JP2010097427A - 処理装置、処理方法及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】ウェイクアップ状態とスリープ状態とで適切且つ効率的に状態を移行させることを可能とし、消費電力を有効に低減させることができる処理装置、処理方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】ウェイクアップ状態時に実行される対応するアプリケーションタスクA及びBに対し、対応する又は同一の処理を行なうアプリケーションタスクA´及びB´がスリープ状態時に実行されるようにしてある。ウェイクアップ状態時に起動されるアプリケーションタスクA及びBのタスク優先度は状態管理タスクの優先度よりも高く、スリープ状態時に起動されるアプリケーションタスクA´及びB´のタスク優先度は状態管理タスクの優先度より低い。ウェイクアップ状態時は、状態管理タスクの優先度が最も低く、スリープ状態時は状態管理タスクの優先度が高くなる。
【選択図】図6
【解決手段】ウェイクアップ状態時に実行される対応するアプリケーションタスクA及びBに対し、対応する又は同一の処理を行なうアプリケーションタスクA´及びB´がスリープ状態時に実行されるようにしてある。ウェイクアップ状態時に起動されるアプリケーションタスクA及びBのタスク優先度は状態管理タスクの優先度よりも高く、スリープ状態時に起動されるアプリケーションタスクA´及びB´のタスク優先度は状態管理タスクの優先度より低い。ウェイクアップ状態時は、状態管理タスクの優先度が最も低く、スリープ状態時は状態管理タスクの優先度が高くなる。
【選択図】図6
Description
本発明は、コンピュータ装置の省電力化技術に関し、特に、コンピュータ装置のスリープ状態とウェイクアップ状態との間の切り替えを適切且つ効率的に行ない、消費電力を有効に低減させることができる処理装置、処理方法及びコンピュータプログラムに関する。
昨今では、機器の省電力化が進められている。そのため、クロック周波数の変更、又は電源電圧の低下が可能に設定されており、特に処理を行なわない間はクロック周波数を低下又は電源電圧を低下させるなどのスリープ状態への移行が可能なコンピュータ装置が普及している。
コンピュータ装置をスリープ状態へ移行させる、又はスリープ状態から、クロック周波数若しくは電源電圧が高められて所定の処理を行なうウェイクアップ状態へ移行させるための制御には種々の方法が行なわれている。
例えば、一又は複数の処理が関連付けられて一つのタスクとして実行され、複数のタスクが同時的に実行されるように構成されているコンピュータ装置で、複数のタスク全体を管理するシステムタスク又はアイドル中の処理を行なうアイドルタスクによって動作状態の移行が管理される場合がある。
システムタスクは、全タスクを管理するために優先度が最も高く設定されている。システムタスクによって状態の移行を管理する場合、ウェイクアップ状態へ移行させる際には、例えば割り込みなどのウェイクアップ要因でシステムタスク自身が起動し、起動したシステムタスクが全アプリケーションプログラムに対応するアプリケーションタスクを実行させる。またこの場合、スリープ状態へ移行させる際には、例えばシステムタスクは周期的に起動し、各アプリケーションプログラムタスクの実行状態を判定していずれのタスクも実行されていないと判断できる場合にスリープ状態へ移行させるなどのように構成される。
アイドルタスクは、常時的に起動している一方で優先度が最も低く設定されており、各アプリケーションタスクが実行されていない間に処理を実行する。アイドルタスクによって状態の移行を管理する場合、ウェイクアップ状態へ移行させる際には、例えばアイドルタスクはウェイクアップ要因を検知し、各アプリケーションタスクを起動させる。このとき、必要に応じて、即ちウェイクアップ要因の内容に応じてアプリケーションタスクを起動させる構成も考えられる。またスリープ状態へ移行させる際には、アイドルタスクは、全アプリケーションタスクがスリープ状態への移行が可能な状態となったことを検知した場合にスリープ状態へ移行させる。
図9は、アイドルタスクによって状態の移行を管理する場合の各タスクのタイムチャートである。図9は、横軸に時間の経過を示し、縦軸には各タスクにおける処理の実行開始/停止を、優先度が高い順に上から示している。図9に示す例では、アプリケーションタスクX、アプリケーションタスクY及びアイドルタスクが実行されるが、アプリケーションタスクXが最も優先度が高い。図8に示すように、t1の時点でアプリケーションタスクYのウェイクアップ要因が発生し、アイドルタスクによって検知されると、アイドルタスクによってアプリケーションタスクYの起動要求処理がなされ、アプリケーションタスクYにおける処理が実行される。次にt2の時点でアプリケーションタスクXのウェイクアップ要因が発生したとしても、アイドルタスクは処理を実行中のアプリケーションタスクYよりも優先度が低いために、アプリケーションタスクYによる処理が終了してタスクが停止するまでアプリケーションタスクXの起動要求処理を実行することができず、待機させられる。そして、t3の時点でアプリケーションタスクYによる処理が終了して初めてアイドルタスクはアプリケーションタスクXの起動要求処理を実行することができ、t4の時点でアプリケーションタスクXが起動される。
図9に示すようにアイドルタスクによって状態の移行が管理される場合、アイドルタスクがアプリケーションタスクXのウェイクアップ要因を検知したときに対応するアプリケーションタスクXを起動させようにも、他のアプリケーションタスクYが実行されているときにはアイドルタスクの優先度が最も低く設定されているためにアプリケーションタスクXの起動処理が待機させられる。そのため、ウェイクアップ要因の発生時点t2と対応するアプリケーションタスクXの起動の時点t4との間の時間差が大きくなる。
そこで、ウェイクアップ状態からスリープ状態へ、又はスリープ状態からウェイクアップ状態への状態の移行の際に、無駄な動作を可及的に減少させ、消費電力を更に低減させることができる技術が特許文献1及び2に開示されている。詳細には、複数のアプリケーションタスクが夫々スリープ状態への移行可否を通知するようにしてあり、スリープ状態とウェイクアップ状態との間の移行を管理するタスクである状態管理タスク(システムタスク)が、各アプリケーションタスクから通知を受けて各アプリケーションタスクの実行状態を判定して状態の移行を管理する。そしてこの場合、状態管理タスクは各アプリケーションタスクの実行状態を判定するために、タスクの優先度が各アプリケーションタスクの優先度よりも高く設定されている。
特開2008−107914号公報
特開2008−102830号公報
特許文献1及び2に開示されている技術により、各アプリケーションタスクよりも優先度が高い状態管理タスク(システムタスク)が、各アプリケーションタスクからの通知を受けて効率的にスリープ状態へ移行させること、及び、ウェイクアップ要因に応じて選択的にアプリケーションタスクを起動させてウェイクアップ状態へ移行させることができる。状態管理タスクの優先度が各アプリケーションタスクの優先度よりも高く設定されているために、他のアプリケーションタスクが処理を実行中であっても、ウェイクアップ要因を検知した後、迅速にアプリケーション起動させることができる。
しかしながら、優先度が各アプリケーションタスクの優先度よりも高く設定された状態管理タスクが状態の移行を管理するようにしてあるために、逆に、状態の移行処理と実際の各アプリケーションタスクにおける実行状態との間で不整合が生じる場合がある。図10は、優先度が高い状態管理タスクが状態の移行を管理する場合の各タスクのタイムチャートである。図10は、図9同様に横軸に時間の経過を示し、縦軸には各タスクにおける処理の実行開始/停止を、優先度が高い順に上から示している。図10に示す例では、アプリケーションタスクZ、アプリケーションタスクW及び状態管理タスクが実行されるが、状態管理タスクが最も優先度が高い。状態管理タスクは定期的に起動して各アプリケーションタスクZ、Wのスリープ状態へ移行可否を判断する。図10に示すように、t21の時点でアプリケーションタスクWがスリープ状態へ移行可となり、t22の時点でアプリケーションタスクZがスリープ状態へ移行可となったが、t23の時点でアプリケーションタスクWにて処理が続行されるためにスリープ状態へ移行不可とする処理を開始した場合を考える。この場合、アプリケーションタスクZのスリープ状態へ移行不可とする処理が完了する前のt24の時点で、状態管理タスクが起動する周期が到来したときには、状態管理タスクの優先度がアプリケーションタスクWの優先度よりも高いためにアプリケーションタスクWによる処理は後回しにされ、移行不可とする処理を完了することができないまま、いずれもスリープ状態へ移行可であると判断した状態管理タスクによって装置がスリープ状態へ移行される。
このように、アプリケーションタスクZ、Wがスリープ状態への移行可を通知し、状態管理タスクがスリープ状態への移行処理を行なうに際し、一のアプリケーションタスクWがスリープ状態へ移行不可とする処理を実行しようとしても、優先度の高い状態管理タスクが移行処理を続行し、前記一のアプリケーションタスクWの処理は後にされる。これにより、各アプリケーションタスクWではスリープ状態への移行不可であるにも拘わらず、装置としてスリープ状態へ移行しようとするなどの不整合が起こり得る。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、ウェイクアップ状態からスリープ状態へ、又はスリープ状態からウェイクアップ状態へのいずれの際にも、適切且つ効率的に状態を移行させることを可能とし、消費電力を有効に低減させることができる処理装置、処理方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
第1発明に係る処理装置は、複数の処理を実行する実行手段と、自身の動作を休止する休止状態へ移行させる手段とを備え、前記実行手段は、前記複数の処理夫々に予め設定された優先度に従って各処理を実行するようにしてある処理装置において、前記実行手段は、休止状態及び非休止状態の切り替えを行なう切替処理と、該切替処理よりも優先度が高い第1処理と、該第1処理と対応する処理であって前記切替処理よりも優先度が低い第2処理とを実行するようにしてあり、自身が休止状態であるか否かを判断する手段を備え、休止状態であると判断した場合に第2処理を実行し、非休止状態であると判断した場合に第1処理を実行するようにしてあることを特徴とする。
第2発明に係る処理装置は、第1処理及び第2処理は、同一の処理であることを特徴とする。
第3発明に係る処理装置は、前記実行手段は更に、第1処理及び第2処理のいずれかを選択して起動する前記第1処理よりも優先度が高い起動処理を実行するようにしてあることを特徴とする。
第4発明に係る処理方法は、複数の処理を夫々に予め設定された優先度に従って実行するようにしてあり、自身の動作を休止する休止状態へ移行させることが可能に構成してある処理装置における処理方法において、前記処理装置は、前記処理として、自身の休止状態及び非休止状態の切り替えを行なう切替処理と、該切替処理よりも優先度が高い第1処理と、該第1処理と対応する処理であって前記切替処理よりも優先度が低い第2処理とを夫々優先度に従って実行するようにしてあり、自身が休止状態であるか否かを判断し、休止状態であると判断した場合に第2処理を実行し、非休止状態であると判断した場合に第1処理を実行することを特徴とする。
第5発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、複数の処理を夫々に予め設定された優先度に従って実行させ、自身の動作を休止する休止状態へ移行させるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、前記処理として、自身の休止状態及び非休止状態の切り替えを行なう切替処理と、該切替処理よりも優先度が高い第1処理と、該第1処理と対応する処理であって前記切替処理よりも優先度が低い第2処理と自身の休止状態及び非休止状態の切り替えを行なう切替処理とを優先度に従って実行させるステップと、自身が休止状態であるか否かを判断するステップとを含み、休止状態であると判断した場合に第2処理を実行させ、非休止状態であると判断した場合に第1処理を実行させることを特徴とする。
第1発明、第4発明及び第5発明では、装置自身の動作が休止される休止状態と非休止状態との切替処理に対し、任意の第1処理の優先度が高く、第1処理に対応する第2処理の優先度が低く設定される。休止状態では切替処理よりも優先度が低い第2処理が実行されるので、切替処理が他の処理よりも優先される。一方、非休止状態では、切替処理よりも優先度が高い第1処理が選択されるので、切替処理は他の処理よりも後回しとなる。これにより、休止状態から非休止状態への切り替え要因が発生したときに、非休止状態への切り替えが他の処理よりも優先されるので迅速に行なわれる。また、非休止状態から休止状態への切り替えの際には、休止状態への切り替えが他の処理も後回しとなるので、非休止状態へ戻る処理が行われる場合に妨げとならない。
なお、第1処理、第2処理などの各処理は、処理を一又は複数含むタスクであってもよい。この場合、一又は複数の処理を一つのタスクとし、タスク単位で予め優先度が設定され、各タスクが優先度に従って実行される。この場合も、第1のタスク、切替処理を含むタスク、第2のタスクの順に優先度が高く設定されており、休止状態では切替処理を含むタスクよりも優先度が高い第2のタスクが実行され、非休止状態では切替処理を含むタスクよりも優先度が低い第1のタスクが実行される。これにより、非休止状態への切り替えが他の処理よりも優先されるので迅速に行なわれ、非休止状態から休止状態への切り替えが他の処理も後回しとなるので、非休止状態へ戻る処理が行われる場合に妨げとならない。
第2発明では、第1発明にて休止状態時に実行される第2処理、非休止状態時に実行される第1処理は同一の処理である。同一の処理であって、優先度が切替処理よりも高い処理と低い処理とを実行可能とすることにより、休止状態時及び非休止状態時のいずれでも適切、且つ迅速な状態の切り替えが行なわれる。
第3発明では、第1発明または第2発明において、第1処理又は第2処理のいずれかを選択して起動する起動処理が、他の処理よりも優先度が高い。これにより、休止状態から非休止状態への切り替え処理が迅速に行なわれた場合に、他に優先して第1処理の実行が迅速に開始される。また同様に、非休止状態から休止状態への切り替え処理が他の処理を妨げずに適切に行われた場合も、第2処理の実行が迅速に開始され、効率的となる。
本発明による場合、休止状態(スリープ状態)では休止状態から非休止状態(ウェイクアップ状態)への切り替えが優先されて迅速に行われると共に、非休止状態では、非休止状態から休止状態への切り替えが他の処理の妨げになることが回避されるので、状態の移行を適切に、且つ効率化とすることを可能とし、消費電力を有効に低減させることができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
なお、以下に示す実施の形態では、本発明に係る処理装置をマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)に適用した場合を例に説明する。更に詳細には、以下の実施の形態では車両に搭載されて種々の制御を行なうECU(Electronic Control Unit)のマイコンにおける処理に適用した例を示す。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1におけるマイコンの構成を示すブロック図である。マイコン1は、CPU10、RAM(Random Access Memory)11、ROM(Read Only Memory)12、及びI/O(Input/Output)部13を含んで構成される。
図1は、実施の形態1におけるマイコンの構成を示すブロック図である。マイコン1は、CPU10、RAM(Random Access Memory)11、ROM(Read Only Memory)12、及びI/O(Input/Output)部13を含んで構成される。
CPU10は、ROM12に記憶されている各プログラムを読み出して実行することにより、マイコン1を特定の処理を行なうハードウェアとして動作させる。具体的には、CPU10は、ROM12に記憶されている制御プログラム1P及びアプリケーションプログラム121を読み出して実行することにより、RAM11と協働してI/O部13を介して接続される外部機器の制御を行なう。例えば、実施の形態1におけるマイコン1が搭載されるECUがボディ系のECUである場合、ヘッドライト、又はルームライト等が接続されており、マイコン1の制御によってライトのオン/オフが切り替えられる。
RAM11は、SRAM(Static Random Access Memory)又はDRAM(Dynamic Random Access Memory)等のデータの書き換えが可能で且つ高速にアクセスすることが可能なメモリを利用する。RAM11には、CPU10にて実行される各種プログラムが読み出されて記憶されると共に、CPU10による演算処理の過程で発生するデータが一時的に記憶される。
ROM12は、フラッシュメモリ、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等の読み出し時にデータが失われないメモリを利用する。ROM12には、CPU10が読み出して実行する制御プログラム1Pが記憶されている。また、ROM12にはECUの制御機能を実現する種々のアプリケーションプログラム121,121,…が記憶されている。また、ROM12にはCPU10が参照するタスクテーブル122が記憶されている。タスクテーブル122の詳細については後述にて説明する。
I/O部13は、外部からの信号入力を受け付けると共に、外部への信号出力を実現する複数の端子を含むインタフェースである。A/D変換、D/A変換機能を有している構成としてもよい。例えば、I/O部13には、マイコン1の制御に用いられるデータを取得する測定器、センサ等が接続される。CPU10は、I/O部13により取得されるデータを用いて制御が可能である。また、I/O部13にはネットワークコントローラが接続され、CPU10はネットワークを介して送受信されるデータを取得することが可能であってもよい。I/O部13にはマイコン1による制御対象である各種負荷、又はアクチュエータが接続されており、マイコン1はI/O部13により制御信号を制御対象へ出力する。
また、マイコン1は図示しないクロックからのクロック信号に同期して処理を行なうように構成されているが、特段処理を実行しなくてもよい場合にはクロックの周波数を低減することが可能に構成されている。又は、図示しない電源回路にて供給電圧を下げることが可能に構成されていてもよい。マイコン1は、クロックの周波数の低減又は供給電圧の低下させる処理を行なうことによって、消費電力が通常時よりも少ないスリープ状態へ移行することが可能に構成されている。例えば、実施の形態1におけるマイコン1が搭載されるECUがボディ系のECUである場合、イグニッションスイッチがオフであって車両が停止している間も、イグニッションスイッチがオフにされた直後はルームランプを点灯させる処理、ドアが開けられた際にルームランプを点灯させる処理などが必要となるから、ECUのマイコンは完全に電力が供給されない状態にあるわけではなくスリープ状態にある。
上述のように構成されるマイコン1にて、制御プログラム1Pに基づき実行されるソフトウェア的処理について説明する。図2は、実施の形態1におけるマイコン1によって実行されるソフトウェア構成を模式的に示す説明図である。図2中の各矩形は、CPU10が制御プログラム1Pを読み出すことによって実行される処理単位(タスク)を示す。
マイコン1のCPU10は、ROM12から制御プログラム1Pを読み出して実行することにより、システムタスク101、状態管理タスク102を実行させ、更に、ROM12からアプリケーションプログラム121,121,…を読み出して実行することにより、各アプリケーションタスクA20,B30,…を実行させる。アプリケーションタスクA20,B30は夫々、詳細な処理、機能毎に分割されるアプリケーションモジュールA−1〜A−N(201,…,20n),アプリケーションモジュールB−1〜B−N(301,…,30n)を実行するように設計されている。
実施の形態1におけるマイコン1が制御プログラム1Pを読み出して実行することにより、各アプリケーションタスクA20,B30,…と夫々同一のアプリケーションモジュールA−1〜A−N(201,…,20n),アプリケーションモジュールB−1〜B−N(301,…,30n)を実行するアプリケーションタスクA´21,B´31が実行可能である。アプリケーションタスクA20とアプリケーションタスクA´21とは、後述するように設定される優先度が異なるだけで、同一の処理を実行するタスクである。なお、アプリケーションタスクA20とアプリケーションタスクA´21とは、完全に同一の処理を実行するように構成されていなくともよい。後述するように、アプリケーションタスクA´21はスリープ状態時に起動されるので、一部の処理が省略されているなど、スリープ状態時用に一部異なって構成されていてもよい。同様に、アプリケーションタスクB30とアプリケーションタスクB´31とは同一、又は対応する処理を実行するタスクである。
システムタスク101は、各アプリケーションタスクA20,B30,…,A´21,B´31,…を選択して起動し、マイコン1全体の処理を制御する。詳細にはシステムタスク101は、マイコン1がスリープ状態であるか否か、即ちスリープ状態であるか非スリープ状態(ウェイクアップ状態)であるかを判断し、非スリープ状態である場合には図2中実線にて示すようにアプリケーションタスクA20,B30,…を選択して起動し、スリープ状態である場合には図2中破線にて示すようにアプリケーションタスクA´21,B´31,…を選択して起動する。
状態管理タスク102は、各アプリケーションタスクA20,B30,…,A´21,B´31,…の実行状態を判定する処理、及び各実行状態に基づくマイコン1全体におけるスリープ状態とウェイクアップ状態との間での移行切り替えを行なう。
なお、システムタスク101、状態管理タスク102、各アプリケーションタスクA20,B30,…,A´21,B´31,…などの各タスクには、ROM12に記憶されているタスクテーブル122にて優先度が予め設定されている。図3は、実施の形態1におけるROM12に記憶されるタスクテーブル122の内容例を示す説明図である。図3の説明図に示す内容例では、各タスクを識別するための名称に対し、タスク優先度が対応付けられている。図3の内容例では、タスク優先度は数字が大きいほど優先度が高いことを示している。
図3に示すように、同一の処理を行なうように設計されているアプリケーションタスクA20,B30,…とアプリケーションタスクA´21,B´31,…とでは、非スリープ状態時に起動されるアプリケーションタスクA20,B30,…の優先度がより高く設定されている。更に、各タスクの実行状態を判定してマイコン1全体におけるスリープ状態とウェイクアップ状態との間での移行切り替えを行なう状態管理タスク102の優先度は、非スリープ状態時に起動されるアプリケーションタスクA20,B30,…の優先度よりも低く、スリープ状態時に起動されるアプリケーションタスクA´21,B´31,…の優先度よりも高くなるように設定されている。
また、図3に示す内容例では、システムタスク101の優先度は最も高く設定されており、他のタスクに優先してアプリケーションタスクA20,B30,…,A´21,B´31,…の起動処理が行なわれるようにしてある。
CPU10は、各タスクにおける処理を優先度に従って実行する。つまり、優先度がより高いタスクは、他のタスクにおける処理中であっても割り込みをかけて処理を実行するようにしてある。図3に示すように優先度が設定され、スリープ状態であるか否かによって実行されるアプリケーションタスクA20,B31,…,A´21,B´31,…が選択されることにより、非スリープ状態時には各アプリケーションタスクA20,B30,…よりも状態管理タスク102の優先度が最も低くなり、スリープ状態時には各アプリケーションタスクA´21,B´31,…よりも状態管理タスク102の優先度が高くなる。
システムタスク101は、I/O部13を介して取得される情報、具体的には測定器、センサ、又は外部スイッチの情報に応じて各アプリケーションタスクA20,B30,…,A´21,B´31,…を起動させる。いずれのアプリケーションタスクA20,B30,…,A´21,B´31,…を起動するかは、CPU10がシステムタスク101として動作することにより、I/O部13を介して取得される情報に対応して選択する。特に、マイコン1の状態をスリープ状態からウェイクアップ状態へ移行させる要因となるウェイクアップ要因が検知された場合には、状態管理タスク102は状態を移行させると共にシステムタスク101に通知して対応するアプリケーションタスクA20,B30,…,A´21,B´31,…のいずれかを起動させる。ウェイクアップ要因は、ROM12にテーブルとして記憶されており、CPU10によって参照可能であってもよいし、制御プログラム1Pに組み込まれていてもよい。
図4は、実施の形態1におけるウェイクアップ要因の内容例を示す説明図である。図4に示すように、要因1、要因2、…に対し、起動させるアプリケーションタスクA20(A´21),B30(B´31),…が対応付けられている。ウェイクアップ要因が発生した場合には、状態管理タスク102によって検知され、システムタスク101に通知されるとする。
図4に示す内容例の場合、システムタスク101は、要因1が発生したとき、例えばスリープ状態へ移行後100ミリ秒が経過したときには、アプリケーションタスクA20(A´21)は起動させずに、アプリケーションタスクB30(B´31)を起動させる。特に、スリープ状態である場合にはシステムタスク101は、アプリケーションタスクB´31を起動させる。なお、スリープ状態時に要因1が発生して状態管理タスク102がこれを検知したとしても、状態管理タスク102によりウェイクアップ状態へは移行されない。要因1が発生した場合には、アプリケーションタスクA20(A´21)は起動されず、以後にアプリケーションタスクA20(A´21)を起動させるウェイクアップ要因が発生した場合に迅速にこれを検知してするため、状態管理タスク102の優先度が高く保たれている必要がある。一方、システムタスク101は、要因2が発生したとき、例えばイグニッションスイッチがオンとなったときには、全てのアプリケーションタスクA20,B30,…を起動させる。要因2が発生したときには状態管理タスク102は、全てのアプリケーションタスクA20,B30,…を起動させる要因であるので、ウェイクアップ状態へ移行させる。
このように構成されるマイコン1のCPU10がシステムタスク101及び状態管理タスク102として、状態の切り替え処理及び各タスクの起動処理を行なう手順についてフローチャートを参照して説明する。
図5は、実施の形態1におけるマイコン1のCPU10による状態の切り替え処理及び各タスクの起動処理の手順の一例を示すフローチャートである。CPU10は、ROM12に記憶されている制御プログラム1PをRAM11に読み出して実行することにより、以下に示す処理を実行する。なお、以下に示す処理手順は、マイコン1が搭載されるECUにバッテリーなどの電源供給装置から電力が供給され、マイコン1自体がリセットされた時点で開始される。そして、マイコン1が再度リセットされるか、又は電源供給装置からの電力の供給が完全に停止されるまで続行される。リセット時は、全アプリケーションタスクA20,B30,…が起動されてウェイクアップ状態となる。
CPU10はウェイクアップ状態時に、状態管理タスク102としての動作により、ウェイクアップ状態で実行されている全アプリケーションタスクA20,B30,…がスリープ移行可であることを通知したか否かを判断する(ステップS1)。CPU10は、全アプリケーションタスクA20,B30,…がスリープ移行可であることを通知してはいないと判断した場合(S1:NO)、処理をステップS1へ戻し、ウェイクアップ状態における処理を続行させる。
CPU10は、全アプリケーションタスクA20,B30,…がスリープ移行可であることを通知したと判断した場合(S1:YES)、マイコン1の動作状態をスリープ状態へ移行させる(ステップS2)。具体的には、CPU10は、図示しないクロックへクロック周波数を下げるように変更指示を与えるか、又は図示しない電源回路へ電圧値を低減させるべく指示を与えるなどの処理を行なう。
CPU10はスリープ状態へ移行後、状態管理タスク102としての動作によりウェイクアップ要因を検知したか否かを判断する(ステップS3)。CPU10は、ウェイクアップ要因を検知していないと判断した場合(S3:NO)、処理をステップS3へ戻してウェイクアップ要因を検知したと判断するまで待機する。CPU10はステップS3にてウェイクアップ要因を検知していないと判断した場合(S3:NO)、例えば10ミリ秒などの一定期間待機してから、状態管理タスク102として自身を起動させてステップS3へ処理を戻すようにしてもよい。システムタスク101としても定期的に、ステップS3のウェイクアップ要因が発生しているか否かの判断処理を行なうようにしてもよい。
CPU10は、状態管理タスク102としての動作によりステップS3にてウェイクアップ要因を検知したと判断した場合(S3:YES)、検知したウェイクアップ要因に応じてウェイクアップ状態へ移行するか否かを判断する(ステップS4)。CPU10は、例えばステップS3にて検知したと判断したウェイクアップ要因が図4に示す要因1である場合には、ウェイクアップ状態へ移行しないと判断し、図4に示す要因2である場合には、ウェイクアップ状態へ移行すると判断する。
CPU10は、ステップS3にてウェイクアップ要因を検知したが、そのウェイクアップ要因によってステップS4にてウェイクアップ状態へ移行しないと判断した場合(S4:NO)、スリープ状態のままとし、システムタスク101の動作により、スリープ状態時において対応するアプリケーションタスクA´21,B´31,…の内のいずれかを選択して起動し(ステップS5)、処理をステップS3へ戻す。このとき依然としてマイコン1の動作状態はスリープ状態である。
CPU10は、ステップS3にてウェイクアップ要因を検知し、そのウェイクアップ要因によってステップS4にてウェイクアップ状態へ移行すると判断した場合(S4:YES)、ウェイクアップ状態へ移行する(ステップS6)。具体的には、CPU10は、図示しないクロックへクロック周波数を上げるように変更指示を与えるか、又は図示しない電源回路へ電圧値を上昇させるべく指示を与えるなどの処理を行なう。そしてCPU10は、システムタスク101の動作により、ウェイクアップ状態時において対応するアプリケーションタスクA20,B30,…の内のいずれかを選択して起動し(ステップS7)、ウェイクアップ状態へ移行したので処理をステップS1へ戻して処理を継続する。
図5のフローチャートに示した処理は上述したように、マイコン1が再度リセットされるか、又は電源供給装置からの電力の供給が完全に停止されるまで続行される。
図5のフローチャートに示した処理を行なうことにより、スリープ状態時は状態管理タスク102の優先度が他のアプリケーションタスクA´21,B´31,…よりも高くなり、ウェイクアップ要因を検知した場合のシステムタスク101によるアプリケーションタスクの起動処理は迅速に行なわれる。一方、ウェイクアップ状態時は、状態管理タスク102の優先度は他のアプリケーションタスクA20,B30,…よりも低くなり、各アプリケーションタスクA20,B30,…がいずれも完全にスリープ移行可の状態とならない限り、スリープ状態への移行処理は行なわれない。
次に、図5のフローチャートに示したようにCPU10が、状態管理タスク102及びシステムタスク101としての動作により、状態の移行の切り替えを行ない、状態に応じて優先度が異なるタスクを選択して起動する処理を具体例を挙げて説明する。図6は、実施の形態1におけるマイコン1のCPU10によって実行される各タスクの処理を示すタイムチャートである。横軸に時間の経過を示し、縦軸には各タスクにおける処理の実行開始/停止を、優先度が高い順に上から示している。なお説明図の下部には時間の経過に応じて移行されるマイコン1の動作状態を示す。
図6に示す例では、ウェイクアップ状態時にアプリケーションタスクA20,B30が実行されており、いずれのタスクからもスリープ状態へ移行可を示す「SleepOK」が通知されている。状態管理タスク102は定期的に各アプリケーションにおける実行状態を判断し、t1の時点の周期で、アプリケーションタスクA20,B30のいずれからも「SleepOK」の通知がされていることを検知し、動作状態をスリープ状態へ移行させる。
その後、スリープ状態中の時点t2で要因1であるウェイクアップ要因が発生した場合、状態管理タスク102は当該ウェイクアップ要因を検知する。状態管理タスク102からは、システムタスク101へ要因1に対応するアプリケーションタスクの起動要求が通知される。システムタスク101は要因1に対応するアプリケーションタスクであって、スリープ状態時に選択すべきものとしてアプリケーションタスクB´31を選択して起動させ、処理を実行させる(図4参照)。なお、要因1ではウェイクアップ状態へ移行しないと判断されるから、スリープ状態のまま維持される。
アプリケーションタスクB´31における処理の実行中の時点t3に、要因2であるウェイクアップ要因が発生した場合、状態管理タスク102は当該ウェイクアップ要因を検知する。このとき、スリープ状態であるから状態管理タスク102の優先度が、アプリケーションタスクB´31の優先度よりも高い(図3参照)。したがって、アプリケーションタスクB´31における処理の実行中であっても、処理が中断されてウェイクアップ要因の発生に対し、状態管理タスク102によって迅速に検知がなされる。状態管理タスク102は、ウェイクアップ要因として要因2を検知したから、ウェイクアップ状態へ移行させると共に、システムタスク101へ要因2に対応するアプリケーションタスクの起動要求が通知される。システムタスク101は、要因2に対応するアプリケーションタスクであって、ウェイクアップ状態時に選択すべきものとしてアプリケーションタスクA20及びアプリケーションタスクB30を選択して起動させ、処理を実行させる(図4参照)。なおこのとき、アプリケーションタスクB30における処理は、アプリケーションタスクB´31にて処理を実行中であるために回避される。そしてアプリケーションタスクB´31と要因2によるアプリケーションタスクA20とでは、アプリケーションタスクA20の優先度が高いので、優先してアプリケーションタスクA20における処理が実行される。アプリケーションタスクA20における処理が終了した時点t4にて、アプリケーションタスクB´31の処理が以後、継続して実行される。
このように、実施の形態1におけるマイコン1では、状態管理タスク102の優先度が、スリープ状態時に実行される各アプリケーションタスクA´21,B´31,…の優先度よりも高く設定されているために、ウェイクアップ要因が発生したときに、他のアプリケーションタスクA´21,B´31,…が処理を実行中であっても、迅速に対応するアプリケーションタスクを起動させることができる。一方、ウェイクアップ時は、状態管理タスク102の優先度が、ウェイクアップ状態時に実行される各アプリケーションタスクA20,B30,…の優先度よりも低く設定されているために、全アプリケーションタスクA20,B30,…にてスリープ状態への移行が可となって移行処理が開始されたとしても、もしスリープ状態への移行が不可となる処理が状態管理タスク102によって行われようとするときには移行処理は中断される。このようにして、迅速に状態移行を行なうことができると共に、不整合が生じないようにする適切且つ効率的な状態移行をさせることを可能となる。したがって、消費電力を低減させるスリープ状態へ有効に移行でき、消費電力を有効に低減させることができる。
なお、実施の形態1では、マイコン1はアプリケーションタスクA20,B30,…と、アプリケーションタスクA´21,B´31,…とを夫々実行することが可能に構成した。つまり、同一の処理を実行させるタスクの優先度を、スリープ状態時と非スリープ時で状態管理タスク102に対し上下させるために、静的に用意されてある別々のタスクを実行する構成とした。OS(Operating System)が動作する構成とし、OSにより動的に優先度を変えるしくみも考えられるが、OSを介在させずに、予め異なる優先度が静的に設定された各アプリケーションタスクA20,B30,…,A´21,B´31,…を実行する構成とすることにより、ソフトウェア構造を単純化し、処理を軽量化することができる利点を有する。
(実施の形態2)
実施の形態1のマイコン1では、ウェイクアップ状態時に実行されるアプリケーションタスクA20,B30,…のいずれにも対応して、スリープ状態時にはアプリケーションタスクA´21,B´31,…が実行される構成であった。しかしながら、スリープ状態時に全てのアプリケーションタスクA20,B30,…に対応する処理が実行されることは必ずしも必要ではない。実施の形態2では、一部のアプリケーションタスクB30のみに対して、スリープ状態用のアプリケーションタスクB´31が起動可能に構成される。
実施の形態1のマイコン1では、ウェイクアップ状態時に実行されるアプリケーションタスクA20,B30,…のいずれにも対応して、スリープ状態時にはアプリケーションタスクA´21,B´31,…が実行される構成であった。しかしながら、スリープ状態時に全てのアプリケーションタスクA20,B30,…に対応する処理が実行されることは必ずしも必要ではない。実施の形態2では、一部のアプリケーションタスクB30のみに対して、スリープ状態用のアプリケーションタスクB´31が起動可能に構成される。
実施の形態2におけるマイコン1の構成は、ソフトウェア構成の一部及びROM12に記憶されるタスクテーブル122の内容が一部異なる以外は同様である。したがって、実施の形態1と共通する構成には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図7は、実施の形態2におけるソフトウェア構成を模式的に示す説明図である。図7中の各矩形は、CPU10が制御プログラム1Pを読み出すことによって実行される処理単位(タスク)を示す。実施の形態2においても、マイコン1のCPU10ににより、システムタスク101、状態管理タスク102が実行され、更にアプリケーションタスクA20,B30,…が実行される。アプリケーションタスクA20,B30は夫々、詳細な処理、機能毎に分割されるアプリケーションモジュールA−1〜A−N(201,…,20n),アプリケーションモジュールB−1〜B−N(301,…,30n)を実行するように設計されている。
実施の形態2では、CPU10はアプリケーションタスクB30と夫々同一のアプリケーションモジュールB−1〜B−N(301,…,30n)を実行するアプリケーションタスクB´31のみが実行可能である。アプリケーションタスクB30とアプリケーションタスクB´31とは同一、又は対応する処理を実行するタスクである。アプリケーションタスクA20に対応するアプリケーションタスクA´21は存在しない。スリープ状態時にアプリケーションタスクA20に対応する処理が実行されることがないように構成されているからである。
実施の形態2におけるシステムタスク101は、ウェイクアップ状態時には必要に応じてアプリケーションタスクA20,B30,…を選択して起動し、マイコン1全体の処理を制御する。そして、システムタスク101は、スリープ状態時には、図7中の破線にて示すようにアプリケーションタスクB´31を選択して起動する場合がある。
図8は、実施の形態2におけるタスクテーブル122の内容例を示す説明図である。図8の説明図に示す内容例では、各タスクを識別するための名称に対し、タスク優先度が対応付けられている。タスク優先度は数字が大きいほど優先度が高いことを示している。
図8に示すように、非スリープ状態時に起動されるアプリケーションB30と同一の処理を行なうように設計されているアプリケーションタスクB´31の優先度が最も低く設定されており、次に状態管理タスク102の優先度が低い。次いで、非スリープ状態時に起動されるアプリケーションタスクA20,B30の優先度が、状態管理タスク102の優先度よりも高く設定されており、アプリケーションタスクA20の優先度がより高い。そして、システムタスク101の優先度が最も高く設定されており、他のタスクに優先してアプリケーションタスクA20,B30,…,B´31,…の起動処理が行なわれるようにしてある。
このように、実施の形態2におけるマイコン1でも、状態管理タスク102の優先度が、スリープ状態時に起動される可能性のあるアプリケーションタスクB´31の優先度よりも高く設定されているために、ウェイクアップ要因が発生したときに、アプリケーションタスクB´31,…が処理を実行中であっても、迅速に対応する他のアプリケーションタスクを起動させることができる。一方、ウェイクアップ時は、状態管理タスク102の優先度が、ウェイクアップ状態時に実行される各アプリケーションタスクA20,B30,…の優先度よりも低く設定されているために、全アプリケーションタスクA20,B30,…にてスリープ状態への移行が可となって移行処理が開始されたとしても、もしスリープ状態への移行が不可となる処理が状態管理タスク102によって行われようとするときには移行処理は中断される。このようにして、迅速に状態移行を行なうことができると共に、不整合が生じないようにする適切且つ効率的な状態移行をさせることが可能となる。したがって、消費電力を低減させるスリープ状態へ有効に移行でき、消費電力を有効に低減させることができる。
また、実施の形態2では、アプリケーションタスクA20に対応する処理は、スリープ状態時には起動されないように構成されているため、アプリケーションタスクA´21はタスクテーブル122に含まれていない。ウェイクアップ要因によっては、全アプリケーションタスクA20,B30,…が起動されず、スリープ状態のまま一部のアプリケーションタスクの処理が行なわれるのみである場合がある。このような場合、実施の形態2のように予めソフトウェア構成、及び優先度の設定が、スリープ状態時に一部のアプリケーションタスクが起動するようになされることで、より構成が単純化され、処理を効率的とすることが可能となる。
なお、上述のように開示された実施の形態1及び2はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 マイコン
10 CPU
12 ROM
1P 制御プログラム(コンピュータプログラム)
101 システムタスク(起動処理)
102 状態管理タスク(切替処理)
20,30,… アプリケーションタスクA,B,…(第1処理)
21,31,… アプリケーションタスクA´,B´,…(第2処理)
10 CPU
12 ROM
1P 制御プログラム(コンピュータプログラム)
101 システムタスク(起動処理)
102 状態管理タスク(切替処理)
20,30,… アプリケーションタスクA,B,…(第1処理)
21,31,… アプリケーションタスクA´,B´,…(第2処理)
Claims (5)
- 複数の処理を実行する実行手段と、自身の動作を休止する休止状態へ移行させる手段とを備え、前記実行手段は、前記複数の処理夫々に予め設定された優先度に従って各処理を実行するようにしてある処理装置において、
前記実行手段は、
休止状態及び非休止状態の切り替えを行なう切替処理と、
該切替処理よりも優先度が高い第1処理と、
該第1処理と対応する処理であって前記切替処理よりも優先度が低い第2処理と
を実行するようにしてあり、
自身が休止状態であるか否かを判断する手段を備え、
休止状態であると判断した場合に第2処理を実行し、非休止状態であると判断した場合に第1処理を実行するようにしてあること
を特徴とする処理装置。 - 第1処理及び第2処理は、同一の処理であること
を特徴とする請求項1に記載の処理装置。 - 前記実行手段は更に、第1処理及び第2処理のいずれかを選択して起動する前記第1処理よりも優先度が高い起動処理を実行するようにしてあること
を特徴とする請求項1又は2に記載の処理装置。 - 複数の処理を夫々に予め設定された優先度に従って実行するようにしてあり、自身の動作を休止する休止状態へ移行させることが可能に構成してある処理装置における処理方法において、
前記処理装置は、
前記処理として、
自身の休止状態及び非休止状態の切り替えを行なう切替処理と、
該切替処理よりも優先度が高い第1処理と、
該第1処理と対応する処理であって前記切替処理よりも優先度が低い第2処理と
を夫々優先度に従って実行するようにしてあり、
自身が休止状態であるか否かを判断し、
休止状態であると判断した場合に第2処理を実行し、
非休止状態であると判断した場合に第1処理を実行する
ことを特徴とする処理方法。 - コンピュータに、複数の処理を夫々に予め設定された優先度に従って実行させ、自身の動作を休止する休止状態へ移行させるコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、
前記処理として、
自身の休止状態及び非休止状態の切り替えを行なう切替処理と、
該切替処理よりも優先度が高い第1処理と、
該第1処理と対応する処理であって前記切替処理よりも優先度が低い第2処理と
自身の休止状態及び非休止状態の切り替えを行なう切替処理と
を優先度に従って実行させるステップと、
自身が休止状態であるか否かを判断するステップと
を含み、
休止状態であると判断した場合に第2処理を実行させ、
非休止状態であると判断した場合に第1処理を実行させること
を特徴とするコンピュータプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008267804A JP2010097427A (ja) | 2008-10-16 | 2008-10-16 | 処理装置、処理方法及びコンピュータプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2008267804A Pending JP2010097427A (ja) | 2008-10-16 | 2008-10-16 | 処理装置、処理方法及びコンピュータプログラム |
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-
2008
- 2008-10-16 JP JP2008267804A patent/JP2010097427A/ja active Pending
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