JP2010030021A - 電子装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】機能素子を構成する機能構造体が下方に間隙を有する可動部を備えてなる電子装置において、上記間隙が小さくなっても可動部をリリースするための犠牲層エッチングを適度に行うことができる電子装置の構造及び製法を提供する。
【解決手段】本発明の電子装置10は、基板11と、該基板上に形成され、下方に間隙13gを有する可動部13mを備えた機能構造体13と、前記基板上において前記可動部と同じ層により形成され、下方に間隙14gを有しその平面形状によって前記可動部よりも上下方向に変形容易に構成された変形部14mを備えたモニタ用構造体14と、該変形部上に固定され、前記変形部の変形状態に応じた姿勢を取る検出用構造体14rと、を具備することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の電子装置10は、基板11と、該基板上に形成され、下方に間隙13gを有する可動部13mを備えた機能構造体13と、前記基板上において前記可動部と同じ層により形成され、下方に間隙14gを有しその平面形状によって前記可動部よりも上下方向に変形容易に構成された変形部14mを備えたモニタ用構造体14と、該変形部上に固定され、前記変形部の変形状態に応じた姿勢を取る検出用構造体14rと、を具備することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は電子装置及びその製造方法に係り、特に、MEMS素子その他の機能素子を犠牲層エッチングによりリリースすることにより形成してなる電子装置の構造及び製法に関する。
一般に、マイクロアクチュエータ、振動子、センサ等のMEMS素子、或いは、半導体センサ等の機能素子は、犠牲層とともに構造体を形成した後に、犠牲層エッチングを行うことで当該構造体をリリースしてなる。このとき、リリースエッチングのエンドポイントは、通常、予め適切なエッチング時間を実験等により定めておく場合が多い。また、エッチング時に生成する物質の量やエッチングガスの消費量をモニタリングする方法、光学的にエッチング面の材質を分析する方法なども知られている。
しかしながら、上記のMEMS素子その他の機能素子では、構造体の一部として下方に間隙を有する可動部を備えたものを形成する場合が多く、このような場合には、上記のようなモニタリングや光学的な分析が困難であるため、結局は、エッチング時間を管理することでリリースエッチングのエンドポイントを決定する方法に頼らざるを得ないのが実情である。
上記のように下方に間隙を有する可動部を備えた構造体の製造過程におけるリリースエッチングの管理方法として、例えば以下の特許文献1には、多数のモニタ指30、50を備えたモニタ素子20をMEMS素子10の形成領域中に適宜に設けておき、このモニタ素子20上の犠牲層エッチングの平面的な広がりを観察することで、MEMS素子10のリリース状態を確認する方法が記載されている。
また、以下の特許文献2には、片持ち状若しくは両持ち状の網目状に構成された1又は複数のエッチングモニタ用構造体を設けておき、犠牲層エッチング時にこれらの構造体がスティッキングするかどうかを確認することにより、エッチング不足やエッチング過剰を回避する方法が記載されている(図1乃至図5参照)。
特開2007−83341号公報
特開2001−298012号公報
しかしながら、前述のモニタ素子を利用する方法では、モニタ素子の周囲や上方にある犠牲層が平面的にどの範囲までエッチングされたかを目視で確認するようにしているため、構造体の可動部と下層構造の間隙が小さくなって当該間隙内のエッチングが進行しにくくなると、可動部の下方の犠牲層のエッチング範囲と構造体の周囲や上方のエッチング範囲とが大きく異なることとなり、構造体がどの程度までリリースされているかどうかを正確に知ることができなくなるという問題点がある。
また、前述のエッチングモニタ用構造体を用いる方法では、上記間隙が小さくなることによりモニタ用構造体の外観変化が小さくなるので、スティッキングしたかどうかを確認することが難しくなり、特に、MEMS素子では多くの場合にMEMS構造体が絶縁層と配線層が積層されてなる基板被覆構造に形成された収容凹部内に収容配置された状態とされるので、これに合わせてエッチングモニタ用構造体をMEMS素子と同様の収容凹部内に収容配置して設ける場合には、当該モニタ構造体がスティッキングしたかどうかを確認することがさらに困難になることが想定される。
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、機能素子を構成する機能構造体が下方に間隙を有する可動部を備えてなる電子装置において、上記間隙が小さくなっても可動部をリリースするための犠牲層エッチングを適度に行うことができる電子装置の構造及び製法を提供することにある。
斯かる実情に鑑み、本発明の電子装置は、基板と、該基板上に形成され、下方に間隙を有する可動部を備えた機能構造体と、前記基板上において前記可動部と同じ層により形成され、下方に間隙を有しその平面形状によって前記可動部よりも上下方向に変形容易に構成された変形部を備えたモニタ用構造体と、該変形部上に固定され、前記変形部の変形状態に応じた姿勢を取る検出用構造体と、を具備することを特徴とする。
この発明によれば、可動部と同じ層により形成され、該可動部より上下方向に変形容易に構成された変形部を備えたモニタ用構造体を設け、このモニタ用構造体の変形部上に固定された検出用構造体を形成することにより、変形部が変形するとこれに応じた検出用構造体の姿勢を確認することで、変形部の変形を容易に確認することができ、これによって機能構造体の可動部の変形態様を推認することができる。特に、検出用構造体の姿勢を見ることで機能構造体のリリースエッチング時のエッチング量の適否を確認する場合に大きな効果を得ることができる。
本発明の一の態様においては、前記検出用構造体の上面には平坦な光反射面が設けられている。これによれば、平坦な光反射面によって検出用構造体の姿勢の傾斜度をより確実かつ正確に知ることが可能になる。この光反射面は下層にあるモニタ用構造体の表面より光反射率の高い面とすることができる。
本発明の他の態様においては、前記基板上に絶縁層と配線層の1組若しくは複数組が積層されてなる基板被覆構造をさらに具備し、該基板被覆構造には前記機能構造体を収容する機能用収容凹部と前記モニタ用構造体を収容するモニタ用収容凹部とが設けられている。これによれば、機能構造体及びモニタ用構造体が共に基板被覆構造に設けられた収容凹部内に配置される場合には、モニタ用構造体上に検出用構造体を設けることで姿勢を確認する部分を高く設定できるので、変形部の変形状態を容易に確認することが可能になるという効果をさらに高めることができる。
この場合には、前記機能用収容凹部と前記モニタ用収容凹部とが同一の開口形状及び開口面積を有することが好ましい。両収容凹部の開口形状及び開口面積が同一となるように構成することにより、条件の差異が少ない状態でリリースエッチングがなされることから、機能構造体とモニタ用構造体の製造状態の関連性をさらに高めることができるので、再現性、安定性の高い製造を行うことが可能になる。
また、この場合には、前記機能用収容凹部を覆う細孔を備えた第1被覆層及び該細孔を閉鎖する第2被覆層をさらに具備し、前記検出用構造体には細孔を備えた上部層が設けられていることが好ましい。これによれば、第1被覆層の細孔を通してリリースエッチングを行うことができるとともに、第2被覆層を設けることで細孔を閉鎖して機能構造体を収容凹部内に封入することができる。また、第1被覆層と同様に細孔を備えた上部層を検出用構造体にも設けることで、リリースエッチング時における機能構造体とモニタ用構造体のエッチング状態の関連性を高めることができる。
上記各発明においては、前記変形部が変形することにより前記検出用構造体が傾斜姿勢とされていることが望ましい。これによれば、変形部が変形することで検出用構造体が傾斜姿勢とされるように構成することにより、リリースエッチング時のエッチング量が不足していないことを確認することが可能になる。
また、前記変形部は、前記可動部よりも支持部から先端部まで若しくは該支持部間の長さが大きく、かつ、前記支持部に沿った幅が小さいことが望ましい。これによれば、変形部は可動部と同じ層で構成されるので素材や厚みが共通していることから、支持部から先端部までの長さ(片持ち状の場合)、或いは、支持部間の長さ(両持ち状の場合)が可動部より大きく、かつ、支持部に沿った幅が小さいことで、基本的に変形部を可動部より上下方向に変形しやすく構成できるとともに、犠牲層エッチングの量に応じて支持部の範囲、上記長さが変化する場合においても、変形部下の犠牲層エッチングが可動部下の犠牲層エッチングより進行しやすくなるため、確実に変形部を可動部より上下方向に撓み変形しやすく構成できる。
次に、本発明の電子装置の製造方法は、基板上に、下方に犠牲層が配置される可動部を備えた機能構造体と、該可動部と同じ層で形成され、下方に犠牲層が配置されその平面形状によって前記可動部よりも上下方向に変形容易に構成された変形部を備えたモニタ用構造体と、該変形部上に固定され前記変形部の変形状態に応じた姿勢を取る検出用構造体とを形成する構造体形成工程と、前記犠牲層をエッチングすることにより前記可動部及び前記変形部の下方にそれぞれ間隙を形成するリリース工程と、前記リリース工程後の前記検出用構造体の姿勢を確認する検査工程と、を具備することを特徴とする。
本発明の一の態様においては、前記構造体形成工程では前記検出用構造体の上面に平坦な光反射面が設けられ、前記検査工程では前記光反射面の光反射状態が確認される。
また、本発明の他の態様においては、前記構造体形成工程は、前記機能構造体及び前記モニタ用構造体を形成する下部形成段階と、前記機能構造体及び前記モニタ用構造体上に絶縁層と配線層を1組若しくは複数組積層してなり、1層若しくは複数層の前記配線層により前記検出用構造体が構成される基板被覆構造を設ける上部形成段階とを有し、前記リリース工程では、前記絶縁層の前記機能構造体上にある部分及び前記絶縁層の前記モニタ用構造体上にある部分が前記犠牲層とともに除去されることにより、前記基板被覆構造から前記機能構造体が分離され、前記機能構造体を収容する機能用収容凹部が設けられるとともに、前記基板被覆構造から前記モニタ用構造体及び前記検出用構造体が分離され、前記モニタ用構造体及び前記検出用構造体が収容されるモニタ用収容凹部が設けられる。
この場合に、前記上部形成段階において前記機能構造体の上方に細孔を備えた第1被覆層が形成されると同時に前記モニタ用構造体の上方に前記検査用構造体の細孔を備えた上部層が形成され、前記リリース工程では前記第1被覆層及び前記上部層の細孔を通してエッチングが行われ、前記リリース工程の後に、前記第1被覆層の前記細孔を閉鎖する第2被覆層が形成されることが好ましい。
なお、本明細書及び本明細書とともに添付された特許請求の範囲において、「上下方向」、「上部」、「上方」、「下部」、「下方」等の用語は、基板上に機能素子又は機能構造体が設けられる装置構造において、基板の側が下部若しくは下方、機能素子又は機能構造体の側が上部若しくは上方であるとした場合を表現したものであり、装置の姿勢に依存する現実の鉛直方向、当該鉛直方向の上部、上方、下部、下方を意味しない。
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1(a)〜(e)は本発明に係る第1実施形態の電子装置10の構造及び製法を示す工程断面図である。本実施形態では、図1(a)に示すように、単結晶シリコン等の半導体よりなる基板11の表面にシリコン酸化膜等の絶縁層12が形成されてなるSOI基板を用いるバルクMEMSの製造方法を示す。
図1(a)〜(e)は本発明に係る第1実施形態の電子装置10の構造及び製法を示す工程断面図である。本実施形態では、図1(a)に示すように、単結晶シリコン等の半導体よりなる基板11の表面にシリコン酸化膜等の絶縁層12が形成されてなるSOI基板を用いるバルクMEMSの製造方法を示す。
図1(b)に示すように、絶縁層12上には導電性ポリシリコン等よりなる導電層をスパッタリング法やCVD法等を用いて形成し、パターニングすることで、機能構造体13と、モニタ用構造体14とを形成する。なお、機能構造体13は図示例では形状を単純化して示してある。本実施形態では、機能構造体13とともにモニタ用構造体14を同一の成膜段階及びパターニング段階にて行う。なお、各図では機能構造体13及びモニタ用構造体14の平面形状についても単純化した上で工程断面図の直上位置に併記してある。
本実施形態において、上述のように同一工程で機能構造体13とモニタ用構造体14が形成されることで、機能構造体13とモニタ用構造体14は同一の素材で構成され、かつ、同一の厚みを有するものとされる。ただし、その平面形状は、後述する理由により相互に異なるものとされる。
次に、図1(c)に示すように、機能構造体13及びモニタ用構造体14の上に、アルミニウムやアルミニウム合金といった金属等よりなる光反射層を形成し、パターニングすることで検出用構造体13r、14rを形成する。これらの検出用構造体13r、14rは本実施形態の場合には平坦な光反射面を構成し、光学的に機能構造体13及びモニタ用構造体14の姿勢を検出しやすくするものである。本実施形態の場合、上記検出用構造体13r、14rは配線層で形成される。すなわち、配線層の形成工程において図示しない他の配線パターンと同時に同材質で形成される。
なお、上記モニタ用構造体14は機能構造体13と同一の層で構成されるため、視認しやすい表面を得ることは容易ではないが、検出用構造体13r、14rは上記の層とは別の層で構成できるため、視認性の良いものを選択できる。本実施形態では配線層を用いて検出用構造体13r、14rを形成することにより、機能構造体13及びモニタ用構造体14より光反射率の高い上面を検出用構造体13r、14rに形成できる。
その後、図1(d)に示すように、上記検出用構造体13r、14rをシリコン窒化膜やレジスト等の樹脂などからなる保護層13c、14cで被覆する。この保護層13c、14cは、検出用構造体13r、14rが後述するリリース工程のエッチング処理に対する耐性がない場合、或いは、不十分な場合に、当該検出用構造体13r、14rをエッチング処理から保護するためのものである。したがって、検出用構造体13r、14rのエッチング耐性が十分ある場合には当該保護層は不要である。なお、この保護層13c、14cは例えばリリース工程時において他の構造を保護するためのエッチングマスクと同時に形成されることが好ましい。また、保護層13c、14cは光反射面を利用するために透光性を有することが好ましく、上記に例示したシリコン窒化膜やレジストはこの条件を満たす。なお、保護層13c、14cが透光性を有していない場合には保護層13c、14cを除去してから後述のように観察を行う必要がある。
その後、絶縁層12をエッチングするリリース工程を実施する。このリリース工程では、例えば緩衝フッ酸(BHF)等のエッチング液を用いてウエットエッチングを実施する。このウエットエッチングにより機能構造体13及びモニタ用構造体14の下層に形成された絶縁層12が除去され、図1(e)に示すように、機能構造体13及びモニタ用構造体14の下にあった絶縁層12の一部が残存することにより、機能構造体13の支持部13s及びモニタ用構造体14の支持部14sが形成される。
また、これらの支持部13sが存在しない間隙13g上に配置される機能構造体13の部分は可動部13mとなり、当該可動部13mは機能構造体13の機能を実現するための動作部分(例えば、振動部分、変形部分)となる。また、支持部14sの存在しない間隙14g上に配置されるモニタ用構造体14の部分は変形部14mとなり、当該変形部14mはモニタ用構造体14によるエッチングの進行状態を検出するための変形部分となる。
本実施形態の場合、変形部14mは可動部13mよりも上下方向に撓み変形しやすい形状とされる。すなわち、図示例の場合、可動部13mの支持部13sから外縁(先端)までの長さをLs、この長さLsと直交する方向(支持部13sに沿った方向)の幅をWsとし、変形部14mの支持部14sから外縁(先端)までの長さをLs′、この長さLs′と直交する方向(支持部14sに沿った方向)の幅をWs′とした場合、Ls′>Ls、Ws′<Wsである。このようにすると、変形部14mは上記長さ方向に沿って撓み変形しやすくなり、その結果、図1(e)に示すように変形部14mは可動部13mよりもリリース工程時においてスティッキング(下層構造に対する貼り付き)を生じやすくなる。
上記のスティッキングは、リリース工程の洗浄後の乾燥時において間隙14g内の水分が減少していく過程で、水分の表面張力により変形部14mが下方へ引き寄せられることによって主として生ずる。本実施形態では、変形部14mのスティッキングを故意に生じさせるが、可動部13mのスティッキングは生じないように設計される。
なお、可動部13mにおけるスティッキングの原因は、一般的には可動部13mの寸法ばらつきやエッチング量の過剰等である。本実施形態では、エッチング量の過剰による支持部13sの侵食を防止するために、変形部14mにおいてある程度の変形或いはスティッキングが生じた時点でエッチングを停止するようにしている。
本実施形態の場合、機能構造体13とモニタ用構造体14の素材と厚みが同一で、間隙13gと14gも同一であるため、上記のように変形部14mを可動部13mよりも上下方向に撓み変形しやすく構成するには、モニタ用構造体14のうち変形部14mとなるべき部分の平面形状を機能構造体13の可動部13mとなるべき部分の平面形状と異なるものとする必要がある。図示例の場合、モニタ用構造体14の変形部14mとなるべき部分を細幅(Ws′<Ws)とし、さらに当該部分が長く延びるように構成することにより、間隙14g内の犠牲層12Bが深い領域までエッチングされるようにすることでLs′>Lsとなるようにしている。
なお、本実施形態では、間隙14g内の犠牲層12Bが完全に除去されることで変形部14mに大きな変形或いはスティッキングが生ずるように構成し、この時点で可動部13m下の間隙13gのエッチング量が適正な範囲となるようにしているが、例えば、上記の幅Ws′をより大きく構成し、間隙14g内の犠牲層12Bが支持部14sの近傍では残存している時点で変形若しくはスティッキングが生じ、しかも、この時点で可動部13m下の間隙13gのエッチング量が適正となるように構成してもよい。この点は以下の他の実施形態においても同様である。
上記のようにして絶縁層12のエッチング残りにより構成された支持部13sは、リリース工程におけるエッチング時間が長過ぎると縮小して支持部として機能しなくなるとともに、エッチング時間が短過ぎると可動部13mとなる部分が少なくなるため、機能構造体13の動作に問題が生ずる。したがって、リリース工程のエッチング量の管理はきわめて重要である。本実施形態では、上記のようにモニタ用構造体14が設けられ、その変形部14mを可動部13mより上下方向に撓み変形しやすくなるように構成することで、リリース工程後に変形部14mはスティッキングを起こしているが、可動部13mはスティッキングを起こさない状態であれば、機能構造体13に必要なエッチング量が得られるように構成する。また、変形部14mがスティッキングを起こす時点で間隙13gのエッチング量が過剰とならないように構成される。これによって、リリース工程後に変形部14mがスティッキングを起こしていなければ機能構造体13に対するエッチング量が不足していることがわかり、さらなるエッチングにより機能構造体13に対するリリース工程のエッチング量を確保することができるとともに、変形部14mがスティッキングを生じたときにエッチングを停止するようにすれば、機能構造体13に対するエッチング量が過剰となることを防止できる。
本実施形態では、モニタ用構造体14の変形部14m上に検出用構造体14rを設け、この検出用構造体14rは変形部14mが変形することで姿勢が変化するように構成されているので、検出用構造体14rを視認することによって変形部14mが変形していることを知ることができる。特に、検出用構造体14rが光反射面を構成することで僅かな傾斜でも容易に把握することができ、特に金属顕微鏡を用いた観察による検査に適している。また、カメラ等の撮像装置を介した画像処理によっても容易に検出することが可能になる。
なお、検出用構造体14rの姿勢検出の目的は主としてモニタ用構造体14がスティッキングを起こしているか否かであるが、完全なスティッキングを起こしていなくても、変形部14rが上下方向への撓み変形を多少でも生じていれば検出用構造体14rによってこれを知ることができる。したがって、検出用構造体14rの姿勢に応じてリリース工程のエッチング量をより詳細に検出することも可能である。例えば、図1(e)に示すように検出用構造体14rの姿勢変化を反射光の角度によって検出し、この角度とエッチング量との関係を予め実験等により導出しておけば、エッチング量をより確実かつ高精度に検出できる。この場合にはリリース工程のエッチング処理中にエッチング量をリアルタイムで求めることも可能である。
特に本実施形態では、機能構造体13の可動部13m上にも検出用構造体13rが設けられているので、可動部13mの変形やスティッキングの有無を確認できるとともに、検出用構造体13rと検出用構造体14rを比較することで、検出用構造体14rの傾斜姿勢をより容易に知ることができるようになっている。
なお、本実施形態では、機能構造体13とモニタ用構造体14とが隣接して配置されているので、上記の比較がより容易になっているが、モニタ用構造体14は機能構造体13とは離間した位置に配置されていてもよく、また、複数の機能構造体13について一つのモニタ用構造体14が設けられていても構わない。これらの点は以下の実施形態においても同様である。
[第2実施形態]
次に、図2を参照して本発明に係るより具体的なMEMS素子の構造に関する第2実施形態について説明する。図2は第2実施形態の平面図(a)並びに工程断面図(b)及び(c)である。
次に、図2を参照して本発明に係るより具体的なMEMS素子の構造に関する第2実施形態について説明する。図2は第2実施形態の平面図(a)並びに工程断面図(b)及び(c)である。
本実施形態は、片持ち状の可動部を備えたMEMS振動子を構成する場合について示すが、第1実施形態と対応する構成には同一符号を付し、同様の点の説明は省略する。
図2(a)及び(b)に示すように、本実施形態においては、基板11上にはシリコン窒化膜等よりなる下地絶縁層12Aが形成され、この下地絶縁層12A上にMEMS振動子を構成する機能構造体13及びモニタ用構造体14が形成されている。機能構造体13は、下層に構成された固定電極13Aと、この固定電極13Aに対して犠牲層12B(間隙13g)を介して上方から対向する可動部13mを備えた可動電極13Bとを有する。この機能構造体13は、上記と同様の導電性ポリシリコン等よりなる第1導電層を形成し、この第1導電層をパターニングすることで、固定電極13Aと、可動電極13Bの下部構造とを構成し、その上にシリコン酸化膜等よりなる犠牲層12Bを形成した後、さらに導電性ポリシリコン等よりなる第2導電層を形成し、これをパターニングすることで可動電極13Bの上部構造(可動部13m)を形成することにより構成される。第2導電層のうち下部構造に当接する部分は可動電極13Bの支持部13sを構成し、可動部13mは支持部13sから水平方向に延在し、固定電極13Aの上方までに伸びている。
また、モニタ用構造体14は、機能構造体13と同材質により同時に形成された下部層14Aと、この下部層14Aに対して犠牲層12B(間隙14g)を介して上方から対向する変形部14mを備えた上部層14Bとを有する。ここで、下部層14Aは上記第1導電層の一部で構成され、上部層14Bは上記第2導電層の一部で構成される。上部層14Bの一部は下部層14A上に当接して支持部14sとして構成され、この支持部14sから水平に変形部14mが間隙14g上を延在している。
また、可動部13mは支持部13sから外縁部(先端部)までの長さLsが小さく、幅Wsが大きな形状を有しているのに対し、変形部14mは支持部14sから外縁部(先端部)までの長さLs′が大きく、幅Ws′が小さい形状を有している。さらに、可動部13mは、長さLsより相対的に大きい幅Wsに沿って支持部13sが延在しているのに対して、変形部14mは、幅Ws′より相対的に大きい長さLs′に沿って両側が開放されている点で異なる。これらによって、可動部13mとその下層構造との間の間隙13gに配置される犠牲層12Bを完全に除去するのに必要なエッチング時間に対して、変形部14mとその下層構造との間の間隙14gに配置される犠牲層12Bを完全に除去するのに必要なエッチング時間が短くなるように構成される。
本実施形態では、機能構造体13及びモニタ用構造体14上にそれぞれ複数の検出用構造体13r、14rが形成される。検出用構造体13r、14rは配線層で構成される点では第1実施形態と同様であるが、機能構造体13の相対的に大きい幅Wsの方向に沿って複数の検出用構造体13rが配列され、モニタ用構造体14の相対的に大きい長さLs′の方向に沿って複数の検出用構造体14rが配列されている点で異なる。
本実施形態では、図2(c)に示すように、リリース工程を実施することで犠牲層12Bが除去され、これによって間隙14g上に形成された変形部14mが可動部13mより上下方向に撓み変形しやすい構造とされる。このことは、可動部13mの平面形状と変形部14mの平面形状の相違によりリリース工程のエッチング量の如何によらずに常に成立するようになっている。その結果、可動部13mがスティッキングを起こす前に変形部14mがスティッキングを生じ、或いは、下方へ撓み変形を起こすので、検出用構造体14rを確認することで、エッチング量を知ることができる。
図示例では変形部14mの先端側は下方に撓み変形を生じ、これにより検出用構造体14rも傾斜しているので、検出用構造体14rを観察することで、変形部14mの変形を知ることができる。なお、図示例では変形部14mの下方には犠牲層12Bが残存しない例を示すが、上述のように変形部14mの支持部14sの近傍に犠牲層12Bが残存した時点で変形部14mが或る程度変形し、これを検出用構造体14rにより検出できるように構成してもよい。
この場合、本実施形態の場合には特に、変形部14mの下方においてエッチングが進行する長手方向に沿って複数の検出用構造体14rが配列されているので、複数の検出用構造体14rの幾つが傾斜姿勢となるかによってエッチング量の大小を知ることも可能である。
また、本実施形態では、検出用構造体13rによって可動部13mの変形やスティッキングをも知ることができるように構成されるが、特に複数の検出用構造体13rを相対的に大きい幅方向に沿って配列させることで、可動部13mの幅方向の一部が変形したときでもこれを容易に知ることができるように構成されている。
[第3実施形態]
次に、図3を参照して本発明に係る第3実施形態について説明する。図3は第3実施形態の製造工程を示す工程断面図(a)乃至(e)である。なお、本実施形態において、第1実施形態及び第2実施形態と共通する部分には同一符号を付し、同様の部分についての説明は省略する。
次に、図3を参照して本発明に係る第3実施形態について説明する。図3は第3実施形態の製造工程を示す工程断面図(a)乃至(e)である。なお、本実施形態において、第1実施形態及び第2実施形態と共通する部分には同一符号を付し、同様の部分についての説明は省略する。
本実施形態では、図3(a)に示すように、基板11上にシリコン窒化膜等よりなる下地絶縁膜12Aを形成し、その上に固定電極13A及び下部層14Aを形成した後、犠牲層12Bを形成し、さらに可動電極13B及び上部層14Aを形成する。なお、可動電極13Bには、犠牲層12Bに形成された貫通孔を通して下地絶縁層12Aに接続される支持部13sと、この支持部13sから水平方向に延在し、犠牲層12B上に配置される可動部13mとが設けられる。また、上部層14Bには、犠牲層12Bに形成された貫通孔を通して下部層に接続される支持部14sと、この支持部14sから水平方向に延在し、犠牲層12B上に配置される変形部14mとが設けられる。上記の固定電極13A、可動電極13BによりMEMS素子を構成する機能構造体13が形成され、下部層14A及び上部層14Bによりモニタ用構造体14が形成される。
次に、図3(b)に示すように、層間絶縁層15をシリコン酸化膜等により形成し、層間絶縁膜15のうち上部層14B上に貫通孔15aを形成する。そして、層間絶縁膜15上にアルミニウムやアルミニウム合金等よりなる配線層16A及び16Bを形成する。配線層16Bは上部層14B上に形成され、上記貫通孔15aを通して上部層14Bに接続される。
その後、図3(c)に示すように、さらに上記と同様の層間絶縁層17を形成し、配線層16B上に貫通孔17aを形成する。そして、層間絶縁層17上に上記と同様の配線層18A、18Bを形成する。ここで、配線層18Bは貫通孔17aを通して下層の配線層16Bに接続される。
上部層14B上に形成された配線層16B及び18Bは、上記モニタ用構造体14上に固定された検出用構造体14rを構成する。
次に、図3(d)に示すように、層間絶縁層17上にシリコン窒化膜や樹脂等からなる保護膜19を形成する。この保護膜19には開口部19a、19bが設けられる。開口部19aは上記機能構造体13を含む平面範囲を開口するように設けられ、開口部19bは上記モニタ用構造体14を含む平面範囲を開口するように設けられる。ここで、開口部19aと19bは同一の開口形状及び開口面積を有することが好ましい。これによって機能構造体13に対するリリースエッチングと、モニタ用構造体14に対するリリースエッチングとを同様の条件で実施することができるからである。
そして、この保護膜19の開口部19a、19bを通してエッチングを行うリリース工程を実施する。このリリース工程では、図3(e)に示すように、上記の層間絶縁層15、17及び配線層16A、16B、18A、18Bが積層されてなる基板被覆構造に、上記機能構造体13が収容される収容凹部13Cと、上記モニタ用構造体14が収容される収容凹部14Cとが形成される。ここで、上記のように開口部19aと19bとが同一の開口形状及び開口面積を有するように構成した上で、エッチング液の均一化や攪拌等により、収容凹部13Cと14Cが同一の開口形状及び開口面積を有するように形成されることが好ましい。これによって機能構造体13に対するエッチング作用と、モニタ用構造体14に対するエッチング作用とがほぼ同一であることが確認できるからである。
このとき、上記モニタ用構造体14上の配線層16B及び18Bによって構成される検出用構造体14rもまた基板被覆構造から分離される。また、検出用構造体14rが配線層16B及び18Bによって構成されることで、その上面は収容凹部14Cの上部開口とほぼ同じ高さレベルに配置されることとなる。したがって、上記モニタ用構造体14が基板被覆構造の収容凹部14C内に配置されるにも拘らず、検出用構造体14rの上面を容易に視認することが可能になる。
本実施形態でも、先の第1実施形態及び第2実施形態と同様に、間隙14g上に形成された変形部14mが間隙13g上に形成された可動部13mより上下方向に撓み変形しやすく構成される。そして、変形部14mが下方へ撓み変形し、或いは、スティッキングを生ずると、検出用構造体14rの姿勢が変化し、図示のように傾斜姿勢となる。この傾斜姿勢は検出用構造体14rの上面を視認することで確認することができ、また、光学的手段によって反射方向を検出することによっても知ることができる。
本実施形態では基板被覆構造に設けられた収容凹部13C、14C内にそれぞれ機能構造体13及びモニタ用構造体14が収容されるので、そのままでは機能構造体13の可動部13mやモニタ用構造体14の変形部14mの変形を視認することが難しいが、本実施形態では検出用構造体14rが基板被覆構造を構成する配線層16B、18Bによって構成されるので、当該検出用構造体14rの上面が収容凹部14Cの上部開口に近い位置に配置されることから、変形部14mの変形を容易に知ることができる。
なお、本実施形態ではモニタ用構造体14上にのみ検出用構造体14rを形成したが、これと同様に配線層によって機能構造体13上にも検出用構造体13r(図示せず)を形成してもよい。この場合には可動部13mの変形の有無をも容易に確認できる。ただし、機能構造体13に検出用構造体13r(図示せず)の重量が加わるので、これを配慮して機能構造体13を設計する必要がある。
[第4実施形態]
次に、図4を参照して本発明に係る第4実施形態について説明する。図4は第4実施形態の製造工程を示す工程断面図(a)乃至(e)である。なお、本実施形態において、第3実施形態と共通する部分には同一符号を付し、同様の部分についての説明は省略する。
次に、図4を参照して本発明に係る第4実施形態について説明する。図4は第4実施形態の製造工程を示す工程断面図(a)乃至(e)である。なお、本実施形態において、第3実施形態と共通する部分には同一符号を付し、同様の部分についての説明は省略する。
本実施形態では、図4(a)及び(b)に示すように、上記第3実施形態と同様に、機能構造体13及びモニタ用構造体14を形成し、それらの上にさらに層間絶縁膜15、17及び配線層16A、16Bを形成する。ただし、その後において最上層の配線層としては、図4(b)に示すように、配線層18Aとともに形成される配線層18A′を機能構造体13の上方に形成するとともに、この配線層18A′には細孔18aを形成する。また、モニタ用構造体14の上方に形成される配線層18B′にも細孔18bを形成する。
その後、図4(c)に示すように、第3実施形態と同様の開口部19a及び19bを備えた保護膜19を形成し、開口部19a及び19bを通してリリース工程を実施する。このとき、本実施形態では、開口部19a及び19bの開口範囲に上記配線層18A′及び18B′が形成されているので、それらの細孔18a及び18bを通してエッチングが行われる。ここで、開口部19aと19bとが同一の開口形状及び開口面積を有することが好ましい点は第3実施形態と同様である。
このとき、配線層18A′は開口部19aよりも広い範囲に形成され、リリースエッチングによっても配線層18A′が基板被覆構造と分離しないように構成される。一方、配線層18B′は開口部19bの範囲内に形成され、リリースエッチングによって配線層18B′が基板被覆構造から分離されるように構成される。ただし、配線層18A′の細孔18aによるエッチング開口の開口率(開口面積)と、配線層18B′の細孔18b及び配線層18B′の外縁と保護膜19の内縁との間に開口が存在する場合には当該開口をも含めた開口率(開口面積)とが同一になるように構成することが好ましい。これによってリリースエッチング時のエッチング条件を共通にすることができるからである。
上記のリリース工程を実施すると、図4(d)に示すように、収容凹部13C、14Cが形成される。収容凹部13Cは残留する配線層18A′の下方に形成され、収容凹部14Cは変形部14m上に形成された検出用構造体14rを基板被覆構造から分離する形で形成される。
このとき、収容凹部13C内に収容される機能構造体13については配線層18A′の下方に配置されるので、リリース状態を確認することは容易ではないが、収容凹部14C内に収容されるモニタ用構造体14については、検出用構造体14rの上面を視認することで変形部14mの変形状態を容易に確認することができる。このとき、検出用構造体14rの上面は配線層18B′により構成されるので、配線層18A′と同じ高さに配置されるため、検出用構造体14rの姿勢を確認するのに支障は全くない。
その後、図4(e)に示すように、スパッタリング法、CVD法等により金属膜を成膜するか、或いは、塗布法等により樹脂材料を塗布するなどの方法により、配線層18A′の細孔18aを閉鎖する封止層20Aを形成する。これによって、機能構造体13を収容する収容凹部13Cを閉鎖することができるので、収容凹部13C内を減圧して機能構造体13を減圧下に配置したり、収容凹部13Cに窒素ガス等の気体を充填したり、或いは、外部よりゴミ、水分等の侵入を防止したりすることができる。これは、特に、上記工程の後に基板をダイシングにより分割する基板ダイシング工程を有する場合には、収容凹部内に水や塵埃の浸入を防ぐことができる点で有効である。
この工程では、図示のように収容凹部14Cの開口にも封止層20Bを形成して収容凹部14Cを閉鎖することができる。これにより、検出用構造体14rの上部を封止層20Bにより固定し、その後の工程或いは製品後において検出用構造体14rが基板上より分離して塵埃とならないように構成することが可能になる。
尚、本発明の電子装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、複数の相互に異なる形状を有するモニタ用構造体14を形成し、これらに検出用構造体14rを設けることで、機能構造体13のリリース状態をより精密に確認することができるようにしてもよい。
10…電子装置、11…基板、12…絶縁層、12A…下地絶縁層、12B…犠牲層、13…機能構造体、13A…固定電極、13B…可動電極、13a…支持部、13m…可動部、13g…間隙、13r、14r…検出用構造体、14…モニタ用構造体、14a…支持部、14m…変形部、14g…間隙、15、17…層間絶縁層、16A、16B、18A、18B、18A′、18B′…配線層、19…保護層、19a,19b…開口部、20A、20B…封止層
Claims (11)
- 基板と、
該基板上に形成され、下方に間隙を有する可動部を備えた機能構造体と、
前記基板上において前記可動部と同じ層により形成され、下方に間隙を有しその平面形状によって前記可動部よりも上下方向に変形容易に構成された変形部を備えたモニタ用構造体と、
該変形部上に固定され、前記変形部の変形状態に応じた姿勢を取る検出用構造体と、
を具備することを特徴とする電子装置。 - 前記検出用構造体の上面には平坦な光反射面が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
- 前記基板上に絶縁層と配線層の1組若しくは複数組が積層されてなる基板被覆構造をさらに具備し、該基板被覆構造には前記機能構造体を収容する機能用収容凹部と前記モニタ用構造体を収容するモニタ用収容凹部とが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子装置。
- 前記機能用収容凹部と前記モニタ用収容凹部とが同一の開口形状及び開口面積を有することを特徴とする請求項3に記載の電子装置。
- 前記機能用収容凹部を覆う細孔を備えた第1被覆層及び該細孔を閉鎖する第2被覆層をさらに具備し、前記検出用構造体には細孔を備えた上部層が設けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載の電子装置。
- 前記変形部が変形することにより前記検出用構造体が傾斜姿勢とされていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電子装置。
- 前記変形部は、前記可動部よりも支持部から先端部まで若しくは該支持部間の長さが大きく、かつ、前記支持部に沿った幅が小さいことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電子装置。
- 基板上に、下方に犠牲層が配置される可動部を備えた機能構造体と、該可動部と同じ層で形成され、下方に犠牲層が配置されその平面形状によって前記可動部よりも上下方向に変形容易に構成された変形部を備えたモニタ用構造体と、該変形部上に固定され前記変形部の変形状態に応じた姿勢を取る検出用構造体とを形成する構造体形成工程と、
前記犠牲層をエッチングすることにより前記可動部及び前記変形部の下方にそれぞれ間隙を形成するリリース工程と、
前記リリース工程後の前記検出用構造体の姿勢を確認する検査工程と、
を具備することを特徴とする電子装置の製造方法。 - 前記構造体形成工程では前記検出用構造体の上面に平坦な光反射面が設けられ、
前記検査工程では前記光反射面の光反射状態が確認されることを特徴とする請求項8に記載の電子装置の製造方法。 - 前記構造体形成工程は、前記機能構造体及び前記モニタ用構造体を形成する下部形成段階と、前記機能構造体及び前記モニタ用構造体上に絶縁層と配線層を1組若しくは複数組積層してなり、1層若しくは複数層の前記配線層により前記検出用構造体が構成される基板被覆構造を設ける上部形成段階とを有し、
前記リリース工程では、前記絶縁層の前記機能構造体上にある部分及び前記絶縁層の前記モニタ用構造体上にある部分が前記犠牲層とともに除去されることにより、前記基板被覆構造から前記機能構造体が分離され、前記機能構造体を収容する機能用収容凹部が設けられるとともに、前記基板被覆構造から前記モニタ用構造体及び前記検出用構造体が分離され、前記モニタ用構造体及び前記検出用構造体が収容されるモニタ用収容凹部が設けられることを特徴とする請求項8又は9に記載の電子装置の製造方法。 - 前記上部形成段階において前記機能構造体の上方に細孔を備えた第1被覆層が形成されると同時に前記モニタ用構造体の上方に前記検査用構造体の細孔を備えた上部層が形成され、
前記リリース工程では前記第1被覆層及び前記上部層の細孔を通してエッチングが行われ、
前記リリース工程の後に、前記第1被覆層の前記細孔を閉鎖する第2被覆層が形成されることを特徴とする請求項10に記載の電子装置の製造方法。
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