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JP2010049060A - 走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置 Download PDF

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JP2010049060A
JP2010049060A JP2008213756A JP2008213756A JP2010049060A JP 2010049060 A JP2010049060 A JP 2010049060A JP 2008213756 A JP2008213756 A JP 2008213756A JP 2008213756 A JP2008213756 A JP 2008213756A JP 2010049060 A JP2010049060 A JP 2010049060A
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optical
lens
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Ken Tanimura
憲 谷村
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Abstract

【課題】 高精細印刷が可能で、かつ環境安定性の高い走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置を得ること。
【解決手段】 光源手段から発せられた波長λ(mm)の光束を偏向する偏向手段と、偏向された光束を被走査面上に結像させる結像光学系を有し、結像光学系のうち少なくとも一つの結像光学素子はガラス材料より成る光学素子と樹脂材料より成る光学素子とが接合されており、樹脂材料より成る光学素子の空気と接する面は非球面形状より成り、結像光学素子の光軸からの距離hに対して非球面形状のサグ量をF(h)、樹脂材料より成る光学素子の厚みをT(h)とするとき、非球面形状のサグ量F(h)がF’(h)=F(h)+0.005×{T(h)−T(0)}で表現されるサグ量F’(h)に形状が変化したとき、樹脂材料より成る光学素子に入射する光束幅D(mm)におけるニュートン本数の変化量が(式1)を満たすこと。
【選択図】 図1

Description

本発明は走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置に関し、電子写真プロセスを有するレーザービームプリンタ(LBP)やデジタル複写機やマルチファンクションプリンタ(多機能プリンタ)等の画像形成装置に好適なものである。
従来よりレーザービームプリンタ(LBP)やデジタル複写機やマルチファンクションプリンタ等には走査光学装置が用いられている。この走査光学装置においては画像信号に応じて光源手段から光変調され出射した光束(光ビーム)を、例えば回転多面鏡(ポリゴンミラー)より成る光偏向器により周期的に偏向させている。そして偏向された光束をfθ特性を有する結像光学系によって感光性の記録媒体(感光ドラム)面上にスポット状に集束させ、その面上を光走査して画像記録を行っている。
図14は従来の走査光学装置の要部概略図である。
同図において光源手段91から出射した発散光束はコリメーターレンズ92により平行光束に変換され、絞り93によって前記光束を制限して副走査方向にのみ所定の屈折力を有するシリンドリカルレンズ94に入射している。シリンドリカルレンズ94に入射した平行光束のうち主走査断面内においてはそのままの状態で射出する。また副走査断面内においては集束して回転多面鏡から成る光偏向器95の偏向面(反射面)95aにほぼ線像として結像している。
そして偏向手段95の偏向面95aで偏向された光束をfθ特性を有する結像光学系96を介して被走査面としての感光ドラム面98上に導光する。そして、偏向手段95を矢印A方向に回転させることによって感光ドラム面98上を矢印B方向に光走査して画像情報の記録を行なっている。
上記の走査光学装置においては、感光ドラム面98上を光スポットで走査する前に感光ドラム98面上における画像形成を開始するタイミングを調整するために、光検出器としての同期検出用のBD(beam detector)センサ−99が設けられている。
このBDセンサー99は、光偏向器95で反射偏向された光束の一部であるBD光束(同期検出用の光束)、つまり感光ドラム98面上の画像形成領域を走査する前の画像形成領域外の領域を走査している時の光束を受光する。
このBD光束は同期検出用のBDミラー97で反射され、同期検出用のBDレンズ(不図示)で集光されてBDセンサー99に入射する。そして、このBDセンサー99の出力信号からBD信号(同期信号)を検出し、このBD信号に基づいて感光ドラム98面における画像記録の開始タイミングを調整している。
同図における結像光学系96は副走査断面内において光偏向器95の偏向面95aと感光ドラム面98とが共役関係となるように構成しており、これより偏向面95aの面倒れを補正している。
この様な走査光学装置において、近年POD(Print On Demand)などの軽印刷業界向けに高精細な印字が可能である走査光学装置が求められている。高精細な印字を行うために、波長が短いレーザー(例えば赤色レーザーや青色レーザー)を用いてスポット径を小径化することが考えられる。ここで、像面深度は一般的に次のように表される。
(像面深度)=a×λ×(Fナンバー)2・・・(式A)
ただし、aは比例定数、λは光源の波長(mm)、Fナンバーは結像光学系の射出側のFナンバー(FNo)である。
波長が短くなることで(式A)より像面深度が小さくなるのは明らかである。温度変化等の環境変動により光学系の屈折率が変化して主走査方向の像面湾曲が変動した場合、前述したように像面深度が非常に狭いので像面湾曲が変動することでスポットが急激に肥大して、印字特性を劣化させるという問題点がある。
したがって、主走査方向のパワー(屈折力)が強い光学系は環境変動に対して屈折率の変化が少なくなるように、従来はガラスレンズを使用していた。
ところで、高精細な印字を行うためには、結像光学系には
(1)像面湾曲がほとんどないこと、
(2)fθ特性(部分倍率)が良好であること、
といったことが求められる。この要求を満足するためには例えばレンズ形状を非球面にすることが考えられる。
しかしながら、ガラスレンズの場合、面形状を非球面にするには特殊な研磨加工が必要であり量産性にあまり向かないため、球面もしくはシリンドリカル形状をもつガラスレンズの枚数を増やすことで対応していた(特許文献1参照)。
近年になって、ガラスレンズに紫外線硬化性を持つ樹脂を塗布し、非球面形状をもつ型で樹脂を押さえながらレンズに紫外線を照射することで、比較的簡易で球面ガラスレンズに非球面効果をもたらすことができる技術(レプリカ成形)が知られている。(特許文献2参照)。
特開平3−43708号公報 特開2001−91878号公報
しかしながら、この製造方法を走査光学装置用の結像光学系に用いる場合には、下記の懸念点が挙げられる。
紫外線硬化樹脂は光学レンズに用いられる樹脂(アクリル樹脂(PMMA)、オレフィン系樹脂など)に比べて吸水率が高いため、吸湿による形状変化が樹脂成形レンズより大きくなるので光学性能への影響を考慮する必要ある。したがって、塗布する紫外線硬化樹脂の形状を最適化する必要がある。
本発明は高精細印刷が可能で、かつ環境安定性の高い走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置の提供を目的とする。
請求項1の発明の走査光学装置は、
光源手段と、前記光源手段から発せられた波長λ(mm)の光束を偏向走査する偏向手段と、前記偏向手段により偏向走査された光束を被走査面上に結像させる結像光学系を有する走査光学装置において、
前記結像光学系のうち少なくとも一つの結像光学素子は、ガラス材料より成る光学素子と、樹脂材料より成る光学素子とが接合されており、前記樹脂材料より成る光学素子の空気と接する面は非球面形状より成り、
前記結像光学素子の光軸からの距離hに対して前記非球面形状のサグ量をF(h)、前記樹脂材料より成る光学素子の厚みをT(h)とするとき、
前記非球面形状のサグ量F(h)が
F’(h)=F(h)+0.005×{T(h)−T(0)}
で表現されるサグ量F’(h)に形状が変化したとき、前記樹脂材料より成る光学素子に入射する光束幅D(mm)におけるニュートン本数の変化量が下記の(式1)を満たすことを特徴としている。
(ただし、Nは樹脂材料より成る光学素子の材料の波長λにおける屈折率、
dF(h)/dhはF(h)のhにおける1階微分、
d2F(h)/dh2はF(h)のhにおける2階微分を示す。)
請求項2の発明の画像形成装置は、
請求項1に記載の走査光学装置と、前記被走査面に配置された感光体と、前記走査光学装置で走査された光束によって前記感光体の上に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像器と、現像されたトナー像を被転写材に転写する転写器と、転写されたトナー像を被転写材に定着させる定着器とを有することを特徴としている。
請求項3の発明の画像形成装置は、
請求項1に記載の走査光学装置と、外部機器から入力したコードデータを画像信号に変換して前記走査光学装置に入力せしめるプリンタコントローラとを有していることを特徴としている。
請求項4の発明のカラー画像形成装置は、
各々が請求項1に記載の走査光学装置の被走査面に配置され、互いに異なった色の画像を形成する複数の像担持体とを有することを特徴としている。
請求項5の発明は請求項4の発明において、
外部機器から入力した色信号を異なった色の画像データに変換して各々の走査光学装置に入力せしめるプリンタコントローラを有していることを特徴としている。
本発明によれば高精細印刷が可能で、かつ環境安定性の高い走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置を達成することができる。
本発明の走査光学装置は、光源手段と、光源手段から発せられた波長λ(mm)の光束を偏向する偏向手段と、偏向手段により偏向走査された光束を被走査面上に結像させる結像光学系を有している。
そして結像光学系のうち少なくとも一つの結像光学素子は、ガラス材料より成る光学素子と、樹脂材料より成る光学素子とが接合されており、樹脂材料より成る光学素子の空気と接する面は非球面形状より成っている。
そして結像光学素子の光軸からの距離hに対して非球面形状のサグ量をF(h)、樹脂材料より成る光学素子の厚みをT(h)とする。このとき、
樹脂材料より成る光学素子の非球面形状のサグ量F(h)が
F’(h)=F(h)+0.005×{T(h)−T(0)}
で表現されるサグ量F’(h)に形状が変化したとき、樹脂材料より成る光学素子に入射する光束幅D(mm)におけるニュートン本数の変化量が下記の(式1)を満たすようにしている。
(ただし、Nは樹脂材料より成る光学素子の材料の波長λにおける屈折率、
dF(h)/dhはF(h)のhにおける1階微分、
d2F(h)/dh2はF(h)のhにおける2階微分を示す。)
また、上記接合される光学素子のうち、非球面である光学素子は樹脂材料、他方はガラス材料より成っている。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
図1は本発明の実施例1における走査光学装置の主走査方向の要部断面図(主走査断面図)である。
尚、以下の説明において、副走査方向(Z方向)とは、偏向手段の回転軸と平行な方向である。主走査断面とは、副走査方向(偏向手段の回転軸と平行な方向)を法線とする断面である。主走査方向(Y方向)とは、偏向手段で偏向走査される光束を主走査断面に投射した方向である。副走査断面とは、主走査方向を法線とする断面である。
同図において、1は光源手段であり、例えば半導体レーザーによりなっている。
3は正の屈折力(パワー)を有するコリメータレンズ(平凸レンズ)であり、光源手段1から出射した光を平行光束に変換している。本実施例では、コリメータレンズ3を光軸方向に移動させることにより、主走査方向の結像位置を調整している。
7は負の屈折力を有する球面レンズであり、コリメータレンズ3で平行光束に変換された光束を発散光束に変換している。本実施例では、球面レンズ7を光軸方向に移動させることにより、主走査方向の結像位置を調整している。また、球面レンズ7の取付け座面は後述する入射光学系の光軸と平行な平面に加工された形状よりなっている。
2は開口絞りであり、通過光束を規制してビーム形状を整形している。
4は副走査方向に正の屈折力を有するシリンドリカルレンズであり、開口絞り2を通過した光束を副走査断面内で後述する光偏向器5の偏向面5aにほぼ線像として結像させている。本実施例では、シリンドリカルレンズ4を光軸方向に移動させることにより、副走査方向の結像位置を調整している。また、シリンドリカルレンズ4の取付け座面は後述する入射光学系の光軸と平行な平面に加工された形状よりなっている。
尚、コリメータレンズ3、球面レンズ7、開口絞り2、シリンドリカルレンズ4、そして後述する第1の結像レンズ61の各要素は入射光学系LAの一要素を構成している。
また、主走査断面内においては球面レンズ7、シリンドリカルレンズ4、そして後述する第1の結像レンズ61とでアフォーカル系を構成している。また、入射光学系LAは反射ミラー10によって光路を折り曲げることで走査光学装置(走査光学系)をコンパクトにしている。
5は偏向手段としての光偏向器(ポリゴンミラー)であり、モーター等の駆動手段(不図示)により図中矢印A方向に一定速度で回転している。
6はfθ特性を有する結像光学系であり、結像光学素子としての第1、第2の結像レンズ61,62を有している。
第1の結像レンズ61はガラス材料より成る光学素子としての球面レンズ6aと、樹脂材料より成る光学素子としてのレンズ(以下、「レプリカレンズ」称す。)6bとが接合された接合レンズ(以下、「レプリカ非球面レンズ」と称す。)より成っている。
本実施例のレプリカレンズ6bの空気と接する面は非球面形状より成っている。第1の結像レンズ61は、主に主走査方向の像面湾曲を補正すると共にfθ特性を良好に維持している。
また、第1の結像レンズ61は上述した如く入射光学系LAの一部をも構成している。
第2の結像レンズ62はプラスチックレンズであり、主走査方向と副走査方向とで異なるパワーをもつアナモフィックレンズより成っており、主に副走査方向の像面湾曲を補正している。
8は被走査面としての感光ドラム面、9は防塵ガラスである。
本実施例において、半導体レーザー1から光変調され出射した波長λ(mm)の光束はコリメータレンズ3によって平行光束に変換される。次いで球面レンズ7によって発散光に変換され、開口絞り2によって光束を制限して入射系のシリンドリカルレンズ4に入射している。シリンドリカルレンズ4に入射した光束のうち副走査断面内における光束は収束して第1の結像レンズ61を通過して光偏向器5の偏向面5aに入射し、前記偏向面5a近傍にほぼ線像(主走査方向に長手の線像)として結像している。このとき偏向面5aに入射する光束を光偏向器5の回転軸と結像光学系6の光軸を含む副走査断面から、該回転軸と垂直な平面(光偏向器5の回転平面)に対して斜入射角度θ/2=0.8度で入射させ、入射光束と偏向光束とを分離している。
また、主走査断面内における光束は発散して第1の結像レンズ61を通過することによって平行光束に変換され、光偏向器5の偏向角の略中央から偏向面5aに入射している。このときの平行光束の光束幅は主走査方向において光偏向器5の偏向面5aのファセット幅に対して十分広くなるように設定している(オーバーフィルド光学系)。
そして、光偏向器5の偏向面5aで偏向反射された光束は第1、第2の結像レンズ61、62、そして防塵ガラス9を介して感光ドラム面8に導光される。そして、光偏向器5を矢印A方向に回転させることによって、感光ドラム面8上を矢印B方向(主走査方向)に光走査している。これにより記録媒体としての感光ドラム面8上に画像記録を行っている。
ここで、本発明者は球面レンズ6aとレプリカレンズ6bとが接合されたレプリカ非球面レンズ61が吸湿によって、形状がどれくらい変化するかについて実験を行った。
レプリカ非球面レンズ(被検レンズ)を60℃、80%の環境下で1日放置した前後での表面形状を測定した結果を図2に示す。図2において、レンズ座標とは光軸からの距離に相当する。以下、各図においても同様である。
またレプリカレンズ(レプリカ樹脂)の厚みを図3に示す。また、レプリカレンズの厚みに対する吸湿時の表面形状の変化量を図4に示す。
各図より、吸湿での形状変化はレプリカレンズの厚みに依存していることが予想される。これは、レプリカレンズの厚みが0.15mm程度と薄く、また球面レンズに密着されているため、径方向への膨張は密着によって拘束され厚み方向にのみ膨張されているからだと考えられる。
また、今回の実験でレプリカレンズの吸湿による厚み方向への変化量の平均はレプリカレンズの厚みに対して0.5%程度であり、樹脂の吸水率(体積膨張率)とほぼ一致していた。
レンズの径方向の距離(レンズ座標)hに対して、球面レンズのレンズ頂点に対するサグ量をS(h)、レプリカレンズの厚みをT(h)、レプリカ非球面レンズの光軸からの距離hに対して非球面形状のサグ量(レンズ頂点に対するサグ量)をF(h)とする。そのとき、サグ量F(h)は以下のように表わすことができる。
F(h)=S(h)+{T(h)−T(0)}・・・(式B)
次に、レプリカレンズが吸水したときのレプリカ非球面レンズのレンズ頂点に対する非球面形状のサグ量の変化F’(h)は、レプリカレンズの吸水による膨張が前述した如く厚み方向のみの変化である。また一般的なレプリカレンズの吸水率が0.5%であることから、以下のように表わすことができる。
F’(h)=S(h)+{T(h)−T(0)}×1.005・・・(式C)
(式B)と(式C)より、F’(h)はF(h)を用いて、以下のように表現できる。
F’(h)=F(h)+0.005×{T(h)−T(0)}・・・(式D)
レプリカ非球面レンズのサグ量がF(h)からF’(h)に変化したときに、座標hにおける局所Rが変化することで座標hにおけるパワーが変化する。レンズを通過する光束幅D(mm)に対するニュートン本数の変化量mは局所Rの変化より以下のように表わすことができる。
ただし、r(h)はhにおけるF(h)の局所R、dF(h)/dhはF(h)のhにおける1階微分、d2F(h)/dh2はF(h)のhにおける2階微分、r’(h)はhにおけるF’(h)の局所Rを示す。さらにdF’(h)/dhはF’(h)のhにおける1階微分、d2F’(h)/dh2はF’(h)のhにおける2階微分を示す(局所Rの計算式は「微分積分」(学術図書出版社)p.55−p.57を参照)。
レプリカ非球面レンズの局所Rをr(h)、このときの結像光学系の焦点距離をfとし、吸湿によってレプリカ非球面レンズの局所Rがr’(h)になることで結像光学系の焦点距離をf+Δf、レプリカ樹脂の材料の波長λにおける屈折率をNとする。そのとき、以下の関係が成り立つ。
Δfはfに比べて小さいので、(式F)は次のように書き換えることができる。
(式G)と(式E)を組み合わせると、局所Rの変化による結像光学系の焦点距離の変動量Δfは次のように書き換えることができる。
ポリゴンミラーに対して入射光束が主走査方向に平行に入射する場合、焦点距離の変動量Δfは主走査のピント変動量と同等であり、f/Dは結像光学系の射出Fナンバー(Fnoと表記する)である。このことから、局所Rの変化による主走査方向のピント変化量ΔMは以下のように表される。
ΔM=4mλ(N−1)×(Fno)2・・・(式I)
ここで、感光ドラム上におけるスポット径をwとすると、感光ドラム位置からx離れた位置でのスポット径wは波長をλとして以下のように表現できる。
ビームウエスト位置でのスポット径の20%までを許容範囲とすると、w≦1.2w0を満たすxの上限値を焦点深度Wとすると、(式J)より
w0は一般的に、1.64λ×Fnoとなるので(式F)に代入して、焦点深度Wは以下のように表現できる。
ここで、吸湿による形状変更によって主走査方向のピントが変わった場合でも光学性能に影響を及ぼさないためには、ピント変動量を焦点深度の10%以下に抑える必要がある。したがって、(式I)のピント変化量ΔMが(式L)の焦点深度Wの1/10以下となるようにすると、(式I)および(式L)より光線幅におけるニュートン本数の変化量mは以下の条件を満たさなければならない。
(式M)を満足させるためには、レプリカ非球面の面形状は(式E)と組み合わせることにより下記の(式1)を満足させなければならない。
以上、(式1)の意味するところは、吸湿により光学素子面の形状に変化があっても光学性能上問題のない面形状、屈折率を規定するものである。
表1に実施例1の光学系における各レンズの光学配置、形状および使用した硝材の特性を示す。
尚、以下に示す各表において、第1面とはレンズ入射面、第2面とはレンズ射出面のことである。
図5に実施例1の光学系での被走査面上の各像高での像面湾曲、図6に実施例1の光学系での各像高でのfθ特性を示す。また、図7に実施例1の光学系での被走査面上の像高160mm,100mm,0mmでのスポット形状(ピーク光量に対して、5%,10%,13.5%,36.8%,50%の等高線)を示す。また、図8に像面位置をデフォーカスさせたときの主走査方向および副走査方向のスポット径を示す。
本実施例におけるレプリカ非球面レンズの面形状は以下の形状表現式により表されている。
各レンズ面と光軸との交点を原点とし、光軸方向をx軸、半径方向の座標をhとしたときに、光軸を通る平面で切断したときの形状が、
(但し、Rは曲率半径、k、B4、B6、8、B10は非球面係数)
また、アナモフィックレンズの面形状は以下の表現式により表されている。
各レンズ面と光軸との交点を原点とし、光軸方向をx軸、主走査断面内において光軸と直交する軸をy軸、副走査断面内において光軸と直交する軸をz軸としたとき、主走査方向と対応する母線方向が、
(但し、Rは曲率半径、k、E4、E6、E8、E10は非球面係数)
副走査方向(光軸を含み主走査方向に対して直交する方向)と対応する子線方向が、
ここで
r’=r0(1+F22+F44+F66+F88
(但し、r0は光軸上の子線曲率半径、F2、F4、F6、F8は係数)
尚、光軸外の子線曲率半径r’は各々の位置における母線の法線を含み主走査面と垂直な面内に定義されている。表2に本実施例における走査光学装置の諸数値を示す。尚、以下の表中において、「E−x」は「10−x」を示している。
図9にレプリカレンズの各レンズ座標での厚みを示す。
本実施例におけるレプリカレンズの厚みT(h)は以下の数式で定義されている。但し、tはレンズの光軸における厚み(T(0))、G4、G6、G8、G10は非球面係数であり、以下のように表わすことができる。
図9より明らかなように、軸上から軸外にかけてレプリカレンズの厚みが一様に増加している。このレプリカレンズに吸湿が起きた場合、レプリカ部の厚みの0.5%程度が厚み方向に膨張すると考えられる。図10に吸湿により形状が変化したときの主走査方向のピント変化を示す。
図10より吸湿によって主走査方向のピントが最軸外で最大0.13mm変化している。図8より主走査方向の最小スポット径w0は約44μmであり、スポット径が最小スポットの1.2倍、つまり53μmを許容するような像面深度Wは±2.34mmである。吸湿によるピント変動量は像面深度の1/10以下に抑えられているため光学性能への影響は少ないと考えられる。
レプリカレンズのサグ量F(h)、また吸湿後のレプリカレンズのサグ量F’(h)は(式2)と表2および表3から、以下のように表すことができる。
走査有効領域±160mmにおいて、レプリカレンズの有効域は±32.7mmである。上記の2式を用いて(式1)の左辺の計算を行った結果を図11に示す。
ここで、レプリカレンズを通過する光線の幅D=7.636mm、レプリカレンズの材料の屈折率N=1.512935、光線の波長λ=0.67×10-3mmである。
図11より明らかなようにレプリカレンズの有効域における計算結果はすべて0.14以下であり、(式1)を満たしていることがわかる。
尚、本実施例においてレプリカレンズは回転対称な形状であったが、シリンドリカル形状やアナモフィック形状でも同様の効果が得られる。また、本実施例では結像光学系がオーバーフィルド光学系であったが、アンダーフィルド光学系でも同様の効果が得られる。
また、本実施例では副走査断面内において斜入射光学系であったが、主走査断面内において斜入射光学系でも同様の効果が得られる。
また、本実施例では結像光学系を2枚の結像レンズより構成したが、これに限らず、例えば1枚もしくは3枚以上の結像レンズで構成しても良い。
このように本実施例では、上述した如く条件式(1)を満足するように各要素を設定することにより、環境安定性が良く、常に良好なる画像を得ることができる。
[画像形成装置]
図12は、本発明の画像形成装置の実施例を示す要部断面図である。図において、符号104は画像形成装置を示す。この画像形成装置104には、パーソナルコンピュータ等の外部機器117からコードデータDcが入力する。このコードデータDcは、装置内のプリンタコントローラ111によって、画像データ(ドットデータ)Diに変換される。この画像データDiは、実施例1に示した構成を有する光走査ユニット(走査光学装置)100に入力される。そして、この光走査ユニット100からは、画像データDiに応じて変調された光ビーム103が出射され、この光ビーム103によって感光ドラム101の感光面が主走査方向に走査される。
静電潜像担持体(感光体)たる感光ドラム101は、モータ115によって時計廻りに回転させられる。そして、この回転に伴って、感光ドラム101の感光面が光ビーム103に対して、主走査方向と直交する副走査方向に移動する。感光ドラム101の上方には、感光ドラム101の表面を一様に帯電せしめる帯電ローラ102が表面に当接するように設けられている。そして、帯電ローラ102によって帯電された感光ドラム101の表面に、光走査ユニット100によって走査される光ビーム103が照射されるようになっている。
先に説明したように、光ビーム103は、画像データDiに基づいて変調されており、この光ビーム103を照射することによって感光ドラム101の表面に静電潜像を形成せしめる。この静電潜像は、光ビーム103の照射位置よりもさらに感光ドラム101の回転方向の下流側で感光ドラム101に当接するように配設された現像器107によってトナー像として現像される。
現像器107によって現像されたトナー像は、感光ドラム101の下方で、感光ドラム101に対向するように配設された転写器の一要素を構成する転写ローラ108によって被転写材たる用紙112上に転写される。用紙112は感光ドラム101の前方(図12において右側)の用紙カセット109内に収納されているが、手差しでも給紙が可能である。用紙カセット109端部には、給紙ローラ110が配設されており、用紙カセット109内の用紙112を搬送路へ送り込む。
以上のようにして、未定着トナー像を転写された用紙112はさらに感光ドラム101後方(図12において左側)の定着器へと搬送される。定着器は内部に定着ヒータ(図示せず)を有する定着ローラ113とこの定着ローラ113に圧接するように配設された加圧ローラ114とで構成されている。そして転写部から搬送されてきた用紙112を定着ローラ113と加圧ローラ114の圧接部にて加圧しながら加熱することにより用紙112上の未定着トナー像を定着せしめる。更に定着ローラ113の後方には排紙ローラ116が配設されており、定着された用紙112を画像形成装置の外に排出せしめる。
図12においては図示していないが、プリントコントローラ111は、先に説明したデータの変換だけでなく、モータ115を始め画像形成装置内の各部や、光走査ユニット内のポリゴンモータなどの制御を行う。
本発明で使用される画像形成装置の記録密度は、特に限定されない。しかし、記録密度が高くなればなるほど、高画質が求められることを考えると、1200dpi以上の画像形成装置において本発明の実施例1の構成はより効果を発揮する。
[カラー画像形成装置]
図13は本発明の実施例のカラー画像形成装置の要部概略図である。本実施例は、走査光学装置を4個並べ各々並行して像担持体である感光ドラム面上に画像情報を記録するタンデムタイプのカラー画像形成装置である。図13において、60はカラー画像形成装置、11、12、13、14は各々実施例1に示した構成を有する走査光学装置、21、22、23、24は各々像担持体としての感光ドラム、31、32、33、34は各々現像器、51は搬送ベルトである。
図13において、カラー画像形成装置60には、パーソナルコンピュータ等の外部機器52からR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色信号が入力する。これらの色信号は、装置内のプリンタコントローラ53によって、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各画像データ(ドットデータ)に変換される。これらの画像データは、それぞれ走査光学装置11、12、13、14に入力される。そして、これらの走査光学装置からは、各画像データに応じて変調された光ビーム41、42、43、44が出射され、これらの光ビームによって感光ドラム21、22、23、24の感光面が主走査方向に走査される。
本実施例におけるカラー画像形成装置は走査光学装置(11、12、13、14)を4個並べ、各々がC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の互いに異なった各色に対応している。そして、各々平行して複数の感光ドラム21、22、23、24面上に画像信号(画像情報)を記録し、カラー画像を高速に印字するものである。
本実施例におけるカラー画像形成装置は上述の如く4つの走査光学装置11、12、13、14により各々の画像データに基づいた光ビームを用いて各色の潜像を各々対応する感光ドラム21、22、23、24面上に形成している。その後、記録材に多重転写して1枚のフルカラー画像を形成している。
前記外部機器52としては、例えばCCDセンサを備えたカラー画像読取装置が用いられても良い。この場合には、このカラー画像読取装置と、カラー画像形成装置60とで、カラーデジタル複写機が構成される。
本発明の実施例1における主走査断面図 レプリカレンズの吸湿実験前後での表面形状を示す図 吸湿実験に用いたレプリカレンズの厚みを示す図 レプリカレンズの厚みに対して、吸湿実験によって形状変化した比率を示す図 本発明の実施例1における像面湾曲を示す図 本発明の実施例1における歪曲収差を示す図 本発明の実施例1における被走査面上のスポット形状 本発明の実施例1におけるスポット径のデフォーカス特性 本発明の実施例1におけるレプリカレンズの厚み 本発明の実施例1における吸湿による主走査方向のピント移動量を示す図 本発明の実施例1における(式1)左辺の計算結果 本発明の画像形成装置の実施例を示す副走査断面図 本発明の実施例のカラー画像形成装置の要部概略図 従来の走査光学装置の要部概略図
符号の説明
1 光源手段
2 開口絞り
3 コリメータレンズ
4 シリンドリカルレンズ
5 偏向手段(回転多面鏡)
6 結像光学系
61 第1の結像レンズ
62 第1の結像レンズ
6a 球面レンズ
6b レプリカレンズ
7 球面レンズ
8 被走査面
9 防塵ガラス
10 反射ミラー
11、12、13、14 走査光学装置
21、22、23、24 像担持体(感光ドラム)
31、32、33、34 現像器
41、42、43、44 光ビーム
51 搬送ベルト
52 外部機器
53 プリンタコントローラ
60 カラー画像形成装置
100 走査光学装置
101 感光ドラム
102 帯電ローラ
103 光ビーム
104 画像形成装置
107 現像装置
108 転写ローラ
109 用紙カセット
110 給紙ローラ
111 プリンタコントローラ
112 転写材(用紙)
113 定着ローラ
114 加圧ローラ
115 モータ
116 排紙ローラ
117 外部機器

Claims (5)

  1. 光源手段と、前記光源手段から発せられた波長λ(mm)の光束を偏向走査する偏向手段と、前記偏向手段により偏向走査された光束を被走査面上に結像させる結像光学系を有する走査光学装置において、
    前記結像光学系のうち少なくとも一つの結像光学素子は、ガラス材料より成る光学素子と、樹脂材料より成る光学素子とが接合されており、前記樹脂材料より成る光学素子の空気と接する面は非球面形状より成り、
    前記結像光学素子の光軸からの距離hに対して前記非球面形状のサグ量をF(h)、前記樹脂材料より成る光学素子の厚みをT(h)とするとき、
    前記非球面形状のサグ量F(h)が
    F’(h)=F(h)+0.005×{T(h)−T(0)}
    で表現されるサグ量F’(h)に形状が変化したとき、前記樹脂材料より成る光学素子に入射する光束幅D(mm)におけるニュートン本数の変化量が下記の(式1)を満たすことを特徴とする走査光学装置。
    (ただし、Nは樹脂材料より成る光学素子の材料の波長λにおける屈折率、
    dF(h)/dhはF(h)のhにおける1階微分、
    d2F(h)/dh2はF(h)のhにおける2階微分を示す。)
  2. 請求項1に記載の走査光学装置と、前記被走査面に配置された感光体と、前記走査光学装置で走査された光束によって前記感光体の上に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像器と、現像されたトナー像を被転写材に転写する転写器と、転写されたトナー像を被転写材に定着させる定着器とを有することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1に記載の走査光学装置と、外部機器から入力したコードデータを画像信号に変換して前記走査光学装置に入力せしめるプリンタコントローラとを有していることを特徴とする画像形成装置。
  4. 各々が請求項1に記載の走査光学装置の被走査面に配置され、互いに異なった色の画像を形成する複数の像担持体とを有することを特徴とするカラー画像形成装置。
  5. 外部機器から入力した色信号を異なった色の画像データに変換して各々の走査光学装置に入力せしめるプリンタコントローラを有していることを特徴とする請求項4に記載のカラー画像形成装置。
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