JP2010102166A - 電子写真感光体、画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、複写機やプリンタ等に用いられる電子写真方式の画像形成に用いられる電子写真感光体、当該電子写真感光体を搭載した画像形成方法、および、画像形成装置に関する。
デジタル画像形成技術の進展に伴って、近年では、電子写真方式の複写機やプリンタにより高画質のモノクロ画像やカラー画像の作製が可能になり、カラー印刷をはじめとする印刷分野でこれらの機器によるプリント作製が普及する様になってきた。この様な印刷画像レベルの画像形成を行うにあたり、露光光源として短波長レーザーを用いることで高精細のデジタル画像形成装置やこれに対応した短波に感度を持つ電子写真感光体が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
短波領域に感度を持つ電荷発生物質としては、縮合多環系顔料が知られているが、縮合多環系化合物は、バインダーとの親和性が低く、均一な分散が難しいという問題があった。
また、分散性を向上させるために、顔料に対するバインダーの比率を上げようとすると、電気特性が極端に悪化してしまう傾向にあるために、電気特性と分散性の両立が困難であった。また、分散液が低い状態の塗膜は、露光時による潜像形成時の鮮鋭性が不十分であるために、画質が低下するという問題もあった。
このように、短波露光による高精細化は、感度と画質の両面で十分満足した性能が得られていない。
特開2000−250239号公報
特開2006−126246号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、その目的は、高感度、かつ、書き込み光に対する電位安定性が高く、解像度の高い鮮明な電子写真画像が安定して得られる電子写真感光体を提供することである。また、当該電子写真感光体を用いた画像形成方法および画像形成装置を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
(1)
導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を有する電子写真感光体であって、前記電荷発生層と電荷輸送層は、導電性支持体上に、電荷発生層、電荷輸送層の順に形成されたものであり、前記電荷発生層は、縮合多環系顔料と下記一般式(1)で表される繰り返し構造を有する樹脂を含有し、
(1)
導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を有する電子写真感光体であって、前記電荷発生層と電荷輸送層は、導電性支持体上に、電荷発生層、電荷輸送層の順に形成されたものであり、前記電荷発生層は、縮合多環系顔料と下記一般式(1)で表される繰り返し構造を有する樹脂を含有し、
〔式中Rは炭素数1〜6のアルキル基を示す。l、m、nはそれぞれの単位構造のモル比を示す。l+m+n=100とすると、15≦l≦40、m≦12である。〕
前記一般式(1)で表される繰り返し構造を有する樹脂が、ゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量測定を行ったときに、5000以上5万以下の領域と10万以上20万以下の領域の各々に分子量成分を有し、該樹脂の分子量分布指数(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が、7以上25以下であることを特徴とする電子写真感光体。
(2)
前記一般式(1)で表される樹脂のゲル浸透クロマトグラフィーで測定される分子量分布が、1万以上3万以下及び8万以上15万以下の領域の各々に少なくとも1つ以上のピークを持つことを特徴とする(1)項に記載の電子写真感光体。
(3)
前記縮合多環系顔料が、下記一般式(2)の化合物であることを特徴とする(1)または(2)のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
前記一般式(1)で表される繰り返し構造を有する樹脂が、ゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量測定を行ったときに、5000以上5万以下の領域と10万以上20万以下の領域の各々に分子量成分を有し、該樹脂の分子量分布指数(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が、7以上25以下であることを特徴とする電子写真感光体。
(2)
前記一般式(1)で表される樹脂のゲル浸透クロマトグラフィーで測定される分子量分布が、1万以上3万以下及び8万以上15万以下の領域の各々に少なくとも1つ以上のピークを持つことを特徴とする(1)項に記載の電子写真感光体。
(3)
前記縮合多環系顔料が、下記一般式(2)の化合物であることを特徴とする(1)または(2)のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
(式中、Xはハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、ニトロ基、シアノ基、アシル基またはカルボキシル基を表し、nは0〜6の整数を表す。尚、nが2〜6の時、複数のXはそれぞれ同じであっても異なってもよい、但し、Xは該化合物の任意の置換できる位置に置換する。)
(4)
少なくとも、波長が390nm以上500nm以下で主査方向のドット径が10μm以上50μm以下の露光光を用いて(1)項に記載の電子写真感光体表面に潜像を形成する工程と、前記電子写真感光体表面に形成された潜像をトナーを用いて顕像化する現像工程と、前記電子写真感光体表面に形成されたトナー画像を、転写材上あるいは転写媒体上に転写する転写工程と、前記転写材上に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を経て画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法。
(5)
少なくとも、(1)項に記載の電子写真感光体と、波長が390nm以上500nm以下で主査方向のドット径が10μm以上50μm以下となる露光光を形成し、該露光光を前記電子写真感光体表面に露光する露光手段と、前記露光手段により潜像が形成された前記電子写真感光体表面にトナーを供給してトナー画像を形成する現像手段と、前記現像手段により前記電子写真感光体表面に形成されたトナー画像を転写させる転写手段と、
前記転写手段による転写を経て転写材上に転写されたトナー画像を該転写材上に定着させる定着手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
(4)
少なくとも、波長が390nm以上500nm以下で主査方向のドット径が10μm以上50μm以下の露光光を用いて(1)項に記載の電子写真感光体表面に潜像を形成する工程と、前記電子写真感光体表面に形成された潜像をトナーを用いて顕像化する現像工程と、前記電子写真感光体表面に形成されたトナー画像を、転写材上あるいは転写媒体上に転写する転写工程と、前記転写材上に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を経て画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法。
(5)
少なくとも、(1)項に記載の電子写真感光体と、波長が390nm以上500nm以下で主査方向のドット径が10μm以上50μm以下となる露光光を形成し、該露光光を前記電子写真感光体表面に露光する露光手段と、前記露光手段により潜像が形成された前記電子写真感光体表面にトナーを供給してトナー画像を形成する現像手段と、前記現像手段により前記電子写真感光体表面に形成されたトナー画像を転写させる転写手段と、
前記転写手段による転写を経て転写材上に転写されたトナー画像を該転写材上に定着させる定着手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
本発明により、高感度、かつ、書き込み光に対する電位安定性が高く、解像度の高い鮮明な電子写真画像が安定して得られる電子写真感光体および当該電子写真感光体を用いた画像形成方法および画像形成装置を提供することができた。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、縮合多環系顔料を電荷発生物質として用い、前記一般式(1)の繰り返し構造を有し、かつ特定の分子量分布を持つ樹脂をバインダーとして用いた電荷発生層を有する電子写真感光体により本発明の課題が解消されることを見出した。
電荷発生層を上記構成とする電子写真感光体により本発明の課題が解消された理由は以下の様に考えられる。すなわち、一般式(1)で表される繰り返し単位を有する樹脂が分子量分布を複数持つことにより、低分子量成分が電荷発生物質を被覆することで分散性が高まり、均一な電荷発生層が形成できることから、鮮鋭性の高い画像が形成可能となる。
更に、高分子量成分が膜強度を付与することで、結果として高いPB比においても良好な分散性を保持しがながら、繰り返し使用時の電荷発生層の物理的な安定性を向上することができると考えられる。
これらの効果は、特に、縮合多環系顔料を用いた時が好ましく、更にピランスロン顔料の分散に用いると格段に分散性が高く、より好ましい。
以下、本発明の構成を詳細に示す。
電荷発生層
本発明の電子写真感光体には、縮合多環系顔料を含有することを特徴とする。このような電荷発生物質としては下記一般式(2)から(8)で示されるペリレン顔料、多環キノン顔料等が好ましく用いられる。更に、好ましくは下記一般式(6)から(8)の化合物であり、更に好ましくは一般式(2)の化合物である。
本発明の電子写真感光体には、縮合多環系顔料を含有することを特徴とする。このような電荷発生物質としては下記一般式(2)から(8)で示されるペリレン顔料、多環キノン顔料等が好ましく用いられる。更に、好ましくは下記一般式(6)から(8)の化合物であり、更に好ましくは一般式(2)の化合物である。
具体例を下記に例示するが、本発明に用いられる縮合多環系顔料はこれらに限定されるものではない。
また、これらの顔料は併用して用いることができる。
本発明の電荷発生層に用いられる樹脂は、前記一般式(1)の繰り返し構造を有する樹脂であり、該樹脂のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定される分子量分布が、5000以上5万以下の領域と10万以上20万以下の領域の各々に分子量成分を有し、該樹脂の分子量分布指数(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が、7以上25以下であり、好ましくは7以上12以下である。
本発明にかかる前記一般式(1)繰り返し構造を有する樹脂として、アルキルアセタール化ポリビニルアルコールの一種であるポリビニルブチラールについて説明する。ポリビニルブチラールはポリ酢酸ビニルの加水分解によってポリビニルアルコールを得、更にこれをブチラール化して得られる。これらの反応の収率は100%ではないので、末端基の構造としては水酸基、アセトキシル基、カルボキシル基の3種が主に考えられる。
本発明の樹脂の分子量分布、数平均分子量Mn、重量平均分子量Mw、分子量分布指数の測定は、次の条件で行い、標準ポリスチレン換算した値を求めた。
・測定装置:ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置 HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)
・カラム:TSKgel SuperH2500(東ソー株式会社製)
・移動相:テトラヒドロフラン
・温度:40℃
・流速:0.35ml/min
・注入量:10μl
・濃度:0.1質量%
尚、分子量分布指数は、以下の通り定義される。
・測定装置:ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置 HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)
・カラム:TSKgel SuperH2500(東ソー株式会社製)
・移動相:テトラヒドロフラン
・温度:40℃
・流速:0.35ml/min
・注入量:10μl
・濃度:0.1質量%
尚、分子量分布指数は、以下の通り定義される。
分子量分布指数=重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn
すなわち、数平均分子量Mnに対する重量平均分子量Mwの比率を分子量分布指数と呼び、分子量分布の幅の大きさの指標となる。ここで、数平均分子量Mn、重量平均分子量Mwは以下のように定義される。
すなわち、数平均分子量Mnに対する重量平均分子量Mwの比率を分子量分布指数と呼び、分子量分布の幅の大きさの指標となる。ここで、数平均分子量Mn、重量平均分子量Mwは以下のように定義される。
数平均分子量 Mn=(ΣNi・Mi)/(ΣNi)
重量平均分子量 Mw=(ΣNi・Mi 2)/(ΣNi・Mi)
ここで、Niはi番目の分子の個数を示し、Miはi番目の分子の分子量を示す。iは、カラム段数である。
重量平均分子量 Mw=(ΣNi・Mi 2)/(ΣNi・Mi)
ここで、Niはi番目の分子の個数を示し、Miはi番目の分子の分子量を示す。iは、カラム段数である。
本発明における電荷発生層中の樹脂の分子量分布は一種類の樹脂によって達成されてもよいが、複数種の有機結着樹脂の混合によって達成することが現実的には調整が容易のため好ましい。混合する場合には、特に密着性を高める目的でポリスチレン換算重量平均分子量が5000〜5万程度の低分子量のアルキルアセタール化ポリビニルアルコールをポリスチレン換算重量平均分子量が10万〜20万程度の中〜高分子量のアルキルアセタール化ポリビニルアルコールに加えることが好ましい。これらの混合樹脂は混合前の分子量分布において互いに重なり合う分子量領域を有していてもよいが、混合後にゲル浸透クロマトグラフィーによって分子量分布を調べた時に、分子量分布が重なり合うことなく、互いに明確に分離した分子量分布を有するものが更に好ましい。
本発明の樹脂と電荷発生物質との割合は、樹脂100質量部に対して、20〜800質量部が好ましく、200〜600質量部が特に好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。
電荷発生層の膜厚は0.1μm〜5μmが好ましく、0.3μm〜3μmが特に好ましい。
以下、本発明の構成を詳細に示す。
本発明の電子写真感光体の構成は、導電性基体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層をこの順に備えた電子写真感光体であり、導電性基体上と電荷発生層間に中間層があってもよい。また、電荷輸送層は、複数層あってもよく、更に電荷輸送層上に表面層があってもよい。
本発明でいう電荷輸送層とは、光露光により電荷発生層で発生した電荷キャリアを有機感光体の表面に輸送する機能を有する層を意味するもので、電荷輸送機能は電荷発生層と電荷輸送層を導電性支持体上に積層させて光導伝性を検知することで確認できる。
導電性基体
感光体に用いられる導電性基体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性基体の方が好ましい。円筒状導電性基体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の基体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の基体が好ましい。この真直度および振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
感光体に用いられる導電性基体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性基体の方が好ましい。円筒状導電性基体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の基体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の基体が好ましい。この真直度および振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性基体としては常温で比抵抗103Ω・cm以下が好ましい。本発明の導電性基体としては、アルミニウム基体が最も好ましい。該アルミニウム基体は、主成分のアルミニウム以外にマンガン、亜鉛、マグネシウム等の成分が混合したものも用いられる。
中間層
本発明においては、導電性基体と電荷発生層の間に、中間層を設けることが好ましい。
本発明においては、導電性基体と電荷発生層の間に、中間層を設けることが好ましい。
本発明に用いられる中間層にはN型半導性粒子を含有することが好ましい。該N型半導性粒子とは、主たる電荷キャリアが電子である粒子を意味する。すなわち、主たる電荷キャリアが電子であることから、該N型半導性粒子を絶縁性バインダーに含有させた中間層は、基体からのホール注入を効率的にブロックし、又、感光層からの電子に対してはブロッキング性が少ない性質を有する。
一方、これらの粒子を分散し、中間層の層構造を形成するバインダー樹脂としては、粒子の良好な分散性を得る為にポリアミド樹脂が好ましいが、特に以下に示すポリアミド樹脂が好ましい。
中間層のバインダー樹脂に使用するポリアミド樹脂としては、アルコールに可溶性のポリアミド樹脂が好ましい。
電荷発生層は、前述の通りである。
電荷輸送層
本発明では、電荷輸送層に電荷輸送物質、バインダーの他に必要によりシリカやアルミナ等の無機微粒子、フッ素樹脂微粒子等の有機微粒子または酸化防止剤、さらには可塑剤等の添加剤を含有させることが可能である。
本発明では、電荷輸送層に電荷輸送物質、バインダーの他に必要によりシリカやアルミナ等の無機微粒子、フッ素樹脂微粒子等の有機微粒子または酸化防止剤、さらには可塑剤等の添加剤を含有させることが可能である。
電荷輸送物質としては、特に制限はなく、公知の正孔輸送性(P型)の電荷輸送物質を用いることができ、例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などが挙げられる。
電荷輸送層に用いられるバインダー樹脂としては、公知の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることができる。たとえば、以下のものが挙げられる。すなわち、ポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂等がある。また、これらの樹脂の繰り返し単位のうち2つ以上を有する共重合体樹脂も挙げられる。さらに、これら絶縁性の樹脂の他にポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体を併用することも可能である。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し電荷輸送物質を50〜200質量部とすることが好ましい。
電荷輸送層の膜厚は、10〜40μmが好ましく、特に好ましくは、15〜30μmである。膜厚が10〜40μmのとき、膜厚の影響により、現像時における潜像電位の獲得や所定画像濃度を得ることに支障をきたす様なことはなく、また、電荷キャリアの拡散(電荷発生層で発生した電荷キャリアの拡散)が懸念されずドット再現性にも影響を与えない。
また、本発明に係る電子写真感光体の表面層に酸化防止剤を含有することも可能である。表面層は帯電時に発生する窒素酸化物やオゾン等の活性ガスの作用で酸化されるおそれがあり、酸化により画像ボケが発生することがあるので酸化防止剤の存在により、表面層の酸化が回避されて画像ボケの発生が防止される。
酸化防止剤の具体例としては、たとえば、以下に示す公知のものがある。すなわち、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系)、アミン系酸化防止剤(ヒンダードアミン系、ジアリルジアミン系、ジアリルアミン系)、ハイドロキノン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤(チオエーテル類)、リン酸系酸化防止剤(亜リン酸エステル類)等がある。前記酸化防止剤の中でも、特に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤は、高温高湿時のカブリ発生や画像ボケの防止に効果的である。
また、中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に使用する溶媒または分散媒としては、たとえば以下のものがある。すなわち、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独あるいは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
本発明に係る電子写真感光体を製造するために使用される塗布方法としては、公知の塗布法が挙げられ、具体的には、円形スライドホッパ型塗布装置による塗布の他に浸漬塗布法やスプレー塗布法等が挙げられる。
次に、本発明に係るフルカラー画像形成方法が実施可能な画像形成装置について説明する。先ず、本発明に係るフルカラー画像形成方法は、少なくとも以下の工程を有するものである。すなわち、
(1)波長が350nm以上500nm以下のいわゆる短波長光と呼ばれる露光光を用いて本発明に係る電子写真感光体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程
(2)本発明に係る電子写真感光体表面に形成された静電潜像をトナーを含有してなる現像剤を用いて顕像化(現像)してトナー画像を形成する現像工程
(3)本発明に係る電子写真感光体表面に形成されたトナー画像を転写材あるいは転写手段上に転写する転写工程
(4)転写材上に転写されたトナー画像を定着する定着工程。
(1)波長が350nm以上500nm以下のいわゆる短波長光と呼ばれる露光光を用いて本発明に係る電子写真感光体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程
(2)本発明に係る電子写真感光体表面に形成された静電潜像をトナーを含有してなる現像剤を用いて顕像化(現像)してトナー画像を形成する現像工程
(3)本発明に係る電子写真感光体表面に形成されたトナー画像を転写材あるいは転写手段上に転写する転写工程
(4)転写材上に転写されたトナー画像を定着する定着工程。
なお、上記4つの工程以外の他の工程を有するものであってもよい。たとえば、トナー画像を転写した後、静電潜像担持体表面に残留するトナーを除去するクリーニング工程を有するものが好ましい。また、転写工程では、静電潜像担持体より記録媒体上へのトナー画像の転写を中間転写体を介して行うものでもよい。
また、本発明では、上記現像工程で直流バイアスに交流バイアスを重畳した現像バイアスを印加して静電潜像を現像するものが好ましい。
本発明では、一般に短波長露光と呼ばれる波長が350nm〜500nmの露光光を照射して感光体上に潜像形成を行うもので、露光用光源としては半導体レーザーや発光ダイオードが用いられる。これらの露光光源より、書込み主査方向の露光ドット径が5〜50μm、好ましくは、10〜25μmの露光光が感光体上に照射されてデジタル露光が行われる。この様な露光手段により感光体上に画像書き込み密度が1200〜6000dpi(dpi:1インチあたりのドット数、1インチ=2.54cm)のドット潜像が形成され、高解像度の画像形成が行える様になっている。ちなみに、画像書き込み密度が600dpiのときの露光ドット径は42.3μmであり、画像書き込み密度が1200dpiのときの露光ドット径は21.7μm、画像書き込み密度が2400dpiのときの露光ドット径は10.5μmである。
ここで、露光ドット径とは、露光光の大きさ(長さ、幅)のことで、具体的には、露光光の強度がピーク強度の1/e2以上となる領域の主走査方向に沿った長さのことをいうものである。なお、露光ドット径は感光層の厚みよりも小さいと潜像の解像度が高められるが、あまり露光ドット径が小さくなるとトナー現像量の再現性が不安定になるおそれがある。
本発明では、画像書き込み密度が1200dpi以上となる露光を行ったときでも、電子写真感光体上に21.7μm以下の露光ドット光に対応したドット潜像を形成することができる。そして、後述する実施例にも示す様に、写真画像に代表される精細で解像度の高いトナー画像を安定して形成することができる様になった。
図2は、二成分系現像剤によるフルカラー画像形成が可能な画像形成装置の一例を示す概略図である。
図2において、15Y、15M、15C、15K、は感光体、20Y、20M、20C、20Kは現像装置(現像手段)、41Y、41M、41C、41Kは1次転写手段としての1次転写ロール、43は2次転写手段としての2次転写ロール、50Y、50M、50C、50Kはクリーニング装置、4は中間転写体ユニット、70は熱ロール式定着装置、40は中間転写体を示す。
この画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と呼ばれるもので、複数組の画像形成部20Y、20M、20C、20Kと、転写部としての無端ベルト状中間転写体ユニット4と、記録部材Pを搬送する無端ベルト状の給紙搬送手段21及び定着手段としての熱ロール式定着装置70を有する。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
各感光体に形成される異なる色のトナー像の1つとしてイエロー色の画像を形成する画像形成部Yは、第1の感光体としてのドラム状の感光体15Y、感光体15Yの周囲に配置された帯電手段16Y、露光手段18Y、現像手段20Y、1次転写手段としての1次転写ロール41Y、クリーニング手段50Yを有する。また、別の異なる色のトナー像の1つとしてマゼンタ色の画像を形成する画像形成部Mは、第1の感光体としてのドラム状の感光体15M、感光体15Mの周囲に配置された帯電手段16M、露光手段18M、現像手段20M、1次転写手段としての1次転写ロール41M、クリーニング手段50Mを有する。また、別の異なる色のトナー像の1つとしてシアン色の画像を形成する画像形成部Cは、第1の感光体としてのドラム状の感光体15C、感光体15Cの周囲に配置された帯電手段16C、露光手段18C、現像手段20C、1次転写手段としての1次転写ロール41C、クリーニング手段50Cを有する。
さらに、更に他の異なる色のトナー像の1つとして黒色の画像を形成する画像形成部Kは、第1の感光体としてのドラム状の感光体15K、該感光体15Kの周囲に配置された帯電手段16K、露光手段18K、現像手段20K、1次転写手段としての1次転写ロール41K、クリーニング手段50Kを有する。
無端ベルト状中間転写体ユニット4は、複数のロールにより巻回され、回動可能に支持された中間転写エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体40を有する。
画像形成部Y、M、C、Kより形成された各色の画像は、1次転写ロール41Y、41M、41C、41Kにより、回動する無端ベルト状中間転写体40上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット60内に収容された転写材として用紙等の記録部材Sは、給紙搬送手段61により給紙され、複数の中間ロール62A、62B、62C、62D、レジストロール63を経て、2次転写手段としての2次転写ロール43A、43Bに搬送され、記録部材S上にカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された記録部材Sは、熱ロール式定着装置70により定着処理され、排紙ロール75に挟持されて機外の排紙トレイ76上に載置される。
一方、2次転写ロール43A、43Bにより記録部材Pにカラー画像を転写した後、記録部材Sを曲率分離した無端ベルト状中間転写体40は、クリーニング手段48により残留トナーが除去される。
画像形成処理中、1次転写ロール41Kは常時、感光体15Kに圧接している。他の1次転写ロール41Y、41M、41Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体15Y、15M、15Cに圧接する。
2次転写ロール43A、43Bは、ここを記録部材Sが通過して2次転写が行われるときにのみ、無端ベルト状中間転写体40に圧接する。
このように感光体15Y、15M、15C、15K上に帯電、露光、現像によりトナー像を形成し、無端ベルト状中間転写体40上で各色のトナー像を重ね合わせ、一括して記録部材Pに転写し、定着装置70で加圧及び加熱により固定して定着する。トナー像を記録部材Sに転写させた後の感光体15Y、15M、15C、15Kは、クリーニング装置50で転写時に感光体に残されたトナーを清掃した後、上記の帯電、露光、現像のサイクルに入り、次の像形成が行われる。
また、図3は本発明に係る画像形成方法が実施可能なモノクロ方式の画像形成装置の一例を示すものであり、図2の画像形成装置と同様、二成分系現像剤を用いてデジタル方式により画像形成を行うものである。
(直流バイアスと交流バイアスを重畳する現像バイアスの説明)
本発明では、感光体1上に形成された静電潜像を現像装置20により現像する際、直流バイアスに交流バイアスを重畳した現像バイアスを印加して静電潜像を現像するものが好ましい。ここで、直流バイアスに交流バイアスを十乗した現像バイアスを印可して静電潜像を現像する方法について説明する。
本発明では、感光体1上に形成された静電潜像を現像装置20により現像する際、直流バイアスに交流バイアスを重畳した現像バイアスを印加して静電潜像を現像するものが好ましい。ここで、直流バイアスに交流バイアスを十乗した現像バイアスを印可して静電潜像を現像する方法について説明する。
図2の現像装置20は、感光体1に対向して回転する現像剤担持体21より感光体1に現像剤を供給して感光体1上に形成された静電潜像を現像するものであって、この様な現像を経て感光体1上にトナー画像が形成される。現像剤担持体21はマグネットロールの周囲にステンレス溶射表面加工を施したアルミ製のスリーブを被せた構成となっている。現像剤担持体21には、任意の電圧値を有する直流バイアス(Vdc)に、任意の周波数(Fac)と波高値(Vacp−p)を有する交流バイアスを重畳して形成される現像バイアスが印加され、現像バイアスが印加された下で現像が行われる。
直流バイアスと交流バイアスを重畳した現像バイアスで感光体1上の静電潜像を現像する際、図2の画像形成装置では、図示しないマイコン等の制御装置により、以下の様にして現像を行う様制御される。すなわち、感光体1上の静電潜像を現像する際、直流バイアスVdcに、波高値Vacp−p、周波数Facの交流バイアスを重畳した現像バイアスを形成する様に制御が行われ、形成された現像バイアスにより現像が行われる。現像バイアスは、たとえば、Vdcが−300〜−700kV、Vacp−pが0.8〜1.2kV、Facが3〜7kHzであることが好ましい。直流バイアスと交流バイアスを重畳して形成される現像バイアスの具体的な条件としては、たとえば、Vdc=−500V、Vacp−p=1.0kV、Fac=5kHzとするものが挙げられる。
本発明に係る画像形成方法に使用可能な記録材(転写紙)は、トナー画像を保持することが可能な支持体である。具体的には、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙、あるいは、コート紙などの塗工された印刷用紙、市販の和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種支持体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載に限定されるものではない。なお、文中の「部」は質量部を表す。
(感光体ドラムAの作製)
下記手順により「感光体ドラムA」を作製した。
下記手順により「感光体ドラムA」を作製した。
先ず、円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、10点表面粗さRz=1.5(μm)の導電性支持体を用意した。
(1)中間層の作製
ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製) 10質量部
酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製) 30質量部
メタノール 100質量部
上記組成をサンドミルを用いて12時間分散を行って分散液を作製した。本分散液を上記組成の分散液と同じ溶媒であるメタノールにより2倍に希釈し、一夜静置後に日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルタを用いてろ過処理を行い中間層塗布液を作製した。
ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製) 10質量部
酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製) 30質量部
メタノール 100質量部
上記組成をサンドミルを用いて12時間分散を行って分散液を作製した。本分散液を上記組成の分散液と同じ溶媒であるメタノールにより2倍に希釈し、一夜静置後に日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルタを用いてろ過処理を行い中間層塗布液を作製した。
上記塗布液を前記支持体上に乾燥膜厚2μmとなるよう浸漬塗布法で塗布して中間層を形成した。
(2)電荷発生層の作製
電荷発生物質(CGM−1) 7質量部
ポリビニルブチラール樹脂
(l:m:n=22:5:73、図1に示す分子量分布(1)) 1質量部
2−ブタノン/シクロヘキサノン(体積比4/1)混合液 70質量部
上記組成物を混合し、電荷発生物質の平均粒子径が100nmから300nmとなるようにサンドミルを用いて15時間分散処理を行い、電荷発生層塗布液を作製した。この塗布液を前記中間層上に乾燥膜厚0.5μmとなる様に浸漬塗布法で塗布して電荷発生層を形成した。
電荷発生物質(CGM−1) 7質量部
ポリビニルブチラール樹脂
(l:m:n=22:5:73、図1に示す分子量分布(1)) 1質量部
2−ブタノン/シクロヘキサノン(体積比4/1)混合液 70質量部
上記組成物を混合し、電荷発生物質の平均粒子径が100nmから300nmとなるようにサンドミルを用いて15時間分散処理を行い、電荷発生層塗布液を作製した。この塗布液を前記中間層上に乾燥膜厚0.5μmとなる様に浸漬塗布法で塗布して電荷発生層を形成した。
(3)電荷輸送層の作製
電荷輸送物質(例示化合物(CTM−1)) 2質量部
バインダー樹脂(PC−1) 2.7質量部
紫外線吸収剤(TinuvinP(チバ・ジャパン社製)) 1質量部
酸化防止剤(Irganox1010(チバ・ジャパン社製)) 1質量部
テトラヒドロフラン/トルエン(体積比4/1)混合液 150質量部
シリコーンオイル(KF−96(信越シリコーン(株)製)) 0.01質量部
上記組成物を混合、撹拌して電荷輸送層塗布液を作製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に乾燥膜厚23μmとなる様に浸漬塗布法で塗布後、120℃で70分間の乾燥処理を行って電荷輸送層を形成した。この様にして「感光体ドラムA」を作製した。
電荷輸送物質(例示化合物(CTM−1)) 2質量部
バインダー樹脂(PC−1) 2.7質量部
紫外線吸収剤(TinuvinP(チバ・ジャパン社製)) 1質量部
酸化防止剤(Irganox1010(チバ・ジャパン社製)) 1質量部
テトラヒドロフラン/トルエン(体積比4/1)混合液 150質量部
シリコーンオイル(KF−96(信越シリコーン(株)製)) 0.01質量部
上記組成物を混合、撹拌して電荷輸送層塗布液を作製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に乾燥膜厚23μmとなる様に浸漬塗布法で塗布後、120℃で70分間の乾燥処理を行って電荷輸送層を形成した。この様にして「感光体ドラムA」を作製した。
(感光体ドラムBの作製)
「感光体ドラムA」の電荷発生層で用いた電荷発生物質を例示化合物CGM−2に変更した以外は同様の手順で「感光体ドラムB」を作製した。
「感光体ドラムA」の電荷発生層で用いた電荷発生物質を例示化合物CGM−2に変更した以外は同様の手順で「感光体ドラムB」を作製した。
(感光体ドラムCの作製)
「感光体ドラムA」の電荷発生層で用いたブチラール樹脂の分子量分布を図1に示す分子量分布(2)に示すとおりに変更した以外は同様の手順で「感光体ドラムC」を作製した。
「感光体ドラムA」の電荷発生層で用いたブチラール樹脂の分子量分布を図1に示す分子量分布(2)に示すとおりに変更した以外は同様の手順で「感光体ドラムC」を作製した。
(感光体ドラムDの作製)
「感光体ドラムC」の電荷発生層で用いた電荷発生物質を例示化合物CGM−2に変更した以外は同様の手順で「感光体ドラムD」を作製した。
「感光体ドラムC」の電荷発生層で用いた電荷発生物質を例示化合物CGM−2に変更した以外は同様の手順で「感光体ドラムD」を作製した。
(感光体ドラムEの作製)
「感光体ドラムC」の電荷発生層で用いたブチラール樹脂の組成をl:m:n=25:3:72に変更した以外は同様の手順で「感光体ドラムE」を作製した。
「感光体ドラムC」の電荷発生層で用いたブチラール樹脂の組成をl:m:n=25:3:72に変更した以外は同様の手順で「感光体ドラムE」を作製した。
(感光体ドラムF(比較用)の作製)
「感光体ドラムA」の電荷発生層で用いたブチラール樹脂の分子量分布を図1に示す分子量分布(3)に示すとおりに変更した以外は同様の手順で比較用の「感光体ドラムF」を作製した。
「感光体ドラムA」の電荷発生層で用いたブチラール樹脂の分子量分布を図1に示す分子量分布(3)に示すとおりに変更した以外は同様の手順で比較用の「感光体ドラムF」を作製した。
(感光体ドラムG(比較用)の作製)
「感光体ドラムF」の電荷発生層で用いたブチラール樹脂の組成をl:m:n=45:3:52に変更した以外は同様の手順で比較用の「感光体ドラムG」を作製した。
「感光体ドラムF」の電荷発生層で用いたブチラール樹脂の組成をl:m:n=45:3:52に変更した以外は同様の手順で比較用の「感光体ドラムG」を作製した。
(感光体ドラムH(比較用)の作製)
「感光体ドラムF」の電荷発生層で用いた樹脂をポリ酢酸ビニル樹脂(※l:m:n=0:100:0)に変更した以外は同様の手順で比較用の「感光体ドラムH」を作製した。
「感光体ドラムF」の電荷発生層で用いた樹脂をポリ酢酸ビニル樹脂(※l:m:n=0:100:0)に変更した以外は同様の手順で比較用の「感光体ドラムH」を作製した。
(感光体ドラムI(比較用)の作製)
「感光体ドラムA」の電荷発生層で用いたブチラール樹脂の分子量分布を図1に示す分子量分布(4)に示すとおりに変更した以外は同様の手順で比較用の「感光体ドラムI」を作製した。
「感光体ドラムA」の電荷発生層で用いたブチラール樹脂の分子量分布を図1に示す分子量分布(4)に示すとおりに変更した以外は同様の手順で比較用の「感光体ドラムI」を作製した。
(感光体ドラムJ(比較用)の作製)
「感光体ドラムE」の電荷発生層で用いた電荷発生物質を例示化合物CGM−2に変更し、ブチラール樹脂の分子量分布を分子量分布(4)に示すとおりに変更した以外は同様の手順で比較用の「感光体ドラムJ」を作製した。
「感光体ドラムE」の電荷発生層で用いた電荷発生物質を例示化合物CGM−2に変更し、ブチラール樹脂の分子量分布を分子量分布(4)に示すとおりに変更した以外は同様の手順で比較用の「感光体ドラムJ」を作製した。
評価
市販のプリンタ「bizhubC350(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製)」改造機(発振波長405nmの半導体レーザーを像露光光源として搭載。)に搭載した。
市販のプリンタ「bizhubC350(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製)」改造機(発振波長405nmの半導体レーザーを像露光光源として搭載。)に搭載した。
「評価1」(感光体の露光後電位Viの評価)
初期の露光後電位は、上記感光体ドラムを設置した評価機を30℃、80%RH環境下に12時間放置した後、前記環境下で初期の露光後電位を測定した。次に、劣化後の露光後電位の評価を、30℃、80%RH環境下でA4横サイズ50000枚相当分回転させた後、露光後電位を測定した。
初期の露光後電位は、上記感光体ドラムを設置した評価機を30℃、80%RH環境下に12時間放置した後、前記環境下で初期の露光後電位を測定した。次に、劣化後の露光後電位の評価を、30℃、80%RH環境下でA4横サイズ50000枚相当分回転させた後、露光後電位を測定した。
「評価2」(分散性の評価)
分散安定性の評価は、上記で作成した電荷発生層塗布液を下記の期間放置した後の微粒子の沈降程度を目視にて評価した。
分散安定性の評価は、上記で作成した電荷発生層塗布液を下記の期間放置した後の微粒子の沈降程度を目視にて評価した。
評価基準
◎:30日間放置しても微粒子の沈降が見られず(良好)
○:14日間放置後に微粒子の沈降が見られる(実用性あり)
×:1日放置後に微粒子の沈降が見られる(実用性に問題あり)
「評価3」(接着性の評価)
接着性評価はJISK 5400に基づき、碁盤目テープ法により行った。特に指定のない項目についてはJISの規定に従う。
◎:30日間放置しても微粒子の沈降が見られず(良好)
○:14日間放置後に微粒子の沈降が見られる(実用性あり)
×:1日放置後に微粒子の沈降が見られる(実用性に問題あり)
「評価3」(接着性の評価)
接着性評価はJISK 5400に基づき、碁盤目テープ法により行った。特に指定のない項目についてはJISの規定に従う。
測定手順を次に示す。
1.実施例で作製した電子写真感光体を固定し、感光体の中央1カ所にカッターナイフにより試料の製品規格に規定するすきま間隔のカッターガイドなどを用いて碁盤目上の切り傷を付ける。
切り傷の間隔は1mmでます目の数は100を基準とする。樹脂層と感光層の界面以外の界面部分で剥離された碁盤目については測定対象外とするが、半数以上の碁盤目が対象外となった場合には切り傷のます目間隔を1mm単位で順次広げていき測定可能なます目間隔で測定する。
2.切り傷を付けるときのカッターナイフは常に新しいものを用い、塗面に対して35〜45度の範囲の一定の角度に保つようにする。
3.切り傷は、塗膜を貫通して導電性支持体に届くように、切り傷1本につき約0.5秒間かけて等速で引く。
4.碁盤目の上に接着部分の長さが約50mmになるようにセロハン粘着テープを貼りつけ、消しゴムでこすって塗膜にテープを完全に付着させる。
5.テープを付着させてから1〜2分後に、テープの一方の端を持って塗面に直角に保ち、瞬間的に引き剥がす。
6.塗面とテープを観察し、感光層と樹脂層の界面で剥離された碁盤目数を求め、剥がれ面積の割合を算出する。接着性試験は上記感光体をJIS記載の方法により碁盤目試験を行い、100個のうち残留した碁盤目の数をカウントした。残存率を下記式より算出し、評価した。
残存率(%)=剥れなかった数(マス)/全体の数(100マス)
なお、評価は下記の基準で行い、◎、○、△を合格とした。すなわち、
◎:90%<Te≦100%
○:75%<Te≦90%
△:60%<Te≦75%
×:上記以外
以上の結果を表1に示す。
なお、評価は下記の基準で行い、◎、○、△を合格とした。すなわち、
◎:90%<Te≦100%
○:75%<Te≦90%
△:60%<Te≦75%
×:上記以外
以上の結果を表1に示す。
表1の結果より、本発明の構成を有する電子写真感光体である「実施例1〜5」は、感光層の接着性が向上すると共に、電荷発生層が書き込み光に対する電位安定性や感度も十分に満足することを確認した。
15(15Y、15M、15C、15K) 電子写真感光体
20(20Y、20M、20C、20K) 現像装置
21 現像ローラ
24 ブレード(トナー層規制部材、帯電付与部材)
4 中間転写体ユニット
40 中間転写ベルト
41Y、41M、41C、41K 1次転写ロール
43A、43B 2次転写ロール
50(50Y、50M、50C、50K) クリーナ(クリーニング装置)
60 給紙装置
70 定着装置
20(20Y、20M、20C、20K) 現像装置
21 現像ローラ
24 ブレード(トナー層規制部材、帯電付与部材)
4 中間転写体ユニット
40 中間転写ベルト
41Y、41M、41C、41K 1次転写ロール
43A、43B 2次転写ロール
50(50Y、50M、50C、50K) クリーナ(クリーニング装置)
60 給紙装置
70 定着装置
Claims (5)
- 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を有する電子写真感光体であって、
前記電荷発生層と電荷輸送層は、導電性支持体上に、電荷発生層、電荷輸送層の順に形成されたものであり、
前記電荷発生層は、縮合多環系顔料と下記一般式(1)で表される繰り返し構造を有する樹脂を含有し、
前記一般式(1)で表される繰り返し構造を有する樹脂が、ゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量測定を行ったときに、5000以上5万以下の領域と10万以上20万以下の領域の各々に分子量成分を有し、該樹脂の分子量分布指数(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が、7以上25以下であることを特徴とする電子写真感光体。 - 前記一般式(1)で表される樹脂のゲル浸透クロマトグラフィーで測定される分子量分布が、1万以上3万以下及び8万以上15万以下の領域の各々に少なくとも1つ以上のピークを持つことを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
- 少なくとも、波長が390nm以上500nm以下で主査方向のドット径が10μm以上50μm以下の露光光を用いて請求項1に記載の電子写真感光体表面に潜像を形成する工程と、前記電子写真感光体表面に形成された潜像をトナーを用いて顕像化する現像工程と、前記電子写真感光体表面に形成されたトナー画像を、転写材上あるいは転写媒体上に転写する転写工程と、前記転写材上に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を経て画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法。 - 少なくとも、請求項1に記載の電子写真感光体と、波長が390nm以上500nm以下で主査方向のドット径が10μm以上50μm以下となる露光光を形成し、該露光光を前記電子写真感光体表面に露光する露光手段と、前記露光手段により潜像が形成された前記電子写真感光体表面にトナーを供給してトナー画像を形成する現像手段と、前記現像手段により前記電子写真感光体表面に形成されたトナー画像を転写させる転写手段と、
前記転写手段による転写を経て転写材上に転写されたトナー画像を該転写材上に定着させる定着手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008274180A JP2010102166A (ja) | 2008-10-24 | 2008-10-24 | 電子写真感光体、画像形成方法および画像形成装置 |
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JP (1) | JP2010102166A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2466983A2 (en) | 2010-04-27 | 2012-06-20 | Nec Corporation | Communication method, mobile network system and device |
KR20140107519A (ko) * | 2011-12-28 | 2014-09-04 | 캐논 가부시끼가이샤 | 토너 |
-
2008
- 2008-10-24 JP JP2008274180A patent/JP2010102166A/ja active Pending
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