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JP2009508999A - 導電性シリコーンおよび同シリコーンの製造方法 - Google Patents

導電性シリコーンおよび同シリコーンの製造方法 Download PDF

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JP2009508999A JP2008531334A JP2008531334A JP2009508999A JP 2009508999 A JP2009508999 A JP 2009508999A JP 2008531334 A JP2008531334 A JP 2008531334A JP 2008531334 A JP2008531334 A JP 2008531334A JP 2009508999 A JP2009508999 A JP 2009508999A
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チョウ、チャオフイ
フィッシャー、アラン
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ハイピリオン カタリシス インターナショナル インコーポレイテッド
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Abstract

カーボンナノチューブを含んでいる導電性シリコーンの製造方法が提供される。カーボンナノチューブは単一の形をしているか、または綿菓子、鳥の巣、コームドヤーンまたはオープンネットの形状に似ているマクロ形態構造を有する凝集体の形をしていることができる。好ましい多層カーボンナノチューブは1ミクロン以下の直径を有し、また好ましい単層カーボンナノチューブは5nm未満の直径を有する。カーボンナノチューブは、導電性シリコーンベース樹脂を製造する既知の慣用の装置と方法によってシリコーンベース樹脂中に十分に分散させることができる。導電性シリコーンベース樹脂は、次に、導電性シリコーンエラストマーを形成するために硬化剤と混合される。

Description

関連出願
この出願は、2005年9月16日に出願され、参照することによって全体が本出願に含められる米国仮特許出願第60/717,798号に対して優先権を、またその出願の利益を主張するものである。
本発明は、概括的にいえば、カーボンナノチューブを含有する導電性シリコーンに関する。さらに明確には、本発明は、カーボンナノチューブを低充填量で含有する、所定のカーボンナノチューブ充填レベルについて他の既知の導電性熱硬化性複合材料よりも高い導電率を有するシリコーン複合材料に関する。この導電性シリコーンは硬化させてもよいし、或いは未硬化であってもよい。この導電性シリコーンは、とりわけ、カーボンナノチューブを低充填量でシリコーンベース樹脂内に分散させることによって製造される。
関連技術の説明
導電性熱硬化性樹脂
導電性ポリマーは需要があるようになって久しく、そしてそれらポリマーは高分子特性と導電性を併せ持っていることにより、多様な用途に多くの利点を与える。導電性ポリマー中のポリマー成分は熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の形を取ることができる。これらポリマーについての一般的な背景情報は、参照することによって共に本出願により含められるHanser/Gardner Publications社(1995年)のJohn HaimおよびDavid Hyatt翻訳・International Plastics Handbook第3版、並びにHanser/Gardner Publications社(1994年)のIca Manas−ZloczowerおよびZehev Tadmor編・Mixing and Compounding of Polymers−Theory and Practiceのような数多くの刊行物に見いだすことができる。導電性ポリマーの導電性要素に金属粉末またはカーボンブラックがある。
熱硬化性樹脂は、それらの展性および可撓性によって、導電性ポリマーを形成するときに工業的に一層実用的かつ実行可能であることが証明されている。例えば、参照することによって本出願により含められるNahass等の1994年3月30日出願の米国特許第5,591,382号。熱可塑性樹脂は、導電性熱可塑性ポリマーを形成するために、押出法で導電性添加剤と混合することは容易である。さらに、熱可塑性樹脂は、加熱すると、その熱可塑性樹脂に必要に応じて新形態をとらせるように軟化させることができる。しかし、熱可塑性樹脂は、架橋してより強いポリマーを形成する熱硬化性樹脂の強さを欠く。最近の技術的発展は、熱可塑性樹脂により大きな強さを付与するために熱可塑性樹脂に対する架橋剤の添加を許すが、このような方法にはそれ自身にもまた欠点(例えば、余分のコスト、努力、実験等々)がある。
他方、より大きな強さを持つことができる熱硬化性樹脂は、導電性熱硬化性ポリマーを形成するために導電性添加剤と混合することは難しい。熱可塑性樹脂と違って、熱硬化性ポリマーは、典型的には、少なくとも2つの別々の成分または前駆体との化学反応により形成される。この化学反応は、架橋のような分子間結合を促進するように、触媒、化学薬品、エネルギー、熱または放射線の使用を含むことができる。分子間結合を促進する異なる反応を用いて異なる熱硬化性樹脂を形成することができる。熱硬化性樹脂の結合/形成法は硬化と称されることが多い。熱硬化性樹脂成分または前駆体は、硬化前は通常流動性または展性であって、それらの最終形に成形されるか、または接着剤として使用されるように設計される。しかし、いったん硬化されれば、熱硬化性ポリマーは熱可塑性ポリマーより強く、また、それは加熱しても熱可塑性樹脂のように容易には軟化、再溶融または再成形することはできないから、高温用途に一層好適である。かくして、導電性熱硬化性ポリマーはその工業に強さと導電性の大いに望ましい組み合わせを提供する。
特に、不活性、熱安定性および耐酸化性というシリコーンの望ましい性質のため導電性シリコーンの増大する需要がある。しかし、他の熱硬化性樹脂と同様に、シリコーンは、一般に、それがいったん硬化されてしまうと溶融させることができない。従って、シリコーン中には最終硬化シリコーン製品を形成する前に導電性添加剤を添加、分散させなければならない。この要求は、導電性シリコーン、特に工業的に実行可能なレベルの導電率および強さを有する導電性シリコーンを形成する際に多数の制限を生み出す。
かようにして、導電性シリコーンの新規な形成方法の必要が存在する。
シリコーン
シリコーンは合成熱硬化性ポリマー(例えば、ポリシロキサン、ポリオルガノシロキサン)であって、それらポリマーはそれらポリマーを多様な用途、例えば接着剤、潤滑剤、撥水剤、成形コンパウンド、電気絶縁、外科用移植材料、自動車エンジン部品、その他の用途に有用にする高範囲の性質を有する。
シリコーンは、一般に、シリカのような3次元網状構造の形成を妨げる、メチル基またはベンゼン基のような種々の有機基がケイ素に結合されている、交互配置のケイ素原子および酸素原子より成る構造(…−Si−O−Si−O−…)を有する。シリコーンの性質は、−Si−O−の鎖長、側基および/または2個以上の酸素基の架橋を変えることによって影響される可能性がある。それらは液体とゲルとゴムと硬質プラスチックとの間でコンシステンシーが変わることが可能であって、流体、粉末、エマルジョン、溶液、樹脂、ペースト、エラストマー等々のような多様な形で入手できる。一般的には、シリコーンはそれらの不活性、熱安定性および耐酸化性について高く評価されている。
シリコーンは“未硬化”であることもできるし、或いは“硬化”させることもできる。一般に、未硬化シリコーンはシリコーン樹脂またはシリコーンベース樹脂(silicone base resin)と称される。前のパラグラフに記載したように、シリコーンベース樹脂は、種々の有機基がケイ素原子に結合されている、交互配置のケイ素原子および酸素原子より成る構造(…−Si−O−Si−O−…)を有する。しかし、このシリコーンベース樹脂は未だ、例えば硬化剤により架橋されていないので、それは“未硬化”である。“硬化”されているシリコーンは、基本的には架橋されているシリコーンベース樹脂であって、シリコーンエラストマーまたは最終シリコーン製品と称されることが多い。架橋は、シリコーンエラストマーに、改善された強さのようなある種特定の改善された性質を付与する。触媒、熱、エネルギーまたは放射線の使用によるような他の反応が分子間結合または架橋を促進するために使用することができる。
シリコーンベース樹脂を含めてシリコーンを形成する方法はこの技術分野で周知である。例えば、シリコーンベース樹脂を製造する1つの周知の方法は、クロロシランを水と反応させることを含む。この反応は、縮合して高分子タイプの構造を形成するヒドロキシル中間体を生成させる。基本反応式は次のとおり表される:
Figure 2009508999
シリコーンベース樹脂を形成する、アルコキシシランのような他の前駆体も使用することができる。クロロシランおよび他のシリコーン前駆体は、元素ケイ素とアルキルハリドとの反応を用いて合成される:
Si + RX → RSiX4−n(ここで、n=0−4である)
シリコーンエラストマーの製造は高分子量(一般的には500,000g/モル超)の形成を必要とする。これらタイプの物質を生成させるには、線状のポリマー構造を形成する二官能性前駆体が欠かせない。一官能性および三官能性の前駆体はそれぞれ末端構造および分枝構造を形成させるのである。
シリコーンゴムは、通常、ベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルベンゾエートおよびジクミルペルオキシドのような過酸化物を用いて硬化される。アルキルヒドロペルオキシドおよびジアルキルペルオキシドもビニル基含有シリコーンにより首尾よく使用された。
ヒドロシリル化(hydrosilylation)またはヒドロシレーション(hydrosilation)はビニル基含有シリコーンの別の硬化方法であって、それはヒドロシラン物質および触媒用の白金含有化合物を利用する。
シリコーンは、シリコーンベース樹脂のかなり変動し得る粘度に応じてミキサーまたは練り機を用いて混合/配合することができる。例えば、シリコーンガムは粘稠なシリコーンベース樹脂を指す。
カーボンナノチューブ
この技術分野には、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンフィブリル、金属粉末等々を含めて多数の公知の導電性添加剤が存在する。カーボンフィブリルは、その導電性および強さが他の導電性添加剤と比較して極めて高いことにより人気が高まったものである。
カーボンフィブリルは、一般に、カーボンナノチューブと称される。カーボンフィブリルは、1.0μ未満、好ましくは0.5μ未満、さらに好ましくは0.2μ未満の直径を有する虫食い状炭素堆積物(vermicular carbon deposits)である。それらは多様な形で存在し、そして種々の炭素含有ガスの金属表面における接触分解によって製造されてきた。このような虫食い状炭素堆積物はほとんど電子顕微鏡の出現以後に観察された。(BakerおよびHarris著・Chemistry and Physics of Carbon、WalkerおよびThrower編、第14巻、1978年、83頁;Rodriguez,N.著J.Mater.Research、第8巻、3233頁(1993年))。
1976年に、参照することによって本出願により含められるEndo等(Obelin,A.およびEndo,M.著・J.of Crystal Growth、第32巻(1976年)、335−349頁を参照)は、そのようなカーボンフィブリルが成長する基本的機構を解明した。それらは、炭化水素含有ガスの存在下において炭素中で過飽和になる金属触媒粒子に起因するとみなされた。Endo等によれば、直ちに熱分解堆積グラファイトの外側層で被覆されることになる円筒状の規則的配列をした(cylindrical ordered)グラファイトコアが押し出される。熱分解オーバーコートを持つこれらのフィブリルは、典型的には、0.1μを超える、さらに典型的には0.2〜0.5μの直径を有する。
1983年に、参照することによって本出願により含められるTennentの米国特許第4,663,230号明細書は、連続のサーマルカーボンオーバーコート(continuous thermal carbon overcoat)を含まない、フィブリル軸に実質的に平行な多重グラファイト外層を有するカーボンフィブリルについて記載する。そのようなものとして、それらカーボンフィブリルは、グラファイトの湾曲層の接線に対して垂直で、それらの円筒軸に対して実質的に垂直であるc−軸を有すると特徴付けることができる。それらは、一般に、0.1μ以下の直径および少なくとも5の長さ対直径比を有する。それらは連続サーマルカーボンオーバーコート、即ちそれらフィブリルを製造するために使用されたガス供給材料の熱分解の結果生ずる熱分解堆積炭素を実質的に含まないことが望ましい。かくして、このTennentの発明は、直径がより小さい、典型的には35〜700Å(0.0035〜0.070μ)のフィブリル、および規則的配列をした「成長したまま」のグラファイト表面を利用できるようにした。構造が完全というほどではなく、しかも熱分解炭素外層さえも持たないフィブリル状炭素も作り上げられている。
この出願において教示されるように酸化することができるカーボンナノチューブは商業的に入手できる連続炭素繊維とは区別できる。少なくとも10で、しばしば10以上のアスペクト比(L/D)を有するこれら繊維とは著しく違って、カーボンフィブリルは大きいが、不可避的に有限のアスペクト比を有することが望ましい。連続繊維の直径は、また、フィブリルの直径よりもはるかに大きく、常に>1.0μ、典型的には5〜7μである。
参照することによって本出願により含められるTennent等の米国特許第5,171,560号明細書は、サーマルオーバーコートを含まず、そしてフィブリル軸上の層の突出(projection)が少なくとも2フィブリル直径の距離に及ぶように該フィブリル軸に対して実質的に平行なグラファイト層を有するカーボンフィブリルについて記載する。典型的には、このようなフィブリルは、実質的に一定直径の実質的に円筒状のグラファイトナノチューブであって、c−軸がそれらナノチューブの円筒軸に対して実質的に垂直である円筒状グラファイトシートを含む。それらは熱分解堆積炭素を実質的に含まず、0.1μ未満の直径および5より大の長さ対直径比を有する。これらのフィブリルは本発明の方法によって酸化することができる。
ナノチューブ軸上のそれら層の突出が2ナノチューブ直径より小さい距離に及ぶときは、グラファイトナノチューブの炭素平面は断面において矢筈模様(herring bone)外観を帯びる。これらは魚骨フィブリルと称される。参照することによって本出願により含められるGeusの米国特許第4,855,091号明細書は、熱分解オーバーコートを実質的に含まない魚骨フィブリルを製造する手順を提供する。これらのカーボンナノチューブも本発明の実施に有用である。
上記の接触反応で成長したフィブリルと同様の形態構造を持つカーボンナノチューブは、高温炭素アーク中で成長せしめられた(Iijima,Nature 354,56,1991)。これらのアーク成長ナノファイバーはTennentのより初期の接触反応成長フィブリルと同じ形態構造を有する。後に口語で「バッキーチューブ(bucky tubes)」と称されるアーク成長ナノファイバーもまた本発明において有用である。
有用な単層カーボンナノチューブおよびそれらの製造方法は、例えばNature、第363巻、第603頁(1993年)のS IijimaおよびT Ichihashi著“Single−shell carbon nanotubes of 1−nm diameter”、並びにNature、第363巻、第605頁(1993年)のD S Bethune、C H Kiang、M S DeVries、G Gorman、R SavoyおよびR Beyers著“Cobalt−catalysed growth of carbon nanotubes with single−atomic−layer walls”に開示されている;この両文献は参照することによって本出願により含められる。
単層カーボンナノチューブは、また、参照することによって本出願により含められるMoy等の米国特許第6,221,330号明細書に開示されている。Moyは、1種または2種以上のガス状炭素化合物の接触分解による中空単層カーボンナノチューブを製造する方法であって、各々1〜6個の炭素原子とヘテロ原子としてH、O、N、SまたはClだけを有する、随意に水素と混合された1種または2種以上のガス状炭素化合物、および該接触分解の反応条件下で不安定であり、そして反応条件下で分解触媒として作用する金属含有触媒を形成する気相金属含有化合物を含む気相混合物の炭素供給原料をまず形成し;次いで該分解反応を分解反応条件下で行い、それによって該ナノチューブを製造することによる上記の方法を開示した。この発明は、気相金属含有化合物が同様にガス状炭素源を含有する反応混合物へと導入される気相反応に関する。炭素源は、典型的には、ヘテロ原子としてH、O、N、SまたはClを有する、随意に水素と混合されたC〜C化合物である。一酸化炭素または二酸化炭素と水素が好ましい炭素供給材料である。およそ400〜1300℃という高い反応ゾーン温度および約0〜約100p.s.i.g.の圧力が、気相金属含有化合物の金属含有触媒への分解を引き起こすと考えられる。分解は原子金属へのもの、または部分的分解中間体種へのものであることができる。金属含有触媒は(1)CO分解を触媒し、そして(2)SWNT形成を触媒する。かくして、この発明は、また、炭素化合物の接触分解によってSWNTを形成することにも関する。
米国特許第6,221,330号明細書の発明は、態様によっては反応混合物中に金属含有触媒のエーロゾルを導入するエーロゾル技術を用いることができるものがある。SWNTを製造するエーロゾル法の1つの利点は、均一な大きさの触媒粒子を生成させ、そしてそのようなエーロゾル法を効率的および連続の商業的または工業的製造について評価することが可能であるということである。前に議論した電弧放電法およびレーザー堆積法は、そのような商業的または工業的製造について経済的にスケールアップすることはできない。この発明に有用な金属含有化合物の例に、金属カルボニル、金属アセチルアセトネート、および分解して非担持金属触媒を形成する蒸気として分解条件下で導入することができる他の物質がある。触媒活性のある金属にFe、Co、Mn、NiおよびMoがある。モリブデンカルボニルと鉄カルボニルが、反応条件下で分解されて蒸気相触媒を形成することができる好ましい金属含有触媒である。これら金属カルボニルの固体形は予備処理ゾーンに送り込むことができ、そこでそれらは気化され、それによって触媒の蒸気相前駆体になる。非担持触媒上にSWNTを形成するのに2つの方法が用い得ることが見いだされた。
第一の方法は揮発性触媒の直接注入である。この直接注入法は参照することによって本明細書に含められる米国特許出願第08/459,534号明細書に記載されている。揮発性触媒前駆体の直接注入は、モリブデンヘキサカルボニル[Mo(CO)]およびジコバルトオクタカルボニル[Co(CO)]を用いるとSWNTの形成をもたらすことが見いだされた。両物質は室温で固体であるが、周囲温度またはそれに近い温度で昇華する−−−モリブデン化合物は少なくとも150℃まで熱的に安定であり、コバルト化合物は分解を伴って昇華する(I.WenderおよびP.Pino編“Organic Syntheses via Metal Carbonyls”、第1巻、第40頁、Interscience Publishers社、ニューヨーク、1968年)。
第二の方法は気化器を使用して金属含有化合物を導入するものである(図12)。この発明の1つの好ましい態様では、図12に示される気化器10は石英製サーモウエル20を含み、そのサーモウエルは、第二の区画室を形成するために、その底から約1”のところにシール24を有する。この区画室は、開口して反応体ガスに暴露される2個の1/4”孔26を有する。触媒はこの区画室に置かれ、次いで気化炉32を用いて任意の所望温度において気化される。この炉は第一の熱電対22を用いて制御される。金属含有化合物、好ましくは金属カルボニルはその分解点より低い温度で気化され、反応体ガスCOまたはCO/Hが前記前駆体を反応ゾーン炉38および第二の熱電対42によって別々に制御される反応ゾーン34へと掃引する。出願人は特定の運転理論に限定されることを望まないけれども、反応器温度において金属含有化合物は部分的に中間体種へと、または完全に金属原子へと分解されると考えられる。これらの中間体種および/または金属原子は合体して実際の触媒であるより大きい凝集体粒子になる。この粒子は、次に、COの分解を触媒し、同時にSWNTの成長を促進する適正な大きさまで成長する。図11の装置において、触媒粒子および結果として生ずる炭素形が石英ウールプラグ36の上に集められる。粒子の成長速度は気相金属含有中間体種の濃度に依存する。この濃度は気化器中の蒸気圧(従って温度)によって決まる。濃度が高すぎると、粒子成長が速過ぎ、そしてSWNT以外の構造体(例えば、MWNT、非晶質炭素、オニオン等々)が成長せしめられる。中に記載される実施例を含めて米国特許第6,221,330号明細書の内容の全てが参照することによって本出願により含められる。
参照することによって本出願により含められるBethune等の米国特許第5,424,054号明細書は、炭素蒸気をコバルト触媒と接触させることによって単層カーボンナノチューブを製造する方法について記載する。炭素蒸気は、非晶質炭素、グラファイト、活性炭若しくは脱色用炭素(decolorizing carbon)、またはそれらの混合物であることができる固体炭素を電弧加熱することによって生成せしめられる。他の炭素加熱技術、例えばレーザー加熱、電子ビーム加熱およびRF誘導加熱が議論されている。
参照することによって本出願により含められるSmalley(Guo,T.、Nikoleev,P.、Thees,A.、Colbert,D.T.およびSmalley,R.E.のChem.Phys.Lett.243: 1−12(1995))は、グラファイトロッドおよび遷移金属が高温レーザーによって同時に気化される単層カーボンナノチューブの製造方法について記載する。
参照することによって本出願により含められるSmalley(Thees,A.、Lee,R.、Nikolaev,P.、Dai,H.、Petit,P.、Robert,J.、Xu,C.、Lee,Y.H.、Kim,S.G.、Rinzler,A.G.、Colbert,D.T.、Scuseria,G.E.、Tonarek,D.、Fischer,J.E.およびSmalley,R.E.のScience,273: 483−487(1996))も、少量の遷移金属を含んでいるグラファイトロッドがオーブン中で約1200℃においてレーザー気化される単層カーボンナノチューブの製造方法について記載する。単層ナノチューブは70%超の収率で製造されると報告された。
SWNTを形成するための担持金属触媒も知られている。参照することによって本出願により含められるSmalley(Dai,H.、Rinzler,A.G.、Nikolaev,P.、Thess,A.、Colbert,D.T.およびSmalley,R.E.のChem.Phys.Lett.260: 471−475(1996))は、COから多層ナノチューブおよび単層ナノチューブの両ナノチューブの成長用の担持Co、NiおよびMo触媒、およびそれらの提案された形成機構について記載する。
カーボンナノチューブは、強化材料として商業的に入手できる連続炭素繊維とは、また標準グラファイトおよびカーボンブラックのような他の形態の炭素とは物理的および化学的に異なる。標準グラファイトは、その構造のために、ほとんど完全な飽和状態まで酸化を受け得る。さらに、カーボンブラックは不規則な核を取り巻く炭素層であるグラフェン構造を有する、一般に球形の粒子の形をしている非晶質炭素である。これらの違いがグラファイトとカーボンブラックをナノチューブ化学の不十分なプレディクター(poor predictors)としている。
カーボンナノチューブの凝集体
製造されたままのカーボンナノチューブは、離散ナノチューブ、ナノチューブの凝集体またはそれら両者の形態をしていることができる。
ナノチューブが互いにランダムに絡み合って、鳥の巣(“BN”)に似たナノチューブの絡み合ったボールを形成している凝集体として;または実質的に同じ相対的な向きを有し、かつコームドヤーン(“CY”)の外観を有するまっすぐ乃至僅かに曲がったまたはよじれたカーボンナノチューブの束(例えば、各ナノチューブの軸線が(個々が曲がりまたはよじれているにもかかわらず)束の中で包囲ナノチューブの方向と同じ方向に延在している)より成る凝集体として;または互いに緩く絡み合って「オープンネット(open net)」(“ON”)構造を形成しているまっすぐ乃至僅かに曲がったまたはよじれたナノチューブより成る凝集体として製造または調製されたナノチューブは、(走査電子顕微鏡で確認される)種々の形態構造を有する。オープンネット構造において、ナノチューブの絡み合いの程度は(個々のナノチューブが実質的に同じ相対的な向きを有する)コームドヤーン凝集体で観察される程度より大きいが、鳥の巣の程度よりは小さい。他の有用な凝集体構造にCY構造に類似する綿菓子(“CC”)構造がある。
凝集体の形態構造は触媒担体の選択によって制御される。球形の担体はナノチューブをあらゆる方向に成長させ、このことが鳥の巣凝集体の形成をもたらす。コームドヤーンおよびオープンネット凝集体は、1つまたは2つ以上の容易に劈開可能な表面を有する担体、例えば1つまたは2つ以上の容易に劈開可能な平面状表面および1グラム当たり少なくとも1平方メートルの表面積を有する担体材料の上に堆積された鉄または鉄含有金属触媒粒子を用いて調製される。参照することによって本出願により含められる、「カーボンフィブリルを製造するための改善された方法および触媒(Improved Methods and Catalysts for the Manufacture of Carbon Fibrils)」と題される、1995年6月6日出願のMoy等の米国特許出願第08/469,430号明細書は、(走査電子顕微鏡で確認される)種々の形態構造を有する凝集体として調製されたナノチューブについて記載する。
カーボンナノチューブまたはナノファイバー凝集体の形成に関する更なる詳細は、全てがここに本発明と同じ譲受人に譲渡され、そして参照することによって本出願により含められる、Tennentの米国特許第5,165,909号;Moy等の米国特許第5,456,897号;1988年1月28日に出願されたSnyder等の米国特許出願第07/149,573号および1989年1月28日出願のPCT出願第US89/00322号(「カーボンフィブリル(Carbon Fibrils)」)、即ちWO89/07163、および1989年9月28日に出願されたMoy等の米国特許出願第413,837号および1990年9月27日出願のPCT出願第US90/05498号(「バッテリー(Battery)」)、即ちWO91/05089、および1995年6月7日に出願されたMadeville等の米国特許出願第08/479,864号および1994年8月2日出願の米国特許出願第08/284,917号、並びにMoy等により1994年10月11日に出願された米国特許出願第08/320,564号の開示に見いだすことができる。
カーボンナノチューブの酸化および/または官能化
カーボンナノチューブまたは凝集体は、ある種特定の望ましい性質を高めるために酸化することができる。例えば、酸化は、ある種特定の基をカーボンナノチューブまたはカーボンナノチューブ凝集体の表面上に付加させるために、カーボンナノチューブ凝集体の絡み合いをゆるめるために、カーボンナノチューブの質量を減少させるために、またはカーボンナノチューブの末端キャップを取りはずすために用いることができる。
参照することによって本出願により含められる、1994年10月27日に出願されたMcCarthy等の米国特許出願第08/329,774号明細書は、カーボンフィブリルを硫酸(HSO)および塩素酸カリウム(KClO)が挙げられる酸化剤とそのフィブリルの表面を酸化するのに十分な反応条件(例えば、時間、温度および圧力)の下で接触させることを含む、カーボンフィブリルの表面を酸化する方法について記載する。McCarthy等の方法に従って酸化されたフィブリルは不均一に酸化されており、即ち炭素原子はカルボキシル基、アルデヒド基、ケトン基、フェノール基および他のカルボニル基の混合物で置換されている。
フィブリルは、また、硝酸での処理によっても不均一に酸化された。1994年9月9日に出願された、WO95/07316としての国際特許出願PCT/US94/10168は、官能基の混合物を含んでいる酸化されたフィブリルの形成を開示している。Hoogenvaad,M.S.等(ベルギー、ブルッセルでの1994年9月の不均質触媒製造の科学的基礎に関する第6回国際会議(Sixth International Conference on Scientific Basis for the Preparation of Heterogeneous Catalysts)に提出された「新規な炭素担体に担持された金属触媒(Metal Catalysts supported on a Novel Carbon Support)」)も、それはフィブリル表面を硝酸でまず酸化するフィブリル−担持貴金属の製造において有益であることを見いだした。酸によるこのような予備処理は炭素−担持貴金属触媒の製造における標準的な工程であって、その場合、通常のそのような炭素源が与えられたとすると、それは、それを官能化するのに役立つのと同じほど、望ましくない材料の表面をきれいにするのに役立つ。
発表された著作において、McCarthyおよびBening(Polymer Chem.30(1),420(1990)のPolymer Preprint ACS Div.)は、表面が多種多様な酸化された基を含むことを証明するために酸化フィブリルの誘導体を製造した。彼らが製造した化合物であるフェニルヒドラゾン類、ハロアロマティックエステル類、第一タリウム塩類等々は、それらの分析上の有用性のために、例えば明るく着色されているために、或いは他の強い、容易に同定され、そして区別が付けられる何らかの信号を示すために選ばれた。これらの化合物は単離されなかったが、著作の中に記載された誘導体とは違って実施上重要ではない。
参照することによって全てが本出願により含められる1994年12月8日に出願されたFischer等の米国特許出願第08/352,400号、1997年3月6日に出願されたFischer等の米国特許出願第08/812,856号、1997年5月15日に出願されたTennent等の米国特許出願第08/856,657号、1997年5月13日に出願されたTennent等の米国特許出願第08/854,918号および1997年5月15日に出願されたTennent等の米国特許出願第08/857,383号明細書は、カーボンフィブリルを強酸化剤、例えば塩素酸アルカリ金属の硫酸のような強酸中溶液と接触させることを含む、カーボンフィブリルの表面を酸化する方法について記載する。カーボンナノチューブの追加の有用な酸化処理に、参照することによって本出願により含められる、2004年5月28日に出願されたNiuの米国公開出願第2005/0002850A1号明細書に記載されるものがある。
さらに、これらの出願は、また、スルホン化、脱酸素化フィブリルに対する求電子付加またはメタレーションによりカーボンフィブリルを均一に官能化する方法について記載する。カーボンフィブリルのスルホン化は、かなり多量のスルホンを有するのでスルホン官能化フィブリルは有意の重量増加を示すカーボンフィブリルを生じさせる硫酸または蒸気相中SOにより成し遂げることができる。
Green等の米国特許第5,346,683号明細書は、アーク成長ナノチューブのキャップ付き末端領域中の炭素原子と選択的に反応する能力がある流動反応体ガスとの反応によって製造されたキャップが取れた細いカーボンナノチューブについて記載する。
Ebbesen等の米国特許第5,641,466号明細書は、アーク成長カーボンナノチューブと、カーボンナノ粒子および多分非晶質炭素のような不純物としての炭素材料との混合物を酸化剤の存在下で、600〜1000℃の範囲内の温度において、不純物の炭素材料が酸化され、そして気相中に放散されるまで加熱することによって、その混合物を精製する手順について記載する。
発表された論文において、AjayanおよびIijima(Nature 361、第334−337頁(1993年))は、カーボンナノチューブを酸素と共に、キャップ付きチューブ末端の開放、およびそれに続くそれらチューブの溶融物質による毛管作用での充填をもたらす鉛の存在下で加熱することによるカーボンナノチューブのアニーリングを論じている。
他の発表された著作において、Haddonおよび彼の共同研究者(Science,282,95(1998)およびJ.Mater.Res.,第13巻、第9号、第2423頁(1998年))は、単層カーボンナノチューブ材料(SWNTM)中に化学官能基を組み込むためにSWNTMをジクロロカーベンおよびバーチ還元条件を用いて処理することについて記載する。SWNTのチオニルクロリドおよびオクタデシルアミンによる誘導体化は、SWNTをクロロホルム、ジクロロメタン、芳香族溶媒およびCSのような普通の有機溶液に可溶にした。
さらに、官能化ナノチューブは、参照することによって共に本明細書に含められる1994年12月8日出願の米国特許出願第08/352,400号および1997年5月15日出願の米国特許出願第08/856,657号明細書中で一般的に議論されている。これらの出願においては、ナノチューブ表面は強酸化剤または他の環境に優しくない化学薬剤との反応によってまず酸化される。ナノチューブ表面は他の官能基との反応によってさらに変性させることができる。ナノチューブ表面は、ある範囲の官能基により、ナノチューブを多様な基材中の化学基に化学的に反応または物理的に結合させることができるように変性された。
ナノチューブの複雑な構造は、ナノチューブ上の官能基をリンカーのある一定範囲の化学的性質によって互いに結合させることにより得られた。
代表的な官能化ナノチューブは、広く述べると、式
[C−]R
(式中、nは整数であり、Lは0.1nより小さい数であり、mは0.5nより小さい数であり、Rは各々同一であって、SOH、COOH、NH、OH、O、CHO、CN、COCl、ハリド、COSH、SH、R’、COOR’、SR’、SiR’、Si(−OR’−)R’3−y、Si(−O−SiR’−)OR’、R”、Li、AlR’、Hg−X、TIZおよびMg−Xから選ばれ、
yは3に等しいか、または3より小さい整数であり、
R’はアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり、
R”はフルオロアルキル、フルオロアリール、フルオロシクロアルキル、フルオロアラルキルまたはシクロアリールであり、
Xはハリドであり、そして
Zはカルボキシレートまたはトリフルオロアセテートである。)
を有する。
炭素原子Cはナノファイバーの表面炭素である。
酸化ナノチューブの第二誘導体
酸化されたカーボンナノチューブまたはカーボンナノチューブ凝集体は、その表面に第二の官能基を付加させるためにさらに処理することができる。1つの態様では、酸化ナノチューブは、第二処理工程において、その酸化ナノチューブの成分と反応させ、それによって少なくとも他の第二官能基を付加させるのに適した反応体とさらに接触させることによってさらに処理される。酸化ナノチューブの第二誘導体には本質的に制限がない。例えば、−COOHのような酸性基を有する酸化ナノチューブは、通常の有機反応で事実上望ましいどんな第二の基にも転化可能であり、それによって広範囲の表面親水性または疎水性が提供される。
酸化ナノチューブの成分と反応させることによって付加させることができる第二の基を挙げると、限定されるものではないが、1〜18個の炭素を有するアルキル/アラルキル基、1〜18個の炭素を有するヒドロキシル基、1〜18個の炭素を有するアミン基、1〜18個の炭素を有するアルキルアリールシランおよび1〜18個の炭素を有するフルオロカーボンがある。
発明の概要
従来技術の必要を扱う本発明は、カーボンナノチューブを含有する導電性シリコーンを提供する。カーボンナノチューブを含有する導電性シリコーンを製造する方法も提供される。
導電性シリコーンは低いカーボンナノチューブ装填レベルで形成することができ、しかも工業的に実行可能なレベルの導電率を達成することができることが発見された。
さらに、導電性シリコーンは、同じカーボンナノチューブ装填量にある他の導電性熱硬化性樹脂または同ポリマーと比較して、所定のカーボンナノチューブ装填量についてより高いレベルの導電率を有することが発見された。
カーボンナノチューブは、個別の形をしていてもよいし、或いは綿菓子、鳥の巣、コームドヤーンまたはオープンネットの形状に似ているマクロ形態構造を有する凝集体の形を有していてもよい。好ましい多層カーボンナノチューブは1ミクロン以下の直径を有し、また好ましい単層カーボンナノチューブは5nm未満の直径を有する。
カーボンナノチューブは、導電性シリコーンベース樹脂を形成するために、ワーリングブレンダー、ブラベンダーミキサー等々によるような通常の混合装置または混合手段を用いることによってシリコーンベース樹脂中に分散させ得ることが発見された。導電性シリコーンベース樹脂は、重量で0.1〜30%のカーボンナノチューブまたはカーボンナノチューブ凝集体を含んでいることができる。
導電性シリコーンベース樹脂は、次に、導電性シリコーンエラストマーを形成するために硬化させる、例えば硬化剤との反応によって硬化させることができる。導電性シリコーンエラストマーも重量で0.1〜30%のカーボンナノチューブを含むことができる。
1つの態様では、導電性シリコーンベース樹脂および導電性シリコーンエラストマーは、両者とも、約1011オーム−cm未満、好ましくは10オーム−cm未満、さらに好ましくは10オーム−cm未満の抵抗率を有することができる。
もう1つ別の態様では、導電性シリコーンベース樹脂および導電性シリコーンエラストマーは、両者とも、約50オーム−cm未満、好ましくは35オーム−cm未満、さらに好ましくは10オーム−cm未満の抵抗率を有することができる。
本発明が提供する従来技術を超える他の改善は、本発明の好ましい態様を述べる次の説明の結果として確認されるだろう。その説明はいかなる点でも本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の好ましい態様の実施例を与えるに過ぎない。本発明の範囲は添付特許請求の範囲において指摘されるだろう。
好ましい態様の詳細な説明
定義
用語「ナノチューブ」、「ナノファイバー」および「フィブリル」は、単層または多層カーボンナノチューブを指すために互換的に用いられる。各々は、好ましくは(多層ナノチューブについて)1ミクロン未満または(単層ナノチューブについて)5nm未満の断面(例えば、エッジを有する角のある繊維)または直径(例えば、丸みのある繊維)を有する細長い中空構造物を指す。用語「ナノチューブ」は、また、「バッキーチューブ」および魚骨フィブリルを包含する。
本発明において用いられる「多層(multiwalled)ナノチューブ」は、実質的に一定の直径を持つ実質的に円筒状のグラファイトナノチューブであって、c−軸が円筒軸に対して実質的に垂直である単一の円筒状グラファイトシートまたは層を含む、例えばTennent等の米国特許第5,171,560号明細書に記載されるもののようなカーボンナノチューブを指す。用語「多層(multiwalled)ナノチューブ」は、限定されるものではないが、「多−層(multi−wall)ナノチューブ」、「多−層(multi−walled)ナノチューブ」、「多層(multiwall)ナノチューブ」等々を含めて該用語のあらゆる変形語と交換可能であることを意味する。
本発明において用いられる「単層(single walled)ナノチューブ」は、実質的に一定の直径を持つ実質的に円筒状のグラファイトナノチューブであって、c−軸がそれらの円筒軸に対して実質的に垂直である円筒状のグラファイトシートまたは層を含む、例えばMoy等の米国特許第6,221,330号明細書に記載されるもののようなカーボンナノチューブを指す。用語「単層(single walled)ナノチューブ」は、限定されるものではないが、「単−層(single−wall)ナノチューブ」、「単−層(single−walled)ナノチューブ」、「単層(single wall)ナノチューブ」等々を含めて該用語のあらゆる変形語と交換可能であることを意味する。
用語「官能基」は、原子の群であって、それらが結合される化合物または物質に、特徴的な化学的および物理的性質を与えるそのような原子群を指す。
「官能化された」表面は、化学基が吸着または化学的に結合されている炭素表面を指す。
「グラフェン」炭素は、炭素原子が各々本質的に平面の層中の六角形の縮合環を形成している3つの他の炭素原子に結合されている炭素の形態である。その層は直径が数環に過ぎない小板体であるか、またはそれら層は沢山の環に相当する長さであるが、幅は数環に過ぎないリボンであることもできる。
「グラフェン類似体」はグラフェン表面に組み込まれている構造体を指す。
「グラファイト」炭素は、互いに本質的に平行で、かつわずか3.6オングストロームしか離れていないグラフェン層より成る。
用語「凝集体」は、絡み合ったカーボンナノチューブを含む密集した顕微鏡的粒状構造物を指す。
「シリコーン」は、色々な有機基がケイ素原子に結合されている交互配置のケイ素原子および酸素原子より成る構造(…−Si−O−Si−O−…)を有するポリマーを指す。シリコーンは未硬化のまたは硬化したシリコーンの両シリコーンを包含する(例えば、シリコーン樹脂、シリコーンベース樹脂、シリコーンエラストマー、シリコーン製品等々を包含する)。
「シリコーン樹脂」または「シリコーンベース樹脂」は、まだ硬化されていないシリコーン(例えば、まだ架橋されていないシリコーン)を指す。
「シリコーンエラストマー」は硬化されているシリコーン(例えば、架橋されているシリコーン)を指す。
「熱可塑性樹脂」は、一般に、典型的には加熱すると軟化または溶融する一組のポリマーを指す。
「熱硬化性樹脂」は、一般に、加熱しても溶融しない一組のポリマーを指す。
用語「粘度」は、流体に似た状態の物質によって示される内部流れ抵抗を測定または特徴付けるものである。固体のような物質は、流動を可能にするために溶融されることが必要である場合(例えば、固体は流れることができないので、それらは無限大の粘度を有する)、用語「溶融粘度」が溶融した物質の内部抵抗を測定または特徴付けるために用いられることが多い。従って、この出願およびこの出願で用いられる用語の目的には、用語「粘度」と「溶融粘度」とは、それらは共に物質または溶融物質の内部流れ抵抗を測定または特徴付けるものである故に互換可能である。
カーボンナノチューブおよびカーボンナノチューブ凝集体
関連技術の説明の中で「カーボンナノチューブ」または「カーボンナノチューブの凝集体」という表題の下で説明されたカーボンナノチューブおよびカーボンナノチューブ凝集体がどれも本発明を実施する際に使用することができ、従ってその中のそれらについての参照文献は全て参照することによって本出願により含められる。
カーボンナノチューブは、好ましくは1ミクロン以下、さらに好ましくは0.2ミクロン以下の直径を有する。2〜100ナノメートル(2および100の両数値を含む)の直径を有するカーボンナノチューブがそれ以上さらに好ましい。5ナノメートル未満または3.5〜75ナノメートルの直径を有するカーボンナノチューブが最も好ましい。
カーボンナノチューブは実質的に円筒状の、実質的に一定の直径を持つグラファイトカーボンフィブリルであり、そして熱分解で堆積した炭素を実質的に含まない。このナノチューブは、ナノチューブ上のグラファイト層の突出が少なくとも2ナノチューブ直径の距離に及んでいる状態で5より大きい長さ対直径比を有するものを包含する。
最も好ましい多層ナノチューブは、参照することによって本出願に含められるTennent等の米国特許第5,171,560号明細書に記載されている。最も好ましい単層ナノチューブは、参照することによって本出願に含められるMoy等の米国特許第6,221,330号明細書に記載されている。米国特許第6,696,387号に従って製造されたカーボンナノチューブも好ましく、そしてこの米国特許は参照することによって含められる。
絡み合ったカーボンナノチューブを含む密集した顕微鏡的粒状構造物であって、鳥の巣、綿菓子、コームドヤーンまたはオープンネットに似ているマクロ形態構造を有するカーボンナノチューブの凝集体。米国特許第5,110,693号明細書およびその中の参照文献(その全てが参照することによって本明細書に含められる)に開示されるように、2以上の個々のカーボンフィブリルは絡み合ったフィブリルの顕微鏡的凝集体を形成していることができる。綿菓子凝集体は、0.1μmから1000μmまで変化することができる長さと共に5nmから20nmまで変化することができる直径を持つ絡み合った繊維のスピンドルまたはロッドに似ている。フィブリルの鳥の巣凝集体は、0.1μmから1000μmまで変化することができる直径を有するおおよそ球形であることができる。各タイプ(CCおよび/またはBN)のより大きい凝集体または各々の混合物を形成することができる。
カーボンナノチューブの凝集体はきつく絡み合わされていてもよいし、或いは緩く絡み合わされていてもよい。所望ならば、カーボンナノチューブ凝集体は、凝集体構造自体を破壊することなくカーボンナノチューブの絡み合いをさらにゆるめるために酸化剤で処理することができる。
導電性シリコーンを製造する方法
本発明は、導電性シリコーン並びに導電性シリコーンを製造する方法の両者を包含する。導電性シリコーンは、導電性シリコーンエラストマーのみならず導電性シリコーンベース樹脂も包含する。
導電性シリコーンベース樹脂を形成するために、カーボンナノチューブまたはカーボンナノチューブ凝集体がブラベンダーミキサー、遊星形ミキサー、ワーリングブレンダー、ロール練り(例えば、3本ロール練り機)、超音波処理等々によるような通常の混合装置または方法によってシリコーンベース樹脂中に分散されて導電性シリコーンベース樹脂を形成する。カーボンナノチューブまたはカーボンナノチューブ凝集体も、シリコーンベース樹脂中に、溶液中で混合し、続いて沈殿させることによって分散させることができる。シリコーンベース樹脂は液体または固体であることができる。
カーボンナノチューブをシリコーンベース樹脂中に分散させるに当たっての成功は、シリコーンベース樹脂の粘度によって影響される可能性がある。粘度はしばしば剪断力の関数であり、そして複素粘性率および応力・歪み曲線を含む。粘度は、参照することによって本出願により含められるWiley−VCH社(1994年)のMacosko、Christopher W著・Rheology: Principles,measurements and applicationsにおいてさらに詳細に説明されている。シリコーンベース樹脂の粘度は50cP(センチポイズ)〜1,000,000cPの範囲で変化することができる。
導電性シリコーンベース樹脂は、カーボンナノチューブまたはカーボンナノチューブ凝集体を0.1〜30%、好ましくは0.1〜10%、さらに好ましくは0.1〜2%、最も好ましくは0.1〜1%の装填量で含有していることが好ましい。一方、導電性シリコーンベース樹脂の体積抵抗率は、約1011オーム−cm未満、好ましくは10オーム−cm未満、さらに好ましくは10オーム−cm未満であることができる。もう1つ別の態様では、上記よりもさらに導電性のシリコーンベース樹脂の体積抵抗率は、約50オーム−cm未満、好ましくは35オーム−cm未満、さらに好ましくは10オーム−cm未満であることができる。
いったん導電性シリコーンベース樹脂が形成されると、次に、その導電性シリコーンベース樹脂を対応する既知の硬化剤と反応させることによって、または上記ベース樹脂を硬化させて最終エラストマー製品にする他の既知の反応方法を用いることによって導電性シリコーンエラストマーを形成することができる。例としては、ベース樹脂は、これが別途の硬化剤を使用せずに硬化するように十分に反応性のシリコーン、触媒または他の反応体を含んでいることができる。硬化剤は、それが使用される場合、カーボンナノチューブまたはカーボンナノチューブ凝集体を含有していてもよいし、或いは含有していなくてもよい。導電性シリコーンエラストマーは、約1011オーム−cm未満、好ましくは10オーム−cm未満、さらに好ましくは10オーム−cm未満の抵抗率を有することができる。もう1つ別の態様では、上記よりもさらに導電性のシリコーンエラストマーの体積抵抗率は、約50オーム−cm未満、好ましくは35オーム−cm未満、さらに好ましくは10オーム−cm未満であることができる。
もう1つ別の態様では、導電性シリコーンエラストマーはシリコーンベース樹脂を導電性の硬化剤と混合することにより形成される。即ち、カーボンナノチューブはシリコーンベース樹脂には上記のように加えられず、その代わりに硬化剤に前に述べた分散法のどれかを用いて加えられる。
次節は特定の導電性シリコーンベース樹脂および導電性シリコーンエラストマーを製造する色々な方法を説明する。さらに、当業者はこれらの説明は完全なものではなく、本発明の教示に従って改変できることを認められるだろう。
実施例
次の実施例は本発明をさらに理解できるようにするのに役立つものであるが、いかなる点でも本発明の有効範囲を限定することを意味しない。
実施例1
Hyperion CCフィブリル(Hyperion Catalysis International,Inc.、MA州、ケンブリッジ)をローラーブレードが備え付けられているブラベンダー混合ヘッドを用いて未硬化シリコーンガム(RMS 2262、Pawling Rubber Company、NY州、Pawling)の中に混入させることによって色々な導電性シリコーンベース樹脂の試料を調製した。シリコーンガムは、色々なシリコーン樹脂についての普通の用語である。
試料A:54グラムの未硬化シリコーンガム(Pawling RMS 2262シリコーンベース樹脂)を計量した。6.5グラムのHyperion CC粉砕フィブリル(即ち、どんな塊も除去するためにハンマーミル中で前もって粉砕されたHyperion CCフィブリル)を計量した。シリコーンをブラベンダー混合ヘッドの中におよそ50rpmで供給した。フィブリル粉末をおよそ5分にわたってゆっくり供給した。rpmをおよそ1分間100に上げた。混合後に10.7%のカーボンナノチューブ装填レベルを持つシリコーンベース樹脂/カーボンナノチューブ材料を得た。2枚のAl箔片の間で平らなシートを圧縮成形した。一部分を切り抜き、ガラススライドの上に載置した。両端をAgペイントと接触させ、そして暖炉の上部で乾燥させた(5−10分)。端から端までの寸法と抵抗を測定した。厚さが均一でなかったので、台の上で厚み計を用いてガラススライドの高さを測定し、次いでスライド上の試料の高さを測定した。試料の正味厚さはガラススライドの厚さを差し引くことによって得られた。試料ストリップの長さの両端と中央の厚さを測定した。この試料では、ベース高さ(base height)は0.038”(0.097cm)であり、試料(+スライド)の高さは0.066”(0.17cm);0.064”(0.16cm);および0.060”(0.15cm)であった。スライドの厚さを差し引き、そして平均を取った後に、抵抗率の計算に使用するための平均厚さとして0.025”(0.064cm)を使用した。
試料B:57.04グラムの未硬化シリコーンガム(即ち、Pawling RMS 2262シリコーンベース樹脂)を計量した。3.09グラムのHyperion粉砕CCフィブリルを計量した。上記シリコーンガムはローラーブレードが備え付けられている50rpmで作動するブラベンダー混合ヘッド中に供給された。上記CCフィブリルは1−2分の経過中に加えられ、そしてその材料は3−4分間混合された。この複合材料は10.7%の装填レベルを持つ材料よりも大きい強さを有していた。試料Aについて説明した手順を繰り返して抵抗率を測定する。厚み計上の丸い先端が試料上にくぼみ(深さは約0.002”と見積もられた)を残したので、厚さを0.002”増加させて補償した。
試料C:試料Bの手順に従って6.7%のカーボンナノチューブ装填量で調製した。
試料D:試料Bの手順に従って3.8%のカーボンナノチューブ装填量で調製した。
試料E:試料Bの手順に従って3.07%のカーボンナノチューブ装填量で調製した。
試料F:試料Eのサンプルを取ることによって3.07%のカーボンナノチューブ装填量で調製し、そして3本ロール練り機の初めの2本のロール間でおよそ10分間処理することによって追加のより高い剪断混合を適用した。圧縮成形された平らな試験片を調製し、そして試料Aについて上記したようにその抵抗率を測定した。
試料G:試料Bの手順に従って2.26%のカーボンナノチューブ装填量で調製した。
下の表に試料A−Gの結果が与えられる。
Figure 2009508999
実施例2
導電性シリコーン/カーボンナノチューブ複合材料は、また、ゆるやかな溶液混合とそれに続く沈殿により調製された。
2.0グラムのシリコーンガムをポリプロピレンチューブ中の30mlのTHF(テトラヒドロフラン)に加えた。磁気攪拌棒による攪拌を攪拌板上で開始した。室温で一晩攪拌した後は、そのシリコーンガム/THF混合物はほとんど溶解されるが、曇っている。混合物をプローブ形超音波発生装置(Branson 450−15秒x2@60%電力@40%デューティサイクル)で短時間超音波処理した。混合物は少し曇っていたが、超音波処理後は均質かつ安定であった。60ミリグラムのHyperion CCフィブリルを混合物に加え、その懸濁液を振盪して分布させた。次に、懸濁液をワーリングブレンダーにより100mlのワーリングブレンダージャー中の高い所で2x15秒間ブレンドし、そして100mlのDI水中に注ぎ入れた。溶液を次に10−15秒間激しく振盪して混合し、次いで放置した。溶液の上部に黒い層が徐々に生じた。混合物を0.34ミクロンのPVDF膜フィルターの上に濾過した。フィルターケーキをTHFのにおいが検出されなくなるまで水で5回洗浄した。4.832グラムの湿ったフィルターケーキが得られた。この湿ったフィルターケーキをペーパータオルの間で平らにし/圧して大部分の水を除去し、その結果2.188グラムの重量となった(試料1)。その平らのフィルターケーキ(寸法0.15cm×0.45cm×1.7cm)からカミソリの刃で薄いストリップをカットした。標準DMM(デジットマルチメーター(digit multimeter))の点で触れることによって最も長い寸法を通して抵抗を端から端まで測定した。
試料1の両端をAgペイントで塗装した。全ての材料を60−70℃のホットプレート上に置いてさらに3時間乾燥した。正味重量=1.854g。ホットプレート上に一晩放置した。寸法およびエンド−ツー−エンド抵抗(end−to−end resistance)を測定した。ストリップを縦にカットしてより細いストリップ(試料2)を作り、そして寸法および抵抗を測定した。次の結果が得られた。
Figure 2009508999
実施例3
アンモニアプラズマ処理されたCCフィブリル有り、プレーンのCCフィブリル有り、およびフィブリル無しの3つのシリコーン試料が調製された。CCフィブリル(Hyperion Catalysis International,Inc.、MA州、ケンブリッジ)は、二成分系シリコーンエラストマー(Sylgard 184)のベース樹脂中に3本ロール練り機を用いてブレンドされた。CCフィブリルは、また、対応する硬化剤の粘度が未硬化ベースシリコーン樹脂の粘度より低い故に、3本ロール練り機の代わりにプローブ形超音波発生装置を用いて対応する硬化剤中にブレンドされた。この2つの混合物を、次に、3本ロール練り機を用いて10:1重量比で一緒にブレンドした。
アンモニアプラズマ処理CCフィブリル:0.4gのプレーンCCをアンモニアプラズマ中でハリック・プラズマクリーナー(Harrick plasma cleaner)を用いて15分間処理した。チャンバードアには、チャンバー中の試料ホルダーが真空チャンバー中で回転してその粉末床をプラズマ処理中にかき混ぜることができるように、回転式パス−スルー(rotary pass−through)が備え付けられていた。プラズマ処理中は一定回転が用いられた。プラズマチャンバーは無水アンモニアガスを導入する前にポンプで吸引して10ミリトルまで下げられた。チャンバー圧力は、上記ハリック装置の高パワー設定(high power setting)での処理中にアンモニアガスで100ミリトルに保たれた。処理フィブリルを0.5重量%装填量でシリコーンエラストマーベース樹脂および硬化剤と別々に混合させた。フィブリル/エラストマーベース混合物は3本ロール練り機を3パス通り抜け、一方フィブリル/硬化剤混合物は2−3分間超音波処理された。次いでそれら2つの部分が混合され、そして3本ロール練り機を2パス通り抜けた。この混合物を真空中で40分間ガス抜きし、その後コーティングまたはプレス加工してフィルムにした。
プレーンCCフィブリル:もう1つの試料を、無処理のプレーンCCフィブリルを用い、アンモニアプラズマ処理フィブリルについて説明した混合/ブレンド手順を使用して調製した。
対照:カーボンナノチューブを持たない比較用シリコーン試料も調製した。
滑らかな、気泡のないフィルムから試験片を切り取り、そして5日間硬化させてシリコーンエラストマーにした後試験した。各試料について10−15個の試験片を試験した。試験はMTS Alliance RT/30で測定された。引張強さの結果が図1に示される。
実施例4
シリコーン/カーボンナノチューブ複合材料の数個以上のバッチが、実施例3におけると同じ手順を用いて造られた。
アンモニアプラズマ処理フィブリル:プレーンCCフィブリルを、アンモニアプラズマ中で実施例3における手順に従って異なる時間(10分および15分)処理した。
それぞれの処理または無処理フィブリルを0.5重量%装填量でシリコーンエラストマー(Sylgard 184)ベース樹脂および硬化剤と別個に混合することによって種々のシリコーン/カーボンナノチューブ複合材料を調製した。フィブリル/エラストマーベース混合物は3本ロール練り機により3パス処理され、一方フィブリル/硬化剤混合物はプローブ形超音波発生装置を用いて2−3分間超音波処理された。これら2つの混合物は次に混合され、再び3本ロール練り機を通して処理された。抵抗率が実施例3に記載されるように測定された。
Figure 2009508999
選択された結果もまた図2に与えられた。
実施例5
実施例1からのシリコーンベース樹脂/カーボンナノチューブ試料を硬化剤と2本ロール練り機でブレンドすることによって混合する。ビニルメチルシリコーンガムには、ジ−t−ブチルペルオキシド触媒が使用できる。この触媒はシリコーン樹脂中コンセントレートとして調製され、そしてこのコンセントレートの前もって秤量された量が実施例1の試料に2本ロール練り機で加えられる。練り機で数分後に、練り機からブレードを用いて材料を回収し、その後その材料を練り機に加えて戻し、再び混合する。この手順を3回繰り返す。第三パス後にその材料を2本ロール練り機から回収し、2枚の金属シート間に挟み、そして加熱されたオーブン中に入れて硬化させる。硬化温度は使用されるペルオキシド触媒の性質および樹脂製造会社の推奨するところによって決められる。硬化後、金属シートを除去して導電性シリコーンエラストマーの硬化シートをもたらす。少量の触媒しか使用されないから、導電性フィブリル添加剤の濃度は元の実施例1の試料の濃度からは有意に低下される。(即ち、未硬化シリコーン/カーボンナノチューブガム)。
実施例6
導電性シリコーン複合材料は、シリコーンベース樹脂および硬化剤/カーボンナノチューブ混合物と混合することによって調製される。
CCフィブリルをSylgard 184シリコーンベース樹脂用の硬化剤中に5重量%の濃度でブレンドさせる。フィブリルはプラスチックキャップ中のSylgard 184硬化剤中へスパチュラを用いて全フィブリルが湿潤されるまでブレンドされる。この混合物を、次に、3本ロール練り機を2パス通すことによって更にブレンドする。練り機から硬化剤/カーボンナノチューブ混合物を回収し、そして秤量する。硬化剤/カーボンナノチューブ混合物の重量の9.5倍に等しいSylgard 184シリコーンベース樹脂を計り分け、そしてビーカー中でスパチュラを用いて上記硬化剤/カーボンナノチューブ混合物と混合する。この混合物を、次に、3本ロール練り機で3パス通して送る。その材料を集め、2枚の金属シート間に挟み、そして室温で48時間硬化させる。硬化後、金属シートを除去すると、0.5%のカーボンナノチューブ装填量を有する硬化した導電性シリコーンエラストマーが得られる。
実施例7
シリコーン複合材料は、HyperionカーボンナノチューブをSylgard 184シリコーンエラストマー樹脂中に、Buhler K−8コニカルビードミル(conical bead mill)を用いて分散させることによって調製された。
Hyperionカーボンナノチューブを、Dow Corning社のSylgard(登録商標)184シリコーンエラストマーベース中に、Buhler K−8コニカルビードミルを用いて分散させた。マスターバッチをワーリングブレンダー中で調製した。80グラムのHyperionカーボンナノチューブをビーカーに入れた。ビーカー中のナノチューブに160グラムのSylgard 184ベース樹脂を加え、そして攪拌しながらブレンドさせた。これを2Lのワーリングブレンダージャー中に入れ、そしてブレンドさせて均一な湿った粉末を形成した。さらに80グラムのSylgard 184シリコーン樹脂を加え、そしてワーリングブレンダー中でブレンドさせた。かくして25%マスターバッチが調製された。それはゆるい湿った粉末である。
3.92kgのDow Corning社製Sylgard(登録商標)184シリコーンエラストマーベースを、Buhler K−8ビードミルの供給ホッパーに加えた。80グラムの25%マスターバッチをゴムスパチュラで攪拌しながら加えてその混合物中に0.5%ナノチューブ濃度を得た。スパチュラでブレンドするとき、供給ホッパーには、材料を均一に保ち、同時にビードミルに供給する頭上攪拌機が備え付けられていた。ホッパーからの供給はBuhler K−8の入口にギヤーポンプにより供給された。
K−8に600mlの1.6mmステンレス鋼製ビーズを装填した。分離ギャップは0.4mmの所にあった。ローター速度は〜1000rpmに設定された。ポンプフロー(pump flow)は〜5kg/時の処理量をもたらす10%に設定された。電力負荷は〜3kWであった。製品材料は均質で、光沢のある黒色の表面を持っていた。粘度は高く、そしてその材料は僅かに自己レベリング性であった。製品の小滴を2枚の顕微鏡スライドの間に置き、そして強く押し付けて半透明のフィルムを形成した。市販の家庭用アルミニウム箔片をスペーサーとして使用してフィルムの厚さを制御した。顕微鏡下での検査は、この材料は均質で凝集物がほとんどないことを示した。
実施例8
1%カーボンナノチューブ装填量を持つ複合材料シリコーン樹脂を、Buhler K−8コニカルビードミル中で実施例7の方法を用いて調製した。25%マスターバッチでスタートして供給ホッパー中で1%ブレンドを混合した。ローター速度は1150rpmに設定された。ポンプ速度は5%に設定された。消費電力は〜4kWと記録され、そして処理量は3kg/時と測定された。製品材料は自己レベリング性でない非常に粘稠なペースト様コンシステンシーであった。製品の小滴を2枚の顕微鏡スライド間に置き、そして強く押し付けて半透明のフィルムを形成した。市販の家庭用アルミニウム箔片をスペーサーとして使用してフィルムの厚さを制御した。顕微鏡下での検査は、この材料は均質で凝集物がほとんどないことを示した。
実施例9
材料が再循環できるようにK−8ビードミルの産生物を供給ホッパーへと後方に案内したことを除いて、実施例7に記載される方法により0.6%試料を調製した。供給ホッパー中ではより少量の2kg装入量が用いられ、そしてビードミルの処理量は、材料が再循環される1時間の間にミルを通っての多重パスを可能にする5.0kg/時であった。製品の小滴を2枚の顕微鏡スライド間に置き、そして強く押し付けて半透明のフィルムを形成した。市販の家庭用アルミニウム箔片をスペーサーとして使用してフィルムの厚さを制御した。顕微鏡下での検査は、この材料は均質で凝集物がほとんどないことを示した。
使用された用語および表現は説明の用語として使用されているものであって、限定の用語としてではなく、またそのような用語または表現を本発明の一部として示され、そして説明される特長のいかなる均等物も除外するために使用する意図はなく、種々の改変が本発明の範囲内で可能であることが理解される。
実施例3において説明される色々な引張り測定の結果を示す。 実施例4において説明されるある特定の引張り測定の結果を示す。

Claims (8)

  1. カーボンナノチューブをシリコーンベース樹脂中に分散させることを含む導電性シリコーンベース樹脂の製造方法であって、
    該カーボンナノチューブは1ミクロン未満の直径を有し、
    該カーボンナノチューブの濃度は0.1〜30重量%の範囲内にあり、そして
    該導電性シリコーンベース樹脂は1011オーム−cm未満の抵抗率を有する
    上記の方法。
  2. 該カーボンナノチューブが5ナノメートル未満の直径を有する単層カーボンナノチューブを含んでいる、請求項1に記載の導電性シリコーンベース樹脂の製造方法。
  3. 該カーボンナノチューブがカーボンナノチューブの凝集体の形をしており、該凝集体は鳥の巣、綿菓子、コームドヤーンまたはオープンネットに似ているマクロ形態構造を有する請求項1に記載の導電性シリコーンベース樹脂の製造方法。
  4. 導電性シリコーンエラストマーの製造方法であって、
    導電性シリコーンベース樹脂を請求項1に記載の方法によって製造し、
    該導電性シリコーンベース樹脂を硬化剤と反応させて導電性シリコーンエラストマーを形成する
    ことを含む上記の方法。
  5. シリコーンベース樹脂、および
    1ミクロン未満の直径を有するカーボンナノチューブ
    を含む導電性シリコーンベース樹脂であって、
    該カーボンナノチューブは0.1〜30重量%の濃度で存在し、そして該導電性シリコーンベース樹脂は1011オーム−cm未満の抵抗率を有する
    上記の導電性シリコーンベース樹脂。
  6. 該カーボンナノチューブが5ナノメートル未満の直径を有する単層カーボンナノチューブを含んでいる、請求項5に記載の導電性シリコーンベース樹脂。
  7. 該カーボンナノチューブがカーボンナノチューブの凝集体の形をしており、該凝集体が鳥の巣、綿菓子、コームドヤーンまたはオープンネットに似ているマクロ形態構造を有する、請求項5に記載の導電性シリコーンベース樹脂。
  8. 請求項5に記載の導電性シリコーンベース樹脂、および
    硬化剤
    を含む、導電性シリコーンエラストマー。
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