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JP2010082246A - 生体スペクトルの測定データ処理方法 - Google Patents

生体スペクトルの測定データ処理方法 Download PDF

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JP2010082246A JP2008255416A JP2008255416A JP2010082246A JP 2010082246 A JP2010082246 A JP 2010082246A JP 2008255416 A JP2008255416 A JP 2008255416A JP 2008255416 A JP2008255416 A JP 2008255416A JP 2010082246 A JP2010082246 A JP 2010082246A
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Katsuhiko Maruo
勝彦 丸尾
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Abstract

【課題】微量成分の情報を損なうことがなく、しかも分析値未知のスペクトルデータの対応範囲が広いものとする。
【解決手段】生体の近赤外スペクトルを測定して得られた近赤外スペクトルデータと検量モデルとから目的の生体成分濃度を定量するにあたり分析値未知の近赤外スペクトルデータに対して行う前処理であって、生体成分濃度の算出に用いる分析値未知の近赤外スペクトルデータに生じている加算的・乗算的変化の補正を、検量モデル作成に用いた近赤外スペクトルのデータセットとは無関係に上記分析値未知の近赤外スペクトルのデータセットに対して行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、近赤外光による生体スペクトルの測定データ処理方法、殊に生体を時系列測定して得られる近赤外スペクトルデータに対する分析値未知の近赤外スペクトルの前処理方法に関するものである。
近赤外分光法は、波長が800から2500nmの近赤外光を用いる分光分析手法であって、生体成分濃度測定に用いられる近赤外分光法は、生体組織に近赤外光を照射し生体組織内を拡散した光を測定し得られるスペクトル信号から生体組織の定性・定量分析を行う手法であり、生体内の種々の情報を非侵襲的に、試薬を用いることなく、その場で、即時に得ることができることから、健康医療分野における多くの用途で注目されている。特に、パルスオキシメータに代表される血中酸素濃度測定については実用化され、広く利用されている。
しかしながら、近赤外スペクトルは容易に外乱の影響を受け、そのスペクトル形状を変化させるものであり、特に生体におけるスペクトル測定においては生理的要因や環境的要因によって生体性状変化が経時的に生ずるため、生体スペクトル形状変化が生じる。また、散乱変化等の影響によりベースライン変動等の変化を生じることが多い。
したがって、このような変動に対処するために、主成分回帰分析やPLS回帰分析のような多変量回帰を行い、検量モデルを作成する際の説明変量である近赤外スペクトルに何らかの前処理を施して定性・定量分析の安定化や高精度化をはかることがよく行われる。
この前処理については様々な手法が提案され、実用にも供されているが、手法としては大きくノイズ除去法、ベースライン補正法、Resolution Enhancement法、規格化法に分類することができる。具体的には、平滑化、微分処理、MSC処理、差分化、正規化等の手法が用いられている。
生体成分濃度の測定においては、生体内の血糖値のような微小成分を分析することを主に想定していることから、微分処理によるようなベースライン補正法は適さない。それは1次微分、2次微分のような微分処理によってスペクトル内の微少成分に関する情報が劣化する可能性があるためで、上記用途には複数の近赤外スペクトルの関係、特に何らかの基準スペクトルを用いて前処理を行う手法が適している。
このような前処理の代表例として知られているMSC処理(Multiplicative Scattering Correlation)は、スペクトルに内在する加法的要因(オフセット)と乗法的要因(増幅)を補正するために用いられ、近赤外分光法では最もよく利用される前処理手法の一つである。その概要について述べると、生体の散乱状態や光学特性値の変化によって近赤外スペクトルにはベースライン変動に代表される加算的な変化や、乗算的な変化が生じる。ある基準となる状態で測定した近赤外スペクトルをA0(λ)とし、生体の状態変化によって変化した近赤外スペクトルA(λ)とすると、近赤外スペクトルはA(λ)は
A(λ)=αA0(λ)+β+e(λ)
と表すことができる。ここで、αは乗算的散乱因子、βは加算的散乱因子、e(λ)はランダムノイズである。
MSC処理はこのαとβの影響を近赤外スペクトルの前処理の段階でスペクトル全体にわたって一括して除去するもので、αとβの値を最小2乗法によって推定することで、スペクトルを全て仮想的な基準スペクトルA’0(λ)に変換する。2つの因子の推定値をαc、βcとすると、変換式は
A’0(λ)=(A(λ)−βc)/αc
となる。αc、βcを求める際に用いる基準スペクトルとしては、測定した全スペクトルの平均スペクトルが用いられることが多い。ここで特に述べるが、このような処理は多変量解析の際の説明変量に用いる近赤外スペクトルデータセットの処理として用いられる。また分析値未知の近赤外スペクトルから目的とする特性値を推定する場合は、その分析値未知の近赤外スペクトルに対して前述の多変量解析に用いた近赤外スペクトルに対して行ったものと同様の処理を、同じ基準スペクトルをもとに行う必要がある。
通常の近赤外分光法においては検量モデル作成に際し可能なかぎり多くの数の、また、多くのバリエーションの近赤外スペクトルデータを収集し多変量解析することが、高精度で安定な検量モデルを作成するために必要とされている。
これは、検量モデル作成に多くの近赤外スペクトル(説明変量)を用いることで、将来的に測定する分析値未知の近赤外スペクトルの特徴をも包含した検量モデルを作成する可能性がより高くなるためである。通常の近赤外分光法で行われているMSC処理は、この検量モデル作成に多くの近赤外スペクトル(説明変量)に対して行われ、同様な前処理を分析値未知の近赤外スペクトルに対しても行われる。
以上に述べたMSC処理は単回帰を用いた前処理補正手法であるが、重回帰を用いた前処理補正手法も提案されている。重回帰を用いたベースライン補正法は、吸収ピークが存在しない領域を指定し、この領域に対して波長を利用した回帰を行い、もとの測定スペクトルからこの効果を差し引くことにより補正を行う手法である。
MSC処理以外にも、個々の近赤外スペクトルから直流分(全波長にわたるスペクトルの平均)を差し引き、さらにその標準偏差で割ることによって全てのスペクトルの吸光度値が平均値0、標準偏差1となるように基準化する方法も提案されている。
一方、生体成分濃度の定量、特に血糖値測定への応用については、特開2006‐87913号公報に開示されるような生体組織から得られた近赤外スペクトルから血糖値を測定する手法が提案されている。図1は、特開2006‐87913号公報に開示された非侵襲式の光学式血糖値測定システムの従来例を示すもので、ハロゲンランプ1から発光された近赤外光は熱遮蔽板2、ピンホール3、レンズ4、光ファイババンドル5を介して生体組織6に入射される。光ファイババンドル5には測定用光ファイバ7の一端とリファレンス用光ファイバ8の一端が接続されている。測定用光ファイバ7の他端は測定用プローブ9に接続されており、リファレンス用光ファイバ8の他端はリファレンス用プローブ10に接続されている。さらに、測定プローブ9およびリファレンスプローブ10は光ファイバを介して測定側出射体11,リファレンス側出射体12にそれぞれ接続されている。
人体の前腕部など生体組織6の表面に測定プローブ9の先端面を所定圧力で接触させて近赤外スペクトル測定を行う時、光源1から光ファイババンドル5に入射した近赤外光は、測定用光ファイバ7内を伝達し、図1(b)に示すような測定用プローブ9の先端から同心円周上に配置された12本の発光ファイバ20より生体組織6の表面に照射される。生体組織6に照射されたこの測定光は生体組織内で拡散反射した後に、拡散反射光の一部が測定プローブ9の先端に配置されている受光ファイバ19に受光される。受光された光はこの受光側光ファイバ19を介して、測定側出射体11から出射される。測定側出射体11から出射された光は、レンズ13を通して回折格子14に入射し、分光された後、受光素子15において検出される。
受光素子15で検出された光信号はA/Dコンバーター16でAD変換された後、パーソナルコンピュータなどの演算装置17に入力される。血糖値は演算装置17においてこのスペクトルデータを解析することによって算出される。リファレンス測定はセラミック板など基準板18を反射した光を測定し、これを基準光として行う。すなわち、光源1から光ファイババンドル5に入射した近赤外光はリファレンス用光ファイバ8を通して、リファレンス用プローブ10の先端から基準板18の表面に照射される。基準板に照射された光の反射光はリファレンス用プローブ10の先端に配置された受光光ファイバ19を介してリファンレス側出射体12から出射される。上記の測定側出射体11とレンズ13の間、及びこのリファンレス側出射体12とレンズ13の間にはそれぞれシャッター22が配置してあり、シャッター22の開閉によって測定側出射体11からの光とリファンレス側出射体12からの光のいずれか一方が選択的に通過するようになっている。
測定プローブ9とリファレンスプローブ10の端面は図1(b)に示すように円上に配置された12本の発光ファイバ20と中心に配置された1本の受光ファイバ19で構成されている。発光ファイバ20と受光ファイバ19の中心間距離Lは0.65mmである。測定側出射体11とリファレンス側出射体12の端面は出射ファイバ21(受光ファイバ19の他端)が中心に配置されている。
ここで、中心間距離0.65mmに光ファイバを配置して入射点と検出点とする測定プローブを用いているのは、表面より表皮、真皮、皮下組織の層状構造を有する皮膚組織における皮部分のスペクトルを選択的に測定するためであり、この測定プローブを皮膚表面に接触させスペクトル測定を行うと、入射光ファイバより照射された近赤外光は皮膚組織内を拡散反射し、入射された光の一部が検出用光ファイバに到達し、その光の伝播経路は“バナナ・シェイプ”と呼ばれる経路をとる。この時、上記中心間距離に設定されておれば真皮部分を中心に伝播することになる。したがって、吸光信号をSN比が向上され、精度よく生体成分濃度の測定ができる。
また、検量モデルの作成にシミュレーションを利用することも従来から行われている。特開2004-138454号公報には、散乱体の濃度測定に際して散乱体のマーカー成分を代用特性として散乱体の濃度測定を行う方法が開示されており、ここでは散乱体濃度が標準値から所定量だけ変化した場合のマーカー成分濃度の偏差をシミュレーションによって求めておき、実際の偏差に対応する散乱体濃度を求めている。
さらに前出の特開2006-87913号公報においては、シミュレーションによって求めた吸光度スペクトルと基準吸光度スペクトルの間の差分である差分吸光度スペクトルを求め、この差分吸光度スペクトルに測定した被験者から吸光度スペクトルを合成して合成吸光度スペクトルを求め、この合成吸光度スペクトルを多変量解析することで検量モデルを作成する手法が開示されている。
近赤外スペクトルの前処理を行っている従来例としては、水分量既知の複数の爪試料に対して近赤外線を照射して複数の拡散反射スペクトルデータを求めて爪の水分量の検量線を作成するにあたり、複数の拡散反射スペクトルデータに所定の次数の微分を施した後、さらにMSCを施す前処理を行って補正スペクトルデータを得、この補正スペクトルデータと既知の水分量データとを偏最小自乗回帰解析法を用いて統計処理して検量線を作成し、次いで被験者の爪に対して近赤外線を直接照射して拡散反射スペクトルデータを求め、検量線を用いて爪の水分量を測定する手法が特開2003−344278号公報に示されている。通常のMSC処理は検量線(検量モデル)を作成するために用いられる。
ここにおいて、生体を測定した分析値未知の近赤外スペクトルに散乱変化等の影響により生じるベースライン変動等の変化を補正し、高精度で安定な生体成分測定を行うことを主目的とする場合、特に生体内の血糖値のような微量成分を分析することを想定している場合、近赤外スペクトルの前処理としてよく用いられる微分処理によるようなベースライン補正法は適さない。近赤外分光法で用いられる1次微分、2次微分のような微分処理は、デジタル的には前後の波長データの差を取るものであったり、前後数点に対する近似曲線の微分値を算出するものであったりするために、微量成分量の変化に関連する微小信号に関連する情報が劣化してしまう可能性があるためである。
微分によらない近赤外スペクトルの前処理手法としては、前記のMSC処理が最もよく用いられるが、従来用いられているMSC処理手法は、生体の微量成分の定量のため数値シミュレーションにより検量モデルを作成する場合には適さない。
それは通常のMSC処理では、検量モデル作成のための近赤外スペクトル(説明変量)に対してMSC処理によるスペクトル補正を行って検量モデルを作成し、その前処理と同様な処理を分析値未知のスペクトルデータに対して行うことで高精度化、安定化をはかっているが、たとえば、特開2006-87913号公報に示したような数値シミュレーション等で近赤外スペクトルを合成して検量モデルを作成する場合、検量モデル作成のための近赤外スペクトル(説明変量)は前処理や補正が不要の理想的状態で測定した近赤外スペクトルであると仮定できるために、補正をおこなうことでかえって検量性能を悪化させる虞があるためである。
また、数値シミュレーション等によらず実測した近赤外スペクトルから検量モデルを作成する場合にも適しているとは言えない。通常、検量モデル作成には可能な限り多くのバリエーションの近赤外スペクトルを収集することが良いとされるが、これは十分に大きなSN比を有する生体成分の分析に対して言えることであり、SN比の劣る微量成分を検出する場合、検量モデル作成のための近赤外スペクトル(説明変量)として数多くの近赤外スペクトルを用いると、その分、外乱の数と大きさが大きくなってSN比が劣化する。
したがって、微量成分の検出のためには必要最小限の限られた外乱要因の(限られた数の)近赤外スペクトル(説明変量)で検量モデル作成することが精度向上に重要である場合、そのような限られた数の近赤外スペクトル(説明変量)に対して作成した補正を分析値未知のスペクトルデータに対して施すと、将来的に測定する分析値未知の近赤外スペクトルの特徴をも包含した検量モデルを作成できる可能性が低くなるからである。
特開2006‐87913号公報 特開2004-138454号公報 特開2003−344278号公報
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、微量成分の情報を損なうことなく加算的および乗算的なスペクトル変動を補正することができるとともに分析値未知のスペクトルデータの対応範囲が広い生体スペクトルの測定データ処理方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明に係る生体スペクトルの測定データ処理方法は、生体の近赤外スペクトルを測定して得られた近赤外スペクトルデータと検量モデルとから目的の生体成分濃度を定量するにあたり分析値未知の近赤外スペクトルデータに対して行う前処理であって、生体成分濃度の算出に用いる分析値未知の近赤外スペクトルデータに生じている加算的・乗算的変化の補正を、検量モデル作成に用いた近赤外スペクトルのデータセットとは無関係に上記分析値未知の近赤外スペクトルのデータセットに対して行うことに特徴を有しており、また、請求項2の発明は、近赤外スペクトルの測定開始から終了まで時系列で測定した近赤外スペクトルデータを分割し、分割した分析値未知の近赤外スペクトルデータセット内の近赤外スペクトルに生じている加算的・乗算的変化の補正を未知データセットのみで行うことに特徴を有しており、請求項3の発明は前記分割した分析値未知の近赤外スペクトルデータセット内の近赤外スペクトルからなるデータセットに対し、近赤外スペクトルの測定毎に測定した新しい近赤外スペクトルの追加と、古い近赤外スペクトルデータの削除とを繰り返すことで新たなデータセットを作成し、そのデータセットに対し加算的・乗算的変化の補正を行うことに特徴を有している。
また、請求項4の発明は、時系列で測定した近赤外スペクトルデータを分割し、分割した分析値未知の近赤外スペクトルデータセット内の近赤外スペクトルに生じている加算的・乗算的変化を補正するにあたり、生体成分濃度の演算結果表示に時間遅れを持たせて、分割した分析値未知の近赤外スペクトルデータセットの必要数がそろった後に加算的・乗算的変化の補正を行うことに特徴を有しており、請求項5の発明は前記時系列スペクトルデータの分割を3時間以内に収集された分析値未知の近赤外スペクトルデータセットに対して行うことに特徴を有している。
更に請求項6の発明は時系列で測定した近赤外スペクトルデータの分割を、測定した近赤外スペクトルの特徴量変化を検知して該特徴量変化を指標として行うことに特徴を有しており、請求項7の発明は目的変量と外乱とを含む近赤外スペクトルを数値シミュレーションにて複数合成し、合成した数値シミュレーションスペクトルで構成されるデータセットから検量モデルを作成することに特徴を有している。
近赤外スペクトルに生じている加算的・乗算的変化の補正のために用いられていた従来のMSC処理は、前述のように、より良い検量モデルを作成するために近赤外スペクトルデータセット(説明変量)に対してMSC処理を施し、それと同様の処理を分析値未知のスペクトルに対しても行うことが普通である。すなわち、より良い検量モデルを得るために行われていた体成分濃度未知の近赤外スペクトルの前処理は、検量モデルを作成するために近赤外スペクトルデータセット(説明変量)に用いた関係を用いて行うものとなっている。したがって、成分濃度未知の近赤外スペクトルの前処理は検量モデル作成という手順を踏むことで、前処理のためのMSC処理に用いる基準スペクトル(平均スペクトル)が決定されている。
これに対して、本発明においては、説明変量となる近赤外スペクトルデータセットとは無関係に生体成分濃度未知のスペクトルに対して加算的・乗算的変化に対する補正処理を行うものであり、更にはその補正処理を時系列で測定した近赤外スペクトルデータを分割し、分割したデータセット内の近赤外スペクトルに生じている加算的・乗算的変化を補正することで、定量精度を向上させている。
生体中の微量成分を定量する時に用いる検量モデルは、前述のように多くの外乱を含む近赤外スペクトル(説明変量)から作成すると、外乱が増えたあるいは大きくなった分(すなわちNが増大した分)、微量成分の信号(S)に対するSN比を低下させることになり、結果として定量性能を悪くさせる。したがって、必要最小限の外乱で構成される近赤外スペクトル(説明変量)から検量モデルを作成することが高精度な測定には必要である。
この点において、前出の特開2006-87913号公報に示されたように、数値シミュレーションを用いることで必要最小限の外乱を組込んだ近赤外スペクトルを合成し、そこから検量モデルを作成する場合、数値シミュレーションで合成した近赤外スペクトルは、測定を行う実験系における理想状態で測定した近赤外スペクトルを作成しているので、近赤外スペクトルを補正する必要がない。実際の近赤外スペクトル測定においては、このような理想状態での測定を目指して測定を行い、達成できない部分を補正により補っていると考えれば、数値シミュレーションで合成した近赤外スペクトルに対してMSC処理のような加算的・乗算的変化を補正する処理を施すことは不要であることが理解できる。

このように生体における微量成分の定量分析に適した検量モデルについては、説明変数として用いる近赤外スペクトルに対して補正を行う必要がないために、また、補正を行ったとしてもその補正を分析値未知のスペクトルデータに反映させる必要がないために、分析値未知のスペクトルデータセットに対し独立に補正を行うことが有効となる。
また、この際、分析値未知のスペクトルデータセットに対して微分処理のような微少成分に関する情報を損なうような方法でなく、加算的・乗算的変化を補正する手法、たとえば従来のMSC処理で説明変量として用いる近赤外スペクトルに対して行う補正手法を用いることが定量分析にきわめて有効である。
さらに、補正処理に際しては、長時間にわたり収集した分析値未知のスペクトルデータセットでなく、3時間以内に収集した複数の未知スペクトルで構成されるデータセットに対して加算的・乗算的変化を補正する処理を行うことが有効である。生体の微量成分量の生体変化に対応する生理変化は、通常数時間、その多くが3時間以内に生じるためである。たとえば、摂食に伴う生理変化(食後の血糖値変化、食事誘発性体熱産生、発汗等)は、食後2時間程度で落ち着くことが多い。したがって、生体を測定した近赤外スペクトルは3時間以内の適切な時間範囲内で分割して前処理することで、異なった生理状態の影響を小さくすることができる。
また、前記分割した分析値未知の近赤外スペクトルデータセット内の近赤外スペクトルからなるデータセットに対して、スペクトル測定毎に測定した新しい近赤外スペクトルの追加と、古い近赤外スペクトルデータの削除を繰り返すことで新たなデータセットを作成し、そのデータセットに対し加算的・乗算的変化を補正することも有効である。
また、時系列で測定した近赤外スペクトルデータを分割し、分割した分析値未知の近赤外スペクトルデータセット内の近赤外スペクトルに生じている加算的・乗算的変化を補正し、生体成分濃度を定量する際に、生体成分濃度の演算結果表示に時間遅れを持たせ、分割した分析値未知の近赤外スペクトルデータセットの必要数がそろった後に加算的・乗算的変化を補正し、生体成分濃度を定量し結果を表示することも有効である。
また、時系列で測定した近赤外スペクトルデータの分割を、測定した近赤外スペクトルの特徴量変化を検知し、特徴量変化を指標として行うことも有効である。
また、数値シミュレーションにより外乱を含む近赤外スペクトルを複数合成し、合成した数値シミュレーションスペクトルで構成されるデータセットから検量モデル(検量線)を作成し、前記の前処理を行った分析値未知の近赤外スペクトルを用いて生体成分濃度を演算することも有効である。
本発明は、微量成分の情報を損なうことなく加算的および乗算的なスペクトル変動を補正することができるものであり、このために分析値未知のスペクトルデータの対応範囲が広く且つ精度の高い生体成分濃度測定を可能とするものである。
以下、本発明を実施の形態の一例に基づいて説明すると、ここでは生体の皮膚組織を対象とした近赤外スペクトル測定の場合の例を示す。前述のように生体の皮膚組織は大きく表皮、真皮、皮下組織の3層の組織で構成されており、表皮組織は角質層を含む組織で、組織内に毛細血管はあまり発達しておらず、皮下組織は主に脂肪組織で構成されている。このためにこれら二つの組織内に含まれる水溶性の生体成分濃度、特に、グルコース濃度と血中グルコース濃度(血糖値)との相関は低いと考えられる。
一方、真皮組織については毛細血管が発達していることと、水溶性の高い生体成分濃度、特に、グルコースが組織内で高い浸透性を有することから組織内生体成分濃度、特に、グルコース濃度は間質液(ISF:Interstitial Fluid)と同様に血糖値に追随して変化すると考えられる。したがって真皮組織を標的としたスペクトル測定を行えば、生体成分濃度、特に、血糖値変動と相関するスペクトル信号の測定が可能となる。
この時、波長が1300nm以上2500nm以下の近赤外光を用いる場合、前述のように発光部と受光部とを中心間距離0.65mmに離して構成される近赤外スペクトル測定プローブを皮膚に接触させて近赤外スペクトル測定を行うと、発光部から照射された近赤外光は照射面より皮膚組織に照射され、皮膚組織内を拡散反射し、その一部が受光部に到達する。この際の光の伝播経路は、真皮層を中心として“バナナ・シェイプ”と呼ばれる形状をとって皮膚組織内を伝播するので、皮膚組織の深さ方向の選択的測定が可能であり、精度良い測定ができる。このために近赤外スペクトルを測定するための装置としては、前記特開2006‐87913号公報で示されたものを好適に用いることができることから、この点については説明を省略する。
次に本発明の実施例を具体的に記述する。
[実施例1]
本実施例は真皮組織中のグルコース濃度変化を代用特性として血糖値を非侵襲的に測定するにあたっての血糖測定用の検量モデル作成手法に関するもので、上述の装置を用いて測定した近赤外スペクトルから血糖値を推定する。定量に用いた近赤外光の波長範囲は1430nmから1850nmである。
本実施例における近赤外スペクトルは表皮、真皮、皮下組織層の光学特性値を回帰式に代入することで得ている。この回帰式は、表皮、真皮、皮下組織層の光学特性値に対してモンテカルロ法による数値シミュレーションを行って得た吸光度を目的変量とし、前記表皮、真皮、皮下組織層の光学特性値を説明変量としてPLS回帰分析を用いて作成しているとともに、ここでは3次の回帰モデルとしてPLS回帰分析により回帰式を得ている。
シミュレーションを行なった皮膚組織の構造は、0.1mmの表皮組織、0.9mmの真皮組織、2.0mmの皮下組織層、そしてその下層を完全吸収体として単純にモデル化したものである。モンテカルロ法によれば、生体組織における近赤外光の伝播は吸収と散乱の確率分布に基づく関数でシミュレーションすることができる。実際の演算では、光を数多くの光束としてそれぞれの光束の伝播経路を媒体の光学特性に基づき追跡することで、所定の受発光条件における近赤外スペクトルを再現している。
実際に皮膚組織の近赤外スペクトルのシミュレーションを行なう手順としては、測定対象とする皮膚組織の構造、吸収係数、散乱係数、屈折率、異方散乱パラメータの光学特性値と演算を行うフォトン数を決定し、コンピュータ演算することにより行う。皮膚組織のシミュレーションを行なう場合、皮膚構造が表皮組織、真皮組織及び皮下組織層で構成されているために、皮下組織層より下の層を含めた層状構造として単純にモデル化し、各層の厚さ、吸収係数、散乱係数、異方散乱パラメータとフォトン数を決定する。フォトン数は通常、数十万から数百万程度の数が用いられる。したがって、表皮組織、真皮組織及び皮下組織の厚さ、各組織の吸収係数、散乱係数、屈折率、異方散乱パラメータが決まれば、被験者の皮膚組織の近赤外スペクトルの再現が数値シミュレーションで可能となる。
シミュレーションに用いた発光・受光系のモデルを図2に、各皮膚組織の光学特性値を図3および図4に示す。図3において真皮組織の吸収係数は、水分60%とたんぱく質15%とを重ね合わせた。また表皮組織の吸収係数は水20%とし、皮下組織層の吸収係数はコレステロールの吸収係数を用いている。図4に示す真皮組織及び皮下組織層の散乱係数は、Troy らとSimpsonらの文献を参考にして、表皮層と真皮層の散乱係数は同じとした。各組織の異方散乱パラメータは0.9、屈折率は1.37とし、波長に対して一定としている。
血糖値を求める検量モデルを作成するには、血糖値変動および外乱変動を付与した表皮、真皮、皮下組織層の光学特性値を前記回帰式に代入して得られるシミュレーションスペクトルからなるデータセットを多変量解析する。
前記外乱変動は、血糖値測定期間内に予想される生体組織の変化に伴い変化する血糖値、水分量、蛋白質濃度、脂質濃度、温度、散乱係数、異方散乱パラメータの全部または一部に対応する光学特性値を変化させたものである。これらの内、血糖値、水分量、蛋白質濃度、脂質濃度については、濃度変化に伴う吸光度変化とその濃度変化に伴う体積分率の変化が水に置き換わることを仮定して吸光係数、散乱係数を変化させている。温度変化については水のピークシフトとして付与している。散乱係数と異方散乱パラメータについては独立して変化させた。ただし、外乱の付与の方法はこれに限るものではない。
次に、得られた複数のシミュレーションスペクトルの平均スペクトルと各シミュレーションスペクトルとの差スペクトルを取り、差分スペクトルを計算し、差分スペクトルデータセットとする。次に、血糖値測定時に測定した初期近赤外スペクトル(通常、測定開始時に測定した近赤外スペクトル)に前記差分スペクトルデータセットを加算演算し、検量モデル作成のためのスペクトルデータセットを計算的に作成する。血糖値推定に用いる検量モデルは、血糖値を目的変量、検量モデル作成のためのスペクトルデータセットを説明変量とし、PLS回帰分析により作成した。
血糖値の推定は、こうして得た検量モデルに前処理を施した近赤外スペクトルの各波長の吸光度を代入することで行う。推定血糖値のバイアス補正は測定開始時1点で実測血糖値と推定血糖値が一致するようにした。そして本実施例における近赤外スペクトルの前処理は、測定開始時から1時間毎の間に蓄積した近赤外スペクトルに対して加算的・乗算的変化を補正する前処理を施す手法を用いた。
上記前処理は、分割したそれぞれ1時間内に測定した近赤外スペクトルの平均スペクトルを基準スペクトルとし、1時間内に測定したそれぞれの近赤外スペクトルに対して前記基準スペクトルとの相関係数(乗算的散乱因子)、y切片(加算的散乱因子)を最小2乗法によって推定し、それぞれの近赤外スペクトルから加算的散乱因子を減算後、乗算的散乱因子を除して近赤外スペクトルを変換した。
1時間毎に分割して前処理を実施して得た血糖値の推定結果を図5(a)に示す。比較のために前処理を施さずに血糖値の推定を行なった結果を図5(b)に示す。両者を比較を比較すると、本実施例による前処理手法により、相関係数が0.8から0.87に向上していることがわかる。また、推定血糖値の実測血糖値の変化に対する追随性も良好であることがわかる。
推定血糖値の表示に関しては、本実施例においては1時間のデータ蓄積が終了する度に測定した近赤外スペクトルに対する前処理を施して1時間毎に推定血糖値を表示したために、測定終了を待たずとも測定途中段階での血糖値変化を把握することができた。
[実施例2]
本実施例においては、5分毎の時系列で測定した近赤外スペクトルを7本の近赤外スペクトルで分割して前処理を行った。7本の近赤外スペクトルは、新たな近赤外スペクトルを測定する度に新たに測定したスペクトルを追加するとともに、最古のスペクトルを削除することで常に7本の近赤外スペクトルのデータセットを持つようにした。
分析値未知の近赤外スペクトルの前処理は、近赤外スペクトルを測定し新たなデータセットを持つたびに、7本の近赤外スペクトルの平均スペクトルを基準スペクトルとして計算し、近赤外スペクトルと前記基準スペクトルとの相関係数(乗算的散乱因子)、y切片(加算的散乱因子)を最小2乗法によって推定し、それぞれの近赤外スペクトルから加算的散乱因子を減算後、乗算的散乱因子を除して近赤外スペクトルを変換した。
そして近赤外スペクトルの測定毎に最新のスペクトルに対して前処理を行い、その時点の血糖値を推定して表示するという操作を繰り返し行った。測定毎に分割区間を更新した本例の場合の血糖値推定結果を図6に示す。なお、本実施例の検量モデルは実施例1と同じ数値シミュレーションによるものを用いている。実験開始時に推定血糖値のバイアス補正を行なう手法も同じである。このように処理した場合、実測血糖値と推定血糖値の相関係数が0.90に向上した。また、推定血糖値のリアルタイム表示が可能となった。
ここでは測定した最新の近赤外スペクトルに対して前処理を行ったが、これに限るものではなく、7本のどのスペクトルに対して行っても良い。また、7本(30分間)のデータセットについてもこれに限るものではなく、3時間以内の時系列データで構成したものであればよい。
[実施例3]
本実施例における近赤外スペクトルの前処理は、時系列で測定した近赤外スペクトルデータの分割を、測定した近赤外スペクトルの特徴量変化を検知し、特徴量変化を指標として行っており、近赤外スペクトルの特徴量としては、測定する近赤外スペクトルのベースラインに相当する1650nmの吸光度を用いた。ベースラインの安定の判断は、前回測定値との吸光度差が0.0002未満となることが3回以上続くと安定と判断し、安定期間の前後の期間を前処理を行う期間とした。
図7(a)にベースラインの変動で前処理区間を決定した本実施例による血糖値推定結果を示す。図7(b)は本実施例のベースライン(1650nm)変化を示すグラフ(3点の移動平均を施している)で、5分毎に測定している近赤外スペクトルは12時15分から12時25分までと15時00分から15時15分までを安定期間と判定できるので、前処理は測定開始から12時10分まで、12時15分から12時25分まで、12時30分から14時55分まで、15時00分から15時15分まで、15時20分から測定終了までの5つに分割した。図7(c)に示した無処理の場合の相関係数は0.80であるが、本実施例の場合、相関係数が0.90まで向上した。
検量モデル作成に用いた近赤外スペクトルと無関係に前処理を行うことができるために、任意時間でのデータセットの分割が可能となり、血糖値推定における自由度が向上する。
[実施例4]
本実施例における近赤外スペクトルの前処理手法は測定データも時系列データの分割区間も実施例3と同様で、測定する近赤外スペクトルのベースラインの安定から前処理の分割区間を測定開始から12時10分まで、12時15分から12時25分まで、12時30分から14時55分まで、15時00分から15時15分まで、15時20分から測定終了までの5つに分け、区間内に蓄積した近赤外スペクトルに対して血糖値を算出する検量モデルを次のように作成した。
すなわち、分割したそれぞれの区間内に測定した近赤外スペクトルの平均スペクトルを基準スペクトルに対して実施例1と同様の差分スペクトルを加算し、検量モデル作成のためのスペクトルデータセットを計算的に作成する。そして検量モデルは、血糖値を目的変量、スペクトルデータセットを説明変量としてPLS回帰分析により作成した。また検量モデルは区間毎にそれぞれ作成し、その区間内の分析値未知の近赤外スペクトルデータに対して血糖値推定を行なった。
ベースラインの変動で前処理区間を決定してその都度検量モデルを作成した本実施例での血糖値推定結果を図8に示す。このグラフでは区間毎に行った血糖値推定を連続的に表示している。グラフに示すように全体での相関係数が0.76と若干劣化するが、糖負荷前の推定値が安定するとともに、糖負荷前後の急峻な血糖値変動が時間遅れを有しているものの的確に推定できており、糖変動の立ち上がりをモニターする用途に適したものとなっており、スペクトルデータセットに応じて検量モデルを作成することで、測定開始から糖負荷後までの推定精度の向上と測定の安定化を図ることができる。
本実施例に用いた検量モデル作成法は、実施例2で示した測定毎にデータセットを更新するような場合にも適用することができる。この場合、近赤外スペクトルの測定の度に検量モデル作成を行うことになるが、計算負荷は小さいので通常のCPUを用いてもほぼリアルタイムでの測定値表示が可能である。
血糖値測定を例としてあげたが、本発明はこれに限定されるものではなく、血糖値以外に測定できる生体成分としては、尿酸値、コレステロール量、中性脂肪量、アルブミン量、グロブリン量、酸素飽和度、ヘモグロビン量、ミオグロビン量などの生理指標がある。
(a)は本発明で用いることができる測定システムの概略図、(b)は測定プローブの端面図である。 本発明に用いたシミュレーションの発光・受光系のモデルの概略図である。 本発明のシミュレーションに用いた各皮膚組織の吸光係数の説明図である。 本発明のシミュレーションに用いた各皮膚組織の散乱係数の説明図である。 (a)は本発明の実施例1による生体成分の推定結果を示す説明図、(b)は前処理無しの場合の推定結果を示す説明図である。 本発明の実施例2による生体成分の推定結果を示す説明図である。 (a)は本発明の実施例3による生体成分の推定結果を示す説明図、(b)はベースラインの変動を示す説明図、(c)は前処理無しの場合の推定結果を示す説明図である。 本発明の実施例4による生体成分の推定結果を示す説明図である。
符号の説明
1 ハロゲンランプ
5 光ファイババンドル
6 生体組織
7 測定用光ファイバ
9 測定用プローブ
15 受光素子
16 A/Dコンバータ
17 演算装置

Claims (7)

  1. 生体の近赤外スペクトルを測定して得られた近赤外スペクトルデータと検量モデルとから目的の生体成分濃度を定量するにあたり分析値未知の近赤外スペクトルデータに対して行う前処理であって、生体成分濃度の算出に用いる分析値未知の近赤外スペクトルデータに生じている加算的・乗算的変化の補正を、検量モデル作成に用いた近赤外スペクトルのデータセットとは無関係に上記分析値未知の近赤外スペクトルのデータセットに対して行うことを特徴とする生体スペクトルの測定データ処理方法。
  2. 近赤外スペクトルの測定開始から終了まで時系列で測定した近赤外スペクトルデータを分割し、分割した分析値未知の近赤外スペクトルデータセット内の近赤外スペクトルに生じている加算的・乗算的変化の補正を未知データセットのみで行うことを特徴とする請求項1記載の生体スペクトルの測定データ処理方法。
  3. 前記分割した分析値未知の近赤外スペクトルデータセット内の近赤外スペクトルからなるデータセットに対し、近赤外スペクトルの測定毎に測定した新しい近赤外スペクトルの追加と、古い近赤外スペクトルデータの削除とを繰り返すことで新たなデータセットを作成し、そのデータセットに対し加算的・乗算的変化の補正を行うことを特徴とする請求項2記載の生体スペクトルの測定データ処理方法。
  4. 時系列で測定した近赤外スペクトルデータを分割し、分割した分析値未知の近赤外スペクトルデータセット内の近赤外スペクトルに生じている加算的・乗算的変化を補正するにあたり、生体成分濃度の演算結果表示に時間遅れを持たせて、分割した分析値未知の近赤外スペクトルデータセットの必要数がそろった後に加算的・乗算的変化の補正を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の生体スペクトルの測定データ処理方法。
  5. 前記時系列スペクトルデータの分割を3時間以内に収集された分析値未知の近赤外スペクトルデータセットに対して行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の生体スペクトルの測定データ処理方法。
  6. 時系列で測定した近赤外スペクトルデータの分割を、測定した近赤外スペクトルの特徴量変化を検知して該特徴量変化を指標として行うことを特徴とする請求項2記載の生体スペクトルの測定データ処理方法。
  7. 目的変量と外乱とを含む近赤外スペクトルを数値シミュレーションにて複数合成し、合成した数値シミュレーションスペクトルで構成されるデータセットから検量モデルを作成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の生体スペクトルの測定データ処理方法。
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