JP2010102968A - 照明光通信システム用の送信装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】送信データに基づいて変調された変調光を出射する照明用光源を備える送信装置であって、照明用光源は、陽極52と、陰極58と、陽極および陰極間に設けられ、かつそれぞれが発光層を含む複数の発光部(56A、56B)と、発光部に挟持されて配置される電荷発生層57とを含んで構成される有機エレクトロルミネッセンス素子26を備える、照明光通信システム用の送信装置。
【選択図】図10
Description
白色LEDを用いた照明は、蛍光灯といった従来の照明と比較して、長寿命、小型、低消費電力といった優れた特長を有している。非特許文献1および特許文献1には、このような白色LEDの特長に着目した照明光通信システムが開示されている。
前述したように蛍光灯などの照明と比較して、白色LEDは照明として優れた特徴を有している。しかしながら、上記照明光通信に用いられる白色LEDは、例えば半導体レーザと比較するとその応答速度が低い。特に照明に利用される白色LEDには、蛍光体を使用するタイプのものが主に用いられているが、蛍光体を使用するタイプの白色LEDは、蛍光体不使用のものと比較すると応答速度が低い。従って白色LEDを用いた従来の照明光通信では、伝送速度が必ずしも十分とはいえない。
〔1〕 送信データに基づいて変調された変調光を出射する照明用光源を備える送信装置であって、前記照明用光源は、陽極と、陰極と、前記陽極および前記陰極間に設けられ、かつそれぞれが発光層を含む複数の発光部と、該発光部に挟持されて配置される電荷発生層とを含んで構成される有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子という場合がある)を備える、照明光通信システム用の送信装置。
〔2〕 前記電荷発生層は、仕事関数が3.0eV以下の金属、その化合物、およびイオン化ポテンシャルが5.5eV以下の電子供与性の有機物からなる群から選ばれる1種類以上と、仕事関数が4.0eV以上の化合物の1種類以上とを含んでなる、〔1〕に記載の送信装置。
〔3〕 前記照明用光源は、それぞれの発光面積が10−8cm2から10−1cm2である複数の前記有機エレクトロルミネッセンス素子を備える、〔1〕または〔2〕に記載の送信装置。
〔4〕 前記照明用光源が、前記変調光を出射する通信用の有機エレクトロルミネッセンス素子と、非変調光を出射する照明用の有機エレクトロルミネッセンス素子とを備える〔1〕から〔3〕のいずれかに記載の送信装置。
〔5〕 前記通信用の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層が、蛍光を発光する発光材料を用いて形成され、かつ前記照明用の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層が、リン光を発光する発光材料を用いて形成されてなる〔4〕に記載の送信装置。
〔6〕 前記電荷発生層が、仕事関数が3.0eV以下の金属、その化合物、およびイオン化ポテンシャルが5.5eV以下の電子供与性の有機物からなる群から選ばれる1種類以上を含む第1の層と、仕事関数が4.0eV以上の化合物の1種類以上を含む第2の層とを含んでなり、前記第1の層が、第2の層よりも前記陽極寄りに配置される、〔1〕から〔5〕のいずれかに記載の送信装置。
〔7〕 前記電荷発生層は、仕事関数が3.0eV以下の金属、その化合物、およびイオン化ポテンシャルが5.5eV以下の電子供与性の有機物からなる群から選ばれる1種類以上と、仕事関数が4.0eV以上の化合物の1種類以上とが混合されてなる、〔1〕から〔6〕のいずれかに記載の送信装置。
〔8〕 波長550nmの光に対する前記電荷発生層の光透過率が、30%以上である、〔1〕から〔7〕のいずれかに記載の送信装置。
〔9〕 前記仕事関数が3.0eV以下の金属が、アルカリ金属、およびアルカリ土類金属からなる群から選択される、〔1〕から〔8〕のいずれかに記載の送信装置。
〔10〕 前記仕事関数が4.0eV以上の化合物が遷移金属酸化物である〔1〕から〔9〕のいずれかに記載の送信装置。
〔11〕 前記発光層は、重量平均分子量が1万から1000万である高分子発光材料を含む、〔1〕から〔10〕のいずれかに記載の送信装置。
〔12〕 変調光を出射する照明用光源を備える〔1〕から〔11〕のいずれか一項に記載の送信装置と、前記照明用光源から出射された前記変調光を受光して電気信号に変換し、該電気信号を復調して受信データを生成する受信装置とを具備する照明光通信システム。
図1を参照して、本発明の照明光通信システムの構成例につき説明する。図1は、照明光通信システムの構成を概略的に説明するブロック図である。
図2および図3を参照して、本発明の照明光通信システムの他の構成例につき説明する。
図5に示すように、制御回路28は、4つのトランジスタT1、T2、T3およびT4、送信データを保持するデータ保持手段であるキャパシタC、電源電圧(供給手段)Vdd、基準電圧(供給手段)Vss並びにこれらを互いに接続する信号線を含んでいる。
電圧プログラム方式についても、送信装置の全体的な構成については既に説明した通りである。しかしながら、この場合には、データ電圧(信号)Vdataをデータ線Xにそのまま出力するため、データ線Xに電気的に接続されているデータ線駆動回路44(図4)の可変電流源が不要になる。ここでは、いわゆるCC(Conductance Control)法と称される構成例につき説明する。
前半のプログラミング期間t0〜t1では、キャパシタCに対する送信データの書き込みが行われる。まず、タイミングt0において、走査信号SELが走査線Yに入力される。これにより、走査線Yが高レベル(以下、Hレベルという場合がある)に立ち上がる。スイッチング素子として機能するトランジスタT1およびT2が共にオン(導通)する。すると、データ線XとトランジスタT3のドレイン電極とが電気的に接続される。これにより、トランジスタT3は、自己のゲート電極と自己のドレイン電極とが電気的に接続されたダイオード接続となる。
トランジスタT3のゲート電極には、キャパシタCの蓄積電荷に応じたゲート電圧Vgが印加され続ける。タイミングt1における走査信号SELの立ち下がりと同期(同一タイミングであるとは限らない)して、それ以前はLレベルだった駆動信号GPがHレベルに立ち上がる。
まず、タイミングt0において、所定の走査線Yに、走査線信号SELが入力される。すると、走査線Yは、Hレベルに立ち上がり、トランジスタT1がオンする。よって、データ線Xに供給されたデータ電圧Vdataが、トランジスタT1を介して、キャパシタCの一方の電極に印加される。
有機EL素子は、自由なサイズ設計が可能、超小型化が可能、高速応答が可能といった優れた特長を有する。有機EL素子を、照明光通信に利用する場合には、個々の素子面積はより小さいものが好適である。個々の素子面積が小さいほど、有機EL素子の静電容量は小さくなる傾向にあるので、応答速度を規定する素子のRC時定数も同様に小さくなり、ひいては有機EL素子の面積が小さくなるほどその応答速度が速くなるからである。
本実施形態の有機EL素子は、TFT基板50上に設けられている。ここでは、いわゆるアクティブマトリクス方式の面光源として基板50上に形成された1つの有機EL素子26の構成を説明する。
(i)陽極52/第1の発光部56A/電荷発生層57/第2の発光部56B/陰極58
(ii)陽極52/第1の発光部56A/(電荷発生層/発光部)×n−1/陰極58
本実施形態の有機EL素子26が設けられる基板50は、第1主面50aおよび第1主面50aと対向する第2主面50bを有している。基板50は、有機EL素子26を形成する際に変化しないものであればよく、例えばガラス、プラスチック、シリコン基板、これらを積層したものなどが用いられる。基板50としては、市販のものが使用可能である。また公知の方法により基板50を製造することもできる。なお本実施の形態では、基板50にはTFT基板を用いている。TFT基板としては、例えば市販のものを利用することができる。
有機EL素子26は、発光部から出射された光を大気といった外部環境に取り出す必要があるので、陽極52および陰極58のうちの少なくとも一方が透光性を有する電極によって構成される。本実施の形態では、陽極52側から光を取り出す、すなわちボトムエミッション型の構成の有機EL素子26について説明する。
電荷発生層57は、陽極52と陰極58とに電圧を印加したときに、電荷(正孔と電子)を発生し、電荷発生層57に対して陽極52側に隣接する第1の発光部56Aに電子を注入するとともに、電荷発生層57に対して陰極58側に隣接する第2の発光部56Bに正孔を注入する層として機能する。このように陽極52および陰極58から注入される電荷に、電荷発生層57から発生する電荷が加えられるので、注入した電流に対する発光効率(電流効率)が向上する。
(i)電荷発生層57が、A材料を含む第1電荷発生層57Aと、B材料を含む第2電荷発生層57Bとを含む(積層構造:図10参照)。
(ii)電荷発生層57が、A材料とB材料とが混合された層である(混合層)。
次に発光部について説明する。発光部は、少なくとも発光層を含んで構成される。なお発光部は発光層のみによって構成されていてもよく、また無機層を含んでいてもよい。発光部は、マルチフォトン型ではない有機EL素子、すなわち1層の発光層を有する通常の有機EL素子のうちの、陽極52と陰極58とに挟持された部分と同様の構成を有する。
a)発光層
b)正孔注入層/発光層
c)正孔注入層/発光層/電子注入層
d)正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層
e)正孔注入層/正孔輸送層/発光層
f)正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層
g)正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層
h)発光層/電子注入層
i)発光層/電子輸送層/電子注入層
なお以上のa)〜i)の構成では、左側が陽極52寄りの層であり、右側が陰極58寄りの層である。
以下、発光部を構成する各層についてさらに詳しく説明する。
正孔注入層54を構成する正孔注入材料としては、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、および酸化アルミニウムなどの酸化物や、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、アモルファスカーボン、ポリアニリン、およびポリチオフェン誘導体などを挙げることができる。
正孔輸送層を構成する材料としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体などが例示される。
発光層は、本発明においては有機発光層であることが好ましく、通常、主として蛍光またはリン光を発光する有機物(低分子化合物及び/又は高分子化合物)を有する。なお、さらにドーパント材料を含んでいてもよい。本発明において用いることができる発光層を形成する材料としては、例えば以下のものが挙げられる。発光色としては、赤、青、緑の3原色の発光以外に、中間色や白色の発光が例示される。
色素系材料としては、例えば、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー、ナフタレン誘導体、アントラセン若しくはその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、シアニン系、テトラフェニルシクロペンタジエン若しくはその誘導体などが挙げられる。
金属錯体系材料としては、例えば、イリジウム錯体、白金錯体等の三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体など、中心金属に、Al、Zn、BeなどまたはTb、Eu、Dyなどの希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造などを有する金属錯体などを挙げることができる。
高分子系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素体や金属錯体系発光材料を高分子化したものなどが挙げられる。
発光層中に発光効率の向上や発光波長を変化させるなどの目的で、ドーパントを添加することができる。このようなドーパントとしては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾンなどを挙げることができる。なお、このような発光層の厚さは、通常約20〜2000Åである。
溶液から成膜する際に溶液を塗布する方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の印刷法等の塗布法を用いることができる。パターン形成や多色の色分けが容易であるという点で、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の印刷法が好ましい。また、昇華性の低分子化合物の場合は、真空蒸着法を用いることができる。さらには、レーザーによる転写や熱転写により、所望のところのみに発光層を形成する方法も用いることができる。
本実施形態の有機EL素子26は、同時に発光する複数の発光部を含むため、各々の発光部の発光波長を互いに異なるようにすることによって、混色により有機EL素子26から取り出される出射光の色を、各発光部から発せられる光の色とは別の色とすることが可能である。例えば補色の関係にある2色の組合せや、RGBなど3色の混色、または4色以上の混色によって、取り出される光の色を白色とすることができる。各発光部の発光波長を互いに異なるようにすることによって、所期の発光色を有する出射光を取り出すことができるので、設計の自由度が向上する。
電子輸送層としては、公知のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、または8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体等が例示される。
電子注入層は、電子輸送層と陰極58との間、または発光層と陰極58との間に設けられる。電子注入層としては、発光層の種類に応じて、アルカリ金属やアルカリ土類金属、或いは金属を1種類以上含む合金、或いは金属の酸化物、ハロゲン化物及び炭酸化物、或いは前記物質の混合物などが挙げられる。アルカリ金属またはその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、酸化リチウム、フッ化リチウム、酸化ナトリウム、フッ化ナトリウム、酸化カリウム、フッ化カリウム、酸化ルビジウム、フッ化ルビジウム、酸化セシウム、フッ化セシウム、炭酸リチウム等が挙げられる。また、アルカリ土類金属またはその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物の例としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化カルシウム、酸化バリウム、フッ化バリウム、酸化ストロンチウム、フッ化ストロンチウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。電子注入層は、2層以上を積層したものであってもよい。具体的には、LiF/Caなどが挙げられる。電子注入層は、蒸着法、スパッタリング法、印刷法等により形成される。電子注入層の膜厚としては、1nm〜1μm程度が好ましい。
本実施の形態の有機EL素子26で用いる陰極58の材料としては、仕事関数が小さく発光層への電子注入が容易な材料であり、電気伝導度が高く、可視光反射率の高い材料が好ましい。陰極の材料として金属では、アルカリ金属やアルカリ土類金属、遷移金属や周期表の13族金属を用いることができる。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属、又は前記金属のうち2つ以上の合金、又はそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上との合金、又はグラファイト若しくはグラファイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などが挙げられる。また、陰極58として透明導電性電極を用いることができ、例えば導電性金属酸化物や導電性有機物などを用いることができる。具体的には、導電性金属酸化物として酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ITOやIZO、導電性有機物としてポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよい。なお、陰極58を2層以上の積層構造としてもよい。なお、電子注入層が陰極58として用いられる場合もある。
積層する層の順番や数、および各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して適宜用いることができるが、キャビティ効果(光の干渉効果)を考慮することが好ましい。具体的には、陽極52と陰極58とに挟持された積層体の厚さが、発光部が出射する出射光の波長を積層体の平均屈折率で割った値の1/4の整数倍であることが好ましい。このような関係が満足される構成では、光の干渉効果により光取り出し効率が最大となるためである。この関係は厳密に成立しているときに効果が最大となるが、誤差はあっても効果は認められ、おおむね積層体の厚さが、発光波長を平均屈折率で割った値の1/4の整数倍の±20%以内であればよい。さらに実質的に発光している部位と、光を反射する方の反射性電極(本実施の形態では陰極58)との距離が、発光波長を平均屈折率で割った値の1/4の整数倍となる場合に光の干渉効果が最大となるので好ましい。有機EL素子が、発光色が異なる複数の発光部からなる場合は、どれか一つの波長に対して前記の関係が成り立つように膜厚を制御することが好ましい。あるいは2つの波長に対して層厚の関係が前述したように同時に成り立つように層厚を制御してもよい。
作製例1における有機EL素子の作製例を、図10を参照しながら説明する。図10に示す有機EL素子26において、陽極52として利用するITO膜を、スパッタ法により150nmの厚みで形成したガラス基板50に、BYTRON製のPEDOT/PSS溶液をスピンコート法により40nmの厚みで成膜し、窒素雰囲気下において200℃で熱処理して正孔注入層54とした。ついで、これに発光材料としてAldrich社製の重量平均分子量が約20万のMEH−PPV(ポリ(2−メトキシ−5−(2’−エチル−ヘキシロキシ)−パラ−フェニレンビニレン)の1重量%トルエン溶液を作製し、これをPEDOT/PSSが製膜された基板上にスピンコートして90nmの膜厚で第1の発光層53を製膜した。正孔注入層54と第1の発光層53との積層体を第1の発光部56Aとする。
て、90nmの膜厚で第2の発光層59(第2の発光部56B)を製膜した。さらにこの上に真空蒸着法により陰極58としてAl−Li合金を100nm形成した。以上により2つの発光部を1つの電荷発生層57で仕切った構造の有機EL素子26を作製した。
得られた素子に直流電圧を印加したところ、発光開始電圧12V、最大輝度80cd/m2であった。
電流効率は0.072cd/Aであり、下記の比較例1の素子(0.037cd/A)に比べて1.95倍に増大した。
比較のために、作製例1において電荷発生層57と第2の発光部56Bとを非形成とする以外は作製例1と同様にして、図11に示すように第1の発光層53が1つだけの有機EL素子26を作製した。図中の図10に示した符号と同一の符号は、図10におけるものと同様である。参考例1における有機EL素子26に直流電圧を印加したところ、発光開始電圧5.5V、最大輝度52cd/m2であった。電流効率は0.037cd/Aであった。
電荷発生層57として、膜厚30nmのV2O5の1層のみからなるものを用いたことを除いて、作製例1と同様の構成として有機EL素子を作製した。得られた素子の発光開始電圧は40Vであったが発光しなかった。
作製例1における発光層であるMEH−PPVの代わりに、緑色の光を発光する下記構造式(1)で示す高分子発光材料1(略称F8−TPA−BT)からなる高分子発光層を含む第1の発光部56Aと、電荷発生層57とを形成した後、PEDOT/PSS層を形成し、引き続いて青色の光を発光する下記構造式(2)で示す高分子発光材料2(略称F8−TPA−PDA)からなる高分子発光層を含む第2の発光部56Bを成膜した後、作製例1と同様にして陰極58を形成して、2つの発光部からの発光波長が異なる素子を作製した。
作製例2との比較のため、ITO/PEDOT/発光層/陰極(Li/Al)の構造の発光部1つからなる素子を、緑色発光層材料F8−TPA−BT(参考例3)、青色発光材料F8−TPA−PDA(参考例4)の場合の2つを作製した。
20:送信装置
22:照明用光源
24:発光ユニット
23:サブ光源
23A:第1サブ光源
23B:第2サブ光源
23C:第3サブ光源
23D:第4サブ光源
26:有機EL素子
28:制御回路
29:直列/並列変換回路
30:受信装置
32:受光部
34:復調部
36:レンズ
38:並列/直列変換回路
42:走査線駆動回路
44:データ線駆動回路
50:基板
50a:第1主面
50b:第2主面
51:画素領域
52:陽極
53:第1の発光層
54:正孔注入層
56A:第1の発光部
56B:第2の発光部
57:電荷発生層
57A:第1電荷発生層
57B:第2電荷発生層
58:陰極
59:第2の発光層
X:データ線
Y:走査線
Claims (12)
- 送信データに基づいて変調された変調光を出射する照明用光源を備える送信装置であって、
前記照明用光源は、陽極と、陰極と、前記陽極および前記陰極間に設けられ、かつそれぞれが発光層を含む複数の発光部と、該発光部に挟持されて配置される電荷発生層とを含んで構成される有機エレクトロルミネッセンス素子を備える、照明光通信システム用の送信装置。 - 前記電荷発生層は、仕事関数が3.0eV以下の金属、その化合物、およびイオン化ポテンシャルが5.5eV以下の電子供与性の有機物からなる群から選ばれる1種類以上と、仕事関数が4.0eV以上の化合物の1種類以上とを含んでなる、請求項1に記載の送信装置。
- 前記照明用光源は、それぞれの発光面積が10−8cm2から10−1cm2である複数の前記有機エレクトロルミネッセンス素子を備える、請求項1または2に記載の送信装置。
- 前記照明用光源が、前記変調光を出射する通信用の有機エレクトロルミネッセンス素子と、非変調光を出射する照明用の有機エレクトロルミネッセンス素子とを備える請求項1から3のいずれか一項に記載の送信装置。
- 前記通信用の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層が、蛍光を発光する発光材料を用いて形成され、かつ前記照明用の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層が、リン光を発光する発光材料を用いて形成されてなる請求項4に記載の送信装置。
- 前記電荷発生層が、仕事関数が3.0eV以下の金属、その化合物、およびイオン化ポテンシャルが5.5eV以下の電子供与性の有機物からなる群から選ばれる1種類以上を含む第1の層と、仕事関数が4.0eV以上の化合物の1種類以上を含む第2の層とを含んでなり、前記第1の層が、第2の層よりも前記陽極寄りに配置される、請求項1から5のいずれか一項に記載の送信装置。
- 前記電荷発生層は、仕事関数が3.0eV以下の金属、その化合物、およびイオン化ポテンシャルが5.5eV以下の電子供与性の有機物からなる群から選ばれる1種類以上と、仕事関数が4.0eV以上の化合物の1種類以上とが混合されてなる、請求項1から6のいずれか一項に記載の送信装置。
- 波長550nmの光に対する前記電荷発生層の光透過率が、30%以上である、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の送信装置。
- 前記仕事関数が3.0eV以下の金属が、アルカリ金属、およびアルカリ土類金属からなる群から選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の送信装置。
- 前記仕事関数が4.0eV以上の化合物が遷移金属酸化物である請求項1から9のいずれか一項に記載の送信装置。
- 前記発光層は、重量平均分子量が1万から1000万である高分子発光材料を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の送信装置。
- 変調光を出射する照明用光源を備える請求項1から11のいずれか一項に記載の送信装置と、前記照明用光源から出射された前記変調光を受光して電気信号に変換し、該電気信号を復調して受信データを生成する受信装置とを具備する照明光通信システム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008273624A JP2010102968A (ja) | 2008-10-23 | 2008-10-23 | 照明光通信システム用の送信装置 |
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