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JP2010116715A - 擁壁構築工法 - Google Patents

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JP2010116715A JP2008290433A JP2008290433A JP2010116715A JP 2010116715 A JP2010116715 A JP 2010116715A JP 2008290433 A JP2008290433 A JP 2008290433A JP 2008290433 A JP2008290433 A JP 2008290433A JP 2010116715 A JP2010116715 A JP 2010116715A
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Kenji Nakayama
憲士 中山
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ASURAKKU KK
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Abstract

【課題】L型又は逆T型の擁壁構造において、躯体を構築するための切土部の容積を小さく(土壌の掘削・排土量を少なく)し得るとともに、躯体に対する土圧力を小さくし得るようにした擁壁構築工法を提供すること。
【解決手段】擁壁構築場所の土壌を、構築すべき擁壁の底版部12が位置する奥行き範囲の部分に現場地盤の安定勾配θとほぼ同じ勾配の傾斜底面部22を設けた状態で掘削・排土して、躯体構築用の切土部20を形成し、該切土部20の傾斜底面部22上に躯体1の底版部12の下面が上記傾斜底面部22と同じ勾配の傾斜部13となる状態で底版部12を構築するとともに、底版部12の外端位置又は外端寄り位置に躯体1の縦版部11を構築した後、躯体1の内側に土壌Sを充填することにより、切土部20の容積を小さくし得るとともに、躯体1に対する土圧力を小さくし得るようにしている。
【選択図】 図1

Description

本願発明は、道路側面や造成土地側面や山肌等の斜面にL型又は逆T型の擁壁を構築するための擁壁構築工法に関するものである。
道路側面や造成土地側面や山肌等の斜面に擁壁を構築するには、その擁壁構築場所の地盤を掘削・排土して、そこに擁壁構築用の切土部を形成する必要がある。
図6の(A)〜(C)には、山肌等の斜面102に道路を構築する場合の擁壁構築工法を示しているが、この例では擁壁(コンクリート製の躯体)101として逆T型のものを採用している。
図6(C)に示す逆T型の擁壁(躯体)101は、同一厚さで水平方向に向く底版部112の外端寄り位置に縦版部111を鉛直姿勢で一体に連続させたものであるが、縦版部111の内側に形成される道路を必要幅Wだけ確保するには、躯体101として縦版部111の高さH及び底版部112の奥行き長さLをそれぞれかなりの大きさにする必要がある。例えば道路の必要幅Wが4mの場合は、躯体101の全高Hが約4m、底版部112の奥行き長さLが約3m弱の躯体101を構築する。尚、底版部112の奥行き長さLは、躯体101の全高Hの7割程度に設定するのが一般的である。
図6(C)の擁壁を構築するには、まず図6(A)に示すように山肌(斜面)102に、2点鎖線で示す範囲(構築すべき擁壁の大きさにに見合った範囲)の土壌を掘削・排土して擁壁構築用の切土部120を形成する。この切土部120の底面部121は、構築すべき擁壁(躯体)101の底版部112の下面が水平面である関係で該底版部112の奥行き長さLよりやや長い奥行き幅L1で水平状に形成される。尚、この水平底面部121は、その上に構築される躯体底版部112(外向き突出版114)を地中に埋設するために所定深さ(例えば50cm程度)だけ段下げされる。そして、切土部底面部(水平底面部)121の奥端部から土壌が崩壊しない程度の傾斜角度(図示例では約65°)で傾斜奥面部123を掘削して切土部120を形成する。即ち、この場合の切土部120は、図6(A)の符号a,b,c,dの各点を結ぶ範囲の土壌を掘削・排土したものである。
次に、図6(B)に示すように、切土部121に擁壁(躯体)101を構築するが、生コンクリートを現場打ちによって躯体101を構築する場合には、まず底版部112の高さH1部分を構築した後、縦版部111の高さH2部分を構築する。この場合、底版部112及び縦版部111は、それぞれ型枠を組立てて該型枠内に生コンクリートを充填・固化させて構築する。尚、他の例では、躯体101を現場打ちで構築するのに代えて、予め成形したプレキャストコンクリート製の躯体101を使用する場合がある。
そして、躯体101の構築後(又は設置後)に、図6(C)に示すように縦版部111の内側に土壌Sを充填するとともに、外向き突出版114の上部にも土壌Saを充填して、道路用の擁壁を完成させる。尚、L型の擁壁(躯体)の場合でも、上記の工程で構築される。
ところで、図6(B)(C)に示すように、従来の逆T型(又はL型)の擁壁101では、底版部112の奥行き長さLがかなり長くなっており且つ該底版部112の下面が水平面となっているので、山肌(斜面)102に形成すべき切土部120の容積をかなり大きく掘削・排土する必要がある。例えば、図6の擁壁構造では、図6(A)におけるa,b,c,dの各点を結ぶ範囲の土壌を掘削・排土する必要があり、その掘削・排土に多大な時間とコストがかかるという問題があった。
又、図6(C)に示す従来の逆T型(L型でも同じ)の擁壁構造では、躯体101に対して山側から横方向に土圧力が加わる。この土圧力は、土壌が自然崩壊しない安定勾配(現場土壌の質によって変化するが概ね30°〜60°である)を越える部分で発生するが、図6(C)に示す擁壁構造では土圧力が躯体101の全高さ範囲Hに亘って発生する。従って、この従来例の擁壁構造では、土圧力による躯体101への滑動作用が大きくなる(擁壁の安定度が低くなる)という問題があった。
そこで、本願発明は、L型又は逆T型の擁壁構造において、躯体の全高及び奥行き長さがそれぞれ同じであっても、切土部の容積を小さく(土壌の掘削・排土量を少なく)し得るとともに、躯体に対する土圧力を小さくし得るようにした擁壁構築工法を提供することを目的としている。
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。
[本願請求項1の発明]
本願請求項1の発明は、道路側面や造成土地側面や山肌等の斜面にL型又は逆T型の擁壁を構築するための擁壁構築工法であって、擁壁となる躯体を生コンクリートで現場打ちする場合を対象にしている。
尚、本願発明において構築される擁壁(又は躯体)は、後述するように底版部の下面に安定勾配とほぼ同じ勾配の傾斜部を設けることにより、該底版部の断面が略三角形の形状になるが、この断面略三角形状の底版部を有するものも含めてL型又は逆T型の擁壁(又は躯体)という。
この請求項1の擁壁構築工法では、まず擁壁構築場所の地盤を、構築すべき擁壁の底版部が位置する奥行き範囲の部分に現場地盤が崩壊しない安定勾配とほぼ同じ勾配の傾斜底面部を設けた状態で掘削・排土して、擁壁構築場所に躯体構築用の切土部を形成する。
上記安定勾配とは、自然状態で土壌が崩壊しない勾配であって、現場地盤の質にもよるが概ね30°〜60°である。尚、ここでいう安定勾配とは、直線状の勾配だけでなく、階段状又は蛇行状に傾斜している場合も含むものである。
そして、上記切土部の傾斜底面部上に生コンクリートを打設することにより躯体の底版部の下面が上記傾斜底面部と同じ勾配の傾斜部となる状態で上記底版部を構築するとともに、該底版部の外端位置(L型擁壁の場合)又は外端寄り位置(逆T型擁壁の場合)に躯体の縦版部を構築する。このようにして構築された躯体では、底版部の下面が切土部の傾斜底面部の勾配(安定勾配)と同じ勾配の傾斜部となる。
その後(躯体構築後)、躯体の内側に土壌を充填することによって擁壁を構築する。
この請求項1の擁壁構築工法では、切土部の底面部を地盤が崩壊しない安定勾配とほぼ同じ勾配で掘削するので、従来のように切土部底面部を水平に掘削する場合に比して、切土部の地盤の掘削・排土量が少なくて済む。又、この擁壁構築工法で構築された擁壁では、躯体の底版部の下面に安定勾配とほぼ同じ勾配の傾斜部が設けられるので、該底版部の傾斜部(下面)の高さ範囲には土圧力がかからない。即ち、擁壁となる躯体には、底版部の傾斜部の高さ部分より上方部分のみに土圧力が作用する。
[本願請求項2の発明]
本願請求項2の発明は、道路側面や造成土地側面や山肌等の斜面にL型又は逆T型の擁壁を構築するための擁壁構築工法であって、擁壁となる躯体としてプレキャストコンクリート製のものを使用する場合を対象にしている。
この請求項2の擁壁構築工法では、プレキャストコンクリート製の躯体として、底版部と縦版部とをL型又は逆T型に一体成型したものを使用できるほか、底版部と縦版部とをそれぞれプレキャストコンクリート製のブロック体に分割したものを現場でL型又は逆T型の躯体に組立てるようにしたものでもよい。又、分割ブロック体を使用する場合には、特に縦版部についてはさらに複数に分割したものを積み上げで躯体を構築するようにしてもよい。
この請求項2の擁壁構築工法で使用する躯体には、その底版部の下面に現場地盤が崩壊しない安定勾配とほぼ同じ勾配の傾斜部を設けたものを使用する。
そして、擁壁構築場所の地盤を、上記躯体の底版部が位置する奥行き範囲の部分に上記底版部下面の傾斜部とほぼ同じ勾配の傾斜底面部を設けた状態で掘削・排土して、擁壁構築場所に躯体設置用の切土部を形成する。
次に、上記切土部の傾斜底面部上に上記躯体の傾斜部(底版部の下面)を重合させた状態で、該切土部に躯体を設置する。
その後(躯体設置後)、躯体の内側に土壌を充填することによって擁壁を構築する。
この請求項2の擁壁構築工法では、躯体としてプレキャストコンクリート製のものを使用しているが、この場合も上記請求項1の擁壁構築工法で説明した機能を発揮する。即ち、切土部の底面部を地盤が崩壊しない安定勾配とほぼ同じ勾配で掘削するので、従来のように切土部底面部を水平に掘削する場合に比して、切土部の土壌の掘削・排土量が少なくて済む。又、躯体の底版部の下面が安定勾配とほぼ同じ勾配の傾斜部となるので、該底版部の傾斜部(下面)の高さ範囲には土圧力がかからない。
本願請求項1及び請求項2の各発明の擁壁構築工法では、躯体を構築するための切土部の底面部を地盤が崩壊しない安定勾配とほぼ同じ勾配で掘削・排土するので、図6に示す従来例のように切土部底面部を水平に掘削する場合に比して、切土部の土壌の掘削・排土量が少なくて済む。従って、本願各発明の擁壁構築工法では、切土部形成のための工期を短縮できるとともに、該切土部形成のためのコストを低減させることができるという効果がある。
又、本願請求項1及び請求項2の各発明では、躯体の底版部の下面が安定勾配とほぼ同じ勾配の傾斜部となるので、該底版部の傾斜部(下面)の高さ範囲には土圧力がかからない。従って、本願各発明の擁壁構築工法で構築された擁壁では、躯体に受ける土圧力(躯体滑動力及び躯体転倒力となる)を軽減できるので、躯体の安定性が高められるという効果もある。
以下、図1〜図5を参照して本願実施例の擁壁構築工法を説明する。図1(A)〜(C)には本願第1実施例の擁壁構築工法を示し、図2〜図5にはそれぞれ擁壁となる躯体1の他の形態(第2〜第5実施例)を示している。
本願の擁壁構築工法は、上記請求項1のように躯体1を現場打ちすることによって擁壁を構築する場合と、上記請求項2のようにプレキャストコンクリート製の躯体1を使用して擁壁を構築する場合とがあるが、図1の(A)〜(C)には躯体1を現場打ちする場合の擁壁構築工法を示している。
図1(第1実施例)に示す擁壁構築工法は、図1(C)に示すように山肌(斜面)2に道路を構築する場合を示しているが、この第1実施例では構築される擁壁(コンクリート製の躯体)1として逆T型のものを採用している。尚、逆T型の擁壁(躯体)1は、横向きの底版部12と該底版部12の外端寄り位置に上方に立上げた縦版部11とを一体に連続させたものである。底版部12の外端には、縦版部11の外側面より外側に突出する外向き突出版14が一体形成されている。
又、図1(C)の擁壁構造において、擁壁上に構築される道路の必要幅Wが例えば4mの場合は、躯体1として、その全高Hが約4m、底版部12の奥行き長さLが約3m弱の大きさのものを構築するようにしている。尚、底版部12の奥行き長さLは、躯体1の支持力との関係で、該躯体1に加わる土圧力の高さ範囲(H−H6=H7の高さ範囲)の概ね7割程度以上あればよいが、図1の第1実施例では、底版部12の奥行き長さLを図6の従来例と同じように躯体1の全高Hの約7割程度に設定している。
そして、図1(C)の擁壁構造は、以下に説明するように図1(A)及び図1(B)に示す各工程を経て構築される。
この第1実施例の擁壁構築工法は、まず、図1(A)に示すように擁壁を構築すべき場所の斜面2(この例では山肌)の地盤を掘削・排土して切土部20を形成するが、その際、該切土部20は、符号a,b,e,f,dの各点を結ぶ範囲の土壌を掘削・排土して形成される。
図1(A)において、b点からe点の範囲は水平底面部21であり、e点からf点の範囲は現場地盤の安定勾配θとほぼ同じ勾配の傾斜底面部22であり、f点からd点の範囲は土壌が容易に崩壊しない程度に傾斜させた傾斜奥面部23である。
図1(A)において、b点からe点までの水平底面部21の深さは、a点位置から約50cm程度であり、図1(C)に示すように構築した躯体1の下部(外向き突出版14)を地中に埋め込むためのものである。b点からe点までの水平底面部21は、図1の(B)又は(C)に示すように構築した躯体1の底面の外方寄り部分に水平部15を設けるためのものであり、該水平底面部21の奥行き幅(b点からe点までの長さ)は図示例では約1mである。e点からf点までの傾斜底面部22は、図1の(B)又は(C)に示すように構築した躯体1の底面に傾斜部13を形成するためのものであり、現場地盤の安定勾配θ(一般に30°〜60°程度)とほぼ同じ勾配(図示例では約35°)である。又、該傾斜底面部22の水平距離(e点からf点までの水平距離)は図示例では約2mである。f点からd点までの傾斜奥面部23の勾配は、例えば角度60°〜70°で、土壌が容易に崩落しない程度のものである。尚、図1(A)において、c点は図6(A)の従来例の水平底面部121の奥端部であり、本願と従来例の各切土部20,120の大きさを比較するためのものである。
そして、この第1実施例の擁壁構築工法では、切土部20として図1(A)に示す符号a,b,e,f,dの各点を結ぶ範囲の地盤を掘削・排土するので、図6(A)の従来例の切土部120に比して図1(A)のe点,c点,f点を結ぶ範囲の地盤を掘削・排土する必要がなくなる。
次の工程として、図1(B)に示すように、山肌(斜面)2に形成した切土部20に生コンクリートを打設して擁壁(躯体)1を構築するが、この場合は、型枠組立ての関係で、外向き突出版14の高さ範囲H3と、外向き突出版14の上面から底版部12の上面までの高さ範囲H4と、底版部12の上面から縦版部11の上面までの高さ範囲H5との3回に分けて生コンクリートを打設する。尚、縦版部11は、現場打ちに代えてプレキャストコンクリート製のものを使用してもよい。又、図1(B)の例では、切土部20の水平底面部21上及び傾斜底面部22上に基礎砕石を敷設した状態で生コンクリートを打設するが、該基礎砕石を敷設しないで直接水平底面部21上及び傾斜底面部22上に生コンクリートを打設してもよい。
図1(B)に示す躯体構築工程において、本願請求項2のように躯体1としてプレキャストコンクリート製のものを使用する場合には、該躯体ブロックをクレーンで吊上げて所定位置に設置すればよい。このときのプレキャストコンクリート製の躯体1は、図1(B)に示すように、底版部12の下面に安定勾配θとほぼ同じ勾配の傾斜部13を形成したものを使用する。尚、プレキャストコンクリート製の躯体1としては、全体を一体成型したものを使用してもよく、あるいは上下に複数個に分割したブロック体を現場で積み重ねて躯体1としてもよい。
そして、切土部20に躯体1を構築した後、図1(C)に示すように縦版部11の内側に土壌Sを充填するとともに、外向き突出版14の上部にも土壌Saを充填して、道路用の擁壁を完成させる。
この第1実施例の擁壁構築工法では、躯体1を構築(又は設置)するための切土部20は、図1(A)にe点とf点を結ぶ線で示すように現場地盤の安定勾配θとほぼ同じ勾配(図示例では35°)の傾斜底面部22を形成するように掘削・排土するので、図6(A)に示す従来例のように切土部底面部(b点からc点まで)を水平に掘削する場合に比して、図1(A)のe点,c点,f点を結ぶ範囲の土壌を掘削・排土する必要がなくなる。従って、この第1実施例の擁壁構築工法では、切土部形成のための工期を短縮できるとともに、該切土部形成のためのコストを低減させることができる。
又、この第1実施例の擁壁構築工法で構築された擁壁には、躯体1の底版部12の下面に安定勾配θとほぼ同じ勾配の傾斜部13が形成されているが、この傾斜部13の高さ範囲H6には土圧力がかからないので、躯体全体に受ける土圧力は図1(C)に示す高さH7になり、図6(C)の従来例に示す土圧力がかかる高さ範囲(躯体の全高Hの範囲)より小さくなる。従って、この第1実施例の擁壁構築工法で構築された擁壁では、躯体全体に受ける土圧力(躯体滑動力及び躯体転倒力となる)を軽減できるので、躯体の安定性が高められる。
尚、躯体底版部12の下面の外端寄り部分に水平部15を形成していると、躯体下面の傾斜部13が切土部20の傾斜底面部22に沿って斜め外方に滑動しようとしても、該底版部下面の水平部15が切土部20の水平底面部21上に衝合しているので、その斜め外方への滑動を阻止できる。
図2〜図5には、それぞれ切土部20に構築される躯体1の変形例(第2〜第5実施例)を示している。尚、図2において2点鎖線で示す符号12′の部分は、図1(C)(第1実施例)の躯体1の底版部を示している。
図2(第2実施例)の躯体1では、底版部12の下面に安定勾配θとほぼ同じ勾配の傾斜部13が形成されるが、この傾斜部13の高さ範囲H8には躯体1に対して土圧力がかからず、実質的に土圧力がかかるのはH9の高さ範囲である。そして、底版部12の奥行き長さは、実質的に土圧力がかかるH9の高さ範囲の約7割程度あればよく、この第2実施例では、底版部12の奥行き長さL1を図1の第1実施例の底版部12′の奥行き長さLより短くしている。
この図2(第2実施例)のようにすると、図1の第1実施例の場合の切土部20の大きさより、g,f,d,hの各点を結ぶ範囲だけ小さくでき、その分、切土部形成のための掘削・排土量を第1実施例の場合より一層少なくできる。
図3(第3実施例)の躯体1では、底版部12の傾斜部13に階段状の凹凸部を形成している。この場合は、切土部20の傾斜底面部22も階段状に形成し、底版部12の傾斜部13(階段状)を階段状の傾斜底面部22に接合させている。このようにすると、各階段状に接合している部分(13と22)が躯体1の滑動を阻止する機能がある。
図4(第4実施例)の躯体1では、底版部12の傾斜部13を水平部15より所定高さだけ段上げした位置からスタートさせている。この場合は、底版部12の傾斜部13が段上げした分だけ上方に位置するので、切土部20の掘削・排土量を一層少なくできる。
図5(第5実施例)の躯体1は、外向き突出版14のないL型に形成したものである。
尚、図2〜図5の各実施例でも、切土部20の傾斜底面部22は、現場地盤の安定勾配θとほぼ同じ勾配(約35°)であって、上記第1実施例のものと同じ機能を有している。
本願の第1実施例の擁壁構築工法を示す工程図である。 本願の第2実施例で構築される擁壁構造の説明図である。 本願の第3実施例で構築される擁壁構造の説明図である。 本願の第4実施例で構築される擁壁構造の説明図である。 本願の第5実施例で構築される擁壁構造の説明図である。 従来の擁壁構築工法を示す工程図である。
符号の説明
1は躯体、2は斜面(山肌)、11は縦版部、12は底版部、13は傾斜部、14は外向き突出版、15は水平部、20は切土部、21は水平底面部、22は傾斜底面部、23は傾斜奥面部、θは安定勾配である。

Claims (2)

  1. 道路側面や造成土地側面や山肌等の斜面(2)に縦版部(11)と底版部(12)とを有したL型又は逆T型の擁壁を構築するための擁壁構築工法であって、
    擁壁構築場所の地盤を、構築すべき擁壁の底版部(12)が位置する奥行き範囲の部分に現場地盤が崩壊しない安定勾配(θ)とほぼ同じ勾配の傾斜底面部(22)を設けた状態で掘削・排土して、上記擁壁構築場所に躯体構築用の切土部(20)を形成し、
    該切土部(20)の傾斜底面部(22)上に生コンクリートを打設することにより躯体(1)の底版部(12)の下面が上記傾斜底面部(22)と同じ勾配の傾斜部(13)となる状態で上記底版部(12)を構築するとともに、該底版部(12)の外端位置又は外端寄り位置に躯体(1)の縦版部(11)を構築した後、上記躯体(1)の内側に土壌(S)を充填する、
    ことを特徴とする擁壁構築工法。
  2. 道路側面や造成土地側面や山肌等の斜面(2)に縦版部(11)と底版部(12)とを有したL型又は逆T型の擁壁を構築するための擁壁構築工法であって、
    上記底版部(12)の下面に現場地盤が崩壊しない安定勾配(θ)とほぼ同じ勾配の傾斜部(13)を設けたプレキャストコンクリート製の躯体(1)を使用し、
    擁壁構築場所の地盤を、上記躯体(1)の底版部(12)が位置する奥行き範囲の部分に上記底版部(12)下面の傾斜部(13)とほぼ同じ勾配の傾斜底面部(22)を設けた状態で掘削・排土して、上記擁壁構築場所に躯体設置用の切土部(20)を形成し、
    上記切土部(20)の傾斜底面部(22)上に上記躯体(1)の上記傾斜部(13)を重合させた状態で上記切土部(20)に上記躯体(1)を構築した後、該躯体(1)の内側に土壌(S)を充填する、
    ことを特徴とする擁壁構築工法。
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