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JP2010014236A - ボールねじ - Google Patents

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JP2010014236A
JP2010014236A JP2008176250A JP2008176250A JP2010014236A JP 2010014236 A JP2010014236 A JP 2010014236A JP 2008176250 A JP2008176250 A JP 2008176250A JP 2008176250 A JP2008176250 A JP 2008176250A JP 2010014236 A JP2010014236 A JP 2010014236A
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JP2008176250A
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Masaru Saito
勝 齋藤
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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Abstract

【課題】ボールの円滑な循環を確保しつつ、掬い上げ部の先端部の肉厚を可及的に確保してその耐久性を向上させる。
【解決手段】このボールねじは、ボール循環通路8とボール軌道路6とを跨ぐ位置Tで隣り合う3個のボールBs,Bm,Bsを相互に密着させたときに、その3個のうちの中央のボールBmの中心位置Bmcがその両側のボールBs,Bsの中心Bsc,Bscを結んだ線分SSと一致する等の条件を満たす掬い限界点Rkを規定したときに、その掬い上げ部15の先端部17および上面16が、掬い限界点Rkを基準とした所定の位置に設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種産業機械等に用いられるボールねじに係り、特に、ボールねじ稼働時の使用速度が高速で且つ使用環境が高温であっても、樹脂製のボール循環部材を好適に用い得るボールねじに関する。
ボールねじは、例えば図8に示すボールねじ101のように、ねじ軸2と、そのねじ軸2に嵌合するナット4とを有して構成されている。これらねじ軸2およびナット4は、螺旋状のボール転動溝をそれぞれ有し、互いのボール転動溝が対向して両者の間にボール軌道路6を構成している。そして、このボール軌道路6には、転動体としての複数のボールBが転動自在に装填されている。
また、同図に示すボールねじ101は、ナット4の側面に、一対の脚部120を有するとともに内部にボール循環通路8が構成されたボール循環部材100が固定されており、このボール循環部材100によって、上記ボール軌道路6を転動するボールBを、一方の脚部120の掬い上げ部150から掬い上げてボール循環通路8内に導き、他方の脚部120からボール軌道路6に戻す無限循環軌道を形成している。
近年、この種のボール循環部材を備えるボールねじでは、ボールの円滑な循環を確保するために、つまり、螺旋状のボール軌道路を転がるボールをボール循環部材内のボール循環通路に円滑に導き、且つボール循環通路を移動するボールをボール軌道路に円滑に戻すために、ボール軌道路の接線方向にボールを掬い上げ、且つボール軌道路の接線方向からボール軌道路内にボールを戻すことが多くなってきた(例えば特許文献1参照)。
特開2003−232421号公報
ところで、この種のボール循環部材は、その製造コスト等の問題から、樹脂成形によって製造されることが一般的である。しかしながら、この種のボール循環部材では、その掬い上げ部の先端部は、ボール循環通路と負荷圏側のボール軌道路とを跨ぐ位置でボールを円滑に掬い上げる必要があるために薄肉になっている。そのため、特に、ボールねじ稼働時の使用速度が高速で且つ使用環境が高温の場合、温度や油(グリス)等の影響で樹脂が劣化すると、薄肉な掬い上げ部の先端部が割れたり欠けたりすることがある。
具体的には、図9に例示するように、ボール循環部材100に、ボールが高速で接触する際に発生する振動で、掬い上げ部150の先端部150aにクラックKが発生し、掬い上げ部150の縦方向KtにクラックKが進行する場合がある。このようなクラックKは、縦方向Ktにある程度進行した後に横方向Kyに進行することが多く、これにより、掬い上げ部150に大きな割れや欠けが生じる可能性がある。
ここで、このようなクラックは、掬い上げ部の肉厚が厚くなると進展しづらくなることから、掬い上げ部の先端部の肉厚を厚くしておけばクラックの発生を防止または抑制することが可能となる。一方、掬い上げ部の先端部の肉厚を単に厚くしてしまえば、ボールを円滑に掬い上げるという本来の機能に影響が及ぶため、度を越して掬い上げ部の先端部の肉厚を厚くすることもできない。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、ボールの円滑な循環を確保しつつ、ボール循環部材の掬い上げ部の先端部の肉厚を可及的に確保してその耐久性を向上させることのできるボールねじを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明者は、ボール軌道路とボール循環通路とを跨ぐ位置において、掬い上げ部の先端部がどの程度まで必要なのかという問題について改めて子細に検討した。つまり、上述した問題点に係る従来の技術常識では、ボールを円滑に掬い上げるためには、掬い上げ部の先端部を負荷圏側に可及的に延長すべきであるという思想であったために掬い上げ部の先端部が薄肉になっており、それ故、上述のような問題点が生じていたからである。
具体的には、本発明者は、図1に例示するように、ボール軌道路6とボール循環通路8とを跨ぐ位置Tにおいて、隣り合う3個のボールBs,Bm,Bsを相互に密着させたときのボールの挙動に着目した。その結果、同図(a)に示すように、その3個のうちの中央のボールBmは、負荷圏側のボール軌道路6においては、その両側のボールBs,Bsから受ける圧力Pによって、掬い上げ部の先端部側とは反対の側に向けて押し出すような外向きの力Fsが作用する。そのため、この外向きの力Fsによって、中央のボールBmの中心位置Bmcは、ねじ軸2の中心から常に遠い側に位置しつつ循環されており、このような循環状態のときには、掬い上げ部を不要とし得る。
そして、この力の方向がねじ軸2の中心方向に反転する変化点は、ボール軌道路6とボール循環通路8とを跨ぐ位置Tにおいて、同図(b)に示すように、隣り合う3個のボールBs,Bm,Bsの中心が一直線に並んだとき(中央のボールBmの中心位置Bmcがその両側のボールBs,Bsの中心を結んだ線分SSと一致したとき)であり、これ以降では、同図に示すように内向きの力Fnが作用することになる。本発明者は、この内向きの力Fnの大きさが想像していたよりも大きいという知見を得た。
つまり、ボールが拘束を受けない循環通路内であっても、3個並んだボールBs,Bm,Bsのうち中央のボールBmに作用する内向きの力Fnは無視できない大きさであり、掬い上げ部先端よりも手前にある状態でこの内向きの力Fnが作用すると、掬い上げ部をスムーズに乗り越えるのに障害となる場合があることがわかった。換言すれば、中央のボールに作用する力の向きが内向きに変わったときに、ボールが掬い上げ部に達していればよいということである。したがって、この位置が、ボールを円滑に掬い上げるために掬い上げ部の先端部を設けるべき「掬い限界点」であり、この掬い限界点よりも負荷圏側(同図(b)の例で掬い上げ部(150)のハッチングを施した先端部(150a)の部分)においては、掬い上げ部の先端部を省略し得るということである。
また、本発明者は、上記知見に加えて、ボールねじの稼働中の振動や温度に対して十分な耐久性を確保するために確保すべき掬い上げ部の先端部の最小の肉厚についても更に検討を加えた。本発明者は、上記図9に例示した、クラックKの進行が、縦方向Ktにある程度進行した後に、横方向Kyに進行する多くの例は、ボール径の3%(例えばφ6.35mmの鋼球で0.2mm)近傍の箇所であることを見いだした。つまり、上記知見に加えて、少なくともボール径の3%以上の先端部の肉厚(例えばφ6.35mmの鋼球で0.2mm以上の肉厚)とすることが望ましいということがわかった。
すなわち、本発明は、外周面にボール転動溝を有するねじ軸と、該ねじ軸の外周面と対向する内周面にボール転動溝を有するナットと、前記ナットおよびねじ軸の両ボール転動溝間で構成する負荷圏となるボール軌道路に配置された複数のボールと、前記ボール軌道路内のボールを一方の側から掬い上げる掬い上げ部、およびその掬い上げ部で掬い上げたボールを他方の側へ戻すボール循環通路を有するボール循環部材と、を備えるボールねじであって、
前記ボール軌道路と前記ボール循環通路とを跨ぐ位置で隣り合う3個のボールを相互に密着させたときに、その3個のうちの中央のボールの中心位置がその両側のボールの中心を結んだ線分と一致する掬い限界点を規定したときに、前記掬い上げ部の先端部が、前記掬い限界点に在る中央のボールに当接するように前記掬い限界点を含みこれよりも負荷圏側に配置されるとともに、その掬い限界点よりも負荷圏側にある中央のボールの中心位置がその両端のボールの中心を結んだ線分の外側(ねじ軸の中心から遠い側)にあり、また、その掬い限界点よりも反負荷圏側にある中央のボールの中心位置がその両端のボールの中心を結んだ線分の内側(ねじ軸の中心に近い側)に位置させるボール経路構成となっていることを特徴としている。
本発明に係るボールねじによれば、上述した知見に基づいて、ボール軌道路とボール循環通路とを跨ぐ位置で隣り合う3個のボールを相互に密着させたときに、その3個のうちの中央のボールの中心位置がその両側のボールの中心を結んだ線分と一致する掬い限界点を規定しており、掬い上げ部の先端部を、掬い限界点に在る中央のボールに当接するように掬い限界点を含みこれよりも負荷圏側に配置するとともに、その掬い限界点よりも負荷圏側にある中央のボールの中心位置がその両端のボールの中心を結んだ線分の外側にあり、また、その掬い限界点よりも反負荷圏側にある中央のボールの中心位置がその両端のボールの中心を結んだ線分の内側に位置させるボール経路構成としたので、上記知見にて述べたように、ボールの円滑な循環を確保しつつ、ボール循環部材の掬い上げ部の先端部の肉厚を可及的に確保してその耐久性を向上させることが可能である。さらに、本発明に係るボールねじにおいて、掬い上げ部の先端部の肉厚を、ボールの直径の3%以上の厚さに設定するようにすれば、ボールねじの稼働中の振動や温度変化などがある場合でもボール循環部材の掬い上げ部の耐久性を向上させる上でより好適である。
なお、本明細書において、「隣り合う3個のボール」とは、ボール同士の間にスペーサが介装されていない場合には、相互に隣接する3個のボールを意味し、ボール同士の間にスペーサが介装されている場合には、隣り合う3個のボールとこれら3個のボール間に介装される2個のスペーサを含む意味である。また、「相互に密着」とは、ボール同士の間にスペーサが介装されていない場合には、隣接する3個のボール相互の密着を意味し、ボール同士の間にスペーサが介装されている場合には、隣り合う3個のボールとこれら3個のボール間に介装される2個のスペーサを含む全体が相互に密着する意味である。なおさらに、本明細書において、「隣り合う3個のボール」には、スペーサボールを含む意味で用いる。つまり、「スペーサボール」は、負荷を受ける負荷ボールとは別の、負荷ボールよりも僅かに直径の小さいボールであって、負荷ボール同士の間に介装されるボールであるが、この、「スペーサボール」については、「隣り合う3個のボール」に含むものとする。
上述のように、本発明によれば、ボールの円滑な循環を確保しつつ、ボール循環部材の掬い上げ部の先端部の肉厚を可及的に確保してその耐久性を向上させることのできるボールねじおよびその使用方法、並びにボールねじの掬い上げ部設定方法を提供することができる。
以下、本発明に係るボールねじの一実施形態を、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、図2は本発明の一実施形態であるボールねじの平面図、図3は図2の右側面図、図4は循環路を説明するための横断面図(図2でのA−A断面図)、図5はボール循環部材を構成する一方の分割体を示す斜視図である。
図2及び図3に示すように、このボールねじ1は、外周面に螺旋状のボール転動溝3が形成されたねじ軸2を有し、このねじ軸2に、ねじ軸2のボール転動溝3に対応する螺旋状のボール転動溝5の内周面に形成されたナット4が嵌合されている。ナット4のボール転動溝5とねじ軸2のボール転動溝3とは、互いに対向して両者の間に負荷を受けるボール軌道路6を構成している。そして、このボール軌道路6には、転動体としての複数のボールBが転動自在に装填されており、ねじ軸2(又はナット4)の回転により、ナット4(又はねじ軸2)がボールBの転動を介して軸方向に移動するようになっている。なお、本実施形態は、隣り合うボール間にスペーサを介装していない例である。
ナット4には、その周方向の側面の一部に平坦面4aが形成されており、この平坦面4aに、ボール循環部材10が押え具19を介して止めねじ18によって固定されている。このボール循環部材10は、上記ボール軌道路6の略接線方向からボールBを掬い上げるタイプのボール循環部材である。
詳しくは、このボール循環部材10は、図4に示すように、一対の脚部12と、その一対の脚部12相互を接続する本体部14とを備えており、その内部が上記ボール循環通路8になっている。上記ナット4の平坦面4aには、ナット4の軸線に対して略直交する方向に一対の循環孔7が形成されている。この一対の循環孔7は、ボール軌道路6に連通して穿孔されており、一対の脚部12は、一対の循環孔7に嵌合されている。なお、図4において、符号Tは、ボール循環通路8とボール軌道路6とを跨ぐ位置を示しており、ボール軌道路6部分のハッチングは、負荷圏にあるボールBを示している。
このボール循環部材10は、樹脂成形によって製造されており、図5に拡大図示するように、上記ボール循環通路8をその経路方向に沿って点対称で二つに分割された分割体11を互いに接合して構成されている。各分割体11には、互いの対向する側に溝がそれぞれ形成されており、同一形状の2つの分割体11を接合して一のボール循環部材10とし、その内部に上記ボール循環通路8が構成されている。
そして、図5に示すように、一対の脚部12には、各脚部12の先端に、上記負荷圏側のボール軌道路6を転動するボールBを、ボール軌道路6の接線方向とは略一致する方向に掬い上げる掬い上げ部15が設けられている。なお、掬い上げ部15が設けられていない側の脚部12の先端には、ねじ軸2と接触しないように逃げ部13が形成されている。
このボール循環部材10は、一対の脚部12の掬い上げ部15によって、ボール軌道路6から掬い上げたボールBの進行方向をナット4の外部側の方向で、且つ循環孔7の軸線方向に対して略一致又は所定の角度を持った方向に導くようになっている。そして、このボール循環部材10は、一方の脚部12の掬い上げ部15によって、ボール軌道路6を転動するボールBを掬い上げて、ナット4外部に位置する本体部14内のボール循環通路8に導き、他方の脚部12からボール軌道路6に戻すというボールの循環回路(無限循環軌道)を形成している。なお、本実施形態は、ボール循環部材10を2つ配置して2つの循環回路を有する例である。
ここで、このボールねじ1では、上記掬い上げ部15を設けるに際し、所定の掬い限界点を規定し、この掬い限界点において、所定の条件を満たすように掬い上げ部15を設けている。
詳しくは、本実施形態では、「課題を解決するための手段」で述べた知見に基づいて、図6に示すように、ボール軌道路6とボール循環通路8とを跨ぐ位置Tで隣り合う3個のボールBs,Bm,Bsを相互に密着させたときに、その3個のうちの中央のボールBmの中心位置Bmcがその両側のボールBs,Bsの中心Bsc,Bscを結んだ線分SSと一致する掬い限界点Rkを規定しており、これに基づいて、ボールねじ1の掬い上げ部15を設定している。
すなわち、同図に示すように、この掬い上げ部15は、その先端部17が、掬い限界点Rkに在る中央のボールBmに当接するように設けられている。また、この掬い上げ部15は、その先端部17の厚さWが、ボールBの直径の3%以上の厚さになっている。
なお、図6の例では、掬い上げ部15の先端部17の位置が、掬い限界点Rkの位置と一致するように設定していることにより、ボール循環部材10の掬い上げ部15の先端部17の肉厚(厚さ)Wを可及的に確保し得る最大値として得られる。
但し、掬い上げ部15の先端部17は、その肉厚(厚さ)WがボールBの直径の3%(例えばφ6.35mmの鋼球で0.2mm)以上ならば、同図の位置を含み、この位置からこれよりも負荷圏側に(ボール軌道路6側に)ボールBの直径の3%の厚さとなる範囲(同図での符号Hに示す範囲)内で任意に配置することができる。
次に、このボールねじ1の作用・効果について説明する。
このボールねじ1の稼働時は、負荷圏であるボール軌道路6を転動していたボールBが、ボール循環部材10の一方の脚部12の掬い上げ部15によってボール軌道路6の略接線方向に掬い上げられてボール軌道路6から外れ、ボール循環通路8内に進入する。そして、ボール循環通路8に進入したボールBは、ボール循環通路8に沿って進行し、他方の脚部12を通ってからボール軌道路6に戻される。
ここで、このボールねじ1によれば、ボール軌道路6とボール循環通路8とを跨ぐ位置Tで隣り合う3個のボールBs,Bm,Bsを相互に密着させたときに、その3個のうちの中央のボールBmの中心位置Bmcがその両側のボールBs,Bsの中心Bsc,Bscを結んだ線分SSと一致する掬い限界点Rkを規定しており、掬い上げ部15の先端部17を、掬い限界点Rkに在る中央のボールBmに当接するように前記掬い限界点Rkを含みこれよりも負荷圏側(ボール軌道路6側)に設けたので、上記知見にて述べたように、掬い上げ部15に到達する前の中央のボールBmには、内向きの力Fnが作用することはないため、ボールBの円滑な循環を確保できる。すなわち、掬い上げ部15とボール軌道路との段差が障害となることがない。また、上記範囲内で掬い上げ部15の先端部17を負荷圏側から遠い位置(最も遠い場合では、図6に示すように掬い限界点Rkと一致する位置)に設定することにより、ボール循環部材10の掬い上げ部15の先端部17の肉厚Wを可及的に確保してその耐久性を向上させることが可能である。さらに、このボールねじ1では、掬い上げ部10の先端部17の厚さWを、ボールの直径の3%以上の厚さに設定しているので、ボールねじが振動や温度変化の厳しい条件下で使用される場合でも、ボール循環部材10の掬い上げ部15の先端部17の肉厚Wを可及的に確保してその耐久性を向上させることができる。
ここで、3個のボールBs,Bm,Bsが互いに密着したまま、図6の状態から同図で右側へさらに移動すると、中央のボールBmの中心Bmcは、両側のボールBs,Bsの中心Bsc,Bscを結んだ線分よりも内側に位置するため、中央のボールBmは、内向きの力Fnを受けることになるが、このとき、中央のボールBmは、掬い上げ部15の先端部17を通過しているため、問題ない。
以上説明したように、このボールねじ1によれば、ボールBの円滑な循環を確保しつつ、ボール循環部材10の掬い上げ部15の先端部17の肉厚Wを可及的に確保してその耐久性を向上させることができる。
なお、本発明に係るボールねじは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態は、隣り合うボールB間にスペーサを介装していない例で説明したが、これに限定されず、本発明は隣り合うボールB間にスペーサを介装したボールねじについても適用することができる。
図7に変形例を示す。なお、この変形例は、図6に示す実施形態の例に対して、隣り合うボールB間にスペーサ20が介装されている点のみが異なっている。
同図に示すように、隣り合うボールB間にスペーサ20が介装されている場合においても、上述した知見に基づいて、上記実施形態の例同様に、掬い上げ部15を設定することができる。なおさらに、スペーサ20に替えて、負荷を受けるボールBとは別の、ボールBよりも僅かに直径の小さい「スペーサボール」を介装してもよい。但し、この場合においては、負荷ボール同士の間に介装される「スペーサボール」は、「隣り合う3個のボール」に含むものとする。
また、上記実施形態では、掬い上げ部15の先端部17の断面形状等について特に言及しなかったが、種々の形状を採用可能である。たとえば、本発明の条件を満たす範囲において、掬い上げ部15の先端部17は、その肉厚(厚さ)Wが、図6の例での掬い限界点Rkを含みこれよりも負荷圏側に配置されたときに、ボールBの直径の3%(例えばφ6.35mmの鋼球で0.2mm)よりも厚ければ、負荷圏側に向けて徐々に肉厚を薄くすることは好ましい。このように構成すれば、掬い上げ部の先端部の肉厚を可及的に確保してその耐久性を向上させつつも、ボールの円滑な循環を確保する上で好適である。また、例えばボールに当接する側に平面取りを設けてもよいし、R(円弧状)面取りを形成してもよい。
本発明の技術に思想に係る知見について説明する図であり、同図(a)は、ボール軌道路とボール循環通路とを跨ぐ位置において、隣り合う3個のボールを相互に密着させたときに、その3個のうちの中央のボールに対し、その両側のボールから受ける圧力によって、掬い上げ部の先端部側とは反対の側に向けて押し出すような外向きの力が作用している状態を説明する概略図であり、また、同図(b)は、ボール軌道路とボール循環通路とを跨ぐ位置において、隣り合う3個のボールを相互に密着させたときに、隣り合う3個のボールの中心が一直線に並んだ状態を説明する概略図である。 本発明の一実施形態であるボールねじの平面図である。 図2の右側面図である。 図2でのA−A断面図である。 ボール循環部材を構成する一方の分割体を示す斜視図である。 ボールねじの掬い上げ部の設定位置を説明する図である。 ボールねじの掬い上げ部の設定位置を説明する図であり、同図では、図6に示す例に対して、隣り合うボール間にスペーサが介装されている例である。 従来のボールねじを説明するための概略平面図である。 従来のボールねじの掬い上げ部の先端部に発生するクラックの例を説明する図である。
符号の説明
1 ボールねじ
2 ねじ軸
3 (ねじ軸の)ボール転動溝
4 ナット
5 (ナッの)ボール転動溝
6 ボール軌道路
7 循環孔
8 ボール循環通路
10 ボール循環部材
11 分割体
12 脚部
13 逃げ部
14 本体部
15 掬い上げ部
16 (掬い上げ部の)上面
17 (掬い上げ部の)先端部
18 止めねじ
19 押え具
20 スペーサ
B ボール
Bm 中央のボール
Bs 両側のボール
Rk 掬い限界点
T ボール循環通路とボール軌道路とを跨ぐ位置

Claims (2)

  1. 外周面にボール転動溝を有するねじ軸と、該ねじ軸の外周面と対向する内周面にボール転動溝を有するナットと、前記ナットおよびねじ軸の両ボール転動溝間で構成する負荷圏となるボール軌道路に配置された複数のボールと、前記ボール軌道路内のボールを一方の側から掬い上げる掬い上げ部、およびその掬い上げ部で掬い上げたボールを他方の側へ戻すボール循環通路を有するボール循環部材と、を備えるボールねじであって、
    前記ボール軌道路と前記ボール循環通路とを跨ぐ位置で隣り合う3個のボールを相互に密着させたときに、その3個のうちの中央のボールの中心位置がその両側のボールの中心を結んだ線分と一致する掬い限界点を規定したときに、
    前記掬い上げ部の先端部が、前記掬い限界点に在る中央のボールに当接するように前記掬い限界点を含みこれよりも負荷圏側に配置されるとともに、その掬い限界点よりも負荷圏側にある中央のボールの中心位置がその両端のボールの中心を結んだ線分の外側にあり、また、その掬い限界点よりも反負荷圏側にある中央のボールの中心位置がその両端のボールの中心を結んだ線分の内側に位置させるボール経路構成となっていることを特徴とするボールねじ。
  2. 掬い上げ先端部の厚さが、ボールの直径の3%以上の厚さになっていることを特徴とする請求項1に記載のボールねじ。
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