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JP2010062478A - 回路基板の製造方法 - Google Patents

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JP2010062478A
JP2010062478A JP2008229038A JP2008229038A JP2010062478A JP 2010062478 A JP2010062478 A JP 2010062478A JP 2008229038 A JP2008229038 A JP 2008229038A JP 2008229038 A JP2008229038 A JP 2008229038A JP 2010062478 A JP2010062478 A JP 2010062478A
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JP2008229038A
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Shigeo Nakamura
茂雄 中村
Yoshinori Wada
芳典 和田
Tadahiko Yokota
忠彦 横田
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Ajinomoto Co Inc
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Ajinomoto Co Inc
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  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)
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Abstract

【課題】レーザー光により、ソルダーレジスト層の表面にダメージを与えることなくビアホールを形成することができ、かつ、ビア底に付着したスミアを除去する工程においても、ソルダーレジスト層表面のダメージを与えない回路基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】回路基板3上に形成されたソルダーレジスト層1に、該ソルダーレジスト層表面に接着したプラスチックフィルム2の上から、レーザー光L1を照射してビアホール4を形成する。さらに、ビアホール4を形成後、プラスチックフィルム2がソルダーレジスト層1に接着した状態で、デスミア処理を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、多層プリント配線板などの回路基板の製造方法、特に、ソルダーレジスト層にビアホールが形成された回路基板の製造方法に関する。
各種電子機器に広く使用されている多層プリント配線板、フレキシブルプリント配線板等の回路基板は、電子機器の小型化、高機能化のために、層の薄型化や回路の微細配線化が求められている。
これらの回路基板では、図4に示すように、該回路基板20の表面にソルダーレジスト層10を形成し、該ソルダーレジスト層に設けた開口部であるビアホール(via hole)11内にIC等の電子部品との外部接続用の半田付けランドが設けてある。図の例では、回路基板20は、ベース基板である絶縁層21と回路部分(導体層)22とからなる積層体である。そして、ビアホール11を除く回路部分22はソルダーレジスト層10で被覆され、回路基板20に電子部品を半田付けする際、該ソルダーレジスト層10は、半田が不要な部分に付着するのを防止すると共に、回路基板20の腐食を保護する永久保護膜となる。ソルダーレジストとしては、従来、一般的に感光性樹脂組成物が選択され、開口デザインのマスクを介してソルダーレジストを感光、架橋させ、未露光部分をアルカリ性水溶液などで溶解除去(現像)することによって形成していた。開口部を除く回路部分はソルダーレジスト層で被覆され、回路基板に電子部品を半田付けする際、該ソルダーレジスト層は、半田が不要な部分に付着するのを防止すると共に、回路基板の腐食を保護する永久保護膜となる。
しかし、フォトリソグラフィーによる方法では、感光性の材料に限られ、近年の回路基板の薄型化や微細配線化に充分対応できないという問題が生じている。このような問題に対応するため、例えば、特許文献1に、ソルダーレジストの材料として、熱硬化性樹脂組成物を使用し、開口部の形成方法として、レーザーを用いてソルダーレジスト層の半田付けランドに対応する部分にビアホールを形成する方法が開示されている。
また、その半田付けランド部のビア底には、スミアとしてのソルダーレジスト残渣が付着するため、その後のめっき処理工程でめっきされない部分が生じやすく、半田接続不良を起こすことが問題であるので、このスミアを除く工程(デスミア処理)を設ける必要がある。
しかしながら、デスミア処理の工程はスミア除去だけでなく、永久保護膜としてのソルダーレジスト層表面にもダメージを与えるため、ソルダーレジストの特性が損なわれるという問題がある。
上記デスミア処理の問題に対応する方法としては、例えば、特許文献2に、酸化剤溶液等を使用した湿式法によるデスミア処理への耐性向上の目的で、ソルダーレジスト層をデスミアされ易い層/され難い層の2層構造とすることが開示されている。しかし、従来1層であったものを2層構造とするため、工程及びコストが増大するという問題がある。
一方、特許文献3には、プラズマを使用した乾式法によるデスミア処理への耐性向上の目的で、ビアホール形成後、ソルダーレジスト表面全体にカバーフィルムを貼り付け、プラズマによるデスミア処理を行い、その後カバーフィルムを除去する方法が開示されている。しかし本方法も、カバーフィルムを接着及び剥離する工程や、カバーフィルムを剥がした後に残る接着剤を除去するオゾン処理工程が必要となるなど、工程及びコストが増大するという問題があった。
特開2000−244125号公報 特開2004−240233号公報 特開2005−347429号公報
また上記問題に加え、レーザー光照射によるビアホール形成は、高速に加工するため強いエネルギーで加工を行った場合、ソルダーレジスト層表面付近に加わるダメージが大きく、ビア周辺の凹凸の程度が大きくなり、特に微細なランド周辺においては、半田接続ショート不良となるなどの問題があることが分かった。
従って本発明は、レーザー光により、ソルダーレジスト層の表面にダメージを与えることなくビアホールを形成することができ、かつ、ビア底に付着したスミアを除去する工程においても、ソルダーレジスト層表面のダメージを与えない回路基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、回路基板上に形成されたソルダーレジスト層に、該ソルダーレジスト層表面に接着したプラスチックフィルム上から、レーザー光を照射してビアホールを形成することにより、ソルダーレジスト層表面のダメージが抑制され、かつ、ビアホールを形成後、プラスチックフィルムとソルダーレジスト層が接着した状態で、デスミア処理を行う工程を行うことにより、ソルダーレジスト層表面にダメージを与えることなくスミアを除去できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の内容を含むものである。
(1)回路基板上に形成されたソルダーレジスト層に、該ソルダーレジスト層表面に接着したプラスチックフィルム上から、レーザー光を照射してビアホールを形成する工程を含むこと特徴とする、回路基板の製造方法。
(2)プラスチックフィルム上に熱硬化性樹脂組成物層が形成された接着性フィルムを、熱硬化性樹脂組成物層が回路基板表面に接するように重ねて積層し、熱硬化性樹脂組成物を熱硬化してソルダーレジスト層を形成後、プラスチックフィルム層上よりレーザーを照射して、ビアホールを形成する工程を含むこと特徴とする、回路基板の製造方法。
(3)プラスチックフィルムが離型処理されており、プラスチックフィルムが離型処理面でソルダーレジスト層と接着している、上記(1)または(2)記載の方法。
(4)プラスチックフィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムである、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)プラスチックフィルムの厚みが10〜50μmであり、ソルダーレジスト層の厚みが8〜50μmである、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6)レーザー光の光源が炭酸ガスレーザー装置である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7)ビアホールの形成後、プラスチックフィルムとソルダーレジスト層が接着した状態で、デスミア処理を行う工程をさらに含む、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(8)デスミア処理がアルカリ性過マンガン酸溶液により行われる、上記(7)記載の方法。
(9)プラスチックフィルムをソルダーレジスト層から剥離する工程をさらに含む、上記(7)または(8)記載の方法。
(10)ビアホール底に露出した回路基板の導体層の表面処理を行う工程をさらに含む、上記(7)〜(9)のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、回路基板を製造する工程において、レーザー光照射によるビアホール形成及びデスミア処理を、簡便なプロセスで、かつソルダーレジスト層表面にダメージを与えることなく行うことができ、信頼性に優れた回路基板を製造することができる。
本発明の回路基板の製造方法では、図1(c)に断面を示すように、回路基板3上に形成されたソルダーレジスト層1に対し、該ソルダーレジスト層表面に接着したプラスチックフィルム2の上からレーザー光L1を照射し、プラスチックフィルム2に貫通孔を形成すると共に、その直下のソルダーレジスト層1にビアホール4を形成する。
図1(c)の例では、回路基板3は、ベース基板である絶縁層3bと回路部分(パターン化された導体層)3aとからなる2層の積層体である。導体層3aは、絶縁層3bの上面全体に広がる均一な層のように描かれているが、回路基板として使用可能な回路パターンとして形成されている。
ソルダーレジスト層表面にプラスチックフィルムを接着する手段としては、例えば、回路基板上にワニス状の熱硬化性樹脂組成物で熱硬化性樹脂組成物層を形成し、その上にプラスチックフィルムを積層してから、熱硬化性樹脂組成物層を熱硬化してソルダーレジスト層を形成する方法なども挙げられるが、工業的生産に最も適した方法としては、図1(a)に示すように、プラスチックフィルム2を支持体として使用し、該プラスチックフィルム2上に、熱硬化性樹脂組成物層1aを形成して接着性フィルムを調製し、該接着性フィルムを熱硬化性樹脂組成物層1aが回路基板3の表面に接するように重ねて積層してから、図1(b)に示すように、熱硬化性樹脂組成物層を熱硬化させてソルダーレジスト層1とする方法が挙げられる。
本発明にいう「回路基板」は、絶縁層と導体層(該導体層は、上記のとおり、回路パターンとして形成されたものであるが、パターン化されていない金属層であってよい)とを有するものであれば、特に限定はされず、多層プリント配線板、フレキシブルプリント配線板等の各種回路基板が含まれる。なお導体層表面はエッチング等により予め粗化処理が施されていた方がソルダーレジスト層の回路基板への密着性の観点から好ましい。導体層の材料としては、一般に銅が使用される。
本発明における、「プラスチックフィルム」の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート(以下「PEN」と略称することがある。)等のポリエステル、ポリカーボネート(以下「PC」と略称することがある。)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミドなどが挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムが好ましく、特に安価なポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
なお、プラスチックフィルムは、ビアホール形成後にソルダーレジスト層表面から剥離可能とするために、ソルダーレジスト層との接触面が離型処理されているプラスチックフィルムを用いるのが好ましい。特に接着性フィルムの熱硬化性樹脂組成物層を熱硬化してソルダーレジスト層を形成する場合には、接着性フィルムの支持体となるプラスチックフィルムの熱硬化性樹脂組成物層との接触面に離型処理がされていないと、一般に、熱硬化後にソルダーレジスト層表面よりプラスチックフィルムを剥離するのが困難となる場合が多いので、離型処理されているプラスチックフィルムの使用が望ましい。
離型処理に使用する離型剤としては、ソルダーレジスト層表面からプラスチックフィルムが剥離可能であれば特に限定されず、例えば、フッ素系離型剤、シリコーン系離型剤、アルキッド樹脂系離型剤等が挙げられる。離型剤は異なる種類のものを混合して用いてもよい。また、プラスチックフィルム表面はマット処理、コロナ処理等が施されていてもよく、該コロナ処理表面上にさらに離型処理が施されていてもよい。また、プラスチックフィルムは、カーボンブラック等のカーボン粉、金属化合物粉、金属粉、黒色染料等のレーザーエネルギー吸収性成分を含有していてもよい。
ソルダーレジスト層と接するプラスチックフィルム表面は、ソルダーレジスト層の表面平坦性の観点から、算術平均粗さ(Ra)を50nm以下(0以上50nm以下)、さらには40nm以下、さらには35nm以下、さらには30nm以下とするのが好ましい。算術平均粗さ(Ra値)の測定は、公知の方法を用いることができ、例えば、非接触型表面粗さ計(ビーコインスツルメンツ社製WYKO NT3300)等の装置を用いて測定することができる。
プラスチックフィルムの厚み(離型処理されたプラスチックフィルムの場合は離型層も含む総厚み)は、10〜50μmの範囲が好ましく、12〜45μmの範囲がより好ましく、16〜38μmの範囲がより好ましい。プラスチックフィルムの厚みが10μm未満では、回路上の平坦性が低下する傾向となり、50μmを越えると、コスト高の傾向となり、好ましくない。なお、離型処理されたプラスチックフィルムにおける離型層の厚みは通常0.05〜2μm程度である。
プラスチックフィルムは市販のものを用いることもでき、例えば、T60(東レ(株)製、ポリエチレンテレフタレートフィルム、Ra=22nm)、A4100(東洋紡(株)製、ポリエチレンテレフタレートフィルム、平滑面側Ra=12nm)、Q83(帝人デュポンフィルム(株)製、ポリエチレンナフタレートフィルム、平滑面側Ra=32nm)、ダイアホイルOB100(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製、ポリエチレンテレフタレートフィルム)、リンテック(株)製のアルキッド樹脂系離型剤SK−1、AL−5、AL−7等で処理されたプラスチックフィルムなどが挙げられる。
ソルダーレジスト層を形成する熱硬化性樹脂組成物は、その硬化物が、十分な耐熱性、耐薬品性と絶縁性を有し、ソルダーレジスト層として適したものであれば、特に限定なく使用でき、例えば、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ビニルベンジル樹脂等の熱硬化性樹脂にその硬化剤を少なくとも配合した組成物が使用される。熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を含有する組成物が好ましく、例えば、(a)エポキシ樹脂と、(b)熱可塑性樹脂と、(c)硬化剤とを、少なくとも含有する組成物が好ましい。
上記(a)のエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール類のグリシジルエーテル化物、及びアルコール類のジグリシジルエーテル化物、並びにこれらのエポキシ樹脂のアルキル置換体、ハロゲン化物及び水素添加物等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂はいずれか1種を使用するか2種以上を混合して用いてもよい。
エポキシ樹脂は、これらの中でも、耐熱性、絶縁信頼性、密着性の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂が好ましい。具体的には、例えば、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート828EL」)、ナフタレン型2官能エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製「HP4032」、「HP4032D])、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製「HP4700」)、ナフトール型エポキシ樹脂(東都化成(株)製「ESN−475V」)、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂(ダイセル化学工業(株)製「PB−3600」)、ビフェニル構造を有するエポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3000H」、「NC3000L」、「NC3100」ジャパンエポキシレジン(株)製「YX4000」)などが挙げられる。
上記(b)の熱可塑性樹脂は、硬化後の組成物に適度な可撓性を付与する等の目的で配合されるものであり、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。当該熱可塑性樹脂は熱硬化性樹脂組成物の不揮発成分を100質量%としたとき、0.5〜60質量%の割合で配合するのが好ましく、より好ましくは3〜50質量%である。熱可塑性樹脂の配合割合が0.5質量%未満の場合、樹脂組成物粘度が低いために、均一な熱硬化性樹脂組成物層を形成することが難しくなる傾向となり、60質量%を超える場合、樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎて、回路上の配線パターンへの埋め込みが困難になる傾向となる。
フェノキシ樹脂の具体例としては、例えば、東都化成(株)製FX280、FX293、ジャパンエポキシレジン(株)製YX8100、YL6954、YL6974等が挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルブチラール樹脂が好ましく、ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、電気化学工業(株)製、電化ブチラール4000−2、5000−A、6000−C、6000−EP、積水化学工業(株)製エスレックBHシリーズ、BXシリーズ、KSシリーズ、BLシリーズ、BMシリーズ等が挙げられる。
ポリイミドの具体例としては、新日本理化(株)製のポリイミド「リカコートSN20」および「リカコートPN20」が挙げられる。また、2官能性ヒドロキシル基末端ポリブタジエン、ジイソシアネート化合物及び四塩基酸無水物を反応させて得られる線状ポリイミド(特開2006−37083号公報記載のもの)、ポリシロキサン骨格含有ポリイミド(特開2002−12667号公報、特開2000−319386号公報等に記載のもの)等の変性ポリイミドが挙げられる。
ポリアミドイミドの具体例としては、東洋紡績(株)製のポリアミドイミド「バイロマックスHR11NN」および「バイロマックスHR16NN」が挙げられる。また、日立化成工業(株)製のポリシロキサン骨格含有ポリアミドイミド「KS9100」、「KS9300」等の変性ポリアミドイミドが挙げられる。
ポリエーテルスルホンの具体例としては、住友化学(株)社製のポリエーテルスルホン「PES5003P」等が挙げられる。
ポリスルホンの具体例としては、ソルベンアドバンストポリマーズ(株)社製のポリスルホン「P1700」、「P3500」等が挙げられる。
上記(c)の硬化剤としては、例えば、アミン系硬化剤、グアニジン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、活性エステル系硬化剤、又はこれらのエポキシアダクトやマイクロカプセル化したもの、ベンゾオキサジン樹脂、シアネートエステル樹脂等を挙げることができる。中でも、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、シアネートエステル樹脂が好ましい。なお、本発明において、硬化剤は1種であっても2種以上を併用してもよい。
フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤の具体例としては、例えば、MEH−7700、MEH−7810、MEH−7851(明和化成(株)製)、NHN、CBN、GPH(日本化薬(株)製)、SN170、SN180、SN190、SN475、SN485、SN495、SN375、SN395(東都化成(株)製)、LA7052、LA7054、LA3018、LA1356(大日本インキ化学工業(株)製)等が挙げられる。
また、シアネートエステル樹脂の具体例としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4’−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2−ビス(4−シアネート)フェニルプロパン、1,1−ビス(4−シアネートフェニルメタン)、ビス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアネートフェニル−1−(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。市販されているシアネートエステル樹脂としては、フェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン(株)製「PT30」、シアネート当量124)やビスフェノールAジシアネートの一部または全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー(ロンザジャパン(株)製「BA230」、シアネート当量232)等が挙げられる。
エポキシ樹脂と硬化剤の配合比率は、フェノール系硬化剤またはナフトール系硬化剤の場合、エポキシ樹脂のエポキシ当量1に対してこれら硬化剤のフェノール性水酸基当量が0.4〜2.0の範囲となる比率が好ましく、0.5〜1.0の範囲となる比率がより好ましい。シアネートエステル樹脂の場合は、エポキシ当量1に対してシアネート当量が0.3〜3.3の範囲となる比率が好ましく、0.5〜2の範囲となる比率がより好ましい。
なお、当該熱硬化性樹脂組成物には、硬化剤に加え、硬化促進剤をさらに配合することができ、このような硬化促進剤としては、イミダゾール系化合物、有機ホスフィン系化合物等が挙げられ、具体例としては、例えば、2−メチルイミダゾール、トリフェニルホスフィンなどを挙げることができる。硬化促進剤を用いる場合、エポキシ樹脂に対して0.1〜3.0質量%の範囲で用いるのが好ましい。なお、エポキシ樹脂硬化剤にシアネートエステル樹脂を使用する場合には、硬化時間を短縮する目的で、従来からエポキシ樹脂組成物とシアネート化合物とを併用した系で硬化触媒として用いられている有機金属化合物を添加してもよい。有機金属化合物としては、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅化合物、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛化合物、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト化合物などが挙げられる。有機金属化合物の添加量は、シアネートエステル樹脂に対し、金属換算で通常10〜500ppm、好ましくは25〜200ppmの範囲である。
また、当該熱硬化性樹脂組成物には、硬化後の組成物の低熱膨張化のために、無機充填剤を含有させることができる。無機充填剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、雲母、マイカ、珪酸塩、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン等が挙げられ、シリカ、アルミナが好ましく、特にシリカが好ましい。なお、無機充填剤は絶縁信頼性の観点から、平均粒径が3μm以下であるのが好ましく、平均粒径が1.5μm以下であるのがより好ましい。熱硬化性樹脂組成物中の無機充填剤の含有量は、熱硬化性樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした時、好ましくは20〜60質量%であり、より好ましくは20〜50質量%である。無機充填剤の含有量が20質量%未満の場合、熱膨張率の低下効果が十分に発揮されない傾向にあり、無機充填剤の含有量が60質量%を超えると、硬化物の機械強度が低下するなどの傾向となる。
熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じて他の成分を配合することができる。他の成分としては、例えば、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等の難燃剤、シリコーンパウダー、ナイロンパウダー、フッ素パウダー等の充填剤、オルベン、ベントン等の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系の消泡剤又はレベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シラン系カップリング剤等の密着性付与剤、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、カーボンブラック等の着色剤等を挙げることができる。
プラスチックフィルム上に熱硬化性樹脂組成物層を形成した接着性フィルムは、当業者に公知の方法、例えば、有機溶剤に熱硬化性樹脂組成物を溶解するとともに無機充填材等を分散させた樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーター等を用いて、支持フィルム上に塗布し、加熱あるいは熱風吹きつけ等により有機溶剤を乾燥させて樹脂組成物層を形成させることにより製造することができる。
熱硬化性樹脂組成物層の厚みは8〜50μmであるのが好ましく、12〜40μmがより好ましい。絶縁層の厚みが8μm未満であると、導体層の厚みにもよるが回路基板に平坦に積層させることが困難となる傾向にあり、50μmを超えると、多層プリント配線板の薄型化に不向きである。なお、熱硬化性樹脂組成物層が熱硬化されて形成されるソルダーレジスト層の厚みも同様の理由で上記範囲内であるのが好ましい。
接着性フィルムは、回路基板への積層を行うまでは、熱硬化性樹脂組成物層を覆って保護するための保護フィルムを有しているのが好ましい。保護フィルムは、熱硬化性樹脂組成物層の表面を物理的ダメージから守り、またゴミ等の異物付着を防止するなどの利点がある。このような保護フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、PET、PEN等のポリエステル、PC、ポリイミド等のフィルムを挙げることができる。なお、保護フィルムにも、支持フィルムに使用するプラスチックフィルムと同様、マッド処理、コロナ処理の他、離型処理が施してあってもよい。保護フィルムの厚みは5〜30μmの範囲であるのが好ましい。
本発明において、接着性フィルムを回路基板に積層し、接着性フィルムの熱硬化性樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する作業は従来の方法に準じて行うことができる。例えば、回路基板の片面または両面に接着性フィルムを重ね、SUS鏡板等の金属板を用いて、加熱および加圧し、積層プレスを行う。この際の圧力は、好ましくは5〜40kgf/cm(49×10〜392×10N/m)、温度は好ましくは120〜180℃、プレス時間は好ましくは20〜100分で行うことができる。加熱および加圧は、加熱されたSUS鏡板等の金属板をプラスチックフィルム側からプレスすることにより行うことができるが、金属板を直接プレスするのではなく、回路基板の回路凹凸に接着シートが十分に追随するよう、耐熱ゴム等の弾性材を介してプレスを行うのが好ましい。また、真空ラミネーターを使用して製造することもできる。この場合、接着性フィルムを、減圧下で、加熱および加圧し、回路基板に接着性フィルムをラミネートする。ラミネートは、温度が好ましくは70〜140℃、圧力が好ましくは1〜11kgf/cm(9.8×10〜107.9×10N/m)の範囲で行われる。空気圧は好ましくは20mmHg(26.7hPa)以下の減圧下で行われる。ラミネート工程の後に、好ましくは、金属板による熱プレスにより、ラミネートされた接着性フィルムの平滑化を行う。該平滑化工程は、常圧下(大気圧下)で、加熱されたSUS鏡板等の金属板により、接着シートを加熱および加圧することにより行われる。加熱および加圧条件は、上記ラミネート工程と同様の条件を用いることができる。上記ラミネート工程および平滑化工程は、市販されている真空ラミネーターによって連続的に行うことができる。市販されている真空ラミネーターとしては、例えば、(株)名機製作所製 真空加圧式ラミネーター、ニチゴー・モートン(株)製 バキュームアップリケーター等が挙げられる。
ラミネート工程の後、または平滑化工程の後、熱硬化工程を行う。熱硬化工程においては、樹脂組成物を熱硬化し、絶縁層を形成する。熱硬化条件は熱硬化性樹脂組成物の種類等によっても異なるが、一般に硬化温度が150〜190℃、硬化時間が15〜90分である。
回路基板上にソルダーレジスト層を形成後、該ソルダーレジスト層表面に接着したプラスチックフィルム上からレーザー光を照射して、半田付け用ランドとなる部分にビアホールを形成する。ビアホールの開口の大きさは、搭載する部品の微細度で選択されるが、トップ径40〜500μmの範囲が一般的である。
レーザー光源としては、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー等が挙げられるが、特に加工速度、コストの観点から炭酸ガスレーザーが好ましい。
炭酸ガスレーザー装置を用いる場合、一般に9.3〜10.6μmの波長のレーザー光が使用される。また、ショット数は、形成すべきビアホールの深さ、孔径によっても異なるが、通常1〜10ショットの間で選択される。ビア加工速度を速め、回路基板の生産性を向上させる観点から、ショット数は少ない方が好ましく、1〜5ショットであるのが好ましく、1〜3ショットであるのがさらに好ましい。
炭酸ガスレーザー装置を用いる場合のレーザー光のエネルギーは、ショット数、ブラインドビアの深さ、金属膜層の厚さ、離型層の厚さにもよるが、好ましくは0.5mJ以上に設定され、より好ましくは1mJ以上、より好ましくは2mJ以上に設定される。上限は20mJ以下が好ましく、15mJ以下がより好ましく、10mJ以下がより好ましく、5mJ以下がさらに好ましい。レーザー光のエネルギーが高すぎると、ビアホールの下地導体層がダメージを受けやすくなるため、ショット数に応じて、上記範囲で最適なエネルギー値を選択するのが望ましい。なお、複数のショットで加工する場合、連続的なショットであるバーストモードは孔内に加工熱がこもり、ビア加工性に差が生じやすくなる傾向にあるため、時間的間隔を持たせた複数ショットである、サイクルモードが好ましい。
照射に用いられるレーザー光のパルス幅は特に限定されず、28μsのミドルレンジから4μs程度の短パルスまで広い範囲で選択可能であるが、一般的に高エネルギーの小径化工の場合、短パルスの方がビア加工形状に優れるとされている。
なお、市販されている炭酸ガスレーザー装置としては、例えば、三菱電機(株)ML605GTWII、日立ビアメカニクス(株)LC−Gシリーズ、松下溶接システム(株)基板穴あけレーザ加工機などが挙げられる。
回路基板の製造においては、一般に、ビアホールを形成後、デスミア処理が行われる。
本発明においては、プラスチックフィルムとソルダーレジスト層とが接着した状態でデスミア処理を行うことができる。この方法は、プラスチックフィルムがソルダーレジスト層を保護しており、デスミア処理によりソルダーレジスト層表面がダメージを受けるという制約がないため、ビアホール底のスミアの除去性にも優れた方法となる。本発明におけるデスミア処理は、公知の各種方法により行うことができ、好ましくは一般に使用されているプラズマによる乾式法と、アルカリ性過マンガン酸溶液等の酸化剤溶液を使用する湿式法が用いることができ、特に汎用性が高い、アルカリ性過マンガン酸溶液を使用した湿式法が好適に使用される。
プラズマデスミア装置としては、荏原ユージライト(株)製「大海」、積水化学(株)製常圧プラズマ処理装置など、市販されているものを使用することができる。
アルカリ性過マンガン酸水溶液等の酸化剤でデスミア処理する場合、処理に先立って膨潤液による膨潤処理を行うのが好ましい。膨潤液には、例えば、アトテックジャパン(株)製のスウェリング・ディップ・セキュリガンスP(Swelling Dip Securiganth P)、スウェリング・ディップ・セキュリガンスSBU(Swelling Dip Securiganth SBU)等を挙げることができる。膨潤処理は、通常60〜80℃程度に加熱した膨潤液に絶縁層を5〜10分程度付すことで行われる。アルカリ性過マンガン酸水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウムの水溶液に過マンガン酸カリウムや過マンガン酸ナトリウムを溶解した溶液を挙げることができる。アルカリ性過マンガン酸水溶液による粗化処理は、通常60〜80℃、10〜30分程度付すことで行われる。アルカリ性過マンガン酸水溶液は、市販品としては、アトテックジャパン株式会社製のコンセントレート コンパクトCP、ド−ジングソリューション セキュリガンスP、等が挙げられる。
デスミア処理後、プラスチックフィルムを剥離する。剥離は、手動で剥離してもよく、自動剥離装置により機械的に剥離してもよい。
ビアホール底に露出した導体層表面には、信頼性や実装精度の向上、銅等の導体の酸化防止等の目的で、公知の各種表面処理を施してもよい。表面処理としては、耐熱プリフラックス処理、半田レベラー処理、鉛フリー半田レベラー処理、無電解ニッケル−金めっき処理、電解ニッケル−金めっき処理等が挙げられる。表面処理工程は、デスミア処理工程の後、プラスチックフィルムを剥離する工程の前又は後に行うことができる。なお、プラスチックフィルムとソルダーレジスト層間にめっき液が浸透するなど表面処理における不具合が予想される場合は、プラスチックフィルム剥離後に行うのが好ましい。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明する。なお、以下の記載において材料の配合量を表す際に用いる「部」は「質量部」を意味する。
実施例1
(熱硬化性樹脂組成物ワニスの製造例1)
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量180、ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート828EL」)28部と、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂(エポキシ当量163、大日本インキ化学工業(株)製「HP4700」)28部とをメチルエチルケトン15部とシクロヘキサノン15部の混合溶媒に撹拌しながら加熱溶解させた。そこへ、ナフトール系硬化剤(東都化成(株)製「SN485」、フェノール性水酸基当量215)の固形分50%のメチルエチルケトン溶液110部、硬化促進剤(四国化成工業(株)製、「2E4MZ」)0.1部、球形シリカ(平均粒径0.5μm、「SOC2」(株)アドマテックス製)70部、ポリビニルブチラール樹脂溶液(積水化学工業(株)製「KS1」の固形分15%のエタノールとトルエンの1:1溶液)30部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、熱硬化性樹脂組成物ワニスを作製した。
上記ワニスを、離型剤(リンテック(株)製AL−5)で処理されたPETフィルム(総厚み38μm)の離型処理面に、乾燥後の樹脂組成物層の厚みが40μmとなるようにダイコーターにて均一に塗布し、80〜120℃(平均100℃)で6分間乾燥した(樹脂組成物層中の残留溶媒量:約1.5質量%)。
次いで、樹脂組成物層の表面に、保護フィルムとして、厚さ15μmのポリプロピレンフィルムを貼り合わせながらロール状に巻き取った。ロール状の接着性フィルムを幅507mmにスリットし、507×336mmサイズのシート状の接着性フィルムを得た。
この後、該接着性フィルムを、保護フィルムを剥離して、回路形成された銅張積層板(回路導体厚18μm、外形サイズ510×340mm、厚さ0.2mm)の両面へ仮付けし、(株)名機製作所製真空ラミネーターにより、温度100℃、圧力7kgf/cm、気圧5mmHg以下の条件で両面にラミネートし、さらに連続的に温度100℃、圧力5kgf/cmの条件でSUS鏡板による熱プレスを行った。
次いで、PETフィルムが付いた状態で180℃、30分の条件で熱硬化させ、回路基板両面にソルダーレジスト層(約30μm)を形成した。
室温まで冷却後、PETフィルムを剥離せず、その上から三菱電機(株)製炭酸ガスレーザー装置(ML605GTWII−P)により、〔レーザー光の波長9.3μm、エネルギー2.50mJ、パルス幅4μs、ショット数1回〕なる条件にて孔あけを行い、ビアホール(トップ径70μmを想定)を形成した。
なお、想定トップ径70μmを比較例と同じとするため、PETフィルムが接着した状態での孔あけにおけるマスク径は、後掲比較例(PETフィルム無しでの孔あけ)の場合のマスク径(1.0mm)よりも若干大きい1.1mmとした。その後、PETフィルム剥離し、電子顕微鏡(SEM)にてビアホールの観察を行い、ビアの形状、熱硬化性樹脂組成物へのダメージの評価を行った。その電子顕微鏡写真を図2Aに示す。
上記と同様条件でビアホール形成後、PETフィルムを剥離せずにデスミア処理を行った後、PETフィルムを剥離して、電子顕微鏡にてビアホールの観察を行った。その電子顕微鏡写真を図2Bに示す。なおデスミア処理は、アトテックジャパン(株)製の粗化液(スエリングディップ・セキユリガンド P(膨潤)、コンセントレート コンパクト P(酸化)、リダクションショリューシン セキュリガント P(中和)を用いて、膨潤60℃×5分、酸化80℃×20分、中和40℃×5分の工程を通すことで行った。
上記デスミア処理後の回路基板をPET剥離後、無電解ニッケル処理した。無電解ニッケル処理は、脱脂処理溶液(上村工業(株)社製 ACL−007)に50℃×5分、ソフトエッチング溶液(ペルオキソ二硫酸ナトリウム100g/L、硫酸18g/L)に1分、酸処理溶液(硫酸100g/L)に1分、プレディップ溶液(硫酸28.7/L)に1分、アクチベーター溶液(上村工業(株)社製 アクセマルタMNK−4)に30℃×2分、無電解ニッケル溶液(上村工業(株)社製 ニムデンNPR−4)に80℃×30分浸漬して行なった。ビアホール底に残存するスミアもなく、露出した銅層表面に良好にニッケル皮膜が形成された。
比較例1
本比較例では、上記実施例1と全く同様の条件にて、回路基板両面にソルダーレジスト層(約30μm)を形成した後、PETフィルムを剥離し、ソルダーレジスト層に直接的にレーザー光を照射してビアホールを形成した例を示す。
上記実施例1と同様に、回路基板両面にソルダーレジスト層(約30μm)を形成し、室温まで冷却した後、PETフィルムを剥離して、実施例1と同じ炭酸ガスレーザー装置により、〔レーザー光の波長9.3μm、エネルギー1.28mJ、パルス幅4μs、ショット数1回〕なる条件にて、ソルダーレジスト層に対する直接的な孔あけを行った。マスク径は1.0mmとした。
実施例1と同様に、電子顕微鏡にてビアホールの観察を行った。その電子顕微鏡写真を図3Aに示す。さらに、当該比較例と同様条件でビアホール形成後、露出したソルダーレジスト層に対するデスミア処理を行った後にも、電子顕微鏡にてビアホールの観察を行った。その電子顕微鏡写真を図3Bに示す。
図2Aの電子顕微鏡写真から分かるように、実施例1において、プラスチックフィルム上から炭酸ガスレーザーにより形成されたビアホールは、1mJを超える比較的高エネルギーの加工でも、ビア表面付近の樹脂ダメージが少ないことが分かる。
さらに、図2Bの電子顕微鏡写真から分かるように、プラスチックフィルムが接着した状態でデスミア処理されているため、デスミア後のソルダーレジスト層表面もダメージを受けることなく平滑な表面が維持されていることが分かる。
一方、図3Aの電子顕微鏡写真から分かるように、プラスチックフィルムを剥離後、絶縁層にレーザー光を直接的に照射してビアホールを形成した比較例1では、実施例1よりエネルギー値が低いにもかかわらず、ビア周辺の樹脂ダメージが大きいため、三日月状のダメージがビア周辺に顕著に観察される(図3Aの写真中に白い矢印で表示)。
また、図3Bの電子顕微鏡写真から分かるように、その後のソルダーレジスト層表面への直接的なデスミア処理にて樹脂層表面が荒らされ、無機充填材が露出するなどの変化が顕著となっている。
本発明によって、レーザー光を用いてソルダーレジスト層にビアホールを形成するに際して、該ソルダーレジスト層の表面に与えるダメージを抑制しながらも、該ビアホールの底に付着したスミアを除去する工程においても、ソルダーレジスト層表面に与えるダメージを抑制し得ることが可能となった。
本発明による製造方法の工程を概略的に説明するための模式図である。 本発明の実施例1によって得られた回路基板のビアホールとその周辺のソルダーレジスト層表面の状態を写した電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例1によって得られた回路基板に対して、PETフィルムを付けたままでデスミア処理を行い、該PETフィルムを剥離して、ビアホールとその周辺のソルダーレジスト層表面の状態を写した電子顕微鏡写真である。 比較例1によって得られた回路基板のビアホールとその周辺のソルダーレジスト層表面の状態を写した電子顕微鏡写真である。 比較例1によって得られた回路基板に対して、さらにデスミア処理を行った場合の、ビアホールとその周辺のソルダーレジスト層表面の状態を写した電子顕微鏡写真である。 従来の回路基板のソルダーレジスト層と該層に設けられたビアホールを概略的に示す断面図である。
符号の説明
1 ソルダーレジスト層
1a 熱硬化性樹脂組成物層
2 プラスチックフィルム
3 回路基板
3a 導体層
3b 絶縁層
4 ビアホール
L1 レーザー光

Claims (10)

  1. 回路基板上に形成されたソルダーレジスト層に、該ソルダーレジスト層表面に接着したプラスチックフィルム上から、レーザー光を照射してビアホールを形成する工程を含むこと特徴とする、回路基板の製造方法。
  2. プラスチックフィルム上に熱硬化性樹脂組成物層が形成された接着性フィルムを、熱硬化性樹脂組成物層が回路基板表面に接するように重ねて積層し、熱硬化性樹脂組成物を熱硬化してソルダーレジスト層を形成後、プラスチックフィルム層上よりレーザーを照射して、ビアホールを形成する工程を含むこと特徴とする、回路基板の製造方法。
  3. プラスチックフィルムが離型処理されており、プラスチックフィルムが離型処理面でソルダーレジスト層と接着している、請求項1又は2に記載の方法。
  4. プラスチックフィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. プラスチックフィルムの厚みが10〜50μmであり、ソルダーレジスト層の厚みが8〜50μmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. レーザー光の光源が炭酸ガスレーザー装置である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. ビアホールの形成後、プラスチックフィルムとソルダーレジスト層が接着した状態で、デスミア処理を行う工程をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. デスミア処理がアルカリ性過マンガン酸溶液により行われる、請求項7記載の方法。
  9. プラスチックフィルムをソルダーレジスト層から剥離する工程をさらに含む、請求項7又は8記載の方法。
  10. ビアホール底に露出した回路基板の導体層の表面処理を行う工程をさらに含む、請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法。
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