JP2010072155A - 振動補償制御回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステッピングモータを駆動力源とする振動補償機構を備えた撮像装置の振動補償制御回路の構成の簡素化及び規模の縮小を図る。
【解決手段】ジャイロセンサ50から出力されるレンズ56の変位速度に応じた振動検知信号をADC60で変位速度データDωに変換する。ジャイロフィルタ62は、変位速度データDωを変位データに変換することなく、ステッピングモータ制御部64へ出力する。ステッピングモータ制御部64は、変位速度データDωと所定の制御周期単位でのステッピングモータ54の駆動量との間の予め設定された対応関係に基づき、ジャイロフィルタ62から得た変位速度データDωに対応する駆動量に応じたモータ制御信号SMCを出力する。ドライバ66はモータ制御信号SMCに基づいてステッピングモータ54を駆動する。
【選択図】図1
【解決手段】ジャイロセンサ50から出力されるレンズ56の変位速度に応じた振動検知信号をADC60で変位速度データDωに変換する。ジャイロフィルタ62は、変位速度データDωを変位データに変換することなく、ステッピングモータ制御部64へ出力する。ステッピングモータ制御部64は、変位速度データDωと所定の制御周期単位でのステッピングモータ54の駆動量との間の予め設定された対応関係に基づき、ジャイロフィルタ62から得た変位速度データDωに対応する駆動量に応じたモータ制御信号SMCを出力する。ドライバ66はモータ制御信号SMCに基づいてステッピングモータ54を駆動する。
【選択図】図1
Description
本発明は、デジタルスチルカメラ等の撮像装置に手振れ等の振動を補償するために設けられた振動補償機構の駆動を制御する振動補償制御回路に関する。
近年の撮像装置には、手振れによる画質の低下を抑制するために手振れ補正機能を搭載するものが多くなっている。手振れ補正の方式にはいくつかの種類が存在するが、その1つとして、振動検知素子で撮像装置の振動を検知し、その検知信号に基づいて補正レンズ等の光学部品やCCDイメージセンサ等の撮像素子をアクチュエータで変位させるものがある。
図5は、従来の手振れ補正システムの構成を示す撮像装置2のブロック構成図である。振動検知素子にはジャイロセンサ4が用いられ、光軸の向きの変化に応じた角速度を検知する。一方、アクチュエータにはボイスコイルモータ(Voice Coil Motor:VCM)6が用いられる。VCM6の駆動制御には、補正レンズ8等の変位量が用いられる。そのため、位置検知素子としてホール素子10が用いられると共に、ジャイロセンサ4から得られる角速度等の変位速度を積分して変位量に変換するジャイロフィルタ12が振動補償制御回路14に設けられる。
ジャイロフィルタ12は、手振れ成分抽出回路20、積分回路22及びセンタリング処理回路24を含んで構成される。手振れ成分抽出回路20は高域通過フィルタ(High Pass Filter:HPF)を用いて構成することができる。積分回路22は、低域通過フィルタ(Low Pass Filter:LPF)を用いて構成することができる。また、センタリング処理回路24は、積分処理の出力信号を減衰等させることにより、補正レンズ8が可動限界に到達しにくくなるように変位量を定める処理を行う回路であり、HPFを用いて積分回路22の出力信号の直流成分を除去することで当該処理を実現する。これらジャイロフィルタ12を構成するフィルタは、デジタルフィルタで構成される。
ホールフィルタ26は、ホール素子10にて検知された変位量とジャイロセンサ4の出力に基づいて得られた変位量とを合成したデータに基づいてVCM6を駆動制御する。
上述の図5に示す構成に対して、アクチュエータにステッピングモータを用いた場合、その駆動制御信号からステッピングモータの回転角度を把握することができ、ひいては、当該回転角度から補正レンズ8の変位量を把握できるので、ホール素子10等の位置検知素子を省略することができる。図6は、ステッピングモータ30をアクチュエータに用いた従来の手振れ補正システムの構成を示す撮像装置32のブロック構成図である。振動補償制御回路34に設けられるジャイロフィルタ12は、上述した振動補償制御回路14のものと同様の構成を有し、ジャイロセンサ4が出力する変位速度を積分して変位量に変換し、回転制御部36へ出力する。回転制御部36は、ステッピングモータに対する制御タイミング毎に、現在の変位量と前回の変位量との差分を計算し、当該差分を補償するのに必要な今回のステッピングモータ30の所要回転角度を求める。ステッピングモータ制御部38は、前回のステッピングモータの位置を基準として、回転制御部36により求められた所要回転角度だけステッピングモータを回転させるように制御信号を生成する。生成された制御信号はドライバ40に供給され、ドライバ40が当該制御信号に基づいてステッピングモータ30に対する駆動信号を生成する。
特開2006−208873号公報
ジャイロフィルタ12を構成するデジタルフィルタの数が多いと回路規模が大きくなり得るという問題があった。当該デジタルフィルタは、遅延素子、加算器、乗算器等の複数の要素を組み合わせて構成される。特に、積分回路22を構成するデジタルフィルタは、一般的な係数を乗じて出力する乗算器を基本的に要する。当該乗算器は加算器に比べると回路構成が複雑であるため、上述の問題点への影響が大きい。そのため、図6のようにホール素子10を省略した手振れ補正システムとしても、その制御を行う振動補償制御回路34の回路規模の縮小の効果は小さい。また、振動補償制御回路34は、差分の算出等を行う回転制御部36を要する点でも、回路規模の縮小を図りにくかった。
また、ドライバ40は、比較的大電流の駆動信号を生成するため、サイズの大きなトランジスタ等からなり、半導体集積回路(Integrated Circuit:IC)を構成する半導体基板上にて比較的大きな面積を要する。そのため、上述のように、回路構成が複雑となる振動補償制御回路34とドライバ40とをICとして1チップ化する場合、チップサイズの増加に伴うコスト増といった問題が存在する。一方、これにより1チップ化が阻害される結果、プリント基板上にマウントする部品点数が増え、手振れ補正システムの集積度の向上を図りにくくなるという問題が生じ得る。また、振動補償制御回路34のチップとドライバ40のチップとを1パッケージのICとするにしても、組立工数が増加するという問題がある。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、より構成が簡単で回路規模の縮小が図られる振動補償制御回路を提供することを目的とする。
本発明に係る振動補償制御回路は、撮像装置に備えられた振動検知素子から当該撮像装置の変位速度に応じた振動検知信号を得て、当該撮像装置の振動補償機構を駆動するステッピングモータを制御するものであって、前記振動検知信号をAD変換して変位速度データを生成し、当該変位速度データを変位データに変換することなく出力する入力データ生成部と、前記変位速度データと所定の制御周期単位での前記ステッピングモータの駆動量との間の予め設定された対応関係に基づき、前記入力データ生成部から得た前記変位速度データに対応する前記駆動量に応じたモータ制御信号を出力するステッピングモータ制御部と、を有する。
本発明によれば、ジャイロセンサ等の振動検知素子が検知する撮像装置の変位速度は積分されずにステッピングモータ制御部に入力され、ステッピングモータ制御部は、周期的に、変位速度に応じた量ずつ、ステッピングモータの駆動量を変化させる。本発明の振動補償制御回路は、積分回路として機能するデジタルフィルタを要さず、回路規模の縮小が図られる。また、振動検知素子の出力信号から補償対象振動を抽出するハイパスフィルタを、乗算器を用いない構成とすることで、小さな回路規模を実現できる。変位速度減衰部は、基本的に変位速度の絶対値を一定量減じることによりセンタリング処理を実現する。当該処理は、乗算器の使用を控えた小さな回路構成により実現できる。
また、振動検知素子の出力信号からステッピングモータに対する制御信号を生成するまでの回路の規模の縮小が図られることに伴い、同一の半導体チップ上にドライバを搭載可能となり、ドライバを含めた振動補償制御回路の構成の単純化及び小型化が図れる。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。本実施形態はカメラに関するものであり、本発明に係る振動補償制御回路は当該カメラの手振れ補正機能に用いられる。
図1は、実施形態に係るカメラの手振れ補正システムの概略のブロック構成図である。本手振れ補正システムは、ジャイロセンサ50、振動補償制御回路52及びステッピングモータ54を含んで構成される。手振れ補正システムにはいくつかの方式があるが、例えば、本システムは、撮像素子(図示せず)の受光面に光学像を形成する光学系に設けられた補正レンズ(レンズ56)の位置を制御する方式とすることができる。
ジャイロセンサ50は、カメラの振動を検出するために設けられたセンサであり、振動により生じる変位速度として角速度ωを検出し、角速度ωに応じた電気信号Vωを出力する。ジャイロセンサ50は2つ設けられ、x軸の回りでの角速度成分及びy軸の回りでの角速度成分それぞれについて信号Vωが得られる。
変位可能なレンズ56と当該レンズ56を変位させるアクチュエータとは振動補償機構を構成する。例えば、レンズ56のx−y平面内での2次元変位を実現するために、アクチュエータは一対設けられ、x方向、y方向それぞれの変位を可能とする。アクチュエータはその駆動力源としてステッピングモータ54を有している。ステッピングモータ54にて周方向に配列されたステータは、その配列順に従って順番に複数相の駆動信号のいずれかに対応付けられ、ステータのコイルは対応する駆動信号により励磁される。ロータは、複数相の駆動信号の位相φに応じて一定の角度ステップずつ回転する。ロータの回転数や位置(回転角度)は、振動補償制御回路52において、印加した駆動信号波形のサイクル数及び位相φから把握することができる。それ故、ステッピングモータ54を用いたアクチュエータは、位置検出手段を備えてその検出結果を振動補償制御回路52へフィードバックする必要がない。
振動補償制御回路52は、A/D変換器(ADC:Analog-to-Digital Converter)60、ジャイロフィルタ62、ステッピングモータ制御部64及びドライバ66を含んで構成される。振動補償制御回路52は、例えば、単一の半導体チップ上にICとして一体に形成される。
ADC60は、2つのジャイロセンサ50がそれぞれ出力する電圧信号Vωを入力され、それらを時分割でデジタルデータDωに変換する。各信号のA/D変換は、ステッピングモータ54に対する制御周期毎に周期的に行われ、x軸、y軸それぞれの回りでのカメラの揺動角速度ωに応じた変位速度データDωが生成される。
変位速度データDωはジャイロフィルタ62に入力される。ジャイロフィルタ62は、ADC60と共にステッピングモータ制御部64に対する入力データ生成部を構成する。ジャイロフィルタ62は、ADC60から入力されたx方向、y方向それぞれの変位速度データDωに対して後述する処理を行い、ステッピングモータ制御部64へ出力する。
ステッピングモータ制御部64は、変位速度データDωと、一定に設定される制御周期の間におけるステッピングモータ54の駆動量との対応関係を予め設定されている。駆動量は、例えば、ステッピングモータ54の回転位置の変化量をモータのロータの回転角度Θの変化量や、ピッチ角度θPで刻まれた小歯の移動数np(ここでnp・θP=Θ)により直接的に指定することができるが、本実施形態では、モータ制御信号の位相φの変化量により駆動量を指定する。例えば、ステッピングモータ54を1−2相励磁方式で駆動する場合には、モータ制御信号の位相φがπ/4〔rad〕、つまり45゜変化するごとに回転角度Θは(1/8)θPずつ変化し、1周期のモータ制御信号による1ピッチ角の回転は8ステップで行われる。そこで、本実施形態のステッピングモータ制御部64は、1サイクルの制御周期における回転のステップ数nSを、ステッピングモータ54の可動範囲及びジャイロフィルタ62の出力範囲に基づいて生成する。
例えば、ステッピングモータ54によって(+Nmax)ステップから(−Nmax)ステップまでレンズ56を可動であって、ジャイロフィルタ62の出力値が(+Dmax)から(−Dmax)まで取り得る場合、1サイクルの制御周期における回転のステップ数nSはジャイロフィルタ62の出力値Dωより次の式で求めることができる。ただし、Nmax及びDmaxは共に正の数とする。
ステップ数nS=Dω×(Nmax/Dmax)
ステップ数nS=Dω×(Nmax/Dmax)
ステッピングモータ制御部64は上記対応関係に基づいて、入力された変位速度データDωに対応するステップ数nSを求め、当該ステップ数nSに相当する量だけモータ制御信号SMCの位相φを変化させる。
図2は、モータ制御信号SMCの模式的な波形図であり、横軸が位相φ、縦軸が電圧である。モータ制御信号SMCは、x方向、y方向それぞれのステッピングモータ54に対応して生成され、1つのステッピングモータ54に対するモータ制御信号SMCはA相とB相との2つの信号で構成される。A相のモータ制御信号SMCは一対の信号AI1,AI2を含み、B相のモータ制御信号SMCは一対の信号BI1,BI2を含む。A相信号、B相信号はステッピングモータ54の周方向に配列されたステータのコイルに互い違いに印加される。例えば、8個配列されるステータのうち奇数番のステータにA相のモータ制御信号SMCが印加され、偶数番のステータにB相のモータ制御信号SMCが印加される。コイルはHブリッジ回路を構成する2つのプッシュプル回路の出力端子間に接続され、一方のプッシュプル回路がA相又はB相を構成する一対の信号の一方、他方のプッシュプル回路が当該一対の信号の他方で駆動される。これにより、コイルに印加されるA相、B相の電圧はそれぞれ、図2の信号波形AO,BOに示すように0レベルと、当該0レベルを挟んで互いに逆極性のH(High)レベル、L(Low)レベルとの3つのいずれかに設定され、それらの組み合わせによりモータ制御信号SMCの8つの位相状態が設定される。
具体的には、ステッピングモータ制御部64は、モータ制御信号SMCの位相φを、前回の制御タイミングtk−1(kは整数)での位相φ(tk−1)に対応する値を記憶し、当該位相φ(tk−1)から、今回の制御タイミングtkでの位相φ(tk)(≡φ(tk−1)+(π/4)nS)に対応する値まで、π/4ずつ順次変化させる。このモータ制御信号の位相φの変化は、次の制御タイミングtk+1までに完了される。
ドライバ66は、モータ制御信号SMCに基づいて、ステッピングモータ54を駆動するモータ駆動信号を生成する。例えば、ドライバ66は、A相のモータ制御信号SMCを印加されるコイルへの通電を制御するHブリッジ回路と、B相のモータ制御信号SMCを印加されるコイルへの通電を制御するHブリッジ回路とを有する。図3はHブリッジ回路の模式的な回路図であり、同図はA相のモータ制御信号SMCであるAI1,AI2が入力される場合を示している。各Hブリッジ回路は、対応するモータ制御信号SMCがHレベルの場合に、スイッチ素子SW1,SW4をオン状態、スイッチ素子SW2,SW3をオフ状態としてコイルMCに所定方向の電流を流し、一方、Lレベルの場合にはスイッチ素子SW2,SW3をオン状態、スイッチ素子SW1,SW4をオフ状態としてコイルMCに逆方向の電流を流す。このドライバ66が生成するモータ駆動信号によりステータが励磁され、ジャイロセンサ50が検知する角速度ωの絶対値が減少する方向にステッピングモータ54が駆動される。これにより、本システムを搭載したカメラは、撮像期間にて、手振れに応じてレンズ56を移動させ、当該手振れによる撮像素子上での被写体像の変位を補償し、高画質な画像信号を得ることができる。
次にジャイロフィルタ62の構成を説明する。ジャイロフィルタ62は、手振れ成分抽出回路70及び変位速度減衰回路72を含んで構成される。
手振れ成分抽出回路70はHPFであり、ADC60から時系列の変位速度データDωからなる変位速度信号を入力され、変位速度信号から、補償対象とする振動よりも低周波数帯域の成分を除去又は低減し、カメラの振動が反映された変位速度信号の高周波成分を抽出する。手振れ成分抽出回路70はデジタルフィルタで構成される。特に、本実施形態の手振れ成分抽出回路70を構成するHPFは、図4に示すブロック構成を有する双一次フィルタとすることができる。図4に示すHPFは、加算器80及び遅延素子81,82からなり1階時間微分に相当する演算を行う双一次フィルタである。−1以外の係数を乗じる乗算器は基本的に構成が複雑となり大規模化し得るが、本実施形態のHPFはそのような乗算器を用いないため、構成が簡易であり小型化が可能である。
手振れ成分抽出回路70から出力された変位速度データDωは変位速度減衰回路72に入力される。変位速度減衰回路72は、レンズ56が補償制御機構による可動限界に到達しにくくなるように変位速度データを修正する、一種のセンタリング処理を行う。変位速度減衰回路72は、変位速度データDωの絶対値が所定の許容値dth以下である状態が、補償対象とする振動の周期に応じた所定期間以上継続した場合に、変位速度データDωに対して減算又は加算を行って変位速度データDωの絶対値を低減させる処理を行い、その処理後の変位速度データDωをステッピングモータ制御部64へ出力する。例えば、変位速度データDωに対する減算量又は加算量の絶対値は変位速度データDωに依らない一定値α(>0)に設定することができる。なお、−α<Dω<αの場合には、変位速度減衰回路72は0を出力するようにしてもよい。
dthは手振れ補償の許容値であり、例えば、露光時間における撮像面上での画像のぶれ量が画質劣化の観点から許容できるか否かに基づいて設定される。カメラの振動による角速度ωがdthに対応する値より大きい場合には画質を維持するために、変位速度減衰回路72は変位速度データDωに対する減算・加算による変位速度の減衰処理は行わず、実際の変位速度に応じたデータDωを出力する。一方、角速度ωがdthに対応する値以下である場合には、低い周波数での揺動に追随した振動補償が累積して補償制御機構が可動限界に達しやすいという問題が存在する。そこで、この場合には、当該問題が生じないようにするために、変位速度データDωに対する減算・加算による変位速度の減衰処理を行ってセンタリング処理を実現する。ここで、角速度ωがdthに対応する値以下である状態では、振動補償の必要性が比較的小さいので、当該減衰処理を行っても画質への悪影響は特に問題とならない。
なお、露光時間が長いほど、小さい角速度ωでも画像のぶれが生じやすくなることから、dthは露光時間が長いほど小さく設定することができる。
ここで、角速度ωがdthに対応する値以下となる状態は、振動補償が必要な大きな角速度ωを伴う振動の周期内においても、振動方向の切り替わりのタイミング等にて一時的に生じ得る。そのような状態では変位速度の減衰を行わずに、十分な振動補償を継続することが好ましい。そこで、変位速度の減衰処理は、角速度ωがdthに対応する値以下である状態が所定期間λ以上継続した場合にのみ行う。所定期間λは、補償対象とする振動の周期、又は周波数に応じて設定することができる。補償対象とする振動の下限周波数は、露光時間が長いほど低くなることから、期間λは露光時間が長いほど長く設定することができ、例えば、期間λは露光時間と同程度に設定することができる。
変位速度減衰回路72は、上述のように基本的に変位速度データDωの絶対値を一定量減じることによりセンタリング処理を実現する。当該処理は、乗算器の使用を控えた小さな回路構成により実現できる。一方、絶対値を一定量減算する代わりに、乗算器を用いて一定割合減衰させる構成としても同様のセンタリングの効果を得ることが可能である。
なお、本実施形態では手振れ成分抽出回路70、変位速度減衰回路72及びドライバ66をステッピングモータ制御部64と同一のチップ上に形成した構成を示した。これに対して、本発明の振動補償制御回路52は、ドライバ66を別チップとしたものでもよく、また手振れ成分抽出回路70又は変位速度減衰回路72を省略したものとしたものでもよい。また、手振れ成分抽出回路70、変位速度減衰回路72は背景技術に記載のHPFとしても、本発明の効果を得ることができる。
また、ジャイロセンサ50以外の振動検知素子を用いた撮像装置の振動制御回路にも本発明を適用することができる。
また、本発明の実施形態では、レンズを駆動させて手振れ補正を行うレンズシフト方式としたが、本発明はこれに限られるものではない。たとえば、本発明は、撮像装置のぶれに応じてCCDイメージセンサなどの撮像素子をシフトさせるイメージセンサシフト方式にも適用することができる。
50 ジャイロセンサ、52 振動補償制御回路、54 ステッピングモータ、56 レンズ、60 ADC、62 ジャイロフィルタ、64 ステッピングモータ制御部、66 ドライバ、70 手振れ成分抽出回路、72 変位速度減衰回路、80 加算器、81,82 遅延素子。
Claims (4)
- 撮像装置に備えられた振動検知素子から当該撮像装置の変位速度に応じた振動検知信号を得て、当該撮像装置の振動補償機構を駆動するステッピングモータを制御する振動補償制御回路であって、
前記振動検知信号をAD変換して変位速度データを生成し、当該変位速度データを変位データに変換することなく出力する入力データ生成部と、
前記変位速度データと所定の制御周期単位での前記ステッピングモータの駆動量との間の予め設定された対応関係に基づき、前記入力データ生成部から得た前記変位速度データに対応する前記駆動量に応じたモータ制御信号を出力するステッピングモータ制御部と、
を有することを特徴とする振動補償制御回路。 - 請求項1に記載の振動補償制御回路において、
前記入力データ生成部は、前記変位速度データから、補償対象とする振動よりも低周波数帯域の成分を除去又は低減するハイパスフィルタを有し、
前記ハイパスフィルタは、加算器及び遅延素子からなり1階時間微分に相当する演算を行うデジタルフィルタであること、
を特徴とする振動補償制御回路。 - 請求項1又は請求項2に記載の振動補償制御回路において、
前記入力データ生成部は、前記変位速度の絶対値が所定の許容値以下である状態が、補償対象とする振動の周期に応じた所定期間以上継続した場合に、前記変位速度データに対して減算又は加算を行って前記変位速度の絶対値を低減させる変位速度減衰部を有すること、を特徴とする振動補償制御回路。 - 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の振動補償制御回路において、
さらに、前記ステッピングモータ制御部から出力された前記モータ制御信号に基づいて、前記ステッピングモータを駆動可能な電流量のモータ駆動信号を生成するドライバを有し、
当該振動補償制御回路は、前記ドライバを含めて単一の半導体チップ上に一体に形成された集積回路であること、
を特徴とする振動補償制御回路。
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