JP2010078421A - 加速度センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】高周波の過大加速度に対して、可動電極が固定電極と接触する機会を格段に減少させる加速度センサを提供する。
【解決手段】加速度センサは、基板200と、慣性質量体106と、可動電極105と、リンク梁107とを有している。慣性質量体106は、基板200の表面に対して面内に変位可能なように基板200に支持されている。可動電極105は、基板200と対向するように配置され、基板200の表面に対して面外に変位可能なように基板に支持されている。リンク梁107は、慣性質量体106の面内変位を可動電極105の面外変位に変換するように慣性質量体106と可動電極105とを連結している。
【選択図】図2
【解決手段】加速度センサは、基板200と、慣性質量体106と、可動電極105と、リンク梁107とを有している。慣性質量体106は、基板200の表面に対して面内に変位可能なように基板200に支持されている。可動電極105は、基板200と対向するように配置され、基板200の表面に対して面外に変位可能なように基板に支持されている。リンク梁107は、慣性質量体106の面内変位を可動電極105の面外変位に変換するように慣性質量体106と可動電極105とを連結している。
【選択図】図2
Description
本発明は、加速度センサに関し、特に、静電容量型の加速度センサに関するものである。
従来の容量型の加速度センサは、たとえば、単結晶シリコンから成る基板と、その基板上に形成された厚さ数μm〜十数μmのポリシリコン(多結晶シリコン)薄膜から成る導電性の可動構造体とを有する。可動構造体は、基板上に堆積させたポリシリコン薄膜をエッチング加工して形成された慣性質量体と梁とを有する。慣性質量体は、その梁により空隙を介して基板上に宙支されている。また、慣性質量体は、一対の可動電極を有しており、基板上に設けられた一対の固定電極と空隙を介して対向し、二組のコンデンサを形成する。加速度による慣性力が慣性質量体に作用すると、二組のコンデンサの静電容量は、可動電極の変位により一方が増大し、他方が減少して差動容量変化を起こす。すなわち、加速度センサに加速度が加わると、可動電極は梁のバネ復元力と加速度に質量を乗じた慣性力とが釣り合う位置に変位する。従来の容量型の加速度センサは、この時の可動電極の変位量を、二組のコンデンサの差動容量変化として外部検出回路で換算して加速度を検出する(たとえば、特許文献1参照)。
特開2005-172543号公報
エアバッグシステムなどに用いられる加速度センサは、一般的に検出周波数範囲がDC〜数百Hzである。それ以上の周波数成分は、ローパスフィルタで除去される。
エアバッグ用の加速度センサでは、衝撃による車体の共振現象などで、高周波で過大な加速度が入力し、可動電極が固定電極と接触する場合がある。加速度による変位により可動電極と固定電極とが接触しなければ、高周波成分はローパスフィルタで除去される。しかしながら、可動電極が固定電極と接触すると、加速度センサの出力がハイ(High)もしくはロー(Low)に張り付くことにより、エアバッグシステムの衝突判定が正しく行われない場合がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高周波の過大加速度に対して、可動電極が固定電極と接触する機会を格段に減少させる加速度センサを提供することである。
本発明の加速度センサは、基板と、面内変位体と、面外変位体と、リンク梁とを有している。面内変位体は、基板の表面に対して面内に変位可能なように基板に支持されている。面外変位体は、基板と対向するように配置され、基板の表面に対して面外に変位可能なように基板に支持されている。リンク梁は、面内変位体の面内変位を面外変位体の面外変位に変換するように面内変位体と面外変位体とを連結している。
本発明の加速度センサによれば、面内変位を面外変位に変換することで、面外変位体がスクイズフィルムダンピング効果による減衰を受けることにより、可動電極が固定電極と接触する機会を格段に減少させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
最初に本実施の形態の加速度センサの構成について説明する。
(実施の形態1)
最初に本実施の形態の加速度センサの構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における加速度センサの構成を示す平面図である。図2は、図1のII−II線に沿う部分の概略断面図である。
図1および図2を参照して、本実施の形態の加速度センサは、主に、慣性質量体アンカー101と、可動電極アンカー102と、曲げ梁103と、捩れ梁104と、可動電極(面外変位体)105と、慣性質量体(面内変位体)106と、リンク梁107と、アクチュエーション電極108、109と、基板200と、固定電極201、202と、第一の絶縁膜203と、第二の絶縁膜204とを有している。
慣性質量体アンカー101は、基板200に支持されている。慣性質量体106は、曲げ梁103を介して慣性質量体アンカー101に支持されている。これにより、慣性質量体106は、基板200の表面に対して面内に変位可能なように基板200に支持されている。ここで、基板200の表面に対して面内に変位可能とは、基板200の表面と平行な面内の方向に変位できることを意味している。
可動電極アンカー102は、基板200に支持されている。可動電極105は、捩れ梁104を介して可動電極アンカー102に支持されている。
捩れ梁104は、可動電極105の図2中の下側の部分に接続されている。またリンク梁107は、慣性質量体106と可動電極105とを連結しており、特に可動電極105の図2中の上側の部分に接続されている。
これにより、可動電極105は、基板200の表面に対して面外に変位可能なように基板200に支持されている。ここで、基板200の表面に対して面外に変位可能とは、基板200の表面と平行な面内以外の方向に変位できることを意味している。
この可動電極105は、図2中の下側部分で捩れ梁104に支持されているため、慣性質量体106の面内変位による力がリンク梁107を介して可動電極105の図2中の上側部分に作用すると可動電極105にはトルクが生じて可動電極105の面外変位が可能になる。
また可動電極105は、その下面が基板200の表面と対向するように配置されている。そして、可動電極105と対向する基板200の表面に、第一の絶縁膜203を介して固定電極201、202が配置されている。これにより、固定電極201、202のそれぞれは可動電極105の下面と対向し、可動電極105との間で静電容量C1、C2を構成している。C1は、可動電極105と固定電極201との間の静電容量であり、C2は、可動電極105と固定電極202との間の静電容量である。
アクチュエーション電極108は、慣性質量体106の一方側に配置されており、アクチュエーション電極109は、慣性質量体106の一方側とは反対側に配置されている。これにより、アクチュエーション電極108、109のそれぞれは、慣性質量体106の側面と対向し、慣性質量体106との間で電気的に静電引力を発生させることができる。アクチュエーション電極108、109は、それぞれアクチュエーション電極配線110、111と基板200上で接続されている。基板200と固定電極201、202とは、第一の絶縁膜203および第二の絶縁膜204により電気的に分離されている。基板200と慣性質量体アンカー101および可動電極アンカー102とは、第一の絶縁膜203および第二の絶縁膜204により電気的に分離されている。
慣性質量体アンカー101と、可動電極アンカー102と、曲げ梁103と、捩れ梁104と、可動電極105と、慣性質量体106と、リンク梁107と、アクチュエーション電極108、109との材質としては、たとえばポリシリコン膜を用いることができる。基板200の材質としては、たとえば単結晶シリコンを用いることができる。第一の絶縁膜203の材質としては、たとえばシリコン酸化膜を用いることができる。第二の絶縁膜204の材質としては、たとえばシリコン窒化膜を用いることができる。
また本実施の形態の加速度センサは、上記の静電容量C1、C2から加速度を得るための加速度検出回路を有している。この加速度検出回路は、図3に示すように直列に接続された検出容量C1、C2と、その検出容量C1とC2との間に接続されたC−V変換回路と、そのC−V変換回路に接続されたセンサ出力回路とを有している。
なお、直列に接続された検出容量C1、C2の一端(つまり、固定電極201)は定電圧Vsが印加されるよう構成されており、他端(つまり、固定電極202)は接地電位が印加されるよう構成されている。
次に本実施の形態の加速度センサの検出原理について説明する。
図2を参照して、本実施の形態の加速度センサに、基板200の表面と平行な矢印205の方向に加速度Axが印加されると、慣性質量体106は、慣性の法則に従って、加速度Axの方向とは反対の矢印206の方向に慣性力を受け、矢印206の方向に面内変位する。この際、慣性質量体106と連結する曲げ梁103がバネ効果で曲がり、曲げ梁103に復元力が蓄積される。上記の慣性質量体106の面内変位により、リンク梁107を介して可動電極105の図2中の上側部分には矢印206と同じ方向の力が加わる。このとき、可動電極105の図2中の下側部分は捩れ梁104により支持されている。このため、図2中において捩れ梁104の上端に位置する点207を中心として回転矢印208の方向にトルクが発生する。このトルクにより捩れ梁104は点207を中心として回転矢印208の方向に面外変位する。すなわち可動電極105は、点207を通り基板200の表面に対して平行な軸209に回転可能に基板200に支持されている。またリンク梁107は、基板200の表面に対して軸209より上方で可動電極105と連結された部分を有している。このようにして、慣性質量体106の面内変位が可動電極105の面外変位に変換される。可動電極105が回転矢印208の方向に回転すると、可動電極105と固定電極201の距離が遠くなるので静電容量C1が減少し、可動電極105と固定電極202との距離が近くなるので静電容量C2が増大する。
図2を参照して、本実施の形態の加速度センサに、基板200の表面と平行な矢印205の方向に加速度Axが印加されると、慣性質量体106は、慣性の法則に従って、加速度Axの方向とは反対の矢印206の方向に慣性力を受け、矢印206の方向に面内変位する。この際、慣性質量体106と連結する曲げ梁103がバネ効果で曲がり、曲げ梁103に復元力が蓄積される。上記の慣性質量体106の面内変位により、リンク梁107を介して可動電極105の図2中の上側部分には矢印206と同じ方向の力が加わる。このとき、可動電極105の図2中の下側部分は捩れ梁104により支持されている。このため、図2中において捩れ梁104の上端に位置する点207を中心として回転矢印208の方向にトルクが発生する。このトルクにより捩れ梁104は点207を中心として回転矢印208の方向に面外変位する。すなわち可動電極105は、点207を通り基板200の表面に対して平行な軸209に回転可能に基板200に支持されている。またリンク梁107は、基板200の表面に対して軸209より上方で可動電極105と連結された部分を有している。このようにして、慣性質量体106の面内変位が可動電極105の面外変位に変換される。可動電極105が回転矢印208の方向に回転すると、可動電極105と固定電極201の距離が遠くなるので静電容量C1が減少し、可動電極105と固定電極202との距離が近くなるので静電容量C2が増大する。
上記の静電容量C1、C2の変化から、図3に示す加速度検出回路を用いて加速度が検出される。図3を参照して、この加速度の検出に際しては、まず直列に接続された検出容量C1、C2の一端には定電圧Vsが印加され、他端には接地電位が印加される。そして検出容量C1、C2の中間電位VmがC−V変換回路で検出される。中間電位Vmのゼロ点出力および出力感度を調整した後、加速度に応じた電圧がセンサ出力調整回路より出力される。
このとき、中間電位Vmは、下記の値となる。
Vm=Vs×C1/(C1+C2)
上記のC1/(C1+C2)は、可動電極105の回転変位量に比例する。また可動電極105の回転変位量は、加速度Axに比例する。よって、この加速度検出回路により、加速度センサに作用する加速度が検出される。
Vm=Vs×C1/(C1+C2)
上記のC1/(C1+C2)は、可動電極105の回転変位量に比例する。また可動電極105の回転変位量は、加速度Axに比例する。よって、この加速度検出回路により、加速度センサに作用する加速度が検出される。
また本実施の形態の加速度センサは、自己診断機能を有している。
図1を参照して、アクチュエーション電極108と慣性質量体106との間に電圧が印加されると、静電引力により慣性質量体106がアクチュエーション電極108側に変位する。この慣性質量体106の変位を、可動電極105と固定電極201および固定電極202との間の静電容量変化として観測することにより、センサ動作を自己診断することができる。
図1を参照して、アクチュエーション電極108と慣性質量体106との間に電圧が印加されると、静電引力により慣性質量体106がアクチュエーション電極108側に変位する。この慣性質量体106の変位を、可動電極105と固定電極201および固定電極202との間の静電容量変化として観測することにより、センサ動作を自己診断することができる。
次に、本実施の形態の加速度センサの製造方法について説明する。
図5(A)、(B)、図6(A)、(B)および図7は、本発明の実施の形態1における加速度センサの製造方法を工程順に示す概略断面図である。図5(A)、図6(A)および図7は、図1のII−II線に沿う断面に対応した概略断面図であり、図5(B)および図6(B)は図1のV(B)−V(B)線に沿う断面に対応した概略断面図である。
図5(A)、(B)、図6(A)、(B)および図7は、本発明の実施の形態1における加速度センサの製造方法を工程順に示す概略断面図である。図5(A)、図6(A)および図7は、図1のII−II線に沿う断面に対応した概略断面図であり、図5(B)および図6(B)は図1のV(B)−V(B)線に沿う断面に対応した概略断面図である。
最初に、図5(A)、(B)を参照して、単結晶シリコンからなる基板200の表面に、シリコン酸化膜からなる第一の絶縁膜203が、熱酸化法で典型的には厚さ2μmで形成される。
次に、第一の絶縁膜203上に、導電性の第一のポリシリコン膜が、典型的には厚さ0.5μmで形成される。その後、写真製版とドライエッチングにより、第一のポリシリコン膜がパターニングされる。これにより、第一のポリシリコン膜から固定電極201、202、配線110、111が形成される。また、これ以外に、図示していないが、第一のポリシリコン膜から固定電極201、202の配線、可動電極105の配線、慣性質量体アンカー101を基板200に固定するためのポリシリコンパッドなども形成される。
次に、パターニングされた第一のポリシリコン膜上に、シリコン窒化膜204が、典型的には厚さ0.2μmで形成される。この後、固定電極201、202、可動電極105の配線、アクチュエーション電極の配線110、111およびポリシリコンパッド上のシリコン窒化膜204が、写真製版とドライエッチングにより除去され、窓明けされる。
次に、PSG膜(Phospho−Silicate−Glass:リンガラス)などの第一の犠牲層膜1201が、典型的には厚さ2μmで形成される。慣性質量体アンカー101(図1)、可動電極アンカー102(図1)、アクチュエーション電極108、109(図1、図2)のそれぞれが形成される位置のPSG膜が写真製版とウエットエッチングにより除去され、窓明けされる。
次に、第二の導電性のポリシリコン膜1202が、典型的には厚さ4μmで形成される。
次に、図5(B)に示すようにリンク梁107(図1、図2)の下方に空隙を設けるため、写真製版とドライエッチングにより、第二のポリシリコン膜1202がリンク梁107と同一平面形状でエッチング除去されて溝部301が形成される。PSG膜などの第二の犠牲層膜1203が第二のポリシリコン膜1202の厚さ以上の厚さで形成され、溝部301が第二の犠牲層膜1203で完全に埋め込まれる。第二のポリシリコン膜1202上に堆積した不要な第二の犠牲層膜1203は、CMP法(化学機械研磨法)で第二のポリシリコン膜1202表面と同じ高さになるまで研磨されて除去される。これにより、第二のポリシリコン膜1202の溝部301にのみ第二の犠牲層膜1203が埋め込まれた状態となる。
次に、図5(A)に示すように可動電極105の捩れ梁104(図1、図2)となる部位上に捩れ梁104の平面寸法と同一寸法のCVD酸化膜1204が、CVD法(化学気相成長法)により典型的には厚さ0.6μmで形成される。
次に、第三の導電性のポリシリコン膜1205が、第二のポリシリコン膜1202上を覆うように典型的には厚さ4μmで形成される。
次に、図6(A)、(B)を参照して、写真製版とドライエッチングにより、第三のポリシリコン膜1205および第二のポリシリコン膜1202が、図6(A)、(B)に示す形状に加工される。これにより、第二のポリシリコン膜1202、第三の導電性のポリシリコン膜1205から慣性質量体アンカー101、可動電極アンカー102、曲げ梁103、捩れ梁104、可動電極105、慣性質量体106、リンク梁107、アクチュエーション電極108、109が形成される。
また第二のポリシリコン膜1202のドライエッチングは、ドライエッチングの特性によって第一の犠牲層膜1201上で自動的に停止する。捩れ梁104上に堆積した第三のポリシリコン膜1205は、このとき同時にエッチング除去される。捩れ梁104上の第三のポリシリコン膜1205のエッチングは、第二のポリシリコン膜1202のエッチングが始まる前に、第二のポリシリコン膜1202上に形成したCVD酸化膜1204によって自動的に停止する。他の領域で第二のポリシリコン膜1202のエッチングが進行しても、CVD酸化膜1204の下の第二のポリシリコン膜1202はエッチングされずに残るので、捩れ梁104が形成できる。
この後、各ポリシリコン配線の終端部にスパッタ法などの薄膜形成装置で外部と電気接続するための金属パッドが形成される。この状態では、可動部となるべき部分は、第一の犠牲層膜1201および第二の犠牲層膜1203に固定されているので可動することができない。この後、PSG膜などの犠牲層膜1201、1203がウェットエッチングで除去される。
次に、図7を参照して、上記のウェットエッチングによるリリース(開放)工程により、リンク梁107の下側領域と可動電極105、慣性質量体106、曲げ梁103、捩れ梁104の下側領域に空隙が生じ、可動部が可動可能とされる。
以上により、図1、図2に示す本実施の形態の加速度センサが製造される。
次に、本実施の形態の加速度センサの作用効果について説明する。
次に、本実施の形態の加速度センサの作用効果について説明する。
図4は、本実施の形態の加速度センサに加速度が加えられた際の面外変位体の動作を示す図1のII−II線に沿う部分の概略断面図である。
図4を参照して、面内変位体である慣性質量体106に高周波の過大加速度Axが基板200に平行な矢印401方向に印加されたとき、慣性質量体106は、慣性の法則に従って反対向きの矢印402の方向に面内変位する。この慣性質量体106の面内変位により、リンク梁107で連結された可動電極105も、捩れ梁104の先端に位置する点405を中心として、回転矢印404の方向に面外変位する。これにより固定電極201および固定電極202と可動電極105との距離が急激に変わる。可動電極105と固定電極201との間には、加速度センサの可動部を密閉保護するために行う気密封止の際に封入された気体403が存在する。気体403は、可動電極105の急激な動きに追随できず気体403の粘性による抵抗力を発生する。すなわち可動電極105は、気体403から回転矢印404の方向の面外変位と反対向きの抗力を受ける。この抗力により、可動電極105は、急激な変位が抑制され、減衰される。可動電極105の減衰は、リンク梁107を介して逆向きに慣性質量体106に伝達される。慣性質量体106の急激な変位が減衰されることにより、加速度センサは高周波過大加速度に対する耐性が強くなる。
上記効果は、スクイズフィルムダンピング効果として知られている。スクイズフィルムダンピング効果は、周波数依存性を持ち、周波数が高くなるとダンピング効果は大きくなる。スクイズフィルムダンピング効果が発揮されるためには、可動電極105と固定電極201との間の距離が狭く、可動電極105と固定電極201との対向面積が大きいことが必要である。
一般に、面内の加速度を検出する加速度センサは、一対の電極を面内で対向するように形成する。したがってその電極の対向面積は、ポリシリコン膜厚に依存する。しかしながらポリシリコン膜厚は、ポリシリコン成膜上の制限からむやみに厚くできない。このため、面内の加速度を検出する加速度センサでは、図1および図2の可動電極105と固定電極201のように対向面積を大きくとれないので、図1および図2の可動電極105と固定電極201の電極間に生成するような大きなスクイズフィルムダンピング効果が期待できない。よって面内の加速度を検出する加速度センサは、高周波過大加速度に対する耐性が弱く、可動電極の破損や出力の張り付きが起こる。
本実施の形態によれば、加速度センサは、慣性質量体106に発生した面内の変位を可動電極105の面外変位に変換して検出するという機構にしているので、スクイズフィルムダンピング効果を生起するのに必要な、可動電極105と固定電極201との対向面積が大きく、可動電極105と固定電極201との空間距離が短く、その空間には適度な圧力の気体が存在するとの条件を備えることができる。このため、本実施の形態の加速度センサは、スクイズフィルムダンピング効果により可動電極105が固定電極201、202と接触する機会を格段に減少させることができる。したがって、本実施の形態の加速度センサは、面内の加速度を検出する加速度センサでありながら、高周波過大加速度に対する耐性が強いという特徴を有する。
そのため、本実施の形態の加速度センサは、センサの出力がハイもしくはローに張り付き、加速度を誤検出する危険性を大幅に回避することができる。よって長期にわたり精度の高い加速度の検出をすることができる。また、本実施の形態の加速度センサは、慣性質量体106に発生した面内の加速度を可動電極105の面外変位に変換して検出することができるので、可動電極105の基板表面に対する投影面積を大きくすることで検出される静電容量を大きくすることにより、加速度検出感度を高感度にすることができる。
また、慣性質量体106の変位方向で慣性質量体106と対向するように基板200に支持され、慣性質量体106との間に電気的に静電引力を発生させるアクチュエーション電極108、アクチュエーション電極109のいずれか一方かまたは両者をさらに備えていることが好ましい。これにより、慣性質量体106の変位を、可動電極105と固定電極201、202との間の静電容量変化として検出することにより、センサを自己診断することができる。
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2における加速度センサの平面図である。本実施の形態の加速度センサは、実施の形態1の構成と比較して、アクチュエーション電極および可動電極の構成と、リンク梁の構成とにおいて主に異なっている。
図8は、本発明の実施の形態2における加速度センサの平面図である。本実施の形態の加速度センサは、実施の形態1の構成と比較して、アクチュエーション電極および可動電極の構成と、リンク梁の構成とにおいて主に異なっている。
またアクチュエーション電極は、アクチュエーション固定櫛歯電極802、803を有している。アクチュエーション固定櫛歯電極802、803は、基板200の表面と平行な面内における慣性質量体106が変位する方向で可動櫛歯電極801と対向するように基板200に支持されている。またリンク梁107が、慣性質量体106の上面と可動電極105の上面とに接続されている。
なお、本実施の形態のこれ以外の構成は、上述した実施の形態1の構成と同様であるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態の加速度センサによれば、慣性質量体106に設置した可動櫛歯電極801とアクチュエーション固定櫛歯電極802、803との間に静電引力を発生させることにより、センサの自己診断をすることができる。
本実施の形態の加速度センサによれば、実施の形態1と同様に、面内変位体である慣性質量体106の面内変位をリンク梁107と捩れ梁104を介して可動電極105の面外変位に変換し、可動電極105と固定電極201、202との間の静電容量変化として検出することにより加速度の検出を行うことができる。
本実施の形態によれば、加速度センサは、複数の可動櫛歯電極801を有している。加速度センサは、慣性質量体106の変位方向で可動櫛歯電極801と対向するように基板200に支持され、可動櫛歯電極801との間に電気的に静電引力を発生させるアクチュエーション固定櫛歯電極802、803を有している。本実施の形態の加速度センサは、複数の可動櫛歯電極801を設けているため、可動櫛歯電極801とアクチュエーション固定櫛歯電極802、803との間に外部から電気エネルギーを与えて静電引力を発生させた場合、個々の可動櫛歯電極とアクチュエーション固定櫛歯電極との間に働く静電引力が小さくても、合成された静電引力が大きなものとなるため、低いアクチュエーション電圧でも強いアクチュエーション力を有する。したがって、本実施の形態の加速度センサは、アクチュエーション出力の増加、アクチュエーション電圧の低電圧化、アクチュエーション精度向上などの利点を有する。
(実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態3における加速度センサの構成を示す平面図である。図10は、図9のX−X線に沿う部分の概略断面図である。図11は、図9のXI−XI線に沿う部分の概略断面図である。
図9は、本発明の実施の形態3における加速度センサの構成を示す平面図である。図10は、図9のX−X線に沿う部分の概略断面図である。図11は、図9のXI−XI線に沿う部分の概略断面図である。
図9〜図11を参照して、本実施の形態の加速度センサは、主に慣性質量体アンカー101と、曲げ梁103と、捩れ梁104と、慣性質量体106と、リンク梁107と、アクチュエーション電極108、109と、基板200と、第一の絶縁膜203と、第二の絶縁膜204と、アクチュエーション電極108、109と、捩れフレームアンカー505と、捩れフレーム(面外変位体)508と、櫛歯状の可動電極(面内変位体)510と、固定電極511、512とを有している。
慣性質量体アンカー101は、基板200に支持されている。慣性質量体106は、曲げ梁103を介して慣性質量体アンカー101に支持されている。これにより、慣性質量体106は、基板200の表面に対して面内に変位可能なように基板200に支持されている。基板200と慣性質量体アンカー101とは、第一の絶縁膜203および第二の絶縁膜204により電気的に分離されている。
捩れフレームアンカー505は、基板200に支持されている。捩れフレーム508は、捩れ梁104を介して捩れフレームアンカー505に支持されている。捩れ梁104は、捩れフレーム508の図10中の下側の部分に接続されている。また、リンク梁107は、慣性質量体106と捩れフレーム508とを連結している。
これにより、捩れフレーム508は、基板200の表面に対して面外に変位可能なように基板200に支持されている。つまり、捩れフレーム508は、図10中の下側部分で捩れ梁104に支持されているため、慣性質量体106の面内変位による力がリンク梁107を介して捩れフレーム508の図11中の上面部分に作用すると、捩れフレーム508にはトルクが生じて捩れフレーム508の面外変位が可能になる。
櫛歯状の可動電極510は、固定電極511と512とに挟まれた状態で慣性質量体106の長辺側に配置されている。櫛歯状の可動電極510は、慣性質量体106の基板200の表面と平行な面内における慣性質量体106が変位する方向で固定電極511、512と対向するように配置されている。これにより、固定電極511、512のそれぞれは、櫛歯状の可動電極510との間で静電容量C1、C2を構成している。
アクチュエーション電極108、109は、捩れフレーム508の下面と対向するように基板200の表面に配置されている。アクチュエーション電極108、109は、アクチュエーション電極配線110、111と基板表面で接続されている。基板200と捩れフレームアンカー505とは、第一の絶縁膜203および第二の絶縁膜204により電気的に分離されている。
慣性質量体アンカー101と、曲げ梁103と、捩れ梁104と、慣性質量体106と、リンク梁107と、アクチュエーション電極108、109、捩れフレームアンカー505、捩れフレーム508、櫛歯状の可動電極510、固定電極511、512との材質としては、たとえばポリシリコン膜を用いることができる。基板200の材質としては、たとえば単結晶シリコンを用いることができる。第一の絶縁膜203の材質としては、たとえばシリコン酸化膜を用いることができる。第二の絶縁膜204の材質としては、たとえばシリコン窒化膜を用いることができる。
なお、本実施の形態のこれ以外の構成は、上述した実施の形態1の構成と同様であるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
次に、本実施の形態の加速度センサの加速度検出動作を説明する。
図10を参照して、加速度センサに基板200と平行な矢印703の方向に加速度Axが印加されると、慣性質量体106は、慣性の法則に従って、加速度の方向とは反対の矢印704の方向に慣性力を受け、基板200と平行な矢印704の方向に面内変位する。この際、慣性質量体106と連結している曲げ梁103がバネ効果で曲がり、曲げ梁103に復元力が蓄積される。上記の慣性質量体106の面内変位により、リンク梁107を介して捩れフレーム508の図10中の上側部分には矢印704と同じ方向の力が加わる。このとき、捩れフレーム508の図2中の下側部分は捩れ梁104により支持されている。このため、図10中において捩れ梁104の上端に位置する点601を中心として回転矢印602の方向にトルクが発生する。このトルクにより捩れ梁104は点601を中心として回転矢印602の方向に面外変位する。このようにして、慣性質量体106の面内変位が捩れフレーム508の面外変位に変換される。捩れフレーム508が回転矢印602の方向に回転すると、櫛歯状の可動電極510と固定電極512の距離が近くなるのでC2が増大し、櫛歯状の可動電極510と固定電極511との距離が遠くなるのでC1が減少する。
図10を参照して、加速度センサに基板200と平行な矢印703の方向に加速度Axが印加されると、慣性質量体106は、慣性の法則に従って、加速度の方向とは反対の矢印704の方向に慣性力を受け、基板200と平行な矢印704の方向に面内変位する。この際、慣性質量体106と連結している曲げ梁103がバネ効果で曲がり、曲げ梁103に復元力が蓄積される。上記の慣性質量体106の面内変位により、リンク梁107を介して捩れフレーム508の図10中の上側部分には矢印704と同じ方向の力が加わる。このとき、捩れフレーム508の図2中の下側部分は捩れ梁104により支持されている。このため、図10中において捩れ梁104の上端に位置する点601を中心として回転矢印602の方向にトルクが発生する。このトルクにより捩れ梁104は点601を中心として回転矢印602の方向に面外変位する。このようにして、慣性質量体106の面内変位が捩れフレーム508の面外変位に変換される。捩れフレーム508が回転矢印602の方向に回転すると、櫛歯状の可動電極510と固定電極512の距離が近くなるのでC2が増大し、櫛歯状の可動電極510と固定電極511との距離が遠くなるのでC1が減少する。
本実施の形態の加速度センサの検出回路は、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
また本実施の形態の加速度センサは、自己診断機能を有している。
図11を参照して、アクチュエーション電極109と捩れフレーム508との間に電圧を印加すると、静電引力により捩れフレーム508が捩れ梁104を中心に、アクチュエーション電極109側に変位する。この捩れフレーム508の変位を、櫛歯状の可動電極510と固定電極511、512との間の静電容量変化として観測することにより、センサ動作を自己診断することができる。
図11を参照して、アクチュエーション電極109と捩れフレーム508との間に電圧を印加すると、静電引力により捩れフレーム508が捩れ梁104を中心に、アクチュエーション電極109側に変位する。この捩れフレーム508の変位を、櫛歯状の可動電極510と固定電極511、512との間の静電容量変化として観測することにより、センサ動作を自己診断することができる。
次に、本実施の形態の加速度センサの作用効果について説明する。
図11を参照して、慣性質量体106に高周波の過大加速度Axが基板200に平行な矢印703方向に印加されたとき、慣性質量体106は、慣性の法則に従って反対向きの矢印704の方向に面内変位する。この慣性質量体106の変位により、リンク梁107で連結された捩れフレーム508は、捩れ梁104の先端に位置する点601を中心に、回転矢印602の方向に回転変位する。これにより捩れフレーム508と基板上面との距離が急激に変わる。捩れフレーム508と基板上面との間には、加速度センサの可動部を密閉保護するために行う気密封止の際に封入された気体403が存在する。気体403は、捩れフレーム508の急激な動きに追随できず気体403の粘性による抵抗力を発生する。すなわち捩れフレーム508は、気体403から回転矢印404の方向の面外変位と反対向きの抗力を受ける。この抗力により、捩れフレーム508は、急激な変位が抑制され、減衰される。捩れフレーム508の減衰は、リンク梁107を介して逆向きに慣性質量体106に伝達される。これにより櫛歯状の可動電極510と固定電極511、512との接触を防ぐことができる。慣性質量体106の急激な変位が減衰されることにより、加速度センサは高周波過大加速度に対する耐性が強くなる。
図11を参照して、慣性質量体106に高周波の過大加速度Axが基板200に平行な矢印703方向に印加されたとき、慣性質量体106は、慣性の法則に従って反対向きの矢印704の方向に面内変位する。この慣性質量体106の変位により、リンク梁107で連結された捩れフレーム508は、捩れ梁104の先端に位置する点601を中心に、回転矢印602の方向に回転変位する。これにより捩れフレーム508と基板上面との距離が急激に変わる。捩れフレーム508と基板上面との間には、加速度センサの可動部を密閉保護するために行う気密封止の際に封入された気体403が存在する。気体403は、捩れフレーム508の急激な動きに追随できず気体403の粘性による抵抗力を発生する。すなわち捩れフレーム508は、気体403から回転矢印404の方向の面外変位と反対向きの抗力を受ける。この抗力により、捩れフレーム508は、急激な変位が抑制され、減衰される。捩れフレーム508の減衰は、リンク梁107を介して逆向きに慣性質量体106に伝達される。これにより櫛歯状の可動電極510と固定電極511、512との接触を防ぐことができる。慣性質量体106の急激な変位が減衰されることにより、加速度センサは高周波過大加速度に対する耐性が強くなる。
本実施の形態の加速度センサは、リンク梁107を介して、捩れフレーム508にスクイズフィルムダンピング効果を生起させる構造を採用しているので、捩れフレーム508がスクイズフィルムダンピング効果による減衰を受けることにより、櫛歯状の可動電極510が固定電極511、512と接触する機会を格段に減少させることができる。これにより、面内の加速度を検出するセンサでありながら、櫛歯状の可動電極510の破損や出力の張り付きを回避でき、信頼性の高いセンサが得られるという特徴を有する。また、本実施の形態の加速度センサは、慣性質量体106に働く慣性力と慣性質量体106の面内変位すなわち櫛歯状の可動電極501の面内変位が、正確にフックの法則に従うため線形性が非常に高いという利点がある。また捩れフレーム508により自己診断機能と高周波過大加速度を減衰させるスクイズフィルムダンピング効果が実現されるので、捩れフレーム508の寸法を必要十分な範囲で小さくすることができる。したがって、大きな減衰効果を有する加速度センサを小型に製造することができる。
また、捩れフレーム508と対向する基板200の表面に形成され、捩れフレームとの間に電気的に静電引力を発生させるアクチュエーション電極108、アクチュエーション電極109のいずれか一方かまたは両者をさらに備えていることが好ましい。これにより、捩れフレーム508の変位を、櫛歯状の可動電極510と固定電極511、512との間の静電容量変化として検出することにより、センサを自己診断することができる。
(実施の形態4)
図12は、本発明の実施の形態4における加速度センサの構成を示す平面図である。図13は、図12のXIII−XIII線に沿う部分の概略断面図である。
図12は、本発明の実施の形態4における加速度センサの構成を示す平面図である。図13は、図12のXIII−XIII線に沿う部分の概略断面図である。
図12および図13を参照して、本実施の形態の加速度センサは、実施の形態1の構成と比較して、図12の平面視において慣性質量体106の両側に可動電極105およびリンク梁107が配置されている点において異なっている。
本実施の形態の加速度センサにおいては、可動電極(面外変位体)105は、慣性質量体(面内変位体)106の一方側に配置された第一の可動電極105と、慣性質量体106の他方側に配置された第二の可動電極105とを有し、リンク梁107は、第一の可動電極105と慣性質量体106とを連結する第一のリンク梁と、第二の可動電極105と慣性質量体106とを連結する第二のリンク梁とを有している。
第一の可動電極105と第二の可動電極105とは、平面視で第一の可動電極105と第二の可動電極105が慣性質量体106を挟んで配置される方向と垂直な方向の軸であって、慣性質量体106の中心を通る軸に対して線対称に配置されている。
なお、本実施の形態のこれ以外の構成は、上述した実施の形態1の構成と同様であるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
また、実施の形態3における慣性質量体106の平面視における両側の各々に可動電極105およびリンク梁107が配置されてもよい。
本実施の形態によれば、可動電極105は、慣性質量体106の一方側に配置された第一の可動電極105と、慣性質量体106の他方側に配置された第二の可動電極105とを有する。リンク梁107は、第一の可動電極105と慣性質量体106とを連結する第一のリンク梁107と、第二の可動電極105と慣性質量体106とを連結する第二のリンク梁107とを有する。このため、慣性質量体106の両側に可動電極105を配置することにより、加速度検出感度および高周波過大加速度の減衰効果を実施の形態1に対して倍にすることができる。
また、本実施の形態の加速度センサによれば、構造物を左右対称に配置することで、外界から熱を受けた時に発生する熱歪が左右対称に発生するようになるので、中央に配置した慣性質量体106が受ける影響を相殺することができ、熱歪による特性の不安定性を回避することができる。したがって、加速度検出感度を高くすることができ、また、優れた長期の信頼性を得ることができる。
(実施の形態5)
図14は、本実施の形態5における加速度センサの構成を示す平面図である。図14を参照して、本実施の形態の加速度センサは、実施の形態1の構成と比較して、図14の平面視において慣性質量体106の四方の各々に可動電極105およびリンク梁107が配置されている点において異なっている。
図14は、本実施の形態5における加速度センサの構成を示す平面図である。図14を参照して、本実施の形態の加速度センサは、実施の形態1の構成と比較して、図14の平面視において慣性質量体106の四方の各々に可動電極105およびリンク梁107が配置されている点において異なっている。
本実施の形態の加速度センサにおいては、可動電極(面外変位体)105は、平面視における慣性質量体(面内変位体)106の周囲の四方のうち第一方に配置された第一の可動電極105と、第一方と反対の第二方に配置された第二の可動電極105と、第一方に隣接するうちの一方である第三方に配置された第三の可動電極105と、第三方と反対の第四方に配置された第四の可動電極105とを有し、リンク梁107は、第一の可動電極105と慣性質量体106とを連結する第一のリンク梁107と、第二の可動電極105と慣性質量体106とを連結する第二のリンク梁107と、第三の可動電極105と慣性質量体106とを連結する第三のリンク梁107と、第四の可動電極105と慣性質量体106とを連結する第四のリンク梁107とを有している。
第一の可動電極105と第二の可動電極105とは、平面視で第一の可動電極105と第二の可動電極105が慣性質量体106を挟んで配置される方向と垂直な方向の軸であって、慣性質量体106の中心を通る軸に対して線対称に配置されている。第三の可動電極105と第四の可動電極105とは、平面視で第三の可動電極105と第四の可動電極105が慣性質量体106を挟んで配置される方向と垂直な方向の軸であって、慣性質量体106の中心を通る軸に対して線対称に配置されている。また、第一の可動電極105と第三の可動電極105および第四の可動電極とは、平面視で慣性質量体106の中心点を中心に正負90度回転したときに対称となるように配置されている。
なお、本実施の形態のこれ以外の構成は、上述した実施の形態1の構成と同様であるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
また、実施の形態3における慣性質量体106の平面視における四方のそれぞれに可動電極105およびリンク梁107が配置されてもよい。
本実施の形態によれば、図14に示すように平面視における慣性質量体106の四方のそれぞれに可動電極105と、リンク梁107とが配置されているため、面内の一方向だけでなく、それに直角な方向の加速度も検出可能な、いわゆる二軸加速度センサを得ることができる。慣性質量体106に対して可動電極105が上下左右対称に配置されることで、外界から熱を受けた時に熱歪が上下左右対称に発生するので、中央に配置した慣性質量体106が受ける影響を相殺することができる。したがって、本実施の形態の加速度センサによれば、熱歪による特性の不安定性を回避することができる。よって、加速度検出感度を高くすることができ、また、優れた長期信頼性を得ることができる。また、本実施の形態の加速度センサによれば、面内二軸方向の加速度を同時に検出することができる。
今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
本発明は、静電容量型の加速度センサに特に有利に適用され得る。
101 慣性質量体アンカー、102 可動電極アンカー、103 曲げ梁、104 捩れ梁、105,510,801 可動電極、106 慣性質量体、107 リンク梁、108,109 アクチュエーション電極、110,111 アクチュエーション電極配線、200 基板、201,202,511,512 固定電極、203 第一の絶縁膜、204 第二の絶縁膜、205,401,703 矢印(Ax方向)、206,402,704 矢印(慣性力方向)、207,405,601 点、208,404,602 回転矢印、209 軸、403 気体、505 捩れフレームアンカー、508 捩れフレーム、801 櫛歯状の可動電極、802,803 アクチュエーション固定櫛歯電極、1201 第一の犠牲層膜、1202 第二のポリシリコン膜、1203 第二の犠牲層膜、1204 CVD酸化膜、1205 第三のポリシリコン膜。
Claims (9)
- 基板と、
前記基板の表面に対して面内に変位可能なように前記基板に支持された面内変位体と、
前記基板と対向するように配置され、前記基板の表面に対して面外に変位可能なように前記基板に支持された面外変位体と、
前記面内変位体の面内変位を前記面外変位体の面外変位に変換するように前記面内変位体と前記面外変位体とを連結するリンク梁とを備えた、加速度センサ。 - 前記面外変位体は前記基板の表面に対して平行な軸に回転可能に前記基板に支持され、前記リンク梁は前記基板の表面に対して前記軸より上方で前記面外変位体と連結された部分を有する、請求項1に記載の加速度センサ。
- 前記面内変位体は慣性質量体であり、
前記面外変位体は可動電極である、請求項1または2に記載の加速度センサ。 - 前記面内変位体の変位方向で前記面内変位体と対向するように前記基板に支持され、前記面内変位体との間に電気的に静電引力を発生させるアクチュエーション電極をさらに備えた、請求項3に記載の加速度センサ。
- 前記面内変位体は、複数の可動櫛歯電極を有し、
前記アクチュエーション電極は、前記面内変位体の変位方向で前記可動櫛歯電極と対向するように前記基板に支持され、前記可動櫛歯電極との間に電気的に静電引力を発生させるアクチュエーション固定櫛歯電極を有する、請求項4に記載の加速度センサ。 - 前記面内変位体は可動電極であり、
前記面外変位体は捩れフレームである、請求項1または2に記載の加速度センサ。 - 前記面外変位体と対向する前記基板の表面に形成され、前記面外変位体との間に電気的に静電引力を発生させるアクチュエーション電極をさらに備えた、請求項6に記載の加速度センサ。
- 前記面外変位体は、前記面内変位体の一方側に配置された第一の面外変位体と、前記面内変位体の他方側に配置された第二の面外変位体とを有し、
前記リンク梁は、前記第一の面外変位体と前記面内変位体とを連結する第一のリンク梁と、前記第二の面外変位体と前記面内変位体とを連結する第二のリンク梁とを有する、請求項1〜7のいずれかに記載の加速度センサ。 - 前記面外変位体は、平面視における前記面内変位体の周囲の四方のうち第一方に配置された第一の面外変位体と、前記第一方と反対の第二方に配置された第二の面外変位体と、前記第一方に隣接するうちの一方である第三方に配置された第三の面外変位体と、前記第三方と反対の第四方に配置された第四の面外変位体とを有し、
前記リンク梁は、前記第一の面外変位体と前記面内変位体とを連結する第一のリンク梁と、前記第二の面外変位体と前記面内変位体とを連結する第二のリンク梁と、前記第三の面外変位体と前記面内変位体とを連結する第三のリンク梁と、前記第四の面外変位体と前記面内変位体とを連結する第四のリンク梁とを有する、請求項1〜7のいずれかに記載の加速度センサ。
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Cited By (1)
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JP2012253082A (ja) * | 2011-05-31 | 2012-12-20 | Japan Science & Technology Agency | 三次元構造体及びセンサ |
-
2008
- 2008-09-25 JP JP2008246202A patent/JP2010078421A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20111206 |