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JP2010044883A - 非水電解液及びリチウム二次電池 - Google Patents

非水電解液及びリチウム二次電池 Download PDF

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JP2010044883A
JP2010044883A JP2008206452A JP2008206452A JP2010044883A JP 2010044883 A JP2010044883 A JP 2010044883A JP 2008206452 A JP2008206452 A JP 2008206452A JP 2008206452 A JP2008206452 A JP 2008206452A JP 2010044883 A JP2010044883 A JP 2010044883A
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Yoshinobu Nogi
栄信 野木
Shigeru Mio
茂 三尾
Takashi Hayashi
剛史 林
Hidetoshi Tsunoda
角田  秀俊
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

【課題】環境資源に対して負荷の少ないマンガンを正極活物質に含むリチウム二次電池において、長寿命化を実現できる電解液、及びその電解液を用いたリチウム二次電池を提供すること。
【解決手段】本発明の非水電解液は、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。この非水電解液は、第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として下記一般式(2)で表される化合物に加え、亜リン酸トリアルキル、リン酸トリアルキル、ホウ酸トリアルキル、硫酸ジアルキル、亜硫酸ジアルキル亜リン酸トリアルキル等の第3成分を少なくとも含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、寿命特性に優れた非水電解液及びそれを用いた二次電池に関するものである。さらに詳しくはマンガンを含む遷移金属の複合酸化物を正極活物質とするリチウム二次電池において、寿命特性に優れた明細書記載の不飽和スルトン含有する電解液及びそれを用いた二次電池に関するものである。
リチウム二次電池用正極活物質としては、リチウムと遷移金属を含む活物質が各種知られている。従来実用化されたリチウム二次電池の多くでは、正極活物質として用いられる遷移金属の主成分は、コバルトあるいはニッケルであった。コバルトあるいはニッケルが多用された背景としては、他の遷移金属に比較して電池長寿命を実現しやすい為である。
しかし従来多用されてきたコバルト又はニッケルは、高価な上に資源量も限られている。近年のリチウム二次電池の大きな需要増加、さらには近い将来、自動車用途や新エネルギー関連の蓄電用途などの大型電池用途での劇的な需要増加が予想されることから、コバルト又はニッケルに変わる安価でかつ資源量の豊富な遷移金属正極活物質への転換が強く求められている。
その中でも、コバルト又はニッケルに比較して安価で資源量が豊富なマンガンは有力な次世代正極活物質候補の一つではある。しかし、一般にマンガン正極を用いた電池は、コバルト又はニッケル正極を用いた電池に比べて短寿命である。一方、近い将来において劇的な需要増加が予想される大型電池市場における要求性能は、電池の劇的な長寿命化である。この要求に応えるべく様々な手法が検討されているが(例えば、特許文献1〜29参照)、この大型電池市場の要求性能に対しては更なる改善が熱望されている。
特許第3825604号明細書 特開2001−256997号公報 特許第3869622号明細書 特開2002−231309号公報 特開2005−63871号公報 特開2001−357877号公報 特開2002−8716号公報 特開2002−93462号公報 特開2007−165296号公報 特開2002−83631号公報 特開2002−208432号公報 特開2001−202994号公報 特開2001−236990号公報 特開2001−250582号公報 特開2002−75444号公報 特許第3680441号明細書 特開2005−108476号公報 特開平11−26018号公報 特開2001−351640号公報 特開2007−165111号公報 特許第3658506号明細書 特開平11−339850号公報 特許第3730855号明細書 特許第3730860号明細書 特開平8−250126号公報 特開平10−228929号公報 特開平10−172604号公報 特許第3163078号明細書 特開2004−71159号公報
本発明の課題は、環境資源に対して負荷の少ないマンガンを正極活物質に含むリチウム二次電池において、長寿命化を実現できる非水電解液及びその非水電解液を用いたリチウム二次電池を提供することである。
本発明者は、上記課題に対して鋭意検討した結果、より安価で、より資源量の豊富なマンガンを正極活物質に含むリチウム二次電池において、長寿命化を実現できる電解液及びその電解液を用いたリチウム二次電池を見出し、本発明を完成した。即ち、本発明は以下のとおりである。
<1> 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
第3成分として亜リン酸トリアルキルと、を少なくとも含有し、
遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。
Figure 2010044883
一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
<2> 前記亜リン酸トリアルキルが、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリ−n−プロピル、及び亜リン酸トリ−n−ブチルから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記<1>に記載の非水電解液である。
<3> 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
第3成分として亜リン酸トリアルキル、リン酸トリアルキル、ホウ酸トリアルキル、硫酸ジアルキル、及び亜硫酸ジアルキルから選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、
遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。
Figure 2010044883
一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
<4> 前記亜リン酸トリアルキル、リン酸トリアルキル、ホウ酸トリアルキル、硫酸ジアルキル、及び亜硫酸ジアルキルから選ばれる少なくとも1種の化合物が、亜リン酸トリメチル、リン酸トリメチル、ホウ酸トリメチル、硫酸ジメチル、及び亜硫酸ジメチルから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記<3>に記載の非水電解液である。
<5> 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
第3成分として2価のマンガン塩と、を少なくとも含有し、
遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
Figure 2010044883
一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。
Figure 2010044883
一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
<6> 前記2価のマンガン塩が、酢酸マンガン(II)、硫酸マンガン(II)、安息香酸マンガン(II)、炭酸マンガン(II)、及び硫酸マンガン(II)から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記<5>に記載の非水電解液である。
<7> 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
第3成分としてフッ素化されたリン酸エステル及びフッ素化された亜リン酸エステルから選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、
遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883

一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。
Figure 2010044883
一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
<8> 前記フッ素化されたリン酸エステルが、リン酸トリ(トリフルオロメチル)、リン酸トリ(ペンタフルオロエチル)及びリン酸トリ(トリフルオロエチル)から選択される少なくとも1種であり、
前記フッ素化された亜リン酸エステルが、亜リン酸ジ(トリフルオロメチル)及び亜リン酸トリ(トリフルオロメチル)から選択される少なくとも1種であることを特徴とすることを特徴とする前記<7>に記載の非水電解液である。
<9> 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
第3成分としてクラウンエーテルと、を少なくとも含有し、
遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。
Figure 2010044883
一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
<10> 前記クラウンエーテルが、12−クラウン−4、15−クラウン−5及び18−クラウン−6から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記<9>に記載の非水電解液である。
<11> 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
第3成分として1,3,5−三置換ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン骨格を有する化合物と、を少なくとも含有し、
遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。〕
Figure 2010044883
一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
<12> 前記1,3,5−三置換ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン骨格を有する化合物が、下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする前記<11>に記載の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(3)中、R〜Rは、各々独立に、直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、ハロゲン化アリール基、アリールアルキル基、フラニルアルキル基、テトラヒドロフラニルアルキル基、チエニルアルキル基、トリアルキルシリルアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、トリフルオロメチル基、アセチル基、アセチルオキシ基、トリアルキルシリル基、(トリフルオロメチル)チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、フルオロスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基、アリールアルキルスルホニル基、アルコキシカルボニル基、又はアルケニル基を表し、R〜Rは各々独立に、水素原子、又は直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表すか、隣接するR、R又はRと結合して環を形成する。
<13> 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
第3成分として下記一般式(4)で表される化合物と、を少なくとも含有し、
遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。
Figure 2010044883

一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
Figure 2010044883
一般式(4)中、各炭素原子は各々独立に置換基を有していてもよく、k、l及びmは各々独立に1〜3の整数を表す。
<14> 前記一般式(1)において、k=l=m=2であることを特徴とする前記<13>に記載の非水電解液である。
<15> 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
第3成分として一般式(5)で表される化合物と、を少なくとも含有し、
遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。
Figure 2010044883
一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
Figure 2010044883
一般式(5)中、R〜Rは各々独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数2〜8のジアルキルアミノ基、3−チエニル基、シアノ基、フルオロ基、クロロ基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜10のアリールカルボニル基、炭素数1〜12のアルキルカルボニル基、炭素数1〜4のシアノアルキル基、炭素数が3〜13のアルコキシカルボニルアルキル基、ピロール−1−イルメチル基、1−ピロリジニル基、1−ピペリジノ基、フェニル基(但し、この場合、R〜Rの2個以上がフェニル基である。)、1H−ピロール−1−イル基、炭素数が2〜12のアルコキシアルキル基、炭素数が3〜18のジアルキルアミノアルキル基、炭素数が6〜10のアリールオキシ基、アリールアルキル基(アリール基の部分の炭素数は、6〜10であり、アルキル基の部分の炭素数は、2〜6である。)、イソチオシアノ基、炭素数が2〜8のジアルキルアミノカルボニル基、5−オキサゾール基、トリフルオロメチル基、1−ピロリジン−2,5−ジオン基、炭素数1〜6の1H−ピロール−1−イルアルキル基、4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イル基、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル基、ニトロ基、1−ピペリジニル基、炭素数1〜6の1−アルキルピロール−2−イル基、4−1,2,3−チアジアゾール基、2−1,3,4−オキサジアゾール基、モルホリノ基、又は1−ピロリン−2−イル基を表す。但し、R〜Rの少なくとも1つは水素原子以外の前記置換基を表す。また、R〜Rが水素原子又はアルキル基である場合には、R〜Rの少なくとも1つが炭素数2以上のアルキル基であり、R〜Rの炭素数の合計は3以上である。
<16> 前記一般式(5)で表される化合物が、2−tert−ブチルピリジン、2,6−ジ−tert−ブチルピリジン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジン、2,4,6−トリ−tert−ブチルピリジン、2−tert−ブチル−6−メチル−ピリジン、2−tert−ブチル−4−メチルピリジン、2−tert−ブチル−6−イソプロピルピリジン、2−ペンチルピリジン、又は2−(3−ペンチル)ピリジンであることを特徴とする前記<15>に記載の非水電解液である。
<17> 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
第3成分として下記一般式(6)で表される環状シロキサン化合物、一般式(7)で表されるフルオロシラン化合物、一般式(8)で表される化合物、分子内にS−F結合を有する化合物、硝酸塩、亜硝酸塩、モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩、酢酸塩及びプロピオン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、
遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。
Figure 2010044883
一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
Figure 2010044883
一般式(6)中、R及びRは各々独立に炭素数1〜12の有機基を表し、nは3〜10の整数を表す
Figure 2010044883
一般式(7)中、R〜Rは各々独立に炭素数1〜12の有機基を表し、xは1〜3の整数を表し、p、q及びrは各々独立に0〜3の整数を表し、1≦p+q+r≦3である。
Figure 2010044883
一般式(8)中、R〜Rは各々独立に炭素数1〜12の有機基を表し、Aは水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、フッ素原子、硫黄原子、珪素原子及びリン原子からなる群より選択される原子を構成原子とする基を表す。
<18> 前記一般式(6)で表される環状シロキサン化合物、一般式(7)で表されるフルオロシラン化合物、一般式(8)で表される化合物、分子内にS−F結合を有する化合物、硝酸塩、亜硝酸塩、モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩、酢酸塩及びプロピオン酸塩からなる群より選ばれた少なくとも1種が、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、メタンスルホン酸トリメチルシリル、フェニルジメチルフルオロシラン、又はLiPOであることを特徴とする前記<17>に記載の非水電解液である。
<19> 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
第3成分としてビリジン、ピリダジン、ピリミジン、又はピラジンから選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、
遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
Figure 2010044883
一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。
Figure 2010044883
一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
<20> 前記ビリジン、ピリダジン、ピリミジン、又はピラジンから選ばれる少なくとも1種が、ピリジンであることを特徴とする前記<19>に記載の非水電解液。
<21> 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
第3成分としてメラミン及びメラミン誘導体から選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、
遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
Figure 2010044883
一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。
Figure 2010044883
一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
<22> 前記メラミン及びメラミン誘導体から選ばれる少なくとも1種が、メラミンであることを特徴とする前記<21>に記載の非水電解液である。
<23> 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
第2成分として一般式(2)で表される化合物と、
第3成分としてN−フェニル−1−ナフチルアミン及びN−フェニル−2−ナフチルアミンから選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、
遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。
Figure 2010044883
一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
<24> 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
第2成分として一般式(2)で表される化合物と、
第3成分としてLiBF及びLiN(SOと、を少なくとも含有し、
遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。
Figure 2010044883
一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
<25> 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
第3成分として下記一般式(9)で表される化合物及びLiBFと、を少なくとも含有し、
遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。
Figure 2010044883
一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
Figure 2010044883
一般式(9)中、Xは、ハロゲン原子を表す。
<26> 前記一般式(9)で表される化合物が、2,4−ジフルオロ−1−メトキシベンゼン又は3,5−ジクロロ−1−メトキシベンゼンであることを特徴とする前記<25>に記載の非水電解液である。
<27> 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
第3成分として下記一般式(10)で表される化合物と、を少なくとも含有し、
遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。
Figure 2010044883
一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
Figure 2010044883
一般式(10)中、R及びRは、置換若しくは未置換の直鎖若しくは分岐のアルキル基、置換若しくは未置換の環状飽和アルキル基、置換若しくは未置換のアルキレン基、又はアルキレンオキサイド基を表し、nは1以上100以下の整数を表す。
<28> 前記一般式(10)で表される化合物が、下記一般式(11)で表される化合物であることを特徴とする前記<27>に記載の非水電解液。
Figure 2010044883
一般式(11)中、R、R及びnは、一般式(10)におけるR、R及びnとそれぞれ同義である。
<29> 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
第2成分として一般式(2)で表される化合物と、
第3成分として正の誘電異方性を有する化合物と、を少なくとも含有し、
遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。
Figure 2010044883
一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
<30> 前記正の誘電異方性を有する化合物が、下記一般式(12)で表される化合物であることを特徴とする前記<29>に記載の非水電解液である。
Figure 2010044883
<31> 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
第3成分として、コハク酸、コハク酸誘導体、マロン酸、及びマロン酸誘導体から選ばれる少なくとも1種と、を含有し
遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。
Figure 2010044883
一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
<32> 前記コハク酸、コハク酸誘導体、マロン酸、及びマロン酸誘導体から選ばれる少なくとも1種が、コハク酸、コハク酸ジメチル、無水コハク酸、マロン酸、マロン酸ジメチル、及び無水マレイン酸から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記<31>に記載の非水電解液である。
<33> 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
第2成分として一般式(2)で表される化合物と、
第3成分として下記式(13)で表される化合物と、を少なくとも含有し、
遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。
Figure 2010044883
一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
Figure 2010044883
<34> 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
第2成分として一般式(2)で表される化合物と、
第3成分として下記一般式(14)で表される化合物と、を少なくとも含有し、
遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。
Figure 2010044883
一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
Figure 2010044883
一般式(14)中、Xは、フッ素原子又はトリフロロメチル基を表す。
<35> 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
第3成分としてアニオン付加重合性モノマーを1種以上と、を少なくとも含有し、
遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。
Figure 2010044883
一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
<36> 前記アニオン付加重合性モノマーが、イソプレン、スチレン、2−ビニルピリジン、1−ビニルイミダゾール、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、N−ビニルピロリドン、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸メチル、イオノン、及びミルセンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記<35>に記載の非水電解液である。
<37> 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
第3成分として1,3−プロパンスルトン及び1,4−ブタンスルトンから選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、
遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。
Figure 2010044883
一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
<38> 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
第3成分として下記一般式(16)で表される化合物と、を少なくとも含有し、
遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。
Figure 2010044883
一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
Figure 2010044883
一般式(16)中、Mは、ホウ素原子又はリン原子を表し、mは1〜3のいずれかの整数を表し、qは0又は1を表す。R1は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又は炭素数6〜20のハロゲン化アリーレン基を表し、これらのアルキレン基及びアリーレン基はその構造中に置換基又はヘテロ原子を有していてもよく、またm個のR1はそれぞれが結合してもよい。
<39> 前記一般式(16)で表される化合物が、下記式(17)で表される化合物であることを特徴とする前記<38>に記載の非水電解液である。
Figure 2010044883
<40> 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
第3成分として下記一般式(18)で表される化合物と、を少なくとも含有し、
遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。
Figure 2010044883
一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
Figure 2010044883
一般式(18)中、Mは、ホウ素原子又はリン原子を表し、mは1又は2の整数を表し、nは1〜4のいずれかの整数を表し、qは0又は1を表す。R1は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又は炭素数6〜20のハロゲン化アリーレン基を表し、これらのアルキレン基及びアリーレン基はその構造中に置換基又はヘテロ原子を有していてもよく、またm個のR1はそれぞれが結合してもよい。Rはハロゲン原子を表す。
<41> 前記一般式(18)で表される化合物が、下記式(19)で表される化合物であることを特徴とする前記<40>に記載の非水電解液である。
Figure 2010044883
<42> 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
第3成分としてLiPF及びLi(C2z+1SON(zは1または2を表す)と、を少なくとも含有し、
遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。
Figure 2010044883
一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
<43> 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
第3成分としてLiBF及びLiN(R)(R)〔ただし、RはSO2x+1、RはSO2y+1を表し、x+y≧2〕から選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、
遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。
Figure 2010044883
一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
<44> 前記LiBF及びLiN(R1)(R2)から選ばれる少なくとも1種が、LiBF、LiN(SO、及びLiN(SOCF)(SO)から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記<43>に記載の非水電解液である。
<45> 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
第3成分として2,2’−ジチオジピリジン、2,2’−ジチオジピリジンの誘導体、及びニトロソアミン化合物から選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、
遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。
Figure 2010044883
一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
<46> 前記一般式(1)で表される化合物が、下記式(1−1)で表される化合物であることを特徴とする前記<1>〜<45>のいずれか1項に記載の非水電解液である。
Figure 2010044883
<47> 前記第1成分である前記一般式(1)で表される化合物の含有率が、非水電解液全体に対して0.001質量%〜10質量%であることを特徴とする前記<1>〜<46>のいずれか1項に記載の非水電解液である。
<48> 前記第2成分である前記一般式(2)で表される化合物の含有率が、非水電解液全体に対して0.001質量%〜10質量%であることを特徴とする前記<1>〜<47>のいずれか1項に記載の非水電解液である。
<49> 前記第3成分の化合物の含有率が、非水電解液全体に対して0.001質量%〜10質量%であることを特徴とする前記<1>〜<48>のいずれか1項に記載の非水電解液である。
<50> 負極と、
遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極活物質として含む正極と、
前記<1>〜<49>のいずれか1項に記載の非水電解液と、
を有するリチウム二次電池である。
<51> 前記負極が、金属リチウム、リチウム含有合金、リチウムとの合金化が可能な金属若しくは合金、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な酸化物、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な遷移金属窒素化物、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料、及びこれらの混合物から選ばれた少なくとも一つの負極活物質を含むことを特徴とする前記<50>に記載のリチウム二次電池である。
本発明によれば、環境資源に対して負荷の少ないマンガンを正極活物質に含むリチウム二次電池において、長寿命化を実現できる電解液及びその電解液を用いたリチウム二次電池を提供することができる。
まず、本発明の非水電解液について詳細に説明し、続いてこの非水電解液を用いたリチウム二次電池について具体的に説明する。
〔非水電解液〕
本発明の非水電解液は、少なくとも、第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、を含有する。
Figure 2010044883
一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。
Figure 2010044883
一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。
更に、本発明の非水電解液は、第3成分として下記(1)〜(26)のいずれかの化合物を含有する。
(1)亜リン酸トリアルキル
(2)亜リン酸トリアルキル、リン酸トリアルキル、ホウ酸トリアルキル、硫酸ジアルキル、及び亜硫酸ジアルキルから選ばれる少なくとも1種
(3)2価のマンガン塩
(4)フッ素化されたリン酸エステル及びフッ素化された亜リン酸エステルから選ばれる少なくとも1種
(5)クラウンエーテル
(6)1,3,5−三置換ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン骨格を有する化合物
(7)下記一般式(4)で表される化合物
Figure 2010044883
一般式(4)中、各炭素原子は各々独立に置換基を有していてもよく、k、l及びmは各々独立に1〜3の整数を表す。
(8)一般式(5)で表される化合物
Figure 2010044883
一般式(5)中、R1〜R5は各々独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数2〜8のジアルキルアミノ基、3−チエニル基、シアノ基、フルオロ基、クロロ基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜10のアリールカルボニル基、炭素数1〜12のアルキルカルボニル基、炭素数1〜4のシアノアルキル基、炭素数が3〜13のアルコキシカルボニルアルキル基、ピロール−1−イルメチル基、1−ピロリジニル基、1−ピペリジノ基、フェニル基(但し、この場合、R1〜R5の2個以上がフェニル基である。)、1H−ピロール−1−イル基、炭素数が2〜12のアルコキシアルキル基、炭素数が3〜18のジアルキルアミノアルキル基、炭素数が6〜10のアリールオキシ基、アリールアルキル基(アリール基の部分の炭素数は、6〜10であり、アルキル基の部分の炭素数は、2〜6である。)、イソチオシアノ基、炭素数が2〜8のジアルキルアミノカルボニル基、5−オキサゾール基、トリフルオロメチル基、1−ピロリジン−2,5−ジオン基、炭素数1〜6の1H−ピロール−1−イルアルキル基、4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イル基、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル基、ニトロ基、1−ピペリジニル基、炭素数1〜6の1−アルキルピロール−2−イル基、4−1,2,3−チアジアゾール基、2−1,3,4−オキサジアゾール基、モルホリノ基、又は1−ピロリン−2−イル基を表す。但し、R1〜R5の少なくとも1つは水素原子以外の前記置換基を表す。また、R1〜R5が水素原子又はアルキル基である場合には、R1〜R5の少なくとも1つが炭素数2以上のアルキル基であり、R1〜R5の炭素数の合計は3以上である。
(9)下記一般式(6)で表される環状シロキサン化合物、一般式(7)で表されるフルオロシラン化合物、一般式(8)で表される化合物、分子内にS−F結合を有する化合物、硝酸塩、亜硝酸塩、モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩、酢酸塩及びプロピオン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種
Figure 2010044883
一般式(6)中、R及びRは各々独立に炭素数1〜12の有機基を表し、nは3〜10の整数を表す。
Figure 2010044883
一般式(7)中、R〜Rは各々独立に炭素数1〜12の有機基を表し、xは1〜3の整数を表し、p、q及びrは各々独立に0〜3の整数を表し、1≦p+q+r≦3である。
Figure 2010044883
一般式(8)中、R〜Rは各々独立に炭素数1〜12の有機基を表し、Aは水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、フッ素原子、硫黄原子、珪素原子及びリン原子からなる群より選択される原子を構成原子とする基を表す。
(10)ビリジン、ピリダジン、ピリミジン、及びピラジンから選ばれる少なくとも1種
(11)メラミン及びメラミン誘導体から選ばれる少なくとも1種
(12)N−フェニル−1−ナフチルアミン及びN−フェニル−2−ナフチルアミンから選ばれる少なくとも1種
(13)LiBF及びLiN(SO
(14)下記一般式(9)で表される化合物及びLiBF
Figure 2010044883
一般式(9)中、Xは、ハロゲン原子を表す。
(15)下記一般式(10)で表される化合物
Figure 2010044883
一般式(10)中、R及びRは、置換若しくは未置換の直鎖若しくは分岐のアルキル基、置換若しくは未置換の環状飽和アルキル基、置換若しくは未置換のアルキレン基、又はアルキレンオキサイド基を表し、nは1以上100以下の整数を表す。
(16)正の誘電異方性を有する化合物
(17)コハク酸、コハク酸誘導体、マロン酸、及びマロン酸誘導体から選ばれる少なくとも1種
(18)下記式(13)で表される化合物
Figure 2010044883
(19)下記一般式(14)で表される化合物
Figure 2010044883
一般式(14)中、Xは、フッ素原子又はトリフロロメチル基を表す。
(20)アニオン付加重合性モノマー
(21)1,3−プロパンスルトン及び1,4−ブタンスルトンから選ばれる少なくとも1種
(22)下記一般式(16)で表される化合物
Figure 2010044883
一般式(16)中、Mは、ホウ素原子又はリン原子を表し、mは1〜3のいずれかの整数を表し、qは0又は1を表す。Rは、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又は炭素数6〜20のハロゲン化アリーレン基を表し、これらのアルキレン基及びアリーレン基はその構造中に置換基又はヘテロ原子を有していてもよく、またm個のRはそれぞれが結合してもよい。
(23)下記一般式(18)で表される化合物
Figure 2010044883
一般式(18)中、Mは、ホウ素原子又はリン原子を表し、mは1又は2の整数を表し、nは1〜4のいずれかの整数を表し、qは0又は1を表す。Rは、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又は炭素数6〜20のハロゲン化アリーレン基を表し、これらのアルキレン基及びアリーレン基はその構造中に置換基又はヘテロ原子を有していてもよく、またm個のRはそれぞれが結合してもよい。Rはハロゲン原子を表す。
(24)LiPF及びLi(C2z+1SON(zは1または2を表す)
(25)LiBF及びLiN(R)(R)〔ただし、RはSO2x+1、RはSO2y+1を表し、x+y≧2〕から選ばれる少なくとも1種
(26)2,2’−ジチオジピリジン、2,2’−ジチオジピリジンの誘導体、及びニトロソアミン化合物から選ばれる少なくとも1種
以下では、第3成分として上記(1)〜(26)の化合物を含む非水電解液を、それぞれ第1〜第26の実施形態の非水電解液として説明する。
<第1の実施形態の非水電解液>
第1の実施形態の非水電解液は、第1成分として前記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として前記一般式(2)で表される化合物と、第3成分として亜リン酸トリアルキルと、を少なくとも含有し、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
(一般式(1)で表される化合物)
本発明に係る一般式(1)で表される化合物(以下「本発明に係る不飽和スルトン」と称する場合がある)は、環状スルホン酸エステルであって環内に炭素−炭素不飽和結合を有するスルトン化合物である。
Figure 2010044883
一般式(1)中、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。
一般式(1)中、R、R、R及びRで表される炭素数1〜12のフッ素原子を含んでもよい1価の炭化水素基は、具体的には、メチル基、エチル基、ビニル基、エチニル基、プロピル基、イソプロピル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−メチレンプロピル基、1−メチル−2−プロペニル基、1,2−ジメチルビニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−メチル−2−メチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ビニルフェニル基、エチニルフェニル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ジフルオロメチル基、モノフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、ジフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロプロピル基、テトラフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロシクロヘキシル基、パーフルオロヘプチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロノニル基、パーフルオロデシル基、パーフルオロウンデシル基、パーフルオロドデシル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、パーフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基などが例示される。
以上例示した中でも、R、R、R及びRで表される1価の炭化水素基は、電解液への溶解性の点から、炭素数が4以下であることが望ましく、より望ましくは2以下である。
前記一般式(1)において、電解液への溶解性の点から、特に望ましくはR、R、R及びRの全てが水素原子の場合である。
前記一般式(1)中、nは0〜3の整数を表す。添加剤の安定性、及び製造や入手のし易さの点でn=1又は2であることが好ましく、更にはn=1であることが好ましい。
本発明に係る前記一般式(1)で表される化合物のうち最も望ましい化合物は、下記式(1−1)で表される1,3−プロパ−1−エンスルトンである。
Figure 2010044883
上式(1−1)で表される化合物は、以下の文献に記載される方法などによって合成することができる。
Angew. Chem. /70. Jahrg. 1958 / Nr. 16、Ger. Pat. 1146870 (1963) (CA 59, 11259 (1963))
Can. J. Chem. , 48, 3704 (1970)、Synlett, 1411 (1988)
Chem. Commun. , 611 (1997)、Tetrahedron 55, 2245 (1999)
本発明に係る前記一般式(1)で表される化合物を添加した電解液は、負極上の電解液の還元分解を抑制する効果が高く、高温保存試験やサイクル試験時の電池の容量低下を抑制し、電解液の分解に伴うガスの発生を抑制する。また、高温保存試験やサイクル試験時の正極の界面インピーダンスの上昇を抑制して、負荷特性の劣化を抑制する。本発明に係る前記一般式(1)で表される化合物は電解液用添加剤として有効であり、本発明に係る前記一般式(1)で表される化合物は、電解液に優れた特性を付与することができる。
本発明に係る不飽和スルトンの効果のメカニズムとしては、(1)一部の不飽和スルトン化合物中の不飽和結合が負極上で反応し、負極上に結合し、安定的な皮膜を形成すること、(2)負極上での皮膜の形成に関与しなかった本発明に係る不飽和スルトンは、スルトン基が負極上で還元分解することで不飽和スルトン化合物自体が分解し、この分解で生成した硫黄化合物が正極上で酸化反応を行い、正極上にも皮膜を生成することが考えられる。すなわち、本発明に係る不飽和スルトンは、正極、負極共に、皮膜を形成することが可能な化合物であると考えられる。
つまり、後述するが、本発明に係る不飽和スルトンは、正極において起こりうるマンガン溶出を原因とする、正極、負極への悪影響を抑制することができると考えられる。上記式(1−1)で表される1、3−プロパ−1−エンスルトンは、前記一般式(1)で表される化合物の中でも、その効果が得られやすい点で特に好ましい。
本発明に係る前記一般式(1)で表される化合物の含有率は、非水電解液全量に対して、0.0001質量%〜30質量%が好ましく、0.001質量%〜10質量%がより好ましく、0.1質量%〜7質量%が更に好ましく、0.2質量%〜5質量%が特に好ましい。前記一般式(1)で表される化合物の含有率が上記範囲内にあると、本発明の効果が得られ且つ負極の界面インピーダンスの上昇を抑えることができる。
(一般式(2)で表される化合物)
本発明の非水電解液は、前述の一般式(1)で表される化合物に加えて、下記一般式(2)で表される化合物を添加することで、より優れた特性を付与することが可能である。特に、一般式(2)で表される化合物は、電池の保存特性及びサイクル特性を改善する点で好適である。
Figure 2010044883
一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。R及びRは、互いに同一でも異なってもよい。
一般式(2)で表される化合物としては、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート、ブロピルビニレンカーボネート、ジメチルビニレンカーボネート、ジエチルビニレンカーボネート、ジプロピルビニレンカーボネートなどが例示される。
これらのうち一般式(2)で表される化合物としては、R及びRが水素原子の場合、すなわちビニレンカーボネートが最も好ましい。
前記一般式(2)で表される化合物の含有率は、目的に応じて適宜選択できるが、非水電解液全量に対して、0.001質量%〜10質量%が好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましい。
(亜リン酸トリアルキル)
第1の実施形態の非水電解液は、前述の一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物に加えて、亜リン酸トリアルキルを添加することで、更に優れた特性を付与することが可能である。
本発明に係る亜リン酸トリアルキルにおけるアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい。
更に、亜リン酸トリアルキルに含まれる3個のアルキル基は、それぞれ同一であっても異なっていてもよいが、製造や入手のし易さの点で、同一であることが好ましい。
本発明に係る亜リン酸トリアルキルとして、具体的には、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリ−n−プロピル、又は亜リン酸トリ−n−ブチルなどを挙げることができ、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリ−n−プロピル、及び亜リン酸トリ−n−ブチルであることが好適である。
亜リン酸トリアルキルの含有率は、非水電解液全体に対して0.001質量%〜10質量%であることが好ましい。
(非水溶媒)
本発明では、種々公知の非水溶媒を適宜選択して用いることができる。溶媒の引火点を高め、リチウム二次電池の安全性を確保するという観点からは、環状の非プロトン性溶媒を用いることが好適である。環状の非プロトン性溶媒は単独で使用してもよいし、複数種を混合して使用してもよい。
更に、環状の非プロトン性溶媒は、鎖状の非プロトン性溶媒を混合して使用してもよい。鎖状の非プロトン性溶媒を混合して使用する場合、鎖状の非プロトン性溶媒の混合比は、非水溶媒全体に対して質量比で20%未満とすることが望ましい。
環状の非プロトン性溶媒としては、エチレンカーボネートのような環状カーボネート、γ−ブチロラクトンのような環状カルボン酸エステル、スルホランのような環状スルホン、ジオキソランのような環状エーテルが例示される。
環状カーボネートの例として具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、2,3−ペンチレンカーボネートなどが挙げられる。特に、誘電率が高いエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートが好適に使用される。負極活物質に黒鉛を使用した電池の場合は、特にエチレンカーボネートが好ましい。また、これら環状カーボネートは2種類以上混合して使用してもよい。
環状カルボン酸エステルとして、具体的にはγ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、又はメチルγ−ブチロラクトン、エチルγ−ブチロラクトン、エチルδ−バレロラクトンなどのアルキル置換体などを例示することができる。
環状カルボン酸エステルは、蒸気圧が低く、粘度が低く、かつ誘電率が高い。このため、電解液の引火点と電解質の解離度を下げることなく電解液の粘度を下げることができる。このため、電解液の引火性を高くすることなく電池の放電特性に関わる指標である電解液の伝導度を高めることができるという特徴を有する。溶媒の引火点を高めるという観点からは、前記環状の非プロトン性溶媒として環状カルボン酸エステルを使用することが好ましい。特にγ−ブチロラクトンが好ましい。
また、環状カルボン酸エステルは他の環状の非プロトン性溶媒との混合物で使用することが望ましい。例えば、環状カルボン酸エステルと、環状カーボネート及び/又は鎖状カーボネートとの混合物等を挙げることができる。
環状カルボン酸エステルと環状カーボネート及び/又は鎖状カーボネートとの組み合わせの例として、具体的には、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとジメチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトンとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンとスルホラン、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとスルホラン、γ−ブチロラクトンとプロピレンカーボネートとスルホラン、γ−ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとスルホラン、γ−ブチロラクトンとスルホランとジメチルカーボネートなどが挙げられる。
環状カルボン酸エステルの非水溶媒中の混合割合は、10質量%〜100質量%、さらに好ましくは20質量%〜90質量%、特に好ましくは30質量%〜80質量%である。上記比率にすることによって、電池の充放電特性に関わる電解液の伝導度を高めることができる。
環状スルホンの例としては、スルホラン、2−メチルスルホラン、3−メチルスルホラン、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジプロピルスルホン、メチルエチルスルホン、メチルプロピルスルホンなどが挙げられる。
環状エーテルの例としては、ジオキソランなどが挙げられる。
本発明で使用し得る鎖状の非プロトン性溶媒としては、ジメチルカーボネートのような鎖状カーボネート、ピバリン酸メチルのような鎖状カルボン酸エステル、ジメトキシエタンのような鎖状エーテル、リン酸トリメチルのような鎖状のリン酸エステルが例示される。
鎖状カーボネートとして具体的には、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、エチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネート、メチルペンチルカーボネート、エチルペンチルカーボネート、ジペンチルカーボネート、メチルヘプチルカーボネート、エチルヘプチルカーボネート、ジヘプチルカーボネート、メチルヘキシルカーボネート、エチルヘキシルカーボネート、ジヘキシルカーボネート、メチルオクチルカーボネート、エチルオクチルカーボネート、ジオクチルカーボネート、メチルトリフルオロエチルカーボネートなどが挙げられる。これら鎖状カーボネートは2種類以上混合して使用してもよい。
鎖状カルボン酸エステルとして具体的には、ピバリン酸メチルなどが挙げられる。
鎖状エーテルとして具体的には、ジメトキシエタンなどが挙げられる。
鎖状のリン酸エステルとして具体的には、リン酸トリメチルなどが挙げられる。
本発明に係る鎖状の非プロトン性溶媒は、電池の安全性向上のために溶媒の引火点の向上を志向するために、混合することができる。例えば、鎖状カーボネート、鎖状カルボン酸エステル、鎖状リン酸エステルが例示され、特に、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジヘプチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、メチルヘプチルカーボネートなどの鎖状カーボネートが好ましい。
本発明に係る非水溶媒は、1種類でも複数種類を混合して用いてもよい。また、環状の非プロトン性溶媒のみを1種類又は複数種類用いても、鎖状の非プロトン性溶媒のみを1種類又は複数種類用いても、或いは環状の非プロトン性溶媒及び鎖状のプロトン性溶媒を混合して用いてもよい。
これらの中でも、電池の負荷特性、低温特性の向上を特に意図した場合は、非水溶媒を環状の非プロトン性溶媒と鎖状の非プロトン性溶媒の組み合わせにすることが望ましい。さらに、電解液の電気化学的安定性から、環状の非プロトン性溶媒には環状カーボネートを、鎖状の非プロトン性溶媒には鎖状カーボネートを適用することが最も好ましい。また、環状カルボン酸エステルと環状カーボネート及び/又は鎖状カーボネートの組み合わせによっても電池の充放電特性に関わる電解液の伝導度を高めることが可能である。
環状カーボネートと鎖状カーボネートの組み合わせとして、具体的には、エチレンカーボネートとジメチルカーボネート、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジエチルカーボネート、プロピレンカーボネートとジメチルカーボネート、プロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、プロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネートなどが挙げられる。
環状カーボネートと鎖状カーボネートの混合割合は、質量比で表して、環状カーボネート:鎖状カーボネートが、5:95〜80〜20、さらに好ましくは10:90〜70:30、特に好ましくは15:85〜55:45である。このような比率にすることによって、電解液の粘度上昇を抑制し、電解質の解離度を高めることができるため、電池の充放電特性に関わる電解液の伝導度を高めることができる。また、電解質の溶解度をさらに高めることができる。よって、常温又は低温での電気伝導性に優れた電解液とすることができるため、常温から低温での電池の負荷特性を改善することができる。
本発明に係る非水電解液は、非水溶媒として、上記以外の他の溶媒を含んでいてもよい。他の溶媒としては、具体的には、ジメチルホルムアミドなどのアミド、メチル−N,N−ジメチルカーバメートなどの鎖状カーバメート、N−メチルピロリドンなどの環状アミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノンなどの環状ウレア、ほう酸トリメチル、ほう酸トリエチル、ほう酸トリブチル、ほう酸トリオクチル、ほう酸トリメチルシリル等のホウ素化合物、及び下記の一般式で表されるポリエチレングリコール誘導体などを挙げることができる。
HO(CHCHO)
HO[CHCH(CH)O]
CHO(CHCHO)
CHO[CHCH(CH)O]
CHO(CHCHO)CH
CHO[CHCH(CH)O]CH
19PhO(CHCHO)[CH(CH)O]CH
(Phはフェニル基を表す。)
CHO[CHCH(CHO)CO[OCH(CH)CHOCH
(上記式中、a〜fは、各々独立に5〜250の整数、g〜jは各々独立に2〜249の整数であり、5≦g+h≦250、5≦i+j≦250である)
(電解質)
本発明の非水電解液では、種々公知の電解質を使用することができ、通常、非水電解液用電解質として使用されているものであれば、いずれをも使用することができる。
電解質の具体例としては、(CNPF、(CNBF、(CNClO、(CNAsF、(CSiF、(CNOSO2k+1(k=1〜8の整数)、(CNPF[C2k+16−n(n=1〜5、k=1〜8の整数)などのテトラアルキルアンモニウム塩;LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiSiF、LiOSO2K+1(K=1〜8の整数)、LiPF[C2k+16−n(n=1〜5、k=1〜8の整数)などのリチウム塩が挙げられる。また、次の一般式で表されるリチウム塩も使用することができる。
LiC(SO)(SO)(SO)、LiN(SOOR10)(SOOR11)、LiN(SO12)(SO13)(ここでR〜R13は互いに同一でも異なっていてもよい炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基である)。
これらの電解質は単独で使用してもよく、また2種類以上を混合してもよい。
これらのうち、電解質としては特にリチウム塩が望ましく、さらには、LiPF、LiBF、LiOSO2k+1(K=1〜8の整数)、LiClO、LiAsF、LiNSO[C2k+1(k=1〜8の整数)、LiPF[C2k+16−n(n=1〜5、k=1〜8の整数)が好ましい。
本発明に係る電解質は、通常は、非水電解質中に0.1〜3モル/リットル、好ましくは0.5〜2モル/リットルの濃度で含むことが好ましい。
本発明の非水電解液において、非水溶媒として、γ−ブチロラクトンなどの環状カルボン酸エステルを併用する場合には、特に電解質としてはLiPFを含有することが望ましい。LiPFは、解離度が高いため、電解液の伝導度を高めることができ、さらに負極上での電解液の還元分解反応を抑制する作用がある。LiPFは単独で使用してもよいし、LiPFとそれ以外の電解質を使用してもよい。
LiPF以外の電解質としては、通常、非水電解液用電解質として使用されるものであれば、いずれも使用することができるが、前記したリチウム塩の具体例のうちLiPF以外のリチウム塩が好ましい。具体例としては、LiPFとLiBF、LiPFとLiN[SO2K+1)](k=1〜8の整数)、LiPFとLiBFとLiN[SO2k+1](k=1〜8の整数)などが例示される。
リチウム塩中に占めるLiPFの比率は、1質量%〜100質量%、好ましくは10質量%〜100質量%、さらに好ましくは50質量%〜100質量%が望ましい。
このような電解質は、0.1〜3モル/リットル、好ましくは0.5〜2モル/リットルの濃度で非水電解液中に含まれることが好ましい。
本発明の非水電解液は、リチウム二次電池用の非水電解液として好適であるばかりでなく、一次電池用の非水電解液、電気化学キャパシタ用の非水電解液、電気二重層キャパシタ、アルミ電解コンデンサー用の電解液としても用いることができる。
<第2の実施形態の非水電解液>
第2の実施形態の非水電解液は、第1成分として前記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として前記一般式(2)で表される化合物と、第3成分として亜リン酸トリアルキル、リン酸トリアルキル、ホウ酸トリアルキル、硫酸ジアルキル、及び亜硫酸ジアルキルから選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
第2の実施形態の非水電解液における一般式(1)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した一般式(1)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
また、第2の実施形態の非水電解液における一般式(2)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液で説明した一般式(2)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
第2の実施形態の非水電解液は、前述の一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物に加えて、亜リン酸トリアルキル、リン酸トリアルキル、ホウ酸トリアルキル、硫酸ジアルキル、及び亜硫酸ジアルキルから選ばれる少なくとも1種(以下「リン酸トリアルキル等」と称する場合がある)を添加することで、更に優れた特性を付与することが可能である。
本発明に係る亜リン酸トリアルキルにおけるアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい。
更に、亜リン酸トリアルキルに含まれる3個のアルキル基は、それぞれ同一であっても異なっていてもよいが、製造や入手のし易さの点で、同一であることが好ましい。
本発明に係る亜リン酸トリアルキルとして、具体的には、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリ−n−プロピル、又は亜リン酸トリ−n−ブチルなどを挙げることができ、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリ−n−プロピル、及び亜リン酸トリ−n−ブチルであることが好適である。
本発明に係るリン酸トリアルキルにおけるアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい。
更に、リン酸トリアルキルに含まれる3個のアルキル基は、それぞれ同一であっても異なっていてもよいが、製造や入手のし易さの点で、同一であることが好ましい。
本発明に係るリン酸トリアルキルとして、具体的には、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリ−n−プロピル、又はリン酸トリ−n−ブチルなどを挙げることができ、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリ−n−プロピル、及びリン酸トリ−n−ブチルであることが好適であり、リン酸トリメチルであることがより好適である。
本発明に係るホウ酸トリアルキルにおけるアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい。
更に、ホウ酸トリアルキルに含まれる3個のアルキル基は、それぞれ同一であっても異なっていてもよいが、製造や入手のし易さの点で、同一であることが好ましい。
本発明に係るホウ酸トリアルキルとして、具体的には、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリ−n−プロピル、又はホウ酸トリ−n−ブチルなどを挙げることができ、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリ−n−プロピル、又はホウ酸トリ−n−ブチルであることが好適であり、ホウ酸トリメチルであることがより好適である。
本発明に係る硫酸ジアルキルにおけるアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよいが、直鎖アルキル基であることが好適である。
更に、硫酸ジアルキルに含まれる2個のアルキル基は、それぞれ同一であっても異なっていてもよいが、製造や入手のし易さの点で、同一であることが好ましい。
本発明に係る硫酸ジアルキルとして、具体的には、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジ−n−プロピル、又は硫酸ジ−n−ブチルなどを挙げることができ、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジ−n−プロピル、又は硫酸ジ−n−ブチルであることが好適であり、硫酸ジメチルであることがより好適である。
本発明に係る亜硫酸ジアルキルにおけるアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよいが、直鎖アルキル基であることが好適である。
更に、亜硫酸ジアルキルに含まれる2個のアルキル基は、それぞれ同一であっても異なっていてもよいが、製造や入手のし易さの点で、同一であることが好ましい。
本発明に係る亜硫酸ジアルキルとして、具体的には、亜硫酸ジメチル、亜硫酸ジエチル、亜硫酸ジ−n−プロピル、又は亜硫酸ジ−n−ブチルなどを挙げることができ、亜硫酸ジメチル、亜硫酸ジエチル、亜硫酸ジ−n−プロピル、及び亜硫酸ジ−n−ブチルであることが好適であり、亜硫酸ジメチルであることがより好適である。
上記リン酸トリアルキル等の添加剤のうち、亜リン酸トリメチル、リン酸トリメチル、ホウ酸トリメチル、硫酸ジメチル、及び亜硫酸ジメチルから選ばれる少なくとも1種であることが好適である。
前記第3成分である亜リン酸トリアルキル、リン酸トリアルキル、ホウ酸トリアルキル、硫酸ジアルキル、及び/又は亜硫酸ジアルキルの含有率は、非水電解液全体に対して0.001質量%〜10質量%であることが好ましい。
第2の実施形態の非水電解液における非水溶媒としては、第1の実施形態の非水電解液における非水溶媒で説明したものを適用することができ、好ましい範囲も同様である。
第2の実施形態の非水電解液における電解質としては、第1の実施形態の非水電解液における電解質で説明したものを適用することができ、好ましい範囲も同様である。
<第3の実施形態の非水電解液>
第3の実施形態の非水電解液は、第1成分として前記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として前記一般式(2)で表される化合物と、第3成分として2価のマンガン塩と、を少なくとも含有し、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
第3の実施形態の非水電解液における一般式(1)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した一般式(1)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
また、第3の実施形態の非水電解液における一般式(2)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液で説明した一般式(2)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
第3の実施形態の非水電解液は、前述の一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物に加えて、2価のマンガン塩を添加することで、更に優れた特性を付与することが可能である。
本発明に係る2価のマンガン塩としては、酢酸マンガン(II)(Mn(CH3 COO)2 )、硫酸マンガン(II)(MnSO4 )、安息香酸マンガン(II)(Mn(C6 5 COO)2 )、炭酸マンガン(II)(MnCO3 )、又は硝酸マンガン(II)(Mn(NO3 2 )等が例示される。このなかでも、より好ましくは酢酸マンガン(II)、硫酸マンガン(II)、安息香酸マンガン(II)、炭酸マンガン(II)、又は硫酸マンガン(II)である。
2価のマンガン塩の1種単独を添加してもよく、必要に応じて2種以上を添加してもよい。
前記第3成分である前記2価のマンガン塩の含有率は、非水電解液全体に対して0.001質量%〜10質量%であることが好ましい。
第3の実施形態の非水電解液における非水溶媒としては、第1の実施形態の非水電解液において説明した非水溶媒を適用することができる。
また、第3の実施形態の非水電解液における電解質としては、第1の実施形態の非水電解液で説明した電解質を適用することができる。
<第4の実施形態の非水電解液>
第4の実施形態の非水電解液は、第1成分として前記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として前記一般式(2)で表される化合物と、第3成分としてフッ素化されたリン酸エステル及びフッ素化された亜リン酸エステルから選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
第4の実施形態の非水電解液における一般式(1)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した一般式(1)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
また、第4の実施形態の非水電解液における一般式(2)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液で説明した一般式(2)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
第4の実施形態の非水電解液は、前述の一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物に加えて、フッ素化されたリン酸エステル及びフッ素化された亜リン酸エステルから選ばれる少なくとも1種(以下「フッ素化リン酸エステル等の添加剤」と称する場合がある)を添加することで、更に優れた特性を付与することが可能である。
本発明に係るフッ素化されたリン酸エステル及びフッ素化された亜リン酸エステルは、エステル部分のアルキル基が、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよいが、直鎖アルキル基であることが好適である。
更に、このアルキル基はフッ素化されたアルキル基であり、アルキル基の水素原子が全てフッ素原子に置換されたパーフロロアルキル基であってもよいし、部分的にフッ素原子に置換されたフルオロアルキル基であってもよい。
フッ素化されたリン酸エステルとして具体的には、リン酸トリ(トリフルオロメチル)、リン酸トリ(ペンタフルオロエチル)、又はリン酸トリ(トリフルオロエチル)が挙げられ、リン酸トリ(トリフルオロメチル)、リン酸トリ(ペンタフルオロエチル)、又はリン酸トリ(トリフルオロエチル)が好適である。
フッ素化された亜リン酸エステルとして具体的には、亜リン酸ジ(トリフルオロメチル)、亜リン酸トリ(トリフルオロメチルが挙げられ、亜リン酸ジ(トリフルオロメチル)、又は亜リン酸トリ(トリフルオロメチル)を用いることが好ましい。
フッ素化リン酸エステル等の添加剤の1種単独を添加してもよく、必要に応じて2種以上を添加してもよい。
前記第3成分であるフッ素化されたリン酸エステル及び/又はフッ素化された亜リン酸エステルの含有率は、非水電解液全体に対して0.001質量%〜10質量%であることが好ましい。
第4の実施形態の非水電解液における非水溶媒としては、第1の実施形態の非水電解液において説明した非水溶媒を適用することができる。
また、第4の実施形態の非水電解液における電解質としては、第1の実施形態の非水電解液で説明した電解質を適用することができる。
<第5の実施形態の非水電解液>
第5の実施形態の非水電解液は、第1成分として前記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として前記一般式(2)で表される化合物と、第3成分としてクラウンエーテルと、を少なくとも含有し、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
第5の実施形態の非水電解液における一般式(1)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した一般式(1)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
また、第5の実施形態の非水電解液における一般式(2)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液で説明した一般式(2)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
第5の実施形態の非水電解液は、前述の一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物に加えて、クラウンエーテルを添加することで、更に優れた特性を付与することが可能である。
本発明に係るクラウンエーテルとして具体的には、12−クラウン−4、15−クラウン−5、又は18−クラウン−6を挙げることができ、12−クラウン−4、15−クラウン−5、及び18−クラウン−6から選択される少なくとも1種であることが好適である。
前記第3成分である前記クラウンエーテルの含有率は、非水電解液全体に対して0.001質量%〜10質量%であることが好ましい。
クラウンエーテルの1種単独を添加してもよく、必要に応じて2種以上を添加してもよい。
第5の実施形態の非水電解液における非水溶媒としては、第1の実施形態の非水電解液において説明した非水溶媒を適用することができる。
また、第5の実施形態の非水電解液における電解質としては、第1の実施形態の非水電解液で説明した電解質を適用することができる。
<第6の実施形態の非水電解液>
第6の実施形態の非水電解液は、第1成分として前記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として前記一般式(2)で表される化合物と、第3成分として1,3,5−三置換ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン骨格を有する化合物と、を少なくとも含有し、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
第6の実施形態の非水電解液における一般式(1)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した一般式(1)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
また、第6の実施形態の非水電解液における一般式(2)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液で説明した一般式(2)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
第6の実施形態の非水電解液は、前述の一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物に加えて、1,3,5−三置換ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン骨格を有する化合物を添加することで、更に優れた特性を付与することが可能である。
本発明において1,3,5−三置換ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン骨格とは、下記構造を示す。
Figure 2010044883
上記式中、Rは各々独立に、直鎖若しくは分岐鎖若しくは環状のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、ハロゲン化アリール基、アリールアルキル基、フラニルアルキル基、テトラヒドロフラニルアルキル基、チエニルアルキル基、トリアルキルシリルアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、トリフルオロメチル基、アセチル基、アセチルオキシ基、トリアルキルシリル基、(トリフルオロメチル)チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、フルオロスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基、アリールアルキルスルホニル基、アルコキシカルボニル基、又はアルケニル基を表す。
本実施形態において第3成分として添加する化合物は、上記1,3,5−三置換ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン骨格を構造の一部として有していればよい。具体的には下記一般式(3)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2010044883
一般式(3)中、R〜Rは、各々独立に、直鎖若しくは分岐鎖若しくは環状のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、ハロゲン化アリール基、アリールアルキル基、フラニルアルキル基、テトラヒドロフラニルアルキル基、チエニルアルキル基、トリアルキルシリルアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、トリフルオロメチル基、アセチル基、アセチルオキシ基、トリアルキルシリル基、(トリフルオロメチル)チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、フルオロスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基、アリールアルキルスルホニル基、アルコキシカルボニル基、又はアルケニル基を表し、R〜Rは各々独立に、水素原子、又は直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表すか、隣接するR、R又はRと結合して環を形成する。
上記一般式(3)において、R〜Rとしては、各々独立に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等の直鎖、分岐のアルキル基;シクロヘキシル基等の環状アルキル基;フェニル基等のアリール基;4−メチルフェニル基等のアルキルアリール基;4−フルオロフェニル基等のハロゲン化アリール基;ベンジル基等のアリールアルキル基;3−(2−フラニル)プロピル基等のフラニルアルキル基;(テトラヒドロ−2−フラニル)メチル基等のテトラヒドロフラニルアルキル基;2−(2−チエニル)エチル基等のチエニルアルキル基;3−(トリメチルシリル)プロピル基等のトリアルキルシリルアルキル基;3−(ジメチルアミノ)プロピル基等のジアルキルアミノアルキル基;トリフルオロメチル基;アセチル基;アセチルオキシ基;トリメチルシリル基等のトリアルキルシリル基;(トリフルオロメチル)チオ基;エチルスルホニル基等のアルキルスルホニル基;フェニルスルホニル基等のアリールスルホニル基;フルオロスルホニル基;トリフルオロメチルスルホニル基;ベンジルスルホニル基等のアリールアルキルスルホニル基;メトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;プロペニル基等のアルケニル基等が例示される。
〜Rとしては、好ましくは直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、ハロゲン化アリール基、アリールアルキル基が挙げられ、特に好ましくは直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又はアリール基であり、最も好ましくは直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。
〜Rは同一の基であっても異なる基であってもよいが、化合物の合成のしやすさという点でR〜Rは同一の基であることが好ましい。
また上記一般式(3)において、R〜Rは各々独立に、水素原子、又は直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表すか、隣接するR、R又はRと結合して環を形成する。
一般式(3)におけるR〜Rとしては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等の直鎖、分岐のアルキル基が例示される。
また、R〜Rは、隣接するR、R、又はRと結合して環を形成してもよい。環を形成する場合の具体例は、後述の好ましい化合物として列挙したものが挙げられる。
〜Rは同一の基であっても異なる基であってもよいが、化合物の合成のしやすさという点でR〜Rは同一の基であることが好ましい。
特にR〜Rとしては、水素原子又はアルキル基が好ましく、水素原子が特に好ましい。
1,3,5−三置換ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン骨格を有する化合物の好ましい化合物として下記化合物が挙げられる。なお、下記化合物名に付する括弧付き番号は、後載する化合物の構造式の番号である。
(1) 1,3,5−トリメチルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン
(2) 1,3,5−トリエチルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン
(3) 1,3,5−トリプロピルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン
(4) 1,3,5−トリイソプロピルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン
(5) 1,3,5−トリブチルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン
(6) 1,3,5−トリ−tert−ブチルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン
(7) 1,3−ジメチル−5−イソプロピルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン
(8) 1,3,5−トリシクロヘキシルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン
(9) 1,3,5−トリシクロペンチルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン
(10) 1,3,5−トリフェニルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン
(11) 1,3,5−トリス(4−メチルフェニル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン
(12) 1,3,5−トリス(4−フルオロフェニル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン
(13) 1,3,5−トリベンジルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン
(14) 1,3,5−トリス(3−(2−フラニル)プロピル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン
(15) 1,3,5−トリス((テトラヒドロ−2−フラニル)メチル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン
(16) 1,3,5−トリス(2−(2−チエニル)エチル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン
(17) 1,3,5−トリス(3−(トリメチルシリル)プロピル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン
(18) 1,3,5−トリス(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン
(19) 1,3,5−トリス(トリフルオロメチル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン
(20) 1,3,5−トリアジン−1,3,5(2H,4H,6H)−トリカルボン酸トリメチルエステル
(21) 1,3,5−トリアセチルヘキサヒドロ−1,3−5−トリアジン
(22) 1,3,5−トリス(アセチロキシ)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン
(23) 1,3,5−トリス(トリメチルシリル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン
(24) 1,3,5−トリス((トリフルオロメチル)チオ)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン
(25) 1,3,5−トリス(エチルスルホニル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン
(26) 1,3,5−トリス(フェニルスルホニル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン
(27) 1,3,5−トリス(フルオロスルホニル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン
(28) 1,3,5−トリス((トリフルオロメチル)スルホニル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン
(29) ヘキサヒドロ−1,3,5−トリ−2−プロペニル−1,3,5−トリアジン
(30) ヘキサヒドロ−1,2,3,4,5,6−ヘキサメチル−s−トリアジン
(31) ドデカヒドロートリピロロ[1,2−a:1’,2’−c:1”,2”−e][1,3,5]トリアジン(トリピロリン)
(32) ドデカヒドロ−1H,6H,11H−トリピリド[1,2−a:1’,2’−c:1”,2”−e][1,3,5]トリアジン
(33) ドデカヒドロ−3,8,13−トリメチル−1H,6H,11H−トリピリド[1,2−a:1’,2’−c:1”,2”−e]−s−トリアジン
(34) ドデカヒドロ−トリス−[1,4]オキサジノ[4,3−a:4’,3’−c:4”,3”−e][1,3,5]トリアジン
(35) 5,5a、12,12a,19,19a−ヘキサヒドロ−7H,14H,21H−s−トリアジノ[1,2’b:3,4−b’:5,6−b”]トリイソキノリン
(36) 5a,6,11a,12,17a,18−ヘキサヒドロ−6,6,12,12,18,18−ヘキサメチル−[1,3,5]トリアジノ[1,2−a:3,4−a’:5,6−a”]トリインドール
これら化合物の構造を次に図示する。
Figure 2010044883
Figure 2010044883
1,3,5−三置換ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン骨格を有する化合物としては、上記の構造式を示した化合物の中でも(1)〜(13)の化合物がより好ましく、特に好ましくは(1)〜(10)の化合物が挙げられ、最も好ましくは(1)〜(7)の化合物である。
1,3,5−三置換ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン骨格を有する化合物の1種単独を添加してもよく、必要に応じて2種以上を添加してもよい。
1,3,5−三置換ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン骨格を有する化合物の含有率は、非水電解液全体に対して0.001質量%〜10質量%であることが好ましい。
第6の実施形態の非水電解液における非水溶媒としては、第1の実施形態の非水電解液において説明した非水溶媒を適用することができる。
また、第6の実施形態の非水電解液における電解質としては、第1の実施形態の非水電解液で説明した電解質を適用することができる。
<第7の実施形態の非水電解液>
第7の実施形態の非水電解液は、第1成分として前記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として前記一般式(2)で表される化合物と、第3成分として下記一般式(4)で表される化合物と、を少なくとも含有し、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(4)中、各炭素原子は各々独立に置換基を有していてもよく、k、l及びmは各々独立に1〜3の整数を表す。
第7の実施形態の非水電解液における一般式(1)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した一般式(1)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
また、第7の実施形態の非水電解液における一般式(2)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液で説明した一般式(2)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
第7の実施形態の非水電解液は、前述の一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物に加えて、一般式(4)で表される化合物を添加することで、更に優れた特性を付与することが可能である。
前記一般式(4)において、各炭素原子が有していてもよい置換基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等の直鎖若しくは分岐鎖若しくはシクロヘキシル基等の環状のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェニル基等のアリール基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;ベンジル基等のアリールアルキル基;フラニル基;(2−フラニル)プロピル基等のフラニルアルキル基;ジメチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;(ジメチルアミノ)メチル基等のジアルキルアミノアルキル基;ピペリジノ基;ピロリジニル基;ピリジニル(ピリジル)基;オキサゾリル基;イソオキサゾリル基;2ーオキサゾリルメチル基等のオキサゾリルアルキル基;トリメチルシリル基等のアルキルシリル基;フルオロ基;フルオロメチル基等のフルオロアルキル基;トリフルオロメチル基等のトリフルオロアルキル基;アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基;エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;エトキシカルボニルオキシ基等のアルコキシカルボニルオキシ基;メチルカルボニルオキシ基等のアルキルカルボニルオキシ基;ジメチルアミノカルボニルオキシ基等のジアルキルアミノカルボニルオキシ基;及びオキソ基等が挙げられる。
なお上記一般式(4)で表される化合物の各炭素原子は、それぞれ独立して1個以上の置換基を有していてもよい。一般式(4)において、各炭素原子の置換基としては、それぞれ独立して直鎖若しくは分岐鎖若しくは環状のアルキル基、アリール基及びアリールアルキル基からなる群から選ばれることが好ましく、全ての炭素原子が置換基を有さないことが最も好ましい。
また、一般式(4)中、k、l及びmは各々独立に1〜3の整数を表す。k、l及びmは同一であっても異なっていてもよいが、同一であること、すなわちk=l=mであることが好ましく、より好ましくはk=l=m=2である。
一般式(4)で表される化合物のうち、好ましい化合物の具体例としては、1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、 2−メチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(2-Methyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、 4−メチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(4-Methyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、3,5−ジメチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(3,5-Dimethyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、2,2,6,6−テトラメチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(2,2,6,6-Tetramethyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、2−エチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(2-Ethyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、4−エチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(4-Ethyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、3−エチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(3-Ethyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、2−プロピル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(2-Propyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、4−(1−メチルエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(4-(1-Methylethyl)-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、3−(1,1−ジメチルエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(3-(1,1-Dimethylethyl)-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、4−シクロヘキシル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(4-Cyclohexyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、2−メトキシ−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(2-Methoxy-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、4−メトキシ−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(4-Methoxy-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、3,3−ジメトキシ−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(3,3-Dimethoxy-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、3−エトキシ−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(3-Ethoxy-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、3−フェニル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(3-Phenyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、4−フェニル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(4-Phenyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、
2−フェノキシーキヌクリジン(2-Phenoxy-Quinuclidine)、2−(フェニルメチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(2-(Phenylmethyl)-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、4−(フェニルメチル)ー1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(4-(Phenylmethyl)-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、2−(3−フェニルプロピル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(2-(3-Phenylpropyl)-1-Azabicyclo[2.2.2]octane、3−(2−フラニル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(3-(2-Furanyl)-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、2−(2−フラニルメチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(2-(2-Furanylmethyl)-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、3−(ジメチルアミノ)−キヌクリジン(3-(Dimethylamino)-Quinuclidine)、N,N−ジメチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−アミン(N,N-Dimethyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane-4-Amine)、3−[(ジメチルアミノ)メチル]−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(3-[(Diethylamino)methyl]-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、3−ピペリジノーキヌクリジン(3-Piperidino-Quinuclidine)、3−(1−ピロリジニル)−キヌクリジン(3-(1-Pyrrolidinyl)-Quinuclidine)、2−(3−ピリジニル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(2-(3-Pyridinyl)-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、3−(5−オキサゾリル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(3-(5-Oxazolyl)-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、3−(5−イソオキサゾリル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(3-(5-Isoxazolyl)-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、3−(2−オキサゾリルメチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(3-(2-Oxazolylmethyl)-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、
4−(トリメチルシリル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(4-(Trimethylsilyl)-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、2−フルオロ−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(2-Fluoro-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、4−フルオロ−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(4-Fluoro-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、4−(フルオロメチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(4-(Fluoromethyl)-1-Azabicyclo[2.2.2]octane、4−(トリフルオロメチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(4-(Trifluoromethyl)-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、1−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−2−イル)−エタノン(1-(1-Azabicyclo[2.2.2]oct-2-yl)-Ethanone)、1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボン酸エチルエステル(1-Azabicyclo[2.2.2]octane-2-carboxylic acid Ethyl Ester)、カルボン酸1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエチルエステル(Carbonic Acid 1-Azabicyclo[2.2.2]oct-3-yl Ethyl Ester)、1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オールアセテート(エステル)(1-Azabicyclo[2.2.2]octan-3-ol Acetate(ester))、1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−オールアセテート(エステル)(1-Azabicyclo[2.2.2]octan-4-ol Acetate(ester))、ジメチルカルバミン酸1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イルエステル(Dimethylcarbamic Acid 1-Azabicyclo[2.2.2]oct-3-yl Ester)、1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−オン(1-Azabicyclo[2.2.2]octane-2-one)等が挙げられる。
より好ましくは1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、2−メチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(2-Methyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、 4−メチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(4-Methyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、3,5−ジメチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(3,5-Dimethyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、2,2,6,6−テトラメチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(2,2,6,6-Tetramethyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、2−エチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(2-Ethyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、4−エチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(4-Ethyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、3−エチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(3-Ethyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、2−プロピル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(2-Propyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、4−(1−メチルエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(4-(1-Methylethyl)-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、3−(1,1−ジメチルエチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(3-(1,1-Dimethylethyl)-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、3−フェニル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(3-Phenyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、4−フェニル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(4-Phenyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、2−(フェニルメチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(2-(Phenylmethyl)-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、4−(フェニルメチル)ー1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(4-(Phenylmethyl)-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)が挙げられる。
特に好ましくは1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、2−メチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(2-Methyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、 2,2,6,6−テトラメチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(2,2,6,6-Tetramethyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、2−エチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(2-Ethyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、2−プロピル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(2-Propyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、3−フェニル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(3-Phenyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、4−フェニル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(4-Phenyl-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、2−(フェニルメチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(2-(Phenylmethyl)-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)、4−(フェニルメチル)ー1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(4-(Phenylmethyl)-1-Azabicyclo[2.2.2]octane)が挙げられる。
これらのなかでも、1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンが好適である。
上記一般式(4)で表される化合物の1種単独を添加してもよく、必要に応じて2種以上を添加してもよい。
前記第3成分である前記一般式(4)で表される化合物の含有率は、非水電解液全体に対して0.001質量%〜10質量%であることが好ましい。
第7の実施形態の非水電解液における非水溶媒としては、第1の実施形態の非水電解液において説明した非水溶媒を適用することができる。
また、第7の実施形態の非水電解液における電解質としては、第1の実施形態の非水電解液で説明した電解質を適用することができる。
<第8の実施形態の非水電解液>
第8の実施形態の非水電解液は、第1成分として前記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として前記一般式(2)で表される化合物と、第3成分として下記一般式(5)で表される化合物と、を少なくとも含有し、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(5)中、R〜Rは各々独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数2〜8のジアルキルアミノ基、3−チエニル基、シアノ基、フルオロ基、クロロ基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜10のアリールカルボニル基、炭素数1〜12のアルキルカルボニル基、炭素数1〜4のシアノアルキル基、炭素数が3〜13のアルコキシカルボニルアルキル基、ピロール−1−イルメチル基、1−ピロリジニル基、1−ピペリジノ基、フェニル基(但し、この場合、R〜Rの2個以上がフェニル基である。)、1H−ピロール−1−イル基、炭素数が2〜12のアルコキシアルキル基、炭素数が3〜18のジアルキルアミノアルキル基、炭素数が6〜10のアリールオキシ基、アリールアルキル基(アリール基の部分の炭素数は、6〜10であり、アルキル基の部分の炭素数は、2〜6である。)、イソチオシアノ基、炭素数が2〜8のジアルキルアミノカルボニル基、5−オキサゾール基、トリフルオロメチル基、1−ピロリジン−2,5−ジオン基、炭素数1〜6の1H−ピロール−1−イルアルキル基、4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イル基、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル基、ニトロ基、1−ピペリジニル基、炭素数1〜6の1−アルキルピロール−2−イル基、4−1,2,3−チアジアゾール基、2−1,3,4−オキサジアゾール基、モルホリノ基、又は1−ピロリン−2−イル基を表す。但し、R〜Rの少なくとも1つは水素原子以外の前記置換基を表す。また、R〜Rが水素原子又はアルキル基である場合には、R〜Rの少なくとも1つが炭素数2以上のアルキル基であり、R〜Rの炭素数の合計は3以上である。
第8の実施形態の非水電解液における一般式(1)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した一般式(1)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
また、第8の実施形態の非水電解液における一般式(2)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液で説明した一般式(2)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
第8の実施形態の非水電解液は、前述の一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物に加えて、一般式(5)で表される化合物(以下「ピリジン化合物と称する場合がある)を添加することで、更に優れた特性を付与することが可能である。
前記一般式(5)において、R〜Rは各々独立に、水素原子、又は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数2〜8のジアルキルアミノ基、3−チエニル基、シアノ基、フルオロ基、クロロ基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜10のアリールカルボニル基、炭素数1〜12のアルキルカルボニル基、炭素数1〜4のシアノアルキル基、炭素数が3〜13のアルコキシカルボニルアルキル基、ピロール−1−イルメチル基、1−ピロリジニル基、1−ピペリジノ基、フェニル基(但し、この場合、R〜Rの2個以上がフェニル基である。)、1H−ピロール−1−イル基、炭素数が2〜12のアルコキシアルキル基、炭素数が3〜18のジアルキルアミノアルキル基、炭素数が6〜10のアリールオキシ基、アリールアルキル基(アリール基の部分の炭素数は、6〜10であり、アルキル基の部分の炭素数は、2〜6である。)、イソチオシアノ基、炭素数が2〜8のジアルキルアミノカルボニル基、5−オキサゾール基、トリフルオロメチル基、1−ピロリジン−2,5−ジオン基、炭素数1〜6の1H−ピロール−1−イルアルキル基、4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イル基、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル基、ニトロ基、1−ピペリジニル基、炭素数1〜6の1−アルキルピロール−2−イル基、4−1,2,3−チアジアゾール基、2−1,3,4−オキサジアゾール基、モルホリノ基、1−ピロリン−2−イル基からなる置換基を表す。
但し、R〜Rの少なくとも1つは前記置換基を表す。すなわち、R〜Rの全てが水素原子となることはない。
好ましい態様においては、上記一般式(5)におけるR〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、又は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルケニル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数2〜8のジアルキルアミノ基からなる置換基を表す。
ここで、炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘキシル基、等の炭素数1〜20個の直鎖または分岐のアルキル基や、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、アダマンチル基等の炭素数6〜20個の環状アルキル基がある。
これらアルキル基の中でも、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘキシル基、シクロヘキシル基が好ましい。
炭素数3〜20のアルケニル基としては、例えば、1−プロぺニル基、2−プロぺニル基、イソプロぺニル基、ブチニル基、ペンチニル基、(1−ブチニル)ペンチル基等の炭素数3〜20個の直鎖あるいは分岐のアルケニル基がある。
これらアルケニル基の中でも、2−プロぺニル基、イソプロペニル基のように、=CH2部分を含まないアルケニル基が好ましい。
炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基等がある。
これらアルコキシ基の中でも、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。炭素数6〜10のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、ナフトキシ基等がある。これらアリールオキシ基の中でも、フェノキシ基が好ましい。
炭素数2〜8のジアルキルアミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等がある。
これらジアルキルアミノ基の中でも、ジメチルアミノ基が好ましい。炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基としては、例えば、エトキシカルボニル基等がある。
炭素数6〜10のアリールカルボニル基としては、例えば、フェニルカルボニル基等がある。炭素数1〜12のアルキルカルボニル基としては、例えば、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基等がある。これらアルキルカルボニル基の中でも、メチルカルボニル基が好ましい。
炭素数1〜4のシアノアルキル基としては、例えば、シアノメチル基等がある。炭素数3〜13のアルコキシカルボニルアルキル基としては、例えば、メトキシカルボニルメチル基等がある。炭素数が2〜12のアルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシエチル基等がある。
炭素数が3〜18のジアルキルアミノアルキル基としては、例えば、ジエチルアミノエチル基等がある。炭素数が6〜10のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基等がある。アリールアルキル基(アリール基の部分の炭素数は、6〜10であり、アルキル基の部分の炭素数は、2〜6である。)としては、例えば、3−フェニルプロピル基等がある。
炭素数が2〜8のジアルキルアミノカルボニル基としては、例えば、ジメチルアミノカルボニル基等がある。炭素数1〜6の1H−ピロール−1−イルアルキル基としては、例えば、1H−ピロール−1−イルメチル基等がある。炭素数1〜6の1−アルキルピロール−2−イル基としては、例えば、1−メチルピロール−2−イル基等がある。
好ましい態様においては、一般式(5)におけるR1〜R5の少なくとも1つが炭素数1〜20のアルキル基である。すなわち、R1〜R5の少なくとも1つを炭素数1〜20のアルキル基とすれば、それ以外は、炭素数1〜20のアルキル基等の前記置換基のうち任意のものを用いることができる。但し、一般式(5)において、R1〜R5が水素原子又はアルキル基の場合には、R1〜R5の少なくとも1つが炭素数2以上のアルキル基であり、R1〜R5の炭素数の合計は3以上である。電極材料としてフッ素原子を含むリチウム塩を用いる場合、R1〜R5の全てをアルキル基又は水素原子とすることによって、フッ素原子を含むリチウム塩と水との反応により生成したフッ酸と上記ピリジン化合物との結合エネルギーが強くなり、また化合物としての安定性も増す。
本発明における好ましい態様は、上記一般式(5)におけるR〜Rが水素原子及びアルキル基であり、R〜Rの少なくとも1つは炭素数2以上のアルキル基であり、R〜Rの炭素数の合計は3以上である。この態様の場合、R〜Rの少なくとも1つは、好ましくは炭素数3以上のアルキル基、さらに好ましくは炭素数4以上のアルキル基とする。炭素数をさらに増やすことによって、前記ピリジン化合物とフッ酸との結合エネルギーをさらに強くすることができる。一方、前記アルキル基中の炭素数は、通常20以下であり、好ましくは10以下であり、より好ましくは5以下とする。炭素数が上記範囲より多くなると、前記アルキル基の分解に起因する、電池の内部抵抗の上昇が発生する場合がある。
さらにまた、R〜Rの炭素数の合計は、好ましくは4以上、さらに好ましくは5以上とする。前記炭素数の合計を多くすることによって、前記ピリジン化合物とフッ酸との結合エネルギーをさらに強くすることができる。一方、前記炭素数の合計は、60以下であるが、好ましくは30以下であり、より好ましくは15以下とする。前記炭素数の合計が上記範囲より多くなると、アルキル基の分解に起因する、電池の内部抵抗の上昇が発生する場合がある。
特に好ましい態様においては、一般式(5)におけるRとRとを、炭素数1〜20のアルキル基等の前記置換基とする。RとRとを前記置換基とすることによって、前記ピリジン化合物とフッ酸との結合エネルギーが強くなるだけでなく、ピリジン化合物としての安定性が高くなる。より好ましくは、Rをさらに炭素数1〜20のアルキル基等の前記置換基とする。Rをさらに前記置換基とすることによって、前記ピリジン化合物とフッ酸との結合エネルギーがより強くなるだけでなく、ピリジン化合物としての安定性がより高くなる。
本発明で使用する好ましいピリジン化合物としては、2−プロピルピリジン、3−プロピルピリジン、4−プロピルピリジン、2−イソプロピルピリジン、4−イソプロピルピリジン、3−ブチルピリジン、4−ブチルピリジン、4−イソブチルピリジン、2−メチル−5−ブチルピリジン、2−tert−ブチルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、2,6−ジ−tert−ブチルピリジン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジン、2,4,6−トリ−tert−ブチルピリジン、2−tert−ブチル−6−メチル−ピリジン、2−tert−ブチル−4−メチルピリジン、4−tert−ブチル−2−メチルピリジン、2−tert−ブチル−6−イソプロピルピリジン、4−(5−ノニル)ピリジン、2−ペンチルピリジン、2−(3−ペンチル)ピリジン、4−(3−ペンチル)ピリジン、2−へキシルピリジン、4−オクチルピリジン、2−ウンデシルピリジン、2−(1−ブチルペンチル)ピリジン、4−(1−プロペニルブテニル)ピリジン、4−(1−ブテニルペンテニル)ピリジン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(ジメチルアミノ)ピリジン、2−(3−チエニル)ピリジン、2−シアノピリジン、2−フルオロピリジン、ペンタフルオロピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、2−メトキシピリジン、2−ピリジンカルボン酸エチルエステル、2−ベンゾイルピリジン、2−アセチルピリジン、2−(シアノメチル)ピリジン、4−(3−フェニルプロピル)ピリジン、2−ピリジル酢酸メチルエステル、3−(ピロール−1−イルメチル)ピリジン、4−(1−ピローリジニル)ピリジン、4−ピペリジノピリジン、2,4,6−トリフェニルピリジン、2−(1H−ピロール−1−イル)ピリジン、2−メトキシエチルピリジン、4−(2−ジエチルアミノエチル)−ピリジン、2−フェノキシピリジン、3−ピリジルイソチオシアネート、N,N−ジメチルニコチンアミド、5−(ピリド−4−イル)オキサゾール、3−トリフルオロメチルピリジン、1−(3−ピリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−(1H−ピロール−1−イルメチル)ピリジン、3−(4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イル)ピリジン、4−(1,3,4)オキサジアゾール−2−イルピリジン、3−ニトロピリジン、2,6−ジ(1−ピペリジニル)ピリジン、3−(1−メチルピロール−2−イル)−ピリジン、3−メトキシピリジン、4−(4−ピリジル)−1,2,3−チアジアゾール、2−(3−ピリジル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,6−ジモルホリノピリジン、及び2−(1−ピロリン−2−イル)ピリジンを挙げることができる。また、これらを複数種併用してもよい。
上記ピリジン化合物のうち、より好ましいのは、3−ブチルピリジン、4−ブチルピリジン、4−イソブチルピリジン、2−メチル−5−ブチルピリジン、2−tert−ブチルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、2,6−ジ−tert−ブチルピリジン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジン、2,4,6−トリ−tert−ブチルピリジン、2−tert−ブチル−6−メチル−ピリジン、2−tert−ブチル−4−メチルピリジン、4−tert−ブチル−2−メチルピリジン、2−tert−ブチル−6−イソプロピルピリジン、4−(5−ノニル)ピリジン、2−ペンチルピリジン、2−(3−ペンチル)ピリジン、4−(3−ペンチル)ピリジン、2−へキシルピリジン、4−オクチルピリジン、2−ウンデシルピリジン、2−(1−ブチルペンチル)ピリジンである。
上記ピリジン化合物のうち、特に好ましいのは、2−tert−ブチルピリジン、2,6−ジ−tert−ブチルピリジン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジン、2,4,6−トリ−tert−ブチルピリジン、2−tert−ブチル−6−メチル−ピリジン、2−tert−ブチル−4−メチルピリジン、2−tert−ブチル−6−イソプロピルピリジン、2−ペンチルピリジン、2−(3−ペンチル)ピリジンである。上記のようなピリジン化合物を用いることによって、本発明の効果が顕著に発揮される。
本発明に用いられるピリジン化合物は、フッ酸との結合エネルギーが16kcal/mol以上となるピリジン化合物であることが好ましい。ここで、前記フッ酸との結合エネルギーは、下記の方法に従って計算する。すなわち、前記ピリジン化合物とフッ酸との結合エネルギーは、ab initio 法(プログラムはGaussian94、基底関数は3−21G)を用いて算出する。ここで結合エネルギーとは、前記ピリジン化合物とフッ酸とをそれぞれ単独に構造最適化して求めたそれぞれのエネルギー値の和から、前記ピリジン化合物の窒素原子部分とフッ酸の水素原子部分で結合した付加体を構造最適化して求めたエネルギー値を引いた値である。すなわち、
(結合エネルギー)=(前記ピリジン化合物のエネルギー値)+(フッ酸のエネルギー値)−(前記ピリジン化合物・フッ酸付加体のエネルギー値)
ここで、「構造最適化」とは、Gaussian94を用いた上記計算方法によって、最も安定な構造を得ることをいう。
尚、本発明においては、Gaussian94のプログラムを使用したが、用いる計算式自体を同一にすれば、Gaussian80やGaussian98等のバージョンの異なるプログラムによっても同一の計算結果を得ることができる。本発明に用いるピリジン化合物とフッ酸との結合エネルギーは、16kcal/mol以上であることが好ましく、22kcal/mol以上であることがさらに好ましく、27kcal/molであることが特に好ましい。フッ酸との結合エネルギー値が大きくなるほど、フッ酸に起因する高温環境下での電池特性の劣化が抑えられる。
本発明に用いる前記ピリジン化合物とフッ酸との結合エネルギーを、上記計算方法により算出した計算結果の例を下記表に示す。
Figure 2010044883
前記第3成分である前記一般式(5)で表される化合物の含有率は、非水電解液全体に対して0.001質量%〜10質量%であることが好ましい。
第8の実施形態の非水電解液における非水溶媒としては、第1の実施形態の非水電解液において説明した非水溶媒を適用することができる。
また、第8の実施形態の非水電解液における電解質としては、第1の実施形態の非水電解液で説明した電解質を適用することができる。
更に、第8の実施形態の非水電解液には、その他の添加剤を添加してもよく、このような添加剤としては、第1の実施形態の非水電解液で説明したその他の添加剤を適用することができる。
<第9の実施形態の非水電解液>
第9の実施形態の非水電解液は、第1成分として前記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として前記一般式(2)で表される化合物と、第3成分として下記一般式(6)で表される環状シロキサン化合物、一般式(7)で表されるフルオロシラン化合物、一般式(8)で表される化合物、分子内にS−F結合を有する化合物、硝酸塩、亜硝酸塩、モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩、酢酸塩及びプロピオン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
第9の実施形態の非水電解液における一般式(1)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した一般式(1)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
また、第9の実施形態の非水電解液における一般式(2)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液で説明した一般式(2)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
第9の実施形態の非水電解液は、前述の一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物に加えて、下記一般式(6)で表される環状シロキサン化合物、一般式(7)で表されるフルオロシラン化合物、一般式(8)で表される化合物、分子内にS−F結合を有する化合物、硝酸塩、亜硝酸塩、モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩、酢酸塩及びプロピオン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(以下「第9の実施形態の特定化合物」と称する場合がある。)を添加することで、電池のサイクル特性と高温保存特性(特に、高温保存後の残存容量及び高負荷放電容量)及びガス発生抑制のバランスが良好となり、更に優れた特性を付与することが可能である。
(一般式(6)で表される環状シロキサン化合物)
Figure 2010044883
一般式(6)中、R及びRは各々独立に炭素数1〜12の有機基を表し、nは3〜10の整数を表す
一般式(6)で表される環状シロキサン化合物におけるR及びRは互いに同一であっても異なっていてもよい炭素数1〜12の有機基である。R及びRとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等の鎖状アルキル基;シクロヘキシル基、ノルボルナニル基等の環状アルキル基;ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、ブテニル基、1,3−ブタジエニル基等のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基;トリフルオロメチル基等のハロゲン化アルキル基;3−ピロリジノプロピル基等の飽和複素環基を有するアルキル基;アルキル置換基を有していてもよいフェニル基等のアリール基;フェニルメチル基、フェニルエチル基等のアラルキル基;トリメチルシリル基等のトリアルキルシリル基;トリメチルシロキシ基等のトリアルキルシロキシ基等が挙げられる。
なかでも、一般式(6)におけるR及びRは、炭素数が少ないものの方が効果を発現しやすく、炭素数1〜6の有機基が好ましい。また、アルケニル基は電解液や電極表面の被膜に作用して入出力特性を向上させ、アリール基は充放電時に電池内で発生するラジカルを捕捉して電池性能全般を向上させる作用を有するので好ましい。従って、R及びRとしては、メチル基、ビニル基又はフェニル基が特に好ましい。
一般式(6)中、nは3〜10の整数を表し、3〜6の整数が好ましく、3又は4が特に好ましい。
一般式(6)で表される環状シロキサン化合物の例としては、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘキサエチルシクロトリシロキサン、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリビニルシクロトリシロキサン等のシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等のシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のシクロペンタシロキサン等が挙げられる。このうち、シクロトリシロキサンが特に好ましい。
(一般式(7)で表されるフルオロシラン化合物)
Figure 2010044883
一般式(7)中、R〜Rは各々独立に炭素数1〜12の有機基を表し、xは1〜3の整数を表し、p、q及びrは各々独立に0〜3の整数を表し、1≦p+q+r≦3である。
一般式(7)で表されるフルオロシラン化合物におけるR〜Rは、互いに同一であっても異なっていてもよい炭素数1〜12の有機基である。一般式(6)におけるR及びRの例として挙げた鎖状アルキル基、環状アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロゲン化アルキル基、飽和複素環基を有するアルキル基、アルキル基を有していてもよいフェニル基等のアリール基、アラルキル基、トリアルキルシリル基、トリアルキルシロキシ基に加え、エトキシカルボニルエチル基等のカルボニル基;アセトキシ基、アセトキシメチル基、トリフルオロアセトキシ基等のカルボキシル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基、アリロキシ基等のオキシ基;アリルアミノ基等のアミノ基;ベンジル基等を挙げることができる。
一般式(7)中、xは1〜3の整数を表し、p、q及びrはそれぞれ0〜3の整数を表し、1≦p+q+r≦3である。また必然的に、x+p+q+r=4である。
一般式(7)で表されるフルオロシラン化合物の例としては、トリメチルフルオロシラン、トリエチルフルオロシラン、トリプロピルフルオロシラン、フェニルジメチルフルオロシラン、トリフェニルフルオロシラン、ビニルジメチルフルオロシラン、ビニルジエチルフルオロシラン、ビニルジフェニルフルオロシラン、トリメトキシフルオロシラン、トリエトキシフルオロシラン等のモノフルオロシラン類の他、ジメチルジフルオロシラン、ジエチルジフルオロシラン、ジビニルジフルオロシラン、エチルビニルジフルオロシラン等のジフルオロシラン類;メチルトリフルオロシラン、エチルトリフルオロシラン等のトリフルオロシラン類も挙げられる。
一般式(7)で表されるフルオロシラン化合物は、沸点が低いと、揮発してしまうため電解液に所定量含有させるのが難しくなる場合がある。また、電解液に含有させた後も、充放電による電池の発熱や外部環境が高温になる様な条件下で揮発してしまう可能性がある。よって、1気圧で、50℃以上の沸点を持つものが好ましく、中でも60℃以上の沸点を持つものが特に好ましい。
また、一般式(6)の化合物と同様に、有機基としては炭素数の少ないものの方が効果を発現しやすく、炭素数1〜6のアルケニル基は電解液や電極表面の被膜に作用して入出力特性を向上させ、アリール基は充放電時に電池内で発生するラジカルを捕捉して電池性能全般を向上させる作用を有する。従って、この観点からは有機基としては、メチル基、ビニル基又はフェニル基が好ましく、化合物の例としては、トリメチルフルオロシラン、ビニルジメチルフルオロシラン、フェニルジメチルフルオロシラン、ビニルジフェニルフルオロシラン等が特に好ましい。
(一般式(8)で表される化合物)
Figure 2010044883
一般式(8)中、R〜Rは各々独立に炭素数1〜12の有機基を表し、Aは水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、フッ素原子、硫黄原子、珪素原子及びリン原子からなる群より選択される原子を構成原子とする基を表す。
一般式(8)で表される化合物におけるR〜Rは、互いに同一であっても異なっていてもよい炭素数1〜12の有機基である。その例としては、一般式(7)のR〜Rの例として挙げた鎖状アルキル基、環状アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロゲン化アルキル基、飽和複素環基を有するアルキル基、アルキル基を有していてもよいフェニル基等のアリール基、アラルキル基、トリアルキルシリル基、トリアルキルシロキシ基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシ基、アミノ基、ベンジル基等を同様に挙げることができる。
一般式(8)で表される化合物におけるAは、水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、フッ素原子、硫黄原子、珪素原子及び/又はリン原子から構成される基であれば特に制限はない。一般式(8)中の酸素原子に直接結合する元素としては、炭素原子、硫黄原子、珪素原子又はリン原子が好ましい。
これら原子の存在形態としては、例えば、鎖状アルキル基、環状アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロゲン化アルキル基、カルボニル基、スルホニル基、トリアルキルシリル基、ホスホリル基、ホスフィニル基等に含まれるものが好ましい。
また、一般式(8)で表される化合物の分子量は、1000以下が好ましく、中でも800以下が特に好ましく、500以下が更に好ましい。
一般式(8)で表される化合物の例としては、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジエチルテトラメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン等のシロキサン化合物類;メトキシトリメチルシラン、エトキシトリメチルシラン等のアルコキシシラン類;ビス(トリメチルシリル)パーオキサイド等の過酸化物類;酢酸トリメチルシリル、酢酸トリエチルシリル、プロピオン酸トリメチルシリル、メタクリル酸トリメチルシリル、トリフルオロ酢酸トリメチルシリル等のカルボン酸エステル類;メタンスルホン酸トリメチルシリル、エタンスルホン酸トリメチルシリル、メタンスルホン酸トリエチルシリル、フルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル等のスルホン酸エステル類;ビス(トリメチルシリル)スルフェート等の硫酸エステル類;トリス(トリメチルシロキシ)ボロン等のホウ酸エステル類;トリス(トリメチルシリル)ホスフェート、トリス(トリメチルシリル)ホスファイト等のリン酸若しくは亜リン酸エステル類等が挙げられる。
このうち、シロキサン化合物類、スルホン酸エステル類、硫酸エステル類が好ましく、スルホン酸エステル類が特に好ましい。シロキサン化合物類としては、ヘキサメチルジシロキサンが好ましく、スルホン酸エステル類としては、メタンスルホン酸トリメチルシリルが好ましく、硫酸エステル類としては、ビス(トリメチルシリル)スルフェートが好ましい。
(分子内にS−F結合を有する化合物)
分子内にS−F結合を有する化合物としては特に限定はないが、スルホニルフルオライド類、フルオロスルホン酸エステル類が好ましい。
例えば、メタンスルホニルフルオライド、エタンスルホニルフルオライド、メタンビス(スルホニルフルオライド)、エタン−1,2−ビス(スルホニルフルオライド)、プロパン−1,3−ビス(スルホニルフルオライド)、ブタン−1,4−ビス(スルホニルフルオライド)、ジフルオロメタンビス(スルホニルフルオライド)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン−1,2−ビス(スルホニルフルオライド)、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニルフルオライド)、フルオロスルホン酸メチル、フルオロスルホン酸エチル等が挙げられる。中でも、メタンスルホニルフルオライド、メタンビス(スルホニルフルオライド)又はフルオロスルホン酸メチルが好ましい。
(硝酸塩、亜硝酸塩、モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩)
硝酸塩、亜硝酸塩、モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩のカウンターカチオンとしては特に限定はないが、Li、Na、K、Mg、Ca、Fe、Cu等の金属元素の他、NR101112(式中、R〜R12は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜12の有機基を表わす。)で表現されるアンモニウム、4級アンモニウムが挙げられる。ここで、R〜R12の炭素数1〜12の有機基としては、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいシクロアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基、窒素原子含有複素環基等が挙げられる。R〜R12としては、それぞれ、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、窒素原子含有複素環基等が好ましい。これらのカウンターカチオン中でも、リチウム二次電池に用いたときの電池特性の点から、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム又はNR101112が好ましく、リチウムが特に好ましい。また、中でも、硝酸塩又はジフルオロリン酸塩が、出力特性向上率やサイクル特性の点で好ましく、ジフルオロリン酸リチウムが特に好ましい。また、これらの化合物は非水溶媒中で合成されたものを実質的にそのまま用いてもよく、別途合成して実質的に単離されたものを非水溶媒中に添加してもよい。
第9の実施形態の特定化合物、すなわち、一般式(6)で表される環状シロキサン化合物、一般式(7)で表されるフルオロシラン化合物、一般式(8)で表される化合物、分子内にS−F結合を有する化合物、硝酸塩、亜硝酸塩、モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩、酢酸塩又はプロピオン酸塩は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上の化合物を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、特定化合物で、上記それぞれに分類される化合物の中であっても、1種を単独で用いてもよく、2種類以上の化合物を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
一般式(6)で表される環状シロキサン化合物、一般式(7)で表されるフルオロシラン化合物、一般式(8)で表される化合物、分子内にS−F結合を有する化合物、硝酸塩、亜硝酸塩、モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩、酢酸塩、及び/又はプロピオン酸塩の含有率は、非水電解液全量に対して、0.001質量%〜10質量%であることが好ましい。
また、これら特定化合物は、非水系電解液として実際に二次電池作製に供すると、その電池を解体して再び非水系電解液を取り出しても、その中の含有量が著しく低下している場合が多い。そのため、電池から抜き出した非水系電解液から、少なくとも上記特定化合物が検出できるものは本発明に含まれるとみなされる。
本発明にかかる非水系電解液は、非水溶媒に電解質リチウム塩、特定の化合物及び必要に応じて他の化合物を溶解することにより調製することができる。非水系電解液の調製に際して、各原料は予め脱水しておくのが好ましく、水分含有量が通常50ppm以下、好ましくは30ppm以下、特に好ましくは10ppm以下とするのがよい。
第9の実施形態の非水電解液における非水溶媒としては、第1の実施形態の非水電解液において説明した非水溶媒を適用することができる。
また、第9の実施形態の非水電解液における電解質としては、第1の実施形態の非水電解液で説明した電解質を適用することができる。
<第10の実施形態の非水電解液>
第10の実施形態の非水電解液は、第1成分として前記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として前記一般式(2)で表される化合物と、第3成分としてビリジン、ピリダジン、ピリミジン、又はピラジンから選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
第10の実施形態の非水電解液における一般式(1)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した一般式(1)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
また、第10の実施形態の非水電解液における一般式(2)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液で説明した一般式(2)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
第10の実施形態の非水電解液は、前述の一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物に加えて、ビリジン、ピリダジン、ピリミジン、又はピラジンから選ばれる少なくとも1種を添加することで、更に優れた特性を付与することが可能である。
本発明に係るピリジン等のなかでも、ビリジンを適用することがより好ましい。
ピリジン等の添加剤の1種単独を添加してもよく、必要に応じて2種以上を添加してもよい。
前記第3成分であるビリジン、ピリダジン、ピリミジン、及び/又はピラジンの添加剤の含有率は、非水電解液全量に対して、0.001質量%〜10質量%であることが好ましい。
第10の実施形態の非水電解液における非水溶媒としては、第1の実施形態の非水電解液において説明した非水溶媒を適用することができる。
また、第10の実施形態の非水電解液における電解質としては、第1の実施形態の非水電解液で説明した電解質を適用することができる。
<第11の実施形態の非水電解液>
第11の実施形態の非水電解液は、第1成分として前記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として前記一般式(2)で表される化合物と、第3成分としてメラミン及びメラミン誘導体から選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
第11の実施形態の非水電解液における一般式(1)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した一般式(1)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
また、第11の実施形態の非水電解液における一般式(2)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液で説明した一般式(2)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
第11の実施形態の非水電解液は、前述の一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物に加えて、メラミン及びメラミン誘導体から選ばれる少なくとも1種(以下「メラミン等」と称する場合がある)を添加することで、更に優れた特性を付与することが可能である。
本発明に係るメラミン及びメラミン誘導体のなかでもメラミンであることが好適である。
メラミン等の1種単独を添加してもよく、必要に応じて2種以上を添加してもよい。
前記第3成分であるメラミン及び/又はメラミン誘導体の含有率は、非水電解液全量に対して、0.001質量%〜10質量%であることが好ましい。
第11の実施形態の非水電解液における非水溶媒としては、第1の実施形態の非水電解液において説明した非水溶媒を適用することができる。
また、第11の実施形態の非水電解液における電解質としては、第1の実施形態の非水電解液で説明した電解質を適用することができる。
<第12の実施形態の非水電解液>
第12の実施形態の非水電解液は、第1成分として前記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として前記一般式(2)で表される化合物と、第3成分としてN−フェニル−1−ナフチルアミン及びN−フェニル−2−ナフチルアミンから選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
第12の実施形態の非水電解液における一般式(1)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した一般式(1)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
また、第12の実施形態の非水電解液における一般式(2)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液で説明した一般式(2)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
第12の実施形態の非水電解液は、前述の一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物に加えて、N−フェニル−1−ナフチルアミン及びN−フェニル−2−ナフチルアミンから選ばれる少なくとも1種を添加することで、更に優れた特性を付与することが可能である。
N−フェニル−1−ナフチルアミン及びN−フェニル−2−ナフチルアミンの1種単独を添加してもよく、必要に応じて2種を併用してもよい。
前記第3成分であるN−フェニル−1−ナフチルアミン及び/又はN−フェニル−2−ナフチルアミンの含有率は、非水電解液全量に対して、0.001質量%〜10質量%であることが好ましい。
第12の実施形態の非水電解液における非水溶媒としては、第1の実施形態の非水電解液において説明した非水溶媒を適用することができる。
また、第12の実施形態の非水電解液における電解質としては、第1の実施形態の非水電解液で説明した電解質を適用することができる。
<第13の実施形態の非水電解液>
第13の実施形態の非水電解液は、第1成分として前記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として前記一般式(2)で表される化合物と、第3成分としてLiBF及びLiN(SOと、を少なくとも含有し、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
第13の実施形態の非水電解液における一般式(1)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した一般式(1)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
また、第13の実施形態の非水電解液における一般式(2)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液で説明した一般式(2)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
第13の実施形態の非水電解液は、前述の一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物に加えて、LiBF及びLiN(SOを添加することで、更に優れた特性を付与することが可能である。
なお、LiBF及びLiN(SOは、第1の実施形態の非水電解液において説明した電解質に該当する。よって、第13の実施形態の非水電解液は、電解質としてLiBF及びLiN(SOを使用したものである。但し、LiBF及びLiN(SOに加えて、第1の実施形態の非水電解液で説明した電解質を併用することができる。
LiBF4の利点とLiN(SOの利点とを両立させるために、LiBFとLiN(SOとの含有比率を、モル比で80:20〜10:90の範囲とすることが好ましい。
LiBF及びLiN(SOの総含有率は、非水電解液全量に対して、0.001質量%〜10質量%であることが好ましい。
第13の実施形態の非水電解液における非水溶媒としては、第1の実施形態の非水電解液において説明した非水溶媒を適用することができる。
<第14の実施形態の非水電解液>
第14の実施形態の非水電解液は、第1成分として前記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として前記一般式(2)で表される化合物と、第3成分として下記一般式(9)で表される化合物及びLiBFと、を少なくとも含有し、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(9)中、Xは、ハロゲン原子を表す。
第14の実施形態の非水電解液における一般式(1)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した一般式(1)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
また、第14の実施形態の非水電解液における一般式(2)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液で説明した一般式(2)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
なお、LiBFは、第1の実施形態の非水電解液において説明した電解質に該当する。よって、第14の実施形態の非水電解液は、電解質としてLiBFを使用するものである。但し、LiBFに加えて、第1の実施形態の非水電解液で説明した電解質を併用することができる。
第14の実施形態の非水電解液は、前述の一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物に加えて、上記一般式(9)で表される化合物及びLiBFを添加することで、更に優れた特性を付与することが可能である。
第14の実施形態の非水電解液に含まれる一般式(9)で表される化合物は以下の通りである。
Figure 2010044883
一般式(9)中、Xは、ハロゲン原子を表す。
一般式(9)においてXで表されるハロゲン原子としては、Cl,Br,F等を好適に用いることができる。なお、ハロゲン元素が導入される置換位置は特に制限されない。
具体的に、一般式(9)で表される化合物を例示すると、2,4−ジフルオロ−1−メトキシベンゼン、3,5−ジフルオロ−1−メトキシベンゼン(3,5−ジフルオロアニソール)、3,4−ジフルオロ−1−メトキシベンゼン、2,4−ジクロロ−1−メトキシベンゼン、3,5−ジクロロ−1−メトキシベンゼン、3,4−ジクロロ−1−メトキシベンゼン等が挙げられ、2,4−ジフルオロ−1−メトキシベンゼン又は3,5−ジクロロ−1−メトキシベンゼンであることが好ましい。
一般式(9)で表される化合物の1種単独を添加してもよく、必要に応じて2種以上を添加してもよい。
前記第3成分である一般式(9)で表される化合物の含有率は、非水電解液全量に対して、0.001質量%〜10質量%であることが好ましい。
また、前記第3成分であるLiBFの含有率は、非水電解液全量に対して、0.001質量%〜10質量%であることが好ましい。
第14の実施形態の非水電解液における非水溶媒としては、第1の実施形態の非水電解液において説明した非水溶媒を適用することができる。
<第15の実施形態の非水電解液>
第15の実施形態の非水電解液は、第1成分として前記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として前記一般式(2)で表される化合物と、第3成分として下記一般式(10)で表される化合物と、を少なくとも含有し、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(10)中、R及びRは、置換若しくは未置換の直鎖若しくは分岐のアルキル基、置換若しくは未置換の環状飽和アルキル基、置換若しくは未置換のアルキレン基、又はアルキレンオキサイド基を表し、nは1以上100以下の整数を表す。
第15の実施形態の非水電解液における一般式(1)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した一般式(1)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
また、第15の実施形態の非水電解液における一般式(2)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液で説明した一般式(2)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
第15の実施形態の非水電解液は、前述の一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物に加えて、上記一般式(10)で表される化合物を添加することで、更に優れた特性を付与することが可能である。
第15の実施形態の非水電解液に含まれる一般式(10)で表される化合物は以下の通りである。
Figure 2010044883
一般式(10)中、R及びRは、置換若しくは未置換の直鎖若しくは分岐のアルキル基、置換若しくは未置換の環状飽和アルキル基、置換若しくは未置換のアルキレン基又はアルキレンオキサイド基を表し、nは1以上100以下の整数を表す。
一般式(10)で表されるホスファゼン化合物は、一般式(10)におけるR及びRが、各々独立に、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH、シクロヘキシルなどの炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。
またR及びRは、そのなかに含まれる水素原子をフッ素原子などのハロゲン原子で置換することも可能である。更に、R及びRは、同一又は異なっていてもよい。
これらのホスファゼン化合物として具体的には、例えばポリビスプロピルオキシホスファゼン等が挙げられるがこれに限定されるものではない。前記一般式(10)で表される化合物の1種単独を添加してもよく、必要に応じて2種以上を添加してもよい。
また、ホスファゼン化合物として、下記一般式(11)で表されるような環状ホスファゼン化合物を用いてもよい。
Figure 2010044883
一般式(11)中、R、R及びnは、一般式(10)におけるR、R及びnとそれぞれ同義である。
これらの環状ホスファゼン化合物として具体的には、例えばトリビスプロピルオキシシクロホスファゼン等が挙げられるがこれに限定されるものではない。前記一般式(11)で表される化合物の1種単独を添加してもよく、必要に応じて2種以上を添加してもよい。
前記第3成分である一般式(10)で表される化合物(一般式(11)で表される化合物を含む。以下同様)の含有率は、非水電解液全量に対して、0.001質量%〜10質量%であることが好ましい。
第15の実施形態の非水電解液における非水溶媒としては、第1の実施形態の非水電解液において説明した非水溶媒を適用することができる。
また、第15の実施形態の非水電解液における電解質としては、第1の実施形態の非水電解液で説明した電解質を適用することができる。
<第16の実施形態の非水電解液>
第16の実施形態の非水電解液は、第1成分として前記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として前記一般式(2)で表される化合物と、第3成分として正の誘電異方性を有する化合物と、を少なくとも含有し、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
第16の実施形態の非水電解液における一般式(1)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した一般式(1)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
また、第16の実施形態の非水電解液における一般式(2)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液で説明した一般式(2)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
第16の実施形態の非水電解液は、前述の一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物に加えて、正の誘電異方性を有する化合物を添加することで、更に優れた特性を付与することが可能である。
本実施形態に係る正の誘電異方性を有する化合物として具体的には、分子骨格中に直列の複数環(ビフェニル、トリフェニル、フェニルピリミジン、フェニルベンゾエ−ト等)やアルキル直鎖を有する化合物、例えばネマチック液晶やスメクチック液晶等の液晶化合物が挙げられる。
さらに、正の誘電異方性を有する化合物としては、下記a)〜j)の化合物を挙げることができる。なお、a〜iは「液晶辞典」、1989年発行、発行社・培風館、日本学術振興会情報科学用有機材料第142委員会・液晶部会編、247〜261ペ−ジに記載されている。
a)p−アルキル置換安息香酸のp−シアノフェニルエステル類、
b)シアノ置換ビフェニル類、
c)シクロヘキサンカルボン酸エステルのシアノ置換体、
d)シクロヘキサンカルボン酸エステルのフッ素置換体、
e)シクロヘキサンカルボン酸シクロヘキシルエステルのシアノ置換体、
f)分子末端基にシアン基又はフッ素原子を有するシクロヘキサンカルボン酸アリ−ルエステル置換体、
g)シアン基を有するシッフ塩基、
h)p−(p−置換シクロヘキシル)置換ベンゾニトリル、
i)シアン基を有するフェニルピリミジン類等、
j)シクロヘキセンカルボニトリル類等。
正の誘電異方性を有する化合物は、負極に吸着されやすくするため、Liとの相互作用が大きい末端基(シアン基等)を有することが好ましい。このような末端基としてシアン基であることがより好ましい。
また、上記a)〜j)の化合物はいずれも棒状の分子形状である。さらにこのa)〜j)の化合物のうちシアン基を有するものは、いずれも分子末端基にシアン基を有する。
前記正の誘電異方性を有する化合物は、下記一般式(12)で表される化合物であることが、より好適である。
Figure 2010044883
前記一般式(12)中、nは1〜12の整数を表す。
以下に、正の誘電率異方性を有する化合物の具体例を挙げるが、これら具体例に限定されない。
Figure 2010044883
Figure 2010044883

Figure 2010044883
Figure 2010044883
Figure 2010044883
Figure 2010044883
なお、上記具体例化合物は、末端基としてシアン基(−CN)を有する誘電異方性が正のネマチック液晶化合物であるが、これに限定されない。
正の誘電異方性を有する化合物の1種単独を添加してもよく、必要に応じて2種以上を添加してもよい。
前記第3成分である正の誘電異方性を有する化合物の含有率は、非水電解液全量に対して、0.001質量%〜10質量%であることが好ましい。
第16の実施形態の非水電解液における非水溶媒としては、第1の実施形態の非水電解液において説明した非水溶媒を適用することができる。
また、第16の実施形態の非水電解液における電解質としては、第1の実施形態の非水電解液で説明した電解質を適用することができる。
<第17の実施形態の非水電解液>
第17の実施形態の非水電解液は、第1成分として前記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として前記一般式(2)で表される化合物と、第3成分としてコハク酸、コハク酸誘導体、マロン酸、及びマロン酸誘導体から選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
第17の実施形態の非水電解液における一般式(1)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した一般式(1)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
また、第17の実施形態の非水電解液における一般式(2)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液で説明した一般式(2)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
第17の実施形態の非水電解液は、前述の一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物に加えて、コハク酸、コハク酸誘導体、マロン酸、及びマロン酸誘導体から選ばれる少なくとも1種を添加することで、更に優れた特性を付与することが可能である。
前記コハク酸類又はマロン酸類として具体的には、コハク酸、コハク酸ジメチル、無水コハク酸、マロン酸、マロン酸ジメチル、又は無水マレイン酸を挙げることができ、コハク酸、コハク酸ジメチル、無水コハク酸、マロン酸、マロン酸ジメチル、又は無水マレイン酸であることが好適である。
コハク酸、コハク酸誘導体、マロン酸、及びマロン酸誘導体のうち1種単独を添加してもよく、必要に応じて2種以上を添加してもよい。
前記第3成分であるコハク酸、コハク酸誘導体、マロン酸、及び/又はマロン酸誘導体の含有率は、非水電解液全量に対して、0.001質量%〜10質量%であることが好ましい。
第17の実施形態の非水電解液における非水溶媒としては、第1の実施形態の非水電解液において説明した非水溶媒を適用することができる。
また、第17の実施形態の非水電解液における電解質としては、第1の実施形態の非水電解液で説明した電解質を適用することができる。
<第18の実施形態の非水電解液>
第18の実施形態の非水電解液は、第1成分として前記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として前記一般式(2)で表される化合物と、第3成分として下記式(13)で表される化合物と、を少なくとも含有し、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
第18の実施形態の非水電解液における一般式(1)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した一般式(1)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
また、第18の実施形態の非水電解液における一般式(2)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液で説明した一般式(2)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
第18の実施形態の非水電解液は、前述の一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物に加えて、前記式(13)で表される化合物を添加することで、更に優れた特性を付与することが可能である。
なお、前記式(13)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した電解質に該当する。よって、第18の実施形態の非水電解液では、電解質として前記式(13)で表される化合物を用いる。但し、前記式(13)で表される化合物に加えて、第1の実施形態の非水電解液で説明した電解質を併用することができる。
前記第3成分である式(13)で表される化合物の含有率は、非水電解液全量に対して、0.001質量%〜10質量%であることが好ましい。
第18の実施形態の非水電解液における非水溶媒としては、第1の実施形態の非水電解液において説明した非水溶媒を適用することができる。
<第19の実施形態の非水電解液>
第19の実施形態の非水電解液は、第1成分として前記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として前記一般式(2)で表される化合物と、第3成分として一般式(14)で表される化合物と、を少なくとも含有し、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(14)中、Xは、フッ素原子又はトリフロロメチル基を表す。
第19の実施形態の非水電解液における一般式(1)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した一般式(1)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
また、第19の実施形態の非水電解液における一般式(2)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液で説明した一般式(2)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
第19の実施形態の非水電解液は、前述の一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物に加えて、一般式(14)で表される化合物を添加することで、更に優れた特性を付与することが可能である。
なお、前記一般式(14)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した電解質に該当する。よって、第19の実施形態の非水電解液では、電解質として前記一般式(14)で表される化合物を用いる。但し、前記一般式(14)で表される化合物に加えて、第1の実施形態の非水電解液で説明した電解質を併用することができる。
一般式(14)で表される化合物の1種単独を添加してもよく、必要に応じて2種以上を添加してもよい。
前記第3成分である一般式(14)で表される化合物の含有率は、非水電解液全量に対して、0.001質量%〜10質量%であることが好ましい。
第19の実施形態の非水電解液における非水溶媒としては、第1の実施形態の非水電解液において説明した非水溶媒を適用することができる。
<第20の実施形態の非水電解液>
第20の実施形態の非水電解液は、第1成分として前記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として前記一般式(2)で表される化合物と、第3成分としてアニオン付加重合性モノマーを1種以上と、を少なくとも含有し、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
第20の実施形態の非水電解液における一般式(1)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した一般式(1)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
また、第20の実施形態の非水電解液における一般式(2)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液で説明した一般式(2)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
第20の実施形態の非水電解液は、前述の一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物に加えて、アニオン付加重合性モノマーを1種以上を添加することで、更に優れた特性を付与することが可能である。
第20の実施形態の非水電解液における第3成分として具体的には、イソプレン、スチレン、2−ビニルピリジン、1−ビニルイミダゾール、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、N−ビニルピロリドン、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸メチル、α-イオノン、β-イオノン、γ-イオノン、又はミルセンを挙げることができ、イソプレン、ケイ皮酸エチル、及びα−イオノンであることが好適である。
第20の実施形態の非水電解液における第3成分は、アニオン付加重合性モノマー1種単独を添加してもよく、2種以上のアニオン付加重合性モノマーを添加してもよい。
前記第3成分であるアニオン付加重合性モノマーの含有率は、非水電解液全量に対して、0.001質量%〜10質量%であることが好ましい。
第20の実施形態の非水電解液における非水溶媒としては、第1の実施形態の非水電解液において説明した非水溶媒を適用することができる。
また、第20の実施形態の非水電解液における電解質としては、第1の実施形態の非水電解液で説明した電解質を適用することができる。
<第21の実施形態の非水電解液>
第21の実施形態の非水電解液は、第1成分として前記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として前記一般式(2)で表される化合物と、第3成分として1,3−プロパンスルトン及び1,4−ブタンスルトンから選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
第21の実施形態の非水電解液における一般式(1)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した一般式(1)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
また、第21の実施形態の非水電解液における一般式(2)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液で説明した一般式(2)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
第21の実施形態の非水電解液は、前述の一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物に加えて、1,3−プロパンスルトン及び1,4−ブタンスルトンから選ばれる少なくとも1種を添加することで、更に優れた特性を付与することが可能である。
1,3−プロパンスルトン又は1,4−ブタンスルトンの1種単独を添加してもよく、必要に応じてこれら2種を併用してもよい。
前記第3成分である1,3−プロパンスルトン及び/又は1,4−ブタンスルトンの含有率は、非水電解液全量に対して、0.001質量%〜10質量%であることが好ましい。
第21の実施形態の非水電解液における非水溶媒としては、第1の実施形態の非水電解液において説明した非水溶媒を適用することができる。
また、第21の実施形態の非水電解液における電解質としては、第1の実施形態の非水電解液で説明した電解質を適用することができる。
<第22の実施形態の非水電解液>
第22の実施形態の非水電解液は、第1成分として前記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として前記一般式(2)で表される化合物と、第3成分として下記一般式(16)で表される化合物と、を少なくとも含有し、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(16)中、Mは、ホウ素原子又はリン原子を表し、mは1〜3のいずれかの整数を表し、qは0又は1を表す。R1は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又は炭素数6〜20のハロゲン化アリーレン基を表し、これらのアルキレン基及びアリーレン基はその構造中に置換基又はヘテロ原子を有していてもよく、またm個のR1はそれぞれが結合してもよい。
第22の実施形態の非水電解液における一般式(1)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した一般式(1)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
また、第22の実施形態の非水電解液における一般式(2)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液で説明した一般式(2)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
第22の実施形態の非水電解液は、前述の一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物に加えて、一般式(16)で表される化合物を添加することで、更に優れた特性を付与することが可能である。
なお、前記一般式(16)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した電解質に該当する。よって、第22の実施形態の非水電解液では、電解質として前記一般式(16)で表される化合物を用いる。但し、前記一般式(16)で表される化合物に加えて、第1の実施形態の非水電解液で説明した電解質を併用することができる。
第22の実施形態の非水電解液に含まれる一般式(16)で表される化合物は以下の通りである。
Figure 2010044883
一般式(16)中、Mは、ホウ素原子又はリン原子を表し、mは1〜3のいずれかの整数を表し、qは0又は1を表す。R1は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又は炭素数6〜20のハロゲン化アリーレン基を表し、これらのアルキレン基及びアリーレン基はその構造中に置換基又はヘテロ原子を有していてもよく、またm個のR1はそれぞれが結合してもよい。
一般式(16)中、Mは、ホウ素原子又はリン原子を表す。Mがホウ素原子又はリン原子の場合、合成の容易性のほか、低毒性、安定性、コストとあらゆる面で優れた特性を有する。
一般式(16)中、R1は、炭素数1〜10のアルキレン、炭素数1〜10のハロゲン化アルキレン、炭素数6〜20のアリーレン、または炭素数6〜20のハロゲン化アリーレンである。これらのアルキレン及びアリーレンはその構造中に置換基、ヘテロ原子を有していてもよい。具体的には、アルキレン及びアリーレン上の水素原子の代わりにハロゲン、鎖状又は環状のアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、スルホニル基、アミノ基、シアノ基、カルボニル基、アシル基、アミド基、水酸基、また、アルキレン及びアリーレン上の炭素原子の代わりに、窒素原子、硫黄原子、酸素原子が導入された構造等を挙げることができる。さらには、複数存在するRはそれぞれが結合してもよく、例えば、エチレンジアミン四酢酸のような配位子を挙げることができる。
一般式(16)中、mは、中心のMの種類によって決定されるが、1〜3の整数である。
本発明に係る一般式(16)で表される化合物としては、具体的には例えば、下記式(17)で表される化合物、又は下記式(17−2)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2010044883
Figure 2010044883
一般式(16)で表される化合物の1種単独を添加してもよく、必要に応じて2種以上を添加してもよい。
更に、第22の実施形態の非水電解液は、前記一般式(16)で表される化合物に、Aa+(PF 、Aa+(ClO 、Aa+(BF 、Aa+(AsF 、及びAa+(SbF から選択される少なくとも1種の電解質を併用することが好適である。ここで、Aa+としては、一般式(16)の化合物と共通のアニオンを用いることが好適であることから、Liであることが好適である。
一般式(16)で表される化合物と、Aa+(PF 、Aa+(ClO 、Aa+(BF 、Aa+(AsF 、及びAa+(SbF から選ばれる電解質のモル比は、5:95〜95:5であることが好ましく、より好ましくは30:70〜70:30である。
前記第3成分である一般式(16)で表される化合物の含有率は、非水電解液全量に対して、0.001質量%〜10質量%であることが好ましい。
第22の実施形態の非水電解液における非水溶媒としては、第1の実施形態の非水電解液において説明した非水溶媒を適用することができる。
<第23の実施形態の非水電解液>
第23の実施形態の非水電解液は、第1成分として前記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として前記一般式(2)で表される化合物と、第3成分として下記一般式(18)で表される化合物と、を少なくとも含有し、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
Figure 2010044883
一般式(18)中、Mは、ホウ素原子又はリン原子を表し、mは1又は2の整数を表し、nは1〜4のいずれかの整数を表し、qは0又は1を表す。R1は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又は炭素数6〜20のハロゲン化アリーレン基を表し、これらのアルキレン基及びアリーレン基はその構造中に置換基又はヘテロ原子を有していてもよく、またm個のR1はそれぞれが結合してもよい。Rはハロゲン原子を表す。
第23の実施形態の非水電解液における一般式(1)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した一般式(1)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
また、第23の実施形態の非水電解液における一般式(2)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液で説明した一般式(2)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
第23の実施形態の非水電解液は、前述の一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物に加えて、下記一般式(18)で表される化合物を添加することで、更に優れた特性を付与することが可能である。
なお、前記一般式(18)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した電解質に該当する。よって、第23の実施形態の非水電解液では、電解質として前記一般式(18)で表される化合物を用いる。但し、前記一般式(18)で表される化合物に加えて、第1の実施形態の非水電解液で説明した電解質を併用することができる。
第23の実施形態の非水電解液に含まれる一般式(18)で表される化合物は以下の通りである。
Figure 2010044883
一般式(18)中、Mは、ホウ素原子又はリン原子を表し、mは1又は2の整数を表し、nは1〜4のいずれかの整数を表し、qは0又は1を表す。R1は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又は炭素数6〜20のハロゲン化アリーレン基を表し、これらのアルキレン基及びアリーレン基はその構造中に置換基又はヘテロ原子を有していてもよく、またm個のR1はそれぞれが結合してもよい。Rはハロゲン原子を表す。
一般式(18)におけるMは、ホウ素原子又はリン原子を表す。Mがホウ素原子又はリン原子の場合、合成の容易性のほか、低毒性、安定性、コストとあらゆる面で優れた特性を有する。
一般式(18)中、R1は、炭素数1〜10のアルキレン、炭素数1〜10のハロゲン化アルキレン、炭素数6〜20のアリーレン、または炭素数6〜20のハロゲン化アリーレンから選ばれるものよりなるが、これらのアルキレン及びアリーレンはその構造中に置換基、ヘテロ原子を持ってもよい。具体的には、アルキレン及びアリーレン上の水素の代わりにハロゲン、鎖状又は環状のアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、スルホニル基、アミノ基、シアノ基、カルボニル基、アシル基、アミド基、水酸基、また、アルキレン及びアリーレン上の炭素の代わりに、窒素、イオウ、酸素が導入された構造等を挙げることができる。さらには、複数存在するR1はそれぞれが結合してもよく、例えば、エチレンジアミン四酢酸のような配位子を挙げることができる。
2は、ハロゲン原子を表し、好ましくはフッ素原子である。R2がフッ素原子の場合、その強い電子吸引性による電解質の解離度の向上とサイズが小さくなることによる移動度の向上の効果により、イオン伝導度が非常に高くなる。
定数qは0又は1であるが、特に、0の場合はキレートリングが五員環になるため、キレート効果が最も強く発揮され安定性が増すため好ましい。
定数m及びnは中心のMの種類によって決定され、mは1又は2の整数を表し、nは1〜4のいずれかの整数を表す。
前記一般式(18)で表される化合物の具体例を下記に挙げるが、これら具体例に限定されない。
Figure 2010044883
Figure 2010044883

Figure 2010044883

Figure 2010044883
前記一般式(18)で表される化合物の1種単独を添加してもよく、必要に応じて2種以上を添加してもよい。
更に、第23の実施形態の非水電解液は、前記一般式(18)で表される化合物に、Aa+(PF 、Aa+(ClO 、Aa+(BF 、Aa+(AsF 、及びAa+(SbF から選択される少なくとも1種の電解質を併用することが、本発明の効果をより奏させるのに好適である。ここで、Aa+としては、一般式(18)の化合物と共通のアニオンを用いることが好適であることから、Liであることが好適である。
一般式(18)で表される化合物と、Aa+(PF 、Aa+(ClO 、Aa+(BF 、Aa+(AsF 、及びAa+(SbF から選ばれる電解質のモル比は、5:95〜95:5であることが好ましく、より好ましくは30:70〜70:30である。
前記第3成分である一般式(18)で表される化合物の含有率は、非水電解液全量に対して、0.001質量%〜10質量%であることが好ましい。
第23の実施形態の非水電解液における非水溶媒としては、第1の実施形態の非水電解液において説明した非水溶媒を適用することができる。
<第24の実施形態の非水電解液>
第24の実施形態の非水電解液は、第1成分として前記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として前記一般式(2)で表される化合物と、第3成分としてLiPF及びLi(C2z+1SON(zは1または2を表す)と、を少なくとも含有し、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
第24の実施形態の非水電解液における一般式(1)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した一般式(1)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
また、第24の実施形態の非水電解液における一般式(2)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液で説明した一般式(2)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
第24の実施形態の非水電解液は、前述の一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物に加えて、LiPFとLi(C2z+1SON(zは1または2を表す)とを添加することで、更に優れた特性を付与することが可能である。
なお、LiPF及びLi(C2z+1SONは、第1の実施形態の非水電解液において電解質として説明したものに該当する。よって、第24の実施形態の非水電解液は、電解質としてLiPF及びLi(C2z+1SONの2種を使用するものである。但し、LiPF及びLi(C2z+1SONに加えて、第1の実施形態の非水電解液で説明した電解質を併用することができる。
前記第3成分であるLiPF及びLi(C2z+1SONの総含有率は、非水電解液全量に対して、0.001質量%〜10質量%であることが好ましい。
第24の実施形態の非水電解液における非水溶媒としては、第1の実施形態の非水電解液において説明した非水溶媒を適用することができる。
<第25の実施形態の非水電解液>
第25の実施形態の非水電解液は、第1成分として前記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として前記一般式(2)で表される化合物と、第3成分としてLiBF及びLiN(R)(R)〔RはSO2x+1、RはSO2y+1を表し、x+y≧2〕から選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
第25の実施形態の非水電解液における一般式(1)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した一般式(1)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
また、第25の実施形態の非水電解液における一般式(2)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液で説明した一般式(2)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
第25の実施形態の非水電解液は、前述の一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物に加えて、LiBF及びLiN(R)(R)から選ばれる少なくとも1種(以下「LiBF等」と称する場合がある)を添加することで、更に優れた特性を付与することが可能である。
なお、LiBF及びLiN(R)(R)は、第1の実施形態の非水電解液において電解質として説明したものに相当する。よって、第25の実施形態の非水電解液は、電解質としてLiBF及びLiN(R)(R)から選ばれる少なくとも1種を使用するものである。但し、LiBF及びLiN(R)(R)に加えて、第1の実施形態の非水電解液で説明した電解質を併用することができる。
LiBF等の1種単独を添加してもよく、必要に応じて2種以上を添加してもよい。
前記第3成分であるLiBF及び/又はLiN(R)(R)の含有率は、非水電解液全量に対して、0.001質量%〜10質量%であることが好ましい。
第25の実施形態の非水電解液における非水溶媒としては、第1の実施形態の非水電解液において説明した非水溶媒を適用することができる。
<第26の実施形態の非水電解液>
第26の実施形態の非水電解液は、第1成分として前記一般式(1)で表される化合物と、第2成分として前記一般式(2)で表される化合物と、第3成分として2,2’−ジチオジピリジン、2,2’−ジチオジピリジンの誘導体、及びニトロソアミン化合物から選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液である。
第26の実施形態の非水電解液における一般式(1)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液において説明した一般式(1)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
また、第26の実施形態の非水電解液における一般式(2)で表される化合物は、第1の実施形態の非水電解液で説明した一般式(2)で表される化合物と同義であり、好適な範囲も同様である。
第26の実施形態の非水電解液は、前述の一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物に加えて、2,2’−ジチオジピリジン、2,2’−ジチオジピリジンの誘導体、及びニトロソアミン化合物から選ばれる少なくとも1種(以下「2,2’−ジチオジピリジン等」と称する場合がある)を添加することで、更に優れた特性を付与することが可能である。
本実施形態に係る2,2’−ジチオジピリジンの誘導体として具体的には、5−メチル−2,2’−ジチオジピリジン、5−メトキシ−2,2’−ジチオジピリジン、6−メチル2,2’−ジチオジピリジン、6−メトキシ−2,2’−ジチオジピリジン等を挙げることができる。
本発明に係るニトロソアミン化合物として具体的には、N−ニトロソジメチルアミンを挙げることができる。
2,2’−ジチオジピリジン等の1種単独を添加してもよく、必要に応じて2種以上を添加してもよい。
前記第3成分である2,2’−ジチオジピリジン、2,2’−ジチオジピリジンの誘導体、及び/又はニトロソアミン化合物の含有率は、非水電解液全量に対して、0.001質量%〜10質量%であることが好ましい。
第26の実施形態の非水電解液における非水溶媒としては、第1の実施形態の非水電解液において説明した非水溶媒を適用することができる。
また、第26の実施形態の非水電解液における電解質としては、第1の実施形態の非水電解液で説明した電解質を適用することができる。
〔リチウム二次電池〕
本発明のリチウム二次電池は、正極と、負極と、前記第1〜第26の実施形態の非水電解液のいずれかと、を基本的に含んで構成され、通常、正極と負極の間にセパレータが設けられている。
(負極の説明)
本発明に係る負極を構成する負極活物質としては、金属リチウム、リチウム含有合金、リチウムとの合金化が可能な金属若しくは合金、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な酸化物、リチウムイオンのドープ・脱ドープ可能な遷移金属窒素化物、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料、又はこれらの混合物のいずれかを用いることができる。リチウムイオンとの合金化が可能な金属若しくは合金としては、シリコン、シリコン合金、スズ、スズ合金などを挙げることができる。
これらの中でもリチウムイオンをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料が好ましい。このような炭素材料は、カーボンブラック、活性炭、人造黒鉛、天然黒鉛であっても非晶質炭素であってもよく、繊維状、球状、ポテト状、フレーク状いずれの形態であってもよい。
非晶質炭素材料として具体的には、ハードカーボン、コークス、1500℃以下に焼成したメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、メソペーズビッチカーボンファイバー(MCF)などが例示され、黒鉛材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛があり、人造黒鉛としては、黒鉛化MCMB、黒鉛化MCFなどが用いられる。また、黒鉛材料としては、ホウ素を含有するものなども用いることができ、また、金、白金、銀、銅、スズなどの金属で被覆したもの、非晶質炭素で被覆したもの、非晶質炭素と黒鉛を混合したものも使用することができる。
これらの炭素材料は、1種類で使用してもよく、2種類以上混合して使用してもよい。炭素材料としては、特にX線解析で測定した(002)面の面間隔d(002)が0.340nm以下の炭素材料が好ましく、真密度が1.70g/cm3以上である黒鉛又はそれに近い性質を有する高結晶性炭素材料が好ましい。このような炭素材料を使用すると、電池のエネルギー密度を高くすることができる。
(正極の説明)
本発明に係る正極を構成する正極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な遷移金属を含有する物質で、当該遷移金属の少なくとも一部としてマンガンを含有するものが用いられる。マンガンは安価で入手が容易であり、かつ安全性が高いことから、正極活物質として好適である。
本発明に係る正極活物質は、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物である。当該遷移金属に対するマンガンは、さらに好ましくは50モル%以上、最も好ましくは80モル以上である。
このように正極活物質中の遷移金属に占めるマンガンの割合が多い場合には、経済的に低コストであり、かつ安全性が向上する点で好適である。さらに正極活物質はリチウムを含有することが好ましく、リチウムとマンガンを含有する複合酸化物がより好ましい。
なお、遷移金属に対するマンガンの含有率が多くなるほど電池の寿命が短くなることが知られている。電池寿命を考慮すれば一般的にはマンガンの含有率は多くとも33モル%程度までであり、これ以上マンガンを含有させると急激に寿命が短くなる。しかし、本発明の非水電解質を用いると、遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いても、実用に充分耐え得る電池寿命とすることができる。
上記のマンガンを含有する正極活物質に特に制限はないが、例えば、下記の組成式(6)で表される組成を有するものが好ましい。
LiMn(1−y)M1 組成式(6)
組成式(6)中、xは0<x≦1.2を満たす数、yは0≦y≦0.65を満たす数、M1はNi、Co、Al、Fe、Ti、Mg、Cr、Ga、Cu、Zn、及びNbからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。
組成式(6)において、M1はNi、Co、Feであることが特に好ましく、また、xは0.2≦x≦1.15であることが特に好ましく、yは0≦y≦0.5であることが特に好ましく、yは0≦y≦0.2であることが最も好ましい。
また、下記の組成式(7)で表される組成を有するものも好ましい。
LiMn(2−y)M2 組成式(7)
組成式(7)中、xは0<x≦1.2を満たす数、yは0≦y≦1.3を満たす数、M2はNi、Co、Al、Fe、Ti、Mg、Cr、Ga、Cu、Zn、及びNbからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。
組成式(7)において、M2はNi、Co、Al、Mgであることがより好ましく、また、xは0.05≦x≦1.15であることがより好ましく、yは0≦y≦1であることがより好ましく、yは0≦y≦0.4であることが更に好ましい。
組成式(7)で表される組成を有するものの具体例としては、例えばLiMn1.8Al0.2、LiMn1.5Ni0.5等を挙げることができる。
上記の正極活物質は、1種類で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。正極活物質は、導電性助剤とともに使用して正極を構成することが望ましい。導電助剤としては、カーボンブラック、アモルファスウィスカー、グラファイトなどの炭素材料を例示することができる。
本発明に係る正極は、マンガンを多く含む。よって、正極は層状構造ではなくスピネル構造となる。一般的にスピネル構造の正極は、電池の充放電の際に正極中のマンガンが溶出し、マンガン化合物が負極上に堆積し、抵抗増大の劣化を引き起こすことが知られている。
本発明に係る一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物、更に第三成分として前記(1)〜(26)の化合物のいずれかを組み合わせても用いることで、正極側からのマンガンの溶出を抑制し、且つ負極上でのマンガン化合物の堆積を抑制しているものと考えられる。したがって、上記正極活物質を用いた正極を使用したリチウム二次電池は、高温保存後の残存放電容量が大きく、容量維持率が大きいので、長寿命化が実現できる。
(セパレータの説明)
本発明に係るセパレータは、正極と負極を電気的に絶縁し且つリチウムイオンを透過する膜であって、多孔性膜や高分子電解質が例示される。多孔性膜としては微多孔性高分子フィルムが好適に使用され、材質としてポリオレフィン、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル等が例示される。
特に、多孔性ポリオレフィンが好ましく、具体的には多孔性ポリエチレンフィルム、多孔性ポリプロピレンフィルム、又は多孔性のポリエチレンフィルムとポリプロピレンフィルムとの多層フィルムを例示することができる。多孔性ポリオレフィンフィルム上には、熱安定性に優れる他の樹脂がコーティングされてもよい。
高分子電解質としては、リチウム塩を溶解した高分子や、電解液で膨潤させた高分子等が挙げられる。本発明の電解液は、高分子を膨潤させて高分子電解質を得る目的で使用してもよい。
(電池の構成)
本発明のリチウム二次電池は、前記の負極活物質、正極活物質及びセパレータを含む。本発明のリチウム二次電池は、種々公知の形状をとることができ、円筒型、コイン型、角型、フィルム型その他任意の形状に形成することができる。しかし、電池の基本構造は、形状によらず同じであり、目的に応じて設計変更を施すことができる。
例えば、図1に示すコイン型電池では、円盤状負極2、非水電解液を注入したセパレータ5、円盤状正極1、必要に応じて、ステンレス、又はアルミニウムなどのスペーサー板7,8が、この順序に積層された状態で、極缶3と封口板4との間に収容される。正極缶3と封口板4とはガスケット6を介してかしめ密封する。
本発明の第1〜第26の実施形態の非水電解液及びその電解液を用いたリチウム二次電池の用途は特に限定されず、種々公知の用途に用いることができる。例えば、ノートパソコン、モバイルパソコン、携帯電話、ヘッドホンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、電子手帳、電卓、ラジオ、バックアップ電源用途、モーター、自動車、電気自動車、バイク、電動バイク、自転車、電動自転車、照明器具、ゲーム機、時計、電動工具、カメラ等に広く利用可能なものである。
以下に実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって制限されるものではない。
(実施例1)
<負極の作製>
人造黒鉛20質量部、天然黒鉛系黒鉛80質量部、カルボキシメチルセルロース1質量部及びSBRラテックス2質量部を水溶媒で混錬してペースト状の負極合剤スラリーを調製した。次に、この負極合剤スラリーを厚さ18μmの帯状銅箔製の負極集電体に塗布し乾燥した後に、ロールプレスで圧縮して負極集電体と負極活物質層からなるシート状の負極を得た。このときの負極活物質層の塗布密度は10mg/cmであり、充填密度は1.5g/mlであった。
<正極の作製>
LiMnを90質量部、アセチレンブラック5質量部及びポリフッ化ビニリデン5質量部をN−メチルピロリジノンを溶媒として混錬してペースト状の正極合剤スラリーを調製した。
次に、この正極合剤スラリーを厚さ20μmの帯状アルミ箔の正極集電体に塗布し乾燥した後に、ロールプレスで圧縮して正極集電体と正極活物質とからなるシート状の正極を得た。このときの正極活物質層の塗布密度は30mg/cmであり、充填密度は2.5g/mlであった。
<非水電解液の調製>
非水溶媒としてエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)をそれぞれ5:5(質量比)の割合で混合した中に、電解質であるLiPFを溶解して、電解質濃度が1モル/リットルとなるように調製した。前記の溶液に対して、添加剤として、1,3−プロパ−1−エンスルトン(PRS)、ビニレンカーボネート(VC)、及び亜リン酸トリメチルを非水電解液全量に対してそれぞれ0.5質量%含有するように調整した。
<コイン型電池の作製>
上述の負極を直径14mmで、上述の正極を直径13mmで円盤状に打ち抜いて、コイン状の電極を得た。また厚さ20μmの微多孔性ポリエチレンフィルムを直径17mmの円盤状に打ち抜きセパレータを得た。
得られた負極、セパレータ及び正極を、この順序でステンレス製の電池缶(2032サイズ)内に積層し、上記非水電解液20ulを注入してセパレータと正極と負極に含漬させた。
更に、正極上にアルミニウム製の板(厚さ1.2mm、直径16mm)及びバネを乗せ、ポリプロピレン製のガスケットを介して、電池缶蓋をかしめることにより電池を密封し、直径20mm、高さ3.2mmのコイン型電池を作製した。
得られたコイン型電池について、下記の評価を実施した。
<電池の初期特性評価>
試験用電池を、1mA定電流、4.2V定電圧で充電し、1mA定電流で2.85Vまで放電を10サイクル行った。その際、1サイクル目の充電容量[mAh]を測定し、更に放電容量[mAh]から初回の充放電効率を下記式にて計算した。
初回の充放電効率[%]
=1サイクル目の放電容量[mAh]/1サイクル目の充電容量[mAh]×100[%]
<電池高温保存試験>
上記初期特性評価試験を終えた試験用電池を、25℃の恒温槽中で1mA定電流、4.2V定電圧で充電した後、1mA定電流で2.85Vまで放電し、高温保存試験前の放電容量[mAh]を測定した。
その後、1mA定電流、4.2V定電圧充電を行った後、恒温槽の温度を80℃に設定し、2日間で電池の保存試験を行った。その際、電池の充放電は行わず、電圧のみ測定を行い、高温保存試験中の各電池の電圧降下をOCV[mV]の低下として、測定した。
80℃2日間の高温保存試験後、25℃に恒温槽の温度をした後、1mA定電流で2.85Vまで放電し、電池に残っている残存放電容量[mAh]を測定した。そして、下記式にて、高温保存試験での容量維持率を算出した。
高温保存試験前後の容量維持率[%]
=残存放電容量[mAh]/高温保存試験前の放電容量[mAh]×100[%]
(実施例2〜27)
実施例1において用いた亜リン酸トリメチルに代えて表2〜表3に示す添加剤を非水電解液全量に対して0.5質量%含有するように調整した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。
得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び、高温保存試験を実施した。
(比較例1)
非水電解液として、添加剤を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び、高温保存試験を実施した。
(比較例2〜28)
実施例1〜27では、非水電解液の添加剤として、1,3−プロパ−1−エンスルトン(PRS)、ビニレンカーボネート(VC)、及び亜リン酸トリメチル等の表2〜表3に示す第3成分の3種類を添加したところを、1,3−プロパ−1−エンスルトン(PRS)及びビニレンカーボネート(VC)を添加せず表4〜表5に記載の第3成分のみを非水電解液全量に対して0.5質量%含有するように調整した以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池を得た。得られたコイン型電池について、初期特性評価、及び、高温保存試験を実施した。
実施例1〜27及び比較例1〜28の評価結果を下記表2〜表5に示す。
Figure 2010044883
Figure 2010044883
Figure 2010044883
Figure 2010044883
添加剤を添加しない比較例1のリチウム二次電池に比べ、1,3−プロパ−1−エンスルトン(PRS)、ビニレンカーボネート(VC)、表中の第3成分を添加剤として非水電解液に含有させた実施例1〜27では、高温保存特性が非常に改善した。また、表中の第3成分のみを添加剤として含有させた比較例2〜28と比較しても、実施例1〜27では大きな改善が確認された。
本発明のリチウム二次電池の一例を示すコイン型電池の模式的断面図である。
符号の説明
1 正極
2 負極
3 正極缶
4 封口板
5 セパレータ
6 ガスケット
7,8 スペーサー板

Claims (51)

  1. 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
    第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
    第3成分として亜リン酸トリアルキルと、を少なくとも含有し、
    遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。〕
  2. 前記亜リン酸トリアルキルが、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリ−n−プロピル、及び亜リン酸トリ−n−ブチルから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液。
  3. 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
    第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
    第3成分として亜リン酸トリアルキル、リン酸トリアルキル、ホウ酸トリアルキル、硫酸ジアルキル、及び亜硫酸ジアルキルから選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、
    遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。〕
  4. 前記亜リン酸トリアルキル、リン酸トリアルキル、ホウ酸トリアルキル、硫酸ジアルキル、及び亜硫酸ジアルキルから選ばれる少なくとも1種の化合物が、亜リン酸トリメチル、リン酸トリメチル、ホウ酸トリメチル、硫酸ジメチル、及び亜硫酸ジメチルから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項3に記載の非水電解液。
  5. 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
    第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
    第3成分として2価のマンガン塩と、を少なくとも含有し、
    遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。〕
  6. 前記2価のマンガン塩が、酢酸マンガン(II)、硫酸マンガン(II)、安息香酸マンガン(II)、炭酸マンガン(II)、及び硫酸マンガン(II)から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項5に記載の非水電解液。
  7. 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
    第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
    第3成分としてフッ素化されたリン酸エステル及びフッ素化された亜リン酸エステルから選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、
    遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。〕
  8. 前記フッ素化されたリン酸エステルが、リン酸トリ(トリフルオロメチル)、リン酸トリ(ペンタフルオロエチル)及びリン酸トリ(トリフルオロエチル)から選択される少なくとも1種であり、
    前記フッ素化された亜リン酸エステルが、亜リン酸ジ(トリフルオロメチル)及び亜リン酸トリ(トリフルオロメチル)から選択される少なくとも1種であることを特徴とすることを特徴とする請求項7に記載の非水電解液。
  9. 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
    第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
    第3成分としてクラウンエーテルと、を少なくとも含有し、
    遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。〕
  10. 前記クラウンエーテルが、12−クラウン−4、15−クラウン−5及び18−クラウン−6から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項9に記載の非水電解液。
  11. 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
    第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
    第3成分として1,3,5−三置換ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン骨格を有する化合物と、を少なくとも含有し、
    遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。〕
  12. 前記1,3,5−三置換ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン骨格を有する化合物が、下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項11に記載の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(3)中、R〜Rは、各々独立に、直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、ハロゲン化アリール基、アリールアルキル基、フラニルアルキル基、テトラヒドロフラニルアルキル基、チエニルアルキル基、トリアルキルシリルアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、トリフルオロメチル基、アセチル基、アセチルオキシ基、トリアルキルシリル基、(トリフルオロメチル)チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、フルオロスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基、アリールアルキルスルホニル基、アルコキシカルボニル基、又はアルケニル基を表し、R〜Rは各々独立に、水素原子、又は直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表すか、隣接するR、R又はRと結合して環を形成する。)
  13. 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
    第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
    第3成分として下記一般式(4)で表される化合物と、を少なくとも含有し、
    遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(4)中、各炭素原子は各々独立に置換基を有していてもよく、k、l及びmは各々独立に1〜3の整数を表す。〕
  14. 前記一般式(1)において、k=l=m=2であることを特徴とする請求項13に記載の非水電解液。
  15. 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
    第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
    第3成分として一般式(5)で表される化合物と、を少なくとも含有し、
    遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(5)中、R〜Rは各々独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数2〜8のジアルキルアミノ基、3−チエニル基、シアノ基、フルオロ基、クロロ基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜10のアリールカルボニル基、炭素数1〜12のアルキルカルボニル基、炭素数1〜4のシアノアルキル基、炭素数が3〜13のアルコキシカルボニルアルキル基、ピロール−1−イルメチル基、1−ピロリジニル基、1−ピペリジノ基、フェニル基(但し、この場合、R〜Rの2個以上がフェニル基である。)、1H−ピロール−1−イル基、炭素数が2〜12のアルコキシアルキル基、炭素数が3〜18のジアルキルアミノアルキル基、炭素数が6〜10のアリールオキシ基、アリールアルキル基(アリール基の部分の炭素数は、6〜10であり、アルキル基の部分の炭素数は、2〜6である。)、イソチオシアノ基、炭素数が2〜8のジアルキルアミノカルボニル基、5−オキサゾール基、トリフルオロメチル基、1−ピロリジン−2,5−ジオン基、炭素数1〜6の1H−ピロール−1−イルアルキル基、4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イル基、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル基、ニトロ基、1−ピペリジニル基、炭素数1〜6の1−アルキルピロール−2−イル基、4−1,2,3−チアジアゾール基、2−1,3,4−オキサジアゾール基、モルホリノ基、又は1−ピロリン−2−イル基を表す。但し、R〜Rの少なくとも1つは水素原子以外の前記置換基を表す。また、R〜Rが水素原子又はアルキル基である場合には、R〜Rの少なくとも1つが炭素数2以上のアルキル基であり、R〜Rの炭素数の合計は3以上である。〕
  16. 前記一般式(5)で表される化合物が、2−tert−ブチルピリジン、2,6−ジ−tert−ブチルピリジン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジン、2,4,6−トリ−tert−ブチルピリジン、2−tert−ブチル−6−メチル−ピリジン、2−tert−ブチル−4−メチルピリジン、2−tert−ブチル−6−イソプロピルピリジン、2−ペンチルピリジン、又は2−(3−ペンチル)ピリジンであることを特徴とする請求項15に記載の非水電解液。
  17. 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
    第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
    第3成分として下記一般式(6)で表される環状シロキサン化合物、一般式(7)で表されるフルオロシラン化合物、一般式(8)で表される化合物、分子内にS−F結合を有する化合物、硝酸塩、亜硝酸塩、モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩、酢酸塩及びプロピオン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、
    遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(6)中、R及びRは各々独立に炭素数1〜12の有機基を表し、nは3〜10の整数を表す〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(7)中、R〜Rは各々独立に炭素数1〜12の有機基を表し、xは1〜3の整数を表し、p、q及びrは各々独立に0〜3の整数を表し、1≦p+q+r≦3である。〕
    Figure 2010044883

    [一般式(8)中、R〜Rは各々独立に炭素数1〜12の有機基を表し、Aは水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、フッ素原子、硫黄原子、珪素原子及びリン原子からなる群より選択される原子を構成原子とする基を表す。〕
  18. 前記一般式(6)で表される環状シロキサン化合物、一般式(7)で表されるフルオロシラン化合物、一般式(8)で表される化合物、分子内にS−F結合を有する化合物、硝酸塩、亜硝酸塩、モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩、酢酸塩及びプロピオン酸塩からなる群より選ばれた少なくとも1種が、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、メタンスルホン酸トリメチルシリル、フェニルジメチルフルオロシラン、又はLiPOであることを特徴とする請求項17に記載の非水電解液。
  19. 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
    第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
    第3成分としてビリジン、ピリダジン、ピリミジン、又はピラジンから選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、
    遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。〕
  20. 前記ビリジン、ピリダジン、ピリミジン、又はピラジンから選ばれる少なくとも1種が、ピリジンであることを特徴とする請求項19に記載の非水電解液。
  21. 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
    第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
    第3成分としてメラミン及びメラミン誘導体から選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、
    遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。〕
  22. 前記メラミン及びメラミン誘導体から選ばれる少なくとも1種が、メラミンであることを特徴とする請求項21に記載の非水電解液。
  23. 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
    第2成分として一般式(2)で表される化合物と、
    第3成分としてN−フェニル−1−ナフチルアミン及びN−フェニル−2−ナフチルアミンから選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、
    遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。〕
  24. 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
    第2成分として一般式(2)で表される化合物と、
    第3成分としてLiBF及びLiN(SOと、を少なくとも含有し、
    遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。〕
  25. 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
    第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
    第3成分として下記一般式(9)で表される化合物及びLiBFと、を少なくとも含有し、
    遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(9)中、Xは、ハロゲン原子を表す。〕
  26. 前記一般式(9)で表される化合物が、2,4−ジフルオロ−1−メトキシベンゼン又は3,5−ジクロロ−1−メトキシベンゼンであることを特徴とする請求項25に記載の非水電解液。
  27. 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
    第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
    第3成分として下記一般式(10)で表される化合物と、を少なくとも含有し、
    遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(10)中、R及びRは、置換若しくは未置換の直鎖若しくは分岐のアルキル基、置換若しくは未置換の環状飽和アルキル基、置換若しくは未置換のアルキレン基、又はアルキレンオキサイド基を表し、nは1以上100以下の整数を表す。〕
  28. 前記一般式(10)で表される化合物が、下記一般式(11)で表される化合物であることを特徴とする請求項27に記載の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(11)中、R、R及びnは、一般式(10)におけるR、R及びnとそれぞれ同義である。〕
  29. 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
    第2成分として一般式(2)で表される化合物と、
    第3成分として正の誘電異方性を有する化合物と、を少なくとも含有し、
    遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。〕
  30. 前記正の誘電異方性を有する化合物が、下記一般式(12)で表される化合物であることを特徴とする請求項29に記載の非水電解液。
    Figure 2010044883
  31. 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
    第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
    第3成分として、コハク酸、コハク酸誘導体、マロン酸、及びマロン酸誘導体から選ばれる少なくとも1種と、を含有し
    遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。〕
  32. 前記コハク酸、コハク酸誘導体、マロン酸、及びマロン酸誘導体から選ばれる少なくとも1種が、コハク酸、コハク酸ジメチル、無水コハク酸、マロン酸、マロン酸ジメチル、及び無水マレイン酸から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項31に記載の非水電解液。
  33. 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
    第2成分として一般式(2)で表される化合物と、
    第3成分として下記式(13)で表される化合物と、を少なくとも含有し、
    遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。〕
    Figure 2010044883
  34. 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
    第2成分として一般式(2)で表される化合物と、
    第3成分として下記一般式(14)で表される化合物と、を少なくとも含有し、
    遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(14)中、Xは、フッ素原子又はトリフロロメチル基を表す。〕
  35. 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
    第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
    第3成分としてアニオン付加重合性モノマーを1種以上と、を少なくとも含有し、
    遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。〕
  36. 前記アニオン付加重合性モノマーが、イソプレン、スチレン、2−ビニルピリジン、1−ビニルイミダゾール、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、N−ビニルピロリドン、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸メチル、イオノン、及びミルセンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項35に記載の非水電解液。
  37. 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
    第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
    第3成分として1,3−プロパンスルトン及び1,4−ブタンスルトンから選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、
    遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。〕
  38. 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
    第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
    第3成分として下記一般式(16)で表される化合物と、を少なくとも含有し、
    遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(16)中、Mは、ホウ素原子又はリン原子を表し、mは1〜3のいずれかの整数を表し、qは0又は1を表す。R1は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又は炭素数6〜20のハロゲン化アリーレン基を表し、これらのアルキレン基及びアリーレン基はその構造中に置換基又はヘテロ原子を有していてもよく、またm個のR1はそれぞれが結合してもよい。〕
  39. 前記一般式(16)で表される化合物が、下記式(17)で表される化合物であることを特徴とする請求項38に記載の非水電解液。
    Figure 2010044883
  40. 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
    第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
    第3成分として下記一般式(18)で表される化合物と、を少なくとも含有し、
    遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(18)中、Mは、ホウ素原子又はリン原子を表し、mは1又は2の整数を表し、nは1〜4のいずれかの整数を表し、qは0又は1を表す。R1は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又は炭素数6〜20のハロゲン化アリーレン基を表し、これらのアルキレン基及びアリーレン基はその構造中に置換基又はヘテロ原子を有していてもよく、またm個のR1はそれぞれが結合してもよい。Rはハロゲン原子を表す。〕
  41. 前記一般式(18)で表される化合物が、下記式(19)で表される化合物であることを特徴とする請求項40に記載の非水電解液。
    Figure 2010044883
  42. 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
    第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
    第3成分としてLiPF及びLi(C2z+1SON(zは1または2を表す)と、を少なくとも含有し、
    遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。〕
  43. 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
    第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
    第3成分としてLiBF及びLiN(R)(R)〔ただし、RはSO2x+1、RはSO2y+1を表し、x+y≧2〕から選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、
    遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。〕
  44. 前記LiBF及びLiN(R)(R)から選ばれる少なくとも1種が、LiBF、LiN(SO、及びLiN(SOCF)(SO)から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項43に記載の非水電解液。
  45. 第1成分として下記一般式(1)で表される化合物と、
    第2成分として下記一般式(2)で表される化合物と、
    第3成分として2,2’−ジチオジピリジン、2,2’−ジチオジピリジンの誘導体、及びニトロソアミン化合物から選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも含有し、
    遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極に用いるリチウム二次電池用の非水電解液。
    Figure 2010044883

    〔一般式(1)、R、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子を含んでもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。〕
    Figure 2010044883

    〔一般式(2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。〕
  46. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記式(1−1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜請求項45のいずれか1項に記載の非水電解液。
    Figure 2010044883
  47. 前記第1成分である前記一般式(1)で表される化合物の含有率が、非水電解液全体に対して0.001質量%〜10質量%であることを特徴とする請求項1〜請求項46のいずれか1項に記載の非水電解液。
  48. 前記第2成分である前記一般式(2)で表される化合物の含有率が、非水電解液全体に対して0.001質量%〜10質量%であることを特徴とする請求項1〜請求項47のいずれか1項に記載の非水電解液。
  49. 前記第3成分の化合物の含有率が、非水電解液全体に対して0.001質量%〜10質量%であることを特徴とする請求項1〜請求項48のいずれか1項に記載の非水電解液。
  50. 負極と、
    遷移金属全体に対してマンガンを35モル%以上含む遷移金属の複合酸化物を正極活物質として含む正極と、
    請求項1〜請求項49のいずれか1項に記載の非水電解液と、
    を有するリチウム二次電池。
  51. 前記負極が、金属リチウム、リチウム含有合金、リチウムとの合金化が可能な金属若しくは合金、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な酸化物、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な遷移金属窒素化物、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料、及びこれらの混合物から選ばれた少なくとも一つの負極活物質を含むことを特徴とする請求項50に記載のリチウム二次電池。
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