JP2010036808A - 車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの動力変動に起因する振動を効果的に抑制することができるハイブリッド型の車両を提供する。
【解決手段】 動力ユニット3は、エンジン25と、エンジン25の動力によって発電する発電機27と、この発電機27が発生する電力を蓄積する蓄電ユニット55と、この蓄電ユニット55に蓄積された電力によって動力を発生する電動モータ26とを備えている。動力制御ユニット65は、エンジン25の動力変動を補償するように発電機27の発電負荷および電動モータ26の発生トルクを制御する。
【選択図】図4
【解決手段】 動力ユニット3は、エンジン25と、エンジン25の動力によって発電する発電機27と、この発電機27が発生する電力を蓄積する蓄電ユニット55と、この蓄電ユニット55に蓄積された電力によって動力を発生する電動モータ26とを備えている。動力制御ユニット65は、エンジン25の動力変動を補償するように発電機27の発電負荷および電動モータ26の発生トルクを制御する。
【選択図】図4
Description
この発明は、エンジンおよび電動モータを動力源とする車両に関する。
エンジンおよび電動モータが発生する駆動力を共通に駆動軸に伝達可能としたハイブリッド型車両が知られている。たとえば、特許文献1には、パラレル方式のハイブリッド型車両が開示されている。パラレル方式のハイブリッド型車両では、負荷の小さい運転域では電動機のみが動力源とされ、負荷が大きくなるとエンジンが始動される。したがって、走行中負荷が大きくなった状態でのエンジンの始動が必要になることがある。このエンジン始動時のトルク変動に起因して、振動が生じる。特許文献1の発明では、エンジン始動時の振動を抑制するためのトルクを電動モータから発生させるようにしている。
特許第3454167号公報
特許文献1の先行技術では、エンジン始動時の振動は抑制されるが、始動後にエンジンから生じる振動についての対策はなされていない。
しかし、エンジンの燃焼サイクル中にもトルク変動が生じるから、このトルク変動に起因する振動が問題となる場合もある。とくに、二輪車両に搭載されるエンジンは、気筒数が少なく、単気筒エンジンが搭載される場合もあるから、燃焼サイクル中のトルク変動が大きい。したがって、乗員の快適性を高め、かつ、静粛性を高めるうえで、始動後の定常運転状態においても、エンジンの振動を抑制することが好ましい。
しかし、エンジンの燃焼サイクル中にもトルク変動が生じるから、このトルク変動に起因する振動が問題となる場合もある。とくに、二輪車両に搭載されるエンジンは、気筒数が少なく、単気筒エンジンが搭載される場合もあるから、燃焼サイクル中のトルク変動が大きい。したがって、乗員の快適性を高め、かつ、静粛性を高めるうえで、始動後の定常運転状態においても、エンジンの振動を抑制することが好ましい。
そこで、この発明の目的は、エンジンの動力変動に起因する振動を効果的に抑制することができるハイブリッド型の車両を提供することである。
この発明の車両は、車輪を支持する駆動軸と、エンジンと、前記エンジンの動力によって発電する発電機と、この発電機が発生する電力を蓄積する蓄電ユニットと、この蓄電ユニットに蓄積された電力によって動力を発生する電動モータと、前記エンジンおよび電動モータの動力を駆動軸に伝達する伝達機構と、前記エンジンの動力変動を補償するように前記発電機の発電負荷および前記電動モータの発生トルクを制御する動力制御ユニットとを含む。
この構成によれば、エンジンの動力によって発電機が駆動されることで、蓄電ユニットに電力が蓄積される。この蓄電ユニットに蓄積された電力によって電動モータが駆動される。そして、エンジンおよび電動モータの動力が伝達機構によって駆動軸に伝達される。こうして、ハイブリッド型の車両が構成されている。発電機の発電負荷および電動モータの発生トルク(以下「モータトルク」という。)は、エンジンの動力変動を補償するように制御される。これにより、エンジンの動力変動に起因する振動を抑制でき、乗員の快適性および車両の静粛性を高めることができる。むろん、エンジン始動時に限らず、始動後の定常運転状態においても、発電負荷およびモータトルクの制御によって、エンジンの動力変動を補償でき、車両の振動を抑制できる。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る車両である自動二輪車の構成を説明するための側面図であり、フロントカバー、レッグシールド、およびサイドカバー等の外装部品を取り除いた構成が示されている。
自動二輪車1は、車体フレーム2と、動力ユニット3と、前輪4と、後輪5とを備えている。車体フレーム2の前部には、ヘッドパイプ6が設けられている。このヘッドパイプ6に、フロントフォーク7が左右方向への揺動が可能なように支持されている。このフロントフォーク7の下端に前輪4が軸支されている。フロントフォーク7の上端には、自動二輪車1を操向するためのハンドル8が固定されている。
図1は、この発明の一実施形態に係る車両である自動二輪車の構成を説明するための側面図であり、フロントカバー、レッグシールド、およびサイドカバー等の外装部品を取り除いた構成が示されている。
自動二輪車1は、車体フレーム2と、動力ユニット3と、前輪4と、後輪5とを備えている。車体フレーム2の前部には、ヘッドパイプ6が設けられている。このヘッドパイプ6に、フロントフォーク7が左右方向への揺動が可能なように支持されている。このフロントフォーク7の下端に前輪4が軸支されている。フロントフォーク7の上端には、自動二輪車1を操向するためのハンドル8が固定されている。
車体フレーム2の後部上方には、二人乗り用の鞍乗型シート9が取り付けられている。また、車体フレーム2の後部下方には、ユニットスイング式の動力ユニット3が上下自在に取り付けられている。より具体的には、車体フレーム2の後部下方に懸架部材10が左右に一対設けられている。動力ユニット3には左右一対のピボット部11が設けられている。各ピボット部11は左右方向に延びるピボット軸12を備えている。このピボット軸12が、懸架部材10に形成された挿通孔に挿通されている。これにより、動力ユニット3は、車体フレーム2に対して、ピボット軸12を中心として上下揺動自在に支持されている。この動力ユニット3の後端部に、後輪5が軸支されている。
図示は省略するが、車体フレーム2は、ヘッドパイプ6の前側がフロントカバーで覆われており、ヘッドパイプ6の後側がレッグシールドで覆われており、シート9の下方の周囲がサイドカバーで覆われている。
図2は動力ユニット3の拡大側面図であり、図3は動力ユニット3の一部断面を示す平面図である。動力ユニット3は、ハイブリッド型原動機ユニット20(以下単に「原動機ユニット20」という。)と、無段変速機構21が収容された伝動ケース22とを備え、これらを一体化して構成されている。
図2は動力ユニット3の拡大側面図であり、図3は動力ユニット3の一部断面を示す平面図である。動力ユニット3は、ハイブリッド型原動機ユニット20(以下単に「原動機ユニット20」という。)と、無段変速機構21が収容された伝動ケース22とを備え、これらを一体化して構成されている。
原動機ユニット20は、エンジン25と、電動モータ26と、発電機27とを備えている。エンジン25は、たとえば、水冷式単気筒エンジンであり、クランクケース30と、シリンダブロック31と、シリンダヘッド32とを結合して構成されている。すなわち、クランクケース30にシリンダブロック31が結合され、シリンダブロック31にシリンダヘッド32が結合されている。クランクケース30内には、クランク軸34が回転自在に収容されている。このクランク軸34に、コンロッド35を介してピストン36が結合されている。ピストン36は、シリンダブロック31内に、往復摺動可能に収容されている。シリンダヘッド32には、点火プラグ37が配置されている。点火プラグ37の放電部は、空気と燃料との混合気が導入される燃焼室に臨んでいる。
クランク軸34は、自動二輪車1の左右方向に沿って配置されている。このクランク軸34の一端部である右側端部34aに、電動モータ26が結合されている。この電動モータ26は、クランク軸34に対してトルクを付与することができる。また、クランク軸34の他端部である左側端部34bは、無段変速機構21に結合されている。さらに、クランク軸34の左側端部34b寄りの途中部に、発電機27が結合されている。この発電機27は、クランク軸34の回転によって電力を生じるものである。
無段変速機構21は、駆動側シーブ38と、従動側シーブ39と、これらの間に巻き掛けられた無端状のVベルト40とを備え、これらが伝動ケース22に収容されている。伝動ケース22は、ケース本体23と、このケース本体23に着脱可能に装着されたケースカバー24(図2では図示を省略した。)とを有している。ケース本体23は、クランクケース30の左側に一体的に形成され、後輪5の中心部まで延びている。
駆動側シーブ38は、クランク軸34の左側端部34bに固定された固定シーブ38aと、この固定シーブ38aよりも発電機27側に設けられた可動シーブ38bとを有している。固定シーブ38aおよび可動シーブ38bの間に形成されるV字形の溝内にVベルト40が収容されている。
固定シーブ38aは、クランク軸34に固定されていて、クランク軸34の軸方向に関する移動も、クランク軸34に対する相対回転もできないようになっている。つまり、クランク軸34に対する相対位置が不変であり、クランク軸34とともに回転するようになっている。可動シーブ38bは、クランク軸34の軸方向に対する移動が可能であるが、クランク軸34に対する相対回転ができないように、クランク軸34に取り付けられている。より具体的には、クランク軸34の外周面には、その軸方向に沿ってキー41が形成されている。可動シーブ38bは、クランク軸34が挿通されるボスを中心部に有しており、このボスの内周面には、キー41に係合するキー溝が形成されている。すなわち、可動シーブ38bは、クランク軸34に対してスプライン結合している。
固定シーブ38aは、クランク軸34に固定されていて、クランク軸34の軸方向に関する移動も、クランク軸34に対する相対回転もできないようになっている。つまり、クランク軸34に対する相対位置が不変であり、クランク軸34とともに回転するようになっている。可動シーブ38bは、クランク軸34の軸方向に対する移動が可能であるが、クランク軸34に対する相対回転ができないように、クランク軸34に取り付けられている。より具体的には、クランク軸34の外周面には、その軸方向に沿ってキー41が形成されている。可動シーブ38bは、クランク軸34が挿通されるボスを中心部に有しており、このボスの内周面には、キー41に係合するキー溝が形成されている。すなわち、可動シーブ38bは、クランク軸34に対してスプライン結合している。
従動側シーブ39は、固定シーブ39aと、可動シーブ39bとを備えており、これらは伝動ケース22の後端部に軸支された従動軸45に装着されている。固定シーブ39aは、従動軸45に対する相対回転が可能であるが、従動軸45の軸方向移動が不能であるように設けられている。可動シーブ39bは、固定シーブ39aとともに回転し、かつ、従動軸45の軸方向に対する移動が可能であるように設けられている。より具体的には、固定シーブ39aの中央にはボス43が形成されており、このボス43に従動軸45が挿通している。さらに、可動シーブ39bの中央に形成されたボスに、固定シーブ39aのボス43が挿通している。固定シーブ39aのボス43には、従動軸45の軸方向に沿ってキー(図示せず)が形成されている。このキーに係合するキー溝が、可動シーブ39bのボスの内周面に形成されている。すなわち、可動シーブ39bは、固定シーブ39aのボス43に対してスプライン結合している。可動シーブ39bは、圧縮コイルばね46によって、固定シーブ39aに向けて付勢されている。
固定シーブ39aの回転は、遠心式クラッチ48を介して従動軸45に伝達されるようになっている。遠心式クラッチ48は、固定シーブ39aの回転速度が所定の回転速度に達するとクラッチインして、固定シーブ39aの回転を従動軸45に伝達する。この従動軸45の回転は、メイン軸49を含む減速機構によって減速されて駆動軸50に伝達され、この駆動軸50に装着された後輪5に伝達される。
このように、エンジン25および電動モータ26の動力がクランク軸34に共通に与えられる。そして、その動力が、駆動側シーブ38およびVベルト40を介して従動側シーブ39に伝達され、さらに、従動側シーブ39から遠心式クラッチ48等を介して駆動軸50に伝達されるようになっている。
図示は省略するが、可動シーブ38bの内側(固定シーブ38aとは反対側)には、遠心機構が配置されている。この遠心機構は、カムプレートと、ローラウェイトとを含む。カムプレートは、可動シーブ38bに対向配置され、クランク軸34から離れるに従って可動シーブ38bに接近するカム面を有する。ローラウェイトは、カムプレートのカム面と可動シーブ38bとの間に配置されている。
図示は省略するが、可動シーブ38bの内側(固定シーブ38aとは反対側)には、遠心機構が配置されている。この遠心機構は、カムプレートと、ローラウェイトとを含む。カムプレートは、可動シーブ38bに対向配置され、クランク軸34から離れるに従って可動シーブ38bに接近するカム面を有する。ローラウェイトは、カムプレートのカム面と可動シーブ38bとの間に配置されている。
クランク軸34の回転に伴ってローラウェイトがクランク軸34の周りで回転する。このとき、遠心力によってローラウェイトはクランク軸34から離れる方向へと移動し、カムプレートと可動シーブ38bとの間隔を広げる。これにより、可動シーブ38bが固定シーブ38aに向かって移動する。
可動シーブ38bがクランク軸34の軸方向に移動することによって、固定シーブ38aと可動シーブ38bとの間に形成されるV溝の幅が変化する。これに応じて、Vベルト40のクランク軸34からの距離が変化し、その巻き掛け径が変化することになる。具体的には、クランク軸34の回転が高速であるほど、可動シーブ38bが固定シーブ38aに接近し、それに応じて、Vベルト40の巻き掛け径が大きくなる。
可動シーブ38bがクランク軸34の軸方向に移動することによって、固定シーブ38aと可動シーブ38bとの間に形成されるV溝の幅が変化する。これに応じて、Vベルト40のクランク軸34からの距離が変化し、その巻き掛け径が変化することになる。具体的には、クランク軸34の回転が高速であるほど、可動シーブ38bが固定シーブ38aに接近し、それに応じて、Vベルト40の巻き掛け径が大きくなる。
駆動側シーブ38におけるVベルト40の巻き掛け径の変化に応じて、従動側シーブ39におけるVベルト40の巻き掛け径も変化する。具体的には、駆動側シーブ38での巻き掛け径が大きくなると、従動側シーブ39では、可動シーブ39bが圧縮コイルばね46のばね力に抗して固定シーブ39aから離反変位する。逆に、駆動側シーブ38での巻き掛け径が小さくなると、従動側シーブ39では、可動シーブ39bが圧縮コイルばね46のばね力によって固定シーブ39aへと接近する。このようにして、駆動側シーブ38と従動側シーブ39とにおけるVベルト40の巻き掛け径の比が変化し、クランク軸34から従動軸45への減速比が変化する。
図4は、動力ユニット3に関する電気的構成を説明するためのブロック図である。動力ユニット3は、エンジン25、電動モータ26および発電機27を有する。発電機27には蓄電ユニット55が結合されている。この蓄電ユニット55は、電動モータ26の電源として用いられるようになっている。蓄電ユニット55は、バッテリやキャパシタ等からなり、発電機27によって発生された電力を蓄積し、蓄積した電力を電動モータ26に供給することができるものである。
エンジン25、電動モータ26および発電機27の動作は、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)60によって制御されるようになっている。電子制御ユニット60は、所定のプログラムに従って動作するコンピュータを備えている。このコンピュータが前記プログラムに従って動作することによって、電子制御ユニット60は、複数の機能処理ユニットとして動作することができる。具体的には、電子制御ユニット60は、回転速度検出ユニット61、点火時期検出ユニット62、クランク角検出ユニット63、失火判定ユニット64、および動力制御ユニット65としての機能を実現する。さらに、動力制御ユニット65の機能は、発電負荷制御ユニット66としての機能と、電動モータ制御ユニット67としての機能を含む。
回転速度検出ユニット61の機能は、クランク角センサ57の出力信号から、クランク軸34の回転速度を演算することである。クランク角センサ57は、エンジン25に付設されており、クランク軸34のクランク角(クランク軸34の回転角)を表す信号を出力する。点火時期検出ユニット62の機能は、点火プラグ37の作動時期、すなわち、エンジン25の燃焼室内の混合気に点火する時期を検出することである。クランク角検出ユニット63の機能は、クランク角センサ57の出力信号に基づいてクランク角を演算することである。この演算されたクランク角に基づいて、点火時期検出ユニット62による点火時期の検出が行われる。失火判定ユニット64の機能は、点火タイミング直後の回転速度の変化から、燃焼が生じたか、燃焼に失敗したか(失火したか)を判定することである。
発電負荷制御ユニット66の機能は、発電機27による発電負荷(クランク軸34に与えられる負荷トルク)を制御することである。さらに具体的には、発電負荷制御ユニット66は、エンジン25の行程および回転速度に応じて発電機27による発電負荷を制御する。発電負荷の制御は、たとえば、界磁電流の量および位相を制御することによって行うことができる。
また、電動モータ制御ユニット67の機能は、電動モータ26が発生するトルクを制御することである。より具体的には、電動モータ制御ユニット67は、エンジン25の行程および回転速度に応じて、電動モータ26の発生トルクを制御する。
図5は、単気筒エンジンにおける回転速度とエンジン平均トルクとの関係の一例を示す図である。4サイクルエンジンの燃焼サイクルは、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程(膨張行程)および排気行程からなる。エンジン平均トルクとは、燃焼行程、排気行程、吸気行程および圧縮行程においてエンジン25が発生する瞬時トルクの平均値である。
図5は、単気筒エンジンにおける回転速度とエンジン平均トルクとの関係の一例を示す図である。4サイクルエンジンの燃焼サイクルは、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程(膨張行程)および排気行程からなる。エンジン平均トルクとは、燃焼行程、排気行程、吸気行程および圧縮行程においてエンジン25が発生する瞬時トルクの平均値である。
エンジン平均トルクは、エンジン25の回転速度に依存している。具体的には、エンジン平均トルクは、回転速度に対して山形の変化を示し、所定の回転速度(たとえば5000rpm)で極大値をとる。エンジン平均トルクの最大値は、たとえば、約20Nmである。
図6は、単気筒4サイクルエンジンの燃焼サイクル中における回転速度の変動の一例を示す図である。燃焼室内の混合気への点火は、圧縮行程の末期に行われる。これにより、エンジン25の回転速度は、その後の燃焼行程において急加速され、排気行程から圧縮行程にかけて減速していく。燃焼行程における瞬時加速トルクは、たとえば、約200Nmである。
図6は、単気筒4サイクルエンジンの燃焼サイクル中における回転速度の変動の一例を示す図である。燃焼室内の混合気への点火は、圧縮行程の末期に行われる。これにより、エンジン25の回転速度は、その後の燃焼行程において急加速され、排気行程から圧縮行程にかけて減速していく。燃焼行程における瞬時加速トルクは、たとえば、約200Nmである。
無段変速機構21は、クランク軸34に出力される平均トルクおよび瞬時トルクを考慮して、これらに対して充分な耐久性を有するように強度設計がなされる必要がある。より具体的には、クランク軸34に設けられたキー41、および従動側シーブ39に備えられた前述のキーの強度設計の際には、クランク軸34に出力される平均トルクおよび瞬時加速トルクを考慮する必要がある。したがって、もしもエンジン25の出力トルクがそのままクランク軸34に現れるとすれば、エンジン平均トルクおよび瞬時加速トルクを考慮して、これらに対して充分な耐久性を有するように無段変速機構21の強度設計がなされる必要がある。
図7(a)はエンジン25が発生するエンジン瞬時トルクおよびエンジン平均トルクの変動を示している。エンジン瞬時トルクは、燃焼行程において急減に立ち上がり、その後の排気行程、吸気行程および圧縮行程においては小さくなる。より詳細には、燃焼行程においては、エンジン平均トルクよりも大きなエンジン瞬時トルクが発生するが、排気行程、吸気行程および圧縮行程におけるエンジン瞬時トルクはエンジン平均トルクを下回り、負の値となる期間も存在する。とくに、圧縮行程の末期のエンジン瞬時トルクは、絶対値の比較的大きな負の値となっている。燃焼行程においては、その初期にエンジン瞬時トルクが急峻に立ち上がる。そして、エンジン瞬時トルクは、燃焼行程の前半にピーク(極大点)を迎えた後は減少傾向となり、燃焼行程の末期には零となる。
図7(b)は発電負荷制御ユニット66による制御によって変動する発電負荷を説明するための図である。発電機27がクランク軸34に作用する負荷トルク(発電負荷)は、エンジン25の回転を妨げる方向のトルク、すなわち、負の値である。この発電負荷は、エンジン瞬時トルクが大きくなる燃焼行程において、絶対値が比較的大きな負の値に制御される。その後の排気行程、吸気行程および圧縮行程における発電負荷は零に制御される。より詳細には、燃焼行程における発電負荷の変動は、エンジン瞬時トルクの変動を正負反転した特性に倣う。ただし、発電負荷によってエンジン瞬時トルクを全て打ち消すのではなく、エンジン瞬時トルクをある比率(たとえば50%)で打ち消すように、発電負荷が制御される。これにより、燃焼行程において、エンジン瞬時トルクを緩和しながら、クランク軸34に駆動トルクを与えることができる。そして、発電負荷に応じた電力が発電機27から発生し、蓄電ユニット55に蓄積される。
図7(c)は、電動モータ制御ユニット67の制御によって変動する電動モータ26の発生トルク(モータトルク)を示す図である。モータトルクは、エンジン瞬時トルクがエンジン平均トルクを下回る期間、すなわち、エンジン瞬時トルクが不足する期間に、その不足分を補うように制御される。具体的には、燃焼行程の末期まではモータトルクは零に保持される。そして、燃焼行程の末期から、モータトルクが零よりも大きな値で変動するように制御される。より詳細には、モータトルクの変動は、エンジン瞬時トルクとエンジン平均トルクとの差分を補償するように制御される。とくに、排気行程、吸気行程および圧縮行程においては、エンジン瞬時トルクが負の値となるので、エンジン平均トルクよりも大きなモータトルクが電動モータ26から発生させられる。
図7(d)は、エンジン25の瞬時トルク、発電負荷およびモータトルクを合成した合成トルクを示す図である。発電負荷によって、主として燃焼行程における過剰なエンジン瞬時トルクが抑制される。また、モータトルクによって、主として、排気行程、吸気行程および圧縮行程におけるトルク不足が補われる。その結果、全体の合成トルクは、燃焼行程の初期に立ち上がった後に排気行程にかけて徐々に減少し、その後は次の燃焼行程まで平均トルクに近似した値となる。
このようにして、発電負荷およびモータトルクによってエンジン瞬時トルクの変動が抑制される。とくに、エンジン25が単気筒エンジンであっても、多気筒エンジン並みの滑らかなトルク出力が実現される。これにより、振動を抑制できるうえ自動二輪車1の走行が滑らかになるので、快適性を向上でき、併せて静粛性を向上できる。
図8は、電子制御ユニット60の動作を説明するためのフローチャートであり、所定の制御周期(たとえば、1/100秒)ごとに繰り返し実行される処理が示されている。電子制御ユニット60は、クランク軸34の回転速度を調べることによって、エンジン25が運転中かどうかを判断する(ステップS1)。より具体的には、クランク角センサ57の出力信号を処理することによって、クランク軸34の回転速度が求められる(回転速度検出ユニット61の機能)。この回転速度が所定の閾値以上であればエンジン25が運転中であると判断し、回転速度が当該閾値未満であればエンジン25が停止中であると判断する。エンジン25が停止中であれば(ステップS1:NO)、以後の処理は行わない。
図8は、電子制御ユニット60の動作を説明するためのフローチャートであり、所定の制御周期(たとえば、1/100秒)ごとに繰り返し実行される処理が示されている。電子制御ユニット60は、クランク軸34の回転速度を調べることによって、エンジン25が運転中かどうかを判断する(ステップS1)。より具体的には、クランク角センサ57の出力信号を処理することによって、クランク軸34の回転速度が求められる(回転速度検出ユニット61の機能)。この回転速度が所定の閾値以上であればエンジン25が運転中であると判断し、回転速度が当該閾値未満であればエンジン25が停止中であると判断する。エンジン25が停止中であれば(ステップS1:NO)、以後の処理は行わない。
エンジン25が運転中であるときは(ステップS1:YES)、上死点時期および点火時期の検出が行われる(ステップS2:点火時期検出ユニット62の機能)。すなわち、クランク角センサ57の出力信号に基づいてクランク角が求められ(クランク角検出ユニット63の機能)、そのクランク角から、ピストン36が上死点に至る時期が検出され、さらに、点火プラグ37による点火時期が検出される。
点火時期が検出されると、次に、電子制御ユニット60は、エンジン25の回転速度の変動(前制御周期からの変動)を検出する(ステップS3)。そして、この検出された回転速度の変動に基づいて、エンジン25が燃焼しているか失火しているかを判断する(ステップS4:失火判定ユニット64の機能)。回転速度の変動が、点火後の瞬時回転速度上昇に匹敵する値であれば、その回転速度に応じて、発電負荷が演算される(ステップS5:発電負荷制御ユニット66の機能)。この演算された発電負荷に基づいて、発電機27の発電負荷が制御され(ステップS6:発電負荷制御ユニット66の機能)。これにより、主として、燃焼行程においてエンジン25が発生する過剰な瞬時トルクが抑制される。
さらに、電子制御ユニット60は、エンジン25の回転速度に応じて、クランク軸34に付与すべきモータトルク(アシスト量)を演算する(ステップS7:電動モータ制御ユニット67の機能)。この演算されたモータトルクが発生されるように、電動モータ26が駆動される(ステップS8:電動モータ制御ユニット67の機能)。これにより、主として、排気行程、吸気行程および圧縮行程におけるエンジン瞬時トルクの不足が補われる。
ステップS4において、エンジン25が失火していると判定されると、ステップS5およびステップS6の処理(すなわち、発電負荷の制御)が省かれ、電動モータ26によるアシスト制御(ステップS7,S8)だけが実行される。
発電負荷の発生からモータトルク発生への移行時間は、たとえば、エンジン25の回転速度に応じて定めればよい。具体的には、回転速度を複数の領域に区分し、個々の領域ごとに移行時間を予め定めてパターン化しておけばよい。
発電負荷の発生からモータトルク発生への移行時間は、たとえば、エンジン25の回転速度に応じて定めればよい。具体的には、回転速度を複数の領域に区分し、個々の領域ごとに移行時間を予め定めてパターン化しておけばよい。
図9は、エンジン回転速度に対する発電負荷の設定例(図8のステップS5)を説明するための特性図である。前述の図5を参照して説明したとおり、エンジン平均トルクは、所定の回転速度(たとえば5000rpm)で極大点を有するように山形の変化を示す。そこで、図9の例では、エンジン平均トルクの変動に対応するように、回転速度に応じて山形の変化を示すように発電負荷が設定されるようになっている。このような設定値をマップとして保存しておくことにより、エンジン回転速度に応じた適切な発電負荷を、複雑な演算を要することなく設定することができる。
図10は、エンジン回転速度に対するモータトルクの設定例(図8のステップS7)を説明するための特性図である。前述の図5を参照して説明したとおり、エンジン平均トルクは、所定の回転速度(たとえば5000rpm)で極大点を有するように山形の変化を示す。そこで、図10の例では、エンジン平均トルクの変動に対応するように、回転速度に応じて山形の変化を示すようにモータトルクが設定されるようになっている。このような設定値をマップとして保存しておくことにより、エンジン回転速度に応じた適切なモータトルクを、複雑な演算を要することなく設定することができる。
図10に示すように、パワーモード、通常モードおよび充電モードのいずれかを選択して電動モータ26を制御できるようにしておくことが好ましい。
パワーモードとは、発電機27が蓄電ユニット55に蓄積するエネルギー(発電エネルギー)よりも電動モータ26が発生するエネルギー(放出エネルギー)が大きな運転モードである。このパワーモードは、ライダーが急加速のためのアクセル操作を行ったときに、電子制御ユニット60によって自動的に選択されることが好ましい。これにより、エンジン25の発生トルクを電動モータ26が発生するトルクによって補うことができるから、ライダーの操作意図に従う加速が可能になる。
パワーモードとは、発電機27が蓄電ユニット55に蓄積するエネルギー(発電エネルギー)よりも電動モータ26が発生するエネルギー(放出エネルギー)が大きな運転モードである。このパワーモードは、ライダーが急加速のためのアクセル操作を行ったときに、電子制御ユニット60によって自動的に選択されることが好ましい。これにより、エンジン25の発生トルクを電動モータ26が発生するトルクによって補うことができるから、ライダーの操作意図に従う加速が可能になる。
通常モードとは、発電機27が蓄電ユニット55に蓄積するエネルギーと電動モータ26が発生するエネルギーとがほぼ等しい運転モードである。定速走行中や通常の加速時には、電子制御ユニット60によって、通常モードが自動的に選択されることが好ましい。
充電モードとは、発電機27が蓄電ユニット55に蓄積するエネルギーよりも電動モータ26が発生するエネルギーが少ない運転モードである。減速時、アイドリング時、および蓄電ユニット55の蓄積電力が少ないときには、電子制御ユニット60によって、充電モードが自動選択されるようにすることが好ましい。
充電モードとは、発電機27が蓄電ユニット55に蓄積するエネルギーよりも電動モータ26が発生するエネルギーが少ない運転モードである。減速時、アイドリング時、および蓄電ユニット55の蓄積電力が少ないときには、電子制御ユニット60によって、充電モードが自動選択されるようにすることが好ましい。
このように、電動モータ26の運転モードを適切に選択されることによって、ライダーの操作意図に従って自動二輪車1を走行させることができる。それとともに、発電機27によって発生されて蓄電ユニット55に蓄積されたエネルギーを電動モータ26によって適切に用いることができる。
以上のように、この実施形態によれば、エンジン25の瞬時トルクが大きくなる燃焼行程においては、発電機27による発電を行い、蓄電ユニット55に電力が蓄積される。そして、エンジン25の瞬時トルクが小さくなる排気行程、吸気行程および圧縮行程においては、蓄電ユニット55に蓄積された電力を用いて電動モータ26が駆動され、不足トルクが補われる。このようにして、エンジン25が発生するエネルギーを燃焼サイクル中で分散することにより、クランク軸34に出力されるトルクが平滑化される。これにより、エネルギー効率を阻害することなく、トルク変動を抑制することができる。その結果、自動二輪車1に生じる振動を抑制でき、かつ、静粛性を高めることができる。この効果は、エンジン25の始動時のみならず、始動後の定常運転中にも終始得ることができ、回転速度にも依存しない。
以上のように、この実施形態によれば、エンジン25の瞬時トルクが大きくなる燃焼行程においては、発電機27による発電を行い、蓄電ユニット55に電力が蓄積される。そして、エンジン25の瞬時トルクが小さくなる排気行程、吸気行程および圧縮行程においては、蓄電ユニット55に蓄積された電力を用いて電動モータ26が駆動され、不足トルクが補われる。このようにして、エンジン25が発生するエネルギーを燃焼サイクル中で分散することにより、クランク軸34に出力されるトルクが平滑化される。これにより、エネルギー効率を阻害することなく、トルク変動を抑制することができる。その結果、自動二輪車1に生じる振動を抑制でき、かつ、静粛性を高めることができる。この効果は、エンジン25の始動時のみならず、始動後の定常運転中にも終始得ることができ、回転速度にも依存しない。
さらにまた、クランク軸34に出力されるトルクが平滑化されるため、無段変速機構21の強度設計を緩やかにすることができ、それに応じて、コストの低減を図ることができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、単気筒エンジンに本発明が適用された例について説明したが、多気筒エンジンに対しても本発明を適用して、トルク変動の抑制が図られてもよい。また、前述の実施形態では、車両の一例として自動二輪車を例にとったが、この発明は、四輪車両のような他の形態の車両にも適用可能である。また、前述の実施形態では、電動モータ26の運転モードを電子制御ユニット60によって自動選択する例について説明したが、操作スイッチによって運転モードを手動切換えするようにしてもよい。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、単気筒エンジンに本発明が適用された例について説明したが、多気筒エンジンに対しても本発明を適用して、トルク変動の抑制が図られてもよい。また、前述の実施形態では、車両の一例として自動二輪車を例にとったが、この発明は、四輪車両のような他の形態の車両にも適用可能である。また、前述の実施形態では、電動モータ26の運転モードを電子制御ユニット60によって自動選択する例について説明したが、操作スイッチによって運転モードを手動切換えするようにしてもよい。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
この明細書の記載から把握されるべき特徴を以下に記す。
1.車輪を支持する駆動軸と、エンジンと、前記エンジンの動力によって発電する発電機と、この発電機が発生する電力を蓄積する蓄電ユニットと、この蓄電ユニットに蓄積された電力によって動力を発生する電動モータと、前記エンジンおよび電動モータの動力を駆動軸に伝達する伝達機構と、前記エンジンの動力変動を補償するように前記発電機の発電負荷および前記電動モータの発生トルクを制御する動力制御ユニットとを含む、車両。
1.車輪を支持する駆動軸と、エンジンと、前記エンジンの動力によって発電する発電機と、この発電機が発生する電力を蓄積する蓄電ユニットと、この蓄電ユニットに蓄積された電力によって動力を発生する電動モータと、前記エンジンおよび電動モータの動力を駆動軸に伝達する伝達機構と、前記エンジンの動力変動を補償するように前記発電機の発電負荷および前記電動モータの発生トルクを制御する動力制御ユニットとを含む、車両。
この構成によれば、エンジンの動力によって発電機が駆動されることで、蓄電ユニットに電力が蓄積される。この蓄電ユニットに蓄積された電力によって電動モータが駆動される。そして、エンジンおよび電動モータの動力が伝達機構によって駆動軸に伝達される。こうして、ハイブリッド型の車両が構成されている。発電機の発電負荷および電動モータの発生トルク(以下「モータトルク」という。)は、エンジンの動力変動を補償するように制御される。これにより、エンジンの動力変動に起因する振動を抑制でき、乗員の快適性および車両の静粛性を高めることができる。むろん、エンジン始動時に限らず、始動後の定常運転状態においても、発電負荷およびモータトルクの制御によって、エンジンの動力変動を補償でき、車両の振動を抑制できる。
より具体的には、エンジンの動力が過剰な期間には、発電負荷を大きくするとともにモータトルクを抑制するとよい。また、エンジンの動力が不足する期間には発電負荷を小さくするとともにモータトルクを大きくするとよい。これにより、エンジンの過剰な動力を利用して発電を行い、この発電によって蓄電ユニットに蓄積された電力を、エンジンの動力が不足する期間における電動モータの駆動に利用することができる。こうして、エネルギー効率を高めながら、エンジンの動力変動に起因する振動を抑制することができる。
2.前記エンジンは、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程および排気行程を循環的に実行する4サイクルエンジンであり、前記動力制御ユニットは、前記燃焼行程の少なくとも一部において前記発電機の発電負荷によって前記エンジンの動力を抑制する発電負荷制御ユニットを含む、前記1項記載の車両。
2.前記エンジンは、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程および排気行程を循環的に実行する4サイクルエンジンであり、前記動力制御ユニットは、前記燃焼行程の少なくとも一部において前記発電機の発電負荷によって前記エンジンの動力を抑制する発電負荷制御ユニットを含む、前記1項記載の車両。
エンジンは、燃焼行程において大きな動力を発生し、その他の行程においては動力が小さくなる。そこで、燃焼行程の少なくとも一部において発電負荷を大きくすることで、エンジンの動力を抑制できる。これにより、燃焼サイクル中の過剰な動力を利用して発電を行いつつ、動力変動を抑制できる。これにより、エネルギー効率を高めつつ、振動を抑制できる。しかも、燃焼サイクル中の動力変動を抑制できることから、エンジンの始動時のみならず、始動後の定常運転状態のときでも、エンジンの動力変動を抑制できる。
3.前記動力制御ユニットは、前記吸気行程、圧縮行程および排気行程において、前記電動モータからトルクを発生させる電動モータ制御ユニットを含む、前記2項記載の車両。
3.前記動力制御ユニットは、前記吸気行程、圧縮行程および排気行程において、前記電動モータからトルクを発生させる電動モータ制御ユニットを含む、前記2項記載の車両。
吸気行程、圧縮行程および排気行程では、エンジンが発生する動力は小さくなる。そこで、これらの行程において、電動モータからトルクを発生させることで、エンジンの動力変動を抑制できる。すなわち、燃焼行程の少なくとも一部において発電負荷を大きくすることでエンジンの過剰な動力を抑制する一方で、吸気行程、圧縮行程および排気行程では、モータトルクによってエンジンの動力不足を補うようにしている。これにより、燃焼サイクル中の動力変動を一層抑制することができるから、振動をさらに抑制できる。しかも、燃焼行程の過剰な動力を利用して発電した電力を、吸気行程、圧縮行程および排気行程における電動モータの駆動に利用できるから、エネルギー効率を高めることができ、環境性能を向上できる。むろん、燃焼サイクル中の動力変動を抑制できることから、エンジン始動時のみならず、エンジン定常運転中の動力変動も抑制できる。これにより、乗員の快適性および車両の静粛性を一層向上できる。
4.前記エンジンの回転速度を検出する回転速度検出ユニットをさらに含み、前記発電負荷制御ユニットは、前記回転速度検出ユニットによって検出される回転速度に応じて発電負荷を可変設定するものである、前記2項または3項記載の車両。
4.前記エンジンの回転速度を検出する回転速度検出ユニットをさらに含み、前記発電負荷制御ユニットは、前記回転速度検出ユニットによって検出される回転速度に応じて発電負荷を可変設定するものである、前記2項または3項記載の車両。
この構成によれば、エンジンの回転速度に応じて発電負荷が可変設定されることで、エンジンの動力変動をより一層効果的に抑制できる。
5.前記エンジンは単気筒エンジンである、前記1項〜4項のいずれか一項に記載の車両。
単気筒エンジンの場合には、燃焼サイクル中の動力変動が大きい。そこで、前記1項等の特徴を適用することで、その動力変動を効果的に抑制できるから、振動を著しく減少させることができる。これにより、単気筒エンジンを用いたハイブリッド型車両において、乗員の快適性および車両の静粛性を向上することができる。
6.前記電動モータ制御ユニットは、前記回転速度検出ユニットによって検出される回転速度に応じて前記電動モータの発生トルクを可変設定するものであってもよい。これにより、エンジンの動力変動に起因する振動をより一層効果的に抑制できる。また、回転速度の上昇に伴ってエンジンの動力不足が生じるときには、回転速度に応じた適切なモータトルクによって動力不足を補うことができる。
7.前記動力制御ユニットは、点火後の回転速度変動に基づいて失火判定を行う失火判定ユニットをさらに含んでいてもよい。この場合に、前記発電負荷制御ユニットは、前記失火判定ユニットによって失火していると判定されたときには、前記発電負荷を零とするものであることが好ましい。失火しているときには、燃焼行程において過剰な動力が生じることはないので、発電負荷を零とすることによって、エンジンの回転を促すことができる。
5.前記エンジンは単気筒エンジンである、前記1項〜4項のいずれか一項に記載の車両。
単気筒エンジンの場合には、燃焼サイクル中の動力変動が大きい。そこで、前記1項等の特徴を適用することで、その動力変動を効果的に抑制できるから、振動を著しく減少させることができる。これにより、単気筒エンジンを用いたハイブリッド型車両において、乗員の快適性および車両の静粛性を向上することができる。
6.前記電動モータ制御ユニットは、前記回転速度検出ユニットによって検出される回転速度に応じて前記電動モータの発生トルクを可変設定するものであってもよい。これにより、エンジンの動力変動に起因する振動をより一層効果的に抑制できる。また、回転速度の上昇に伴ってエンジンの動力不足が生じるときには、回転速度に応じた適切なモータトルクによって動力不足を補うことができる。
7.前記動力制御ユニットは、点火後の回転速度変動に基づいて失火判定を行う失火判定ユニットをさらに含んでいてもよい。この場合に、前記発電負荷制御ユニットは、前記失火判定ユニットによって失火していると判定されたときには、前記発電負荷を零とするものであることが好ましい。失火しているときには、燃焼行程において過剰な動力が生じることはないので、発電負荷を零とすることによって、エンジンの回転を促すことができる。
1 自動二輪車
3 動力ユニット
4 前輪
5 後輪(駆動軸に支持された車輪)
20 ハイブリッド型原動機ユニット
21 無段変速機構(伝達機構)
25 エンジン
26 電動モータ
27 発電機
34 クランク軸
36 ピストン
38 駆動側シーブ(伝達機構)
39 従動側シーブ(伝達機構)
40 Vベルト(伝達機構)
48 遠心式クラッチ(伝達機構)
50 駆動軸
55 蓄電ユニット
60 電子制御ユニット
61 回転速度検出ユニット
62 点火時期検出ユニット
63 クランク角検出ユニット
64 失火判定ユニット
65 動力制御ユニット
66 発電負荷制御ユニット
67 電動モータ制御ユニット
3 動力ユニット
4 前輪
5 後輪(駆動軸に支持された車輪)
20 ハイブリッド型原動機ユニット
21 無段変速機構(伝達機構)
25 エンジン
26 電動モータ
27 発電機
34 クランク軸
36 ピストン
38 駆動側シーブ(伝達機構)
39 従動側シーブ(伝達機構)
40 Vベルト(伝達機構)
48 遠心式クラッチ(伝達機構)
50 駆動軸
55 蓄電ユニット
60 電子制御ユニット
61 回転速度検出ユニット
62 点火時期検出ユニット
63 クランク角検出ユニット
64 失火判定ユニット
65 動力制御ユニット
66 発電負荷制御ユニット
67 電動モータ制御ユニット
Claims (5)
- 車輪を支持する駆動軸と、
エンジンと、
前記エンジンの動力によって発電する発電機と、
この発電機が発生する電力を蓄積する蓄電ユニットと、
この蓄電ユニットに蓄積された電力によって動力を発生する電動モータと、
前記エンジンおよび電動モータの動力を駆動軸に伝達する伝達機構と、
前記エンジンの動力変動を補償するように前記発電機の発電負荷および前記電動モータの発生トルクを制御する動力制御ユニットとを含む、車両。 - 前記エンジンは、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程および排気行程を循環的に実行する4サイクルエンジンであり、
前記動力制御ユニットは、前記燃焼行程の少なくとも一部において前記発電機の発電負荷によって前記エンジンの動力を抑制する発電負荷制御ユニットを含む、請求項1記載の車両。 - 前記動力制御ユニットは、前記吸気行程、圧縮行程および排気行程において、前記電動モータからトルクを発生させる電動モータ制御ユニットを含む、請求項2記載の車両。
- 前記エンジンの回転速度を検出する回転速度検出ユニットをさらに含み、
前記発電負荷制御ユニットは、前記回転速度検出ユニットによって検出される回転速度に応じて発電負荷を可変設定するものである、請求項2記載の車両。 - 前記エンジンは単気筒エンジンである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両。
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