい。
(4)効果の比較
1)従来例との定着性能の比較
以下に、本実施例を代表する構成として金属ステー14に空孔を空けた場合と、従来のように空孔の無い金属ステーを用いた場合において、未定着トナー画像の加熱定着後の定着性能を比較した。
定着性能の比較方法としては、次に説明する濃度低下率という指標を用いた。図6に濃度低下率を求める際の画像パターンを示す。記録材のサイズと坪量、タイプとしてはLTRサイズの90g/m、厚紙を使用した。記録材上には図6に示すように上下3行、左右3列に均等に配置させた9つのパッチ用いる。一つのパッチの大きさは1cm×1cmの正方形であり、ここではパッチ内の画像パターンとしてベタ黒を用いている。評価によっては適切なドットで形成されるハーフトーン画像を用いても良い。(このようなパターンを以下定着性評価パターンと呼ぶ。)
定着性評価パターンの未定着トナー画像を形成したLTR紙を加熱定着させ、定着後の各パッチの反射濃度を測定する。この反射濃度を「擦り前濃度」とする。(反射濃度計としてはマクベス社製のMacbeth−RD914を用いた。)次に、所定の定められた重量の重りを用いて各パッチを所定回数擦る。重りが画像と摩擦する面には、画像の表面を適度に擦れ易くする為に、シルボン紙等の擦り紙を添えるのがよい。本実施例では、200gfの重りを用い、各パッチを10回づつ擦った。擦り前と同様に擦り後の各パッチの画像濃度を測定し、この濃度を「擦り後濃度」とする。濃度低下率は次式で表される。
(濃度低下率)={(擦り前濃度)−(擦り後濃度)}/(擦り前濃度)
×100(%)
各パッチにおける濃度低下率を計算し、9点の平均を「平均値」、9点のうちの最大値を「最大値」と定義する。
画像形成装置を用いて、加熱定着装置がコールド状態から、連続10枚のプリントを行い、濃度低下率の比較を行った。比較の対象として、1 従来例として、空孔の無い金属ステーを用いた場合と、2〜6として金属ステーの表面積に対して、5%、10%、20%、30%、40%の空孔を設けた場合を比較した。結果を図7のグラフに記す。図7(a)が平均値を比較したもの。図7(b)が最大値を比較したグラフである。
結果より明らかなように、空孔を5%以上設けることにより、コールド状態から5枚目くらいまでの濃度低下率が下がっていることが分かる。7枚目以上において、濃度低下率に差がなくなっているのは、金属ステーが徐々に温まったことによって、空孔の有り無しによっての熱伝達に差がなくなったことを示している。また、30%以上の空孔率では、濃度低下率がそれほど変化していないことから、空孔による断熱効果が飽和していることがわかる。したがって、金属ステーに設ける空孔率は、5%以上40%以下程度が望ましいことがわかる。
2)熱容量による考察
ここで、本発明の目的を達成する手段として、金属ステーの表面に空孔を設けることがより効果的であることを次のように確かめた。例えば、厚みが1.6mmで空孔率が表面積に対して20%の金属ステーの熱容量と同等の熱容量をステーの厚みを減じることで達成した場合を考える。すなわち、金属ステー表面に空孔を持たず、ステーの厚みで調節した場合、ちょうど1.28mmの厚みで同等の熱容量を達成できる。これら2つの構成について、上記同様に定着性能を比較してみた。結果を図8のグラフに示す。結果より明らかなように、空孔を設けた金属ステーの方が、定着性能がより優れていることがわかる。
これは、加熱ヒータ熱エネルギーの伝達が、単に金属ステーの熱容量によって決まるのではないことを示している。空孔を設けることにより、ヒータから受け取る放射熱量が少ないこと、および受け取った熱を更にステーの外側に放射する量が少ないこと、すなわち断熱性に優れていることが重要であると言える。熱容量のみを減じた薄肉のステーではこのような断熱性能に優れないため、効果が少ないといえる。
以上に説明したように、本実施例では、加熱ヒータを保持する断熱ホルダーの長手方向に、均一な加圧力を伝えるための逆U字型金属ステー表面に空孔を設けることにより、金属ステーの熱容量を下げると共に、断熱性を向上させることができるので、加熱定着装置がコールド状態における加熱動作時においても、ヒータの熱を効率的に記録材の方向に伝えることが可能となり、定着不良等の画像不良を防止することが可能となる。
実施例2を代表する、加熱定着装置の概略図を図9に示す。本実施例では、金属ステー上に設ける空孔の割合を、長手方向に対して、部分的に変化させたことを特徴とする。より詳しくは、
(1)図9(a)に示すように長手方向の一部分のみ空孔が多いケース。
(2)図9(b)に示すように所定の間隔に空孔を多く設けたケース。
(3)図9(c)のように長手の端部のみ空孔が多いケースなど、
それぞれの目的に応じて、空孔の設け方を分類することができる。以下にそれぞれのケースについての作用効果を説明する。
(1)のように長手方向の一部分のみ空孔を多く、あるいは大きく設けたケースは、その場所と一致する部分の金属ステー内部に、熱を吸収するような機能部材などが、ヒータ裏面或いは断熱ホルダー上に設置されている場合に適している。例えば、サーモスイッチや温度ヒューズ等の安全素子17がヒータ裏面上に設置されている場合、通常そのよう場所は、ヒータの熱を部材が奪ってしまう為に、ニップ内のフィルム表面温度が周囲よりも下がってしまう傾向にある。これが原因となって、定着不良やそれに起因する画像ムラ、グロスムラ等が生じてしまうことが多い。従って、このような温度を吸収するような場所の外側に空孔を大きく設けることにより、その部分の放熱量を抑制すれば、フィルム表面の温度が均一に保たれる為、画像不良等の発生を防ぐことができる。
(2)についても、効果としては(1)と同様であるが、例えば図9(b)に示すように、ヒータを保持する断熱ホルダーには定着フィルムが回転した際にスムーズな回転と、形状を保つためにフィルムを外嵌するリブ12aを設けてあることが多い。定着フィルムはこのリブ12aに接触する為、接触部分で熱が奪われる為に、画像上にリブ跡として現れる場合がある。このような問題に対しても、その部分の空孔率を高く設けることにより画像不良を抑制することができる。
(3)図9(c)に示すように、フィルムの長手端部は、加圧ローラの延長部分やフィルムの走行をガイドするためのフランジ等の部材18が存在する為、必然的にヒータの熱が外側に流れる。そのため、記録材上の画像両端部の定着不良が発生することがある。このようなケースにおいても、長手両端部の空孔率を部分的に高めることにより、端部の放熱量を抑制し定着不良を防ぐことができる。
以上に説明したように、本実施例では、定着器の長手方向において熱分布が異なるような原因がある場合に、温度が低くなるようなポイントにおいて、金属ステー表面の空孔率を高く設定することで、その部分の吸熱を抑制し、温度ムラ等により発生する画像不良を抑制することが可能である。
本発明に係る画像形成装置を表す概略断面図。 本発明に係る像加熱装置を表す概略構成図。 実施例1に係る金属ステーを表す概略構成図。 実施例1の構成を説明する概略図。 実施例1の構成を説明する概略図。 実施例1の作用効果を示す概略図。 実施例1の作用効果を説明するグラフ。 実施例1の作用効果を説明するグラフ。 実施例2の構成を説明する概略図。 従来例のフィルム加熱方式の加熱定着装置を表す概略断面図である。
符号の説明
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
3 スキャナー
4 現像装置
5 転写ローラ
6 加熱定着装置
7 クリーニング装置
8 トップセンサ
9 排紙センサ
10 定着アセンブリ
11 加熱ヒータ
12 断熱ホルダー
13 定着フィルム
14 金属ステー
15 加圧バネ
16 空孔
17 安全素子
18 フランジ
20 加圧ローラ
50 加圧ローラ
51 セラミックヒータ
52 断熱ホルダー
53 定着フィルム
54 金属ステー
55 加圧バネ
P 記録材
L レーザー光

Claims (6)

  1. 互いに圧接させた加熱部材と加圧ローラとの間に形成されるニップ部に、記録材を導入して通過させることにより加熱をおこなう像加熱装置において、
    前記加熱部材は、加熱ヒータと、加熱ヒータを保持する枠体と、枠体を加圧する金属製のステーと、前記加熱ヒータと加圧ローラに挟まれて、加熱ヒータと摺動しながら加圧ローラと同速で移動する低熱容量の耐熱フィルムからなり、
    前記金属製のステーには、表面積に対して3%以上の空孔が長手方向に均一の間隔で設けられたことを特徴とする像加熱装置。
  2. 前記フィルムは、前記枠体にガイドされながら回転運動する薄肉円筒状のフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  3. 前記加熱ヒータはプレート状のセラミックを基体とするヒータであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の像加熱装置。
  4. 前記金属製ステーは、予め空孔の設けられた板金を逆Uの字型に曲げ加工して成ることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の像加熱装置。
  5. 前記金属製ステーに設けた空孔は、ステーの長手方向に対して空孔の割合を変化させてあることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の像加熱装置。
  6. 前記金属製ステーに設けた空孔は、ステー長手両端部における空孔の割合が中央部の空孔の割合より多いことを特徴とする請求項5に記載の像加熱装置。
JP2008308545A 2008-12-03 2008-12-03 像加熱装置 Pending JP2010134094A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008308545A JP2010134094A (ja) 2008-12-03 2008-12-03 像加熱装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008308545A JP2010134094A (ja) 2008-12-03 2008-12-03 像加熱装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010134094A true JP2010134094A (ja) 2010-06-17

Family

ID=42345458

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008308545A Pending JP2010134094A (ja) 2008-12-03 2008-12-03 像加熱装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010134094A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014199309A (ja) * 2013-03-29 2014-10-23 ブラザー工業株式会社 定着装置
US9256176B2 (en) 2013-05-23 2016-02-09 Canon Kabushiki Kaisha Fixing belt, fixing device, and method for manufacturing fixing belt
JP2016090937A (ja) * 2014-11-10 2016-05-23 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置および画像形成装置
JP2016109755A (ja) * 2014-12-03 2016-06-20 キヤノン株式会社 像加熱装置
EP3151068A1 (en) 2015-09-29 2017-04-05 Canon Kabushiki Kaisha Rotatable feeding member and rotatable fixing member
US9891565B1 (en) 2016-07-28 2018-02-13 Canon Kabushiki Kaisha Fixing member, fixing apparatus and electrophotographic image forming apparatus
JP2019164328A (ja) * 2018-03-14 2019-09-26 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP2020106665A (ja) * 2018-12-27 2020-07-09 株式会社リコー 定着装置、画像形成装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014199309A (ja) * 2013-03-29 2014-10-23 ブラザー工業株式会社 定着装置
US9256176B2 (en) 2013-05-23 2016-02-09 Canon Kabushiki Kaisha Fixing belt, fixing device, and method for manufacturing fixing belt
JP2016090937A (ja) * 2014-11-10 2016-05-23 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置および画像形成装置
JP2016109755A (ja) * 2014-12-03 2016-06-20 キヤノン株式会社 像加熱装置
EP3151068A1 (en) 2015-09-29 2017-04-05 Canon Kabushiki Kaisha Rotatable feeding member and rotatable fixing member
US9791812B2 (en) 2015-09-29 2017-10-17 Canon Kabushiki Kaisha Rotatable feeding member and rotatable fixing member
US9891565B1 (en) 2016-07-28 2018-02-13 Canon Kabushiki Kaisha Fixing member, fixing apparatus and electrophotographic image forming apparatus
JP2019164328A (ja) * 2018-03-14 2019-09-26 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP2020106665A (ja) * 2018-12-27 2020-07-09 株式会社リコー 定着装置、画像形成装置
JP7176407B2 (ja) 2018-12-27 2022-11-22 株式会社リコー 定着装置、画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5241144B2 (ja) 定着装置
US9329545B2 (en) Fixing device and image forming apparatus
JP2010134094A (ja) 像加熱装置
US9329539B2 (en) Fixing device including heating body and protector and image forming apparatus
JP2003186327A (ja) 像加熱装置
JP2009109952A (ja) 加圧部材、及びその加圧部材を有する像加熱装置
JP6282141B2 (ja) 定着装置
JP2009031772A (ja) 加圧部材、及びこの加圧部材を有する像加熱装置
JP7277214B2 (ja) 画像形成装置
JP2007025237A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2014016603A (ja) 画像加熱装置及びベルト交換方法
JP5450930B2 (ja) 像加熱装置
JP6289146B2 (ja) 定着装置
US20110100972A1 (en) Image heating apparatus
US10310433B2 (en) Image forming apparatus that controls a temperature of at least one of a rotating member based on a wearing amount of the rotating member and a pressing member based on a hardness change amount of the pressing member
JP2010054821A (ja) 像加熱装置
JP2009223291A (ja) 定着装置およびそれを備える画像形成装置
JP5460421B2 (ja) 画像形成装置
JP2007328020A (ja) 像加熱装置
JP4355751B2 (ja) 定着装置
JP2016004161A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP4387657B2 (ja) 加熱定着装置
JP2006301110A (ja) 画像形成装置
JP2015138109A (ja) 画像形成装置
JP2007178828A (ja) 画像加熱装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20100630