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JP2010111548A - チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結体の製造方法 - Google Patents

チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結体の製造方法 Download PDF

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JP2010111548A JP2008286817A JP2008286817A JP2010111548A JP 2010111548 A JP2010111548 A JP 2010111548A JP 2008286817 A JP2008286817 A JP 2008286817A JP 2008286817 A JP2008286817 A JP 2008286817A JP 2010111548 A JP2010111548 A JP 2010111548A
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Keiichiro Suzuki
敬一郎 鈴木
Makio Kimura
真喜男 木村
Asa Yoshino
朝 吉野
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Abstract

【課題】焼結過程での高収縮に起因する型崩れやひずみが抑えられ、強度の高いチタン酸アルミニウム系セラミックス焼結体を製造し得る方法を提供すること。
【解決手段】本発明のチタン酸アルミニウム系セラミックス焼結体の製造方法は、チタニウム源粉末、アルミニウム源粉末および燃焼性粒子を含む前駆体混合物を所定の形状の成形体に成形し、該成形体を非燃焼性雰囲気下で1400℃以上の温度で焼結してチタン酸アルミニウムを生成させたのち、該成形体を燃焼性雰囲気下で焼結することにより前記燃焼性粒子を燃焼させることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結体の製造方法に関する。より詳しくは、チタニウム源粉末、アルミニウム源粉末および燃焼性粒子を含む前駆体混合物を所定の形状の成形体に成形し、該成形体を焼結することで、チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結体を製造する方法に関する。
チタン酸アルミニウム系セラミックスは、構成元素としてチタンおよびアルミニウムを含み、X線回折スペクトルにおいて、チタン酸アルミニウムの結晶パターンを有するセラミックスであって、低熱膨張性に優れたセラミックスとして知られている。国際公開第2004−039747号パンフレット(特許文献1)の第6−7頁には、実施例1として、チタニウム源粉末、アルミニウム源粉末、マグネシウム源粉末およびケイ素源粉末を含む前駆体混合物を700℃まで徐々に加熱し、同温度で3時間保持し、その後1000℃まで26時間かけて昇温し、さらに1400℃まで2時間かけて昇温し、同温度にて4時間焼成して、チタン酸アルミニウム系セラミックスを製造する方法が開示されている。かかる方法において前駆体混合物は、昇温過程で1100〜1350℃の温度範囲に1.8時間保持されている。
しかし、従来のように燃焼性雰囲気下での焼成によりチタン酸アルミニウム系セラミックスを製造した場合、チタン酸アルミニウム骨格が形成される前に前駆体混合物中に含まれる燃焼性粒子(造孔剤、結合剤等)が燃焼し、焼成途中に原料のチタニア源粉末、アルミナ源粉末等が容易に移動してしまうため、焼結過程での高収縮に起因する型崩れやひずみが大きく、さらに低強度となることが予測される。
国際公開第2004−039747号パンフレット
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、焼結過程での高収縮に起因する型崩れやひずみが抑えられ、強度の高いチタン酸アルミニウム系セラミックス焼結体を製造し得る方法を提供することである。
本発明のチタン酸アルミニウム系セラミックス焼結体の製造方法は、チタニウム源粉末、アルミニウム源粉末および燃焼性粒子を含む前駆体混合物を所定の形状の成形体に成形し、
該成形体を非燃焼性雰囲気下で1400℃以上の温度で焼結してチタン酸アルミニウムを生成させたのち、
該成形体を燃焼性雰囲気下で焼結することにより前記燃焼性粒子を燃焼させることを特徴とする。
前記前駆体混合物は、マグネシウム源粉末をさらに含むことが好ましい。また、前記前駆体混合物は、ケイ素源粉末をさらに含むことが好ましい。
本発明の製造方法においては、前記成形体を非燃焼性雰囲気下で1100〜1350℃の温度範囲に3時間以上保持した後、1400℃以上の温度に昇温し、同温度で焼結する工程を含むことが好ましい。
前記燃焼性成分の配合量は、前記前駆体混合物100重量部に対し1〜50重量部であることが好ましい。
また、前記前駆体混合物に含まれる成分のうち、前記燃焼性成分以外の成分の合計量100重量部あたり、チタニア換算のチタニウム源粉末の使用量は30〜70重量部であることが好ましく、また、アルミナ換算のアルミニウム源粉末の使用量は20〜60重量部であることが好ましい。
また、前記前駆体混合物に含まれる成分のうち、前記燃焼性成分以外の成分の合計量100重量部あたり、マグネシア換算のマグネシウム源粉末の使用量は0.1〜20重量部であることが好ましい。
また、前記前駆体混合物に含まれる成分のうち、前記燃焼性成分以外の成分の合計量100重量部あたり、シリカ(SiO2)換算のケイ素源粉末の使用量は、0.1〜20質量部であることが好ましい。
本発明の製造方法においては、まず非燃焼性雰囲気下で焼成することにより、燃焼性粒子が燃焼することなく保持されたままでチタン酸アルミニウム系セラミックスへの反応が進行し、骨格が形成され、その後に燃焼性雰囲気下で燃焼性粒子が燃焼するため、焼結過程での高収縮に起因する型崩れやひずみが抑えられ、強度の高いチタン酸アルミニウム系セラミックス焼結体を得ることができる。
チタン酸アルミニウム系セラミックスとは、構成元素としてチタンおよびアルミニウムを含み、X線回折スペクトルにおいて、チタン酸アルミニウムの結晶パターンを有するセラミックスである。
本発明のチタン酸アルミニウム系セラミックス焼結体の製造方法は、チタニウム源粉末、アルミニウム源粉末および燃焼性粒子を含む前駆体混合物を所定の形状の成形体に成形し、
該成形体を非燃焼性雰囲気下で1400℃以上の温度で焼結してチタン酸アルミニウムを生成させたのち、
該成形体を燃焼性雰囲気下で焼結することにより前記燃焼性粒子を燃焼させることを特徴とする。
ここで、前記前駆体混合物は、マグネシウム源粉末をさらに含むことが好ましい。また、前記前駆体混合物は、ケイ素源粉末をさらに含むことが好ましい。
(チタニウム源粉末)
前駆体混合物を構成するチタニウム源粉末とは、チタン酸アルミニウムを構成するチタニウム(チタン)成分となり得る化合物の粉末を指す。このようなチタニウム源粉末としては、酸化チタンが好ましい。酸化チタンとして、具体的には、酸化チタン(IV)、酸化チタン(III)、酸化チタン(II)などが挙げられる。中でも、汎用的な酸化チタン(IV)が特に好ましい。酸化チタン(IV)の結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型などが挙げられ、中でも汎用的なアナターゼ型、ルチル型が特に好ましい。なお、酸化チタンはアモルファスであっても勿論よい。
チタニウム源粉末として、これを単独で焼成することによりチタニア(酸化チタン)に導かれる化合物の粉末も挙げられる。このような化合物としては、たとえば、チタニウム塩、チタニウムアルコキシド、水酸化チタニウム、窒化チタン、硫化チタン、チタン金属などが挙げられる。
チタニウム塩として具体的には、三塩化チタン、四塩化チタン、硫化チタン(IV)、硫化チタン(VI)、硫酸チタン(IV)などが挙げられる。また、チタニウムアルコキシドとして具体的には、チタン(IV)エトキシド、チタン(VI)エトキシド、チタン(IV)t−ブトキシド、チタン(IV)イソブトキシド、チタン(IV)n−プロポキシド、チタン(IV)テトライソプロポキシドおよびこれらのキレート化物が挙げられる。
チタニウム源粉末として、好ましくは酸化チタン粉末である。
前記前駆体混合物に含まれる成分のうち、前記燃焼性成分以外の成分の合計量100重量部あたり、チタニア換算のチタニウム源粉末の使用量は、好ましくは30〜70重量部、より好ましくは40〜60重量部である。チタニウム源粉末には不可避的に含まれる不純物が含まれていてもよい。
(アルミニウム源粉末)
また、前駆体混合物を構成するアルミニウム源粉末とは、チタン酸アルミニウムを構成するアルミニウム成分となる化合物の粉末であり、たとえばアルミナ(酸化アルミニウム)の粉末が挙げられる。アルミナの結晶型としては、Y型、δ型、θ型、α型などが挙げられ、アモルファスであってもよい。アルミナとしては、焼結時の結晶変態がなく、収縮が小さいため、α型のアルミナが好ましい。
アルミニウム源粉末として、単独で空気中で焼成することによりアルミナに導かれる化合物の粉末も挙げられる。かかる化合物としては、たとえばアルミニウム塩、アルミニウムアルコキシド、水酸化アルミニウム、金属アルミニウムなどが挙げられる。
アルミニウム塩は、無機酸との無機塩であってもよいし、有機酸との有機塩であってもよい。アルミニウム無機塩として具体的には、たとえば硝酸アルミニウム、硝酸アンモニウムアルミニウムなどのアルミニウム硝酸塩、炭酸アンモニウムアルミニウムなどのアルミニウム炭酸塩が挙げられる。アルミニウム有機酸としては、たとえばシュウ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウムなどが挙げられる。
アルミニウムアルコキシドとして具体的には、たとえばアルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムsec−ブトキシド、アルミニウムtert−ブトキシドなどが挙げられる。
水酸化アルミニウムの結晶型としては、たとえばギブサイト型、バイヤライト型、ノロソトランダイト型、ベーマイト型、擬ベーマイト型などが挙げられ、不定形(アモルファス)であってもよい。アモルファスの水酸化アルミニウムとしては、たとえばアルミニウム塩、アルミニウムアルコキシドなどのような水酸化アルミニウム化合物の水溶液を加水分解して得られるアルミニウム加水分解物も挙げられる。
アルミニウム源粉末として、好ましくはアルミナ源である。
前記前駆体混合物に含まれる成分のうち、前記燃焼性成分以外の成分の合計量100重量部あたり、アルミナ換算のアルミニウム源粉末の使用量は、好ましくは10〜60重量部、より好ましくは20〜50重量部である。アルミニウム源粉末には不可避的に含まれる不純物が含まれていてもよい。
(マグネシウム源粉末)
本発明における前駆体混合物は、チタン酸アルミニウムへの反応がより低温で開始されるため、マグネシウム源粉末をさらに含んでいることが好ましい。ここで、マグネシウム源粉末とは、チタン酸アルミニウムマグネシウムを構成するマグネシウム成分となる化合物の粉末であり、たとえばマグネシア(酸化マグネシウム)およびアルミン酸マグネシウム(マグネシアスピネル)の粉末が挙げられる。
マグネシウム源粉末としては、単独で空気中で焼成することによりマグネシアに導かれる化合物の粉末も挙げられる。かかる化合物としては、たとえばマグネシウム塩、マグネシウムアルコキシド、水酸化マグネシウム、窒化マグネシウム、金属マグネシウムなどが挙げられる。
マグネシウム塩として具体的には、塩化マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、ピロリン酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、ミリスチン酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、ジメタクリル酸マグネシウム、安息香酸マグネシウムなどが挙げられる。
マグネシウムアルコキシドとして具体的には、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシドなどが挙げられる。
マグネシウム源粉末として、マグネシウム源とアルミニウム源とを兼ねた化合物の粉末を用いることもできる。このような化合物としては、たとえばマグネシアスピネル(MgAl24)が挙げられる。
前記前駆体混合物に含まれる成分のうち、前記燃焼性成分以外の成分の合計量100重量部あたり、マグネシア換算のマグネシウム源粉末の使用量は、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.5〜10重量部である。マグネシウム源粉末には不可避的に含まれる不純物が含まれていてもよい。
(ケイ素源粉末)
また、前駆体混合物を構成するケイ素源粉末とは、シリコン成分となってチタン酸アルミニウム系セラミックスに含まれ得る化合物の粉末であって、たとえば、二酸化ケイ素、一酸化ケイ素などの酸化ケイ素(シリカ)の粉末が挙げられる。
ケイ素源粉末としては、単独で空気中で焼成することによりシリカに導かれる化合物の粉末も挙げられる。かかる化合物としては、たとえばケイ酸、炭化ケイ素、窒化ケイ素、硫化ケイ素、四塩化ケイ素、酢酸ケイ素、ケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸ナトリウム、ガラスフリットなどが挙げられ、好ましくは、工業的に入手が可能である点で、ガラスフリットなどである。
ケイ素源粉末として、アルミニウム源を兼ねた化合物の粉末を用いることもできる。このような化合物としては、たとえば長石が挙げられる。
前記前駆体混合物に含まれる成分のうち、前記燃焼性成分以外の成分の合計量100重量部あたり、シリカ(SiO)換算のケイ素源粉末の使用量は、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは1〜10重量部である。ケイ素源粉末には不可避的に含まれる不純物が含まれていてもよい。
(燃焼性成分)
本発明において燃焼性成分とは、チタン酸アルミニウム焼結体の前駆体混合物中に添加される成分である非金属成分であり、燃焼性雰囲気下における一定温度の加熱で燃焼する成分である。該燃焼性成分としては、造孔剤、結合剤、潤滑剤、後述の分散剤、粉砕助剤、解膠剤などとして前駆体混合物中に添加される成分が挙げられる。造孔剤としては、例えば、グラファイト等の炭素材、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂類、でんぷん、ナッツ殻、クルミ殻、コーンなどの植物系材料、氷またはドライアイスなどが挙げられる。結合剤(バインダー)としては、例えば、メチルセルロース、カルポキシメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースなどのセルロース類、ポリビニルアルコールなどのアルコール類、リグニンスルホン酸塩などの塩、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等のワックス、EVA、ポリエチレン、ポリスチレン、液晶ポリマー、エンジニアリングプラスチックなどの熱可塑性樹脂などが挙げられる。
燃焼性成分の配合量は、特に制限されるものではないが、前駆体混合物100重量部に対し1〜50重量部の範囲内であることが好ましく、5〜40重量部の範囲内であることがより好ましい。燃焼性成分の配合量が前駆体混合物100重量部に対し1重量部未満である場合には、燃焼性成分の割合が少ないため、焼結過程での型くずれやひずみが比較的少ないためであり、また、50重量部を超える場合には、燃焼性成分の燃焼時の発熱量が大きくなるという傾向にあるためである。
(前駆体混合物の混合)
上記前駆体混合物は、たとえば、チタニウム源粉末、アルミニウム源粉末、ケイ素源粉末(または、チタニウム源粉末、アルミニウム源粉末、マグネシウム源粉末、ケイ素源粉末)を混合することにより得ることができる。混合は、乾式で行ってもよいし、湿式で行ってもよい。燃焼性成分は、この混合時に添加してもよく、上記混合後に燃焼性成分を加えてさらに別途混合を行なってもよいが、製造効率の点からは同時に混合することが好ましい。
添加剤を用いる場合、その合計使用量は、原料の合計使用量、すなわち、チタニウム源粉末、アルミニウム源粉末およびケイ素源粉末(または、チタニウム源粉末、アルミニウム源粉末、マグネシウム源粉末およびケイ素源粉末)の合計使用量100重量部あたり通常0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部、さらに好ましくは0.75〜2重量部である。
添加剤を用いた場合、混合後の前駆体混合物から添加剤を除去してもよい。添加剤の除去は、たとえば大気中で加熱することにより焼失し得る添加剤を用いた場合には、大気中で加熱することにより焼失させればよい。このときの加熱温度は、通常、700℃以下である。
このようにして、本発明で用いる前駆体混合物を得ることができるが、この前駆体混合物は、焼成されることによりチタン酸アルミニウム系化合物に導かれるものである。
(成形方法)
上述した前駆体混合物は、所定の形状に成形される。ここで、所定の形状とは、たとえば、ハニカム形状、ペレット状、平板状などの形状が挙げられ、中でも、幾何学的表面積が大きいという理由から、ハニカム形状が好ましい。ハニカム形状の断面形状は、円形、楕円形、四角形、三角形などが挙げられ、ハニカム体の全体の形態は円筒体、角筒体などが挙げられる。
成形方法としては、たとえば、押出成形、鋳込み成形、射出成形などの方法が挙げられる。例えば、ハニカム形状の成形体の押出成形では、混合、混練して押出し成形可能に可塑化したものを押出成形によりハニカム形状に成形する。押出成形の方法については既知の方法が使用できる。
(焼結工程)
本発明の焼結体の製造方法は、成形体を非燃焼性雰囲気下で1400℃以上の温度で焼結してチタン酸アルミニウムを生成させたのち、
該成形体を燃焼性雰囲気下で焼結することにより前記燃焼性粒子を燃焼させることを特徴としている。
非燃焼性雰囲気とは上記燃焼性成分が燃焼しない雰囲気であり、実質的に酸素が存在しない雰囲気である。具体的には、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気や、一酸化炭素ガス、水素ガスのような還元性ガス雰囲気が挙げられる。一方、燃焼性雰囲気とは上記燃焼性成分が一定温度以上で燃焼するような雰囲気であり、具体的には空気雰囲気などの酸素を含有する気体雰囲気である。
非燃焼性雰囲気下での焼結工程では、成形した成形体を、900〜1350℃の温度範囲に3時間以上、好ましくは4時間以上、さらに好ましくは6時間以上、通常は24時間以下の時間、保持する。900〜1350℃の温度に保持する間、同温度範囲を外れない限度であれば、前駆体混合物を一定温度に保持してもよいし、徐々に昇温してもよいし、徐々に降温してもよいし、昇温と降温を交互に繰り返してもよい。昇温または降温する場合の昇温温度または降温温度は、前駆体混合物を同温度範囲に保持し易い点で、通常100℃/時間以下、好ましくは80℃/時間以下、さらに好ましくは50℃/時間以下である。
昇温は、通常、管状電気炉、箱型電気炉、トンネル炉、遠赤外線炉、マイクロ波加熱炉、シャフト炉、反射炉、ロータリー炉、ローラハース炉などの通常の加熱炉を用いて行われる。
上記温度範囲に3時間以上保持した後、1400℃以上、通常は1600℃未満の温度に昇温し、同温度で焼結することにより、燃焼性粒子が燃焼することなく保持されたままでチタン酸アルミニウム系セラミックスへの反応が進行し、骨格が形成される。焼結は、通常、上記温度範囲に保持した後に引き続き上記焼結温度に昇温することにより行われ、上述したのと同様の加熱炉を用いて行われる。
焼結に要する時間は、前駆体混合物がチタン酸アルミニウム系セラミックス(チタン酸アルミニウム、チタン酸アルミニウムマグネシウムなど)に遷移するのに十分な時間であればよく、前駆体混合物の量、焼結炉の形成、焼結温度、焼結雰囲気などによって異なるが、通常は10分〜24時間である。
このようにしてチタン酸アルミニウム系セラミックスの骨格が形成された後、該成形体を燃焼性雰囲気下で焼結することにより前記燃焼性粒子を燃焼させることで、目的とするチタン酸アルミニウム系セラミックスの焼結体を得ることができる。
本発明の焼結体は、焼結過程での高収縮に起因する型崩れやひずみが抑えられ、強度の高いものである。
このような本発明の焼結体は、たとえばディーゼルエンジン、ガソリンエンジンなどの内燃機関の排気ガス浄化に用いられるフィルターや触媒担体などに好適に使用することができる。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実験例に限定されるものではない。
(実施例1)
酸化チタン(IV)粉末1594.6g、αアルミナ粉末804g、マグネシアスピネル粉末560g、ガラスフリット191g、および、焼結性成分として、造孔剤として機能するメチルメタアクリレート粒子350g、バインダーとして機能するメチルセルロース241.2g、バインダーとして機能するヒドロキシプロピルメチルセルロース22.8g、さらに、潤滑剤としてユニルーブ326.6g、グリセリン28.4gをミキサーにて混合し前駆体混合物を得る。このとき、前記前駆体混合物に含まれる成分のうち、前記燃焼性成分以外の成分の合計量(チタニウム源粉末、アルミニウム源粉末、マグネシウム源粉末およびケイ素源粉末の合計量)100質量部に対して、チタニア換算のチタニウム源粉末の使用量は50.6質量部、アルミナ換算のアルミニウム源粉末の使用量は38.3質量部、マグネシア換算のマグネシウム源粉末の使用量は5.0質量部、シリカ換算のケイ素源粉末の使用量は6.1質量部である。この前駆体混合物に水844gを添加し、3段押出し機により、ハニカム状の成形体を得る。
このハニカム状成形体を、非燃焼性雰囲気であるN2中で、300℃/時間の昇温速度で1450℃まで昇温し、N2中同温度で2時間保持した後、燃焼性雰囲気である空気中において1450℃で2時間保持することにより、チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結体を得る。
(比較例1)
酸化チタン(IV)粉末1594.6g、αアルミナ粉末804g、マグネシアスピネル粉末560g、ガラスフリット191g、および、焼結性成分として、造孔剤として機能するメチルメタアクリレート粒子350g、バインダーとして機能するメチルセルロース241.2g、バインダーとして機能するヒドロキシプロピルメチルセルロース22.8g、さらに、潤滑剤としてユニルーブ326.6g、グリセリン28.4gをミキサーにて混合し前駆体混合物を得る。このとき、前記前駆体混合物に含まれる成分のうち、前記燃焼性成分以外の成分の合計量(チタニウム源粉末、アルミニウム源粉末、マグネシウム源粉末およびケイ素源粉末の合計量)100質量部に対して、チタニア換算のチタニウム源粉末の使用量は50.6質量部、アルミナ換算のアルミニウム源粉末の使用量は38.3質量部、マグネシア換算のマグネシウム源粉末の使用量は5.0質量部、シリカ換算のケイ素源粉末の使用量は6.1質量部である。この前駆体混合物に水844gを添加し、3段押出し機により、ハニカム状の成形体を得る。
このハニカム状成形体を、非燃焼性雰囲気であるN2中で、300℃/時間の昇温速度で1450℃まで昇温し、N2中同温度で2時間保持した後、燃焼性雰囲気である空気中において1450℃で2時間保持することにより、チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結体を得た。
(比較例2)
酸化チタン(IV)粉末1594.6g、αアルミナ粉末804g、マグネシアスピネル粉末560g、および、ガラスフリット191gをボールミルで混合し、1430℃で焼成し、さらに、衝撃式粉砕機にて、焼成品を粉砕し、中心粒径25μmのチタン酸アルミニウム系セラミックス粉末を調製した。
このチタン酸アルミニウム系セラミックス粉末2500gに、焼結性成分として、造孔剤として機能するメチルメタアクリレート粒子167.5g、バインダーとして機能するメチルセルロース172.3g、バインダーとして機能するヒドロキシプロピルメチルセルロース16.3g、さらに、潤滑剤としてユニルーブ233.3g、グリセリン20.3gをミキサーにて混合し前駆体混合物を得る。この前駆体混合物に水748.5gを添加し、3段押出し機により、ハニカム状の成形体を得た。
このハニカム状成形体を、非燃焼性雰囲気であるN2中で、300℃/時間の昇温速度で1450℃まで昇温し、N2中同温度で2時間保持した後、燃焼性雰囲気である空気中において1450℃で2時間保持することにより、チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結体を得る。
実施例で得られるセラミックス焼結体の強度は比較例と比べて高く、また、焼結前後の収縮率が低いものとなる。
今回開示された実施例は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。

Claims (8)

  1. チタニウム源粉末、アルミニウム源粉末および燃焼性粒子を含む前駆体混合物を所定の形状の成形体に成形し、
    該成形体を非燃焼性雰囲気下で1400℃以上の温度で焼結してチタン酸アルミニウムを生成させたのち、
    該成形体を燃焼性雰囲気下で焼結することにより前記燃焼性粒子を燃焼させることを特徴とする、チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結体の製造方法。
  2. 前記前駆体混合物がマグネシウム源粉末をさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記前駆体混合物がケイ素源粉末をさらに含む、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記成形体を非燃焼性雰囲気下で1100〜1350℃の温度範囲に3時間以上保持した後、1400℃以上の温度に昇温し、同温度で焼結する工程を含む、請求項2または3に記載の製造方法。
  5. 前記燃焼性成分の配合量は、前記前駆体混合物100重量部に対し1〜50重量部である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記前駆体混合物に含まれる成分のうち、前記燃焼性成分以外の成分の合計量100重量部あたり、チタニア換算のチタニウム源粉末の使用量は30〜70重量部であり、アルミナ換算のアルミニウム源粉末の使用量は10〜60重量部である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記前駆体混合物に含まれる成分のうち、前記燃焼性成分以外の成分の合計量100重量部あたり、マグネシア換算のマグネシウム源粉末の使用量は0.1〜20重量部である、請求項2に記載の方法。
  8. 前記前駆体混合物に含まれる成分のうち、前記燃焼性成分以外の成分の合計量100重量部あたり、シリカ(SiO2)換算のケイ素源粉末の使用量は、0.1〜20質量部である、請求項3に記載の方法。
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