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JP2010046197A - 遠隔操作型アクチュエータ - Google Patents

遠隔操作型アクチュエータ Download PDF

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JP2010046197A
JP2010046197A JP2008211688A JP2008211688A JP2010046197A JP 2010046197 A JP2010046197 A JP 2010046197A JP 2008211688 A JP2008211688 A JP 2008211688A JP 2008211688 A JP2008211688 A JP 2008211688A JP 2010046197 A JP2010046197 A JP 2010046197A
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JP2008211688A
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Hiroshi Isobe
浩 磯部
Yoshitaka Nagano
佳孝 永野
Yukihiro Nishio
幸宏 西尾
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

【課題】 細長いパイプ部の先端に設けられた工具の姿勢を確実に遠隔操作で変更することができる遠隔操作型アクチュエータを提供する。
【解決手段】 パイプ部である細長形状のスピンドルガイド部3と、その先端に姿勢変更自在に取付けられた先端部材2と、スピンドルガイド部3の基端が結合された駆動部ハウジングとを備える。先端部材2は、工具1を保持するスピンドル13を回転自在に支持する。スピンドルガイド部3は、スピンドル13用の回転軸22と、両端に貫通したガイド孔30aとを内部に有する。先端部材2を姿勢変更させる姿勢操作部材31をガイド孔30a内に進退自在に挿通し、駆動部ハウジング内の姿勢変更用駆動源を進退させる。姿勢操作部材31は、一列に配列された複数個の力伝達部材31a,31bからなり、隣合う力伝達部材31a,31bが互いに球面と平面とで接する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、工具の姿勢を遠隔操作で変更可能で、医療用、機械加工等の用途で用いられる遠隔操作型アクチュエータに関する。
医療用として骨の加工に用いられたり、機械加工用としてドリル加工や切削加工に用いられたりする遠隔操作型アクチュエータがある。遠隔操作型アクチュエータは、直線形状や湾曲形状をした細長いパイプ部の先端に設けた工具を遠隔操作で制御する。ただし、従来の遠隔操作用アクチュエータは、工具の回転のみを遠隔操作で制御するだけであったため、医療用の場合、複雑な形状の加工や外からは見えにくい箇所の加工が難しかった。また、ドリル加工では、直線だけではなく、湾曲状の加工が可能なことが求められる。さらに、切削加工では、溝内部の奥まった箇所の加工が可能なことが求められる。以下、医療用を例にとって、遠隔操作型アクチュエータの従来技術と課題について説明する。
整形外科分野において、骨の老化等によって擦り減って使えなくなった関節を新しく人工のものに取り替える人工関節置換手術がある。この手術では、患者の生体骨を人工関節が挿入できるように加工する必要があるが、その加工には、術後の生体骨と人工関節との接着強度を高めるために、人工関節の形状に合わせて精度良く加工することが要求される。
例えば、股関節の人工関節置換手術では、大腿骨の骨の中心にある髄腔部に人工関節挿入用の穴を形成する。人工関節と骨との接触強度を保つには両者の接触面積を大きくとる必要があり、人工関節挿入用の穴は、骨の奥まで延びた細長い形状に加工される。このような骨の切削加工に用いられる医療用アクチュエータとして、細長いパイプ部の先端に工具を回転自在に設け、パイプ部の基端側に設けたモータ等の回転駆動源の駆動により、パイプ部の内部に配した回転軸を介して工具を回転させる構成のものがある(例えば特許文献1)。この種の医療用アクチュエータは、外部に露出した回転部分は先端の工具のみであるため、工具を骨の奥まで挿入することができる。
人工関節置換手術では、皮膚切開や筋肉の切断を伴う。すなわち、人体に傷を付けなければならない。その傷を最小限に抑えるためには、前記パイプ部は真っ直ぐでなく、適度に湾曲している方が良い場合がある。このような状況に対応するためのものとして、次のような従来技術がある。例えば、特許文献2は、パイプ部の中間部を2重に湾曲させて、パイプ部の先端側の軸心位置と基端側の軸心位置とをずらせたものである。このようにパイプ部の軸心位置が先端側と軸心側とでずれているものは、他にも知られている。また、特許文献3は、パイプ部を180度回転させたものである。
特開2007−301149号公報 米国特許第4,466,429号明細書 米国特許第4,265,231号明細書 特開2001−17446号公報
生体骨の人工関節挿入用穴に人工関節を嵌め込んだ状態で、生体骨と人工関節との間に広い隙間があると、術後の接着時間が長くなるため、前記隙間はなるべく狭いのが望ましい。また、生体骨と人工関節の接触面が平滑であることも重要であり、人工関節挿入用穴の加工には高い精度が要求される。しかし、パイプ部がどのような形状であろうとも、工具の動作範囲はパイプ部の形状の制約を受けるため、皮膚切開や筋肉の切断をできるだけ小さくしながら、生体骨と人工関節との間の隙間を狭くかつ両者の接触面が平滑になるように人工関節挿入用穴を加工するのは難しい。
一般に、人工関節置換手術が行われる患者の骨は、老化等により強度が弱くなっていることが多く、骨そのものが変形している場合もある。したがって、通常考えられる以上に、人工関節挿入用穴の加工は難しい。
そこで、本出願人は、人工関節挿入用穴の加工を比較的容易にかつ精度良く行えるようにすることを目的として、先端に設けた工具の姿勢を遠隔操作で変更可能とすることを試みた。工具の姿勢が変更可能であれば、パイプ部の形状に関係なく、工具を適正な姿勢に保持することができるからである。しかし、工具は細長いパイプ部の先端に設けられているため、工具の姿勢を変更させる機構を設ける上で制約が多く、それを克服するための工夫が必要である。また、パイプ部が湾曲部を有することも予想され、その場合でも確実に姿勢変更動作をさせられることが望まれる。
なお、細長いパイプ部を有しない遠隔操作型アクチュエータでは、手で握る部分に対して工具が設けられた部分が姿勢変更可能なものがある(例えば特許文献4)が、遠隔操作で工具の姿勢を変更させるものは提案されていない。
この発明は、細長いパイプ部の先端に設けられた工具の姿勢を遠隔操作で変更することができ、しかもパイプ部が曲がった場合でも確実に姿勢変更させられる遠隔操作型アクチュエータを提供することを課題としている。
この発明にかかる遠隔操作型アクチュエータは、細長形状のスピンドルガイド部と、このスピンドルガイド部の先端に先端部材連結部を介して姿勢変更自在に取付けられた先端部材と、前記スピンドルガイド部の基端が結合された駆動部ハウジングとを備え、前記先端部材は、工具を保持するスピンドルを回転自在に支持し、前記スピンドルガイド部は、前記駆動部ハウジング内に設けられた工具回転用駆動源の回転を前記スピンドルに伝達する回転軸と、両端に貫通したガイド孔とを内部に有し、先端が前記先端部材に接して進退動作することにより前記先端部材を姿勢変更させる姿勢操作部材を前記ガイド孔内に進退自在に挿通し、前記姿勢操作部材を進退させる姿勢変更用駆動源を前記駆動部ハウジング内に設け、前記姿勢操作部材は、一列に配列された複数個の力伝達部材からなり、これら各力伝達部材は、隣合う力伝達部材が互いに球面と平面とで接する形状であることを特徴とする。
この構成によれば、先端部材に設けた工具の回転により、骨等の切削加工が行われる。その場合に、姿勢変更用駆動源により姿勢操作部材を進退させると、この姿勢操作部材の先端が先端部材に対し作用することにより、スピンドルガイド部の先端に先端部材連結部を介して姿勢変更自在に取付けられた先端部材が姿勢変更する。姿勢変更用駆動源は、スピンドルガイド部の基端側の駆動部ハウジング内に設けられており、上記先端部材の姿勢変更は遠隔操作で行われる。
加工中に先端部材に力が作用した際、細長形状であるスピンドルガイド部が大きく撓むことが考えられる。また、スピンドルガイド部は、湾曲部を有する形状となることも考えられる。しかし、姿勢操作部材は、ガイド孔に一列に配列された複数個の力伝達部材からなり、全体で可撓性であるため、スピンドルガイド部の撓みや湾曲形状に合わせて姿勢操作部材も撓む。そのため、スピンドルガイド部が撓んだ場合もしくは湾曲部を有する場合でも姿勢変更動作が確実に行われる。
また、隣合う力伝達部材が互いに球面と平面とで接することにより、次の作用が得られる。
第1の作用は、スピンドルガイド部が撓んだ状態もしくは湾曲部を有する場合であっても、常に隣合う力伝達部材のそれぞれの接触面が中央部で接触することである。例えば、隣合う力伝達部材の接触面が共に平面である場合、スピンドルガイド部が撓んだ状態もしくは湾曲部を有する場合では、各力伝達部材の接触面の向きに若干の違いが生じ、対向する一対の接触面が端部しか接触しない。そのため、隣合う力伝達部材間で力を正確に伝達することが難しい。その点、隣合う力伝達部材が互いに球面と平面とで接していると、常に対向する一対の接触面が中央部で接触するため、隣合う力伝達部材間で力を正確に伝達できる。これにより、姿勢変更用駆動源を小型化することが可能になると共に、姿勢変更用駆動源の消費電力を低減できる。
第2の作用は、姿勢操作部材に力が印加されたときに、隣合う一対の力伝達部材が力伝達部材並び方向と交差する方向にずれにくいことである。力伝達部材はガイド孔内に配置されているが、力伝達部材とガイド孔の内径面との間には若干の隙間がある。例えば、隣合う力伝達部材が互いに球面で接する場合、姿勢操作部材に力が印加されると、隣合う一対の力伝達部材が前記隙間の分だけ互いに逆向きに力伝達部材の並び方向と交差する方向に滑って、前記一対の力伝達部材がガイド孔内径面の周方向反対側の箇所に接する状態となる。その結果、各力伝達部材間の並び方向の距離が狭くなり、姿勢操作部材の全長が変わるため、先端部材の姿勢変更精度が低下する。また、各力伝達部材がガイド孔内径面に接すると、力伝達部材とガイド孔内径面間に摩擦力が発生するため、姿勢変更用駆動源が大きな駆動力を要する。その点、隣合う力伝達部材が互いに球面と平面とで接していると、隣合う一対の力伝達部材が力伝達部材並び方向と交差する方向にずれにくく、先端部材の姿勢を正確にコントロールでき、かつ姿勢変更用駆動源を小型化し、姿勢変更用駆動源の消費電力を低減できる。
この発明において、前記力伝達部材は柱状体およびボールであり、これら2種の力伝達部材を交互に配置して前記姿勢操作部材とすることができる。または、前記力伝達部材は、一方の端面が球面に加工され、もう一方の端面が平面に加工された柱状体であり、この力伝達部材を同じ向きに並べて前記姿勢操作部材としてもよい。
いずれの場合も、隣合う力伝達部材が互いに球面と平面とで接するため、前記作用が得られる。
この発明において、前記ガイド孔およびこのガイド孔内に挿通された姿勢操作部材を1箇所のみに設け、前記先端部材を所定姿勢側へ付勢する復元用弾性部材を設け、前記姿勢操作部材は前記復元用弾性部材の付勢力に抗して前記先端部材を姿勢変更させることができる。また、前記ガイド孔およびこのガイド孔内に挿通された姿勢操作部材を2箇所に設け、前記姿勢変更用駆動源を各姿勢操作部材に対して個別に設け、前記2箇所の姿勢操作部材の前記先端部材への作用力の釣り合いにより前記先端部材の姿勢を変更、維持させてもよい。これらの場合、1本の姿勢変更軸回りに先端部材の姿勢を変更できる。後者は、2つの姿勢操作部材で先端部材に加圧されるため、1つ姿勢操作部材だけで加圧される前者に比べ、先端部材の姿勢安定性を高めることができる。
さらに、前記先端部材連結部が、前記先端部材を任意方向に傾動可能に支持するものであり、前記ガイド孔およびこのガイド孔内に挿通された姿勢操作部材を、前記先端部材の傾動中心の周りの3箇所以上に設け、前記姿勢変更用駆動源を各姿勢操作部材に対して個別に設け、前記3箇所以上の姿勢操作部材の前記先端部材への作用力の釣り合いにより前記先端部材の姿勢を変更、維持させてもよい。この場合、2本の姿勢変更軸回りに先端部材の姿勢を変更できる。この構成では、3つ以上の姿勢操作部材で先端部材に加圧されるため、さらに先端部材の姿勢安定性を高めることができる。
この発明において、前記姿勢変更用駆動源の動作量を検出する動作量検出器を設け、この動作量検出器の検出値から前記先端部材の姿勢を検出する姿勢検出手段を設けると良い。
この構成によれば、姿勢検出手段の検出結果に基づき適正な先端部材姿勢制御を行うことができる。
前記姿勢変更用駆動源が電動アクチュエータである場合には、この電動アクチュエータへの供給電力を計測して前記先端部材に作用する荷重を検出する荷重検出手段を設けるのが良い。
この構成によれば、荷重検出手段の検出結果に基づき、遠隔操作型アクチュエータ全体の送り量や先端部材の姿勢変更を制御することにより、先端部材に作用する荷重を適正に保った状態で骨の切削加工を行える。
この発明において、前記スピンドルガイド部が、このスピンドルガイド部の外郭となる外郭パイプを有し、前記ガイド孔を、前記外郭パイプ内に設けられたガイドパイプの内径孔とすることができる。
この構成であれば、外郭パイプによりスピンドルガイド部の内部を保護しつつ、スピンドルガイド部を中空状にして軽量化を図れる。
上記構成とする場合、前記外郭パイプ内の中心に前記回転軸を配置し、この回転軸と外郭パイプの内径面との間に、複数本の補強シャフトと前記ガイドパイプとを円周方向に並べて設けるのが良い。
このように補強シャフトとガイドパイプとを設けることにより、これらをスピンドルガイド部内にバランス良く配置して、スピンドルガイド部の剛性向上を図れる。
上記構成において、前記スピンドルガイド部内の前記回転軸を回転自在に支持する複数の転がり軸受を設ける場合、これら複数の転がり軸受の外径面を、前記複数本の補強シャフトと前記ガイドパイプとで支持することができる。
補強シャフトとガイドパイプとを利用することで、余分な部材を用いずに転がり軸受の外径面を支持できる。
また、前記スピンドルガイド部内の前記回転軸を回転自在に支持する複数の転がり軸受を設ける場合、隣合う転がり軸受間に、これら転がり軸受に対して予圧を与えるばね要素を設けるのが望ましい。
加工の仕上がりを良くするには、スピンドルを高速回転させて加工するのがよい。スピンドルを高速回転させると、工具に作用する切削抵抗を低減させる効果もある。スピンドルはワイヤ等からなる細い回転軸を介して回転力が伝達されるので、スピンドルの高速回転を実現させるため、回転軸を支持する転がり軸受に予圧をかけておくことが必要となる。この予圧のためのばね要素を隣合う転がり軸受間に設ければ、スピンドルガイド部の径を大きくせずにばね要素を設けられる。
この発明において、前記スピンドルガイド部は湾曲した箇所を有していてもよい。
姿勢操作部材は可撓性であるため、スピンドルガイド部に湾曲した箇所があっても、ガイド孔内で進退させることができる。
この発明の遠隔操作型アクチュエータは、細長形状のスピンドルガイド部と、このスピンドルガイド部の先端に先端部材連結部を介して姿勢変更自在に取付けられた先端部材と、前記スピンドルガイド部の基端が結合された駆動部ハウジングとを備え、前記先端部材は、工具を保持するスピンドルを回転自在に支持し、前記スピンドルガイド部は、前記駆動部ハウジング内に設けられた工具回転用駆動源の回転を前記スピンドルに伝達する回転軸と、両端に貫通したガイド孔とを内部に有し、先端が前記先端部材に接して進退動作することにより前記先端部材を姿勢変更させる姿勢操作部材を前記ガイド孔内に進退自在に挿通し、前記姿勢操作部材を進退させる姿勢変更用駆動源を前記駆動部ハウジング内に設け、前記姿勢操作部材は、一列に配列された複数個の力伝達部材からなり、これら各力伝達部材は、隣合う力伝達部材が互いに球面と平面とで接する形状であるため、細長形状であるスピンドルガイド部の先端に設けられた工具の姿勢を遠隔操作で変更することができ、しかもスピンドルガイド部が曲がった場合でも確実に姿勢変更させられる。
この発明の実施形態を図1〜図3と共に説明する。図1において、この遠隔操作型アクチュエータは、回転式の工具1を保持する先端部材2と、この先端部材2が先端に姿勢変更自在に取付けられた細長形状のスピンドルガイド部3と、このスピンドルガイド部3の基端が結合された駆動部ハウジング4aと、この駆動部ハウジング4a内の工具回転用駆動機構4bおよび姿勢変更用駆動機構4cを制御するコントローラ5とを備える。駆動部ハウジング4aは、内蔵の工具回転用駆動機構4bおよび姿勢変更用駆動機構4cと共に駆動部4を構成する。
図2に示すように、先端部材2は、略円筒状のハウジング11の内部に、一対の軸受12によりスピンドル13が回転自在に支持されている。スピンドル13は、先端側が開口した筒状で、中空部に工具1のシャンク1aが嵌合状態に挿入され、回り止めピン14によりシャンク1aが回転不能に結合される。この先端部材2は、先端部材連結部15を介してスピンドルガイド部3の先端に取付けられる。先端部材連結部15は、先端部材2を姿勢変更自在に支持する手段であり、球面軸受からなる。具体的には、先端部材連結部15は、ハウジング11の基端の内径縮径部からなる被案内部11aと、スピンドルガイド部3の先端に固定された抜け止め部材21の鍔状部からなる案内部21aとで構成される。両者11a,21aの互いに接する各案内面F1,F2は、スピンドル13の中心線CL上に曲率中心Oが位置し、基端側ほど径が小さい球面とされている。これにより、スピンドルガイド部3に対して先端部材2が抜け止めされるとともに、姿勢変更自在に支持される。この例は、曲率中心Oを通るX軸回りに先端部材2が姿勢変更する構成であるため、案内面F1,F2が、点Oを通るX軸を軸心とする円筒面であってもよい。
スピンドルガイド部3は、駆動部ハウジング4a内の工具回転用駆動源41(図3)の回転力を前記スピンドル13へ伝達する回転軸22を有する。この例では、回転軸22はワイヤとされ、ある程度の弾性変形が可能である。ワイヤの材質としては、例えば金属、樹脂、グラスファイバー等が用いられる。ワイヤは単線であっても、撚り線であってもよい。図2(C)に示すように、スピンドル13と回転軸22とは、自在継手等の継手23を介して回転伝達可能に接続されている。継手23は、スピンドル13の閉塞した基端に設けられた溝13aと、回転軸22の先端に設けられ前記溝13aに係合する突起22aとで構成される。上記溝13aと突起22aとの連結箇所の中心は、前記案内面F1,F2の曲率中心Oと同位置である。
スピンドルガイド部3は、このスピンドルガイド部3の外郭となる外郭パイプ25を有し、この外郭パイプ25の中心に前記回転軸22が位置する。回転軸22は、それぞれ軸方向に離れて配置された複数の転がり軸受26によって回転自在に支持されている。各転がり軸受26間には、これら転がり軸受26に予圧を発生させるためのばね要素27A,27Bが設けられている。ばね要素27A,27Bは、例えば圧縮コイルばねである。転がり軸受26の内輪に予圧を発生させる内輪用ばね要素27Aと、外輪に予圧を発生させる外輪用ばね要素27Bとがあり、これらが交互に配置されている。前記抜け止め部材21は、固定ピン28により外郭パイプ25のパイプエンド部25aに固定され、その先端内周部で転がり軸受29を介して回転軸22の先端部を回転自在に支持している。パイプエンド部25aは、外郭パイプ25と別部材とし、溶接等により結合してもよい。
外郭パイプ25の内径面と回転軸22の間には、両端に貫通する1本のガイドパイプ30が設けられ、このガイドパイプ30の内径孔であるガイド孔30a内に姿勢操作部材31が進退自在に挿通されている。姿勢操作部材31は、力伝達部材であるボール31aおよび柱状体31bを交互にガイド孔30aの長さ方向に沿って一列に配列し、両端に柱状ピン31cを配してある。ボール31aと柱状体31b、およびボール31aと柱状ピン31cは、互いに球面と平面とで接している。先端部材2側の柱状ピン31cの先端は球面状で、ハウジング11の基端面に当接している。駆動部ハウジング4a側の柱状ピン31cの先端も球面状で、後記レバー43b(図3)の側面に当接している。
上記姿勢操作部材31が位置する周方向位置に対し180度の位相の位置には、先端部材2のハウジング11の基端面とスピンドルガイド部3の外郭パイプ25の先端面との間に、例えば圧縮コイルばねからなる復元用弾性部材32が設けられている。この復元用弾性部材32は、先端部材2を所定姿勢側へ付勢する作用をする。
また、外郭パイプ25の内径面と回転軸22の間には、前記ガイドパイプ30とは別に、このガイドパイプ30と同一ピッチ円C上に、複数本の補強シャフト34が配置されている。これらの補強シャフト34は、スピンドルガイド部3の剛性を確保するためのものである。ガイドパイプ30と補強シャフト34の配列間隔は等間隔とされている。ガイドパイプ30および補強シャフト34は、外郭パイプ25の内径面におよび前記転がり軸受26の外径面に接している。これにより、転がり軸受26の外径面を支持している。
図3は、駆動部ハウジング4a内の工具回転用駆動機構4bおよび姿勢変更用駆動機構4cを示す。工具回転用駆動機構4bは、コントローラ5により制御される工具回転用駆動源41を備える。工具回転用駆動源41は、例えば電動モータであり、その出力軸41aが前記回転軸22の基端に結合させてある。姿勢変更用駆動機構4cは、コントローラ5により制御される姿勢変更用駆動源42を備える。姿勢変更用駆動源42は、例えば電動リニアアクチュエータであり、図3(A)の左右方向に移動する出力ロッド42aの動きが、増力伝達機構43を介して前記姿勢操作部材31に伝達される。増力伝達機構43は、支軸43a回りに回動自在なレバー43bを有し、このレバー43bにおける支軸43aからの距離が長い作用点P1に出力ロッド42aの力が作用し、支軸43aからの距離が短い力点P2で姿勢操作部材31に力を与える構成であり、姿勢変更用駆動源42の出力が増力して姿勢操作部材31に伝達される。増力伝達機構43を設けると、小さな出力のリニアアクチュエータでも姿勢操作部材31に大きな力を与えることができるので、リニアアクチュエータの小型化が可能になる。なお、回転軸22は、レバー43bに形成された開口44を貫通させてある。なお、ロータリアクチュエータ等を設ける代わりに、手動により先端部材2の姿勢を遠隔操作してもよい。
姿勢変更用駆動機構4cには、姿勢変更用駆動源42の動作量を検出する動作量検出器45が設けられている。この動作量検出器45の検出値は、姿勢検出手段46に出力される。姿勢検出手段46は、動作量検出器45の出力により、先端部材2のX軸(図2)回りの傾動姿勢を検出する。姿勢検出手段46は、上記傾動姿勢と動作量検出器45の出力信号との関係を演算式またはテーブル等により設定した関係設定手段(図示せず)を有し、入力された出力信号から前記関係設定手段を用いて傾動姿勢を検出する。この姿勢検出手段46は、コントローラ5に設けられたものであっても、あるいは外部の制御装置に設けられたものであってもよい。
また、姿勢変更用駆動機構4cには、電動アクチュエータである姿勢変更用駆動源42に供給される電力量を検出する供給電力計47が設けられている。この供給電力計47の検出値は、荷重検出手段48に出力される。荷重検出手段48は、供給電力計47の出力により、先端部材2に作用する荷重を検出する。荷重検出手段48は、上記荷重と供給電力計47の出力信号との関係を演算式またはテーブル等により設定した関係設定手段(図示せず)を有し、入力された出力信号から前記関係設定手段を用いて荷重を検出する。この荷重検出手段48は、コントローラ5に設けられたものであっても、あるいは外部の制御装置に設けられたものであってもよい。
コントローラ5は、前記姿勢検出手段46および荷重検出手段48の検出値に基づき、工具回転用駆動源41および姿勢変更用駆動源42を制御する。
この遠隔操作型アクチュエータの動作を説明する。
工具回転用駆動源41を駆動すると、その回転力が回転軸22を介してスピンドル13に伝達されて、スピンドル13と共に工具1が回転する。工具1を回転させて骨等を切削加工する際に先端部材2に作用する荷重は、供給電力計47の検出値から、荷重検出手段48によって検出される。このように検出される荷重の値に応じて遠隔操作型アクチュエータ全体の送り量や後記先端部材2の姿勢変更を制御することにより、先端部材2に作用する荷重を適正に保った状態で骨の切削加工を行える。
使用時には、姿勢変更用駆動源42を駆動させて、遠隔操作で先端部材2の姿勢変更を行う。例えば、姿勢変更用駆動源42により姿勢操作部材31を先端側へ進出させると、姿勢操作部材31によって先端部材2のハウジング11が押されて、先端部材2は図2(A)において先端側が下向きとなる側へ案内面F1,F2に沿って姿勢変更する。逆に、姿勢変更用駆動源42により姿勢操作部材31を後退させると、復元用弾性部材32の弾性反発力によって先端部材2のハウジング11が押し戻され、先端部材2は図2(A)において先端側が上向きとなる側へ案内面F1,F2に沿って姿勢変更する。その際、先端部材連結部15には、姿勢操作部材31の圧力、復元用弾性部材32の弾性反発力、および抜け止め部材21からの反力が作用しており、これらの作用力の釣り合いにより先端部材2の姿勢が決定される。先端部材2の姿勢は、動作量検出器45の検出値から、姿勢検出手段46によって検出される。そのため、遠隔操作で先端部材2の姿勢を適正に制御できる。
姿勢操作部材31はガイド孔30aに挿通されているため、姿勢操作部材31が長手方向と交差する方向に位置ずれすることがなく、常に先端部材2に対し適正に作用することができ、先端部材2の姿勢変更動作が正確に行われる。また、スピンドル13と回転軸22との連結箇所の中心が案内面F1,F2の曲率中心Oと同位置であるため、先端部材2の姿勢変更によって回転軸22に対して押し引きする力がかからず、先端部材2が円滑に姿勢変更できる。
加工中に先端部材2に力が作用した際、細長形状であるスピンドルガイド部3が大きく撓むことがあり得る。また、スピンドルガイド部3は、湾曲部を有する形状となることも考えられる。しかし、姿勢操作部材31は、ガイド孔30a内に一列に配列された複数個の力伝達部材であるボール31aおよび柱状体31bからなり、全体で可撓性であるため、スピンドルガイド部3のガイドパイプ30の撓みもしくは湾曲形状に合わせて姿勢操作部材31も撓む。そのため、スピンドルガイド部3が撓んだ場合もしくは湾曲部を有する場合でも姿勢変更動作が確実に行われる。
また、ボール31aと柱状体31bとを交互に配置したことにより、隣合う力伝達部材31a,31b同士が互いに球面と平面とで接する。このことにより、次の作用が得られる。
第1の作用は、スピンドルガイド部3のガイドパイプ30が撓んだ状態もしくは湾曲部を有する場合であっても、常に隣合う力伝達部材31a,31bのそれぞれの接触面が中央部で接触することである。例えば、図10のように全ての力伝達部材が柱状体31bであり、隣合う力伝達部材(柱状体)31b同士が互いに平面で接する場合、同図(B)に示すガイドパイプ30が撓んだ状態では、各力伝達部材31bの接触面の向きに若干の違いが生じ、対向する一対の接触面が端部しか接触しない。そのため、隣合う力伝達部材31b間で力を正確に伝達することが難しい。その点、隣合う力伝達部材31a,31bが互いに球面と平面とで接していると、常に対向する一対の接触面が中央部で接触するため、隣合う力伝達部材31a,31b間で力を正確に伝達できる。これにより、姿勢変更用駆動源42を小型化することが可能になると共に、姿勢変更用駆動源42の消費電力を低減できる。
第2の作用は、姿勢操作部材31に力が印加されたときに、隣合う一対の力伝達部材31a,31bが力伝達部材並び方向と交差する方向にずれにくいことである。力伝達部材31a,31bはガイド孔30a内に配置されているが、力伝達部材31a,31bとガイド孔30aの内径面との間には若干の隙間がある。例えば、図11のように全ての力伝達部材がボール31aであり、隣合う力伝達部材31aが互いに球面で接する場合、同図(B)のように姿勢操作部材31に力Fが印加されると、隣合う一対の力伝達部材31aが前記隙間の分だけ互いに逆向きに力伝達部材並び方向と交差する方向に滑って、前記一対の力伝達部材31aがガイド孔30a内径面の周方向反対側の箇所に接する状態となる。その結果、各力伝達部材31a間の並び方向の距離が狭くなり(L1>L2)、姿勢操作部材31の全長が変わるため、先端部材2の姿勢変更精度が低下する。また、各力伝達部材31aがガイド孔31a内径面に接すると、力伝達部材31aとガイド孔30a内径面間に摩擦力が発生するため、姿勢変更用駆動源42が大きな駆動力を要する。その点、隣合う力伝達部材が互いに球面と平面とで接していると、隣合う一対の力伝達部材31a,31bが力伝達部材並び方向と交差する方向にずれにくく、先端部材2の姿勢を正確にコントロールでき、かつ姿勢変更用駆動源42を小型化し、姿勢変更用駆動源42の消費電力を低減できる。
この遠隔操作型アクチュエータは、例えば人工関節置換手術において骨の髄腔部を削るのに使用されるものであり、施術時には、先端部材2の全部または一部が患者の体内に挿入して使用される。このため、上記のように先端部材2の姿勢を遠隔操作で変更できれば、常に工具1を適正な姿勢に保持した状態で骨の加工をすることができ、人工関節挿入用穴を精度良く仕上げることができる。
細長形状であるスピンドルガイド部3には、回転軸22および姿勢操作部材31を保護状態で設ける必要があるが、外郭パイプ25の中心部に回転軸22を設け、外郭パイプ25と回転軸22との間に、姿勢操作部材31を収容したガイドパイプ30と補強シャフト34とを円周方向に並べて配置した構成としたことにより、回転軸22および姿勢操作部材31を保護し、かつ内部を中空して軽量化を図りつつ剛性を確保できる。また、全体のバランスも良い。
回転軸22を支持する転がり軸受26の外径面を、ガイドパイプ30と補強シャフト34とで支持させたため、余分な部材を用いずに転がり軸受26の外径面を支持できる。また、ばね要素27A,27Bにより転がり軸受26に予圧がかけられているため、ワイヤからなる回転軸22を高速回転させることができる。そのため、スピンドル13を高速回転させて加工することができ、加工の仕上がりが良く、工具1に作用する切削抵抗を低減させられる。ばね要素27A,27Bは隣合う転がり軸受26間に設けられているので、スピンドルガイド部3の径を大きくせずにばね要素27A,27Bを設けることができる。
この遠隔操作型アクチュエータは、スピンドルガイド部3が中空状であることを利用して、工具1等を冷却する冷却手段50を図4のように設けることができる。すなわち、冷却手段50は、遠隔操作型アクチュエータの外部に設けた冷却液供給装置51と、この冷却液供給装置51から駆動部ハウジング4a、スピンドルガイド部3、および先端部材2の内部を通って工具1に冷却液を導く冷却液供給管52とでなり、冷却液供給管52におけるスピンドルガイド部3を通る部分52aは外郭パイプ25自体が冷却液供給管52であり、外郭パイプ25の内部を冷却液が通過するようにしてある。工具1まで導かれた冷却液は、工具1の外周へ吐出される。このような冷却手段50を設ければ、冷却液により、工具1、被加工物、スピンドル13、回転軸22等の発熱箇所を冷却することができる。外郭パイプ25内に冷却液を通過させるため、冷却液供給用の管を別に設ける必要がなく、スピンドルガイド部3を簡素化および小径化できる。また、前記冷却液を転がり軸受26,29の潤滑に兼用させてもよい。そうすれば、軸受に一般的に使用されているグリス等を使用しなくてもよく、しかも別に潤滑装置を設けなくて済む。なお、工具1まで導かれた冷却液を工具1の外周へ吐出させずに、冷却液供給装置51へ戻す循環型の構成としてもよい。ただし、外郭パイプ25内に通過させる冷却液の流量が少ない場合は、さらに外部から冷却液を供給し、工具1や被加工物を冷却してもよい。
上記冷却液は、水もしくは生理食塩水であるのが望ましい。冷却液が水もしくは生理食塩水であれば、先端部材2を生体内に挿入して加工を行う場合に冷却液が生体に悪影響を与えないからである。冷却液を水もしくは生理食塩水とする場合、冷却液と接する部品の材質は、耐腐食性に優れたステンレスであるのが望ましい。この遠隔操作型アクチュエータを構成する他の各部品も、ステンレス製であってもよい。
図5は異なる実施形態を示す。この遠隔操作型アクチュエータは、外郭パイプ25内の互いに180度の位相にある周方向位置に2本のガイドパイプ30を設け、そのガイドパイプ30の内径孔であるガイド孔30a内に前記同様の姿勢操作部材31が進退自在に挿通してある。2本のガイドパイプ30間には、ガイドパイプ30と同一ピッチ円C上に複数本の補強シャフト34が配置されている。復元用弾性部材32は設けられていない。案内面F1,F2は、曲率中心が点Oである球面、または点Oを通るX軸を軸心とする円筒面である。
駆動部4(図示せず)には、2つの姿勢操作部材31をそれぞれ個別に進退操作させる2つの姿勢変更用駆動源42(図示せず)が設けられており、これら2つの姿勢変更用駆動源42を互いに逆向きに駆動することで先端部材2の姿勢変更を行う。例えば、図5における上側の姿勢操作部材31を先端側へ進出させ、かつ下側の姿勢操作部材31を後退させると、上側の姿勢操作部材31によって先端部材2のハウジング11が押されることにより、先端部材2は図5(A)において先端側が下向きとなる側へ案内面F1,F2に沿って姿勢変更する。逆に、両姿勢操作部材31を逆に進退させると、下側の姿勢操作部材31によって先端部材2のハウジング11が押されることにより、先端部材2は図5(A)において先端側が上向きとなる側へ案内面Fに沿って姿勢変更する。その際、先端部材連結部15には、上下2つの姿勢操作部材31の圧力、および抜け止め部材21からの反力が作用しており、これらの作用力の釣り合いにより先端部材2の姿勢が決定される。この構成では、2つの姿勢操作部材31で先端部材2のハウジング11に加圧されるため、1つ姿勢操作部材31だけで加圧される前記実施形態に比べ、先端部材2の姿勢安定性を高めることができる。
図6はさらに異なる実施形態を示す。この遠隔操作型アクチュエータは、外郭パイプ25内の互いに120度の位相にある周方向位置に3本のガイドパイプ30を設け、そのガイドパイプ30の内径孔であるガイド孔30a内に前記同様の姿勢操作部材31が進退自在に挿通してある。3本のガイドパイプ30間には、ガイドパイプ30と同一ピッチ円C上に複数本の補強シャフト34が配置されている。復元用弾性部材32は設けられていない。案内面F1,F2は曲率中心が点Oである球面であり、先端部材2は任意方向に傾動可能である。
駆動部4には、3つの姿勢操作部材31(31U,31L,31R)をそれぞれ個別に進退操作させる3つの姿勢変更用駆動源42(42U,42L,42R)(図8)が設けられており、これら3つの姿勢変更用駆動源42を互いに連係させて駆動することで先端部材2の姿勢変更を行う。
例えば、図6における上側の1つの姿勢操作部材31Uを先端側へ進出させ、かつ他の2つの姿勢操作部材31L,31Rを後退させると、上側の姿勢操作部材31Uによって先端部材2のハウジング11が押されることにより、先端部材2は図6(A)において先端側が下向きとなる側へ案内面F1,F2に沿って姿勢変更する。このとき、各姿勢操作部材31の進退量が適正になるよう、各姿勢変更用駆動源42が制御される。各姿勢操作部材31を逆に進退させると、左右の姿勢操作部材31L,31Rによって先端部材2のハウジング11が押されることにより、先端部材2は図6(A)において先端側が上向きとなる側へ案内面F1,F2に沿って姿勢変更する。
また、上側の姿勢操作部材31Uは静止させた状態で、左側の姿勢操作部材31Lを先端側へ進出させ、かつ右側の姿勢操作部材31Rを後退させると、左側の姿勢操作部材31Lによって先端部材2のハウジング11が押されることにより、先端部材2は右向き、すなわち図6(A)において紙面の裏側向きとなる側へ案内面F1,F2に沿って姿勢変更する。左右の姿勢操作部材31L,31Rを逆に進退させると、右の姿勢操作部材31Rによって先端部材2のハウジング11が押されることにより、先端部材2は左向きとなる側へ案内面F1,F2に沿って姿勢変更する。
このように姿勢操作部材31を円周方向の3箇所に設けることにより、先端部材2を上下左右の2軸(X軸、Y軸)の方向に姿勢変更することができる。その際、先端部材連結部15には、3つの姿勢操作部材31の圧力、および抜け止め部材21からの反力が作用しており、これらの作用力の釣り合いにより先端部材2の姿勢が決定される。この構成では、3つの姿勢操作部材31で先端部材2のハウジング11に加圧されるため、さらに先端部材2の姿勢安定性を高めることができる。姿勢操作部材31の数をさらに増やせば、先端部材2の姿勢安定性をより一層高めることができる。
図7は、姿勢操作部材の構成が異なる実施形態を示す。この実施形態の姿勢操作部材31も、一列に配列された複数個の力伝達部材からなるが、全ての力伝達部材が、一方の端面が球面に加工され、もう一方の端面が平面に加工された柱状体31dであり、この柱状体31dを同じ向きに並べて配置してある。この場合も、隣合う力伝達部材31dが互いに球面と平面とで接するため、ボール31aと柱状体31bを交互に配置した場合と同様の作用が得られる。図例は、姿勢操作部材31を互いに120度の位相にある3箇所の周方向位置に設けた例であるが、姿勢操作部材31を互いに180度の位相にある2箇所の周方向位置に設けた構成や、周方向の1箇所に設けた姿勢操作部材31とこれに対応する復元用弾性部材32とを組み合わせた構成にも適用できる。
図6および図7のように姿勢操作部材31が周方向の3箇所に設けられている場合、姿勢変更駆動機構4cを例えば図8のように構成することができる。すなわち、各姿勢操作部材31(31U,31L,31R)をそれぞれ個別に進退操作させる3つの姿勢変更用駆動源42(42U,42L,42R)を左右並列に配置すると共に、各姿勢変更用駆動源42に対応するレバー43b(43bU,43bL,43bR)を共通の支軸43a回りに回動自在に設け、各レバー43bにおける支軸43aからの距離が長い作用点P1(P1U,P1L,P1R)に各姿勢変更用駆動源42の出力ロッド42a(42aU,42aL,42aR)の力が作用し、支軸43aからの距離が短い力点P2(P2U,P2L,P2R)で姿勢操作部材31に力を与える構成としてある。これにより、各姿勢変更用駆動源42の出力が増力して対応する姿勢操作部材31に伝達させることができる。なお、回転軸22は、上側の姿勢操作部材31U用のレバー43bUに形成された開口44を貫通させてある。
上記各実施形態はスピンドルガイド部3が直線形状であるが、この発明の遠隔操作型アクチュエータは、姿勢操作部材31が可撓性であり、スピンドルガイド部3が曲がっている場合でも先端部材2の姿勢変更動作が確実に行われるので、図9のようにスピンドルガイド部3を湾曲形状としてもよい。あるいは、スピンドルガイド部3の一部分のみを湾曲形状としてもよい。スピンドルガイド部3が湾曲形状であれば、直線形状では届きにくい骨の奥まで先端部材2を挿入することが可能となる場合があり、人工関節置換手術における人工関節挿入用穴の加工を精度良く仕上げることが可能になる。
スピンドルガイド部3を湾曲形状とする場合、外郭パイプ25、ガイドパイプ30、および補強シャフト34を湾曲形状とする必要がある。また、回転軸22は変形しやすい材質を用いるのが良く、例えば形状記憶合金が適する。姿勢操作部材31は、複数のボールからなるものの他に、ガイドパイプ30の湾曲形状に合わせて湾曲させた複数の柱状体からなるものとしてもよい。その場合、湾曲させた柱状体は、長さが短めであり、面取り等により角部が落とされた形状であるのが好ましい。
この発明の実施形態にかかる遠隔操作型アクチュエータの概略構成を示す図である。 (A)は同遠隔操作型アクチュエータの先端部材およびスピンドルガイド部の断面図、(B)はそのIIB−IIB断面図、(C)は先端部材と回転軸との連結構造を示す図である。 (A)は同遠隔操作型アクチュエータの工具回転用駆動機構および姿勢変更用駆動機構の正面図に制御系を組み合わせて表示した図、(B)はそのIIIB−IIIB断面図である。 同遠隔操作型アクチュエータに冷却手段を設けた場合の概略構成を示す図である。 (A)はこの発明の異なる実施形態にかかる遠隔操作型アクチュエータの先端部材およびスピンドルガイド部の断面図、(B)はそのVB−VB断面図である。 (A)はこの発明のさらに異なる実施形態にかかる遠隔操作型アクチュエータの先端部材およびスピンドルガイド部の断面図、(B)はそのVIB−VIB断面図である。 (A)はこの発明のさらに異なる実施形態にかかる遠隔操作型アクチュエータの先端部材およびスピンドルガイド部の断面図、(B)はそのVIIB−VIIB断面図である。 図6および図7に示す遠隔操作型アクチュエータの工具回転用駆動機構および姿勢変更用駆動機構の破断側面図である。 スピンドルガイド部の形状が異なる遠隔操作型アクチュエータの概略構成を示す図である。 (A)は全ての力伝達部材が柱状体からなる姿勢操作部材の真っ直ぐな状態を示す断面図、(B)は撓んだ状態を示す断面図である。 (A)は全ての力伝達部材がボールからなる姿勢操作部材に力が印加されていない状態を示す断面図、(B)は力が印加されている状態を示す断面図である。
符号の説明
1…工具
2…先端部材
3…スピンドルガイド部
4a…駆動部ハウジング
5…コントローラ
13…スピンドル
15…先端部材連結部
22…回転軸
25…外郭パイプ
26,29…転がり軸受
27A,27B…ばね要素
30…ガイドパイプ
30a…ガイド孔
31…姿勢操作部材
31a…ボール(力伝達部材)
31b…柱状体(力伝達部材)
31d…柱状体(力伝達部材)
32…復元用弾性部材
34…補強シャフト
41…工具回転用駆動源
42…姿勢変更用駆動源

Claims (13)

  1. 細長形状のスピンドルガイド部と、このスピンドルガイド部の先端に先端部材連結部を介して姿勢変更自在に取付けられた先端部材と、前記スピンドルガイド部の基端が結合された駆動部ハウジングとを備え、
    前記先端部材は、工具を保持するスピンドルを回転自在に支持し、前記スピンドルガイド部は、前記駆動部ハウジング内に設けられた工具回転用駆動源の回転を前記スピンドルに伝達する回転軸と、両端に貫通したガイド孔とを内部に有し、先端が前記先端部材に接して進退動作することにより前記先端部材を姿勢変更させる姿勢操作部材を前記ガイド孔内に進退自在に挿通し、前記姿勢操作部材を進退させる姿勢変更用駆動源を前記駆動部ハウジング内に設け、
    前記姿勢操作部材は、一列に配列された複数個の力伝達部材からなり、これら各力伝達部材は、隣合う力伝達部材が互いに球面と平面とで接する形状であることを特徴とする遠隔操作型アクチュエータ。
  2. 請求項1において、前記力伝達部材は柱状体およびボールであり、これら2種の力伝達部材を交互に配置して前記姿勢操作部材とした遠隔操作型アクチュエータ。
  3. 請求項1において、前記力伝達部材は、一方の端面が球面に加工され、もう一方の端面が平面に加工された柱状体であり、この力伝達部材を同じ向きに並べて前記姿勢操作部材とした遠隔操作型アクチュエータ。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記ガイド孔およびこのガイド孔内に挿通された姿勢操作部材を1箇所のみに設け、前記先端部材を所定姿勢側へ付勢する復元用弾性部材を設け、前記姿勢操作部材は前記復元用弾性部材の付勢力に抗して前記先端部材を姿勢変更させるものとした遠隔操作型アクチュエータ。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記ガイド孔およびこのガイド孔内に挿通された姿勢操作部材を2箇所に設け、前記姿勢変更用駆動源を各姿勢操作部材に対して個別に設け、前記2箇所の姿勢操作部材の前記先端部材への作用力の釣り合いにより前記先端部材の姿勢を変更、維持させるものとした遠隔操作型アクチュエータ。
  6. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記先端部連結部材が、前記先端部材を任意方向に傾動可能に支持するものであり、前記ガイド孔およびこのガイド孔内に挿通された姿勢操作部材を、前記先端部材の傾動中心の周りの3箇所以上に設け、前記姿勢変更用駆動源を各姿勢操作部材に対して個別に設け、前記3箇所以上の姿勢操作部材の前記先端部材への作用力の釣り合いにより前記先端部材の姿勢を変更、維持させるものとした遠隔操作型アクチュエータ。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記姿勢変更用駆動源の動作量を検出する動作量検出器を設け、この動作量検出器の検出値から前記先端部材の姿勢を検出する姿勢検出手段を設けた遠隔操作型アクチュエータ。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記姿勢変更用駆動源は電動アクチュエータであり、この電動アクチュエータへの供給電力を計測して前記先端部材に作用する荷重を検出する荷重検出手段を設けた遠隔操作型アクチュエータ。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、前記スピンドルガイド部が、このスピンドルガイド部の外郭となる外郭パイプを有し、前記ガイド孔が、前記外郭パイプ内に設けられたガイドパイプの内径孔である遠隔操作型アクチュエータ。
  10. 請求項9において、前記外郭パイプ内の中心に前記回転軸を配置し、この回転軸と外郭パイプの内径面との間に、複数本の補強シャフトと前記ガイドパイプとを円周方向に並べて設けた遠隔操作型アクチュエータ。
  11. 請求項10において、前記スピンドルガイド部内の前記回転軸を回転自在に支持する複数の転がり軸受を設け、これら複数の転がり軸受の外径面を、前記複数本の補強シャフトと前記ガイドパイプとで支持した遠隔操作型アクチュエータ。
  12. 請求項9ないし請求項11のいずれか1項において、前記スピンドルガイド部内の前記回転軸を回転自在に支持する複数の転がり軸受を設け、隣合う転がり軸受間に、これら転がり軸受に対して予圧を与えるばね要素を設けた遠隔操作型アクチュエータ。
  13. 請求項1ないし請求項18のいずれか1項において、前記スピンドルガイド部は湾曲した箇所を有する遠隔操作型アクチュエータ。
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