[go: up one dir, main page]

JP2009516178A - 肺癌診断アッセイ - Google Patents

肺癌診断アッセイ Download PDF

Info

Publication number
JP2009516178A
JP2009516178A JP2008540361A JP2008540361A JP2009516178A JP 2009516178 A JP2009516178 A JP 2009516178A JP 2008540361 A JP2008540361 A JP 2008540361A JP 2008540361 A JP2008540361 A JP 2008540361A JP 2009516178 A JP2009516178 A JP 2009516178A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
markers
lung cancer
patient
sample
phage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008540361A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009516178A5 (ja
Inventor
エー. ハーショヴィッツ,エドワード
チョン,リー
エイチ. カッタール,ナダ
ジェイ. ストロンバーグ,アーノルド
Original Assignee
ユニバーシティー オブ ケンタッキー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ユニバーシティー オブ ケンタッキー filed Critical ユニバーシティー オブ ケンタッキー
Publication of JP2009516178A publication Critical patent/JP2009516178A/ja
Publication of JP2009516178A5 publication Critical patent/JP2009516178A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/574Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/574Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer
    • G01N33/57407Specifically defined cancers
    • G01N33/57423Specifically defined cancers of lung
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/574Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer
    • G01N33/57484Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer involving compounds serving as markers for tumor, cancer, neoplasia, e.g. cellular determinants, receptors, heat shock/stress proteins, A-protein, oligosaccharides, metabolites
    • G01N33/57488Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer involving compounds serving as markers for tumor, cancer, neoplasia, e.g. cellular determinants, receptors, heat shock/stress proteins, A-protein, oligosaccharides, metabolites involving compounds identifable in body fluids

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Hospice & Palliative Care (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

患者における肺癌の存在を測定するための診断アッセイは、肺癌に関連する抗体の存在を確認することに部分的に依拠している。このアッセイは、ラジオグラフィーにより検出可能な癌組織の証拠の前に肺癌を予測した。
【選択図】 なし

Description

本発明は、肺癌を体液サンプルを用いて早期発見するためのアッセイ、方法及びキットに関する。特に、本発明は、1個またはパネルのマーカー(例えば、自己抗体バイオマーカー)の存在を評価することによる肺癌の発見に関する。
肺癌は米国及び多くの他の諸国での男女の癌の主な死因である。この疾患による死亡数は米国だけでも過去5年間で毎年ほぼ164,000人に増えており、大部分は非小細胞癌(NSCLC)により死亡している。これは乳癌、前立腺癌及び結腸直腸癌を合わせた死亡率を超えている。
多くの専門家は、肺癌の早期発見が生存を向上させるための鍵であると考えている。幾つかの研究が、肺癌を早期の限局している時期に発見し、外科的に切除可能ならば、5年生存率が85%に達し得ることを示している。しかしながら、肺癌が他の臓器、特に遠隔部位に広がった後では生存率は劇的に低下し、5年生存率は患者の2%くらいである。残念ながら、肺癌は不均質性疾患であり、進んだ時期に達するまで通常無症候性である。よって、肺癌の15%しか早期の限局している時期に発見されない。従って、無症候性の人をスクリーニングして肺癌を最も早く、最も治療可能な時期に発見するのを助けるツールが切望されている。
胸部X線及びコンピューター断層撮影(CT)スキャニングが早期肺癌を発見するための有効なスクリーニングツールとして研究されてきた。残念ながら、コストが高く、偽陽性率が高いために、これらのラジオグラフィーツールは広く使用するには実用的でない。例えば、米国国立癌研究所の最近の研究は、肺癌を胸部X線でスクリーニングすると早期肺癌を発見できるが、余計な経過観察検査を要する偽陽性試験結果が多く生じると結論づけた。Okenら,Journal of the National Cancer Institute,97(24),1832−1839,2005。トライアルの参加時に基準X線を受けた67,000人のうちほぼ6,000人(9%)が経過観察が必要な異常な結果を有していた。これらの中で、最初の胸部X線から12ヶ月以内に肺癌と診断されたのは126人(X線で異常が見られた6,000人の参加者の2%)のみであった。
偽陽性の同様の問題は、CTスキャンを含む継続中のトライアルでも見られる。CTスクリーニングの無病正診率は不確定なラジオグラフィー所見の数に基づいて約65%と計算される。
更なる調査を必要とし、その多くが最終的には良性と判定される有病スキャニングで見つかる多数の不確定な肺結節にヘルスケアコストの大部分が支払われる恐れがあるために、専門家は実施するCTスクリーニングスキャン1回あたりに発見される癌の数を算定して節約される一生あたりのヘルスコストについて重大な関心を提起している。
PETスキャンも別の診断オプションであるが、PETスキャンは費用がかかり、通常スクリーニングプログラムに使用できない。
現在、大規模スクリーニング研究による選択基準として使用されてきたリスク因子は年齢及び喫煙歴のたった2つである。
ラジオグラフィーにより明らかな癌(>0.5cm)並びに潜在性及び前悪性癌(ラジオグラフィー検出限界以下)を発見できる血液検査は、ラジオグラフィースクリーニングを最も正当に受ける資格のある個人を同定し、事実上更なる精密検査が必要となる良性の肺所見の数を減らすであろう。
Okenら,Journal of the National Cancer Institute,97(24),1832−1839,2005
従って、上記したラジオグラフィー技術の限界を解消する肺癌のスクリーニング及び検出ツールを改善することが緊急に要望されていることは明らかである。
本発明は、肺癌を体液サンプルを用いて早期発見するためのアッセイ、方法及びキットに関する。特に、本発明は、1個またはパネルのマーカー(例えば、自己抗体バイオマーカー)の存在を評価することによる肺癌の検出に関する。
本発明は、特にラジオグラフィー画像診断及び他のスクリーニングモダリティと共に使用される場合、包括的な肺癌スクリーニング戦略に使用され得る。本発明は、肺癌の存在の可能性を除外するために更なるラジオグラフィー分析のための個体数を増やすために使用され得る。
要するに、本発明は、1つの実施形態では患者から血液サンプルを用意し、患者の血液サンプルを1個またはパネルの肺癌関連自己抗体の存在について分析することによる患者における肺癌の存在の可能性を検出する方法に関する。前記パネルは、例えば該パネルのメンバーに関連する癌の最大尤度を評価することにより同定され得る。結果に対する複数の変量の同時寄与を評価するために各種統計ツールが使用され得る。
本発明は、大CTスクリーニングトライアルで得たサンプルを分析し、早期及び後期肺癌並びに潜在性疾患をリスク照合対照から区別するために使用された。本アッセイは、ラジオグラフィーによる検出の長くとも5年前に肺癌の存在をほぼ90%の精度で予測した。本アッセイは、無症候性患者または容認されている検査及びプロトコルを用いて肺癌とまだ診断されていない高リスク群の患者(すなわち、例えばラジオグラフィーにより肺癌を検出できていない患者)に対するスクリーニング検査として使用され得る。
本発明は、高いコスト及び低い無病正診率を有する、胸部X線または低線量CTのような現在の肺癌スクリーニング方法に対する代替方法を提供する。本アッセイは、更に評価しなければならない良性肺結節の検出を制限しながら癌検出を最大限にし、従って包括的早期発見戦略に容易に組み入れられる有効かつ費用効率が適切なツールである。
本発明の上記した及び他の特徴、態様及び作用効果は以下の説明及び特許請求の範囲にてらして更に理解されるであろう。
病的状態の早期診断は有益である。しかしながら、すべての病的状態が容易に検出可能な簡単なサインを有しているわけではない。他の病的状態は病因または表現型の点で、或いはその発症時期を通して不均質である。そのような状況で、1つの、精度が高い、特異的な診断サインまたはマーカーは存在していそうもない。
今回、単独では十分な予測パワーを有していないかもしれないが、ある組合せでパネルは実際の使用のために十分な特異性及び精度を有しているマーカーを複数用いる適当な診断アッセイを開発することができる。更に、多数の技術及びデータ処理能力により、使用が簡単で且つ限定的な集団または一般的な集団に対してより大きい予測パワーを有する特殊化・個人化診断アッセイの開発が柔軟となる。
本発明は、肺癌のような疾患を従来手段よりもより早期に、より正確に検出するための新しいアッセイ及び方法を提供する。要するに、患者または被験者からのサンプル(例えば、血液サンプル)を入手し、パネルの抗体バイオマーカーの存在または不在について分析する。肺癌の場合1個またはパネルのマーカーを使用し、各マーカーはある程度肺癌に関連し、その大部分はパネルを使用するとき不均質集団において肺癌を有している可能性の予測可能な測度を与える。
以下により詳細に記載するように、本発明のアッセイ及び方法は早期及び後期肺癌患者を正確に同定した。早期肺癌患者を同定することは、現在のアッセイ及びスクリーニングモダリティがロバストで費用効率が適切な方法でそうすることが殆どできないので特に貴重である。本発明のスクリーニングアッセイによると、多くの場合費用がかかる現在使用されているアッセイに比してより高い予測可能性を与え、より少ない偽陽性しか生じない。本アッセイは用途が広く、多数のサンプルを同時に検査することができるアッセイフォーマット(例えば、マイクロアレイ)を用いることにより任意の集団に対する対照サンプルを同時に流して高信頼度を有する判別データを得ることができる。この場合、複数の対照はできるだけ多くのパラメーターについて試験集団に照合されている。こうすると、生じる可能性があり、結果を混乱させる恐れがある集団の差(例えば、人種、性別、年齢、多型等)を補正することができる。
定義
本明細書中で使用されている用語は以下の意味を有する。
「肺癌」は肺における悪性のプロセス、状態及び組織を意味する。
「タンパク質」はアミノ酸のポリマーであるペプチド、オリゴペプチドまたはポリペプチドであり、これらの用語は本明細書中で互換可能に使用されている。ライブラリーに関連して、ポリペプチドは生物活性を有する分子をコードする必要はない。当該抗体はエピトープまたは決定基を結合する。エピトープは無傷の機能性分子の一部であり、タンパク質に関連して約3〜約5個くらいの隣接アミノ酸を含み得る。
「正規化された」は、メトリック、統計量または測度が反応の真の反映、応答または結果であるかまたは有意でなくランダムであるかを判定するために観察された結果に対するバッグラウンド及びランダム寄与を補正または調節するためのメトリックまたは測度の統計処理に関する。
「非小細胞肺癌」(NSCLC)はすべての肺癌の約80%を占める肺癌のサブタイプであり、燕麦細胞癌としても公知の小さい卵形細胞を特徴とする小細胞癌と対照的である。NSCLCサブタイプには扁平上皮癌、腺癌及び大細胞癌が含まれる。
「体液」は検査のための患者サンプルとして使用され得る身体から得られるかまたは身体に由来する液体サンプル、例えば血液、唾液、精液、涙、組織抽出物、滲出液、体腔洗浄液、血清、血漿、組織流体等である。体液をそのままで使用することが好ましいが、検査する前に例えば遠心により清澄化のような処理をしてもよい。体液サンプルは流体サンプルである。
「血液サンプル」は個人から得た通常静脈血の少量アリコートを意味する。血液を加工してもよく、例えば凝固因子を例えばヘパリンまたはEDTAを用いて不活化し、赤血球を除去すると血漿サンプルが得られる。血液を凝固させ、固体相及び液体相を分離すると、血清が得られ得る。このような「加工した」血液サンプルのすべてが本明細書中で使用されている「血液サンプル」の定義の範囲に入る。
「エピトープ」は抗体により結合される特定の分子構造を意味する。同義語は「決定基」である。ポリペプチドエピトープは3〜5アミノ酸くらいであり得る。
「バイオマーカー」は、結果(例えば、生命体の現在の状態または将来の健康状態)を予測するのに有用であることが判明している因子、インジケータ、スコア、メトリック、数学的操作等を指す。バイオマーカーはマーカーと同義である。
「パネル」はアッセイのため、アッセイにおいて一緒に測定されるマーカーのコンパイルセットを意味する。パネルは2個のマーカー、3個のマーカー、4個のマーカー、5個のマーカー、6個のマーカー、7個のマーカー、8個のマーカー、9個のマーカー、10個のマーカー、11個のマーカー、12個のマーカーまたはそれ以上のマーカーを含み得る。本明細書中で教示されており、本発明を実施する際に適用され得る統計処理及びアッセイ方法は当該アッセイにおける多数の有益なマーカーの使用のために用意されている。
「結果」は予測または検出(発見)されるものである。
「自己抗体」は病的細胞(例えば、感染細胞及び腫瘍細胞)を含めた「自家性」(自己)タンパク質に対する免疫グロブリンまたは抗体(これらの用語は本明細書中で互換可能に使用されている)を意味する。この場合、腫瘍に対する自己抗体は、個人自身の腫瘍に由来し、個人自身の細胞の遺伝的異常である。
「加重和」は各々が予測値を有している個々のマーカーに由来するスコアの合計を意味する。より大きな予測値を有するマーカーが合計により多く寄与する。個々のマーカーの相対値は公知の統計パラダイム(例えば、ロジスティック回帰)を用いて多変量式の値を最大とするために統計的に誘導される。多数の市販されている統計パッケージが使用され得る。相加因子の式(例えば、回帰式)において各因子(マーカー)の「重要性」は該因子の係数として表される。
「統計上有意」は偶然のみではまずあり得ない差を意味する。
「マーカー」は診断時に評価され、使用され得る因子、インジケータ、メトリック、スコア、数学的操作等である。マーカーは例えばポリペプチドまたは抗原であっても、抗原を結合する抗体であってもよい。また、マーカーは結合対または結合パートナーの1つであり得、結合対または結合パートナーは相互に対して特異性を有する物体であり、例えば抗体と抗原、ホルモンと受容体、リガンドとリガンドに結合して複合体を形成する分子、酵素と補酵素、酵素と基質等々であり得る。
「予測マーカー」は肺癌を公知技術を用いて検出する前に存在しているマーカーである。よって、本アッセイは患者中にラジオグラフィーにより検出可能な癌が検出される前に、例えばラジオグラフィーにより検出可能な癌が発見されるより最長5年前に肺癌特異的自己抗体を検出する。このような自己抗体は予測マーカーである。
「標的集団」は特定のマーカー、状態、条件、疾患等により類型化される集団の部分集合を意味する。よって、標的集団は例えば肺癌の特定の形または時期にある特定患者または喫煙者集団であり得る。標的集団は1つ以上のリスク因子を有する人から構成され得る。標的集団は今後、より好機にモニターするのに値する疑わしい検査結果(例えば、肺における異常性の存在)を有する人から構成され得る。
「ラジオグラフィーによる」はCAT、PET、X線等のような画像診断方法を指す。
「ラジオグラフィーにより検出可能な癌」はラジオグラフィー手段による癌の診断または検出を指す。癌の存在は通常組織像により確認される。
「組織サンプル」は特定組織に由来するサンプルを指す。液体形態の組織サンプルについて、サンプルは体液であっても、液体組織(例えば、血液)または加工した血液アリコートに由来するものであってもよい。相は固体組織から得られる流体、例えば滲出液、使用済組織培養液、細かく刻んだ固体組織の洗浄液等にも関する。
バイオマーカーの選択
肺癌関連マーカー(例えば、自己抗体、及び自己抗体に対して特異的アフィニティーを有するまたは自己抗体により結合されるタンパク質)は当業者が利用している方法を用いる手段により選択及び同定され得る。抗体バイオマーカーの場合、各種の免疫学ベースの方法が実施され得る。当業界で公知のように、抗体の代わりに結合特異性を有するアプタマー、スピーゲルマー等も使用され得る。抗体−抗原反応に依拠する多くの公知のハイスループット法が本発明において実施され得る。
標的集団中の個人からの分子を対照集団からの分子と比較して、例えばサブトラクション法などによる選別により肺癌特異的な分子を同定することができる。或いは、標的集団及び正常(対照)集団サンプルを使用して、分子のライブラリーから標的集団に対して特異的である分子を同定することができる。
アフィニティー選択の形態は、候補分子のライブラリーをスクリーニングするためのプローブとして抗体を用いてライブラリーで実施され得る。候補分子をスクリーニングするための抗体の使用は「バイオパニング」として公知である。この場合、標的集団特異的分子及びその使用を確認し、その後標的集団のメンバーの予測子として個々のマーカーのパワーを測定する。
適当な手段は、肺癌に対して特異的であるか否かの分子のライブラリーを得、前記ライブラリーを標的集団のメンバー中の抗体を結合する分子についてスクリーニングする。タンパク質またはポリペプチドエピトープはその長さが3〜10アミノ酸未満、20アミノ酸未満等くらいであり得るので、ライブラリーの個々のメンバーの平均サイズは設計上の選択である。よって、ライブラリーのより小さいメンバーは1個の決定基を模倣するために約3〜5アミノ酸であり得、20以上のアミノ酸のメンバーは2個以上の決定基を模倣しているか、または含んでいる。炭水化物、脂質、核酸及びその組合せのような他の分子がエピトープであり得、よって肺癌マーカーとして、または肺癌マーカーを同定するために使用され得るので、ライブラリーはポリペプチドに限定される必要はない。
バイオマーカー同定方法は無傷のタンパク質または他の分子よりもむしろエピトープを同定しようと試みているので、スキャンまたはスクリーニングされるライブラリーが肺癌特異的である必要はなく、正常な個人の分子から作成しても、またはランダムな分子の集団から作成してもよいが、肺癌患者からのサンプルを使用すると適当な肺癌バイオマーカーを同定する可能性が高まり得る。それでも、エピトープまたは交差反応性分子は、エピトープを含有する分子の機能とは無関係に肺癌患者において存在し、免疫原性である。
これらの方法の好例は、T7肺癌特異的cDNAファージライブラリー及びM13ランダムペプチドライブラリーを用いて実施例に記載されている。両者とも当業界で公知のようにファージディスプレイライブラリーで実施した。使用したT7ファージNSCLC cDNAライブラリーの1つは市販されており(米国ウィスコンシン州マディソンに所在のNovagen)、他のT7ライブラリーは腺癌細胞NCI−1650(米国メリーランド州ベセスダに所在の国立健康研究所のNCIのH.Oieより提供)から構築した。
このように、ファージライブラリーは当業界で公知のように構築され得る。標的組織または細胞から全RNAを抽出し、選択する。N末端及びC末端アミノ酸配列の両方を確実に表示する第1鎖cDNA合成を実施する。cDNA産物を適合性のあるファージベクターに連結して、ライブラリーを作成する。このライブラリーを適当な細菌宿主において増幅させ、T7のような溶菌ファージについては、細胞を溶解させてファージ調製物を得る。ライゼートを標準条件下で滴定し、精製した後保存する。他のファージについては、ウイルス(例えばMl3)を培地に入れ、上清から収集し、滴定する。
ファージライブラリーは、肺癌患者においてリガンド(例えば、循環抗体)により認識される可能性ある表示分子を同定するために、肺癌患者からの組織サンプル、好ましくは血漿や血清のような流体サンプル及び正常な健康ドナーからの類似の組織サンプル(例えば、血漿または血清)を用いてバイオパニングまたはスクリーニングされる。
1つの実施形態では、組織サンプルは血液サンプル(例えば、血漿または血清)であり、目的は標的集団(例えば、非小細胞肺癌患者)の血漿または血清中に見られる抗体により認識されるマーカーを同定することである。非標的集団の抗体により認識されるファージをライブラリーから除外するために、ファージディスプレイライブラリーを例えば正常な血清またはプールした血清に曝す。未反応ファージを非標的集団サンプルと反応するものから分離する。次いで、未反応ファージをNSCLC血清に曝して、NSCLC患者の血清中の抗体により認識されるファージを単離する。反応性ファージを集め、適当な細菌宿主において増幅させ、ライゼートを収集し、保存し、“サンプル1”または“バイオパン1”として同定する。精製プロセスを向上させるためにバイオパン及び増幅方法を、通常同一の対照及び標的サンプルを用いて複数回繰り返してもよい。
バイオパンからのファージは、NSCLC患者からのサンプル中の抗体により特異的に認識される発現分子を含む可能性がより高い濃縮集団に相当する。多くのファージライブラリーがポリペプチドを発現するので、特定のファージがNSCLC関連抗体に対する“捕捉ペプチド”を発現し、当該ペプチドを示すと言われ得る。
NSCLC特異的抗体により結合される分子を発現するファージクローンを更に選択するために、NSCLC患者の血清中の抗体に結合される複数の候補ファージ発現分子を有するマイクロアレイを生成するためにバイオパンで選択した個々のファージライゼートを例えばスライド(ニューハンプシャー州キーンに所在のSchleicher and Schuell)上にArrayer(カリフォルニア州サンタクララに所在のAffymetrix)を用いて機械的にスポットし得る。
いずれのファージディスプレイ分子が(NSCLC特異的抗体を結合できる)NSCLC特異的捕捉分子でありそうかを同定するために、スクリーニングスライドを例えば個々のNSCLC患者血清サンプル(理想的には、バイオパンで使用したものではない)とインキュベートし、更に標準の免疫アッセイ方法を用いてスクリーニングする。ファージに結合した抗体は、例えば当業界で公知のように適当な免疫試薬を用いるデュアルカラー標識により同定され得る。ここで、ファージベクター発現産物は第1の着色または検出可能なレポーター分子で標識されて各部位の発現産物の量を明らかにし、ファージ発現ポリペプチドに結合した抗体は第1のレポーター分子と異なり得る第2の着色または検出可能なレポーター分子で標識される。
NSCLCサンプル中の抗体により結合されるNSCLCに関連するまたは特異的な捕捉分子を同定するためにデータを解釈するための1つの便利な方法は、スライド上のすべてのポリペプチドの平均シグナル及び標準偏差を指す多変量のコンピューター支援回帰分析による。統計処理は個々のファージで特異性を調べるために行われ、また複数のファージでファージの部分集合が、サンプルがNSCLC患者由来かまたはNSCLCを有している可能性があるかを調べる高い予測パワーを与え得るかを決定するために行われる。複数のサンプルをモニターする統計処理により、アッセイ内の変動レベルを調べることができる。集団サンプリングを増やすと、変動性を使用してアッセイ変動間を評価し、信頼できる集団パラメーターを得ることができる。
よって、スライド、チップ等上の他のファージよりも大きく患者サンプル中の抗体を結合するファージは、例えばシグナルがノルム(チップ上の平均シグナル)よりも1、2、もしくは3を上回るかまたはそれ以上の標準偏差であるとき候補因子と見なされる。本明細書中に記載した実験の幾つかでは、候補因子は4回バイオパンしたT7ライブラリーで構築したスクリーニングチップでファージディスプレイポリペプチドの約1/100に相当した。
候補ファージクローンを“診断チップ”上にコンパイルし、更にNSCLC患者のサンプルを非NSCLC集団のサンプルと判別する際に独立した予測値について評価する。
診断マーカーは、被験者におけるラジオグラフィーにより検出可能な肺癌の存在または更なる存在をシグナル伝達/検出/同定する能力について選択する。幾つかの状態は複数の病因、複数の細胞起源等を有しており、疾患では不均質な背景上に現れるので、パネルまたは複数のマーカーは特定の状態をより予測または診断し得る。肺癌はそのような状態の1つである。
生物統計学の分野では公知のように、関連する多変量、例えばマーカーのパネルまたはマーカーのパネルとの反応性のような集合的予測パワーを確認するために実施され得る統計スキームは多種多様である。よって、例えば動的統計モデリングが前記因子の2つ以上に依拠する予後検査を開発するために複数の因子からデータを解釈するために使用され得る。診断アッセイに含めるための適当なマーカーのパネルを選択するための他の方法には条件付き確率を用いるBayesianモデリング、最小二乗分析、部分最小二乗分析、ロジスティック多重回帰、ニューラルネットワーク、判別分析、分布によらない順位に基づく分析、その組合せ、その変形等が含まれる。目標は、多数の変量を処理した後、所望のメトリックを最大化するためにデータを加工することである。例えば、Pepe & Thompson,Biostatistics,1,123−140,2000;McIntosh & Pepe,Biometrics,58,657−664,2002;Baker,Biometrics,56,,1082−1087,2000;DeLongら,Biometrics,44,837−845,1988;及びKendziorskiら、Biometrics,62,19−27,2006を参照されたい。
ある状況では、統計処理は受動者動作特性(ROC)曲線の曲線下面積(AUC)のような予測メトリックを最大にしようとする。この処理により、変量の選択した組に依拠する結果を最大にするような公式アプローチまたはアルゴリズムが生じ、変量の1つまたはすべての最大化結果に対する相対的影響が明らかとなる。マーカーの相対的影響は変量の係数として関係を記載している誘導式で調べられ得る。よって、例えば以下に記載する例示の研究において同定した5個のマーカーの2つのパネルを前記分析から選択し、最大AUCのスコアはいずれか1つの変量の係数として表される最大予測パワーを得るために式中の1個のマーカーの相対加重で5個のマーカーを含む式により記載されている。係数は重み付けを表し、誘導式は加重和を生ずる加重変量の和と見なされ得る。
目標は、パラメーターにてらしてロバストな診断アッセイを可能とするために選択した、好ましくは最小数の変量(マーカー)に対して例えば特異性及び感度、または陽性の予測値を最大にするバランスを見つけることである。最大化結果に対する変量の加重または影響はいままでに確認され、分析されたデータから誘導され、分析した患者の数が増えると再計算される。患者の数が増えると、メトリックが集団平均値とその平均の周りの値の信頼限界範囲を示す信頼度も高くなり得る。
以下の実施例に記述しているように、例示されている5マーカーパネルは個別の特異性がCTスキャニングの観察される特異性を超えているマーカーを含む。よって、65%以上の特異性を有するマーカーの1個は、本アッセイが肺癌の診断において現在の標準のように効率的であり、低コスト及びより非侵襲的にデリバリーされるので肺癌に対する診断アッセイとして有利に使用され得る。
また、5個のマーカーを一緒にするとどんなメトリックでも1個のマーカーよりもより高い予測パワーを与えることに注目されたい。マーカーは各種準集団で予測され得、また2個以上のマーカーの発現は組み合わされる。例えば、これらは共通の生物学的存在または機能を共有し得る。総計予測値は必ずしも相加的でなく、マーカーの各種組合せは異なる予測精度を与え得る。使用した統計処理は予測パワーを最大とし、5個のマーカーの組合せは調べた基準集団に基づく結果であった。よって、患者サンプルを5個のマーカーで検査し、2個以上のマーカーの調和存在及び以下に教示されている5マーカーパネルの1つのような複数のマーカーに基づく診断メトリックのために原則として診断は5個のマーカーに基づいて計算される。本明細書において検討されているように、ロジスティック回帰のような統計処理のために、多変量メトリックに寄与する変量の1つが多かれ少なかれ最大化トータルに寄与し得る。患者がマーカーの1個以上に対して陰性である状況であっても、高含量マーカーの数個以上が陽性であるので、患者が5個のマーカーの総計メトリックの少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%またはそれ以上のスコア、合計等を有しているならば、その患者は肺癌に対して陽性である可能性が高いと見なされる。基準または標準値であり得、集団の平均値及び肺癌の存在の可能性を示す陽性の検査結果を与えるようにスコア、合計等に対して患者/実験サンプル類似性の許容され得るレベルであり得る閾値スコア、合計等は設計上の選択であり、陽性サンプルの検出の信頼限界またはレベルを与える統計分析により決定され得、または偽陽性のリスクで経験的に開発され得る。上に教示されているように、そのレベルは5個のマーカーの総計メトリックまたは集団和、基準値等の少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%またはそれ以上であり得る。閾値または「許容差」、すなわち集団スコア、和等からの患者のスコア、和等の許容できる類似度は上昇し得る。すなわち、患者スコアは感度を上昇させるためには集団スコアに非常に近くなければならない。
マーカーまたはパネルの予測パワーは各種の統計量、例えば特異性、感度、陽性予測値、陰性予測値、診断精度、例えばROC曲線(ROC曲線の形状は当業界で公知のように予測値の関連する考慮事項であるが、ROC曲線は特異性と感度との関係である)のAUC等を用いて調べられ得る。
複数のマーカーを使用すると、複数のマーカーの総計予測パワーはたった1個のマーカーの使用と比較してより大きいと考えられるので、よりロバストであり、より大きい集団を診断し得る診断検査となり得る。
以下に詳記するように、本発明は各種アッセイフォーマットの使用を考えている。マイクロアレイにより複数のサンプルを同時に検査することができる。よって、多数のポジティブ対照サンプル及びネガティブ対照サンプルをマイクロアレイに含めてもよい。次いで、アッセイを複数のサンプル(例えば、1つ以上の公知の罹患患者サンプル及び1つ以上の健常人からのサンプル)を1つ以上の検査し、比較しようとするサンプル、実験サンプル、患者サンプル及び検査しようとするサンプル等と一緒に同時に処理して行う。アッセイに内部対照を含めると、アッセイ内のシグナル強度を正規化、校正及び標準化することができる。例えば、ポジティブ対照、ネガティブ対照及び実験サンプルの各々を同時に流してもよく、複数のサンプルが連続希釈物であってもよい。対照及び実験部位も検査デバイスのサンプル部位の場所による変動を最小とするためにマイクロアレイデバイスにランダムにも配置され得る。
よって、内部対照を含むマイクロアレイまたはチップにより、マイクロアレイまたはチップ上で同時に検査した実験者(患者)を診断することができる。制御的に検査し、データーを獲得する多重方法により、適当な対照が明らかにされ、マーカーのパネルが個々に例えばROC曲線のAUCが0.85を上回り、5マーカーにわたる全AUCが0.95を上回るように合理的に高い予測パワーを有しているものならば、ポイントオブケア診断結果が得られ得るのでアッセイデバイス内で患者を診断することができる。
アッセイは、パネルのマーカーの各々が以下の実施例のような相対的に匹敵する特性を有していることが判明しているときには定性的に操作され得る。よって、肺癌患者サンプルは5つすべてのマーカーに対して陽性であり、前記サンプルは肺癌陽性である可能性が高い。本明細書中に記載されているように全体として5個のマーカーに基づいてオッズを求め、患者に対して5個のマーカーのメトリックの合計またはスコアを得、その数値を上記した統計ツールを用いて誘導したマーカーの予測パワーと比較することにより確認され得る。4個のマーカーのパワーが大きいために、マーカーの4個に対して陽性の患者もリスクありと見なされるべきであり、肺癌と診断され得、及び/またはより詳細に試験されるべきである。3個のマーカーに対してのみ陽性の患者は再検査、他のマーカーを用いる検査、ラジオグラフィーまたは他の検査を必要とし、または別の所定時間間隔の範囲で本アッセイを用いた更なる検査が要求され得る。
よって、n個のマーカーのパネルに対して、5個のマーカーと結果の関係を規定する最大可能性グラフを規定する誘導予測パワー式、例えば回帰式がある。患者がn個未満のマーカーに対して陽性であり得る場合、マーカーの大部分、すなわち50%以上が患者中に存在しているときには患者は陽性または更なる考慮のために陽性でありそうと見なされ得る。また、幾つかのパネルが特定の疾患(例えば、NSCLC)に対して特異的であり得るので、患者が肺疾患の潜在的症候の明白な徴候を示しているならば、患者は他の肺疾患を除外するように更に分析する必要があり得る。
よって、n個のマーカーを有する1つのアッセイでは、予備的定性的結果が検査したマーカーの総数の陽性シグナルの全数に基づいて得られ得る。合理的な閾値はマーカーの50%以上に対して陽性であることであり得る。よって、4個のマーカーを検査する場合、2、3または4個のマーカーに対して陽性のサンプルはおそらく肺癌を有していると推定上見なされ得る。5個のマーカーを検査する場合、3、4または5個のマーカーに対して陽性のサンプルは推定上陽性と見なされ得る。閾値は設計上の選択として変更され得る。
データの獲得及び統計処理に基づいて、集団の観点からマーカーの最適化パネルはたえず変化し得、経時的に変動し得、新しいマーカーの開発に伴って変動し得、集団が変化、増加する等につれて変動し得る。
また、検査集団のサイズが大きくなるにつれて、マーカーが生物学的または機械的に関連しているならば診断の正確な確率のマーカーの部分集団の信頼、加重係数及び可能性がより確実になり得、よって偏差、信頼限界または誤差限界が低下する。従って、本発明は一般的集団で使用され得るマーカーの部分集合の使用も考えている。或いは、当該アッセイデバイスは、特定の集団に対して最適化されるマーカーの部分集合のみを含み得、例えば以下に教示されている実施例で使用した5マーカーのパネルを含み得る。
ポリペプチドをコードするファージクローンインサートを分析して、発現ポリペプチドのアミノ酸配列を決定し得る。例えば、ファージインサートを市販されているファージベクタープライマーを用いてPCR増幅させてもよい。特定のクローンをサイズの違い及びPCR産物の酵素消化パターンに基づいて同定し、その後特定のPCR産物を精製し、配列決定する。コード化ポリペプチドをBLASTサーチプログラムを用いて公知の配列(例えば、GenBankデータベース)と比較することにより同定する。
よって、例えば、下記表1及び2に肺癌患者中の自己抗体を結合する肺癌cDNAのT7ファージクローンを要約する。
Figure 2009516178
Figure 2009516178
Figure 2009516178
表2は、公知のポリペプチドをコードするようにみえないNSCLCと関連するとして同定された他のクローンを示す。
Figure 2009516178
Figure 2009516178
Figure 2009516178
ランダムペプチドライブラリーは、NSCLC患者にあるが正常人にはない循環抗体を結合する候補ポリペプチドを同定するためにも使用され得る。よって、例えばウイルスマイナーコートタンパク質に融合した10ランダムペプチドを含むファージディスプレイペプチドライブラリーを肺癌患者抗体を結合する捕捉タンパク質について上記した技術に類似の技術(例えば、マイクロアレイ)を用いて当業界で公知のようにスクリーニングし得る。使用した1つのM13ライブラリー(New England Biolabs)はファージ表面上のループ構造物として7アミノ酸ポリペプチドインサートを発現する。
本明細書中に記載されているように、ライブラリーをバイオパンして、NSCLC患者血清中の循環抗体により特異的に認識されるファージ発現タンパク質を濃縮する。選択したクローンのファージライゼートをスライド(ニューハンプシャー州キーンに所在のSchleicher and Schuell)上に機械的(カリフォルニア州サンタクララに所在のAffymetrix)に2回スポットする。アレイしたファージをNSCLC患者からの血清サンプルとインキュベートして、循環肺腫瘍関連抗体により結合されるファージ発現タンパク質を同定する。
適当なレポーター分子を用いる公知のイムノアッセイを用いて、スライド上のすべてのポリペプチドの平均シグナル及び標準偏差を指すコンピューター作成回帰線を使用して、NSCLC患者血清中の抗体により結合されたペプチドを同定する。NSCLC血清サンプルからの抗体のファージ結合有意量(例えば、標準値から3を上回る標準偏差)を有する者が更なる評価のための候補者と見なされる。
Figure 2009516178
Figure 2009516178
未だ配列決定されていない別の肺癌特異的クローンを表4に示す。
Figure 2009516178
ライブラリーのハイスループットスクリーニングの目的は、すべての癌特異的タンパク質を同定するのではなく、むしろパネルとして最大の程度の特異性及び感度で被験者が肺癌コホートに入るか否かを予測するために使用され得る予測マーカーのコホートを同定することである。よって、このアプローチは包括的プロテオミクプロフィールを作成することまたは肺癌タンパク質のような疾患タンパク質を同定することを標的としているのではなく、疾患を予測し、パネルとして集めたとき不均質な集団中の不均質疾患に対するロバストな予測アッセイを可能とする多数のマーカーを同定することである。1個のマーカーが肺発癌における直接的な役割を有していることも有していないこともあり、ペプチドとしてペプチドの起源の分子の実際の役割は現在未知であり得る。
個々の捕捉タンパク質への抗体結合の測定
診断チップ上にコンパイルされている捕捉タンパク質を使用して、血液サンプル中の肺癌特異的抗体の相対量を測定することができる。これは、各種プラットフォーム、ポリペプチドの各種製剤(例えば、ファージ発現、cDNA由来の、ペプチドライブラリーまたは精製タンパク質)、及び各種のサンプル間及びサンプル中を比較することができる各種統計順列を用いてなされ得る。比較には、測定値を外部校正または内部正規化により標準化する必要がある。よって、スクリーニング手段としてイムノアッセイを用いて多数のファージ発現捕捉タンパク質(例えば、M13及びT7ファージ)及び多数の陰性外部対照タンパク質(患者血漿中の抗体により結合されないファージ、及び“空”ファージと称されるインサートを持たないMl3またはT7ファージ)からなる例示したスライドグラスアレイでは、データを2つの非限定的統計アプローチを用いてファージカプシドの2つの蛍光標識及び血漿サンプル抗体結合により正規化した:
1)抗体/ファージカプシドシグナル比
1つの診断チップ上のスクリーニングで同定した捕捉タンパク質、多数の非反応性ファージ及び“空”ファージを標準の免疫化学技術およびデュアルカラー染色法を用いてサンプルとインキュベートする。捕捉タンパク質を結合する抗体のメジアン(または、平均)シグナルをファージカプシドタンパク質に対する市販の抗体のメジアン(または、平均)シグナルで除し、スポット中の総タンパク質の量を求める。よって、血漿/ファージカプシドシグナル比(例えば、Cy5/Cy3シグナル比)により、特定のファージ発現タンパク質に対するヒト抗体の正規化測定値が得られる。次いで、測定値は、空ファージに対するバックグラウンド反応性を差し引き、ファージシグナルのメジアン(または、平均)シグナルで除すことにより正規化され得る[(ファージのCy5/Cy3)−(空ファージのCy5/Cy3)/(空ファージのCy5/Cy3)]。この手法は定量的であり、再現性を有し、チップ毎の変動を補正して、サンプルを比較することができる。
2)標準化残差
1つの診断チップ上でスクリーニングして同定した捕捉タンパク質、多数の非反応性ファージ及び“空”ファージを標準の免疫化学技術およびデュアルカラー染色法を用いてサンプルとインキュベートする。統計的に決定した回折線からの距離を測定した後、その測定値を残差標準偏差により除して標準化する。このアプローチにより、各スポットにおけるタンパク質の量にわたり各々の特定のファージ発現タンパク質に結合する抗体の量を信頼可能に求めることができ、このアプローチは定量的であり、再現性を有し、チップ毎の変動を補正して、サンプルを比較することができる。
シグナルの正規化は、患者がマーカーに対して陽性であるか否かを判定するための診断アッセイにおいて検査しようとする未知のものと使用され得る。このアッセイは抗体の存在の定性的測定値に依拠しており、例えばバックグラウンドよりも高い正規値は抗体の証拠と見なされる。或いは、このアッセイは抗体応答の強さの反映としてマーカーに対するシグナルの強度を測定することにより定量され得る。よって、マーカーに対する反応の実際の正規化数値は本明細書中に記載されている癌診断の公式による判定に使用され得る。
予測マーカーの同定
すべての候補ファージ発現タンパク質の正規化測定値は、患者群と正常群間の統計上の有意差について例えばJMP統計ソフトウェア(ノースカロライナ州ケアリーに所在のSAS,Inc.)を用いるt検定により独立して分析され得る。検査したサンプルに対して独立判別の異なるレベルを有するマーカーの各種組合せを各種方法で統計的に組み合わせ得る。統計処理は、多変量解析方式で各種組合せ中のマーカーのすべてを比較して病気の存在に関連する可能性が最大のマーカーのパネルを得ることを含むものである。集団統計におけるように、マーカーの選択は使用したサンプルの数及びタイプにより規定される。よって、「マーカーの最適な組合せ」は例えば集団毎に異なり得、または異常のステージに基づき得る。マーカーの最適な組合せは、より小さいサンプルサイズ(100未満)では明らかでない恐れがあったり、マーカーの集団有病率の確認のために低い偏差を示すことがあり得る変動性に基づいてより大きなサンプルセット(1000を上回る)で検査するときには変更され得る。加重ロジスティック回帰は多かれ少なかれ独立予測値を有するマーカーを組み合わせるための論理的アプローチである。検査したサンプルを判別するためのマーカーの最適な組合せは、データを例えばROC曲線を用いて組織化し、分析することにより規定され得る。
クラスの予測
すべての候補ファージ発現タンパク質に対する標準化応答は、患者群と正常群間の統計上の有意差について例えばt検定により独立して分析される。統計処理は、多変量解析方式で各種組合せ中のマーカーのすべてを比較して癌の存在に関連する可能性が最大のマーカーのパネルを得ることを含むものである。
肺癌について本明細書中に例示されているパネル(2個以上のマーカーの組合せ測度)は高い組合せ予測値を有し、優れた判別(癌があるのか癌がないのか)を示す。本発明は入手可能な癌サンプルと正常サンプル間の判別能力について選択した特定のペプチドパネルを含むが、本発明はすべてではないが幾つかの同定されたマーカー、すべてではないが潜在的に同定可能なマーカーまたはその組合せを用いて開発されたと考えられる。よって、パネルは少なくとも2個のマーカー、少なくとも3個のマーカー、少なくとも4個のマーカー、少なくとも5個のマーカー、少なくとも6個のマーカー、少なくとも7個のマーカー、少なくとも8個のマーカー、少なくとも9個のマーカー、少なくとも10個のマーカーまたはそれ以上を含み得、マーカーの数は結果の最大予測可能性が得られるように統計分析により決められる。従って、例えば本明細書中に記載されている実施例及びパネルは例にすぎない。
統計の見地からも、追加マーカーを包含させると最終的に、サンプル中のすべての罹患個人を同定する検査が得られる。しかしながら、商業的な実施形態では、多数のマーカー、必要とされ得る統計処理および多数の対照の必要性を、それぞれコストを勘案して、多数の変数を考慮するためにおよび1回で検査され得る実験サンプルの数を減らすために、要求も要望も所望もしないことがある。商業的な場合は科学的必然性とは異なる決定点を有する。
しかしながら、多数のマーカーまたはマーカーの各種パネルにより感度及び/または特異性を向上させ得るという所見から、少数のマーカーを用いたポジティブアッセイの後の経過観察研究は偽陽性の可能性を排除するために少数また多数のマーカー或いはマーカーの各種パネルを用いて検査した患者サンプルを有する実施形態が得られる。バイオマーカーの再構成パネルで当該アッセイを用いる経過観察研究は、より費用がかかり、潜在的に侵襲性の技術(例えば、患者に対して高レベルの放射線を照射するCTまたは生検)に対する魅力的な代替法である。よって、5マーカーパネルに対して3つ以下の陽性を有する患者を確認検査としてマーカーの大パネルを用いて検査してもよい。
本アッセイは、X線またはCTスキャンのような別のアッセイフォーマットの確認としても使用され得る。特にX線またはCTスキャンが明確な診断を与えず再検査、迅速な経過観察、次の検査まで長いまたは短い期間等々を必要とするであろう場合に使用し得る。よって、本アッセイを前記患者における経過観察として使用し得る。陽性検査は肺癌の可能性を確認し、陰性検査は癌が良性であるかまたはまったくないことを示し、非診断的X線またはCTスキャンは正常な組織の変異を示していた。
「商業的にすぐに使える」アッセイにおける正確なクラス予測は広い人口調査からの多数のサンプルの測定値に基づいているので、開発中すべての遡及的サンプル検査が最終的に分類子として包含され、アッセイのパワー(例えば、予測値)は連続的に向上される。このアッセイ開発の動的側面に加えて、マルチプレクス(マルチマーカー)アッセイの種類により予測マーカーを開発または実施の際の任意の時点で加えることができる。
この状況において、診断に使用するための確認マーカーは、「正常範囲」を規定することにより予測精度を高める分類子の非常に安定な組を得る第二の目的に役立つ。正常範囲からの偏差から疾患の統計上の確率(例えば、ノルムから2を上回る標準偏差)が得られるが、臨床診断のために最も適切なカットオフ値は所定の標的集団における変動により決定されなければならない。
複数マーカーアッセイ及び用途
本明細書中により詳細に検討するように、本発明は各種アッセイフォーマットの使用を考えている。マイクロアレイにより、複数のサンプルを同時に検査することができる。よって、多数のポジティブ対照サンプル及びネガティブ対照サンプルをマイクロアレイに含めることができる。従って、アッセイは、公知の罹患患者由来のサンプル及び正常人由来のサンプルのような複数のサンプルを検査しようとするサンプルと一緒に同時に処理して行い得る。内部対照を用いると、アッセイ内のシグナル強度を正規化、校正及び標準化することができる。
よって、内部対照を含むマイクロアレイ、MEMSデバイス、NEMSデバイスまたはチップにより、デバイスで同時に検査される実験者(患者)をポイント・オブ・ケア診断できる。MEMS及びNEMSデバイスはマイクロアレイアッセイのために使用されるものであり得、または追加のアッセイフォーマット及びレポーターを可能にするマイクロ流体等を含む“ラボチップ”フォーマット中に存在させ得る。
予測パワー及び値並びに一般集団に対する適用可能性を強化し、コストを減らすために、本アッセイフォーマットは、通常低い製造コストで1つまたは少数の標的を同時に検出する標準イムノアッセイ(例えば、ディップスティック及びラテラルフローイムノアッセイ)から例えば96,384以上のサンプルを同時に処理し得、臨床検査室に一般的であり、多くのサンプルを同時にハイスループット方式で検査する自動化、アレイ及びマイクロアレイフォーマットを受けることができる複数のウェル培養皿において操作するようにしばしば構成されているELISAタイプフォーマットまでの範囲であり得る。アッセイは簡単な定性的判別(癌ありまたは癌なし)が得られるようにも構成され得る。
しかしながら、疾患管理での複数の各種用途が可能であり、1つの用途にとって特有のマーカーが本明細書中に教示されているように作成され得る。肺癌を他のタイプの癌から区別するため、早期癌を後期癌から区別するために、癌の特異的サブタイプを区別するために、治療介入後の疾患の進行を追跡するための各種マーカーセットが得られる。よって、治療レジメンを所要により治療または緩解の進行をモニターするために本アッセイを用いて繰り返し連続検査することにより評価及び操作され得る。例えば捕捉分子の連続希釈物を含有させることによるアッセイの定量的バージョンにより癌のサイズの治療による縮小を判別することができる。
ペプチドのような特定のエピトープを循環抗体を検出するために同定したら、特定のエピトープを当業界で公知のフォーマットで診断アッセイに使用し得る。相互作用は免疫反応であるので、各種の公知イムノアッセイフォーマットで適当な診断がなされ得る。よって、エピトープは例えば公知の化学的手法を用いて固相に固定し得る。また、エピトープは、当業界で公知のように、多くの場合エピトープよりも大きい別の分子にコンジュゲートして合成コンジュゲート分子を形成してもよく、または組換え方法を用いて複合分子として作成してもよい。多くのポリペプチドは組織培養デバイス(例えば、マルチウェルプレート)中に見られ得るプラスチック表面(例えば、ポリエチレン表面)に自然と結合する。しばしば、前記プラスチック表面は該表面に対する生物学的に適合する分子の結合が増強されるように処理されている。よって、ポリペプチドは捕捉エレメントを形成し、該エピトープに特異的に結合する自己抗体を有すると疑われる液体を捕捉エレメントに曝し、抗体は捕捉エレメントにくっつき、固定化され、その後洗浄し、結合した抗体を適当な検出可能に標識されているレポーター分子、例えばコロイド金属(例えば、コロイド金)、蛍光色素(例えば、フルオレセイン)等で標識した抗ヒト抗体を用いて検出する。そのメカニズムは例えばELISA、RIA、ウェスタンブロット等により表される。抗体を検出するためのイムノアッセイの具体的なフォーマットは設計上の選択である。
或いは、特定のファージが肺癌患者で見られる自己抗体により特異的に結合されるエピトープを発現する(クローンは具体的に名付けられ、ストックとして保存されており、本出願が特許になったらリクエストに応じて利用されるようになるであろう)ので、アッセイの捕捉エレメントは細胞ライゼートから得られるような個々のファージであり得、各ファージは固相上の捕捉部位にある。また、担体上のハプテンのように発現エピトープが結合している反応上不活性な担体、例えばタンパク質(例えば、アルブミン及びキーホールリンペットヘモシアニン)または合成担体(例えば、合成ポリマー)、イムノアッセイ用固相上に当該エピトープを存在させるための他の手段が使用され得る。
或いは、フォーマットは、固相に固定された捕捉エレメントが免疫グロブリンの非抗原結合部分(例えば、抗体のF部分)に結合するものである構成をとり得る。従って、適当な捕捉エレメントはプロテインA、プロテインG及び/またはα−F抗体である。患者血清を捕捉試薬に曝した後、肺癌特異的抗体の存在を例えば当業界で公知のように直接または競合フォーマットで標識マーカーを用いて検出する。
また、捕捉エレメントは、上記したように特異的捕捉試薬を生ずるように別の手段を提供するためにエピトープを提示するファージに結合する抗体であり得る。
イムノアッセイの分野で公知のように、捕捉エレメントは抗体が結合する決定基である。本明細書中に教示されているように、決定基は任意の分子、例えばポリペプチド、ポリヌクレオチド、脂質、多糖等のような生物分子またはその一部、及び糖タンパク質またはリポタンパク質のようなその組合せであり得、その存在は肺癌患者中で見られる抗体の存在に相関している。決定基は例えば天然に存在し、精製され得る。或いは、決定基は、交差反応性を最小限とし得る組換え手段により作成され得るかまたは合成され得る。決定基は明らかな生物学的機能を有していなくても、また必ずしも特定の状態に関連していなくてもよいが、当該診断アッセイにおけるその使用を損なわないものである。
イムノアッセイの固相は、当業界で公知の形態で当業界で公知のものであり得る。よって、固相はプラスチック(例えば、ポリスチレンまたはポリプロピレン)、ガラス、シリカを主成分とする構造物(例えば、シリコンチップ)、膜(例えば、ナイロン)、ペーパー等であり得る。固相は多数の各種の公知のフォーマット、例えばペーパーフォーマット、ビーズ、ディップスティックまたはラテラルフローデバイス(通常膜を使用する)の一部として、マイクロタイタープレート、スライド、チップ等で提供され得る。固相をガラススライド上またはチップ中に見られるような硬質平面として存在し得る。幾つかの自動化デテクタデバイスは、光子をベースとするシグナルを検出し、読みとるために検出可能なシグナルを読みとるための手段(例えば、分光光度計、液体シンチレーションカウンター、比色計、蛍光光度計等)を取り付けた専用使い捨て用品を有している。
結合した抗体を検出するための他の免疫試薬は当業界で公知である。例えば、抗ヒトIg抗体は捕捉決定基、自己抗体及び抗ヒトIg抗体を含むサンドイッチを形成するのに適している。抗ヒトIg抗体の検出エレメントをレポーター分子(例えば酵素、コロイド金属、放射線核種、染料等)で直接標識してもよく、それ自体レポーター機能に役立つ第2分子により結合され得る。本質的に、結合抗体を検出するために任意の手段が使用され得、その任意の手段は操作者が見分け得るシグナルを生じさせるためにレポーター機能のための手段を含み得る。レポーターを形成するための分子の標識は当業界で公知である。
複数のサンプルを同時に分析し得るデバイスに関連して、ポジティブ対照及びネガティブ対照の多数の対照エレメントをアッセイ性能、試薬性能、特異性及び感度をコントロールできるようにアッセイデバイスに含めてもよい。上記したように、当該デバイスを作成するための全部ではないが殆どのステップ及び多くのアッセイステップは多くの場合、技術者のエラーを最小とするために機械的手段(例えば、ロボット)により実施され得る。または、前記デバイスからのデータはスキャニング手段を用いてデジタル化され、デジタル情報はデータ保存手段に通信され、データもデータ処理手段に通信され、そこでデータに対して本明細書中に記載されているかまたは当業界で公知の種類の統計分析がなされて結果の測度を求め、次いでデータ提示手段(例えば、スクリーンまたは情報の読み出し)によりアッセイ結果を提示するために基準標準と比較するかまたは内部比較して、診断情報を得ることができる。
少数のサンプルを分析したり、十分な集団データが利用され得るデバイスに対して、適切な誤差測定値でポジティブ結果及びネガティブ結果を構成する誘導メトリックが設けられ得る。このような場合、単一のポジティブ対照及び単一のネガティブ対照が当業界で公知のように内部確認のために必要なすべてであり得る。アッセイデバイスは、例えば肺癌クラスターに含まれるかまたは含まれないより定性的な結果を生ずるように構成され得る。
当業界で公知であり、利用されているように他のハイスループット及び/または自動化イムノアッセイフォーマットが使用され得る。よって、例えば比色、蛍光またはルミネッセントシグナルに基づくビーズベースアッセイ、例えば染料充填ミクロスフェアを用いるLuminex(テキサス州に所在のAustin)テクノロジー及びBD(ニュージャージに所在のFranklin Lakes)Cytometric Bead Array systemが使用され得る。いずれの場合も、当該エピトープがビーズに結合されている。
別の多重アッセイはGannotら,J.MoI.Diagnostics,7,427−436,2005の層状アレイ方法である。この方法では各々が異なる1つの結合対(例えば、抗原やマーカーのような標的分子)を有している複数の膜を使用しており、これらの膜はインレジスタ(in register)にクロマトグラフィー移送する目的で他の結合対を有すると疑われるサンプルを受容するようにインレジスタ(in register)で構成されている。サンプルは吸い上げたり、三次元マトリックスを与えるように多数の整列された膜を介して輸送される。よって、例えば、多数の膜を分離ゲルの頂上に積み重ね、ゲル内容物を分離ゲルから排出し、積み重ねた膜を通過させる。1つの膜にくっつけた分子と膜スタックを介して輸送される分子間の分子の会合(例えば、抗体に結合した抗原)は公知のレポーター、検出材料及び方法を用いて可視化され得る。例えば、米国特許第6,602,661及び同第6,969,615号;並びに米国特許出願公開第20050255473号及び同第20040081987号を参照されたい。
他の実施形態では、当該組成物またはデバイスは肺癌に関連または相関している分子の各種クラスを検出するために使用され得る。よって、アッセイは肺癌に関連または相関している循環自己抗体及び非抗体分子(例えば、肺癌抗原)を検出し得る。例えば、Weynantsら,Eur.Respir.J.,10:1703−1719,1997及びHirschら,Eur.Respir.J.,19:1151−1158,2002を参照されたい。従って、デバイスは捕捉エレメントとして肺癌分子に対する自己抗体及び結合分子に対するエピトープ(例えば、特異的抗体、アプタマー、リガンド等)を含み得る。
サンプリング及び検査の例示
特にスクリーニングアッセイにおいて検査を受けることが可能なサンプルは通常患者から、おそらく非侵入性または最小の侵襲性方法で容易に得ることができるものである。サンプルは自己抗体を有していると公知のものである。血液サンプルはそのような適当なサンプルであり、多くのイムノアッセイフォーマットに容易にかけることが可能である。
血液サンプルの関連で、多くの採血管が公知であり、多くは5または10mlの血液を集める。多くの一般的に注文されている診断血液検査と同様に、5mlの血液を集めるが、マイクロアレイとして操作する本アッセイは1ml未満の血液ですむことがあり得る。採血容器が抗凝固薬(例えば、ヘパリン、クエン酸塩またはEDTA)を含んでいてもよい。細胞エレメントを通常遠心することにより、例えば4℃で1000×g(RCF)で10分間遠心することにより分離し(分析のために〜40%の血漿を得る)、使用まで通常冷凍温度または4℃で保存し得る。好ましくは、血漿サンプルは採取から3日以内にアッセイするか、または例えば−20℃で冷凍保存する。過剰のサンプルは所要による反復分析のために−20℃で(サンプルの凍結融解を避けるために霜のつかない冷凍庫において)最長2週間保存する。2週間以上の長期にわたる保存は−80℃でなければならない。抗体構造及び機能を保存するために当業界で公知のように標準の取り扱い及び保存方法を実施する。
次いで、流体サンプルを、例えば本明細書中に記載されている5マーカーパネルの1つの精製ポリペプチドのサンプルを適当なポジティブサンプル及びネガティブサンプルと一緒に充填した部位を含むマイクロアレイのような検査組成物に用いる。サンプルは定量を可能とするように連続希釈物のような漸変量で用意され得る。サンプルは位置的影響を考慮してマイクロアレイ上にランダムに配置され得る。インキュベートした後、マイクロアレイを洗浄した後、デテクタ(例えば、特定のマーカーで標識した抗ヒト抗体)に曝す。シグナルの正規化を可能とするために、例えばマイクロアレイに第2デテクタを添加して各部位のサンプルの測度を得る。単離したポリペプチドサンプル上の別の部位に対する抗体であり得、ポリペプチドを特異的反応に対して不活性な追加のシーケンスまたは分子を含むように修飾しても、ポリペプチドをマイクロアレイに添加する前にレポーターを有するように修飾してもよい。マイクロアレイを再び洗浄した後、所要によりレポーターの検出を可能とするように試薬に曝す。例えばレポーターが金属ゾルのような着色粒子を含んでいるならば、特殊な検出手段は必要でない。蛍光分子を使用するならば、適切な入射光が使用される。酵素を使用するならば、マイクロアレイは適当な基質に曝される。次いで、マイクロアレイを部位に結合した反応産物について評価する。肉眼で評価してもよいが、検出し、所要によりシグナルの強度を定量するデバイスがある。次いで、データを、例えばポジティブ対照サンプル及びネガティブ対照サンプルを観察することにより反応の正当性に関する情報を得るように解釈し、正当ならば実験サンプルを評価する。次いで、情報を癌の存在について解釈する。例えば、患者が3個以上の抗体に対して陽性ならば、患者は肺癌について陽性であると診断される。或いは、マーカーの情報を肺癌の存在の結果に対する5個のマーカーの最大可能性関係を記載している式に適用してもよく、患者のスコアの糸口がパネルの同スコアの値の50%以上ならば、患者は癌に対して陽性であると診断される。適当なスコアは算出したAUC値であり得る。
キットの使用及びアッセイ
その後の経過観察のための早期診断または早期警告は疾患の結果に対する潜在的な影響のために非常に有力であるが、本発明の血液検査は複数の使用及び用途を有する。本発明は肺癌のラジオグラフィースクリーニングを補うためのツールとして使用され得る。連続CTスクリーニングは通常肺癌に対して感受性であるが、非常に高価で、非特異的(報告されている特異性は64%)である傾向にある。よって、CTは多数の、ほぼ4/10の偽陽性を生ずる。ラジオグラフィー画像診断で不確定な肺結節がルーチンに同定されると、しばしば高価な精密検査及び大手術を含めた潜在的に有害な介入につながる。現在、肺癌に対する大規模スクリーニング研究による選択基準として使用されているリスクファクターは年齢と喫煙歴のたった2つである。
ラジオグラフィーにより明らかな癌(>0.5cm)及び/または潜在性または悪性前癌(慣用のラジオグラフィー検出の限界以下)を検出するために本発明の血液検査を使用すると、追加のスクリーニングを行うのに最も値する個人が特定される。よって、本発明のアッセイは一次スクリーニング検査として役立ち得、陽性結果は当業界で慣用されており、公知のラジオグラフィー分析(例えば、CT、PET、X線等)のような更なる検査に対する指標である。加えて、定期的再検査により新しく出現したNSCLCが同定され得る。
本発明の検査を医療行為に組み入れ得る方法の1例は、高リスクの喫煙者(例えば、20年以上1日一箱くらい喫煙したヒト)は毎年の身体検査の一部として本発明の血液検査を受けてもよい。更に明白な症状のない陰性の結果は少なくとも1年に1回更に検査することを示し得る。検査結果が陽性ならば、患者は可能性ある腫瘍を同定するために追加の検査、例えば本アッセイの繰り返し及び/またはCTスキャンもしくはX線を受ける。腫瘍がCTスキャンまたはX線で明らかでないならば、多分本アッセイをその年に1〜2回、その後も腫瘍が少なくとも0.5mmの直径になるまで年に数回繰り返され、検出され、外科的に除去され得る。
以下の実施例に記載されているように、例示した5マーカーパネルを用いたNSCLCに対する自己抗体プロファイリングの90%以下の感度はCTスクリーニング単独の感度にかなり有利に匹敵し、比較により小腫瘍に対して非常にうまく実行され得、潜在性疾患の検出における大きな進歩を示す。更に、本アッセイの80%以上の特異性はCTスクリーニングの特異性よりも非常に高く、このことはリスクのある集団での良性肺結節のパーセンテージが高くなり、例えばMayo Clinicスクリーニングトライアルでは参加者の約70%のレベルに上昇するので、ますます重要になりつつある。
スクリーニングにおける使用に加えて、本発明のアッセイ及び方法は、CTスクリーニングで同定された良性結節と悪性結節を区別するという非常に関連する臨床問題に対しても有用であり得る。孤立性肺結節(SPN)は正常な肺組織で完全に囲まれている直径が3cm未満の単一の球形病巣と定義されている。SPN中の悪性疾患の有病率は約10%〜約70%と報告されていたが、SPNの現代の定義を用いた最新の研究は約40%〜約60%の悪性疾患の有病率を示している。良性病巣の大部分は肉芽腫の結果であるが、悪性病巣の大部分は原発性肺癌である。SPNの初期診断評価は、悪性疾患のリスクファクター、例えば年齢、喫煙歴、過去の悪性疾患の病歴及び結節の胸部ラジオグラフィー特徴(例えば、大きさ、石灰化、境界(とがったまたは平滑)及び過去の胸部X線の評価に基づく成長パターン)の評価に基づいている。その後、これらのファクターは悪性疾患の可能性を判断し、更なる患者の管理を指導するために使用される。
初期評価した後、多くの結節は悪性疾患の中間確率(25〜75%)を有するとして分類される。この群の患者は生検または手術を受ける前に本アッセイで追加検査する恩恵を受け得る。増殖または代謝イメージングを評価する連続スキャニング(例えば、PETスキャニング)のみが現在利用可能な唯一の非侵襲性オプションであり、理想とはかけ離れている。連続ラジオグラフィー分析は病巣が2年の時間枠で増殖を示さないことを要求する増殖の指標に依拠している。スキャン間の理想的間隔は決められていないが、2年間に3ヶ月毎のCTスキャンが慣用の縦断的評価である。PETスキャンは肺癌に対して90〜95%の特異性及び80〜85%の感度を有している。これらの予測値は良性肉芽腫疾患(例えば、ヒストプラスマ症)の限局性有病率に基づいて変動し得る。
PETスキャンは通常1検査あたり$2000〜$4000の費用がかかる。非外科的介入(たとえば、気管支鏡検査または経胸腔針生検(TTNB))からの診断率は40〜95%の範囲である。非診断処置施設でのその後の管理には問題があることがある。外科的介入は他の診断精密検査を用いたまたは用いない最も実行可能なオプションとしてしばしば遂行されている。この選択は悪性疾患の予備検査リスクが高いか低いか、特定の施設での検査の利用可能性、結節の特徴(例えば、大きさ及び場所)、患者の手術のリスク及び患者の採択に依拠する。他の肺外悪性疾患の過去の病歴から直ちに肺への転移性癌の可能性が示唆され、非侵襲性検査の適切さは無視されるようになる。肺癌が臨床上不確定的に疑われるSPNの混乱する臨床シナリオでは、循環腫瘍マーカーが潜在的に有害な侵襲性診断精密検査を避けるのに役立ち、逆に積極的な外科的介入に対する理論的根拠を裏付ける。
よって、本発明によると、侵襲的診断の代わりに結節を連続的に画像診断するために選択する臨床的満足が高まる。本発明は、連続X線またはCTスクリーニングの間隔に影響を有し、臨床ヘルスケアコストを低下させるであろう。本発明は、肺癌が存在するか否かの確率を更に高めるための費用効率が適切な方法としてPETスキャニングを補充または補足するであろう。
本発明は、治療介入後の疾患の再発を評価する際に有用である。結腸癌及び前立腺癌に対する血液検査はこの可能性で一般的に使用されており、マーカーレベルは治療の成功または失敗の指標として追跡され、マーカーレベルが高くなると治療介入につながる再発についての更なる診断評価の必要性を示す。
本発明は、腫瘍特性についての重要な情報を与える。予後の悪い腫瘍のサブタイプの決定は潜在的に毒性のある追加治療を推奨するための臨床的決定に重大な影響を及ぼし得る。なぜならば、アッセイは複数のマーカーを使用しており、マーカーの1個は特定の癌の特徴またはその独自のパラメーターであり得るからである。慣用の手術または化学療法の長期間強化のために使用される新しい治療の開発には注意深い費用/効率分析及び患者の選択が必要であり得る。
よって、本アッセイはスクリーニング、治療の選択のために、治療の経過、治療の成功、再発、治癒等をモニターするために治療中に連続使用するために貴重なツールである。本アッセイの試薬、マーカーの特定パネルは具体的目的に適するように扱われ得る。例えば、スクリーニングアッセイでは、多数の個人に対する予測パワーを最大とするためにマーカーの大きなパネルまたは非常に一般的なマーカーのパネルが使用される。しかしながら、治療を受けている個人に関連して、例えば患者腫瘍の特定の抗体フィンガープリントを得、スクリーニングのために使用したマーカーのすべてを要することも要しないこともあり、マーカーの特殊化部分集合は患者における腫瘍の存在及びその後の治療介入をモニターするために使用され得る。
当該アッセイの構成成分は分布等のために多種多様のフォーマットで構成され得る。よって、1つ以上のエピトープが1つ以上の容器(例えば、ガラス容器、遠心管等)にアリコートされ、保存される。エピトープ溶液が当業界で公知のように保存剤、抗菌剤、安定化剤等を含めた適当な緩衝剤等を含んでいてもよい。エピトープは乾燥、凍結乾燥等の保存形態をとり得る。エピトープを具体的アッセイに使用するために適当な固相上に配置してもよい。よって、エピトープを培養プレートのウェル中に配置し、乾燥し、層状アレイまたはラテラルフローイムノアッセイデバイス中の膜上にスポットし、マイクロアレイ用スライドまたは他の支持体上にスポットする等をしてもよい。アイテムを最大の貯蔵寿命を確保するために当業界で公知のように、例えばプラスチックフィルムラップまたは不透明ラップで包装し、箱に入れてもよい。アッセイ容器は各々が容器中に入れられたポジティブ対照サンプル及びネガティブ対照サンプルをも含んでいてもよく、容器にはサンプルが液体ならば滴下装置または液滴の分配を可能にするキャップを有する容器、サンプル収集装置、他の液体移送デバイス、検出試薬、発色試薬(例えば、銀染色試薬及び酵素基質)、酸/塩基溶液、水等が含まれる。適当な使用説明書を添付してもよい。
ビーズベースアッセイを用いるような他のフォーマットでは複数のエピトープをビーズの各種集団にくっつけ、次いで1つの試薬に組み合わされ、患者サンプルに曝される得る。
本発明を以下の非限定的実施例において例示する。データはZhongら,Am.J.Respir.Crit.Care Med.,172:1308−1314,2005及びZhongら,J.Thoracic Oncol.,1:513−519,2006において報告されており、これらの内容は参照により全文を本明細書中に組み入れるとする。
実施例1
NSCLC診断アッセイ
本実施例では、後期(II、III及びIV)NSCLCを診断するためのマーカーの同定を実施した。2つのT7ファージNSCLCライブラリーをNSCLC患者及び正常人血清を用いてバイオパンして、NSCLC患者中を循環している抗体により認識されるポリペプチドを発現する免疫原性クローンの集団を濃縮した。
1つのT7ファージNSCLC cDNAライブラリーを購入(米国ウィスコンシン州マディソンに所在のNovagen)し、第2のライブラリーは腺癌細胞株NCI−1650からNovagen OrientExpress cDNA合成及びクローニングシステムを用いて構築した。これらのライブラリーを5人のNSCLC患者(2〜4期;組織学的に確認された診断)及び正常な健常ドナーからのプールした血清を用いてバイオパンして、腫瘍関連抗体により認識されるファージ発現タンパク質の集団を濃縮した。簡単に説明すると、ファージディスプレイライブラリーを、非腫瘍特異的タンパク質を除外すべくプールした正常血清(250μlのプールした正常血清,1:20希釈,4℃で一晩)からの抗体で被覆したプロテインG寒天ビーズとインキュベートすることによりアフィニティー選択した。非結合ファージを遠心により正常血清中の抗体に結合したファージから分離した。次いで、上清をプールした患者血清(4℃で一晩)で被覆したプロテインG寒天ビーズに対してバイオパンし、遠心により非結合ファージから分離した。結合/反応性ファージを1% SDSを用いて溶離した後、遠心することにより収集した。ファージを大腸菌NLY5615(ニューヨーク州グランドアイランドに所在のGibco BRL)において溶解するまで1mM IPTG及び50μg/ml カルベニシリンの存在下で増幅させた。増幅させたファージ含有ライゼートを収集し、バイオパン濃縮ラウンドに更に3回連続してかけた。第4のバイオパンからのファージ含有ライゼートを増幅させ、個々のファージクローンを単離し、下記するタンパク質アレイに組み入れた。
アレイ構築及びハイスループットスクリーニング
個々のファージを単離するために、第4ラウンドのバイオパニングからのファージライゼートを増幅させ、6% アガロースで被覆したLB−寒天プレート上で増殖させた。コロニーピッキングロボット(英国ハンプシャーに所在のGenetic QPix 2)を用いて4000個の個々のコロニー(2000/ライブラリー)を単離した。ピッキングしたファージを96ウェルプレートにおいて増幅させた後、各ウェルからの透明ライゼート5nlをFASTスライド(ニューハンプシャー州キーンに所在のSchleicher and Schuell)上にAffymetrix 417 Arrayer(カリフォルニア州サンタクララに所在のAffymetrix)を用いて機械的に2回スポットした。
次いで、4000個のファージをバイオパンでは使用しなかった5個の個々のNSCLC患者血清を用いてスクリーニングして、免疫原性ファージを同定した。家兎抗−T7一次抗体(ペンシルベニア州ウェスト・グローブに所在のJackson Immuno−Research)を用いて、ファージ量に対する対照としてのT7カプシドタンパク質を検出した。吸収前血漿(血漿:細菌ライゼート,1:30)サンプル及び抗−T7抗体の両方を1×TBS+0.1% トゥイーン20(TBST)を用いて1:3000希釈し、スクリーニングスライドと室温で1時間インキュベートした。スライドを洗浄した後、Cy5標識抗ヒト及びCy3標識抗家兎二次抗体(Jackson ImmunoResearch;1×TBST中1:4000各抗体)と一緒に室温で1時間インキュベートした。スライドを再び洗浄した後、Affymetrix 428スキャナーを用いてスキャンした。画像をGenePix 5.0ソフトウェァ(カリフォルニア州ユニオンシティに所在のAxon Instruments)を用いて分析した。線形回帰から2標準偏差以上のCy5/Cy3シグナル比を有するファージを“診断チップ”で使用するための候補者として選択した。
診断チップ設計及び抗体測定
上記したハイスループットスクリーニングで同定された212個の免疫反応性ファージ及び120個の“空”T7ファージを組み合わせ、再増幅させ、単一診断チップとしてのFASTスライド上に2回スポットした。重複チップを使用して、上記スクリーニングに関して記載したプロトコルを用いて40個の後期NSCLCサンプルをアッセイした。Cy5シグナルのメジアンを、特有のファージ発現タンパク質に対するヒト抗体の測定値としてCy3シグナルのメジアンに正規化した(Cy5/Cy3シグナル比)。チップ毎の変動性を補償するために、空T7ファージタンパク質に対する血漿のバックグラウンド反応性を差し引き、T7シグナルのメジアンを割ることにより更に正規化した[(ファージのCy5/Cy3)−(T7のCy5/Cy3)/(T7のCy5/Cy3)]。
40人の患者(II〜IV期)及び41人の正常人からの正規化シグナルのスチューデントt検定から、各候補マーカーの相対的予測値を示唆する統計的カットオフ(p<0.01)を得た。212個の候補者のうち、17個がカットオフ基準(p=0.00003〜p=0.01)を満たした。
群内の冗長度をPCR及び配列分析により評価し、幾つかの二重及び三重クローンを明らかにした。冗長なクローンを排除し、7個のファージ発現タンパク質の組を同定した。
統計分析
ロジスティック回帰分析を実施して、サンプルがNSCLC患者由来の確率を予測した。全部で81個の患者サンプル及び正常人サンプルを2群に分けた。患者はNSCLCのII〜IV期と診断された。第1群はランダムに選択した21個の正常人及び20個の患者血漿サンプルから構成し、個々のマーカーまたはマーカーの組合せを用いて患者サンプルと正常人サンプルを区別するマーカーを同定するためのトレーニング組として使用した。20個の患者サンプル及び20個の正常人サンプルから構成した第2群を使用して、トレーニング群を用いて同定したマーカーの予測率を確認した。予測感度及び特異性を各種マーカーを用いて比較するために受動者動作特性(ROC)曲線を作成し、曲線下面積(AUC)を求めた。更に、分類子をクロス確認(leave-one-out cross validation)を用いて調べた。喫煙歴及び病気のステージも分析し、比較した。
次いで、2つの群を逆転させ、40個のサンプル群をNSCLCの存在を示すマーカーを同定するためのトレーニング群とした。次いで、最大予測パワーを与えるとして同定されたマーカーを他の41個のサンプル群においてNSCLCを診断するために使用した。
Figure 2009516178
Figure 2009516178
ファージ発現タンパク質の配列分析
t検定及びp値<0.01を用いて推定予測値について選択した17個のファージを冗長度を同定するために配列決定し、7つの特有な配列を明らかにした。ファージ発現タンパク質の身元が当該診断アッセイにおいて使用するために重要でないが、配列を別の(独立した)スクリーニング手法を用いた従来の研究で得た配列と比較し、GenBankデーターベースとも比較して、ありそうな身元を得た。7つのクローンから得たヌクレオチド配列はGAGE7、NOPP140、EEFIA、PMS2L15、SEC15L2、パキシリン及びBACクローンRP11−499F19と相同性を示した。
7個のタンパク質のうち、タンパク質合成機構のコア成分のEEF1A(真核翻訳伸長因子1)及び癌精巣抗原のGAGE7を幾つかの肺癌において過剰発現させる。パキシリンは細胞接着及び移動を調節するフォーカルアドヒージョンタンパク質である。パキシリンの異常発現及び異常活性は肺癌を含めた幾つかの悪性疾患における侵攻性転移表現型に関連している。PMS2LはDNAミスマッチ修復関連タンパク質であるが、癌において変異はまだ同定されていない。また、細胞内トラフィッキングタンパク質のSEC15L2及び転写活性の調節に関与する核小体タンパク質のNOPP140は公知の悪性関連を持たない。しかしながら、これら3つのタンパク質の生理学的機能は、各々が悪性表現型において機能を有し得ると示唆している。
統計モデリング及びアッセイ予測精度
より高い予測率についてユニークな7つのファージ発現タンパク質を用いて分類子を開発するために、81個のサンプルをランダムに2群に分けた。1群はトレーニングの目的で、他群は確認のために使用した。ロジスティック回帰を用いて、個別のファージ発現タンパク質及び複数のファージ発現マーカーの組合せを用いる予測精度に対する感度及び特異性を計算した。結果は、5個のファージマーカーがトレーニング組において患者サンプルを正常対照と区別するための有意な能力を有していたことを示している。それぞれについてのROC AUCは0.79〜0.86の範囲であった。5個のマーカーを組み合わせると、95%の感度及び85%の特異性で有望な予測率(AUC=0.98)に達した(表5)。
20個の正常対照及び20個のNSCLCサンプルを含む確認群を検査するための統計モデルを用いると、アッセイは90%の感度及び95%の特異性を与えた(表5)。
分類子と診断感度及び特異性の関連を更に調べるために、すべての81チップについてのクロス確認を用いるクラス予測を実施した。
81個のサンプルについて感度及び特異性はそれぞれ90%及び87%であり、全体の診断精度は89%であった(表6)。全部で81個のサンプルを用いて、対応のクローンID、遺伝子名及びp値は次の通りであった:1864,GAGE7,p=9.1×10−9;1896,BACクローンRP11−499F19,p=3.5×10−8;1919,SEC15L2,p=1.2×10−6;1761,PMS2L15,p=5.2×10−7;及び1747,EEFIA,p=5.9×10−7。5個すべてのマーカーが0.001/262=3.8×10−6のボンフェローニ補正を合格し、これらのうちの1つ以上が偽陽性である確率は0.001未満であった。
従って、全体として、5個のマーカーのパネルを使用して、40人のNSCLC患者及び41人の正常人からのサンプルを分離した。サンプルが5個全部のマーカーを含んでいたときの合格同定率は89%であった。
実施例2
早期肺癌の検出
本実施例では、I期肺癌及び潜在性疾患をリスク照合対照サンプルから区別し得るマーカーを同定するための本発明のアッセイ及び方法の能力を調査した。
ヒト被験者
インフォームドコンセント後、ケンタッキー大学及びレキシントン退役軍人医療センターで組織学的にNSCLCが確認された個人から血漿サンプルを得た。非癌対照をMayo Clinic肺スクリーニングトライアルに参加した1520人の被験者からランダムに選択した。簡単に説明すると、少なくとも20年の喫煙歴(20 pack-year)、50〜75才の年齢及び研究開始の5年以内に他の悪性疾患のない個人がCTスクリーニングトライアルに適格であった。Mayo肺スクリーニングトライアルからの非癌サンプルに加えて、6個のI期NSCLCサンプル及び40個の診断前サンプルを分析のために使用した。診断前サンプルは研究開始時にサンプル採取から1〜5年後にCTスクリーニングでNSCLCの癌が発生すると診断された被験者から採取した。
ファージライブラリー
ファージライブラリー、パンニング及びスクリーニングは上記した通りであった。
診断チップ設計及び抗体測定
上記ハイスループットスクリーニングで同定された212個の免疫反応性ファージ及び120個の“空”T7ファージを一緒にし、再増幅させ、単一の診断チップとしてFASTスライド上に2回スポットした。複製チップを使用して、上記スクリーニングについて記載したプロトコルを用いて23個のI期NSCLC及び23個のリスク照合血漿サンプルをアッセイした。
統計分析
212個のファージ発現タンパク質の各々についての正規化Cy5/Cy3比を、上記実施例に記載されているようにJMP統計ソフトウェア(ノースカロライナ州ケアリーに所在のSAS,Inc.)を用いるt検定により23個の患者と23個の対照サンプルの統計上有意差について独立して分析した。46個すべてのサンプルを使用して、個別のマーカーまたはマーカーの組合せを用いて患者を正常サンプルから区別することができた分類子を構築した。推定感度、特異性を比較するためにROC曲線を作成し、AUCを求めた。次いで、46個すべてのサンプルに対して公差確認を用いて分類子を調べた。
次いで、分類子の組を使用して、Mayo Clinic肺スクリーニングトライアルからの102の症例及びリスク照合対照の独立した組における疾患の確率を予測した。喫煙及び他の非悪性肺疾患の相対的影響も評価した。
予測能力を推定するために46個のサンプルすべてをアッセイすることにより求めた各々の個別マーカーのROC AUCは.74〜.95の範囲であり、5個のマーカーの組合せはリスク照合対照から早期患者サンプルを区別する有意な能力を示した(AUC=0.99)。クロス確認を用いて計算した感度及び特異性はそれぞれ91.3%及び91.3%であった(表7)。
次いで、診断の0〜5年前に採取した46個のサンプル(6個の癌有病サンプル及び40個の前癌サンプル)及び被スクリーニング集団からの56個のリスク照合サンプルを含めたMayo Clinic CTスクリーニングトライアルからのサンプルコホートを独立したデータ組として分析した。結果は、49/56の非癌サンプル、6/6のスクリーニングCTでのラジオグラフィー検出時に採取した癌サンプル、9/12の診断の1年前に採取したサンプル、8/11の診断の2年前に採取したサンプル、10/11の診断の3年前に採取したサンプル、4/4の診断の4年前に採取したサンプル、1/2の診断の5年前に採取したサンプルの正確な分類を示し、これは87.5%の特異性及び82.6%の感度に相当した。アッセイにより不正確に分類された8個の前癌サンプルのうちの3個は気管支肺胞細胞組織像を有していた。
検査組の中で、6/6の非癌対照は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の臨床診断で正しく同定され、1人の個人はサルコイドーシスと同定され、1人の個人は乳癌の中間診断と同定された。後者の独立した検査組の中で、限局性前立腺癌を有する2人の個人も正常と正しく分類された。以前に(5年より前)乳癌と診断された1人の個人は非癌と分類されたが、二人目は癌と分類された。79人の非癌被験者の34人はスクリーニングCTスキャンで検出された良性結節を有していた。現在の喫煙歴対以前の喫煙歴は検査の予測精度に影響を及ぼさないようであった。アッセイ感度と診断までの時間も関係はなかった。
ファージ発現タンパク質の配列分析
5つの予測ファージ発現タンパク質のヌクレオチド配列をGenBankデータベースと比較した。最終予測モデルで用いた5個のクローンから得たヌクレオチド配列はパキシリン、SEC15L2、BACクローンRP11−499F19、XRCC5及びMALAT1と高い相同性を示した。最初の3つは先の実施例に記載した進行期の肺癌患者からの血漿と免疫反応性であると同定された。XRCC5は幾つかの肺癌で過剰発現したDNA修復遺伝子である。フォーカルアドヒージョンタンパク質であるパキシリンの異常活性及び異常発現は肺癌及び他の悪性疾患における侵攻性転移表現型と関連していた。MALAT1は肺癌において異常発現することが知られている調節RNAである。
本アッセイの肺癌に対するラジオグラフィースクリーニングを補う可能性はその後の確認において認識され得、これらの5個の抗体マーカーの組み合わせた測度は49/56のMayo Clinic肺スクリーニングトライアルからの非癌サンプル、6/6の有病癌、32/40のラジオグラフィー検出の1〜5年前に採取した血液からの癌発生を正しく推定し、87.5%の特異性及び82.6%の感度に相当した。
Mayo Clinic肺スクリーニングトライアルの最初のレポートにはCTのみで診断された35例のNSCLC、喀痰細胞診検査のみで検出された1例のNSCLC、毎年のスクリーニングスキャンで臨床的に検出された1例のIV期NSCLCが記載されており、これはCTスキャニング単独の94.5%の感度に相当する。更に、第1回の発病率スキャン後の遡及的検討から、有病スキャンの26%で小さい肺結節が見逃されたことを示した。これは他のCTスクリーニングトライアルで報告されている有意な偽陰性率と一致した。遡及的に同定された結節の直径は231人の参加者(375人の参加者の62%)で4mm未満、137人(37%)で4〜7mm、6人(2%)で8〜20mmであった。よって、NSCLCに対する自己抗体プロファイリングの82.6%の感度はCTスクリーニング単独の感度にかなり有利に匹敵し、比較により小さい腫瘍に対して特にうまくなされ得、潜在性疾患の検出において大きな前進を示す。更に、本アッセイの87.5%の特異性はCTスキャニングの特異性をはるかに超えており、リスクのある集団での良性肺結節のパーセンテージが高くなり、Mayo Clinicスクリーニングトライアルでは参加者の69%のレベルに達するのでより重要となる。
Figure 2009516178
5個のマーカーは潜在性及びI期肺癌を正確に診断した。被験者中に5個のマーカーが存在すると、標準の手法を用いて診断する前に癌を予測することができる。NSCLC細胞に結合する循環抗体が現在では利用されている手法を用いて陰性と診断される患者中に存在している。
本明細書中に引用されている参考文献はその全体が参照により援用される。
本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく本明細書中の教示内容に各種変更を加え得ることは自明である。

Claims (23)

  1. (a)患者から流体サンプルを用意し、
    (b)前記サンプル中に肺癌関連マーカーが存在するかを測定し、
    (c)前記サンプル中に前記マーカーを有する患者をラジオグラフィー検査のために選択する
    ことを含む肺癌のラジオグラフィー検査を受ける患者を選択する方法。
  2. マーカーは自己抗体である請求項1に記載の方法。
  3. 患者は無症候性である請求項1に記載の方法。
  4. 患者は肺癌をラジオグラフィーにより検出できない高リスク患者である請求項1に記載の方法。
  5. マーカーはラジオグラフィーにより検出可能な肺癌が患者に存在するより最長5年前に発現している請求項1に記載の方法。
  6. ラジオグラフィーにより検出可能な肺癌が患者に存在するより最長5年前に患者の流体サンプル中に存在している分子の結合パートナーである肺癌マーカーを含む組成物。
  7. サンプル中の分子は自己抗体である請求項6に記載の組成物。
  8. ビーズからなる請求項6に記載の組成物。
  9. 膜からなる請求項6に記載の組成物。
  10. 平らな表面からなる請求項6に記載の組成物。
  11. 請求項6に記載の組成物を含むアッセイデバイス。
  12. マイクロアレイからなる請求項11に記載のアッセイデバイス。
  13. (1)被験者からサンプルを用意するステップ、及び(2)前記サンプルを少なくとも2個の肺癌関連マーカーの存在について分析するステップを含む被験者における肺癌の存在の可能性の検出方法であって、
    (a)前記マーカーの少なくとも半分が前記サンプル中に存在しているならば、肺癌が該被験者に存在している可能性があり;または
    (b)(i)前記サンプル中の少なくとも2個のマーカーの各々の存在に相関する正規化値を得、(ii)前記正規化値を総計して和を求め、(iii)前記和を前記した少なくとも2個のマーカーの肺癌の最大予測値である基準値と比較したとき、前記和が基準値の少なくとも30%であるならば、肺癌が該被験者に存在している可能性がある前記方法。
  14. 少なくとも2個のマーカーは自己抗体である請求項13に記載の方法。
  15. 少なくとも3個のマーカーを含む請求項13に記載の方法。
  16. 少なくとも4個のマーカーを含む請求項13に記載の方法。
  17. 少なくとも5個のマーカーを含む請求項13に記載の方法。
  18. 少なくとも6個のマーカーを含む請求項13に記載の方法。
  19. 少なくとも2個の肺癌マーカー及び固相を含む診断デバイス。
  20. マーカーは自己抗体のエピトープである請求項19に記載のデバイス。
  21. 固相はビーズからなる請求項19に記載のデバイス。
  22. 固相は膜からなる請求項19に記載のデバイス。
  23. アレイからなる請求項19に記載のデバイス。
JP2008540361A 2005-11-10 2006-11-10 肺癌診断アッセイ Pending JP2009516178A (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US73555505P 2005-11-10 2005-11-10
US73541805P 2005-11-10 2005-11-10
US80677806P 2006-07-08 2006-07-08
PCT/US2006/060796 WO2007079284A2 (en) 2005-11-10 2006-11-10 Lung cancer diagnostic assay

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009516178A true JP2009516178A (ja) 2009-04-16
JP2009516178A5 JP2009516178A5 (ja) 2009-09-24

Family

ID=38228904

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008540361A Pending JP2009516178A (ja) 2005-11-10 2006-11-10 肺癌診断アッセイ

Country Status (9)

Country Link
US (3) US20090197285A1 (ja)
EP (1) EP1952157A4 (ja)
JP (1) JP2009516178A (ja)
KR (1) KR20080073740A (ja)
CN (1) CN103245784A (ja)
AU (1) AU2006332597A1 (ja)
BR (1) BRPI0619712A2 (ja)
CA (1) CA2632190A1 (ja)
WO (1) WO2007079284A2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012090995A1 (ja) * 2010-12-28 2012-07-05 ライオン株式会社 口腔状態の判定方法、並びにそのために用いられる分析用具、装置、及びプログラム
WO2016013400A1 (ja) * 2014-07-24 2016-01-28 国立大学法人 長崎大学 肺癌診断用バイオマーカー

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8088591B2 (en) * 2006-05-12 2012-01-03 University Of Miami Biomarkers for detection and diagnosis of head and neck squamous cell carcinoma
KR101018665B1 (ko) 2008-08-18 2011-03-04 재단법인서울대학교산학협력재단 전립선암 진단 방법 및 장치
SG10201508656VA (en) * 2010-07-09 2015-11-27 Somalogic Inc Lung cancer biomarkers and uses thereof
SG2014007454A (en) 2010-08-13 2014-07-30 Somalogic Inc Pancreatic cancer biomarkers and uses thereof
AU2012340441A1 (en) 2011-11-15 2014-05-29 University Of Miami Methods for detecting human papillomavirus and providing prognosis for head and neck squamous cell carcinoma
CN110579611B (zh) * 2019-09-18 2023-01-31 郑州大学 一种用于肺癌早期筛查和诊断的联合检测血清标志物、试剂盒及检测方法
US11760169B2 (en) 2020-08-20 2023-09-19 Denso International America, Inc. Particulate control systems and methods for olfaction sensors
US12017506B2 (en) 2020-08-20 2024-06-25 Denso International America, Inc. Passenger cabin air control systems and methods
US12251991B2 (en) 2020-08-20 2025-03-18 Denso International America, Inc. Humidity control for olfaction sensors
US11813926B2 (en) 2020-08-20 2023-11-14 Denso International America, Inc. Binding agent and olfaction sensor
US11636870B2 (en) 2020-08-20 2023-04-25 Denso International America, Inc. Smoking cessation systems and methods
US11760170B2 (en) 2020-08-20 2023-09-19 Denso International America, Inc. Olfaction sensor preservation systems and methods
US11828210B2 (en) 2020-08-20 2023-11-28 Denso International America, Inc. Diagnostic systems and methods of vehicles using olfaction
US11932080B2 (en) 2020-08-20 2024-03-19 Denso International America, Inc. Diagnostic and recirculation control systems and methods
US11881093B2 (en) 2020-08-20 2024-01-23 Denso International America, Inc. Systems and methods for identifying smoking in vehicles
US12269315B2 (en) 2020-08-20 2025-04-08 Denso International America, Inc. Systems and methods for measuring and managing odor brought into rental vehicles

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH116836A (ja) * 1988-04-04 1999-01-12 Univ Johns Hopkins 肺癌の早期検出方法
JP2001343389A (ja) * 2000-03-30 2001-12-14 Nippon Kayaku Co Ltd Mdm2に対する自己抗体の測定によるがんの検査方法およびその試薬

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4351824A (en) * 1981-02-05 1982-09-28 Icl Scientific Polystyrene latex reagents, methods of preparation, and use in immunological procedures
JP4065574B2 (ja) * 1997-06-26 2008-03-26 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ ミシガン 細胞内蛋白質抗原および血清中の特異的細胞内蛋白質抗原に対する抗体の存在を同定するための方法
GB9810040D0 (en) * 1998-05-11 1998-07-08 Univ Nottingham Blood borne tumour markers
GB9827228D0 (en) * 1998-12-10 1999-02-03 Univ Nottingham Cancer detection method and reagents
US6645465B2 (en) * 1999-08-06 2003-11-11 Michigan, University Of The Regents Annexin proteins and autoantibodies as serum markers for cancer
EP1259545A2 (en) * 2000-01-21 2002-11-27 Ludwig Institute For Cancer Research Small cell lung cancer associated antigens and uses therefor
CA2462216A1 (en) * 2001-11-09 2003-08-07 Benaroya Research Institute At Virginia Mason Antigen panels and methods of using the same

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH116836A (ja) * 1988-04-04 1999-01-12 Univ Johns Hopkins 肺癌の早期検出方法
JP2001343389A (ja) * 2000-03-30 2001-12-14 Nippon Kayaku Co Ltd Mdm2に対する自己抗体の測定によるがんの検査方法およびその試薬

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012090995A1 (ja) * 2010-12-28 2012-07-05 ライオン株式会社 口腔状態の判定方法、並びにそのために用いられる分析用具、装置、及びプログラム
JP5981350B2 (ja) * 2010-12-28 2016-08-31 ライオン株式会社 口腔状態の判定方法、並びにそのために用いられる分析用具、装置、及びプログラム
US9500649B2 (en) 2010-12-28 2016-11-22 Arkray, Inc. Analytical tool and method for determining a condition of an oral cavity
WO2016013400A1 (ja) * 2014-07-24 2016-01-28 国立大学法人 長崎大学 肺癌診断用バイオマーカー

Also Published As

Publication number Publication date
WO2007079284A2 (en) 2007-07-12
US20120231966A1 (en) 2012-09-13
EP1952157A2 (en) 2008-08-06
BRPI0619712A2 (pt) 2011-10-11
CA2632190A1 (en) 2007-07-12
US20140066329A1 (en) 2014-03-06
KR20080073740A (ko) 2008-08-11
WO2007079284A3 (en) 2008-09-18
US20090197285A1 (en) 2009-08-06
AU2006332597A1 (en) 2007-07-12
EP1952157A4 (en) 2009-04-08
CN103245784A (zh) 2013-08-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009516178A (ja) 肺癌診断アッセイ
US20100093108A1 (en) Lung cancer diagnotic assay
JP6026422B2 (ja) 肺がん試験
EP2074422A2 (en) Methods and kits for detecting prostate cancer biomarkers
JP2023545017A (ja) 肺がんの検出及び治療のための方法
WO2012012802A2 (en) Neoepitope detection of disease using protein arrays
EP2473854B1 (en) Systems and methods for treating, diagnosing and predicting the response to therapy of breast cancer
CN115877006A (zh) 卵巢癌相关的生物标志物及其应用
TWI842716B (zh) 泌尿道上皮細胞癌生物標記及其應用
US20210318316A1 (en) Lung cancer protein epitomic biomarkers
AU2011251854B2 (en) Method for the diagnosis/prognosis of colorectal cancer
KR102131860B1 (ko) 아르기닌이 메틸화된 ggt1에 특이적으로 결합하는 대장암 진단용 바이오마커 조성물
CN101374962A (zh) 肺癌的诊断分析法
US10866239B2 (en) Methods for colon hyperproliferative disorder detection, prognosis, and diagnosis
CN116413430B (zh) 一种用于肝癌早期预测的自身抗体/抗原组合及检测试剂盒
MX2008006130A (en) Lung cancer diagnostic assay
EP2963124B1 (en) Biomarker combinations for use in pancreatic cancer screening
CN118777605A (zh) 一种用于胰腺癌早期诊断的生物标志物及检验试剂盒
CN113933509A (zh) 抗体测定
US20140364334A1 (en) Congestive heart failure biomarkers

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20090202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090805

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090805

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120117

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120814