JP2010068686A - 回転電機用の固定子 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の分割コアを強固に保持しながら漏洩磁束を低減して出力特性を向上する。
【解決手段】固定子巻線10がトロイダル状に巻き回しされ、環状をなすように周方向に分割して配設された複数の分割コア2と、分割コア2の外周部に接合して、複数の分割コア2を環状に保持する保持部材3と、を有する回転電機用の固定子1であって、分割コア2は、固定子巻線10が巻き回しされる巻回部21を有し、巻回部21から周方向に延出して形成されたヨーク部22と、ヨーク部22から径方向外側に延出して形成され、保持部材3と接合する接合面23aを有する接合部23と、ヨーク部22から径方向内側に延出して形成されたティース部24と、を有し、接合部23は、接合面23aを介して保持部材3に漏洩する磁束の通り道における磁気抵抗が高くなるように磁気ギャップ形成手段である切欠部25または溶接痕25a′,25b′を備えた。
【選択図】図1
【解決手段】固定子巻線10がトロイダル状に巻き回しされ、環状をなすように周方向に分割して配設された複数の分割コア2と、分割コア2の外周部に接合して、複数の分割コア2を環状に保持する保持部材3と、を有する回転電機用の固定子1であって、分割コア2は、固定子巻線10が巻き回しされる巻回部21を有し、巻回部21から周方向に延出して形成されたヨーク部22と、ヨーク部22から径方向外側に延出して形成され、保持部材3と接合する接合面23aを有する接合部23と、ヨーク部22から径方向内側に延出して形成されたティース部24と、を有し、接合部23は、接合面23aを介して保持部材3に漏洩する磁束の通り道における磁気抵抗が高くなるように磁気ギャップ形成手段である切欠部25または溶接痕25a′,25b′を備えた。
【選択図】図1
Description
本発明は、回転電機用の固定子に係り、特に、環状をなすように周方向に分割して配設された複数の分割コアを保持する保持部材を有する回転電機用の固定子に関する。
従来、一般に、モータ等の回転電機の小型、薄型化を図るため、トロイダル状に巻線が巻き回しされた回転電機用の固定子が知られている(特許文献1,2)。
例えば、特許文献1に記載の技術では、固定子を固定する被固定部材へ漏洩する磁束を低減することを目的として、コアの一部(3箇所)を外側に突出させて(図2参照)、この突出させた3箇所のコアを被固定部材で保持するとともに、この突出させた3箇所のコアから磁束が漏洩しにくいように、UVW相の電流の向きと大きさを電気的に制御することで短絡を生じにくくしている。
例えば、特許文献1に記載の技術では、固定子を固定する被固定部材へ漏洩する磁束を低減することを目的として、コアの一部(3箇所)を外側に突出させて(図2参照)、この突出させた3箇所のコアを被固定部材で保持するとともに、この突出させた3箇所のコアから磁束が漏洩しにくいように、UVW相の電流の向きと大きさを電気的に制御することで短絡を生じにくくしている。
また、特許文献2に記載の技術では、環状に形成された固定子の外周部に切欠き部を設けて漏洩磁束を低減させている(図2参照)。
特開2006−271161号公報
特開平9−9532号公報
しかしながら、特許文献1に記載された固定子では、複数の固定子のうちの一部を突出させて、その突出させた部分を被固定部材で保持するものであるから、強固に保持しようとすると保持力が不均等になるため、固定子の保持強度の向上に限界があり、回転電機の出力特性を向上させようとすると振動や衝撃に対する剛性不足が懸念されるという問題があった。
また、特許文献2に記載の技術では、固定子外周から内周方向に向かって切欠き部を設けたことで固定子の剛性が低下する恐れがあるため、回転電機の出力特性を向上させようとするとやはり同様に振動や衝撃に対する剛性不足が懸念されるという問題があった。
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、複数の分割コアを強固に保持しながら、漏洩磁束を低減して保持部材における渦電流損を抑制し、ひいては、出力特性を向上できる回転電機用の固定子を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、固定子巻線がトロイダル状に巻き回しされ、環状をなすように周方向に分割して配設された複数の分割コアと、前記分割コアの外周部に接合して、前記複数の分割コアを環状に保持する保持部材と、を有する回転電機用の固定子であって、前記分割コアは、前記固定子巻線が巻き回しされる巻回部と、この巻回部から周方向に延出して形成されたヨーク部と、このヨーク部から径方向外側に延出して形成され、前記保持部材と接合する接合面を有する接合部と、前記ヨーク部から径方向内側に延出して形成されたティース部と、を有し、前記接合部は、前記接合面を介して前記保持部材に漏洩する前記固定子巻線から生ずる磁束の通り道における磁気抵抗が高くなるように磁気ギャップを形成する磁気ギャップ形成手段である切欠部または溶接痕を備えたこと、を特徴とする。
かかる構成によれば、複数の分割コアの外周部に接合又は勘合して、前記複数の分割コアを環状に保持する保持部材を備えたことで、固定子の剛性を確保して振動や衝撃を抑制することができる。
そして、前記固定子巻線から生ずる磁束のうち、前記接合面を介して前記保持部材に漏洩する漏洩磁束の通り道における磁気抵抗が高くなるように磁気ギャップを形成する磁気ギャップ形成手段を備えたことで、当該漏洩磁束が磁気ギャップ形成手段の周りを迂回して、より大きなループを描いて磁路が形成される。このため、前記接合面を介して前記保持部材に漏洩する漏洩磁束を低減して保持部材における渦電流損を抑制し、ひいては、回転電機の出力特性を向上することができる。
そして、前記固定子巻線から生ずる磁束のうち、前記接合面を介して前記保持部材に漏洩する漏洩磁束の通り道における磁気抵抗が高くなるように磁気ギャップを形成する磁気ギャップ形成手段を備えたことで、当該漏洩磁束が磁気ギャップ形成手段の周りを迂回して、より大きなループを描いて磁路が形成される。このため、前記接合面を介して前記保持部材に漏洩する漏洩磁束を低減して保持部材における渦電流損を抑制し、ひいては、回転電機の出力特性を向上することができる。
すなわち、前記接合面を介して前記保持部材に漏洩する漏洩磁束は、前記回転電機のロータと鎖交しないため損失(保持部材における渦電流損)となってしまうが、このロータと鎖交しない漏洩磁束を通りにくくすることで、その分固定子巻線から発生する磁束のうちロータと鎖交する主磁束が増加する。
このようにして、前記接合面を介して前記保持部材に漏洩する漏洩磁束を低減することができるため、保持部材で分割コアを固定して強固に保持しながら、回転電機のロータと鎖交する有効磁束量を増大させ、回転電機の出力特性を向上することができる。
このようにして、前記接合面を介して前記保持部材に漏洩する漏洩磁束を低減することができるため、保持部材で分割コアを固定して強固に保持しながら、回転電機のロータと鎖交する有効磁束量を増大させ、回転電機の出力特性を向上することができる。
ここで、磁気ギャップ形成手段として、切欠部を設けた場合には、磁気抵抗の高い磁気ギャップ(空気が介在することによるエアギャップ)を形成することができる。
また、切欠部に代えて溶接痕を設けた場合には、分割コアのコア部材の磁気特性が劣化し、溶接痕を設けない場合に比べて磁気抵抗が高い磁気ギャップが形成される。さらに、溶接痕を設けた場合には、例えば、分割コアを複数の電磁鋼板をスポット溶接等の溶接手段により一体化して積層することも可能となり、分割コアの製作性の向上を図ることができる。
また、切欠部に代えて溶接痕を設けた場合には、分割コアのコア部材の磁気特性が劣化し、溶接痕を設けない場合に比べて磁気抵抗が高い磁気ギャップが形成される。さらに、溶接痕を設けた場合には、例えば、分割コアを複数の電磁鋼板をスポット溶接等の溶接手段により一体化して積層することも可能となり、分割コアの製作性の向上を図ることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の回転電機用の固定子であって、前記磁気ギャップ形成手段は、前記接合部において前記固定子巻線に近接する当該接合部の周方向端面と前記接合面との間に設けられていること、を特徴とする。
かかる構成によれば、前記磁気ギャップ形成手段を前記固定子巻線に近接する当該接合部の周方向端面と前記接合面との間に設けたことで、固定子巻線の近傍に生じる磁束密度の高い漏洩磁束が磁気ギャップ形成手段の周りを迂回するようになり、より大きなループを描いて磁路が形成されるため、漏洩磁束を効果的に低減することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の回転電機用の固定子であって、前記磁気ギャップ形成手段である切欠部は、前記接合面の端部において、テーパ状または円弧状もしくはU字状に形成されていること、を特徴とする。
かかる構成によれば、回転電機の出力特性等に応じて適宜切欠部の形状を適切に設定することができる。
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の溶接痕を備えた回転電機用の固定子の前記ティース部には、前記磁気ギャップ形成手段である第2の溶接痕が設けられ、この第2の溶接痕は、前記固定子巻線の径方向内側の端面よりも内径側であって、当該ティース部の側端面に近接して設けられていること、を特徴とする。
かかる構成によれば、前記接合部に設けられた溶接痕(第1の溶接痕)の他、さらにティース部においても第2の溶接痕を設けたことで、前記接合部から前記保持部材に漏洩する漏洩磁束の他、前記固定子の内周部における漏洩磁束も低減することができ、さらに回転電機のロータと鎖交する有効磁束量を増大させ、回転電機の出力特性を向上することができる。
本発明に係る回転電機用の固定子は、複数の分割コアを強固に保持しながら、漏洩磁束を低減して保持部材における渦電流損を抑制し、ひいては、回転電機の出力特性を向上することができる。
本発明の実施形態に係る回転電機用の固定子1について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図1は本発明の実施形態に係る回転電機用の固定子の分解斜視図であり、図2は本発明の実施形態に係る回転電機用の固定子の平面図である。図3は、固定子から分割コアの1つを抜き出した状態を示す図であり、(a)は分割コアに固定子巻線を巻き回しした状態を示す斜視図であり、(b)は(a)の断面図であり、(c)と(d)は切欠部の他の形状を示す(b)の部分断面図である。図4は分割コアの構成を説明するための図であり、(a)斜視図、(b)は断面図である。
なお、本実施形態に係る回転電機は、例えばモータとして使用することができ、図2に示すように、回転子Rを固定子1の内周部に配設して、小型化、薄型化を図ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る回転電機用の固定子1は、図1に示すように、固定子巻線10がトロイダル状に巻き回しされ、環状をなすように周方向に分割して配設された複数の分割コア2,2・・・からなるコアユニット20と、複数の分割コア2,2・・・の外周部である接合面23aに覆い被さるように接合して、複数の分割コア2,2・・・を環状に保持する保持部材3と、を備えている。そして、保持部材3は、コアユニット20に焼きばめして強固に保持できるように構成されている。
かかる構成により、複数の分割コア2,2・・・の外周部に保持部材3を焼きばめすることで、複数の分割コア2,2・・・の接合面23aを内周方向に向けて均等に締め付けるようにして保持することができるため、固定子1の剛性を確保することができる。ここで、保持部材3は、機械的強度や焼入れ温度などに耐えるための耐熱性を考慮して金属材料(非磁性の金属材料、例えば、アルミニウム、銅など透磁率が空気と同程度かつヒステリシス損失を生じないものが好ましい)が用いられることが好ましい。
なお、本実施形態においては、製作性を考慮して保持部材3を焼きばめしているが、これに限定されるものではなく、締りばめ等による圧入で強固に保持することもできる。
なお、本実施形態においては、製作性を考慮して保持部材3を焼きばめしているが、これに限定されるものではなく、締りばめ等による圧入で強固に保持することもできる。
分割コア2は、磁性部材(例えば、珪素鋼板や圧粉磁心、パーマロイ、ダストコアなど透磁率が空気より高く磁石とは異なり保持力のない軟磁性材。)からなり、図4に示すように、固定子巻線10が巻き回しされる巻回部21を有し(図3参照)、この巻回部21から周方向に延出して形成されたヨーク部22と、このヨーク部22から径方向外側に延出して形成され、保持部材3(図1)と接合する接合面23aを有する接合部23と、ヨーク部22から径方向内側に延出して形成されたティース部24と、を備えている。
そして、接合部23には、図4(b)に示すように、接合部23の周方向端面23b,23bと接合面23aとで形成する角部に磁気ギャップ形成手段としての切欠部であるテーパ状の切り欠き25が形成されている。そして、切り欠き25は軸方向の全長にわたって形成されている(図4(a))。
さらに具体的には、切り欠き25は、図3(b)に示すように、固定子巻線10に近接する接合部23の周方向端面23bの径方向外側の角部10aに近接する部位から接合面23aに向かって断面視における三角形状のテーパ状に勾配を設けて形成されている(図3(a)を併せて参照)。
なお、切り欠き25は、例えば、R>0.5、C>0.5以上で形成されることが望ましいが、所望の磁気抵抗を得ることができればこの数値に限定はされない。
なお、切り欠き25は、例えば、R>0.5、C>0.5以上で形成されることが望ましいが、所望の磁気抵抗を得ることができればこの数値に限定はされない。
かかる構成により、切り欠き25は、固定子巻線10から生ずる磁束のうち、接合面23aを介して保持部材3に漏洩する漏洩磁束の通り道における磁気抵抗が高くなるように磁気ギャップを形成することができる。
なお、本実施形態においては、磁気ギャップ形成手段である切欠部として、テーパ状の切り欠き25を採用したが、これに限定されるものではなく、接合面23aの角部に接するように形成された円弧状の切欠部251(図3(c)参照)または接合部23の周方向端面の方向に沿ってU字状に形成されたU字形状(図3(d)参照)の切欠部252を採用することもでき、分割コア2の外周部の形状や固定子巻線10の巻き方に応じて切り欠きの形状を適宜設定することが望ましい。
また、分割コア2は、図2に示すように、隣接する分割コア2と係合するように設けられた凸部2aと凹部2bを有し、この凸部2aと凹部2bがそれぞれ嵌合することで、周方向に繋ぎ合わされて保持されるが、この係合部である凸部2aと凹部2bは必ずしも必要ではなく、分割コア2の内周部を当接させた状態で保持部材3を嵌合させることで強固に保持することも可能である。
続いて、以上のように構成された本発明の実施形態に係る回転電機用の固定子1の作用について、主として図5を参照しながら説明する。図5は本発明の実施形態に係る固定子1における切欠部の作用について説明するための平面図である。
本発明の実施形態に係る固定子1の固定子巻線10に通電されると、図5に示すように、固定子巻線10の周りには、固定子1のヨーク部22において周方向に磁路を形成する主磁束Fsと、この主磁束Fsからティース部24を通って径方向に磁路を形成する主磁束Frと、が生じる。
ここで、この主磁束Fsおよび主磁束Frに伴って、接合面23aを介して保持部材3に漏洩する漏洩磁束F,fも生じる。
具体的には、漏洩磁束fは、固定子巻線10の周りに近接するループを描いて形成され、切り欠き25を設けない場合に主として生じる漏洩磁束である。一方、漏洩磁束Fは、漏洩磁束fよりも大きなループを描いて形成され、主として切り欠き25を設けた場合に生じる漏洩磁束である。したがって、漏洩磁束Fは、ループの小さな漏洩磁束fよりも磁束密度が小さな磁路を形成する。
つまり、切り欠き25を設けない場合には、接合面23aを介して保持部材3に漏洩する磁束が増大し(漏洩磁束f)、切り欠き25を設けた場合には、当該漏洩磁束を低減することができる(漏洩磁束F)。
具体的には、漏洩磁束fは、固定子巻線10の周りに近接するループを描いて形成され、切り欠き25を設けない場合に主として生じる漏洩磁束である。一方、漏洩磁束Fは、漏洩磁束fよりも大きなループを描いて形成され、主として切り欠き25を設けた場合に生じる漏洩磁束である。したがって、漏洩磁束Fは、ループの小さな漏洩磁束fよりも磁束密度が小さな磁路を形成する。
つまり、切り欠き25を設けない場合には、接合面23aを介して保持部材3に漏洩する磁束が増大し(漏洩磁束f)、切り欠き25を設けた場合には、当該漏洩磁束を低減することができる(漏洩磁束F)。
このようにして、固定子巻線10から生ずる磁束のうち、接合面23aを介して保持部材3に漏洩する漏洩磁束fの通り道における磁気抵抗が高くなるように切り欠き25を備えたことで、漏洩磁束が切り欠き25の周りを迂回して磁路を形成するため(漏洩磁束F)、切り欠き25が存在しない場合に形成されるループ(漏洩磁束f)よりも大きなループを描いて磁路が形成され(漏洩磁束F)、当該漏洩磁束を低減することができる。
そして、当該漏洩磁束は、モータ(回転電機)のロータと鎖交しないため従来においては損失となっていたが、当該漏洩磁束を低減することで、保持部材3で発生する渦電流損を低減することができ、さらには、当該漏洩磁束分の磁束をロータと鎖交する主磁束Fs、Frへと導くことができる。
以上より、本発明の第1の実施形態に係る回転電機の固定子1は、接合面23aを介して保持部材3に漏洩する漏洩磁束fを低減することができるため、保持部材3で分割コアを固定して強固に保持しながら、回転電機のトルクに寄与しない磁束(漏洩磁束)を低減し、ひいては、ロータと鎖交する有効磁束量を増大させることができ、回転電機の効率及び出力特性を向上することができる。
続いて、本発明の第2の実施形態に係る回転電機用の固定子について、主として図6を参照しながら説明する。図6は本発明の第2の実施形態に係る分割コアを説明するための図であり、(a)はその構成を示す斜視図であり、(b)は作用を説明するための平面図である。
なお、本発明の第2の実施形態に係る回転電機用の固定子は、前記した第1の実施形態に係る固定子1における分割コア2を分割コア2′に置き換えた構成に相当するものであるため、以下、分割コア2′の構成について説明し、前記した第1の実施形態に係る固定子1と重複する説明は省略する。
本発明の第2の実施形態に係る分割コア2′は、図6(a)に示すように、磁性体からなる複数の電磁鋼板をスポット溶接により接合部23′とティース部24′において、それぞれ2箇所を溶接して一体化して積層したものである。
すなわち、接合部23′においては溶接痕25a′,25a′の部位を溶接し、ティース部24′においては溶接痕25b′,25b′の部位を溶接している。
すなわち、接合部23′においては溶接痕25a′,25a′の部位を溶接し、ティース部24′においては溶接痕25b′,25b′の部位を溶接している。
なお、本実施形態においては、スポット溶接により接合部23′とティース部24′において、それぞれ2箇所を溶接したが、これに限定されるものではなく、積層方向の固着力を維持できれば4箇所でなくてもよいし、スポット溶接の他、シーム溶接、その他の溶接手段、またはこれらを組み合わせた他の溶接手段により溶接することもできる。
分割コア2′は、図6(a)に示すように、固定子巻線10′(図6(b))が巻き回しされる巻回部21′を有し(図3参照)、この巻回部21′から周方向に延出して形成されたヨーク部22′と、このヨーク部22′から径方向外側に延出して形成され、保持部材3′(図1)と接合する接合面23a′を有する接合部23′と、ヨーク部22′から径方向内側に延出して形成されたティース部24′と、を備えている。
そして、接合部23′には、図6(b)に示すように、第1の実施形態における磁気ギャップ形成手段としての切り欠き25に相当する箇所、すなわち固定子巻線10に接する周方向端面23b,23bと接合面23aとで形成する角部に溶接痕25a′,25a′が形成されている。そして、切り欠き25は、図4(a)に示すように、軸方向の全長にわたって形成されている。
さらに、第2の実施形態に係る分割コア2′は、第1の実施形態における切り欠き25に相当する箇所に形成された溶接痕25a′,25a′(第1の溶接痕)の他、第2の溶接痕25b′,25b′がティース部24′に設けられている。
具体的には、第2の溶接痕25b′,25b′は、ティース部24′において、固定子巻線10′の径方向内側の端面24b′よりも内径側であって、ティース部24′の側端面24c′に近接するように設けられている。
ここで、溶接痕25a′,25a′および第2の溶接痕25b′,25b′は、溶接強度を考慮するとともに、当該溶接痕における溶融金属(いわゆるナゲット)の磁気抵抗、当該溶接痕の占める断面積や容積によって磁気ギャップとしての適切な磁気抵抗を適宜設定される。
具体的には、第2の溶接痕25b′,25b′は、ティース部24′において、固定子巻線10′の径方向内側の端面24b′よりも内径側であって、ティース部24′の側端面24c′に近接するように設けられている。
ここで、溶接痕25a′,25a′および第2の溶接痕25b′,25b′は、溶接強度を考慮するとともに、当該溶接痕における溶融金属(いわゆるナゲット)の磁気抵抗、当該溶接痕の占める断面積や容積によって磁気ギャップとしての適切な磁気抵抗を適宜設定される。
このように、第2の実施形態に係る分割コア2′は、第1の実施形態における切り欠き25に相当する箇所に形成された
溶接痕25a′,25a′の他、さらにティース部24′においても第2の溶接痕25b′,25b′を設けたことで、接合部23′から保持部材3′に漏洩する漏洩磁束の他、第2の実施形態に係る固定子1の内周部であるティース部24′における漏洩磁束も低減することができ、さらに回転電機のトルクに寄与しない磁束(漏洩磁束)を低減し、ひいては、ロータと鎖交する有効磁束量を増大させることができ、回転電機の効率及び出力特性を向上することができる。
溶接痕25a′,25a′の他、さらにティース部24′においても第2の溶接痕25b′,25b′を設けたことで、接合部23′から保持部材3′に漏洩する漏洩磁束の他、第2の実施形態に係る固定子1の内周部であるティース部24′における漏洩磁束も低減することができ、さらに回転電機のトルクに寄与しない磁束(漏洩磁束)を低減し、ひいては、ロータと鎖交する有効磁束量を増大させることができ、回転電機の効率及び出力特性を向上することができる。
第2の実施形態に係る分割コア2′は、第1の実施形態における切り欠き25に代えて溶接痕25a′,25a′を設けることで、コア部材が溶接部材とともに溶融されて磁気抵抗が高い磁気ギャップが形成されるため、例えば、分割コア2′を複数の電磁鋼板をスポット溶接により一体化して積層することも可能となり、製作性の向上を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更して実施することが可能である。
例えば、本実施形態においては、いわゆるラジアルギャップ型モータに適用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、いわゆるアキシャルギャップ型モータであってもよいし、モータではなく発電機の固定子であっても同様に構成することもできる。
例えば、本実施形態においては、いわゆるラジアルギャップ型モータに適用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、いわゆるアキシャルギャップ型モータであってもよいし、モータではなく発電機の固定子であっても同様に構成することもできる。
本実施形態においては、保持部材3は、複数のすべての分割コア2,2・・・の外周部である接合面23aに覆い被さるように接合して、複数の分割コア2,2・・・を環状に保持するように構成したが、これに限定されるものではなく、複数の分割コア2,2・・・の一部に磁気ギャップ形成手段を設けたものであってもよい。
1 固定子
2,2′ 分割コア
3,3′ 保持部材
10,10′ 巻線
21,21′ 巻回部
22,22′ ヨーク部
23,23′ 接合部
23a,23a′ 接合面
23b 周方向端面
24,24′ ティース部
24b′ 固定子巻線の径方向内側の端面
24c′ ティース部の側端面
25 切り欠き(切欠部、磁気ギャップ形成手段)
251,252 切欠部(磁気ギャップ形成手段)
25a′,25b′ 溶接痕(磁気ギャップ形成手段)
F,f 漏洩磁束
R 回転子
2,2′ 分割コア
3,3′ 保持部材
10,10′ 巻線
21,21′ 巻回部
22,22′ ヨーク部
23,23′ 接合部
23a,23a′ 接合面
23b 周方向端面
24,24′ ティース部
24b′ 固定子巻線の径方向内側の端面
24c′ ティース部の側端面
25 切り欠き(切欠部、磁気ギャップ形成手段)
251,252 切欠部(磁気ギャップ形成手段)
25a′,25b′ 溶接痕(磁気ギャップ形成手段)
F,f 漏洩磁束
R 回転子
Claims (5)
- 固定子巻線がトロイダル状に巻き回しされ、環状をなすように周方向に分割して配設された複数の分割コアと、
前記分割コアの外周部に接合して、前記複数の分割コアを環状に保持する保持部材と、を有する回転電機用の固定子であって、
前記分割コアは、
前記固定子巻線が巻き回しされる巻回部と、
この巻回部から周方向に延出して形成されたヨーク部と、
このヨーク部から径方向外側に延出して形成され、前記保持部材と接合する接合面を有する接合部と、
前記ヨーク部から径方向内側に延出して形成されたティース部と、を有し、
前記接合部は、前記接合面を介して前記保持部材に漏洩する前記固定子巻線から生ずる磁束の通り道における磁気抵抗が高くなるように磁気ギャップを形成する磁気ギャップ形成手段である切欠部または溶接痕を備えたこと、
を特徴とする回転電機用の固定子。 - 前記磁気ギャップ形成手段は、前記接合部において前記固定子巻線に近接する当該接合部の周方向端面と前記接合面との間に設けられていること、
を特徴とする請求項1に記載の回転電機用の固定子。 - 前記磁気ギャップ形成手段である切欠部は、前記接合面の端部において、テーパ状または円弧状もしくはU字状に形成されていること、
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転電機用の固定子。 - 請求項1に記載の溶接痕を備えた回転電機用の固定子の前記ティース部には、前記磁気ギャップ形成手段である第2の溶接痕が設けられ、
この第2の溶接痕は、前記固定子巻線の径方向内側の端面よりも内径側であって、当該ティース部の側端面に近接して設けられていること、
を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機用の固定子。 - 前記分割コアは磁性部材からなること、
を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回転電機用の固定子。
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