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JP2010064153A - 研磨パッド - Google Patents

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JP2010064153A
JP2010064153A JP2008229889A JP2008229889A JP2010064153A JP 2010064153 A JP2010064153 A JP 2010064153A JP 2008229889 A JP2008229889 A JP 2008229889A JP 2008229889 A JP2008229889 A JP 2008229889A JP 2010064153 A JP2010064153 A JP 2010064153A
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Japan
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polishing
polishing pad
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fiber
polymer elastic
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Application number
JP2008229889A
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English (en)
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Kimio Nakayama
公男 中山
Nobuo Takaoka
信夫 高岡
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】 スクラッチを発生させにくく、平坦化性能や研磨安定性に優れた研磨パッドを提供することである。
【解決手段】 平均繊度0.01〜5dtexの繊維からなる布帛とその内部に含有された高分子弾性体から形成された研磨パッドにおいて、該繊維を構成する樹脂の50℃で吸水飽和させたときの吸水率が0〜0.2質量%であり、該高分子弾性体が、カルボキシル基、スルホン酸基および炭素数3以下のポリアルキレングリコール基からなる群から選ばれる少なくとも1種の親水性基を有し、かつ23℃および50℃での貯蔵弾性率が90〜900MPaであることを特徴とする研磨パッドに関する。
【選択図】 なし

Description

本発明は研磨パッド、詳しくは、平坦化や鏡面化が行われる各種デバイス、各種基板等の各種製品、例えば、半導体基板、半導体デバイス、化合物半導体デバイス、化合物半導体基板、化合物半導体製品、LED基板、LED製品、シリコンウエハ、ハードディスク基板、ガラス基板、ガラス製品、金属基板、金属製品、プラスチック基板、プラスチック製品、セラミック基板、セラミック製品等を研磨するための研磨パッドに関する。
近年、集積回路の高集積化及び多層配線化に伴い、集積回路が形成される半導体ウエハには高精度の平坦性が求められている。
半導体ウエハを研磨するための研磨法としては、ケミカルメカニカル研磨(CMP)が知られている。CMPは被研磨基材表面を砥粒のスラリーを滴下しながら研磨パッドにより研磨する方法である。
下記特許文献1〜4は、2液硬化型ポリウレタンを発泡成形することによって製造される独立気泡構造を有する高分子発泡体からなるCMPに用いられる研磨パッドを開示する。このような研磨パッドは、後述する不織布タイプの研磨パッドに比べて剛性が高いことから、高精度の平坦性が要求される半導体ウエハの研磨などに好ましく用いられている。
独立気泡構造を有する高分子発泡体からなる研磨パッドは、例えば、2液硬化型ポリウレタンを注型発泡成形することにより製造される。このような研磨パッドは比較的高い剛性を有するために、研磨時に、被研磨基材の凸部に対して選択的に荷重が掛かりやすくなり、その結果、研磨レート(研磨速度)が比較的高くなる。しかしながら、凝集した砥粒が研磨面に存在する場合には、凝集した砥粒に対しても荷重が選択的に掛かるために、研磨面に傷(スクラッチ)が付きやすくなる。特に、非特許文献1に記載されているように、スクラッチが付き易い銅配線を有する基材や、界面の接着性が弱い低誘電率材料を研磨する場合には、傷や界面剥離が特に発生しやすくなる。また、注型発泡成形においては、高分子弾性体を均質に発泡させることが難しいために、被研磨基材の平坦性や、研磨時の研磨レートがばらつきやすい。さらに、独立孔を有する研磨パッドにおいては、独立孔に由来する空隙に砥粒や研磨屑が目詰まりする。その結果、長時間使用した場合には、研磨が進行するにつれて、研磨レートが低下する(このような特性を研磨安定性ともいう)。
一方、別のタイプの研磨パッドとして、特許文献5〜14は、ポリウレタン樹脂を不織布に含浸させ、湿式凝固させることにより得られる不織布タイプの研磨パッドを開示する。不織布タイプの研磨パッドは柔軟性に優れている。そのために、被研磨基材の研磨面に凝集した砥粒が存在する場合には、研磨パッドが変形することにより、凝集した砥粒に荷重が選択的に掛かることを抑制する。しかしながら、不織布タイプの研磨パッドは、経時的に研磨特性が変化しやすい傾向があり、精密な平坦化加工には使い難い問題点を有する。また、柔軟すぎ、研磨パッドが被研磨基材の表面形状に追従して変形するために、高い平坦化性能(被研磨基材を平坦にする特性)が得られ難い問題を有する。更にはダイヤモンドなどを用いて行うパッドの目立て処理によって磨耗してパッド寿命が充分でない問題もある。
このような不織布タイプの研磨パッドにおいて、近年、より高い平坦化性能を得ること等を目的とする、極細繊維束から形成される不織布を用いて得られる不織布タイプの研磨パッドが知られている(例えば、下記特許文献15〜18)。具体的には、例えば、特許文献15には、平均繊度が0.0001〜0.01dtexのポリエステル極細繊維束が絡合してなる不織布と、その不織布内部空間に存在するポリウレタンを主成分とした高分子弾性体とから構成されるシート状物からなる研磨パッドが記載されている。このような研磨パッドによれば、従来よりも高精度な研磨加工が実現されることが記載されている。
しかしながら、特許文献15〜18に記載されたような研磨パッドにおいては、繊度の小さい短繊維の極細繊維をニードルパンチ処理することにより得られる不織布を用いており、極細繊維は曲げ弾性が低い特性を有することから、柔らかく剛性が低い研磨パッドしか得られず、そのために、表面形状に追従して変形するために、高い平坦化性能が充分に得られず、また、経時的な研磨安定性も充分ではない。
また、このような不織布タイプの研磨パッドにおいて、高分子弾性体の詳細については何れの文献にも記載されておらず、経時的な安定性についての記載も乏しい。
特開2000−178374号公報 特開2000−248034号公報 特開2001−89548号公報 特開平11−322878号公報 特開2002−9026号公報 特開平11−99479号公報 特開2005−212055号公報 特開平3−234475号公報 特開平10−128674号公報 特開2004−311731号公報 特開平10−225864号公報 特表2005−518286号公報 特開2003−201676号公報 特開2005−334997号公報 特開2007−54910号公報 特開2003−170347号公報 特開2004−130395号公報 特開2002−172555号公報 柏木正弘ら、「CMPのサイエンス」、株式会社サイエンスフォーラム、1997年8月20日、p.113〜119
本発明は、平坦化性能と研磨効率に優れ、パッド寿命に優れた研磨パッドを提供することを目的とする。
前述のように、従来の不織布はその空隙がスラリー溜めとなって砥粒スラリーの保液性が高いために研磨レートを高めやすいものの、剛性が低く、高分子弾性体を含浸させることにより得られるような研磨パッドは、効率良い研磨を行うことができるが、剛性が低く平坦化性や経時的な研磨安定性に問題があった。また、パッドが磨耗しやすいためにパッド寿命が短い問題があった。
本発明者らは、吸水によって繊維の剛性や磨耗性が低下する現象に着目し、吸水性の低い熱可塑性ポリマーからなる剛性の高い繊維を用いること、およびそれを拘束する特定の貯蔵弾性率を有する高分子弾性体を用いることにより、高い剛性を有しパッド寿命に優れた研磨パッドが得られることを見出した。
一方、吸水性の低い繊維を用いた場合には、スラリーの濡れ性が悪くなって研磨レートや研磨均一性が低下する傾向を有するが、本発明の研磨パッドの表面においては、特定の親水性基を有する高分子弾性体を用いることにより、濡れ性が良好で、砥粒スラリーの保持性が高くなり、その結果、研磨レートが高くなり、経時的な研磨安定性や被研磨物の面内安定性が向上することを合わせて見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は、平均繊度0.01〜5dtexの繊維からなる布帛とその内部に含有された高分子弾性体から形成された研磨パッドにおいて、該繊維を構成する樹脂の50℃で吸水飽和させたときの吸水率が0〜0.2質量%であり、該高分子弾性体が、カルボキシル基、スルホン酸基および炭素数3以下のポリアルキレングリコール基からなる群から選ばれる少なくとも1種の親水性基を有し、かつ23℃および50℃での貯蔵弾性率が90〜900MPaであることを特徴とする研磨パッドである。
そして前記繊維が全芳香族ポリエステルからなることが好ましく、前記高分子弾性体がガラス転移温度−10℃以下かつ50℃で吸水飽和させたときの吸水率が0.5〜8質量%であることが好ましく、さらに水性ポリウレタンからなることが好ましい。また、前記布帛と前記高分子弾性体が質量比で、55/45〜90/10であることが好ましい。
本発明の研磨パッドは、研磨レート、平坦化性およびパッド寿命に優れる。
以下、本発明の実施形態に基づいて、研磨パッドの構成、製造方法およびその使用方法について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態により何ら限定されるものではない。
本発明の研磨パッドに使用する繊維は、平均繊度が0.01〜5dtexであることが重要であり、好ましくは、0.05〜3dtexの範囲である。平均繊度が0.01dtex未満の場合には、研磨パッドの表面近傍の極細単繊維が充分に分繊せず、その結果、砥粒スラリーの保持力が低下する。一方、前記繊維の平均繊度が5dtexを超える場合には、研磨パッドの表面が粗くなりすぎて研磨レートが低下し、また、繊維による研磨での応力が大きくなって、スクラッチが発生しやすくなる。
なお、本発明の研磨パッドを構成する布帛は絡合不織布、織物、編み物等、特に限定はしないが、絡合不織布が好ましく、更には、前記した平均繊度の繊維束から構成されることが研磨パッドの表面近傍の繊維が充分に分繊し易く、また適度な強度と砥粒スラリーの保持力に優れる点で特に好ましい。繊維束の本数は5本以上であることが好ましく、1000本以下であることが好ましい。
また、本発明で用いる繊維を構成する樹脂の50℃で飽和吸水させたときの吸水率は0〜0.2質量%であることが重要である。0.2質量%を超える場合には、研磨中の経時的変化が大きくなる傾向や磨耗が大きくパッド寿命が短くなる傾向となる。そして、50℃で飽和吸水させたときの吸水率が0〜0.2質量%に制御し易い点に加えて、入手性や製造性良好なことおよび適度な強度を有することから、繊維を構成する樹脂はポリエステル系ポリマーが好ましく、得られる布帛の剛性に優れる点で全芳香族ポリエステル系ポリマーがより好ましい。
本発明の研磨パッドを構成する繊維の具体例としては、例えば、化1及び化2の(1)〜(11)に示す繰り返し構成単位の組み合わせからなる全芳香族ポリエステルが、剛性が高く、吸水性が低く、また溶融紡糸性が良好な点で好適な例として挙げられる。
Figure 2010064153
Figure 2010064153
また、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、塩素系ポリオレフィンなどのポリオレフィン繊維も、繊維絡合体の例として挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、溶融紡糸性が良好で、繊維の物性も高いことから、最も好ましい例としては、化3(A)、(B)の繰り返し構成単位からなるポリマーであり、特に好ましくは、化3(A)、(B)の繰り返し構成単位からなる部分が80モル%以上である芳香族ポリエステル或いは全芳香族ポリエステルが好ましく、更には、(A)、(B)の繰り返し構成単位からなる部分のうち、(B)の成分が3〜45モル%を占める芳香族ポリエステル或いは全芳香族ポリエステルが特に好ましい。
Figure 2010064153
なお、本発明の効果を妨げない範囲で、下記のポリマーからなる繊維:ポリエチレンテレフタレート(PET)、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート、スルホイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート等から形成される芳香族ポリエステル繊維;ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリヒドロキシブチレート−ポリヒドロキシバリレート共重合体等から形成される脂肪族ポリエステル繊維;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド10、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6−12等から形成されるポリアミド繊維;;エチレン単位を25〜70モル%含有する変性ポリビニルアルコール等から形成される変性ポリビニルアルコール繊維;およびポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどのエラストマー等から形成されるエラストマー繊維等を用いても良いが、構成比率の質量比率で換算した計算値において、平均繊度が0.01〜5dtex、50℃で吸水飽和させたときの吸水率が0〜0.2質量%を満たすことが必要である。
本発明の布帛を構成する繊維の平均長さは特に限定されないが、10mm以上さらには40mm以上であることが繊維の繊維密度を容易に高めることができる点、研磨パッドの剛性を容易に高めることができる点および繊維の抜けを抑制できる点から好ましい。前記繊維の長さが短すぎる場合には、極細繊維の高密度化が困難で、また、充分に高い剛性が得られず、さらに、研磨中に極細繊維が抜けやすくなる傾向がある。上限は、特に限定されず、物理的に切れていない限り、数m、数百m、数kmあるいはそれ以上の繊維長が含まれてもよい。
本発明の研磨パッドは、前記繊維からなる布帛に高分子弾性体が充填されて複合化された構造を有する。
本発明において用いられうる高分子弾性体の具体例としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニトリル系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−オレフィン系樹脂、(メタ)アクリル酸系エステル−(水添)イソプレン系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、スチレン−水添イソプレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、エチレン−オレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂およびポリエステル系樹脂等からなる高分子弾性体が挙げられる。
本発明で用いる高分子弾性体は、上記具体例として挙げられた高分子弾性体の中でも、カルボキシル基、スルホン酸基および炭素数3以下のポリアルキレングリコール基からなる群から選ばれる少なくとも1種の親水性基を有する高分子弾性体であることが重要である。本発明の布帛は吸水性が低い繊維を使用することから、布帛自体も吸水性が低下し易い。従ってこれら親水性基を含有しない高分子弾性体を用いた場合には、濡れ性が悪くスラリー保液性が不足して、研磨レートや研磨均一性が劣ったものとなる。そして、上記親水性基を有する高分子弾性体としてはポリウレタンが機械物性や柔軟性のバランスの点で好ましく、水性ポリウレタンが布帛を構成する繊維を拘束しやすく、研磨パッドの剛性を高めやすい点でより好ましい。また、該水性ポリウレタンは0.01〜0.2μmの平均粒径を有することがより好ましい。平均粒径を0.01μm以上とすることで、研磨パッドの耐水性が向上し易く、研磨中の経時的な安定性に寄与する。平均粒径を0.2μm以下とすることで、布帛を構成する繊維の拘束性が向上し、平坦化性に優れ、研磨中のパッド寿命が長くなり、加えて経時的な安定性に寄与し易くなる。
また、本発明の高分子弾性体は、さらに23℃および50℃における貯蔵弾性率が90〜900MPaの範囲であることが重要である。23℃および50℃における貯蔵弾性率が90MPa未満の場合には、研磨でのパッド剛性が不足して平坦化性が低下する。さらに、高分子弾性体が研磨中にスラリー等によって膨潤しやすくなって経時的安定性が低下する傾向となる。23℃および50℃の範囲における貯蔵弾性率が900MPaを超える場合には、高分子弾性体が研磨中に脱落しやすくなり、その結果スクラッチが発生しやすくなる。さらに、極細繊維の収束性が弱くなり、研磨中の経時的な安定性が悪化しやすい。好ましくは200〜800MPaである。
さらに本発明の高分子弾性体は、23℃における貯蔵弾性率と50℃における貯蔵弾性率の比(23℃における貯蔵弾性率/50℃における貯蔵弾性率)が4以下であることが好ましい。23℃における貯蔵弾性率と50℃における貯蔵弾性率の比(23℃における貯蔵弾性率/50℃における貯蔵弾性率)を4以下とすることで、研磨中の経時的な安定性が向上する。そして、3以下であることがより好ましい。
高分子弾性体としては、性能や製造性等の調節のために、2種以上の高分子弾性体を含有しても良いが、その場合の高分子弾性体の23℃および50℃における貯蔵弾性率は、各高分子弾性体の貯蔵弾性率に質量分率を乗じた値の和として理論上算出した値とする。
本発明の高分子弾性体のガラス転移温度は、−10℃以下であることが好ましく、−15℃以下であることがより好ましい。ガラス転移温度が−10℃以下であることによって、高分子弾性体が研磨中に脱落し難くなり、スクラッチの発生を抑制することになる。さらに、繊維の集束性が向上し、経時的な研磨安定性に優れる。下限については特に限定されないが、入手性などから−100℃以上が好ましい。ガラス転移温度は、動的粘弾性測定における引張モードでの損失弾性率のピーク温度から算出される。
本発明の研磨パッドの好ましい形態として、繊維は高分子弾性体により拘束されていることが好ましく、繊維束は繊維束同士が高分子弾性体によって結着していることが好ましい。繊維が高分子弾性体によって拘束されていることで、研磨パッドの剛性が高くなる。一方、繊維が拘束されていない場合には、繊維が柔軟性を帯びやすくなるため高い平坦化性能が得られない。さらに、繊維の抜けが多くなり、抜けた繊維に砥粒が凝集し、スクラッチが発生しやすくなる。ここで、繊維が高分子弾性体に拘束されているとは、複数の繊維が高分子弾性体によって接着(密着)している状態を意味し、繊維束が高分子弾性体によって結着されているとは、繊維束同士が高分子弾性体によって接着(密着)している状態を意味する。
繊維の拘束状態、或いは、繊維束同士の結着状態は研磨パッドの断面の電子顕微鏡写真により確認することができる。
そして、隣接する繊維同士、繊維束内部、あるいは、隣接して存在する繊維束同士が高分子弾性体によって拘束または結着することで、本発明の研磨パッドはさらに剛性が高くなる。そして本発明の研磨パッドは、研磨パッド内部の空隙を除いた部分の体積割合(以下、研磨パッド充填率ともいう)が30〜80%の範囲、換言すると、空隙率が20〜70%になる範囲で空隙が存在していることが好ましい。また、本発明の研磨パッドは、研磨くずがパッドの表面から移動し易い点で、空隙の一部は研磨パッドの内部を連通するような連通孔構造を形成していることが好ましい。
また、前記高分子弾性体の吸水率としては、50℃で吸水飽和させたときの吸水率が0.5〜8質量%であることが好ましい。吸水率を0.5質量%以上とすることで、高分子弾性体の吸水性を高め、研磨パッドが研磨スラリーを保液し易くする。その結果、得られる研磨パッドは研磨効率、研磨均一性や研磨安定性が向上しやすい。5質量%以下とすることで、研磨中の研磨パッドの経時的変化を小さく抑えることが可能となる。そして高分子弾性体の50℃で吸水飽和させたときの吸水率は1.5〜6質量%の範囲がより好ましい。なお、高分子弾性体の吸水率とは、乾燥処理した高分子弾性体フィルムを50℃の温水に浸漬して飽和膨潤させたときの吸水率である。また、2種以上の高分子弾性体を含有する場合には各高分子弾性体の吸水率に質量分率を乗じた値の和としても理論上算出される。
このような吸水率を有する高分子弾性体は、特定の親水性の官能基を導入することや高分子弾性体を構成する高分子の架橋密度を調整することにより得ることができる。
具体的には、例えば高分子弾性体に、カルボキシル基、スルホン酸基、及び、炭素数3以下のポリアルキレングリコール基からなる群から選ばれる少なくとも1種の親水性基を導入することが必要であり、それによって、吸水率や親水性を高め、これにより、研磨の際における、研磨パッドの砥粒スラリーに対する濡れ性を向上させることができる。
このような親水性基は高分子弾性体を製造する際のモノマー成分として、親水性基を有するモノマー成分を共重合することにより、高分子弾性体に導入することができる。このような親水性基を有するモノマー成分の共重合割合としては、0.1〜20質量%、更には、0.5〜10質量%であることが、吸水による膨潤軟化を最小限に抑えることで、研磨パッドの剛性を維持しつつ、吸水率や濡れ性を高めることができる点から好ましい。
高分子弾性体は、それぞれ単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、ポリウレタン系樹脂が、繊維を結着したりするための接着性に優れており、また、研磨パッドの硬度を高め、研磨での経時的安定性に優れている点から好ましい。特に、カルボキシル基、スルホン酸基、及び、炭素数3以下のポリアルキレングリコール基からなる群から選ばれる少なくとも1種の親水性基を有するポリウレタン系樹脂が、研磨パッドの剛性、濡れ性、及び研磨の際の経時的安定性が高い点から好ましい。
以下に、高分子弾性体としてポリウレタン系樹脂を用いる場合について、代表例として詳しく説明する。
ポリウレタン系樹脂としては、平均分子量200〜6000の高分子ポリオールと有機ポリイソシアネートと、鎖伸長剤とを、所定のモル比で反応させることにより得られる各種のポリウレタン系樹脂が挙げられる。
前記高分子ポリオールの具体例としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(メチルテトラメチレングリコール)などのポリエーテル系ポリオールおよびその共重合体;ポリブチレンアジペートジオール、ポリブチレンセバケートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレンアジペート)ジオール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレンセバケート)ジオール、イソフタル酸共重合ポリオール、テレフタル酸共重合ポリオール、シクロヘキサノール共重合ポリオール、ポリカプロラクトンジオールなどのポリエステル系ポリオールおよびその共重合体;ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレンカーボネート)ジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリ(メチル−1.8−オクタメチレンカーボネート)ジオール、ポリノナンメチレンカーボネートジオール、ポリシクロヘキサンカーボネートなどのポリカーボネート系ポリオールおよびその共重合体;ポリエステルカーボネートポリオール等が挙げられる。また、必要に応じて、トリメチロールプロパン等の3官能アルコールやペンタエリスリトール等の4官能アルコールなどの多官能アルコール、又は、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の短鎖アルコールを併用してもよい。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、脂環式ポリカーボネート系ポリオール、直鎖状ポリカーボネート系ポリオール等のポリカーボネート系ポリオールを、ポリオール成分全量の60〜100質量%を含有すること、更には、融点が0℃以下である非晶性の脂環式ポリカーボネート系ポリオール、直鎖状ポリカーボネート系ポリオール等のポリカーボネート系ポリオールを、ポリオール成分全量の60〜100質量%を含有することが、研磨中の経時的な安定性が良好なこと、及び吸水性や貯蔵弾性率を本発明の範囲としやすいこと等から好ましい。また、炭素数5以下、特には炭素数3以下のポリアルキレングリコール基を含有するポリウレタン樹脂は、水に対する濡れ性がとくに良好になる点から0.1〜10質量%程度用いることも好ましい。
前記有機ポリイソシアネートの具体例としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族あるいは脂環族ジイソシアネート等の無黄変型ジイソシアネート;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートポリウレタン等の芳香族ジイソシアネート、等が挙げられる。また、必要に応じて、3官能イソシアネートや4官能イソシアネートなどの多官能イソシアネートを併用してもよい。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートが、繊維に対する接着性が高く、また、硬度が高い研磨パッドが得られる点から好ましい。
前記鎖伸長剤の具体例としては、例えば、ヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ピペラジンおよびその誘導体、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドなどのジアミン類;ジエチレントリアミンなどのトリアミン類;トリエチレンテトラミンなどのテトラミン類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオールなどのジオール類;トリメチロールプロパンなどのトリオール類;ペンタエリスリトールなどのペンタオール類;アミノエチルアルコール、アミノプロピルアルコールなどのアミノアルコール類等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、ヒドラジン、ピペラジン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミンおよびその誘導体、エチレントリアミンなどのトリアミンの中から2種以上組み合わせて用いることが、繊維への接着性が高く、また、硬度が高い研磨パッドが得られる点から好ましい。また、鎖伸長反応時に、鎖伸長剤とともに、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミンなどのモノアミン類;4−アミノブタン酸、6−アミノヘキサン酸などのカルボキシル基含有モノアミン化合物;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのモノオール類を併用してもよい。
また、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)吉草酸などのカルボキシル基含有ジオール等を併用して、ポリウレタン系弾性体の骨格にカルボキシル基などのイオン性基を導入することにより、水に対する濡れ性をさらに向上させることができる。
また、高分子弾性体の吸水率や貯蔵弾性率を制御するために、ポリウレタンを形成するモノマー単位が有する官能基と反応し得る官能基を分子内に2個以上含有する架橋剤や、ポリイソシアネート系化合物、多官能ブロックイソシアネート系化合物等の自己架橋性の化合物を添加することのより、架橋構造を形成することが好ましい。
前記モノマー単位が有する官能基と架橋剤の官能基との組み合わせとしては、カルボキシル基とオキサゾリン基、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とシクロカーボネート基、カルボキシル基とアジリジン基、カルボニル基とヒドラジン誘導体又はヒドラジド誘導体などが挙げられる。これらの中では、カルボキシル基を有するモノマー単位とオキサゾリン基、カルボジイミド基またはエポキシ基を有する架橋剤との組み合わせ、水酸基またはアミノ基を有するモノマー単位とブロックイソシアネート基を有する架橋剤との組み合わせ、およびカルボニル基を有するモノマー単位とヒドラジン誘導体またはヒドラジド誘導体との組み合わせが、架橋形成が容易であり、得られる研磨パッドの剛性や耐磨耗性が優れる点から、特に好ましい。なお、架橋構造は、繊維絡合体にポリウレタン樹脂を付与した後の熱処理工程において形成することが、高分子弾性体の水性液の安定性を維持する点から好ましい。これらの中でも、架橋性能や水性液のポットライフ性が優れ、また安全面でも問題のないカルボジイミド基および/またはオキサゾリン基が特に好ましい。カルボジイミド基を有する架橋剤としては、例えば日清紡績株式会社製「カルボジライトE−01」、「カルボジライトE−02」、「カルボジライトV−02」などの水分散カルボジイミド系化合物を挙げることができる。また、オキサゾリン基を有する架橋剤としては、例えば日本触媒株式会社製「エポクロスK−2010E」、「エポクロスK−2020E」、「エポクロスWS−500」などの水分散オキサゾリン系化合物を挙げることができる。架橋剤の配合量としては、ポリウレタン樹脂に対して、架橋剤の有効成分が1〜20質量%であることが好ましく、1.5〜1質量%であることがより好ましく、2〜10質量%であることがさらに好ましい。
繊維との接着性を高め繊維束ひいては布帛の剛性を高める点から、ポリウレタン樹脂中の高分子ポリオールの成分の含有率としては、65質量%以下、さらには、60質量%以下であることが好ましい。また、40質量%以上、さらには、45質量%以上であることが適度な弾性を付与することによりスクラッチの発生を抑制することができる点から好ましい。
前述した吸水率、ガラス転移温度、貯蔵弾性率を所望の範囲とすることが可能なことや、入手性や製造性などの点から、高分子弾性体としては、ポリオールとポリアミンおよびポリイソシアネートから主として構成されており、ポリオール成分の60〜100%がポリカーボネート系ジオールであるポリウレタン樹脂であることが好ましい。また、これらの条件を満たす高分子弾性体は、様々な研磨スラリーへの耐性が比較的良好で、研磨中の経時的な安定性が良好となる傾向がある。
本発明で用いるポリウレタン樹脂は、浸透剤、消泡剤、滑剤、撥水剤、撥油剤、増粘剤、増量剤、硬化促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光剤、防黴剤、発泡剤、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性高分子化合物、染料、顔料、無機微粒子などをさらに含有してもよい。
ポリウレタン系樹脂を水性ポリウレタンとする方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。具体的には、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基などの親水性基を有するモノマー単位を含有させることにより、水性媒体に対する分散性をポリウレタン樹脂に付与する方法、または、ポリウレタン樹脂に界面活性剤を添加して、乳化又は懸濁させる方法が挙げられる。また、このような水性の高分子弾性体は水に対する濡れ性に優れていることにより、砥粒を均一且つ多量に保持する特性に優れている。
前記乳化又は懸濁に用いられる界面活性剤の具体例としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体などのノニオン性界面活性剤などが挙げられる。また、反応性を有する、いわゆる反応性界面活性剤を用いてもよい。また、界面活性剤の曇点を適宜選ぶことにより、ポリウレタン樹脂に感熱ゲル化性を付与することもできる。ただし、多量に界面活性剤を用いた場合には、研磨性能やその経時安定性へ悪影響を与える場合も有る為、必要最小限とするのが好ましい。
本発明の研磨パッドは、前記布帛と前記高分子弾性体が質量比で、55/45〜90/10であることが好ましく、60/40〜90/10の範囲がより好ましい。前記繊維の質量比率が55質量%未満の場合は、研磨中の経時的な安定性が低下したり、研磨効率が低下する傾向がある。前記布帛の質量比率が90質量%を超えた場合には、繊維に対する高分子弾性体の拘束性が不足して、平坦化性や研磨中のパッド磨耗が大きく、経時的な安定性が低下しやすくなる。また、濡れ性が不足して、研磨効率、研磨均一性や研磨安定性が低下しやすくなる。
本発明の研磨パッドの見掛け密度は、スラリー保持性が良好で剛性が高いことから0.4〜1.2g/cmさらには0.5〜1.0g/cmの範囲であることが好ましい。
以上から、本発明の研磨パッドは、繊維を構成する樹脂の吸水率を低下させることで、研磨パッドの剛性を高めつつ、さらに特定の吸水率および弾性率を有する高分子弾性体によって繊維を拘束および/または繊維束同士を結着させることで、研磨パッドの適度な濡れ性と剛性兼ね備えることに特徴を有する。
本発明の高分子弾性体は非多孔質状で布帛、特に絡合不織布内部に存在することが好ましい。なお、非多孔質状とは、多孔質状、または、スポンジ状(以下、単に、多孔質状とも言う)の高分子弾性体が有するような空隙(独立気泡)を実質的に有さない状態を意味する。具体的には、例えば、溶剤系ポリウレタンを凝固させて得られるような、微細な気泡を多数有する高分子弾性体ではないことを意味する。繊維を拘束および/または繊維束を結着している高分子弾性体が非多孔質状である場合には、研磨安定性が高くなり、研磨時のスラリー屑やパッド屑が空隙に堆積しにくくなるために、摩耗しにくく、また、研磨時のスラリー屑やパッド屑が空隙に堆積しにくくなるために、高い研磨レートを長時間維持することができる。更に、極細単繊維に対する接着強度が高くなるために、繊維の抜けに起因するスクラッチの発生を抑制することができる。また、より高い剛性が得られるために、平坦化性能に優れた研磨パッドが得られる。そして、本発明の高分子弾性体は非多孔質状で連通孔構造で布帛内部に存在することが特に好ましい。
本発明の研磨パッドは、50℃の温水で飽和膨潤させたときの吸水率が10〜80質量%であることが好ましく、15〜70質量%であることがより好ましい。前記吸水率が低すぎる場合には、砥粒スラリーの保持性が低下して、研磨レートが低下し、また、平坦化性能が低下する傾向がある。前記吸水率が高すぎる場合には、高い研磨レートが得られず、また、研磨中に硬度等の特性が変化しやすくなるために、平坦化性能が経時的に低下する傾向がある。
[研磨パッドの製造方法]
次に、本発明の研磨パッドの製造方法の一例について詳しく説明する。
(1)ウェブ製造工程
好ましい例として挙げられる全芳香族ポリエステルの紡糸方法については、公知の方法を用いれば良いが、ノズルを通過する時のせん断速度を10〜10sec−1とすると、紡糸時に著しい分子配向が生じ、通常のポリエチレンテレフタレート紡糸などで行われている紡糸後の延伸を行わなくとも、紡糸原糸のままで強度8cN/dtex以上、弾性率400cN/dtex以上の繊維となる。紡糸後の強度を8cN/dtex以上とすることで研磨パッドが磨耗されにくく研磨処理寿命が長くなる傾向となる点で好ましい。また、弾性率400cN/dtex以上とすることで平坦化性が向上する傾向となる点で好ましい。なお、本発明でいうせん断速度γは、円形ノズルの場合は次式により求めることが出来る。
γ=4Q/πr(sec−1
但し、r:ノズルの半径(cm)
Q=単孔当たりのポリマー吐出量(cm/sec)
また、上記の紡糸方法は単一成分の紡糸でも、複合成分の紡糸でも良い。複合成分を紡糸する場合、例えば、全芳香族ポリエステルと水抽出性熱可塑性樹脂からなる海島型複合繊維を経由して、全芳香族ポリエステルからなる極細繊維を形成させても良い。水抽出性熱可塑性樹脂としては、公知のポリマーを用いれば良いが、前記水溶性熱可塑性樹脂としては、水、アルカリ性水溶液、酸性水溶液等により、溶解除去または分解除去できる熱可塑性樹脂であって、溶融紡糸が可能な樹脂が好ましく用いられる。このような、水溶性熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール系樹脂(PVA系樹脂);ポリエチレングリコール及び/又はスルホン酸アルカリ金属塩を共重合成分として含有する変性ポリエステル;ポリエチレンオキシド等が挙げられる。
前記海島型複合繊維は、水溶性熱可塑性樹脂と、前記水溶性熱可塑性樹脂と相溶性が低い非水溶性熱可塑性樹脂とをそれぞれ溶融紡糸した後、複合化させることにより得られる。そして、このような海島型複合繊維から水溶性熱可塑性樹脂を溶解除去または分解除去することにより、極細繊維および/または極細繊維束が形成される。水溶性熱可塑性樹脂と非水溶性熱可塑性樹脂との質量比としては、5/95〜50/50の範囲が好ましく、10/90〜40/60の範囲であることがより好ましい。水溶性熱可塑性樹脂と非水溶性熱可塑性樹脂との質量比がこのような範囲である場合には、高密度の繊維絡合体が得られ、また、極細繊維の形成性にも優れる。
なお、本発明においては、極細繊維を形成するための複合繊維としては海島型複合繊維の他に、多層積層型断面繊維等の公知の極細繊維発生型繊維を用いてもよい。
全芳香族ポリエステルからなる紡糸原糸は、熱処理することにより、強度、弾性率を更に向上させることが出来る。熱処理は、(熱可塑性樹脂の融点−80℃)から熱可塑性樹脂の融点の範囲で行うのが前述の強度および弾性率に調整しやすい点で好ましい。
本発明の繊維は紡糸ノズルから吐出された後、延伸処理を行って、前述した繊維強度や弾性率としても構わない。延伸はノズルから吐出された繊維を一旦巻き取ってから延伸する場合と、捲き取る前に延伸する場合が有るがいずれでもよく、また、延伸は、熱風、熱板、熱ローラー、水浴等のいずれを用いて行ってもよい。その後必要に応じて捲縮などの処理工程を経て、前記複合繊維の場合には繊度1〜15デシテックス、繊維長2〜80mmの繊維からなる短繊維ウェブを作成する。該短繊維ウェブは、カードで解繊し、ウェバーを通してランダムウェブまたはクロスラップウェブを形成した後、ニードルパンチ処理を行う方法、あるいは、抄紙方法でウェブを作成した後、水流絡合処理を行う方法などの公知の方法により作成される。あるいは、スパンボンド法などの公知の方法で長繊維ウェブを作成する。
必要に応じて、本発明の目的効果を損なわない範囲において、他の繊維を混合あるいは積層させても良く、また、本発明の3次元絡合体の内部または裏面側(立毛表面と反対側)に形態安定化または支持などの目的で、編物または織物を積層することも好ましい例として挙げられる。
前記熱可塑性樹脂は各種添加剤を含有してもよい。前記添加材の具体例としては、例えば、触媒、着色防止剤、耐熱剤、難燃剤、滑剤、防汚剤、蛍光増白剤、艶消剤、着色剤、光沢改良剤、制電剤、芳香剤、消臭剤、抗菌剤、防ダニ剤、無機微粒子等が挙げられる。
(2)ウェブ絡合工程
次に、得られた前記繊維ウェブを複数枚重ねて絡合させることにより絡合不織布を形成するウェブ絡合工程について説明する。
絡合不織布は、ニードルパンチや高圧水流処理等の公知の不織布製造方法を用いて前記繊維ウェブに絡合処理を行うことにより形成される。以下に、代表例として、ニードルパンチによる絡合処理について詳しく説明する。
はじめに、繊維ウェブに針折れ防止油剤、帯電防止油剤、絡合向上油剤などのシリコーン系油剤または鉱物油系油剤を付与する。なお、目付ムラを低減させるために、2枚以上の繊維ウェブを、クロスラッパーにより重ね合わせ、油剤を付与してもよい。
その後、例えば、ニードルパンチにより三次元的に繊維を絡合させる絡合処理を行う。ニードルパンチ処理を行うことにより、繊維密度が高く、繊維の抜けを起こしにくい絡合不織布が得られる。なお、絡合不織布の目付量は、目的とする研磨パッドの厚さ等に応じて適宜選択されるが、具体的には、例えば、100〜1500g/mの範囲であることが取扱い性に優れる点から好ましい。
油剤の種類や量ニードルパンチにおけるニードル形状、ニードル深度およびパンチ数などのニードル条件は、絡合不織布の層間剥離力が高くなるような条件が適宜選択される。バーブ数は針折れが生じない範囲で多いほうが好ましく、具体的には、例えば、1〜9バーブの中から選ばれる。ニードル深度は重ね合わせたウェブ表面までバーブが貫通するような条件が好ましく、ウェブ表面にニードルパンチ後の模様が強く出ない範囲で設定することが好ましい。また、ニードルパンチ数はニードル形状、油剤の種類と使用量等により調整されるが、具体的には、500〜5000パンチ/cmが好ましい。また、絡合処理後の目付量が、絡合処理前の目付量の質量比で1.2倍以上、さらには、1.5倍以上となるように絡合処理することが、繊維密度が高い繊維絡合体が得られ、また、繊維の抜けを低減できる点から好ましい。上限は特に限定されないが、処理速度の低下による製造コストの増大を避ける点で4倍以下であることが好ましい。
得られる絡合不織布の層間剥離力は、2kg/2.5cm以上が好ましく、4kg/2.5cm以上であることがより好ましい。2kg/2.5cm以上とすることで、得られる研磨パッドの形態保持性が良好となり、繊維の抜けが少なく、かつ繊維密度が高い繊維絡合体が得られる点から好ましい。なお、層間剥離力は、三次元絡合の度合いの目安になる。層間剥離力を上記範囲にすることで、繊維絡合体の繊維密度が向上する。また、絡合不織布の層間剥離力の上限は特に限定されないが、絡合処理効率の点から30kg/2.5cm以下であることが好ましい。
また、研磨パッドの硬さを調節する目的で、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、上記のようにして得られた絡合不織布に、さらに極細単繊維からなる編物または織物(編織物)を重ねて、ニードルパンチング処理および/または高圧水流処理により絡合処理を行うことにより、編織物が絡合一体化された絡合不織布、例えば、編織物/絡合不織布、絡合不織布/編織物/絡合不織布などの積層構造体を絡合不織布として用いてもよい。
このように絡合不織布は、繊維の熱変形温度以上の温度で加熱ロールや加熱プレスすることにより、さらに、繊維密度を高めてもよい。
次に、本発明の絡合不織布を構成する繊維が海島型複合繊維等で代表される極細繊維発生型繊維の場合には、例えば、海成分を溶解(抽出)除去することで極細繊維を形成する。以下、極細繊維形成工程について説明する。
(3)極細繊維形成工程
本工程は極細繊維を形成する工程である。以下、海島型複合繊維の海(抽出除去)成分に水溶性熱可塑性樹脂を用いた場合を例にして説明する。本工程は、水溶性熱可塑性樹脂を除去することにより極細繊維を形成する工程である。このとき、前記絡合不織布の水溶性熱可塑性樹脂が溶解抽出された部分に空隙が形成される。そして、この空隙に、後の高分子弾性体充填工程において、高分子弾性体を充填することにより、極細繊維が拘束される。
極細繊維形成処理は、絡合不織布又は、絡合不織布と高分子弾性体との複合体を、水、アルカリ性水溶液、酸性水溶液等で熱水加熱処理することにより、水溶性熱可塑性樹脂を溶解除去、または、分解除去する処理である。
熱水加熱、或いはアルカリ水や酸性水の熱水加熱処理条件の具体例としては、例えば、第1段階として、65〜90℃の水中に5〜300秒間浸漬した後、さらに、第2段階として、85〜100℃の水中で100〜600秒間処理することが好ましい。また、溶解効率を高めるために、必要に応じて、ロールでのニップ処理、高圧水流処理、超音波処理、シャワー処理、攪拌処理、揉み処理等を行ってもよい。
(4)繊維結着工程
海島型複合繊維等で代表される極細繊維発生型繊維からなる絡合不織布を用いた場合、極細繊維化処理を行う前に絡合不織布の形態安定性を高める目的や得られる研磨パッドの空隙率を低減させることを目的として、必要に応じて、収縮処理された絡合不織布に高分子弾性体の水性液を含浸及び乾燥凝固させることにより、予め、繊維束を結着させておいてもよい。また、極細繊維化処理後、極細繊維から形成される極細繊維束内部に高分子弾性体を充填することにより、前記極細繊維を集束するとともに、繊維束同士を結着させ、絡合不織布を構成する繊維を拘束する。
本工程においては、収縮処理或いは極細繊維化された絡合不織布に前記高分子弾性体の水性液を含浸させ、乾燥凝固させることにより、絡合不織布に高分子弾性体を充填する。水性液の状態で高分子弾性体を含浸させ、乾燥凝固させることにより、高分子弾性体を形成することができる。水性ポリウレタンで代表される高分子弾性体の水性液は、高濃度で粘度が低く、含浸浸透性にも優れているために、高充填しやすい。また、繊維に対する接着性にも優れている。従って、本工程により充填された高分子弾性体は、繊維を強固に拘束および/または繊維束を結着する。
本工程においては、布帛内部に高分子弾性体を含浸するために、従来一般的に用いられている高分子弾性体の有機溶媒溶液を用いる代わりに、高分子弾性体の水性液を用いることが好ましい。このように高分子弾性体の水性液を用いることにより、より高い濃度で高分子弾性体を含有する樹脂液を含浸させることができる。そして、これにより、得られる研磨パッドの空隙率を充分に低下させることができる。
高分子弾性体の水性液とは、高分子弾性体を形成する成分を水系媒体に溶解した水性溶液または高分子弾性体を形成する成分を水系媒体に分散させた水性分散液である。なお、水性分散液には、懸濁分散液及び乳化分散液が含まれる。特に、耐水性に優れている点から、水性分散液を用いることがより好ましい。
高分子弾性体としては、極細繊維に対する結着性が高い点から、水素結合性高分子弾性体が好ましい。水素結合性高分子弾性体を形成する樹脂とは、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等のように、水素結合により結晶化あるいは凝集する高分子弾性体である。水素結合性高分子弾性体は、接着性が高く、繊維絡合体の形態保持性を向上させ、また、繊維の抜けを抑制する。
高分子弾性体の水性液の固形分濃度としては、10質量%以上、さらには、15質量%以上であることが、空隙率を充分に低下させることができる点から好ましい。
前記絡合不織布に高分子弾性体の水性液を含浸させる方法としては、例えば、ナイフコーター、バーコーター、又はロールコーターを用いる方法、または、ディッピングする方法等が挙げられる。
そして、高分子弾性体の水性液が含浸された絡合不織布を乾燥することにより、高分子弾性体を凝固させることができる。乾燥方法としては、50〜200℃の乾燥装置中で熱処理する方法や、赤外線加熱の後に乾燥機中で熱処理する方法等が挙げられる。
なお、前記絡合不織布に水性ポリウレタンで代表される高分子弾性体の水性液を含浸させた後、乾燥する場合、該水性液が絡合不織布の表層に移行(マイグレーション)することにより、均一な充填状態が得られないことがある。このような場合には、水性液の高分子弾性体の粒径を調整すること;高分子弾性体のイオン性基の種類や量を調整すること、あるいは、pH等によってその安定性を調整すること;1価または2価のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩、ノニオン系乳化剤、会合型水溶性増粘剤、水溶性シリコーン系化合物などの会合型感熱ゲル化剤、水溶性ポリウレタン系化合物、または熱によってpHを変化させる有機物や無機物などを併用すること等により、40〜100℃程度における水分散安定性を低下させること;等によりマイグレーションを抑制することができる。なお、必要に応じて、高分子弾性体が表面に偏在するようにマイグレーションさせてもよい。
以上の工程を行うことにより本発明の研磨パッドが形成される。
[研磨パッドの後加工]
得られた研磨パッドは、必要に応じて、成形処理、平坦化処理、起毛処理、積層処理、表面処理、洗浄処理等の後加工処理が施されてもよい。
前記成形処理、及び平坦化処理は、得られた研磨パッドを研削により所定の厚みに熱プレス成形したり、所定の外形に切断したりする加工である。研磨パッドとしては、厚み0.5〜3mm程度に研削加工されたものであることが好ましい。
前記起毛処理とは、サンドペーパー、針布、ダイヤモンド等により研磨パッド表面に機械的な摩擦力や研磨力を与えて、集束された極細単繊維を分繊する処理である。このような起毛処理により、研磨パッド表層部に存在する繊維束がフィブリル化され、表面に多数の極細単繊維が形成される。
本発明の研磨パッドは、バフィング等によるパッド平坦化処理や、ダイヤモンド等のパッドドレッシングを用いた研磨前のシーズニング処理(コンディショニング処理)や、研磨時にドレッシィング処理を施すことにより、表面近傍に存在する繊維束を分繊、又はフィブリル化することにより研磨パッドの表面に繊維を立毛させることができる。研磨パッド表面の繊維密度としては、600本/mm以上であることが好ましい。前記繊維密度とすることで、砥粒の保持性が充分になる。前記繊維密度の上限は特に限定されないが、生産性の点から、1000000本/mm程度である。繊維が立毛されている場合には、研磨パッドの表面がよりソフトになるためにスクラッチの低減効果がより高くなる。一方、繊維の立毛の程度が低い場合には、ミクロ平坦性を重視する用途に有利となる。このように用途に応じて表面状態を適宜選択することが好ましい。
前記積層処理とは、得られた研磨パッドを基材に貼り合わせて積層化することにより剛性を調整する処理である。例えば、研磨パッドを硬度の低い弾性体シートと積層することにより、被研磨面のグローバル平坦性(非研磨基材全体の平坦性)をさらに向上させることができる。なお、積層の際の接着は、溶融接着でも、接着剤や粘着剤を介した接着であってもよい。前記基材の具体例としては、例えば、ポリウレタン等からなる弾性スポンジ体;ポリウレタンを含浸した不織布(例えば、ニッタ・ハース(株)製の商品名Suba400);天然ゴム、ニトリルゴム、ポリブタジエンゴム、シリコーンゴムなどのゴムやポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマーからなる弾性樹脂フィルム;発泡プラスチック;編物、織物等のシート状基材が挙げられる。
また、前記表面処理は、砥粒スラリーの保持性や排出性を調整するために研磨パッド表面に、格子状、同心円状、渦巻き状等の溝や孔を形成する処理である。前記洗浄処理は、得られた研磨パッドに付着しているパーティクルや金属イオン等の不純物を、冷水或いは温水で洗浄したり、或いは、界面活性剤等の洗浄作用を有する添加剤を含んだ水溶液或いは溶剤で洗浄処理したりする加工である。
[研磨方法]
以下に、本発明の研磨パッドを用いた研磨の一例として、ケミカルメカニカル研磨(CMP)について説明する。
ターンテーブルは研磨装置に備えられたモータにより高速回転される。CMPにおいては、高速回転するターンテーブルに貼られた研磨パッドに砥粒スラリー供給管から砥粒スラリーが少量ずつ供給される。そして、被研磨基材は、研磨装置に備えられた荷重手段により荷重が掛けられることにより、その表面が研磨される。また、研磨パッドは、研磨の経時変化を抑制するために、コンディショナにより表面の目立てが施される。
砥粒スラリーは、水やオイルなどの液状媒体に、シリカ、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、ダイヤモンド等の研磨剤が分散されたスラリーである。また、砥粒スラリーは、必要に応じて、塩基、酸、界面活性剤などの成分を含有してもよい。
また、CMPを行うに際し、必要に応じ、研磨スラリーと共に、潤滑油、冷却剤などを供給してもよい。
前記コンディショナとしては、好ましくは#50〜#1000、さらに好ましくは#100〜#600の範囲のダイヤモンド等のドレッサーが用いられる。なお、コンディショニングは被研磨基材を研磨する前に行っても、研磨中に行ってもよい。また、被研磨基材の研磨と研磨パッドのコンディショニングとを交互に行ってもよい。ダイヤモンドドレッサーの番手が小さすぎる場合には、表面粗さが粗くなる傾向があり、一方、大きすぎる場合には、コンディショニングに時間がかかる傾向がある。
本発明の研磨パッドは、シリコンウエハ、化合物半導体ウエハ、半導体ウエハ、半導体デバイス、液晶部材、光学素子、水晶、光学基板、電子回路基板、電子回路マスク基板、多層配線基板、ハードディスク、MEMS(マイクロ−エレクトロ−メカニカルシステムズ)基材等の研磨に好ましく用いられる。
半導体ウエハや半導体デバイスの具体例としては、例えば、シリコン、酸化シリコン、酸化フッ化シリコン、有機ポリマーなどの絶縁膜;銅、アルミニウム、タングステンなどの配線材金属膜;タンタル、チタン、窒化タンタル、窒化チタンなどのバリアメタル膜を表面に有する基材が挙げられる。
研磨においては、一次研磨、二次研磨(調整研磨)、仕上げ研磨、鏡面研磨等何れの研磨にも用いられる。また、研磨部分としては、基材の表面、裏面、端面のいずれであってもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
[実施例1]
パラアセトキシ安息香酸(A)と2,6−アセトキシナフトエ酸(B)の仕込み比を7:3(モル比)とし、重合温度310℃でアセテート法により重合を行い、繰り返し構成単位(A)と(B)のモル比が7:3である全芳香族ポリエステルポリマー(ηinh=5.8dl/g、融点280℃、50℃での飽和吸水率=0.1質量%未満)を作製した。この全芳香族ポリエステルを単軸押出機を用いて紡糸温度315℃、0.15mm径の口金により巻き取り速度2000m/分で紡糸して、単繊維繊度5dtexの紡糸原糸を得た。得られた紡糸原糸を乾燥窒素雰囲気にて260℃で2時間、280℃で12時間熱処理したのち、得られた繊維に機械捲縮を施し、その後51mmに切断し、カードで解繊した後クロスラッパウェバーでウェブとした。
得られたウェブをクロスラッピングにより重ねて、総目付が520g/mの重ね合わせウェブを作製した。そして、得られた重ね合わせウェブに、針折れ防止油剤をスプレーした。次に、バーブ数1個でニードル番手42番のニードル針、およびバーブ数6個でニードル番手42番のニードル針を用いて、重ね合わせウェブを1500パンチ/cmでニードルパンチ処理して絡合させることにより、絡合不織布を得た。得られた絡合不織布の目付量は650g/mであった。また、ニードルパンチ処理による面積収縮率は20%であった。そして、160℃で熱プレスすることにより、見掛け密度0.36g/cm、厚み1.8mmの絡合不織布を得た。
次に、熱プレスされた絡合不織布に、水性ポリウレタンとして、ポリウレタン弾性体Aの水性分散液(固形分濃度30質量%)を含浸させた。なお、ポリウレタン弾性体Aは、非晶性ポリカーボネート系ポリオールと、炭素数2〜3のポリアルキレングリコールを、99.5:0.5(モル比)し、カルボキシル基含有モノマーを重量比で2.0wt%含有したポリカーボネート系無黄変型ポリウレタン樹脂で、無黄変型ポリウレタン樹脂100質量部にカルボジイミド系架橋剤5質量部を添加して、熱処理することにより架橋構造を形成させたポリウレタン樹脂である。ポリウレタン弾性体Aの吸水率は4質量%、23℃における貯蔵弾性率は350MPa、50℃における貯蔵弾性率は200MPa、ガラス転移温度は−20℃、水分散液の平均粒径は0.03μmである。このとき水性分散液の固形分付着量は絡合不織布の質量に対して、23質量%であった。そして、水性分散液が含浸された絡合不織布を90℃、50%RH雰囲気下で乾燥凝固処理し、さらに、140℃で乾燥処理した。そして、それを160℃で熱プレスすることにより、目付量800g/m、見掛け密度0.50g/cm、厚み1.6mmのポリウレタンにより繊維が拘束された研磨パッド前駆体を得た。
得られた研磨パッド前駆体を、表面平坦化のための研削加工を行った。さらに、直径51cmの円形状に切断し、表面に幅2.0mm、深さ1.0mmの溝を格子状に15.0mm間隔で形成することにより、厚さ1.4mmの円形状の研磨パッドを得た。得られた研磨パッドを後述する評価方法により評価した。結果を表1に示す。
[実施例2]
パラアセトキシ安息香酸(A)と2,6−アセトキシナフトエ酸(B)の仕込み比を7:3(モル比)とし、重合温度310℃でアセテート法により重合を行い、繰り返し構成単位(A)と(B)のモル比が7:3である全芳香族ポリエステルポリマー(ηinh=4.3dl/g、融点280℃、50℃での飽和吸水率=0.1質量%未満)を作製した。この全芳香族ポリエステルを島成分とし、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を全酸成分の2.5モル%、および分子量2000のポリエチレングリコールを全共重合ポリエステルの10重量%を占める共重合ポリエチレンテレフタレートを海成分とし、各々押出機を用いて、島成分と海成分の質量比率が70:30、島数が8島で、紡糸温度315℃、0.15mm径の口金により巻き取り速度1000m/分で紡糸して、単繊維繊度12dtexの海島型紡糸原糸を得た。得られた紡糸原糸を、ステンレス製ボビンに巻き、95℃の3%水酸化ナトリウム溶液に30分間浸漬処理し、共重合ポリエチレンテレフタレート成分を除去した後、更に90℃熱水で水洗処理した。これを260℃で2時間、270℃で4時間、更には280℃で4時間、窒素ガス雰囲気で熱処理し、単繊維繊度が1.5dtexの極細繊維繊維を得た。以降は実施例1と同様の処理を行い、目付量860g/m、見掛け密度0.54g/cm、厚み1.6mmのポリウレタンにより繊維が拘束かつ繊維束が結着された研磨パッド前駆体を得た。更に実施例1と同様の表面加工を行うことによって、厚さ1.4mmの円形状の研磨パッドを得た。得られた研磨パッドを後述する評価方法により評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
第1のポリウレタン弾性体として、ポリウレタン弾性体Aの代わりに、ポリエーテル系のポリアルキレングリコールとポリカーボネート系ポリオールを、80:20(モル比)し、カルボキシル基含有モノマーを重量比で1.0wt%含有し架橋構造を有するポリカーボネート系無黄変型ポリウレタン弾性体B(吸水率5%、23℃の貯蔵弾性率が220MPa、50℃の貯蔵弾性率100MPa、ガラス転移温度−33℃、水分散液の平均粒径は0.03μmを用いた以外は、実施例1と同様にして研磨パッドを作成した。得られた研磨パッドを後述する評価方法により評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
全芳香族ポリエステルポリマーの代わりにNy6(吸水率10%)を単軸押出機を用いて紡糸温度290℃、0.40mm径の口金により巻き取り速度2000m/分で紡糸して、単繊維繊度5dtexの紡糸原糸を得、機械捲縮を施し、その後51mmに切断し、カードで解繊した後クロスラッパウェバーでウェブとした以外は実施例1と同様に作成した、
目付720g/m、見掛け密度0.45g/m、厚み1.6mmの研磨パッド前駆体を得た。そして、バフィング処理を行って表面と裏面とを平坦化して、研磨パッドを得た。得られた研磨パッドは後述する評価方法により評価した。結果を表2に示す。
[比較例2]
高分子弾性体として、ポリウレタン弾性体Aの水性分散液を用いてポリウレタン弾性体を形成する代わりに、ポリウレタン弾性体C(固形分濃度30質量%)の水性分散液を含浸させた。なお、ポリウレタン弾性体Cは、ポリテトラメチレン系ポリオールである無黄変型ポリウレタン樹脂100質量部に界面活性剤5質量部を添加して乳化させたポリウレタン樹脂である。ポリウレタン弾性体Cの吸水率は12質量%、23℃における貯蔵弾性率は150MPa、50℃における貯蔵弾性率は60MPa、ガラス転移温度は−48℃、水分散液の平均粒径は0.4μmであった。それ以外は、実施例1と同様にして研磨パッドを作成した。得られた研磨パッドを後述する評価方法により評価した。結果を表2に示す。
[比較例3]
ポリウレタン弾性体Aのポリカーボネート成分をヘキサメチレンカーボネートジオールに変更してポリオール成分を35質量%に減らしたポリウレタン弾性体D(吸水率1%、23℃の貯蔵弾性率が1000MPa、50℃の貯蔵弾性率が200MPa、ガラス転移温度が0℃、水分散液の平均粒径は0.08μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして研磨パッドを作成した。得られた研磨パッドを後述する評価方法により評価した。結果を表2に示す。
[比較例4]
高分子弾性体として、ポリウレタン弾性体Aを用いてポリウレタン弾性体を形成する代わりに、N,N−ジメチルホルムアミド溶液に溶解させたヘキサメチレンカーボネートジオール系ポリウレタン樹脂溶液E(12%濃度、ガラス転移温度5℃、23℃の貯蔵弾性率が150MPa、50℃の貯蔵弾性率が50MPa、カルボキシル基、スルホン酸基、及び、炭素数3以下のポリアルキレングリコール基からなる群から選ばれる少なくとも1種の親水性基を含有しない吸水率0.4質量%のポリウレタン)を含浸し40℃のDMFと水の混合液中で湿式凝固させてポリウレタン弾性体を形成した以外は実施例1と同様にして研磨パッドを作成した。得られた研磨パッドを後述する評価方法により評価した。結果を表2に示す。
得られた研磨パッドは以下の評価方法により評価した。
[評価方法]
(1)高分子弾性体の23℃および50℃における貯蔵弾性率
研磨パッドを構成する高分子弾性体を縦4cm×横0.5cmに切り抜いてサンプルを作製した。そして、サンプル厚みをマイクロメーターで測定した。そして、動的粘弾性測定装置(DVEレオスペクトラー、(株)レオロジー社製)を用いて、周波数11Hz、昇温速度3℃/分での条件で23℃および50℃における動的粘弾性率を測定し、貯蔵弾性率を算出した。
(2)高分子弾性体のガラス転移温度
研磨パッドを構成する高分子弾性体を縦4cm×横0.5cmに切り抜いてサンプルを作製した。そして、サンプル厚みをマイクロメーターで測定した。そして、動的粘弾性測定装置(DVEレオスペクトラー、(株)レオロジー社製)を用いて、周波数11Hz、昇温速度3℃/分での条件で動的粘弾性の測定を行い、損失弾性率の主分散ピーク温度をガラス転移温度とした。
(3)繊維を構成する熱可塑性樹脂の吸水率
熱可塑性樹脂を熱プレス機で、厚さ200μmのフィルムを作成した後、20℃、65%RHの条件下に3日間放置したものを乾燥サンプルとし、50℃の水に乾燥サンプルを2日間浸漬した。その後、50℃の水から取り出した直後のフィルムの最表面の余分な水滴等をJKワイパー150−S(株式会社クレシア製)にて拭き取った後のものを水膨潤サンプルとした。乾燥サンプルと水膨潤サンプルの質量を測定し、下記式に従って吸水率を求めた。なお、吸水率が0.1%よりも小さい場合には、測定の精度が充分でないため、0.1%未満とした。
吸水率(%)=[(水膨潤サンプルの質量−乾燥サンプルの質量)/乾燥サンプルの質量]×100
(4)高分子弾性体の吸水率
高分子弾性体を50℃で乾燥して得られた厚さ200μmのフィルムを、130℃で30分間熱処理した後、20℃、65%RHの条件下に3日間放置したものを乾燥サンプルとし、50℃の水に乾燥サンプルを2日間浸漬した。その後、23℃の水から取り出した直後のフィルムの最表面の余分な水滴等をJKワイパー150−S(株式会社クレシア製)にて拭き取った後のものを水膨潤サンプルとした。乾燥サンプルと水膨潤サンプルの質量を測定し、下記式に従って吸水率を求めた。なお、吸水率が0.1%よりも小さい場合には、測定の精度が充分でないため、0.1%未満とした。
吸水率(%)=[(水膨潤サンプルの質量−乾燥サンプルの質量)/乾燥サンプルの質量]×100
(5)水性ポリウレタンの平均粒径
大塚化学株式会社製「ELS−800」を使用して動的光散乱法により測定し、キュムラント法(東京化学同人社発行「コロイド化学第IV巻コロイド化学実験法に記載」により解析して、水分散高分子弾性体の平均粒子径を測定した。
(6)研磨パッドの研磨性能評価
円形状研磨パッドの裏面に粘着テープを貼り付けた後、CMP研磨装置(株式会社野村製作所製「PP0−60S」)に装着した。そして、番手#200のダイヤモンドドレッサー(三菱マテリアル株式会社製のMEC200L)を用いて、圧力177kPa、ドレッサー回転数110回転/分の条件で、蒸留水を120mL/分の速度で流しながら18分間研磨パッド表面を研削することによりコンディショニング(シーズニング)を行った。
次に、プラテン回転数50回転/分、ヘッド回転数49回転/分、研磨圧力35kPaの条件において、キャボット社製砥粒スラリーSS12を120ml/分の速度で供給しながら、酸化膜表面を有する直径6インチのシリコンウエハを100秒間研磨した。そして、研磨後の酸化膜表面を有するシリコンウエハ面内の任意の49点の厚みを測定し、各点における研磨された厚みを研磨時間で除することにより、研磨レート(nm/分)を求めた。そして、49点の研磨レートの平均値を研磨レート(R)とし、また、その標準偏差(σ)を求めた。
そして、下式により平坦性を評価した。なお、平坦性の値が小さいほど、平坦化性能に優れていることを示す。
平坦性(%)=(σ/R)×100
次に、前記研磨した研磨パッドを湿潤状態で25℃にて24時間放置した。そして、その後、シーズニングを行った後、再度、同様に研磨を行った後の、研磨レート(R)及び平坦性を求めた。
さらに、シーズニングと研磨とを交互に300回繰り返し、300回目の研磨時の研磨レート(R)及び平坦性を求めた。
パッド寿命については、パッドの溝深さを測定することで、パッドの厚み減少を評価した。パッドの厚み減少が大きいものを×(パッドの厚み減少速度が1μm/シーズニング時間(min))、パッドの厚み減少が小さいものを○(パッドの厚み減少速度が0.5μm/シーズニング時間(min))、その中間を△とした。
結果を表1および表2に示す
Figure 2010064153
Figure 2010064153
本発明に関わる研磨パッドは、平坦化や鏡面化が行われる各種デバイス、各種基板等の各種製品、例えば、半導体基板、半導体デバイス、化合物半導体デバイス、化合物半導体基板、化合物半導体製品、LED基板、LED製品、シリコンウエハ、ハードディスク基板、ガラス基板、ガラス製品、金属基板、金属製品、プラスチック基板、プラスチック製品、セラミック基板、セラミック製品等を研磨するための研磨パッドとして用いることができる。

Claims (5)

  1. 平均繊度0.01〜5dtexの繊維からなる布帛とその内部に含有された高分子弾性体から形成された研磨パッドにおいて、該繊維を構成する樹脂の50℃で吸水飽和させたときの吸水率が0〜0.2質量%であり、該高分子弾性体が、カルボキシル基、スルホン酸基および炭素数3以下のポリアルキレングリコール基からなる群から選ばれる少なくとも1種の親水性基を有し、かつ23℃および50℃での貯蔵弾性率が90〜900MPaであることを特徴とする研磨パッド。
  2. 前記繊維が全芳香族ポリエステルからなる請求項1に記載の研磨パッド。
  3. 前記高分子弾性体がガラス転移温度−10℃以下、かつ50℃で吸水飽和させたときの吸水率が0.5〜8質量%である請求項1または2に記載の研磨パッド。
  4. 前記高分子弾性体が水性ポリウレタンからなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の研磨パッド。
  5. 前記布帛と前記高分子弾性体が質量比で、55/45〜90/10である請求項1〜4のいずれか1項に記載の研磨パッド。
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