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JP2010001865A - エンジン - Google Patents

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JP2010001865A
JP2010001865A JP2008163355A JP2008163355A JP2010001865A JP 2010001865 A JP2010001865 A JP 2010001865A JP 2008163355 A JP2008163355 A JP 2008163355A JP 2008163355 A JP2008163355 A JP 2008163355A JP 2010001865 A JP2010001865 A JP 2010001865A
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discharge
combustion chamber
radicals
intake
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JP2008163355A
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English (en)
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Eiji Takahashi
英二 高橋
Taisuke Shiraishi
泰介 白石
Tomonori Urushibara
友則 漆原
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Priority to CN200880115712A priority patent/CN101855444A/zh
Priority to PCT/JP2008/071166 priority patent/WO2009064028A1/ja
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

【課題】着火性向上効果を高めることができるエンジンを提供する。
【解決手段】本発明は、燃焼室内にラジカルを供給するエンジンにおいて、吸気ポート30を開閉する吸気弁31と、吸気弁31のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置200と、第1電極51と、第1電極51を覆う誘電体53と、誘電体53と対向する位置に配置される第2電極52とを有し、第2電極52と誘電体53との間に形成される放電室55が燃焼室13に臨むように構成され、放電室内で非平衡プラズマ放電を発生させる放電部50と、非平衡プラズマ放電によって放電室内にラジカルが生成するように放電部50に電圧を印加する電圧印加手段60と、排気上死点から吸気下死点へのピストン下降中に吸気弁31が閉弁する吸気弁閉期間を有するようにバルブタイミング制御装置200を制御して、放電室内のラジカルを燃焼室内に拡散させる制御手段70と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃焼室内にラジカルを供給するエンジンに関する。
従来から、混合気をピストンの圧縮作用によって圧縮着火燃焼させる圧縮着火エンジンが広く知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1には、非平衡プラズマ放電する放電部を燃焼室の中央部に臨むように設け、この放電部において非平衡プラズマ放電してラジカルを生成する圧縮着火エンジンが開示されている。このラジカルは反応性の高い活性化学種であるので、混合気の着火性を向上させることができる。
特開2007−309160号公報
しかしながら、特許文献1に記載のエンジンでは、シリンダヘッドに窪みを設けて放電部を形成するので、放電部において生成されたラジカルが燃焼室側に流出しにくく、ラジカルと燃焼室内の混合気とが混ざりにくい。そのため、ラジカルによる着火性向上効果が低減するという問題がある。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、着火性向上効果を高めることができるエンジンを提供することを目的とする。
本発明は、以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、燃焼室内にラジカルを供給するエンジンにおいて、吸気ポート(30)を開閉する吸気弁(31)と、吸気弁(31)のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置(200)と、第1電極(51)と、第1電極(51)を覆う誘電体(53)と、誘電体(53)と対向する位置に配置される第2電極(52)とを有し、第2電極(52)と誘電体(53)との間に形成される放電室(55)が燃焼室(13)に臨むように構成され、放電室内で非平衡プラズマ放電を発生させる放電部(50)と、非平衡プラズマ放電によって放電室内にラジカルが生成するように放電部(50)に電圧を印加する電圧印加手段(60)と、排気上死点から吸気下死点へのピストン下降中に吸気弁(31)が閉弁する吸気弁閉期間を有するようにバルブタイミング制御装置(200)を制御して、放電室内のラジカルを燃焼室内に拡散させる制御手段(70)と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、筒内圧の低下を利用して放電室内のラジカルを燃焼室側に流出させることができる。これにより、ラジカルが混合気中に拡散するので、ラジカルによる着火性向上効果を高めることが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、圧縮着火エンジン100の概略構成図である。
圧縮着火エンジン100は、シリンダブロック10と、シリンダブロック10の上側に配置されるシリンダヘッド20とを備える。
シリンダブロック10には、ピストン11を収納するシリンダ12が形成される。そして、ピストン11の冠面と、シリンダ12の壁面と、シリンダヘッド20の下面とによって燃焼室13を形成する。この燃焼室13で混合気が燃焼すると、ピストン11は燃焼による燃焼圧力を受けてシリンダ12を往復動する。
シリンダヘッド20には、燃焼室13に混合気を流す吸気ポート30と、燃焼室13からの排気を流す排気ポート40とが形成される。
吸気ポート30には、吸気弁31が設けられる。吸気弁31は、可変動弁装置200の揺動カム210によって駆動され、ピストン11の上下動に応じて吸気ポート30を開閉する。可変動弁装置200は、吸気弁31のリフト量やバルブタイミング等のバルブ特性を変更する。また、吸気ポート30には燃料噴射弁32が設置されている。この燃料噴射弁32は、排気行程や吸気行程中の所定時期に吸気ポート30の燃焼室13への開口部に向けて燃料を噴射する。
排気ポート40には、排気弁41が設けられる。排気弁41は、カムシャフト42に一体形成されたカム43によって駆動され、ピストン11の上下動に応じて排気ポート40を開閉する。
図2及び図3を参照して、吸気弁31のバルブ特性を変更する可変動弁装置200について説明する。図2は、可変動弁装置200の概略構成図である。また、図3は、可変動弁装置200によって駆動される吸気弁31のリフト量及び作動角の一例を示す図である。
図2に示すように、可変動弁装置200は、揺動カム210と、揺動カム210を揺動させる揺動カム駆動機構220と、吸気弁31のリフト量を連続的に変化させ得るリフト量可変機構230とを備える。
揺動カム210は、シリンダ列方向に延びる駆動軸221の外周に回転自在に嵌合する。圧縮着火エンジン100は一つの気筒に対して2つの吸気弁31を備えるので、一つの気筒に2つの揺動カム210とバルブリフタ211とが設けられる。2つの揺動カム210は、駆動軸221に対して回転自在に挿通された連結筒221Aによって同一位相状態で結合され、互いに同期して同一に作動する。そのため、揺動カム駆動機構220は、1つの揺動カム210に対してのみ備えられる。
揺動カム駆動機構220の駆動軸221には、偏心カム222が圧入される。円形外周面を有する偏心カム222は、その外周面の中心が駆動軸221の軸心から所定量だけオフセットする。駆動軸221は、クランクシャフトの回転に連動して回転するため、偏心カム222は駆動軸221の軸心回りに偏心回転する。
偏心カム222の外周には、第1リンク223の基端側の環状部224が回転可能に嵌合している。第1リンク223の先端は、連結ピン225を介してロッカアーム226の一端と連結する。また、ロッカアーム226の他端は、連結ピン227を介して第2リンク228の上端と連結する。第2リンク228の下端は、連結ピン229を介して、吸気弁31を駆動する揺動カム210と連結する。なお、ロッカアーム226の略中央部は、リフト量可変機構230の制御軸231に圧入された偏心カム部232に揺動自在に支持される。
駆動軸221がエンジン回転に同期して回転すると、偏心カム222が偏心回転し、これにより第1リンク223が上下方向に揺動する。第1リンク223の揺動によりロッカアーム226が偏心カム部232の軸周りに揺動し、第2リンク228が上下に揺動して、揺動カム210を駆動軸221の軸回りに所定の回転角度範囲で揺動運動させる。このように揺動カム210は互いに同期して同一に揺動することで、吸気弁31が吸気ポート30を開閉する。
可変動弁装置200では、駆動軸221の一端がカムスプロケットに挿入されており、駆動軸221はカムスプロケットに対して相対回転するように構成されている。そのため、駆動軸221はカムスプロケットに対する位相を変更でき、クランクシャフトに対する駆動軸221の回転位相を変更できる。
また、リフト量可変機構230の制御軸231の一端には、ギア等を介してアクチュエータが設けられる。このアクチュエータによって制御軸231の回転位置を変化させることで、ロッカアーム226の揺動中心となる偏心カム部232の軸心が制御軸231の回転中心周りを旋回し、これに伴いロッカアーム226の支点が変位する。これにより、第1リンク223及び第2リンク228の姿勢が変化して、揺動カム210の揺動中心とロッカアーム226の回転中心との距離が変化し、揺動カム210の揺動特性が変化する。
上記した可変動弁装置200では、制御軸231の角度及び駆動軸221のカムスプロケットに対する位相を変更することで、図3に示すように吸気弁31のリフト量や作動角などのバルブ特性を連続的に変更することができる。
一方、吸気ポート30と排気ポート40との間であってシリンダヘッド20の中心部には、図1に示すように、ラジカルを生成するための放電部50が設置される。放電部50は、中心電極51と、円筒電極52と、絶縁部53と、主体金具54とを備える。
放電部50は、絶縁部53の軸方向中央に設けられた主体金具54によってシリンダヘッド20に設置される。
中心電極51は、棒状の導電体からなり、先端が主体金具54から放電室55側に突出するように延設される。中心電極51は、誘電体からなる絶縁部53によって覆われている。また、中心電極51の後端には、後端側端子51Aが設けられる。
円筒電極52は、円筒形状の導電体であって、絶縁部53を取り囲みかつ中心電極51に対向するように設けられる。この円筒電極52は、シリンダヘッド20を介して接地される。絶縁部53と円筒電極52との間には、燃焼室13に臨む放電室55が形成される。
放電部50は、中心電極51の後端側端子51Aを介して高電圧高周波発生器60と接続する。高電圧高周波発生器60は、エンジン運転状態に応じて交流電圧を後端側端子51Aに印加する。
高電圧高周波発生器60から後端側端子51Aに交流電圧が印加されると、放電部50の絶縁部53と円筒電極52との間で非平衡プラズマ放電し、放電室55の内部にラジカルが生成される。ラジカルの生成量は、非平衡プラズマ放電の放電エネルギーが大きくなるほど増大する。非平衡プラズマ放電の放電エネルギーは、高電圧高周波発生器60によって印加される交流電圧の電圧値、印加時間、交流周波数によって制御される。
圧縮着火エンジン100は、高電圧高周波発生器60や可変動弁装置200を制御するため、コントローラ70を備える。コントローラ70はCPU、ROM、RAM及びI/Oインタフェースを有する。このコントローラ70には、エンジン回転速度、エンジン負荷など、エンジン運転状態を検出する各種センサの出力が入力する。コントローラ70は、これら出力に基づいて高電圧高周波発生器60からの交流電圧の電圧値、印加時間、交流周波数を制御したり、可変動弁装置200を制御して吸気弁31のバルブ特性を変更したりする。
上記した圧縮着火エンジン100では、圧縮着火燃焼時の着火性を向上させるためにラジカルを生成するが、放電室内にラジカルを生成するため、ラジカルと燃焼室内の混合気とが混ざりにくい。そのため、ラジカルによる着火性向上効果が低減する。そこで、圧縮着火エンジン100では、吸気弁31のバルブ特性と放電部50でのラジカル生成時期とを調整して、ラジカルが混合気内に拡散するように制御(ラジカル拡散制御)することで、着火性向上効果を高める。
このラジカル拡散制御について、図4及び図5を参照して説明する。
図4は、エンジン回転速度と負荷とによって表わされる運転マップである。圧縮着火エンジン100は、図4に示す運転マップに基づいて運転される。
エンジン運転状態が高回転速度側や高負荷側の領域Bにある場合には、圧縮着火燃焼時における着火性はそれほど問題にならないので、ラジカル拡散制御することなく通常制御を実施する。この通常制御では、排気上死点前のIVOで開弁し、吸気下死点後のIVCで閉弁するように吸気弁31を制御するとともに、排気行程や吸気行程中の所定時期にラジカルを生成するように放電部50を制御する。
これに対して、エンジン運転状態が低回転速度・低負荷の領域Aにある場合には、ラジカル拡散制御を実施する。このように制御するのは、低回転速度・低負荷域では、圧縮行程において圧縮された混合気の温度が低下して着火性が悪化するからである。このラジカル拡散制御では、吸気弁31のIVCを吸気下死点よりも前に進角制御し、放電部50でのラジカルの生成時期をIVCよりも前に制御する。
図5は、ラジカル拡散制御の作用を示すタイミングチャートである。
図5(B)に示すように、ピストン11が排気上死点に上昇する排気行程において燃焼室内の排気が排出される。そして、図5(A)に示すように、排気行程後半においてピストン11が排気上死点に到達するまでの間、放電部50で非平衡プラズマ放電する。そのため、排気上死点までは、放電室内のラジカル量が増加する。
吸気弁31は、排気上死点前に開弁して、吸気下死点よりも前に閉弁するように制御される。排気上死点前に吸気弁31が開くと、図5(B)に示すように吸気ポート内に形成された混合気が燃焼室13に導入される。吸気弁31は吸気下死点前に閉弁するが、吸気弁閉弁後もピストン11が下降するため、燃焼室内の圧力(筒内圧)は低下する。このように筒内圧が低下すると、図5(D)に示すように放電室55のラジカルが燃焼室側に流出して、ラジカルが燃焼室13の混合気中に拡散する。
ピストン11が吸気下死点を経過して圧縮上死点に向かって上昇し始めると、図5(E)に示すようにラジカルを含む混合気が放電室内に流入する。そのため、図5(A)に示すように、吸気下死点後しばらくすると放電室内における混合気量が増加する。そして、ピストン11が圧縮上死点近傍に達すると、放電室内及び燃焼室内の混合気が圧縮着火燃焼する。
以上により、圧縮着火エンジン100では、下記の効果を得ることができる。
圧縮着火エンジン100では、吸気弁31のIVCを吸気下死点よりも前に進角制御して、このIVCよりも前に放電部50においてラジカルを生成するので、筒内圧の低下を利用して放電室内のラジカルを燃焼室側に流出させることができる。これにより、ラジカルが混合気中に拡散するので、ラジカルによる着火性向上効果を高めることが可能となる。
圧縮着火エンジン100では、着火性が悪化しやすい低回転速度・低負荷域において、ラジカル拡散制御を実行するので、エンジン運転状態によらず安定して圧縮着火燃焼させることが可能となる。
(第2実施形態)
第2実施形態の圧縮着火エンジン100の構成は、第1実施形態とほぼ同様であるが、領域Aよりも低負荷側でのエンジン運転において一部相違する。つまり、エンジン運転状態が低負荷側にある場合に第2ラジカル拡散制御を実施するようにしたもので、以下にその相違点を中心に説明する。
図6は、エンジン回転速度と負荷とによって表わされる運転マップである。圧縮着火エンジン100は、図6に示す運転マップに基づいて運転される。
圧縮着火エンジン100では、低回転速度・低負荷の領域Aにおいてラジカル拡散制御(第1ラジカル拡散制御)を実施し、領域Aよりも低負荷側の領域Cにおいて第2ラジカル拡散制御を実施する。この第2ラジカル拡散制御では、可変動弁装置200によって、吸気弁31のIVOを排気上死点よりも後に遅角制御し、IVCを吸気下死点よりも前に進角制御する。そして、高電圧高周波発生器60によって、IVOよりも前と、IVO後であってIVCの前とにおいて放電部50で非平衡プラズマ放電して、ラジカルを生成させる。
第2ラジカル拡散制御の作用について、図7を参照して説明する
圧縮着火エンジン100では、図7(A)に示すように、排気上死点前の排気行程後半において、放電部50で1回目の非平衡プラズマ放電を実施して、放電室内のラジカル量を増加させる。
吸気弁31は、排気上死点後に開弁する。吸気弁開弁前にピストン11が下降するので、筒内圧が低下し、図7(B)に示すように放電室55に生成されたラジカルが燃焼室側に流出する。排気上死点後に吸気弁31が開弁すると、図7(C)に示すように吸気ポート内に形成された混合気が燃焼室13に導入される。このとき、吸気ポートから燃焼室内に流れ込む混合気と、燃焼室内に流出したラジカルとが混ざり合う。また、筒内圧は上述の通り低下しているので、混合気が燃焼室内に導入された際に、一部の混合気が放電部50の放電室55に流入する。そのため、図7(A)に示すように、吸気弁開弁後しばらくすると、放電室内の混合気量が増加する。
そして、吸気弁開弁後から吸気弁31が閉弁するまでの間に、放電部50で2回目の非平衡プラズマ放電が実施される。2回目の非平衡プラズマ放電時には、放電室内に混合気が存在するので、1回目の非平衡プラズマ放電時よりもラジカル生成効率が高くなる。
吸気弁31は吸気下死点前に閉弁するが、吸気弁閉弁後もピストン11が吸気下死点に達するまではピストン11が下降するため、筒内圧が低下する。このように筒内圧が低下すると、図7(D)に示すように放電室55に生成されたラジカルが再び燃焼室側に流出して、ラジカルが燃焼室13の混合気中に拡散する。
ピストン11が圧縮上死点に向かって上昇し始めると、図7(E)に示すようにラジカルを含む混合気が放電室内に流入する。そして、ピストン11が圧縮上死点近傍に達すると、放電室内及び燃焼室内の混合気が圧縮着火燃焼する。
以上により、圧縮着火エンジン100では、下記の効果を得ることができる。
圧縮着火エンジン100では、低負荷側の領域Cにおいて、吸気弁31のIVOを排気上死点よりも後に遅角制御し、IVCを吸気下死点よりも前に進角制御する。そして、IVOよりも前に1回目の非平衡プラズマ放電を実施し、IVO後であってIVCの前に2回目の非平衡プラズマ放電を実施して、放電部50の放電室内にラジカルを生成させる。
そのため、放電室内のラジカルを燃焼室側に流出させる回数を増やすことができ、第1実施形態よりもラジカルが混合気中に拡散しやすくなり、ラジカルによる着火性向上効果をさらに高めることがきる。これにより、混合気の着火性が悪化する低負荷側の領域Cにおいても、安定して圧縮着火燃焼させることが可能となる。
(第3実施形態)
図8は、第3実施形態の圧縮着火エンジン100の概略構成図である。
第3実施形態の圧縮着火エンジン100の構成は、第2実施形態とほぼ同様であるが、燃料噴射弁32の設置位置において一部相違する。つまり、燃料噴射弁32は、燃焼室内に直接燃料を噴射するように配置したもので、以下にその相違点を中心に説明する。
図8に示すように、燃料噴射弁32は、燃焼室内に燃料を直接噴射するようにシリンダヘッド20に配置される。燃料噴射弁32は、吸気弁31が開弁する前に燃料を噴射する。燃料噴射弁32は、噴射された燃料の一部が放電部50の円筒電極52の開口端52Aを指向するように構成される。
上記のような圧縮着火エンジン100では、エンジン運転状態が領域Cにある場合に、以下の効果を得ることができる。
第2ラジカル拡散制御での2回目の非平衡プラズマ放電を実施する前に、放電部50の放電室55内に燃料を直接吹き入れるので、第2実施形態のように放電室内に混合気が流入する場合よりもラジカル生成効率を高めることができる。これにより、放電部50への投入エネルギーを抑制することが可能となる。
(第4実施形態)
図9は、第4実施形態の圧縮着火エンジン100の概略構成図である。図9(A)は放電部50を示す図であり、図9(B)は、図9(A)をB方向から見たときの図である。
第4実施形態の圧縮着火エンジン100の構成は、第1実施形態とほぼ同様であるが、放電部50の構成において一部相違する。つまり、放電部50の放電室55と燃焼室13とを円筒電極52に形成した連通路52Bによって連通するようにしたもので、以下にその相違点を中心に説明する。
放電部50の円筒電極52は、図9(A)に示すように、中心電極51を覆う絶縁部53を取り囲むように構成される。そのため、絶縁部53と円筒電極52との間に形成された空間が放電室55となる。円筒電極52は、先端に小径の連通路52Bが複数設けられており、連通路52Bによって放電室55と燃焼室13とが連通する。これら連通路52Bは、図9(B)に示すように、円筒電極52の先端側面の周方向に等間隔で配置される。
上記のように構成される圧縮着火エンジン100では、吸気弁閉弁後のピストン下降によって生じる筒内圧の低下を利用して、放電室内のラジカルを燃焼室側に流出させる。ラジカルの流出速度は、ラジカルが連通路52Bを通って燃焼室13へ流出するときに高速化される。また、ラジカルは、図9(B)に示すように燃焼室内に放射状に噴出する。
以上により、圧縮着火エンジン100では、下記の効果を得ることができる。
圧縮着火エンジン100では、高速化されたラジカルを燃焼室内に放射状に噴出するので、ラジカルが第1実施形態よりも混合気中に拡散しやすくなり、ラジカルによる着火性向上効果をさらに高めることが可能となる。
(第5実施形態)
図10は、第5実施形態の圧縮着火エンジン100の概略構成図である。
第5実施形態の圧縮着火エンジン100の構成は、第4実施形態とほぼ同様であるが、領域Aよりも低負荷側でのエンジン運転において一部相違する。つまり、エンジン運転状態が低負荷側にある場合に混合気を成層化するようにしたもので、以下にその相違点を中心に説明する。
図10に示すように、ピストン11は、ピストン冠面の一部が窪むように形成された凹部11Aを有する。
そして、放電部50の円筒電極52の連通路52Bは、連通路52Bから噴出するラジカルがピストン11の凹部11Aを指向するように配置される。
また、燃料噴射弁32は、燃焼室内に燃料を直接噴射するようにシリンダヘッド20に配置される。この燃料噴射弁32は、噴射された燃料がピストン11の凹部11Aを指向するように構成される。
上記のように構成される圧縮着火エンジン100は、図11(A)に示すように、領域Aよりも低負荷側の領域Cにおいて、燃料噴射弁32を圧縮行程中に駆動して混合気の成層化を図る。なお、領域Cにおいても、領域Aと同様のラジカル拡散制御を実施する。
エンジン運転状態が領域Cにある場合の圧縮着火エンジン100の成層運転について、図11(B)及び図11(C)を参照して説明する。
圧縮着火エンジン100では、領域Cにおいてもラジカル拡散制御を実施するので、吸気弁閉弁後からピストン11が吸気下死点に下降までの期間に、図11(B)に示すように、放電室内に形成されたラジカルが連通路52Bを介して燃焼室側に噴出する。このラジカルは、図11(B)の領域Rに示す通り、ピストン11の凹部11Aに向かって噴出する。
そして、ピストン11が圧縮上死点に向かって上昇する圧縮行程中に、燃料噴射弁32から燃料が燃焼室内に直接噴射される。この燃料は、図11(B)の領域Fに示すようにピストン11の凹部11Aに向かって噴射される。このときラジカルは、図11(C)の領域Rに示すようにピストン11の凹部11Aに滞留しているので、ラジカルと燃料とが凹部11Aで混ざり合って成層化された混合気となる。その後、ピストン11が圧縮上死点近傍に達すると、混合気が圧縮着火燃焼する。
以上により、圧縮着火エンジン100では、下記の効果を得ることができる。
圧縮着火エンジン100では、低負荷側の領域Cにおいて、ピストン11の凹部11Aにラジカルを滞留させるとともに、圧縮行程中に凹部11Aに向かって燃料を噴射する。そのため、低負荷側の領域Cにおいて成層運転しても、効率的に着火性を向上させることができる。また、この成層運転により、燃費性能の向上を図ることも可能となる。
本発明は上記した実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなし得ることは明白である。
第1実施形態では、吸気弁11のIVCを吸気下死点よりも前に設定することで、筒内圧を低下させてラジカルを放電部50の放電室55から燃焼室側に流出させるように構成したが、これに限られるものではない。つまり、電磁アクチュエータによって吸気弁31のバルブタイミングを制御し、ピストン11が排気上死点から吸気下死点に下降するまでの間に吸気弁31が閉弁する期間(吸気弁閉期間)を設けるように構成してもよい。吸気弁閉弁期間中に筒内圧が低下するので、ラジカルを放電室55から燃焼室側に流出させることができ、ラジカルを混合気中に拡散させることができる。
第1実施形態の圧縮着火エンジンの概略構成図である。 可変動弁装置の概略構成図である。 吸気弁のリフト量及び作動角の一例を示す図である。 エンジン回転速度と負荷とによって表わされる運転マップである。 ラジカル拡散制御の作用を示すタイミングチャートである。 第2実施形態の圧縮着火エンジンの運転マップである。 第2ラジカル拡散制御の作用を示すタイミングチャートである。 第3実施形態の圧縮着火エンジンの概略構成図である。 第4実施形態の圧縮着火エンジンの概略構成図である。 第5実施形態の圧縮着火エンジンの概略構成図である。 圧縮着火エンジンの成層運転を示す図である。
符号の説明
100 圧縮着火エンジン
200 可変動弁装置(バルブタイミング調整装置)
10 シリンダブロック
11 ピストン
11A 凹部
12 シリンダ
13 燃焼室
20 シリンダヘッド
30 吸気ポート
31 吸気弁
32 燃料噴射弁(燃料供給手段)
50 放電部
51 中心電極(第1電極)
52 円筒電極(第2電極)
52B 連通路
53 絶縁部(絶縁体)
55 放電室
60 高電圧高周波発生器(電圧印加手段)
70 コントローラ(制御装置)

Claims (11)

  1. 燃焼室内にラジカルを供給するエンジンにおいて、
    吸気ポートを開閉する吸気弁と、
    前記吸気弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置と、
    第1電極と、第1電極を覆う誘電体と、誘電体と対向する位置に配置される第2電極とを有し、前記第2電極と前記誘電体との間に形成される放電室が燃焼室に臨むように構成され、前記放電室内で非平衡プラズマ放電を発生させる放電部と、
    非平衡プラズマ放電によって前記放電室内にラジカルが生成するように前記放電部に電圧を印加する電圧印加手段と、
    排気上死点から吸気下死点へのピストン下降中に前記吸気弁が閉弁する吸気弁閉期間を有するように前記バルブタイミング制御装置を制御して、前記放電室内のラジカルを燃焼室内に拡散させる制御手段と、
    を備えることを特徴とするエンジン。
  2. 前記制御手段は、排気上死点から前記吸気弁閉期間が終了するまでに非平衡プラズマ放電が発生するように前記電圧印加手段を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
  3. 前記制御手段は、前記吸気弁の閉弁時期が吸気下死点よりも前となるように前記バルブタイミング調整装置を制御し、前記吸気弁閉期間を設定する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジン。
  4. 前記制御手段は、前記吸気弁の開弁時期が排気上死点よりも後となるように前記バルブタイミング調整装置を制御し、前記吸気弁閉期間を設定する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジン。
  5. 前記制御手段は、前記吸気弁の開弁時期を排気上死点よりも後に制御して第1吸気弁閉期間を設定するとともに、前記吸気弁の閉弁時期を吸気下死点よりも前に制御して第2吸気弁閉期間を設定し、第1吸気弁閉期間の終了するまでに非平衡プラズマ放電を発生させるとともに、第1吸気弁閉期間終了後であって第2吸気弁閉期間が終了するまでに非平衡プラズマ放電を発生させるように前記電圧印加手段を制御する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジン。
  6. 前記エンジンに燃料を供給する燃料供給手段を備え、
    前記制御手段は、前記吸気弁が開弁する前に燃料を供給するように前記燃料供給手段を制御する、
    ことを特徴とする請求項5に記載のエンジン。
  7. 前記燃料供給手段は、燃焼室内に直接燃料を噴射するとともに、噴射された燃料が前記放電室を指向するように構成される、
    ことを特徴とする請求項6に記載のエンジン。
  8. 前記第2電極は、前記放電室と前記燃焼室とを隔てるように形成され、前記放電室と前記燃焼室とを連通する連通路を備える、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一つに記載のエンジン。
  9. 前記連通路は、略円筒形状の前記第2電極の周方向に均等に複数配置される、
    ことを特徴とする請求項8に記載のエンジン。
  10. ピストン冠面が窪むように形成された凹部を有するピストンと、
    燃焼室内に直接燃料を噴射するとともに、噴射された燃料が前記凹部に指向するように構成される燃料供給手段と、を備え、
    前記第2電極は、前記連通路から流出するラジカルが前記凹部に指向するように構成され、
    前記制御手段は、圧縮行程中に前記燃料供給手段によって燃料を噴射する、
    ことを特徴とする請求項8に記載のエンジン。
  11. 前記エンジンは、圧縮行程の圧縮作用によって混合気を圧縮着火燃焼させる圧縮着火エンジンである、
    ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一つに記載のエンジン。
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