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JP2010007043A - 水性複合樹脂分散体 - Google Patents

水性複合樹脂分散体 Download PDF

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JP2010007043A JP2008331183A JP2008331183A JP2010007043A JP 2010007043 A JP2010007043 A JP 2010007043A JP 2008331183 A JP2008331183 A JP 2008331183A JP 2008331183 A JP2008331183 A JP 2008331183A JP 2010007043 A JP2010007043 A JP 2010007043A
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JP2008331183A
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Haruyuki Horie
治之 堀江
Takao Kanbara
隆夫 蒲原
Akinori Hamada
昭典 浜田
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Abstract

【課題】 分散体の安定性及び接着性能に優れたポリウレタン−ポリクロロプレン水性複合樹脂分散体を提供する。
【解決手段】 ポリウレタンとポリクロロプレンを含有する複合樹脂粒子が水性媒体中に分散しており、ポリウレタンとポリクロロプレンの重量比率が99/1〜20/80であり、pHが7〜10であることを特徴とする水性複合樹脂分散体。
【選択図】 なし

Description

本発明は水性複合樹脂分散体に関するものであり、詳しくは分散体の安定性及び接着性能に優れたポリウレタン−ポリクロロプレン水性複合樹脂分散体である。
従来、接着剤分野においては溶剤系が主流であった。しかし、近年、人体への有害性、安全性、大気汚染が問題視されるようになり、代替として水性接着剤への期待が高まっている。こうした中で、水性ポリウレタン系、又は、水性クロロプレン系の樹脂分散体を用いた接着剤が種々検討されており、更にこれらの樹脂分散体を併用することで接着性能を改善するといった技術も開示されている(例えば、特許文献1、2)。
しかしながら、水性ポリウレタンと水性ポリクロロプレンを混合した分散体は安定性に問題がある。水性ポリクロロプレンは通常、接着性能維持、脱塩化水素の防止のため、通常、ロジン酸塩等、強アルカリ性下で重合、分散安定化されており、共存するポリウレタンは加水分解され、分子量の低下、接着性能の低下を招く。
一方、水性ポリウレタンとアクリル系モノマー等をラジカル重合させることにより水性複合樹脂分散体を得る技術が開示されている(例えば、特許文献3、4)。これらの複合樹脂分散体によれば、2種のポリマー分散体を単に混合する場合に比べて安定性が増し、接着性能等の改善効果が示されている。
しかしながら、ポリクロロプレンの脱塩酸等に由来する分散体の安定性の問題、並びに、ポリウレタンとポリクロロプレンの相溶性の低さの問題等から、これまで具体的にポリウレタンとポリクロロプレンからなる水性複合樹脂分散体は示されていない。
特開2001−3021号公報 特表2007−533778号公報 特開昭59−138212号公報 特開2007−119521号公報
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、分散体の安定性及び接着性能に優れたポリウレタン−ポリクロロプレン水性複合樹脂分散体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の水性複合樹脂分散体を見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、ポリウレタンとポリクロロプレンを含有する複合樹脂粒子が水性媒体中に分散しており、ポリウレタンとポリクロロプレンの重量比率が99/1〜20/80であり、pHが7〜10であることを特徴とする水性複合樹脂分散体である。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の水性複合樹脂分散体は、ポリウレタンとポリクロロプレンを含有する複合樹脂粒子が水性媒体中に分散しているものである。複合樹脂粒子がポリウレタンとポリクロロプレンを含有することにより、強靭性と柔軟性を有する複合粒子とすることができ、かつ、当該複合樹脂粒子が水性媒体中に分散していることにより、非溶剤型の塗料、接着剤等としての応用が可能である。
本発明の水性複合樹脂分散体は、ポリウレタンとポリクロロプレンの重量比率が99/1〜20/80である。ポリクロロプレンの比率が80を超えると分散安定性の低下を招く場合がある。
本発明の水性複合樹脂分散体は、pHが7〜10である。pHが7未満になると、保存時に脱塩酸が起こりやすく、また分散体の安定性が低下、スケールの析出を招き、さらには、ポリウレタンの加水分解が進行し、接着性の低下を招く場合がある。一方、pHが10を超えるとポリウレタンの加水分解が起こりやすくなり、接着性能の低下を招く。
本発明の水性複合樹脂分散体は、例えば、pHが7〜10のポリウレタンの水性分散体中でクロロプレンモノマーをラジカル重合させることにより得られる。より具体的には、ポリウレタンの水性分散体中に、クロロプレンモノマー、ラジカル重合開始剤、また、必要に応じ、還元剤、分子量調節剤、場合によっては他のビニルモノマーを添加して重合を行うものである。クロロプレンモノマーとポリウレタンの仕込み重量については特に限定はないが、重量組成比率がポリウレタン/ポリクロロプレン=99/1〜15/85とするのが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、通常の乳化重合で使用される重合開始剤が適用できる。例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等の過酸化物等のラジカル開始剤が挙げられ、これらを単独、又は2種以上混合して用いることができる。また、これらのラジカル重合開始剤と、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、酒石酸、L−アスコルビン酸、D−アスコルビン酸(エリソルビン酸)、硫酸第一鉄、ジメチルアニリン等の還元剤とを併用してレドックス開始剤系とすることもできる。ラジカル重合開始剤の使用量は特に限定はないが、例えば、クロロプレンモノマーの重量基準で0.01〜3重量%、特に0.05〜1重量%である。また、還元剤の使用量についても特に限定はないが、重合開始剤と同様の使用量が好ましい。重合開始剤、還元剤の添加方法は、初期に一括添加する方法、重合途中で分割添加する方法、又は連続的に滴下する方法の内いずれかが採られる。
分子量調節剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸等のメルカプタン類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルチラウムジスルフィド等のスルフィド類、ベンジルジチオベンゾエート、2−シアノプロピルジチオベンゾエート等のジチオカルボン酸エステル類、ヨードホルム等のハロゲン化炭化水素、ジフェニルエチレン、p−メチルスチレンダイマー、イオウ等が挙げられる。分子量調節剤の使用量は、例えば、クロロプレンモノマーの重量基準で0〜3重量%の範囲である。
本発明においては、クロロプレンモノマー単独でラジカル重合を行う他、場合によっては他のビニルモノマーと共重合させることも可能である。他のビニルモノマーとしては、例えば、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ブタジエン等のジエン系モノマー、ブテン等のオレフィン系モノマー、(メタ)アクリル酸ブチル、メタクリル酸−ジメチルアミノメチル、メタクリル酸−ジメチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、アクリル酸、メタクリル酸、2−メタクリロイキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、フマル酸、無水マレイン酸、クロトン酸等の不飽和脂肪酸、酢酸ビニル等が挙げられる。
クロロプレンモノマー重合時の、ポリウレタン及びクロロプレンモノマーの濃度については特に限定はないが、重合効率及び分散安定性の観点から、ポリウレタンは5〜50重量%、クロロプレンモノマーは1〜50重量%、両者を合わせた基質濃度が10〜60重量%の範囲にあることが好ましい。ポリウレタン重合温度・時間については特に限定はなく、例えば、0〜50℃の温度範囲で0.5〜30時間の条件で重合可能である。
こうして得られたポリウレタン−ポリクロロプレン水性複合樹脂分散体は、そのままでも接着剤として適用することは可能であるが、より好ましくは、エバポレーター等で濃縮し、固形分濃度40〜60重量%に調整する。
本発明の水性複合樹脂分散体の製造に用いられるポリウレタンの水性分散体はpHが7〜10である。本発明の水性複合樹脂分散体のpHの範囲は、その原料となるポリウレタンの水性分散体のpHに依存するからである。また、ポリウレタンの粒径は50〜300nmであるものが好ましく、この範囲にあることが水性複合樹脂分散体の分散安定性及び接着性能にとって好ましい。
ポリウレタンの組成については、特に限定されるものではなく、例えば、ポリオール、ジイソシアネート、スルホン酸塩基を含有するジアミノ化合物の親水化剤及びアミン系鎖延長剤よりなるポリウレタンが好適なものとして挙げられる。このポリウレタンは、ポリオールとジイソシアネートを反応させて得られるウレタンプレポリマーを、アセトン等の水と親和性を有する溶液中において、スルホン酸塩を含有する親水化剤、さらにトリエタノールアミン等のアミン系鎖延長剤と反応させ、撹拌下得られたポリマー溶液に水を添加し分散体を形成させた後、溶媒を除去して得られる。
ポリオールとしては特に限定はなく、例えば、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール等が選択され、また、これら2種以上のポリオールの併用、又は必要に応じ、分子量300未満の低分子量ポリオールを併用も可能である。中でも、ポリウレタン−ポリクロロプレン水性複合分散体調製時又は保存時の安定性、及び接着性能の面から、ポリエステル系ポリオールが好ましい。ポリエステル系ポリオールの中のポリカルボン酸成分の例としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。一方、ポリオール化合物の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等が挙げられる。また、ポリオールの分子量としては特に限定はないが、例えば、分子量500〜5000の範囲にあるものが好適に用いられる。
ジイソシアネートについては特に限定はなく、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、1−イソシアナト−3−シアナトメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、シクロヘキサン−1,3−及び/又は1,4−ジイソシアネート、ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)−メタン、2,4’−ジイソシアナト−ジシクロへキシルメタン、α,α,α’,α’−テトラメチル−1,3−及び/又は1,4−キシリレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−ヘキサヒドロトルイレンジイソシアネート、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トルイレンジイソシアネート、2,4−及び/又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
スルホン酸塩基を含有するジアミノ化合物の親水化剤は、特に限定はなく、例えば、2−(2−アミノエチル)アミノエタンスルホン酸ナトリウム、2−[β−(β−アミノエチル)アミノ−プロピオンアミド]−2・2−ジメチルエタンスルホン酸ナトリウム、エチレンジアミノ−N,N’−ビス[(γ−プロピオンアミド)−2・2−ジメチルエタンスルホン酸ナトリウム]、2−(2−アミノエチル)アミノエタンベンゼンスルホン酸ナトリウム、エチレンジアミノ−N,N’−ビス(β−エチルベンゼンスルホン酸ナトリウム)が好適なものとして例示される。また、添加する親水化剤の量については特に限定はないが、安定な水性ポリウレタン分散体を得るためには、ウレタンプレポリマー1g当たり0.02〜0.2モルの範囲であることが好ましい。
アミン系鎖延長剤については特に限定はなく、例えば、ピペラジン、エチレンジアミンのようなアルキレンジアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンのようなアルカノールアミン等が挙げられる。その中でも、pH範囲7〜10への調整、分子量の制御のしやすさの面で3級窒素を有するアルカノールアミンの適用がさらに好適なものとして示される。3級窒素を有するアルカノールアミンは特に限定はなく、例えば、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−メチルジイソプロパノールアミン、N−エチルジイソプロパノールアミン等を挙げることができる。
本発明の水性複合樹脂分散体は、本発明の効果を損なわない範囲で乳化剤を併用することもできる。特に限定はないが、例えば、ポリオキシエチレンデシレート、ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンセチレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンノニルフェニレート等のノニオン系乳化剤が好適である。乳化剤は樹脂固形分に対し好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下である。
また、本発明の水性複合樹脂分散体に対して、耐水性、耐熱性等を向上させる目的で硬化剤を添加することができる。硬化剤としては、例えば、アミノ樹脂、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、ポリイソシアネート化合物等の多官能化合物等が挙げられ、中でもポリイソシアネート化合物が好ましい。硬化剤の添加量はポリウレタン樹脂固形分に対し0.5〜20重量%の範囲で使用できる。
更に、本発明の水性複合樹脂分散体は単独でも構わないが、SBRラテックスやアクリルエマルジョン、ポリ(エチレン−酢酸ビニル)エマルジョン等の水性樹脂分散体を併用しても良い。
その他、接着剤用途分野において、本発明の水性複合樹脂分散体は、特に影響のない範囲で通常の接着剤に使用される増粘剤、可塑剤、粘着付与剤、顔料、消泡剤、酸化防止剤、防腐剤、紫外線吸収剤、難燃剤等を使用することも可能である。
本発明によれば、分散体の安定性及び接着性能に優れたポリウレタン−ポリクロロプレン水性複合樹脂分散体を提供するものであり、接着剤の他、塗料、プライマー、シーラント等への適用も可能であり、工業上極めて有用である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
<重合率の算出>
重合反応液の固形分(重量%)を測定することで行った。固形分は170℃、15分でサンプリングした重合液を乾燥させ、乾燥前後の重量変化から固形分を測定した。ポリウレタン分の固形分(PU固形分)、クロロプレンの重合率が100%となった場合のポリクロロプレン分の固形分(CR100%重合固形分)と、実際に測定された固形分の値(測定固形分)により以下の式を用い算出した。
クロロプレン重合率(%)={(測定固形分−PU固形分)/CR100%重合固形分}×100
<粒子径の測定>
ポリウレタン分散体、及び、ポリウレタン−ポリクロロプレン水性複合分散体の粒子径は、マイクロトラックUPA150(日機装(株)製)を使用して、分散媒の屈折率を1.33に設定し粒径分布を測定、メジアン粒径を求めた。
<重量平均分子量の測定>
重量平均分子量(Mw)は東ソー(株)製GPC8220により次の条件で測定した(溶離液=テトラヒドロフラン、流速=1.0ml/min、カラム温度40℃、ピーク検出=RI検出器、カラム=TSK−gel(登録商標、以下同じ)G7000Hxl/GMHxl/GMHxl/G3000Hxl/ガードカラムH−L、分子量計算=ポリスチレン換算)。
<分散安定性の評価>
ポリウレタン−ポリクロロプレン水性複合樹脂分散体を30mlのサンプル瓶に25g入れ、1ヶ月間、常温(23℃)で放置し、沈降物の有無、発生量を評価した。沈降物が0.1重量%未満の場合は○、沈降物が全固形分の0.1重量%〜1重量%未満の場合は△、全固形分の1重量%以上の場合は×で表した。
<常温接着強度の測定>
基材として9号帆布(150mm×25mm)を用い、帆布2枚の双方の片面に約300g/mを刷毛にて塗布し、80℃で5分間乾燥を行った後、2枚のハンドローラーを用いて圧着させ試験片とした。テンシロン型引張り試験機にて180°剥離試験を100mm/minの条件で行うことで常温接着強度を測定した。圧着後すぐに測定したものを初期強度、1日後に測定したものを1日後強度とした。また、1日後の剥離強度を測定した際の接着面の剥離状態を観察し、基材と接着剤層の界面で剥離している(好ましくない剥離)ものを「界面剥離」、基材と接着剤層が接着したまま接着剤層が破壊、剥離しているもの(好ましい剥離)を「凝集破壊」とした。
<加熱時における接着強度の測定>
常温接着強度と同様の手順で試験片を作成し、ハンドローラーで圧着した直後、70、90℃において上記常温接着試験と同様の方法で接着強度を測定した。
<せん断接着強度の測定>
試験基材として硬質塩化ビニル(100mm×25mm)を用い、基材2枚の双方の端から25mm×25mmの面に塗布し、80℃で5分間乾燥を行った後、塗布面同士を圧着させ試験片とした。所定の日数常温で放置した後、テンシロン型引張り試験機にて100mm/minの条件で引っ張ることでせん断接着強度を測定した。
製造例1
攪拌翼を備えた500ml3つ口フラスコに、OH価56mgKOH/gのポリブチレンアジペート(日本ポリウレタン製ニッポラン4010、分子量2000)40.3g、及びOH価111mgKOH/gのポリブチレンアジペート(日本ポリウレタン製ニッポラン4009、分子量1000)40.3gを投入し、120℃で30分間真空下に脱水を行った。次に、温度を80℃に冷却し、ヘキサメチレンジイソシアネート12.1gを添加し、窒素気流下に反応を行った。4時間後、イソシアネート残留量が1.1重量%に到達したところで温度を50℃に下げて反応を停止し、アセトン200gを加えてプレポリマー溶液を得た。得られたプレポリマー溶液に、2−[β−(β−アミノエチル)アミノ−プロピオンアミド]−2・2−ジメチルエタンスルホン酸ナトリウムの50重量%水溶液を3.47g、トリエタノールアミン0.90gを加え、50℃で20分間反応を行い、その後、水130gを攪拌しながら徐々に添加し生成したポリウレタンを水中に乳化分散した。得られた乳化分散液より、エバポレーターにて残留するアセトンを留去した。アセトン留去後のポリウレタンの水性分散体aは、固形分濃度48.0重量%、メジアン粒径200nm、pH7.8、Mw250,000であった。
製造例2
2−[β−(β−アミノエチル)アミノ−プロピオンアミド]−2・2−ジメチルエタンスルホン酸ナトリウムの代わりにエチレンジアミノ−N,N’−ビス[(γ−プロピオンアミド)−2・2−ジメチルエタンスルホン酸ナトリウム]を6.22g用いた以外は製造例1と同様の方法でポリウレタンの水性分散体bを得た。固形分濃度49.9重量%、メジアン粒径160nm、pH8.2、Mw293,000であった。
製造例3
製造例1においてアミン系鎖延長剤であるトリエタノールアミンを用いない以外は製造例1と同様の方法でポリウレタンの水性分散体cを得た。固形分濃度49.0重量%、メジアン径230nm、pH6.4、Mw222,000であった。
実施例1
攪拌翼、滴下ロート、冷却管、温度計挿入管を備えた200ml4つ口フラスコに、製造例1で得られたポリウレタンの水性分散体a39.4g(固形分19.2g)を投入し、窒素気流、攪拌下、還元剤としてD−アスコルビン酸の1重量%水溶液0.92g、分子量調節剤としてドデシルメルカプタン0.03g、水15.0g、クロロプレンモノマー19.2gを添加した。その後、40℃に昇温し、過硫酸カリウムの0.075重量%水溶液を5ml/hrの速度で5時間にわたり滴下し、重合反応を行った。また、反応の途中(重合開始より3時間後)にD−アスコルビン酸の1重量%水溶液0.92gを添加した。過硫酸カリウムの滴下終了後40℃で1時間熟成を行い、スケーリングの発生なしにポリウレタン−ポリクロロプレン水性複合樹脂分散体を得た。クロロプレンの重合率は84%、メジアン粒径は210nm、pHは7.6、Mw305,000であった。得られた分散体をエバポレーターにて固形分50重量%に濃縮し、接着性能の試験を行った。重合条件を表1に示し、その結果を表2に示す。また、貯蔵1ヶ月後、接着性と分子量を再評価した。Mwは299,000であり、接着性能も表2に示すように調製直後とほぼ同じであった。
Figure 2010007043
Figure 2010007043
実施例2〜10
表1に示した条件において実施例1と同じ反応器中で重合反応を行い、ポリウレタン−ポリクロロプレン水性複合樹脂分散体を得た。各々の重合率、メジアン粒径、pHを表1に示す。実施例1と同様、得られた分散体を50重量%に濃縮し、接着性能の試験を行った結果を表2に示す。
比較例1〜2
表1に示した以外は実施例1と同様の条件で比較例1〜2の重合反応を行った。比較例1では得られた分散体のpHが2.7を示し、固形分50重量%に濃縮する際、及び保存時にスケールが発生した。比較例2ではクロロプレンの重合途中、濃縮時、及び保存時にスケールが発生した。接着性能の試験を行った結果を表2に示す。
比較例3
製造例1のポリウレタンの水性分散体aと、ポリクロロプレン分散体(東ソー(株)製、スカイプレン(登録商標)ラテックス SL−360、固形分濃度50重量%)を、重量比1対1で混合したものを評価した。接着強度は混合直後に行い、その時のメジアン粒径は220nm、pHは12.8、Mwは320,000であった。また、貯蔵1ヶ月後、接着性と分子量を再評価した。Mwは173,000であり、接着性能は表2に示すように混合直後に比べ低下した。

Claims (7)

  1. ポリウレタンとポリクロロプレンを含有する複合樹脂粒子が水性媒体中に分散しており、ポリウレタンとポリクロロプレンの重量比率が99/1〜20/80であり、pHが7〜10であることを特徴とする水性複合樹脂分散体。
  2. ポリウレタンとポリクロロプレンを含有する複合樹脂粒子が、pHが7〜10のポリウレタンの水性分散体中でクロロプレンモノマーをラジカル重合させることにより得られる複合樹脂粒子であることを特徴とする請求項1に記載の水性複合樹脂分散体。
  3. ポリウレタンの粒径が50〜300nmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水性複合樹脂分散体。
  4. ポリウレタンが、ポリエステル系ポリオール、ジイソシアネート、スルホン酸塩基を含有するジアミノ化合物の親水化剤及びアミン系鎖延長剤により製造されるポリウレタンであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載の水性複合樹脂分散体。
  5. スルホン酸塩基を含有するジアミノ化合物が、2−(2−アミノエチル)アミノエタンスルホン酸ナトリウム、2−[β−(β−アミノエチル)アミノ−プロピオンアミド]−2・2−ジメチルエタンスルホン酸ナトリウム、エチレンジアミノ−N,N'−ビス[(γ−プロピオンアミド)−2・2−ジメチルエタンスルホン酸ナトリウム]、2−(2−アミノエチル)アミノエタンベンゼンスルホン酸ナトリウム又はエチレンジアミノ−N,N'−ビス(β−エチルベンゼンスルホン酸ナトリウム)であることを特徴とする請求項4に記載の水性複合樹脂分散体。
  6. アミン系鎖延長剤が、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−メチルジイソプロパノールアミン又はN−エチルジイソプロパノールアミンであることを特徴とする請求項4に記載の水性複合樹脂分散体。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかの項に記載の水性複合樹脂分散体を含有することを特徴とする接着剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017531062A (ja) * 2014-08-25 2017-10-19 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー ポリウレタン接着剤組成物

Cited By (1)

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JP2017531062A (ja) * 2014-08-25 2017-10-19 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー ポリウレタン接着剤組成物

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