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JP2010069466A - 水素化処理触媒 - Google Patents

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Ryuichiro Iwamoto
隆一郎 岩本
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

【課題】水素化処理を行う上で劣質な性状を有する重質炭化水素油であっても水素化脱硫、水素化脱メタル、水素化分解などの水素化処理を効率的かつ長期間安定に実施できる水素化処理触媒を提供すること。
【解決手段】触媒全量基準でコーク分を20〜40質量%、硫黄分を5〜10質量%含有し、かつ、コークのH/C(モル比)が0.5〜0.7であることを特徴とする水素化処理触媒である。
【選択図】なし

Description

本発明は、水素化処理触媒に関し、特に重質炭化水素油の水素化脱硫触媒として有効な水素化処理触媒に関するものである。
常圧残油や、減圧残油などの重質炭化水素油の硫黄化合物は、巨大分子中に取り込まれて存在しているため、その硫黄分を除去するための水素化処理は、過酷な高温条件で処理しなければならない。しかし通常このような条件で水素化処理を行うと水素化処理触媒表面にコ−クの生成が促進されることから、触媒が急激に劣化し、運転可能期間(触媒寿命)が短くなってしまうという欠点があった。この傾向は水素化処理をする重質炭化水素油の性状が劣質(高沸点、高硫黄分、高残炭分など)であるほど顕著である。
このような問題を解決するため、従来は水素化処理触媒を連続的あるいは定期的に交換したり、単位触媒あたりの処理量を低下させ負荷を低減するという方法が取られていた。しかし、これらの方法では、経済性が低下するため、実質的に劣質な重質炭化水素油の処理は困難であった。
そのため、劣化しにくい、すなわち、触媒寿命の長い水素化処理触媒の出現が求められていた。
重質炭化水素油の水素化処理、及び該水素化処理を長時間安定に行える触媒については、多くの研究が行われている。例えば、特許文献1では、耐火性酸化物担体に、触媒に対して、特定割合で酸化ニッケル、三酸化モリブデン、酸化マグネシウム及び五酸化リンを担持させた水素化脱硫触媒が開示されている。しかし、活性を高めるために、添加する塩基性物質の担持量を増大すると脱硫活性が低下することがあり好ましくなかった。
また、特許文献2は、原油や、減圧残油など水素化処理に関し、アルミナ含有担体に、周期表第6B族金属と第8族金属を担持し、それらの金属の分布を触媒粒子最外表面部より中心部により高濃度で担持させた水素化処理触媒を用いた水素化処理方法を開示している。この触媒は、活性金属の触媒担体上の担持分布を最適化することにより触媒被毒の低減を図るものであるが、触媒製造法が複雑で、工業的製造が困難であった。
さらに特許文献3は、モリブデン並びにリン、ホウ素又はフッ素を含有する重質炭化水素油の水素化精製触媒であり、触媒被毒を抑制するためニッケルやコバルトを含有しない触媒を開示する。しかしながら、脱硫性能が極めて低い触媒であり、問題の根本的解決とはならなかった。
特開平11−319567号公報 特開平6−184558号公報 特開平2−35938号公報
本発明は、水素化処理を行う上で劣質な性状を有する重質炭化水素油であっても水素化脱硫、水素化脱メタル、水素化分解などの水素化処理を効率的かつ長期間安定に実施できる水素化処理触媒を提供することを目的とするものである。
本発明者は、前記の好ましい触媒を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、特定量のコーク分を担持し、かつ特定の性状を有する触媒が、上記目的に適合し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。すなわち、本発明は、
〔1〕触媒全量基準でコーク分を20〜40質量%、硫黄分を5〜10質量%含有し、かつ、コークのH/C(モル比)が0.5〜0.7であることを特徴とする水素化処理触媒、
〔2〕X線電子発光分析(XPS)におけるSp2が160.0〜163.0eVのピークを有することを特徴とする前記〔1〕に記載の水素化処理触媒、
〔3〕コーク分を含まない水素化処理触媒にコーク分を担持した触媒である前記〔1〕又は〔2〕に記載の水素化処理触媒、
〔4〕前記コーク分を含まない水素化処理触媒が、耐火性酸化物担体に、触媒全量基準で、酸化ニッケル及び/又は酸化コバルトを1〜10質量%、三酸化モリブデンを5〜30質量%並びに五酸化リンを3〜10質量%担持させた触媒である前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の水素化処理触媒、
〔5〕(1−a)コーク分を含まない水素化処理触媒を、予備硫化処理した後、該触媒を用いて炭化水素油の水素化処理を行う工程、又は(1−b)コーク分を含まない水素化処理触媒を、沸点が400〜600℃で、硫黄を含有する炭化水素に浸漬してコーク分を担持する工程である第1工程、及び(2)前記工程で得られた触媒を不活性ガス雰囲気下、400〜600℃で加熱処理する第2工程からなることを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の水素化処理触媒の製造方法、
〔6〕さらに、300〜400℃で空気中に暴露する第3工程を行うことを特徴とする前記〔5〕に記載の水素化処理触媒の製造方法、
〔7〕前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の水素化処理触媒、もしくは前記〔5〕又は〔6〕に記載の水素化処理触媒の製造方法によって得られた水素化処理触媒と重質炭化水素油を接触させて水素化脱硫を行うことを特徴とする炭化水素油の水素化処理方法、
を提供するものである。
本発明によれば、水素化処理を行う上で劣質な性状を有する重質炭化水素油であっても水素化脱硫、水素化脱メタル、水素化分解などの水素化処理を効率的かつ長期間安定に実施できる水素化処理触媒を提供することができる。
本発明の触媒は、触媒全量基準でコーク分を20〜40質量%、硫黄分を5〜10質量%含有することを要する。コーク分が20質量%未満もしくは硫黄分が5質量%未満では、必要な活性の安定化が得られず、一方、コーク分が40質量%を超えもしくは硫黄分が10質量%を超えると、触媒細孔が閉塞されて活性自体が低下し、効率的な触媒性能を示さない事態を招くことがある。好ましいコーク分は25〜35質量%であり、好ましい硫黄分は7〜9質量%である。
なお、コーク分及び硫黄分は、炭素硫黄同時分析(赤外吸収法)によって測定した値である。
本発明の水素化処理触媒は、さらに、コーク分のH/C(モル比)が、0.5〜0.7であることを要する。コーク分のH/C(モル比)がこの範囲を満たさない場合は、所望の活性の安定化効果と触媒細孔の閉塞による活性の低下の抑制効果とを満たすことができないことがある。コーク分のH/C(モル比)は、0.55〜0.65であることが好ましい。
なお、H/C(モル比)は、CHN同時分析法で測定した値である。
上記コーク分は、さらに、X線電子発光分析(XPS)のSp2が160.〜163.0eVのピークを有することが好ましい。このようなピークを有すれば、活性の安定化効果と触媒細孔の閉塞による活性の低下抑制効果の確率を高めることができる。
なお、XPSは、以下の方法で行った。
〔XPSの測定方法〕
(前処理)
触媒をメノウ乳鉢で粉砕し、XPS測定試料とした。
(測定条件)
アルミニウムのX線源を用いて150Wの出力にて測定した。またAl2pが74.8eVを基準の結合エネルギーとした。
本発明の水素化処理触媒は、通常、コーク分を含まない水素化処理触媒にコーク分を担持した触媒である。
前記「コーク分を含まない水素化処理触媒」は、特に制限はなく、水素化処理触媒として区分される全ての触媒が含まれ、特に重質炭化水素油の水素化脱硫処理触媒が好ましい。
重質炭化水素油の水素化脱硫処理触媒の具体例としては、例えば、耐火性酸化物担体に、触媒に対して、活性金属として、酸化ニッケル、三酸化モリブデン及び五酸化リンを担持させた触媒が挙げられる。この場合担持量は、所望する性能を確保し、活性金属の凝集が起こり活性の低下を招くことを避ける観点から、酸化ニッケル1〜10質量%、三酸化モリブデン5〜30質量%、五酸化リン3〜10質量%が好適である。
耐火性酸化物担体としては、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニアあるいはこれらの複合酸化物担体等を挙げることができる。金属の分散性の観点からはアルミナが好ましい。
上記コーク分を含まない水素化処理触媒の製造法は特に限定されないが、通常、耐火性酸化物担体に、ニッケル化合物、モリブデン化合物及びリン化合物を溶解させた含浸液を含浸する。その場合、有機酸化合物および分子量100以上のエチレングリコール類の共存下で前記活性金属種の担持処理を行うことが好ましい。担持処理後400〜600℃以上の温度で焼成する方法が好ましい。
以上のようにしてコーク分を含まない重油水素化脱硫触媒が得られる。
なお、前記コーク分を含まない重油脱硫触媒に担持する活性金属として、酸化ニッケル、三酸化モリブデンなどを挙げたが、それらとともに、又はそれらに代えて、酸化タングステン(好適担持量は5〜30質量%)や酸化コバルト(好適担持量は1〜10質量%)などを用いてもよく、中でも、前記酸化ニッケルとともに、又は酸化ニッケルに代えて酸化コバルトを用いたものが好適な例として挙げることができる。
本発明の水素化処理触媒の製造方法は、例えば、(1−a)コーク分を含まない水素化処理触媒を、予備硫化処理した後、該触媒を用いて炭化水素油の水素化処理を行う工程、又は(1−b)コーク分を含まない水素化処理触媒を、沸点が400〜600℃で、硫黄を含有する炭化水素に浸漬してコーク分を担持する第1工程、及び(2)前記工程で得られた触媒を不活性ガス雰囲気下、400〜600℃で加熱処理する第2工程からなる方法が挙げられる。
この製造方法は、さらに、300〜400℃で空気中に暴露する第3工程を行うことが、より好ましい。
前記第1工程(1−a)の予備硫化処理は、通常予備硫化剤として、硫化水素、二硫化炭素、チオフェン、ジメチルジスルフィド等を使用し、200〜400℃の温度範囲、反応圧力15〜250kg/cm2の範囲に選定するのが好適である。
また、水素化処理(水素化脱硫処理)の反応条件は対象となる原料油の種類により異なるが、通常反応温度200〜500℃、反応圧力15〜250kg/cm2、LHSV(液空間速度)0.1〜45(1/hr)の範囲に選定するのが好ましい。また水素ガスと炭化水素油の供給割合(水素/炭化水素油比)は通常、50〜2,000Nm3/klの範囲に選定するのが好適である。
また、第1工程(1−b)の沸点が400〜600℃で硫黄分を含有する炭化水素を浸漬する方法は、通常炭化水素油を100〜200℃で直接浸漬して担持すればよい。この場合炭化水素の硫黄分は、2〜5質量%であることが好ましい。
前記第2工程における、不活性ガス雰囲気下で加熱処理するとは、不活性ガス、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、及び酸素の存在しない燃焼ガスなどの雰囲気下で加熱処理するものである。また、加熱処理は、400〜600℃であることが好ましい。400〜600℃で加熱処理すれば、良好な付着コーク分の脱水素縮合化が行える点で好ましい。したがって加熱処理は、450〜550℃であることがより好ましい。加熱処理を行う時間は、通常0.5〜40時間の範囲で選択する。
前記第3工程における、第2工程で得られた触媒を、さらに、空気中に暴露する方法は、300〜400℃の温度で空気に暴露させるのが好ましい。暴露時間は通常1〜10分が好ましい。
本発明の上記水素化処理触媒は、以下のような条件を満たすものが好ましい。
例えば、耐火性酸化物担体の比表面積は、5〜500m2/gが好ましく、50〜300m2/gがより好ましい。比表面積が5m2/g未満では担持金属の分散性が低下することがあり、500m2/gを超えると反応物の拡散が阻害されることがある。また、細孔容積は、0.2〜1.5cm3/gが好ましく、0.3〜1.2cm3/gがより好ましい。細孔容積は、0.2cm3/g未満であると原料油中のメタル及びコークの析出により触媒細孔が閉塞することがあり、1.5cm3/gを超えると触媒強度が著しく低下し実用に耐えなくなることがある。また、細孔径は、細孔容積の50%点が100〜300Åの範囲にあるものが好ましい。
これらの物性は、反応物である炭化水素留分の分子サイズに適した大きさであり、触媒細孔内部の反応活性点に拡散できる好適なサイズである。
なお、細孔容積及び細孔分布は、窒素による吸脱着法により測定し、BJH法[E.P.Barreff.L.G.Joyner and P.P.Halnda, J.Amer.Chem.Soc.,73,373(1951)]にて解析して得たものである。また、比表面積は、窒素によるB.E.T.法によって求めたものである。
本発明の水素化処理触媒の形状は特に限定されず、円柱、球状、三〜六葉、ハニカム等いずれであってもよい。例えば、固定床流通式反応装置では、通常円柱、三つ葉、四つ葉の形の触媒が好適に用いられる。
本発明の水素化処理方法は、上記水素化処理触媒と炭化水素油を接触させて水素化処理を行うことを特徴とする炭化水素油の水素化処理方法である。
水素化処理に用いられる炭化水素油としては、灯軽油等の軽質な含硫黄炭化水素油や、常圧残油、減圧残油等重質な含硫黄炭化水素油が挙げられる。
特に、劣質な重質炭化水素油の水素化脱硫に好適に適用できる。劣質な重質炭化水素油は、例えば、API指数20以下の重質な原油から得られる、常圧残油及び減圧残油、溶剤脱歴油、熱分解油、アスファルテン油、タ−ルサンド及び粘度調整のため、これらを一旦予備的に水素化処理した原料油、またはこれらの油を軽質油で希釈したものが挙げられる。
なお、劣質な重質炭化水素油は、通常、下記のような性状を有するものである。
〔劣質な重質炭化水素油の性状〕
・硫黄分: 0.5質量%以上
・窒素分: 200質量ppm以上
・バナジウム分:5質量ppm以上
・残炭分: 5質量%以上
本発明の水素化処理触媒を用いて水素化処理を行うに際しては、水素化処理反応を行う前に安定化処理として予備硫化処理を行うことが好ましい。この予備硫化処理は予備硫化剤として、硫化水素、二硫化炭素、チオフェン、ジメチルジスルフィド等を使用し、通常200〜400℃の温度範囲で行う。また、水素化脱硫処理の反応条件は対象となる原料油の種類により異なるが、通常反応温度は、200〜500℃、反応圧力15〜250kg/cm2、LHSV(液空間速度)は0.1〜45(1/hr)の範囲に選定する。また水素ガスと炭化水素油の供給割合(水素/炭化水素油比)は通常、50〜2,000Nm3/klの範囲で選定する。
反応形式としては、特に制限はないが、通常は、固定床、移動床、沸騰床、懸濁床等の種々のプロセスが採用され、好ましくは経済性から固定床による流通方式が好適に採用される。
以下、本発明の実施例及びその比較例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、触媒の物性は次の方法で測定した。
〔触媒の物性測定方法〕
(1)モリブデンの定量
誘導結合プラズマ発光分光法(ICP)で測定した。
(2)ニッケル及びリンの定量
蛍光X線分析法で測定した。
(3)平均細孔径
明細書に記載した方法で測定した。
(4)細孔容積
明細書に記載した方法で測定した。
(5)比表面積
明細書に記載した方法で測定した。
実施例1
(コーク分を含まない水素化処理触媒A0の調製)
三酸化モリブデン165.0質量部及び塩基性炭酸ニッケルをNiO相当量で39.3質量部をイオン交換水500質量部に添加した。添加に際しては80〜90℃に加温し、1時間の撹拌を行った。次に、リン酸をP25相当量で50.8質量部加え、溶解を確認した。次にトリエチレングリコール(分子量150)を60質量部加えた。次にこの含浸液を担体の水分吸収量に見合った量に調整し、平均細孔径は140Å、細孔容積は0.60ml/g、比表面積は200m2/gの物性を有する四葉型アルミナ担体1,000質量部に常圧含浸法にて担持した。この担持物を120℃で3時間乾燥して、空気中で450℃、5時間焼成して金属担持触媒A0を得た。
こうして得た金属担持触媒A0は、乾燥質量当たり、NiOとして2.9質量%、MoO3として13.4質量%、P25として3.6質量%を含有していた。
(コーク担持触媒の調製)
次にこの金属担持触媒A0を小型高圧固定床反応装置の反応管に100cc充填した。これを硫化剤としてジメチルジスルフィド(DMDS)を添加して硫黄濃度を2.5質量%に調整した軽質軽油を用いて、130kg/cm2、水素気流中、250℃でLHSV 1h-1の条件で21時間予備硫化した。次に表1に示す常圧残油(原料油A)を反応圧力130kg/cm2、液空間速度0.5h-1、水素/油比740Nm3/kl、350℃で5日間通油してコーク担持触媒A1を得た。このコーク担持触媒A1を反応管から抜き出し、窒素中で450℃、1時間加熱処理して、空気中で放冷し、コーク担持触媒A2を得た。この触媒の物性を表2に示す。
(触媒の性能評価)
小型高圧固定床反応装置の反応管に、コーク担持触媒A2を100cc充填した。これを、硫化剤としてDMDSを添加して硫黄濃度を2.5質量%に調整した軽質軽油を、130kg/cm2、水素気流中、250℃でLHSV 1h-1、21時間、予備硫化した。続いて表1に示す常圧残油(原料油A)を反応圧力130kg/cm 2 、液空間速度0.5h-1、水素/油比740Nm3/klで通油して、生成油硫黄分が0.5質量%となるように温度を調整しながら1500時間処理した。この目標達成温度の変化を表3に示す。
実施例2
実施例1で得られた金属担持触媒A1、100ccを、表1に示す常圧残油(原料油A)10Lを入れた容器に投入し、常圧、120℃で5時間ゆっくり攪拌した。その後触媒と油をろ過して分離した。この触媒を窒素中で550℃、10時間加熱処理して、空気中で放冷し、コーク担持触媒A3を得た。この触媒を用いて実施例1と同様の評価を行なった場合の目標達成温度の変化を表3に示す。
実施例3
実施例1において、原料油Aの代わりに原料油Cを用いた他は同様の処理を行い、コーク担持触媒A4を得た。この触媒を用いて実施例1と同様の評価を行なった場合の目標達成温度の変化を表3に示す。
実施例4
実施例1において、原料油Aの通油時間を2日とした他は同様の処理を行い、コーク担持触媒A5を得た。この触媒を用いて実施例1と同様の評価を行なった場合の目標達成温度の変化を表3に示す。
実施例5
実施例1において、加熱処理後の冷却を窒素気流下で行った他は同様の処理を行い、コーク担持触媒A6を得た。この触媒を用いて実施例1と同様の評価を行なった場合の目標達成温度の変化を表3に示す。
比較例1
実施例1において、原料油Aの代わりに原料油Bを用いた他は同様の処理を行い、コーク担持触媒A7を得た。この触媒を用いて実施例1と同様の評価を行なった場合の目標達成温度の変化を表3に示す。
比較例2
実施例1において、原料油Aの代わりに原料油Cを用いた他は同様の処理を行い、コーク担持触媒A8を用いて評価を行なった。この触媒を用いて実施例1と同様の評価を行なった場合の目標達成温度の変化を表3に示す。
比較例3
実施例1において、原料油Aの代わりに原料油Dを用いた他は同様の処理を行い、コーク担持触媒A9を得た。この触媒を用いて実施例1と同様の評価を行なった場合の目標達成温度の変化を表3に示す。
比較例4
実施例1において、原料油Aの代わりに原料油Cを用い30日間通油した他は同様の処理を行い、コーク担持触媒A10を得た。この触媒を用いて実施例1と同様の評価を行なった場合の目標達成温度の変化を表3に示す。
比較例5
実施例1において、コーク担触媒A1を窒素中で700℃で処理した以外は同様の処理を行い、コーク担持触媒A11を得た。この触媒を用いて実施例1と同様の評価を行なった場合の目標達成温度の変化を表3に示す。
比較例6
実施例1において、コーク担持触媒A2の代わりにコーク担持触媒A1を用いて実施例1と同様の評価を行なった場合の目標達成温度の変化を表3に示す。
Figure 2010069466
Figure 2010069466
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本発明は、水素化処理を行う上で劣質な性状を有する重質炭化水素油であっても水素化脱硫、水素化脱メタル、水素化分解などの水素化処理を効率的かつ長期間安定に実施できる水素化処理触媒であり、水素化処理が困難な炭化水素油の精製に有効に利用される。

Claims (7)

  1. 触媒全量基準でコーク分を20〜40質量%、硫黄分を5〜10質量%含有し、かつ、コークのH/C(モル比)が0.5〜0.7であることを特徴とする水素化処理触媒。
  2. さらに、X線電子発光分析(XPS)におけるSp2が160.0〜163.0eVのピークを有することを特徴とする請求項1に記載の水素化処理触媒。
  3. コーク分を含まない水素化処理触媒にコーク分を担持した触媒である請求項1又は2に記載の水素化処理触媒。
  4. 前記コーク分を含まない水素化処理触媒が、耐火性酸化物担体に、触媒全量基準で、酸化ニッケル及び/又は酸化コバルトを1〜10質量%、三酸化モリブデンを5〜30質量%並びに五酸化リンを3〜10質量%担持させた触媒である請求項1〜3のいずれかに記載の水素化処理触媒。
  5. (1−a)コーク分を含まない水素化処理触媒を、予備硫化処理した後、該触媒を用いて炭化水素油の水素化処理を行う工程、又は(1−b)コーク分を含まない水素化処理触媒を、沸点が400〜600℃で、硫黄を含有する炭化水素に浸漬してコーク分を担持する工程である第1工程、及び(2)前記工程で得られた触媒を不活性ガス雰囲気下、400〜600℃で加熱処理する第2工程からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水素化処理触媒の製造方法。
  6. さらに、300〜400℃で空気中に暴露する第3工程を行うことを特徴とする請求項5に記載の水素化処理触媒の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の水素化処理触媒、もしくは請求項5又は6に記載の水素化処理触媒の製造方法によって得られた水素化処理触媒と重質炭化水素油を接触させて水素化脱硫を行うことを特徴とする炭化水素油の水素化処理方法。
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