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JP2010101933A - 電気光学装置の製造方法、及び電気光学装置の製造装置 - Google Patents

電気光学装置の製造方法、及び電気光学装置の製造装置 Download PDF

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JP2010101933A JP2008270612A JP2008270612A JP2010101933A JP 2010101933 A JP2010101933 A JP 2010101933A JP 2008270612 A JP2008270612 A JP 2008270612A JP 2008270612 A JP2008270612 A JP 2008270612A JP 2010101933 A JP2010101933 A JP 2010101933A
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悟 片上
Sadaji Komori
貞治 小森
Takeshi Kato
剛 加藤
Masayuki Okuyama
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Abstract

【課題】周囲の吐出ノズルの稼働状態が変動することに起因して吐出ノズルからの吐出量が変動することを抑制する電気光学装置の製造方法、及び電気光学装置の製造装置を提供する。
【解決手段】電気光学装置の製造方法は、液状体を吐出する複数の吐出ノズルが配列されたノズル列と、機能膜が形成される機能膜区画を備える基材と、を相対移動させ、複数の吐出ノズルから選択的に吐出された液状体を機能膜区画に配置する電気光学装置の製造方法であって、ノズル列における吐出ノズルの配列方向と交差する方向に基材とノズル列とを相対移動させると共に、吐出ノズルから選択的に液状体を吐出する吐出走査工程と、配列方向に基材とノズル列とを相対移動させる副走査工程と、を有し、副走査工程の少なくとも一回は、相対移動量が、配列方向における機能膜区画の配列ピッチの整数倍である第一の副走査工程である電気光学装置の製造方法である。
【選択図】図14

Description

本発明は、電気光学装置の機能膜を形成するための電気光学装置の製造方法、及び電気光学装置の機能膜を形成するための電気光学装置の製造装置に関する。電気光学装置としては、液晶装置や有機EL(有機エレクトロルミネッセンス(Organic Electro Luminescence))装置などが挙げられる。
従来から、カラー液晶装置などのカラーフィルタ膜のような機能膜を形成する技術として、液状体を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドを有する描画装置を用いて、機能膜の材料を含む液状体の液滴を吐出して基板上の任意の位置に着弾させることで、当該位置に液状体を配置(描画)し、配置した液状体を乾燥させて機能膜を形成する技術が知られている。このような膜形成に用いられる描画装置は、液滴吐出ヘッドを基板に対して相対移動させながら、液滴吐出ヘッドが有する吐出ノズルから微小な液滴を選択的に吐出して、基板上に位置精度良く着弾させることができるため、精密な平面形状を有する膜を形成することができる。微小な液滴の大きさを規定し、精度良く実現することができるため、精密な膜厚を有する膜を形成することができる。
より高機能の機能膜を形成するために、より精密な平面形状及び膜厚の機能膜を実現することが必要になっている。より精密な膜厚を実現するためには、機能膜を形成する区画のそれぞれに、正確な量の液状体を配置することが必要である。正確な量の液状体を配置するためには、それぞれの吐出ノズルから吐出される液状体の吐出量が、設定された吐出量を正確に実現するものであることが必要である。
特許文献1には、1個の区画に対して、液状体を配置する走査を複数回行い、それぞれの走査ごとに異なる吐出ノズルから吐出された液状体を配置することによって、ノズル群ごとの吐出量の変動に起因する液状体の吐出ムラ、すなわち区画に配置される液状体の量のばらつきを低減できるヘッドユニットおよび液滴吐出装置、液状体の吐出方法、カラーフィルタの製造方法、有機EL素子の製造方法、配線基板の製造方法が開示されている。
しかし、多数の吐出ノズルを有する液滴吐出ヘッドにおいては、近接して形成された吐出ノズルが互いに影響を及ぼしあうことは避け難く、周囲の吐出ノズルが休止しているか、吐出動作を実施しているかによって、吐出量が変動する可能性がある。特許文献2には、印字ヘッド(液滴吐出ヘッド)のノズルの吐出個数に変化がある場合に起る印字品質の悪化を改善するために、印字ヘッドのノズルアレイのインク吐出率に応じて印字ヘッドの各ノズルの駆動素子に供給する駆動パルスを補正するインクジェットプリンタが開示されている。
特開2008−94044号公報 特開2006−289765号公報
しかしながら、特許文献2に開示された装置においては、ノズルアレイインク吐出率を判断し、対応する補正データを取得し、各吐出ノズルごとに印字ヘッドへの駆動信号を補正し、駆動パルスの補正を実施することが必要である。駆動パルスを補正するためには、液状体吐出装置の制御装置が駆動パルスを補正する作業を実施する必要があり、補正作業のための時間を必要とすると共に、補正作業を実施する制御装置の負荷が増大する。描画吐出を効率的に実施するためには、多数の吐出ノズルを備えることが有効であるが、多数の吐出ノズルのそれぞれについて駆動パルスを補正するために、多数の駆動パルスを補正する作業を実施する必要があり、液状体を配置する工程の工程時間が増大する可能性があるという課題があった。同時に、液状体吐出装置の制御装置の負荷も増大するという課題があった。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる電気光学装置の製造方法は、液状体を吐出する複数の吐出ノズルが配列されたノズル列と、機能膜が形成される機能膜区画を備える基材と、を相対移動させ、前記複数の吐出ノズルから選択的に吐出された前記液状体を前記機能膜区画に配置する電気光学装置の製造方法であって、前記ノズル列における吐出ノズルの配列方向と交差する方向に前記基材と前記ノズル列とを相対移動させると共に、前記吐出ノズルから選択的に前記液状体を吐出する吐出走査工程と、前記配列方向に前記基材と前記ノズル列とを相対移動させる副走査工程と、を有し、前記副走査工程の少なくとも一回は、相対移動量が、前記配列方向における前記機能膜区画の配列ピッチの整数倍である第一の副走査工程であることを特徴とする。
この電気光学装置の製造方法によれば、副走査工程の少なくとも一回は、相対移動量が、機能膜区画の配列ピッチの整数倍である第一の副走査工程である。相対移動量が機能膜区画の配列ピッチの整数倍である場合、当該副走査工程を挟んだ吐出走査工程において、吐出ノズルに対向する機能膜区画などの部分が、ほとんどの吐出ノズルで同じになる。すなわち、第一の副走査工程の前の吐出走査工程において例えば機能膜区画の中央に対向していた吐出ノズルは、当該第一の副走査工程の後の吐出走査工程においても機能膜区画の中央に対向し、例えば機能膜区画の境界領域に対向していた吐出ノズルは、後の吐出走査工程においても境界領域に対向する。したがって、第一の副走査工程の前と後の吐出走査工程において、それぞれの吐出ノズルにおける吐出又は否吐出の状態が共通になる。ノズル列においては、吐出を実施する吐出ノズルの配列が共通となる。これにより、近接して形成された吐出ノズルの状態が略同等となるため、周囲の吐出ノズルの稼働状態が変動することに起因する吐出量の変動を抑制することができる。
[適用例2]上記適用例にかかる電気光学装置の製造方法において、それぞれの前記吐出ノズルについて吐出駆動条件を設定する駆動条件設定工程をさらに有し、前記駆動条件設定工程では、前記第一の副走査工程の後に行う前記吐出走査工程における前記吐出駆動条件を、当該第一の副走査工程の前に行った前記吐出走査工程における前記吐出駆動条件と同じ前記吐出駆動条件に設定することが好ましい。
この電気光学装置の製造方法によれば、第一の副走査工程の後に行う吐出走査工程における吐出駆動条件は、当該第一の副走査工程の前に行った吐出走査工程における吐出駆動条件と同じ吐出駆動条件に設定される。このため、第一の副走査工程の後に実施する吐出走査工程における吐出駆動条件は、新たに適切な吐出条件を求めることを必要としない。これにより、吐出駆動条件を求めるために必要となる時間や負荷を抑制することができる。
[適用例3]上記適用例にかかる電気光学装置の製造方法において、前記副走査工程は、一回あたりの相対移動量が前記ノズル列における前記複数の吐出ノズルのノズルピッチの整数倍である第二の副走査工程を含むことが好ましい。
この電気光学装置の製造方法によれば、ノズルピッチの整数倍の相対移動量で副走査が実施される。ノズル列の長さはノズルピッチの整数倍であるため、一回の吐出走査で液状体を配置する副走査方向の幅もノズルピッチの整数倍である。相対移動量をノズルピッチの整数倍にすることで、吐出走査で液状体を配置する幅に対応して副走査を実施する際に、過不足なく副走査における移動量を設定しやすくすることができる。
[適用例4]上記適用例にかかる電気光学装置の製造方法において、前記駆動条件設定工程では、前記第二の副走査工程の後に行う前記吐出走査工程における前記吐出駆動条件を、当該第二の副走査工程の前に行った前記吐出走査工程における吐出駆動条件と異なる吐出駆動条件に設定することが好ましい。
この電気光学装置の製造方法によれば、第二の副走査工程の後に行う吐出走査工程では、吐出駆動条件が変更される。副走査工程における相対移動量がノズルピッチの整数倍の場合、副走査工程の前後で、それぞれの吐出ノズルが対向する機能膜区画などの部分が、ほとんどの吐出ノズルで異なる。したがって、ノズル列において吐出を実施する吐出ノズルの配列パターンも異なる。これにより、吐出ノズルの近傍の吐出ノズルの吐出又は休止の状態も変わることから、吐出量が変化する可能性がある。吐出駆動条件を異なる吐出駆動条件に設定することで、吐出量の変化を抑制することができる。
[適用例5]上記適用例にかかる電気光学装置の製造方法において、前記配列方向における複数の前記ノズル列の間隔を調整する列ピッチ調整工程をさらに有し、前記列ピッチ調整工程において、前記ノズル列の間隔を前記配列ピッチの整数倍に調整することが好ましい。
この電気光学装置の製造方法によれば、ノズル列の間隔が配列ピッチの整数倍に調整されるため、一列のノズル列が一回の吐出走査で液状体を配置する副走査方向の幅を配列ピッチの整数倍にすることによって、ノズル列間で液状体が配置されない領域の幅も配列ピッチの整数倍になる。これにより、吐出走査後に、ノズル列間で液状体が配置されなかった領域にノズル列を移動する際の副走査における移動量も配列ピッチの整数倍にすることができる。
[適用例6]上記適用例にかかる電気光学装置の製造方法において、前記配列方向における複数の前記ノズル列の間隔を調整する列ピッチ調整工程をさらに有し、前記列ピッチ調整工程において、前記ノズル列の間隔を前記ノズルピッチの整数倍に調整することが好ましい。
この電気光学装置の製造方法によれば、ノズル列の間隔がノズルピッチの整数倍に調整されるため、ノズル列間で液状体が配置されない領域の幅もノズルピッチの整数倍になる。これにより、吐出走査後に、ノズル列間で液状体が配置されなかった領域にノズル列を移動する際の副走査における移動量をノズルピッチの整数倍にすることによって、ノズル列間で液状体が配置されなかった領域に対して過不足なく効率的に吐出ノズルを対向させることができる。
[適用例7]上記適用例にかかる電気光学装置の製造方法において、前記電気光学装置一個に対応する電気光学パネルが複数形成されるマザーパネルを、前記副走査方向において前記電気光学パネルの機能膜形成領域を前記配列ピッチの整数倍で配設して形成することが好ましい。
この電気光学装置の製造方法によれば、機能膜形成領域を配列ピッチの整数倍で配設して形成する。これにより、一つの機能膜形成領域に対向していたノズル列を次の機能膜形成領域に対向する位置まで相対移動させる副走査の移動量を、機能膜ピッチの整数倍にすることができる。
[適用例8]本適用例にかかる電気光学装置の製造装置は、液状体を吐出する複数の吐出ノズルが配列されたノズル列と、機能膜が形成される機能膜区画を備える基材と前記ノズル列とを相対移動させる移動手段と、を備え、前記複数の吐出ノズルから選択的に吐出された前記液状体を前記機能膜区画に配置する電気光学装置の製造装置であって、前記移動手段は、前記ノズル列における吐出ノズルの配列方向に前記基材と前記ノズル列とを相対移動させる副走査と、前記吐出ノズルから選択的に前記液状体を吐出するのにともなって前記配列方向と交差する主走査方向に前記基材と前記ノズル列とを相対移動させる吐出走査と、を行い、前記副走査の少なくとも一回は、相対移動量が、前記配列方向における前記機能膜区画の配列ピッチの整数倍であることを特徴とする。
この電気光学装置の製造装置によれば、副走査の少なくとも一回は、相対移動量が、機能膜区画の配列ピッチの整数倍である。相対移動量が機能膜区画の配列ピッチの整数倍である場合、当該副走査を挟んだ吐出走査において、吐出ノズルに対向する機能膜区画などの部分が、ほとんどの吐出ノズルで同じになる。すなわち、副走査の前の吐出走査において例えば機能膜区画の中央に対向していた吐出ノズルは、当該副走査の後の吐出走査においても機能膜区画の中央に対向し、例えば機能膜区画の境界領域に対向していた吐出ノズルは、後の吐出走査においても境界領域に対向する。したがって、副走査の前と後の吐出走査において、それぞれの吐出ノズルにおける吐出又は否吐出の状態が共通になる。ノズル列においては、吐出を実施する吐出ノズルの配列が共通となる。これにより、近接して形成された吐出ノズルの状態が略同等となるため、周囲の吐出ノズルの稼働状態が変動することに起因する吐出量の変動を抑制することができる。
[適用例9]上記適用例にかかる電気光学装置の製造装置において、前記吐出走査の際に前記吐出ノズルを駆動する吐出駆動条件を設定する駆動条件設定手段をさらに備え、前記駆動条件設定手段は、相対移動量が前記配列ピッチの整数倍である前記副走査の前後に実行する前記吐出走査を、同じ前記吐出駆動条件に設定することが好ましい。
この電気光学装置の製造装置によれば、相対移動量が配列ピッチの整数倍である副走査の前後に実行する吐出走査を、同じ吐出駆動条件に設定する。このため、相対移動量が配列ピッチの整数倍である副走査の後に実施する吐出走査における吐出駆動条件は、新たに適切な吐出条件を求めることを必要としない。これにより、吐出駆動条件を求めるために必要となる時間や負荷を抑制することができる。
[適用例10]上記適用例にかかる電気光学装置の製造装置において、前記副走査の少なくとも一回は、相対移動量が前記ノズル列における前記複数の吐出ノズルのノズルピッチの整数倍であり、前記駆動条件設定手段は、相対移動量が前記ノズルピッチの整数倍の副走査の前後に実行する前記吐出走査を、異なる吐出駆動条件に設定することが好ましい。
この電気光学装置の製造装置によれば、副走査の少なくとも一回は、相対移動量がノズル列における吐出ノズルのノズルピッチの整数倍であり、相対移動量がノズルピッチの整数倍の副走査の前後に実行する吐出走査は、異なる吐出駆動条件に設定される。副走査における相対移動量がノズルピッチの整数倍の場合、副走査の前後で、それぞれの吐出ノズルが対向する機能膜区画などの部分が、ほとんどの吐出ノズルで異なる。したがって、ノズル列において吐出を実施する吐出ノズルの配列パターンも異なる。これにより、吐出ノズルの近傍の吐出ノズルの吐出又は休止の状態も変わることから、吐出量が変化する可能性がある。相対移動量がノズルピッチの整数倍の副走査の前後に実行する吐出走査における吐出駆動条件を異なる吐出駆動条件に設定することで、吐出量の変化を抑制することができる。
[適用例11]上記適用例にかかる電気光学装置の製造装置において、前記ノズル列を複数備え、前記配列方向における前記複数のノズル列の間隔が、前記配列ピッチの整数倍であることが好ましい。
この電気光学装置の製造装置によれば、ノズル列の間隔が配列ピッチの整数倍であるため、一列のノズル列が一回の吐出走査で液状体を配置する副走査方向の幅を配列ピッチの整数倍にすることによって、ノズル列間で液状体が配置されない領域の幅も配列ピッチの整数倍になる。これにより、吐出走査後に、ノズル列間で液状体が配置されなかった領域にノズル列を移動する際の副走査における移動量も配列ピッチの整数倍にすることができる。
[適用例12]上記適用例にかかる電気光学装置の製造装置において、前記ノズル列を複数備え、前記配列方向における前記複数のノズル列の間隔が、前記ノズルピッチの整数倍であることが好ましい。
この電気光学装置の製造装置によれば、ノズル列の間隔がノズルピッチの整数倍であるため、ノズル列間で液状体が配置されない領域の幅もノズルピッチの整数倍になる。これにより、吐出走査後に、ノズル列間で液状体が配置されなかった領域にノズル列を移動する際の副走査における移動量をノズルピッチの整数倍にすることによって、ノズル列間で液状体が配置されなかった領域に対して過不足なく効率的に吐出ノズルを対向させることができる。
[適用例13]上記適用例にかかる電気光学装置の製造装置において、前記ノズル列を複数備え、前記配列方向における前記複数のノズル列の間隔を調整するノズル列間隔調整手段をさらに備えることが好ましい。
この電気光学装置の製造装置によれば、ノズル列間隔調整手段を用いてノズル列の間隔を調整することで、基材の形状や製造方法に対応した適切なノズル列の間隔を有する製造装置を構成することができる。
以下、電気光学装置の製造方法、及び電気光学装置の製造装置の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。実施形態は、電気光学装置の一例である液晶表示装置を構成する液晶表示パネルのカラーフィルタ基板を製造する工程、及び電気光学装置の一例である有機EL表示装置を製造する工程において、カラーフィルタ膜や発光層などの機能膜を製造する方法を例に説明する。当該機能膜を製造する工程では、ノズル列を備える液滴吐出ヘッドの一例としてのインクジェット方式の液滴吐出ヘッドを有する液滴吐出装置を用いて機能膜の材料を含む機能液を基板上の所定の区画に配置する方法を例にして説明する。なお、以下の説明において参照する図面では、図示の便宜上、部材又は部分の縦横の縮尺を実際のものとは異なるように表す場合がある。
(第一の実施形態)
最初に、電気光学装置の製造方法、及び電気光学装置の製造装置の一実施形態である第一の実施形態について、説明する。本実施形態は、電気光学装置の一例である液晶表示装置のカラーフィルタを製造する工程において、機能膜の一例である色要素膜(フィルタ膜)を形成する工程で用いられる製造方法及び製造装置を例に説明する。
<液滴吐出法>
最初に、フィルタ膜などの機能膜の形成に用いられる液滴吐出法について説明する。液滴吐出法は、材料の使用に無駄が少なく、しかも所望の位置に所望の量の材料を精度よく配置できるという利点を有する。液滴吐出法の吐出技術としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換方式、電気熱変換方式、静電吸引方式などが挙げられる。
このうち、電気機械変換方式は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を含む液状体を貯留した空間に可撓性を有する材料で形成された部材を介して圧力を与え、この空間から液状体を押し出して吐出ノズルから吐出させるものである。ピエゾ方式は、液状体に熱を加えることがほとんどないため、熱による材料の組成などへの影響がほとんどないという利点を有する。また、駆動電圧などの駆動条件を調整することによって液滴の大きさを容易に調整することができるため、正確な吐出量を実現できるという利点も有する。本実施形態では、材料の組成などに影響を与えないため液状材料選択の自由度が高いこと、及び液滴の大きさを容易に調整することができるため液滴の制御性がよいことから、上記ピエゾ方式を用いる。
<液滴吐出装置>
次に、液滴吐出ヘッド17を備える液滴吐出装置1の全体構成について、図1を参照して説明する。図1は液滴吐出装置の概略構成を示す外観斜視図である。
図1に示すように、液滴吐出装置1は、ヘッド機構部2と、ワーク機構部3と、機能液供給部4と、メンテナンス装置部5とを備えている。ヘッド機構部2は、液状体としての機能液を液滴として吐出する液滴吐出ヘッド17を有している。ワーク機構部3は、液滴吐出ヘッド17から吐出された液滴の吐出対象であるワーク20を載置するワーク載置台23を有している。機能液供給部4は、中継タンクと、給液チューブとを有し、当該給液チューブが、液滴吐出ヘッド17に接続されており、給液チューブを介して機能液が液滴吐出ヘッド17に供給される。メンテナンス装置部5は、液滴吐出ヘッド17の検査又は保守を実施する各装置を備えている。液滴吐出装置1は、また、これら各機構部などを総括的に制御する吐出装置制御部6を備えている。
さらに、液滴吐出装置1は、床上に設置された複数の支持脚8と、支持脚8の上側に設置された定盤9とを備えている。定盤9の上側には、ワーク機構部3が定盤9の長手方向(X軸方向)に延在するように配設されている。ワーク機構部3の上方には、定盤9に固定された2本の支持柱で支持されているヘッド機構部2が、ワーク機構部3と直交する方向(Y軸方向)に延在するように配設されている。また、定盤9の傍らには、ヘッド機構部2の液滴吐出ヘッド17に連通する供給管を有する機能液供給部4の機能液タンクなどが配置されている。ヘッド機構部2の一方の支持柱の近傍には、メンテナンス装置部5がワーク機構部3と並んでX軸方向に配設されている。さらに、定盤9の下側に、吐出装置制御部6が収容されている。
ヘッド機構部2は、液滴吐出ヘッド17を有するヘッドユニット21と、ヘッドユニット21を有するヘッドキャリッジ25と、ヘッドキャリッジ25が吊設された移動枠22とを備えている。移動枠22を、Y軸テーブル12(図4参照)によってY軸方向に移動させることで、液滴吐出ヘッド17をY軸方向に自在に移動させる。また、移動した位置に保持する。ワーク機構部3は、ワーク載置台23を、X軸テーブル11(図4参照)によって、X軸方向に移動させることで、ワーク載置台23に載置されたワーク20をX軸方向に自在に移動させる。また、移動した位置に保持する。
このように、液滴吐出ヘッド17は、Y軸方向の吐出位置まで移動して停止し、下方にあるワーク20のX軸方向の移動に同調して、機能液を液滴として吐出する。X軸方向に移動するワーク20と、Y軸方向に移動する液滴吐出ヘッド17とを相対的に制御することにより、ワーク20上の任意の位置に液滴を着弾させることで、所望する平面形状の描画を実施することが可能である。
<液滴吐出ヘッド>
次に、図2を参照して、液滴吐出ヘッド17について説明する。図2は、液滴吐出ヘッドの構成を示す図である。図2(a)は、液滴吐出ヘッドをノズルプレート側から見た外観斜視図であり、図2(b)は、液滴吐出ヘッドの圧力室周りの構造を示す斜視断面図であり、図2(c)は、液滴吐出ヘッドの吐出ノズル部の構造を示す断面図である。
図2(a)に示したように、液滴吐出ヘッド17は、いわゆる2連のものであり、2連の接続針72,72を有する液体導入部71と、液体導入部71の側方に連なるヘッド基板73と、液体導入部71に連なるポンプ部75と、ポンプ部75に連なるノズルプレート76と、を備えている。液体導入部71のそれぞれの接続針72には、それぞれ配管接続部材が接続されて、当該配管接続部材を介して給液チューブが接続され、給液チューブに接続された機能液供給部4から機能液が供給される。ヘッド基板73には、一対のヘッドコネクタ77,77が実装されており、当該ヘッドコネクタ77を介してフレキシブルフラットケーブル(FFCケーブル)が接続される。液滴吐出ヘッド17は、FFCケーブルを介して吐出装置制御部6と接続されており、FFCケーブルを介して信号の授受が行われる。ポンプ部75とノズルプレート76とにより、略方形状のヘッド本体74が構成されている。
ポンプ部75の基部側、すなわちヘッド本体74の基部側は、液体導入部71及びヘッド基板73を受けるべく方形フランジ状にフランジ部79が形成されている。このフランジ部79には、液滴吐出ヘッド17を固定する小ねじ用のねじ孔(雌ねじ)79aが一対形成されている。液滴吐出ヘッド17は、液滴吐出ヘッド17を保持するためのヘッド保持部材を貫通してねじ孔79aに螺合したヘッド止めねじにより、ヘッド保持部材に固定される。
ノズルプレート76のノズル形成面76aには、ノズルプレート76に形成されており液滴を吐出する吐出ノズル78から成るノズル列78Aが、2本形成されている。2本のノズル列78Aは相互に平行に列設されており、各ノズル列78Aは、等ピッチで並べた例えば180個(図示では模式的に表している)の吐出ノズル78で構成されている。すなわち、ヘッド本体74のノズル形成面76aには、その中心線を挟んで2本のノズル列78Aが配設されている。
液滴吐出ヘッド17が液滴吐出装置1に取り付けられた状態では、ノズル列78AはY軸方向に延在する。2列のノズル列78Aをそれぞれ構成する吐出ノズル78同士は、Y軸方向において、相互に半ノズルピッチずつ位置がずれている。1ノズルピッチは、例えば140μmである。X軸方向の同じ位置において、それぞれのノズル列78Aを構成する吐出ノズル78から吐出された液滴は、設計上では、Y軸方向に等間隔に並んで一直線上に着弾する。ノズル列78Aにおける吐出ノズル78のノズルピッチが140μmの場合、当該一直線状に連なる着弾位置の中心間距離は、設計上では、70μmである。1個の液滴吐出ヘッド17が有する2本のノズル列78Aは、1本のノズル列として扱うことができる。当該ノズル列を、「ヘッドノズル列」と表記する。ヘッドノズル列は、例えば180個の2倍の360個の吐出ノズル78を有し、Y軸方向のノズルピッチが70μmであり、Y軸方向の両端の吐出ノズル78の中心間距離(ノズル列長さ)は、約25.1mmである。
図2(b)及び(c)に示すように、液滴吐出ヘッド17は、ノズルプレート76にポンプ部75を構成する圧力室プレート51が積層されており、圧力室プレート51に振動板52が積層されている。
圧力室プレート51には、液体導入部71から振動板52の液供給孔53を経由して供給される機能液が常に充填される液たまり55が形成されている。液たまり55は、振動板52と、ノズルプレート76と、圧力室プレート51の壁とに囲まれた空間である。また、圧力室プレート51には、複数のヘッド隔壁57によって区切られた圧力室58が形成されている。振動板52と、ノズルプレート76と、2個のヘッド隔壁57とによって囲まれた空間が圧力室58である。
圧力室58は吐出ノズル78のそれぞれに対応して設けられており、圧力室58の数と吐出ノズル78の数とは同じである。圧力室58には、2個のヘッド隔壁57の間に位置する供給口56を介して、液たまり55から機能液が供給される。ヘッド隔壁57と圧力室58と吐出ノズル78と供給口56との組は、液たまり55に沿って1列に並んでおり、1列に並んだ吐出ノズル78がノズル列78Aを形成している。図2(b)では図示省略したが、図示した吐出ノズル78を含むノズル列78Aに対して液たまり55に関して略対称位置に、1列に並んで配設された吐出ノズル78がもう一列のノズル列78Aを形成しており、対応するヘッド隔壁57と圧力室58と供給口56との組が、1列に並んでいる。
振動板52の圧力室58を構成する部分には、それぞれ圧電素子59の一端が固定されている。圧電素子59の他端は、固定板54(図6(b)参照)を介して液滴吐出ヘッド17全体を支持する基台(図示省略)に固定されている。
圧電素子59は電極層と圧電材料とを積層した活性部を有し、電極層に駆動電圧を印加することで、活性部が長手方向(図2(b)又は(c)においては振動板52の厚さ方向)に縮む。活性部が縮むことで、圧電素子59の一端が固定された振動板52が圧力室58と反対側に引張られる力を受ける。振動板52が圧力室58と反対側に引張られることで、振動板52が圧力室58の反対側に撓む。これにより、圧力室58の容積が増加することから、機能液が液たまり55から供給口56を経て圧力室58に供給される。次に、電極層に印加されていた駆動電圧が解除されると、活性部が元の長さに戻ることで、圧電素子59が振動板52を押圧する。振動板52が押圧されることで、圧力室58側に戻る。これにより、圧力室58の容積が急激に元に戻る、すなわち増加していた容積が減少することから、圧力室58内に充填されていた機能液に圧力が加わり、当該圧力室58に連通して形成された吐出ノズル78から機能液が液滴となって吐出される。
吐出装置制御部6は、圧電素子59への印加電圧の制御、すなわち駆動信号を制御することにより、複数の吐出ノズル78のそれぞれに対して、機能液の吐出制御を行う。より詳細には、吐出ノズル78から吐出される液滴の体積や、単位時間あたりに吐出する液滴の数などを変化させることができる。これにより、基板上に着弾した液滴同士の距離や、基板上の一定の面積に着弾させる機能液の量などを変化させることができる。例えば、ノズル列78Aに並ぶ複数の吐出ノズル78の中から、液滴を吐出させる吐出ノズル78を選択的に使用することにより、ノズル列78Aの延在方向では、ノズル列78Aの長さの範囲であって吐出ノズル78のピッチ間隔で、複数の液滴を同時に吐出することができる。ノズル列78Aの延在方向と略直交する方向では、基板と吐出ノズル78とを相対移動させて、当該相対移動方向において、当該吐出ノズル78が対向可能な、基板の任意の位置に吐出ノズル78から吐出される液滴を配置することができる。なお、吐出ノズル78のそれぞれから吐出される液滴の体積は、例えば、1plから300pl(ピコリットル)の間で可変である。
<ヘッドユニット>
次に、ヘッド機構部2が備えるヘッドユニット21の概略構成について、図3を参照して説明する。図3は、ヘッドユニットの概略構成を示す平面図である。図3に示したX軸及びY軸は、ヘッドユニット21が液滴吐出装置1に取り付けられた状態において、図1に示したX軸及びY軸と一致している。
図3に示したように、ヘッドユニット21は、キャリッジプレート61と、キャリッジプレート61に搭載された9個の液滴吐出ヘッド17と、を有している。液滴吐出ヘッド17は、図示省略したヘッド保持部材を介してキャリッジプレート61に固定されている。固定された液滴吐出ヘッド17は、ヘッド本体74がキャリッジプレート61に形成された孔(図示省略)に遊嵌して、ノズルプレート76(ヘッド本体74)が、キャリッジプレート61の面より突出している。図3は、ノズルプレート76(ノズル形成面76a)側から見た図である。9個の液滴吐出ヘッド17は、Y軸方向に分かれて、それぞれ3個ずつの液滴吐出ヘッド17を有するヘッド組62を3群、形成している。それぞれの液滴吐出ヘッド17のノズル列78Aは、ヘッドユニット21が液滴吐出装置1に取り付けられた状態において、Y軸方向に延在している。
一つのヘッド組62が有する3個の液滴吐出ヘッド17は、Y軸方向において、互いに隣り合う液滴吐出ヘッド17の、一方の液滴吐出ヘッド17の端の吐出ノズル78に対して、もう一方の液滴吐出ヘッド17の端の吐出ノズル78が半ノズルピッチずれて位置する位置に、配設されている。ヘッド組62が有する3個の液滴吐出ヘッド17において、全ての吐出ノズル78のX軸方向の位置を同じにすると、吐出ノズル78は、Y軸方向に半ノズルピッチの等間隔で並ぶ。すなわち、X軸方向の同じ位置において、それぞれの液滴吐出ヘッド17が有するそれぞれのノズル列78Aを構成する吐出ノズル78から吐出された液滴は、設計上では、Y軸方向に等間隔に並んで一直線上に着弾する。一つのヘッド組62が備える3個の液滴吐出ヘッド17が有する6本のノズル列78Aは、1本のノズル列として扱うことができる。当該ノズル列を、「ヘッド組ノズル列」と表記する。ヘッド組ノズル列は、例えば180個の6倍、1080個の吐出ノズル78を有し、Y軸方向におけるノズルピッチは、70μmであり、Y軸方向の両端の吐出ノズル78の中心間距離(ノズル列長さ)は、約75.5mmである。液滴吐出ヘッド17は、Y軸方向において互いに重なるため、X軸方向に階段状に並んでヘッド組62を構成している。
ヘッドユニット21が有する3つのヘッド組62は、それぞれが有する1本のヘッド組ノズル列が、Y軸方向において、ノズル列78Aの半ノズルピッチずれて位置する位置に、配設されている。言い換えると、それぞれのヘッドユニット21は、互いに隣り合うヘッド組62を構成する液滴吐出ヘッド17の、一方のヘッド組62における液滴吐出ヘッド17の端の吐出ノズル78に対して、もう一方のヘッド組62における液滴吐出ヘッド17の端の吐出ノズル78が、Y軸方向において、半ノズルピッチずれた位置に、配設されている。
一つのヘッドユニット21が備える3つのヘッド組62における9個の液滴吐出ヘッド17が有する18本のノズル列78Aは、1本のノズル列として扱うことができる。当該ノズル列を、「ユニットノズル列」と表記する。ユニットノズル列は、例えば180個の18倍、3240個の吐出ノズル78を有し、Y軸方向におけるノズルピッチは、70μmであり、Y軸方向の両端の吐出ノズル78の中心間距離(ノズル列長さ)は、約226.7mmである。即ち、一つのヘッドユニット21の吐出ノズル78から一滴ずつ吐出させて、X軸方向が同じ位置になるように着弾させると、3240個の点が70μmのピッチ間隔で連なる直線が形成される。
<液滴吐出装置の電気的構成>
次に、上述したような構成を有する液滴吐出装置1を駆動するための電気的構成について、図4を参照して説明する。図4は、液滴吐出装置の電気的構成を示す電気構成ブロック図である。液滴吐出装置1は、制御装置65を介してデータの入力や、稼働開始や停止などの制御指令の入力を行うことで、制御される。制御装置65は、演算処理を行うホストコンピュータ66と、液滴吐出装置1に情報を入出力するための入出力装置68とを有し、インタフェイス(I/F)67を介して吐出装置制御部6と接続されている。入出力装置68は、情報を入力可能なキーボード、記録媒体を介して情報を入出力する外部入出力装置、外部入出力装置を介して入力された情報を保存しておく記録部、モニタ装置などである。
液滴吐出装置1の吐出装置制御部6は、入出力インタフェイス(I/F)47と、CPU(Central Processing Unit)44と、ROM(Read Only Memory)45と、RAM(Random Access Memory)46と、ハードディスク48と、を有している。また、ヘッドドライバ17dと、駆動機構ドライバ40dと、給液ドライバ4dと、メンテナンスドライバ5dと、検査ドライバ7dと、検出部インタフェイス(I/F)43と、を有している。これらは、データバス49を介して互いに電気的に接続されている。
入出力インタフェイス47は、制御装置65とデータの授受を行い、CPU44は、制御装置65からの指令に基づいて各種演算処理を行い、液滴吐出装置1の各部の動作を制御する制御信号を出力する。RAM46は、CPU44からの指令に従って、制御装置65から受け取った制御コマンドや印刷データを一時的に保存する。ROM45は、CPU44が各種演算処理を行うためのルーチン等を記憶している。ハードディスク48は、制御装置65から受け取った制御コマンドや印刷データを保存したり、CPU44が各種演算処理を行うためのルーチン等を記憶したりしている。
ヘッドドライバ17dには、ヘッド機構部2を構成する液滴吐出ヘッド17が接続されている。ヘッドドライバ17dは、CPU44からの制御信号に従って液滴吐出ヘッド17を駆動して、機能液の液滴を吐出させる。駆動機構ドライバ40dには、Y軸テーブル12のヘッド移動モータと、X軸テーブル11のX軸リニアモータと、各種駆動源を有する各種駆動機構を含む駆動機構41とが接続されている。各種駆動機構は、アライメントカメラを移動するためのカメラ移動モータや、ワーク載置台23のθ駆動モータなどである。駆動機構ドライバ40dは、CPU44からの制御信号に従って上記モータなどを駆動して、液滴吐出ヘッド17とワーク20とを相対移動させてワーク20の任意の位置と液滴吐出ヘッド17とを対向させ、ヘッドドライバ17dと協働して、ワーク20上の任意の位置に機能液の液滴を着弾させる。
メンテナンスドライバ5dには、メンテナンス装置部5を構成する保守ユニット5Aの吸引ユニット15と、ワイピングユニット16とが接続されている。メンテナンスドライバ5dは、CPU44からの制御信号に従って、吸引ユニット15、又はワイピングユニット16を駆動して、液滴吐出ヘッド17の保守作業を実施させる。
検査ドライバ7dには、検査ユニット7が有する吐出検査ユニット18や、重量測定ユニット19などが接続されている。検査ドライバ7dは、CPU44からの制御信号に従って、吐出検査ユニット18を駆動して、吐出の有無や着弾位置精度などの、液滴吐出ヘッド17の吐出状態の検査を実施させる。また、重量測定ユニット19を駆動して、液滴吐出ヘッド17から吐出される液状体の液滴の重量である吐出重量の測定を実施させる。なお、本実施形態における吐出重量は、液滴吐出ヘッド17の吐出ノズル78が吐出する機能液の液滴一滴の重量である。液滴吐出ヘッド17の吐出ノズル78が吐出する機能液の液滴一滴の大きさ(体積)は、吐出量と表記する。吐出重量と吐出量とは、同じ量を重量又は体積で表す場合のそれぞれの呼称である。
給液ドライバ4dには、機能液供給部4が接続されている。給液ドライバ4dは、CPU44からの制御信号に従って機能液供給部4を駆動して、液滴吐出ヘッド17に機能液を供給する。検出部インタフェイス43には、各種センサを有する検出部42が接続されている。検出部42の各センサによって検出された検出情報が検出部インタフェイス43を介してCPU44に伝達される。
<機能液の吐出>
次に、液滴吐出装置1における吐出制御方法について、図5を参照して説明する。図5は、液滴吐出ヘッドの電気的構成と信号の流れを示す説明図である。
上述したように、液滴吐出装置1は、液滴吐出装置1の各部の動作を制御する制御信号を出力するCPU44と、液滴吐出ヘッド17の電気的な駆動制御を行うヘッドドライバ17dとを備えている。
図5に示すように、ヘッドドライバ17dは、FFCケーブルを介して各液滴吐出ヘッド17と電気的に接続されている。また、液滴吐出ヘッド17は、吐出ノズル78(図2参照)ごとに設けられた圧電素子59に対応して、シフトレジスタ(SL)85と、ラッチ回路(LAT)86と、レベルシフタ(LS)87と、スイッチ(SW)88とを備えている。
液滴吐出装置1における吐出制御は次のように行われる。最初に、CPU44がワーク20などの描画対象物における機能液の配置パターンをデータ化したドットパターンデータをヘッドドライバ17dに伝送する。そして、ヘッドドライバ17dは、ドットパターンデータをデコードして吐出ノズル78ごとのON/OFF(吐出/非吐出)情報であるノズルデータを生成する。ノズルデータは、シリアル信号(SI)化されて、クロック信号(CK)に同期して各シフトレジスタ85に伝送される。
シフトレジスタ85に伝送されたノズルデータは、ラッチ信号(LAT)がラッチ回路86に入力されるタイミングでラッチされ、さらにレベルシフタ87でスイッチ88用のゲート信号に変換される。即ち、ノズルデータが「ON」の場合にはスイッチ88が開いて圧電素子59に駆動信号(COM)が供給され、ノズルデータが「OFF」の場合にはスイッチ88が閉じられて圧電素子59に駆動信号(COM)は供給されない。そして、「ON」に対応する吐出ノズル78からは機能液が液滴となって吐出され、吐出された機能液の液滴がワーク20などの描画対象物の上に着弾して、描画対象物の上に機能液が配置される。
ラッチ信号(LAT)がラッチ回路86に入力されるタイミングは、例えば液滴吐出ヘッド17におけるノズル列78Aごとに共通であり、それぞれのノズル列78Aを構成する吐出ノズル78からは、略同時に機能液の液滴が吐出される。
<駆動波形>
次に、圧電素子59に印加する駆動信号(COM)の駆動波形、及び当該駆動波形の駆動信号を印加された圧電素子59の動作による吐出動作について、図6を参照して説明する。図6は、駆動波形の基本波形及び駆動波形に対応した圧電素子の動作を示す図である。図6(a)は、圧電素子に印加する駆動信号の駆動波形の基本波形を示す図であり、図6(b)は、駆動波形に対応した圧電素子の動作による液滴吐出ヘッドの吐出動作を示す模式断面図である。
図6(a)に示すように、駆動信号を印加する前の待機状態では、圧電素子59には一定の電圧が印加されている(図6(a)のA)。この電圧を中間電位と表記する。描画を実施する際は、描画開始前に、圧電素子59に印加する電圧を中間電位に引き上げ、描画終了後に、グランドレベルに戻す。
図6(b)に示すように、圧電素子59を中間電位に維持した待機状態では、圧電素子59がわずかに縮んで振動板52が圧電素子59の側に引張られることで、振動板52が圧力室58の反対側に撓んでいる(図6(b)のA)。
駆動周期の最初の工程は、圧電素子59に印加する電圧を、中間電位から始まって、高電位に引き上げる(昇圧、図6(a)のB)。圧電素子59に印加される電圧が高くなることで、圧電素子59がさらに縮んで、振動板52が圧力室58と反対側に引張られる力を受ける。振動板52が圧力室58と反対側に引張られることで、可撓性を有する材料で形成された振動板52が圧力室58の反対側に撓む。これにより、圧力室58の容積が増加することから、機能液が液たまり55から供給口56を経て圧力室58に供給される(給液、図6(b)のB)。
この工程を、昇圧給液工程と表記する。昇圧給液工程では、吐出ノズル78から空気が圧力室に入り込まないように、圧電素子59をゆっくり変位させる。圧電素子59に印加される高電位の電圧が、液滴吐出ヘッド17を駆動するために印加される駆動電圧に相当する。
なお、個別の吐出ノズル78に対応する圧電素子59に印加する高電位の電圧が、当該吐出ノズル78の駆動電圧に相当し、当該駆動電圧を含む圧電素子59に印加する駆動波形などの条件が当該吐出ノズル78の吐出駆動条件に相当する。駆動電圧を制御する制御信号を出力するCPU44が、駆動条件設定手段に相当する。
上述したように、それぞれのノズル列78Aを構成する吐出ノズル78からは、略同時に機能液の液滴が吐出される。したがって、振動板52が圧力室58と反対側に引張られるタイミングも、ノズル列78Aを構成する全ての吐出ノズル78において略同一のタイミングである。また、圧力室58を形成する振動板52は、ノズル列78Aを構成する全ての吐出ノズル78において共通である。このため、隣のノズル列78Aや近接する位置のノズル列78Aが吐出を実施するか否かによって、振動板52のそれぞれの圧力室58を形成する部分が圧力室58の反対側に撓む形状や撓み量が微妙に変動する可能性がある。すなわち吐出ノズル78からの吐出量が微妙に変動する可能性がある。
昇圧給液工程後、圧電素子59に印加する電圧を高電位に保った状態を維持する。この状態を、吐出前待機状態と表記する(図6(a)のC)。圧電素子59を構成する圧電材料は、電圧変化が終了した後でも機械的な振動が残留しているため、その機械振動が収まるまで待機する工程が、吐出前待機状態である。
機械振動が収まる時間だけ吐出前待機状態を維持した後、圧電素子59に印加する電圧を、一気に降圧させる(図6(a)のD)。圧電素子59に印加する電圧を、一気に降圧させることによって、圧電素子59の変位が一気に零になり、圧力室58は急激に狭くなり、圧力室58の内部に充填されていた機能液が、吐出ノズル78から吐出される(図6(b)のD)。この工程を、降圧吐出工程と表記する。
圧電素子59の変位量は印加される電圧に拠って変わることから、印加する高電位の電圧値によって、圧電素子59が縮む量が異なるため、圧力室58の容積が増加する量も異なる。このため、当該高電位の電圧値を調整することによって、圧力室58に充填されて吐出される機能液の量、すなわち液滴吐出ヘッド17の吐出ノズル78からの吐出量を調整することができる。
上述したように、それぞれのノズル列78Aを構成する吐出ノズル78からは、設計上は、同時に機能液の液滴が吐出される。したがって、圧電素子59に印加する電圧を高電位に引き上げるタイミングも、ノズル列78Aを構成する吐出ノズル78において略同一のタイミングである。このため、ノズル列78Aにおける吐出を実施する吐出ノズル78の数によって、それぞれの圧電素子59に印加される高電位の電圧値が、僅かではあるが変動する可能性がある。すなわち、吐出ノズル78からの吐出量が、僅かではあるが変動する可能性がある。
降圧吐出工程の次に、圧電素子59に印加する電圧を低電位に保った状態を維持する。この状態を、吐出後待機状態と表記する(図6(a)のE)。圧電素子59の機械振動が収まる時間だけ低電位状態を維持する工程が、吐出後待機状態である。
圧電素子59の機械振動が収まる時間だけ吐出後待機状態を維持した後、圧電素子59に印加する電圧を中間電位に引き上げて(図6(a)のF)、再び待機状態(中間電位)にする。
<着弾位置>
次に、吐出ノズル78と、それぞれの吐出ノズル78から吐出された液滴の着弾位置と、の関係について説明する。図7は、吐出ノズルと、それぞれの吐出ノズルから吐出された液滴の着弾位置と、の関係を示す説明図である。図7(a)は、吐出ノズルの配置位置を示す説明図であり、図7(b)は、液滴をノズル列の延在方向に直線状に着弾させた状態を示す説明図であり、図7(c)は、液滴を主走査方向に直線状に着弾させた状態を示す説明図であり、図7(d)は、液滴を面状に着弾させた状態を示す説明図である。図7に示したX軸及びY軸は、ヘッドユニット21が液滴吐出装置1に取り付けられた状態において、図1に示したX軸及びY軸と一致している。X軸方向が主走査方向であって、図7に示した矢印aの方向に、ワーク20に対して吐出ノズル78を相対移動させながら、任意の位置において液状体の液滴を吐出することによって、X軸方向の任意の位置に液滴を着弾させることができる。
図7(a)に示すように、ノズル列78Aを構成する吐出ノズル78は、Y軸方向にノズルピッチPの中心間距離で配設されている。上述したように、液滴吐出ヘッド17における2列のノズル列78Aをそれぞれ構成する吐出ノズル78同士は、Y軸方向において、相互に、ノズルピッチPの1/2ずつ位置がずれている。
図7(b)に示すように、着弾位置を示す着弾点81と、着弾した液滴の濡れ広がり状態を示す着弾円81Aとで、着弾した1滴の液滴の状態を示している。2列のノズル列78Aの全部の吐出ノズル78から、図7(b)に一点鎖線で示した仮想線L上に着弾させるタイミングで、それぞれ液滴を吐出させることによって、ノズルピッチPの1/2の中心間間隔で着弾円81Aが連なる直線が形成される。
図7(c)に示すように、一つの吐出ノズル78から連続して液滴を吐出させることによって、X軸方向に着弾円81Aが連なる直線が形成される。X軸方向における着弾点81間の中心間距離の最小値を、最小着弾距離dと表記する。最小着弾距離dは、主走査方向の相対移動速度(移動距離/移動時間)と、吐出ノズル78の最小吐出間隔(時間)との積である。
吐出ノズル78の最小吐出間隔は、上述したラッチ信号(LAT)がラッチ回路86に入力される間隔である。
図7(d)に示すように、一点鎖線で示した仮想線L1,L2,L3上に着弾させるタイミングで、それぞれ液滴を吐出させることによって、ノズルピッチPの1/2の中心間間隔で着弾円81Aが連なる直線がX軸方向に並列した着弾面が形成される。図7(d)に示した仮想線L1,L2,L3間の距離が最小着弾距離dの場合のそれぞれの着弾点81が、液滴吐出装置1によって機能液の液滴を配置可能な位置である。
液滴を配置することによって画像を描画したり、所定の区画に液状体を充填したりするためには、当該画像の描画や区画への充填に適する着弾点81を液滴を配置する着弾点81として選択する。図7(d)に示したそれぞれの着弾点81の位置について、液滴を配置するか否かを定めることによって、機能液を配置する位置を規定する配置表が形成される。当該配置表に従って、対応する吐出ノズル78が対応する時点で吐出を実施することで、所望の画像の描画や所望の区画への充填が行われる。
<液晶表示パネルの構成>
次に、液滴吐出装置1を用いて機能膜を形成する対象物の一例としての液晶表示パネルについて説明する。液晶表示パネル200(図8参照)は、液晶装置の一例であり、カラーフィルタの一例である液晶表示パネル用のカラーフィルタを備える液晶表示パネルである。
最初に、液晶表示パネル200の構成について、図8を参照して説明する。図8は、液晶表示パネルの概略構成を示す分解斜視図である。図8に示した液晶表示パネル200は、駆動素子として薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor)素子)を用いるアクティブマトリックス方式の液晶装置であり、図示省略したバックライトを用いる透過型の液晶装置である。
図8に示すように、液晶表示パネル200は、TFT素子215を有する素子基板210と、対向電極207を有する対向基板220と、シール材(図示省略)によって接着された素子基板210と対向基板220との隙間に充填された液晶230(図13(k)参照)と、を備えている。貼り合わされた素子基板210と、対向基板220とには、互いに貼り合わされた面の反対側の面に、それぞれ偏光板231又は偏光板232が、配設されている。
素子基板210は、ガラス基板211の対向基板220と対向する面に、TFT素子215や、導電性を有する画素電極217や走査線212や信号線214が、形成されている。これらの素子や導電性を有する膜の間を埋めるように、絶縁層216が形成されており、走査線212及び信号線214は、絶縁層216の部分を挟んで互いに交差する状態で形成されている。走査線212と信号線214とは、絶縁層216の部分を間に挟むことで互いに絶縁されている。これらの走査線212と信号線214とに囲まれた領域内には画素電極217が形成されている。画素電極217は方形状の一部の角部分が方形状に欠けた形状をしている。画素電極217の切欠部と走査線212と信号線214とに囲まれた部分には、ソース電極、ドレイン電極、半導体部、及びゲート電極を具備するTFT素子215が組み込まれて構成されている。走査線212と信号線214とに信号を印加することによってTFT素子215をオン・オフして画素電極217への通電制御を実施する。
素子基板210の液晶230と接する面には、上記した走査線212や信号線214や画素電極217が形成された領域全体を覆う配向膜218が設けられている。
対向基板220は、ガラス基板201の素子基板210と対向する面に、カラーフィルタ(以降、「CF」と表記する。)層208が形成されている。CF層208は、隔壁204と、赤色フィルタ膜205Rと、緑色フィルタ膜205Gと、青色フィルタ膜205Bとを有している。ガラス基板201の上に、格子状に隔壁204を構成するブラックマトリックス202が形成されており、ブラックマトリックス202の上にバンク203が形成されている。ブラックマトリックス202とバンク203とで構成された隔壁204によって、方形のフィルタ膜領域225が形成されている。フィルタ膜領域225には、赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、又は青色フィルタ膜205Bが形成されている。赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、及び青色フィルタ膜205Bは、それぞれ上述した画素電極217のそれぞれと対向する位置及び形状に形成されている。
CF層208の上(素子基板210側)には、平坦化膜206が設けられている。平坦化膜206の上には、ITOなどの透明な導電性材料で形成された対向電極207が設けられている。平坦化膜206を設けることによって、対向電極207を形成する面を略平坦な面にしている。対向電極207は、上述した画素電極217が形成された領域全体を覆う大きさの連続した膜である。対向電極207は、図示省略した導通部を介して、素子基板210に形成された配線に接続されている。
対向基板220の液晶230と接する面には、少なくとも画素電極217の全面を覆う配向膜228が設けられている。液晶230は、素子基板210と対向基板220とが貼り合わされた状態において、対向基板220の配向膜228と、素子基板210の配向膜218と、対向基板220と素子基板210とを貼り合わせるシール材とに囲まれた空間に充填されている。
なお、液晶表示パネル200は、透過型の構成としたが、反射層あるいは半透過反射層を設けて、反射型の液晶装置あるいは半透過反射型の液晶装置とすることもできる。
<マザー対向基板>
次に、マザー対向基板201Aについて、図9を参照して説明する。対向基板220は、分割されることによってガラス基板201となるマザー対向基板201Aの上に上述したCF層208などを形成した後、マザー対向基板201Aを個別の対向基板220(ガラス基板201)に分割して形成される。図9(a)は、対向基板の平面構造を模式的に示す平面であり、図9(b)は、マザー対向基板の平面構造を模式的に示す平面図である。なお、本実施形態においては、マザー対向基板201Aの上にCF層208などを形成したものや、CF層208などを形成する途中の状態のものも、マザー対向基板201Aと表記する。
対向基板220は、厚みおよそ1.0mmの透明な石英ガラスからなるガラス基板201を用いて形成されている。図9(a)に示すように、対向基板220は、ガラス基板201の周囲の僅かな額縁領域を除く部分に、CF層208が形成されている。CF層208は、方形状のガラス基板201の表面に複数のフィルタ膜領域225をドットパターン状、本実施形態ではドット・マトリクス状に形成し、当該フィルタ膜領域225にフィルタ膜205を形成することによって形成されている。ガラス基板201のCF層208が形成される領域にかからない位置には、図示省略したアライメントマークが形成されている。アライメントマークは、CF層208などを形成する諸工程を実行するためにガラス基板201を、液滴吐出装置1などの製造装置に取り付ける際などに位置決め用の基準マークとして用いられる。
図9(b)に示すように、マザー対向基板201Aには、対向基板220のCF層208が、分割されてガラス基板201となる部分のそれぞれに形成されている。マザー対向基板201Aが、基材に相当する。
<カラーフィルタ膜の配列>
次に、対向基板220などに形成されているCF層208などにおけるフィルタ膜205(赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、及び青色フィルタ膜205B)などの配列について、図10を参照して説明する。図10は、3色カラーフィルタのフィルタ膜の配列例を示す模式平面図である。
図10に示すように、フィルタ膜205は、透光性のない樹脂材料によって格子状のパターンに形成された隔壁204によって区画されてドット・マトリクス状に並んだ複数の例えば方形状のフィルタ膜領域225を色材で埋めることによって形成される。例えば、フィルタ膜205を構成する色材を含む機能液をフィルタ膜領域225に充填し、当該機能液の溶媒を蒸発させて機能液を乾燥させることで、フィルタ膜領域225を埋める膜状のフィルタ膜205を形成する。フィルタ膜領域225が、機能膜区画に相当し、フィルタ膜205が、機能膜に相当する。フィルタ膜205を構成する色材を含む機能液が、機能膜膜の材料を含む液状体に相当する。
3色カラーフィルタにおける赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、及び青色フィルタ膜205Bなどの配列としては、例えば、ストライプ配列、モザイク配列、デルタ配列などが知られている。図10(a)は、ストライプ配列を示す模式平面図であり、図10(b)は、モザイク配列を示す模式平面図であり、図10(c)は、デルタ配列を示す模式平面図である。
ストライプ配列は、図10(a)に示したように、マトリクスの縦列が全て同色の赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、又は青色フィルタ膜205Bになる配列である。
モザイク配列は、図10(b)に示したように、横方向の各行ごとにフィルタ膜205を一つ分だけ色をずらした配列で、3色フィルタの場合、縦横の直線上に並んだ任意の3つのフィルタ膜205が3色となる配列である。
デルタ配列は、図10(c)に示したように、フィルタ膜205の配置を段違いにし、3色フィルタの場合、任意の隣接する3つのフィルタ膜205が異なる色となる配列である。
図10(a)、(b)、又は(c)に示した3色フィルタにおいて、フィルタ膜205は、それぞれが、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)のうちのいずれか1色の色材によって形成されている。隣り合って形成された赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、及び青色フィルタ膜205Bを各1個ずつ含むフィルタ膜205の組で、画像を構成する最小単位である絵素のフィルタ(以降、「絵素フィルタ254」と表記する。)を形成している。一つの絵素フィルタ254内の赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、及び青色フィルタ膜205Bのいずれか一つ又はそれらの組合せに光を選択的に通過させることにより、さらに、通過させる光の光量を調整することによりフルカラー表示を行う。
<液晶表示パネルの形成>
次に、液晶表示パネル200を形成する工程について、図11、図12、及び図13を参照して説明する。図11は、液晶表示パネルを形成する過程を示すフローチャートである。図12は、液晶表示パネルを形成する過程におけるフィルタ膜を形成する工程などを示す断面図であり、図13は、液晶表示パネルを形成する過程における配向膜を形成する工程などを示す断面図である。液晶表示パネル200は、それぞれ別々に形成した素子基板210と対向基板220とを、貼り合わせて形成する。
図11に示したステップS1からステップS5を実行することで、対向基板220を形成する。
ステップS1では、ガラス基板201の上に、フィルタ膜領域225を区画形成するための隔壁部を形成する。隔壁部は、ブラックマトリックス202を格子状に形成し、その上にバンク203を形成して、ブラックマトリックス202とバンク203とで構成された隔壁204を格子状に配置することによって形成する。これにより、図12(a)に示すように、ガラス基板201の表面に、隔壁204によって区画された方形のフィルタ膜領域225が形成される。
次に、図11のステップS2では、赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、及び青色フィルタ膜205Bを形成して、CF層208を形成する。赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、及び青色フィルタ膜205Bは、フィルタ膜領域225に、赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、又は青色フィルタ膜205Bを構成する材料を含む機能液252をそれぞれ充填して、当該機能液252を乾燥させることによって形成する。
より詳細には、図12(b)に示すように、隔壁204によって区画されたフィルタ膜領域225が形成されたガラス基板201の表面に赤色吐出ヘッド17Rを対向させる。当該赤色吐出ヘッド17Rが有する吐出ノズル78から、赤色フィルタ膜205Rを形成するべきフィルタ膜領域225Rに向けて、赤色機能液252Rを吐出することによって、フィルタ膜領域225Rに赤色機能液252Rを配置する。同時に、ガラス基板201に対して赤色吐出ヘッド17Rを矢印aで示したように相対移動させることによって、ガラス基板201に形成された全てのフィルタ膜領域225Rに赤色機能液252Rを配置する。配置した赤色機能液252Rを乾燥させることによって、図12(c)に示すように、フィルタ膜領域225Rに赤色フィルタ膜205Rを形成する。
同様にして、図12(b)に示した、緑色フィルタ膜205G又は青色フィルタ膜205Bを形成するべきフィルタ膜領域225G又はフィルタ膜領域225Bに、図12(c)に示すように、緑色機能液252G又は青色機能液252Bを配置する。緑色機能液252G及び青色機能液252Bを乾燥させることによって、図12(d)に示すように、フィルタ膜領域225G及びフィルタ膜領域225Bに緑色フィルタ膜205G又は青色フィルタ膜205Bを形成する。赤色フィルタ膜205Rと合わせて、赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、及び青色フィルタ膜205Bからなる3色カラーフィルタが形成される。
次に、図11のステップS3では、平坦化層を形成する。図12(e)に示すように、CF層208を構成する赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、青色フィルタ膜205B、及び隔壁204の上に、平坦化層としての平坦化膜206を形成する。平坦化膜206は、少なくともCF層208の全面を覆う領域に形成する。平坦化膜206を設けることによって、対向電極207を形成する面を略平坦な面にしている。
次に、図11のステップS4では、対向電極207を形成する。図12(f)に示すように、平坦化膜206の上の、少なくともCF層208のフィルタ膜205が形成された領域の全面を覆う領域に、透明な導電材料を用いて、薄膜を形成する。この薄膜が、上述した対向電極207である。
次に、図11のステップS5では、対向電極207の上に、対向基板220の配向膜228を形成する。配向膜228は、少なくともCF層208の全面を覆う領域に形成する。
図13(g)に示すように、対向電極207が形成されたガラス基板201の表面に液滴吐出ヘッド17を対向させて、液滴吐出ヘッド17からガラス基板201の表面に向けて配向膜液242を吐出する。同時に、ガラス基板201に対して液滴吐出ヘッド17を矢印aで示したように相対移動させることによって、ガラス基板201の配向膜228を形成する領域の全面に配向膜液242を配置する。配置された配向膜液242を乾燥させることで、図13(h)に示すように、配向膜228を形成する。ステップS5を実施して、対向基板220が形成される。
図11に示したステップS6からステップS8を実行することで、素子基板210を形成する。
ステップS6では、ガラス基板211の上に導電層や絶縁層や半導体層を形成することで、TFT素子215などの素子や、走査線212や、信号線214や、絶縁層216などを形成する。走査線212及び信号線214は、素子基板210と対向基板220とが、貼り合わされた状態で、隔壁204に対向する位置に、即ち画素の周辺の位置に形成する。TFT素子215は、画素の端に位置するように形成し、1画素に少なくとも1個のTFT素子215を形成する。
次に、ステップS7では、画素電極217を形成する。画素電極217は、素子基板210と対向基板220とが、貼り合わされた状態で、赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、又は青色フィルタ膜205Bに対向する位置に、形成する。画素電極217は、TFT素子215のドレイン電極と電気的に接続させる。
次に、ステップS8では、画素電極217などの上に、素子基板210の配向膜218を形成する。配向膜218は、少なくとも全ての画素電極217の全面を覆う領域に形成する。
図13(i)に示すように、画素電極217が形成されたガラス基板211の表面に液滴吐出ヘッド17を対向させて、液滴吐出ヘッド17からガラス基板211の表面に向けて配向膜液242を吐出する。同時に、ガラス基板211に対して液滴吐出ヘッド17を矢印aで示したように相対移動させることによって、ガラス基板211の配向膜218を形成する領域の全面に配向膜液242を配置する。配置された配向膜液242を乾燥させることで、図13(j)に示すように、配向膜218を形成する。ステップS8を実施して、素子基板210が形成される。
次に、図11のステップS9では、形成された対向基板220と素子基板210とを貼り合わせて、図13(k)に示すように、間に液晶230を充填する。さらに、偏光板231と偏光板232とを貼りつけるなどして、液晶表示パネル200を組立てる。複数のガラス基板201やガラス基板211からなるマザー基板に、複数の対向基板220や素子基板210を形成する場合には、複数の液晶表示パネル200が形成されたマザー基板を個別の液晶表示パネル200に分割する。あるいは、マザー対向基板201Aやマザー素子基板を、対向基板220や素子基板210に分割する工程を実施した後にステップS9を実施する。ステップS9を実施して、液晶表示パネル200を形成する工程を終了する。
<機能液配置>
次に、液滴吐出装置1が有する液滴吐出ヘッド17から機能液を吐出して、フィルタ膜領域225などの、マザー対向基板におけるCF層のフィルタ膜領域に機能液を配置する工程について、図14を参照して説明する。図14は、機能液を配置する工程におけるフィルタ膜領域と吐出を実行する吐出ノズルの配置との関係を示す説明図である。図14(a)は、フィルタ膜領域のY軸方向の配列位置を示す説明図であり、図14の(b),(c),(d),(e)は、吐出走査における吐出を実行する吐出ノズルの配置を示す説明図である。
図示を容易にして説明を解り易くするために、フィルタ膜領域125及び液滴吐出ヘッド17を簡略化した液滴吐出ヘッド170を例にして説明する。図14に示したX軸及びY軸は、ヘッドユニット21が液滴吐出装置1に取り付けられた状態と同様に、液滴吐出ヘッド170を備えるヘッドユニットが液滴吐出装置に取り付けられた状態において、図1に示したX軸及びY軸と同じ方向を示している。
図14に示したように、液滴吐出ヘッド170は、12個の吐出ノズル810を有している。液滴吐出ヘッド170を備えるヘッドユニット120は、ヘッドユニット21と同様に、9個の液滴吐出ヘッド170を備えており、9個の液滴吐出ヘッド170が有する108個の吐出ノズル810からなるノズル列を有している。図14(b),(c),(d),(e)では、液滴吐出ヘッド170のX軸方向の位置ずれを省略して、Y軸方向の位置のみ表示している。
ヘッドユニット120が備える液滴吐出ヘッド170を、端の方から順に、液滴吐出ヘッド172、液滴吐出ヘッド173、液滴吐出ヘッド174、液滴吐出ヘッド175と表記する。液滴吐出ヘッド172、液滴吐出ヘッド173、液滴吐出ヘッド174、液滴吐出ヘッド175が有する吐出ノズル810を、吐出ノズル821から吐出ノズル832、吐出ノズル841から吐出ノズル852、吐出ノズル861から吐出ノズル872、吐出ノズル881から吐出ノズル892と表記する。ヘッドユニット120が備える5番目以降の液滴吐出ヘッド170は図示省略した。図14(b),(c),(d),(e)では、吐出を実施する吐出ノズル810を黒丸で示し、吐出を休止する吐出ノズル810を白丸で示している。
フィルタ膜領域125は、Y軸方向に領域ピッチGPのピッチ間隔で配列されている。図14(a)には、フィルタ膜領域125の列を一列のみ示しており、CF層の領域は、図14(a)に示したフィルタ膜領域125の列がX軸方向に配列されて構成されている。フィルタ膜領域125を、CF層の領域の端の方から順に、フィルタ膜領域125a、フィルタ膜領域125b、フィルタ膜領域125c、のように表記する。フィルタ膜領域125が、機能膜区画に相当する。
本実施形態におけるフィルタ膜領域125については、一個所のフィルタ膜領域125に対して、4回の吐出走査を実施して、合計10滴の機能液252を配置する。
一回目の吐出走査では、図14(b)に示した範囲で、液滴吐出ヘッド173の吐出ノズル841,842,843,845,846,848,849,852と、液滴吐出ヘッド174の吐出ノズル861,863,864,865,867,868,870,871と、液滴吐出ヘッド175の吐出ノズル882,883とが吐出を実施している。液滴吐出ヘッド173の吐出ノズル841,842,843から吐出された液滴が、フィルタ膜領域125aに着弾している。図示省略したが、一回目の吐出走査では、ヘッドユニット120を構成する9個の液滴吐出ヘッド170の中で、液滴吐出ヘッド172を除く8個の液滴吐出ヘッド170が吐出を行っている。
一回目の吐出走査の後、副走査を実施して、2回目の吐出走査を実施する。副走査は、一回目の吐出走査の位置からヘッドユニット120をY軸方向に領域ピッチGPだけ移動する。
2回目の吐出走査では、図14(c)に示した範囲で、液滴吐出ヘッド172の吐出ノズル830,831と、液滴吐出ヘッド173の吐出ノズル841,842,843,845,846,848,849,852と、液滴吐出ヘッド174の吐出ノズル861,863,864,865,867,868,870,871とが吐出を実施している。液滴吐出ヘッド173の吐出ノズル841,842,843から吐出された液滴は、フィルタ膜領域125bに着弾している。2回目の吐出走査では、9番目の液滴吐出ヘッド170が吐出を実施するCF層の領域のY軸方向の幅は、一回目の吐出走査における幅と比べて、液滴吐出ヘッド172が吐出を実施するCF層の領域のY軸方向の幅だけ、狭くなっている。これにより、2回目の吐出走査では、一回目の吐出走査と同じ液滴吐出ヘッド170の幅にして8個分の領域のフィルタ膜領域125に機能液252を配置する。
2回目の吐出走査の後、副走査を実施して、3回目の吐出走査を実施する。副走査は、2回目の吐出走査の位置からヘッドユニット120をY軸方向に領域ピッチGPだけ移動する。
3回目の吐出走査では、図14(d)に示した範囲で、液滴吐出ヘッド172の吐出ノズル827,828,830,831と、液滴吐出ヘッド173の吐出ノズル841,842,843,845,846,848,849,852と、液滴吐出ヘッド174の吐出ノズル861,863,864,865,867,868とが吐出を実施している。液滴吐出ヘッド173の吐出ノズル841,842,843から吐出された液滴は、フィルタ膜領域125cに着弾している。3回目の吐出走査では、9番目の液滴吐出ヘッド170が吐出を実施するCF層の領域のY軸方向の幅は、2回目の吐出走査における幅と比べて、液滴吐出ヘッド172が吐出を実施するCF層の領域のY軸方向の幅だけ、狭くなっている。
3回目の吐出走査の後、副走査を実施して、4回目の吐出走査を実施する。副走査は、3回目の吐出走査の位置からヘッドユニット120をY軸方向に領域ピッチGPだけ移動する。
4回目の吐出走査では、図14(e)に示した範囲で、液滴吐出ヘッド172の吐出ノズル823,824,827,828,830,831と、液滴吐出ヘッド173の吐出ノズル841,842,843,845,846,848,849,852と、液滴吐出ヘッド174の吐出ノズル861,863,864,865とが吐出を実施している。液滴吐出ヘッド173の吐出ノズル841,842,843から吐出された液滴は、フィルタ膜領域125dに着弾している。4回目の吐出走査では、9番目の液滴吐出ヘッド170が吐出を実施するCF層の領域のY軸方向の幅は、3回目の吐出走査における幅と比べて、液滴吐出ヘッド172が吐出を実施するCF層の領域のY軸方向の幅だけ、狭くなっている。
上記のように、4回の吐出走査において、液滴吐出ヘッド173における吐出を実施する吐出ノズル810は固定である。液滴吐出ヘッドにおける吐出を実施する吐出ノズルの分布を「吐出実施配列」と表記する。液滴吐出ヘッド173と同様に、液滴吐出ヘッド174から8番目の液滴吐出ヘッド170までの液滴吐出ヘッド170も、4回の吐出走査において、吐出を実施する吐出ノズル810は固定であって、吐出実施配列は、それぞれの液滴吐出ヘッド170において一定である。吐出実施配列が一定であることで、それぞれの吐出ノズル810が近傍の吐出ノズル810の駆動状態によって互いに及ぼされあう影響も一定である。したがって、近傍の吐出ノズル810の駆動状態が変動することの影響による吐出量の変動はほとんどないため、吐出ノズル810の駆動電圧などの駆動条件は、調整を実施することなく、一定の駆動条件を維持する。
領域ピッチGPが、機能膜ピッチに相当する。Y軸方向に領域ピッチGPだけ移動する副走査が、第一の副走査に相当し、当該副走査の工程が、第一の副走査工程に相当する。
4回の吐出走査及び3回の副走査を実施して、ここで説明した例では、Y軸方向の幅が液滴吐出ヘッド170の8個分である領域のフィルタ膜領域125に機能液252が配置される。ここで説明した3回の副走査を挟む4回の吐出走査のように、所定の範囲の機能膜区画への機能液の配置を完結する走査を、「区画走査」と表記する。一回の区画走査で機能液の配置を完結する範囲を、「区画走査領域」と表記する。ここで説明した例では、区画走査領域は、Y軸方向の幅が液滴吐出ヘッド170の8個分の領域である。詳細には、8個の液滴吐出ヘッド170が有する96個の吐出ノズル810に相当する96個の吐出ノズル810が対向することができる領域である。
次の区画走査は、ヘッドユニット120を、ヘッドユニット120の吐出ノズル810が次の区画走査領域に臨む位置まで相対移動させる副走査を実施した後で、実施する。当該副走査を、「区画副走査」と表記する。ここでの区画副走査は、区画走査領域の幅だけ、ヘッドユニット120を相対移動させる。個々の場合の区画副走査による相対移動量は、96個の吐出ノズル810が対向することができる幅であって、吐出ノズル810のノズルピッチの整数倍である。
ノズルピッチの整数倍だけ移動した区画副走査の後の吐出走査における吐出実施配列は、区画副走査の前の吐出走査における吐出実施配列とは異なる可能性が高い。このため、近傍の吐出ノズル810の駆動状態が変動することの影響による吐出量の変動が発生する可能性が高い。当該影響を抑制するために、個別の吐出ノズル810ごとに、駆動電圧などの駆動条件の調整を実施する。この場合の、区画副走査が、第二の副走査に相当し、当該区画副走査の工程が、第二の副走査工程に相当する。
なお、区画走査におけける一回目の吐出走査で機能液を配置する幅を、フィルタ膜領域125のY軸方向における配設ピッチである領域ピッチGPの整数倍とし、2から4回目の吐出走査においても機能液を配置する幅を同じ幅にすることで、区画走査領域のY軸方向の幅が、領域ピッチGPの整数倍となる。この場合は、近傍の吐出ノズル810の駆動状態が変動することの影響による吐出量の変動はほとんどないため、吐出ノズル810の駆動電圧などの駆動条件は、調整を実施することなく、一定の駆動条件を維持する。この場合の、区画副走査は、第一の副走査に相当し、当該区画副走査の工程は、第一の副走査工程に相当する。
ヘッドユニット21を用いてフィルタ膜領域225に機能液を配置する場合も、ヘッドユニット120を用いてフィルタ膜領域125に機能液を配置する場合と同様である。
<機能液配置−2>
次に、液滴吐出装置1が有する液滴吐出ヘッド17から機能液を吐出して、フィルタ膜領域225などの、マザー対向基板におけるCF層のフィルタ膜領域に機能液を配置する工程の他の例について、図15を参照して説明する。図15は、機能液を配置する工程におけるCF層の領域と吐出を実行する液滴吐出ヘッドの配置との関係を示す説明図である。図15(a)は、ヘッドユニットの概略構成を示す平面図であり、図15(b)は、CF層の領域における区画走査領域を示す平面図であり、図15(c)は、区画走査領域ごとの吐出を実施するヘッド組の表である。
図15(a)に示したヘッドユニット121は、上述したヘッドユニット21と同じ構成である。図15(a)に示したX軸及びY軸は、ヘッドユニット21と同様にヘッドユニット121が液滴吐出装置1に取り付けられた状態において、図1に示したX軸及びY軸と一致している。ヘッドユニット121は、3色のカラーフィルタに対応する3種類の機能液を配置する構成であることが、ヘッドユニット21と異なっている。ヘッドユニット121は、赤色ヘッド組62Rと、緑色ヘッド組62Gと、青色ヘッド組62Bと、を備えている。赤色ヘッド組62Rは、赤色フィルタ膜205Rを形成する材料を含む赤色機能液252Rを吐出する赤色吐出ヘッド17Rで構成されている。赤色ヘッド組62Rは、3個の赤色吐出ヘッド17Rを備えている。緑色ヘッド組62Gは、緑色フィルタ膜205Gを形成する材料を含む緑色機能液252Gを吐出する緑色吐出ヘッド17Gで構成されている。緑色ヘッド組62Gは、3個の緑色吐出ヘッド17Gを備えている。青色ヘッド組62Bは、青色フィルタ膜205Bを形成する材料を含む青色機能液252Bを吐出する青色吐出ヘッド17Bで構成されている。青色ヘッド組62Bは、3個の青色吐出ヘッド17Bを備えている。
3個の赤色吐出ヘッド17R、緑色吐出ヘッド17G、又は青色吐出ヘッド17Bの位置関係は、ヘッドユニット21のヘッド組62における液滴吐出ヘッド17の位置関係と同じである。ヘッドユニット121における赤色ヘッド組62Rと、緑色ヘッド組62Gと、青色ヘッド組62Bとの位置関係は、ヘッドユニット21におけるヘッド組62間の位置関係と同じである。
吐出走査は、赤色ヘッド組62R、緑色ヘッド組62G、又は青色ヘッド組62Bの単位で実施する。X軸方向の略同じ位置に液滴を着弾させるノズル列がヘッド組ノズル列であることが、当該ノズル列がユニットノズル列である上述した吐出走査とは、異なっている。図15(b)に示すように、区画走査領域141、区画走査領域142、及び区画走査領域143、は、赤色ヘッド組62R、緑色ヘッド組62G、又は青色ヘッド組62Bにおけるヘッド組ノズル列のY軸方向の長さに対応した幅となる。すなわち、区画走査領域141、区画走査領域142、及び区画走査領域143のY軸方向の配設ピッチは、赤色ヘッド組62R、緑色ヘッド組62G、及びは青色ヘッド組62BのY軸方向の配設ピッチと略同じになる。
図15(c)に示すように、最初の区画走査1では、青色ヘッド組62Bによって区画走査領域141のフィルタ膜領域225Bに青色機能液252Bを配置する。
次に、区画走査2では、青色ヘッド組62Bによって区画走査領域142のフィルタ膜領域225Bに青色機能液252Bを配置し、緑色ヘッド組62Gによって区画走査領域141のフィルタ膜領域225Gに緑色機能液252Gを配置する。
次に、区画走査3では、青色ヘッド組62Bによって区画走査領域143のフィルタ膜領域225Bに青色機能液252Bを配置し、緑色ヘッド組62Gによって区画走査領域142のフィルタ膜領域225Gに緑色機能液252Gを配置し、赤色ヘッド組62Rによって区画走査領域141のフィルタ膜領域225Rに赤色機能液252Rを配置する。
次に、区画走査4では、緑色ヘッド組62Gによって区画走査領域143のフィルタ膜領域225Gに緑色機能液252Gを配置し、赤色ヘッド組62Rによって区画走査領域142のフィルタ膜領域225Rに赤色機能液252Rを配置する。
次に、区画走査5では、赤色ヘッド組62Rによって区画走査領域143のフィルタ膜領域225Rに赤色機能液252Rを配置する。
区画走査1から区画走査5を実施することによって、区画走査領域141、区画走査領域142、及び区画走査領域143におけるフィルタ膜領域225R、フィルタ膜領域225G、又はフィルタ膜領域225Bのそれぞれに、赤色機能液252R、緑色機能液252G、又は青色機能液252Bが配置される。
上記1から5の区画走査において、吐出走査の間に実施にする副走査における相対移動量は、上述した<機能液配置>と同様に、フィルタ膜領域225のY軸方向における配設ピッチである領域ピッチの整数倍である。したがって、それぞれの区画走査において実施される4回の吐出走査で、吐出を実施する吐出ノズル78は固定であって、吐出実施配列は、それぞれの液滴吐出ヘッド17において一定である。吐出実施配列が一定であることで、それぞれの吐出ノズル78が近傍の吐出ノズル78の駆動状態によって互いに及ぼされあう影響も一定である。したがって、近傍の吐出ノズル78の駆動状態が変動することの影響による吐出量の変動はほとんどないため、吐出ノズル78の駆動電圧などの駆動条件は、調整を実施することなく、一定の駆動条件を維持する。
それぞれの区画走査において実施されるY軸方向にフィルタ膜領域225の領域ピッチの整数倍だけ移動する副走査が、第一の副走査に相当し、当該副走査の工程が、第一の副走査工程に相当する。
上述したように、区画走査領域141、区画走査領域142、及び区画走査領域143は、赤色ヘッド組62R、緑色ヘッド組62G、又は青色ヘッド組62Bにおけるヘッド組ノズル列のY軸方向の長さに対応した幅である。このため、区画走査1から区画走査5の間に実施する各区画副走査における相対移動量は、ヘッド組ノズル列のY軸方向の長さに対応した移動量であり、ノズル列におけるノズルピッチの整数倍の長さである。
ノズルピッチの整数倍だけ移動した区画副走査の後の吐出走査における吐出実施配列は、区画副走査の前の吐出走査における吐出実施配列とは異なる可能性が高い。このため、近傍の吐出ノズル78の駆動状態が変動することの影響による吐出量の変動が発生する可能性が高い。当該影響を抑制するために、区画走査1から区画走査5のそれぞれの最初の吐出走査に先立って、個別の吐出ノズル78について、駆動電圧などの駆動条件の調整を実施する。この場合の、区画副走査は、第二の副走査に相当し、当該区画副走査の工程は、第二の副走査工程に相当する。
上記1から5の区画走査における一回目の吐出走査で機能液を配置する幅を、フィルタ膜領域225のY軸方向における配設ピッチである領域ピッチの整数倍とし、2から4回目の吐出走査においても機能液を配置する幅を同じ幅にすることで、区画走査領域のY軸方向の配設ピッチが、領域ピッチの整数倍となる。この場合は、区画副走査における相対移動量も領域ピッチの整数倍となるため、1から5の区画走査において、赤色ヘッド組62R、緑色ヘッド組62G、又は青色ヘッド組62Bが吐出を実施する際に吐出を行う吐出ノズル78の配列は、一定である。これにより、近傍の吐出ノズル78の駆動状態が変動することの影響による吐出量の変動はほとんどないため、吐出ノズル78の駆動電圧などの駆動条件は、調整を実施することなく、一定の駆動条件を維持する。この場合の、区画副走査は、第一の副走査に相当し、当該区画副走査の工程は、第一の副走査工程に相当する。
なお、より正確には、最初の区画走査1では、一回目、2回目、及び3回目の吐出走査においては、区画走査領域141における区画走査領域142側のフィルタ膜領域225Bで青色機能液252Bを配置できないフィルタ膜領域225Bが存在し、当該フィルタ膜領域225Bに規定量の青色機能液252Bが配置できない。しかし、次の区画走査2の一回目、2回目、及び3回目の吐出走査では、区画走査領域142に対向するノズル列における区画走査領域141側の吐出ノズル78が、区画走査領域141の当該フィルタ膜領域225Bに対向する位置に在る。このため当該吐出ノズル78を用いて、区画走査1においては規定量の青色機能液252Bを配置できなかったフィルタ膜領域225Bに対して、区画走査2において、規定量に対して不足していた青色機能液252Bを補充することができる。他の区画走査領域142や区画走査領域143についても同様であり、青色機能液252Bの他の機能液252についても同様である。
以下、第一の実施形態の効果を記載する。第一の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)吐出走査の間の副走査では、副走査の前の吐出走査の位置からヘッドユニット120をY軸方向に領域ピッチGPだけ移動している。このため、当該副走査を挟んだ吐出走査において、吐出ノズル810に対向するフィルタ膜領域125の部分が、ほとんどの吐出ノズル810において同じになる。例えば、最初の吐出走査においてフィルタ膜領域125aの端に対向していた吐出ノズル841は、後の吐出走査においてもフィルタ膜領域125b、フィルタ膜領域125c、又はフィルタ膜領域125dの端に対向している。したがって、吐出ノズル841は、いずれの吐出走査においても吐出を実施する。これにより、液滴吐出ヘッド173などの液滴吐出ヘッド170が有するノズル列において、吐出ノズル810の吐出実施配列を、いずれの吐出走査においても共通にすることができる。
(2)4回の吐出走査において、吐出ノズル810の駆動電圧などの駆動条件は、調整を実施することなく、一定の駆動条件を維持する。これにより、CPU44が駆動条件を求めるために必要となる時間や、CPU44などの吐出装置制御部6の負荷を抑制することができる。
(3)区画副走査の後の吐出走査に際しては、吐出ノズル810の駆動電圧などの駆動条件の調整を実施する。ノズルピッチの整数倍だけ移動した区画副走査の後の吐出走査における吐出実施配列は、区画副走査の前の吐出走査における吐出実施配列とは異なる可能性が高いため、近傍の吐出ノズル810の駆動状態が変動することの影響による吐出量の変動が発生する可能性が高い。吐出ノズル810の駆動電圧などの駆動条件の調整を実施することで、当該吐出量の変動を抑制することができる。
(4)1から5の区画走査において、吐出走査の間に実施にする副走査における相対移動量は、フィルタ膜領域225の領域ピッチの整数倍である。これにより、それぞれの区画走査において実施される4回の吐出走査で、吐出を実施する吐出ノズル78を固定にして、それぞれの液滴吐出ヘッド17における吐出実施配列を一定にすることができる。
(5)1から5の区画走査において、それぞれの区画走査において実施される4回の吐出走査では、吐出ノズル78の駆動電圧などの駆動条件は、調整を実施することなく、一定の駆動条件を維持する。これにより、CPU44が駆動条件を求めるために必要となる時間や、CPU44などの吐出装置制御部6の負荷を抑制することができる。
(6)区画走査1から区画走査5の間に実施する各区画副走査における相対移動量は、ヘッド組ノズル列のY軸方向の長さに対応した移動量であり、ノズル列におけるノズルピッチの整数倍の長さである。これにより、ヘッド組ノズル列が有する全ての吐出ノズルを用いると共に、各区画走査によって機能液が配置される区画走査領域を隙間なく形成することができる。
(7)区画走査1から区画走査5のそれぞれの最初の吐出走査に先立って、個別の吐出ノズル78について、駆動電圧などの駆動条件の調整を実施する。これにより、区画副走査における相対移動量がノズルピッチの整数倍の長さであるために吐出実施配列が変わることに起因して、吐出ノズル78からの吐出量が変動することを抑制することができる。
(第二の実施形態)
次に、電気光学装置の製造方法、電気光学装置の製造装置の一実施形態である第二の実施形態について図面を参照して、説明する。本実施形態は、電気光学装置の一例である有機EL表示装置を製造する工程において、機能膜の一例である発光層及び正孔輸送層を形成する工程で用いられる製造方法及び製造装置を例に説明する。本実施形態において用いる液滴吐出装置は、第一の実施形態で説明した液滴吐出装置1と基本的な構成は同一のものである。液滴吐出装置については、液滴吐出装置1のヘッドユニット21とは異なるヘッドユニットの構成について説明する。
<有機EL表示装置の構成>
最初に、有機EL表示装置の構成について、図16、図17、及び図18を参照して説明する。図16は、有機EL表示装置の平面構成を示す概略正面図である。図17は、有機EL素子の配列例を示す平面図である。
図16に示すように、有機EL表示装置300は、発光素子である複数の有機EL素子307を有する素子基板301と、封止基板309とを備えている。有機EL素子307はいわゆるカラー素子であり、有機EL表示装置300は、図17に示すように、赤色素子307R(赤色系)、緑色素子307G(緑色系)、青色素子307B(青色系)の3色の有機EL素子307を有している。有機EL素子307は表示領域306に配置されており、当該表示領域306に画像が表示される。
素子基板301上の3色の有機EL素子307は、図17(a)、及び図17(b)に示すように、例えば、透光性のない樹脂材料によって格子状のパターンに形成された隔壁315によって区画されてドット・マトリクス状に並んだ複数の例えば略方形状の領域に発光層317(図18参照)などを形成することによって形成される。例えば、有機EL素子307を構成する正孔輸送層316(図18参照)や発光層317の材料を含む機能液を隔壁315によって区画された画素領域321(図18参照)に充填し、当該機能液の溶媒を蒸発させて機能液を乾燥させることで、正孔輸送層316や発光層317を形成する。正孔輸送層316や発光層317が機能膜に相当し、正孔輸送層316や発光層317の材料を含む機能液が液状体に相当する。画素領域321が、機能膜区画に相当する。
素子基板301は、各有機EL素子307に対応した位置に、駆動素子としての複数のスイッチング素子312(図18参照)を備えている。スイッチング素子312は、例えば、TFT(Thin Film Transistor)素子である。また、封止基板309よりもひとまわり大きく、額縁状に張り出した部分には、スイッチング素子312を駆動する2つの走査線駆動回路部303と1つのデータ線駆動回路部304が設けられている。素子基板301の端子部301aには、これらの走査線駆動回路部303、又はデータ線駆動回路部304と外部駆動回路とを接続するためのフレキシブルな中継基板308が実装されている。これらの走査線駆動回路部303、及びデータ線駆動回路部304は、例えば、予め素子基板301の表面に低温ポリシリコンの半導体層を形成して構成する。
有機EL素子307の配列としては、例えば、ストライプ配列、モザイク配列、デルタ配列等が知られている。ストライプ配列は、図17(a)に示したように、マトリクスの縦列が全て同色の有機EL素子307になる配列である。モザイク配列は、図17(b)に示したように、横方向の各行ごとに有機EL素子307一つ分だけ色をずらした配列で、3色有機EL表示装置の場合、縦横の直線上に並んだ任意の3つの有機EL素子307が3色となる配列である。そして、図17では図示省略したデルタ配列は、有機EL素子307の配置を段違いにし、3色有機EL表示装置の場合、任意の隣接する3つの有機EL素子307が異なる色となる配列である。
次に、有機EL表示装置300の有機EL素子307の構成について説明する。図18は、有機EL表示装置の有機EL素子を含む要部の断面図である。図18に示すように、素子基板301は、ガラス基板310と、ガラス基板310の一方の表面上に形成された複数のスイッチング素子312と、スイッチング素子312を覆うように形成された絶縁層311と、絶縁層311上に形成されており、導通層314aを介してスイッチング素子312と導通している複数の画素電極314と、複数の画素電極314の間に形成された隔壁315と、を有する。さらに、隔壁315によって区画された領域(以降、「画素領域321」と表記する。)の画素電極314上に形成された正孔輸送層316と、正孔輸送層316上に積層して形成された発光層317と、発光層317および隔壁315を覆うように設けられた対向電極318と、を有する。有機EL表示装置300は、素子基板301の対向電極318に対向して封止基板309が配置され、対向電極318と封止基板309との間に不活性ガス320が封入されている。隔壁315によって区画された領域の画素電極314上に形成された正孔輸送層316、発光層317、対向電極318が、有機EL素子307に該当する。
画素領域321に、赤色、緑色、又は青色の光をそれぞれ発光する、赤色発光層317R(赤色系)、緑色発光層317G(緑色系)、又は青色発光層317B(青色系)を形成することで、赤色素子307R、緑色素子307G、又は青色素子307Bを形成する。赤色素子307R、緑色素子307G、青色素子307Bを各1個ずつ含む有機EL素子307の組で、画像を構成する最小単位である絵素を形成している。1絵素内の赤色素子307R、緑色素子307G、青色素子307Bのいずれか1つ又はそれらの組合せを選択的に発光させることにより、フルカラー表示を行う。
<有機EL素子の製造>
次に、有機EL表示装置300の素子基板301における、有機EL素子307を構成する正孔輸送層316及び発光層317の形成工程について、図19及び図20を参照して説明する。図19は素子基板の正孔輸送層及び発光層の形成工程を示すフローチャートであり、図20(a)乃至(e)は素子基板の正孔輸送層及び発光層の形成工程を示す模式断面図である。
図19のステップS21では、図20(a)に示すように、スイッチング素子312と、絶縁層311と、導通層314aと、画素電極314とが形成されたガラス基板310の表面に、隔壁315を形成する。隔壁315は、例えば、ガラス基板310の表面に隔壁315の材料を含む機能液を塗布し、乾燥させて隔壁膜を形成し、フォトエッチングなどで画素領域321などの部分を取り除くことで、形成する。
次に、図19のステップS22では、隔壁315が形成されたガラス基板310を洗浄する。
次に、ステップS23では、隔壁315が形成され洗浄されたガラス基板310を、配置された機能液が馴染み易くなるように、表面処理する。隔壁315に囲まれた画素領域321の底部と、隔壁315の側面とが、正孔輸送層316を形成する正孔輸送層形成材料を含む機能液である正孔輸送層材料液560に対して親液性となるように処理し、隔壁315の頂部は正孔輸送層材料液560に対して撥液性となるように処理する。この処理によって、画素領域321に充填されるべく配置された正孔輸送層材料液560が画素領域321に馴染み易くなると共に、画素領域321から溢れ出し難くなる。
次に、ステップS24では、正孔輸送層材料液560を配置する。図20(b)に示すように、隔壁315によって形成された複数の画素領域321のそれぞれに正孔輸送層316の材料を含む正孔輸送層材料液560を液滴吐出ヘッド17から液滴560aとして吐出し、画素領域321に正孔輸送層材料液560を配置する。
より具体的には、正孔輸送層316を形成する画素領域321に順次液滴吐出ヘッド17の吐出ノズル78が対向するように位置決めし、正孔輸送層材料液560を液滴560aとして吐出して、画素領域321に着弾させる。画素領域321に所定の量の正孔輸送層材料液560を着弾させて、ステップS24の正孔輸送層材料液配置工程を終了する。
次に、図19のステップS25では、画素領域321に正孔輸送層材料液560が配置されたガラス基板310を減圧環境に投入し、正孔輸送層材料液560を乾燥させて、正孔輸送層316を形成する。なお、正孔輸送層材料液560は、厳密には、液滴吐出ヘッド17から液滴560aとして吐出された瞬間から乾燥を開始するが、正孔輸送層材料液560の溶媒の沸点などを調節することで、例えば、着弾して画素領域321に濡れ広がったところで流動しない程度に固まるようにすることができる。ステップS25を終了して、図20(c)に示すように、正孔輸送層316が形成される。
次に、図19のステップS26では、発光層材料液570を配置する。図20(d)に示したように、正孔輸送層316が形成された複数の画素領域321のそれぞれに発光層317の材料を含む発光層材料液570を液滴吐出ヘッド17から液滴570aとして吐出し、画素領域321の正孔輸送層316の上に発光層材料液570を配置する。勿論、異なる色の各発光層317が形成される各画素領域321に対しては、異なる発光層材料を含む発光層材料液570を吐出する。例えば、上述した3色の発光層によるカラー表示(図17参照)であれば、赤色、緑色、又は青色の光を発光する、赤色発光層317R(赤色系)、緑色発光層317G(緑色系)、又は青色発光層317B(青色系)をそれぞれ形成するべき画素領域321に向けて、それぞれの発光層317を形成する発光層形成材料を含む発光層材料液570R、発光層材料液570G、又は発光層材料液570Bを液滴吐出ヘッド17から吐出する。
なお、正孔輸送層材料液560が画素領域321に馴染み易くなると共に画素領域321から溢れ出し難くなるようにステップS23で実行した表面処理が、発光層材料液570については有効でない場合には、ステップS26を実行する前に、ステップS23で実行した処理と同様の表面処理を実行する。勿論、この場合に実行する処理は、発光層材料液570が画素領域321に馴染み易くなると共に画素領域321から溢れ出し難くなるようにする表面処理である。
発光層材料液570R、発光層材料液570G、又は発光層材料液570Bをそれぞれ配置するべきそれぞれの画素領域321に、所定の量の発光層材料液570R、発光層材料液570G、又は発光層材料液570Bを着弾させて、ステップS26の発光層材料液配置工程を終了する。
次に、ステップS27では、画素領域321に発光層材料液570が配置されたガラス基板310を減圧環境に投入し、発光層材料液570を乾燥させて、発光層317を形成する。なお、発光層材料液570は、厳密には、液滴吐出ヘッド17から液滴として吐出された瞬間から乾燥を開始するが、発光層材料液570の溶媒の沸点などを調節することで、例えば、着弾して画素領域321に濡れ広がったところで流動しない程度に固まるようにすることができる。ステップS27を終了して、図20(e)に示すように、発光層317が形成される。
図20(e)に示すように、発光層317を形成して、正孔輸送層316及び発光層317の形成工程を終了する。さらに、対向電極318を形成する工程を実行して、素子基板301を形成する。さらに、封止基板309を取付け、上述した中継基板308等を実装して、有機EL表示装置300を形成する。
<機能液配置−3>
次に、液滴吐出装置が有する液滴吐出ヘッド17から機能液を吐出して、機能膜区画に機能液を配置する工程の他の例について、図21を参照して説明する。本工程の例は、表示領域306の画素領域321に正孔輸送層材料液560を配置する工程である。図21は、機能液を配置する工程における画素領域と吐出を実行する液滴吐出ヘッドの配置との関係を示す説明図である。図21(a)は、ヘッドユニット群の概略構成を示す平面図であり、図21(b)は、マザー素子基板を示す平面図である。
《ヘッドユニット群》最初に、ヘッドユニット群150について説明する。図21(a)に示したように、ここで説明する液滴吐出装置のヘッド機構部は、ヘッドユニット151を9個有するヘッドユニット群150を備えている。ヘッドユニット151は、上述したヘッドユニット21と同様の構成であって、9個の液滴吐出ヘッド17を備えている。9個のヘッドユニット151は、上述したY軸テーブル12と同様のY軸テーブルによってY軸方向に移動させることで、液滴吐出ヘッド17をY軸方向に自在に移動させる。また、移動した位置に保持する。9個のヘッドユニット151の移動又は保持は、それぞれのヘッドユニット151ごとに独立して行うことも可能であり、2乃至9個を一体にして行うことも可能である。これにより、ヘッドユニット151間のY軸方向の距離を調整することができる。図21(a)に示したX軸及びY軸は、ヘッドユニット21が液滴吐出装置1に取り付けられるのと同様にヘッドユニット群150が液滴吐出装置に取り付けられた状態において、図1に示したX軸及びY軸と同様の方向を示している。
上述したように、一つのヘッドユニット21が備える3つのヘッド組62における9個の液滴吐出ヘッド17が有する18本のノズル列78Aは、1本のユニットノズル列として扱うことができる。ヘッドユニット151においても同様に、1本のユニットノズル列として扱うことができる。
ヘッドユニット群150において、隣り合うヘッドユニット151は、それぞれのユニットノズル列が、互いにY軸方向に、ユニットノズル列における1ノズルピッチ(ノズル列78Aにおけるノズルピッチの1/2)の間隔を隔てて配置されるように位置することが可能である。1ノズルピッチの間隔は、より正確には、隣り合うユニットノズル列の端の吐出ノズル78どうしの中心間距離が1ノズルピッチとなる間隔である。ヘッドユニット151は、当該間隔まで近接させて配置できることが、ヘッドユニット21と異なっている。
ヘッドユニット群150が備える9個のヘッドユニット151を一体にして移動させることで、9個のヘッドユニット151における81個の液滴吐出ヘッド17が有する162本のノズル列78Aは、1本のノズル列として扱うことができる。当該ノズル列を、「ユニット群ノズル列152」と表記する。ユニット群ノズル列152は、例えば180個の162倍、29160個の吐出ノズル78を有し、Y軸方向におけるノズルピッチは、70μmであり、Y軸方向の両端の吐出ノズル78の中心間距離(ノズル列長さ)は、約2041.1mmである。即ち、一つのヘッドユニット群150の吐出ノズル78から一滴ずつ吐出させて、X軸方向が同じ位置になるように着弾させると、29160個の点が70μmのピッチ間隔で連なる直線が形成される。
《マザー素子基板》次に、マザー素子基板310Aについて、説明する。素子基板301は、分割されることによってガラス基板310となるマザー素子基板310Aの上に上述した有機EL素子307などを形成した後、マザー素子基板310Aを個別の素子基板301(ガラス基板310)に分割して形成される。図21(b)には、ガラス基板310となる部分及び表示領域306が形成される部分を示している。図21(b)に示すように、マザー素子基板310Aからは、25個の素子基板301が形成される。なお、本実施形態においては、マザー素子基板310Aの上の表示領域306に有機EL素子307などを形成したものや、有機EL素子307などを形成する途中の状態のものも、マザー素子基板310Aと表記する。
マザー素子基板310Aにおけるガラス基板310となる部分及び表示領域306の位置は、表示領域306のY軸方向における配設ピッチが、表示領域306に形成される画素領域321のY軸方向の領域ピッチの整数倍となる位置に設定されている。
マザー素子基板310Aのガラス基板310となる領域にかからない位置には、図示省略したアライメントマークが形成されている。アライメントマークは、有機EL素子307などを形成する諸工程を実行するためにマザー素子基板310Aを、液滴吐出装置などの製造装置に取り付ける際などに位置決め用の基準マークとして用いられる。
《マザー素子基板への機能液の配置》次に、ヘッドユニット群150を用いて、マザー素子基板310Aの画素領域321に正孔輸送層材料液560を配置する工程について説明する。図21(a)及び図21(b)に示すように、Y軸方向において、ヘッドユニット群150が有するユニット群ノズル列152の長さは、マザー素子基板310AにおいてY軸方向に5個が配列されている画素領域321の幅より長くなっている。このため、一回の吐出走査で、マザー素子基板310Aの上に25個が配列されている画素領域321の全てに正孔輸送層材料液560を配置することが可能である。
例えば、上述した<機能液配置>において説明したように、4回の吐出走査によって、画素領域321に、所定量の正孔輸送層材料液560が配置される。この場合、副走査における相対移動量を適宜定めることで、4回の吐出走査及び3回の副走査を実施して、マザー素子基板310Aの上の全ての画素領域321に、所定量の正孔輸送層材料液560が配置される。この条件を満たす副走査における相対移動量は、3回の副走査における相対移動量とマザー素子基板310A上の5個の画素領域321のY軸方向の幅とを加えた値がユニット群ノズル列152の長さを超えない値である。これにより、マザー素子基板310A上の全ての画素領域321が、上述した<機能液配置>において説明した一個所の区画走査領域に入り、一回の区画走査でマザー素子基板310Aの上の全ての画素領域321に、所定量の正孔輸送層材料液560が配置される。一回の区画走査に含まれる3回の副走査における相対移動量は、それぞれ画素領域321のY軸方向の配設ピッチである領域ピッチの整数倍である。
一回の区画走査で全ての画素領域321に、所定量の正孔輸送層材料液560が配置されるため、次の区画走査領域に臨む位置まで相対移動させる区画副走査は実施しない。したがって、副走査における相対移動量は、全ての副走査において領域ピッチの整数倍である。
このように、ヘッドユニット群150を用いてマザー素子基板310Aの画素領域321に正孔輸送層材料液560を配置する場合には、副走査における相対移動量は、全ての副走査において領域ピッチの整数倍である。
<機能液配置−4>
次に、液滴吐出装置が有する液滴吐出ヘッド17から機能液を吐出して、機能膜区画に機能液を配置する工程の他の例について、図22を参照して説明する。本工程の例は、表示領域306の画素領域321に発光層材料液570を配置する工程である。図22は、発光層材料液を配置する工程における表示領域と吐出を実行する液滴吐出ヘッドの配置との関係を示す説明図である。図22(a)は、ヘッドユニットの概略構成を示す平面図であり、図22(b)は、表示領域における区画走査領域を示す平面図であり、図22(c)は、区画走査領域ごとの吐出を実施するヘッド組の表である。
図22(a)に示したヘッドユニット160Aは、3個のヘッド組ユニット160を備えている。ヘッド組ユニット160は、キャリッジプレート161と、キャリッジプレート161に搭載された3個の液滴吐出ヘッド17と、を有している。当該3個の液滴吐出ヘッド17は、ヘッドユニット21におけるヘッド組62に相当し、ヘッドユニット21における1組のヘッド組62における3個の液滴吐出ヘッド17と同じ位置関係及び取付け構造で、キャリッジプレート161に固定されている。ヘッド組ユニット160は、上述したY軸テーブル12と同様のY軸テーブルによってY軸方向に移動させることで、液滴吐出ヘッド17をY軸方向に自在に移動させる。また、移動した位置に保持する。図22(a)に示したX軸及びY軸は、ヘッドユニット21が液滴吐出装置1に取り付けられた状態と同様にヘッドユニット160Aが液滴吐出装置に取り付けられた状態において、図1に示したX軸及びY軸と一致している。
ヘッドユニット160Aは、3色のカラーフィルタに対応する3種類の機能液を配置する構成であって、3個のヘッド組ユニット160は、それぞれ赤色ヘッド組162Rを備えるヘッド組ユニット160Rと、緑色ヘッド組162Gを備えるヘッド組ユニット160Gと、青色ヘッド組162Bを備えるヘッド組ユニット160Bと、である。
赤色ヘッド組162Rは、赤色発光層317Rを形成する材料を含む発光層材料液570Rを吐出する赤色吐出ヘッド171Rで構成されている。赤色ヘッド組162Rは、3個の赤色吐出ヘッド171Rを備えている。緑色ヘッド組162Gは、緑色発光層317Gを形成する材料を含む発光層材料液570Gを吐出する緑色吐出ヘッド171Gで構成されている。緑色ヘッド組162Gは、3個の緑色吐出ヘッド171Gを備えている。青色ヘッド組162Bは、青色発光層317Bを形成する材料を含む発光層材料液570Bを吐出する青色吐出ヘッド171Bで構成されている。
上述したように、ヘッドユニット160Aにおける赤色ヘッド組162Rを備えるヘッド組ユニット160Rと、緑色ヘッド組162Gを備えるヘッド組ユニット160Gと、青色ヘッド組162Bを備えるヘッド組ユニット160Bとは、Y軸方向に独立して移動させることも可能であり、相互の距離を調整することができる。ヘッドユニット160Aにおける赤色ヘッド組162Rと、緑色ヘッド組162Gと、青色ヘッド組162Bとの位置関係は、ヘッドユニット121における赤色ヘッド組62Rと、緑色ヘッド組62Gと、青色ヘッド組62Bとの位置関係と、Y軸方向における互いの距離を調整できることのみが異なっている。
ヘッド組ユニット160Rとヘッド組ユニット160Gとヘッド組ユニット160BとをY軸方向にそれぞれ独立して移動させる移動機構、及び移動量を制御する制御信号を出力するCPU44と制御信号にしたがって移動機構を駆動する駆動機構ドライバ40dとが、ノズル列間隔調整手段に相当する。
ヘッド組162が有するヘッド組ノズル列の両端の吐出ノズル78の中心間距離をノズル列長ULと表記する。図22(a)に示したヘッドユニット160Aにおいて、ヘッド組162が有するヘッド組ノズル列の配設ピッチをノズル列ピッチUPと表記する。
吐出走査は、赤色ヘッド組162R、緑色ヘッド組162G、又は青色ヘッド組162Bの単位で実施する。X軸方向の略同じ位置に液滴を着弾させるノズル列は、ヘッド組ユニット160が備えるヘッド組162が有するヘッド組ノズル列である。図22(b)に示すように、区画走査領域166、区画走査領域167、及び区画走査領域168は、ノズル列ピッチUPに対応した幅となる。
図22(c)に示すように、最初の区画走査1では、青色ヘッド組162Bによって区画走査領域166における青色発光層317Bを形成する画素領域321に発光層材料液570Bを配置する。
次に、区画走査2では、青色ヘッド組162Bによって区画走査領域167における青色発光層317Bを形成する画素領域321に発光層材料液570Bを配置し、緑色ヘッド組162Gによって区画走査領域166における緑色発光層317Gを形成する画素領域321に発光層材料液570Gを配置する。
次に、区画走査3では、青色ヘッド組162Bによって区画走査領域168における青色発光層317Bを形成する画素領域321に発光層材料液570Bを配置し、緑色ヘッド組162Gによって区画走査領域167における緑色発光層317Gを形成する画素領域321に発光層材料液570Gを配置し、赤色ヘッド組162Rによって区画走査領域166における赤色発光層317Rを形成する画素領域321に発光層材料液570Rを配置する。
次に、区画走査4では、緑色ヘッド組162Gによって区画走査領域168における緑色発光層317Gを形成する画素領域321に発光層材料液570Gを配置し、赤色ヘッド組162Rによって区画走査領域167における赤色発光層317Rを形成する画素領域321に発光層材料液570Rを配置する。
次に、区画走査5では、赤色ヘッド組162Rによって区画走査領域168における赤色発光層317Rを形成する画素領域321に発光層材料液570Rを配置する。
区画走査1から区画走査5を実施することによって、区画走査領域166、区画走査領域167、及び区画走査領域168における画素領域321のそれぞれに、発光層材料液570R、発光層材料液570G、又は発光層材料液570Bが配置される。
なお、ノズル列ピッチUPの大きさによっては、最初の区画走査1では、一回目、2回目、及び3回目の吐出走査においては、区画走査領域166における区画走査領域167側の画素領域321で発光層材料液570Bを配置できない画素領域321が存在し、当該画素領域321に規定量の発光層材料液570Bが配置できない場合がある。しかし、次の区画走査2の一回目、2回目、及び3回目の吐出走査において、区画走査領域167に対向するノズル列における区画走査領域166側の吐出ノズル78が当該画素領域321に対向する位置に在る。このため、当該吐出ノズル78を用いて、区画走査領域166において、区画走査1では規定量の発光層材料液570Bが配置できなかった画素領域321に対して、区画走査2において、規定量に対して不足していた発光層材料液570Bを補充することができる。他の区画走査領域167や区画走査領域168についても同様であり、発光層材料液570Bの他の発光層材料液570についても同様である。
ノズル列ピッチUPは可変であるため、ノズル列ピッチUPの大きさを、最初の区画走査1の、一回目、2回目、及び3回目の吐出走査においても、発光層材料液570を配置できない画素領域321が存在しない値に設定することもできる。
上述した<機能液配置>と同様に、上記1から5の区画走査におけける一回目の吐出走査で機能液を配置する幅を、画素領域321のY軸方向の配設ピッチである領域ピッチの整数倍とし、2から4回目の吐出走査においても発光層材料液570を配置する幅を同じ幅にすることで、区画走査領域のY軸方向の幅が、領域ピッチの整数倍となる。この場合は、近傍の吐出ノズル78の駆動状態が変動することの影響による吐出量の変動はほとんどないため、吐出ノズル78の駆動電圧などの駆動条件は、調整を実施することなく、一定の駆動条件を維持する。この場合の、区画副走査は、第一の副走査に相当し、当該区画副走査の工程は、第一の副走査工程に相当する。
上述したように、区画走査領域166、区画走査領域167、及び区画走査領域168は、ノズル列ピッチUPに対応した幅である。ノズル列ピッチUPを画素領域321のY軸方向の配設ピッチである領域ピッチの整数倍にすることで、区画走査1から区画走査5の間に実施する各区画副走査における相対移動量は、領域ピッチの整数倍となる。
このように、ヘッドユニット160Aを用いてマザー素子基板310Aの画素領域321に発光層材料液570R、発光層材料液570G、及び発光層材料液570Bを配置する場合には、副走査における相対移動量は、全ての副走査において領域ピッチの整数倍である。
以下、第二の実施形態の効果を記載する。第二の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)ヘッドユニット群150を用いて、マザー素子基板310Aの画素領域321に機能液を配置する際は、副走査における相対移動量は、全ての副走査において領域ピッチの整数倍である。これにより、吐出走査における吐出実施配列を、ユニット群ノズル列152を構成する大部分の液滴吐出ヘッド17のノズル列において、一定にすることができる。なお、吐出実施配列が一定にならないノズル列は、4回の吐出走査の中で、表示領域306間に対向するために吐出を実施しない場合がある吐出ノズル78を含むノズル列である。
(2)表示領域306のY軸方向における配設ピッチが、画素領域321の領域ピッチの整数倍となっている。これにより、副走査における相対移動量が領域ピッチの整数倍であることによって、吐出ノズル78が対向する表示領域306が変わっても、当該吐出ノズル78が対向している画素領域321における当該吐出ノズル78が臨む位置を略同一にすることができる。
(3)ヘッドユニット160Aにおける赤色ヘッド組162Rを備えるヘッド組ユニット160Rと、緑色ヘッド組162Gを備えるヘッド組ユニット160Gと、青色ヘッド組162Bを備えるヘッド組ユニット160Bとは、Y軸方向に独立して移動させることが可能であり、相互の距離を調整することができる。これにより、それぞれのヘッド組が有するヘッド組ノズル列間のノズル列ピッチを調整することができる。
(4)ノズル列ピッチUPを画素領域321のY軸方向の配設ピッチである領域ピッチの整数倍にすることで、区画走査1から区画走査5の間に実施する各区画副走査における相対移動量を、領域ピッチの整数倍にすることができる。これにより、ヘッドユニット160Aを用いてマザー素子基板310Aの画素領域321に発光層材料液570R、発光層材料液570G、及び発光層材料液570Bを配置する場合には、副走査における相対移動量を、全ての副走査において領域ピッチの整数倍にすることができる。
以上、添付図面を参照しながら好適な実施形態について説明したが、好適な実施形態は、前記実施形態に限らない。実施形態は、要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であり、以下のように実施することもできる。
(変形例1)前記実施形態においては、複数の液滴吐出ヘッド17を組合せたヘッドユニット21などのヘッドユニットを用いて印刷幅の広いノズル列を構成していたが、ノズル列を多数の液滴吐出ヘッドを用いて構成することは必須ではない。例えば、ヘッドユニット群150のユニット群ノズル列152と同等の長さのノズル列を備える単一の液滴吐出ヘッドを用いてもよい。
ノズル列を単一の液滴吐出ヘッドを用いて形成する構成は、多数の液滴吐出ヘッドを用いて形成する構成に比べて、キャリッジなどが1個ですみ、液滴吐出ヘッド相互の位置合せが不要など、ヘッドユニットの構成が簡単であり、ヘッドユニットの制御が簡単になるという利点を有する。
一方、ノズル列を複数の液滴吐出ヘッドを用いて形成する構成は、個別の液滴吐出ヘッドが小型で作りやすいという利点や、ノズル列の部分を個別の液滴吐出ヘッドの単位で交換可能であるという利点などを有する。
(変形例2)前記実施形態においては、ヘッドユニット21や、ヘッドユニット群150において、Y軸方向において隣り合う液滴吐出ヘッド17は、それぞれの一番端の吐出ノズル78が1ノズルピッチ(ノズル列78Aにおける吐出ノズル78のノズルピッチPの1/2)の中心間距離を隔てて配設される構成であった。しかし、吐出量が安定しやすい中央側の吐出ノズルを使用して、液滴吐出ヘッド単体におけるノズル列の端の幾つかの吐出ノズルは吐出させない使用方法もある。そのような使用方法を用いる場合には、使用する吐出ノズルにおける一番端の吐出ノズルが1ノズルピッチの中心間距離を隔てて配設される構成とすることが好ましい。
(変形例3)前記第二の実施形態においては、<機能液配置−3>において、ヘッドユニット群150を用いて、正孔輸送層材料液560を配置する例を説明したが、一回の区画走査で基材の全面に液状体を配置できるような長さのノズル列を用いて複数種類の液状体を並行して配置してもよい。ヘッドユニット群150を用いて、例えば赤色機能液252R、緑色機能液252G、及び青色機能液252Bを並行して配置してもよい。同一種類の機能液を吐出する単位としては、ヘッドユニット群150にあっては、隣り合う3個のヘッドユニット151や、個別のヘッドユニット151や、3個の液滴吐出ヘッド17からなるヘッド組や、個別の液滴吐出ヘッド17などを用いることができる。
同一種類の機能液を吐出する単位として、隣り合う3個のヘッドユニット151や、個別のヘッドユニット151を用いると、3個のヘッドユニット151や個別のヘッドユニット151が構成するノズル列間のノズル列ピッチを調整して、ノズル列ピッチを機能膜ピッチの整数倍にすることもできる。
(変形例4)前記実施形態においては、一回の区画走査あたり、4回の吐出走査と3回の副走査とを実施していたが、一回の区画走査あたりの吐出走査の回数は何回であってもよい。一回の吐出走査で全ての機能膜区画に充分な量の液状体を配置することが可能であって、区画副走査を必要とする機能液配置であれば、一回の区画走査あたりの吐出走査の回数は一回であっても、上述した製造方法のいずれかを適用することができる。
(変形例5)前記実施形態においては、液滴吐出ヘッド17は、一種類の機能液を吐出する構成であったが、液滴吐出ヘッドは、複数の液状体供給経路及びそれぞれの液状体供給経路が連通して液状体を供給することができるノズル列を備える構成であってもよい。
(変形例6)前記実施形態においては、液滴吐出ヘッド17は、ノズル列78Aを2列備えており、それぞれのノズル列78Aは180個の吐出ノズル78を有する構成であったが、液滴吐出ヘッドにおける吐出ノズルの構成は液滴吐出ヘッド17におけるような構成に限らない。液滴吐出ヘッドが有する吐出ノズルの数は何個であってもよいし、液滴吐出ヘッドにおける吐出ノズルの配列も、例えば1列に配列するなど、どのような配列であってもよい。
(変形例7)前記実施形態においては、液滴吐出装置1のヘッドユニット21は9個の液滴吐出ヘッド17を備えていたが、ヘッドユニットが備える液滴吐出ヘッドの数は、9個に限らない。ヘッドユニットは、何個の液滴吐出ヘッドを備える構成であってもよい。
(変形例8)前記実施形態においては、液滴吐出装置1は1個のヘッドユニット21を備えており、ヘッドユニット群150を備える液滴吐出装置は9個のヘッドユニット151を備えていたが、液滴吐出装置が備えるヘッドユニットは1個又は9個に限らない。液滴吐出装置は、何個のヘッドユニットを備える構成であってもよい。
(変形例9)前記実施形態においては、一個所の区画走査領域に対する一回の区画走査(4回の吐出走査及び3回の副走査)を全て実施してから区画副走査を実施していたが、区画副走査の間に区画走査を完結することは必須ではない。区画走査における副走査と、区画副走査とはどのような順番で実施してもよい。
例えば、最初に一回の吐出走査と区画副走査とを繰り返して、基材における全ての区画走査領域について、一回ずつ吐出走査を実施して、次に、各区画走査領域ごとに残りの吐出走査を副走査を挟んで実施する方法であってもよい。全ての区画走査領域に一旦液状体を配置することで、区画走査領域の境界に位置する機能膜区画においても、機能膜区画内の区画走査領域の境界を挟んだ位置ごとに液状体が配置される時点が異なることを抑制することができる。2分された液状体が配置された時点が異なることに起因して乾燥の進行状態が異なると、均一な膜が形成され難くなる可能性がある。
(変形例10)前記第一の実施形態においては、ノズル列における吐出を実施する吐出ノズルの配列が変わらない副走査における相対移動量として、相対移動量が機能膜ピッチとしての領域ピッチGPである例について説明したが、当該相対移動量が機能膜ピッチであることは必須ではない。ノズル列における吐出を実施する吐出ノズルの配列を変えないためには、副走査における相対移動量は、機能膜ピッチの整数倍であればよい。
(変形例11)前記実施形態においては、副走査における相対移動量は、領域ピッチの整数倍又はノズルピッチの整数倍であったが、副走査における領域ピッチの整数倍の相対移動量以外の相対移動量がノズルピッチの整数倍であることは必須ではない。副走査における領域ピッチの整数倍の相対移動量以外の相対移動量は、液状体を配置する領域に効率良く吐出ノズルを対向させることができるような相対移動量であればどのような相対移動量であってもよい。
(変形例12)前記実施形態においては、液滴吐出装置1は、マザー対向基板201Aなどを載置したワーク載置台23をX軸方向に移動させると共に、液滴吐出ヘッド17から機能液を吐出させることによって機能液を配置していた。また、ヘッドユニット21をY方向に移動することによって、マザー対向基板201Aなどに対する液滴吐出ヘッド17(吐出ノズル78)の位置を合わせこんでいた。他の例においても、吐出走査における相対移動を基材側を移動させることで実施し、副走査における相対移動をノズル列を有する液滴吐出ヘッド側を移動させることで実施していた。しかし、ノズル列を備える液滴吐出ヘッドと基材との、吐出走査における相対移動を基材を移動させることで実施することも、副走査における相対移動を液滴吐出ヘッドを移動させることで実施することも、必須ではない。
液滴吐出ヘッドと基材との吐出走査における相対移動を、液滴吐出ヘッドを吐出走査の方向に移動させることで実施してもよい。液滴吐出ヘッドと基材との副走査方向の相対移動を、基材を副走査方向に移動させることで実施してもよい。あるいは、液滴吐出ヘッドと基材との、吐出走査方向及び副走査方向の相対移動を、液滴吐出ヘッド、又は基材のどちらか一方を、吐出走査方向及び副走査方向に移動させることで実施してもよいし、液滴吐出ヘッド、及び基材の両方を、吐出走査方向及び副走査方向に移動させることで実施してもよい。
(変形例13)前記実施形態においては、液滴吐出ヘッド17は、インクジェット方式の液滴吐出ヘッドであったが、液滴吐出ヘッドがインクジェット方式の液滴吐出ヘッドであることは必須ではない。上述した電気光学装置の製造方法において用いる液滴吐出ヘッド、又は電気光学装置の製造装置が備える液滴吐出ヘッドは、インクジェット方式とは異なる方式の液滴吐出ヘッドであってもよい。
(変形例14)前記実施形態においては、液状体を配置する機能膜区画としてのフィルタ膜領域225や画素領域321は、平面視略方形状の領域であったが、液状体を配置する領域の形状が略方形状であることは必須ではない。液状体を配置する領域の形状は、方形状とは異なる多角形や、長円形や、円形や、多角形の角を曲線にした形状や、曲率が異なる複数の曲線で構成された形状や、これらの形状の一部が欠かれた形状などであってもよい。
(変形例15)前記実施形態においては、液滴吐出装置を使用して機能液を配置する対象物の一例として、電気光学装置の一例であるカラーフィルタを備える液晶表示パネル200及び有機EL表示装置300において、フィルタ膜205又は正孔輸送層316や発光層317を形成する際の描画吐出について説明した。しかし、機能液を配置する対象物の電気光学装置は、液晶装置や有機EL装置に限らない。機能液を配置する対象物の電気光学装置は、上述したような膜を有する装置、又は形成過程において上記したような膜を形成する必要がある電気光学装置であれば、どのような電気光学装置であってもよく、プラズマ型表示装置など、他の電気光学装置であってもよい。
(変形例16)前記第二の実施形態においては、有機EL素子307は、正孔輸送層316と発光層317とが、画素電極314と対向電極318とに挟まれた構成であったが、有機EL素子は、このような構成に限らない。有機EL素子は、発光層のみが画素電極と対向電極とに挟まれた構成のものや、正孔輸送層と発光層と電子輸送層とが挟まれた構成のものや、正孔輸送層と発光層と電子輸送層と正孔注入層とが挟まれた構成のものや、正孔輸送層と発光層と電子輸送層と正孔注入層と電子注入層とが挟まれた構成のものなどが知られている。前記実施形態に記載した電気光学装置の製造方法及び電気光学装置の製造装置は、これらの電子輸送層や正孔注入層や電子注入層の形成にも適用することができる。
(変形例17)前記実施形態においては、液晶表示パネル200が備えるCF層208は、赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、及び青色フィルタ膜205Bの3色のフィルタ膜を有する3色フィルタであったが、カラーフィルタは、さらに多くの種類のフィルタ膜を有する多色のカラーフィルタであってもよい。多色のカラーフィルタとしては、例えば、赤色、緑色、青色に加えて赤色、緑色、青色の補色のシアン(青緑)、マゼンタ(紫赤)、イエロー(黄色)の有機EL素子を有する6色カラーフィルタや、シアン(青緑)、マゼンタ(紫赤)、イエロー(黄色)の3色に緑色を加えた4色カラーフィルタなどがあげられる。
(変形例18)前記第一の実施形態においては、液晶表示パネル200が備えるカラーフィルタであるCF層208について説明したが、上述した膜形成方法を用いて好適に製造できるカラーフィルタは、液晶表示装置のカラーフィルタに限らない。前記実施形態に記載した電気光学装置の製造方法及び電気光学装置の製造装置を用いることで、無色又は有色の光を発光する発光層と組合せてカラー有機EL装置を形成する有機EL装置用のカラーフィルタも好適に製造することができる。
(変形例19)前記実施形態においては、液晶表示パネル200は、駆動素子として薄膜トランジスタを用いるアクティブマトリックス方式の液晶装置であったが、駆動素子はTFT素子に限らない。他の駆動素子、例えば薄膜ダイオード(TFD(Thin Film Diode))を備える液晶装置であってもよい。液晶の配向方式は、垂直配向であっても、水平配向であってもよい。
液滴吐出装置の概略構成を示す外観斜視図。 (a)は、液滴吐出ヘッドをノズルプレート側から見た外観斜視図。(b)は、液滴吐出ヘッドの圧力室周りの構造を示す斜視断面図。(c)は、液滴吐出ヘッドの吐出ノズル部の構造を示す断面図。 ヘッドユニットの概略構成を示す平面図。 液滴吐出装置の電気的構成を示す電気構成ブロック図。 液滴吐出ヘッドの電気的構成と信号の流れを示す説明図。 (a)は、圧電素子に印加する駆動信号の駆動波形の基本波形を示す図。(b)は、駆動波形に対応した圧電素子の動作による液滴吐出ヘッドの吐出動作を示す模式断面図。 (a)は、吐出ノズルの配置位置を示す説明図。(b)は、液滴をノズル列の延在方向に直線状に着弾させた状態を示す説明図。(c)は、液滴を主走査方向に直線状に着弾させた状態を示す説明図。(d)は、液滴を面状に着弾させた状態を示す説明図。 液晶表示パネルの概略構成を示す分解斜視図。 (a)は、対向基板の平面構造を模式的に示す平面図。(b)は、マザー対向基板の平面構造を模式的に示す平面図。 3色カラーフィルタのフィルタ膜の配列例を示す模式平面図。 液晶表示パネルを形成する過程を示すフローチャート。 液晶表示パネルを形成する過程におけるフィルタ膜を形成する工程などを示す断面図。 液晶表示パネルを形成する過程における配向膜を形成する工程などを示す断面図。 機能液を配置する工程におけるフィルタ膜領域と吐出を実行する吐出ノズルの配置との関係を示す説明図。 機能液を配置する工程におけるCF層の領域と吐出を実行する液滴吐出ヘッドの配置との関係を示す説明図。 有機EL表示装置の平面構成を示す概略正面図。 有機EL素子の配列例を示す平面図。 有機EL表示装置の有機EL素子を含む要部の断面図。 素子基板の正孔輸送層及び発光層の形成工程を示すフローチャート。 素子基板の正孔輸送層及び発光層の形成工程を示す模式断面図。 機能液を配置する工程における画素領域と吐出を実行する液滴吐出ヘッドの配置との関係を示す説明図。 発光層材料液を配置する工程における表示領域と吐出を実行する液滴吐出ヘッドの配置との関係を示す説明図。
符号の説明
1…液滴吐出装置、2…ヘッド機構部、6…吐出装置制御部、17…液滴吐出ヘッド、21,120,121,151…ヘッドユニット、44…CPU、62…ヘッド組、78…吐出ノズル、141,142,143…区画走査領域、150…ヘッドユニット群、152…ユニット群ノズル列、160,160B,160G,160R…ヘッド組ユニット、160A…ヘッドユニット、162…ヘッド組、166,167,168…区画走査領域、170,172,173,174,175…液滴吐出ヘッド、200…液晶表示パネル、201…ガラス基板、201A…マザー対向基板、205…フィルタ膜、225…フィルタ膜領域、125,252…機能液、300…有機EL表示装置、301…素子基板、307…有機EL素子、310…ガラス基板、310A…マザー素子基板、316…正孔輸送層、317…発光層、321…画素領域、560…正孔輸送層材料液、570…発光層材料液、810…吐出ノズル。

Claims (13)

  1. 液状体を吐出する複数の吐出ノズルが配列されたノズル列と、機能膜が形成される機能膜区画を備える基材と、を相対移動させ、前記複数の吐出ノズルから選択的に吐出された前記液状体を前記機能膜区画に配置する電気光学装置の製造方法であって、
    前記ノズル列における吐出ノズルの配列方向と交差する方向に前記基材と前記ノズル列とを相対移動させると共に、前記吐出ノズルから選択的に前記液状体を吐出する吐出走査工程と、
    前記配列方向に前記基材と前記ノズル列とを相対移動させる副走査工程と、を有し、
    前記副走査工程の少なくとも一回は、相対移動量が、前記配列方向における前記機能膜区画の配列ピッチの整数倍である第一の副走査工程であることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  2. それぞれの前記吐出ノズルについて吐出駆動条件を設定する駆動条件設定工程をさらに有し、
    前記駆動条件設定工程では、前記第一の副走査工程の後に行う前記吐出走査工程における前記吐出駆動条件を、当該第一の副走査工程の前に行った前記吐出走査工程における前記吐出駆動条件と同じ前記吐出駆動条件に設定することを特徴とする、請求項1に記載の電気光学装置の製造方法。
  3. 前記副走査工程は、一回あたりの相対移動量が前記ノズル列における前記複数の吐出ノズルのノズルピッチの整数倍である第二の副走査工程を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の電気光学装置の製造方法。
  4. 前記駆動条件設定工程では、前記第二の副走査工程の後に行う前記吐出走査工程における前記吐出駆動条件を、当該第二の副走査工程の前に行った前記吐出走査工程における吐出駆動条件と異なる吐出駆動条件に設定することを特徴とする、請求項3に記載の電気光学装置の製造方法。
  5. 前記配列方向における複数の前記ノズル列の間隔を調整する列ピッチ調整工程をさらに有し、
    前記列ピッチ調整工程において、前記ノズル列の間隔を前記配列ピッチの整数倍に調整することを特徴とする、請求項1又は2に記載の電気光学装置の製造方法。
  6. 前記配列方向における複数の前記ノズル列の間隔を調整する列ピッチ調整工程をさらに有し、
    前記列ピッチ調整工程において、前記ノズル列の間隔を前記ノズルピッチの整数倍に調整することを特徴とする、請求項3又は4に記載の電気光学装置の製造方法。
  7. 前記電気光学装置一個に対応する電気光学パネルが複数形成されるマザーパネルを、前記副走査方向において前記電気光学パネルの機能膜形成領域を前記配列ピッチの整数倍で配設して形成することを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
  8. 液状体を吐出する複数の吐出ノズルが配列されたノズル列と、機能膜が形成される機能膜区画を備える基材と前記ノズル列とを相対移動させる移動手段と、を備え、前記複数の吐出ノズルから選択的に吐出された前記液状体を前記機能膜区画に配置する電気光学装置の製造装置であって、
    前記移動手段は、前記ノズル列における吐出ノズルの配列方向に前記基材と前記ノズル列とを相対移動させる副走査と、前記吐出ノズルから選択的に前記液状体を吐出するのにともなって前記配列方向と交差する主走査方向に前記基材と前記ノズル列とを相対移動させる吐出走査と、を行い、
    前記副走査の少なくとも一回は、相対移動量が、前記配列方向における前記機能膜区画の配列ピッチの整数倍であることを特徴とする電気光学装置の製造装置。
  9. 前記吐出走査の際に前記吐出ノズルを駆動する吐出駆動条件を設定する駆動条件設定手段をさらに備え、
    前記駆動条件設定手段は、相対移動量が前記配列ピッチの整数倍である前記副走査の前後に実行する前記吐出走査を、同じ前記吐出駆動条件に設定することを特徴とする、請求項8に記載の電気光学装置の製造装置。
  10. 前記副走査の少なくとも一回は、相対移動量が前記ノズル列における前記複数の吐出ノズルのノズルピッチの整数倍であり、
    前記駆動条件設定手段は、相対移動量が前記ノズルピッチの整数倍の副走査の前後に実行する前記吐出走査を、異なる吐出駆動条件に設定することを特徴とする、請求項8又は9に記載の電気光学装置の製造装置。
  11. 前記ノズル列を複数備え、前記配列方向における前記複数のノズル列の間隔が、前記配列ピッチの整数倍であることを特徴とする請求項8又は9に記載の電気光学装置の製造装置。
  12. 前記ノズル列を複数備え、前記配列方向における前記複数のノズル列の間隔が、前記ノズルピッチの整数倍であることを特徴とする、請求項10に記載の電気光学装置の製造装置。
  13. 前記ノズル列を複数備え、前記配列方向における前記複数のノズル列の間隔を調整するノズル列間隔調整手段をさらに備えることを特徴とする、請求項8又は9に記載の電気光学装置の製造装置。
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