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JP2010094766A - 穴加工工具 - Google Patents

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JP2010094766A
JP2010094766A JP2008266507A JP2008266507A JP2010094766A JP 2010094766 A JP2010094766 A JP 2010094766A JP 2008266507 A JP2008266507 A JP 2008266507A JP 2008266507 A JP2008266507 A JP 2008266507A JP 2010094766 A JP2010094766 A JP 2010094766A
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JP2008266507A
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Kenichi Nareta
建一 馴田
Yasuyuki Tokoro
泰之 所
Toshihiro Oda
智弘 小田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】加工精度を高く維持することができるとともにコストを増加させることなく、切削加工を円滑に行うことが可能で、容易にブレーカ機能を持たせることができる穴加工工具を提供する。
【解決手段】 ダイヤモンド焼結体を備えた切刃チップ25,28を有するリーマ1において、第一及び第二切刃部23,26を、切屑排出溝20の工具回転方向T前方を向く壁面21から凹んで工具径方向外側に向けて開口する第一及び第二座ぐり部24,27と、第一及び第二切刃チップ25,28とから構成し、第一及び第二座ぐり部24,27を、第一及び第二切刃チップ23,26がその厚み方向を工具回転方向Tに向けて着座させられる第一及び第二底面と、これら底面から第一及び第二切刃チップ25,28の厚みより大きく立ち上がり切屑排出溝20の工具回転方向前方Tを向く壁面21に交差する第一及び第二ブレーカ壁面24B,27Bとから構成する。
【選択図】図6

Description

本発明は、被切削材に予め形成された下穴に挿入されて、下穴の内壁面を切削加工する際に用いられる穴加工工具に関する。
この種の穴加工工具の一つとして、軸線回りに回転される長尺円柱状の工具本体の先端に、ダイヤモンド焼結体等の硬質材料から成る切刃チップがろう付け等により取り付けられたリーマが知られている。
このようなリーマは、軸線回りに回転されるとともに軸線方向に送りを与えられ、被切削材に予め形成された下穴に挿入され切刃によって切削することによって、この下穴を所定の内径に加工する(例えば特許文献1参照)。
特開平6−170640号公報
ところで、このようなリーマによる切削加工では被切削材の切屑が発生するが、特に高速切削時においては、熱軟化から延性を増した切屑が破断されずに長く連続したものとなるため、該切屑が予期しない方向に向かって切削工具の工具本体に絡みついて切削加工の妨げとなったり、被切削材の仕上面を損傷してしまい、円滑な切削加工を行うことができないという問題があった。
これを防止すべく、切刃チップ自体にチップブレーカとしての段差を設け、発生した切屑を強制的に曲げて分断する方法も考えられる。
しかしながら、高硬度のダイヤモンド焼結体に加工を施してチップブレーカを形成するのは困難であるという問題があった。また、ブレーカ機能を持たせるため切刃チップに段差を設けると、切刃チップの構造が必要以上に複雑になってしまうことから、段差を設けていない切刃チップを備えたリーマに比べて加工面の精度が低下することがあり、これは、高精度が要求される仕上加工に用いられるリーマにとって好ましいことではない。さらに、チップブレーカの形状によってブレーカ性能が左右されるため、その適切な形状を決めるのは容易ではない上、個々の切刃チップにチップブレーカを設けると製造コストが増加してしまうという問題が生じる。
この発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、ダイヤモンド焼結体から成る切刃を備えた切刃チップを有する穴加工工具において、容易にブレーカ機能を持たせることができ、加工精度を高く維持するとともにコストを増加させることがなく、切削加工を円滑に行うことが可能な穴加工工具を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、この発明は以下の手段を提案している。
即ち、本発明に係る穴加工工具は、軸線回りに回転される工具本体に切刃部が設けられ、被切削材に予め形成された下穴に挿入されて該下穴の内壁面を切削加工して加工穴を形成する穴加工工具において、前記工具本体の先端外周部に、該工具本体の先端面に開口して後端側に延びる切屑排出溝が形成され、前記切刃部が、前記切屑排出溝の工具回転方向前方を向く壁面から凹んで工具径方向外側に向けて開口する座ぐり部と、該座ぐり部に取り付けられ、略平板状をなして工具径方向外側に突出する切刃を備えた切刃チップとを備え、該切刃チップの前記切刃がダイヤモンド焼結体から構成されており、前記座ぐり部は、前記切刃チップがその厚み方向を工具回転方向に向けて着座させられる底面と、該底面から前記切刃チップの厚みより大きく立ち上がり前記切屑排出溝の工具回転方向前方を向く壁面に交差するブレーカ壁面とを備えていることを特徴とする。
このような特徴の穴加工工具によれば、切刃チップと切屑排出溝の工具回転方向前方を向く壁面との間にブレーカ壁面が設けれたことから、切刃チップにおける切刃の切削加工によって生じた切屑が該ブレーカ壁面に当接することで強制的に曲げられる。これによって、切屑が小片状に分断されるため、該切屑が切削加工の妨げとなることはなく、円滑な切削加工を行うことが可能となる。
また、工具本体自体に形成されたブレーカ壁面にブレーカ機能を持たせることにより、ダイヤモンド焼結体からなる切刃チップ自体にブレーカ溝等の形成加工を施す必要がなく、加工コストを低減させることができ、切削精度を高く維持することが可能となる。
さらに、切刃チップの切刃がダイヤモンド焼結体から構成されているため、切刃の寿命の大幅な延長を図ることが可能となる。
また、本発明に係る穴加工工具によれば、前記工具本体は、その先端側が順次縮径する多段円柱状をなすとともに、該工具本体の先端に設けられた第一の切刃部と、該第一の切刃部よりも前記工具本体の後端側に設けられ、前記第一の切刃部よりも大径をなす第二の切刃部とを備えたことを特徴とする。
これにより、加工対象が多段円筒面を備えた下孔であっても、仕上加工により生じる切屑を容易に分断することができるため、円滑な切削加工を行うことが可能となる。
さらに、上記穴加工工具においては、前記第一の切刃部の座ぐり部が工具本体の先端面に開口しており、この座ぐり部に取り付けられる前記切刃チップに、前記工具本体先端側に突出する先端切刃が設けられ、該先端切刃が、前記工具本体の直径方向に沿って、前記工具本体外周側から前記軸線にわたって延びていることを特徴とする。
このような特徴の穴加工工具によれば、下孔が貫通していない有底孔状をなすものであっても、先端切刃によって下孔の底面全体の仕上加工を行うことができる。
さらに、本発明に係る穴加工工具においては、前記工具本体の内部にクーラント供給孔が前記軸線方向に沿って設けられ前記切屑排出溝の工具回転方向後方を向く壁面に、前記クーラント供給孔に連通するとともに、前記座ぐり部に向かって開口するクーラント排出孔が設けられ、該クーラント排出孔の延長線上に、前記切屑排出溝の工具回転方向を向く壁面から前記ブレーカ壁面に向かって切り欠かれたクーラント供給溝が形成されたことを特徴とする。
このような特徴の穴加工工具によれば、クーラント排出孔から排出されたクーラントは、クーラント供給溝を通過してブレーカ壁面に導かれる。これにより、ブレーカ壁面に当接する切屑に直接的にクーラントを当てることができるため、ブレーカ壁面によるブレーカ機能と相まって、より効果的に切屑を分断することが可能となる。
本発明に係る穴加工工具によれば、切刃チップと切屑排出溝の工具回転方向前方を向く壁面との間にブレーカ壁面が設けられたことにより、ダイヤモンド焼結体からなる切刃を備えた切刃チップ自体にブレーカ溝等を設けなくても容易かつ確実に切屑を分断することが可能となる。よって、容易にブレーカ機能を持たせることができ、加工精度を高く維持しながらコストを増加させることなく、円滑な切削加工を行うことが可能となる。
以下、本発明の穴加工工具の実施の形態であるリーマについて、図1から図6を参照して詳細に説明する。
図1は本実施形態に係るリーマの斜視図、図2は本実施形態に係るリーマの側面図、図3は図2のA方向矢視図、図4は本実施形態に係るリーマの正面図、図5は図2の要部拡大図、図6は図3の要部拡大図である。
図1から図3に示すようにリーマ1は、軸線O回りに工具回転方向Tに回転される多段円柱状の工具本体2を有しており、工具本体2の先端側(図2及び図3において左側)が被切削材に加工を施す加工部3とされ、工具本体2の後端側(図2及び図3において右側)が、略円柱状をなすシャンク部4とされている。
このシャンク部4の後端には、図示しない工作機械の主軸に取り付けるための取付部5が形成されている。
また、この工具本体2の内部には、図2及び図3に示すようにシャンク部4後端に開口して軸線Oに平行に間隔を空けて加工部3の内部まで延びる一対のクーラント供給孔6,6が穿設されており、上記取付部5が工作機械の主軸に取り付けられた際に、工作機械側からクーラント供給孔6,6にクーラントが供給されるようになっている。
加工部3は、その先端側が該工具本体2先端に向かうに従って順次縮径する多段円柱状をなしている。これにより、当該加工部3の外周面は、工具本体2の最先端に位置する小径部11と、該小径部11よりも工具本体2後端側に位置する中径部12と、該中径部12よりも工具本体2後端側に位置しシャンク部4まで延びる大径部13との3つの軸線Oを中心とした円筒面を備え、さらに、小径部11と中径部12との間、及び中径部12と大径部13との間には、それぞれ工具本体2後端側に向かうに従い漸次拡径する第一テーパ面14及び第二テーパ面15とを備えている。
また、加工部3の外周面には、図4に示すように、軸線Oに直交する断面において、加工部3を略L字状に切り開いた形状なす2条の切屑排出溝20,30が、加工部3の先端から後端側に向かって延びるように設けられている。これら切屑排出溝20,30は、軸線Oを中心として略対称となる位置に形成されており、一方の切屑排出溝20が他方の切屑排出溝30よりも軸線Oに直交する断面において大きく切り欠かれた形状をなしている。また、上記一対のクーラント供給孔6,6のそれぞれは、工具本体2の周方向において切屑排出溝20,30の間を通るように形成されている。
一方の切屑排出溝20は、その工具回転方向T前方を向く壁面21及び工具回転方向T後方を向く壁面22が直交するように断面略4分の1円弧の扇状に形成されており、この工具回転方向T前方を向く壁面21から一段凹むようにして第一座ぐり部24及び第二座ぐり部27が形成されている。但し、壁面21,22は、それぞれ該壁面21、22に平行で軸線Oを含む平面よりも若干工具回転方向T側に位置している。
第一座ぐり部24は、詳しくは図5及び図6に示すように、工具本体2先端に位置して工具径方向外側及び工具先端側に開口しており、上記壁面21と平行に、該壁面21に平行で軸線Oを含む前記平面よりも工具回転方向T後方側に後退する第一底面24A(図6参照)と、該第一底面24Aから垂直に工具回転方向T前方側へ向かって立ち上がり上記壁面21に直交する第一ブレーカ壁面24Bとから構成されていて、その工具先端側への開口部は、工具径方向内側において軸線Oを僅かに越えるように形成されている。
また、壁面21に対向する方向から見たこの第一座ぐり部24の形状は、工具半径方向を長手方向とした概略長方形状で、但しその4つの角部のうち工具径方向内側かつ工具後端側に位置する角部が凸円弧状をなすように切り欠かれた形状とされている。
第二座ぐり部27は、第一座ぐり部24よりも工具本体2後端側である第一テーパ面14、中径部12、第二テーパ面15及び大径部13にわたって、工具径方向外側に開口するように形成されており、上記壁面21と平行に、該壁面21に平行で軸線Oを含む前記平面よりも工具回転方向T後方側に後退する第二底面27A(図6参照)と、該第二底面27Aから垂直に工具回転方向T前方側へ向かって立ち上がり上記壁面21に直交する第二ブレーカ壁面27Bとから構成されている。壁面21に対向する方向から見た第二座ぐり部27の形状は、工具径方向外側に位置する輪郭線が第一テーパ面14、中径部12、第二テーパ面15及び大径部13の形状に沿った折れ線状をなし、この輪郭線の両端に接続される工具径方向内側に位置する輪郭線が、工具径方向内側に向けて凸状をなす円弧状に形成されている。
そして、このような第一座ぐり部24及び第二座ぐり部27にそれぞれ第一切刃チップ25、第二切刃チップ28がろう付けによって取り付けられることで、第一切刃部23及び第二切刃部26が構成されている。なお、本実施形態においては、第二切刃部26の方が第一切刃部23よりも大径とされている。
第一切刃チップ25は、平板状をなし超硬合金等の硬質材料から形成された基部25Aを有しており、この基部25Aの厚み方向を向くの面の一方が第一座ぐり部24の第一底面24Aに着座させられる着座面25Bとされている。また、該基部25Aの他方の面にはその表面全域にダイヤモンド焼結体25Cが一体焼結させられてすくい面25Dが形成されており、該すくい面25Dの外縁部に互いに直交する外周切刃25E及び先端切刃25Fが形成されている。
即ち、この第一切刃チップ25は、上記基部25Aの厚さ方向を工具回転方向Tに向けて第一座ぐり部24の第一底面24Aに着座させられ、この状態において外周切刃25Eが上記小径部11の外周面に沿って工具径方向外側に向けて突出し、先端切刃25Fが工具先端側に向けて突出するように構成されている。また、本実施形態においては、先端切刃25Fが、工具本体2の直径方向に沿って小径部11の外周側から軸線Oにわたって該軸線Oを僅かに越えるように直線状に延びた、いわゆる中心刃とされている。
第二切刃チップ28は、上記第一切刃チップ25と同様に、平板状をなし超硬合金等の硬質材料から形成された基部28Aを有し、この基部28Aの厚み方向を向くの面の一方が第二座ぐり部27の第二底面27Aに着座させられる着座面28Bとされている。
また、該基部28Aの他方の面にはその表面全域にダイヤモンド焼結体28Cが一体焼結させられてすくい面28Dが形成されており、該すくい面28Dの外縁部に外周切刃28Eが形成されている。
即ち、この第二切刃チップ28は、上記基部28Aの厚さ方向を工具回転方向Tに向けて第二座ぐり部27の第二底面27Aに着座させられ、この状態において外周切刃28Eが第一テーパ面14、中径部12、第二テーパ面15及び大径部13の外周面に沿うようにして工具径方向外側に向けて突出するように構成されている。これにより、外周切刃28Eも、加工部3の形状に応じた多段形状とされている。
そして、本実施形態においては、上記第一ブレーカ壁面24B及び第二ブレーカ壁面27Bはいずれも、第一切刃チップ25及び第二切刃チップ28の厚みよりも大きく工具回転方向前方に向けて立ち上がっている。これによって、図1に示すように、第一切刃チップ25及び第二切刃チップ28と切屑排出溝20の工具回転方向T前方を向く壁面21との間の段差面としてそれぞれ第一ブレーカ壁面24B及び第二ブレーカ壁面27Bがそれぞれ露呈している。
さらに、本実施形態においては、一方の切屑排出溝20の工具回転方向T後方を向く壁面には、一対の上記クーラント供給孔6,6のうち、この一方の切屑排出溝20の工具回転方向T側に位置する一方のクーラント供給孔6から工具回転方向Tの後方に向かって延び、それぞれ第一切刃部23及び第二切刃部26に向かって傾斜するように計2つのクーラント排出孔7A,7Bが開口している。そして、クーラント排出孔7A,7Bの延長線上には、切屑排出溝20の工具回転方向T前方を向く壁面21からそれぞれ第一ブレーカ壁面24B、第二ブレーカ壁面27Bに向かって切り欠かれた計2つのクーラント供給溝29A,29Bが形成されている。
これにより、一方のクーラント供給孔6に供給されたクーラントがクーラント排出孔7A,7Bから吐出され、その延長線上にあるクーラント供給溝29A,29Bに致ることで直接的に第一切刃部23、第二切刃部26内にクーラントが供給される。
なお、クーラント排出孔7Bは、外周切刃28Eに向けて延長させられているのに対し、クーラント排出孔7Aは、先端切刃25Fに向けて延長させられている。
一方、他方の切屑排出溝30においては、その工具回転方向T前方を向く壁面(図示省略)は、軸線Oを含んで前記壁面21に平行な面とされ、工具本体2の周方向における第一切刃部23及び第二切刃部26に対応する箇所には、それぞれ取付座(図示省略)が形成されており、これら取付座に第三切刃チップ31、第四切刃チップ32が取り付けられて第三切刃部33、第四切刃部34が形成されている。但し、これら第三、第四切刃部33,34の工具回転方向Tを向く面は他方の切屑排出溝30の工具回転方向Tを向く壁面と面一とされている。
第三切刃部33は、第一切刃部23に対応するものであって、第三切刃チップ31の外周切刃31Aの外径は第一切刃チップ25の外周切刃25Eの外径と同一とされており、その先端には軸線O方向において先端切刃25Fと同じ位置にあって工具本体2の直径方向に延びる直線状の先端切刃31Bが形成されている。但し、この先端切刃31Bは、上記第一切刃部23の先端切刃25Fと異なり、軸線Oまでは延びておらずに軸線Oから離れた外周側にだけ形成されている。
また、第四切刃部34は、第二切刃部26に対応するものであり、第四切刃チップ32の外周切刃32Aは第二切刃チップ28の外周切刃28Eと同一の径及び形状をなしている。
なお、これら第三切刃チップ31及び第四切刃チップ32も超硬合金よりなる基部にダイヤモンド焼結体が一体焼結された層状焼結体の基部がろう付けされたものであり、各切刃31A,31B,32Aは、ダイヤモンド焼結体から構成されている。
また、上記外周切刃25E,28E,31A,32Aに連なるダイヤモンド焼結体の外周面は、軸線Oを中心とした円筒面状のマージン部とされている。
以上のような構成のリーマ1は、工作機械に装着されて軸線O回りに工具回転方向Tに回転され、被切削材に予め形成された多段円筒面を備えた有底孔状の下穴に加工部3がその先端側から挿入される。このとき、下穴の内壁面は、リーマの進行方向については先端切刃25F,31Bが、外周方向については外周切刃25E,28E,31A,32Aによって切削され、加工部3の先端の多段形状に応じた所定の内径の加工穴に仕上げられる。
この際、本実施形態のリーマ1においては、第一切刃チップ25の先端切刃25Fが工具本体2の直径方向に沿って工具本体2外周側から軸線Oにわたって延びているため、有底孔状の下孔の底面全体を当該先端切刃25Fによって仕上加工を行うことができる。
また、この切削加工の際に発生する切屑は、切屑排出溝20,30によって、加工部3の先端から後端側に送られて排出される。
この切削加工の際には、クーラントが工作機械から一方のクーラント供給孔6に供給され、切屑排出溝に開口されたクーラント排出孔7A,7Bを通じて、クーラントが第一切刃部23及び第二切刃部26に向けて供給される。なお、この際、第三切刃部33及び第四切刃部34に対しても、一対のクーラント供給孔6,6のうち他方のクーラント供給孔6から他方の切屑排出溝30の工具回転方向T後方を向く壁面に形成された図示しないクーラント排出孔より、クーラントが供給される。
これにより各切刃部23、26、33、34の切削加工の潤滑を良好にして磨耗を防ぎ、それぞれの切刃チップ25、28、31、32の寿命を延ばすことができるとともに、摩擦熱を冷却し、加工穴の切削箇所の焼き付きを避けることができる。
ここで、このようなリーマ1による高速切削時においては、熱軟化から延性を増した切屑が破断されずに長く連続したものとなるため、該切屑が予期しない方向に向かって切削工具の工具本体2に絡みついて切削加工の妨げとなったり、被切削材の仕上面を損傷してしまうことがある。
この点、本実施形態のリーマ1においては、第一及び第二切刃チップ23、26と切屑排出溝20の工具回転方向T前方を向く壁面21との間に第一及び第二ブレーカ壁面24B、28Bが設けられたことから、これら切刃チップ25、28の切削加工によって生じた切屑がこれら第一及び第二ブレーカ壁面24B、28Bにそれぞれ当接することで強制的に曲げられる。これによって、切屑が小片状に分断されるため、該切屑が切削加工の妨げとなることはなく、円滑な切削加工を行うことが可能となる。
また、工具本体2自体に形成された第一及び第二ブレーカ壁面24B、28Bにブレーカ機能を持たせることにより、第一及び第二切刃チップ25、28自体にブレーカ溝等を形成する必要がないため、特に第一及び第二切刃チップ25、28の切刃25E,25F,28Eがダイヤモンド焼結体に形成されていても、加工コストを低減させるとともに切削精度を高く維持することが可能となる。
さらに、第二切刃部26の方が第一切刃部23よりも大径とされていることから、加工対象が多段円筒面を備えた下孔においても、仕上加工により生じる切屑を容易に分断して円滑な切削加工を行うことが可能となる。
また、各切刃チップ25,28,31,32の各切刃25E,25F,28E,31A,31B,32Bがそれぞれダイヤモンド焼結体から構成されていることから、寿命を大幅に延長することができる。
そして、本実施形態のリーマ1においては、クーラント排出孔7A,7Bの延長線上に切屑排出溝20の工具回転方向Tを向く壁面21から第一及び第二ブレーカ壁面24B、27Bに向かって切り欠かれたクーラント供給溝29A,29Bが形成されているため、クーラント排出孔7A、7Bから排出されたクーラントは、クーラント供給溝29A,29Bを通過してそれぞれ第一及び第二ブレーカ壁面24B,27Bに導かれる。
これにより、第一及び第二ブレーカ壁面24B,27Bに当接する切屑に直接的にクーラントを当てることができるため、これらブレーカ壁面24B,27Bによるブレーカ機能と相まって、より効果的に切屑を分断することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態であるリーマについて説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態においては、第一切刃チップ25の先端切刃25Fが、工具本体2の直径方向に沿って工具本体2外周側から軸線Oにわたって延びており、有底状の下孔の底面の切削加工が可能ないわゆる中心刃を備えるとともに、この中心刃が設けられた切屑排出溝20にのみ段差面としてのブレーカ壁面24Bを形成するように第一座ぐり部24が形成されたものについて説明したが、これに限定されるものではなく、先端切刃が上記のように延びておらずに軸線Oから離れた外周側にだけ形成されていて、貫通孔状の下孔に仕上加工を施すものであってもよい。なお、この場合においては、2条の切屑排出溝は軸線Oに対して対称に形成され、その双方に上述のような段差面を形成する座ぐり部が形成されるのが望ましい。
但し、切屑排出溝は2条に限定されず、1条又は3条以上備えたものであってもよい。また、クーラント排出孔も1つの切刃部に対して一つだけでなく、例えば、底面の大きい座ぐり部に設けた切刃部に対しては、複数のクーラント排出孔を設けてもよい。
さらに、本実施形態においては、工具本体2の加工部3が多段円柱状をなすものについて説明したが、これに限定されることなく、単なる円柱状をなすものであってもよい。
本実施形態に係るリーマの斜視図である。 本実施形態に係るリーマの側面図である。 図2のA方向矢視図である。 本実施形態に係るリーマの正面図である。 図2の要部拡大図である。 図3の要部拡大図である。
符号の説明
1 リーマ
2 工具本体
6 クーラント供給孔
7A クーラント排出孔
7B クーラント排出孔
20 切屑排出溝
21 工具回転方向前方を向く壁面
22 工具回転方向後方を向く壁面
23 第一切刃部(第一の切刃部)
24 第一座ぐり部
24A 第一底面
24B 第一ブレーカ壁面
25 第一切刃チップ
25C ダイヤモンド焼結体
25E 外周切刃
25F 先端切刃
26 第二切刃部(第二の切刃部)
27 第二座ぐり部
27A 第二底面
27B 第二ブレーカ壁面
28 第二切刃チップ
28C ダイヤモンド焼結体
28E 外周切刃
T 工具回転方向

Claims (4)

  1. 軸線回りに回転される工具本体に切刃部が設けられ、被切削材に予め形成された下穴に挿入されて該下穴の内壁面を切削加工して加工穴を形成する穴加工工具において、
    前記工具本体の先端外周部に、該工具本体の先端面に開口して後端側に延びる切屑排出溝が形成され、
    前記切刃部が、前記切屑排出溝の工具回転方向前方を向く壁面から凹んで工具径方向外側に向けて開口する座ぐり部と、該座ぐり部に取り付けられ、略平板状をなして工具径方向外側に突出する切刃を備えた切刃チップとを備え、
    該切刃チップの前記切刃がダイヤモンド焼結体から構成されており、
    前記座ぐり部は、前記切刃チップがその厚み方向を工具回転方向に向けて着座させられる底面と、該底面から前記切刃チップの厚みより大きく立ち上がり前記切屑排出溝の工具回転方向前方を向く壁面に交差するブレーカ壁面とを備えていることを特徴とする穴加工工具。
  2. 前記工具本体は、その先端側が順次縮径する多段円柱状をなすとともに、
    該工具本体の先端に設けられた第一の切刃部と、該第一の切刃部よりも前記工具本体の後端側に設けられ前記第一の切刃部よりも大径をなす第二の切刃部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の穴加工工具。
  3. 前記第一の切刃部の座ぐり部が工具本体の先端面に開口しており、この座ぐり部に取り付けられる前記切刃チップに、前記工具本体先端側に突出する先端切刃が設けられ、
    該先端切刃が、前記工具本体の直径方向に沿って、前記工具本体外周側から前記軸線にわたって延びていることを特徴とする請求項2に記載の穴加工工具。
  4. 前記工具本体の内部にクーラント供給孔が前記軸線方向に沿って設けられ、
    前記切屑排出溝の工具回転方向後方を向く壁面に、前記クーラント供給孔に連通するとともに前記座ぐり部に向かって開口するクーラント排出孔が設けられ、
    該クーラント排出孔の延長線上に、前記切屑排出溝の工具回転方向を向く壁面から前記ブレーカ壁面に向かって切り欠かれたクーラント供給溝が形成されたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の穴加工工具。

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