JP2010061871A - 端子金具付き電線の製造方法および端子金具付き電線 - Google Patents
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Abstract
【課題】カシメ片のカシメ付けにより芯線が跳ね上がって上方へ突出することを抑制することが可能な端子金具付き電線の製造方法および端子金具付き電線を提供する。
【解決手段】底板部16からカシメ片12Aを一体に延出してなる端子金具10を、底板部16とカシメ片12Aとで被覆電線20の芯線22を挟むようにカシメ加工して製造される端子金具付き電線1の製造方法であって、被覆電線20の芯線22を、その切断面が芯線22の軸線に直交する面に対して斜めとなる傾斜切断面24を有するように切断し、被覆電線20の露出された芯線22を、芯線22のカシメ片12Aから先方に突出する寸法の短い部分がカシメ加工時にカシメ片12Aに接する位置となるようにセットしてカシメ片12Aをカシメ付ける。
【選択図】図2
【解決手段】底板部16からカシメ片12Aを一体に延出してなる端子金具10を、底板部16とカシメ片12Aとで被覆電線20の芯線22を挟むようにカシメ加工して製造される端子金具付き電線1の製造方法であって、被覆電線20の芯線22を、その切断面が芯線22の軸線に直交する面に対して斜めとなる傾斜切断面24を有するように切断し、被覆電線20の露出された芯線22を、芯線22のカシメ片12Aから先方に突出する寸法の短い部分がカシメ加工時にカシメ片12Aに接する位置となるようにセットしてカシメ片12Aをカシメ付ける。
【選択図】図2
Description
本発明は、端子金具をカシメ加工して製造される端子金具付き電線の製造方法および端子金具付き電線に関する。
従来より、被覆電線の端末部に接続される端子金具として、例えば特許文献1に記載の端子金具が知られている。この端子金具は、相手側端子と接続される接続部の後方に、電線の端末部の露出された芯線にカシメ付けられるカシメ片が形成されてなるものである。カシメ片は、その全体が芯線をカシメ付けた状態になるよう、芯線の先端を前方に突出させた状態でカシメ付けられる。
特開2004−303526公報
ところで、カシメ片を芯線にカシメ付けると、芯線の先端(カシメ片から前方に突出した部分)が跳ね上がり、上方に突出する傾向がある。芯線の先端が跳ね上がって上方に突出していると、例えば、以下のような問題が生じる可能性がある。端子金具の接続部の後方に、端子金具の抜け止めを図るリテーナを嵌め込む場合、上方に突出している芯線により、リテーナが、正規の位置に嵌合することを邪魔される等の問題である。
さらに、近年においては、主に自動車のワイヤハーネス等の分野で従来より一般的に用いられていた銅合金からなる芯線に替えて、電線の軽量化等のためアルミニウム合金からなる芯線を用いることが多くなっている。アルミニウム合金は、銅合金に比べて酸化皮膜の除去が難しい等の理由から、接触抵抗の増大を防ぐための対策をとる必要があり、この対策の一つとして、カシメ片を、従来よりも強く芯線にカシメ付ける方法がある。しかし、従来よりも強く芯線をカシメ付けると、芯線の上方への突出は一層顕著になるという事情もある。このため、カシメ片のカシメ付けにより、芯線が跳ね上がって上方へ突出するのを抑制したいという要望があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、カシメ片のカシメ付けにより芯線が跳ね上がって上方へ突出することを抑制することが可能な端子金具付き電線の製造方法および端子金具付き電線を提供することを目的とする。
本発明の端子金具付き電線の製造方法は、底板部からカシメ片を一体に延出してなる端子金具を、前記底板部と前記カシメ片とで被覆電線の芯線を挟むようにカシメ加工して製造される端子金具付き電線の製造方法であって、前記被覆電線の芯線を、その切断面が前記芯線の軸線に直交する面に対して斜めとなる傾斜切断面を有するように切断し、前記被覆電線の露出された芯線を、前記芯線の前記カシメ片から先方に突出する寸法の短い部分が前記カシメ加工時に前記カシメ片に接する位置となるようにセットして前記カシメ片をカシメ付けることに特徴を有する。ここで、カシメ片をカシメ付けると、芯線のうちカシメ片から先方に突出する部分は、上側(カシメ加工時にカシメ片に接する側)に配された部分が最も大きく跳ね上がる。しかしながら、芯線は、傾斜切断面を有するように切断され、カシメ片から先方に突出する寸法の短い部分がカシメ加工時にカシメ片に接する位置となるようにセットされてカシメ付けられ、すなわち芯線のうち最も大きく跳ね上がる部分のカシメ片からの突出寸法が短くされているから、カシメ片のカシメ付けにより芯線が跳ね上がって突出することを抑制することができる。
また、前記傾斜切断面を、前記被覆電線の芯線の幅方向の全体に形成するものとしてもよい。
また、前記傾斜切断面を、前記被覆電線の芯線の幅方向の全体に形成するものとしてもよい。
本発明の端子金具付き電線は、底板部からカシメ片を一体に延出してなる端子金具を、前記底板部と前記カシメ片とで被覆電線の芯線を挟むようにカシメ加工して製造される端子金具付き電線であって、前記被覆電線の芯線は、その切断面が前記芯線の軸線に直交する面に対して斜めとなる傾斜切断面を有するように切断され、前記被覆電線の露出された芯線は、前記芯線の前記カシメ片から先方に突出する寸法の短い部分が前記カシメ加工時に前記カシメ片に接する位置となるようにセットして前記カシメ片にカシメ付けられていることに特徴を有する。
本発明によれば、カシメ片のカシメ付けにより芯線が跳ね上がって上方へ突出することを抑制することが可能な端子金具付き電線の製造方法および端子金具付き電線を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図1および図2によって説明する。
本実施形態における端子金具付き電線1は、被覆電線20の端末部に、雌側の端子金具10がカシメ付けられたものである。
端子金具10は、プレス成型機によって、平板な金属板から所定の展開形状に打ち抜かれたのち、折り曲げ成形されてなる。端子金具10は、相手の雄側端子(図示せず)と接続される接続部11と、その後方に順次に形成されたワイヤバレル12およびインシュレーションバレル13とを有している。以下、各構成部材において、図1の上側を上方、下側を下方、左側(接続部11側)を前方、右側を後方として説明する。
本実施形態における端子金具付き電線1は、被覆電線20の端末部に、雌側の端子金具10がカシメ付けられたものである。
端子金具10は、プレス成型機によって、平板な金属板から所定の展開形状に打ち抜かれたのち、折り曲げ成形されてなる。端子金具10は、相手の雄側端子(図示せず)と接続される接続部11と、その後方に順次に形成されたワイヤバレル12およびインシュレーションバレル13とを有している。以下、各構成部材において、図1の上側を上方、下側を下方、左側(接続部11側)を前方、右側を後方として説明する。
接続部11は、内部に弾性接触片(図示せず)を備えた前後方向に長い角筒状に折り曲げ形成され、前方から相手の雄側端子のタブ(図示せず)が挿入されて弾性接触片と接触するようになっている。
接続部11の後方には、被覆電線20の端末部が載置される底板部16が設けられている。底板部16は、接続部11を構成する周壁17のうち下側の下壁17Uから後方へ延びる前後方向に長い形状をなしている。底板部16の両側縁部16Sは、上方へ略直角に折り曲げられた形状をなしている。底板部16の両側縁部16Sの前端は、接続部11を構成する周壁17のうち短手方向に対向する一対の側壁17S(下壁17Uの短手方向の両側縁から上方に立ち上がる壁)に連なっている。底板部16の側縁部16Sの上縁(底板部16の両側縁)は、接続部11の上下方向の略中央に位置している。
接続部11の後方には、被覆電線20の端末部が載置される底板部16が設けられている。底板部16は、接続部11を構成する周壁17のうち下側の下壁17Uから後方へ延びる前後方向に長い形状をなしている。底板部16の両側縁部16Sは、上方へ略直角に折り曲げられた形状をなしている。底板部16の両側縁部16Sの前端は、接続部11を構成する周壁17のうち短手方向に対向する一対の側壁17S(下壁17Uの短手方向の両側縁から上方に立ち上がる壁)に連なっている。底板部16の側縁部16Sの上縁(底板部16の両側縁)は、接続部11の上下方向の略中央に位置している。
ワイヤバレル12は、接続部11から所定寸法だけ後方に離間した位置に設けられている。ワイヤバレル12は、底板部16に載置された被覆電線20の端末部のうち絶縁被覆23の端部から突出する芯線22にカシメ付けられるものである。ワイヤバレル12は、底板部16の両側縁から一対のカシメ片12Aが突出した形状をなしている。一対のカシメ片12Aは、折り曲げ成形後であって被覆電線20にカシメられる前の状態では、底板部16の両側縁部16Sから起立して対向した形状をなしている(図1参照)。
インシュレーションバレル13は、ワイヤバレル12から後方に離間した位置に設けられている。インシュレーションバレル13は、底板部16に載置された被覆電線20の絶縁被覆23にカシメ付けられるものである。インシュレーションバレル13は、底板部16の両側縁から一対のカシメ片13Aが突出した形状をなしている。一対のカシメ片13Aは、折り曲げ成形後であって被覆電線20にカシメられる前の状態では、底板部16の両側縁部16Sから起立して対向した形状をなしている(図1参照)。
被覆電線20は、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の多数本の素線21を撚り合わせた芯線22を、絶縁被覆23で覆ってなるアルミ電線である。被覆電線20の端末部は、絶縁被覆23が剥離され、芯線22が露出している。
被覆電線20の端末部において露出された芯線22の先端は、図1に示すように、斜めに切断され、幅方向の一端側(図1では上側)から他端側(同下側)に向かって少しずつ先方に突出する傾斜をなす傾斜切断面24が形成されている。傾斜切断面24は、芯線22のうちワイヤバレル12がカシメ付けられる部分(圧着部22Aと称する)よりも先方に突出する部分(突出部22Bと称する)の全体に形成されている。
被覆電線20の端末部において露出された芯線22の先端は、図1に示すように、斜めに切断され、幅方向の一端側(図1では上側)から他端側(同下側)に向かって少しずつ先方に突出する傾斜をなす傾斜切断面24が形成されている。傾斜切断面24は、芯線22のうちワイヤバレル12がカシメ付けられる部分(圧着部22Aと称する)よりも先方に突出する部分(突出部22Bと称する)の全体に形成されている。
芯線22の露出部分の長さ寸法は、一端側が最も短く、他端側が最も長くされている。芯線22の露出部分のうち一端側の前後方向の長さ寸法は、少なくともカシメ片12Aの前後方向の幅寸法よりも大きくされ、インシュレーションバレル13から絶縁被覆23の前端部を突出させた状態で、芯線22の一端側の先端がワイヤバレル12からわずかに前方に突出するか、もしくはワイヤバレル12の前縁と同じ位置に配される長さ寸法とされている。なお、突出部22Bのうち一端側の部分(ワイヤバレル12からの突出寸法が最も短い部分)を最短突出部22C、他端側の部分(ワイヤバレル12からの突出寸法が最も長い部分)を最長突出部22Dと称する。なお、最長突出部22Dの長さ寸法は、本実施形態では1mm程度とされている。
次に、被覆電線20の端末部に端子金具10を接続する作業について説明する。
まず、被覆電線20の端末部における芯線22の露出部分のうち突出部22Bを斜めに切断して傾斜切断面24を形成する。傾斜切断面24を形成する前の段階では、突出部22Bの先端は、被覆電線20の軸線に対して略直交をなす断面に切断されており、突出部22Bの長さ寸法は一定となっている。なお、本実施形態では、この段階における突出部22Bの長さ寸法を、被覆電線20の径寸法の大小にかかわらず1mm程度としている。
まず、被覆電線20の端末部における芯線22の露出部分のうち突出部22Bを斜めに切断して傾斜切断面24を形成する。傾斜切断面24を形成する前の段階では、突出部22Bの先端は、被覆電線20の軸線に対して略直交をなす断面に切断されており、突出部22Bの長さ寸法は一定となっている。なお、本実施形態では、この段階における突出部22Bの長さ寸法を、被覆電線20の径寸法の大小にかかわらず1mm程度としている。
突出部22Bを切断する切断用治具(図示せず)は、被覆電線20の端末部を載置可能な載置台と、載置台に載置された被覆電線20の突出部22Bを切断可能な切断刃とを有している。載置台は、被覆電線20の端末部が、切断時に所定の位置からずれないように固定可能な固定手段を有している。切断刃は、載置台の上方において昇降可能に備えられ、載置台の被覆電線20の設置方向(載置台に載置される被覆電線20の軸線方向)に対して所定の角度をなしている。所定の角度とは、被覆電線20の突出部22Bの全体を斜めに切断可能な角度、具体的には、突出部22Bの一端側における突出部22Bの根元位置(圧着部22Aとの境目位置)もしくは根元位置よりもわずかに前側の位置と、他端側における突出部22Bの先端位置とを通過する直線と被覆電線20の軸線とがなす角度である。
そして、被覆電線20の端末部を切断用治具の載置台に載せて固定し、切断刃を下降させて突出部22Bを切断する。なお、被覆電線20の径寸法が小さいほど、径寸法が大きいものに比べて先端が尖った形状になる。
そして、被覆電線20の端末部を切断用治具の載置台に載せて固定し、切断刃を下降させて突出部22Bを切断する。なお、被覆電線20の径寸法が小さいほど、径寸法が大きいものに比べて先端が尖った形状になる。
次いで、被覆電線20の端末部を、インシュレーションバレル13からワイヤバレル12にかけて挿入し、絶縁被覆23の端末部がインシュレーションバレル13の両カシメ片13Aの間に挿入され、芯線22の圧着部22Aがワイヤバレル12の両カシメ片12Aの間に挿入され、かつ芯線22の突出部22Bがワイヤバレル12の前方に配される位置に配置する。このとき、芯線22の最短突出部22Cを上側に向け、最長突出部22Dが底板部16の上面に接する向きにして、被覆電線20の端末部を底板部16に載置する。
次に、図示しないアンビルおよびクリンパ等の治具を用いてインシュレーションバレル13およびワイヤバレル12を順にカシメ付ける。インシュレーションバレル13は、絶縁被覆23の外周に巻き付いてカシメられる。
ワイヤバレル12は、両カシメ片12Aの先端が底板部16側に屈曲されて、芯線22の上面の幅方向略中央位置に食い込むようにカシメられ、また、ワイヤバレル12の前後両端部は末広がりのラッパ状に成形され、いわゆるベルマウス12Bが形成される(図2参照)。このとき、芯線22は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製であるから、芯線22の酸化皮膜を破壊するために、従来の銅製または銅合金製の芯線に、ワイヤバレル12をカシメ付ける場合に比べて、強い力で芯線22をカシメ付ける。すると、ワイヤバレル12のカシメ力によって、芯線22の突出部22Bが跳ね上がろうとする。このとき、芯線22の最短突出部22Cはベルマウス12Bに沿うように斜め姿勢になり、また最長突出部22Dは、底板部16から若干浮きつつもほぼ横ばいの姿勢になる。芯線22の突出部22Bは、全体として下側にいくにつれて立ち上がり角度(跳ね上がる程度)が小さくなっている。芯線22の突出部22Bの立ち上がり角度が下側にいくにつれて小さくなるのは、下側の部分は上側に重なっている素線21により立ち上りが規制されるからである。すると、突出部22Bのうち最も上側(カシメ加工時にカシメ片12Aに接する側)に配される部分は、そのような規制がないために最も大きく跳ね上がることになる。しかしながら、芯線22は、傾斜切断面24を有するように切断され、カシメ片12Aから先方に突出する寸法の短い部分が上側に位置するようにセットされてカシメ片12Aにカシメ付けられている。すなわち芯線22のうち最も大きく跳ね上がる部分の長さ寸法(カシメ片12Aからの突出寸法)が短くされているから、跳ね上がったとしても上方への突出寸法は非常に小さくなる。したがって、カシメ片12Aのカシメ付けにより芯線22が跳ね上がって上方に突出することを抑制することができる。
ワイヤバレル12は、両カシメ片12Aの先端が底板部16側に屈曲されて、芯線22の上面の幅方向略中央位置に食い込むようにカシメられ、また、ワイヤバレル12の前後両端部は末広がりのラッパ状に成形され、いわゆるベルマウス12Bが形成される(図2参照)。このとき、芯線22は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製であるから、芯線22の酸化皮膜を破壊するために、従来の銅製または銅合金製の芯線に、ワイヤバレル12をカシメ付ける場合に比べて、強い力で芯線22をカシメ付ける。すると、ワイヤバレル12のカシメ力によって、芯線22の突出部22Bが跳ね上がろうとする。このとき、芯線22の最短突出部22Cはベルマウス12Bに沿うように斜め姿勢になり、また最長突出部22Dは、底板部16から若干浮きつつもほぼ横ばいの姿勢になる。芯線22の突出部22Bは、全体として下側にいくにつれて立ち上がり角度(跳ね上がる程度)が小さくなっている。芯線22の突出部22Bの立ち上がり角度が下側にいくにつれて小さくなるのは、下側の部分は上側に重なっている素線21により立ち上りが規制されるからである。すると、突出部22Bのうち最も上側(カシメ加工時にカシメ片12Aに接する側)に配される部分は、そのような規制がないために最も大きく跳ね上がることになる。しかしながら、芯線22は、傾斜切断面24を有するように切断され、カシメ片12Aから先方に突出する寸法の短い部分が上側に位置するようにセットされてカシメ片12Aにカシメ付けられている。すなわち芯線22のうち最も大きく跳ね上がる部分の長さ寸法(カシメ片12Aからの突出寸法)が短くされているから、跳ね上がったとしても上方への突出寸法は非常に小さくなる。したがって、カシメ片12Aのカシメ付けにより芯線22が跳ね上がって上方に突出することを抑制することができる。
また、芯線22は、先端(突出部22B)をカシメ片12Aよりも前方に突出させた状態でカシメ付けられている。ここで、カシメ片12Aの前端よりも芯線22が後方に引っ込んだ位置に配された状態で、カシメ片12Aがカシメ付けられた場合には、カシメ片12Aと芯線22との接触面積が小さくなって接触抵抗が大きくなってしまう。しかしながら、本実施形態によれば、突出部22Bがカシメ片12Aよりも前側に突出しているから、確実にワイヤバレル12の全体が芯線22をカシメ付けた状態になり、そのような不良品の製造されるのを防ぐことができる。
上記のように構成された本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
被覆電線20の芯線22を、その切断面が芯線22の軸線に直交する面に対して斜めとなる傾斜切断面24を有するように切断し、被覆電線20の露出された芯線22を、芯線22のカシメ片12Aから先方に突出する寸法の短い部分がカシメ加工時にカシメ片12Aに接する位置となるようにセットしてカシメ片12Aをカシメ付けている。したがって、カシメ加工時に最も大きく跳ね上がる部分の長さ寸法が短くされているから、カシメ片12Aのカシメ付けにより芯線が跳ね上がって突出することを抑制することができる。
被覆電線20の芯線22を、その切断面が芯線22の軸線に直交する面に対して斜めとなる傾斜切断面24を有するように切断し、被覆電線20の露出された芯線22を、芯線22のカシメ片12Aから先方に突出する寸法の短い部分がカシメ加工時にカシメ片12Aに接する位置となるようにセットしてカシメ片12Aをカシメ付けている。したがって、カシメ加工時に最も大きく跳ね上がる部分の長さ寸法が短くされているから、カシメ片12Aのカシメ付けにより芯線が跳ね上がって突出することを抑制することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、端子金具付き電線1は、被覆電線20の端末部に、雌側の端子金具10がカシメ付けられたものとされているが、これに限らず、被覆電線20の端末部に、雄側の端子金具がカシメ付けられたものであってもよい。
(2)上記実施形態では、被覆電線20は、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の芯線22を有するアルミ電線とされているが、これに限らず、電線は、銅製または銅合金製の芯線を有するものであってもよく、この場合においても同様の効果を得ることができる。
(3)上記実施形態では、傾斜切断面24は、突出部22Bの全体に形成されているが、これに限らず、傾斜切断面は、突出部の一部分に形成されていてもよく、例えば、突出部の略半部分に傾斜切断面を形成し、略半部分には芯線の軸線に直交する直交切断面を形成するようにしてもよい。
(4)上記実施形態では、切断用治具は、被覆電線20の端末部を載置可能な載置台と、載置台に載置された被覆電線20の突出部22Bを切断可能な切断刃とを有するものとされているが、これに限らず、切断用治具は、電線の端末部を斜めに切断可能であればどのような形態のものであってもよく、例えば、切断刃が電線の上下に一対配され、上下の切断刃が接近して電線を切断するものであってもよい。
(5)上記実施形態では、予め絶縁被覆23の端末部を剥離して芯線22を露出させた状態で切断しているが、これに限らず、絶縁被覆23に覆われたままの状態で被覆電線20を斜めに切断し、その後、絶縁被覆23を剥離するようにしてもよい。
(6)上記実施形態では、芯線22は、多数本の素線21を撚り合わせてなる撚線とされているが、芯線は単芯線であってもよい。
(6)上記実施形態では、芯線22は、多数本の素線21を撚り合わせてなる撚線とされているが、芯線は単芯線であってもよい。
1…端子金具付き電線
10…端子金具
11…接続部
12A…カシメ片
16…底板部
20…被覆電線
22…芯線
24…傾斜切断面
10…端子金具
11…接続部
12A…カシメ片
16…底板部
20…被覆電線
22…芯線
24…傾斜切断面
Claims (3)
- 底板部からカシメ片を一体に延出してなる端子金具を、前記底板部と前記カシメ片とで被覆電線の芯線を挟むようにカシメ加工して製造される端子金具付き電線の製造方法であって、
前記被覆電線の芯線を、その切断面が前記芯線の軸線に直交する面に対して斜めとなる傾斜切断面を有するように切断し、
前記被覆電線の露出された芯線を、前記芯線の前記カシメ片から先方に突出する寸法の短い部分が前記カシメ加工時に前記カシメ片に接する位置となるようにセットして前記カシメ片をカシメ付けることを特徴とする端子金具付き電線の製造方法。 - 前記傾斜切断面を、前記被覆電線の芯線の幅方向の全体に形成することを特徴とする請求項1に記載の端子金具付き電線の製造方法。
- 底板部からカシメ片を一体に延出してなる端子金具を、前記底板部と前記カシメ片とで被覆電線の芯線を挟むようにカシメ加工して製造される端子金具付き電線であって、
前記被覆電線の芯線は、その切断面が前記芯線の軸線に直交する面に対して斜めとなる傾斜切断面を有するように切断され、
前記被覆電線の露出された芯線は、前記芯線の前記カシメ片から先方に突出する寸法の短い部分が前記カシメ加工時に前記カシメ片に接する位置となるようにセットして前記カシメ片にカシメ付けられていることを特徴とする端子金具付き電線。
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2008
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