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JP2010084143A - ポリフェニレンスルフィド系熱収縮性チューブ及び該チューブで被覆された部材 - Google Patents

ポリフェニレンスルフィド系熱収縮性チューブ及び該チューブで被覆された部材 Download PDF

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Abstract

【課題】難燃性に優れるとともに、耐衝撃性及び低温収縮性にも優れるポリフェニレンスルフィド系熱収縮性チューブを提供する。
【解決手段】ポリフェニレンスルフィド系熱収縮性チューブにおいて、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)、熱可塑性エラストマー(B)、及びリン系可塑剤(C)を含む樹脂組成物で構成し、UL224 Optional VW−1 Flame Testにより評価した難燃性をVW−1とし、かつ、23℃でのパンクチャー衝撃試験による破壊エネルギーを0.2J以上とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリフェニレンスルフィド系熱収縮性チューブ及びその利用に関し、さらに詳細には、難燃性、耐衝撃性及び低温収縮性に優れた自動車用の電池部材、電子部品、特にはアルミ電解コンデンサなどの被覆用として好適なポリフェニレンスルフィド系熱収縮性チューブ及び該チューブで被覆された部材に関する。
従来、電池やコンデンサ被覆用途などに使用される電気絶縁材料としては、難燃性に優れるポリ塩化ビニルが広く使用されてきた。しかし、ポリ塩化ビニル製の熱収縮性チューブは、燃焼時に塩化水素ガスが発生し、焼却等の廃棄処理をする際に焼却炉を傷め易い等の問題があった。このような側面から、ポリ塩化ビニル製の熱収縮性チューブの代替として、ポリエステル系やポリオレフィン系のような塩化ビニルを用いない熱収縮性チューブが使用されるようになってきている。
しかしながら、ポリエステル系やポリオレフィン系の熱収縮性チューブは、耐熱性、電気特性、耐薬品性、耐電解液性等は満足するものの、難燃性に劣るという問題がある。近年、コンデンサなどの電子部品や自動車用電池部材においては、電子部品の発熱や発火防止のため、より厳しい難燃性が要求されてきており、上記ポリエステル系やポリオレフィン系の熱収縮性チューブでは、満足する性能を得ることが困難であった。
このような現況に対し、ポリフェニレンスルフィド系樹脂は、難燃性や耐熱性の他、電気特性、耐薬品性、耐電解液性などの特性を満たす優れた材料であるため、電子部品や電池部材の被覆用材料として期待がもたれている。例えば、特許文献1には、ポリフェニレンスルフィドより実質的に形成された熱収縮性チューブが開示されている。
しかしながら、従来のポリフェニレンスルフィド系樹脂にあっては、上記のように難燃性や耐熱性の他、電気特性、耐薬品性、耐電解液性などに優れた材料ではあるものの、耐衝撃性については十分なものではなかった。
一方で、特に車載用の電池部材やコンデンサなどの電子部品に対する安全意識が高まり、耐衝撃性、難燃性、低温収縮性などに対する要求がよりいっそう厳しくなってきている。自動車部材等は、40℃以上の高温環境に曝される上、車積載時に振動衝撃を受けやすいため、難燃性や耐熱性等のポリフェニレンスルフィド系樹脂としての優れた特性を維持しつつ、耐衝撃性にも優れる熱収縮性チューブの開発が求められていた。
特開平9−157402号公報
そこで本発明は、上記要求に鑑み、難燃性に優れるとともに、耐衝撃性及び低温収縮性にも優れるポリフェニレンスルフィド系熱収縮性チューブ及び該チューブで被覆された部材を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、優れた難燃性を有するポリフェニレンスルフィド系樹脂に、特定のエラストマー及びリン系可塑剤を適正量添加することにより、ポリフェニレンスルフィド系樹脂の優れた特性を維持しつつ、かつ耐衝撃性と低温収縮性を付与できることを見出した。
すなわち、本発明の要旨とするところは、ポリフェニレンスルフィド系樹脂に特定のエラストマーとリン系可塑剤とをブレンドし、添加量を適正化することにより、優れた難燃性と耐衝撃性と低温収縮性とを兼ね備えたポリフェニレンスルフィド系熱収縮性チューブ、及び該チューブで被覆された部材を得ることにある。
本発明の課題は、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)、熱可塑性エラストマー(B)、及びリン系可塑剤(C)を含む樹脂組成物で構成され、UL224 Optional VW−1 Flame Testにより評価した難燃性がVW−1であり、かつ、23℃でのパンクチャー衝撃試験による破壊エネルギーが0.2J以上であることを特徴とするポリフェニレンスルフィド系熱収縮性チューブにより達成される。
本発明のポリフェニレンスルフィド系熱収縮性チューブは、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)、熱可塑性エラストマー(B)、及びリン系可塑剤(C)の合計100質量%に対し、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)を80質量%以上95質量%以下、熱可塑性エラストマー(B)を3質量%以上12質量%以下、さらにリン系可塑剤(C)を0.5質量%以上15質量%以下の含有率で含む樹脂組成物から構成されることが好ましい。
本発明のポリフェニレンスルフィド系熱収縮性チューブにおいて、100℃の温水中に5秒間浸漬したときの熱収縮率が、径方向で30%以上70%以下、長さ方向で30%以下であることが好ましい。熱収縮性チューブの熱収縮率が上記の範囲内であれば、部材被覆の用途により好適に用いられる。
本発明のポリフェニレンスルフィド系熱収縮性チューブにおいて、90℃の温水中に5秒間浸漬したときの熱収縮率が、径方向で20%以上60%以下、長さ方向で25%以下であることが好ましい。熱収縮性チューブの熱収縮率が上記の範囲内であれば、部材被覆の用途により好適に用いられる。
本発明のポリフェニレンスルフィド系熱収縮性チューブは、電子機器又は電気機器用途の部材を被覆するために、好適に用いることができる。
熱収縮性チューブを上記のように規定することで、優れた難燃性と耐衝撃性とを両立できるとともに、低温収縮性、耐熱性、電気特性、耐薬品性、耐電解液性など熱収縮性チューブに求められるその他特性をも満たした熱収縮性チューブを提供することができる。したがって、本発明であれば、従来の塩化ビニル系熱収縮性チューブ、ポリエステル系熱収縮性チューブ、ポリオレフィン系熱収縮性チューブの代替としてコンデンサなどの電子部品や電池部材、鋼管又はモーターコイルエンド、トランスなどの電気機器における被覆用部材として好適に用いることができる。
以下、本発明のポリフェニレンスルフィド系熱収縮性チューブ及び該チューブを用いた部材について詳細に説明する。
[ポリフェニレンスルフィド系熱収縮性チューブ]
本発明のポリフェニレンスルフィド系熱収縮性チューブ(以下、「本発明のチューブ」ともいう。)は、主にポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)、熱可塑性エラストマー(B)、及びリン系可塑剤(C)を含む樹脂組成物により構成される。
<ポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)>
本発明のチューブで用いられるポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)は、下記式(1)のポリフェニレンスルフィドの繰り返し単位が70モル%以上、好ましくは80モル%以上含まれる樹脂である。ポリフェニレンスルフィド系樹脂における下記繰り返し単位が70モル%以上であれば、ポリマーの結晶性や熱転移温度などの低下を抑えることができ、また、ポリフェニレンスルフィド系樹脂を主成分とする樹脂組成物の特徴である難燃性、耐薬品性及び電気的特性等の諸特性を損なうことがない。
Figure 2010084143
上記ポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)において、30モル%未満、好ましくは20モル%未満であれば、共重合可能な他のスルフィド結合を有する単位を含むこともできる。共重合可能な他の繰り返し単位としては、例えば、メタ結合単位、オルト結合単位、3官能単位、エーテル単位、ケトン単位、スルホン単位、アルキル基などの置換基を有するアリール単位、ビフェニル単位、ターフェニレン単位、ビニレン単位、カーボネート単位などが具体例として挙げられる。これらの単位は、1種類のみを単独で、または、2種類以上を組み合わせて含むことができる。この場合、これらの構成単位は、ランダム型又はブロック型などのいずれの共重合方式であってもかまわない。
上記ポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)は、直鎖・線状(リニアー型)の分子量50,000以上の高分子であることが好ましい。但し、これに限定されるものではなく、分岐鎖を有した高分子でも、一部架橋構造を有した高分子であっても用いることができる。
上記ポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)は、低分子量オリゴマーを含んでいてもかまわないが、その場合、低分子量オリゴマーの含有率は1.5質量%程度以下であることが耐熱劣化性や機械的強度の点から好ましい。低分子量オリゴマーの分子量は100以上、2,000以下の範囲であり、ポリフェニレンスルフィド系樹脂中に含まれる低分子量オリゴマーは、ジフェニルエーテルなどの溶媒で洗浄することにより除去できる。
上記ポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)の溶融粘度は、所定の物性を満たす熱収縮性部材が得られれば特に制限はないが、300℃、剪断速度100sec−1、オリフィスL/D=10/1(mm)の条件で測定した見かけ粘度が100Pa・s以上、好ましくは200Pa・s以上、さらに好ましくは400Pa・s以上であり、かつ10,000Pa・s以下、好ましくは5,000Pa・s以下、さらに好ましくは2,000Pa・s以下である。見かけ粘度が100Pa・s以上であれば製膜が可能であり、また見かけ粘度が10,000Pa・s以下であれば、押出時における押出機の負荷を抑えることができる。
上記ポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)の製造方法は、公知の製造方法が適用でき、特に限定されるものではない。例えば、N−メチル−2−ピロリドン(以下「NMP」と略することがある。)等の非プロトン性有機溶媒中でp−ジクロロベンゼン等のジハロゲン化芳香族化合物と硫化ナトリウム等のナトリウム塩とを反応させるという方法が一般に用いられる。重合度を調整するために苛性アルカリ、カルボン酸アルカリ金属塩などの重合助剤を添加して、230℃以上280℃以下の温度で反応させるのが好ましい。重合系内の圧力、重合時間は、所望する重合度、使用する重合助剤の種類や量などのよって適宜決定すればよい。
しかしながら、上記方法ではハロゲン化ナトリウムが副生し、このハロゲン化ナトリウムはNMP等の溶媒に不溶であるため樹脂中に取り込まれてしまい、重合後、多量の水でポリフェニレンスルフィド系樹脂を洗浄しても、ポリフェニレンスルフィド系樹脂中のハロゲン化ナトリウムを十分に取り除くことはできない場合がある。そこで、ナトリウム塩に代えてリチウム塩を用いて重合を行う方法も用いることができる。
ポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)の含有率は、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)、熱可塑性エラストマー(B)、及びリン系可塑剤(C)の質量の合計を100質量%とした場合、80質量%以上、好ましくは83質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上であり、かつ、95質量%以下、好ましくは93質量%以下、さらに好ましくは90質量%以下であることが望ましい。ポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)の含有量が80質量%以上であれば、難燃性、耐薬品性および電気的特性等の諸特性を損なうことがなく、また95質量%以下であれば、他の成分の添加を妨げることがない。
上記ポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)の市販品としては、フォートロン(ポリプラスチック社製)、DIC−PPS(DIC社製)、トレリナ(東レ社製)などが挙げられる。
<熱可塑性エラストマー(B)>
本発明のチューブでは、耐衝撃性を向上する目的で熱可塑性エラストマー(B)を前記ポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)に混合する。
本発明のチューブで用いられる熱可塑性エラストマー(B)としては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、オレフィン系共重合体、ポリスチレン系等のエラストマー、ニトリル系ゴム、アクリル系ゴムなどが挙げられる。
ポリエステル系エラストマーとしては、例えばポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートといった芳香族ポリエステルをハードセグメントとし、ポリエチレングリコールやポリテトラメチレングリコールといったポリエーテル、又はポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリカプロラクトンといった脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするブロック共重合体が挙げられる。
また、ポリアミド系エラストマーとしては、例えばナイロン6 、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12などをハードセグメントとし、ポリエーテル又は脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするブロック共重合体が挙げられる。
また、ウレタン系エラストマーとしては、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネートとエチレングリコール、テトラメチレングリコール等のグリコールとを反応させることによって得られるポリウレタンをハードセグメントとし、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル若しくはポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリカプロラクトン等の脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするブロック共重合体が挙げられる。
また、オレフィン系エラストマー及びスチレン系エラストマーの例としては、ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、ブタジエン−スチレン共重合体(ランダム、ブロック、グラフトの各共重合体)、イソプレン共重合体、クロロブタジエン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、イソブチレン共重合体、イソブチレン−ブタジエン共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体などが挙げられる。
さらに、部分変性したゴム成分も用いることができ、例えば、部分水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体、酸変性部分水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体、部分水添スチレン−イソプレンブロック共重合体などが挙げられる。なかでも酸変性部分水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体が好ましい。ここでいう酸変性とは、マレイン酸、フタル酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、アクリル酸等の有機酸で変性されていることを言い、特にマレイン酸で変性されていること(例えば、マレイン酸変性SEBS)が好ましい。
ポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)とこれらの熱可塑性エラストマー(B)とをブレンド又はアロイ化することにより、樹脂組成物の耐衝撃性を高めることができる。
熱可塑性エラストマー(B)の含有率は、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)、熱可塑性エラストマー(B)、及びリン系可塑剤(C)の質量の合計を100質量%とした場合、3質量%以上、好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは7質量%以上であり、かつ、12質量%以下、好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは9質量%以下であることが望ましい。熱可塑性エラストマー(B)の含有量が3質量%以上であれば、熱可塑性エラストマーの添加効果を得ることができ、また12質量%以下であれば難燃性等のポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)の特徴が損なわれることはない。
熱可塑性エラストマー(B)の市販品としては、例えばタフテックM(酸変性SEBS樹脂、旭化成ケミカルズ製)、クレイトンG(酸変性SEBS樹脂、クレイトンジャパン社製)などが挙げられる。
<リン系可塑剤(C)>
本発明のチューブで使用される樹脂組成物には、さらに難燃性可塑剤が添加される。難燃性可塑剤としては、種々のものを用いることができるが、特にリン系可塑剤を用いることが好ましい。用いられるリン系可塑剤(C)としては、例えば、リン酸エステル系可塑剤が挙げられる。リン酸エステル系可塑剤は、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)の特徴である難燃性を損なうことがないため好ましい。また、280℃以上320℃以下というポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)の押出温度を考慮すると、沸点や熱分解温度が400℃程度以上のリン酸エステル系可塑剤が好ましい。好ましいリン酸エステル系可塑剤としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェートなどが挙げられる。これらの可塑剤を用いることにより、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)の優れた難燃性を損なうことなく樹脂のガラス転移温度を下げることができ、その結果、樹脂に低温収縮性を付与できる。
リン系可塑剤(C)は、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)、熱可塑性エラストマー(B)、及びリン系可塑剤(C)の質量の合計を100質量%とした場合に、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上であって、15質量%以下、好ましくは12質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下の割合で含まれる。リン系可塑剤(C)の含有量が0.5質量%以上あれば、可塑化効果が得られ、低温収縮性や、折り目白化抑制効果が得られる。また、含有率が15質量%以下であると、溶融粘度が下がりすぎることなく、厚み精度の悪化を抑えられる。
リン系可塑剤(C)の市販品としては、例えばTPP(トリフェニルホスフェート、大八化学工業株式会社製)、TCP(トリクレジルホスフェート、大八化学工業株式会社製)、TXP(トリキシレニルホスフェート、大八化学工業株式会社製)、Pxシリーズ(レゾルシノールビスジ−2,6−キシレニルホスフェート、大八化学工業株式会社製)などが挙げられる。
<その他添加剤等>
本発明のチューブを構成する樹脂組成物には、熱収縮性部材に易滑性を向上させるため有機滑剤、無機滑剤、無機充填剤を添加でき、また必要に応じてその性質を損なわない程度に安定剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の助剤を配合できる。さらに、本発明の熱収縮性チューブには、各種目的のためにコロナ処理や火炎処理又は印刷やエンボス加工等を適宜施してもよい。
本発明のチューブは、その特徴を損なわない範囲で、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)、熱可塑性エラストマー(B)、及びリン系可塑剤(C)を含む樹脂組成物とは異なる樹脂組成物からなる他の層を1層以上積層することもできる。積層させる層は、内側の層でも外側の層でも構わない。この場合、積層させる層で用いられる樹脂組成物は、PPS樹脂であることが好ましいが、PPS樹脂以外の樹脂であってもよい。
<本発明のチューブの難燃性及び耐衝撃性>
本発明のチューブは、UL224 Optional VW−1 Flame Testにより評価した難燃性がVW−1であり、かつ、23℃でのパンクチャー衝撃試験による破壊エネルギーが0.2J以上であることが重要である。本発明のチューブは、UL224 Optional VW−1 Flame Testにより評価した難燃性がVW−1であるため、優れた難燃性を維持している。また、本発明のチューブは、破壊エネルギーが上記数値以上であるため、被覆部材に成形した際に、優れた耐衝撃性を発現でき、例えばコンデンサや電池の被覆用部材として好適に用いることができる。
23℃でのパンクチャー衝撃試験による破壊エネルギーが0.2J未満であると、コンデンサや電池の被覆材として、割れなどの問題が生じやすい。このような観点から23℃でのパンクチャー衝撃試験による破壊エネルギーは、好ましくは0.25J以上、より好ましくは0.3J以上、さらに好ましくは0.4J以上である。前記破壊エネルギーの上限は特に制限はないが、柔軟性・自動機適正(例えば、カット歯の寿命など)の観点からは、上限は好ましくは1.75Jであり、さらに好ましくは1.6Jである。
本発明のチューブの厚みは特に限定されないが、コンデンサや電池部材等の被覆に用いることを考えると、0.05mm以上、好ましくは0.07mm以上、さらに好ましくは0.1mm以上であり、かつ1.0mm以下、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.40mm以下、さらに好ましくは0.30mm以下、特に好ましくは0.20mm以下とすることが望ましい。例えば、厚さが0.10mmの熱収縮性チューブにおいて、23℃でのパンクチャー衝撃試験の破壊エネルギーを0.20J以上とし、かつ難燃性などの優れた特性を維持するためには、樹脂組成物中におけるポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)の含有率を80質量%以上95質量%とし、かつ、熱可塑性エラストマー(B)の含有率を3質量%以上12質量%以下とすることが望ましい。厚み0.10mmの熱収縮性チューブの場合、熱可塑性エラストマー(B)の含有率が12質量%を超えると、熱収縮性チューブのもつ難燃性が損なわれるおそれがあり、また熱可塑性エラストマー(B)の含有率が3質量%未満であると、23℃でのパンクチャー衝撃試験の破壊エネルギーが0.2J未満となる可能性が高い。なお、熱収縮性チューブの厚みが0.10mmである場合を例示したが、被覆部材の用途に応じて適切な厚みを選択することができる。この場合、上記ポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)に対する熱可塑性エラストマー(B)の添加量を調整することで、耐熱性、難燃性等のポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)の特性を維持しつつ、耐衝撃性にも優れる熱収縮性チューブとすることができる。例えば、厚みの増加に応じて、熱可塑性エラストマー(B)の添加量を本発明の効果が損なわれない範囲で減じてもよい。
<本発明のチューブの低温収縮性>
本発明のチューブは、100℃の温水中で5秒間浸漬したときの長さ方向の収縮率が30%以下、好ましくは25%以下、さらに好ましくは20%以下である。長さ方向の上記収縮率が30%以下であれば、部材被覆加工時の被覆位置がずれ難く、さらにカット長さを短くすることもできる。また、100℃温水中での長さ方向の収縮率の下限値については、上記被覆位置、カット長さ、などの問題を抑える観点から低いことが好ましく、0%、好ましくは3%、さらに好ましくは5%である。また、100℃温水中で5秒間浸漬したときの径方向の収縮率については、30%以上、好ましくは35%以上、さらに好ましくは40%以上であり、70%以下、好ましくは60%以下、さらに好ましくは50%以下の範囲である。径方向の上記収縮率が30%以上であれば、被覆するに十分な収縮量を得ることができ、70%以下であれば、部材に適切に被覆することができる。
また本発明のチューブは、90℃の温水中で5秒間浸漬したときの長さ方向の収縮率が25%以下、好ましくは20%以下、さらに好ましくは15%以下である。長さ方向の上記収縮率が25%以下であれば、部材被覆加工時の被覆位置がずれ難く、さらにカット長さを短くすることもできる。90℃温水中での長さ方向の収縮率の下限値については、上記被覆位置、カット長さ、などの問題を抑える観点から低いことが好ましく、0%、好ましくは3%、さらに好ましくは5%である。また、90℃温水中で5秒浸漬したときの径方向の収縮率については、20%以上、好ましくは25%以上、さらに好ましくは30%以上であり、60%以下、好ましくは50%以下、さらに好ましくは40%以下の範囲である。径方向の上記収縮率が20%以上であれば、被覆するに十分な収縮量を得ることができ、60%以下であれば、部材に適切に被覆することができる。
熱収縮特性は上記リン系可塑剤(C)の添加量、及びチューブの延伸温度等を適宜調整することにより得られる。例えば、長さ方向の収縮率を上限(100℃で30%、90℃で25%)側へ増加させる場合には、未延伸チューブの送り速度と延伸後のニップロール速度との比を大きくし、下限(0%)側へ減少させる場合には、未延伸チューブの送り速度と延伸後のニップロール速度との比を小さくすることにより得られる。また、径方向の収縮率を上限(100℃で70%、90℃で60%)側へ増加させる場合には、未延伸チューブの径と延伸後のチューブの径との比を大きくし、下限(100℃で30%、90℃で20%)側へ減少させる場合には、未延伸チューブの径と延伸後のチューブの径との比を小さくすることにより得られる。
<本発明のチューブの製造方法>
本発明のチューブを構成する樹脂組成物は、通常の公知の製造方法を用いて製造することができる。例えば、上記ポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)、熱可塑性エラストマー(B)、リン系可塑剤(C)、及び必要に応じて他の添加剤を予備混合して、単軸あるいは2軸の押出機、タンブラー、V型ブレンダー、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロールなど通常公知の溶融混合機に供給して180℃以上450℃以下程度の温度で混練する方法や、2ケ所以上の供給口を有する押出機の各供給口に別々に計量した成分を供給する方法などが挙げられる。また、原料の混合順序にも特に制限はなく、使用するポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)に直接各種の可塑剤や添加剤を混合し、溶融混練する方法、各種の可塑剤や添加剤をポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)に高濃度(代表的な含有量としては5質量%以上60質量%以下)に混合したマスターバッチを別途作製しておき、これをポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)に濃度を調整して混合する方法、一部の原材料を上記の方法により溶融混練しさらに残りの原材料を溶融混練する方法、あるいは一部の原材料を単軸あるいは二軸の押出機により溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの原材料を混合する方法など、いずれの方法を用いてもよい。また、少量添加剤成分については、他の成分を上記の方法などで混練し、ペレット化した後、成形前に添加して成形に供することもできる。
次に本発明のチューブの製造方法について説明する。本発明のチューブの製造方法については、特に限定されるものではないが、通常丸ダイを用いて未延伸チューブを押出し、次いで延伸してシームレスの熱収縮性チューブとする方法が好ましい。その他、TダイやIダイを用いて押出・延伸したフィルムを融着、溶着又は接着などにより貼り合わせてチューブ形状とする方法、さらに前記チューブ又はフィルムをスパイラル状に貼り合わせてチューブ形状とする方法などが挙げられる。
ここで、丸ダイを用いて未延伸チューブを押出し、次いで延伸して熱収縮性チューブとする方法についてさらに詳細に説明する。前記した樹脂組成物は、溶融押出装置により融点以上の温度に加熱溶融され、丸ダイから連続的に押し出した後、強制的に冷却され未延伸チューブに成型される。強制冷却の手段としては、低温の水に浸漬する方法、冷風による方法等を用いることができる。なかでも低温の水に浸漬する方法が、冷却効率が高く有効である。この未延伸チューブを連続的に次の延伸工程に供給してもよく、また一度ロール状に巻き取った後、この未延伸ロールを次の延伸工程の原反として用いてもよい。製造効率や熱効率の点から未延伸チューブを連続的に次の延伸工程に供給する方法が好ましい。
このようにして得られた未延伸チューブは、チューブ内側より圧縮気体で加圧し、延伸する。延伸方法は特に限定されるものではないが、例えば未延伸チューブの一方の端から圧縮気体による圧力を管の内側に加えつつ一定速度で送り出し、次いで温水又は赤外線ヒーター等により加熱し、径方向の延伸倍率を規制するために冷却された円筒管の中を通して固定倍率の延伸を行う。円筒管の適当な位置で延伸されるように温度条件等を調整する。円筒管で冷却された延伸後のチューブは、一対のニップロールにより挟んで延伸圧力を保持しながら延伸チューブとして引き取り巻取られる。延伸は、長さ方向又は径方向のいずれの順序でもよいが、同時に行うのが好ましい。
長さ方向の延伸倍率は、未延伸チューブの送り速度と延伸後のニップロール速度との比で決められ、径方向の延伸倍率は未延伸外径と延伸チューブ外径の比で決められる。これ以外の延伸加圧方法として、未延伸チューブ送り出し側と延伸チューブ引き取り側双方をニップロールに挟み封入した圧縮気体の内圧を維持する方法も採用できる。
本発明の熱収縮性チューブは、未延伸チューブをその径方向に1.2倍以上、好ましくは1.3倍以上、より好ましくは1.4倍以上から3.5倍以下、好ましくは2.5倍以下、より好ましくは2.0倍以下の範囲、かつ、その長さ方向に1.0倍以上、好ましくは1.02倍以上から2.0倍以下、好ましくは1.5倍以下、より好ましくは1.3倍以下の範囲の倍率で延伸させて得られたものが好ましい。ここで、チューブの径方向の延伸倍率が1.2倍以上であれば被覆するのに足りる収縮量が得られ、また3.0倍以下であれば、厚み振れが大きくなる傾向を抑えることができるとともに、配向結晶化による収縮率の低下を抑えることができる。一方、チューブの長さ方向の延伸倍率が2.0倍以下であれば、長さ方向の収縮量が大きくなりすぎて、電子部品等を被覆加工したときに被覆位置がずれる現象や、カット長さを長くする必要もないためコストアップを抑えることができる。
[本発明のチューブを被覆した部材]
本発明のチューブは、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)、熱可塑性エラストマー(B)、及びリン系可塑剤(C)を含有する樹脂組成物からなり、耐熱性、難燃性、耐衝撃性、電気特性、耐薬品性、および、耐電解液性を有する。そのため本発明のチューブは、コンデンサ、電池等の電子部品や、鋼管又はモーターコイルエンド、トランスなどの電気機器における被覆用として有用である。本発明のチューブは、主にアルミ電解コンデンサなどの電子部材やニッケル水素電池、リチウムイオン電池などの各種電池の被覆用部材として好適に用いることができる。本発明のチューブを被覆した部材は、その他の用途、例えば、電線(丸線、角線)、乾電池、鋼管又はモーターコイルエンド、トランスなどの電気機器や小型モーター、あるいは電球、蛍光灯、ファクシミリやイメージスキャナーの蛍光灯の用途としても利用可能である。
以下に実施例でさらに詳しく説明するが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。なお、本明細書中に表示される熱収縮性チューブについての種々の測定値及び評価は次のようにして行った。
(1)パンクチャー衝撃試験による破壊エネルギー
パンクチャー衝撃試験により熱収縮性チューブの破壊エネルギーを測定した。
ここで、パンクチャー衝撃試験による破壊エネルギーとは、JIS K7211−2で記載されるパンクチャー衝撃法に自社法を組み合わせて測定されたときのエネルギーを意味する。ここでいう自社法とは、衝撃速度が0.5m/分以上15m/分以下、試験温度が−40℃以上150℃以下、試験機器中の試験片固定サイズがφ40mm又はφ2インチ(50.8mm)、打ち抜き治具(ストライカ)のサイズがφ1/2インチ(12.7mm)、φ1インチ(25.4mm)、φ2インチ(50.8mm)のいずれかであることを表す。今回、実施例記載の試験条件としては、衝撃速度が3m/分、試験温度が23℃、試験片固定サイズがφ40mm、ストライカが1/2インチ(12.7mm)のものを使用した。
(2)熱収縮性チューブの収縮率
90℃および100℃の温水中に5秒間浸漬した前後の熱収縮性チューブの長さ及び折径を測定して、以下の式より算出した。
・長さ方向収縮率[%]=[(浸漬前のチューブの長さ−浸漬後のチューブの長さ)/浸漬前のチューブの長さ]×100
・径方向収縮率[%]=[(浸漬前のチューブの折径−浸漬後のチューブの折径)/浸漬前のチューブの折径]×100
(3)難燃性
熱収縮性チューブの難燃性をUL224 Optional VW−1 Flame Testに基づいて評価した。
(○):VW−1規格を満たす。
(×):VW−1規格を満たさない。
(4)落下試験
熱収縮性チューブを、熱風循環式シュリンクトンネルを用いて、外径35mm、長さ380mmのステンレス鋼からなる棒に150℃、40秒(s)の条件下で被覆した。さらにその後、熱風循環式恒温槽で85℃、24時間の熱処理を加え、次に常温で床より1mの高さから落下させ、外観を以下の基準で評価した。
(○):亀裂、割れが生じない。
(×):亀裂、割れが生じる。
(5)使用する原料
上記評価に供される熱収縮性チューブを構成する樹脂組成物について、実施例および比較例で使用した原料を以下に示す。
・PPS:ポリフェニレンスルフィド樹脂[ポリプラスチックス製、商品名:フォートロン0220C9、見かけ粘度(300℃、剪断速度100sec−1):510Pa・s]
・熱可塑性エラストマー:酸変性SEBS樹脂(旭化成ケミカルズ製、商品名:タフテックM1943)
・リン系可塑剤1:トリフェニルホスフェート(大八化学工業株式会社製 商品名:TPP)
・リン系可塑剤2:レゾルシノールビスジ−2,6−キシレニルホスフェート(大八化学工業株式会社製 商品名:Px−200)
(実施例1〜4及び比較例1〜3)
表1に記載した内容の樹脂組成物を、シリンダー温度300℃に設定した押出機で溶解させ、丸ダイを通してチューブラ成型加工し、折径59mm、厚さ0.1mmのチューブを得た。得られたチューブについて特性を評価した結果を表1に示した。
Figure 2010084143
表1より熱収縮性チューブは、添加する熱可塑性エラストマー(B)及びリン系可塑剤(C)が本発明の範囲内であれば、パンクチャー衝撃試験による破壊エネルギーが0.2J以上となり、また落下試験による割れがなく、VW−1の規格を満たし、かつ、90℃と100℃の両温度において優れた熱収縮性を示した(実施例1〜4)。これに対して、熱可塑性エラストマー(B)を含まない熱収縮性チューブは、難燃性はあるものの、パンクチャー衝撃試験による破壊エネルギーが0.2J以下となり、落下試験により割れが発生し(比較例2)、あるいは製膜ができなかった(比較例3)。また、添加する熱可塑性エラストマー(B)が本発明の好ましい範囲外である熱収縮性チューブは、パンクチャー衝撃試験による破壊エネルギーと落下試験による割れはなかったが、VW−1の規格を満たさなかった(比較例1)。これより、本発明の熱収縮性チューブは、難燃性、耐衝撃性、及び低温収縮性に優れた熱収縮性チューブであることがわかる。よって、本発明の熱収縮性チューブは、難燃性、耐衝撃性及び低温収縮性に優れるため、電池、電子部品、特にはアルミ電解コンデンサなどの被覆用部材として利用できる。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うポリフェニレンスルフィド系熱収縮性チューブ、該チューブで被覆された部材もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。

Claims (6)

  1. ポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)、熱可塑性エラストマー(B)、及びリン系可塑剤(C)を含む樹脂組成物で構成され、UL224 Optional VW−1 Flame Testにより評価した難燃性がVW−1であり、23℃でのパンクチャー衝撃試験による破壊エネルギーが0.2J以上である、ポリフェニレンスルフィド系熱収縮性チューブ。
  2. 前記ポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)、前記熱可塑性エラストマー(B)、及び前記リン系可塑剤(C)の合計100質量%に対し、前記ポリフェニレンスルフィド系樹脂(A)を80質量%以上95質量%以下、前記熱可塑性エラストマー(B)を3質量%以上12質量%以下、前記リン系可塑剤(C)を0.5質量%以上15質量%以下の含有率で含む樹脂組成物から構成される、請求項1に記載のポリフェニレンスルフィド系熱収縮性チューブ。
  3. 100℃の温水中に5秒間浸漬したときの熱収縮率が、径方向で30%以上70%以下、長さ方向で30%以下である、請求項1または2に記載のポリフェニレンスルフィド系熱収縮性チューブ。
  4. 90℃の温水中に5秒間浸漬したときの熱収縮率が、径方向で20%以上60%以下、長さ方向で25%以下である、請求項1または2に記載のポリフェニレンスルフィド系熱収縮性チューブ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のポリフェニレンスルフィド系熱収縮性チューブで被覆された部材。
  6. 電子機器又は電気機器の用途で用いられる請求項5に記載の部材。
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