JP2010085260A - 放射線検出装置及び放射線撮影システム - Google Patents
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Abstract
【課題】放射線検出器の防水性、防湿性、耐衝撃性、耐傷性を向上させて、放射線検出装置の信頼性を高め、さらに、製造コストの大幅な低減、構造の簡単化、軽量化を図る。
【解決手段】放射線検出装置18は、被写体14による放射線12の散乱線を除去するグリッド38と、被写体14を透過した放射線12を検出する放射線検出器30を構成するセンサ基板40と、放射線12のバック散乱線を吸収する鉛シート42とを有し、グリッド38、センサ基板40及び鉛シート42を被覆し、且つ、前記放射線を透過させる材料からなるモールド保護層44とを有する。モールド保護層44は、例えば黒色で着色されて遮光性を有する。
【選択図】図3
【解決手段】放射線検出装置18は、被写体14による放射線12の散乱線を除去するグリッド38と、被写体14を透過した放射線12を検出する放射線検出器30を構成するセンサ基板40と、放射線12のバック散乱線を吸収する鉛シート42とを有し、グリッド38、センサ基板40及び鉛シート42を被覆し、且つ、前記放射線を透過させる材料からなるモールド保護層44とを有する。モールド保護層44は、例えば黒色で着色されて遮光性を有する。
【選択図】図3
Description
本発明は、被写体を透過した放射線を検出し、検出した前記放射線を放射線画像情報に変換する放射線検出器を備えた放射線検出装置及び該放射線検出装置を有する放射線撮影システムに関する。
医療分野において、被写体に放射線を照射し、該被写体を透過した前記放射線を放射線検出器に導いて放射線画像情報を撮影する放射線撮影システムが広汎に使用されている。前記放射線検出器としては、前記放射線画像情報が露光記録される従来からの放射線フイルムや、蛍光体に前記放射線画像情報としての放射線エネルギを蓄積し、励起光を照射することで前記放射線画像情報を輝尽発光光として取り出すことのできる蓄積性蛍光体パネルが知られている。これらの放射線検出器は、前記放射線画像情報が記録された放射線フイルムを現像装置に供給して現像処理を行い、あるいは、前記蓄積性蛍光体パネルを読取装置に供給して読取処理を行うことで、可視画像を得ることができる。
一方、手術室等においては、患者に対して迅速且つ的確な処置を施すため、撮影後の放射線検出器から直ちに放射線画像情報を読み出して表示できることが必要である。このような要求に対応可能な放射線検出器として、放射線を直接電気信号に変換し、あるいは、放射線をシンチレータで可視光に変換した後、電気信号に変換して読み出す固体検出素子を用いた放射線検出器が開発されている。
放射線検出器を収納する放射線検出装置に関し、特許文献1には、放射線検出器をケースに収納した例が開示されている。
また、特許文献2には、周囲にOリングが設置された上面開口の筐体内にセンサーパネルとシンチレータパネルとを収容し、筐体の開口を塞ぐように保護樹脂層を被覆するようにした例(図1参照)や、下層の保護樹脂層と上層の保護樹脂層との間の周囲部分にOリングを設置し、これら保護樹脂層及びOリングにて区画される内部空間にセンサーパネルとシンチレータパネルとを収容した例(図2参照)や、センサーパネルの周囲にOリングを設置してなる上面開口の箱体にシンチレータパネルを収容し、箱体の開口を塞ぐように保護樹脂層を被覆するようにした例(図3参照)とが記載されており、蛍光体層が交換可能な構造となっている。
しかしながら、特許文献1記載の放射線検出装置は、放射線検出器を、ケースに収納しているだけであり、放射線検出器内部のシンチレータを保護する構成、例えばシンチレータに対する防水や防湿等について何ら記載がない。
特許文献2記載の放射線検出装置は、蛍光体層が交換可能な構造であることから、筐体等が簡単に分離できる構造や保護樹脂層が簡単に剥離できる構造となっている。つまり、保護樹脂層とシンチレータ等を一体化することができず、別体とされている。従って、従来の放射線検出装置の表面に撮影領域を示す指標やその他のデザインを形成する場合は、筐体や保護樹脂層上に別途印刷(シルク印刷等)したり、印刷や凹凸加工等を施した筐体を作製してシンチレータ等を収納するという手間が必要になる。さらに、シンチレータ等の防水性、防湿性、耐衝撃性を高める必要があれば、それを考慮した構造(Oリング等のシール部材の付加等)を新たに設ける必要があり、工数の煩雑、製造工程の複雑化、構造の複雑化、重量の増大化を招くという問題がある。また、筐体が傷つきやすいという問題もある。
本発明は、前記の課題に鑑みなされたものであり、モールド成形時に、一度に、撮影領域を示す指標やその他のデザインを施すことができ、併せて、放射線検出器の防水性、防湿性、耐衝撃性、耐傷性の向上を図ることができ、製造コストの大幅な低減、構造の簡単化、軽量化並びに信頼性の向上を図ることができる放射線検出装置及び放射線撮影システムを提供することを目的とする。
第1の本発明に係る放射線検出装置は、被写体を透過した放射線を検出して放射線画像情報に変換する放射線検出器と、少なくとも前記放射線検出器を被覆し、且つ、前記放射線を透過させる材料からなるモールド保護層とを有することを特徴とする。
また、第2の本発明に係る放射線撮影システムは、上述した第1の本発明に係る放射線検出装置と、前記放射線を出力する放射線源と、前記放射線源及び前記放射線検出装置を制御する制御装置とを有することを特徴とする。
上述のように、本発明に係る放射線検出装置及び放射線撮影システムによれば、モールド成形時に、一度に、撮影領域を示す指標やその他のデザインを施すことができ、併せて、放射線検出器の防水性、防湿性、耐衝撃性、耐傷性の向上を図ることができ、製造コストの大幅な低減、構造の簡単化、軽量化並びに信頼性の向上を図ることができる。これは、放射線検出装置を用いた放射線撮影システムの普及につながる。しかも、必要に応じて殺菌洗浄することができ、1つの放射線検出装置を繰り返し続けて使用することができる。これは、ランニングコストの低廉化にもつながる。
以下、本発明に係る放射線検出装置及び放射線撮影システムの実施の形態例を図1〜図8を参照しながら説明する。
先ず、本実施の形態に係る放射線撮影システム10は、図1に示すように、撮影条件に従った線量からなる放射線12を被写体(例えば患者14)に照射するための放射線源16と、本実施の形態に係る放射線検出装置18と、該放射線検出装置18によって検出された放射線12に基づく放射線画像情報を表示する表示装置20と、放射線検出装置18、放射線源16及び表示装置20を制御するコンソール22(制御装置)とを備える。コンソール22と、放射線検出装置18、放射線源16及び表示装置20との間は、例えば、UWB(Ultra Wide Band)、IEEE802.11.a/g/n等の無線LAN又はミリ波を用いた無線通信による信号の送受信が行われる。なお、コンソール22には、病院内の放射線科において取り扱われる放射線画像情報やその他の情報を統括的に管理する放射線科情報システム(RIS)24が接続され、また、RIS24には、病院内の医事情報を統括的に管理する医事情報システム(HIS)26が接続される。
本実施の形態に係る放射線検出装置18は、被写体14を透過した放射線12を検出して放射線画像情報に変換する放射線検出器30と、放射線検出器30の電源であるバッテリ32と、該バッテリ32から供給される電力により放射線検出器30を駆動制御する制御部34と、放射線検出器30によって検出した放射線12の情報を含む信号をコンソール22との間で送受信する送受信機36(無線通信手段)とが収容される。バッテリ32は、放射線検出器30、制御部34及び送受信機36に電力を供給する。
また、この放射線検出器30は、図2に示すように、被写体14による放射線12の散乱線を除去するグリッド38と、被写体14を透過した放射線12を検出する放射線検出器30を構成するセンサ基板40と、放射線12のバック散乱線を吸収する鉛シート42と、少なくとも放射線検出器30を被覆し、且つ、放射線12を透過させる材料からなるモールド保護層44とを有する。このモールド保護層44は、例えば黒色で着色されて遮光性を有する。なお、図2及び図3の例では、グリッド38、センサ基板40及び鉛シート42を被覆するようにモールド保護層44が形成されている。モールド保護層44の照射面44a側に、撮影領域及び撮影位置の基準となるガイド線46が形成されている。このガイド線46を用いて、放射線検出装置18に対する被写体14(患者)の位置決めを行い、また、放射線12の照射範囲を設定することにより、放射線画像情報を適切な撮影領域に記録することができる。なお、上述のグリッド38、センサ基板40及び鉛シート42は、照射面44aに対して順に配設される。
センサ基板40は、図3に示すように、基体71(可撓性基体やガラス基体等)を有し、該基体71上に、シンチレータ72と、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)のアレイが形成されたTFT層74と、光電変換層76とがこの順に積層されて構成されている。
シンチレータ72は、被写体14を透過した放射線12(図1参照)を一旦可視光に変換するGOS(Gd2O2S)又はCsI等の蛍光体にて構成される。TFT層74は、薄膜トランジスタ(TFT52:図4参照)のアレイが形成され、放射線12及び可視光を透過可能となっている。光電変換層76は、アモルファスシリコン(a−Si)等の物質からなる固体検出素子(以下、画素50ともいう)を用いて前記可視光を電気信号に変換する。
基体71の構成材料としては、例えば特許文献1にも示すように、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(例えばデュポン社のKapton(登録商標))、ポリスルフォンエーテル(PES)、ポリカーボネート等を用いることができる。
また、センサ基板40の周囲には、図2にも示すように、センサ基板40の側部に沿って回路基板78が配置され、回路基板78上には、放射線検出器30の駆動回路用IC(駆動部)80a及び読出回路用IC(読出部)80bがそれぞれ配置されている。駆動回路用IC80aは、センサ基板40のTFT52を駆動し、読出回路用IC80bは、駆動回路用IC80aによるTFT52の駆動に基づいて、画素50に蓄積された電荷を画像信号として読み出す。
さらに、回路基板78上には、放射線検出装置18の電源であるバッテリ32と、バッテリ32から供給される電力により放射線検出器30を駆動制御する制御部34と、放射線検出器30によって検出した放射線12の情報を含む信号をコンソール22との間で送受信する送受信機36とが配置されている。従って、バッテリ32は、放射線検出装置18内の放射線検出器30、制御部34及び送受信機36に電力を供給する。なお、制御部34及び送受信機36には、放射線12が照射されることによる損傷を回避するため、照射面44a側に鉛板等を配設しておくことが好ましい。
放射線検出器30は、図4に示すように、可視光を電気信号に変換するa−Si等の物質からなる各画素50が形成された光電変換層76を、行列状のTFT52のアレイ(TFT層74)の上に配置した構造を有する。この場合、各画素50では、可視光を電気信号に変換することにより発生した電荷が蓄積され、各行毎にTFT52を順次オンにすることにより前記電荷を画像信号として読み出すことができる。
各画素50に接続されるTFT52には、行方向と平行に延びるゲート線54と、列方向と平行に延びる信号線56とが接続される。各ゲート線54は、複数の駆動回路用IC80aからなるライン走査駆動部58に接続され、各信号線56は、マルチプレクサ66に接続される。ゲート線54には、行方向に配列されたTFT52をオンオフ制御する制御信号Von、Voffがライン走査駆動部58から供給される。この場合、ライン走査駆動部58は、ゲート線54を切り替える複数のスイッチSW1と、スイッチSW1の1つを選択する選択信号を出力するアドレスデコーダ60とを備える。アドレスデコーダ60には、制御部34からアドレス信号が供給される。
また、信号線56には、列方向に配列されたTFT52を介して各画素50に保持されている電荷が流出する。この電荷は、増幅器62によって増幅される。増幅器62には、サンプルホールド回路64を介してマルチプレクサ66が接続される。マルチプレクサ66は、信号線56を切り替える複数のスイッチSW2と、スイッチSW2の1つを選択する選択信号を出力するアドレスデコーダ68とを備える。アドレスデコーダ68には、制御部34からアドレス信号が供給される。マルチプレクサ66には、A/D変換器70が接続され、A/D変換器70によってデジタル信号に変換された放射線画像情報が制御部34に供給される。なお、増幅器62、サンプルホールド回路64、マルチプレクサ66及びA/D変換器70は、複数の読出回路用IC80bからなる読出回路部69を構成する。
さらに、放射線検出装置18の制御部34は、図1に示すように、アドレス信号発生部82と、画像メモリ84と、IDメモリ86とを備える。
アドレス信号発生部82は、放射線検出器30を構成するライン走査駆動部58のアドレスデコーダ60及びマルチプレクサ66のアドレスデコーダ68に対してアドレス信号を供給する。画像メモリ84は、放射線検出器30によって検出された放射線画像情報を記憶する。IDメモリ86は、放射線検出装置18を特定するためのID情報を記憶する。
送受信機36は、IDメモリ86に記憶されたID情報及び画像メモリ84に記憶された放射線画像情報を無線通信によりコンソール22に送信する。
一方、モールド保護層44は、いわゆるインモールド成形にて形成することができる。例えばグリッド38、センサ基板40及び鉛シート42を有する放射線検出器30をモールド成形用金型内に入れ、その後、モールド保護層44の構成材料(樹脂材料)をモールド形成用金型内に射出してモールド成形することによって、放射線検出器30全体を被覆するようにモールド保護層44が形成される。
モールド保護層44の構成材料としては、熱可塑性プラスチック、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリロブタジェンスチレン(ABS)、ポリアミド(ナイロン)(PA)等が挙げられる。また、TPE樹脂(Thermoplastic Elastomer:熱可塑性エラストマー)等も好ましく採用される。TPE樹脂は、ゴムのように軟らかく、プラスチックのように加工性に優れる。また、リサイクルが容易なため、環境負荷も少なく、様々な製品に利用される。ポリエステル系(TPEE)、ウレタン系(TPU)、オレフィン系(TPO)、スチレン系(TPS)、アミド系(TPEA)、塩化ビニル系(TPVC)等を使用することができる。また、上述のTPE樹脂と熱可塑性プラスチックとを混合してもよい。
特に、本実施の形態では、モールド成形用金型内に挿入される放射線検出器30が熱の影響を受けないように、例えば180℃以下、好ましくは150℃以下の加熱温度でモールド成形することが好ましい。従って、上述したプラスチックから例えば180℃以下、好ましくは150℃以下の加熱温度でモールド成形することができる材料を適宜選択して使用することが好ましい。また、これらプラスチックに金属微粉末を分散させた導電性樹脂を用いるようにしてもよい。
さらに、上述のモールド保護層44の構成材料として、紫外線硬化樹脂や光硬化性樹脂(例えばエポキシ系)を用いることもできる。これら紫外線硬化樹脂や光硬化性樹脂を用いれば、室温に近い温度でモールド成形を行うことができ、放射線検出器30に対する熱の影響を考慮しなくても済むという利点がある。モールド保護層44の厚みとしては、例えば10μm〜10mmが軽量化、薄型化を図る点で好ましい。
上述のように、インモールド成形によってモールド保護層44を形成することによって、モールド成形時に、モールド保護層44の表面(照射面44a等)に、各種デザインを施すことができる。例えば図2に示すように、撮影領域及び撮影位置の基準となるガイド線46やキャラクタの印刷がモールド成形時に同時にできる。また、緩やかな湾曲面にモールド成形時に同時に加工することができるため、医療機器というよりも柔らかいクッションのようなイメージを持たせることができる。反対に、アルミ蒸着膜を使用することで、モールド保護層44の表面を金属の光沢面に仕上げることで、硬いイメージを持たせることも可能である。さらにヘアラインを施すことで、立体感を持たせることもできる。これら各種デザインを適宜選択して形成することで、例えば医療機関毎に様々なデザインを提供することができ、放射線検出装置18を用いた放射線撮影システム10の普及につながる。しかも、モールド保護層44を形成することで、放射線検出器30の防水性、防湿性、耐衝撃性、並びに耐傷性(傷つきにくさ)を向上させるこができる。従って、例えば放射線検出装置18を、手術室等で使用されるとき、血液やその他の雑菌が付着するおそれがあるが、放射線検出装置18を防水性、密閉性、防湿性、耐衝撃性を有する構造としたので、必要に応じて殺菌洗浄することができ、1つの放射線検出装置18を繰り返し続けて使用することができる。これは、ランニングコストの低廉化にもつながる。
本実施の形態に係る放射線検出装置18及び放射線撮影システム10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作について説明する。
撮影対象である患者14の患者情報は、撮影に先立ち、コンソール22に予め登録される。撮影部位や撮影方法が予め決まっている場合には、これらの撮影条件も予め登録しておく。
手術室、検診又は病院内での回診等において、放射線画像情報の撮影を行う場合、医師又は放射線技師は、放射線検出装置18を取り出し、例えば、患者14とベッドとの間の所定位置に、照射面44aを放射線源16側とした状態で放射線検出装置18を設置する。このとき、モールド保護層44が遮光性を有することから、外光(蛍光灯等の光)の放射線検出器30への入射が遮断され、外光による不要な電荷の発生を低減させることができる。
次に、医師又は放射線技師は、放射線検出装置18の電源スイッチを投入する。これにより、バッテリ32から放射線検出器30、制御部34及び送受信機36への電力供給が開始され、駆動回路用IC80a、読出回路用IC80b、制御部34及び送受信機36が動作を開始する。
そして、放射線源16を放射線検出装置18に対向する位置に適宜移動させた後、医師又は放射線技師は、放射線源16の撮影スイッチを操作して撮影を行う。撮影スイッチの操作に基づいて、放射線源16は、無線通信により、コンソール22に対して撮影条件の送信を要求し、コンソール22は、受信した前記要求に基づいて、当該患者14の撮影部位に係る撮影条件を放射線源16に送信する。放射線源16は、前記撮影条件を受信すると、当該撮影条件に従って、所定の線量からなる放射線12を患者14に照射する。
患者14を透過した放射線12は、放射線検出装置18のモールド保護層44を透過し、グリッド38によって散乱線が除去された後、放射線検出器30に照射される。放射線検出器30を構成するシンチレータ72は、放射線12の強度に応じた強度の可視光を発光し、光電変換層76を構成する各画素50は、可視光を電気信号に変換し、電荷として蓄積する。次いで、各画素50に保持された患者14の放射線画像情報である電荷情報は、制御部34のアドレス信号発生部82からライン走査駆動部58及びマルチプレクサ66に供給されるアドレス信号に従って読み出される。
すなわち、ライン走査駆動部58のアドレスデコーダ60は、アドレス信号発生部82から供給されるアドレス信号に従って選択信号を出力してスイッチSW1の1つを選択し、対応するゲート線54に接続されたTFT52のゲートに制御信号Vonを供給する。一方、マルチプレクサ66のアドレスデコーダ68は、アドレス信号発生部82から供給されるアドレス信号に従って選択信号を出力してスイッチSW2を順次切り替え、ライン走査駆動部58によって選択されたゲート線54に接続された各画素50に保持された電荷情報である放射線画像情報を信号線56を介して順次読み出す。
放射線検出器30の選択されたゲート線54に接続された各画素50から読み出された放射線画像情報は、各増幅器62によって増幅された後、各サンプルホールド回路64によってサンプリングされ、マルチプレクサ66を介してA/D変換器70に供給され、デジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された放射線画像情報は、制御部34の画像メモリ84に一旦記憶される。
同様にして、ライン走査駆動部58のアドレスデコーダ60は、アドレス信号発生部82から供給されるアドレス信号に従ってスイッチSW1を順次切り替え、各ゲート線54に接続されている各画素50に保持された電荷情報である放射線画像情報を信号線56を介して読み出し、マルチプレクサ66及びA/D変換器70を介して制御部34の画像メモリ84に記憶させる。
画像メモリ84に記憶された放射線画像情報は、送受信機36を介して、無線通信によりコンソール22に送信される。コンソール22は、受信した放射線画像情報に対して所定の画像処理を施した後、登録されている患者14の患者情報と関連付けて該放射線画像情報を記憶する。なお、画像処理の施された放射線画像情報は、コンソール22から表示装置20に送信され、表示装置20は、放射線画像情報を表示する。
患者14に対する撮影の完了後、医師又は放射線技師が電源スイッチをオフすると、バッテリ32から放射線検出器30、制御部34及び送受信機36への電力供給が停止し、駆動回路用IC80a、読出回路用IC80b、制御部34及び送受信機36は、動作停止に至る。
以上説明したように、本実施形態に係る放射線検出装置18及び放射線撮影システム10によれば、例えば180℃以下の加熱温度でモールド成形することができるモールド保護層44を用いているため、モールド成形の際に、放射線検出器30を構成する各種回路やシンチレータ72等に対する熱の影響を回避することができる。また、モールド保護層44は遮光性を有するため、放射線検出器30に対する外光の影響を低減することができる。さらに、グリッド38、センサ基板40及び鉛シート42を被覆するようにモールド保護層44を形成するようにしたので、放射線検出器30の防水性、防湿性、耐衝撃性、耐傷性を向上させることができ、放射線検出装置18の信頼性を高めることができる。
また、モールド成形時に、一度に、撮影領域を示す指標やその他のデザインを施すことができることから、製造コストの大幅な低減、構造の簡単化、軽量化を図ることができる。
特に、モールド保護層44として、例えば金属微粉末やカーボンを分散させた導電性樹脂を用いることで、放射線検出器30に対する外部の電波や静電気による影響を低減することができ、放射線画像情報の高S/Nを図ることができる。この場合、送受信機36のアンテナをモールド保護層44から突出させておくことが好ましい。
また、本実施の形態では、基体71上にシンチレータ72、TFT層74、光電変換層76の順に積層され(照射面44aから基体71に向けて光電変換層76、TFT層74及びシンチレータ72の順に配置され)ているので、シンチレータ72で発生した可視光を、光電変換層76にて効率よく電気信号に変換することができ、この結果、高画質の放射線画像情報を得ることができる。
さらに、本実施の形態では、コンソール22と、放射線検出装置18、放射線源16及び表示装置20との間で、無線通信により信号の送受信が行われるので、信号を送受信するためのケーブルが不要となり、医師又は放射線技師の作業に支障を来すおそれがない。従って、医師又は放射線技師は、自己の作業を効率よく行うことが可能となる。
さらにまた、本実施の形態では、医師又は放射線技師による放射線源16の撮影スイッチの操作に基づいて放射線画像情報の撮影が行われるが、医師又は放射線技師によるコンソール22の操作に基づいて放射線画像情報の撮影が行われるようにしてもよい。
上述の例では、グリッド38、センサ基板40及び鉛シート42を被覆するようにモールド保護層44を形成した例を示したが、その他、図5に示すように、上面開口の箱状の筐体88内に鉛シート42、センサ基板40及びグリッド38を収容し、さらに、グリッド38及びセンサ基板40を被覆するようにモールド保護層44を形成するようにしてもよい。この場合、例えばモールド成形用金型内に、筐体88に収容されたグリッド38、センサ基板40及び鉛シート42の積層体を収容し、その後、モールド保護層の構成材料(樹脂材料)をモールド形成用金型内に射出してモールド成形することによって、筐体88から露出する部分(グリッド38及びセンサ基板40)を被覆するようにモールド保護層44が形成される。
また、本実施の形態では、放射線検出器30の積層構成を図6の構成に代えてもよい。図6では、基体71から照射面44a側に向かって、TFT層74、光電変換層76及びシンチレータ72の順に積層されている。この場合でも、シンチレータ72で変換された可視光を光電変換層76にて電気信号に変換することが可能であるので、上述した各効果が得られることは勿論である。
さらにまた、本実施の形態では、上述した構成に代えて、例えば、入射した放射線12の線量をアモルファスセレン(a−Se)等の物質からなる固体検出素子を用いた光電変換層によって直接電気信号に変換してもよい。この場合、モールド保護層44として遮光性を有さない膜でも使用することができる。
また、光読出方式の放射線検出器を利用して放射線画像情報を取得することもできる。この光読出方式の放射線検出器では、マトリクス状に配列された各固体検出素子に放射線が入射すると、その線量に応じた静電潜像が固体検出素子に蓄積記録される。静電潜像を読み取る際には、放射線検出器に可撓性を有する有機EL(Electro−Luminescence)パネル等から読取光を照射し、発生した電流の値を放射線画像情報として取得する。なお、放射線検出器は、消去光を放射線検出器に照射することで、残存する静電潜像である放射線画像情報を消去して再使用することができる(特開2000−105297号公報参照)。
さらに、本実施の形態では、蛍光体に放射線画像情報としての放射線エネルギを蓄積し、励起光を照射することで前記放射線画像情報を輝尽発光光として取り出すことのできる蓄積性蛍光体パネルを放射線検出器30として構成してもよい。
また、放射線検出装置18と外部機器との間での無線通信は、通常の電波による通信に代えて、赤外線等を用いた光無線通信で行うようにしてもよい。
さらに、図7に示すように放射線検出装置18を構成すると、一層好適である。
すなわち、放射線検出装置18の撮影領域外の部位に、当該放射線検出装置18に係る各種情報を表示する表示部506を配設する。この表示部506には、放射線検出装置18に記録される患者14のID情報、放射線検出装置18の使用回数、累積曝射線量、放射線検出装置18に内蔵されているバッテリ32の充電状態(残容量)、放射線画像情報の撮影条件、患者14の放射線検出装置18に対するポジショニング画像等を表示させる。この場合、放射線技師は、例えば、表示部506に表示されたID情報に従って患者14を確認すると共に、当該放射線検出装置18が使用可能な状態にあることを事前に確認し、表示されたポジショニング画像に基づいて患者14の所望の撮影部位を放射線検出装置18に位置決めして、最適な放射線画像情報の撮影を行うことができる。
また、放射線検出装置18に孔508を形成し、この孔508に図示しない紐を通して結ぶことにより、当該放射線検出装置18の取り扱い、持ち運びが容易になる。
さらに、ACアダプタの入力端子510と、USB(Universal Serial Bus)端子512と、メモリカード514を装填するためのカードスロット516とを配設すると好適である。
入力端子510は、放射線検出装置18に内蔵されているバッテリ32の充電機能が低下しているとき、あるいは、バッテリ32を充電するのに十分な時間を確保できないとき、ACアダプタを接続して外部から電力を供給することにより、当該放射線検出装置18を直ちに使用可能な状態とすることができる。
USB端子512又はカードスロット516は、放射線検出装置18がコンソール22等の外部機器との間で無線通信による情報の送受信を行うことができないときに利用することができる。すなわち、USB端子512にケーブルを接続することにより、外部機器との間で有線通信による情報の送受信を行うことができる。また、カードスロット516にメモリカード514を装填し、このメモリカード514に必要な情報を記録した後、メモリカード514を取り出して外部機器に装填することにより、情報の送受信を行うことができる。
手術室や病院内の必要な箇所には、図8に示すように、放射線検出装置18に内蔵されるバッテリ32の充電を行うクレードル518を配置すると好適である。この場合、クレードル518は、バッテリ32を充電するだけでなく、クレードル518の無線通信機能又は有線通信機能を用いて、RIS24、HIS26、コンソール22等の外部機器との間で必要な情報の送受信を行うようにしてもよい。送受信する情報には、クレードル518に充電される放射線検出装置18に記録された放射線画像情報を含めることができる。
また、クレードル518に表示部520を配設し、この表示部520に対して、当該放射線検出装置18の充電状態や、放射線検出装置18から取得した放射線画像情報を含む必要な情報を表示させるようにしてもよい。
また、複数のクレードル518をネットワークに接続し、各クレードル518に充電されている放射線検出装置18の充電状態をネットワークを介して収集し、使用可能な充電状態にある放射線検出装置18の所在を確認できるように構成することもできる。
なお、本発明に係る放射線検出装置及び放射線撮影システムは、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは勿論である。
10…放射線撮影システム
12…放射線
14…被写体(患者)
16…放射線源
18…放射線検出装置
30…放射線検出器
40…センサ基板
44…モールド保護層
46…ガイド線
72…シンチレータ
74…TFT層
76…光電変換層
12…放射線
14…被写体(患者)
16…放射線源
18…放射線検出装置
30…放射線検出器
40…センサ基板
44…モールド保護層
46…ガイド線
72…シンチレータ
74…TFT層
76…光電変換層
Claims (12)
- 被写体を透過した放射線を検出して放射線画像情報に変換する放射線検出器と、
少なくとも前記放射線検出器を被覆し、且つ、前記放射線を透過させる材料からなるモールド保護層とを有することを特徴とする放射線検出装置。 - 請求項1記載の放射線検出装置において、
前記モールド保護層は、前記放射線検出器全体を被覆する筐体として構成されていることを特徴とする放射線検出装置。 - 請求項1記載の放射線検出装置において、
前記放射線検出器は、前記放射線を電気信号に変換するセンサ基板と、前記センサ基板を駆動する駆動部と、前記駆動部により駆動した前記センサ基板から前記電気信号を読み出し、読み出した前記電気信号を前記放射線画像情報として取得する読出部とを有することを特徴とする放射線検出装置。 - 請求項3記載の放射線検出装置において、
前記センサ基板は、前記放射線を可視光に変換するシンチレータと、前記可視光を前記電気信号に変換する固体検出素子とを有し、
前記モールド保護層は、遮光性を有することを特徴とする放射線検出装置。 - 請求項4記載の放射線検出装置において、
前記被写体に対して、前記固体検出素子及び前記シンチレータの順に配置されていることを特徴とする放射線検出装置。 - 請求項4記載の放射線検出装置において、
前記被写体に対して、前記シンチレータ及び前記固体検出素子の順に配置されていることを特徴とする放射線検出装置。 - 請求項1記載の放射線検出装置において、
前記モールド保護層は、前記放射線検出器のうち、少なくとも前記放射線が照射される側に形成されていることを特徴とする放射線検出装置。 - 請求項7記載の放射線検出装置において、
前記モールド保護層は、撮影領域及び撮影位置の基準となる指標が形成されていることを特徴とする放射線検出装置。 - 請求項1記載の放射線検出装置において、
前記モールド保護層は、導電性樹脂にて構成されていることを特徴とする放射線検出装置。 - 請求項1記載の放射線検出装置において、
前記モールド保護層は、前記放射線検出器を金型内に入れ、前記モールド保護層の構成材料を前記金型内に射出してインモールド成形することによって形成されていることを特徴とする放射線検出装置。 - 請求項1〜10のいずれか1項に記載の放射線検出装置と、前記放射線を出力する放射線源と、前記放射線源及び前記放射線検出装置を制御する制御装置とを有することを特徴とする放射線撮影システム。
- 請求項11記載の放射線撮影システムにおいて、
前記放射線検出装置は、前記放射線検出器にて変換された前記放射線画像情報を、無線通信により前記制御装置に送信することを特徴とする放射線撮影システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008254890A JP2010085260A (ja) | 2008-09-30 | 2008-09-30 | 放射線検出装置及び放射線撮影システム |
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ID=42249356
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008254890A Abandoned JP2010085260A (ja) | 2008-09-30 | 2008-09-30 | 放射線検出装置及び放射線撮影システム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010085260A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012112725A (ja) * | 2010-11-22 | 2012-06-14 | Canon Inc | 放射線検出装置及び放射線検出システム |
CN103809199A (zh) * | 2014-02-25 | 2014-05-21 | 中国人民解放军63973部队 | 一种固定式核辐射监测仪器防尘防水结构 |
-
2008
- 2008-09-30 JP JP2008254890A patent/JP2010085260A/ja not_active Abandoned
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