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JP2010071159A - 風車と蓄電池による風力発電電力平滑化装置 - Google Patents

風車と蓄電池による風力発電電力平滑化装置 Download PDF

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Tomonobu Senju
智信 千住
Yasuro Kikunaga
康朗 菊永
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Abstract

【課題】 風車と蓄電池を備えた風力発電システムにおいて、小容量の蓄電池で系統へ供給する出力電力の変動を抑制することができる風車と蓄電池による風力発電電力平滑化装置を提供する。
【解決手段】 ピッチ角制御が可能な風力発電機1、蓄電池4、出力端子2、制御装置を備えた風力発電装置において、風速変動に対し、任意の周波数以下の低周波変動による発電量変動を抑制するように風力発電機1のピッチ角を制御し、任意の周波数以上の高周波変動を蓄電池4の充放電動作のみで補償して、出力端子2に供給する発電電力および蓄電池のエネルギー残存量が一定となるよう風力発電機1のピッチ角および蓄電池4の充放電動作を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、風力発電システムの系統出力電力を平滑化する風力発電電力平滑化装置に関し、特に風車と蓄電池を協調的に利用して系統に出力される電力を平滑化する風車と蓄電池による風力発電電力平滑化装置に関する。
近年、地球温暖化防止や化石燃料資源枯渇の観点から、風力エネルギーや太陽光エネルギーを利用する自然エネルギー発電設備が電力系統に多数接続されるようになってきた。
風力発電は、非枯渇性のクリーンエネルギーである風力エネルギーを利用した発電システムとして、世界各地で盛んに建設が行われている。また、離島や限られた地域内に電力を供給する小規模な配電網であるマイクログリッドに分散型電源として風力発電システムを配備することが検討されている。
しかし、自然エネルギーは不規則に変動するため、自然エネルギー発電設備を電力系統に導入すると、電力系統周波数や系統電圧が変動することになる。特に、風力エネルギーは不規則であり、風力発電機出力電力は風速の3乗に比例して大きく変動するため、系統周波数も乱れやすい。マイクログリッドに導入した場合、電力系統の規模が小さいため、系統への影響がより顕著になる。
需要者からは電力品質を保持する要求があるので、風力発電設備を導入した電力系統も、系統周波数や系統電圧を一定に維持する必要がある。
風力変動による発電量の変動を補償するために、従来から風力発電システムに蓄電池を挿入して系統出力変動を抑制する方法が考案されている。近年、NaS電池などを使用した蓄電池システムが注目されている。蓄電池システムを風力発電設備に併設することにより、電力系統に悪影響を及ぼさない電力変動まで平滑化し、系統への連系容量を増加することができる。また、蓄電池のエネルギー密度は高くなりつつあるので、設置面積の制約が小さくなれば風力発電設備への併設が容易となる。しかし、蓄電池を併設することで設備コストが増加し、蓄電池の性能が劣化することで維持費も必要となる。
例えば、特許文献1には、レーザ式風向風速計を備えた風力発電機と蓄電池を併用して系統への出力変動を抑制する風力発電システムが開示されている。
特許文献1に開示された発明は、レーザ式風向風速計により風車に到達する前の風を観測し、それに応じて風車のピッチ角を予測制御して風車の発電量を最適化すると共に、風車の発電量に合わせて蓄電池の充放電量を制御し、系統へ供給する電力量を平準化するものである。
しかし、特許文献1に記載の技術を含む従来型の風車・蓄電池連携システムでは、風力の低下時にも継続的に電力を供給するためには、大容量の蓄電池が必要になる。蓄電池は頻繁に充放電を繰り返すことによって蓄電効率や寿命が低下するため、大容量の蓄電池は導入コストのみでなく維持コストも高額になるため、容量の小さい蓄電池でも十分に系統供給電力を平準化することができる風力発電システムが求められている。
特開2004−301116号公報
そこで、本発明が解決しようとする課題は、風車と蓄電池を備えた風力発電システムにおいて、小容量の蓄電池で系統へ供給する出力電力の変動を抑制することができる風車と蓄電池による風力発電電力平滑化装置を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の風車と蓄電池による風力発電電力平滑化装置は、ピッチ角制御が可能な風力発電機、蓄電池、出力端子、制御装置を備え、風速変動に対し、所定の周波数以下の低周波変動による発電量変動を抑制するように風力発電機のピッチ角を制御し、かかる周波数以上の高周波変動を蓄電池の充放電動作のみで補償して、出力端子に供給する発電電力が一定となるよう、風力発電機のピッチ角および蓄電池の充放電動作を制御することを特徴とする。本発明装置は、風速変動から生じる発電電力変動を低周波域と高周波域で分担して抑制する。
本発明の風力発電電力平滑化装置は、出力端子を電力系統に接続して使用する。風力発電機の発電電力は風速の3乗に比例して非線形的に変動するが、本発明の風力発電電力平滑化装置では、風力の変動を風車ブレードのピッチ角制御と蓄電池の充放電動作とを協調的に作用させて発電量の変動を平滑化し、安定した電力を系統に供給する。
風車ブレードのピッチ角を制御することで風力変動の低周波成分による発電量の変動を抑制し、高周波成分に対してはピッチ角追従を行わず発電量の変動を蓄電池の充放電動作で補償する。これにより、風力発電機側では高周波域の変動に対して動作しないため、ピッチ角の急激で頻繁な制御動作が不要になって風車ブレードに与える機械的ストレスが軽減される。また、低周波変動はピッチ角制御により抑制するため、蓄電池は変動幅が大きい低周波変動を補償する必要がないので蓄電池のkWh容量を小さくすることができる。
蓄電池のエネルギー残存量を制御入力に加えてエネルギー残存量が一定になるように風力発電機のピッチ角を制御すると、蓄電池のエネルギー残存量が十分なときはピッチ角を大きくして発電量を抑制することで過剰充電を抑止することができるため、さらに蓄電池の電力容量を小さくすることができる。
本発明の風力発電電力平滑化装置は、H∞制御により風力発電機のピッチ角と蓄電池の充放電動作の操作量を算出すれば、追従性やパラメータ変動に対するロバスト性が向上し、全周波数帯にわたってピッチ角制御と充放電動作の操作量を極小化することができる。
以下、図面を用い実施例に基づいて本発明の風車と蓄電池による風力発電電力平滑化装置を詳細に説明する。
図1は本実施例の風力発電電力平滑化装置の概要を示す構成図である。風力発電機1を電力系統に接続される出力端子2の配線に双方向インバータ3と蓄電池4が並列に挿入されている。出力端子2は電力系統に。風力発電機1の発電電力Pと蓄電池4の充放電電力Pから合成した出力電力Pが電力系統に出力される。双方向インバータ3はPWM方式によって制御される。
風力発電機1は、ピッチ角制御可能な風車ブレードと、堅牢、安価なかご型誘導発電機で構成され、ピッチ角は発電電力が定格電力を超えないように制御されるが、図2に示すピッチ角制御則で運転されるものとする。また、蓄電池4は風力発電機1の発電量Pが過剰な時は充電動作により電力を吸収し、風力発電機1の発電量Pが不足する時は放電動作により電力を放出して、出力端子2から系統に供給する電力Pを平滑化する。
風力発電機1の発電量は下式のモデルで表現される。
風速Vwが与えられたとき、風車から取り出しうる風車出力Pwは下の式で与えられる。
(1) Pw(Vw,β,ωw)=Cp(λ,β)Vw3ρA/2
ここで、ρ:空気密度、A:風車の回転断面積、Cpはピッチ角βとブレードの先端速度比λ=Rω/Vw(R:風車の半径、ω:風車の回転角速度)によって近似される出力係数である。風車の角速度ωは、Jを風車の慣性モーメントとして下の風車の動特性式で与えられる。
(2) ω2=∫2/J・(Pw−Pg)dt
風力発電機としてかご型誘導発電機を用い、すべりsが与えられたときの発電電力Pgは次の式で与えられる。
(3) Pg=−3V2s(1+s)R2/{(R2−sR1)2+s2(X1+X2)2}
ここで、V:相電圧、R1:固定子抵抗、R2:回転子抵抗、X1:固定子リアクタンス、X2:回転子リアクタンスである。
蓄電池4の動作は図3に示すモデルで表される。制御装置より、指令充放電電力PBが与えられたとき、時定数TB=0.5sの一次遅れの伝達関数1/(TBs+1)により蓄電池4および双方向インバータ3の動作遅れを模擬し、充放電電力PBを得る。また、充放電電力PBの積分より蓄電池4のエネルギー残存量ξを計算する。放電動作を正、充電動作を負としているため符号を逆にする。
本実施例の風力発電電力平滑化装置は、ピッチ角制御と蓄電池の充放電電力制御による系統への出力電力Pの平滑化と、蓄電池4のエネルギー残存量ξの一定制御の両立をH∞制御により実現する。
Pを対象とする開ループのプラント、Kを制御器、W1、W2を重み関数とし、図4で示される閉ループシステムにおいて、下の(4)式を設計仕様とするH制御器を設計する。制御の目的は、外乱抑制と追従性を補償する感度関数S=(I+PK)−1、モデルのパラメータ変動に対するロバスト性を扱う相補感度関数T=PKSとを最小化することである。
ここで、γはH∞ノルムの境界である。
感度関数Sは外乱に対する応答性(感度)および追従特性にかかわり、Tはロバスト安定性にかかわる。ロバスト安定性とは、シミュレーションモデルが不正確であった場合や設定したパラメータが変動した場合にも、システムの安定性を失わないための、不確かさに対する強度をいう。
追従特性にかかわる感度関数Sは低周波域でより小さくし、ロバスト安定性にかかわる相補感度関数Tはむだ時間などのダイナミクスの影響が相対的に大きくなる高周波域でより小さくすることで、全周波数帯にわたってシステムを安定化させることができる。
したがって、周波数関数Wを低周波域でゲインが大きくなるようにし、周波数関数Wを高周波域でゲインが大きくなるようにして、Sには低周波域で大きなペナルティが、Tには高周波域で大きなペナルティが課せられるよう設計し、(4)式を満たすように制御を行う。(4)式はこれらの混合感度問題の設計仕様を表している。
外乱wと制御量zの間の重み関数を含んだ閉ループ伝達関数に対して、内部安定にするH∞制御器はLMI(線形行列不等式)アプローチを用いることで設計できる。
風力発電機はピッチ角β、風速Vw、回転角速度ωのパラメータにより強い非線形性を持つが、動作点近傍においては線形性を持つものとして、図5に示す線形化モデルを利用する。ピッチ角β、風速Vwから発電電力Pまでの応答を一次遅れ系で近似している。図5に示すモデルは動作点近傍以外の広範囲な領域では大きな線形化誤差を持つが、線形化誤差をパラメータ変動と捉え、ロバスト安定性を十分保つように重み関数を選択して設計することで制御性能を確保している。
図6に示すように、本実施例の風力発電電力平滑化装置のH制御器は、風車と蓄電池を一つの制御器で制御する集中制御器とすることができる。風力発電機の発電電力Pg、蓄電池のエネルギー残存量ξ、合成出力電力Pcを制御器に入力し、ピッチ角指令値βCMD、蓄電池の充放電電力指令値PBを得る。なお、ピッチ角を高周波帯域で動作させないようにプレフィルタを用いる。これにより、周波数領域における風力発電機と蓄電池の分担をより円滑に行うことができる。
図7は平滑化指令値から発電電力変動Pgまでの特異値プロット、図8は蓄電池のエネルギー残存量指令値(50%一定)からエネルギー残存量ξまでの特異値プロット、図9は合成出力電力にかかる特異値プロットである。図7〜9では、H∞制御器がある場合を実線で、制御器がない場合を点線で示してある。図7の点線のグラフを注目すると、ピッチ角目標値から発電電力変動までのループでは0.1rad/s以下の低周波数成分において積分特性を有することが分かる。図8の点線グラフから、蓄電池のエネルギー残存量指令値からエネルギー残存量までのループでは積分動作となっている。また、図9における点線グラフから、混合出力電力ループでは1rad/s付近に高ゲインが確認される。
これらの結果から、H∞制御器の設計では、積分特性をなくし、高ゲインを除去するように、重みを選択した。
本実施例において、制御モデルを用い、LMIアプローチにより求めた重み関数は以下の通りである。
(5) W11=0.0214/(s2+0.0304s+0.00294)
W12=0.16/(s+0.001)
W13=61.8312/(s+0.6183)
W21=(0.0105s−0.0016)/(s+97.5197)
W22=(0.0193s−0.2041)/(s+8390.5)
W23=(0.0064s+0.0365)/(s+5646.2)
図10と図11はそれぞれ、感度関数の重みW11〜W13と相補感度関数の重みW21〜W23の特異値プロットである。感度関数は、風力発電機側で低周波成分の変動を抑制し、蓄電池で高周波成分の変動と蓄電池のエネルギー残存量を一定になるように設定した。相補感度関数は、ロバスト性を得るために高周波域までゲインを高く設定している。
図7〜9における実線のグラフは、(5)式のW11〜W23を用いたH∞制御器を適用した場合の特異値プロットである。
図7では、H∞制御器を適用することで積分動作を除去することができ、低周波数成分で変動を抑制する特性となっていることが示されている。図8では、低周波数成分のゲイン特性が改善されて、エネルギー残存量一定制御が達成されることが分かる。また図9からは、低周波数領域における高ゲインを除去し、高周波数成分の変動まで抑制されるように改善されていることが確認できる。
このように、図7〜9により、制御器無しの場合は、低周波数域でゲインが0dB以上の積分特性を示すのに対し、H∞制御器を使用した場合、全領域にわたって積分動作が除去できており、H∞制御器が低周波数成分での安定化に効果的であることがわかる。
図12〜図17は、本実施例の風力発電電力平滑化装置のH∞制御器の効果を従来手法と比較したシミュレーション結果を説明する図面である。図中、実線が本実施例に用いたH制御器による制御結果であり、破線は比較対象とする従来手法による制御結果である。図18は比較に用いた従来手法を表すブロック図である。
図18に表すように、PI制御器は風力発電機と蓄電池をそれぞれ別の制御器で制御する。蓄電池のPI制御器では、蓄電池のエネルギー残存量制御のためにξとPcについて各指令値との差を算出しその和を偏差eとして入力する、2入力1出力の構成としている。
風力発電機と蓄電池の制御器の制御則は下の式で表される。
(6) u(t)=KPe(t)+KI∫0te(τ)dτ+KDde(t)/dt
ここで、u:制御量、e:偏差であり、KP、KI、KDはそれぞれ比例、積分、微分ゲインである。使用したパラメータは図19のPI制御パラメータの表に示す通りである。PI制御器パラメータは限界感度法に従ってチューニングを行ったものである。微分ゲインは0とした。なお、従来手法では、高周波数成分を削除するプレフィルタを適用していない。
シミュレーションで用いた風車、誘導発電機、選択した動作点のパラメータは、図20のシミュレーションパラメータの表に示すとおりである。
図12は本シミュレーションで風力発電機に与えた風速の変化を示す図面である。なお、本シミュレーションで与える風速は、動作点として選択した8m/sから増加し、10m/s前後を中心に変動している。また、発電電力、合成出力電力の平滑化に用いる指令値は発電電力の動作点Pg0の96.5kWで一定とした。
図13は本シミュレーションで得られたピッチ角変動を示すグラフである。本実施例のH制御器によれば、従来手法のPI制御器に比べて微小変動が減少していることがわかる。PI制御器を用いると微小変動が発生するが、微小変動を抑制するために比例ゲインをこれ以上小さく設定すると発電電力変動が増大することになる。本発明の方法では、プレフィルタおよびH制御の重み関数により高周波数成分の変動に対するピッチ角制御を抑止しているため微小変動は減少する。また、ピッチ角の急激で頻繁な動作を行わないため、風車ブレードにかかる機械的なストレスを軽減することができる。
また、図14は、発電電力変動の推移を表すグラフである。図14より、風力発電機の発電電力変動はH制御器を用いた場合の方が大きくなっている。これは、ピッチ角が風速の高周波変動に対して低い感度になっているためである。この発電電力変動は電力系統にそのまま出力されないので問題とならない。
図15から図17は蓄電池出力、エネルギー残存量、合成出力電力の推移を表すグラフである。蓄電池出力は発電電力変動を抑制するように出力している。図15から図17を見ると、PI制御器を用いたときは、エネルギー残存量制御が達成されているが合成出力電力の変動が大きく、平滑化が十分に達成されていない。一方、H制御器では蓄電池からの出力が風車発電電力の変動を補償して合成出力電力を平滑化していることがわかる。また、蓄電池の制御性能が改善され、合成出力電力が十分に平滑化されていることが確認できる。
このように、本実施例の風力発電電力平滑化装置によれば、風速の変動による風力発電機の発電量変動を蓄電池の充放電動作で補償して系統に供給する合成出力電力を平滑化するとともに、風速変動の高周波成分に対する感度を下げることで急激なピッチ角制御を抑止し、風車ブレードにかかる機械的ストレスを軽減することができる。
また、蓄電池容量への影響を確認するため、別の風速変動を風速外乱として与えたシミュレーションの結果を図21から図25および図26から図30に示す。図中点線は従来の蓄電池制御、実線は本発明の調和制御の結果を示す。
図21から図25は風速がうねる場合を想定した第2のシミュレーション結果を表し、図21は外乱として与える風速を示し、図22はシミュレーションの結果である風車ブレードのピッチ角、図23は風車発電量、図24は蓄電池の出力電力、図25は蓄電池のエネルギー残存量を示す。
風車に与える風速パターンは、動作点である8m/sから下降し後に上昇するよう設定してある。従来手法の制御は、蓄電池のみで平滑化を達成するもので、図18に示す分散型PI制御器の蓄電池側の伝達関数Kpibを用いている。合成出力電力の平滑化に用いる指令値は、風速から得られる最大発電電力に時定数100sのLPF(低域フィルタ)を用いて算定される。
シミュレーション結果では、風速が8m/sから下降する局面では、H制御と従来手法ともに、最大電力を発電するためピッチ角が10度に固定され、合成出力電力の不足分を補完して出力の平滑化を行うため蓄電池が放電している。したがって、蓄電池のエネルギー残存量は単調に減少する。
反対に、風速が上昇して8m/sを超えると、従来手法ではエネルギー残存量が50%を超えて増加しているのに対し、H制御ではエネルギー残存量を50%に維持するために、ピッチ角制御を行って発電電力を制御しており、これにより蓄電池エネルギー残存量の増加を抑制している。したがって、蓄電池の容量を低減することができる。
このように、本実施例の風力発電電力平滑化装置によれば、蓄電池のエネルギー残存量に応じて風力発電機のピッチ角を制御することで、合成出力電力の平滑化と同時に蓄電池のエネルギー残存量の一定制御を行うことができる。
また、図26から図30は、風速が上昇傾向の変動を示す場合を想定した第3のシミュレーションの結果で、10分間の変化を表す。図26は外乱として与える風速、図27は風車ブレードのピッチ角、図28は風車発電量、図29は蓄電池の出力電力、図30は蓄電池のエネルギー残存量を示す。
図27から、蓄電池のみの制御では風速が定格風速を超えたときにピッチ角が動作していることが分かる。本発明の制御器を用いることで、図28に示すように、発電電力が指令値に追従するようにピッチ角が制御されて、図29に示すように、蓄電池出力において低周波数成分の変動が抑制される。この結果、図30に示すように、エネルギー残存量が一定に制御される。これにより、蓄電池の容量低減が図れることが分かる。
以上のように、本実施例の風車と蓄電池による風力発電電力平滑化装置によれば、風車のピッチ角と蓄電池の充放電動作をH制御器により協調的に制御することで、系統に出力する電力の平滑化、ピッチ角動作を低周波数化することによる風車ブレードへの機械的ストレスの軽減、蓄電池エネルギー残存量を一定制御することによる蓄電池容量の軽減を達成している。
なお、PID制御器によっても、風速の高周波成分をプレフィルタにより消去することで、ピッチ角の急激な変動を抑止し、ブレードにかかる機械的ストレスを軽減することができる。また、風車発電量の変動に応じて蓄電池の充放電動作を制御することで、合成出力電力を平準化することができる。この場合、H制御器に比べて制御性能は劣るものの、同様に風車ブレードへの機械的ストレスの軽減と、系統に出力する電力の平滑化を同時に達成することができる。
本発明の1実施例における風力発電電力平滑化装置の概要を示す構成図である。 本実施例におけるピッチ角制御則を示すグラフである。 本実施例における蓄電器の動作を表すブロック線図である。 シミュレーションに用いる閉ループシステムのブロック線図である。 風力発電機の線形化モデルを示すブロック線図である。 重み関数の特異値プロットである。 ピッチ角目標値から発電電力変動ΔPgまでの特異値プロットである。 蓄電池のエネルギー残存量指令値からエネルギー残存量までの特異値プロットである。 制御器の制御構造を示すブロック線図である。 重み関数の特異値プロットである。 合成出力電力にかかる特異値プロットである。 シミュレーションで与える風速を示すグラフである。 シミュレーションによるピッチ角応答を示すグラフである。 シミュレーションによる風力発電電力応答を示すグラフである。 シミュレーションによる蓄電池出力応答を示すグラフである。 シミュレーションによるエネルギー残存量の推移を示すグラフである。 シミュレーションによる合成出力電力の推移を示すグラフである。 シミュレーションに用いたPID制御器のブロック線図である。 シミュレーションに用いたPID制御器のパラメータ表である。 シミュレーションパラメータの表である。 第2のシミュレーションで与える風速を示すグラフである。 第2のシミュレーションによるピッチ角応答を示すグラフである。 第2のシミュレーションによる風力発電電力を示すグラフである。 第2のシミュレーションによる蓄電池出力を示すグラフである。 第2のシミュレーションによるエネルギー残存量の推移を示すグラフである。 第3のシミュレーションで与える風速を示すグラフである。 第3のシミュレーションによるピッチ角応答を示すグラフである。 第3のシミュレーションによる風力発電電力を示すグラフである。 第3のシミュレーションによる蓄電池出力を示すグラフである。 第3のシミュレーションによるエネルギー残存量の推移を示すグラフである。
符号の説明
1 風力発電機
2 出力端子
3 PWMインバータ
4 蓄電池

Claims (3)

  1. ピッチ角制御が可能な風力発電機、蓄電池、出力端子、制御装置を備える風力発電電力平滑化装置であって、該制御装置は、風速変動に対し、所定の周波数以下の低周波変動による発電量変動を抑制するように前記風力発電機のピッチ角を調整し、前記周波数以上の高周波変動を前記蓄電池の放充電動作のみで補償して、前記出力端子に供給する発電電力が一定となるように制御することを特徴とする風車と蓄電池による風力発電電力平滑化装置。
  2. さらに、前記蓄電池のエネルギー残存量が一定になるように前記風力発電機のピッチ角を制御することを特徴とする請求項1に記載の風車と蓄電池による風力発電電力平滑化装置。
  3. 前記制御装置がH∞制御により前記風力発電機のピッチ角と前記蓄電池の放充電動作を協調的に操作することを特徴とする請求項1または2に記載の風車と蓄電池による風力発電電力平滑化装置。
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