JP2010121515A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの前回の失火の影響を受けずにHC排出量を精度良く推定する。
【解決手段】エンジン11の各気筒の燃焼行程毎に筒内圧力センサ22で検出した筒内圧力に基づいて失火レベル[燃焼状態の悪化度合を評価するパラメータ(例えば熱発生量最大値等)]を算出し、各気筒毎に前回の失火レベルが所定値を越えて悪化したか否かを判定する。その結果、前回の失火レベルが所定値を越えていない場合には、気筒内に残留するHC量が極めて少ないため、今回の失火レベルに基づいて今回のHC排出量を推定する。一方、前回の失火レベルが所定値を越えて悪化した場合には、気筒内に残留するHC量が比較的多いため、前回の失火レベルと今回の失火レベルとに基づいて今回のHC排出量を推定することで、前回の失火レベルに応じた残留HC量と今回の失火レベルに応じた未燃HC発生量の両方を考慮して今回のHC排出量を推定する。
【選択図】図1
【解決手段】エンジン11の各気筒の燃焼行程毎に筒内圧力センサ22で検出した筒内圧力に基づいて失火レベル[燃焼状態の悪化度合を評価するパラメータ(例えば熱発生量最大値等)]を算出し、各気筒毎に前回の失火レベルが所定値を越えて悪化したか否かを判定する。その結果、前回の失火レベルが所定値を越えていない場合には、気筒内に残留するHC量が極めて少ないため、今回の失火レベルに基づいて今回のHC排出量を推定する。一方、前回の失火レベルが所定値を越えて悪化した場合には、気筒内に残留するHC量が比較的多いため、前回の失火レベルと今回の失火レベルとに基づいて今回のHC排出量を推定することで、前回の失火レベルに応じた残留HC量と今回の失火レベルに応じた未燃HC発生量の両方を考慮して今回のHC排出量を推定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関の各気筒の炭化水素(以下「HC」と表記する)の排出量を推定する機能を備えた内燃機関の制御装置に関する発明である。
近年、内燃機関の排出ガスのHC濃度を検出するHC濃度センサを用いずにHC濃度を算出する技術として、例えば、特許文献1(特開2007−205274号公報)に記載されているように、各気筒の筒内圧力(燃焼状態の情報)に基づいて筒内から排出される未燃燃料の割合を算出し、筒内に供給される燃料量と、未燃燃料の割合と、排気通路で燃焼する燃料量とに基づいて排出ガス浄化用の触媒に流入する排出ガスのHC濃度を算出するようにしたものがある。
特開2007−205274号公報(第2頁等)
一般に、図2(a)に示すように、内燃機関の燃焼状態が悪化して熱発生量が小さくなるほど未燃HCの発生量が増加してHC排出量が増加する傾向がある。このような特性に着目して、本発明者は、各気筒の燃焼行程毎に筒内圧力に基づいて失火レベル[燃焼状態の悪化度合を評価するパラメータ(例えば熱発生量等)]を算出し、各気筒毎に失火レベルに基づいてHC排出量を推定する技術を研究しているが、その研究過程で次のような新たな課題が判明した。
図2(b)に示すように、燃焼行程で失火が発生した気筒では、未燃HCの発生量が大きく増加して、HC排出量が大きく増加すると共に気筒内に残留するHC量も大きく増加するため、その影響で、次の燃焼行程では燃焼状態の悪化度合が小さくて熱発生量が大きい割にHC排出量が多くなって、失火レベル(燃焼状態の悪化度合)とHC排出量との関係が変化してしまうことがある。このような場合、前回の失火の影響を考慮せずに今回の失火レベルに基づいて今回のHC排出量を推定するだけでは、HC排出量を精度良く推定できないことが判明した。
また、上記特許文献1の技術においても、筒内圧力に基づいて筒内から排出される未燃燃料の割合を算出する際に、前回の失火の影響を考慮していないため、前回の燃焼行程で失火が発生した気筒では、筒内から排出される未燃燃料の割合(つまりHC排出量の情報)を精度良く算出できないという欠点がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、従って本発明の目的は、前回の失火の影響を受けずにHC排出量を精度良く推定することができる内燃機関の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、内燃機関の各気筒の燃焼行程毎に筒内圧力に基づいて燃焼状態の悪化度合を評価するパラメータ(以下「失火レベル」という)を失火レベル算出手段により算出し、内燃機関の各気筒毎に失火レベル算出手段により算出した今回の失火レベルに基づいて今回の炭化水素(以下「HC」と表記する)の排出量をHC排出量推定手段により推定するシステムにおいて、失火レベル算出手段により算出した前回の失火レベルが所定値を越えて悪化した場合に、当該前回の失火レベル又はこれに関連性のある情報(以下これらを「前回の失火レベル情報」と総称する)と、今回の失火レベルとに基づいて今回のHC排出量を推定するようにしたものである。
この構成では、前回の失火レベルが所定値を越えていない場合(前回の燃焼状態が比較的良好な場合)には、気筒内に残留するHC量が極めて少ないため、その影響をほとんど受けず、今回の失火レベルに応じて未燃HCの発生量が変化して今回のHC排出量が変化すると判断して、今回の失火レベルに基づいて今回のHC排出量を推定するものであり、これにより、HC排出量を精度良くする推定することができる。
一方、前回の失火レベルが所定値を越えて悪化した場合(前回の燃焼状態の悪化度合が比較的大きい場合)には、気筒内に残留するHC量が比較的多いため、その影響によっても今回のHC排出量が変化すると判断して、前回の失火レベル情報と今回の失火レベルとに基づいて今回のHC排出量を推定する。前回の失火レベルに応じて気筒内に残留するHC量が変化するため、本発明のように、前回の失火レベル情報と今回の失火レベルとに基づいて今回のHC排出量を推定すれば、前回の失火レベルに応じた残留HC量と、今回の失火レベルに応じた未燃HC発生量の両方を考慮して今回のHC排出量を精度良く推定することができる。これにより、前回の失火により残留HC量が増加しても、その影響を受けずにHC排出量を精度良く推定することができる。
本発明は、前回の失火レベルが所定値を越えて悪化した場合に、前回の失火レベル情報と今回の失火レベルの両方を用いて、直接、今回のHC排出量を推定するようにしても良いが、請求項2のように、前回の失火レベルが所定値を越えて悪化した場合に、今回の失火レベルに基づいて推定した今回のHC排出量の推定値を、前回の失火レベル情報に応じた補正量を用いて補正するようにしても良い。このようにしても、前回の失火レベルが所定値を越えて悪化した場合に、前回の失火レベルに応じた残留HC量と、今回の失火レベルに応じた未燃HC発生量の両方を考慮して今回のHC排出量を精度良く推定することができる。
この場合、請求項3のように、今回のHC排出量の推定値を前回の失火レベル情報に応じて補正するための補正量を今回の失火レベルに応じて変化させるようにしても良い。このようにすれば、前回の失火レベル情報と今回の失火レベルの両方に応じた補正量を用いて、今回のHC排出量の推定値を補正することが可能となり、前回と今回の両方で失火が連続して発生した場合でも、今回のHC排出量を精度良く推定することができる。
また、請求項4のように、内燃機関の各気筒の燃焼行程毎に筒内圧力に基づいて燃焼状態の悪化度合を評価するパラメータ(失火レベル)を失火レベル算出手段により算出し、内燃機関の各気筒毎に失火レベル算出手段により算出した今回の失火レベルに基づいて今回のHC排出量をHC排出量推定手段により推定するシステムにおいて、失火レベル算出手段により算出した前回の失火レベルが所定値を越えて悪化した場合に、HC排出量推定手段による今回のHC排出量の推定を禁止手段により禁止するようにしても良い。このようにすれば、今回の失火レベルに基づいて今回のHC排出量を推定するシステムにおいて、前回の失火の影響を受けて今回のHC排出量の推定精度が低下することを未然に防止することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した幾つかの実施例を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図5に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
内燃機関であるエンジン11の吸気管12の上流部には、吸入空気量を検出するエアフローメータ13が設けられている。このエアフローメータ13の下流側には、モータ(図示せず)によって開度調節されるスロットルバルブ14と、このスロットルバルブ14の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ15とが設けられている。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
内燃機関であるエンジン11の吸気管12の上流部には、吸入空気量を検出するエアフローメータ13が設けられている。このエアフローメータ13の下流側には、モータ(図示せず)によって開度調節されるスロットルバルブ14と、このスロットルバルブ14の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ15とが設けられている。
更に、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホール16の吸気ポート近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁17が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ18が取り付けられ、各点火プラグ18の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
また、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ19が取り付けられ、クランク軸(図示せず)の外周側には、クランク軸が所定クランク角回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ20が取り付けられている。このクランク角センサ20の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。また、アクセルセンサ21によってアクセル操作量(アクセルペダルの踏込量)が検出される。
更に、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に筒内圧力を検出する筒内圧力センサ22が設けられている。この筒内圧力センサ22は、点火プラグ18と一体化したタイプのものを用いても良いし、点火プラグ18とは別体のセンサ部を燃焼室内に臨ませるように取り付けるタイプのものを用いても良い。
これら各種センサの出力は、エンジン制御回路(以下「ECU」と表記する)23に入力される。このECU23は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁17の燃料噴射量や点火プラグ18の点火時期を制御する。
一般に、図2(a)に示すように、エンジン11の燃焼状態が悪化して熱発生量が小さくなるほど未燃HCの発生量が増加してHC排出量が増加する傾向がある。しかし、図2(b)に示すように、燃焼行程で失火が発生した気筒では、未燃HCの発生量が大きく増加して、HC排出量が大きく増加すると共に気筒内に残留するHC量も大きく増加するため、その影響で、次の燃焼行程では燃焼状態の悪化度合が小さくて熱発生量が大きい割にHC排出量が多くなることがある。
そこで、本実施例1では、ECU23によって後述する図3のHC排出量推定ルーチンを実行することで、各気筒のHC排出量を次のようにして推定する。
まず、各気筒の燃焼行程毎に筒内圧力センサ22で検出した筒内圧力に基づいて失火レベル[燃焼状態の悪化度合を評価するパラメータ(例えば熱発生量等)]を算出し、各気筒毎に前回の失火レベルが所定値を越えて悪化した状態(例えば半失火又は完全失火の状態)であるか否かを判定する。
まず、各気筒の燃焼行程毎に筒内圧力センサ22で検出した筒内圧力に基づいて失火レベル[燃焼状態の悪化度合を評価するパラメータ(例えば熱発生量等)]を算出し、各気筒毎に前回の失火レベルが所定値を越えて悪化した状態(例えば半失火又は完全失火の状態)であるか否かを判定する。
その結果、前回の失火レベルが所定値を越えていない場合(前回の燃焼状態が比較的良好な場合)には、気筒内に残留するHC量が極めて少ないため、その影響をほとんど受けず、今回の失火レベルに応じて未燃HC発生量が変化して今回のHC排出量が変化すると判断して、今回の失火レベルに基づいて今回のHC排出量を推定することで、HC排出量を精度良くする推定する。
一方、前回の失火レベルが所定値を越えて悪化した場合(前回の燃焼状態の悪化度合が比較的大きい場合)には、気筒内に残留するHC量が比較的多いため、その影響によっても今回のHC排出量が変化すると判断して、前回の失火レベルと今回の失火レベルとに基づいて今回のHC排出量を推定する。前回の失火レベルに応じて気筒内に残留するHC量が変化するため、本実施例1のように、前回の失火レベルと今回の失火レベルとに基づいて今回のHC排出量を推定すれば、前回の失火レベルに応じた残留HC量と、今回の失火レベルに応じた未燃HC発生量の両方を考慮して今回のHC排出量を精度良く推定することができる。
以上説明した本実施例1のHC排出量の推定は、ECU23によって図3のHC排出量推定ルーチンに従って実行される。以下、このルーチンの処理内容を説明する。
図3に示すHC排出量推定ルーチンは、ECU23によってエンジン運転中に各気筒の燃焼行程毎に繰り返し実行され、特許請求の範囲でいうHC排出量推定手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、各気筒の燃焼行程毎に筒内圧力センサ22で検出した筒内圧力に基づいて失火レベル(燃焼状態の悪化度合を評価するパラメータ)を算出する。このステップ101の処理が特許請求の範囲でいう失火レベル算出手段としての役割を果たす。
図3に示すHC排出量推定ルーチンは、ECU23によってエンジン運転中に各気筒の燃焼行程毎に繰り返し実行され、特許請求の範囲でいうHC排出量推定手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、各気筒の燃焼行程毎に筒内圧力センサ22で検出した筒内圧力に基づいて失火レベル(燃焼状態の悪化度合を評価するパラメータ)を算出する。このステップ101の処理が特許請求の範囲でいう失火レベル算出手段としての役割を果たす。
この場合、例えば、筒内圧力と筒内容積と比熱比に基づいて所定期間における熱発生量最大値を算出し、この熱発生量最大値を失火レベルとする。尚、所定期間における熱発生量平均値や総熱発生量等を失火レベルとしても良い。或は、圧縮上死点前の所定時期における筒内圧力と、圧縮上死点後の所定時期における筒内圧力との比又は差に基づいて燃焼効率を算出し、この燃焼効率を失火レベルとしても良い。或は、筒内圧力と筒内容積とに基づいて図示平均有効圧力又は正味平均有効圧力を算出し、この図示平均有効圧力又は正味平均有効圧力を失火レベルとしても良い。その他、燃焼状態の悪化度合に応じて変化する種々のパラメータを失火レベルとしても良い。
この後、ステップ102に進み、各気筒毎に前回の失火レベルが所定値よりも小さいか否かによって、前回の失火レベルが所定値を越えて悪化した状態(例えば半失火又は完全失火の状態)であるか否かを判定する。
このステップ102で、前回の失火レベルが所定値を越えていないと判定された場合(前回の燃焼状態が比較的良好な場合)には、気筒内に残留するHC量が極めて少ないため、その影響をほとんど受けず、今回の失火レベルに応じて未燃HC発生量が変化して今回のHC排出量が変化すると判断して、ステップ103に進み、図4に示す通常時のHC排出量のマップ又は数式等を用いて、今回の失火レベルに応じた今回のHC排出量を算出(推定)する。
図4に示す通常時のHC排出量のマップ又は数式等は、予め設計データ、試験データ、シミュレーションデータ等に基づいて作成され、ECU23のROMに記憶されている。一般に、今回の失火レベルが小さくなるほど(燃焼の悪化度合が大きくなるほど)、未燃HCの発生量が増加して今回のHC排出量が増加するため、通常時のHC排出量のマップ又は数式等は、今回の失火レベルが小さくなるほど今回のHC排出量が増加するように設定されている。また、通常時のHC排出量のマップ又は数式等をエンジン運転条件(例えば、燃料噴射量、エンジン回転速度、エンジン負荷等)毎に作成しておき、現在のエンジン運転条件に応じたマップ又は数式等を選択して今回のHC排出量を算出するようにしても良い。
一方、上記ステップ102で、前回の失火レベルが所定値を越えて悪化したと判定された場合(前回の燃焼状態の悪化度合が比較的大きい場合)には、気筒内に残留するHC量が比較的多いため、その影響によっても今回のHC排出量が変化すると判断して、ステップ104に進み、図5に示す前回失火時のHC排出量のマップ又は数式等を用いて、前回の失火レベルと今回の失火レベルとに応じた今回のHC排出量を算出(推定)する。
図5に示す前回失火時のHC排出量のマップ又は数式等は、予め設計データ、試験データ、シミュレーションデータ等に基づいて作成され、ECU23のROMに記憶されている。マップの設定方法の例としては、前回と今回の失火レベルが小さくなるほど(燃焼の悪化度合が大きくなるほど)、気筒内に残留するHC量が増加して今回のHC排出量が多くなるよう設定する。また、前回と今回の失火レベルが大きくなるほど(燃焼の悪化度合が小さくなるほど)、気筒内に残留するHC量が減少して、今回のHC排出量が小さくなるよう設定する。また、前回失火時のHC排出量のマップ又は数式等をエンジン運転条件(例えば、燃料噴射量、エンジン回転速度、エンジン負荷等)毎に作成しておき、現在のエンジン運転条件に応じたマップ又は数式等を選択して今回のHC排出量を算出するようにしても良い。
以上説明した本実施例1では、前回の失火レベルが所定値を越えて悪化した場合(前回の燃焼状態の悪化度合が比較的大きい場合)には、気筒内に残留するHC量が比較的多いため、その影響によっても今回のHC排出量が変化すると判断して、前回の失火レベルと今回の失火レベルとに基づいて今回のHC排出量を推定するようにしたので、前回の失火レベルに応じた残留HC量と、今回の失火レベルに応じた未燃HC発生量の両方を考慮して今回のHC排出量を推定することができ、前回の失火により残留HC量が増加しても、その影響を受けずにHC排出量を精度良く推定することができる。
次に、図6及び図7を用いて本発明の実施例2を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分については説明を省略又は簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。
本実施例2では、ECU23によって後述する図6のHC排出量推定ルーチンを実行することで、今回の失火レベルに基づいて今回のHC排出量を推定した後、前回の失火レベルが所定値を越えて悪化した状態(例えば半失火又は完全失火の状態)であるか否かを判定し、前回の失火レベルが所定値を越えて悪化した場合(前回の燃焼状態の悪化度合が比較的大きい場合)には、前回の失火レベルと今回の失火レベルとに基づいて補正量を算出し、この補正量を用いて今回のHC排出量の推定値を補正するようにしている。
図6に示すHC排出量推定ルーチンでは、まず、ステップ201で、各気筒の燃焼行程毎に筒内圧力センサ22で検出した筒内圧力に基づいて失火レベル(燃焼状態の悪化度合を評価するパラメータ)を算出した後、ステップ202に進み、図4に示す通常時のHC排出量のマップ又は数式等を用いて、今回の失火レベルに応じた今回のHC排出量を算出(推定)する。
この後、ステップ203に進み、各気筒毎に前回の失火レベルが所定値よりも小さいか否かによって、前回の失火レベルが所定値を越えて悪化した状態(例えば半失火又は完全失火の状態)であるか否かを判定する。
このステップ203で、前回の失火レベルが所定値を越えていないと判定された場合(前回の燃焼状態が比較的良好な場合)には、今回の失火レベルに基づいて推定した今回のHC排出量の推定値を補正することなくそのまま採用する。
一方、上記ステップ203で、前回の失火レベルが所定値を越えて悪化したと判定された場合(前回の燃焼状態の悪化度合が比較的大きい場合)には、ステップ204に進み、図7に示す前回失火時の補正量のマップ又は数式等を用いて、前回の失火レベルと今回の失火レベルとに応じた補正量を算出する。
図7に示す前回失火時の補正量のマップ又は数式等は、予め設計データ、試験データ、シミュレーションデータ等に基づいて作成され、ECU23のROMに記憶されている。マップの設定方法の例としては、前回と今回の失火レベルが小さくなるほど(燃焼の悪化度合が大きくなるほど)、気筒内に残留するHC量が増加して今回のHC排出量が多くなるよう設定する。また、前回と今回の失火レベルが大きくなるほど(燃焼の悪化度合が小さくなるほど)、気筒内に残留するHC量が減少して、今回のHC排出量が小さくなるよう設定する。また、前回失火時の補正量のマップ又は数式等をエンジン運転条件(例えば、燃料噴射量、エンジン回転速度、エンジン負荷等)毎に作成しておき、現在のエンジン運転条件に応じたマップ又は数式等を選択して補正量を算出するようにしても良い。
補正量を算出した後、ステップ205に進み、その補正量を用いて、今回の失火レベルに基づいて推定した今回のHC排出量の推定値を補正して、最終的な今回のHC排出量の推定値を求める。
以上説明した本実施例2においても、前記実施例1とほぼ同じ効果を得ることができる。
以上説明した本実施例2においても、前記実施例1とほぼ同じ効果を得ることができる。
更に、本実施例2では、前回の失火レベルと今回の失火レベルの両方に応じた補正量を用いて、今回のHC排出量の推定値を補正するようにしたので、前回と今回の両方で失火が連続して発生した場合でも、今回のHC排出量を精度良く推定することができる利点がある。
しかしながら、前回の失火レベルのみに応じて補正量を算出し、この補正量を用いて今回のHC排出量の推定値を補正するようにしても良い。
しかしながら、前回の失火レベルのみに応じて補正量を算出し、この補正量を用いて今回のHC排出量の推定値を補正するようにしても良い。
また、上記各実施例1,2では、前回の失火レベルが所定値を越えて悪化した場合に、前回の失火レベルと今回の失火レベルとに基づいて今回のHC排出量を推定するようにしたが、前回の失火レベルに関連性のある情報(例えば、前回のHC排出量の推定値、前回の筒内圧等)と今回の失火レベルとに基づいて今回のHC排出量を推定するようにしても良い。
また、本発明は、各気筒の燃焼行程毎に筒内圧力センサ22で検出した筒内圧力に基づいて失火レベルを算出し、各気筒毎に今回の失火レベルに基づいて今回のHC排出量を推定するシステムにおいて、前回の失火レベルが所定値を越えて悪化した場合に、今回のHC排出量の推定を禁止するようにしても良い。この機能が禁止手段としての役割を果たす。このようにすれば、今回の失火レベルに基づいて今回のHC排出量を推定するシステムにおいて、前回の失火の影響を受けて今回のHC排出量の推定精度が低下することを未然に防止することができる。
その他、本発明は、図1に示すような吸気ポート噴射式エンジンに限定されず、筒内噴射式エンジンや、吸気ポート噴射用の燃料噴射弁と筒内噴射用の燃料噴射弁の両方を備えたデュアル噴射式のエンジンにも適用して実施できる。
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、14…スロットルバルブ、17…燃料噴射弁、18…点火プラグ、22…筒内圧力センサ、23…ECU(失火レベル算出手段,HC排出量推定手段,禁止手段)
Claims (4)
- 内燃機関の各気筒の燃焼行程毎に筒内圧力に基づいて燃焼状態の悪化度合を評価するパラメータ(以下「失火レベル」という)を算出する失火レベル算出手段と、
内燃機関の各気筒毎に前記失火レベル算出手段により算出した今回の失火レベルに基づいて今回の炭化水素(以下「HC」と表記する)の排出量を推定するHC排出量推定手段とを備え、
前記HC排出量推定手段は、前記失火レベル算出手段により算出した前回の失火レベルが所定値を越えて悪化した場合に、当該前回の失火レベル又はこれに関連性のある情報(以下これらを「前回の失火レベル情報」と総称する)と、今回の失火レベルとに基づいて今回のHC排出量を推定することを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記HC排出量推定手段は、前記失火レベル算出手段により算出した前回の失火レベルが所定値を越えて悪化した場合に、今回の失火レベルに基づいて推定した今回のHC排出量の推定値を、前記前回の失火レベル情報に応じた補正量を用いて補正することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記HC排出量推定手段は、前記補正量を今回の失火レベルに応じて変化させることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
- 内燃機関の各気筒の燃焼行程毎に筒内圧力に基づいて燃焼状態の悪化度合を評価するパラメータ(以下「失火レベル」という)を算出する失火レベル算出手段と、
内燃機関の各気筒毎に前記失火レベル算出手段により算出した今回の失火レベルに基づいて今回の炭化水素(以下「HC」と表記する)の排出量を推定するHC排出量推定手段と、
前記失火レベル算出手段により算出した前回の失火レベルが所定値を越えて悪化した場合に、前記HC排出量推定手段による今回のHC排出量の推定を禁止する禁止手段と
を備えていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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ID=42323062
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JP (1) | JP2010121515A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020029862A (ja) * | 2018-08-20 | 2020-02-27 | キャタピラー インコーポレイテッドCaterpillar Incorporated | エンジンミスファイア軽減 |
-
2008
- 2008-11-19 JP JP2008295683A patent/JP2010121515A/ja active Pending
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JP2020029862A (ja) * | 2018-08-20 | 2020-02-27 | キャタピラー インコーポレイテッドCaterpillar Incorporated | エンジンミスファイア軽減 |
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