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JP2010129918A - 半導体ウェーハの表層高強度化方法 - Google Patents

半導体ウェーハの表層高強度化方法 Download PDF

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JP2010129918A JP2008305532A JP2008305532A JP2010129918A JP 2010129918 A JP2010129918 A JP 2010129918A JP 2008305532 A JP2008305532 A JP 2008305532A JP 2008305532 A JP2008305532 A JP 2008305532A JP 2010129918 A JP2010129918 A JP 2010129918A
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semiconductor wafer
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oxygen concentration
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Hisashi Adachi
尚志 足立
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Sumco Corp
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Abstract

【課題】ウェーハ表層の酸素濃度を高め、この表層の高強度化を図ることが可能な半導体ウェーハの表層高強度化方法を提供する。
【解決手段】半導体ウェーハの表層の一部に、酸化性ガスの雰囲気での熱処理に伴う内方拡散またはイオン注入によって酸素を導入する。その後、表層を除く部分は溶融させず、表層のみを高エネルギ光の照射により溶融させる。これにより、表層に導入された酸素が表層の全域に熱拡散し、その後、これを冷却して固化させることで、表層が高酸素濃度領域部となる。その結果、ウェーハ表層の酸素濃度を高め、この表層の高強度化を図ることができる。
【選択図】図1e

Description

この発明は半導体ウェーハの表層高強度化方法、詳しくは半導体ウェーハの表層の高品質化が図れる半導体ウェーハの表層高強度化方法に関する。
近年、半導体集積回路における素子分離構造の形成方法として、シャロー・トレンチ・アイソレーション(STI;Shallow Trench Isolation)法が開発されている。STI法では、シリコンウェーハの表層にトレンチ溝を形成し、その後、トレンチ溝にシリコン酸化膜などの絶縁物を埋め込むことで、シリコンウェーハの表層に素子分離構造を形成している(例えば、特許文献1)。
特開平11−145275号公報
しかしながら、トレンチ溝に埋め込まれた絶縁物の特性により、素子分離構造(STI)の内部には大きいストレス(応力)が生じ、デバイス形成中のシリコンウェーハに転位が発生するおそれがあった。また、転位の発生量はシリコンウェーハの品種に左右され、かつウェーハ表層の酸素濃度が低いものほど転位の発生頻度が高いと言われている。しがって、シリコン単結晶からなるエピタキシャル膜付きのエピタキシャルシリコンウェーハや、非酸化性ガスの雰囲気下で高温熱処理されたシリコンウェーハあるいは極低酸素シリコンウェーハは、表層の酸素濃度が5×1017atoms/cm以下となり、一般のCZ(チョクラルスキー)ウェーハ(1×1018atoms/cm)に比べて半桁以上低いため、転位の発生頻度が高く、歩留りが低下していた。
ところで、酸化性ガスの雰囲気で行われるウェーハ熱処理では、ウェーハ表層の基板酸素濃度がウェーハの加熱温度に応じて変動し、その酸素濃度はウェーハを急冷するときの加熱温度に応じた酸素固溶度に維持される。
すなわち、1000℃以上の高温状態でウェーハを炉外へ取り出せば、ウェーハ表層の高い酸素固溶度が保持され、表層を高酸素濃度領域部とすることができる。
一方、前記表層酸素濃度の低いシリコンウェーハまたはエピタキシャルウェーハの場合には、表層部に酸素イオンを注入した後、高エネルギ光の照射、または、酸素を含む雰囲気下での高エネルギ光の照射、さらにはシリコン表層を溶融することでも酸素を取り込ませることが可能である。
これを踏まえて、発明者は鋭意研究の結果、ウェーハ表層に酸化性ガスの雰囲気での熱処理であり、前記半導体ウェーハが1000℃以上融点以下で加熱処理による酸素内方拡散を行い、その後、加熱炉から1000℃以上の温度で取り出す手法、あるいはイオン注入により酸素を導入し、その後、高エネルギ光の照射により溶融させる手法、もしくは酸素を含む雰囲気下でウェーハ表層のみを高エネルギ光の照射により溶融させる手法により、その表層が高酸素濃度化してウェーハの強度が高まり、転位の発生が抑えられて歩留りが高まることを知見し、この発明を完成させた。
この発明は、ウェーハ表層の酸素濃度を高め、この表層の高強度化を図ることができ、そのため表層にSTI構造を設けた場合に発生するSTI構造内でのストレスを原因としたウェーハ表層の転位の発生が抑えられ、製品ウェーハの歩留りを高めることができる半導体ウェーハの表層高強度化方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、半導体ウェーハに、酸化性ガスの炉内雰囲気で1000℃以上融点以下の抵抗加熱を施すことで、前記半導体ウェーハの表層の一部に酸素を内方拡散させる内方拡散工程と、該内方拡散工程後、前記半導体ウェーハを1000℃以上の炉内温度で前記炉内から取り出し、該半導体ウェーハの表層を高酸素濃度領域部とする高温取り出し工程とを備えた半導体ウェーハの表層高強度化方法である。
請求項1に記載の発明によれば、半導体ウェーハを1000℃以上の酸化性ガスの雰囲気の炉内で熱処理し、半導体ウェーハの表層の全域に酸素を熱拡散する(内方拡散工程)。その後、1000℃以上の温度で半導体ウェーハを炉外へ取り出し、半導体ウェーハを急冷する(高温取り出し工程)。酸化性ガスの雰囲気でのウェーハ熱処理では、表層の酸素濃度が半導体ウェーハの加熱温度に応じて変動し、その酸素濃度は半導体ウェーハの急冷により固定(凍結)される。
例えば、半導体ウェーハを1200℃で熱処理した際には、表層に高い酸素固溶度(約1×1018atoms/cm)が保持される。しかしながら、700℃まで徐冷して炉外へ取り出した場合には、表層の酸素濃度はこの700℃に見合った量の低い酸素固溶度まで低下する。そこで、1000℃以上(好ましくは1000℃以上熱処理温度以下)の高温状態で半導体ウェーハを炉外へ取り出せば、ウェーハ表層には高い酸素固溶度が固定され、表層を高酸素濃度領域部とすることができる。このように、酸素濃度を高めることで、表層の高強度化を図ることができ、その結果、表層にSTI構造を設けた場合に生じるSTI構造内でのストレスを原因としたウェーハ表層の転位の発生が抑えられ、製品ウェーハの歩留りを高めることができる。
半導体ウェーハとしては、単結晶シリコンウェーハ、SOIウェーハなどを採用することができる。
半導体ウェーハの表層の一部とは、ウェーハ深さ(厚さ)方向の一部でも、ウェーハ面内の一部でもよい。
半導体ウェーハの表層(高酸素濃度領域部)の厚さ(深さ)は、基本的にはデバイス構造に依存するがSTIを含む領域以上である。具体的には、少なくとも表面から0.1〜2μmである。0.1μm未満では、STIの深さのデバイス予想から判断すれば0.1μm以下とならないので、転位を完全に抑制することはできない。また、2μmを超えれば、レーザ照射時間が長くなり、高レーザパワーのレーザ装置が必要となる。そのため、生産性などを考慮すれば製造コストが上昇する。表層の好ましい厚さは、0.2〜2μmである。
酸化性ガスとしては、例えば酸素ガス、酸素混合ガスを採用することができる。
酸化性ガス雰囲気での半導体ウェーハの熱処理温度は、半導体ウェーハの素材により、その上限値(融点未満)が変更される。例えば、半導体ウェーハが単結晶シリコンの場合には、1000℃以上1420℃未満、好ましくは1000℃〜1350℃である。1000℃未満では、シリコンに対する酸素固溶度が低い。また1350℃を超えれば、スリップ抑制が困難となる。酸化性ガス雰囲気での半導体ウェーハのさらに好ましい熱処理温度は、1100〜1250℃である。この範囲であれば、市販のランプアニラーなど適用することができる。
ここでいう熱処理とは、例えば白熱線ヒータなどによる抵抗加熱、白熱ランプなどによるランプ加熱を採用することができる。
酸化性ガス雰囲気での半導体ウェーハの熱処理時間は、5秒〜1時間である。5秒未満では、十分に酸素内方拡散ができない。また、1時間を超えれば、酸素拡散量は十分過ぎるほどであるが生産性が低下する。酸化性ガス雰囲気での半導体ウェーハの好ましい熱処理温度は、30秒〜10分である。
高酸素濃度領域部の酸素濃度は、5×1017〜5×1018atoms/cmである。5×1017atoms/cm未満では、十分強度向上を発揮できない。5×1018atoms/cmを超えれば、デバイス工程で酸素ドナーを形成する可能性がある。高酸素濃度領域部の酸素濃度を5×1017〜2×1018atoms/cmとすることで、これらの課題を解消することができる。
請求項2に記載の発明は、半導体ウェーハの表面に酸化性ガスの雰囲気で高エネルギ光を照射し、前記半導体ウェーハの表層を溶融させ、その後、これを冷却して固化させることで、前記表層に高酸素濃度領域部を形成する半導体ウェーハの表層高強度化方法である。
請求項2に記載の発明によれば、酸素を含む雰囲気下で高エネルギ光の照射により表層を溶融させる。これにより、炉内雰囲気中の酸素が溶融した表層に取り込まれ、その後、これを冷却して固化させることで、表層が高酸素濃度領域部となる。
溶融工程では、光加熱方式のアニール装置により半導体ウェーハの表層のみが溶融される。
光加熱方式としては、例えば各種のランプアニール法(スパイククランプアニール法、フラッシュランプアニール法など)、レーザアニール法(レーザスパイクアニール法など)を採用することができる。
高エネルギ光としては、例えばランプ光、レーザ光などを採用することができる。
高エネルギ光の照射エネルギは、特に限定しないが0.1〜20J/cmとする。0.1J/cm未満では、シリコン溶融に時間を有する。また、20J/cmを超えれば、溶融速度は高まるものの、装置コストが大幅に高くなる。高エネルギ光の好ましい照射エネルギは、0.5〜10J/cmである。この範囲であれば、市販の装置が適用できるというさらに好適な効果が得られる。
高エネルギ光の好適な波長は、半導体ウェーハの品種に応じて適宜選択される。
請求項3に記載の発明は、半導体ウェーハの表面から酸素をイオン注入し、半導体ウェーハの表層に酸素を導入する酸素導入工程と、該酸素導入工程後、高エネルギ光を照射により前記半導体ウェーハの表層を溶融させ、その後、これを冷却して固化させることで、前記表層に高酸素濃度領域部を形成する溶融工程とを備えた半導体ウェーハの表層高強度化方法である。
請求項3に記載の発明によれば、イオン注入により酸素を表層に導入し、その後、表層のみを高エネルギ光の照射により溶融させる。これにより、表層に導入された酸素が表層の全域に略均一に熱拡散し、その後、これを冷却して固化させることで、表層が高酸素濃度領域部となる。
その結果、表層の酸素濃度が高まり、表層の高強度化が図れる。よって、仮に表層にSTI構造を形成した場合には、STI構造内でのストレスを原因としたウェーハ表層の転位の発生が抑えられ、製品ウェーハの歩留りを高めることができる。
ここでいう「イオン注入」とは、イオン注入装置による酸素のイオン注入を意味する。その他、イオンドーピング装置による前記のイオン注入でもよい。イオンドーピングとは、イオン生成室で生成されたイオン種を質量分離せず、例えば、シリコンウェーハの表面に高速で注入する技術である。
酸素のイオン注入量は、例えば、1×1014atoms/cm程度である。酸素のイオン注入エネルギは、例えば、130keV程度である。酸素のイオン注入深さは、例えば、0.4μm程度である。酸素の注入ピーク領域の酸素濃度は、例えば、3×1018atoms/cm程度である。
請求項4に記載の発明は、前記高酸素濃度領域部は、少なくとも素子分離を行うシャロー・トレンチ・アイソレーションの形成領域を含む請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載の半導体ウェーハの表層高強度化方法である。
シャロー・トレンチ・アイソレーション(STI)とは、ウェーハ表層に形成されたトレンチ溝をシリコン酸化膜などの絶縁物により埋めた素子分離構造をいう。
シャロー・トレンチ・アイソレーションの形成領域は、ウェーハ表面から2μm以内の深さ範囲である。
ここでのウェーハ表層の深さ(厚さ)は、少なくとも表面から0.1〜2μmである。0.1μm未満では、STIの深さのデバイス予想から判断すれば0.1μm以下とならないので、転位を完全に抑制することはできない。また、2μmを超えれば、レーザ照射時間が長くなり、高レーザパワーのレーザ装置が必要となる。そのため、生産性などを考慮すれば製造コストが上昇する。表層の好ましい厚さは、0.2〜2μmである。
請求項5に記載の発明は、前記高酸素濃度領域部の形成後、前記半導体ウェーハの表面を研磨する請求項1〜請求項4のうち、何れか1項に記載の半導体ウェーハの表層高強度化方法である。
請求項5に記載の発明によれば、高酸素濃度領域部の形成後、半導体ウェーハの表面を研磨するので、仮にウェーハ表面に微小な凹凸欠陥が存在しても、市販の半導体ウェーハと同等の表面平坦度を得ることができる。
ウェーハ表面とは、半導体ウェーハのデバイスが形成される面をいう。
ウェーハ表面の研磨量は、高酸素濃度領域部の深さより少なくするのは当然であるが、研磨による平坦度劣化を防ぐため、できるだけ研磨量は少なくした方が好ましい。すなわち、研磨代は固化後の高酸素濃度領域部(表層)の表面(露出面)の凹凸欠陥を除去できるだけの大きさである。例えば、高酸素濃度領域部の厚みに依存するが5〜500nmである。5nm未満では、現状のCMP(Crystal Originated Particle)装置では表面を均一に研磨するのが困難で、逆に平坦度を劣化させる可能性がある。
請求項1に記載の発明によれば、半導体ウェーハを1000℃以上の酸化性ガスの雰囲気の炉内で熱処理し、半導体ウェーハの表層の全域に酸素を熱拡散する。その後、1000℃以上の温度で半導体ウェーハを炉外へ取り出し、半導体ウェーハを急冷する。これにより、ウェーハ表層に高い酸素固溶度の高酸素濃度領域部が形成され、この表層が高強度化される。その結果、表層にSTI構造を設けた場合に生じるSTI構造内でのストレスを原因としたウェーハ表層の転位の発生が抑えられ、製品ウェーハの歩留りを高めることができる。
請求項2に記載の発明によれば、酸素を含む雰囲気下で高エネルギ光の照射により表層を溶融させる。これにより、溶融時に、表層へ導入された酸素が表層の全域に熱拡散し、これを冷却(急冷)して固化させることで、表層が高酸素濃度領域部となる。その結果、ウェーハ表層の酸素濃度を高め、この表層の高強度化を図ることができる。よって、表層にSTI構造を設けた場合に発生するSTI構造内でのストレスを原因としたウェーハ表層の転位の発生が抑えられ、製品ウェーハの歩留りを高めることができる。
請求項3に記載の発明によれば、イオン注入により酸素を表層に導入し、その後、表層のみを高エネルギ光の照射により溶融させる。これにより、表層に導入された酸素が表層の全域に略均一に熱拡散し、その後、これを冷却して固化させることで、表層が高酸素濃度領域部となる。その結果、表層の酸素濃度が高まり、表層の高強度化が図れる。よって、仮に表層にSTI構造を形成した場合には、STI構造内でのストレスを原因としたウェーハ表層の転位の発生が抑えられ、製品ウェーハの歩留りを高めることができる。
請求項5に記載の発明によれば、高酸素濃度領域部の形成後、半導体ウェーハの表面を研磨するので、仮にウェーハ表面に微小な凹凸欠陥が存在しても、市販の半導体ウェーハと同等の表面平坦度を得ることができる。
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。
この発明の実施例1に係る半導体ウェーハの表層高強度化方法を説明する。
チョクラルスキー法により直径200mm、初期酸素濃度1.0×1018atoms/cm、比抵抗が10mΩ・cmのシリコン単結晶インゴットを引き上げる。得られたシリコン単結晶インゴットには、ブロック切断、外径研削、スライス、面取り、エッチング、表面研磨の各工程が順次施される。これにより、表面が鏡面化された厚さ725μmのシリコンウェーハ(半導体ウェーハ)が作製される。
次に、図1のフローシートに示すように、シリコンウェーハ10の表層(表面から深さ0.4μm)の一部に、酸素をイオン導入する(図1a、酸素導入工程)。具体的には、シリコンウェーハ10を中電流イオン注入装置の炉内に挿入し、130keVの加速電圧で、1×1014atoms/cmの酸素をイオン注入する。これにより、ウェーハ表面から深さ0.4μmの位置に酸素の注入ピーク領域(酸素濃度は約3×1018atoms/cm)を有したイオン注入領域部11が形成される。
次いで、レーザ光(高エネルギー光)をシリコンウェーハ10の表面に照射し、表層を溶融させる(図1b、溶融工程)。具体的には、レーザアニール炉にシリコンウェーハ10を挿入し、その後、例えば波長510nmでシリコンウェーハ10の表面全域にレーザ光をパルス照射または連続照射する。これによりウェーハ10の表層のみが溶融する。このとき、炉内は非酸化性ガスの雰囲気にすれば雰囲気中からの酸素の取り込みを無視できるので好ましい。その後、溶融した表層は、冷却して固化される。
溶融工程後、シリコンウェーハ10の表面を研磨する(図1c)。
具体的には、ウェーハ表面を下に向け、キャリアプレートを介して、枚葉式の研磨装置の研磨ヘッドの下面に、シリコンウェーハ10を貼着する。その後、回転中の研磨ヘッドを徐々に下降させ、研磨定盤の上面の研磨布に、研磨液を供給しながら、ウェーハ表面を0.05μm程度、化学的機械的研磨する。これにより、表層が高強度化されたシリコンウェーハ20が作製される(図1d)。
得られた表層高強度化ウェーハ20は、デバイス形成プロセス部門へ移送され、ウェーハ表層に一般の方法でSTI(シャロー・トレンチ・アイソレーション)構造14が形成される(図1e)。すなわち、表層高強度化ウェーハ20の表面に所定幅のトレンチ溝を形成し、その後、トレンチ溝にシリコン酸化膜(絶縁物)を埋め込み、表層に素子分離構造を形成する。
このように、シリコンウェーハ10の表層の一部に酸素をイオン注入し、その後、表層のみを溶融させて注入酸素を表層の全域に熱拡散し、次に表層を急冷して固化させるように構成したので、ウェーハの表層が高酸素濃度領域部13となる。その結果、表層の強度が高まり、後工程で表層にSTI構造14を形成した場合でも、トレンチ溝に埋め込まれた絶縁物の特性で生じるSTI構造内のストレスを原因とした転位の発生を抑制することができる。よって、製品ウェーハ(シリコンウェーハ)の歩留りを高めることができる。
また、溶融工程後、シリコンウェーハ20の表面を研磨するので、仮にウェーハ表面に微小な凹凸欠陥が存在しても、市販のシリコンウェーハと同等の表面平坦度を得ることができる。
次に、図2のフローシートを参照してこの発明の実施例2に係る半導体ウェーハの表層高強度化方法を説明する。
実施例2の半導体ウェーハの表層高強度化方法の特徴は、半導体ウェーハとして、シリコンウェーハの表面にシリコン単結晶からなるエピタキシャル膜が成長されたエピタキシャルシリコンウェーハを採用し、高酸素濃度領域部をエピタキシャル膜に形成した点である。
以下、図2のフローシートを参照して実施例2を具体的に説明する。
まず、前記表面研磨後のシリコンウェーハ10の表面にエピタキシャル膜15を成長させる(図2a)。すなわち、シリコンウェーハ10を赤外線ランプ加熱型炉の反応室に挿入し、材料ガスにトリクロルシラン、キャリアガスにHガスを使用し、反応温度1100℃で単結晶シリコンの成長反応を行う。これにより、表面に厚さが0.5μmのエピタキシャル膜15が成長されたエピタキシャルシリコンウェーハ30が作製される。
その後、実施例1と同様にレーザアニール炉に導入、雰囲気ガスを例えば大気とする。次にエピタキシャル膜15の表層一部をレーザ照射により溶融させる(図2b、溶融工程)。これにより、大気中の酸素を溶融されたエピタキシャル膜15の全域に拡散させる。それからエピタキシャル膜15を固化させ、エピタキシャル膜15を高酸素濃度領域部13(酸素濃度は4×1018atoms/cm)とする。
なお、高酸素濃度領域部13は、エピタキシャル膜15の表面からシリコンウェーハ10のエピタキシャル膜15との界面付近10aまでに形成してもよい(図2c)。すなわち、シリコン下地基板が溶融されることになるので、溶融された領域のシリコンウェーハ10に存在する酸素が、エピタキシャル膜15に拡散する。ここでいう界面付近10aとは、シリコンウェーハ10のエピタキシャル膜15との界面からウェーハ内部へ深さ1μmまでの領域をいう。高酸素濃度領域部13を、上記界面付近10aまで延長する具体的な方法は、以下の通りである。すなわち、レーザパワーを増加させるかスキャン速度を遅くすることで対応する。
溶融工程後は、実施例1と同じように、エピタキシャル膜15の表面を研磨(図2d)して、表層高強度化エピタキシャルウェーハ40を作製する(図2e)。その後、このウェーハ40がデバイス形成プロセス部門へ移送され、エピタキシャル膜15にSTI構造14が形成される(図2f)。
その他の構成、作用および効果は、実施例1から推測可能な範囲であるので、説明を省略する。
次に、図3のフローシートを参照して、この発明の実施例3に係る半導体ウェーハの表層高強度化方法を説明する。
実施例3の半導体ウェーハの表層高強度化方法の特徴は、シリコンウェーハ10を1000℃以上の酸素ガスの雰囲気の炉内で熱処理し、シリコンウェーハ10の表層の全域に酸素を熱拡散し(内方拡散工程)、その後、1000℃以上熱処理以下の温度でシリコンウェーハ10を炉外へ取り出し、シリコンウェーハ10を急冷することで、表層を高酸素濃度領域部13とした(高温取り出し工程)点である。
以下、図3のフローシートを参照して実施例3を具体的に説明する。
まず、前記表面研磨後のシリコンウェーハ10を熱酸化炉に挿入し、酸素ガスの雰囲気で、1250℃、1分間の熱処理を行う(図3a)。これにより、酸素がウェーハ表面から内方拡散し、シリコンウェーハ10の表面から数μmの深さ領域の酸素濃度が1.2×1018atoms/cmまで高まる。その後、シリコンウェーハ10を75℃/秒で徐冷し、シリコンウェーハ10を炉外へ取り出す(図3b)。これにより、シリコンウェーハ10が急冷され、表層に高い酸素濃度(約1.2×1018atoms/cm)が凍結される。そのため、表層を高酸素濃度領域部13とすることができる。このように、酸素濃度を高めることで、表層の高強度化を図ることができ、その結果、表層にSTI構造14を設けた場合に生じるSTI構造14内でのストレスを原因としたウェーハ表層の転位の発生が抑えられ、製品ウェーハの歩留りを高めることができる。
その他の構成、作用および効果は、実施例1から推測可能な範囲であるので、説明を省略する。
以下、この発明の半導体ウェーハの表層高強度化方法を、試験例および比較例に基づき、具体的に説明する。
直径200mm、初期酸素濃度1.0×1018atoms/cm、比抵抗が10mΩ・cmのシリコン単結晶インゴットをウェーハ加工し、最終的に表面が鏡面研磨された多数枚のシリコンウェーハを実験で使用した。これらをベースウェーハとする。
(比較例1)
次に、このシリコンウェーハ(ベースウェーハ)を使用し、エピタキシャルシリコンウェーハを製造する。すなわち、シリコンウェーハの表面に、単結晶シリコンからなるエピタキシャル膜を成長させた。具体的には、シリコンウェーハを赤外線ランプ加熱炉に挿入し、材料ガスにトリクロルシラン、キャリアガスにHガス、ドーパントガスを使用し、反応温度が1130℃で単結晶シリコンの成長反応を行う。これにより、表面に厚さ3μmのエピタキシャル膜が成長された比較例1のエピタキシャルシリコンウェーハを得た。
(比較例2)
前記ベースウェーハをアニール炉に挿入し、アルゴンガスの雰囲気で1200℃、1時間の熱処理を施し、比較例2のシリコンウェーハを得た。
(比較例3)
比較例1のエピタキシャルシリコンウェーハを使用し、酸素イオン注入装置により加速エネルギが130KeV、ドーズ量が1×1014atoms/cmで、エピタキシャル膜の表面からこの膜内に酸素をイオン注入した。得られたものを比較例3のエピタキシャルシリコンウェーハとした。
(試験例1)
比較例2のシリコンウェーハ(アルゴンアニールウェーハ)を枚葉式のランプ加熱炉に挿入し、1250℃、酸素ガスの雰囲気下で30秒間保持した。その後、ウェーハ表層を75℃/秒の速度で急冷し、実施例1のシリコンウェーハを得た。比較例2と実施例1のサンプルをSIMS測定した結果、比較例2のサンプルでは、表層は初期酸素濃度に対して約1桁ほど低下していたが、実施例1のサンプルでは表層酸素濃度が低下していないことが確認できた。
(試験例2,比較例4)
比較例1,3のエピタキシャルシリコンウェーハを実施例1のレーザアニール炉を使用し、非酸化性ガス雰囲気下で、これらのエピタキシャル膜の表面から約1μmまでの深さ領域が溶融する条件で、それぞれレーザ照射を行った。その後、上述したSIMS測定を行った。
比較例1のエピタキシャル膜へのレーザ照射後は、レーザ照射前と酸素濃度値は変化がなかった(比較例4)。一方、比較例3のウェーハ表層へのレーザ照射後は、溶融領域での酸素濃度が約1桁程増加していることが判明した(試験例2)。
この発明の実施例1に係る半導体ウェーハの表層高強度化方法における酸素導入工程を示す要部拡大縦断面図である。 この発明の実施例1に係る半導体ウェーハの表層高強度化方法における溶融工程を示す要部拡大縦断面図である。 この発明の実施例1に係る半導体ウェーハの表層高強度化方法におけるウェーハ表面の研磨工程を示す要部拡大縦断面図である。 この発明の実施例1に係る半導体ウェーハの表層高強度化方法により得られた表層が高強度化された半導体ウェーハの要部拡大縦断面図である。 この発明の実施例1に係る半導体ウェーハの表層高強度化方法により作製されたシリコンウェーハの表層にSTIを形成した要部拡大縦断面図である。 この発明の実施例2に係る半導体ウェーハの表層高強度化方法における酸化性ガス雰囲気でのエピタキシャル成長工程を示す要部拡大縦断面図である。 この発明の実施例2に係る半導体ウェーハの表層高強度化方法におけるエピタキシャル膜の溶融工程を示す要部拡大縦断面図である。 この発明の実施例2に係る半導体ウェーハの表層高強度化方法におけるエピタキシャル膜の別の溶融工程を示す要部拡大縦断面図である。 この発明の実施例2に係る半導体ウェーハの表層高強度化方法におけるエピタキシャル膜の研磨工程を示す要部拡大縦断面図である。 この発明の実施例2に係る半導体ウェーハの表層高強度化方法により得られたエピタキシャル膜が高強度化された半導体ウェーハの要部拡大縦断面図である。 この発明の実施例2に係る半導体ウェーハの表層高強度化方法により得られたエピタキシャル膜が高強度化された半導体ウェーハのうち、エピタキシャル膜にSTIを形成した要部拡大縦断面図である。 この発明の実施例3に係る半導体ウェーハの表層高強度化方法における酸素の内方拡散工程を示す要部拡大縦断面図である。 この発明の実施例3に係る半導体ウェーハの表層高強度化方法における高温取り出し工程を示す要部拡大縦断面図である。
符号の説明
10 シリコンウェーハ(半導体ウェーハ)、
10a 界面付近、
13 高酸素濃度領域部、
14 STI(シャロー・トレンチ・アイソレーション)構造、
15 エピタキシャル膜、
30 エピタキシャルシリコンウェーハ。

Claims (5)

  1. 半導体ウェーハに、酸化性ガスの炉内雰囲気で1000℃以上融点以下の熱処理を施すことで、前記半導体ウェーハの表層の一部に酸素を内方拡散させる内方拡散工程と、
    該内方拡散工程後、前記半導体ウェーハを1000℃以上の炉内温度で前記炉内から取り出し、該半導体ウェーハの表層を高酸素濃度領域部とする高温取り出し工程とを備えた半導体ウェーハの表層高強度化方法。
  2. 半導体ウェーハの表面に酸化性ガスの雰囲気で高エネルギ光を照射し、前記半導体ウェーハの表層を溶融させ、その後、これを冷却して固化させることで、前記表層に高酸素濃度領域部を形成する半導体ウェーハの表層高強度化方法。
  3. 半導体ウェーハの表面から酸素をイオン注入し、半導体ウェーハの表層に酸素を導入する酸素導入工程と、
    該酸素導入工程後、高エネルギ光を照射により前記半導体ウェーハの表層を溶融させ、その後、これを冷却して固化させることで、前記表層に高酸素濃度領域部を形成する溶融工程とを備えた半導体ウェーハの表層高強度化方法。
  4. 前記高酸素濃度領域部は、少なくとも素子分離を行うシャロー・トレンチ・アイソレーションの形成領域を含む請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載の半導体ウェーハの表層高強度化方法。
  5. 前記高酸素濃度領域部の形成後、前記半導体ウェーハの表面を研磨する請求項1〜請求項4のうち、何れか1項に記載の半導体ウェーハの表層高強度化方法。
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