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JP2010122165A - 温度測定ユニットおよびそれを用いた表面温度測定装置 - Google Patents

温度測定ユニットおよびそれを用いた表面温度測定装置 Download PDF

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JP2010122165A JP2008298202A JP2008298202A JP2010122165A JP 2010122165 A JP2010122165 A JP 2010122165A JP 2008298202 A JP2008298202 A JP 2008298202A JP 2008298202 A JP2008298202 A JP 2008298202A JP 2010122165 A JP2010122165 A JP 2010122165A
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Machiko Iwasaki
真知子 岩崎
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Abstract

【課題】放熱環境下におけるICチップ等の発熱素子の放熱面の温度が簡便かつ安定して測定可能な「温度測定ユニット」と、それを用いた「表面温度測定装置」を提供すること。
【解決手段】良熱伝導性シート5の一側部に設けた折返し部5aに熱電対6を抱持してなる温度測定ユニット3を用い、検査対象となるICチップ1の放熱面1aとヒートシンク4との間に良熱伝導性シート5を密着状態で介在させて、折返し部5aを放熱面1aの近傍に配置させる。良熱伝導性シート5としては例えば、片面に粘着層51が設けられて他面にコーティング層52が設けられたグラファイトシート50が好適である。この場合、折返し部5aに存する粘着層51によって熱電対6を固定することができると共に、折返し部5aを除く残余の部分に存する粘着層51によってグラファイトシート50をICチップ1の放熱面1aに固定することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ヒートシンクによる放熱を行いながら使用されるICチップ等の発熱素子の放熱面の温度が測定可能な温度測定ユニットと、それを用いた表面温度測定装置とに関するものである。
基板に実装されたICチップ等の発熱素子は、使用時に多量の熱を発生して周囲の電子部品等に悪影響を及ぼす虞があるため、従来より、この種の発熱素子の放熱面にヒートシンクを密着させておくという放熱対策が講じられることが多い。ヒートシンクは、例えばアルミニウム等の熱伝導性に優れた材料からなる表面積の大きな部材であり、発熱素子の放熱面の熱をヒートシンクへ効率良く逃がすことによって該放熱面の温度上昇を抑えることができる。
ところで、この種の発熱素子の性能試験の一環として、実際の使用条件と同じようにヒートシンクによる放熱を行いながら発熱素子の放熱面の温度を測定することがある。すなわち、発熱素子の放熱面の温度はヒートシンク等の周辺環境によって大きく左右されるため、発熱素子を組み込んで構成される回路機構の試作段階等では、このような放熱環境下での性能試験が必要となる場合がある。
しかるに、ヒートシンクによる放熱を行いながら発熱素子の放熱面の温度を測定しようとしても、この放熱面はヒートシンクに覆われて露出していないため、従来は、例えば熱電対等の温度センサを発熱素子の放熱面の近傍でヒートシンクに接触させて、間接的に放熱面の温度を測定していた。だが、ヒートシンクの表面温度は発熱素子の放熱面の温度よりも低く、その温度差はヒートシンク内部の熱の伝わり易さに依存してしまうため、このような手法によって放熱面の温度を正確に測定することは困難であった。
そこで、ヒートシンクに設けた凹所や開口に熱電対等の温度センサを取り付け、この温度センサを発熱素子の放熱面に接触させることによって、ヒートシンクによる放熱を行いながら発熱素子の放熱面の温度が直接測定できるようにした表面温度測定装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−234950号公報
しかしながら、温度センサを発熱素子の放熱面に接触させるためにヒートシンクに凹所や開口を設けるという上述した従来技術では、こうした凹所や開口を金属製のヒートシンクに形成するために切削加工や穿孔加工を行わねばならないという煩雑さがあった。また、かかる従来技術において、温度センサが配置されるヒートシンクの凹所や開口は発熱素子の放熱面と近接する部位に設ける必要があるため、こうした凹所や開口によってヒートシンクの放熱効率が低下してしまうという問題があり、かつ、凹所や開口に配置される温度センサの取付位置のばらつきが測定値の誤差に直結しやすいという問題もあった。すなわち、かかる従来技術を採用しても、放熱環境下における発熱素子の放熱面の温度が正確に測定できるわけではなかった。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、放熱環境下における発熱素子の放熱面の温度が簡便かつ正確に測定可能な温度測定ユニットを提供することにある。また、本発明の第2の目的は、かかる温度測定ユニットを用いて放熱環境下における発熱素子の放熱面の温度が簡便かつ安定して測定できるようにした表面温度測定装置を提供することにある。
本発明は、良熱伝導性シートの一側部に設けた折返し部に熱電対を抱持してなる温度測定ユニットを用い、この良熱伝導性シートをICチップ等の発熱素子の放熱面とヒートシンクとの間に密着状態で介在させて折返し部を該放熱面の近傍に配置させることによって、該放熱面とヒートシンク間の熱抵抗増加量を良熱伝導性シートで略ゼロにすると共に、熱電対で測定される良熱伝導性シートの温度に基づいて該放熱面の温度が測定できるようにした。
本発明の温度測定ユニットによれば、良熱伝導性シートを発熱素子の放熱面とヒートシンクとの間に密着状態で介在させることによって、該放熱面とヒートシンク間の熱抵抗増加量を良熱伝導性シートで略ゼロにすることが可能となり、かつ良熱伝導性シートの折返し部に抱持された熱電対によって測定される該シートの温度を該放熱面の温度と同等とみなすことが可能となる。すなわち、この温度測定ユニットを用いれば、ヒートシンクに特別な加工を施す必要がなくなり、かつ熱電対の取付位置に多少のばらつきがあっても測定値にはさほど影響しなくなるため、放熱環境下における発熱素子の放熱面の温度を簡便かつ安定して測定することが可能となる。
本発明の表面温度測定装置は、良熱伝導性シートを発熱素子の放熱面とヒートシンクとの間に密着状態で介在させて、この良熱伝導性シートの折返し部に抱持された熱電対を該放熱面の近傍に配置させるというものなので、発熱素子の放熱面とヒートシンク間の熱抵抗増加量を良熱伝導性シートによって略ゼロにすることができると共に、熱電対によって測定される良熱伝導性シートの温度を該放熱面の温度と同等とみなすことができる。すなわち、この表面温度測定装置では、ヒートシンクに特別な加工を施す必要はなく、かつ熱電対の取付位置に多少のばらつきがあっても測定値にはさほど影響しないため、放熱環境下における発熱素子の放熱面の温度を簡便かつ安定して測定することができる。
本発明は、放熱面にヒートシンクを密着させた状態で使用される発熱素子の放熱環境下における該放熱面の温度を測定するための温度測定ユニットにおいて、前記放熱面を覆って該放熱面と前記ヒートシンクとの間に密着状態で介在されると共に、一側部に設けられた折返し部が前記放熱面の近傍に配置される良熱伝導性シートと、この良熱伝導性シートの前記折返し部に抱持された熱電対とを備え、前記良熱伝導性シートの面内方向の熱伝導率が前記発熱素子の放熱面の熱伝導率と略同等であり、かつ前記熱電対の測温接点部が前記折返し部内に埋設されているという構成にした。
このように構成された温度測定ユニットは、良熱伝導性シートの一側部を折り返して熱電対を抱持すれば完成するので、安価かつ容易に作製できる。そして、折返し部を除く良熱伝導性シートの大部分を発熱素子の放熱面とヒートシンクとの間に密着状態で介在させて該発熱素子を発熱させれば、熱電対で測定される良熱伝導性シートの温度を発熱素子の放熱面の温度と同等とみなすことが可能となり、かつ該放熱面とヒートシンク間の熱抵抗増加量を良熱伝導性シートによって略ゼロにすることが可能となる。その際、折返し部内における熱電対の取付位置に多少のばらつきがあっても測定値にはさほど影響しないので、熱電対の取付位置のばらつきに起因する測定値の誤差は少ない。また、ヒートシンクに特別な加工を施す必要がないため、ヒートシンクの形状改変に起因する測定値の誤差も回避できる。
上記の構成の温度測定ユニットにおいて、良熱伝導性シートが、片面に粘着層が設けられたグラファイトシートからなり、折返し部に存する粘着層によって熱電対を固定していると共に、折返し部を除く残余の部分に存する粘着層によってグラファイトシートが発熱素子の放熱面に固定されるようにしてあると、熱電対を折返し部内に埋設状態で固定することが容易となり、かつ熱伝導率が極めて高いグラファイトシートを発熱素子の放熱面に密着固定させることが容易となるため好ましい。この場合において、グラファイトシートの他面に可撓性に富むコーティング層が設けられていると、良熱伝導性シートの曲げ強度が高まるため折返し部が形成しやすくなる。
また、上記の構成の温度測定ユニットにおいて、熱絶縁性に富む材料からなる筒状の保護ケースを前記良熱伝導性シートの一側部に取り付けて前記折返し部を収納するようにしていると、空冷ファン等よって発熱素子の周囲に強制的な気流を生じさせる環境下においても折返し部からの放熱が抑えられるため、測定値の信頼性を向上させることができる。
本発明の表面温度測定装置は、基板と、この基板に実装された発熱素子の放熱面を一面が密着状態で覆い、かつ一側部に設けられた折返し部を前記放熱面の近傍に配置させる良熱伝導性シートと、この良熱伝導性シートの前記折返し部に抱持された熱電対と、前記基板に固定されて前記良熱伝導性シートの他面と密着するヒートシンクとを備え、前記良熱伝導性シートは面内方向の熱伝導率が前記発熱素子の放熱面の熱伝導率と略同等であり、かつ前記熱電対の測温接点部は前記折返し部内に埋設されており、前記発熱素子を発熱させた状態で前記熱電対によって前記良熱伝導性シートの温度を測定するようにした。
このように構成された表面温度測定装置は、良熱伝導性シートを発熱素子の放熱面とヒートシンクとの間に密着状態で介在させて、この良熱伝導性シートの折返し部に抱持された熱電対を該放熱面の近傍に配置させるというものなので、熱電対で測定される良熱伝導性シートの温度を発熱素子の放熱面の温度と同等とみなすことが可能であると共に、該放熱面とヒートシンク間の熱抵抗増加量を良熱伝導性シートによって略ゼロにすることができる。その際、折返し部内における熱電対の取付位置に多少のばらつきがあっても測定値にはさほど影響しないので、熱電対の取付位置のばらつきに起因する測定値の誤差は少ない。また、ヒートシンクに特別な加工を施す必要がないため、ヒートシンクの形状改変に起因する測定値の誤差も回避できる。
上記の構成の表面温度測定装置において、良熱伝導性シートが、片面に粘着層が設けられたグラファイトシートからなり、折返し部に存する粘着層によって熱電対を固定していると共に、折返し部を除く残余の部分に存する粘着層によってグラファイトシートが発熱素子の放熱面に固定されるようにしてあると、熱電対を折返し部内に埋設状態で固定することが容易となり、かつ熱伝導率の選択幅が広いグラファイトシートを発熱素子の放熱面に密着固定させることが容易となるため好ましい。この場合において、グラファイトシートの他面に可撓性に富むコーティング層が設けられていると、良熱伝導性シートの曲げ強度が高まるため折返し部が形成しやすくなる。
また、上記の構成の表面温度測定装置において、熱絶縁性に富む材料からなる筒状の保護ケースを前記良熱伝導性シートの一側部に取り付けて前記折返し部を収納するようにしていると、空冷ファン等よってICチップの周囲に強制的な気流を生じさせる環境下においても折返し部からの放熱が抑えられるため、測定値の信頼性を向上させることができる。
実施例について図面を参照して説明すると、図1は本発明の実施例に係る表面温度測定装置によってICチップの放熱面の温度を測定している様子を示す説明図、図2は該表面温度測定装置に用いられている温度測定ユニットの斜視図、図3は該温度測定ユニットの要部断面図、図4は図2中のA部の拡大図、図5は該温度測定ユニットの構成要素である良熱伝導性シートの折り曲げ加工前の平面図、図6は図5に示す良熱伝導性シートの層構造説明図、図7および図8は該温度測定ユニットの作製手順を示す説明図である。
図1に示す表面温度測定装置は、ICチップの性能試験の一環として放熱環境下におけるICチップの放熱面の温度を測定するためのものであり、検査対象となるICチップ1が実装される基板2と、このICチップ1の放熱面1aに密着させて温度を測定する温度測定ユニット3と、放熱面1aの熱を外部空間へ放熱するためのヒートシンク4とを備えている。すなわち、ICチップ1は、放熱面1aにヒートシンク4を密着させた放熱環境下で使用されるため、かかる放熱環境下における放熱面1aの温度が許容範囲内であるか否か等の性能試験をこの表面温度測定装置によって測定する。
図2〜図4に示すように、温度測定ユニット3は良熱伝導性シート5と熱電対6とによって構成されており、良熱伝導性シート5の一側部に設けられた折返し部5aに熱電対6が抱持されている。そして、良熱伝導性シート5のうち折返し部5aを除く方形シート部5bが、ICチップ1の放熱面1aを覆って該放熱面1aとヒートシンク4との間に密着状態で介在されており、熱電対6を抱持している折返し部5aは放熱面1aの近傍に配置されている。なお、方形シート部5bの大きさや形状は放熱面1aと同等である。
良熱伝導性シート5は、片面に粘着層51が設けられて他面にコーティング層52が設けられたグラファイトシート50からなる。公知のようにグラファイトは平面方向への熱伝導率が厚み方向への熱伝導率よりも優れた材料であり、それゆえ良熱伝導性シート5の面内方向の熱は折返し部5aの側へ向けて良好に伝導される。なお、本実施例では、グラファイトシート50としてパナソニック(株)製のPGSグラファイトシートを使用している。また、粘着層51とコーティング層52は熱伝導性が良好な適宜材料が選択可能であり、例えばコーティング層52としては可撓性に富むポリエチレンテレフタレート等が好適である。この良熱伝導性シート5は折返し部5aに存する粘着層51によって熱電対6を固定しており、図3と図4に示すように、測温接点部6aを含む熱電対6の大部分が粘着層51に埋設された状態で、折返し部5aが熱電対6を抱持している。また、良熱伝導性シート5の方形シート部5bでICチップ1の放熱面1aを覆う際には、方形シート部5bに存する粘着層51によって良熱伝導性シート5を放熱面1aに固定する。
次に、温度測定ユニット3の作製手順について説明する。まず、図5と図6に示すように、グラファイトシート50の片面に塗着されている粘着層51を被覆する剥離紙のうち、方形シート部5bの全領域を覆う剥離紙7と、折返し部5aを展開した形状の延出シート部5cの一部領域を覆う帯状の剥離紙8だけを残して、図示せぬ残余の剥離紙を取り除く。なお、帯状の剥離紙8に覆われた領域は、図5において、延出シート部5cを短手方向に二等分する仮想線Bと方形シート部5bとの間に存する該シート部5cの図示右半分の領域を、仮想線Bに沿って三分割したうちの中央の帯状領域に相当する。そして、剥離紙8に覆われた帯状領域と仮想線Bとの間に存する帯状領域Cに塗着されている粘着層51上に熱電対6を位置決めして搭載することにより、図7に示すように、熱電対6を延出シート部5c上の所定位置に仮固定する。
なお、熱電対6を延出シート部5c上に位置決めする際には、ICチップ1の放熱面1aにおいて最も高温になる発熱源の真横に測温接点部6aを配置させることが望まれる。それゆえ、予め剥離紙8に位置決め基準となる目印等を設けておけば、熱電対6の位置決め作業が容易かつ正確に行えて好ましい。また、熱電対6を延出シート部5c上に仮固定した後、密着性が良好な熱伝導性の充填材料を測温接点部6a上に塗布しておけば、測温接点部6aが空気と接触する可能性を完全に排除することができる。かかる充填材料の好適な例としては、北川工業(株)製のチェンジゲル/CGD・CGDR等が挙げられる。
この後、仮想線Bの近傍で延出シート部5cをU字状に折り返して、図8に示すように、剥離紙8に覆われた帯状領域と方形シート部5bとの間に存する帯状領域D(図5,6参照)に塗着されている粘着層51上に、延出シート部5cの先端部分に塗着されている粘着層51を重ね合わせ、これら粘着層51どうしを圧着させる。そして、剥離紙8を取り除いた後、熱電対6の周囲の空気を押し出すように図8の矢印方向へ向かって延出シート部5c上でスキージングを行うことにより、折返し形状の延出シート部5cの対向する粘着層51どうしを圧着させていく。これにより、熱電対6は測温接点部6aを含む大部分が粘着層51に埋設された状態となるため、折返し形状に圧着されて熱電対6を抱持する延出シート部5cが折返し部5a(図3参照)となり、温度測定ユニット3が完成する。
このようにして作製された温度測定ユニット3を用いてICチップの表面温度を測定する際には、まず、検査対象となるICチップ1を基板2に実装し、このICチップ1の放熱面1a上に剥離紙7を取り除いた方形シート部5bを載置して、この方形シート部5bで放熱面1aの全面を覆う。方形シート部5bは大きさや形状が放熱面1aと同等なので、剥離紙7を取り除いて粘着層51を露出させれば、この粘着層51によって方形シート部5bは放熱面1a上に容易に密着固定できる。しかる後、方形シート部5bのコーティング層52上にヒートシンク4を重ね合わせて、このヒートシンク4を取付ねじ9を用いて基板2に固定する。こうすることによって、温度測定ユニット3の方形シート部5bは、放熱面1aとヒートシンク4との間に挟み込まれて両者1a,4に密着した状態で保持されることとなる。また、温度測定ユニット3の熱電対6を抱持している折返し部5aは放熱面1aの近傍に配置されることとなり、熱電対6は図示せぬ計測装置に接続される。
したがって、図1に示すICチップ1に通電して放熱面1aが発熱すると、その熱は熱伝導性に優れた良熱伝導性シート5を介してヒートシンク4へ速やかに伝わり、表面積の大きなヒートシンク4から外部空間へ放熱されることになる。また、良熱伝導性シート5は放熱面1aと同等の温度に加熱されるため、この良熱伝導性シート5の温度を折返し部5a内の熱電対6で測定することによって、放熱面1aの温度が測定できることになる。
以上説明したように本実施例にあっては、折返し部5aを除く良熱伝導性シート5の方形シート部5bをICチップ1の放熱面1aとヒートシンク4との間に密着状態で介在させて、折返し部5aに抱持された熱電対6を放熱面1aの近傍に配置させたうえで、ICチップ1を発熱させて熱電対6による温度測定を行うので、熱電対6で測定される良熱伝導性シート5の温度をICチップ1の放熱面1aの温度と同等とみなすことができ、かつ放熱面1aとヒートシンク4間の熱抵抗増加量を良熱伝導性シートによって略ゼロにすることができる。その際、折返し部5a内における熱電対6の取付位置に多少のばらつきがあっても測定値にはさほど影響しないので、熱電対6の取付位置のばらつきに起因する測定値の誤差は少ない。また、ヒートシンク4に特別な加工を施す必要がないため、ヒートシンク4の形状改変に起因する測定値の誤差も回避できる。しかも、温度測定ユニット3は良熱伝導性シート5の一側部を折り返して熱電対6を抱持すれば完成するので、安価かつ容易に作製できる。それゆえ、本実施例によれば、放熱環境下におけるICチップ1の放熱面1aの温度を簡便かつ安定して測定することができる。
なお、上記実施例では、良熱伝導性シート5の折返し部5aをICチップ1の近傍で露出させたまま放熱面1aの温度を測定しているが、図9に示すように、熱絶縁性に富む材料からなる筒状の保護ケース10を良熱伝導性シート5の一側部に取り付けて、この保護ケース10内に折返し部5aを収納するという構成にしても良い。このように折返し部5aが保護ケース10内に収納されていると、空冷ファン等よってICチップ1の周囲に強制的な気流を生じさせる環境下においても折返し部5aからの放熱が抑えられるため、測定値の信頼性を向上させることができる。ただし、保護ケース10が空冷効果を損なわないようにするため、良熱伝導性シート5は折返し部5aがICチップ1に対して気流の下流側に位置するように設定しておくことが好ましい。また、保護ケース10として柔軟性を有する開閉可能な筒状の樹脂成形品を用いれば、良熱伝導性シート5の一側部に保護ケース10を容易に取り付けることができるため好ましい。
また、上記実施例では、良熱伝導性シート5として、片面に粘着層51が設けられて他面にコーティング層52が設けられたグラファイトシート50を用いているが、グラファイト以外の熱伝導率の選択幅が広い材料からなるシートで代用することも可能であり、該シートの曲げ強度や剪断強度が高ければコーティング層や粘着層を省略することも可能である。
本発明の実施例に係る表面温度測定装置によってICチップの放熱面の温度を測定している様子を示す説明図である。 該表面温度測定装置に用いられている温度測定ユニットの斜視図である。 該温度測定ユニットの要部断面図である。 図2中のA部の拡大図である。 該温度測定ユニットの構成要素である良熱伝導性シートの折り曲げ加工前の平面図である。 図5に示す良熱伝導性シートの層構造説明図である。 該温度測定ユニットの作製手順を示す説明図である。 該温度測定ユニットの作製手順を示す説明図である。 該温度測定ユニットの応用例で良熱伝導性シートの一側部に保護ケースを取り付けた状態を示す要部断面図である。
符号の説明
1 ICチップ
1a 放熱面
2 基板
3 温度測定ユニット
4 ヒートシンク
5 良熱伝導性シート
5a 折返し部
5b 方形シート部
6 熱電対
6a 測温接点部
10 保護ケース
50 グラファイトシート
51 粘着層
52 コーティング層

Claims (8)

  1. 放熱面にヒートシンクを密着させた状態で使用される発熱素子の放熱環境下における該放熱面の温度を測定するための温度測定ユニットであって、
    前記放熱面を覆って該放熱面と前記ヒートシンクとの間に密着状態で介在されると共に、一側部に設けられた折返し部が前記放熱面の近傍に配置される良熱伝導性シートと、この良熱伝導性シートの前記折返し部に抱持された熱電対とを備え、前記良熱伝導性シートの面内方向の熱伝導率が前記発熱素子の放熱面の熱伝導率と略同等であり、かつ前記熱電対の測温接点部が前記折返し部内に埋設されていることを特徴とする温度測定ユニット。
  2. 請求項1の記載において、前記良熱伝導性シートが、片面に粘着層が設けられたグラファイトシートからなり、前記折返し部に存する前記粘着層によって前記熱電対を固定していると共に、前記折返し部を除く残余の部分に存する前記粘着層によって前記グラファイトシートが前記放熱面に固定されるようにしたことを特徴とする温度測定ユニット。
  3. 請求項2の記載において、前記グラファイトシートの他面に可撓性に富むコーティング層が設けられていることを特徴とする温度測定ユニット。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項の記載において、熱絶縁性に富む材料からなる筒状の保護ケースを前記良熱伝導性シートの一側部に取り付けて前記折返し部を収納するようにしたことを特徴とする温度測定ユニット。
  5. 基板と、この基板に実装された発熱素子の放熱面を一面が密着状態で覆い、かつ一側部に設けられた折返し部を前記放熱面の近傍に配置させる良熱伝導性シートと、この良熱伝導性シートの前記折返し部に抱持された熱電対と、前記基板に固定されて前記良熱伝導性シートの他面と密着するヒートシンクとを備え、
    前記良熱伝導性シートは面内方向の熱伝導率が前記発熱素子の放熱面の熱伝導率と略同等であり、かつ前記熱電対の測温接点部は前記折返し部内に埋設されており、前記発熱素子を発熱させた状態で前記熱電対によって前記良熱伝導性シートの温度を測定するようにしたことを特徴とする表面温度測定装置。
  6. 請求項5の記載において、前記良熱伝導性シートが、片面に粘着層が設けられたグラファイトシートからなり、前記折返し部に存する前記粘着層によって前記熱電対を固定していると共に、前記折返し部を除く残余の部分に存する前記粘着層によって前記グラファイトシートが前記放熱面に固定されるようにしたことを特徴とする表面温度測定装置。
  7. 請求項6の記載において、前記グラファイトシートの他面に可撓性に富むコーティング層が設けられていることを特徴とする表面温度測定装置。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項の記載において、熱絶縁性に富む材料からなる筒状の保護ケースを前記良熱伝導性シートの一側部に取り付けて前記折返し部を収納するようにしたことを特徴とする表面温度測定装置。
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