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JP2009531288A5 - - Google Patents

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JP2009531288A5
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Description

代謝障害の処置のための化合物
(発明の背景)
糖尿病は、罹患率および死亡率のおもな原因となる。慢性的な血中グルコース上昇が以下の消耗性合併症につながる:多くの場合、透析または腎移植を必要とする腎症;末梢神経障害;失明につながる網膜症;切断につながる下肢の潰瘍形成;には肝硬変に進行する脂肪肝疾患;ならびに冠動脈疾患および心筋梗塞に対する脆弱性。
おもに2つ型の糖尿病がある。I型、つまりインスリン依存性糖尿病(IDDM)は、膵島のインスリン産生β細胞の自己免疫破壊によるものである。通常、この疾患の発症は、小児期または青年期である。過剰なインスリンが低血糖症を生じ、その結果、脳および他の機能障害を生じ得るため、処置はおもに、インスリン用量の調節を誘導するための頻繁な血中グルコース濃度の測定と組み合わせた、1日に複数回のインスリン注射からなる。
II型、つまり非インスリン依存性糖尿病(NIDDM)は、典型的に成人期に発症する。NIDDMは、インスリン作用に対する脂肪組織、筋および肝臓等のグルコース利用組織の低抗性に関連する。最初、膵島β細胞が過剰なインスリンを分泌することにより代償する。最終的に膵島不全が代償不全および慢性的な高血糖を生じる。逆に、末梢インスリン抵抗性より先に、または同時に、中等度の膵島の機能不全が発生し得る。NIDDMの処置に有用ないくつかのクラスの薬物がある1)インスリン放出剤、これは、インスリン放出を直接刺激し、低血糖症の危険がある、2)食事性のインスリン放出剤、これは、グルコース誘導性インスリン分泌を強化し、各食事の前に服用しなければならない、3)メトホルミンを含めたビグアナイド、これは肝臓の糖新生を減弱する(逆に言えば、糖尿病では上昇する)、4)インスリン抵抗性改善剤、例えば、チアゾリジンジオン誘導体であるロシグリタゾンおよびピオグリタゾン、これらはインスリンに対する末梢の反応性を改善するが、体重増加、浮腫および偶発的な肝毒性等の副作用を有する、5)インスリン注射、これは多くの場合、膵島が慢性的な過刺激下において機能しなくなった場合のNIDDM後期に必要となる。
また、インスリン抵抗性は、顕著な高血糖を伴うことなく生じる場合があり、一般に、アテローム性動脈硬化症、肥満、高脂血症および本態性高血圧に関連する。この異常群は、「メタボリックシンドローム」または「インスリン抵抗性症候群」を構成する。また、インスリン抵抗性は、脂肪肝と関連し、これは、慢性的な炎症(NASH;「非アルコール性脂肪肝炎」)、線維症および肝硬変に進行し得る。累積的に、40歳以上の人々の罹患率および死亡率のおもな原因の多くに、糖尿病を含むがそれだけに限定されないインスリン抵抗性症候群が根底にある。
このような薬剤の存在にも関わらず、糖尿病は、依然として、主要な、かつ増大する公衆衛生問題である。糖尿病後期の合併症により、国の医療財源の大部分が消費される。既存の薬剤に比べ副作用がより少ないかまたは軽減される、インスリン抵抗性および膵島不全の原発性欠損に効果的に対処する新規の経口活性治療剤が必要である。
現在、脂肪肝疾患の安全で効果的な処置はない。それゆえ、このような処置は、この病気を処置する場合に価値のあるものになるだろう。
(発明の要旨)
本発明は、以下に記載の生物学的に活性な薬剤を提供する。本発明は、インスリン抵抗性症候群、糖尿病、悪液質、高脂血症、脂肪肝疾患、肥満、アテローム性動脈硬化症または動脈硬化症の処置のための医薬品の製造において以下に記載の生物学的に活性な薬剤の使用を提供する。本発明は、インスリン抵抗性症候群、糖尿病、悪液質、高脂血症、脂肪肝疾患、肥満、アテローム性動脈硬化症または動脈硬化症を有する哺乳類被験体を処置する方法であって、以下に記載の生物学的に活性な薬剤の有効量を被験体に投与することを含む方法を提供する。本発明は、以下に記載の生物学的に活性な薬剤を含む医薬組成物および薬学的に許容される担体を提供する。
本発明における生物学的に活性な薬剤は、式I
Figure 2009531288
[式中、nは1または2であり、qは0または1であり、tは0または1であり、Rは、炭素原子1〜3個を有するアルキルであり、Rは、水素、ハロ、炭素原子1〜3個を有するアルキルまたは炭素原子1〜3個を有するアルコキシであり、Aは、非置換の、またはハロ、炭素原子1もしくは2個を有するアルキル、ペルフルオロメチル、ヒドロキシ、炭素原子1もしくは2個を有するアルコキシおよびペルフルオロメトキシから選択される1もしくは2個の基により置換されたフェニルであるか、あるいは環炭素原子3〜6個を有するシクロアルキルであって、シクロアルキルは非置換されているか、あるいは環炭素1もしくは2個は、独立してメチルもしくはエチルにより一置換されているか、あるいはN、SおよびOから選択される環ヘテロ原子1もしくは2個を有する5もしくは6員ヘテロ芳香族環であって、ヘテロ芳香族環は、環炭素により式Iの化合物の残部に共有結合している]の化合物である。あるいは、生物学的に活性な薬剤は、式Iの化合物の薬学的に許容される塩であってよい。
本発明の生物学的に活性な薬剤は、以下に記載の1つ以上の生物学的活性アッセイにおいて活性を有すると考えられ、これは、ヒト糖尿病およびインスリン抵抗性症候群の動物モデルにより確立される。それゆえ、このような薬剤は、糖尿病およびインスリン抵抗性症候群の処置に有用である。
(発明の詳細な説明)
(定義)
本明細書において使用される「アルキル」という用語は、直鎖または分岐鎖アルキル基を意味する。特定の炭素原子数を有する同定されるアルキル基は、その指定した炭素数を有する任意のアルキル基を意味する。例えば、炭素原子3個を有するアルキルは、プロピルまたはイソプロピルであってよく、炭素原子4個を有するアルキルは、n−ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピルまたはt−ブチルであってよい。
本明細書において使用される「ハロ」という用語、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードのうちの1個以上を指す。
本明細書において使用される、ペルフルオロメチルまたはペルフルオロメトキシにおいてのような「ペルフルオロ」という用語は、当該基が、全ての水素原子に代わりフッ素原子を有することを意味する。
本明細書において使用される「Ac」は、CHC(O)−基を指す。
本明細書において、特定の化合物は、それぞれの化学名または以下に示される2文字のコードにより表される。化合物DGは、上記に示される式Iの範囲内に含まれる。
DG 2,6−ジフルオロ−4−(3−(2,6−ジメチルベンジルオキシ)フェニル)フェノール
本明細書において使用される移行部の語句の「含む」は、オープンエンド形式である。この語句を利用する請求項は、このような請求項において列挙されるものに加えて複数の要素を含有することができる。
(本発明の化合物)
上記要旨に記載の薬剤、使用、方法または医薬組成物の実施形態において、nは1であり、qは0であり、tは0であり、Rは水素であり、Aは、非置換の、またはハロ、ヒドロキシ、炭素原子1もしくは2個を有するアルキル、ペルフルオロメチル、炭素原子1もしくは2個を有するアルコキシおよびペルフルオロメトキシから選択される1もしくは2個の基により置換されるフェニルである。本発明の実施形態において、「A」は、2,6−ジメチルフェニルである。このような化合物の例は、化合物DGを含む。
本発明の生物学的に活性な薬剤の実施形態において、本薬剤は、実質的に(少なくとも98%)純粋な形態である。
(反応スキーム)
本発明の生物学的に活性な薬剤を以下の反応スキームに従い作製することができる。
式I[式中、qは0または1であり、tは0または1であり、nは1または2であり、Rは、炭素原子1〜3個を有するアルキルであり、Rは、水素、ハロ、炭素原子1〜3個を有するアルコキシである]の化合物、すなわち、式:
Figure 2009531288
[式中、Aは上記のとおりに記載される]の化合物をスキーム1の反応を経て調製することができる。
スキーム1の反応において、A、t、n、q、RおよびRは上記の通りである。Pは、加水分解可能なエステル保護基である。Xは、臭化物またはヨウ化物である。
式IVの化合物は、鈴木カップリングにより、または手順(a)の反応を経て式IIIの化合物の臭化エステルと式IIの化合物のクロスカップリング反応によるFuプロトコールを使用して合成することができる。パラジウム、例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)などにより、反応を触媒する。塩基、例えば、炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、フッ化セシウム、フッ化カリウムなどの存在下において、反応を実施する。一般に、溶、例えばテトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ベンゼンなどにおいて、反応を実施する。一般に、0℃〜還流までの温度にて反応を実施する。鈴木カップリングで慣行の条件の任意のものを利用して手順(a)の反応を実施することができる。生成物を抽出、蒸発、クロマトグラフィーおよび再結晶等の技法により離し、精製することができる。
T.GreeneのProtective Groups in Organic Synthesisに記載のもの等の適切な脱保護試薬を利用して保護基を脱保護することにより、手順(b)の反応を経て式IVの化合物を式Iの化合物に変換することができる。
Aがヒドロキシル1または2基により置換されたフェニルである場合、一般に、反応を通してヒドロキシル基を保護する適切な保護基でヒドロキシル基を保護することが好ましい。適切な保護基は、T.GreeneのProtective Groups in Organic Synthesisに記載される。
T.GreeneのProtective Groups in Organic Synthesisに記載のもの等の適切な脱保護試薬を利用して、保護基を脱保護することができる。
(反応スキーム1)
Figure 2009531288
式II[式中、qは0または1であり、tは0または1であり、nは1または2であり、Rは、炭素原子1〜3個を有するアルキルであり、Rは、水素、ハロ、炭素原子1〜3個を有するアルコキシまたは炭素原子1〜3個を有するアルキルであり、Xは臭化物またはヨウ化物である]の化合物、すなわち、式:
Figure 2009531288
[式中、Aは上記のとおりに記載される]の化合物をスキーム2の反応を経て調製することができる。
スキーム2の反応において、A、t、n、q、RおよびRは、上記のとおりである。Xは、臭化物またはヨウ化物であり、Yは、脱離基またはハロゲン化物である。Y´は、クロロまたはブロモである。
トリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジエチルまたはアゾジカルボン酸ジイソプロピルを使用する、VIの光延縮合を使用する手順(c)の反応を経て、式Vの化合物を式IXの化合物に変換することができる。適切な溶、例えばテトラヒドロフランにおいて反応を実施する。従来、光延反応において使用される条件の任意のものを利用して、手順(c)の反応を実施することができる。
また、手順(c)の反応のとおり、式VIIの化合物または式VIIIの化合物で式Vの化合物をエーテル化またはアルキル化することにより、式IXの化合物を調製することができる。式VIIの化合物において、Yとしては、メシルオキシ、トシルオキシ、クロロ、ブロモ、ヨードなどが挙げられるがそれだけに限定されない。脱離基またはハロゲン化物と反応することにより、ヒドロキシル基をエーテル化する従来の方法の任意のものを利用して、手順(c)の反応を実施することができる。生成物を抽出、蒸発、クロマトグラフィーおよび再結晶等の技法により離し、精製することができる。
式IXの化合物は、式II[式中、qは0または1である]の化合物である。
Aがヒドロキシル1または2基により置換されたフェニルである場合、一般に、反応を通してヒドロキシル基を保護する適切な保護基でヒドロキシル基を保護することが好ましい。適切な保護基は、T.GreeneのProtective Groups in Organic Synthesisに記載される。
(反応スキーム2)
Figure 2009531288
式III
Figure 2009531288
[式中、Pは、加水分解可能なエステル保護基である]の化合物をスキーム3の反応を経て調製することができる。スキーム3の反応において、Pは上記の通りである。
式Xの化合物において、低級アルカノイル基等の加水分解可能な保護基により、手順(d)の反応を経てフェノール基を保護することができる。適切な保護基は、T.GreeneのProtective Groups in Organic Synthesisに記載される。
ニトロ基をアミノ基に還元することにより、手順(e)の反応を経て式XIの化合物を式XIIの化合物に変換することができる。任意の従来の還元剤、例えばZn、Sn、Feおよび酸を利用して、手順(e)の反応を実施することができる。また、水素化を経て、式XIの化合物を式XIIの化合物に還元することができる。従来の水素化の方法のうち、例えば、エタノール中10%Pd/Cの存在下で水素ガスを用いエタノールなどの中で1,4−シクロヘキサジエンまたはシクロヘキンのどちらかを使用する不均質な触媒による移動水素化である。一般に、0℃〜還流までの温度にて反応を実施する。このような還元反応で慣行の条件の任意のものを利用して、手順(e)の反応を実施することができる。
48%HBrの亜硝酸ナトリウムおよび臭化銅無水物と式XIIの化合物を反応させることによるザンドマイヤー反応により、手順(f)の反応を経て式XIIの化合物を式XIIIの臭化アリールに変換することができる。一般に、0℃〜還流までの温度にて反応を実施する。従来、ザンドマイヤー反応に使用される条件の任意のものを利用して、手順(f)の反応を実施することができる。
触媒、例えば[1,1ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)などを使用する、ビス(ピナコラト)ジボロンと式XIIIの化合物のクロスカップリング反応により、手順(g)の反応を経て式XIIIの化合物を式IIIの化合物に変換することができる。一般に、適切な塩基、例えば酢酸カリウム、トリエチルアミンなどを利用して反応を実施する。従来の溶、例えばジオキサン、トルエン、ジメチルスルホキシドなどにおいて反応を実施する。一般に、0℃〜還流までの温度にて反応を実施する。従来、宮浦ホウ素化反応に使用される条件の任意のものを利用して手順(g)の反応を実施することができる。生成物を抽出、蒸発、クロマトグラフィーおよび再結晶等の技法により離し、精製することができる。
(反応スキーム3)
Figure 2009531288
式VI[式中、tは0または1であり、nは1または2である]の化合物、すなわち、式:
A−(CHt+n−OH
の化合物および式VII[式中、tは0または1であり、nは1または2である]の化合物、すなわち、式:
A−(CHt+n−Y
の化合物をスキーム4の反応を経て調製することができる。スキーム4の反応において、Aは上記のとおりに記載される。Yは脱離基である。
手順(h)の反応を経て式XIVの化合物を式XVの化合物に還元することができる。従来の還元剤、例えば、水素化リチウムアルミニウム等の水素化アルカリ金属を利用して反応を実施する。テトラヒドロフラン等の適切な溶において反応を実施する。このような還元反応で慣行の条件の任意のものを利用して手順(h)の反応を実施することができる。式XVの化合物は、式VI[式中、tは0であり、nは1である]の化合物である。
好ましいハロゲンがブロモまたはクロロであるハロゲン基でヒドロキシル基を置換することにより、式XVの化合物を式XVIの化合物に変換することができる。適当なハロゲン化試薬としては、塩化チオニル、臭素、三臭化リン、四臭化炭素などが挙げられるが、それらに限定されない。このようなハロゲン化反応で慣行の任意の条件を利用して手順(i)の反応を実施することができる。式XVIの化合物は、式VII[式中、tは0であり、nは1である]の化合物である。
XVIとアルカリ金属シアン化物、例えばシアン化ナトリウムまたはシアン化カリウムを反応させることにより、式XVIの化合物を式XVIIの化合物に変換することができる。適切な溶、例えばエタノールまたはジメチルスルホキシドにおいて反応を実施する。従来、ニトリルの調製に使用される条件の任意のものを利用して、手順(j)の反応を実施することができる。
酸または塩基性加水分解により、反応手順(k)を経て式XVIIの化合物を式XVIIIの化合物に変換することができる。この反応を実施する場合、一般に、塩基性加水分解、例えば水酸化ナトリウム水溶液を利用することが好ましい。従来、ニトリルの加水分解に使用される条件の任意のものを利用して手順(k)の反応を実施することができる。
手順(l)の反応を経て、式XVIIIの化合物を還元し、式XIXの化合物を得ることができる。手順(h)の反応において上記と同じように、この反応を実施することができる。式XIXの化合物は、式VI[式中、tは1であり、nは1である]の化合物である。
手順(i)の反応に関連して上記と同じように手順(m)の反応を経て式XIXの化合物を式XXの化合物に変換することができる。式XXの化合物は、式VII[式中、tは1であり、nは1である]の化合物である。
適切な塩基、例えば水素化ナトリウムを利用して式XVIの化合物をマロン酸ジエチルと反応させ、式XXIの化合物を得ることができる。適切な溶、例えば、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランなどにおいて反応を実施する。このようなアルキル化反応で慣行の条件の任意のものを利用して手順(n)の反応を実施することができる。
適切な溶、例えば、エタノール−水中の水酸化ナトリウムを利用して、式XXIの化合物を加水分解および脱カルボキシル化し、式XXIIの化合物を得ることができる。このような反応で慣行の条件の任意のものを利用して手順(o)の反応を実施することができる。
手順(h)の反応に関連して上記と同じように手順(p)の反応を経て式XXIIの化合物を式XXIIIの化合物に変換することができる。式XXIIIの化合物は、式VII[式中、tは1であり、nは2である]の化合物である。
手順(i)の反応に関連して上記と同じように手順(q)の反応を経て式XXIIIの化合物を式XXIVの化合物に変換することができる。式XXIVの化合物は、式VII[式中、tは1であり、nは2である]の化合物である。生成物は、抽出、蒸発、クロマトグラフィーおよび再結晶等の技法により離し、精製することができる。
Aが、ヒドロキシル1または2基により置換されたフェニルである場合、一般に、式XIVの化合物のヒドロキシル基を保護することが好ましい。適切な保護基は、T.GreeneのProtective Groups in Organic Synthesisに記載される。
(反応スキーム4)
Figure 2009531288
式VIII[式中、tは0または1であり、nは1または2であり、qは1であり、Yはクロロまたはブロモである]の化合物、すなわち、式:
A(CH(N(R))(CH
の化合物をスキーム5の反応を経て調製することができる。スキーム5の反応において、AおよびYは、上記のとおりに記載される。
手順(r)の反応を経て、式XXVの化合物をメシル化し、式XXVIの化合物を得ることができる。ヒドロキシル基のメシル化反応を実施する従来の任意の条件を利用して手順(r)の反応を実施することができる。式XXVIの化合物を式XXVIIの化合物とともに加熱し、式XXVIIIの化合物を生成することができる。アミノアルコールの生成で慣行の条件の任意のものを利用して手順(s)の反応を実施することができる。
式XXVIIIの化合物において、式XXVIIIの化合物を塩化チオニル、塩化オキサリル、臭素、三臭化リン、四臭化炭素などで処理することにより、アルコールをクロロまたはブロモにより置換し、式VIIIの化合物を生成することができる。アルコールをクロロまたはブロモで置換する従来の任意の方法を利用して手順(t)の反応を実施することができる。
Aがヒドロキシル1または2基により置換されたフェニルである場合、一般に、式XXVの化合物のヒドロキシル基を保護することが好ましい。適切な保護基は、T.GreeneのProtective Groups in Organic Synthesisに記載される。
(反応スキーム5)
Figure 2009531288
式V[式中、Rは、水素、ハロ、炭素原子1〜3個を有するアルコキシまたは炭素原子1〜3個を有するアルキルであり、Xは、臭化物またはヨウ化物である]の化合物、すなわち、式:
Figure 2009531288
の化合物をスキーム6の反応を経て調製することができる。
スキーム6の反応において、Pは保護基である。
式XXIXの化合物において、加水分解可能な保護基を形成することにより、ヒドロキシル基を保護することができ、これは、反応を通してヒドロキシル基を保護する。適切な保護基は、T.GreeneのProtective Groups in Organic Synthesisに記載される。ヒドロキシル基の保護で慣行の任意の条件を利用して手順(u)の反応を実施することができる。
ニトロ基をアミノ基に還元することにより、手順(v)の反応を経て式XXXの化合物を式XXXIの化合物に変換することができる。従来の任意の還元剤、例えば、Zn、Sn、Feおよび酸を利用して手順(v)の反応を実施することができる。また、水素化を経て式XXXの化合物を式XXXIの化合物に還元することができる。従来の水素化の方法のうち、例えば、エタノール中10%Pd/Cの存在下で水素ガスを用いエタノールなど1,4−シクロヘキサジエンまたはシクロヘキンのどちらかを使用する不均質な触媒による移動水素化である。一般に、0℃〜還流までの温度にて反応を実施する。このような還元反応で慣行の条件の任意のものを利用して手順(v)の反応を実施することができる。
亜硝酸ナトリウムおよびHXを使用して式XXXIの化合物のそのジアゾニウム塩の調製、続いて求核試薬、例えば臭化銅無水物、アルカリ金属ヨウ化物、例えばヨウ化ナトリウムおよびヨウ化カリウムなどでの置換を経る1手順のザンドマイヤー反応により、式XXXIの化合物を式XXXIIの化合物に変換することができる。一般に、0℃〜還流までの温度にて反応を実施する。従来、ザンドマイヤー反応に使用される条件の任意のものを利用して手順(w)の反応を実施することができる。
ヒドロキシル保護基の脱保護により、式XXXIIの化合物を式Vの化合物に変換することができる。適切な脱保護試薬は、T.GreeneのProtective Groups in Organic Synthesisに記載される。
生成物を抽出、蒸発、クロマトグラフィーおよび再結晶等の技法により離し、精製することができる。
(反応スキーム6)
Figure 2009531288
(処置方法における使用)
本発明は、インスリン抵抗性症候群、糖尿病(I型糖尿病またはII型糖尿病等の一次性本態性糖尿病および二次性非本態性糖尿病の両方)および多嚢胞性卵巣症候群からなる群から選択される病気を有する哺乳類被験体を処置するための方法であって、被験体にこの病気の処置に有効な本明細書に記載の生物学的に活性な薬剤のを投与することを含む方法を提供する。本発明の方法によれば、糖尿病の症状または糖尿病の症状を進行させる可能性、例えば、各症状が糖尿病に関連する、アテローム性動脈硬化症、肥満、高血圧、高脂血症、脂肪肝疾患、腎症、神経障害、網膜症、下肢の潰瘍形成および白内障等を軽減することができる。また、本発明は、高脂血症を処置するための方法であって、被験体にこの病気の処置に有効な本明細書に記載の生物学的に活性な薬剤の量を投与することを含む方法を提供する。高脂血症動物において、化合物は、血清トリグリセライドおよび遊離脂肪酸を減少させる。また、本発明は、悪質液を処置するための方法であって、被験体に悪質液の処置に有効な本明細書に記載の生物学的に活性な薬剤の量を投与することを含む方法を提供する。また、本発明は、肥満を処置するための方法であって、被験体にこの病気の処置に有効な本明細書に記載の生物学的に活性な薬剤の量を投与することを含む方法を提供する。また、本発明は、アテローム性動脈硬化症または動脈硬化症から選択される病気を処置するための方法であって、被験体にこの病気の処置に有効な本明細書に記載の生物学的に活性な薬剤の量を投与することを含む方法を提供する。被験体が糖尿病またはインスリン抵抗性症候群を有するに関わらず、本発明の活性な薬剤は、高脂血症、脂肪肝疾患、悪質液、肥満、アテローム性動脈硬化症または動脈硬化症の処置に有効である。本薬剤を任意従来の全身投与経路により投与することができる。好ましくは、本薬剤を経口投与する。従って、医薬品を経口投与のために配合することが好ましい。本発明によれば、使用することができる他の投与経路は、経腸、非経口、注射(例えば、静脈内、皮下、筋肉内または腹腔内注射)または経鼻を含む。
本発明の処置の使用および方法の各々のさらなる実施形態は、上記の生物学的に活性な薬剤の実施形態のいずれか1つを投与することを含む。不必要な冗長を避ける目的において、このような薬剤および薬剤群をそれぞれ繰り返さないが、繰り返した場合と同じく、処置の使用および方法を本明細書に組み込む。
本発明の化合物により対処される疾患または障害の多くは、インスリン抵抗性症候群および慢性高血糖の結果の2つに大きく分類される。燃料代謝の調節異常、特にインスリン抵抗性は、糖尿病(持続性高血糖)自体の非存在下において生じうるが、高脂血症、アテローム性動脈硬化症、肥満、本態性高血圧、脂肪肝疾患(NASH;非アルコール性脂肪肝炎)を含めた種々の症状、および特に癌または全身炎症性疾患である悪質液の場合において関連する。また、悪質液は、I型糖尿病またはII型糖尿病後期に関連して生じ得る。組織燃料代謝を改善することにより、本発明の活性な薬剤は、インスリン抵抗性に関連する疾患および症状の予防または改善に有用である。インスリン抵抗性に関連する一群の兆候および症状が、個々の患者において共存している可能性があるが、多くの場合、インスリン抵抗性に罹患した多くの生理系の脆弱性に個体差があるため、一症状のみが強く出る可能性がある。それにも関わらず、インスリン抵抗性が多くの疾患状態に対する主要な寄与因子であるため、この細胞欠陥および分子欠陥に対処する薬剤は、インスリン抵抗性により生じまたは悪化させられ得る任意の器官系の事実上任意の症予防または改善に有用である。
インスリン抵抗性および膵島による同時の不適切なインスリン産生がかなり顕著である場合、慢性高血糖が生じ、II型糖尿病(NIDDM)の発症が明確となる。上記に示されたインスリン抵抗性に関連する代謝障害に加えて、NIDDM患者において、高血糖に対する二次的な疾患の症状も生じる。これらは、腎症、末梢神経障害、網膜症、微小血管疾患、四肢の潰瘍形成およびタンパク質の非酵素的グリコシル化の結果、例えば、コラーゲンおよび他の結合組織への損傷を含む。高血糖の減弱が、これらの糖尿病の結果の発症速度および重症度を軽減する。なぜなら、本発明の活性な薬剤および組成物は、糖尿病の高血糖を低下させることに役立つため、これらは、慢性高血糖の合併症の予防および改善に有用である。
ヒトおよび非ヒト哺乳類被験体はともに、本発明の処置方法に従い処置することができる。特定の被験体のための本発明の特定の活性な薬剤の最適用量を、熟練の臨床医による臨床設定において決定することができる。インスリン抵抗性、糖尿病、高脂血症、脂肪肝疾患、悪質液または肥満に関連する障害の処置においてヒトに経口投与する場合、一般に、本薬剤を、1日に1mg〜400mgの用量において、1回または2回投与する。マウスに経口投与する場合、一般に、本薬剤を1日に1〜300mg/体重kgの用量投与する。本発明の活性な薬剤を、糖尿病もしくはインスリン抵抗性症候群の単剤療法として、または、これらのタイプの疾患に利用される1つまたは複数の他の薬剤、例えば、インスリン放出剤、食事性インスリン放出剤、ビグアナイドまたはインスリン自体組み合わせて使用する。このような追加の薬を標準的な臨床診療を踏まえて投与する。いくつかの場合、本発明の薬剤は、他のクラスの薬物の有効性を改善し、このような薬剤の低用量(およびそれゆえ、低毒性)を患者に投与し、十分な治療結果を得られるだろう。代表的な化合物においてヒトで確立された安全および有効な用量範囲は、メトホルミン500〜2550mg/日;グリブリド1.25〜20mg/日;グルコバンス(GLUCOVANCE)(メトホルミンおよびグリブリドの混合製剤)グリブリド1.25〜20mg/日およびメトホルミン250〜2000mg/日;アトルバスタチン10〜80mg/日;ロバスタチン10〜80mg/日;プラバスタチン10〜40mg/日およびシンバスタチン5〜80mg/日;クロフィブラート2000mg/日;ジェムフィブロジル1200〜2400mg/日;ロシグリタゾン4〜8mg/日;ピオグリタゾン15〜45mg/日;アカルボース75〜300mg/日;レパグリニド0.5〜16mg/日である。
I型糖尿病:I型糖尿病患者は、おもにインスリン投与の用量およびタイミングを適宜、調節するために頻繁に血中グルコースをモニターしながら、1日に1〜複数回の用量のインスリンを自己投与することにより、疾患を管理する。慢性的高血糖は、腎症、神経障害、網膜症、下肢の潰瘍形成および早期死亡等の合併症につながり、過剰インスリン投与による低血糖は、認知機能障害または意識消失を生じ得る。I型糖尿病患者を、本発明の活性な薬剤1〜400mg/日、錠剤またはカプセル形態において単回または分割投与のどちらかで処置する。期待される効果は、十分な範囲の血中グルコースを維持するために必要なインスリン投与の用量または頻度の低下ならびに血糖発作の発症率および重症度の低下である。血中グルコース糖およびグリコシル化ヘモグロビン(数か月間にわたり集積された血糖コントロールの妥当性の指)の測定ならびに糖尿病の典型的な合併症の発症率および重症度の低下により、臨床転帰をモニターする。膵島移植と併用して、本発明の生物学的に活性な薬剤を投与し、膵島移植片の抗糖尿病の有効性の維持に役立てることができる。
II型糖尿病:典型的なII型糖尿病(NIDDM)患者は、食事および運動のプログラムおよびメトホルミン、グリブリド、レパグリニド、ロシグリタゾンまたはアカルボース等の医薬品を服用することにより疾患を管理し、これら医薬品は全て、一部の患者の血糖コントールをいくぶん改善するが、これらは全て、副作用があり、または疾患の進行により最終的な処置に失敗することがある。NIDDM患者において、膵島不全は長期間に生じ、大部分の患者にインスリン注射が必要になる。(追加のクラスの抗糖尿病療法の有無に関わらず)本発明の活性な薬剤を用いた毎日の処置は、血糖コントロールを改善し、膵島不全の割合を低下させ、糖尿病の典型的な症状の発症率および重症度を低下させることが期待される。さらに、本発明の活性な薬剤は、上昇した血清トリグリセライドおよび脂肪酸を低下させ、それにより、糖尿病患者のおもな死亡原因である心血管系疾患の危険を減少させる。他の糖尿病の治療剤全ての場合と同じように、用量の最適化は、必要性、臨床効果および副作用に対する感受性に従い、個々の患者において行われる。
高脂血症:かなり多くの人々が血中のトリグリセライドおよび遊離脂肪酸濃度上昇に罹患し、これは、アテローム性動脈硬化症および心筋梗塞の重大な危険因子となる。本発明の活性な薬剤は、高脂血症患者の循環するトリグリセライドおよび遊離脂肪酸を減少させることに有用である。多くの場合、高脂血症患者はまた、血中コレステロール濃度が上昇し、これはまた、心血管系疾患の危険を増加させる。HMG−CoA元酵素阻害剤(「スタチン」)等のコレステロール低下薬を本発明の薬剤に加えて高脂血症患者に投与し、場合により、同じ医薬組成物に組み込むことができる。
脂肪肝疾患:かなり多くの人々が、脂肪肝疾患に罹患し、これはまた、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)として知られており、多くの場合、NASHは、肥満および糖尿病に関連する。肝細胞とともにトリグリセライドが点在する、肝脂肪症は、肝臓が慢性炎症になりやすく(生検試料において炎症性白血球の浸潤として検出される)、これは、線維症および肝硬変につながる恐れがある。一般に、脂肪肝疾患は、肝細胞傷害の指として使用するトランスアミナーゼであるALTおよびAST等の肝特異的酵素の血清濃度の上昇が認められることにより、および多くの場合、明確な診断に生検を必要とするが、肝領域の疲労および疼痛を含む症状の提示により検出される。期待される利点は、肝炎症および脂肪含量の低下であり、これは、NASHが線維症および肝硬変に進行することを減弱、停止または回復させる結果となる。
(医薬組成物)
本発明は、本明細書に記載の生物学的に活性な薬剤および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。本発明の医薬生成物のさらなる実施形態は、上記の生物学的に活性な薬剤の実施形態のいずれか1つを含む。不必要な冗長を避ける目的において、このような薬剤および薬剤群をそれぞれ繰り返さないが、繰り返した場合と同じく、医薬組成物の本説明に組み込む。
好ましくは、組成物は、経口投与、例えば、錠剤、被覆錠剤、糖衣錠、ハードまたはソフトゼラチンカプセル、溶液、乳液または懸濁液の形態で適応される。一般に、経口組成物は、このような薬剤1mg〜400mgを含むだろう。被験体にとって1日当たり1つまたは2つの錠剤、被覆錠剤、糖衣錠またはゼラチンカプセルの服用が便利である。しかし、組成物はまた、経腸、例えば、坐剤の形態、非経口、例えば、注射溶液の形態または経鼻を含めた他の任意の従来の全身投与手段による投与に適応することができる。
生物学的活性化合物は、医薬組成物の生成に薬学的に不活性な、無機または有機担体を用いて加工することができる。ラクトース、コーンスターチまたはその誘導体、タルク、ステアリン酸またはその塩などを、例えば、錠剤、被覆錠剤、糖衣錠およびハードゼラチンカプセルのような担体として使用することができる。ソフトゼラチンカプセルに適切な担体は、例えば、植物油、ワックス、脂肪、半固体および液体ポリオールなどである。しかし、有効成分の性質に応じて、ソフトゼラチンカプセルの場合、通常、ソフトゼラチンそのもの以外の担体を必要としない。溶液およびシロップの生成に適切な担体は、例えば、水、ポリオール、グリセロール、植物油などである。坐剤に適切な担体は、例えば、天然油または硬化油、ワックス、脂肪、半液体または液体ポリオールなどである。
さらに、医薬組成物は、保存剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、香味剤、浸透圧を変化させるための塩、緩衝剤、被覆剤または抗酸化剤を含有することができる。これらはまた、さらに他の治療的価値のある物質、特に抗糖尿病または脂質低下剤を含有することができ、これは、本発明の化合物の効果基礎と機序以外の機序を通して作用する。単一製剤において、本発明の化合物と有利に合わせることができる薬剤は、メトホルミン等のビグアナイド、スルホニルウレアインスリン放出剤グリブリドおよび他のスルホニルウレアインスリン放出剤等のインスリン放出剤、アトロバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチンおよびシンバスタチン等の「スタチン」HMG−CoA元酵素阻害剤等のコレステロール低下薬、クロフィブラートおよびムフィブロジル等のPPAR−α作用薬、チアゾリジンジオン(例えば、ロシグリタゾンおよびピオグリタゾン)等のPPAR−γ作用薬、アカルボース(デンプン消化を阻害)等のα−グルコシダーゼ阻害剤およびレパグリニド等の食事性インスリン放出剤を含むがそれらに限定されない。単一製剤において、本発明の化合物と合わされる相補剤(complementary agent)の量は、標準的な臨床診療において使用される用量に一致する。代表的な特定の化合物に確立された安全および有効用量の範囲は、上記に記載されている。
本発明は、以下の実施例を参照としてよりよく理解され、この実施例は、本明細書に記載される本発明を説明するがそれら限定ない。
(実施例A.インスリン依存性糖尿病の代謝異常の改善)
ストレプトゾトシン(STZ)は、インスリン産生膵臓β細胞を選択的に破壊する毒素であり、実験動物において、インスリン依存性糖尿病を誘発するために広く使用されている。
雌Balb/Cマウス(8週齢;体重18〜20g)をストレプトゾトシン(STZ)(連続5日間それぞれ50mg/kg i.p.)で処置する。STZを最後に投与してから14日後、血中グルコースを測定し、動物が糖尿病であることを確認し、マウスを各群5匹の動物の2群に分け、1群には、強制的に本発明の化合物(250mg/kg)を毎日経口投与し、もう一方の群には、ベヒクル(水中0.75%ヒドロキシプロピルメチルセルロース、懸濁剤)を投与する。STZを投与しなかった同コホート由来の非糖尿病マウスの群もモニターする。血液試料を血中グルコース濃度測定のために定期的に採取し、体重も記録する。
数週間の処置の後、本発明の化合物を経口処置したマウスおよびベヒクル処置した対照動物の血中グルコース濃度を測定する。ベースラインの方へ低下し始める血中グルコース濃度を正の結果と考え、一方、ベヒクル処置対照動物の血中グルコースは、上昇し続けることが予想される。薬物処置開始14週間後の体重および血中グルコース、トリグリセライドおよびコレステロール濃度を測定する。
(実施例B:致死性インスリン依存性糖尿病マウスの生存率の改善)
雌Balb/Cマウス(14週齢)をストレプトゾトシン(175mg/kg i.p.)を単回投与で処置し、重度のインスリン依存性糖尿病を誘発する。7日後、マウスを3つの処置群:本発明の化合物、ピオグリタゾンおよびベヒクルに分ける。マウスに毎日強制的に経口処置し、長時間にわたり生存率をモニターする。
(実施例C:重度のインスリン依存性糖尿病の致死率の低下)
雌balb/Cマウス(実験開始時19週齢)を複数回の高用量のSTZ(連続5日間75mg/kg i.p.)で惹起する。次いで、動物を糖尿病の重症度に合わせて2群(20匹のマウス/群)に分ける。STZを最後に投与してから4日後、処置を開始する。1群にはベヒクル(0.75%HPMC0.4ml p.o.)を投与し、もう一方の群には本発明の化合物(30mg/kg/日)を経口投与する。3週間の毎日の処置後、2群の累積致死率を記録する。
(実施例D:NODマウスの自然発症糖尿病の発生率および致死率の低下)
かなりの割合のNOD(「非肥満糖尿病」)マウスが膵島細胞の自然発生的な自己免疫破壊の結果としてインスリン依存性糖尿病を発症する。NODマウス20匹(6週齢)の2群に経口ベヒクル(水中0.75%ヒドロキシプロピルメチルセルロース;HPMC0.4ml)またはHPMCに懸濁した本発明の化合物(200mg/kg/日)のどちらかで毎日処置する。自然発症の重度のインスリン依存性糖尿病による致死率の発生率を7ヵ月間の期間にわたりモニターする。
(実施例E.ob/ob肥満糖尿病マウスにおける高血糖および高脂血症の減少ならびに脂肪肝疾患の改善)
ob/obマウスは、食事調節およびエネルギー代謝に関与するタンパク質であるレプチン遺伝子の欠損を有し、過食、肥満およびインスリン抵抗性である。これらは、高血糖および脂肪肝を発症する。
雄痩せ型(ob/+ヘテロ接合体)および肥満型(ob/obホモ接合体)のC57BL/6マウス、およそ8週齢をJackson Labs(メイン州バーハーバー)から入手し、体重および血中グルコース濃度が群間で同様となるように5匹の動物の群に無作為に割り当てる。動物は全て、温度(23℃)、相対湿度(50±5%)および(7:00〜19:00)の制御下で維持し、水および実験飼料(Formulab Diet5008、Quality Lab Products、メリーランド州エルクリッジ)を自由に摂取させた。血中グルコースは、グルコース試験ストリップおよびGlucometer Elite XLデバイス(Bayer Corporation)で慣用的に測定する。血清化学分析用に、選択した時点にて、後眼窩洞よりヘパリン処理した毛細管チューブに血液試料(100μl)を採取する。血清化学(グルコース、トリグリセライド、コレステロール、BUN、クレアチニン、AST、ALT、SDH、CPKおよび遊離脂肪酸)分析をHitachi 717 Analyzerで行い、血漿インスリンおよび膵臓インスリンを電気化学発光免疫測定法(Origen Analyzer,Igen, Inc.,メリーランド州ゲーサーズバーグ)により測定する。
ob/obマウス群を以下に示す処置コホートに分け、本発明の化合物(10、30、100、150または300mg)、ロシグリタゾン(1、3、10または30mg)またはピオグリタゾン(30または100mg)を毎日経口投与する。後者2つの化合物は、非インスリン依存性糖尿病のヒト患者の処置に使用されるインスリン抵抗性増感剤であり、本発明の化合物の有効性および安全性の比較物質として使用する。本実験の化合物の用量範囲は、最適下および潜在的に最適上の(supraoptimal)用量をともに含むよう選択される。
ob/obマウスは、慢性炎症性脂肪肝疾患を発症し、進行性肝硬変および肝機能不全につながり得る非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の動物モデルであると考えられる。NASHにおいて、脂肪蓄積が炎症性損傷に対する肝臓の感受性を増加させる。患者のNASHの1つの特徴的な兆候、ウィルス感染またはアルコール中毒症の非存在下において、損傷した肝細胞により放出される酵素、例えばアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)およびソルビトール脱水素酵素(SDH)の血清濃度上昇である。ob/obマウスにおいて、これらの酵素は、脂肪肝および二次炎症の結果として上昇する。
(実施例F:糖尿病マウスにおける本発明の化合物の急性低血糖効果:実験1)
本発明の化合物は、非インスリン依存性糖尿病動物の急性抗高血糖活性を示す。
雄ob/ob糖尿病マウスを各群5匹の動物無作為に分ける。体重は約50〜55gであり、血中グルコースは、摂食状態でおよそ300mg/dLである。0.5%カルボキシメチルセルロースベヒクルに懸濁した試験物質を強制的に(by gavage)単回経口投与する。血糖計試験ストリップおよびGlucometer Elite XLデバイス(Bayer)を使用して、かみそりの刃で尾静脈を切ることにより得られた血液滴で、投与開始0、0.5、2、4、6および18時間後の血中グルコースを測定する。経口ベヒクルに対する血中グルコースの低下10%が正のスクリーニング結果と考える。一般に、血中グルコース低下は、薬物投与6時間後に最大となることが予想される。
(実施例G:糖尿病マウスにおける本発明の化合物の急性低血糖効果:実験2)
本発明の化合物は、非インスリン依存性糖尿病動物の急性抗高血糖活性を示す。
雄ob/obマウス(50〜55g;血中グルコース約300mg/dL)を各群5匹の動物に分け、0.5%カルボキシメチルセルロースベヒクルに懸濁した試験薬(250mg/kg)を単回経口投与し、対照群は、ベヒクルのみを経口投与する。試験薬またはベヒクル(対照)の経口投与6時間後、血液試料を尾静脈から採取し、グルコース含量を血糖計で測定する。
(実施例H:db/dbマウスにおける本発明の化合物の抗糖尿病効果)
db/dbマウスは、過食、肥満および糖尿病につながるレプチン信号伝達欠損を有する。さらに、相対的に丈夫な膵島を有するob/obマウスと異なり、これらのインスリン産生膵島細胞は、慢性高血糖中に機能不全となり、そのため、これらは高インスリン血症(末梢のインスリン抵抗性に関連する)から低インスリン血症性糖尿病に変わる。
雄db/dbマウスにベヒクル(0.75%ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、本発明の化合物(150mg/kg)またはピオグリタゾン(100mg/kg)で毎日経口処置する。血清化学分析のために後眼窩洞より、または試験ストリップおよび血糖計を用いたグルコース測定のために尾静脈より、血液試料を採取する。本実験において使用されるピオグリタゾンの用量は、db/dbマウスの処置において最大有効量であることが参考文献に報告された(Shimaya et al.(2000),Metabolism 49:411−7)。
db/dbマウスにおける第2の実験において、本発明の化合物(150mg/kg)の抗糖尿病活性をロシグリタゾン(20mg/kg)のものと比較する。処置8週間後、血中グルコースおよびトリグリセライドを測定する。ベヒクル処置された対照に比べ、化合物BIまたはロシグリタゾンのどちらかで処置した動物では有意に低下する。本試験において使用されたロシグリタゾンの用量は、後期db/dbマウスの最適用量として既刊文献に報告された(Lenhard et al.,(1999)Diabetologia 42:545−54)。各群は、6〜8匹のマウスからなる。
(実施例I:db/dbマウスにおける本発明の化合物の抗糖尿病効果)
db/dbマウスは、過食、肥満および糖尿病につながるレプチン信号伝達欠損を有する。さらに、C57BL/6J背景のob/obマウスと異なり、C57BL/KS背景のdb/dbマウスは、インスリン産生膵島β細胞の機能不全となり、その結果、高インスリン血症(末梢インスリン抵抗性に関連する)から低インスリン血症性糖尿病に進行する。
雄肥満型(db/dbホモ接合体)C57BL/Ksolaマウス、およそ8週齢をJackson Labs(メイン州バーハーバー)から入手し、体重(50〜55g)および血清グルコース濃度(摂食状態で、≧300mg/dl)が群間で同様となるように各群5〜7匹の動物無作為に割り当て、雄痩せ型(db/+ヘテロ接合体)マウスをコホート対照として使用する。到着後最短7日間馴化させる。動物は全て、制御された温度(23℃)、相対湿度(50±5%)および(7:00〜19:00)下において維持し、標準的な試料(Formulab Diet5008,Quality Lab Products,メリーランド州エルクリッジ)および水を自由に摂取させる。
処置コホートは、ベヒクル(1%ヒドロキシプロピルメチルセルロース)または本発明の化合物(100mg/kg)を2週間、毎日経口投与する。処置期間の終わりに、血清化学分析のために、静脈血100μlをdb/dbマウスの後眼窩洞からヘパリン処理した毛細管に採取する。
非空腹時の血中グルコースと血清トリグリセライドおよび遊離脂肪酸に対する本発明の化合物の効果を測定する。
(実施例J:ズッカー糖尿病肥満(ZDF)ラットにおける本発明の化合物の白内障発生の減弱)
白内障は、加齢および糖尿病に関連する進行性の視力低下および失明のおもな原因の1つであり、ズッカー糖尿病肥満(Zucker diabetic fatty;ZDF)モデルは、水晶体の生化学的変化および酸化ストレスを含めたヒト白内障発生と多くの類似性を有する。しかし、これらのラットは、典型的に14〜16週齢で白内障形成経験する。
雄ZDFラットおよびこれらの週齢適合ズッカー痩せ型(ZL)対照物(fa/+または+/+)は、Genetic Models,Inc.(インディアナ州インディアナポリス)から12週齢を入手し、試験前1週間馴化させる。動物は全て、制御された温度(23℃)、相対湿度(50±5%)および(7:00〜19:00)下において維持し、標準的な飼料(Formulab Diet5008,Quality Lab Products,メリーランド州エルクリッジ)および水道水を自由に摂取させる。処置コホートは、ベヒクルおよび本発明の化合物100mg/kgを10週間、毎日経口投与する。体重および血中グルコースは、グルコース試験ストリップおよびGlucometer Elite XLデバイス(Bayer Corporation)を用いて、尾血から定期的に測定する(週1回、通常、朝10時頃)。処置期間の終わりに、血清化学分析(Anilytics,Inc.,メリーランド州ゲーサーズバーグ)において、静脈血100μlを尾静脈からヘパリン処理したチューブに収集する(通常、朝10時)。血清化学(グルコース(GL)、トリグリセライド(TG)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、ソルビトール脱水素酵素(SDH)および遊離脂肪酸(FFA)分析をHitachi 717 Analyzer(Anilytics,Inc.,メリーランド州ゲーサーズバーグ)で行う。電気化学発光免疫測定法であるECL(Origen Analyzer,Igen,Inc.,メリーランド州ゲーサーズバーグ)により、血漿インスリンを測定する。動物を屠殺し、組織および/または器官(水晶体および肝臓)を摘出し、計量し(湿重量)および生化学分析のために処理する。水晶体において、脂質過酸化のおもな産物であるマロンジアルデヒド(MDA)をOhkawa et al(1979),Analytical Biochem 95,351−358)に従いアッセイする。
(実施例K:高脂肪食飼育C57Bl/6Jマウスにおける循環するトリグリセライド、遊離脂肪酸、インスリンおよびレプチンの低下)
高脂肪食飼育マウスは、肥満、糖尿病、心血管系疾患および他の障害の危険がある人々およびこれらを有する人々に認められる高トリグリセライド血症および循環脂肪酸の高濃度ならびにインスリンおよびレプチン抵抗性のモデルである。雄C57Bl/6Jマウス、およそ8週齢を6匹の動物の群無作為に割り当てる。これらを、制御された温度(23℃)、相対湿度(50±5%)および(7:00〜19:00)下において維持し、自由に飼料および水を摂取させる。マウスに高脂肪食(飼料番号D12451、カロリーの45%を脂肪として含有(Research Diets,ニュージャージー州ニューブランスウィック)を6週間与える。6週間後、マウス群に高脂肪食を続けながら、ベヒクル(ヒドロキシメチルセルロース)、本発明の化合物(10mg/kg、30mg/kgまたは100mg/kg)、Wy14643(10mg/kg、30mg/kgまたは100mg/kg)またはロシグリタゾン(1mg/kg、3mg/kg、10mg/kgまたは100mg/kg)のいずれかをさらに4週間、強制的に経口投与する。血漿化学(Anilytics,Inc.,メリーランド州ゲーサーズバーグ)を2週間の薬物処置後にアッセイする。電気化学発光免疫測定法(Origen Analyzer,Igen,Inc.,メリーランド州ゲーサーズバーグ)により、血漿血清インスリンおよびレプチンを4週間の薬物処置後に測定する。
(実施例L:高脂肪食飼育Sprague Dawleyラットにおける循環するトリグリセライド、遊離脂肪酸、インスリンおよびレプチンの低下)
高脂肪食飼育ラットは、インスリンおよびレプチン抵抗性のモデルである。Sprague Dawleyラットは、完全なレプチン系を有し、肝臓、脂肪組織および筋等の末梢組織の正常なインスリン反応の下方制御により、高インスリン血症を伴う高脂肪食に反応する。
雄Sprague Dawleyラット、およそ17週齢は、Jackson Labs(メイン州バーハーバー)から入手し、5〜7匹の動物の、体重は群間で同様である群に無作為に割り当てる。動物は全て、厳密な12時間明/暗サイクルの温度調整された(25℃)施設で維持し、水および飼料を自由に摂取させる。ラットに、高脂肪食(飼料番号D12451、カロリーの45%を脂肪として含有(Research Diets,ニュージャージー州ニューブランスウィック)を薬物処置前に1ヵ月間与える。
1群6匹のSpragueDawleyラットを高脂肪食で維持しながらベヒクル(ヒドロキシメチルセルロース)、本発明の化合物(10、30および100mg/kg)またはロシグリタゾン(3mg/kg)を6週間、毎日単回投与で処置する。血清化学分析のために、血液試料(100μl)を尾静脈より採取する。

Claims (22)

  1. 式:
    Figure 2009531288
    の化合物または該化合物の薬学的に許容される塩であって、式中、
    nは1または2であり、
    qは0または1であり、
    tは0または1であり、
    は、炭素原子1〜3個を有するアルキルであり、
    は、水素、ハロ、炭素原子1〜3個を有するアルキルまたは炭素原子1〜3個を有するアルコキシであり、
    Aは、非置換の、またはハロ、炭素原子1もしくは2個を有するアルキル、ペルフルオロメチル、ヒドロキシ、炭素原子1もしくは2個を有するアルコキシおよびペルフルオロメトキシから選択される1もしくは2個の基により置換されたフェニルであるか、あるいは
    環炭素原子3〜6個を有するシクロアルキルであって、該シクロアルキルは非置換であるか、または環炭素1もしくは2個は、独立してメチルもしくはエチルにより一置換されているか、あるいは
    N、SおよびOから選択される環ヘテロ原子1もしくは2個を有する5もしくは6員ヘテロ芳香族環であって、該ヘテロ芳香族環は、環炭素により式Iの該化合物の残部に共有結合している、化合物または該化合物の薬学的に許容される塩。
  2. nが1であり、qが0であり、tが0であり、Rが水素であり、Aが非置換の、またはハロ、炭素原子1もしくは2個を有するアルキル、ペルフルオロメチル、ヒドロキシ、炭素原子1もしくは2個を有するアルコキシおよびペルフルオロメトキシから選択される1もしくは2個の基により置換されたフェニルである、請求項1に記載の化合物または塩。
  3. Aが2,6−ジメチルフェニルである、請求項2に記載の化合物または塩。
  4. 前記化合物が2,6−ジフルオロ−4−(3−(2,6−ジメチルベンジルオキシ)フェニル)フェノールである、請求項3に記載の化合物または塩。
  5. インスリン抵抗性症候群、I型糖尿病およびII型糖尿病を含む糖尿病ならびに多嚢胞性卵巣症候群からなる群から選択される病気の処置のため、または糖尿病に関連する、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、肥満、高血圧、高脂血症、脂肪肝疾患、腎症、神経障害、網膜症、下肢の潰瘍形成もしくは白内障の処置もしくはそれらを発症する可能性の軽減のため、または高脂血症、悪質液および肥満からなる群から選択される病気の処置のための医薬品の製造における生物学的に活性な薬剤の使用であって、該薬剤は、
    式:
    Figure 2009531288
    の化合物または該化合物の薬学的に許容される塩であり、式中、
    nは1または2であり、
    qは0または1であり、
    tは0または1であり、
    は、炭素原子1〜3個を有するアルキルであり、
    は、水素、ハロ、炭素原子1〜3個を有するアルキルまたは炭素原子1〜3個を有するアルコキシであり、
    Aは、非置換の、またはハロ、炭素原子1もしくは2個を有するアルキル、ペルフルオロメチル、ヒドロキシ、炭素原子1もしくは2個を有するアルコキシおよびペルフルオロメトキシから選択される1もしくは2個の基により置換されたフェニルであるか、あるいは
    環炭素原子3〜6個を有するシクロアルキルであって、該シクロアルキルは非置換であるか、または環炭素1もしくは2個は、独立してメチルもしくはエチルにより一置換されているか、あるいは
    N、SおよびOから選択される環ヘテロ原子1もしくは2個を有する5もしくは6員ヘテロ芳香族環であって、該ヘテロ芳香族環は、環炭素により該式Iの化合物の残部に共有結合している、使用。
  6. nが1であり、qが0であり、tが0であり、Rが水素であり、Aが、非置換の、またはハロ、炭素原子1もしくは2個を有するアルキル、ペルフルオロメチル、ヒドロキシ、炭素原子1もしくは2個を有するアルコキシおよびペルフルオロメトキシから選択される1もしくは2個の基により置換されたフェニルである、請求項5に記載の使用。
  7. Aが2,6−ジメチルフェニルである、請求項6に記載の使用。
  8. 前記化合物が2,6−ジフルオロ−4−(3−(2,6−ジメチルベンジルオキシ)フェニル)フェノールである、請求項7に記載の使用。
  9. 前記医薬品が経口投与のために配合される、請求項5〜8のいずれか1項に記載の使用。
  10. インスリン抵抗性症候群、糖尿病、多嚢胞性卵巣症候群、高脂血症、脂肪肝疾患、悪質液、肥満、アテローム性動脈硬化症および動脈硬化症からなる群から選択される病気の哺乳類被験体を処置するための組成物であって、ある量の生物学的に活性な薬剤を含み、該生物学的に活性な薬剤は、式:
    Figure 2009531288
    の化合物または該化合物の薬学的に許容される塩であり、式中、
    nは1または2であり、
    qは0または1であり、
    tは0または1であり、
    は、炭素原子1〜3個を有するアルキルであり、
    は、水素、ハロ、炭素原子1〜3個を有するアルキルまたは炭素原子1〜3個を有するアルコキシであり、
    Aは、非置換の、またはハロ、炭素原子1もしくは2個を有するアルキル、ペルフルオロメチル、ヒドロキシ、炭素原子1もしくは2個を有するアルコキシおよびペルフルオロメトキシから選択される1もしくは2個の基により置換されたフェニルであるか、あるいは
    環炭素原子3〜6個を有するシクロアルキルであって、該シクロアルキルは非置換であるか、または環炭素1もしくは2個は、独立してメチルもしくはエチルにより一置換されているか、あるいは
    N、SおよびOから選択される環ヘテロ原子1もしくは2個を有する5もしくは6員ヘテロ芳香族環であって、該ヘテロ芳香族環は、環炭素により式Iの該化合物の残部に共有結合している、組成物
  11. nが1であり、qが0であり、tが0であり、Rが水素であり、Aが、非置換の、またはハロ、炭素原子1もしくは2個を有するアルキル、ペルフルオロメチル、ヒドロキシ、炭素原子1もしくは2個を有するアルコキシおよびペルフルオロメトキシから選択される1もしくは2個の基により置換されたフェニルである、請求項10に記載の組成物
  12. Aが2,6−ジメチルフェニルである、請求項11に記載の組成物
  13. 前記化合物が2,6−ジフルオロ−4−(3−(2,6−ジメチルベンジルオキシ)フェニル)フェノールである、請求項12に記載の組成物
  14. 前記被験体がヒトである、請求項10〜13のいずれか1項に記載の組成物
  15. 前記薬剤を1日当たり1mg〜400mgの量で経口投与する、請求項14に記載の組成物
  16. 前記病気がインスリン抵抗性症候群またはII型糖尿病である、請求項10に記載の組成物
  17. 前記処置が、糖尿病の症状または糖尿病の症状を発症する可能性を軽減し、該症状が、糖尿病に関連する、アテローム性動脈硬化症、肥満、高血圧、高脂血症、脂肪肝疾患、腎症、神経障害、網膜症、下肢の潰瘍形成および白内障からなる群から選択される、請求項10に記載の組成物
  18. インスリン抵抗性症候群、糖尿病、多嚢胞性卵巣症候群、高脂血症、脂肪肝疾患、悪質液、肥満、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症からなる群から選択される病気の処置に使用するための、および経口投与に適応した医薬組成物であって、薬学的に許容される担体および生物学的に活性な薬剤1mg〜400mgを含み、該生物学的に活性な薬剤は、式:
    Figure 2009531288
    の化合物または該化合物の薬学的に許容される塩であり、式中、
    nは1または2であり、
    qは0または1であり、
    tは0または1であり、
    は、炭素原子1〜3個を有するアルキルであり、
    は、水素、ハロ、炭素原子1〜3個を有するアルキルまたは炭素原子1〜3個を有するアルコキシであり、
    Aは、非置換の、またはハロ、炭素原子1もしくは2個を有するアルキル、ペルフルオロメチル、ヒドロキシ、炭素原子1もしくは2個を有するアルコキシおよびペルフルオロメトキシから選択される1もしくは2個の基により置換されたフェニルであるか、あるいは
    環炭素原子3〜6個を有するシクロアルキルであって、該シクロアルキルは非置換であるか、または環炭素1もしくは2個は、独立してメチルもしくはエチルにより一置換されているか、あるいは
    N、SおよびOから選択される環ヘテロ原子1もしくは2個を有する5もしくは6員ヘテロ芳香族環であって、該ヘテロ芳香族環は、環炭素により式Iの該化合物の残部に共有結合している、医薬組成物。
  19. nが1であり、qが0であり、tが0であり、Rが水素であり、Aが、非置換の、またはハロ、炭素原子1もしくは2個を有するアルキル、ペルフルオロメチル、ヒドロキシ、炭素原子1もしくは2個を有するアルコキシおよびペルフルオロメトキシから選択される1もしくは2個の基により置換されたフェニルである、請求項18に記載の医薬組成物。
  20. Aが2,6−ジメチルフェニルである、請求項19に記載の医薬組成物。
  21. 前記化合物が2,6−ジフルオロ−4−(3−(2,6−ジメチルベンジルオキシ)フェニル)フェノールである、請求項20に記載の医薬組成物。
  22. 経口投与形態である、請求項18〜21のいずれか1項に記載の医薬組成物。
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