JP2010050313A - 薄膜転写方法及び薄膜電子デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便に基板を剥離することができる薄膜転写方法を提供する。また、基板の大型化や量産化にも容易に対応可能な薄膜転写方法を提供する。
【解決手段】表面に剥離層と前記剥離層上の薄膜転写層を備えた第一の基板を、接着層を表面全体に備えた第二の基板と接着させた後、前記薄膜転写層が剥離した第一の基板と前記薄膜転写層が接着した第二の基板に分離させる薄膜転写方法であって、前記第一の基板または前記第二の基板を通して前記剥離層に光を照射する第一の工程と、ブレード(170)により前記剥離層の少なくとも一部に切り込みを入れる第二の工程と、前記切り込み近傍から気体を吹き込み剥離を誘発し、前記剥離層全面まで剥離を広げる第三の工程と、前記第一の基板を前記第二の基板から遠ざけ一定位置に固定する第四の工程と、を備える。このように切り込みを入れた後、切り込み近傍から気体を吹き込み、一気に剥離を行う。
【選択図】図12
【解決手段】表面に剥離層と前記剥離層上の薄膜転写層を備えた第一の基板を、接着層を表面全体に備えた第二の基板と接着させた後、前記薄膜転写層が剥離した第一の基板と前記薄膜転写層が接着した第二の基板に分離させる薄膜転写方法であって、前記第一の基板または前記第二の基板を通して前記剥離層に光を照射する第一の工程と、ブレード(170)により前記剥離層の少なくとも一部に切り込みを入れる第二の工程と、前記切り込み近傍から気体を吹き込み剥離を誘発し、前記剥離層全面まで剥離を広げる第三の工程と、前記第一の基板を前記第二の基板から遠ざけ一定位置に固定する第四の工程と、を備える。このように切り込みを入れた後、切り込み近傍から気体を吹き込み、一気に剥離を行う。
【選択図】図12
Description
本発明に係る一態様は、薄膜転写方法及び薄膜電子デバイスの製造方法に関する。
薄膜トランジスタ等を含んで構成される薄膜電子デバイスの製造方法の1つに、転写元基板上に形成された被転写体(薄膜電子デバイス)を、転写先基板に転写するものが知られている。このような製造方法によれば、薄膜電子デバイスを形成する際のプロセス温度に耐えられないような種々の基板上に薄膜電子デバイスを形成することができ、例えばフレキシブルな基板上にも薄膜電子デバイスを形成することが可能となる。
上記薄膜電子デバイスの製造方法は、例えば、被転写体が形成された転写元基板と転写先基板とを接着剤を介して貼り合わせ、被転写体を転写先基板側に固着させた状態で、転写元基板を転写先基板から剥離する工程が含まれる。この剥離の方法として、特許文献1には、転写元基板と転写先基板との積層界面に空気等の流体を噴射しながら両基板を引き離す方向に力を印加して剥離する方法が開示されている。
特開2005− 89007号公報
しかしながら、上記の方法においては、例えば比較的小さな基板に対しては有効であるが、基板が大型化した場合、流体が基板の中心に届きにくいとか、部分的に剥離していない箇所が発生しやすい等、スムーズに剥離が進行しない課題が生じていた。
そこで、本発明に係る幾つかの態様は、簡便にかつ確実に基板を剥離することができる薄膜転写方法を提供することを目的とする。また、基板の大型化や量産化にも容易に対応可能な薄膜転写方法を提供することを目的とする。
本発明に係る薄膜転写方法は、表面に剥離層と前記剥離層上の薄膜転写層を備えた第一の基板を、接着層を表面全体に備えた第二の基板と接着させた後、前記薄膜転写層が剥離した第一の基板と前記薄膜転写層が接着した第二の基板に分離させる薄膜転写方法であって、前記第一の基板または前記第二の基板を通して前記剥離層に光を照射する第一の工程と、ブレードにより前記剥離層の少なくとも一部に切り込みを入れる第二の工程と、前記切り込み近傍から気体を吹き込み剥離を誘発し、前記剥離層全面まで剥離を広げる第三の工程と、前記第一の基板を前記第二の基板から遠ざけ一定位置に固定する第四の工程と、を備える。
かかる方法によれば、第二の工程により切り込みを入れた後、第三の工程において、前記切り込み近傍から気体を吹き込み、一気に剥離を行うことで、気体を剥離面全面に行渡らせることができ、また、剥離面全面に常時気体を吹きかけることが可能となり、基板間の再付着を防止することができる。
上記薄膜転写方法において、前記第二の基板は前記第一の基板より大きい。かかる方法によれば、ブレードを差し込みやすくなる。
上記薄膜転写方法において、前記第一の基板と前記第二の基板のうち少なくとも一方は、光透過性である。かかる方法によれば、第一の工程で目的の剥離層へ効率良く光を照射することができる。
上記薄膜転写方法において、前記光は、レーザ光である。レーザー光を剥離層に照射し、剥離層の構造を例えばアモルファスから多結晶に変化させる。この際、剥離層の体積に変化が生じ、基板との間に微小な間隙が形成され基板との剥離が容易になる。
上記薄膜転写方法において、前記第三の工程の実施時に、前記第一の基板を、前記第二の基板と逆方向に1〜10mm離すように引っ張り応力を印加することを特徴とする薄膜転写方法。このように剥離後の基板間隔を1mm以上とすることで、両基板の再付着を防止することができる。また、剥離後の基板間隔を10mm以下とすることで、基板の撓みを抑えて基板及び被転写体の破損を防止することができる。
上記薄膜転写方法において、前記気体を吹き込むノズルを2箇所以上設ける。かかる方法によれば、剥離をより容易に行うことができる。
本発明に係る薄膜電子デバイスの製造方法は、上記薄膜転写方法を用いる。かかる方法によれば、薄膜電子デバイスを構成する基板への薄膜転写の際、基板間を簡便に剥離することができ、また、基板の大型化や量産化にも容易に対応することができる。
<実施形態1>
以下、図面を参照し、薄膜電子デバイスの製造方法(薄膜転写方法)の実施形態について説明する。なお、同一の機能を有するものには同一もしくは関連の符号を付し、その繰り返しの説明を省略する。また、各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際のものとは適宜に異ならせてある。
以下、図面を参照し、薄膜電子デバイスの製造方法(薄膜転写方法)の実施形態について説明する。なお、同一の機能を有するものには同一もしくは関連の符号を付し、その繰り返しの説明を省略する。また、各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際のものとは適宜に異ならせてある。
(薄膜電子デバイスの製造方法)
図1は、本実施形態に係る薄膜電子デバイスの製造方法を示すフローチャートである。図2から図7は、薄膜電子デバイスの製造工程を示す模式図であり、各図(a)は斜視図、各図(b)は各図(a)中のA−A線ないしF−F線における断面図である。本実施形態の薄膜電子デバイスの製造方法は、転写元のガラス基板30上に形成された被転写体34(図2)を、転写先基板40(図7)に転写する工程を有している。転写先基板40上に転写された被転写体34が、上記薄膜電子デバイスに対応する。以下、図1のフローチャートに沿って詳述する。
図1は、本実施形態に係る薄膜電子デバイスの製造方法を示すフローチャートである。図2から図7は、薄膜電子デバイスの製造工程を示す模式図であり、各図(a)は斜視図、各図(b)は各図(a)中のA−A線ないしF−F線における断面図である。本実施形態の薄膜電子デバイスの製造方法は、転写元のガラス基板30上に形成された被転写体34(図2)を、転写先基板40(図7)に転写する工程を有している。転写先基板40上に転写された被転写体34が、上記薄膜電子デバイスに対応する。以下、図1のフローチャートに沿って詳述する。
工程S1では、転写元基板30上に、剥離層32、被転写体(転写層、薄膜転写層)34をこの順に形成する(図2)。
より詳しくは、まず転写元基板30上に剥離層32を形成する。転写元基板30は、例えば略矩形状であり、石英基板やガラス基板を用いることができる。転写元基板30は、被転写体34を転写前後で変わらず維持できるものであれば良く、可撓性を有するフィルムのように剛性を有しないものでもよい。ただし、被転写体34のプロセス温度に耐え得るような耐熱性を備えていることが必要である。例えば、被転写体34を形成する際の最高温度をTmaxとしたとき、歪点(ガラス転移温度Tg又は軟化点)がTmax以上のものを用いることが望ましい。低温ポリシリコン半導体層を備えた被転写体34を形成する場合には、歪点が350℃以上であることが好ましく、500℃以上であることがより好ましい。
剥離層32は、エネルギーの付与によって層内又は界面において剥離(以下、「層内剥離」又は「界面剥離」という)を生じるような性質を有するものであり、好ましくは、光の照射により剥離層32を構成する物質の原子間又は分子間の結合力が消失又は減少すること、すなわち、層内剥離又は界面剥離に至るものがよい。例えばモノシランガスを用いて、500〜600℃の温度下で基板を加熱しながら形成したアモルファスシリコンを剥離層32として用いることができる。アモルファスシリコン膜の膜厚は、50〜200オングストローム(Å=10-10m)である。続いて、剥離層32に重ねて被転写体34を形成する。被転写体34は、薄膜電子デバイスとして完成した後に適用する電子デバイスの大きさに合わせた領域に形成する。本実施形態では、転写元基板30上に4つの被転写体34を形成する。被転写体34と同層には、薄膜電子デバイスとしての機能を持たない枠部35も同時に形成される。本実施形態では、隣り合う被転写体34の間の領域と、転写元基板30の周辺部に枠部35が形成されている。被転写体34及び枠部35の厚さは略同一となっており、一繋がりに結合していてもよく、互いに分離していてもよい。
ここで、被転写体34は、例えば薄膜トランジスタ、薄膜ダイオード、シリコンPIN接合からなる光電変換素子(光センサ、太陽電池)、シリコン抵抗素子、電極、スイッチング素子、メモリ、圧電素子等のアクチュエータ、マイクロミラー(ピエゾ薄膜セラミックス等)、磁気記録薄膜ヘッド、コイル、インダクタ、抵抗、キャパシタ、薄膜高透磁材料及びそれらを組み合わせたマイクロ磁気デバイス、フィルタ、反射膜、ダイクロイックミラー、その他の能動素子、受動素子を問わない単体の素子、一定の機能を奏するように素子が集積され配線された集積回路等の回路(チップ)、複数の素子の組み合わせからなる回路の一部、集積回路等の回路を1以上組み合わせて一定の機能を奏するように構成された装置の全部または一部とすることができる。
被転写体34及び枠部35の表面に対しては、後述の接着剤(接着層)38(図4)との密着性を向上させるために、あらかじめプラズマ処理、コロナ処理等の方法で表面処理を行ってもよい。また、被転写体34及び枠部35と、剥離層32との間には、それぞれの特性に合わせて、密着性向上を目的とした中間層を設けてもよい。この中間層は、例えば製造時または使用時において被転写体34を物理的、化学的に保護する保護層、絶縁層、あるいは被転写体34へのガス、水分等の侵入を阻止するバリア層、反射層としての機能の少なくとも一つを有するものである。
次に、工程S2では、転写元基板30のうち、被転写体34が形成された側の面に、囲み部材(シール剤)36を形成する(図3)。より詳しくは、転写元基板30上のうち、平面視で被転写体34と重なる領域を除いた枠状の領域(すなわち枠部35上)に囲み部材36を形成する。ここで平面視とは、転写元基板30の法線方向から見ることをいう。
囲み部材36の形成は、接着剤38(図4)を囲み部材36内に保持できる十分な強さと高さを維持できればどのような方法、部材を用いて行っても構わない。工程S2は、例えば、囲み部材36の形成材料を、ディスペンサ塗布法、スクリーン印刷法、液滴吐出法等によって転写元基板30上に塗布する工程と、囲み部材36の形成材料を硬化させて囲み部材36を形成する工程とを含む。囲み部材36の高さは、被転写体34の凹凸を十分に埋める接着剤38を保持可能な高さであればよい。
囲み部材36の形成材料は、紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等、硬化後に適度な強度を持つものであれば任意の材料を用いることができ、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコン系紫外線硬化型樹脂、湿熱紫外線併用硬化型樹脂等を用いることができる。これらの樹脂は、粘度が低いと塗布後直ちに形状が変化してしまうため、ある程度の粘度を有していることが好ましい。また、ディスペンサを用いて塗布する場合には、吐出に要する圧力が高くなりすぎないよう、粘度を一定の値以下とすることが好ましい。これらの観点から、容易に塗布可能で、かつ形状変化が少ない粘度範囲としては、10〜100Pa・s、好ましくは20〜50Pa・sを選択することができる。また、囲み部材36の高さは、後述の転写工程(工程S5)における剥離の際に、くさび形状のものを差し込みやすい寸法にしておくことが好ましい。具体的には、くさびの先端から十分な長さが差し込めるように、例えば、50〜 200μmの高さにすることが好ましい。また、くさびの進入をより容易にするためには、囲み部材36の幅を出来うる限り細く形成することが好ましい。この場合、囲み部材36の材質、転写先基板40及び転写元基板30との接着性等にも依存するが、囲み部材36の幅は、例えば5mm以下、より好適には1mm以下とすることが好ましい。
囲み部材36には、転写元基板30と転写先基板40とを貼り合わせる際(図5)に基板間ギャップを均一化するために、スペーサーを混合してもよい。スペーサーとしては、シリカ微粒子やプラスチック微粒子等の粒径の整ったものが用いられる。
次に、工程S3では、転写元基板30上のうち囲み部材36に囲まれた領域(被転写体34に対応する領域)に接着剤38を塗布する(図4)。接着剤38の塗布は、例えばディスペンサ等の液体精密定量吐出装置によって行われる。より詳しくは、接着剤38塗布用ディスペンサのノズルを、囲み部材36の内側に移動させ、そこで所定量の接着剤38を塗布する。塗布される接着剤38の量は、転写元基板30と転写先基板40とを貼り合わせた際に生じるギャップの体積分となるように調整する。量が多すぎると接着剤38が貼り合わせ後に漏れる等の不具合が生じ、少なすぎると貼り合わせを行った後に基板が均一な厚みにならない等の不具合が生じる。
接着剤38の種類としては、反応性硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、光硬化型接着剤(紫外線硬化型接着剤等)、嫌気硬化型接着剤、その他の各種硬化型接着剤を用いることができる。具体的には、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、シリコン系接着剤、天然ゴム系接着剤、ポリウレタン系接着剤、フェノール系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ポリイミド系接着剤、ポリアミド系接着剤等を用いることができ、これらを目的に合わせて変性する等してもよい。
次に、工程S4では、転写元基板30と転写先基板40とを、囲み部材36及び接着剤38を介して貼り合わせる(図5)。貼り合わせの際に基板間に気泡が混入することを防ぐために、減圧下で貼り合わせを行ってもよい。ここで、転写先基板40は、最終的に被転写体34が配置される基板であり、例えば、略矩形状のガラス、石英、樹脂、金属等、被転写体34を転写したい任意の大きさ、材質の基板とすることができ、可撓性を有する基板としてもよい。この貼り合わせの際には、被転写体34と転写先基板40とが、囲み部材36を介して対向した状態となるので、被転写体34と転写先基板40との間隔を、囲み部材36の高さに揃えることができる。
貼り合わせ後には、接着剤38を所定の方法で硬化させる。接着剤38の硬化方法としては、例えば熱硬化型の接着剤38を使用している場合においては基板全体の温度を上げたり、レーザー光や水銀ランプ光を照射したりして一部の温度を上昇させて接着剤38を順次硬化させる。光硬化型(紫外線硬化型)の接着剤38を使用している場合には転写先基板40側から紫外線を照射して硬化させる。したがって、接着剤38が光硬化型である場合には、転写先基板40は透明であることが望ましい。
接着剤38に紫外線硬化性の樹脂を用いた場合には、接着剤38を硬化させる工程は、接着剤38と、囲み部材36の形成に用いられた紫外線硬化性樹脂との双方に紫外線を照射する工程を含むことが好ましい。このような方法によれば、囲み部材36を形成する際の硬化工程において紫外線硬化性樹脂の硬化が不十分であっても、接着剤38の硬化の際に再硬化させて十分な強度の囲み部材36を形成することが可能である。また、接着剤38を硬化させるための紫外線により、囲み部材36を構成する紫外線硬化性樹脂も同時に一つの工程で硬化させることも可能である。
最後に、工程S5では、転写元基板30から転写先基板40へ、被転写体34を転写する。この工程では、まず、転写元基板30の剥離層32に対して基板の下側から光Lを照射する(図6)。ここで、剥離層32は、アモルファスシリコンが用いられているため、光Lの照射によって転写元基板30との間で剥離が生じる。照射する光Lとしては、剥離層32に層内剥離又は界面剥離を起こさせるものであればいかなるものでもよい。例えば、レーザー光をアモルファスシリコン(剥離層)に照射し、多結晶化させ、剥離層の体積変化を生じさせることで、微小な間隙が形成される。今回は、アルゴンレーザーで、出力は400〜700mJ/cm2を用いたが、450〜700mJ/cm2がさらに望ましい。また、転写元基板30を、光透過性とすることで剥離層32へ効率良く光を照射することができる。
その後、転写元基板30と転写先基板40とを引き離す力(引っ張り応力)を加えて、転写元基板30を転写先基板40から剥離する(図7)。これにより、被転写体34は、接着剤38を介して貼り合わされた状態で転写先基板40側に残る。すなわち、被転写体34は転写先基板40に転写されたことになる。本実施形態は、この剥離に用いる装置及び剥離方法に特徴を有しており、その詳細は後述する。
転写後の被転写体34の表面には、剥離層32の残渣が付着していることがある。この残渣は、例えば洗浄、エッチング、アッシング、研磨等の方法、又はこれらの組み合わせにより除去することができる。転写終了後には、被転写体34の外形に合わせて、適宜転写先基板40を切断する。
以上の工程を経て、転写先基板40上に被転写体34を有する薄膜電子デバイスが製造される。
(剥離装置及び剥離方法)
ここで、上述した工程S5において剥離を行うための剥離装置及び剥離方法について詳述する。図8は、薄膜電子デバイスの製造装置としての剥離装置1を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)中のG−G線における断面図である。
ここで、上述した工程S5において剥離を行うための剥離装置及び剥離方法について詳述する。図8は、薄膜電子デバイスの製造装置としての剥離装置1を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)中のG−G線における断面図である。
剥離装置1は、対向して貼り合わされた転写元基板30と転写先基板40とを剥離するための装置である。剥離装置1は、転写元基板30、転写先基板40の一方を吸着して保持するステージ14と、転写元基板30、転写先基板40の他方を吸着して、転写元基板30と転写先基板40とを積層方向に引き離す力を印加する吸着部の一例としての吸着パッド24と、転写元基板30と転写先基板40との積層界面に、この積層界面に沿った方向に流体を噴射するノズル50と、転写元基板30と転写先基板40とが剥離された後に、吸着パッド24を係止させるストッパー22と、転写元基板30及び転写先基板40を保持した状態のステージ14及び吸着パッド24を、転写元基板30に垂直な軸を中心として回転させる回転機構12とを備える。
以下、剥離工程を順を追って説明するとともに、剥離装置1の構成をより明確にする。
<工程A>
ステージ14は、平板状の基部13上に取り付けられている。ステージ14は、表面に多数の吸着孔15を有しており、基板を載置した状態で吸着孔15内を負圧にすることで基板を吸着保持することができる。本実施形態では、ステージ14には転写先基板40が載置されている。したがって、図8(b)における転写元基板30と転写先基板40との位置関係は、図6(b)における位置関係とは上下逆になっている。本明細書では、ステージ14の面をX−Y平面とし、ステージ14上に載置された転写先基板40の直交する2辺の方向をX方向、Y方向とする。ステージ14のX方向、Y方向の幅は、いずれも転写先基板40のX方向、Y方向の幅より小さくなっており、ステージ14の面積は、転写先基板40の面積より小さくなっている。すなわち、ステージ14が転写先基板40を保持する面積は、転写先基板40の面積よりも小さくなっている。このため、基板の着脱を容易にすることができる。また、基板を剥がすときに基板端面において、若干ではあるが曲がることが可能となり第1の基板と第2の基板の間に隙間が生じ易くなり、剥離を容易に行うことができる。
ステージ14は、平板状の基部13上に取り付けられている。ステージ14は、表面に多数の吸着孔15を有しており、基板を載置した状態で吸着孔15内を負圧にすることで基板を吸着保持することができる。本実施形態では、ステージ14には転写先基板40が載置されている。したがって、図8(b)における転写元基板30と転写先基板40との位置関係は、図6(b)における位置関係とは上下逆になっている。本明細書では、ステージ14の面をX−Y平面とし、ステージ14上に載置された転写先基板40の直交する2辺の方向をX方向、Y方向とする。ステージ14のX方向、Y方向の幅は、いずれも転写先基板40のX方向、Y方向の幅より小さくなっており、ステージ14の面積は、転写先基板40の面積より小さくなっている。すなわち、ステージ14が転写先基板40を保持する面積は、転写先基板40の面積よりも小さくなっている。このため、基板の着脱を容易にすることができる。また、基板を剥がすときに基板端面において、若干ではあるが曲がることが可能となり第1の基板と第2の基板の間に隙間が生じ易くなり、剥離を容易に行うことができる。
ステージ14の近傍には、基板を所定の位置に固定するための位置決めピン200が配置されている。この位置決めピン200の位置は基板のサイズによって異なる位置に適宜調整される。また、この位置決めピン200は剥離工程時に障害とならないよう例えば上下可動に配置されることが好ましい。
吸着部としての吸着パッド24は、転写先基板40、転写元基板30を挟んでステージ14の反対側に配置されている。吸着パッド24は、転写元基板30を吸着保持している。吸着パッド24は、転写元基板30の四隅及び中央に対応して5つ配置されており、そのそれぞれに接続されたチューブ25からの排気により内部を負圧とすることで、転写元基板30を吸着保持している。吸着パッド24は、金属のアーム23を介して金属の中継部材21に取り付けられている。中継部材21にはレール(図示せず)が設置されており、金属アーム23をX軸方向へ移動することが可能である。金属アーム23は、中継部材21側の端部を含む2点で固定されており、いずれか1点の固定を外すことにより、固定された1点から円を描くような移動が可能となっている。これにより、ステージ14への基板の搭載を容易にしている。
吸着パッド24、アーム23、中継部材21のZ方向における相対的な位置関係は固定されており、中継部材21が上下方向に(Z方向に)移動すると、これにともなってアーム23及び吸着パッド24も上下方向に移動する。これにより、吸着パッド24のZ方向における位置を決定することができる。
中継部材21は、ワイヤー20によって吊り下げられている。ワイヤー20は、支持体17に取り付けられた滑車19を通して重り18に接続されている。したがって、中継部材21は、ワイヤー20により、重り18にかかる重力と同等の力で上方に引き上げられている。この力は、中継部材21に固定された吸着パッド24にもかかるため、結果的に、吸着パッド24は、転写元基板30を、重り18にかかる重力と同等の力で上方に引き上げようとする。一方、転写先基板40は、ステージ14により吸着保持されている。よって、転写元基板30と転写先基板40とは、吸着パッド24及びステージ14から、両基板の積層方向に沿って引き離そうとする力を受ける。剥離装置1のこのような機構によって、工程A、すなわち転写元基板30及び転写先基板40を保持し、転写元基板30と転写先基板40とを積層方向に引き離す力を印加する工程が行われる。この力が、転写元基板30と転写先基板40との密着強度を上回ると、両基板は剥離される。
吸着パッド24にかかる、垂直に転写元基板30を持ち上げる力は、転写元基板30の重力よりも大きくなければならない。実際にかける力は、転写元基板30が容易に剥離できるように、剥離する目的の基板の大きさ及び材料に合わせて適宜調節される。また、吸着パッド24の垂直方向への引き上げは、本実施形態のように5箇所で行う方法に限られないが、3箇所以上で保持して引き上げることが好ましい。1箇所又は2箇所で行うと、転写元基板30の大きさ、装置の精度等にもよるが、剥離後に転写元基板30が傾く等して基板の再付着が起こるためである。
また、剥離後に帯電した剥離面を除電する為にステージ14の両側にイオナイザー(図示せず)を配置することが好ましい。イオナイザーとしては、ファンタイプ、バータイプ、スポットタイプ等がある。剥離した基板間の隙間を除電するにはスポットを絞りやすいバータイプ又はスポットタイプが好ましい。
なお、基部13上には、Y方向に沿って一対のレール16が延設されている。レール16には支持体17が取り付けられている。支持体17をレール16に沿って移動させることで、吸着パッド24のY方向の位置を調整することができる。例えば、転写元基板30に対する吸着位置の調整を行うことができる。また、後述の工程B、工程Cを経て剥離が終了した後に支持体17をレール16に沿ってY方向に移動させることにより、転写元基板30を転写先基板40上から移動させることができ、ステージ14上の転写先基板40を容易に取り出すことができる。
<工程B>
工程Aに並行して、積層界面に対して、ブレード170を、転写元基板30と転写先基板40との積層界面(剥離層32)に差し込み、基板間の少なくとも一部を剥離する。図9は、ブレード170を差し込み、基板間に剥離領域60(斜線部)を形成する様子を示す平面図である。
工程Aに並行して、積層界面に対して、ブレード170を、転写元基板30と転写先基板40との積層界面(剥離層32)に差し込み、基板間の少なくとも一部を剥離する。図9は、ブレード170を差し込み、基板間に剥離領域60(斜線部)を形成する様子を示す平面図である。
このブレード170は、図示しない制御手段によって、XYZ方向に移動可能に配置されている(図8(a))。なお、後述するガイドロール203に取り付け、後述のノズル50と連動して動作させるよう構成してもよい。また、ここでは略矩形のブレード170を用いているが、他の形状のものを用いてもよい。例えば、楔、針のように先端が鋭利な形状のものを用いてもよい。この剥離はブレード170を、光照射等した剥離層にクラックを生じさせる程度差し込めばよく、必要以上に剥離する必要はない。このように予め隙間(剥離領域)を形成することにより、流体を流し込むことが可能となり、また、構造的に弱い部分を形成することで、応力を集中させ剥離の起点とすることができる。
次いで、ノズル50を上記剥離部近傍に配置し、積層界面に沿った方向に流体を噴射し、剥離を誘発する。即ち、流体供給管51から供給された流体をノズル50の先端から噴射する。ノズル50から気体を吹き込む際の距離は、基板に気体吐出口が基板に接触しない範囲でできる限り近距離から吹き込むことが好ましい。そのために、本装置ではガイドレール203および位置決めピン200を設けることで、基板に対して近距離で水平に気体を吹き込むことができる。ここで流体とは、気体、液体のいずれでも良く、適宜選択される。このうち気体としては、圧縮された空気、窒素ガス等を用いることができ、イオン化等の処置により、剥離時の帯電を軽減するような処置をしてもよい。また、積層界面とは、転写元基板30と被転写体34の形成層との間の任意の界面とすることができるが、本実施形態では光Lによって層内剥離又は界面剥離が生じている部分、すなわち、剥離層32、剥離層32と転写元基板30との界面、剥離層32と被転写体34との界面のいずれかである。
図10および図11は、ノズル50から流体を噴射して剥離を進行させる様子を示す平面図である。図10(a)に示すように、転写元基板30と転写先基板40との積層界面のうち、図の左下端部近傍にノズル50を配置(セット)し、流体(空気)を噴射する。その結果、積層界面の左半分を中心に剥離領域60Bが広がる(図10(b))。このノズル50は、ガイドロール203に沿って左右に、水平に可動に配置されており、ノズル50を右(+X方向)へ基板の辺に沿って移動させながら流体を噴射していくと、図10(c)に示すように、剥離領域60Bを広げていくことができ、最終的には、図11に示すように、剥離領域60Bを全面に行渡らせることができる。このとき、工程Bは工程Aと並行して行われており、既に転写元基板30及び転写先基板40には互いに引き離す方向の力が働いているため、流体噴射により一旦剥離が進行すると、上記の引き離す力と、更なる流体噴射により容易に剥離領域60Bを広げていくことができる。こうして剥離領域60Bを広げていくことで、転写元基板30と転写先基板40との密着強度を弱めていくことができる。
転写元基板30と転写先基板40との密着強度が弱まると、吸着パッド24及びステージ14から受ける、両基板の積層方向に沿って引き離そうとする力が密着強度を上回り、両基板は剥離される。上述のように、ノズル50からの流体噴射によっては積層界面の全面が剥離領域60Bとならなくとも、一旦剥離が進行すると、吸着パッド24及びステージ14からの剥離方向の力によっても剥離領域60Bが広がって剥離される。このように、本実施形態では、ノズル50から流体を噴射して積層界面における剥離を促進しながら、ステージ14及び吸着パッド24により剥離方向へ力を印加することができるため、転写元基板30と転写先基板40とを、容易に剥離することができる。
図12は、前述の転写元基板30と転写先基板40とが剥離される様子を示す断面図である。図12(a)に示す転写元基板30と転写先基板40との積層基板の間に、ブレード170を差し込み(図12(b))、基板間の少なくとも一部を剥離した後、隙間にノズル50から流体が噴射されることで剥離が進んで、最終的に基板全体が剥離される(図12(c))。
なお、剥離層32と被転写体34(枠部35)との間には、当該面を平坦化するための中間層(図示せず)を設けることが好ましい。これにより、剥離層32の転写元基板30側の面も平坦化するため、当該面における剥離時の応力分布が均一となり、被転写体34の破損を抑制することができる。
また、吸着パッド24は、転写元基板30又は転写先基板40のうち、相対的に厚さの小さい基板(本実施形態では転写元基板30)を保持することが好ましい。これにより、吸着パッド24側の基板が容易に撓むようになるため、ステージ14側の基板との間に空隙が生じ易くなり、積層界面に流体が入り込みやすくなる。よって、容易に剥離を行うことができる。
<工程C>
転写元基板30と転写先基板40とが剥離された後に、転写元基板30と転写先基板40との間隔を1mm以上10mm以下に保つ工程Cを行う。図8において、転写元基板30と転写先基板40とが完全に剥離すると、転写先基板40はステージ14上に残り、転写元基板30は、重り18の重力によって吸着パッド24とともに上方に引き上げられる。
転写元基板30と転写先基板40とが剥離された後に、転写元基板30と転写先基板40との間隔を1mm以上10mm以下に保つ工程Cを行う。図8において、転写元基板30と転写先基板40とが完全に剥離すると、転写先基板40はステージ14上に残り、転写元基板30は、重り18の重力によって吸着パッド24とともに上方に引き上げられる。
ここで、支持体17には、支持体17の本体から突出した状態に形成されたストッパー22が設けられている。ストッパー22は、転写元基板30と転写先基板40とが剥離された後に、吸着パッド24を係止させることができる。ストッパー22は、吸着パッド24が剥離前の転写元基板30を吸着保持している状態において、中継部材21とストッパー22との間隔dが1mm以上10mm以下となるように配置されている。このため、剥離が起こった後、中継部材21及び吸着パッド24は、間隔dに等しい距離だけ上方に引き上げられてストッパー22によって係止される。すなわち、剥離後の中継部材21及び吸着パッド24の上昇距離は1mm以上10mm以下の範囲内となる。換言すれば、ストッパー22は、剥離後の転写元基板30と転写先基板40との間隔が1mm以上10mm以下となる位置で吸着パッド24を係止させる位置に配置されている。
このように剥離後の転写元基板30と転写先基板40との間隔を1mm以上とすることで、両基板を一定距離以上離すことができるため、再付着を防止することができる。このため、剥離の際に生じた異物等が再付着の際に基板間に挟み込まれ、剥離界面を傷つける等の不具合が生じなくなる。また、剥離後の転写元基板30と転写先基板40との間隔を10mm以下とすることで、特に転写元基板30の撓みを抑えて転写元基板30の破損を防止することができる。
以上に示した工程Aから工程Cを経て、工程S5における剥離を、容易に、かつ高い歩留りで行うことができる。
このように、本実施形態によれば、切り込みを入れた後、切り込み近傍から気体を吹き込み、一気に剥離を行うことで、気体を剥離面全面に行渡らせることができ、短期間での剥離が可能となる。また、剥離面全面に常時気体を吹きかけることが可能となり、基板間の再付着を防止することができる。また、基板の大型化、例えば、1辺が200mm以上の大型基板にも容易に対応可能である。さらに、量産化にも容易に対応可能となる。
<工程Bの変形例>
図13は、ブレード170を差し込み、基板間に剥離領域60を形成する他の方法を示す平面図である。上記工程Bにおいて、図13に示すように、転写元基板30及び転写先基板40の一の辺から積層界面に、ブレード170を差し込んだ後、ブレード170を右(+X方向)へ基板の辺に沿って始端から終端まで移動させ、剥離領域60Bを大きくしてもよい。この後、上記工程Bと同様にノズル50から流体を噴射して剥離を進行させる。
図13は、ブレード170を差し込み、基板間に剥離領域60を形成する他の方法を示す平面図である。上記工程Bにおいて、図13に示すように、転写元基板30及び転写先基板40の一の辺から積層界面に、ブレード170を差し込んだ後、ブレード170を右(+X方向)へ基板の辺に沿って始端から終端まで移動させ、剥離領域60Bを大きくしてもよい。この後、上記工程Bと同様にノズル50から流体を噴射して剥離を進行させる。
<実施形態2>
実施形態1においては、図12等に示すように、転写元基板30と転写先基板40とをほぼ同等の大きさとしたが、これらの大きさを異ならせても良い。
実施形態1においては、図12等に示すように、転写元基板30と転写先基板40とをほぼ同等の大きさとしたが、これらの大きさを異ならせても良い。
図14は、転写元基板30と転写先基板40との他の剥離方法を示す断面図である。図示するように、転写先基板40を転写元基板30より一回り大きくすることで、ブレード170が差し込みやすくなる(図14(a))。また、流体が容易に隙間に導入されやすくなり(図14(b))、剥離効率が向上する。
なお、ここでは転写先基板40を転写元基板30より一回り大きくしたが、2つの基板のうち何れかの大きさを変え、重ね合わせ時に1辺、2辺、又は全体が完全に重ならず、段差ができるよう配置し、上記段差部において、ブレード170が差し込み、又は、流体を噴射すればよい。
特に、基板間に作られる隙間は接着剤、囲み部材等の厚みによって決定されるが、当該隙間は、数μm〜500μm程度である。この隙間にブレード170等を挿入することは高度な制御が必要となる。しかしながら、上記段差を設けることで、機械的にブレード170を挿入し、位置あわせする場合においても、その制御性を向上させることができる。また、ノズル50も位置あわせしやすく、また、段差に沿って効率よく流体を導入できるため、容易に基板の剥離を進行させることができる。
なお、上記実施の形態において、中継部材21及び吸着パッド24を上方に引き上げる力を発生させる機構としては、重り18を用いたものに限られず、シリンダーやステッピングモータ等、種々の装置を用いて構成することができる。
また、上記実施形態では、転写元基板30上に囲み部材36及び接着剤38を配置してから貼り合わせを行っているが、これに代えて、転写先基板40上に囲み部材36及び接着剤38を配置してから貼り合わせを行ってもよい。転写先基板40に囲み部材36を形成する場合には、後に転写元基板30と貼り合わされたときに被転写体34を取り囲むような領域に囲み部材36を形成すればよい。
また、上記実施形態では、囲み部材36は、個々の被転写体34を取り囲むように形成されているが、これに代えて、複数の被転写体34を取り囲むように形成されていてもよく、あるいは転写元基板30上のすべての被転写体34を1つの囲み部材36で取り囲むように形成されていてもよい。
また、上記実施形態は、1回の転写工程を含むものであるが、複数回の転写を行ってもよい。例えば、図12および図14に示すように転写先基板40上に予め剥離層32を設けておけば当該剥離層32を利用して更なる転写を行うことができる。
また、ブレード170の数やノズル50の数は適宜変更可能であり、2箇所以上設けてもよい。例えば、対面する辺において、剥離領域を設け、2つのノズル50から対向して流体を噴射するなど、種々の変更が可能である。
このように、上記実施の形態を通じて説明された実施例や応用例は、用途に応じて適宜に組み合わせて、又は変更若しくは改良を加えて用いることができ、本発明は上述した実施の形態の記載に限定されるものではない。そのような組み合わせ又は変更若しくは改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1…剥離装置、11…基台、12…回転機構、13…基部、14…ステージ、15…吸着孔、16…レール、17…支持体、19…滑車、20…ワイヤー、21…中継部材、22…ストッパー、23…アーム、24…吸着パッド、25…チューブ、30…転写元基板、32…剥離層、34…被転写体、35…枠部、36…囲み部材、38…接着剤、40…転写先基板、50…ノズル、51…流体供給管、60A…非剥離領域、60B…剥離領域、160…ブレード保持部、170…ブレード、180…流体噴射口、200…位置決めピン、203…ガイドロール。
Claims (8)
- 表面に剥離層と前記剥離層上の薄膜転写層を備えた第一の基板を、接着層を表面全体に備えた第二の基板と接着させた後、前記薄膜転写層が剥離した第一の基板と前記薄膜転写層が接着した第二の基板に分離させる薄膜転写方法において、
前記第一の基板または前記第二の基板を通して前記剥離層に光を照射する第一の工程と、
ブレードにより前記剥離層の少なくとも一部に切り込みを入れる第二の工程と、
前記切り込み近傍から気体を吹き込み剥離を誘発し、前記剥離層全面まで剥離を広げる第三の工程と、
前記第一の基板を前記第二の基板から遠ざけ一定位置に固定する第四の工程と、
を備えることを特徴とした薄膜転写方法。 - 請求項1において、
前記第二の基板は前記第一の基板より大きいことを特徴とする薄膜転写方法。 - 請求項1又は2において、
前記第一の基板と前記第二の基板のうち少なくとも一方は、光透過性であることを特徴とする薄膜転写方法。 - 請求項1において、
前記光は、レーザ光であることを特徴とする薄膜転写方法。 - 請求項1又は2において、
前記第三の工程の実施時に、前記第一の基板を、前記第二の基板と逆方向に1〜10mm離すように引っ張り応力を印加することを特徴とする薄膜転写方法。 - 請求項1において、
前記剥離層が、アモルファスシリコンで形成されていることを特徴とする薄膜転写方法。 - 請求項1又は2において、
前記気体を吹き込むノズルを2箇所以上設けることを特徴とする薄膜転写方法。 - 請求項1又は2に記載の薄膜転写方法を用いた薄膜電子デバイスの製造方法。
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-
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- 2008-08-22 JP JP2008213744A patent/JP2010050313A/ja active Pending
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