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JP2010053048A - 苦味が緩和されたイルベサルタン含有医薬組成物 - Google Patents

苦味が緩和されたイルベサルタン含有医薬組成物 Download PDF

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JP2010053048A JP2008217051A JP2008217051A JP2010053048A JP 2010053048 A JP2010053048 A JP 2010053048A JP 2008217051 A JP2008217051 A JP 2008217051A JP 2008217051 A JP2008217051 A JP 2008217051A JP 2010053048 A JP2010053048 A JP 2010053048A
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Tomohiro Morino
寛啓 森野
Koichi Yasuda
康一 安田
Hiroyuki Nishii
宏行 西井
Makoto Matsuoka
誠 松岡
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Sumitomo Pharma Co Ltd
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Sumitomo Dainippon Pharma Co Ltd
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Abstract

【課題】 苦みが改善され、服用感が優れたイルベサルタン経口医薬組成物を提供する。嚥下困難な患者が服用しやすく、用量調整が可能なイルベサルタン経口医薬組成物を提供する。
【解決手段】 イルベサルタンおよびスクラロースを含有する経口医薬組成物。さらに、有機酸および/またはグレープフルーツ等の柑橘系香料、コーヒー香料、チェリー香料等の香料を含む、該経口医薬組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、イルベサルタンの不快な味が軽減され、服用感が改善されたイルベサルタン含有経口医薬組成物に関する。
イルベサルタン、すなわち2-Butyl-3-{4-[2-(1H-tetrazol-5-yl)phenyl]benzyl}-1,3-diazaspiro[4.4]non-1-en-4-oneは、長時間作用型アンジオテンシンII受容体拮抗剤であり、特に高血圧症の治療に有用である。イルベサルタンは、式:
Figure 2010053048
で示される構造を有し、その詳細については特許文献1に記載されている。
イルベサルタンは、上記疾患の治療のために、たとえば50〜300mgと比較的多量投与される。該薬物の特性として強い苦味を有するために、錠剤にフィルムコーティングを施すなど製剤上の工夫がなされることがある。
一方、患者の飲み易さの向上、患者特性に合わせた用量調整等のために、一般に、液剤(懸濁液剤を含む)、シロップ剤、散剤、顆粒剤、ドライシロップといった剤形が用いられている。また、最近では、高齢者や小児に適した剤形として、口腔内で速やかに崩壊する製剤に関する技術も多く開示されている。
しかしながら、これらの剤形は、服用の際に口腔内で味を発現しやすいために、薬物が不快な味を有すると服用しにくく、患者の服薬コンプライアンスの低下に結びつきやすい。このために、薬物の不快な味の遮断または軽減に関する方法として、これまでに多くの方法が提案されている。例えば、液剤、シロップ剤、散剤、細粒、顆粒剤、ドライシロップ等においては、甘味剤または香料を添加する方法が知られているほか、製剤法の工夫としては、固形製剤の場合には、マイクロカプセル化、コーティング、スプレードライ法等が用いられている。
イルベサルタンの有効量を含み、かつ飲みやすく服用性に優れた製剤を製造するには、これまで苦味の軽減において解決すべき問題が残されていた。したがって、苦味が軽減された良好な服用性を有し、かつ飲み込みが容易な経口医薬組成物があれば、患者の服薬コンプライアンス向上に役立つと考えられる。
米国特許第5270317号明細書
本発明が解決しようとする課題は、イルベサルタンの苦みが少ない製剤、とりわけ高濃度でも不快感が少なく服用しやすい製剤を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、イルベサルタンの苦味が高甘味度甘味料(特にスクラロースよりも高い甘味度を有するソーマチン)の添加によってほとんど軽減されないにも拘らず、スクラロースの添加によってイルベサルタンの苦味が服用可能なレベルまで軽減されることを初めて見出した。一般に、スクラロースの添加で薬物の苦味が改善されない場合、より甘いソーマチンの添加が有効であると考えられ、実際に、本発明者らの行なった実験では、苦味を有するアセトアミノフェンは、スクラロースの添加で苦味が改善されず、より甘いソーマチンの同量の添加で苦味が軽減された。このことから、イルベサルタンではより高い甘味度を有するソーマチンの添加が有効ではないにもかかわらず、スクラロースの添加が有効であることは驚くべきことである。この見地に基づいて、本発明者らは、イルベサルタンにスクラロースを加えた経口医薬組成物とすることによって、服用感が大幅に改善された経口医薬組成物が得られることを見出した。更に、有機酸を添加することにより苦味が軽減されること、また、コーヒー香料、グレープフルーツ等の柑橘系香料、またはチェリー香料を添加することにより苦味が軽減されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕イルベサルタンおよびスクラロースを含有する経口医薬組成物(以下、本発明の経口医薬組成物ともいう)。
〔2〕さらに、有機酸またはその塩あるいはそれらの溶媒和物を含む、上記〔1〕記載の経口医薬組成物。
〔3〕有機酸が、リンゴ酸、クエン酸および酒石酸から選ばれる1種以上である、上記〔2〕記載の経口医薬組成物。
〔4〕さらに、水溶性賦形剤を含む、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の経口医薬組成物。
〔5〕水溶性賦形剤が、D−マンニトールである、上記〔4〕記載の経口医薬組成物。
〔6〕さらに香料を含む、上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の経口医薬組成物。
〔7〕香料が、柑橘系香料、コーヒー香料またはチェリー香料である、上記〔6〕記載の経口医薬組成物。
〔8〕イルベサルタンに対するスクラロースの重量比が1:0.05〜1:0.3である、上記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の経口医薬組成物。
〔9〕1服用単位あたりのスクラロース含有量が5〜30mgである、上記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の経口医薬組成物。
〔10〕剤形が液剤、ゼリー剤、グミ剤、ドライシロップ、散剤、顆粒剤、細粒剤、チュアブル製剤、口腔内崩壊型細粒または口腔内崩壊錠である、上記〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の経口医薬組成物。
〔11〕剤形が液剤、ドライシロップ、散剤、顆粒剤、細粒剤、チュアブル製剤、口腔内崩壊型細粒または口腔内崩壊錠である、上記〔10〕記載の経口医薬組成物。
〔12〕(1)スクラロース、および(2)香料を添加することにより、イルベサルタンの不快な味をマスクする方法。
本発明によれば、イルベサルタンの苦みが改善され、服用感が優れたイルベサルタンの経口医薬組成物を提供することができる。これによって、成人はもとより、高齢者、小児等あらゆる年齢層の患者にとって、十分な量のイルベサルタンを容易に服用することが可能となる。
本発明によれば、液剤、ゼリー剤、グミ剤、シロップ剤、ドライシロップ、散剤、顆粒剤、細粒剤、チュアブル製剤、口腔内崩壊型散剤、口腔内崩壊型顆粒、口腔内崩壊型細粒、口腔内崩壊錠等の口腔内で味を発現しやすい剤形とした場合であっても、イルベサルタンの苦みを改善することができることから、嚥下困難な患者、高齢者、小児等にも服用がし易く、用量調整が可能であって、かつ、イルベサルタンの苦みが改善された経口医薬組成物を提供できる。
本発明の経口医薬組成物において、有効成分であるイルベサルタンの配合量としては、特に限定されるものではなく、剤形によっても異なるが、通常1製剤中に10〜300mgが挙げられ、好ましくは25〜200mgが挙げられる。本発明におけるイルベサルタンの濃度としては、特に限定されるものではないが、例えば懸濁液剤の場合には、好ましくは5〜350mg/mLが挙げられる。また、例えば水なしで服用可能な口腔内崩壊型の製剤の場合には、50〜700mg/gが挙げられる。
本発明の経口医薬組成物はスクラロースを含有する。
本発明におけるイルベサルタンとスクラロースの重量比としては、例えば1:0.01〜1:5が挙げられ、好ましくは、1:0.01〜1:1が挙げられ、特に好ましくは1:0.05〜1:0.3が挙げられる。また、1服用単位(1錠、1包または1本)あたりのスクラロースの配合量は、例えば1mg〜50mgが挙げられ、好ましくは2.5mg〜30mg、さらに好ましくは5〜30mgが挙げられる。
本発明の経口医薬組成物は、有機酸またはその塩あるいはそれらの溶媒和物を含むことが好ましい。
本発明における有機酸としては、例えばリンゴ酸、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸、アジピン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、グルコン酸、グルクロン酸またはこれらの混合物が挙げられる。有機酸の塩としては、薬学上許容される塩であれば特に限定されず、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、またはこれらの複塩が挙げられ、また、酸性水素が残存する酸性塩(例えば、クエン酸二ナトリウムなど)であってもよい。有機酸またはその塩の溶媒和物としては、水和物等が挙げられる。好ましい有機酸としては、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸等の2または3のカルボキシル基を有する有機酸が挙げられ、特に好ましくは、リンゴ酸、クエン酸が挙げられる。
スクラロースと有機酸またはその塩あるいはそれらの溶媒和物の重量比としては、特に限定されるものではないが、例えば1:0.01〜1:1が挙げられ、好ましくは1:0.01〜1:0.5が挙げられ、より好ましくは1:0.05〜1:0.5が挙げられ、さらに好ましくは1:0.1〜1:0.5が挙げられる。
本発明におけるイルベサルタンと有機酸またはその塩あるいはそれらの溶媒和物の重量比としては、例えば1:0.0005〜1:0.15が挙げられ、好ましくは、1:0.001〜1:0.1が挙げられ、特に好ましくは1:0.005〜1:0.05が挙げられる。また、1服用単位(1錠、1包または1本)あたりの有機酸の配合量は、例えば0.05mg〜15mgが挙げられ、好ましくは0.5mg〜5mgが挙げられる。
本発明の経口医薬組成物は、香料を含むことが好ましい。香料を配合することにより、より好ましい服用感が得られる。
本発明における香料としては、例えば、レモン、オレンジ、グレープフルーツ等の柑橘系香料、チェリー香料、パイン香料、フルーツ香料、ヨーグルトミックスフルーツ香料、コーヒー香料が挙げられる。中でも柑橘系香料(特に、グレープフルーツ香料)、チェリー香料、コーヒー香料が好ましい。
香料の配合量は特に限定されず、医薬製剤分野で通常用いられる量(例えば、製剤中に0.1w/w%以下)から適宜適量を選択すればよい。配合量の下限は特に限定されないが、好ましくは0.01w/w%以上である。
本発明の経口医薬組成物としては、経口投与できる剤形であれば特に限定されないが、液剤、ゼリー剤、グミ剤、シロップ剤、ドライシロップ、錠剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、チュアブル製剤、口腔内崩壊型散剤、口腔内崩壊型顆粒、口腔内崩壊型細粒または口腔内崩壊錠等の剤形が挙げられる。ここで、本明細書において、液剤には懸濁液剤が包含される。より好ましくは、服用時に水を必要としないことから時間、場所を選ばすに服用できる液剤、ゼリー剤、グミ剤、チュアブル製剤、口腔内崩壊型散剤、口腔内崩壊型顆粒、口腔内崩壊型細粒または口腔内崩壊錠が挙げられる。患者特性に合わせた用量調整が可能な見地からは、液剤、シロップ剤、ドライシロップ、散剤、顆粒剤、細粒剤、口腔内崩壊型散剤、口腔内崩壊型顆粒、口腔内崩壊型細粒等が好ましい。また、嚥下困難な患者、高齢者、小児にも服用がし易い見地からは、液剤、シロップ剤、ゼリー剤、グミ剤、ドライシロップ、散剤、顆粒剤、細粒剤、チュアブル製剤、口腔内崩壊型散剤、口腔内崩壊型顆粒、口腔内崩壊型細粒、口腔内崩壊錠等が好ましい。
本発明の経口医薬組成物においては、上記した以外にも、製剤分野において通常使用される無毒性かつ不活性な添加剤を添加することもできる。これらの添加剤としては、実質的に本発明の効果に影響を与えず、一般に医薬品添加剤として添加されるものが挙げられる。例えば、D−マンニトール、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、還元澱粉糖化物、還元パラチノース、タルク、カオリン、リン酸水素カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、結晶セルロース等の賦形剤、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム等の滑沢剤、軽質無水ケイ酸等の流動化剤、クロスポビドン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシメチルセルロース等の崩壊剤、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ポビドン(ポリビニルピロリドン)、ゼラチン、メチルセルロース、アラビアゴム末、ポリビニルアルコール、アルキルヒドロキシエチルセルロース等の結合剤、黄色三二酸化鉄等の着色剤、スクラロース以外の甘味剤、矯味剤、吸着剤、防腐剤、安定化剤、湿潤剤、帯電防止剤、pH調節剤、ポリソルベート類(例えば、ポリソルベート80)等の界面活性剤、トウモロコシデンプン等のデンプン、水等の溶剤、懸濁化剤等が挙げられる。特に、ドライシロップ、口腔内崩壊型散剤、口腔内崩壊型顆粒、口腔内崩壊型細粒、口腔内崩壊錠など、水なしで服用可能な経口固形剤の場合には水溶性賦形剤の添加により口腔内での崩壊性、溶解性が向上し、服用感がさらに良好になる。
水溶性賦形剤の例としてはソルビトール、D−マンニトール、マルチトール、還元澱粉糖化物、キシリトール、還元パラチノース、エリスリトールなどが挙げられ、これらはその2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。好ましい水溶性賦形剤としてはD−マンニトール、キシリトール、エリスリトールが挙げられ、さらに好ましくはD−マンニトール、エリスリトールが挙げられる。
本発明の経口医薬組成物における水溶性賦形剤の配合量としては、特に限定されないが、通常15〜75w/w%が挙げられ、好ましくは25〜50w/w%が挙げられる。
上記した水溶性賦形剤以外の添加剤の配合量は、特に限定されるものではなく、剤形に応じて、自体公知の量を適宜選択すればよい。
本発明の経口医薬組成物の製造方法としては、特に限定されず、公知の方法が挙げられるが、固形製剤の場合は、例えば、造粒方法として、押し出し造粒法、破砕造粒法、乾式圧密造粒法、流動層造粒法、転動造粒法、転動流動層造粒法、高速撹拌造粒法、練合造粒法が挙げられ、口腔内崩壊錠の場合には、湿式顆粒圧縮法、直接圧縮法等が挙げられる。
本発明の経口医薬組成物が錠剤(口腔内崩壊錠)の場合、たとえば以下の方法により製造することができる。イルベサルタンおよび任意の添加剤(例えば、水溶性賦形剤(例えば、D−マンニトール)、崩壊剤(例えば、クロスポビドン)、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン)、着色剤(例えば、黄色三二酸化鉄)等)を混合し、必要に応じて界面活性剤(例えば、ポリソルベート80)を含有させた結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)の水溶液で造粒し、乾燥後、スクラロースおよび任意の添加剤(例えば、香料(例えば、コーヒー香料、チェリー香料、グレープフルーツ香料)、有機酸(例えば、クエン酸、リンゴ酸)、滑沢剤(例えば、フマル酸ステアリルナトリウム)、流動化剤(例えば、軽質無水ケイ酸)等)を混合して、圧縮成形することで錠剤を得ることができる。
本発明の経口医薬組成物は、アンジオテンシンII受容体拮抗剤として、高血圧症の治療等に有用である。
本発明の経口医薬組成物は、ヒト等の哺乳類に対して、安全に経口投与することができる。
投与量は、年齢、体重、疾患の重症度等によって適宜選択し得るが、例えば、成人に対して、1日当たり、50〜300mgを投与する。
本発明はまた、(1)スクラロース、および(2)香料を添加することにより、イルベサルタンの不快な味をマスクする方法に関する。
イルベサルタンに対するスクラロースの添加量は、前述したスクラロースのイルベサルタンに対する重量比の例示と同様の範囲が挙げられる。香料としては、前述したと同様のものが挙げられる。香料の添加量は特に限定されず、医薬製剤分野で通常用いられる量(例えば、製剤中に0.1w/w%以下)から適宜適量を選択すればよい。添加量の下限は特に限定されないが、好ましくは製剤中に0.01w/w%以上である。
添加方法は特に限定されず、例えば、イルベサルタン、スクラロースおよび香料を自体公知の方法により、同一製剤中に含有させればよい。
本発明の方法によれば、イルベサルタンの不快な味をマスクすることができ、服用がし易くなる。
以下に、実施例、比較例および試験例を挙げて、更に具体的に説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
下記処方に従い、イルベサルタン、D−マンニトールおよびスクラロースを乳鉢で混合し、イルベサルタン散剤を得た。
Figure 2010053048
[比較例1]
実施例1のスクラロースをアスパルテーム、アセスルファムK、ソーマチン、ステビア、またはサッカリンNaにかえて、イルベサルタン散剤を得た。
[比較例2]
実施例1のスクラロースをD−マンニトールにかえて、イルベサルタン散剤を得た。
[試験例1]
実施例1および比較例1、2の製剤を1分間口に含んで吐き出し、吐き出し後1分および5分の時点で感じた苦味を以下の基準でスコア化した。
1:苦味をほとんど感じない
2:苦味を感じる
3:強い苦味を感じる
4:耐え難い苦味を感じる
Figure 2010053048
スクラロースを含む実施例1の製剤は、苦味が軽減されて服用可能なレベルであったが、その他の高甘味度甘味料を含む比較例1、および高甘味度甘味料を含有しない比較例2の製剤は、許容レベル以下まで苦味を低下させることはできなかった。
[実施例2]
下記処方に従い、トウモロコシデンプン(造粒用)および黄色三二酸化鉄を予備混合したのち、イルベサルタン、D−マンニトール、クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10、ISP社製)とともに小型万能混合機(調剤ミキサー、株式会社品川工業所製)に仕込み、混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達製)水溶液を添加して練合した。練合物を乾燥し、整粒した。得られた造粒物に、スクラロース、トウモロコシデンプン(粉末混合用)、コーヒー香料、軽質無水ケイ酸およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA社製)を混合後、単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、直径8mm、曲率半径12mmの円形錠用金型にて、約4kNの圧縮力で成型し、錠剤を得た。
Figure 2010053048
[実施例3]
下記処方に従い、トウモロコシデンプン(造粒用)および黄色三二酸化鉄を予備混合したのち、イルベサルタン、D−マンニトール、クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10、ISP社製)とともに小型万能混合機(調剤ミキサー、株式会社品川工業所製)に仕込み、混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達製)水溶液を添加して練合した。練合物を乾燥し、整粒した。得られた造粒物に、スクラロース、トウモロコシデンプン(粉末混合用)、コーヒー香料、軽質無水ケイ酸およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA社製)を混合後、単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、直径8mm、曲率半径12mmの円形錠用金型にて、約4kNの圧縮力で成型し、錠剤を得た。
Figure 2010053048
[実施例4]
下記処方に従い、トウモロコシデンプン(造粒用)および黄色三二酸化鉄を予備混合したのち、イルベサルタン、D−マンニトール、クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10、ISP社製)とともに小型万能混合機(調剤ミキサー、株式会社工業所製)に仕込み、混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達製)水溶液を添加して練合した。練合物を乾燥し、整粒した。得られた造粒物に、スクラロース、トウモロコシデンプン(粉末混合用)、クエン酸、チェリー香料、軽質無水ケイ酸およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA社製)を混合後、単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、直径8mm、曲率半径12mmの円形錠用金型にて、約4kNの圧縮力で成型し、錠剤を得た。
Figure 2010053048
[実施例5]
下記処方に従い、トウモロコシデンプン(造粒用)および黄色三二酸化鉄を予備混合したのち、イルベサルタン、D−マンニトール、クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10、ISP社製)とともに小型万能混合機(調剤ミキサー、株式会社品川工業所製)に仕込み、混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達製)およびポリソルベート80(NIKKOL TO−10MV、日光ケミカルズ製)を水に溶解した液を添加して練合した。練合物を乾燥し、整粒した。得られた造粒物に、スクラロース、トウモロコシデンプン(粉末混合用)、リンゴ酸、グレープフルーツ香料、軽質無水ケイ酸およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA社製)を混合後、単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、直径8mm、曲率半径12mmの円形錠用金型にて、約4kNの圧縮力で成型し、錠剤を得た。
Figure 2010053048
[実施例6]
下記処方に従い、トウモロコシデンプン(造粒用)および黄色三二酸化鉄を予備混合したのち、イルベサルタン、D−マンニトール、クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10、ISP社製)とともに小型万能混合機(調剤ミキサー、株式会社品川工業所製)に仕込み、混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達製)水溶液を添加して練合した。練合物を乾燥し、整粒した。得られた造粒物に、スクラロース、トウモロコシデンプン(粉末混合用)、コーヒー香料、軽質無水ケイ酸およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA社製)を混合後、単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、直径8mm、曲率半径12mmの円形錠用金型にて、約4kNの圧縮力で成型し、錠剤を得た。
Figure 2010053048
[実施例7]
下記処方に従い、トウモロコシデンプン(造粒用)および黄色三二酸化鉄を予備混合したのち、イルベサルタン、D−マンニトール、クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10、ISP社製)とともに小型万能混合機(調剤ミキサー、株式会社品川工業所製)に仕込み、混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達製)水溶液を添加して練合した。練合物を乾燥し、整粒した。得られた造粒物に、スクラロース、トウモロコシデンプン(粉末混合用)、コーヒー香料、軽質無水ケイ酸およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA社製)を混合後、単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、直径8mm、曲率半径12mmの円形錠用金型にて、約4kNの圧縮力で成型し、錠剤を得た。
Figure 2010053048
[比較例3]
実施例3のスクラロースをアスパルテームに変えて、錠剤を製造した。
[比較例4]
実施例4のスクラロースをアセスルファムKに変えて、錠剤を製造した。
[比較例5]
実施例5のスクラロースをソーマチンに変えて、錠剤を製造した。
[試験例2]
実施例2〜7および比較例3〜5で調製した製剤について、官能試験を実施した。製剤を1分間口に含んで吐き出し、吐き出し後1分および5分の時点で感じた苦味を以下の基準でスコア化した。
1:苦味をほとんど感じない
2:苦味を感じる
3:強い苦味を感じる
4:耐え難い苦味を感じる
結果を表9に示す。本発明の実施例2〜7の製剤は、苦味が軽減されていたのに対し、比較例3〜5の製剤は非常に苦く、また、苦味が持続した。
Figure 2010053048
本発明によって、苦みが改善され、服用感が優れたイルベサルタン経口医薬組成物を提供することが可能となる。嚥下困難な患者が服用しやすくなるばかりでなく、用量調整が可能なために、患者に合わせた投薬が可能になる。

Claims (12)

  1. イルベサルタンおよびスクラロースを含有する経口医薬組成物。
  2. さらに、有機酸またはその塩あるいはそれらの溶媒和物を含む、請求項1記載の経口医薬組成物。
  3. 有機酸が、リンゴ酸、クエン酸および酒石酸から選ばれる1種以上である、請求項2記載の経口医薬組成物。
  4. さらに、水溶性賦形剤を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の経口医薬組成物。
  5. 水溶性賦形剤が、D−マンニトールである、請求項4記載の経口医薬組成物。
  6. さらに香料を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の経口医薬組成物。
  7. 香料が、柑橘系香料、コーヒー香料またはチェリー香料である、請求項6記載の経口医薬組成物。
  8. イルベサルタンに対するスクラロースの重量比が1:0.05〜1:0.3である、請求項1〜7のいずれかに記載の経口医薬組成物。
  9. 1服用単位あたりのスクラロース含有量が5〜30mgである、請求項1〜8のいずれかに記載の経口医薬組成物。
  10. 剤形が液剤、ゼリー剤、グミ剤、ドライシロップ、散剤、顆粒剤、細粒剤、チュアブル製剤、口腔内崩壊型細粒または口腔内崩壊錠である、請求項1〜9のいずれかに記載の経口医薬組成物。
  11. 剤形が液剤、ドライシロップ、散剤、顆粒剤、細粒剤、チュアブル製剤、口腔内崩壊型細粒または口腔内崩壊錠である、請求項10記載の経口医薬組成物。
  12. (1)スクラロース、および(2)香料を添加することにより、イルベサルタンの不快な味をマスクする方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012051829A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Taiyo Yakuhin Kogyo Kk 安定なアンジオテンシii受容体拮抗作用を示す薬物製剤の設計
JP2017081855A (ja) * 2015-10-28 2017-05-18 大原薬品工業株式会社 アンジオテンシンii受容体拮抗薬を含有する口腔内崩壊錠

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JP2012051829A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Taiyo Yakuhin Kogyo Kk 安定なアンジオテンシii受容体拮抗作用を示す薬物製剤の設計
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