JP2010062419A - 零相変流器 - Google Patents
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Abstract
【課題】既設の配電線路に容易に設置することができ、しかも残留電流を最も小さくできる零相変流器を提供することである。
【解決手段】複数個の円弧状の鉄心部材13を接合させて環状に鉄心11を形成し、複数個の分割2次側コイル12は鉄心11への配置位置が移動可能に装着され、分割2次側コイル12を直列接続して分割2次側コイル12に発生した電流を出力端子19から出力する。そして、分割2次側コイル12を鉄心11に沿って移動させ、2次側コイル12に発生する残留電流が最も小さくなる分割2次側コイル12の位置を特定し、その特定された位置に分割2次側コイル12を配置する。
【選択図】図1
【解決手段】複数個の円弧状の鉄心部材13を接合させて環状に鉄心11を形成し、複数個の分割2次側コイル12は鉄心11への配置位置が移動可能に装着され、分割2次側コイル12を直列接続して分割2次側コイル12に発生した電流を出力端子19から出力する。そして、分割2次側コイル12を鉄心11に沿って移動させ、2次側コイル12に発生する残留電流が最も小さくなる分割2次側コイル12の位置を特定し、その特定された位置に分割2次側コイル12を配置する。
【選択図】図1
Description
本発明は、零相電流を検出する零相変流器に関する。
例えば、三相の6kV配電線の地絡電流は三相の零相変流器(ZCT)で検出される。すなわち、零相変流器は、配電線に地絡事故が発生した場合に発生する零相電流を検出し地絡方向継電器に入力する。地絡方向継電器は、零相変流器で検出された零相電流に基づいて配電線の地絡事故判定を行う。
図6は配電用変電所における配電系統の一例を示す系統図である。配電用変圧器21は、一次側の送電線の電圧を降圧して2次側の配電線に電力を供給するものであり、通常、2次側の母線22には複数の配電線が接続されている。図6では3系統の配電線23a〜23cが接続された場合を示している。各々の配電線23a〜23cは遮断器24a〜24cを介して負荷に電力を供給する。各々の配電線23a〜23cには零相変流器25a〜25cが配置され、零相変流器25a〜25cで検出された零相電流は、それぞれ地絡方向継電器26a〜26cに入力される。地絡方向継電器26a〜26cは零相変流器25a〜25cで検出された零相電流に基づいて配電線23a〜23cの地絡事故判定を行い、地絡事故と判定した場合には、地絡事故と判定した配電線23a〜23cの遮断器24a〜24cを開放する。
三相の零相変流器は、環状鉄心に2次側コイルを巻回し、1次側は環状鉄心で囲まれた空間に3相の導体を貫通して構成される。そして、1次側の3相の導体を流れる電流のベクトル和に対応した2次電流を零相電流として2次側コイルから取り出す。
このような零相変流器では、鉄心材料の透磁率、1次側導体の位置及び2次側コイルの巻き方や配置、鉄心の磁気飽和などの影響で、地絡電流(漏れ電流)がない場合であっても2次側コイルに残留電流が出力されることがある。残留電流は負荷電流に比例して変化する特性を有し、配電線には多くの高調波成分を含んだ電流が流れているため残留電流にも高調波成分が含まれる。また、残留電流は、鉄心を傾けたり、鉄心と導体との距離の変化により変化する。これは、鉄心と1次側導体との位置関係を変化させることにより磁路が変化し、その磁路の変化により残留電流が変化するためである。
零相変流器で検出された信号は、前述したように、地絡方向継電器に入力されて地絡事故の判定に使用されるので、零相変流器から残留電流が出力された場合には地絡方向継電器が誤動作する虞がある。地絡方向継電器は高感度に設定されているので、小さい残留電流であっても地絡方向継電器が誤動作する虞がある。誤動作防止のためには地絡方向継電器の感度を鈍くすることになるが、そうすると、微地絡事故を検出することができなくなる。
そこで、鉄心にパーマロイ等の高磁性体を使用し、負荷電流の流れる導体の間隔を所定寸法に保持して2次側コイルを分布巻きしたりして、残留電流が発生しないように零相変流器を製作している。
また、貫通形の零相変流器は鉄心が環状となっており、環状鉄心に導体を貫通させなければならないので、既設の配電線路に後から設置することが困難である。そこで、鉄心を分割して構成し、既設の導体を挟むように分割鉄心を接合するようにした分割形の零相変流器がある。このような分割形の零相変流器としては、2次側コイルを、巻き数及び長さを同じくした6個のコイルに分割し、その2個を半円状の各鉄心の中央に、他の4個を分割した鉄心の両端で噛合部にかからない位置に近設し、製作に熟練を要せず工数が低減され、しかも残留電流も少なくしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平1−214003号公報
しかし、特許文献1のものでは、分割した6個のコイルの配置位置は、予め決められた位置であるので、必ずしも残留電流が最小になるとは限らない。残留電流は、前述したように、鉄心材料の透磁率、1次側導体の位置及び2次側コイルの巻き方や配置、鉄心の磁気飽和などの影響を受けるので、分割したコイルを予め決められた位置に配置しただけでは残留電流は最小にならない。
本発明の目的は、既設の配電線路に容易に設置することができ、しかも残留電流を最も小さくできる零相変流器を提供することである。
本発明の零相変流器は、複数個の円弧状の鉄心部材を接合させて環状に形成された鉄心と、前記鉄心への配置位置が移動可能に装着される複数個の分割2次側コイルと、前記分割2次側コイルを直列接続して前記分割2次側コイルに発生した電流を出力する出力端子とを備え、前記分割2次側コイルを前記鉄心に沿って移動させ、前記2次側コイルに発生する残留電流が最も小さくなる前記分割2次側コイルの位置を特定し、その特定された位置に前記分割2次側コイルを配置することを特徴とする。
本発明によれば、複数個の円弧状の鉄心部材を接合させて環状に鉄心を形成しているので、既設の配電線路に容易に設置することができる。また、鉄心に装着する2次側コイルは、複数個に分割して移動可能に鉄心に配置され、分割された分割2次側コイルを鉄心に沿って移動させて2次側コイルに発生する残留電流が最も小さくなる位置を特定し、その特定された位置に分割2次側コイルを配置するので、残留電流が小さい零相変流器を提供できる。従って、零相変流器の出力を入力として動作する地絡方向継電器の誤動作を防止でき、微地絡事故も高感度に検出できる。
図1は本発明の実施の形態に係わる零相変流器の構成図である。図1に示すように、零相変流器は、鉄心11に複数個の分割2次側コイル12a〜12dが装着されて構成される。図1では4個の分割2次側コイル12a〜12dが装着された場合を示している。鉄心11は、複数個の鉄心部材13a、13bと、複数個の鉄心部材13a、13bを環状に固定する固定具14とから構成される。図1では2個の鉄心部材13a、13bである場合を示している。固定具14は、分割された2個の鉄心部材13a、13bの外周面の1周を巻回して配置され、固定具14の端部には留め部15a、15bが形成されている。そして、留め部15a、15bの間をボルト16及びナット17で固定することにより、固定具14で分割された2個の鉄心部材13a、13bを固定し鉄心11を形成する。
このように形成された鉄心11には、鉄心11への配置位置が移動可能に装着される4個の分割2次側コイル12a〜12dが装着されている。4個の分割2次側コイル12a〜12dは配線18にて直列接続され、分割2次側コイル12a〜12dに発生した電流を出力する出力端子19から外部に出力される。
図2は本発明の実施の形態に係わる零相変流器の鉄心部材の斜視図である。複数個の鉄心部材は環状の鉄心部材を複数個に分割して形成される。図2では、2個の鉄心部材13a、12bに分割された場合を示しており、これら2個の鉄心部材13a、13bは環状の鉄心部材を2分割して形成されることから、各々の鉄心部材13a、13bは円弧状に形成されることになる。そして、分割された部分を接合させて環状の鉄心部材とする。
図3は本発明の実施の形態に係わる零相変流器の鉄心の斜視図である。図3に示すように、分割された2個の鉄心部材13a、13bを接合して環状の鉄心部材とし、その環状の鉄心部材を固定具14で結合することにより環状の鉄心11を形成する。固定具14は、分割された2個の鉄心部材13a、13bの外周面の1周を巻回して配置され、留め部15a、15bでボルト16及びナット17で固定される。
次に、鉄心11への分割2次側コイル12の装着の仕方について説明する。図4は本発明の実施の形態に係わる零相変流器の鉄心の形成過程の斜視図、図5は分割2次コイル12の斜視図である。
図4に示すように、1個の鉄心部材13aの外周面に固定具14を接触させた状態の鉄心11の形成過程において、固定具14の留め部15a、15b部分の開口部から図5に示す分割2次側コイル12を挿入する。
分割2次側コイル12は、図5に示すように四角筒状に形成され、筒体の表面には絶縁被覆された導体27が巻回されている。分割2次側コイル12の筒体の貫通孔20は、鉄心部材13a及び固定具14の断面積より大きく形成され、鉄心部材13a及び固定具14を通すことができる大きさとなっている。そこで、分割2次側コイル12の貫通孔18を鉄心部材13a及び固定具14に通して、順次、4個の分割2次側コイル12を鉄心部材13a及び固定具14に挿入する。その後に、もう1個の鉄心部材13bを固定具14の内側に配置し、4個の分割2次側コイル12を鉄心部材13a、13b及び固定具14に挿入した状態で、留め部15a、15bをボルト16及びナット17で固定する。これにより、図1に示した零相変流器が得られる。
図1に示した零相変流器では、4個の分割2次側コイル12a〜12dは鉄心11上で摺動可能となっており、鉄心11上で配置位置が移動可能となっている。分割2次側コイル12a〜12dの配置位置は、直列接続された2次側コイル12a〜12dに発生する残留電流が最も小さくなる位置とする。
2次側コイル12a〜12dに発生する残留電流が最も小さくなる位置の特定は、以下のようにして行う。図1に示した零相変流器の環状の鉄心11で囲まれた空間に3相の導体を貫通し、その3相の導体に電流を流す。この状態で出力端子19にシンクロスコープを接続して、2次側コイル12a〜12dに発生する残留電流を測定する。4個の分割2次側コイル12a〜12dを鉄心に沿って移動させ、測定される残留電流が最も小さくなる位置を特定する。例えば、4個の分割2次側コイル12a〜12dのうちの2個の分割2次側コイルを固定しておき、別の2個の分割2次側コイルを動かして、測定される残留電流が最も小さくなる位置を特定する。その後に、最初に固定しておいた2個の分割2次側コイルを動かして、さらに測定される残留電流が最も小さくなる位置があるかどうかを確認して、さらに小さくなる位置があるときは、後で動かした2個の分割2次側コイルをその位置に固定する。
以上の説明では、4個の分割2次側コイル12a〜12dの場合について説明したが、5個以上の分割2次側コイル12としてもよいし、2個または3個の分割2次側コイル12としてもよい。また、鉄心11は、2個の鉄心部材13a、13bの場合について説明したが、3個以上に分割してもよい。さらに、分割2次側コイル12の配置位置を特定する際に、測定する残留電流に含まれる高調波成分が無視できない場合には、フィルタを用いて残留電流を測定するようにしてもよい。
本発明の実施の形態によれば、複数個の円弧状の鉄心部材13を接合させて環状に鉄心11を形成しているので、既設の配電線路に容易に設置することができる。また、鉄心11に装着する2次側コイル12は、複数個に分割して移動可能に鉄心11に配置し、分割された分割2次側コイル12を鉄心11に沿って移動させて2次側コイル12に発生する残留電流が最も小さくなる位置を特定し、その特定された位置に分割2次側コイル12を配置するので、残留電流が小さい零相変流器を提供できる。
その際に、配電線路の3相の導体が環状の鉄心11で囲まれた空間を貫通する位置は、環状の鉄心11で囲まれた空間のいずれの位置であってもよい。これは、3相の導体を環状の鉄心11で囲まれた空間に貫通させた後に、分割2次側コイル12を鉄心11に沿って移動させて2次側コイル12に発生する残留電流が最も小さくなる位置を特定するからである。
いま、配電線路の導体の負荷電流が230A、巻き数が400回の2次側コイルで2次電流が10mA(1次換算値4A)の残留電流が発生する零相変流器に対して、巻き数125回の4個の分割2次側コイルを用いて本発明の実施の形態を適用したところ、2次電流が0.028mA(1次換算値14.0mAの残留電流とすることができ、0.35%程度に残留電流を低減させることができた。この状況下においては、零相電流成分を50mA通電した場合に、確実にその電流値(波形)を確認できる。従って、零相変流器の出力を入力として動作する地絡方向継電器の誤動作も防止でき、微地絡事故も高感度に検出できる。
11…鉄心、12…分割2次側コイル、13…鉄心部材、14…固定具、15…留め部、16…ボルト、17…ナット、18…配線、19…出力端子、20…貫通孔、21…配電用変圧器、22…母線、23…配電線、24…遮断器、25…零相変流器、26…地絡方向継電器、27…導体
Claims (1)
- 複数個の円弧状の鉄心部材を接合させて環状に形成された鉄心と、前記鉄心への配置位置が移動可能に装着される複数個の分割2次側コイルと、前記分割2次側コイルを直列接続して前記分割2次側コイルに発生した電流を出力する出力端子とを備え、前記分割2次側コイルを前記鉄心に沿って移動させ、前記2次側コイルに発生する残留電流が最も小さくなる前記分割2次側コイルの位置を特定し、その特定された位置に前記分割2次側コイルを配置することを特徴とする零相変流器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008228037A JP2010062419A (ja) | 2008-09-05 | 2008-09-05 | 零相変流器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008228037A JP2010062419A (ja) | 2008-09-05 | 2008-09-05 | 零相変流器 |
Publications (1)
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JP2010062419A true JP2010062419A (ja) | 2010-03-18 |
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Family Applications (1)
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JP2008228037A Pending JP2010062419A (ja) | 2008-09-05 | 2008-09-05 | 零相変流器 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019152495A (ja) * | 2018-03-01 | 2019-09-12 | ミドリ電子株式会社 | 絶縁監視システム |
-
2008
- 2008-09-05 JP JP2008228037A patent/JP2010062419A/ja active Pending
Cited By (2)
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JP2019152495A (ja) * | 2018-03-01 | 2019-09-12 | ミドリ電子株式会社 | 絶縁監視システム |
JP7023138B2 (ja) | 2018-03-01 | 2022-02-21 | ミドリ電子株式会社 | 絶縁監視システム |
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