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JP2009502964A - Hivを阻害するための抗ウイルス性ホスホン酸結合体 - Google Patents

Hivを阻害するための抗ウイルス性ホスホン酸結合体 Download PDF

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JP2009502964A
JP2009502964A JP2008524230A JP2008524230A JP2009502964A JP 2009502964 A JP2009502964 A JP 2009502964A JP 2008524230 A JP2008524230 A JP 2008524230A JP 2008524230 A JP2008524230 A JP 2008524230A JP 2009502964 A JP2009502964 A JP 2009502964A
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JP2008524230A
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チェンホン アール. カイ,
サルマン ワイ. ジャブリ,
ハオルン チン,
チョン ユー. キム,
サミュエル イー. メトボ,
マイケル アール. ミッシュ,
リチャード エム. パスター,
Original Assignee
ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド
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Abstract

本発明は、リン置換抗ウイルス阻害化合物、当該化合物を含有する組成物、及び当該化合物の投与を含む治療方法、並びに当該化合物を調製するのに有用なプロセス及び中間体に関する。本発明は又、肝細胞に高濃度のホスホン酸分子を到達させることにも関する。このような有効なターゲティングは、種々の治療的処方物及び手技に適用可能な場合がある。本発明の組成物には、場合により少なくとも1つのホスホン酸基を有する抗ウイルス化合物が含まれる。従って、一実施形態において、本発明は、1個以上のホスホン酸基に結合した化合物を提供する。

Description

(発明の分野)
本発明は、一般的にHIV阻害活性を有する化合物に関する。
(発明の背景)
標的細胞及び組織への薬物及びその他の物質の送達を改善することが、長年にわたり大部分の研究の焦点となっている。In vitro及びin vitroの両方で生物学的活性を有する分子を細胞内に取り込むのに有効な方法を開発する試みが数多く行われてきたが、完全に満足のいく方法は明らかになっていない。細胞間における、例えば隣接細胞への薬物の再分布を最小限に抑えながら、阻害薬とその細胞内標的との会合を最適にすることは、困難であるか有効でないことが多い。
現在患者に非経口投与されている物質の大半はターゲティングされていないため、不必要でしばしば望ましくない場合にも身体の細胞及び組織へ物質が全身送達されている。これにより、副作用が生じる場合があり、投与できる薬物(例えば、グルココルチコイド及びその他の抗炎症薬)の用量が制限されることが多い。比較すると、薬物の経口投与は、一般的に簡便且つ経済的な投与方法であると認識されているが、経口投与は、(a)例えば血液脳関門、上皮細胞膜等の細胞及び組織関門を介した薬物の取り込み、又は(b)消化管内における薬物の一時的な滞留の何れかを生じる可能性がある。従って、主要な目標は、物質を細胞及び組織に特異的にターゲティングする方法を開発することであった。このような処置の利点には、このような物質が未感染細胞等のその他の細胞及び組織に不適切に送達されたことによる全身性の生理学的作用が避けられる点が含まれる。
HIVは、肝臓疾患を特徴とする肝臓の慢性ウイルス性疾患として認識されている。肝臓を標的とする薬物は幅広く使用されており、効果が認められているが、毒性及びその他の副作用によってその有用性が制限されてきた。
HIVの有無又は量を測定することができる検定法は、阻害薬の検索並びにHIVの存在の診断において実用性を有する。
HIVの阻害薬は、HIV感染の定着及び進行の制限だけでなく、HIVの診断検定においても有用である。
従って、ウイルスの耐性発現に対する活性の向上、経口生物学的利用能の向上、力価の向上、in vivoにおける有効半減期の延長等、阻害特性及び薬物動態特性が向上したHIV治療薬、即ち薬物が必要とされている。新しいHIV阻害薬は、副作用が少なく、投与計画が簡素であり、経口活性を有する必要がある。具体的には、1日1回ピル1個服用といった、より負担の軽い投与計画が必要とされている。
(発明の要旨)
細胞内ターゲティングは、生物学的活性を有する物質の細胞内部における蓄積又は貯留を可能にする方法及び組成物によって達成される場合がある。本発明は、HIVの阻害又はHIVに対する治療活性のための組成物及び方法を提供する。
本発明は一般的に、細胞内部における治療的化合物の蓄積又は貯留に関する。本発明は又、肝細胞に高濃度のホスホン酸分子を到達させることにも関する。このような有効なターゲティングは、種々の治療的処方物及び手技に適用可能な場合がある。
本発明の組成物には、場合により少なくとも1つのホスホン酸基を有する抗ウイルス化合物が含まれる。従って、一実施形態において、本発明は、1個以上のホスホン酸基に結合する本発明の化合物を提供する。
別の実施形態において、本発明は、1個以上のA基で置換される以下の化学式Aの化合物であって:
Figure 2009502964
式中、
0’がF又はAであり;
Y’’が不在、結合、場合により1個又は場合により複数個がAで置換されるC、N、O又はSであり;
が不在、H、結合、A、A又はWであり、場合によりY’の環を形成し;
Figure 2009502964
であり;
Figure 2009502964
であり;
Figure 2009502964
であり;
が独立してO、S、N(R)、N(O)(R)、N(O)(OR)、又はN(N(R)(R))であり;
YがN、C、O、S又はAであり;
Y’が不在、結合、H又はAであり;
が独立して不在、結合、O、C(R)(R)、N(R)、N(O)(R)、N(OR)、N(O)(OR)、N(N(R)(R))、−S(O)M2−、又は−S(O)M2−S(O)M2−であり;Yが2個のリン原子と結合する場合、YがC(R)(R)であってもよく;
が独立して不在、結合、H、R、R、W、保護基、又は以下の化学式であって:
Figure 2009502964
式中:
が独立してH、W、R又は保護基であり;
が独立してH、又は1〜18個の炭素原子のアルキルであり;
が独立してH、R、R又はRであって、この場合、各Rが独立して、0〜3個のR基で置換されるか、1個の炭素原子において一緒になり、2個のR基が、3〜12個の炭素原子、窒素原子及び場合により酸素原子からなる環又は縮合環を形成し、その環系は0〜3個のR基で置換される場合があり;
がR3a、R3b、R3c又はR3dであるが、但し、Rがヘテロ原子に結合する場合、RがR3c又はR3dであることを条件とし;
3aがF、Cl、Br、I、−CN、N、−NO、−OR又は−OR6aであり;
3bがYであり;
3cが−R、−N(R)(R)、−SR、−S(O)R、−S(O)、−S(O)(OR)、−S(O)(OR)、−OC(Y)R、−OC(Y)OR、−OC(Y)(N(R)(R))、−SC(Y)R、−SC(Y)OR、−SC(Y)(N(R)(R))、−N(R)C(Y)R、−N(R)C(Y)OR、又は−N(R)C(Y)(N(R)(R))であり;
3dが−C(Y)R、−C(Y)OR、又は−C(Y)(N(R)(R))であり;
がH、1〜18個の炭素原子のアルキル、2〜18個の炭素原子のアルケニル、又は2〜18個の炭素原子のアルキニルであり;
がRであって、この場合、各Rが0〜3個のR基で置換され;
がW又はWであり;
がR、−C(Y)R、−C(Y)W、−SOM2、又は−SOM2であり;
が炭素環又は複素環であって、この場合、Wが独立して0〜3個のR基で置換され;
が、0、1、2又は3個のA基で独立して置換されるWであり;
M2が0、1又は2であり;
M12aが0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12であり;
M12bが0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12であり;
M1a、M1c及びM1dが独立して0又は1であり;
M12cが0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12である、
化合物である、結合体、そのエナンチオマー、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を提供する。
別の実施形態において、本発明は、以下の化学式の化合物であって:
Figure 2009502964
式中、
DRUGが化学式Aの化合物であり;
nnが1、2又は3であり;
0’がF又はAであり;
Yが、場合により1個又は場合により複数個がAで置換されるN、C、O、S、或いはA0であり;
Y’が不在、結合、H又はAであり;
Y’’が不在、結合、場合により1個又は場合により複数個がAで置換されるC、N、O又はSであり;
がA、A又はWであり、場合によりY’に結合する環を形成し;
Figure 2009502964
であり;
Figure 2009502964
であり;
Figure 2009502964
であり;
が独立してO、S、N(R)、N(O)(R)、N(O)(OR)、又はN(N(R)(R))であり;
が独立して結合、O、C(R)(R)、N(R)、N(O)(R)、N(OR)、N(O)(OR)、N(N(R)(Rx))、−S(O)M2−、又は−S(O)M2−S(O)M2−であり;Yが2個のリン原子と結合する場合、YがC(R)(R)であってもよく;
が独立してH、R、R、W、保護基、又は以下の化学式であって:
Figure 2009502964
式中:
が独立してH、W、R又は保護基であり;
が独立してH、又は1〜18個の炭素原子のアルキルであり;
が独立してH、R、R又はRであって、この場合、各Rが独立してH、R、R又はRであって、この場合各Rが独立して0〜3個のR基で置換されるか、1個の炭素原子において一緒になり、2個のR2基が、3〜8個の炭素原子からなる環を形成し、その環が0〜3個のR基で置換される場合があり;
がR3a、R3b、R3c又はR3dであるが、但し、Rがヘテロ原子に結合する場合、RがR3c又はR3dであることを条件とし;
3aがF、Cl、Br、I、−CN、N、−NO、−OR1又は−OR6aであり;
3bがYであり;
3cが−R、−N(R)(R)、−SR、−S(O)R、−S(O)、−S(O)(OR)、−S(O)(OR)、−OC(Y)R、−OC(Y)OR、−OC(Y)(N(R)(R))、−SC(Y)R、−SC(Y)OR、−SC(Y)(N(R)(R))、−N(R)C(Y)R、−N(R)C(Y)OR、又は−N(R)C(Y)(N(R)(R))であり;
3dが−C(Y)R、−C(Y)OR、又は−C(Y)(N(R)(R))であり;
が1〜18個の炭素原子のアルキル、2〜18個の炭素原子のアルケニル、又は2〜18個の炭素原子のアルキニルであり;
がRであって、この場合、各Rが0〜3個のR基で置換され;
がW又はWであり;
がR、−C(Y)R、−C(Y)W、−SOM2R5、又は−SOM2W5であり;
が炭素環又は複素環であって、この場合、Wが独立して0〜3個のR基で置換され;
が、独立して0、1、2又は3個のA基で置換されるWであり;
M2が0、1又は2であり;
M12aが0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12であり;
M12bが0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12であり;
M1a、M1c及びM1dが独立して0又は1であり;
M12cが0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12である、
化合物、そのエナンチオマー、又はその薬学的に許容される塩を提供する。
別の実施形態において、本発明は、以下の化学式Aの化合物であって:
Figure 2009502964
Figure 2009502964
式中:
0’がF又はAであり;
Y’’が不在、結合、場合により1個又は場合により複数個がAで置換されるN、C、O又はSであり;
がAであり;
Figure 2009502964
であり;
Figure 2009502964
であり;
が独立してO、S、N(R)、N(O)(R)、N(OR)、N(O)(OR)、又はN(N(R)(R))であり;
Yが場合により1個又は場合により複数個がAで置換されるN、C、O又はS、或いはAであり;
Y’が不在、結合、H又はAであり;
が独立して不在、結合、O、C(R)(R)、N(R)、N(O)(R)、N(OR)、N(O)(OR)、N(N(R)(R))、−S(O)M2−、又は−S(O)M2−S(O)M2−であり;Yが2個のリン原子と結合する場合、YがC(R)(R)であってもよく;
が独立してH、R、W、保護基、又は以下の化学式であって:
Figure 2009502964
が独立してH、W、R又は保護基であり;
が独立してH、又は1〜18個の炭素原子のアルキルであり;
が独立してH、R又はRであって、この場合、各Rが独立して0〜3個のR基で置換され;
がR3a、R3b、R3c又はR3dであるが、但し、Rがヘテロ原子に結合する場合、RがR3c又はR3dであることを条件とし;
3aがF、Cl、Br、I、−CN、N、−NO、−OR1又は−OR6aであり;
3bがYであり;
3cが−Rx、−N(R)(R)、−SR、−S(O)R、−S(O)、−S(O)(OR)、−S(O)(OR)、−OC(Y)R、−OC(Y)OR、−OC(Y)(N(R)(R))、−SC(Y)R、−SC(Y)OR、−SC(Y)(N(R)(R))、−N(R)C(Y)R、−N(R)C(Y)OR、又は−N(R)C(Y)(N(R)(R))であり;
3dが−C(Y)R、−C(Y)ORx、又は−C(Y)(N(R)(R))であり;
が1〜18個の炭素原子のアルキル、2〜18個の炭素原子のアルケニル、又は2〜18個の炭素原子のアルキニルであり;
がRであって、この場合、各Rが0〜3個のR基で置換され;
5aが独立して、1〜18個の炭素原子のアルキル、2〜18個の炭素原子のアルケニル、又は2〜18個の炭素原子のアルキニルであり、これらのアルキレン、アルケニレン又はアルキニレンの何れか1つが、0〜3個のR基で置換され;
がW又はWであり;
がR、−C(Y)R、−C(Y)W、−SO、又は−SOであり;
が炭素環又は複素環であって、この場合、Wが独立して0〜3個のR基で置換され;
が、0、1、2又は3個のA基で独立して置換されるWであり;
M2が0、1又は2であり;
M12aが0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12であり;
M12bが0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12であり;
M1a、M1c及びM1dが独立して0又は1であり;
M12cが0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12である、
化合物を提供する。
(例示的な実施形態の詳細な説明)
以下では本発明の特定の実施形態について詳細に言及し、その例を付随の構造式及び化学式において説明する。本発明は列挙する実施形態と共に説明するが、本発明をこれらの実施形態に限定する意図はないことが理解されるであろう。反対に、本発明はあらゆる代替、改変及び等価物を包含するものとして意図されており、これらは実施形態によって定義される通り、本発明の適用範囲内に含まれる。
定義
特に記載がない限り、本明細書で使用される以下の用語及び語句は、以下の意味を有するものとして意図される。
本明細書で商標が使用される場合、申請者は商標製品及び当該商標製品の医薬活性成分を独立して包含することを意図する。
「生物学的利用能」とは、医薬活性物質を体内に導入した後に、この物質が標的臓器で利用可能になる程度を指す。医薬活性物質の生物学的利用能を高めると、所与の用量でより多くの医薬活性物質が標的組織部位で利用可能になるため、患者の処置をより効率的且つ効果的なものにすることができる。
「ホスホン酸塩」及び「ホスホン酸基」という用語は、1)炭素原子に単結合している、2)ヘテロ原子に二重結合している、3)ヘテロ原子に単結合している、4)別のヘテロ原子に単結合しているリンであって、各へテロ原子が同じであっても異なっていてもよいリンを含む分子内の官能基又は成分を含む。「ホスホン酸塩」及び「ホスホン酸基」という用語には又、上述のリンと同じ酸化状態にあるリンを含む官能基又は成分、並びに化合物が上述の特徴を有するリンを保持するように化合物から分離することができるプロドラッグ成分を含む官能基又は成分も含まれる。例えば、「ホスホン酸塩」及び「ホスホン酸基」という用語には、リン酸、リン酸モノエステル、リン酸ジエステル、アミドホスホン酸塩、及びチオリン酸官能基が含まれる。本発明の特定の一実施形態において、「ホスホン酸塩」及び「ホスホン酸基」という用語には、1)炭素に単結合している、2)酸素に二重結合している、3)酸素に単結合している、4)別の酸素に単結合しているリンを含む分子内の官能基又は成分、並びに化合物が上述の特徴を有するリンを保持するように化合物から分離することができるプロドラッグ成分を含む官能基又は成分が含まれる。本発明の別の特定の実施形態において、「ホスホン酸塩」及び「ホスホン酸基」という用語には、1)炭素に単結合している、2)酸素に二重結合している、3)酸素又は窒素原子に単結合している、4)別の酸素又は窒素に単結合しているリンを含む分子内の官能基又は成分、並びに化合物が上述の特徴を有するリンを保持するように化合物から分離することができるプロドラッグ成分を含む官能基又は成分が含まれる。
本明細書で使用される「プロドラッグ」という用語は、生物系に投与された場合に、自然な化学反応、酵素が触媒する化学反応、光分解、及び/又は代謝性の化学反応によって、薬物物質、即ち活性成分を生成する何れかの化合物を指す。従って、プロドラッグは、医薬活性化合物の共有結合によって修飾された類似体又は潜在型である。
「プロドラッグ成分」とは、代謝中に加水分解、酵素開裂又はその他何れかのプロセスによって系統的に細胞内において阻害活性化合物から分離する不安定な官能基を指す(Bundgaard, Hans, ’’Design and Application of Prodrugs’’ in A Textbook of Drug Design and Development (1991), P. Krogsgaard−Larsen and H. Bundgaard, Eds. Harwood Academic Publishers, pp.113−191)。本発明のホスホン酸プロドラッグ化合物で活性化することができる酵素には、アミダーゼ、エステラーゼ、細菌酵素、ホスホリパーゼ、コリンエステラーゼ及びホスファーゼが含まれるが、これらに限定されない。プロドラッグ成分は、可溶性、吸収及び脂肪親和性を高めて、薬物の送達、生物学的利用能及び効果を最適にする役割を果たす。プロドラッグ成分は、活性代謝物又は薬物自体を含む場合がある。
プロドラッグ成分の例には、加水分解に対して感受性を有するか不安定であるアシルオキシメチルエステル−CHOC(=O)R及び炭酸アシルオキシメチル−CHOC(=O)ORが含まれ、式中、RはC−Cアルキル、C−C置換アルキル、C−C20アリール又はC−C20置換アリールである。アシルオキシアルキルエステルは、まずカルボキシル酸のプロドラッグ戦略として使用され、その後Farquhar, et al. (1983) J. Pharm. Sci. 72:324;米国特許第4816570号、第4968788号、第5663159号及び5792756号においてリン酸塩及びホスホン酸塩に応用された。次に、アシルオキシアルキルエステルは、細胞膜にホスホン酸を送達し、経口生物学的利用能を向上させるのに使用された。アシルオキシアルキルエステルの近い亜型であるアルコキシカルボニルオキシアルキルエステル(炭酸塩)は又、本発明の組み合わせの化合物におけるプロドラッグ成分として経口生物学的利用能を向上させる場合もある。アシルオキシメチルエチルの例には、ピバロイルオキシメトキシ(POM)−CHOC(=O)C(CHがある。炭酸アシルオキシメチルプロドラッグ成分の例には、炭酸ピバロイルオキシメチル(POC)−CHOC(=O)OC(CHがある。
ホスホン酸基は、ホスホン酸プロドラッグ成分である場合がある。プロドラッグ成分は、炭酸ピバロイルオキシメチル(POC)又はPOM基に限定されないがこれのように、加水分解に対して感受性を有する場合がある。或いは、プロドラッグ成分は、乳酸エステル又はアミドホスホン酸エステル基のように、酵素による強化された開裂に対して感受性を湯売る場合もある。
リン基のアリールエステル、特にフェニルエステルは、経口生物学的利用能を向上させることが報告されている(De Lombaert, et al. (1994) J. Med. Chem. 37; 498)。リン酸塩にオルトであるカルボン酸エステルを含有するフェニルエステルについても既に記載されている(Khamnei and Torrence, (1996) J. Med. Chem. 39:4109−4115)。ベンジルエステルは親ホスホン酸を生成することが報告されている。場合により、オルト又はパラ位の置換基は加水分解を促進する場合がある。アシル化フェノール又はアルキル化フェノールを有するベンジル類似体は、エステラーゼ、オキシダーゼ等の酵素の作用を介してフェノール化合物を生成し、これがひいてはベンジルC−O結合において開裂され、リン酸及びキノンメチド中間体を生成する場合がある。このクラスのプロドラッグの例については、Mitchell, et al. (1992) J. Chem. Soc. Perkin Trans. II 2345; Glazier,国際特許第WO91/19721号に記載されている。更に他のベンジル型プロドラッグは、ベンジルメチレンに結合したカルボン酸エステル含有基を含有するものとして記載されている(Glazier,国際特許第WO91/19721号)。チオ含有プロドラッグは、ホスホン酸塩薬物の細胞内送達に有用であることが報告されている。これらのプロエステルは、チオール基がアシル基でエステル化されるか、別のチオール基と混合されてジスルフィドを形成するエチルチオ基を含有する。このジスルフィドの脱エステル化又は還元により、遊離チオ中間体が生成され、これがその後リン酸及びエピスルフィドに分解する(Puech, et al. (1993) Antiviral Res., 22: 155−174; Benzaria, et al. (1996) J. Med. Chem. 39:4958)。環状ホスホン酸エステルは、リン含有化合物のプロドラッグとしても記載されている(Erion, et al.,米国特許第6312662号)。
「保護基」とは、官能基の特性又は全体としての化合物の特性を抑えるか変化させる化合物の成分を指す。化学的保護基及び保護/脱保護の方法は、当該技術分野で周知である。例えば、Protective Groups in Organic Chemistry, Theodora W. Greene, John Wiley & Sons, Inc., New York, 1991を参照されたい。保護基は、特定の官能基の反応性を抑えて、例えば順番に計画された通りに化学結合を形成し分解する等といった所望の化学反応の効率性を介助するのに使用されることが多い。化合物の官能基の保護は、保護された官能基の反応性を除いた、極性や脂肪親和性(疎水性)といったその他の物理的特性、及び一般的な分析ツールで測定することができるその他の特性を変化させる。化学的に保護された中間体は、それ自体が生物学的に活性である場合もあれば、不活性である場合もある。
保護された化合物は又、in vitro及びin vivoにおいて、細胞膜の通過及び酵素による分解又は金属イオン封鎖といった特性の変化及び場合により最適化を示す場合もある。この役割において、所期の治療効果を有する保護された化合物は、プロドラッグと呼ばれる場合がある。保護基の別の機能には、親薬物をプロドラッグに変換して、in vivoでプロドラッグが変換される際に親薬物が放出されるようにする機能がある。活性を有するプロドラッグは親薬物よりも効率的に吸収される場合があるため、プロドラッグはin vivoで親薬物よりも高い力価を有する。保護基は、化学的中間体の場合はin vitroで、プロドラッグの場合はin vivoで除去される。化学的中間体の場合、脱保護の結果得られたアルコール等の産物が生理学的に許容されることはそれほど重要ではなく、一般的にはその産物が薬学的に無害であるかどうかの方が望まれる。
本発明の化合物の何れに対する何れの言及にも、それらの生理学的に許容される塩に対する言及が含まれる。本発明の化合物の生理学的に許容される塩の例には、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)、アルカリ土類(例えば、マグネシウム)、アンモニア及びNX (式中、XはC−Cアルキルである)といった適切な塩基に由来する塩が含まれる。水素原子又はアミノ基の生理学的に許容される塩には、酢酸、安息香酸、乳酸、フマル酸、酒石酸、マレイン酸、マロン酸、リンゴ酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸及びコハク酸等の有機カルボン酸の塩;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びp−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸の塩;及び塩酸、硫酸、リン酸及びスルファミン酸等の無機酸の塩が含まれる。ヒドロキシ基の化合物の生理学的に許容される塩には、Na及びNX (式中、Xは、H又はC−Cアルキル基から独立して選択される)等の好適なカチオンと組み合わせた前記化合物のアニオンが含まれる。
治療に使用する場合、本発明の化合物の活性成分の塩は、生理学的に許容され、即ち、生理学的に許容される酸又は塩基に由来する塩となる。但し、生理学的に許容されない酸又は塩基の塩も又、例えば生理学的に許容される化合物の調製又は精製に用途を見出す場合がある。塩は全て、生理学的に許容される酸又は塩基に由来するか否かにかかわらず、本発明の適用範囲内に含まれる。
「アルキル」とは、ノルマル、第二級、第三級又は環状炭素原子を含有するC−C18炭化水素である。例としては、メチル(Me、−CH)、エチル(Et、−CHCH)、1−プロピル(n−Pr、n−プロピル、−CHCHCH)、2−プロピル(i−Pr、i−プロピル、−CH(CH)、1−ブチル(n−Bu、n−ブチル、−CHCHCHCH)、2−メチル−1−プロピル(i−Bu、i−ブチル、−CHCH(CH)、2−ブチル(s−Bu、s−ブチル、−CH(CH)CHCH)、2−メチル−2−プロピル(t−Bu、t−ブチル、−C(CH)、1−ペンチル(n−ペンチル、−CHCHCHCHCH)、2−ペンチル(−CH(CH)CHCHCH)、3−ペンチル(−CH(CHCH)、2−メチル−2−ブチル(−C(CHCHCH)、3−メチル−2−ブチル(−CH(CH)CH(CH)、3−メチル−1−ブチル(−CHCHCH(CH)、2−メチル−1−ブチル(−CHCH(CH)CHCH)、1−ヘキシル(−CHCHCHCHCHCH)、2−ヘキシル(−CH(CH)CHCHCHCH)、3−ヘキシル(−CH(CHCH)(CHCHCH))、2−メチル−2−ペンチル(−C(CHCHCHCH)、3−メチル−2−ペンチル(−CH(CH)CH(CH)CHCH)、4−メチル−2−ペンチル(−CH(CH)CHCH(CH)、3−メチル−3−ペンチル(−C(CH)(CHCH)、2−メチル−3−ペンチル(−CH(CHCH)CH(CH)、2,3−ジメチル−2−ブチル(−C(CHCH(CH)、3,3−ジメチル−2−ブチル(−CH(CH)C(CH)が含まれる。
「アルケニル」とは、少なくとも1つの不飽和部位、即ち、炭素−炭素のsp二重結合を有する、ノルマル、第二級、第三級又は環状炭素原子を含有するC−C18炭化水素である。例としては、エチレン又はビニル(−CH=CH)、アリル(−CHCH=CH)、シクロペンテニル(−C)及び5−ヘキセニル(−CHCHCHCHCH=CH)が含まれるが、これらに限定されない。
「アルキニル」とは、1つ以上の不飽和部位、即ち炭素−炭素のsp三重結合を有する、ノルマル、第二級、第三級又は環状炭素原子を含有するC−C18炭化水素である。例としては、アセチレン(−C≡CH)及びプロパルギル(−CHC≡CH)が含まれるが、これらに限定されない。
「アルキレン」とは、親アルカンの同じ又は2種類の炭素原子から2個の水素原子を除去することに由来する2個の一価ラジカル中心を有する、1〜18個の炭素原子からなる飽和、分枝鎖又は直鎖又は環状の炭化水素基を指す。一般的なアルキレン基には、メチレン(−CH−)、1,2−エチル(−CHCH−)、1,3−プロピル(−CHCHCH−)、1,4−ブチル(−CHCHCHCH−)等が含まれるが、これらに限定されない。
「アルケニレン」とは、親アルケンの同じ又は2種類の炭素原子から2個の水素原子を除去することに由来する2個の一価ラジカル中心を有する、2〜18個の炭素原子からなる飽和、分枝鎖又は直鎖又は環状の炭化水素基を指す。一般的なアルケニレン基には、1,2−エチレン(−CH=CH−)が含まれるが、これに限定されない。
「アルキニレン」とは、親アルキンの同じ又は2種類の炭素原子から2個の水素原子を除去することに由来する2個の一価ラジカル中心を有する、2〜18個の炭素原子からなる飽和、分枝鎖又は直鎖又は環状の炭化水素基を指す。一般的なアルキニレン基には、アセチレン(−C≡C−)、プロパルギル(−CHC≡C−)及び4−ペンチニル(−CHCHCHC≡CH−)が含まれるが、これらに限定されない。
「アリール」とは、親芳香環の1個の炭素原子から1個の水素原子を除去することに由来する、6〜20個の炭素原子からなる一価の芳香炭化水素基を意味する。一般的なアリール基には、ベンゼン、置換ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニル等に由来する基が含まれるが、これらに限定されない。
「アリールアルキル」とは、炭素原子、一般的には末端又はsp炭素原子に結合した水素原子の一つがアリール基で置き換えられる非環式アルキル基を指す。一般的なアリールアルキル基には、ベンジル、2−フェニルエタン−1−イル、ナフチルメチル、2−ナフチルエタン−1−イル、ナフトベンジル、2−ナフトフェニルエタン−1−イル等が含まれるが、これらに限定されない。アリールアルキル基は、6〜20個の炭素原子を含み、アルカニル、アルケニル又はアルキニル基を含めたアリールアルキル基のアルキル成分は、1〜6個の炭素原子であり、アリール成分は5〜14個の炭素原子である。
「置換アルキル」、「置換アリール」及び「置換アリールアルキル」とは、それぞれ、1つ以上の水素原子がそれぞれ独立して非水素置換基で置換される、アルキル、アリール及びアリールアルキルを意味する。一般的な置換基には、−X、−R、−O、−OR、−SR、−S、−NR、−NR、=NR、−CX、−CN、−OCN、−SCN、−N=C=O、−NCS、−NO、−NO、=N、−N、NC(=O)R、−C(=O)R、−(=O)NRR、−S(=O)、−S(=O)OH、−S(=O)R、−OS(=O)OR、−S(=O)NR、−S(=O)R、−OP(=O)ORR、−P(=O)ORR、−P(=O)(O、−P(=O)(OH)、−C(=O)R、−C(=O)X、−C(S)R、−C(O)OR、−C(O)O、−C(S)OR、−C(O)SR、−C(S)SR、−C(O)NRR、−C(S)NRR、−C(NR)NRRが含まれるが、これらに限定されず、式中、各Xは独立してハロゲン、F、Cl、Br又はIであり;各Rは独立して−H、アルキル、アリール、複素環、保護基又はプロドラッグ成分である。アルキレン、アルケニレン及びアルキニレン基も同様に置換される場合がある。
本明細書で使用される「複素環」には、Paquette, Leo A.; Principles of Modern Heterocyclic Chemistry (W.A. Benjamin, New York, 1968), particulaly Chapters 1, 3, 4, 6, 7 and 9;The Chemistry of Heterocyclic Compounds, A Series of Monographs’’ (John Wiley & Sons, New York, 1950 to present), in particular Volumes 13, 14, 16, 19 and 28;及びJ. Am. Chem. Soc. (1960) 82:5566に記載の複素環が例として含まれるが、これらに限定されない。本発明の特定の一実施形態において、「複素環」には、1個以上(例えば、1、2、3又は4個)の炭素原子がヘテロ原子(例えば、O、N又はS)で置き換えられている、本明細書に定義されるような「炭素環」が含まれる。
複素環の例には、ピリジル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル(ピペリジル)、チアゾリル、テトラヒドロチオフェニル、硫黄酸化テトラヒドロチオフェニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、チアナフタレニル、インドリル、インドレニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ピペリジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、2−ピロリドニル、ピロリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オクタヒドロイソキノリニル、アゾシニル、トリアジニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、チエニル、チアントレニル、ピラニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサチニル、2H−ピロリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H−インドリル、1H−インダゾリル、プリニル、4H−キノリジニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、4aH−カルバゾリル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フラザニル、フェノキサジニル、イソクロマニル、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペラジニル、インドリニル、イソインドリニル、キヌクリジニル、モルフォリニル、オキサゾリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、オキシインドリル、ベンズオキサゾリニル、イサチノイル、及びbis−テトラヒドロフラニル:
Figure 2009502964
が例として含まれるが、これらに限定されない。
例示であって限定するものではないが、炭素が結合した複素環は、ピリジンの2、3、4、5又は6位で、ピリダジンの3、4、5又は6位で、ピリミジンの2、4、5又は6位で、ピラジンの2、3、5又は6位で、フラン、テトラヒドロフラン、チオフラン、チオフェン、ピロール又はテトラヒドロピロールの2、3、4又は5位で、オキサゾール、イミダゾール又はチアゾールの2、4又は5位で、イソオキサゾール、ピラゾール又はイソチアゾールの3、4又は5位で、アジリジンの2又は3位で、アゼチジンの2、3又は4位で、キノリンの2、3、4、5、6、7又は8位で、イソキノリンの1、3、4、5、6、7又は8位で結合する。尚更に一般的には、炭素が結合した複素環には、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、5−ピリジル、6−ピリジル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、5−ピリダジニル、6−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル、2−ピラジニル、3−ピラジニル、5−ピラジニル、6−ピラジニル、2−チアゾリル、4−チアゾリル又は5−チアゾリルが含まれる。
例示であって限定するものではないが、窒素が結合した複素環は、アジリジン、アゼチジン、ピロール、ピロリジン、2−ピロリン、3−ピロリン、イミダゾール、イミダゾリジン、2−イミダゾリン、3−イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、インドリン、1H−インダゾールの1位で、イソインドール又はイソインドリンの2位で、モルフォリンの4位で、カルバゾール又はβ−カルボリンの9位で結合する。尚更に一般的には、窒素が結合した複素環には、1−アジリジル、1−アゼテジル、1−ピロリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリル及び1−ピペリジニルが含まれる。
「炭素環」とは、単環式として3〜7個の炭素原子を、二環式として7〜12個の炭素原子を、多環式として最高約20個の炭素原子を有する、飽和、不飽和又は芳香族環を指す。単環式炭素環は、3〜6個の環原子、尚更に一般的には5又は6個の環原子を有する。二環式炭素環は、例えばビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]又は[6,6]系として配置される7〜12個の環原子を、又はビシクロ[5,6]又は[6,6]系として配置される9又は10個の環原子を有する。単環式炭素環の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロペント−1−エニル、1−シクロペント−2−エニル、1−シクロペント−3−エニル、シクロヘキシル、1−シクロヘキサ−1−エニル、1−シクロヘキサ−2−エニル、1−シクロヘキサ−3−エニル、フェニル、スピリル及びナフチルが含まれる。
「リンカー」又は「リンク」とは、ホスホン酸基を薬物に共有結合させる、共有結合、又は原子の鎖若しくは基を含む化学成分を指す。リンカーには、アルキルオキシ(例えば、ポリエチレンオキシ、PEG、ポリメチレンオキシ)及びアルキルアミノ(例えば、ポリエチレンアミノ、JeffamineTM)の反復単位;並びにコハク酸塩、スクシンアミド、ジグリコール酸塩、マロン酸塩及びカプロアミドを含めた二価酸エステル及びアミド等の成分を含む、置換基A及びAの部分が含まれる。
「キラル」という用語は、それ自体の鏡像に自らを重ね合わせることができないという属性を有する分子を指し、「アキラル」はそれ自体の鏡像に自らを重ね合わせることができる分子を指す。
「立体異性体」という用語は、同じ化学的構成を有するが、空間における原子及び基の配置の点において異なる化合物を指す。
「ジアステレオマー」とは、2個以上のキラル中心を有し、分子が互いの鏡像にならない立体異性体を指す。ジアステレオマーは、融点、沸点、スペクトル特性及び反応性等の物理的特性が異なる。ジアステレオマーの混合物は、電気泳動及びクロマトグラフィーといった高分解能の分析手順によって分離する場合がある。
「エナンチオマー」とは、互いの鏡像が重ね合わせることができない、化合物の2個の立体異性体を指す。
「処置」又は「処置する」という用語には、疾患又は病態に関する限り、疾患又は病態の発現の予防、疾患又は病態の抑制、疾患又は病態の除去、及び/又は疾患又は病態の1つ以上の症状の緩和が含まれる。
本明細書で使用される立体化学の定義及び規則は、一般的にS. P. Parker, Ed., McGraw−Hill Dictionary of Chemical Terms (1984) McGraw−Hill Book Company, New York;及びEliel, E. and Wilen, S., Stereochemistry of Organic Compounds (1994) John Wiley & Sons, Inc., New York.に準ずる。多くの有機化合物は、光学活性形態で存在し、即ち、平面偏光の面を回転させる能力を有する。光学活性化合物を記述する場合、接頭辞D及びL又はR及びSを使用して、そのキラル中心周囲の分子の絶対配置を示す。接頭辞d及びl又は(+)及び(−)は、化合物により平面偏光が回転していることを示すために使用され、(−)又はlは化合物が左旋性であることを意味する。(+)又はdの接頭辞が付いた化合物は右旋性である。所与の化学構造の場合、これらの立体異性体は、互いの鏡像であること以外は同一である。特定の立体異性体はエナンチオマーとも呼ばれ、このような異性体の混合物は、エナンチオマー混合物と呼ばれることが多い。エナンチオマーの50:50の混合物は、ラセミ混合物又はラセミ体と呼ばれ、化学反応又はプロセスにおいて立体選択又は立体特異性がない場合に生じることがある。「ラセミ混合物」及び「ラセミ体」という用語は、光学活性を有さない2個のエナンチオマーの等モル混合物を指す。
保護基
本発明の文脈において、保護基にはプロドラッグ成分及び化学的保護基が含まれる。
保護基は入手が可能で、広く知られ、使用されており、場合により本発明の化合物を調製するための合成手順、即ち合成経路又は方法において、保護される基との副反応を予防するために使用される。殆どの場合、どの基を保護するか、いつ保護するかについての決定、及び化学的保護基「PG」の性質は、保護する反応の化学(例えば、酸性、塩基性、酸化、還元又はその他の条件)及び所期の合成方向により異なる。化合物を複数のPGで置換する場合、PGは同じである必要はなく、且つ一般的には同じでない。一般的に、PGは、カルボキシル、ヒドロキシル、チオ又はアミノ基といった官能基を保護し、それによって副反応を予防するか、合成の効率を高めるために使用される。遊離した脱保護基を得るための脱保護の順序は、所期の合成方向及び発生する反応条件によりことなり、当業者が決定する任意の順序で生じる場合もある。
本発明の化合物の官能基は、種々のものが保護される場合がある。例えば、−OH基(ヒドロキシル、カルボン酸、ホスホン酸、又はその他の官能基であってもよい)の保護基には、「エーテル又はエステル形成基」が含まれる。エーテル又はエステル形成基は、本明細書に記載の合成スキームにおいて化学的保護基として機能することができる。但し、幾つかのヒドロキシル及びチオ保護基は、当業者ガ理解する通り、エーテル形成基でもなければ、エステル形成基でもなく、以下で考察するアミドと共に含まれる。
ヒドロキシル保護基及びアミド形成基、並びに対応する化学開裂反応については、Protective Groups in Organic Synthesis, Theodora W. Greene (John Wiley & Sons, Inc., New York, 1991, ISBN 0−471−62301−6) (’’Greene’’)に極めて多くのものが記載されている。又、全体が参考として本明細書で援用される、Kocienski, Philip J.; Protecting Groups (Georg Thieme Verlag Stuttgart, New York, 1994)も参照されたい。特に参照されたいのは、Chapter 1, Protecting Groups: An Overview, pages 1−20, Chapter 2, Hydroxyl Protecting Groups, pages 21−94, Chapter 3, Diol Protecting Groups, pages 95−117, Chapter 4, Carboxyl Protecting Groups, pages 118−154, Chapter 5, Carbonyl Protecting Groups, pages 155−184である。カルボン酸、ホスホン酸、ホスホン酸塩、スルホン酸の保護基、及びその他の酸の保護基については、以下に記載の通りGreeneを参照されたい。このような基には、エステル、アミド、ヒドラジド等が含まれるが、これらに限定されない。
エーテル及びエステル形成保護基
エステル形成基には:(1)アミドホスホン酸エステル、チオリン酸エステル、ホスホン酸エステル、及びビスアミドホスホン酸塩等のホスホン酸エステル形成基;(2)カルボキシルエステル形成基;及び(3)スルホン酸塩、硫酸塩及びスルフィン酸塩等の硫黄エステル形成基が含まれる。
本発明の化合物の任意のホスホン酸塩成分は、プロドラッグ成分である場合もあれば、プロドラッグ成分でない場合もあり、即ち、これらの成分は加水分解又は酵素による開裂又は修飾の影響に対して感受性を有する場合もあれば、有さない場合もある。特定のホスホン酸塩成分は、殆ど又はほぼ全ての代謝条件下で安定している。例えば、アルキル基が2個以上の炭素原子であるジアルキルホスホン酸塩は、加水分解の速度が緩徐であるために、in vivoで優れた安定性を有する場合がある。
ホスホン酸プロドラッグ成分の文脈において、多数の構造的に異なるプロドラッグは、ホスホン酸について記載されており(Freeman and Ross in Progress in Medicinal Chemistry 34: 112−147 (1997))、本発明の適用範囲内に含まれる。ホスホン酸エステル形成基の例は、以下の化学式を有する下部構造Aのフェニル炭素環であって:
Figure 2009502964
式中、
はH又はC−C12アルキルである場合があり;m1は1、2、3、4、5、6、7又は8であり、フェニル炭素環は0〜3個のR基で置換される。YがOである場合、乳酸エステルが形成され、YがN(R)、N(OR)又はN(N(Rである場合、アミドホスホン酸エステルが形成される。
エステルを形成する役割において、保護基は一般的に、例えば−COH又は−C(S)OH基が例としてあるがこれらに限定されない何れかの酸性基に結合し、それによって−CO(式中、Rが本明細書に定義される)が形成される。又、Rには、例えば国際特許第WO95/07920号に列挙されたエステル基が含まれる。
保護基の例には、以下が含まれる:
−C12複素環(上述)又はアリール。これらの芳香族基は、場合により多環式又は単環式である。例としては、フェニル、スピリル、2−及び3−ピロリル、2−及び3−チエニル、2−及び4−イミダゾリル、2−、4−及び5−オキサゾリル、3−及び4−イソキサゾリル、2−、4−及び5−チアゾリル、3−、4−及び5−イソチアゾリル、3−及び4−ピラゾリル、1−、2−、3−及び4−ピリジニル、及び1−、2−、4−及び5−ピリミジニルが含まれる。
ハロ、R、R−O−C−C12アルキレン、C−C12アルコキシ、CN、NO、OH、カルボキシ、カルボキシエステル、チオール、チオエステル、C−C12ハロアルキル(1〜6個のハロゲン原子)、C−C12アルケニル、又はC−C12アルキニルで置換されるC−C12複素環又はアリール。このような基には、2−、3−及び4−アルコキシフェニル(C−C12アルキル)、2−、3−及び4−メトキシフェニル、2−、3−及び4−エトキシフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−及び3,5−ジエトキシフェニル、2−及び3−カルボエトキシ−4−ヒドロキシフェニル、2−及び3−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル、2−及び3−エトキシ−5−ヒドロキシフェニル、2−及び3−エトキシ−6−ヒドロキシフェニル、2−、3−及び4−O−アセチルフェニル、2−、3−及び4−ジメチルアミノフェニル、2−、3−及び4−メチルメルカプトフェニル、2−、3−及び4−ハロフェニル(2−、3−及び4−フルオロフェニル、及び2−、3−及び4−クロロフェニルを含む)、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−及び3,5−ジメチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−及び3,5−ビスカルボキシエチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−及び3,5−ジメトキシフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−及び3,5−ジハロフェニル(2,4−ジフルオロフェニル及び3,5−ジフルオロフェニルを含む)、2−、3−及び4−ハロアルキルフェニル(1〜5個のハロゲン原子、4−トリフルオロメチルフェニルを含めたC−C12アルキル)、2−、3−及び4−シアノフェニル、2−、3−及び4−ニトロフェニル、2−、3−及び4−ハロアルキルベンジル(1〜5個のハロゲン原子、4−トリフルオロメチルベンジル、及び2−、3−及び4−トリクロロメチルフェニル、及び2−、3−及び4−トリクロロメチルフェニルを含めたC−C12アルキル)、4−N−メチルピペリジニル、3−N−メチルピペリジニル、1−エチルピペラジニル、ベンジル、アルキルサリチルフェニル(2−、3−及び4−エチルサリチルフェニルを含めたC−Cアルキル)、2−、3−及び4−アセチルフェニル、1,8−ジヒドロキシナフチル(−C10−OH)及びアリールオキシエチル[C−Cアリール(フェノキシエチルを含む)]、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、2−、3−及び4−N,N−ジアルキルアミノフェノール、−CCH−N(CH、トリメトキシベンジル、トリエトキシベンジル、2−アルキルピリジニル(C−Cアルキル);
Figure 2009502964
;2−カルボキシフェニルのC−Cエステル;アリール成分中で3〜5個のハロゲン原子、又は1〜2個の原子、又はハロゲン、C−C12アルコキシ(メトキシ及びエトキシを含む)、シアノ、ニトロ、OH、C−C12ハロアルキル(1〜6個のハロゲン原子;−CHCClを含む)、C−C12アルキル(メチル及びエチルを含む)、C−C12アルケニル又はC−C12アルキニルから選択される基で置換されるC−Cアルキレン−C−Cアリール(ベンジル、−CH−ピロリル、−CH−チエニル、−CH−イミダゾリル、−CH−オキサゾリル、−CH−イソキサゾリル、−CH−チアゾリル、−CH−イソチアゾリル、−CH−ピラゾリル、−CH−ピリジニル及び−CH−ピリミジニルを含む);アルコキシエチル[−CH−CH−O−CH(メトキシエチル)を含めたC−Cアルキル];アリールについて上述した基、特にOH又は1〜3個のハロ原子(−CH、−CH(CH、−C(CH、−CHCH、−(CHCH、−(CHCH、−(CHCH、−(CHCH、−CHCHF、−CHCHCl、−CHCF及び−CHCClを含む)の何れかで置換されるアルキル;
Figure 2009502964
;−N−2−プロピルモルフォリノ、2,3−ジヒドロ−6−ヒドロキシインデン、セサモール、カテコールモノエステル、−CH−C(O)−N(R、−CH−S(O)(R)、−CH−S(O)(R)、−CH−CH(OC(O)CH)−CH(OC(O)CH)、コレステリル、エノールピルビン酸塩(HOOC−C(=CH)−)、グリセロール;
5又は6個の炭素からなる単糖、二糖又は少糖(3〜9個の単糖残基);
本明細書の親化合物のアシルに、トリグリセリドのグリセリル酸素を介して結合した、α−D−β−ジグリセリド(この場合、脂肪酸が構成するグリセリド脂質は一般的に、リノール酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、パルミトオレイン酸、リノレン酸及び同様の脂肪酸等の天然の飽和又は不飽和C26、C18又はC10脂肪酸である)等のトリグリセリド;
リン脂質のリン酸塩を介して、カルボキシル基に結合するリン脂質;
フタリジル(Clayton, et al., Antimicrob. Agents Chemo. (1974) 5(6): 670−671の図1に示す);
(5−R−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル(Sakamoto, et al., Chem. Pharm. Bull. (1984) 32(6)2241−2248)(式中、RはR、R又はアリールである)等の環状炭酸塩;及び
Figure 2009502964
本発明の化合物のヒドロキシル基は場合により、国際特許第WO 94/21604号に開示されるIII基、IV基又はV基の内の1つで置換されているか、又はイソプロピルで置換されている。
表Aには、例えば、酸素を介して−C(O)O−及び−P(O)(O基に結合してもよい、保護基のエステル部分の例を列挙する。幾つかのアミド酸塩も示されており、これらは、−C(O)−又は−P(O)に直接結合する。構造1〜5、8〜10及び16、17、19〜22のエステルは、DMF(又はアセトニトリル又はN−メチルピロリドン等のその他の溶媒)中にて、遊離ヒドロキシル基を有する本明細書の化合物を、対応するハロゲン化物(塩化物又は塩化アシル等)及びN,N−ジシクロヘキシル−N−モルホリンカルボキサミジン(又はDBU、トリエチルアミン、CsCO、N,N−ジメチルアニリン等の別の塩基)と反応させることにより、合成される。保護する化合物がホスホン酸塩である場合、構造5〜7、11、12、21及び23〜26のエステルは、そのアルコール又はアルコキシド塩(又は13、14及び15等の化合物の場合は対応するアミン)を、モノクロロホスホン酸塩又はジクロロホスホン酸塩(又は別の活性化ホスホン酸塩)と反応させることにより、合成される。
Figure 2009502964
Figure 2009502964
#−キラル中心は、(R)、(S)又はラセミ体である。
本明細書で使用するのに好適なその他のエステルについては、EP特許第632048号に記載されている。
保護基には又、以下のような「二重エステル」形成プロ官能価も含まれる:−CHOC(O)OCH
Figure 2009502964
、−CHSCOCH、−CHOCON(CH、又は構造−CH(R又はW)O((CO)R37)又は−CH(R又はW)((CO)R38)のアルキル−又はアリール−アシルオキシアルキル基(酸性基の酸素に結合)(式中、R37及びR38が、アルキル、アリール又はアルキルアリール基である)(米国特許第4,968,788号を参照)。しばしば、R37及びR38は、分枝アルキル、オルト置換アリール、メタ置換アリール、又はそれらの組み合わせ(1〜6個の炭素原子を有するノルマル、第二級、イソ及び第三級アルキルを含む)等のかさばった基であることが多い。一例には、ピバロイルオキシメチル基がある。経口投与のプロドラッグで特に有用である。このような有用な保護基の例には、アルキルアシルオキシメチルエステル及びそれらの誘導体があり、これらには、−CH(CHCHOCH)OC(O)C(CH
Figure 2009502964
;−CHOC(O)C1015、−CHOC(O)C(CH、−CH(CHOCH)OC(O)C(CH、−CH(CH(CH)OC(O)C(CH、−CHOC(O)CHCH(CH、−CHOC(O)C11、−CHOC(O)C、−CHOC(O)C1015、−CHOC(O)CHCH、−CHOC(O)CH(CH、−CHOC(O)C(CH、及び−CHOC(O)CHが含まれる。
幾つかの実施形態において、保護酸性基は、酸性基のエステルであり、ヒドロキシ含有官能基の残基である。他の実施形態においては、酸官能価を保護するために、アミノ化合物が使用される。好適なヒドロキシル又はアミノ含有官能基の残基については、上に記載されているか、又は国際特許第WO95/07920号に記載されている。アミノ酸、アミノ酸エステル、ポリペプチド又はアリールアルコールの残基は、特に重要である。一般的なアミノ酸、ポリペプチド及びカルボキシル−エステル化アミノ酸残基は、国際特許第WO95/07920号の11〜18ページ及び関連する本文にL1基又はL2基として記載されている。国際特許第WO95/07920号は、ホスホン酸のアミド酸塩を明示的に教示しているが、このようなアミド酸塩は、本明細書に記載の酸基、及び国際特許第WO95/07920号に記載のアミノ酸残基の何れかで形成されることが理解されるであろう。
酸官能価を保護するのに一般的なエステルについても、国際特許第WO95/07920号に記載されており、ここでも、本’920号公報のホスホン酸塩と同様に本明細書の酸基で同じエステルが形成できることが理解される。一般的なエステル基は、少なくとも、国際特許第WO95/07920号の89〜93ページ(R31又はR35)、105ページの表、及び21〜23ページ(Rとして)で定義される。フェニル等の非置換アリール、又はベンジル等のアリールアルキル、又はヒドロキシ置換、ハロ置換、アルコキシ置換、カルボキシ置換及び/又はアルキルエステルカルボキシ置換アリール又はアルキルアリール、特に、フェニル、オルト−エトキシフェニル、又はC−Cアルキルエステルカルボキシフェニル(サリチル酸C−C12アルキルエステル)は、特に重要である。
この保護酸性基は、特に国際特許第WO95/07920号のエステル又はアミドを使用する場合に、経口投与用のプロドラッグとして有用である。但し、本発明の化合物を経口経路により効果的に投与するために、この酸基を保護することは必須ではない。保護基、特に、アミノ酸のアミド酸塩又は置換及び非置換アリールエステルを有する本発明の化合物は、全身投与又は経口投与する場合に、in vivoで加水分解により開裂し、遊離酸を得ることができる。
酸性ヒドロキシルの1つ以上が保護される。複数の酸性基を保護する場合は、同一又は異なる保護基が使用され、例えば、それらのエステルは同一である場合もあれば異なる場合もあり、或いは混合したアミド酸塩及びエステルが使用される場合がある。
Greene(pages 14−118)に記載の一般的なヒドロキシ保護基には、置換メチル及びアルキルエーテル、置換ベンジルエーテル、シリルエーテル、エステル(スルホン酸エステル及び炭酸塩を含む)が含まれる。例えば、以下のものが含まれる:
・ エーテル(メチル、t−ブチル、アリル);
・ 置換メチルエーテル(メトキシメチル、メチルチオメチル、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル、ベンジルオキシメチル、p−メトキシベンジルオキシメチル、(4−メトキシフェノキシ)メチル、グアイアコールメチル、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、テトラヒドロピラニル、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロプチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロプチオピラニルS,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル));
・ 置換エチルエーテル(1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル;
・ p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル);
・ 置換ベンジルエーテル(p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−及び4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド、ジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェナシルオキシ)フェニルジフェニルメチル、4,4’,4’’−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4’’−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4’’−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イルエチル)ビス(4’,4’’−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジチオラン−2−イル、ベンズイソチアゾリルS,S−ジオキシド);
・ シリルエーテル(トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジメチルイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、ジメチルエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル、t−ブチルメトキシフェニルシリル);
・ エステル(ギ酸エステル、ベンゾイルギ酸エステル、酢酸エステル、クロロ酢酸エステル、ジクロロ酢酸エステル、トリクロロ酢酸エステル、トリフルオロ酢酸エステル、メトキシ酢酸エステル、トリフェニルメトキシ酢酸エステル、フェノキシ酢酸エステル、p−クロロフェノキシ酢酸エステル、p−ポリ−フェニル酢酸エステル、3−フェニルプロピオン酸エステル、4−オキソペンタン酸エステル(レブリン酸エステル)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタン酸エステル、ピバリン酸エステル、アダマントエートエステル、クロトン酸エステル、4−メトキシクロトン酸エステル、安息香酸エステル、p−フェニル安息香酸塩、2,4,6−安息香酸トリメチル(メシト酸塩));
・ 炭酸(メチル、9−フルオレニルメチル、エチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−(トリメチルシリル)エチル、2−(フェニルスルホニル)エチル、2−(トリフェニルホスホニオ)エチル、イソブチル、ビニル、アリル、p−ニトロフェニル、ベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、S−チオ炭酸ベンジル、4−エトキシ−1−ナフチル、ジチオ炭酸メチル);
・ 開裂を助ける基(2−ヨード安息香酸塩、4−酪酸アジド、4−ニトロ−4−ペンタン酸メチル、o−(ジブチロメチル)安息香酸塩、2−スルホン酸ホルミルベンゼン、2−(メチルチオメトキシ)炭酸エチル、4−(メチルチオメトキシ)酪酸塩、2(メチルチオメトキシメチル)安息香酸塩);雑多なエステル(2,6−ジクロロ−4−フェノキシ酢酸メチル、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ酢酸塩、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシ酢酸塩、クロロジフェニル酢酸塩、イソ酪酸塩、モノコハク酸塩、(E)−2−メチル−2−ブテン酸塩(チグロエート)、o−(メトキシカルボニル)安息香酸塩、p−ポリ−安息香酸塩、α−ナフトエ酸塩、硝酸塩、アルキルN,N,N’,N’−ジアミドリン酸テトラメチル、N−カルバミン酸フェニル、ホウ酸塩、ジメチルホスフィノチオイル、2,4−スルフェン酸ジニトロフェニル);及び
・ スルホン酸塩(硫酸塩、スルホン酸メタン(メシル酸塩)、スルホン酸ベンジル、トシル酸塩)。
一般的な1,2−ジオール保護基(即ち、一般的には2個のOH基が保護官能価と一緒になる場合)は、Greene(pages 118−142)に記載があり、これらには、環状アセタール及びケタール(メチレン、エチリデン、1−t−ブチルエチリデン、1−フェニルエチリデン、(4−メトキシフェニル)エチリデン、2,2,2−トリクロロエチリデン、アセトニド(イソプロピリデン)、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロヘプチリデン、ベンジリデン、p−メトキシベンジリデン、2,4−ジメトキシベンジリデン、3,4−ジメトキシベンジリデン、2−ニトロベンジリデン);環状オルトエステル(メトキシメチレン、エトキシメチレン、ジメトキシメチレン、1−メトキシエチリデン、1−エトキシエチリジン、1,2−ジメトキシエチリデン、α−メトキシベンジリデン、1−(N,N−ジメチルアミノ)エチリデン誘導体、α−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジリデン誘導体、2−オキサシクロペンチリデン);シリル誘導体(ジ−t−ブチルシリレン基、1,3−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサニリデン)及びテトラ−t−ブトキシジシロキサン−1,3−ジイリデン)、環状炭酸塩、環状ボロン酸塩、ボロン酸エチル及びボロン酸フェニルが含まれる。
更に一般的には、1,2−ジオール保護基には、表Bに示すもの、更により一般的には、エポキシド、アセトニド、環状ケタール及び酢酸アリールが含まれる。
Figure 2009502964
(式中、Rは、C−Cアルキルである)
アミノ保護基
別の組の保護基には、Greene(pages 315−385)に記載の一般的なアミノ保護基の何れかが含まれる。これには以下が含まれる:
・ カルバミン酸塩:(メチル及びエチル、9−フルオレニルメチル、9(2−スルホ)フルオレニルメチル、9−(2,7−ジブロモ)フルオレニルメチル、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチル、4−メトキシフェナシル);
・ 置換エチル:(2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−フェニルエチル、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル、1,1−ジメチル−2−ハロエチル、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチル、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチル、1−メチル−1−(4−ビフェニルイル)エチル、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチル、2−(2’−及び4’−ピリジル)エチル、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチル、t−ブチル、1−アダマンチル、ビニル、アリル、1−イソプロピルアリル、シンナミル、4−ニトロシンナミル、8−キノリル、N−ヒドロキシピペリジニル、アルキルジチオ、ベンジル、p−メトキシベンジル、p−ニトロベンジル、p−ブロモベンジル、p−クロロベンジル、2,4−ジクロロベンジル、4−メチルスルフィニルベンジル、9−アンスリルメチル、ジフェニルメチル);
・ 開裂を助ける基:(2−メチルチオエチル、2−メチルスルホニルエチル、2−(p−トルエンスルホニル)エチル、[2−(1,3−ジチアニル)]メチル、4−メチルチオフェニル、2,4−ジメチルチオフェニル、2−ホスホニオエチル、2−トリフェニルホスホニオイソプロピル、1,1−ジメチル−2−シアノエチル、m−クロロ−p−アシルオキシベンジル、p−(ジヒドロキシボニル)ベンジル、5−ベンズイソキサゾリルメチル、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチル);
・ 光分解開裂できる基:(m−ニトロフェニル、3,5−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジル、フェニル(o−ニトロフェニル)メチル);尿素型誘導体(フェノチアジニル−(10)−カルボニル、N’−p−トルエンスルホニルアミノカルボニル、N’−フェニルアミノチオカルボニル);
・ 雑多なカルバミン酸塩:(t−アミル、S−カルバミン酸ベンジルチオ、p−シアノベンジル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロプロピルメチル、p−デシルオキシベンジル、ジイソプロピルメチル、2,2−ジメトキシカルボニルビニル、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジル、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピル、1,1−ジメチルプロピニル、ジ(2−ピリジル)メチル、2−フラニルメチル、2−ヨードエチル、ヨードボルニル、イソブチル、イソニコチニル、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジル、1−メチルシクロブチル、1−メチルシクロヘキシル、1−メチル−1−シクロプロピルメチル、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチル、l−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチル、1−メチル−1−フェニルエチル、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチル、フェニル、p−(フェニルアゾ)ベンジル、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル、4−(トリメチルアンモニウム)ベンジル、2,4,6−トリメチルベンジル);
・ アミド:(N−ホルミル、N−アセチル、N−クロロアセチル、N−トリクロロアセチル、N−トリフルオロアセチル、N−フェニルアセチル、N−3−フェニルプロピオニル、N−ピコリニル、N−3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル、N−ベンゾイル、N−p−フェニルベンゾイル);
・ 開裂を助けるアミド:(N−o−ニトロフェニルアセチル、N−o−ニトロフェノキシアセチル、N−アセトアセチル、(N’−ジチオベンジルオキシカルボニルアミノ)アセチル、N−3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル、N−3−(o−ニトロフェニル)プロピオニル、N−2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロピオニル、N−2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロピオニル、N−4−クロロブチリル、N−3−メチル−3−ニトロブチリル、N−o−ニトロシンナモイル、N−アセチルメチオニン、N−o−ニトロベンゾイル、N−o−(ベンゾイルオキシメチル)ベンゾイル、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン);
・ 環状イミド誘導体:(N−フタルイミド、N−ジチアスクシノイル、N−2,3−ジフェニルマレオイル、N−2,5−ジメチルピロリル、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加物、5置換1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5置換1,3−ジベンジル−1,3−5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1置換3,5−ジニトロ−4−ピリドニル);
・ N−アルキル及びN−アリールアミン:(N−メチル、N−アリル、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル、N−3−アセトキシプロピル、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピロリン−3−イル)、四級アンモニウム塩、N−ベンジル、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチル、N−5−ジベンゾスベリル、N−トリフェニルメチル、N−(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル、N−9−フェニルフルオレニル、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレン、N−フェロセニルメチル、N−2−ピコリルアミンN’−オキシド);
・ イミン誘導体:(N−1,1−ジメチルチオメチレン、N−ベンジリデン、N−p−メトキシベンジリデン、N−ジフェニルメチレン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレン、N、(N’,N’−ジメチルアミノメチレン、N,N‘−イソプロピリデン、N−p−ニトロベンジリデン、N−サリチリデン、N−5−クロロサリチリデン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレン、N−シクロヘキシリデン);
・ エナミン誘導体:(N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル));
・ N−金属誘導体(N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボリン酸誘導体、N−[フェニル(ペンタカルボニルクロム−又は−タングステン)]カルベニル、N−銅又はN−亜鉛キレート);
・ N−N誘導体:(N−ニトロ、N−ニトロソ、N−オキシド);
・ N−P誘導体:(N−ジフェニルホスフィニル、N−ジメチルチオホスフィニル、N−ジフェニルチオホスフィニル、N−ジアルキルホスホリル、N−ジベンジルホスホリル、N−ジフェニルホスホリル);
・ N−Si誘導体、N−S誘導体及びN−スルフェニル誘導体:(N−ベンゼンスルフェニル、N−o−ニトロベンゼンスルフェニル、N−2,4−ジニトロベンゼンスルフェニル、N−ペンタクロロベンゼンスルフェニル、N−2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェニル、N−トリフェニルメチルスルフェニル、N−3−ニトロピリジンスルフェニル);及びN−スルホニル誘導体(N−p−トルエンスルホニル、N−ベンゼンスルホニル、N−2,3,6−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホニル、N−2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホニル、N−2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホニル、N−ペンタメチルベンゼンスルホニル、N−2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホニル、N−4−メトキシベンゼンスルホニル、N−2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル、N−2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホニル、N−2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル、N−メタンスルホニル、N−β−トリメチルシリルエタンスルホニル、N−9−アントラセンスルホニル、N−4−(4’,8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホニル、N−ベンジルスルホニル、N−トリフルオロメチルスルホニル、N−フェナシルスルホニル)。
より一般的には、保護アミノ基には、カルバミン酸塩及びアミドが、更により一般的には、−NHC(O)R、又は−N=CRN(Rが含まれる。アミノ又は−NH(R)のプロドラッグとして有用な別の保護基には、以下が含まれる:
Figure 2009502964
例えば、Alexander, J., et al. (1996) J. Med. Chem. 39:480−486を参照されたい。
アミノ酸及びポリペプチド保護基及び結合体
本発明の化合物のアミノ酸又はポリペプチド保護基は、構造R15NHCH(R16)C(O)−を有し、式中、R15は、H、アミノ酸又はポリペプチド残基であるか、又はRであり、R16は以下に定義されている。
16は、アミノ、カルボキシル、アミド、カルボキシルエステル、ヒドロキシル、C6−C7アリール、グアニジニル、イミダゾリル、インドリル、スルフヒドリル、スルホキシド、及び/又はリン酸アルキルで置換される低級アルキル又は低級アルキル(C−C)である。R10は又、アミノ酸α−Nと一緒になって、プロリン残基(R10=−CH−)を形成する。但し、R10は一般的に、天然のアミノ酸(例えば、H、−CH、−CH(CH、−CH−CH(CH、−CHCH−CH−CH、−CH−C、−CHCH−S−CH、−CHOH、−CH(OH)−CH、−CH−SH、−CH−COH、−CH−CO−NH、−CH−CH−CO−NH、−CH−COOH、−CH−CH−COOH、−(CH−NH、及び−(CH−NH−C(NH)−NH)の側鎖である。R10には又、1−グアニジノプロプ−3−イル、ベンジル、4−ヒドロキシベンジル、イミダゾール−4−イル、インドール−3−イル、メトキシフェニル、及びエトキシフェニルが含まれる。
別の組の保護基には、アミノ含有化合物、特にアミノ酸、ポリペプチド、保護基、−NHSOR、NHC(O)R、−N(R)、NH、又は−NH(R)(H)の残基が含まれ、それにより、例えばカルボン酸は、このアミンと反応して(即ち、カップリングして)、C(O)NRのようにアミドを形成する。ホスホン酸は、このアミンと反応して、−P(O)(OR)(NR)のように、アミドホスホン酸塩を形成する場合がある。
一般的に、アミノ酸は、構造R17C(O)CH(R16)NH−を有し、式中、R17は、−OH、−OR、アミノ酸又はポリペプチド残基である。アミノ酸は、約1000MW未満の程度であり、少なくとも1つのアミノ又はイミノ基及び少なくとも1つのカルボニル基を含有する、低分子量化合物である。一般的にこのアミノ酸は自然界で見られ、即ち、生体物質(例えば、細菌又は他の微生物、植物、動物又はヒト)で検出できる。好適なアミノ酸とは、一般的にはアルファアミノ酸、即ち、単一の置換又は非置換アルファ炭素原子で1個のカルボキシル基の炭素原子から分離された1個のアミノ又はイミノ窒素原子を特徴とする化合物である。疎水性残基(例えば、モノ−又はジ−アルキル又はアリールアミノ酸、シクロアルキルアミノ酸等)は、特に重要である。これらの残基は、その親薬剤の分配係数を高めることにより、細胞の浸透性に寄与する。一般的にはこの残基は、スルフヒドリル又はグアニジノ置換基を含有しない。
天然のアミノ酸残基とは、植物、動物又は微生物(特に、それらのタンパク質)で自然界で見られる残基である。ポリペプチドは最も一般的には、実質的に、このような天然のアミノ酸残基から構成される。これらのアミノ酸は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、システイン、メチオニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、ヒドロキシリシン、アルギニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、プロリン、アスパラギン、グルタミン及びヒドロキシプロリンである。更に、非天然アミノ酸(例えば、バラニン、フェニルグリシン及びホモアルギニン)も含まれる。通例遭遇する遺伝子コード化されていないアミノ酸も、本発明で使用することができる。本発明で使用されるアミノ酸は全て、D−又はL−光学異性体の何れかである場合がある。又、他のペプチドミメティックも本発明で有用である。概説については、Spatola, A. F., in Chemistry and Biochemistry of Amino Acids, Peptides and Proteins, B. Weinstein eds., Marcel Dekker, New York, p.267 (1983)を参照されたい。
保護基が単一のアミノ酸残基又はポリペプチドである場合、それらは必要に応じて、化学式Iにおける置換基A、A又はAのRで置換されている。これらの結合体は、一般的に、そのアミノ酸(又は、例えばポリペプチドのC−末端アミノ酸)のカルボキシル基の間でアミド結合を形成することにより生成される。同様に、結合体は、Rとアミノ酸又はポリペプチドのアミノ基との間で形成される。一般的に、親分子にある任意の部位の1個だけが、本明細書に記載の通り、アミノ酸でアミド化されるが、1個より多い許容部位でアミノ酸を導入することは、本発明の範囲内である。通常、Rのカルボキシル基は、アミノ酸でアミド化される。一般的に、このアミノ酸のα−アミノ又はα−カルボキシル基又はポリペプチドの末端アミノ又はカルボキシル基は、この親官能価に結合され、即ち、このアミノ酸側鎖のカルボキシル基又はアミノ基は、一般的に、この親化合物とアミド結合を形成するのには使用されない(但し、これらの基は、以下で更に記述するように、これらの結合体の合成中に保護される必要がある)。
アミノ酸又はカルボキシ含有ポリペプチドの側鎖に関しては、このカルボキシル基が場合により、例えば、Rにより遮断されるか、Rとエステル化されるか、又はアミド化されることが理解されるであろう。同様に、アミノ側鎖R16は場合により、Rで遮断されるか、Rで置換される。
側鎖アミノ基又はカルボキシル基とのこのようなエステル又はアミド結合は、その親分子とのエステル又はアミドのように、場合により酸性(pH <3)又は塩基性(pH >10)条件下にて、in vivo又はin vitroで加水分解が可能である。或いは、これらは、ヒトの消化管で実質的に安定しているが、血液中又は細胞内環境において、酵素により加水分解される。又、これらのエステル又はアミノ酸又はポリペプチドアミド酸塩は、遊離のアミノ基又はカルボキシル基を含有する親分子を調製するための中間体として有用である。この親化合物の遊離酸又は塩基は、例えば、通常の加水分解手順により、本発明のエステル又はアミノ酸又はポリペプチド結合体から容易に形成される。
アミノ酸残基が1個以上のキラル中心を含有する場合、D、L、メソ、スレオ又はエリスロ(適宜)ラセミ体、スケールメート化合物又はそれらの混合物の何れかが使用される場合がある。一般的に、これらの中間体が、(それらのアミドを有機酸又は遊離アミンの化学的中間体として使用する場合のように)非酵素により加水分解される場合は、D異性体が有用である。一方、L異性体は、非酵素及び酵素加水分解の両方の影響を受ける可能性があり、消化管でアミノ酸又はジペプチジル輸送系により更に効率的に輸送されることから、より汎用性に富んでいる。
残基がR又はRで表わされる好適なアミノ酸の例には、以下が含まれる:
グリシン;
アミノポリカルボン酸(例えば、アスパラギン酸、β−ヒドロキシアスパラギン酸、グルタミン酸、β−ヒドロキシグルタミン酸、β−メチルアスパラギン酸、β−メチルグルタミン酸、β,β−ジメチルアスパラギン酸、γ−ヒドロキシグルタミン酸、β,γ−ジヒドロキシグルタミン酸、β−フェニルグルタミン酸、γ−メチレングルタミン酸、3−アミノアジピン酸、2−アミノピメリン酸、2−アミノスベリン酸及び2−アミノセバシン酸;
グルタミン及びアスパラギン等のアミノ酸アミド;
アルギニン、リジン、β−アミノアラニン、γ−アミノブチリン、オルニチン、シトルリン、ホモアルギニン、ホモシトルリン、ヒドロキシリジン、アロヒドロキシリジン及びジアミノ酪酸等のポリアミノ−又は多塩基性−モノカルボン酸;
ヒスチジン等のその他の塩基性アミノ酸残基;
α,α’−ジアミノコハク酸、α,α’−ジアミノグルタル酸、α,α’−ジアミノアジピン酸、α,α’−ジアミノピメリン酸、α,α’−ジアミノ−β−ヒドロキシピメリン酸、α,α’−ジアミノスベリン酸、α,α’−ジアミノアゼライン酸及びα,α’−ジアミノセバシン酸等のジアミノジカルボン酸;
プロリン、ヒドロキシプロリン、アロヒドロキシプロリン、γ−メチルプロリン、ピペコリン酸、5−ヒドロキシピペコリン酸及びアゼチジン−2−カルボン酸等のイミノ酸;
アラニン、バリン、ロイシン、アリルグリシン、ブチリン、ノルバリン、ノルロイシン、ヘプチリン、α−メチルセリン、α−アミノ−α−メチル−γ−ヒドロキシ吉草酸、α−アミノ−α−メチル−δ−ヒドロキシ吉草酸、α−アミノ−α−メチル−ε−ヒドロキシカプロン酸、イソバリン、α−メチルグルタミン酸、α−アミノイソ酪酸、α−アミノジエチル酢酸、α−アミノジイソプロピル酢酸、α−アミノジ−n−プロピル酢酸、α−アミノジイソブチル酢酸、α−アミノジ−n−ブチル酢酸、α−アミノエチルイソプロピル酢酸、α−アミノ−n−プロピル酢酸、α−アミノジイソアミル酢酸、α−メチルアスパラギン酸、α−メチルグルタミン酸、1−アミノシクロプロパン−1−カルボン酸、イソロイシン、アロイソロイシン、第三級ロイシン、β−メチルトリプトファン及びα−アミノ−β−エチル−β−フェニルプロピオン酸等のモノ−又はジ−アルキル(一般的には、C−C分枝鎖又はノルマル)アミノ酸;
β−フェニルセリニル;
セリン、β−ヒドロキシロイシン、β−ヒドロキシノルロイシン、β−ヒドロキシノルバリン及びα−アミノ−β−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪族α−アミノ−β−ヒドロキシ酸;
ホモセリン、δ−ヒドロキシノルバリン、γ−ヒドロキシノルバリン及びε−ヒドロキシノルロイシン残基等のα−アミノ、α−、γ−、δ−又はε−ヒドロキシ酸;カナビン及びカナリン;γ−ヒドロキシオルニチン;
D−グルコサミン酸又はD−ガラクトサミン酸等の2−ヘキソサミン酸;
ペニシラミン、β−チオルノルバリン又はβ−チオブチリン等のα−アミノ−β−チオール;
システイン;ホモシスチン、β−フェニルメチオニン、メチオニン、S−アリル−L−システインスルホキシド、2−チオールヒスチジン、シスタチオニン、及びシステイン又はホモシステインのチオールエーテル等の他のイオウ含有アミノ酸残基;
フェニル−又はシクロヘキシルアミノ酸、α−アミノフェニル酢酸、α−アミノシクロヘキシル酢酸及びα−アミノ−β−シクロヘキシルプロピオン酸等のフェニルアラニン、トリプトファン及び環置換α−アミノ酸;アリール、低級アルキル、ヒドロキシ、グアニジノ、オキシアルキルエーテル、ニトロ、イオウ又はハロ置換フェニルを含むフェニルアラニン類似物及び誘導体(例えば、チロシン、メチルチロシン及びo−クロロ、p−クロロ−、3,4−ジクロロ、o−、m−又はp−メチル、2,4,6−トリメチル、2−エトキシ−5−ニトロ、2−ヒドロキシ−5−ニトロ−及びp−ニトロ−フェニルアラニン);フリル−、チオニル−、ピリジル、ピリミジニル−、プリニル−又はナフチル−アラニン;及びキヌレニン、3−ヒドロキシキヌレニン、2−ヒドロキシトリプトファン及び4−カルボキシトリプトファンをを含むトリプトファン類似物及び誘導体;
サルコシン(N−メチルグリシン)、N−ベンジルグリシン、N−メチルアラニン、N−ベンジルアラニン、N−メチルフェニルアラニン、N−ベンジルフェニルアラニン、N−メチルバリン及びN−ベンジルバリンを含むα−アミノ置換アミノ酸;及び
セリン、スレオニン、アロスレオニン、ホスホセリン及びホスホスレオニンを含むα−ヒドロキシ及び置換α−ヒドロキシアミノ酸。
ポリペプチドはアミノ酸の重合体であり、そのなかで1個のアミノ酸モノマーのカルボキシル基が、アミド結合により、次のアミノ酸モノマーのアミノ又はイミノ基に結合する。ポリペプチドには、ジヘプチド、低級ポリペプチド(約1500〜5000MW)及びタンパク質が含まれる。タンパク質は、必要に応じて、3、5、10、50、75、100個又はそれ以上の残基を含有し、好適には、ヒト、動物、植物又は微生物のタンパク質と実質的に配列が相同的である。これらは酵素(例えば、過酸化水素分解酵素)だけでなく、免疫原(例えば、KLH、又は免疫応答を高めることが望まれる任意の種類の抗体又はタンパク質)を含む。このポリペプチドの性質及び素性は、多岐にわたることができる。
ポリペプチドアミダーゼは、そのポリペプチド(それを投与する動物において、免疫原ではない場合)又は本発明の化合物の残部にある抗原決定基の何れかに対して、抗体を惹起する際に、免疫原として有用である。
親非ペプチジル化合物へ結合可能な抗体は、例えば、親化合物の診断又は製造において、混合物から親化合物を分離するために使用される。親化合物とポリペプチドとの結合体は一般的に、密接に相同する動物においてそのポリペプチドよりも免疫原性が高く、そのため、そのポリペプチドに対する抗体の惹起を促進するために、そのポリペプチドの免疫原性をより高くする。従って、そのポリペプチド又はタンパク質は、抗体を惹起するために代表的に使用される動物(例えば、ウサギ、マウス、ウマ、又はラット)において、免疫原性である必要はないが、最終生成物結合体は、このような動物の少なくとも1種において、免疫原性である必要がある。このポリペプチドは、必要に応じて、酸性ヘテロ原子に近接する第1の残基と第2の残基との間のペプチド結合に、ペプチド溶解酵素開裂部位を含む。そのような開裂部位には、酵素認識構造(例えば、ペプチド溶解酵素により認識される残基の特定の配列)が隣接する。
本発明のポリペプチド結合体を開裂するためのペプチド溶解酵素は、周知であり、特に、カルボキシペプチダーゼが含まれる。C末端残基を除去することによりポリペプチドを消化するカルボキシペプチダーゼは、特定のC末端配列について多くの場合、特異的である。そのような酵素及び一般的なその基質要件は、周知である。例えば、ジペプチド(所定の残基対及び遊離カルボキシ末端を有する)が、そのα−アミノ基を介して、本明細書中の化合物のリン原子又は炭素原子に共有結合される。W1がホスホン酸塩で一実施形態においては、このペプチドが適切なペプチド溶解酵素によって開裂されて、近位のアミノ酸残基のカルボキシルが残り、そのアミドリン酸結合が自己触媒により開裂されると予想される。
好適なジペプチヂジル基(その1文字コードにより示される)は、AA、AR、AN、AD、AC、AE、AQ、AG、AH、AI、AL、AK、AM、AF、AP、AS、AT、AW、AY、AV、RA、RR、RN、RD、RC、RE、RQ、RG、RH、RI、RL、RK、RM、RF、RP、RS、RT、RW、RY、RV、NA、NR、NN、ND、NC、NE、NQ、NG、NH、NI、NL、NK、NM、NF、NP、NS、NT、NW、NY、NV、DA、DR、DN、DD、DC、DE、DQ、DG、DH、DI、DL、DK、DM、DF、DP、DS、DT、DW、DY、DV、CA、CR、CN、CD、CC、CE、CQ、CG、CH、CI、CL、CK、CM、CF、CP、CS、CT、CW、CY、CV、EA、ER、EN、ED、EC、EE、EQ、EG、EH、EI、EL、EK、EM、EF、EP、ES、ET、EW、EY、EV、QA、QR、QN、QD、QC、QE、QQ、QG、QH、QI、QL、QK、QM、QF、QP、QS、QT、QW、QY、QV、GA、GR、GN、GD、GC、GE、GQ、GG、GH、GI、GL、GK、GM、GF、GP、GS、GT、GW、GY、GV、HA、HR、HN、HD、HC、HE、HQ、HG、HH、HI、HL、HK、HM、HF、HP、HS、HT、HW、HY、HV、IA、IR、IN、ID、IC、IE、IQ、IG、IH、II、IL、IK、IM、IF、IP、IS、IT、IW、IY、IV、LA、LR、LN、LD、LC、LE、LQ、LG、LH、LI、LL、LK、LM、LF、LP、LS、LT、LW、LY、LV、KA、KR、KN、KD、KC、KE、KQ、KG、KH、KI、KL、KK、KM、KF、KP、KS、KT、KW、KY、KV、MA、MR、MN、MD、MC、ME、MQ、MG、MH、MI、ML、MK、MM、MF、MP、MS、MT、MW、MY、MV、FA、FR、FN、FD、FC、FE、FQ、FG、FH、FI、FL、FK、FM、FF、FP、FS、FT、FW、FY、FV、PA、PR、PN、PD、PC、PE、PQ、PG、PH、PI、PL、PK、PM、PF、PP、PS、PT、PW、PY、PV、SA、SR、SN、SD、SC、SE、SQ、SG、SH、SI、SL、SK、SM、SF、SP、SS、ST、SW、SY、SV、TA、TR、TN、TD、TC、TE、TQ、TG、TH、TI、TL、TK、TM、TF、TP、TS、TT、TW、TY、TV、WA、WR、WN、WD、WC、WE、WQ、WG、WH、WI、WL、WK、WM、WF、WP、WS、WT、WW、WY、WV、YA、YR、YN、YD、YC、YE、YQ、YG、YH、YI、YL、YK、YM、YF、YP、YS、YT、YW、YY、YV、VA、VR、VN、VD、VC、VE、VQ、VG、VH、VI、VL、VK、VM、VF、VP、VS、VT、VW、VY及びVVである。
トリペプチド残基も保護基として有用である。ホスホン酸塩を保護する場合、配列−X4−pro−X5−(X4は任意のアミノ酸残基であり、X5はアミノ酸残基、プロリンのカルボキシルエステル又は水素である)が、管腔カルボキシペプチダーゼによって開裂され、遊離カルボキシルを有するX4を生じ、この遊離カルボキシルを有するX4は、次いで、そのアミドリン酸結合を自己触媒により開裂すると予測される。X5のカルボキシ基は、必要に応じて、ベンジルを使用してエステル化される。
ジペプチド又はトリペプチドは、既知の輸送特性及び/又は腸粘膜細胞型又は他の細胞型への輸送に作用することのあるペプチダーゼに対する感受性に基づき、選択することができる。α−アミノ基を欠くジペプチド及びトリペプチドは、腸粘膜細胞の刷子縁膜において認められるペプチド輸送体の輸送基質である(Bai, J. P. F., (1992) Pharm Res. 9:969−978)。このため、輸送に適した(transport competent)ペプチドは、そのアミド酸化合物の生物学的利用能を向上させるために使用することができる。D配置で1つ以上のアミノ酸を有するジペプチド又はトリペプチドもペプチド輸送に適しており、本発明のアミド酸化合物で利用できる。D配置のアミノ酸は、アミノペプチダーゼN等のような刷子縁に共通するプロテアーゼによる加水分解に対するジペプチド又はトリペプチドの感受性を低下させるために、使用することができる。更に、ジペプチド又はトリペプチドは、腸の管腔で認められるプロテアーゼによる加水分解に対するその相対的抵抗性に基づき、交換可能に選択される。例えば、asp及び/又はgluを欠くトリペプチド若しくはポリペプチドは、アミノペプチダーゼAにとって質の悪い基質であり、疎水性アミノ酸(leu、tyr、phe、val、trp)のN末端側のアミノ酸残基を欠くジペプチド又はトリペプチドは、エンドペプチダーゼにとって質の悪い基質であり、遊離カルボキシル末端の最後から2番目のpro残基を欠くペプチドは、カルボキシペプチダーゼPにとっての質の悪い基質である。同様の考慮事項を、細胞質ゾルペプチダーゼ、腎臓ペプチダーゼ、肝臓ペプチダーゼ、血清ペプチダーゼ、又は他のペプチダーゼによる加水分解に対して、比較的抵抗性又は比較的感受性の何れかであるペプチドの選択に適用することができる。そのようにあまり開裂されないポリペプチドのアミド酸塩は、免疫原であるか、又は免疫原を調製するためのタンパク質への結合に有用である。
発明の特定の実施形態
ラジカル、置換基及び範囲を記述している特定の値だけでなく、本明細書に記載の本発明の特異的なの実施形態は、例としてのみ提示されている;それらは、規定した他の値又は規定範囲内の他の値を排除するものではない。
本発明の特定の一実施形態において、Aは以下の化学式を有する:
Figure 2009502964
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有する:
Figure 2009502964
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有する:
Figure 2009502964
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有する:
Figure 2009502964
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
5aは炭素環又は複素環であって、W5aは独立して0又は1個のR基で置換される。M12aの具体的な値は1である。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有する:
Figure 2009502964
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有する:
Figure 2009502964
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
5aは0又は1個のR基で独立して置換される炭素環である。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、Y2bはO又はN(R)であり;M12dは1、2、3、4、5、6、7又は8である。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、W5aは0又は1個のR基で独立して置換される炭素環である。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、W5aは炭素環又は複素環であって、W5aは独立して0又は1個のR基で置換される。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、Y2bはO又はN(R)であり;M12dは1、2、3、4、5、6、7又は8である。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有する:
Figure 2009502964
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有する:
Figure 2009502964
本発明の別の特定の実施形態において、M12bは1である。
本発明の別の特定の実施形態において、M12bは0であり、Yは結合であり、Wは炭素環又は複素環であって、Wは場合により且つ独立して1、2又は3個のR基で置換される。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、W5aは炭素環又は複素環であって、W5aは場合により且つ独立して1、2又は3個のR基で置換される。
本発明の別の特定の実施形態において、M12aは1である。
本発明の別の特定の実施形態において、Aはフェニル、置換フェニル、ベンジル、置換ベンジル、ピリジル、及び置換ピリジルから選択される。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有する:
Figure 2009502964
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有する:
Figure 2009502964
本発明の別の特定の実施形態において、M12bは1である。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有する:
Figure 2009502964
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有する:
Figure 2009502964
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、Y1aはO又はSであり;Y2aはO、N(R)又はSである。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、Y2bはO又はN(R)である。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、Y2bはO又はN(R)であり;M12dは1、2、3、4、5、6、7又は8である。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、Y2bはO又はN(R)であり;M12dは1、2、3、4、5、6、7又は8である。
本発明の別の特定の実施形態において、M12dは1である。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有する:
Figure 2009502964
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有する:
Figure 2009502964
本発明の別の特定の実施形態において、Wは炭素環である。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有する:
Figure 2009502964
本発明の別の特定の実施形態において、Wはフェニルである。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、Y1aはO又はSであり;Y2aはO、N(R)又はSである。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、Y2bはO又はN(R)である。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、Y2bはO又はN(R)であり;M12dは1、2、3、4、5、6、7又は8である。
本発明の別の特定の実施形態において、RはHである。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、フェニル炭素環は、0、1、2又は3個のR基で置換される。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有する:
Figure 2009502964
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有する:
Figure 2009502964
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有する:
Figure 2009502964
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有する:
Figure 2009502964
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、Y1aはO又はSであり;Y2aはO、N(R)又はSである。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、Y1aはO又はSであり;Y2bはO又はN(R)であり;Y2cはO、N(R)又はSである。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、Y1aはO又はSであり;Y2bはO又はN(R)であり;M12dは1、2、3、4、5、6、7又は8である。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、Y2bはO又はN(R)であり;M12dは1、2、3、4、5、6、7又は8である。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、Y2bはO又はN(R)である。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有する:
Figure 2009502964
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有する:
Figure 2009502964
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、Y1aはO又はSであり;Y2aはO、N(R)又はSである。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、Y1aはO又はSであり;Y2bはO又はN(R)であり;Y2cはO、N(R)又はSである。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、Y1aはO又はSであり;Y2bはO又はN(R)であり;Y2dはO又はN(R)であり;M12dは1、2、3、4、5、6、7又は8である。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、Y2bはO又はN(R)であり;M12dは1、2、3、4、5、6、7又は8である。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、Y2bはO又はN(R)である。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、Y2bはO又はN(R)であり;M12dは1、2、3、4、5、6、7又は8である。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、フェニル炭素環は0、1、2又は3個のR基で置換される。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、フェニル炭素環は0、1、2又は3個のR基で置換される。
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有する:
Figure 2009502964
本発明の別の特定の実施形態において、Aは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、各Rは独立して(C−C)アルキルである。
本発明の特定の実施形態において、Rは独立してH、R、W、保護基又は以下の化学式であって:
Figure 2009502964
式中:
は独立してH、W、R又は保護基であり;
R1は独立してH又は1〜18個の炭素原子のアルキルであり;
は独立してH、R、R又はRであって、Rは独立して0〜3個のR基で置換されるか、1個の炭素原子で一緒になり、2個のR基が3〜8個の炭素原子からなる環を形成し、その環は0〜3個のR基で置換される場合があり;
式中、Rは本明細書に定義した通りである。
本発明の特定の実施形態において、Rは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、Y1aはO又はSであり;Y2cはO、N(R)又はSである。
本発明の特定の実施形態において、Rは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中、Y1aはO又はSであり;Y2dはO又はN(R)である。
本発明の特定の実施形態において、Rは以下の化学式を有する:
Figure 2009502964
本発明の特定の実施形態において、Rは水素又は1〜10個の炭素原子のアルキルである。
本発明の特定の実施形態において、Rは以下の化学式を有する:
Figure 2009502964
本発明の特定の実施形態において、Rは以下の化学式を有する:
Figure 2009502964
本発明の特定の実施形態において、Rは以下の化学式を有する:
Figure 2009502964
本発明の特定の実施形態において、YはO又はSである。
本発明の特定の実施形態において、YはO、N(R)又はSである。
本発明の特定の一実施形態において、Rは以下の化学式を有し:
Figure 2009502964
式中:
m1a、m1b、m1c、m1d及びm1eは独立して0又は1であり;
m12cは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12であり;
は、H、W、R又は保護基であって;
、R、Y及びYが本明細書に定義される通りであるが;
但し:
m1a、m12c及びm1dが0である場合は、m1b、m1c及びm1eが0であり;
m1a及びm12cが0であり、m1dが0でない場合は、m1b及びm1cが0であり;
m1a及びm1dが0であり、m12cが0でない場合は、m1b、並びにm1c及びm1eの少なくとも1つが0であり;
m1aが0であり、m12c及びm1dが0でない場合は、m1bが0であり;
m12c及びm1dが0であり、m1aが0でない場合は、m1b、m1c及びm1eの少なくとも2個が0であり;
m12cが0であり、m1a及びm1dが0でない場合は、m1b及びm1cの少なくとも1つが0であり;
m1dが0であり、m1a及びm12cが0でない場合は、m1c及びm1eの少なくとも1つが0である。
本発明の化合物では、W炭素環及びW複素環は独立して、0〜3個のR基で置換することができる。Wは、単環式又は二環式の炭素環又は複素環を含む飽和環、不飽和環又は芳香環である場合がある。Wは、3〜10個の環原子(例えば、3〜7個の環原子)を有する場合がある。これらのW環は、3個の環原子を含有する場合に飽和であり、4個の環原子を含有する場合に飽和又はモノ不飽和であり、5個の環原子を含有する場合に飽和、モノ不飽和又はジ不飽和であり、6個の環原子を含有する場合に飽和、モノ不飽和、ジ不飽和又は芳香族である。
複素環は、3〜7員環(2〜6個の炭素原子及びN、O、P及びSから選択される1〜3個のヘテロ原子)を有する単環又は7〜10員環(4〜9個の炭素原子及びN、O、P及びSから選択される1〜3個のヘテロ原子)を有する二環である場合がある。W複素環単環は、3〜6個の環原子(2〜5個の炭素原子及びN、O及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子)を有する場合もあれば;5個又は6個の環原子(3〜5個の炭素原子及びN及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子)を有する場合もある。W複素環二環は、7〜10個の環原子(6〜9個の炭素原子及びN、O及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子)を有し、これらは、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]又は[6,6]系として配列される);又は9〜10個の環原子(8〜9個の炭素原子及びN及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子)を有し、これらは、ビシクロ[5,6]又は[6,6]系として配列される。このW複素環は、安定した共有結合により、炭素、窒素、イオウ又はその他の原子を介して、Yに結合する場合がある。
複素環には、例えば、ピリジル、ジヒドロピリジル異性体、ピペリジン、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、s−トリアジニル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チオフラニル、チエニル及びピロリルが含まれる。W5には又、以下が含まれるが、これらに限定されない:
Figure 2009502964
炭素環及び複素環は、上に定義したような0〜3個のR基で独立して置換される場合がある。例えば、置換W炭素環には、以下が含まれる:
Figure 2009502964
置換フェニル炭素環の例には、以下が含まれる:
Figure 2009502964
連結基及びリンカー
本発明は、直接(例えば、共有結合を介して)又は連結基(即ち、リンカー)の何れかを介して、1個以上のホスホン酸基に場合により連結されたHIV阻害化合物を含む結合体を提供する。このリンカーの性質は、このホスホン酸塩含有化合物が治療薬として機能する性能を妨害しない限りにおいて重要ではない。このホスホン酸塩又はリンカーは、この化合物の水素又は他の部分を除去してホスホン酸塩又はリンカーの結合のための開放原子価(open valence)を提供することにより、その化合物上の任意の合成により実行可能な位置で、この化合物(例えば式Aの化合物)に連結できる。
本発明の一実施形態において、連結基又はリンカー(これは、「L」と表わすことができる)は、本明細書に記載のA、A、A又はW基の全て又は一部を含んでもよい。
本発明の別の実施形態において、前記連結基又はリンカーの分子量は、約20ダルトン〜約400ダルトンである。
本発明の別の実施形態において、前記連結基又はリンカーの長さは、約5オングストローム〜約300オングストロームである。
本発明の別の実施形態において、前記連結基又はリンカーは、DRUGとP(=Y)残基とを、約5オングストローム〜約200オングストロームの長さだけ分離する。
本発明の別の実施形態において、前記連結基又はリンカーは、二価の分枝鎖又は非分枝鎖の飽和又は不飽和炭化水素鎖であり、該炭化水素鎖は、2〜25個の炭素原子を有し、式中、該炭素原子の1個以上(例えば、1、2、3又は4個)は、場合により(−O−)で置換され、式中、該鎖は、場合により炭素上にて1個以上(例えば、1、2、3又は4個)の置換基で置換され、該置換基は、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルカノイル、(C−C)アルカノイルオキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、(C−C)アルキルチオ、アジド、シアノ、ニトロ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ(=O)、カルボキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール及びヘテロアリールオキシから選択される。
本発明の別の実施形態において、前記連結基又はリンカーは、化学式W−Aを有し、式中、Aは、(C−C24)アルキル、(C−C24)アルケニル、(C−C24)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、(C−C10)アリール又はそれらの組み合わせであり、式中、Wは、−N(R)C(=O)−、−C(=O)N(R)−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−N(R)−、−C(=O)−、又は直接結合であり;式中、各Rは独立してH又は(C−C)アルキルである。
本発明の別の実施形態において、前記連結基又はリンカーは、ペプチドから形成される二価ラジカルである。
本発明の別の実施形態において、前記連結基又はリンカーは、アミノ酸から形成される二価ラジカルである。
本発明の別の実施形態において、前記連結基又はリンカーは、ポリ−L−グルタミン酸、ポリ−L−アスパラギン酸、ポリ−L−ヒスチジン、ポリ−L−オルニチン、ポリ−L−セリン、ポリ−L−スレオニン、ポリ−L−チロシン、ポリ−L−ロイシン、ポリ−L−リジン−L−フェニルアラニン、ポリ−L−リジン又はポリ−L−リジン−L−チロシンから形成される二価ラジカルである。
本発明の別の実施形態において、前記連結基又はリンカーは、化学式W−(CH)nを有し、式中、nは約1〜約10であり;Wは、−N(R)C(=O)−、−C(=O)N(R)−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−C(=O)−、−N(R)−、又は直接結合であり;式中、各Rは独立してH又は(C−C)アルキルである。
本発明の別の実施形態において、前記連結基又はリンカーは、メチレン、エチレン又はプロピレンである。
本発明の別の実施形態において、前記連結基又はリンカーは、リンカーの炭素原子を介して、前記ホスホン酸基に結合する。
細胞内ターゲティング
本発明の化合物の場合により組み込まれるホスホン酸基は、それらが所望部位(即ち、細胞内部)に到達した後に、in vivoで段階式に開裂する場合がある。細胞内部の一作用機序は、例えばエステラーゼによる最初の開裂を包含して、負に荷電した「固定(locked−in)」中間体を提供することができる。このため、本発明の化合物における末端エステル配列の開裂は、負に荷電した「固定」中間体を放出する不安定な中間体を提供する。
細胞内部を通過した後、このホスホン酸塩又はプロドラッグ化合物は細胞内で酵素開裂又は修飾されて、「捕捉」機序により、開裂された化合物又は修飾された化合物が細胞内に蓄積することがある。その後、化合物がホスホン酸プロドラッグとして侵入した速度に比べて、その細胞から開裂された化合物又は修飾された化合物が脱出することのできる速度を低下させる、電荷、極性、又は他の物理的特性の有意な変化により、開裂された化合物又は修飾された化合物はその細胞中に「固定」されることができる。治療効果が達成されるこのほかの機序も作動可能である。本発明のホスホン酸プロドラッグ化合物と素活性化機序を行うことのできる酵素には、アミダーゼ、エステラーゼ、微生物酵素、ホスホリパーゼ、コリンエステラーゼ、及びホスファターゼが含まれるが、これらに限定されない。
前述のことから、本発明に従って、多くの異なる薬剤が誘導体化できることが明らかである。多数のこのような薬剤は、本明細書中で具体的に言及されている。しかし、本発明に従って誘導体化するための薬剤の系統及びそれらの特定のメンバーの論述は、単に例示であり、網羅的であるとは解釈されないことが理解できるはずである。
HIV阻害化合物
本発明の化合物には、HIV阻害活性を有するものが含まれる。本発明の化合物は、場合により、プロドラッグ部分である場合がある1個以上(例えば、1、2、3又は4個)のホスホン酸基を担持する。
「HIV阻害化合物」という用語には、HIVを阻害する化合物が含まれる。
一般的には、本発明の化合物は、約400amu〜約10,000amuの分子量を有し;本発明の特定の実施形態において、化合物は、約5000amu未満の分子量を有し;本発明の別の特定の実施形態において、化合物は、約2500amu未満の分子量を有し;本発明の別の特定の実施形態において、化合物は、約1000amu未満の分子量を有し;本発明の別の特定の実施形態において、化合物は、約800amu未満の分子量を有し;本発明の別の特定の実施形態において、化合物は、約600amu未満の分子量を有し;本発明の別の特定の実施形態において、化合物は、約600amu未満の分子量及び約400amuより高い分子量を有する。
又、本発明の化合物は、一般的には、約5未満のlogD(極性)を有する。一実施形態において、本発明は、約4未満のlogDを有する化合物を提供し;別の実施形態において、本発明は、約3未満のlogDを有する化合物を提供し;別の実施形態において、本発明は、約−5より高いlogDを有する化合物を提供し;別の実施形態において、本発明は、約−3より高いlogDを有する化合物を提供し;別の実施形態において、本発明は、約0より高く約3未満のlogDを有する化合物を提供する。
本発明の化合物内で選択される置換基は、再帰的な程度まで存在する。この文脈において、「再帰置換基」とは、ある置換基がそれ自体の別の例を記載する場合があることを意味する。このような置換基は再帰的な性質があるため、理論的には、任意の実施形態において、多数が存在する場合がある。例えば、Rは、R置換基を含有する。RはRであってもよく、そのためRであってもよい。RがRcとして選択される場合、Rの第二の例を選択できる。医化学の当業者であれば、目的化合物の所望の特性によりこのような置換基の合計数が合理的に制限されることを理解する。このような特性には、例えば、分子量、溶解度又はlogP等の物理的特性、目的の標的に対する活性等の適用特性、及び合成の容易性等の実用特性が含まれる。
例えば非限定的に、特定の実施形態において、W、R及びRは全て、再帰置換基である。一般的に、これらの各々は独立して、所定の実施形態において、20回、19回、18回、17回、16回、15回、14回、13回、12回、11回、10回、9回、8回、7回、6回、5回、4回、3回、2回、1回又は0回存在する場合がある。更に一般的には、これらの各々は独立して、所定の実施形態において、12回又はそれより少ない回数で存在する。更に一般的には、所定の実施形態において、Wは0回〜8回存在し、Rは0回〜6回存在し、Rは0回〜10回存在する。尚更に一般的には、所定の実施形態において、Wは0回〜6回存在し、Rは0回〜4回存在し、Rは0回〜8回存在する。
再帰置換基は、本発明の所期の態様である。医化学の当業者であれば、このような置換基の万能性を理解する。本発明の実施形態において再帰置換基が存在する場合、その合計数は上述のように決定される。
本明細書に記載の化合物を1個を超える同じ指定の基(例えば、「R」又は「R6a」)で置換する場合は常に、それらの基は同一である場合もあれば、異なる場合もあり、即ち、各基が独立して選択されることが理解されるであろう。波線は、隣接する基、部分又は原子への共有結合の部位を示す。
本発明の一実施形態において、本化合物は、単離及び精製された形態である。一般的に、「単離及び精製された」という用語は、その化合物が実質的に生物学的物質(例えば、血液、細胞等)を実質的に含まないことを意味する。本発明のある特定の実施形態において、この用語は、本発明の化合物又は結合体が、少なくとも約50重量%、生物学的物質を含まないことを意味し;別の実施形態において、この用語は、本発明の化合物又は結合体が、少なくとも約75重量%、生物学的物質を含まないことを意味し;別の実施形態において、この用語は、本発明の化合物又は結合体が、少なくとも約90重量%、生物学的物質を含まないことを意味し;別の実施形態において、この用語は、本発明の化合物又は結合体が、少なくとも約98重量%、生物学的物質を含まないことを意味し;別の実施形態において、この用語は、本発明の化合物又は結合体が、少なくとも約99重量%生物学的物質を含まないことを意味する。別の特定の実施形態において、本発明は、合成により(例えば、ex vivoで)調製された本発明の化合物又は結合体を提供する。
細胞内蓄積
一実施形態において、本発明は、ヒト末梢血単核球(PBMC)を蓄積させることができる化合物を提供する。PBMCとは、丸いリンパ球及び単球を有する血球を指す。生理学的には、PBMCは感染に対する機序のうえで重要な構成要素である。PBMCは健常なドナーのヘパリン加全血又はバッフィコートから、標準的な密度勾配遠心分離法により単離し、インターフェースから回収し、洗浄し(リン酸緩衝生食水等で)、凍結培地で保管することができる。PBMCはマルチウェルプレートで培養することができる。培養のさまざまな時点で上澄み液を除去して評価するか、血球を回収して分析することができる(Smith R. et al. (2003) Blood 102(7):2532−2540)。本実施形態の化合物は更に、ホスホン酸塩又はホスホン酸プロドラッグを含む場合がある。より一般的には、ホスホン酸塩又はホスホン酸プロドラッグは、本明細書に記載のような構造Aを有してもよい。
一般的に、本発明の化合物は、ホスホン酸塩又はホスホン酸プロドラッグを有さない化合物の類似体に比べて、ヒトPBMC中の化合物の又は化合物の代謝物の細胞内半減期が改善されていることを示す。一般的に、半減期は少なくとも約50%、より一般的には50〜100%、更に一般的には約100%、更に一般的には約100%以上改善されている。
本発明の一実施形態において、ヒトPBMC中の化合物の代謝物の細胞内半減期は、ホスホン酸塩又はホスホン酸プロドラッグを有さない化合物の類似体に比べて改善されている。このような実施形態において、代謝物は細胞内部で生成される、即ちヒトPBMC中で生成される。この代謝物は、ヒトPBMC中でホスホン酸プロドラッグが開裂された結果得られた産物である場合がある。場合によりホスホン酸塩を含有するホスホン酸プロドラッグは、開裂されて、生理学的pHにおいて少なくとも1つの負電荷を有する代謝物を形成する場合がある。ホスホン酸プロドラッグはヒトPBMC中で酵素により開裂されて、P−OHの形態を有する活性水素原子を少なくとも1つ有するホスホン酸塩を形成する場合がある。
立体異性体
本発明の化合物は、キラル中心(例えば、キラルな炭素原子又はリン原子)を有する場合がある。このため、本発明の化合物には、エナンチオマー、ジアステレオマー及びアトロプ異性体を含めた全ての立体異性体のラセミ混合物が含まれる。更に、本発明の化合物には、任意の又は全ての不斉キラル原子における、濃縮又は分割されたエナンチオマーが含まれる。換言すれば、それらの叙述から明らかなキラル中心は、そのキラル異性体又はラセミ混合物として提供される。ラセミ混合物及びジアステレオマー混合物の両方だけでなく、自身の鏡像異性対又はジアステレオマー対を実質的に含まない単離又は合成された個々の光学異性体は、全て本発明の適用範囲内に含まれる。これらのラセミ混合物は、酸又は塩基等の光学活性補助剤を使用して形成されるジアステレオマー塩を分離した後、それらの光学活性体に変換して戻す等の周知の技術により、自身の個々の実質的に光学的に純粋な異性体へと分離される。殆どの場合、所望の光学異性体は、所望の出発材料の適切な立体異性体から、立体特異的な反応により合成される。
本発明の化合物は又、場合により互変異性体として存在してもよい。非局在化共鳴構造を1個のみ描写する場合もあるが、このような形状は全て、本発明の適用範囲内に含まれると考えられる。例えば、エン−アミン互変異性体は、プリン系、ピリミジン系、イミダゾール系、グアニジン系、アミジン系及びテトラゾール系に存在してもよく、それらの可能な全ての互変異性体形状は、本発明の適用範囲内に含まれる。
塩及び水和物
本発明の組成物は場合により、本明細書中の化合物の塩、特に、例えば、Na、Li、K、Ca+2及びMg+2を含有する薬学的に許容される非毒性の塩を包含する。このような塩には、アルカリ金属及びアルカリ土類金属イオン又はアンモニウム及び四級アミノイオン等の適切なカチオンと一般的にはカルボン酸等の酸アニオン部分との組み合わせから誘導したものが含まれる場合がある。水溶性塩が望ましい場合は、一価塩が望ましい。
金属塩は、一般的には、金属水酸化物を本発明の化合物と反応させることにより、調製する。こうして調製される金属塩の例には、Li、Na及びKを含有する塩が含まれる。溶解性が低い金属塩は、適切な金属化合物を加えることにより、溶解性が高い塩の溶液から沈殿させてもよい。
更に、一般的にはアミン等の塩基中心又は酸性基に、特定の有機酸及び無機酸(例えば、HCl、HBr、H2SO4、H3PO4又は有機スルホン酸)を酸付加することにより、塩を形成する場合がある。最後に、本明細書中の組成物は、本発明の化合物を、それらの非イオン化形状だけでなく双性イオン形状及び化学量論量の水と処方して水和物として含有することが理解されるはずである。
又、その親化合物と1つ以上のアミノ酸との塩も、本発明の適用範囲内に含まれる。上記アミノ酸の何れか、特に、タンパク質成分として認められる天然のアミノ酸が好適であるが、このアミノ酸には一般的に、リジン、アルギニン又はグルタミン酸等の塩基基又は酸基を有する側鎖を担持するもの、又はグリシン、セリン、スレオニン、アラニン、イソロイシン又はロイシン等の中性基を有する側鎖を担持するものがある。
HIVを阻害する方法
本発明の別の態様は、HIVの活性を阻害する方法であって、HIVを含有することが疑われる試料を、本発明の組成物で処理する手順を含む、方法に関する。
本発明の組成物は、HIV阻害剤として、このような阻害剤用の中間体として作用する場合もあれば、下記のようなその他の有用性を有する場合もある。これらの阻害剤は、一般的に肝の表面又は腔内の部位に結合する。肝内で結合する組成物は、種々の程度の可逆性で結合する場合がある。実質的に非可逆的に結合する化合物は、本発明のこの方法で使用するのに理想的な候補である。一旦、標識されると、実質的に非可逆的に結合する組成物は、HIVの検出用プローブとして有用である。従って、本発明は、HIVを含むことが疑われる試料でNS3を検出する方法であって、HIVを含むことが疑われる試料を、標識に結合した本発明の化合物を含む組成物で処理する手順;及びその標識の活性に対する試料の効果を観察する手順を含む、方法に関する。好適な標識は診断分野で周知であり、例としては安定した遊離ラジカル、発蛍光団、放射性同位体、酵素、化学発光基及び色原体が含まれる。本明細書の化合物は、ヒドロキシル又はアミノ等の官能基を使用して、通常の様式で標識される。
本発明の文脈において、HIVを含むことが疑われる試料には、天然又は人工の物質、例えば、生物有機体;組織又は細胞培養物;生体材料試料(例えば、血液、血清、尿、脳脊髄液、涙、痰、唾液、組織試料等)等の生体試料;実験室試料;食物、水又は空気試料;細胞抽出液、特に、所望の糖タンパク質を合成する組換え細胞等の生体製品試料等が含まれる。一般的には、この試料はHIVを含むことが疑われる。試料は、水及び有機溶媒/水混合物を含めた任意の媒体中に含有されることができる。試料には、ヒト等の生物有機体及び細胞培養物等の人工物質が含まれる。
本発明の処理段階は、本発明の組成物を上記試料に加える手順を含むか、又は該組成物の前駆体を該試料に加える手順を含む。この添加手順には、上述の何れかの投与方法が含まれる。
所望により、この組成物を適用した後のHIVの活性は、HIVを検出する直接的方法及び間接的方法を含むあらゆる方法により観察することができる。HIV活性を決定する定量方法、定性方法及び半定量方法は全て考慮される。一般的には、上記スクリーニング方法の1つが適用されるが、生物有機体の生理学的特性の観察等のその他何れかの方法も適用することができる。
多くの生体はHIVを含有する。本発明の化合物は、動物又はヒトにおいてHIVの活性化に起因する病態の処置又は予防に有用である。
しかし、HIVを阻害できる化合物をスクリーニングする際に、酵素検定の結果は細胞培養検定と相関しない場合があることに留意すべきである。このため、細胞ベースの検定は、第一のスクリーニング手段でなければならない。
HIV阻害剤のスクリーニング
本発明の組成物は、酵素活性を評価する通常の技術の何れかにより、HIVの阻害活性についてスクリーニングされる。本発明の文脈において、一般的には、組成物はまず、in vitroでのHIVの阻害について選別され、そして阻害活性を示す組成物は、次いで、in vivoでの活性について選別される。約5×10−6M未満、一般的には、約1×10−7M未満、好ましくは、約5×10−8M未満のin vitro Ki(阻害定数)を有する組成物は、in vivoで使用するのが望ましい。有用なin vitroスクリーニングについては、既に詳細に説明されている。
薬学的処方物
本発明の化合物は、通常の慣行に従って選択される従来の担体及び賦形剤を使用して処方される。錠剤は、賦形剤、グライダント、充填剤、結合剤等を含有する。水性処方物は、無菌形状で調製され、経口投与以外で送達する目的の場合は一般的に、等張性である。全ての処方物は、必要に応じて、例えば「Handbook of Pharmaceutical Excipients」(1986)で述べられている賦形剤を含有する。賦形剤には、アスコルビン酸及び他の酸化防止剤、EDTA等のキレート化剤、デキストリン等の炭水化物、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ステアリン酸等が含まれる。これらの処方物のpHは、約3〜約11の範囲であるが、通常、約7〜10である。
これらの活性成分を単独で投与することも可能であるが、それらを薬学的処方物として提示する方が望ましい。動物及びヒトの両方の用途に使用される本発明の処方物は、1つ以上の許容される担体、及び場合によりその他の治療成分と共に、少なくとも1種の上で定義した活性成分を含有する。これらの担体は、その処方物の他の成分と適合するという意味で「許容され」なければならず、そのレシピエントに生理学的に無害でなければならない。
これらの処方物には、前述の投与経路に好適なものが含まれる。これらの処方物は、好都合には、剤形単位で提供されることができ、そして薬学で周知の方法の何れかにより調製することができる。技術及び処方物に関しては、Remington’s Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Co., Easton, PA)に記載されている。このような方法は、その活性成分を1つ以上の補助成分を構成する担体と会合させる手順を含む。一般的にこれらの処方物は、この活性成分を液状担体又は細かく分割した固体担体又はそれらの両方と均一且つ密接に会合させることにより、次いで、必要であれば、その生成物を成形することにより調製される。
経口投与に好適な本発明の処方物は、所定量の活性成分を含有するカプセル、カシュ剤又は錠剤等の別個の単位として;粉末又は顆粒剤として;水性液体又は非水性液体の溶液又は懸濁液として;又は水中油形液体乳濁液又は油中水形液体乳濁液として、提供される。この活性成分は又、ボーラス、舐剤又はペーストとして投与される場合がある。
錠剤は、場合により1つ以上の補助成分と共に、圧縮又は成形することにより製造される。圧縮した錠剤は、適当な機械で、結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、防腐剤、界面活性剤又は分散剤と必要に応じて混合される粉末又は顆粒等の自由流動形態の活性成分を圧縮することにより、調製される場合がある。成形した錠剤は、好適な機械において、粉末化した活性成分及び不活性液状希釈剤で湿潤した好適な担体の混合物を成形することにより、製造される場合がある。これらの錠剤は、場合により被覆又は刻印される場合があり、場合によりそこから活性成分を緩徐に又は制御して放出するように処方される。
眼又は口及び皮膚等のその他の外部組織への投与には、これらの処方物を、好ましくは、この活性成分を、例えば、0.075〜20重量%(0.6重量%、0.7重量%等の0.1重量%を段階的に加えた0.1%と20%との間の範囲の活性成分を含む)を含有する、好ましくは、0.2〜15重量%、最も好ましくは、0.5〜10重量%の量で含有する局所軟膏又はクリームとして適用するのがよい。軟膏で処方する場合、これらの活性成分は、パラフィン基剤又は水混和性軟膏基剤の何れかと共に使用される場合がある。或いは、活性成分は、水中油形クリーム基剤を使用してクリームと共に処方される場合がある。
所望であれば、このクリーム基剤の水相は、例えば、少なくとも30重量%の多価アルコール、即ち、プロピレングリコール、ブタン1,3−ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロール及びポリエチレングリコール(PEG 400を含む)及びそれらの混合物といった複数のヒドロキシル基を有するアルコールを含む場合がある。これらの局所処方物は、望ましくは、皮膚又はその他の患部を通る活性成分の吸収又は浸透を高める化合物を含む場合がある。このような皮膚浸透性向上剤の例には、ジメチルスルホキシド及び関連類似物が含まれる。
本発明の乳濁液の油相は、公知の様式で、公知の成分から構成される場合がある。この相は、乳化剤(これは、それ以外にも、排出促進剤として知られている)を単に含む場合があるが、望ましくは、少なくとも1種の乳化剤と、脂肪又はオイル又は脂肪及びオイルの両方との混合物を含有するのがよい。好ましくは、安定剤として作用する親油性乳化剤と共に、親水性乳化剤が含有されるのがよい。オイル及び脂肪の両方を含有させることも好ましい。これらの乳化剤は、安定剤と共に又はそれなしで、一緒に、いわゆる乳化ワックスを構成し、このワックスは、このオイル及び脂肪と共に、いわゆる乳化軟膏基剤を構成し、これは、これらのクリーム処方物の油性分散相を形成する。
本発明の処方物で使用するのに好適な排出促進剤及び乳濁液安定剤には、Tween(登録商標)60、Span(登録商標)80、セチルステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル及びラウリル硫酸ナトリウムが含まれる。
この処方物に好適なオイル又は脂肪の選択は、所望の外観特性の達成に基づく。このクリームは、好ましくは、チューブ又は他の容器からの漏れを避けるのに適当な堅牢性を備えた非油性で非汚染性且つ洗浄可能な製品でなければならない。ジ−イソアジピン酸塩、ステアリン酸イソセチル、ココナッツ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、又はCrodamol CAPとして知られる分枝鎖エステルのブレンド等の直鎖又は分枝鎖の一塩基又は二塩基のアルキルエステルを使用することができ、最後の3個は好ましいエステルである。これらは、所望の特性によって、単独で使用される場合もあれば、併用される場合もある。或いは、白色軟質パラフィン及び/又は液状パラフィン又は他の鉱油等の融点が高い脂質を使用することができる。
本発明の薬学的処方物は、1つ以上の薬学的に許容される担体又は賦形剤及び場合により他の治療剤と共に、本発明の1つ以上の化合物を含む。この活性剤を含有する薬学的処方物は、目的の投与方法に好適なあらゆる形状である場合がある。例えば、経口用途に使用する場合、錠剤、薬用ドロップ、ロゼンジ、水性又は油性懸濁液、分散性粉末又は顆粒、乳濁液、硬質又は軟質カプセル、又はシロップ又はエリキシル剤を調製することができる。経口用途用の組成物は、薬学的組成物の製造について当該技術分野で公知の任意の方法に従って調製することができ、このような組成物は、口当たりが良い処方物を提供するために、甘味料、着香剤、着色剤及び保存剤を含めた1つ以上の物質を含有する場合がある。非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合して活性成分を含有する錠剤は許容される。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム若しくは炭酸ナトリウム、ラクトース、ラクトース一水和物、クロスカルメロースナトリウム、ポビドン、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウムといった不活性希釈剤;コムギデンプン又はアルギン酸等の顆粒化剤及び崩壊剤;セルロース、微結晶セルロース、デンプン、ゼラチン又はアカシア等の結合剤及びステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルク等の滑沢剤である場合がある。これらの錠剤は被覆されなくてもよく、又は消化管での崩壊及び吸収を遅延させるために、マイクロカプセル化を含めた公知技術により被覆されてもよく、それにより、長期間にわたる持続作用が得られる。例えば、モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルといった時間遅延物質を、単独で、又はワックスと共に、使用することができる。
経口用途用の処方物は、その活性成分がリン酸カルシウム又はカオリンといった不活性固形希釈剤と混合されている硬質ゼラチンカプセルとして、又はその活性成分が水又は落花生油、液状パラフィン又はオリーブ油といったオイル媒体と混合されている軟質ゼラチンカプセルとして、提供することができる。
本発明の水性懸濁液は、水性懸濁液を製造するのに好適な賦形剤と混合して、活性物質を含有する。このような賦形剤には、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、及びアカシアゴムといった懸濁剤;天然のホスファチド(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物由来の部分エステルとの縮合生成物(例えば、ソルビタンモノオレイン酸ポリオキシエチレン)といった分散剤又は湿潤剤が含まれる。この水性懸濁液は又、エチル又はn−プロピルp−ヒドロキシ安息香酸塩等の1つ以上の保存剤、1つ以上の着色剤、1つ以上の着香剤、及びスクロース又はサッカリンといった1つ以上の甘味料を含有する場合がある。
油性懸濁液は、この活性成分を、落花生油、オリーブ油、ゴマ油又はココナッツ油等の植物油又は液状パラフィン等の鉱油で懸濁することにより、処方される場合がある。又、この油性懸濁液は、ミツロウ、硬質パラフィン又はセチルアルコールといった増粘剤を含有する場合がある。例えば上述の甘味料及び着香剤を添加して、口当たりがいい経口製剤を提供する場合がある。これらの組成物は、アスコルビン酸等の酸化防止剤を添加することにより、保存される場合がある。
水の添加により水性懸濁液を調製するのに好適な本発明の分散性粉末及び顆粒は、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤及び1つ以上の保存剤との混合物として、活性成分を提供する。好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤は、上での開示により例示される。甘味料、着香剤及び着色剤といった更に別の賦形剤も、存在することができる。
又、本発明の薬学的組成物は又、水中油型乳濁液の形状をとることができる。その油相は、オリーブ油又は落花生油等の植物油、液状パラフィン等の鉱油、又はこれらの混合物である場合がある。好適な乳化剤としては、例えば、アラビアゴム及びトラガカントゴム等の天然のゴム、大豆レシチン等の天然のホスファチド、ソルビタンモノオレイン酸塩等の脂肪酸とヘキシトール無水物とに由来するエステル又は部分エステル、及びソルビタンモノオレイン酸ポリオキシエチレン等の該部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物等が含まれる。この乳濁液は、甘味料、着香剤及び保存剤を含有する場合もある。シロップ及びエリキシル剤は、グリセロール、ソルビトール又はスクロースといった甘味料と共に処方することができる。このような処方物は、緩和薬、保存剤、着香剤又は着色剤を含有する場合もある。
本発明の薬学的組成物は、無菌の注射製剤(例えば、無菌の注射可能な水性又は油性懸濁液)の形状をとることもできる。この懸濁液は、上で言及した好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を使用して、公知方法に従って、調合することができる。この無菌の注射製剤は又、非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の無菌の注射液又は1,3−ブタンジオール中の溶液といった懸濁液である場合もあれば、凍結乾燥粉末として調製される場合もある。使用される場合がある許容される賦形剤及び溶媒の内には、リンガー液及び等張性塩化ナトリウム溶液がある。更に、溶媒又は懸濁媒体として、無菌不揮発性油を通常使用することができる。この目的のために、合成のモノグリセリド又はジグリセリドを含めたあらゆるブランドの不揮発性油を使用することができる。更に、注射液の調製には、オレイン酸等の脂肪酸も又、同様に使用することができる。
単回投与量を生じさせるために担体物質と組み合わせることのできる活性成分の量は、処置する宿主及び特定の投与様式に左右される。例えば、ヒトへの経口投与用の徐放性処方物は、全組成物の約5〜約95%(重量比)といった適切且つ簡便な量の担体物質と共に、約1〜1000mgの活性物質を含有する場合がある。この薬学的組成物は、投与用の量を簡単に測定できるように調製することができる。例えば、静脈注入用の水溶液は、好適な容量の注入が約30mL/hrの速度で行えるように、溶液1ミリリットル当たり、約3〜約500μgの活性成分を含有する場合がある。
眼に投与するのに好適な処方物には、点眼剤が含まれ、その活性成分は、好適な担体、特に、活性成分用の水性溶媒に溶解又は懸濁される。この活性成分は、好ましくは、このような処方物中にて、0.5〜20重量%、有利には0.5〜10重量%、特に約1.5重量%の濃度で、存在するのがよい。
口腔に局所投与するのに好適な処方物には、通常、スクロース及びアカシア又はトラガカント等の味付け基剤中に活性成分を含有する薬用ドロップ;ゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びアカシアといった不活性基剤中に活性成分を含有する香錠及び好適な液体担体中に活性成分を含有するうがい薬が含まれる。
直腸投与用の処方物は、例えば、ココアバター又はサリチル酸塩を含有する好適な基剤を使用して、坐剤として提供することができる。
肺内投与又は鼻内投与するのに好適な処方物は、例えば、0.1〜500ミクロン(例えば0.5、1、30、35ミクロン等、0.1ミクロンと500ミクロンの間の範囲でミクロン数を増加させた粒径を含む)の範囲の粒径を有し、これは、鼻孔を通って急速に吸入することにより、又は肺胞嚢に達するように口腔を通って吸入することにより、投与される。好適な処方物には、この活性成分の水性又は油性溶液が含まれる。エアロゾル又は無水粉末投与するのに好適な処方物は、通常の方法に従って調製することができ、例えば、HIVの活性に起因する病態の処置又は予防にこれまで使用されていた化合物といった他の治療剤と共に送達することができる。
膣内投与に好適な処方物には、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡剤又はスプレー製剤が含まれ、これらは活性成分に加えて、当該技術分野で公知の好適な担体を含有する。
非経口投与するのに好適な処方物としては、酸化防止剤、緩衝液、静菌剤及びこの処方物を目的レシピエントの血液と等張性にする溶質を含むことのできる水性及び非水性の無菌注射溶液;及び懸濁剤及び増粘剤を含むことのできる水性及び非水性無菌懸濁液が含まれる。
処方物は、例えば、密封したアンプル及びバイアルといった単回用量又は複数回用量の容器で提供され、使用直前に、例えば注射用水等の無菌液状担体を加えることだけが必要な、凍結乾燥状態で保存することができる。即時の注射溶液及び懸濁液は、先に記述した種類の無菌粉末、顆粒及び錠剤から調製される。好ましい単位剤形とは、本明細書中で先に引用したように、1日用量又は1日複数回用量の活性成分又はそれらの適切な一部を含有するものである。
上で特に言及した成分に加えて、本発明の処方物は、当該種類の処方物に関して当該技術分野で通常の他の薬剤を含有することができ、例えば、経口投与するのに好適な処方物は、香味料を含有する場合があることは理解できるはずである。
本発明は、更に、獣医学組成物を提供し、この組成物は、その獣医学的担体と共に、上で定義した少なくとも1種の活性成分を含有する。
獣医学的担体とは、この組成物を投与する目的に有用な物質であり、これは、固形、液状又は気体物質であることができ、それ以外は、獣医学分野で不活性又は許容可能であり、この活性成分と処方が可能である。これらの獣医学組成物は、経口的、非経口的、又は他のあらゆる望ましい経路により、投与することができる。
又、本発明の化合物は、活性成分の放出を制御するべく処方され、低頻度の投薬を可能にするか、活性成分の薬物動態又は毒性プロファイルを向上させることができる。従って、本発明は、徐放性又は制御放出性に処方された1つ以上の本発明の化合物を含有する組成物を提供する。
活性成分の有効用量は、少なくとも、処置する病態の性質、毒性、その化合物を予防的に(低用量で)使用するのかどうか、送達方法、及び薬学的処方物に左右され、通常の用量漸増試験結果を用いる臨床医により決定される。有効用量は、約0.0001〜約100mg/kg/日であると予想できる。一般的には、約0.01〜約10mg/kg/日である。更に一般的には、約0.01〜約5mg/kg/日である。更に一般的には、約0.05〜約0.5mg/kg/日である。例えば、約70kgの体重の成人の1日用量の候補は、1mg〜1000mg、好ましくは、5mgと500mgの間の範囲であり、単回用量又は複数回用量の形態をとることができる。
投与経路
本発明の1つ以上の化合物(本明細書では、活性成分と呼ぶ)は、処置する病態に適切なあらゆる経路により投与される。適切な経路としては、経口、直腸、経鼻、局所(口腔内及び舌下を含む)、膣及び非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内、くも膜下腔内及び硬膜外を含む)等が含まれる。好ましい経路は、例えば、レシピエントの病状と共に変わることができることが理解できる。本発明の化合物の利点は、それらが経口により生体内利用が可能であり、経口投与ができることにある。
併用療法
本発明の組成物は他の活性成分と併用される。このような組み合わせは、処置する病態、成分の相互反応性及び処方の薬理特性に基づいて選択される。
本発明の任意の化合物と1つ以上の他の活性成分とを単一剤形で混合し、患者に同時投与又は逐次投与することも可能である。この併用投与は、同時又は逐次レジメンで行われる場合がある。逐次投与する場合、その組み合わせは、2回又はそれ以上で投与される場合がある。
この併用療法は、「相乗作用」及び「相乗効果」、即ち、それらの活性成分を併用した場合に化合物を別々に使用することから生じる効果の和よりも高い効果を提供する場合がある。相乗効果は、これらの活性成分が以下である場合に、達成される:(1)組み合わせた処方物として、共に処方され同時に投与又は送達される場合;(2)別々の処方物として、交互に又は並行して送達される場合;又は(3)一部の他のレジメンによる。交互に送達する場合、これらの化合物を個別の錠剤、丸薬又はカプセル剤で逐次に投与又は送達する場合、又は個別の注射器で複数回の注射により投与又は送達する場合に、相乗効果が得られる場合がある。一般的に、交互投与にて、各活性成分の有効投与量が、逐次、即ち順次に投与されるのに対して、併用療法では、2種又はそれ以上の活性成分の有効投与量が共に投与される。
本発明の化合物の代謝物
本明細書に記載の化合物のin vivo代謝産物も又、本発明の適用範囲内に含まれる。このような産物は、主に酵素プロセスによる、投与した化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、エステル化等から生じる。従って、本発明は、その代謝産物が生じるのに十分な期間にわたって本発明の化合物を哺乳動物と接触させる段階を包含するプロセスによって産生された化合物を包含する。このような産物は、一般的には、本発明の放射標識(例えば、C14又はH)化合物を調製し、それをラット、マウス、モルモット、サルといった動物又はヒトに検出可能用量(例えば、約0.5mg/kgより高い用量)で非経口的に投与することにより、代謝が生じるのに十分な時間(一般的には、約30秒〜30時間)を与え、その後、尿、血液又は他の生物学的試料からその変換産物を単離することにより、同定することができる。これらの産物は、標識されているため(その他は、代謝物内に残存している抗原決定基と結合できる抗体を使用することにより単離される)ため、容易に単離される。その代謝物の構造は、通常の様式(例えば、MS又はNMR分析)により、決定される。一般的に、代謝物の分析は、当業者に周知の通常の薬剤代謝物研究と同じ様式で、行われる。この変換産物は、in vivoで見出されない限り、それ自体のHIV阻害活性を有しないとしても、本発明の化合物を治療目的で投与する場合の診断検定で有用である。
代理胃腸分泌における化合物の安定性を決定する方策及び方法は、公知である。化合物は、本明細書中では、37℃にて1時間インキュベーションした際、代理腸液又は胃液中にて、保護基の約50モルパーセント未満が脱保護される場合、胃腸管で安定していると規定される。これらの化合物が胃腸管で安定しているからといって、in vivoで加水分解できないという意味ではないことに留意されたい。本発明のホスホン酸プロドラッグは、一般的には、消化器系で安定しているが、消化管腔、肝臓又は他の代謝器官、又は一般細胞内にて、その親薬剤に実質的に加水分解される。
本発明の化合物を製造する代表的な方法
本発明は又、、本発明の組成物を製造する方法にも関する。これらの組成物は、適用可能な有機合成技術の何れかにより調製される。このような技術の多くは、当該技術分野で周知である。しかし、これらの公知技術の多くは、以下の文献で詳しく述べられている:「Compendium of Organic Synthetic Methods」(John Wiley & Sons,New York), Vol. 1, Ian T. Harrison and Shuyen Harrison,1971; Vol. 2, Ian T. Harrison and Shuyen Harrison,1974; Vol. 3, Louis S.Hegedus and Leroy Wade,1977; Vol.4, Leroy G. Wade, jr.,1980; Vol. 5, Leroy G.Wade, Jr., 1984;及びVol.6, Michael B.Smith;並びにMarch, J.,「Advanced Organic Chemistry, Third Edition」,(John Wiley & Sons,New York, 1985),「Comprehensive Organic Synthesis Selectivity, Strategy & Efficiency in Modern Organic Chemistry. In 9 Volumes」, Barry M. Trost, Editor−in−Chief(Pergamon Press, New York, 1993 printing)。
本発明の組成物を調製する幾つかの代表的な方法は、以下で提供する。これらの方法は、このような調製の性質を例示することを目的としたものであり、適用可能な方法の適用範囲を限定することを目的としたものではない。
一般的に、温度、反応時間、溶媒、ワークアップ手順等の反応条件は、実行する特定の反応について当該技術分野で一般的なものである。言及した参照文献は、本明細書中で引用した物質と共に、このような条件の詳細な記載を含む。一般的には、それらの温度は、−100〜200℃であり、溶媒は、非プロトン性又はプロトン性であり、反応時間は、10秒間〜10日間である。ワークアップは、一般的には、任意の未反応試薬をクエンチした後に、水/有機層系の間で分配し(抽出)、そして生成物を含有する層を分離することからなる。
酸化反応及び還元反応は、一般的には、室温に近い温度(約20℃)で実行されるが、水素化金属の還元では、温度が0℃〜−100℃まで低下することが多く、溶媒は還元においては一般的には非プロトン性であり、酸化においてはプロトン性又は非プロトン性の何れかである場合がある。反応時間は、所望の変換を達成するように調節する。
縮合反応は一般的に、室温に近い温度で実行されるが、非平衡で動力学的に制御した縮合には、低温(0℃〜−100℃)も一般的である。溶媒は、プロトン性(平衡化反応では一般的である)であってもよければ、非プロトン性(動力学的に制御した反応では一般的である)であってもよい。
反応副生成物の共沸除去及び無水反応条件(例えば、不活性ガス環境)の使用といった標準的な合成技術は、当該技術分野で一般的であり、そして適用可能である場合に適用される。
スキーム及び実施例
これらの代表的な方法の一般的な態様は、以下及び実施例に記載する。以下のプロセスの生成物はそれぞれ、続くプロセスで使用される前に、場合により分離、単離及び/又は精製される。
一般的に、温度、反応時間、溶媒、ワークアップ手順等の反応条件は、実行する特定の反応について当該技術分野で一般的なものである。言及した参照文献は、本明細書中で引用した物質と共に、このような条件の詳細な記載を含む。一般的には、それらの温度は、−100〜200℃であり、溶媒は、非プロトン性又はプロトン性であり、反応時間は、10秒間〜10日間である。ワークアップは、一般的には、任意の未反応試薬をクエンチした後に、水/有機層系の間で分配し(抽出)、そして生成物を含有する層を分離することからなる。
酸化反応及び還元反応は一般的に、室温に近い温度(約20℃)で実行されるが、水素化金属の還元では、温度が0℃〜−100℃まで低下することが多く、溶媒は還元においては一般的には非プロトン性であり、酸化においてはプロトン性又は非プロトン性の何れかである場合がある。反応時間は、所望の変換を達成するように調節する。
縮合反応は一般的に、室温に近い温度で実行されるが、非平衡で動力学的に制御した縮合には、低温(0℃〜−100℃)も一般的である。溶媒は、プロトン性(平衡化反応では一般的である)であってよければ、非プロトン性(動力学的に制御した反応では一般的である)であってもよい。
反応副生成物の共沸除去及び無水反応条件(例えば、不活性ガス環境)の使用といった標準的な合成技術は、当該技術分野で一般的であり、そして適用可能である場合に適用される。
「処理された」、「処理する」、「処理」等の用語は、化学合成操作に関連して使用する場合、接触すること、混合すること、反応させること、接触を起こす、及び1つ以上の化学要素が1つ以上の他の化学要素に変換するような様式で処理されることを示す当該技術分野で通例の他の用語を意味する。このことは、「化合物1を化合物2で処理する」ことが、「化合物1を化合物2と反応させること」、「化合物1を化合物2と接触すること」、「化合物1を化合物2と反応すること」、及び化合物1を化合物2で「処理し」「反応し」「反応させる」等を合理的に示す有機合成の技術分野で通例の他の表現と同義であることを意味する。例えば、「処理する」とは、有機化学物質を反応させる通常の合理的な様式を意味する。特に明記しない限り、通常の濃度(0.01M〜10M、一般的には、0.1M〜1M)、温度(−100℃〜250℃、一般的には、−78℃〜150℃、より一般的には、−78℃〜100℃、更により一般的には、0℃〜100℃)、反応容器(一般的には、ガラス、プラスチック、金属)、溶媒、圧力、雰囲気(一般的には、酸素及び水に非感受性の反応には空気、或いは酸素又は水に感受性の反応には窒素又はアルゴン)等が意図される。有機合成の技術分野で公知の類似反応の知見は、所定プロセスで「処理する」条件及び装置を選択する際に、使用される。特に、有機合成の当業者は、当該技術分野の知見に基づいて、記述したプロセスの化学反応が成功裏に実行されることが合理的に予想される条件及び装置を選択する。
上記及び実施例の代表的なスキーム(以下、「代表的スキーム」と呼ぶ)の各々を改良すれば、生成される特定の代表的な物質の種々の類似物が得られる。有機合成に好適な方法を記述している上記引用は、このような変更に適用可能である。
代表的スキームの各々では、互い及び/又は出発物質から反応生成物を分離することが有利であることがある。各段階又は一連の段階の所望生成物は、当該技術分野で通例の技術により、所望程度の均一性になるまで、分離及び/又は精製(以下、分離と呼ぶ)される。一般的には、このような分離には、多相抽出、溶媒又は溶媒混合物からの結晶化、蒸留、昇華又はクロマトグラフィーが含まれる。クロマトグラフィーは、多数の方法を挙げることができ、これには、例えば、以下が含まれる:逆相及び順相;サイズ排除;イオン交換;高圧、中圧及び低圧液体クロマトグラフィー方法及び装置;小規模分析;疑似移動床(SMB)及び分取薄層又は厚層クロマトグラフィー、並びに小規模薄層及びフラッシュクロマトグラフィー技術。
他の種類の分離方法には、所望生成物、未反応出発物質、反応副生成物等に結合するかそれらを分離可能にするように選択される試薬で混合物を処理することが含まれる。このような試薬には、活性炭、モレキュラーシーブ、イオン交換媒体といった吸着剤又は吸収剤が含まれる。或いは、これらの試薬は、塩基性物質の場合には酸であり、酸性物質の場合に塩基であり、抗体、結合タンパク質等の結合試薬であり、クラウンエーテル、液体/液体イオン交換試薬(LIX)等の選択的キレート剤であってもよい。
適切な分離方法の選択は、関与している物質の性質に左右される。例えば、沸点、及び蒸留及び昇華の際の分子量、クロマトグラフィーの際の極性官能基の存在又は不在、多相抽出の際の酸性媒体及び塩基性媒体中の物質の安定性等である。当業者は、所望の分離を最も達成しやすい技術を適用する。
立体異性体を実質的に含まない単一異性体、例えば、エナンチオマーは、光学活性分割剤を使用したジアステレオマーの形成のような方法を使用して、そのラセミ混合物の分割によって得ることができる。(Stereochemistry of Carbon Compounds, (1962) by E. L. Eliel, McGraw Hill; Lochmuller, C. H., (1975) J. Chromatogr., 113:(3) 283−302)。本発明のキラル化合物のラセミ混合物は、以下を含めた任意の適切な方法により、分離及び単離できる:(1)キラル化合物を使用したイオン性ジアステレオマー塩の形成及び分別結晶化又は他の方法による分離、(2)キラル誘導体化試薬を使用したジアステレオマー化合物の形成、これらのジアステレオマーの分離、及び純粋な立体異性体への変換、及び(3)キラル条件下での実質的に純粋又は富化立体異性体の直接的な分離。
方法(1)では、ジアステレオマー塩は、ブルシン、キニーネ、エフェドリン、ストリキニーネ、α−メチル−β−フェニルエチルアミン(アンフェタミン)等の鏡像異性的に純粋なキラル塩基と、カルボン酸及びスルホン酸等の酸性官能価を有する不斉化合物とを反応させることにより形成できる。これらのジアステレオマー塩は、分別結晶化又はイオンクロマトグラフィーにより分離するように誘発されることができる。これらの光学異性体をアミノ化合物から分離するために、ショウノウスルホン酸、酒石酸、マンデル酸又は乳酸等のキラルカルボン酸又はスルホン酸を加えれば、これらのジアステレオマー塩が形成できる。
或いは、方法(2)により、分割する基質は、キラル化合物のエナンチオマーと反応して、ジアステレオマー対を形成する(Eliel, E. and Wilen, S. (1994) Stereochemistry of Organic Compounds, John Wiley & Sons, Inc., p.322)。ジアステレオマー化合物は、不斉化合物をメンチル誘導体のように鏡像異性的に純粋なキラル誘導体化試薬と反応させた後、これらのジアステレオマーを分離し加水分解して遊離の鏡像異性的に濃縮したキサンテンを得ることにより形成することができる。光学純度を決定する方法は、塩基又はMosherエステル、そのラセミ混合物の酢酸α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニル(Jacob III. (1982) J. Org. Chem. 47:4165)の存在下にて、(−)クロロ蟻酸メンチル等のメンチルエステルといったキラルエステルを製造する段階、及び2種のアトロプ異性体状ジアステレオマーの存在についてNMRスペクトルで分析する段階を包含する。アトロプ化合物の安定したジアステレオマーは、順相及び逆相クロマトグラフィーに続いてアトロプ異性体状ナフチル−イソキノリンを分離する方法により、分離及び単離できる(Hoye, T.,国際特許第WO96/15111号)。方法(3)により、2種のエナンチオマーのラセミ混合物は、キラル固定相を使用するクロマトグラフィーにより、分離できる(「Chiral Liquid Chromatography」 (1989) W. J. Lough, Ed. Chapman and Hall, New York; Okamoto, (1990) J.of Chromatogr.513:375−378)。濃縮又は精製したエナンチオマーは、不斉炭素原子を有する他のキラル分子を識別するのに使用される旋光度及び円二色性といった方法により識別できる。
実施例の一般セクション
本発明の化合物を調製する多数の代表的な方法は、本明細書中、例えば、以下の実施例で提供される。これらの方法は、このような調製の本質を例示する意図を有し、適用可能な方法の範囲を限定することを意図するものではない。本発明のある種の化合物は、本発明の他の化合物を調製するための中間体として使用できる。例えば、本発明の種々のホスホン酸塩化合物の相互変換を以下で説明する。
ホスホン酸塩R−リンク−P(O)(OR、R−リンク−P(O)(OR)(OH)及びR−リンク−P(O)(OH)の相互変換
以下のスキーム32〜38では、R基が同一である場合もあれば、異なる場合もある一般構造R−リンク−P(O)(ORのホスホン酸エステルの調製を記述する。ホスホン酸エステル又はその前駆体に結合したR1基は、確立された化学変換を使用して、変化させることができる。ホスホン酸塩の相互変換反応を、スキームS32に図示する。スキーム32のR基は、本発明の化合物又はそれらの前駆体に何れかにおいて、下部構造(即ち、薬剤の「足場」)を表わし、そこに、置換基であるリンク−P(O)(ORが結合している。ホスホン酸塩相互変換を行う合成経路の間にて、R内の特定の官能基は、保護することができる。所定のホスホン酸塩変換に使用される方法は、置換基R1の性質、及びホスホン酸塩基が結合される基質の性質に左右される。ホスホン酸エステルの調製及び加水分解については、Organic Phosphorus Compounds, G. M. Kosolapoff, L. Maeir, eds, Wiley, 1976, p.9 ffに記載されている。
一般的に、ホスホン酸エステルの合成は、求核性アミン又はアルコールと、対応する活性化ホスホン酸塩求電子前駆体とをカップリングすることにより達成され、例えば、ヌクレオシドの5’−ヒドロキシへのクロロホスホン酸塩付加は、ヌクレオシドホスホン酸モノエステルを調製する周知方法である。この活性化前駆体は、幾つかの周知方法により、調製することができる。これらのプロドラッグを合成するのに有用なクロロホスホン酸塩は、置換1,3−プロパンジオールから調製される(Wissner, et al. (1992) J. Med Chem. 35:1650)。クロロホスホン酸塩は、対応するクロロホスホランの酸化により製造され(Anderson, et al. (1984) J. Org. Chem. 49:1304)、これは、置換基ジオールと三塩化リンとの反応により得られる。或いは、このクロロホスホン酸塩試薬は、置換1,3−ジオールをオキシ塩化リンで処理することにより製造される(Patois, et al. (1990) J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1, 1577)。又、クロロホスホン酸塩種は、クロロホスホラン又はアミドリン酸中間体の何れかから製造できる対応する環状亜リン酸塩から、in situにおいて生成される場合がある(Silverburg, et al. (1996) Tetrahedron lett., 37: 771−774)。又、ピロリン酸塩又はリン酸の何れかから調製したフッ化リン酸中間体は、環状プロドラッグの調製において前駆体として作用する場合がある(Watanabe, et al. (1988) Tetrahedron lett., 29: 5763−66)。
本発明のホスホン酸プロドラッグは又、光延反応(Mitsunobu, (1981) Synthesis,1; Campbell, (1992) J. Org. Chem., 57:6331)により、その遊離酸から調製することができ、又、他の酸カップリング試薬から調製される場合がある。これらの酸カップリング試薬には、カルボジイミド(Alexander, et al. (1994) Collect. Czech. Chem. Commun. 59:1853; Casara, et al. (1992) Bioorg. Med. Chem. Lett., 2:145; Ohashi, et al. (1988) Tetrahedron Lett., 29:1189)、及びベンゾトリアゾリルオキシトリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウム塩(Campagne, et al. (1993) Tetrahedron Lett., 34:6743)が含まれるが、これらに限定されない。
ハロゲン化アリールは、亜リン酸誘導体とのNi+2触媒反応を受けて、ホスホン酸アリール含有化合物になる(Balthazar, et al. (1980) J. Org. Chem. 45:5425)。ホスホン酸塩は又、パラジウム触媒の存在下にて、芳香族トリフラートを使用して、このクロロホスホン酸塩から調製される場合がある(Petrakis, et al. (1987) J. Am. Chem. Soc. 109:2831; Lu, et al. (1987) Synthesis, 726)。他の方法では、ホスホン酸アリールエステルは、アニオン転位条件下にて、リン酸アリールから調製される(Melvin (1981) Tetrahedron Lett. 22:3375; Casteel, et al. (1991) Synthesis, 691)。環状ホスホン酸アルキルのアルカリ金属誘導体とのN−アルコキシアリール塩は、ヘテロアリール−2−ホスホン酸塩リンカーの一般的な合成を提供する(Redmore (1970) J. Org. Chem. 35:4114)。上述の方法は又、そのW5基が複素環である化合物に拡大できる。ホスホン酸塩の環状−1,3−プロパニルプロドラッグは又、塩基(例えば、ピリジン)の存在下にて、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等のカップリング試薬を使用して、ホスホン二酸及び置換プロパン−1,3−ジオールから合成される。1,3−ジイソプロピルカルボジイミドのような他のカルボジイミドベースのカップリング試薬又は水溶性試薬である1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)も、環状ホスホン酸プロドラッグの合成に利用できる。
ホスホン酸ジエステルS32.1の対応するホスホン酸モノエステルS32.2への変換(スキーム32、反応1)は、多数の方法により達成される。例えば、R1がベンジル等のアラルキル基であるエステルS32.1は、J. Org. Chem., 1995, 60:2946に記載の通り、ジアザビシクロオクタン(DABCO)又はキヌクリジン等の第三級有機塩基との反応により、モノエステル化合物S32.2に変換できる。この反応は、トルエン又はキシレンといった不活性炭化水素溶媒中にて、約110℃で実行される。Rがフェニル等のアリール基又はアリル等のアルケニル基であるジエステルS32.1からモノエステルS32.2への変換は、エステルS32.1をアセトニトリル中の水酸化ナトリウム水溶液又は水性テトラヒドロフラン中の水酸化リチウムといった塩基で処理することにより達成される。R基の一方がベンジル等のアラルキルであり、他方がアルキルであるホスホン酸ジエステルS32.1は、例えば、炭素触媒上パラジウムを使用する水素化により、RがアルキルであるモノエステルS32.2に変換できる。R基の両方がアリル等のアルケニルであるホスホン酸ジエステルは、例えば、カルボン酸アリルを開裂するためのJ. Org. Chem., 38:3224 1973に記載の手順を使用することにより、必要に応じて、ジアザビシクロオクタンの存在下にて、還流状態で、水性エタノール中で、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(Wilkinson触媒)で処理することにより、RがアルケニルであるモノエステルS32.2に変換できる。
ホスホン酸ジエステルS32.1又はホスホン酸モノエステルS32.2の対応するホスホン酸S32.3(スキーム32、反応2及び3)への変換は、J. Chem. Soc., Chem. Comm., 739, (1979)に記載の通り、このジエステル又はモノエステルを臭化トリメチルシリルと反応させることにより、行うことができる。この反応は、ジクロロメタン等の不活性溶媒中にて、場合によりビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド等のシリル化剤の存在下にて、室温にて行われる。Rがベンジル等のアラルキルであるホスホン酸モノエステルS32.2は、パラジウム触媒で水素化することにより、又はジオキサン等の含エーテル溶媒中にて塩化水素で処理することにより、対応するホスホン酸S32.3に変換できる。Rがアリル等のアルケニルであるホスホン酸モノエステルS32.2は、例えば、Helv. Chim. Acta., 68: 618, 1985に記載された手順を使用して、15%水性アセトニトリル又は水性エタノール等の水性有機溶媒中にて、Wilkinson触媒と反応させることにより、ホスホン酸S32.3に変換される。Rがベンジルであるホスホン酸エステルS32.1のパラジウム触媒水素化分解については、J. Org. Chem., 24: 434, 1959に記載されている。Rがフェニルであるホスホン酸エステルS32.1の白金触媒水素化分解については、J. Am. Chem. Soc., 78: 2336, 1956に記載されている。
ホスホン酸モノエステルS32.2の、新たに導入したR基がアルキル、アラルキル、クロロエチル等のハロアルキル又はアラルキルであるホスホン酸ジエステルS32.1への変換(スキーム32、反応4)は、カップリング剤の存在下にて、基質S32.2がヒドロキシ化合物R1OHと反応される多数の反応により達成される。一般的には、第二ホスホン酸エステル基は、最初に導入されたホスホン酸エステル基とは異なり、即ち、R1に続いてRが導入され、ここで、R及びRの各々は、アルキル、アラルキル、クロロエチル等のハロアルキル又はアラルキルであり(スキーム32、反応4a)、それにより、S32.2は、S32.1aに変換される。好適なカップリング剤には、カルボン酸エステルを調製するために使用されるものがあり、これには、カルボジイミド(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミドであって、この場合、その反応は、好ましくは、ピリジンといった塩基性有機溶媒中で行われる)又は(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩(PYBOP, Sigma)(この場合、その反応は、第ジイソプロピルエチルアミン等の三級有機塩基の存在下にて、ジメチルホルムアミド等の極性溶媒中で実行される)又はアルドリチオール−2(Aldrithiol−2)(Aldrich)(この場合、その反応は、トノフェニルホスフィン等のトリアリールホスフィンの存在下にて、ピリジン等の塩基性溶媒中で実行される)が含まれる。或いは、ホスホン酸モノエステルS32.2のジエステルS32.1への変換は、上記のように、光延反応を使用することにより達成される。その基質は、アゾジカルボン酸ジエチル及びトリフェニルホスフィン等のトリアリールホスフィンの存在下にて、ヒドロキシ化合物R1OHと反応される。或いは、ホスホン酸モノエステルS32.2は、ホスホン酸ジエステルS32.1に変換でき、ここで、このモノエステルをハライドR1Brと反応させることにより導入されたR基は、アルケニル又はアラルキルであり、ここで、Rは、アルケニル又はアラルキルである。このアルキル化反応は、炭酸セシウム等の塩基の存在下にて、ジメチルホルムアミド又はアセトニトリル等の極性有機溶媒中で行われる。或いは、このホスホン酸モノエステルは、2段階手順で、このホスホン酸ジエステルに変換される。第一段階では、ホスホン酸モノエステルS32.2は、Organic Phosphorus Compounds, G. M. Kosolapoff, L. Maeir, eds, Wiley, 1976, p.17に記載の通り、塩化チオニル又は塩化オキサリル等と反応させることにより、クロロ類似物RP(O)(OR)Clに変換でき、そのように得られた生成物であるRP(O)(OR)Clは、次いで、トリエチルアミン等の塩基の存在下にて、ヒドロキシ化合物R1OHと反応されて、ホスホン酸ジエステルS32.1が得られる。
ホスホン酸R−リンク−P(O)(OH)は、成分ROH又はRBrの1モル割合だけを使用すること以外は、ホスホン酸ジエステルR−リンク−P(O)(OR S32.1を調製するために上に記載した方法により、ホスホン酸モノエステルRP(O)(OR)(OH)(スキーム32、反応5)に変換される。ホスホン酸ジアルキルは、以下の方法に従って、調製され得る:Quast, et al. (1974)Synthesis 490;Stowell, et al. (1990)Tetrahedron Lett. 3261;米国特許第US 5663159号。
ホスホン酸R−リンク−P(O)(OH) S32.3は、Aldrithiol−2(Aldrich)及びトリフェニルホスフィン等のカップリング剤の存在下にて、ヒドロキシ化合物R1OHとのカップリング反応により、ホスホン酸ジエステルR−リンク−P(O)(OR1)2 S32.1(スキーム32、反応6)に変換できる。この反応は、ピリジン等の塩基性溶媒中で行われる。或いは、ホスホン酸S32.3は、ピリジン中にて、約70℃で、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミドを使用するカップリング反応により、R1がアリールであるホスホン酸エステルS32.1に変換できる。或いは、ホスホン酸S32.3は、アルキル化反応により、Rがアルケニルであるホスホン酸エステルS32.1に変換できる。このホスホン酸は、アセトニトリル溶液等の極性有機溶媒中にて、還流温度で、炭酸セシウム等の塩基の存在下にて、臭化アルケニルR1Brと反応されて、ホスホン酸エステルS32.1が得られる。
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ホスホン酸カルバメートの調製
ホスホン酸エステルは、カルバミン酸連鎖を含有する場合がある。カルバミン酸塩の調製は、Comprehensive Organic Functional Group Transformations, A. R. Katritzky, ed., Pergamon, 1995, Vol.6, p.416 ff及びOrganic Functional Group Preparations, by S.R. Sandler and W. Karo, Academic Press, 1986, p.260 ffに記載されている。そのカルバモイル基は、Ellis,米国特許公開第US 2002/0103378 A1号及びHajima,米国特許第US 6018049号の教示を含めて、当該技術分野で公知の方法に従って、ヒドロキシ基の反応により形成される場合がある。
スキーム33は、このカルバミン酸連鎖を合成する種々の方法を図示している。スキーム33で示す通り、カルバミン酸塩を生成する一般的な反応では、アルコールS33.1は、本明細書に記載の通り、活性化誘導体S33.2に変換され、ここで、Lvは、ハロ、イミダゾリル、ベンゾトリアゾイル等の脱離基である。次いで、活性化誘導体S33.2は、アミンS33.3と反応されて、カルバミン酸塩生成物S33.4が得られる。スキーム33の例1〜7は、この一般的な反応を行う方法を描写している。例8〜10は、カルバミン酸塩を調製する代替的な反応を図示している。
スキーム33、実施例1は、アルコールS33.5のクロロホルム誘導体を使用するカルバミン酸塩の調製を図示している。この手順では、アルコールS33.5は、Org. Syn. Coll. Vol.3, 167, 1965に記載の通り、トルエン等の不活性溶媒中にて、約0℃で、ホスゲンと反応されるか、又はOrg. Syn. Coll. Vol. 6, 715, 1988に記載の通り、トリクロロメトキシクロロ蟻酸塩といった同等な試薬と反応されて、クロロ蟻酸塩S33.6が得られる。次いで、後者の化合物は、有機塩基又は無機塩基の存在下にて、アミン成分S33.3と反応されて、カルバミン酸塩S33.7が得られる。例えば、クロロホルミル化合物S33.6は、Org. Syn. Coll. Vol.3, 167, 1965に記載の通り、テトラヒドロフラン等の水混和性溶媒中で、水酸化ナトリウム水溶液の存在下にて、アミンS33.3と反応されて、カルバミン酸塩S33.7が得られる。或いは、この反応は、ジクロロメタン中で、ジイソプロピルエチルアミン又はジメチルアミノピリジン等の有機塩基の存在下にて実行される。
スキーム33、実施例2は、クロロ蟻酸化合物S33.6とイミダゾールとの反応でイミダゾリドS33.8を生成することを描写している。次いで、このイミダゾリド生成物は、アミンS33.3と反応されて、カルバミン酸塩S33.7が得られる。このイミダゾリドの調製は、ジクロロメタン等の非プロトン性溶媒中にて、0℃で実行され、このカルバミン酸塩の調製は、J. Med. Chem., 1989, 32, 357に記載の通り、類似の溶媒中にて、室温にて、必要に応じて、ジメチルアミノピリジン等の塩基の存在下にて行われる。
スキーム33、実施例3は、クロロ蟻酸塩S33.6と活性化ヒドロキシル化合物R’’OHとの反応により混合炭酸エステルS33.10を得ることを描写している。この反応は、エーテル又はジクロロメタン等の不活性有機溶媒中で、ジシクロヘキシルアミン又はトリエチルアミン等の塩基の存在下にて行われる。ヒドロキシル成分R’’OHは、スキーム33で示された化合物S33.19〜S33.24及び類似化合物の群から選択される。例えば、もし、成分R’’OHがヒドロキシベンゾトリアゾールS33.19、N−ヒドロキシスクシンイミドS33.20又はペンタクロロフェノールS33.21であれば、Can. J. Chem., 1982, 60, 976に記載の通り、含エーテル溶媒中で、ジシクロヘキシルアミンの存在下にて、このクロロ蟻酸塩とヒドロキシル化合物との反応により、混合した炭酸塩S33.10が得られる。成分R’’OHがペンタフルオロフェノールS33.22又は2−ヒドロキシピリジンS33.23である類似の反応は、Syn., 1986, 303, and Chem. Ber. 118, 468, 1985に記載の通り、含エーテル溶媒中で、トリエチルアミンの存在下にて実行される。
スキーム33、実施例4は、アルキルオキシカルボニルイミダゾールS33.8を使用するカルバミン酸塩の調製を図示している。この手順では、アルコールS33.5は、等モル量のカルボニルジイミダゾールS33.11と反応されて、中間体S33.8を調製する。この反応は、ジクロロメタン又はテトラヒドロフラン等の非プロトン性有機溶媒中にて行われる。次いで、アシルオキシイミダゾールS33.8は、等モル量のアミンR’NHと反応されて、カルバミン酸塩S33.7が得られる。この反応は、Tet. Lett., 42, 2001, 5227に記載の通り、ジクロロメタン等の非プロトン性有機溶媒中にて実行されて、カルバミン酸塩S33.7が得られる。
スキーム33、実施例5は、中間体アルコキシカルボニルベンゾトリアゾールS33.13によるカルバミン酸塩の調製を図示している。この手順では、アルコールROHは、室温にて、等モル量のベンゾトリアゾールカルボニルクロライドS33.12と反応されて、アルコキシカルボニル生成物S33.13が得られる。この反応は、Synthesis., 1977, 704に記載の通り、ベンゼン又はトルエン等の有機溶媒中で、トリエチルアミン等の第三級有機アミンの存在下にて実行される。次いで、その生成物は、アミンR’NHと反応されて、カルバミン酸塩S33.7が得られる。この反応は、Synthesis., 1977, 704に記載の通り、トルエン又はエタノール中にて、室温〜約80℃で行われる。
スキーム33、実施例6は、カルバミン酸塩の調製を図示しており、ここで、炭酸塩(R’’O)CO S33.14は、アルコールS33.5と反応されて、中間体アルキルオキシカルボニルS33.15が得られる。次いで、後者の試薬は、アミンR’NHと反応されて、カルバミン酸塩S33.7が得られる。試薬S33.15がヒドロキシベンゾトリアゾールS33.19から誘導される手順は、Synthesis, 1993, 908に記載されている;試薬S33.15がN−ヒドロキシスクシンイミドS33.20から誘導される手順は、Tet. Lett., 1992, 2781に記載されている;試薬S33.15が2−ヒドロキシピリジンS33.23から誘導される手順は、Tet. Lett., 1991, 4251に記載されている;試薬S33.15が4−ニトロフェノールS33.24から誘導される手順は、Synthesis. 1993, 103に記載されている。等モル量のアルコールROHと炭酸塩S33.14との間の反応は、不活性有機溶媒中にて、室温にて行われる。
スキーム33、実施例7は、アルコキシカルボニルアジドS33.16からのカルバミン酸塩の調製を図示している。この手順では、クロロギ酸アルキルS33.6は、アジ化ナトリウム等のアジドと反応されて、アルコキシカルボニルアジドS33.16が得られる。次いで、後者の化合物は、等モル量のアミンR’NHと反応されて、カルバミン酸塩S33.7が得られる。この反応は、例えば、Synthesis., 1982, 404に記載の通り、室温にて、ジメチルスルホキシド等の極性非プロトン性溶媒中にて行われる。
スキーム33、実施例8は、アルコールROHとアミンS33.17のクロロホルミル誘導体との間の反応によるカルバミン酸塩の調製を図示している。Synthetic Organic Chemistry, R. B. Wagner, H. D. Zook, Wiley, 1953, p.647に記述されているこの手順では、反応物は、室温にて、アセトニトリル等の非プロトン性溶媒中で、トリエチルアミン等の塩基の存在下にて混合されて、カルバミン酸塩S33.7が得られる。
スキーム33、実施例9は、アルコールROHとイソシアン酸塩S33.18との間の反応によるカルバミン酸塩の調製を図示している。Synthetic Organic Chemistry, R. B. Wagner, H. D. Zook, Wiley, 1953, p.645に記述されているこの手順では、反応物は、室温にて、エーテル又はジクロロメタン等の非プロトン性溶媒中にて混合されて、カルバミン酸塩S33.7が得られる。
スキーム33、実施例10は、アルコールROHとアミンR’NHとの間の反応によるカルバミン酸塩の調製を図示している。Chem. Lett. 1972, 373に記述されているこの手順では、反応物は、室温にて、テトラヒドロフラン等の非プロトン性有機溶媒中で、トリエチルアミン等の第三級塩基及びセレンの存在下にて混合される。その溶液に一酸化炭素が通され、反応が進行して、カルバミン酸塩S33.7が得られる。
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カルボアルコキシ置換ビスアミドホスホン酸塩、モノアミド酸塩、ジエステル及びモノエステルの調製
ホスホン酸をアミド酸塩及びエステルに変換する多数の方法が利用可能である。ある群の方法では、このホスホン酸は、塩化ホスホリル等の単離し活性化した中間体に変換されるか、又はアミン又はヒドロキシ化合物との反応のためにその場で活性化されるか、何れかである。
ホスホン酸の塩化ホスホリルへの変換は、例えば、J. Gen. Chem. USSR, 1983, 53, 480, Zh. Obschei Khim.,1958, 28, 1063又はJ. Org. Chem.,1994, 59, 6144に記載の通り、塩化チオニルと反応させることにより、或いはJ. Am. Chem. Soc., 1994, 116, 3251又はJ. Org. Chem., 1994, 59, 6144に記載の通り、塩化オキサリルと反応させることにより、或いはJ. Org. Chem., 2001, 66, 329又はJ. Med. Chem., 1995, 38, 1372に記載の通り、五塩化リンと反応させることにより達成される。次いで、得られた塩化ホスホリルは、塩基の存在下にて、アミン又はヒドロキシ化合物と反応されて、これらのアミド酸又はエステル生成物が得られる。
ホスホン酸は、J. Chem. Soc., Chem. Comm. (1991) 312又はNucleosides & Nucleotides (2000) 19: 1885に記載の通り、カルボニルジイミダゾールと反応させることにより、活性化イミダゾリル誘導体に変換される。活性化スルホニルオキシ誘導体は、ホスホン酸と塩化トリクロロメチルスルホニルとを反応させることにより、又はTet. Lett. (1996) 7857又はBioorg. Med. Chem. Lett. (1998) 8:663に記載の通り、塩化トリイソプロピルベンゼンスルホニルと反応させることにより得られる。活性化されたスルホニルオキシ誘導体は、次いで、アミン又はヒドロキシ化合物と反応されて、アミド酸塩又はエステルが得られる。
或いは、このホスホン酸及びアミン又はヒドロキシ反応物は、ジイミドカップリング剤の存在下にて混合される。ジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下でのカップリング反応によるホスホン酸アミド酸塩及びエステルの調製は、例えば、J. Chem. Soc., Chem. Comm. (1991) 312又はColl. Czech. Chem. Comm. (1987) 52:2792に記載されている。ホスホン酸を活性化及びカップリングするためのエチルジメチルアミノプロピルカルボジイミドの使用は、Tet. Lett., (2001) 42:8841又はNucleosides & Nucleotides (2000) 19:1885に記載されている。
ホスホン酸からアミド酸塩及びエステルを調製するための多数の追加カップリング試薬が記述されている。これらの試薬には、J. Org. Chem., 1995, 60, 5214及びJ. Med. Chem. (1997) 40:3842に記載の通り、アルドリチオール−2、及びPYBOP及びBOP、J. Med. Chem. (1996) 39:4958に記載の通り、メシチレン−2−スルホニル−3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール(MSNT)、J. Org. Chem. (1984) 49:1158に記載されているようにジフェニルホスホリルアジド、Bioorg. Med. Chem. Lett. (1998) 8:1013に記載の通り、1−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル−3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール(TPSNT)、Tet. Lett.,(1996) 37:3997に記載されているようにブロモトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩(BroP)、Nucleosides Nucleotides 1995, 14, 871に記載の通り、2−クロロ−5,5−ジメチル−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスフィナン、及びJ. Med. Chem., 1988, 31, 1305に記載の通り、クロロリン酸ジフェニルが含まれる。
ホスホン酸は、光延反応により、アミド酸塩及びエステルに変換され、ここで、このホスホン酸及びアミン又はヒドロキシ反応物は、トリアリールホスフィン及びアゾジカルボン酸ジアルキルの存在下にて混合する。その手順は、Org. Lett., 2001, 3, 643又はJ. Med. Chem., 1997, 40, 3842に記載されている。
ホスホン酸エステルは又、好適な塩基の存在下にて、ホスホン酸とハロ化合物との間の反応により得られる。この方法は、例えば、Anal. Chem., 1987, 59, 1056、又はJ. Chem. Soc. Perkin Trans., I, 1993, 19, 2303又はJ. Med. Chem., 1995, 38, 1372又はTet. Lett., 2002, 43, 1161に記載されている。
スキーム34〜37は、ホスホン酸エステル及びホスホン酸の、カルボアルコキシ置換ビスアミドホスホン酸塩(スキーム34)、アミドホスホン酸塩(スキーム35)、ホスホン酸モノエステル(スキーム36)及びホスホン酸ジエステル(スキーム37)への変換を図示している。スキーム38は、ゲム−ホスホン酸ジアルキルアミノ試薬の合成を図示している。
スキーム34は、ホスホン酸ジエステルS34.1をビスアミドホスホン酸塩S34.5に変換する種々の方法を図示している。先に記述したように調製したジエステルS34.1は、モノエステルS34.2又はホスホン酸S34.6の何れかに加水分解される。これらの変換に使用される方法は、上に記載されている。モノエステルS34.2は、アミノエステルS34.9と反応させることにより、モノアミド酸塩S34.3に変換され、ここで、R基は、H又はアルキルである;R4b基は、CHCH、CHCHCH、CH(CH(CH)、CH(CHPh)等の二価アルキレン部分又は天然又は変性アミノ酸で存在している側鎖基である;R5b基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル又はイソブチル等のC−C12アルキル;フェニル又は置換フェニル等のC−C20アリール;又はベンジル又はベンズヒドリル等のC−C20アリールアルキルである。これらの反応物は、必要に応じて、ヒドロキシベンゾトリアゾール等の活性化剤の存在下にて、J. Am. Chem. Soc., (1957) 79:3575に記載の通り、カルボジイミド、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカップリング剤の存在下で混合されて、アミド酸生成物S34.3が得られる。このアミド酸塩形成反応は又、J. Org. Chem. (1995) 60:5214に記載されているBOP、Aldrithiol、PYBOP、及びアミド及びエステルの調製に使用される類似のカップリング剤の存在下にて行われる。或いは、反応物S34.2及びS34.9は、光延反応により、モノアミド酸塩S34.3に変換される。光延反応によるアミド酸塩の調製は、J. Med. Chem. (1995) 38:2742に記載されている。これらの反応物の等モル量は、テトラヒドロフラン等の不活性溶媒中で、トリアリールホスフィン及びアゾジカルボン酸ジアルキルの存在下にて、混合される。そのように得られたモノアミド酸エステルS34.3は、次いで、アミドホスホン酸塩S34.4に変換される。この加水分解反応に使用される条件は、先に記述したように、R基の性質に左右される。アミドホスホン酸塩S34.4は、次いで、上記のように、アミノエステルS34.9と反応されて、ビスアミド酸生成物S34.5が得られ、ここで、それらのアミノ置換基は、同一又は異なる。或いは、ホスホン酸S34.6は、2種の異なるアミノエステル試薬(即ち、R、R4b又はR5bが異なるS34.9)で同時に処理することができる。得られたビスアミド酸生成物S34.5の混合物は、次いで、例えば、クロマトグラフィーにより、分離可能である。
Figure 2009502964
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この手順の一例を、スキーム34、実施例1に示す。この手順では、ホスホン酸ジベンジルS34.14は、J. Org. Chem., 1995, 60, 2946に記載の通り、トルエン中にて、還流状態で、ジアザビシクロオクタン(DABCO)と反応されて、ホスホン酸モノベンジルS34.15が得られる。次いで、その生成物は、ピリジン中にて、等モル量のアラニン酸エチルS34.16及びジシクロヘキシルカルボジイミドと反応されて、アミド酸生成物S34.17が得られる。次いで、ベンジル基が、例えば、パラジウム触媒上での水素化分解によって除去され、モノ酸生成物S34.18が得られ、これは、J. Med. Chem. (1997) 40 (23): 3842に従って、不安定にされることがある。次いで、この化合物S34.18は、J. Med. Chem., 1995, 38, 2742に記載の通り、光延反応にて、ロイシン酸エチルS34.19、トリフェニルホスフィン及びアゾジカルボン酸ジエチルと反応されて、ビスアミド酸生成物S34.20が得られる。
上記手順を使用するが、ロイシン酸エチルS34.19又はアラニン酸エチルS34.16の代わりに異なるアミノエステルS34.9を使用して、対応する生成物S34.5を得ることができる。
或いは、ホスホン酸S34.6は、上記カップリング反応を使用することにより、ビスアミド酸塩S34.5に変換される。この反応は、生成物S34.5に存在している窒素関連置換基が同一である1段階又はこの窒素関連置換基が異なることのできる2段階で実行される。
この方法の一例を、スキーム34、例2に示す。この手順では、ホスホン酸S34.6は、例えば、J. Chem. Soc., Chem. Comm., 1991, 1063に記載の通り、ピリジン溶液中にて、過剰のフェニルアラニン酸エチルS34.21及びジシクロヘキシルカルボジイミドと反応されて、ビスアミド酸生成物S34.22が得られる。
上記手順を使用するが、フェニルアラニン酸エチルの代わりに異なるアミノエステルS34.9を使用して、対応する生成物S34.5を得る。
更に代替として、ホスホン酸S34.6は、モノ又はビス−活性誘導体S34.7に変換され、ここで、Lvは、クロロ、イミダゾリル、トリイソプロピルベンゼンスルホニルオキシ等の脱離基である。ホスホン酸の塩化物S34.7(Lv=Cl)への変換は、Organic Phosphorus Compounds, G. M. Kosolapoff, L. Maeir, eds, Wiley, 1976, p.17に記載の通り、塩化チオニル又は塩化オキサリル等との反応により行われる。ホスホン酸のモノイミダゾリドS34.7(Lv=イミダゾリル)への変換は、J. Med. Chem., 2002, 45, 1284及びJ. Chem. Soc. Chem. Comm., 1991, 312に記載されている。或いは、このホスホン酸は、Nucleosides and Nucleotides, 2000, 10, 1885に記載の通り、塩化トリイソプロピルベンゼンスルホニルとの反応により活性化される。活性化された生成物は、次いで、塩基の存在下にて、アミノエステルS34.9と反応されて、ビスアミド酸塩S34.5が得られる。この反応は、生成物S34.5に存在している窒素置換基が同一である1段階又はこの窒素置換基が異なることのできる中間体S34.11を介した2段階で実行される。
これらの方法の例を、スキーム34、実施例3及び5で示す。スキーム34、実施例3に図示した手順では、ホスホン酸S34.6は、Zh. Obschei Khim., 1958, 28, 1063に記載の通り、10モル当量の塩化チオニルと反応されて、ジクロロ化合物S34.23が得られる。この生成物は、次いで、還流温度で、アセトニトリル等の極性非プロトン性溶媒中で、トリエチルアミン等の塩基の存在下にて、セリン酸ブチルS34.24と反応されて、ビスアミド酸生成物S34.25が得られる。
上記手順を使用するが、セリン酸ブチルS34.24の代わりに異なるアミノエステルS34.9を使用して、対応する生成物S34.5が得られる。
スキーム34、実施例5に図示した手順では、ホスホン酸S34.6は、J. Chem. Soc. Chem. Comm., 1991, 312に記載の通り、カルボニルジイミダゾールと反応されて、イミダゾリジドS34.32が得られる。この生成物は、次いで、アセトニトリル溶液中にて、室温にて1モル当量のアラニン酸エチルS34.33と反応されて、一置換生成物S34.34が得られる。後者の化合物は、次いで、カルボニルジイミダゾールと反応されて、活性化中間体S34.35が生成し、この生成物は、次いで、同じ条件下にて、N−メチルアラニン酸エチルS34.33aと反応されて、ビスアミド酸生成物S34.36が得られる。
上記手順を使用するが、アラニン酸エチルS34.33又はN−メチルアラニン酸エチルS34.33aの代わりに異なるアミノエステルS34.9を使用して、対応する生成物S34.5が得られる。
又、モノアミド酸中間体S34.3は、まず上記手順を使用して、モノエステルS34.2を、Lvがハロ、イミダゾリル等の脱離基である活性化誘導体S34.8に変換することから調製される。生成物S34.8は、次いで、ピリジン等の塩基の存在下にて、アミノエステルS34.9と反応されて、モノアミド酸中間体生成物S34.3が得られる。後者の化合物は、次いで、上記のように、そのR1基を除去することにより、又、その生成物をアミノエステルS34.9とカップリングすることにより、ビスアミド酸塩S34.5に変換される。
ホスホン酸がクロロ誘導体S34.26に変換することにより活性化されるこの手順の一例を、スキーム34、実施例4に示す。この手順では、ホスホン酸モノベンジルエステルS34.15は、Tet. Letters., 1994, 35, 4097に記載の通り、ジクロロメタン中にて、塩化チオニルと反応されて、塩化ホスホリルS34.26が得られる。この生成物は、次いで、アセトニトリル溶液中にて、室温にて、1モル当量の3−アミノ−2−メチルプロピオン酸エチルS34.27と反応されて、モノアミド酸生成物S34.28が得られる。後者の化合物は、酢酸エチル中にて、炭素上5%パラジウム触媒で水素化されて、モノ酸生成物S34.29が得られる。この生成物は、テトラヒドロフラン中にて、等モル量のアラニン酸ブチルS34.30、トリフェニルホスフィン、アゾジカルボン酸ジエチル及びトリエチルアミンとの光延カップリング手順を受けて、ビスアミド酸生成物S34.31が得られる。
上記手順を使用するが、3−アミノ−2−メチルプロピオン酸エチルS34.27又はアラニン酸ブチルS34.30の代わりに異なるアミノエステルS34.9を使用して、対応する生成物S34.5が得られる。
又、活性化ホスホン酸誘導体S34.7は、ジアミノ化合物S34.10を介して、ビスアミド酸塩S34.5に変換される。アンモニアとの反応による塩化ホスホリル等の活性化ホスホン酸誘導体の対応するアミノ類似物S34.10への変換は、Organic Phosphorus Compounds, G. M. Kosolapoff, L. Maeir著、Wiley, 1976に記載されている。ビスアミノ化合物S34.10は、次いで、高温にて、ジメチルホルムアミド等の極性溶媒中で、4,4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)又は炭酸カリウム等の塩基の存在下にて、ハロエステルS34.12(Hal=ハロゲン、即ち、F、Cl、Br、I)と反応されて、ビスアミド酸塩S34.5が得られる。或いは、S34.6は、2種の異なるアミノエステル試薬(即ち、R4b又はR5bが異なるS34.12)で同時に処することができる。次いで、得られたビスアミド酸生成物S34.5の混合物は、例えばクロマトグラフィーにより分離可能である。
この手順の一例を、スキーム34、実施例6で示す。この方法では、ジクロロホスホン酸塩S34.23は、アンモニアと反応されて、ジアミドS34.37が得られる。この反応は、環流温度で、水溶液、水性アルコール溶液又はアルコール溶液中にて実行される。得られたジアミノ化合物は、次いで、N−メチルピロリジノン等の極性有機溶媒中にて、約150℃で、炭酸カリウム等の塩基の存在下にて、又、必要に応じて、触媒量のヨウ化カリウムの存在下にて、2モル当量の2−ブロモ−3−メチル酪酸エチルS34.38と反応されて、ビスアミド酸生成物S34.39が得られる。
上記手順を使用するが、2−ブロモ−3−メチル酪酸エチルS34.38の代わりに異なるハロエステルS34.12を使用して、対応する生成物S34.5が得られる。
スキーム34で示した手順は又、ビスアミド酸塩の調製にも適用でき、ここで、そのアミノエステル部分は、異なる官能基を取り込む。スキーム34、実施例7は、チロシンから誘導したビスアミド酸塩の調製を図示している。この手順では、モノイミダゾリドS34.32は、実施例5に記載の通り、チロシン酸プロピルS34.40と反応されて、モノアミド酸塩S34.41を生じる。この生成物は、カルボニルジイミダゾールと反応されて、イミダゾリドS34.42が得られ、この物質は、追加のモル当量のチロシン酸プロピルと反応されて、ビスアミド酸生成物S34.43を生成する。
上記手順を使用するが、チロシン酸プロピルS34.40の代わりに異なるアミノエステルS34.9を使用して、対応する生成物S34.5が得られる。上記手順の2段階で使用されるアミノエステルは、同一であっても異なっていてもよく、その結果、同一又は異なるアミノ置換基を有するビスアミド酸塩が調製される。
スキーム35は、モノアミドホスホン酸塩を調製する方法を図示している。
ある手順では、ホスホン酸モノエステルS34.1は、スキーム34に記載の通り、活性化誘導体S34.8に変換される。この化合物は、次いで、上記のように、塩基の存在下にて、アミノエステルS34.9と反応されて、モノアミド酸生成物S35.10が得られる。
この手順を、スキーム35、実施例1に図示する。この方法では、ホスホン酸モノフェニルS35.7は、例えば、J. Gen. Chem. USSR., 1983, 32, 367に記載の通り、塩化チオニルと反応されて、クロロ生成物S35.8が得られる。この生成物は、次いで、スキーム34に記載の通り、アラニン酸エチルS35.9と反応されて、アミド酸塩S35.1を生じる。
上記手順を使用するが、アラニン酸エチルS35.9の代わりに異なるアミノエステルS34.9を使用して、対応する生成物S35.1が得られる。
或いは、ホスホン酸モノエステルS34.1は、スキーム34に記載の通り、アミノエステルS34.9とカップリングされて、アミド酸塩S35.1が生じる。必要であれば、R1置換基が、次いで、初期開裂により変化して、ホスホン酸S35.2が得られる。この変換の手順は、R1基の性質に左右されるものであり、上に記載されている。このホスホン酸は、次いで、アミン及びホスホン酸のカップリングについてスキーム34に記載したのと同じカップリング手順(カルボジイミド、アルドリチオール−2、PYBOP、光延反応等)を使用して、R3基がアリール、複素環、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル等であるヒドロキシ化合物R3OHとの反応により、アミド酸エステル生成物S35.3に変換される。
Figure 2009502964
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この方法の例を、スキーム35、実施例2及び3に示す。実施例2に示した順序では、ホスホン酸モノベンジルS35.11は、上記方法の1つを使用して、アラニン酸エチルとの反応により、モノアミド酸塩S35.12に変換される。そのベンジル基は、次いで、酢酸エチル溶液中にて、炭素上5%触媒で触媒水素化することにより除去されて、アミドホスホン酸塩S35.13が得られる。その生成物は、次いで、例えば、Tet. Lett., 2001, 42, 8841に記載の通り、ジクロロメタン溶液中にて、室温にて、等モル量の1−(ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド及びトリフルオロエタノールS35.14と反応されて、アミド酸エステルS35.15が生じる。
スキーム35、実施例3に示した手順では、モノアミド酸塩S35.13は、テトラヒドロフラン溶液中にて、室温にて、等モル量のジシクロヘキシルカルボジイミド及び4−ヒドロキシ−N−メチルピペリジンS35.16とカップリングされて、アミド酸エステル生成物S35.17が生成する。
上記手順を使用するが、アラニン酸エチル生成物S35.12の代わりに異なるモノ酸S35.2を使用し、又、トリフルオロエタノールS35.14又は4−ヒドロキシ−N−メチルピペリジンS35.16の代わりに異なるヒドロキシ化合物R3OHを使用して、対応する生成物S35.3が得られる。
或いは、活性化ホスホン酸エステルS34.8は、アンモニアと反応されて、アミド酸塩S35.4が生じる。この生成物は、次いで、スキーム34に記載の通り、塩基の存在下にて、ハロエステルS35.5と反応されて、アミド酸生成物S35.6が生成する。必要であれば、R1基の性質は、上記手順を使用して変えられ、生成物S35.3が得られる。この方法は、スキーム35、実施例4に図示されている。この順序では、モノフェニルホスホリルクロライドS35.18は、スキーム34に記載の通り、アンモニアと反応されて、アミノ生成物S35.19が生じる。この物質は、次いで、N−メチルピロリジノン溶液中にて、170℃で、2−ブロモ−3−フェニルプロピオン酸ブチルS35.20及び炭酸カリウムと反応されて、アミド酸生成物S35.21が得られる。
これらの手順を使用するが、2−ブロモ−3−フェニルプロピオン酸ブチルS35.20の代わりに異なるハロエステルS35.5を使用して、対応する生成物S35.6が得られる。
又、モノアミド酸生成物S35.3は、二重に活性化したホスホン酸塩誘導体S34.7から調製される。この手順では、その例は、Synlett., 1998, 1, 73に記載されており、中間体S34.7は、限定量のアミノエステルS34.9と反応されて、モノ置換生成物S34.11が得られる。後者の化合物は、次いで、ジメチルホルムアミド等の極性有機溶媒中にて、ジイソプロピルエチルアミン等の塩基の存在下にて、ヒドロキシ化合物R3OHと反応されて、モノアミド酸エステルS35.3が生じる。
この方法を、スキーム35、実施例5に図示する。この方法では、ホスホリルジクロライドS35.22は、ジクロロメタン溶液中にて、1モル当量のN−メチルチロシン酸エチルS35.23及びジメチルアミノピリジンと反応されて、モノアミド酸塩S35.24が生じる。この生成物は、次いで、炭酸カリウムを含有するジメチルホルムアミド中にて、フェノールS35.25と反応されて、アミド酸エステル生成物S35.26が生じる。
これらの手順を使用するが、N−メチルチロシン酸エチルS35.23又はフェノールS35.25の代わりにアミノエステルS34.9及び/又はヒドロキシ化合物R3OHを使用して、対応する生成物S35.3が得られる。
Figure 2009502964
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スキーム36は、カルボアルコキシ置換ホスホン酸ジエステルを調製する方法を図示しており、ここで、それらのエステル基の1個は、カルボアルコキシ置換基を取り込む。
ある手順では、上記のように調製したホスホン酸モノエステルS34.1を、上記方法の1つを使用して、R4b及びR5b基がスキーム34に記載した通りであるヒドロキシエステルS36.1とカップリングされる。例えば、これらの反応物の等モル量は、Aust. J. Chem., 1963, 609に記載の通り、ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミドの存在下にて、必要に応じて、Tet.,1999, 55, 12997に記載の通り、ジメチルアミノピリジンの存在下でカップリングされる。この反応は、不活性溶媒中にて室温にて行われる。
この手順を、スキーム36、実施例1に図示する。この方法では、ホスホン酸モノフェニルS36.9は、ジクロロメタン溶液中で、ジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下にて、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチルS36.10とカップリングされて、ホスホン酸混合ジエステルS36.11が生じる。
この手順を使用するが、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチルS36.10の代わりに異なるヒドロキシエステルS33.1を使用して、対応する生成物S33.2が得られる。
ホスホン酸モノエステルS34.1の混合ジエステルS36.2への変換は又、Org. Lett., 2001, 643に記載の通り、ヒドロキシエステルS36.1との光延反応により達成される。この方法では、反応物S34.1及びS36.1は、テトラヒドロフラン等の極性溶媒中で、トリアリールホスフィン及びアゾジカルボン酸ジアルキルの存在下にて、混合されて、混合ジエステルS36.2が得られる。R1置換基は、先に記述した方法を使用して、開裂により変化され、モノ酸生成物S36.3が得られる。この生成物は、次いで、例えば、上記方法を使用して、ヒドロキシ化合物R3OHとカップリングされて、ジエステル生成物S36.4が得られる。
この手順を、スキーム36、実施例2に図示する。この方法では、ホスホン酸モノアリルS36.12は、テトラヒドロフラン溶液中で、トリフェニルホスフィン及びアゾジカルボン酸ジエチルの存在下にて、乳酸エチルS36.13とカップリングされて、混合ジエステルS36.14が得られる。この生成物は、アセトニトリル中で、先に記述したようにして、トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウムクロライド(Wilkinson触媒)と反応されて、そのアリル基を除去し、そしてモノ酸生成物S36.15が生成する。後者の化合物は、次いで、ピリジン溶液中で、室温にて、ジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下にて、1モル当量の3−ヒドロキシピリジンS36.16とカップリングされて、混合ジエステルS36.17が生じる。
上記手順を使用するが、乳酸エチルS36.13又は3−ヒドロキシピリジンの代わりに異なるヒドロキシエステルS36.1及び/又は異なるヒドロキシ化合物R3OHを使用して、対応する生成物S36.4が得られる。
混合ジエステルS36.2は又、活性化モノエステルS36.5を介して、モノエステルS34.1から得られる。この手順では、モノエステルS34.1は、例えば、J. Org. Chem., 2001, 66, 329に記載の通り、五塩化リンとの反応により、又はNucleosides and Nucleotides, 2000, 19, 1885に記載の通り、ピリジン中で、塩化チオニル又は塩化オキサリル(Lv=Cl)との反応、又は塩化トリイソプロピルベンゼンスルホニルとの反応により、又はJ. Med. Chem., 2002, 45, 1284に記載の通り、カルボニルジイミダゾールとの反応により、活性化化合物S36.5に変換される。得られた活性化モノエステルは、次いで、上記のように、ヒドロキシエステルS36.1と反応されて、混合ジエステルS36.2が生じる。
この手順を、スキーム36、実施例3に図示する。この順序では、ホスホン酸モノフェニルS36.9は、塩化ホスホリルS36.19を生成するために、アセトニトリル溶液中で、70℃で、10当量の塩化チオニルと反応される。この生成物は、次いで、トリエチルアミンを含有するジクロロメタン中で、4−カルバモイル−2−ヒドロキシ酪酸エチルS36.20と反応されて、混合ジエステルS36.21が得られる。
上記手順を使用するが、4−カルバモイル−2−ヒドロキシ酪酸エチルS36.20の代わりに異なるヒドロキシエステルS36.1を使用して、対応する生成物S36.2が得られる。
又、これらの混合ホスホン酸ジエステルは、R3O基をそのヒドロキシエステル部分が既に組み込まれる中間体S36.3に取り込む代替経路により、得られる。この手順では、モノ酸中間体S36.3は、先に記述したように、Lvがクロロ、イミダゾール等の脱離基である活性化誘導体S36.6に変換される。その活性化中間体は、次いで、塩基の存在下にて、ヒドロキシ化合物R3OHと反応されて、混合ジエステル生成物S36.4が生じる。
この方法を、スキーム36、実施例4に図示する。この順序では、ホスホン酸モノ酸S36.22は、J. Med. Chem., 1995, 38, 4648に記載の通り、コリジンを含有するテトラヒドロフラン中にて、トリクロロメタンスルホニルクロライドと反応されて、トリクロロメタンスルホニルオキシ生成物S36.23を生成する。この化合物は、トリエチルアミンを含有するジクロロメタン中にて、3−(モルホリノメチル)フェノールS36.24と反応されて、混合ジエステル生成物S36.25を生じる。
上記手順を使用するが、3−(モルホリノメチル)フェノールS36.24の代わりに異なるアルコールR3OHを使用して、対応する生成物S36.4が得られる。
又、ホスホン酸エステルS36.4は、モノエステルS34.1に対して実行されるアルキル化反応により得られる。モノ酸S34.1とハロエステルS36.7との間の反応は、極性溶媒中で、Anal. Chem., 1987, 59, 1056に記載されているようなジイソプロピルエチルアミン、又はJ. Med. Chem., 1995, 38, 1372に記載されているようなトリエチルアミン等の塩基の存在下にて、又はベンゼン等の非極性溶媒中で、Syn. Comm., 1995, 25, 3565に記載の通り、18−クラウン−6の存在下にて実行される。
この方法を、スキーム36、実施例5に図示する。この手順では、モノ酸S36.26は、ジメチルホルムアミド中にて、80℃で、2−ブロモ−3−フェニルプロピオン酸エチルS36.27及びジイソプロピルエチルアミンと反応されて、混合ジエステル生成物S36.28が得られる。
上記手順を使用するが、2−ブロモ−3−フェニルプロピオン酸エチルS36.27の代わりに異なるハロエステルS36.7を使用して、対応する生成物S36.4が得られる。
Figure 2009502964
Figure 2009502964
Figure 2009502964
Figure 2009502964
スキーム37は、ホスホン酸ジエステルを調製する方法を図示しており、ここで、両方のエステル置換基は、カルボアルコキシ基を取り込む。
これらの化合物は、ホスホン酸34.6から、直接的又は間接的に調製される。ある代替例では、このホスホン酸は、スキーム34〜36で先に記述した条件(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド又は類似の試薬を使用するカップリング反応)を使用して、又は光延反応条件下にて、ヒドロキシエステルS37.2とカップリングされて、それらのエステル置換基が同一であるジエステル生成物S37.3が得られる。
この方法を、スキーム37、実施例1に図示する。この手順では、ホスホン酸S34.6は、Aldrithiol−2及びトリフェニルホスフィンの存在下にて、ピリジン中で、約70℃で、3モル当量の乳酸ブチルS37.5と反応されて、ジエステルS37.6が得られる。
上記手順を使用するが、乳酸ブチルS37.5の代わりに異なるヒドロキシエステルS37.2を使用して、対応する生成物S37.3が得られる。
或いは、ジエステルS37.3は、ホスホン酸S34.6をハロエステルS37.1でアルキル化することにより得られる。このアルキル化反応は、エステルS36.4の調製についてスキーム3に記載したようにして、実行される。
この方法を、スキーム37、実施例2に図示する。この手順では、ホスホン酸S34.6は、ジメチルホルムアミドにて、約80℃で、Anal. Chem., 1987, 59, 1056に記載されているようにして、過剰の3−ブロモ−2−メチルプロピオン酸エチルS37.7及びジイソプロピルエチルアミンと反応されて、ジエステルS37.8が生成する。
上記手順を使用するが、3−ブロモ−2−メチルプロピオン酸エチルS37.7の代わりに異なるハロエステルS37.1を使用して、対応する生成物S37.3が得られる。
又、ジエステルS37.3は、このホスホン酸の活性化誘導体S34.7をヒドロキシエステルS37.2で置換する反応によっても得られる。この置換反応は、極性溶媒中で、好適な塩基の存在下にて、スキーム6に記載されているようにして実行される。この置換反応は、過剰のヒドロキシエステルの存在下にて実行され、それらのエステル置換基が同一であるジエステル生成物S37.3が得られるか、又は限定量の異なるヒドロキシエステルと連続的に反応されて、それらのエステル置換基が異なるジエステルS37.3が調製される。
これらの方法を、スキーム37、実施例3及び4に図示する。例3で示されているように、ホスホリルジクロライドS35.22は、炭酸カリウムを含有するテトラヒドロフラン中にて、3モル当量の3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロピオン酸エチルS37.9と反応されて、ジエステル生成物S37.10が得られる。
上記手順を使用するが、3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロピオン酸エチルS37.9の代わりに異なるヒドロキシエステルS37.2を使用して、対応する生成物S37.3が得られる。
スキーム37、実施例4は、等モル量のホスホリルクロライドS35.22及び2−メチル−3−ヒドロキシプロピオン酸エチルS37.11との間の置換反応によりモノエステル生成物S37.12が生じることを描写している。この反応は、アセトニトリル中にて、70℃で、ジイソプロピルエチルアミンの存在下にて、行われる。生成物S37.12は、次いで、同じ条件下にて、1モル当量の乳酸エチルS37.13と反応されて、ジエステル生成物S37.14が得られる。
上記手順を使用するが、2−メチル−3−ヒドロキシプロピオン酸エチルS37.11及び乳酸エチルS37.13の代わりに異なるヒドロキシエステルS37.2との連続反応を使用して、対応する生成物S37.3が得られる。
Figure 2009502964
Figure 2009502964
2,2−ジメチル−2−アミノエチルホスホン酸中間体は、スキーム5の経路により調製できる。2−メチル−2−プロパンスルフィンアミドをアセトンで縮合すると、スルフィニルイミンS38.11が得られる(J. Org. Chem. 1999, 64, 12)。S38.11にジメチルメチルホスホン酸リチウムを付加すると、S38.12が得られる。S38.12を酸性メタノール分解すると、アミンS38.13が得られる。アミンをCbz基で保護しメチル基を除去すると、ホスホン酸S38.14が生じ、これは、先に報告した方法を使用して、所望のS38.15(スキーム38a)に変換できる。化合物S38.14の代替的な合成も、スキーム38bで示されている。市販の2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールは、文献方法(J. Org. Chem. 1992, 57, 5813; Syn. Lett. 1997, 8, 893)に従って、アジリジンS38.16に変換される。亜リン酸塩をアジリジン開環すると、S38.17が得られる(Tetrahedron Lett. 1980, 21, 1623)。S38.17を再保護すると、S38.14が得られる。
Figure 2009502964
本発明を、以下の非限定的な実施例により、ここに例示する。
非限定的な本発明の実施例には、以下が含まれる。
実験セクションA
Figure 2009502964
コウジ酸をジクロロメタンに溶解した。これに過剰量の塩化チオニルを添加した。この反応混合物を室温にて攪拌した。2時間後、沈殿物が形成される。固体を濾過し、へキサンで洗浄し、乾燥して純粋な産物を得た。
Figure 2009502964
塩化物をDI H2Oに懸濁した。これに亜鉛粉を添加した。70℃まで加熱し、HClを緩徐に添加した。15時間加熱した後、セライトで濾過し、ジクロロメタンで抽出し(4回)、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮して産物を得た。
Figure 2009502964
粗産物をジオキサンに溶解した。これに水性NaOHを添加し、5分後にホルムアルデヒドを添加した。4時間後、出発材料が消費された。この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1M HClで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮して粗産物を得た。シリカ(酢酸エチル)上でクロマトグラフィーを行い純粋な産物を得た。
Figure 2009502964
ジオールをメタノールに溶解した。これに水性NaOHを添加した。加熱後還流して臭化ベンジルを添加した。12時間後、出発材料が消費された。メタノールを除去して濃縮し、ジクロロメタンで希釈し、飽和NaHCO3溶液で洗浄し、有機物を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮して産物を得た。
Figure 2009502964
ベンジルで保護されたエノールをジクロロメタンに溶解した。これにジメチルスルホキシド及びトリエチルアミンを添加した。5℃まで冷却した後、三酸化硫黄−ピリジン複合体を添加した。この混合物を静置して室温まで温めた。12時間後、ジクロロメタンで希釈し、DI H2Oで洗浄し、有機物を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮して粗産物を得た。すぐに使用した。
Figure 2009502964
アルデヒドをアセトンと水1:1の混合物に溶解した。これにスルファミン酸を添加した後、亜塩素酸ナトリウムを添加し、ふたのない容器中で室温にて攪拌した。2時間後に沈殿が生じた。アセトンを除去して濃縮し、ジクロロメタンで希釈し、飽和NH4Cl溶液で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮して産物を得た。
Figure 2009502964
カルボン酸をジメチルホルムアミドに溶解した。これにジイソプロピルアミン及びO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩を添加した。最後に4−フルオロベンジルアミンを添加し、室温にて攪拌した。24時間後、出発材料が消費された。混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NH4Cl溶液、1N NaOH、2.5%LiClで洗浄し(3回)、有機物を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮して粗産物を得た。シリカ(酢酸エチル/へキサン)上でクロマトグラフィーを行い純粋な産物を得た。
Figure 2009502964
アミドをエタノールに溶解した。これに10%パラジウム/炭素を添加し、水素雰囲気下で反応させた。家庭用真空ポンプで混合物からガスを除去し、静置して室温にて攪拌した。1時間後、出発材料が消費された。触媒を濾過し、有機物を濃縮して純粋な産物を得た。
Figure 2009502964
実施例2
Figure 2009502964
(4−フルオロ−フェニル)−アセトアルデヒド1(5g、40.29mmol、1等量)の入ったフラスコに、MeOH(50mL)及び重炭酸ナトリウム(5.14g、61.23mmol、1.52等量)と共に2−アミノエタノール2(2.67mL、44.32mmol、1.1等量)を添加した。この反応混合物を一晩還流し、0℃まで冷却してから、ホウ化水素ナトリウム(1.83g、48.35mmol、1.2等量)を添加し、1時間攪拌した。固形物を濾過して除去し、真空濃縮した。この混合物をCHCl2(30mL)に再び溶解し、水性HCl(2N、20mL)、水(20mLで2回)及び塩水(20mL)で洗浄した。その後、有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。アルコール3(5.03g)の褐色の油が得られ、そのまま使用した。
Figure 2009502964
2−(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−エタノール4(5.03g、29.73mmol、1等量)をCHCl2(30mL)に溶解し、これにDMAP(1.8g、14.86mmol、0.5等量)、トリエチルアミン(8.3mL、59.46mmol、2等量)と共にTBSCl(6.72g、5.11mmol、1.5等量)を添加した。窒素下で一晩反応させた。この混合物を水性HCl(2N、20mL)、水(20mLで2回)及び塩水(20mL)で洗浄した。その後、有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、7/3へキサン/酢酸エチルを使用したシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エチル]−(4−フルオロ−ベンジル)−アミン4(47%、5.23g、18.94mmol)を得た。
Figure 2009502964
Figure 2009502964
5,6−ジヒドロキシ−2−p−トリル−ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル5(1g、3.84mmol、1等量、Acme Bioscience)をDMF(38mL、0.1M)及び炭酸カリウム(1.59g、11.53mmol、3等量)及びBu4NI(710mg、1.92mmol、0.5等量)に溶解し、その後PMBClを添加した(1.56mL、11.53mmol、1等量)。この反応物を60℃で16時間攪拌した後、HCl(30mL、1N)でクエンチし、酢酸エチル(30mLで2回)で抽出した。有機層を水(30mLで4回)、飽和NaHCO3溶液(50mL)、塩水(50mL)で数回洗浄した。Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。黄色の固形物(1.53g)として5,6−bis−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−2−p−トリル−ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル6を得て、この粗産物のまま次の反応に使用した。
Figure 2009502964
Figure 2009502964
5,6−bis−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−2−p−トリル−ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル6(515mg、1.03mmol)をTHF(10mL、0.1M)中に溶解し、これとは別に水(5mL)に溶解しておいたNaOH(83mg、1.79mmol、3等量)を添加した。この反応物を18時間攪拌し、へキサン(5mLで2回)で抽出した。その後、水層をHCl(2N、水)でPh2まで酸性化し、酢酸エチルで抽出した(10mLで3回)。有機層を飽和NH4Cl溶液(25mL)、塩水(25mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空濃縮して、オフホワイトの油として、5,6−bis−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−2−p−トリル−ピリミジン−4−カルボン酸(64%、202mg、0.188mmol)7を得た。
Figure 2009502964
Figure 2009502964
5,6−bis−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−2−p−トリル−ピリミジン−4−カルボン酸7(500mg、1.02mmol、1等量)をDMF(10mL)中に溶解し、これにHATU(550mg、1.44mmol、1.4等量)及びDIPEA(627μL、3.59mmol、3.5等量)を添加した。20分間攪拌した後、[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エチル]−(4−フルオロ−ベンジル)−アミン4(582mg、2.05mmol、2.0等量)を添加し、この混合物を16時間攪拌した後、飽和NH4Cl(30mL)でクエンチして、酢酸エチル(30mLで2回)で抽出し、有機層を水(30mLで4回)、塩水(50mL)で数回洗浄した。Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、7/3へキサン/酢酸エチルを使用したシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、5,6−bis−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−2−p−トリル−ピリミジン−4−カルボン酸[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エチル]−(4−フルオロ−ベンジル)−アミド8(54%、413mg、0.55mmol)を得た。
Figure 2009502964
手順6:
5,6−bis−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−2−p−トリル−ピリミジン−4−カルボン酸[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エチル]−(4−フルオロ−ベンジル)−アミド8(147mg、0.196mmol、1等量)をCHCl2(4mL)に溶解し、これにTBAF(589μL、0.589mmol、3等量、1M)を添加した。この反応物を16時間攪拌した後、HCl(30mL、1N)でクエンチし、酢酸エチルで抽出した(30mLで2回)。有機層を、水(30mLで4回)、飽和NaHCO3(50mL)、塩水(50mL)で数回洗浄した。Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、3/2へキサン/酢酸エチルを使用したシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、5,6−bis−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−2−p−トリル−ピリミジン−4−カルボン酸(4−フルオロ−ベンジル)−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド9(91%、108mg、0.178mmol)を得た。
Figure 2009502964
Figure 2009502964
5,6−bis−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−2−p−トリル−ピリミジン−4−カルボン酸(4−フルオロ−ベンジル)−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド9(38mg、0.059mmol、1等量)を、CHCl2(0.5mL)及びDIPEA(41μL、0.23mmol、4等量)、次いでMsCl(12μL、0.149mmol、2.5等量)に窒素雰囲気下で溶解した。この反応物を16時間攪拌した後、飽和NH4Cl(10mL)でクエンチして、酢酸エチルで抽出し(10mLで2回)、有機層を水(10mLで4回)、飽和NaHCO3(10mL)、塩水(10mL)で数回洗浄した。Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、7/3へキサン/酢酸エチルを使用したシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、メタンスルホン酸2−[[5,6−bis−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−2−p−トリル−ピリミジン−4−カルボニル]−(4−フルオロ−ベンジル)−アミノ]−エチルエステル10を得た。
Figure 2009502964
Figure 2009502964
塩化物10の90mg(0.14mmol、1等量)を無水アセトン(2mL、0.68M)に電子レンジ用バイアル中で溶解し、そこにヨウ化ナトリウム(51mg、0.34mmol、2.5等量)を入れて、ふたをした。その後、電子レンジに入れ、120度で3時間加熱した。反応物を真空濃縮し、HPLCで精製して、ピリミジノン11(16mg、0.042mmol、31%)を得た。
Figure 2009502964
実施例3
Figure 2009502964
12(WO03/35077)(60mg、0.168mmol、1等量)をCCl4(3.5mL)及び過酸化ベンゾイル(4mg、0.017mmol、0.1等量)に溶解した後、N−ブロモスクシンイミドを添加した。反応物を4時間還流し、冷却して、真空濃縮した。ヘキサン/酢酸エチル7/3を使用してシリカゲルクロマトグラフィーを実施し、ピリミジノン13(65%、0.0109mmol)47mgを得た。
Figure 2009502964
Figure 2009502964
臭化物13 280mg(0.64mmol、1等量)をTHF(6mL、0.1M)に溶解し、そこにリン酸アミン14を添加し、12時間50℃まで加熱した。その混合物を真空濃縮し、酢酸エチル/メタノール 4/1を使用したシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製し、ホスホン酸塩15(54%、0.34mmol)190mgを得た。
Figure 2009502964
Figure 2009502964
アミン15 100mg(0.18mmol、1等量)を電子レンジ用バイアル中で無水アセトニトリル(5mL、0.68M)に溶解し、そこにp−フルオロベンジルアミン(104μL、0.91mmol、5等量)を入れて、ふたをした。電子レンジに入れ、1時間80℃まで加熱した。この反応物を真空濃縮し、HPLCで精製して、ピリミジノン16(70mg、0.098mmol、68%)を得た。
Figure 2009502964
実施例4
Figure 2009502964
アミン16 35mg(0.062mmol、1等量)を電子レンジ用バイアル中で無水塩化メチレン(3mL)に溶解し、そこに2,6−ルチジン(290μL、2.49mmol、40等量)及びTMSBr(160μL、1.24mmol、20等量)を添加し、ふたをした。その後、電子レンジに入れ、2時間100℃まで加熱した。この反応物を真空濃縮して、HPLCで精製し、ピリミジノン17(27mg、0.054mmol、86%)を得た。
Figure 2009502964
実施例5
Figure 2009502964
アミン18(WO03/35077)62mg(0.16mmol、1等量)を電子レンジ用バイアル中で無水THF(4mL)に溶解し、そこに水性HCl(0.5mL、10%)を添加して、ふたをした。その後、電子レンジに入れ、2時間55℃まで加熱した。この反応物を徹底的に真空濃縮し、19の粗混合物として次の反応に使用した。
MS:352.02(M+MeOH)
Figure 2009502964
アルデヒド19にメタノール(5mL)、次いでアミン14(123mg、0.63mmol、14等量)を添加した。これに酢酸(300μL)及びNaCNBH3(30mg、0.47mmol、3等量)を添加し、この反応物を16時間攪拌した。その後、真空濃縮し、濾過し、HPLCで精製して、ホスホン酸塩20(7mg、0.014mmol)を得た。
Figure 2009502964
実施例6
Figure 2009502964
メチルエーテルをジクロロメタンとアセトニトリルの1:1混合物に溶解した。これに炭酸セシウム及びN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミドを添加した。この混合物を室温にて15時間攪拌した。出発材料が消費された後、混合物をジクロロメタンで希釈し、飽和NH4Clで洗浄し、有機物を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮して粗産物を得た。シリカ(酢酸エチル/ヘキサン)上でクロマトグラフィーを実施し、純粋な産物を得た。
Figure 2009502964
トリフレートをジメチルホルムアミドに溶解した。これにDPPP、トリエチルシラン及びトリエチルアミンを添加した。アルゴン雰囲気下で反応させ、Pd(OAc)2を添加した。反応容器を真空で吸引し、アルゴンで再度フラッシュし、これを何回か繰り返した。70℃で4時間、その後室温にて48時間攪拌した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1M HCl、2.5% LiCl溶液(3回)で洗浄し、有機物を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮して粗産物を得た。シリカ上でクロマトグラフィーを実施して純粋な産物を得た。
Figure 2009502964
前述の実施例は、同じ方法で調製した。
実施例7
Figure 2009502964
Figure 2009502964
実施例8
Figure 2009502964
Figure 2009502964
実験セクションB
実施例1(化合物2006):
Figure 2009502964
エタノール3mlに溶解した1 400mg(0.9mmol)及び酢酸216μLを、H2(1atm)上の10%パラジウム炭素100mgと30分間反応させた。この反応液をセライトで濾過し、真空濃縮した。残留物をDCMに溶解し、飽和Na2CO3で1回洗浄し、真空濃縮した。その後、あらかじめHATU(220mg、0.6mmol)とDMF中で10分間反応させておいたI(155mg、0.3mmol)にこの残留物を添加した。この混合物をDIEA(155.1mg、1.2mmol)で処理し、室温にて1時間攪拌した。この混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO3(2回)、水(2回)及び塩水(2回)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。この残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル中の2%メタノール)で精製して、2を得た(213mg、収率80%)。
塩化メチレン(0.9mL)中の2(0.1g、0.12mmol)をトリフルオロ酢酸(0.045mL)及びトリエチルシラン(0.075mL)で処理した。この反応混合物を不活ガスの雰囲気下で40分間室温にて攪拌した。トルエンを使用して揮発物を真空除去した。この産物を1/3−ジエチルエーテル/ヘキサンと超音波処理を使用して粉砕して、モノ−トリフルオロ酢酸塩として、3を得た(75mg、収率83%)。
Figure 2009502964
実施例2(化合物2016)
Figure 2009502964
タイプ1の出発材料からの2の合成を、前述と同じ方法で実施した。
Figure 2009502964
実施例3(化合物2022及び2023)
Figure 2009502964
エタノール10mL及び酢酸0.3mLに溶解した1 990mg(2.3mmol)を10%パラジウム炭素300mgで処理し、水素バルーンに入れた。1時間後、反応物をセライトで濾過し、真空濃縮した。その後、残留物をDCM及び飽和Na2CO3に分配した。有機層を回収し、真空濃縮した。残留物をDCM及びルチジン(0.801mL、6.9mmol)に溶解した。この反応混合物に塩化ジニトロベンゼンスルホニル1.8g(6.9mmol)を添加した。室温にて30分間攪拌した後、反応を酢酸エチル1.2mLで停止させ、真空濃縮した。残留物を酢酸エチルで希釈し、NH4Clで1回、水で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(純粋な(neat)酢酸エチル)で精製して、2 795mg(収率52%)を得た。
2を、K2CO3の存在下でアルキルハリドを使用した処理、又はPPh3及びDIADの存在下でアルキルアルコールを使用した処理の何れかによってアルキル化した。アルキルハリドを使用した処理によりアルキル化した場合は、以下の手順に従った。DMFに溶解した2(80mg、0.19mmol)をヨードエタン及びK2CO3と1時間反応させた。この反応物を酢酸エチルで希釈し、飽和塩化アンモニウムで1回、水性2.5%LiClで1回、水で1回、塩水で1回洗浄し、Mg2SO4で乾燥させ、真空濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(純粋な酢酸エチル)で精製して、3 60mg(収率52%)を得た。
ある切るアルコールを使用した処理でアルキル化した場合は、以下の手順に従った。DCMに溶解した2(100mg、0.19mmol)を、2−ピリジル−カルビノール(62.2mg、0.57mmol)、PPh3(150mg、0.57mmol)及びDIAD(115.2mg、0.57mmol)と室温にて1時間反応させた。この反応物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(純粋な酢酸エチル)で精製して、4 94mg(収率80%)を得た。
実施例3及び4を、下記の代表的な手順を使用して、それぞれ化合物5及び6へ変換した。DCMに溶解した4(47mg、0.08mmol)をメルカプト酢酸(14.7mg、0.16mmol)及びTEA(16.2mg、0.16mmol)と30分間反応させた。この反応物をDCMで希釈し、飽和Na2CO3で2回洗浄し、真空濃縮した。この粗残留物とIとを、前述のものに類似の方法でアミド結合させ、5を得た。
Figure 2009502964
実施例4(化合物2015):
Figure 2009502964
2:トルエン(7.4mL)中の1(1.17g、5.9mmol)溶液を、塩化チオニル(1.29mL、17.7mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(0.040mL)で処理した。この反応混合物を窒素雰囲気下で65℃まで加熱し、2時間攪拌して、その時点で反応は31P NMR(CDCl3)δ35.8が示すように完了した。この反応混合物を濃縮して、油として中間体のモノ塩素化物が得られるようにし、これをすぐに塩化メチレン(19.7mL)に溶解し、−20℃まで冷却した。L−アラニンエチルエステル塩酸塩を塩化メチレン及び飽和Na2CO3に分配した。有機層を乾燥させ(NaSO4)、濾過した後、真空濃縮して、遊離塩基L−アラニンエチルエステル(2.0g、17.7mmol)を得て、それを反応混合物に添加した。この混合物を窒素雰囲気下で、−20℃で1時間攪拌し、その後真空濃縮した。残留物をシリカゲル(2/1−酢酸エチル/ヘキサン)上のクロマトグラフィーで精製し、所望のモノアミドホスホン酸アリル中間体を油として得た(0.92g、52%)。塩化メチレン(10.2mL)に溶解して−78℃まで冷却したモノアミドホスホン酸アリル(0.92g、3.1mmol)溶液に、オゾンを通気させた。反応物が飽和し、溶液が青色に変化した後、酸素を通気させて過剰なオゾンを除去し、トリフェニルホスフィン(1.21g、4.61mmol)を添加して、この反応混合物を室温まで温めながら1時間攪拌した。真空濃縮し、これ以上の精製は行わず、アルデヒド産物2とトリフェニルホスフィンオキシドの混合物(2.5g、100%)を得た。
4:エタノール(30.6mL)に溶解した粗アルデヒド2(0.91g、3.1mmol)及びベンジル1−ピペラジン−1−カルボン酸塩3(0.740g、3.36mmol)の溶液に、4オングストロームの分子篩(0.300g)及び酢酸(0.699mL、12.22mmol)を添加した。この反応混合物を窒素雰囲気下で室温にて1.5時間攪拌した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.387g、6.15mmol)を添加した。この反応混合物を室温にて1時間攪拌し、真空濃縮した後、酢酸エチルに再溶解した。この混合物を飽和NaHCO3及び塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO4)、濾過して濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(2/98−メタノール/酢酸エチル)で精製して、油として、所望の産物4(0.759g、49%)を得た。
5:エタノール(15.0mL)に溶解したホスホン酸塩4(0.759g、1.5mmol)の溶液に、パラジウム(パラジウム炭素)を添加した。反応物を真空下でパージし、水素ガスを通気した(反応物容器に装着したバルーンを介して)。ガス及び真空の間で数回パージした後、反応混合物を室温にて2時間攪拌した。混合物をセライトで濾過し、真空濃縮して、酢酸塩とジアステレオマーの1:1.3混合物として、アミン5(0.700g、100%)を得た。さらなる精製は行わなかった。
Figure 2009502964
Figure 2009502964
酢酸塩5を塩化メチレン及び飽和NaCO3に分配した。有機層を乾燥させ(NaSO4)、濾過し、真空濃縮して、遊離塩基アミン(0.260g、0.703mmol)を得て、これをDMF(1mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(0.20mL、1.12mmol)で処理した。この混合物を、あらかじめHATU(0.214g、0.562mmol)と攪拌しておいたDMF(1.15mL)中のカルボン酸6(0.145g、0.281mmol)溶液に添加した。この反応混合物を一晩攪拌し、酢酸エチルで希釈し、飽和NH4Cl、塩水(2回)及び水性LiCl(2回)で洗浄し、乾燥させ(NaSO4)、濾過して濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(5/95−メタノール/酢酸エチル)で精製して、固形物として所望の産物7(0.160g、65%)を得た。
I. 前記の実施例と同じ方法で8を合成し、逆相HPLCを行ったため精製の必要はなく、1:1.5のジアステレオマー混合物を有するTFA塩として、所望の産物8(100%)を得た。
Figure 2009502964
実施例5(化合物2011):
Figure 2009502964
エタノール(1.67mL)に溶解したDMSO(0.500g、1.67mmol)及びピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル2(0.340g、1.83mmol)の1:1の混合物として、2−[(2−オキソ−エチル)−フェノキシ−ホスフィノイルオキシ]−プロピオン酸エチルエステル1の溶液に、4オングストロームの分子篩(0.300g)及び酢酸(0.400mL、6.8mmol)を添加した。この反応混合物を室温にて1.5時間攪拌した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.212g、3.33mmol)を添加した。この反応混合物を室温にて3時間攪拌し、真空濃縮した後、クロロホルムに再溶解した。この混合物を飽和NaHCO3及び塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO4)、濾過して濃縮した。残留物をジエチルエーテルで処理した。固形の沈殿物を濾過して除去し、濾過物を濃縮して、油(2個のジアステレオマーの混合物)として、4−{2−[1−エトキシカルボニル−エトキシ)−フェノキシ−ホスフォリル]−エチル}−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル3(0.600g、77%)を得た。
Figure 2009502964
塩化メチレン(2mL)中の4−{2−[1−エトキシカルボニル−エトキシ)−フェノキシ−ホスフォリル]−エチル}−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル3(0.100g、0.212mmol)溶液を、トリフルオロ酢酸(0.340mL、4.41mmol)で処理した。この反応混合物を不活ガスの雰囲気下で室温にて6時間攪拌した。酢酸エチルを使用して揮発物を真空除去し、2−[フェノキシ−(2−ピペラジン−1−イル−エチル)−ホスフィノイルオキシ]−プロピオン酸エチルエステル:トリフルオロ酢酸を有する化合物4(0.103g、100%)(2個のジアステレオマーの混合物)を得た。
Figure 2009502964
Figure 2009502964
II.
III. N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(2.5mL)中の9−ベンズヒドリルオキシ−7−(4−フルオロ−ベンジル)−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−g]キノリン−5−カルボン酸5(0.415g、0.80mmol)及びO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(HATU)(0.608g、1.60mmol)の溶液を不活ガスの雰囲気下で室温にて5分間攪拌した。この溶液にあらかじめ混合した2−[フェノキシ−(2−ピペラジン−1−イル−エチル)−ホスフィノイルオキシ]−プロピオン酸エチルエステル:トリフルオロ酢酸を有する化合物4(0.580g、1.20mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(0.700mL、4.0mmol)のDMF(3.5mL)中の溶液を添加した。この反応混合物を室温にて5時間攪拌した。この混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO3(2回)、水(2回)及び塩水(2回)で洗浄し、乾燥させ(NaSO4)、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(5/95−メタノール/塩化メチレン)で精製して、ジアステレオマーの混合物として、2−[(2−{4−[9−ベンジルヒドリルオキシ−7−(4−フルオロ−ベンジル−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−g]キノリン−5−カルボニル]−ピペラジン−1−イル}−エチル)−フェノキシ−ホスフィノイルオキシ]−プロピオン酸エチルエステル6(0.625g、90%)を得た。
Figure 2009502964
IV. 塩化メチレン(2mL)中の2−[(2−{4−[9−ベンジルヒドリルオキシ−7−(4−フルオロ−ベンジル−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−g]キノリン−5−カルボニル]−ピペラジン−1−イル}−エチル)−フェノキシ−ホスフィノイルオキシ]−プロピオン酸エチルエステル6(0.420g、0.483mmol)の溶液をトリフルオロ酢酸(0.4mL)及びトリエチルシラン(0.8mL)で処理した。この反応混合物を不活ガス雰囲気下で室温にて40分間攪拌した。トルエンを使用して揮発物を真空除去した。産物をジエチルエーテル/ヘキサン中で超音波処理により粉砕し、2−{[2−4−2−[7−(4−フルオロ−ベンジル)−9−ヒドロキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−g]キノリン−5−イル]−アセチル}−ピペラジン−1−イル)−エチル]−フェノキシ−ホスフィノイルオキシ}−プロピオン酸エチルエステル:トリフルオロ酢酸を有する化合物7(0.370g、94%)を得た。
Figure 2009502964
実施例6(化合物2005):
Figure 2009502964
V. フェノール中間体1(0.039mmol)の塩化メチレン(0.386mL)中の溶液を、トリエチルアミン(0.022mL、0.155mmol)及びcat. 4−ジメチルアミノピリジンで処理した。この反応混合物を0℃まで冷却した後、塩化メチレンの1M溶液中のトリホスゲン(0.023g、0.077mmol)を添加した。この混合物を不活ガス雰囲気下で室温にて2時間攪拌し、トリエチルアミン(0.022mL、0.155mmol)で処理した塩化メチレンの1M溶液中の遊離ピペラジンリンカーホスホン酸塩4(実施例5)(0.056g、0.115mmol)を添加し、混合物を一晩攪拌した。この混合物を塩化メチレン及び水に分配した。有機層を飽和NH4Cl及び塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(5/95−メタノール/塩化メチレン)で精製して、ジアステレオマーの混合物として産物2(0.013g、50%)を得た。
Figure 2009502964
VI. 塩化メチレン(0.5mL)中のホスホン酸塩2(0.013g、0.015mmol)の溶液を、トリフルオロ酢酸(0.1mL)及びトリエチルシラン(0.2mL)で処理した。この反応混合物を不活ガス雰囲気下で室温にて20分間攪拌した。揮発物をトルエンを使用して真空除去した。固形物をジエチルエーテル/ヘキサン中で粉砕して、TFA塩として所望の産物3(0.010g、80%)を得た。
Figure 2009502964
実施例7(化合物2007)
Figure 2009502964
トルエン(20.3mL)中の1(1.05g、4.05mmol)の溶液を、塩化チオニル(1.18mL、16.2mmol)及びDMF(0.040mL)で処理した。この反応混合物を窒素雰囲気下で65℃まで加熱し、3時間攪拌した時点で、反応は31P NMR(CDCl3)δ46.5で示す通り完了した。この反応混合物を濃縮して、中間体のモノ塩素化物が得られるようにし、これをすぐに塩化メチレン(13.5mL)に溶解し、−20℃まで冷却した。L−アラニンエチルエステル塩酸塩を塩化メチレン及び飽和Na2CO3に分配した。有機層を乾燥させ(NaSO4)、濾過した後、真空濃縮して、遊離塩基L−アラニンエチルエステル(2.37g、20.3mmol)を得て、それを反応混合物に添加した。この混合物を窒素雰囲気下で、−20℃で1時間攪拌し、その後真空濃縮した。残留物をシリカゲル(3/97−メタノール/酢酸エチル)上のクロマトグラフィーで精製し、所望のビスアミド酸中間体2を油として得た(1.03g、56%)。
前記の実施例と同じ方法で化合物を合成し、更に精製を行わずに、所望のアミン3(100%)を得た。
Figure 2009502964
5は前記と同じ方法で3及び4から作成する。
VII. 塩化メチレン(0.550mL)中のホスホン酸塩5(0.135g、0.164mmol)の溶液を、トリフルオロ酢酸(0.063mL、0.82mmol)及びトリエチルシラン(0.052mL、0.328mmol)で処理した。この反応混合物を、不活ガスの雰囲気下で室温にて20分間攪拌した。揮発物をトルエンを使用して真空除去した。固形物をジエチルエーテル/ヘキサン中で粉砕し、その後中性条件の逆相HPLCで精製して、所望の産物6を得た(0.014g、50%)。
Figure 2009502964
A. 実施例8(化合物2013):
Figure 2009502964
手順1:
ジクロロメタン(60mL)に溶解したアミノアルコール1(4g、0.053mol)の溶液に、TEA(15mL)を、次にtrytl−Cl(14.84g、0.053mol)を添加した。この反応混合物は反応熱の生成のため温度が上昇した。反応を室温にて2時間かけて行った。沈殿物をセライトを重ねて濾過して除去し、濾過物を濃縮して、残留物をEtOAc/ヘキサン(1/9〜3/7)を使用したシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーで精製した。化合物2が収率99.4%で16.8g得られた。
手順2:
NMP(80mL)に溶解した2(16.8g、5.29mmol)の溶液に、Mg(OtBu)2(18.1g、10.6mmol)、次いで3(21.4g、6.36mmol)を添加した。この混合物を75℃まで16時間加熱した。室温まで冷却した後、水を添加した(約150mL)。沈殿物を濾過により回収した(極めて緩な沈殿)。この粘着性のある固形物をMeOH/CHCl2(1/1)に溶解し、濃縮した。この粗混合物をEtOAc/ヘキサン(1/9〜1/1)を使用したシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーで精製した。化合物4が収率91%で24g得られた。
手順3:
化合物4(7.7g、15.5mmol)を、10%TFA/CHCl2 300mLに室温にて溶解した。この反応を30分間で行った。真空濃縮し、CHCl2と2回同時蒸着し、5のTFA塩を得た。この塩をCHCl2 100mLに溶解し、1N NaOH 62mLを添加した。この反応混合物を室温にて30分間攪拌した。層を分離した。有機層を濃縮して、遊離アミン5を得た。
Figure 2009502964
手順1:
CHCl2及び1N NaOHの混合物中の遊離アミン5の溶液(実施例5、段階3から)に、Cbz−Cl(4.0g、23.25mmol、1.5等量)を添加した。反応を室温にて18時間行わせた。層を分離した。水層をCHCl2で2回抽出した。有機層を集め、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。この粗混合物をEtOAc/ヘキサン(3/7)を使用したシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーで精製して、純粋な(22)2.6gを得た。
手順2:
CHCN(30mL)に溶解した6(2.6g、6.7mmol)の溶液に、TMSBr(7mL、53.7mmol)を緩徐に0℃で添加した。この反応混合物を0℃から室温にて3時間、不活化ガスの雰囲気下で攪拌し、真空濃縮した。残留物をジクロロメタン(100mL)及び1N NaOH(150mL)に溶解した。10分間攪拌した後、層を分離した。水層に1N HCl(175mL)を添加してpHを1とした。EtOAcで3回抽出した。有機層を集め、乾燥させ(MgSO4)、濃縮して、クリーンなホスホン酸7 2.1gを得た。
手順3:
CHCN(50mL)に溶解したホスホン酸7(1.8g、5.94mmol)の溶液に、PhOH(1.0g、10.7mmol)、DMAP(367mg、3mmol)及びDCC(1.5g、7.1mmol)を添加した。この反応混合物を不活ガスの雰囲気下で110℃まで12時間加熱し、その後真空濃縮した。残留物をEtOAc(50mL)/1N NaOH(20mL)に溶解し、10分間攪拌した。層を分離した。8のナトリウム塩を有していた水層を、6N HClにより緩徐にpH=1まで酸性化した。EtOAcで3回抽出した。有機層を集め、乾燥させ(MgSO4)、濃縮した。この粗混合物をMeOH/CHCl2(10%、0.2% AcOH)を使用したシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーで精製して、純粋なホスホン酸モノフェニルエステル8を収率44%で1.0g得た。
手順4:
トルエン(20mL)に溶解したホスホン酸モノフェニルエステル8(1.0g、2.6mmol)の溶液に、塩化チオニル(20mL)、DMF(4滴)を添加した。この反応混合物を不活ガスの雰囲気下で70℃まで3時間加熱し、真空濃縮した。残留物をトルエンと2回共沸し、モノクロロデートを得た。これをジクロロメタン(20mL)に再溶解し、−40℃まで冷却した。アラニン−エチルエステルの遊離塩基を滴下した。この混合物を低温にて2時間静置し、その後室温にて一晩静置した。濃縮後、EtOAc/ヘキサン(1/1、0.2%TEA)を使用したシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーで精製して、純粋な9を収率52%で654mg得た。
手順5:
EtOH(10mL)に溶解した9(654mg、1.37mmol)の溶液に、AcOH(155μL、2.74mmol)及び10%Pd/C(650mg)を添加した。この反応混合物をH2雰囲気下で室温にて18時間攪拌した。固形物を濾過により除去した。濾過物を真空濃縮した。残留物をCHCl2(50mL)/飽和Na2CO3(50mL)に溶解し、10分間攪拌した。層を分離した。水層をもう一度CHCl2で抽出した。有機層を集め、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。クリーンなアミン10を収率77%で362mg得た。
Figure 2009502964
化合物12を実施例1〜10及び11と同じ方法で合成した。
HPLCの条件:移動相Aは水、移動相BはCHCNとした;5〜60%Bの勾配は20分;流量は20mL/分、カラムはPhenomenex、luna5μ、C18(2)150mm×21.1mmであった。
Figure 2009502964
B. 実施例9(化合物2024):
Figure 2009502964
手順1:
DMF(1mL)に溶解した1(290mg、0.75mmol)の溶液に、NaH(60%)(66mg、1.64mmol)を0℃で添加した。この反応混合物を20分間攪拌した。これにMeI(102μL、1.64mmol)を添加し、アルゴン下で1.5時間0℃にて保管した。この混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、冷却した1N HCl及び塩水で洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO4)、真空濃縮した。これによりクリーンな化合物2が収率>100%で330mg得られた。
手順2:
CHCN(30mL)に溶解した2(0.75mmol)の溶液に、2,6−ルチジン(366μL、3.15mmol)を添加し、0℃に冷却した。TMSBr(396μL、3.0mmol)を緩徐に添加した。この反応混合物を不活ガスの雰囲気下で0℃にて2時間攪拌し、その後室温にて20時間攪拌した。反応の完了後、0℃まで再び冷却し、1N NaOH(10mL)を緩徐に添加した。5分間攪拌した後、EtOAcで抽出した。水層を1N HClでpH=1まで酸性化した。EtOAc/MeOH(9/1)で3回抽出した。有機層を集め、乾燥させ(MgSO4)、濃縮して、クリーンなホスホン酸3を収率89%で214mg得た。
Figure 2009502964
化合物3から4への変換を前記と同じ方法で実施した。
Figure 2009502964
化合物6を4及び5から、前記の実施例1と同じ方法で合成した。
HPLCの条件:移動相Aは水、移動相BはCHCNとした;5〜60%Bの勾配は20分;流量は20mL/分、カラムはPhenomenex、luna5μ、C18(2)150mm×21.1mmであった。
Figure 2009502964
実施例10(化合物2012):
Figure 2009502964
前記の実施例に記載のものと同じ手順で、アミン1を得た。その形成後、実験で得られたカルボン酸の足場に結合させ、その後ジフェニルメチルエーテルを前述と同じ手順で除去して、2を得て、ジアステレオマー及び回転異性体の混合物として単離した。
Figure 2009502964
実施例11(化合物2025):
Figure 2009502964
上記の実施例に記載のものと同じ手順で、アミン1を得た。その形成後、実験で得られたカルボン酸の足場に結合させ、その後ジフェニルメチルエーテルを前述と同じ手順で除去して、2を得て、ジアステレオマー及び回転異性体の混合物として単離した。
Figure 2009502964
実施例12(化合物2010):
Figure 2009502964
上記の実施例に記載のものと同じ手順で、アミン1を得た。その形成後、実験で得られたカルボン酸の足場に結合させ、その後フェノールを前述と同じ手順で除去して、2を得て、ジアステレオマー及び回転異性体の混合物として単離した。
Figure 2009502964
実施例13(化合物2008):
Figure 2009502964
上記の報告と同じ手順で、アミン1を調製した。その形成後、HATUをアミド形成の促進剤として使用して、このアミンをカルボン酸の足場と結合させた。ジフェニルメチルエーテル保護基を上述の手順を使用して除去し、産物2を得て、それをジアステレオマーの混合物として単離した。
Figure 2009502964
実施例14(化合物2009):
Figure 2009502964
上記の報告と同じ手順で、アミン1を調製した。その形成後、HATUをアミド形成の促進剤として使用して、このアミンをカルボン酸の足場と結合させた。ジフェニルメチルエーテル保護基を上述の手順を使用して除去し、産物2を得て、それをジアステレオマーの混合物として単離した。
Figure 2009502964
実施例15(化合物2017及び2018):
Figure 2009502964
上記の報告と同じ手順で、ホスホン酸塩1を調製した。順相キラルprepHPLCによりジアステレオマー混合物(2.0g)を分離した。ベースラインの分離は、ChiralPak As−Hカラム、注入100mg/run、溶出10mL/分、EtOH:ヘプタン(1:1)のイソクラティック混合物を使用して、ジアステレオマー2A(0.95g/保持時間=9.3分)及び2B(0.95g/保持時間=11.0分)を純粋な状態で単離した。真の不斉性は認められなかった。それどころかキラルカラムから溶出されることによりジアステレオマーが示された。
Figure 2009502964
ジアステレオマー2A/2Bを平行に繰り越した。アミン3A/3Bを上記の報告と同じ手順で調製した。
Figure 2009502964
HATUアミド形成促進剤を使用して、アミン3A/3B(35mg、0.11mmol)をカルボン酸I(28mg、0.055mmol)に結合させた。ジフェニルメチルエーテル保護基を上記と同じ手順を使用して除去し、産物4A/4B(25mg、60%)を得て、それぞれを回転異性体からなる単一のジアステレオマーとして単離した。
Figure 2009502964
実施例16(化合物2019及び2020):
Figure 2009502964
1及び2を上のスキームに従って、上記と同じ手順で調製した。
Figure 2009502964
本発明の一実施形態において、本明細書に記載の化合物はIMPDHを阻害する。
実験データ
Merck/GlaxoSmithKline−Shinoji 化合物
Figure 2009502964
本発明の化合物
Figure 2009502964
Figure 2009502964
Figure 2009502964
これらの化合物は、本特許の教示及び当業界で既知の教示を使用して作成することができる。
Figure 2009502964
Figure 2009502964
化合物2009 %F=7%
分子量654 cLogP 2.28
Figure 2009502964
Figure 2009502964
Caco−2透過率
Figure 2009502964
化合物2009の分解されたジアステレオマーのPK
−化合物2017及び2018をiv/poで投与
−EC50 2017 0.001μM(MT−2細胞)
−EC50 2018 0.0001μM(MT−2細胞)
抗ウイルス活性の持続に起因する細胞内濃度
ヒトPBMCにおける抗ウイルス活性に起因する細胞内濃度
Figure 2009502964
Figure 2009502964
化合物2001 Caco−2試験
−Papp L−870,810 40×10−6cm/s
−Papp 2001 5×10−6cm/s
Figure 2009502964
Figure 2009502964
Figure 2009502964
Figure 2009502964
Figure 2009502964
Figure 2009502964
Figure 2009502964
Figure 2009502964
上記の全ての文献及び特許引用例の内容は、それらの引用例の位置で、本明細書中で参考として援用されている。上記引用物の具体的に引用した箇所又はページの内容は、本明細書中で参考として具体的に援用されている。本発明は、当業者が上記請求の範囲の内容を製造し使用できるように十分に詳細に記述されている。上記請求の範囲の方法及び組成物のある種の変更は、本発明の範囲及び精神の範囲内であり得ることが明らかである。
上記請求の範囲では、所定の変数の下付き文字及び上付き文字は、異なる。例えば、Rは、Rとは異なる。

Claims (56)

  1. 1個以上のホスホン酸基に結合した、HIVを阻害する化合物;又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物和物を含む結合体。
  2. 1個以上のA基で置換される以下の化学式A:
    Figure 2009502964
    の化合物であって、式中、
    0’がF又はAであり;
    Y’’が不在、結合、場合により1個又は場合により複数個がAで置換されるC、N、O又はSであり;
    が不在、結合、A、A又はWであり、場合によりY’の環を形成し;
    Figure 2009502964
    が独立してO、S、N(R)、N(O)(R)、N(OR)、N(O)(OR)、又はN(N(R)(R))であり;
    が独立して不在、結合、O、C(R)(R)、N(R)、N(O)(R)、N(OR)、N(O)(OR)、N(N(R)(R))、−S(O)M2−、又は−S(O)M2−S(O)M2−であり;Yが2個のリン原子と結合する場合、YがC(R)(R)であってもよく;
    が独立して不在、結合、H、R、R、W、保護基、又は以下:
    Figure 2009502964
    の化学式であって、式中:
    が独立してH、W、R又は保護基であり;
    が独立してH、又は1〜18個の炭素原子のアルキルであり;
    が独立してH、R、R又はRであって、この場合、各Rが独立して、0〜3個のR基で置換されるか、1個の炭素原子において一緒になり、2個のR基が、3〜8個の炭素原子の環を形成し、その環は0〜3個のR基で置換される場合があり;
    がR3a、R3b、R3c又はR3dであるが、但し、Rがヘテロ原子に結合する場合、RがR3c又はR3dであることを条件とし;
    3aがF、Cl、Br、I、−CN、N、−NO、−OR又は−OR6aであり;
    3bがYであり;
    3cが−R、−N(R)(R)、−SR、−S(O)R、−S(O)、−S(O)(OR)、−S(O)(OR)、−OC(Y)R、−OC(Y)OR、−OC(Y)(N(R)(R))、−SC(Y)R、−SC(Y)OR、−SC(Y)(N(R)(R))、−N(R)C(Y)R、−N(R)C(Y)OR、又は−N(R)C(Y)(N(R)(R))であり;
    3dが−C(Y)R、−C(Y)OR、又は−C(Y)(N(R)(R))であり;
    が、1〜18個の炭素原子のアルキル、2〜18個の炭素原子のアルケニル、又は2〜18個の炭素原子のアルキニルであり;
    がRであって、この場合、各Rが0〜3個のR基で置換され;
    がW又はWであり;
    がR、−C(Y)R、−C(Y)W、−SOM2、又は−SOM2であり;
    が炭素環又は複素環であって、この場合、Wが独立して0〜3個のR基で置換され;
    が、0、1、2又は3個のA基で独立して置換されるWであり;
    M2が0、1又は2であり;
    M12aが0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12であり;
    M12bが0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12であり;
    M1a、M1c及びM1dが独立して0又は1であり;
    M12cが0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12である、
    化合物である、請求項1に記載の結合体、そのエナンチオマー、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物和物。
  3. 以下の化学式:
    Figure 2009502964
    を有し、
    式中:
    DRUGが化学式Aの化合物であり;
    nnは1、2又は3である、
    請求項2に記載の結合体又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
  4. 化学式Aの何れか1つを有し、式中:
    1個のAがAであり、
    61がメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ビニル、エチル、メチル、プロピル、ブチル、シクロプロピル、N−メチルアミノ、又はN−ホルミルアミノであり;
    62がメチル、クロロ又はトリフルオロメチルであり;
    63がH、メチル、エチル、シクロプロピル、ビニル又はトリフルオロメチルであり;
    64がH、メチル、エチル、シクロプロピル、クロロ、ビニル、アリル、3−メチル−1−ブテン−1−イルである、
    請求項2に記載の結合体。
  5. 各Aが以下:
    Figure 2009502964
    Figure 2009502964
    の化学式であり、式中:
    5aが炭素環又は複素環であって、W5aが独立して0又は1個のR基で置換される、
    請求項2に記載の結合体。
  6. M12aが1である、請求項2に記載の結合体。
  7. 各Aが以下の化学式である:
    Figure 2009502964
    Figure 2009502964
    (式中:
    5aが0又は1個のR基で独立して置換される炭素環である)、
    Figure 2009502964
    (式中:
    2bがO又はN(R)であり;
    M12dが1、2、3、4、5、6、7又は8である)、
    Figure 2009502964
    (式中:
    5aが0又は1個のR基で独立して置換される炭素環である)、
    Figure 2009502964
    (式中:
    5aが炭素環又は複素環であり、W5aが独立して0又は1個のR基で置換される)、又は
    Figure 2009502964
    (式中:
    2bがO又はN(R)であり;
    M12dが1、2、3、4、5、6、7又は8である)、
    請求項2に記載の結合体。
  8. 各Aが以下:
    Figure 2009502964
    Figure 2009502964
    の化学式である、請求項2に記載の結合体。
  9. 各M12bが1である、請求項2に記載の結合体。
  10. M12bが0であり、Yが結合であり、Wが炭素環又は複素環であり、Wが場合により且つ独立して1、2又は3個のR基で置換される、請求項9に記載の結合体。
  11. 各Aが以下:
    Figure 2009502964
    の化学式であり、式中:
    5aが炭素環又は複素環であり、W5aが場合により且つ独立して1、2又は3個のR基で置換される、
    請求項2に記載の結合体。
  12. M12aが1である、請求項11に記載の結合体。
  13. 各Aがフェニル、置換フェニル、ベンジル、置換ベンジル、ピリジル及び置換ピリジルから選択される、請求項2に記載の結合体。
  14. 各Aが以下:
    Figure 2009502964
    の化学式である、請求項2に記載の結合体。
  15. M12bが1である、請求項14に記載の結合体。
  16. 各Aが以下の化学式である:
    Figure 2009502964
    Figure 2009502964
    (式中:
    1aがO又はSであり;
    2aがO、N(R)又はSである)、
    Figure 2009502964
    (式中:
    2bがO又はN(R)である)、又は
    Figure 2009502964
    (式中:
    2bがO又はN(R)であり;
    M12dが1、2、3、4、5、6、7又は8である)、
    請求項2に記載の結合体。
  17. 各Aが以下:
    Figure 2009502964
    の化学式であり、式中:
    2bがO又はN(Rx)であり;
    M12dが1、2、3、4、5、6、7又は8である、
    請求項2に記載の結合体。
  18. M12dが1である、請求項17に記載の結合体。
  19. 各Aが以下:
    Figure 2009502964
    の化学式である、請求項2に記載の結合体。
  20. が炭素環である、請求項19に記載の結合体。
  21. 各Aが化学式
    Figure 2009502964
    である、請求項2に記載の結合体。
  22. がフェニルである、請求項21に記載の結合体。
  23. M12bが1である、請求項22に記載の結合体。
  24. 各Aが以下の化学式である:
    Figure 2009502964
    (式中:
    1aがO又はSであり;
    2aがO、N(R)又はSである)、
    Figure 2009502964
    (式中:
    2bがO又はN(R)であり)、又は
    Figure 2009502964
    (式中:
    2bがO又はN(R)であり;
    M12dが1、2、3、4、5、6、7又は8である)、
    請求項2に記載の結合体。
  25. がHである、請求項24に記載の結合体。
  26. M12dが1である、請求項25に記載の結合体。
  27. 各Aが以下の化学式である:
    Figure 2009502964
    (式中:
    該フェニル炭素環が0、1、2又は3個のR基で置換される)
    Figure 2009502964
    (式中:
    該フェニル炭素環が0、1、2又は3個のR基で置換される)
    Figure 2009502964
    Figure 2009502964
    (式中:
    1aがO又はSであり;
    2aがO、N(R)又はSである)、
    Figure 2009502964
    (式中:
    1aがO又はSであり;
    2aがO又はN(R)であり;
    2cがO、N(R)又はSである)、
    Figure 2009502964
    (式中:
    1aがO又はSであり;
    2bがO又はN(R)であり;
    2dがO又はN(R)であり;
    M12dが1、2、3、4、5、6、7又は8である)、
    Figure 2009502964
    (式中:
    2bがO又はN(R)であり;
    M12dが1、2、3、4、5、6、7又は8である)、
    Figure 2009502964
    (式中:
    2bがO又はN(R)である)、
    Figure 2009502964
    (式中:
    1aがO又はSであり;
    2aがO、N(R)又はSである)、
    Figure 2009502964
    (式中:
    1aがO又はSであり;
    2bがO又はN(R)であり;
    2cがO、N(R)又はSである)、
    Figure 2009502964
    (式中:
    1aがO又はSであり;
    2bがO又はN(R)であり;
    2dがO又はN(R)であり;
    M12dが1、2、3、4、5、6、7又は8である)、
    Figure 2009502964
    (式中:
    2bがO又はN(R)であり;
    M12dが1、2、3、4、5、6、7又は8である)、又は
    Figure 2009502964
    (式中:
    2bがO又はN(R)である)、
    請求項2に記載の結合体。
  28. が以下:
    Figure 2009502964
    の化学式であり、式中:
    各Rが独立してアルキルである、
    請求項3に記載の結合体。
  29. 以下:
    Figure 2009502964
    の化学式を有し、式中:
    DRUGがHIVを阻害する化合物であり;
    が独立してO、S、N(R)、N(O)(R)、N(OR)、N(O)(OR)、又はN(N(R)(R))であり;
    が独立して結合、O、N(R)、N(O)(R)、N(OR)、N(O)(OR)、N(N(R)(R))、−S(O)M2−、又は−S(O)M2−S(O)M2−であり;
    が独立してH、R、W、保護基、又は以下の化学式であり:
    Figure 2009502964
    が独立してH、W、R又は保護基であり;
    が独立してH、R又はRであって、各Rが独立して0〜3個のR基で置換され;
    がR3a、R3b、R3c又はR3dであるが、但し、Rがヘテロ原子に結合する場合、RがR3c又はR3dであることを条件とし;
    3aがF、Cl、Br、I、−CN、N、−NO、−OR又は−OR6aであり;
    3bがYであり;
    3cが−R、−N(R)(R)、−SR、−S(O)R、−S(O)、−S(O)(OR)、−S(O)(OR)、−OC(Y)R、−OC(Y)OR、−OC(Y)(N(R)(R))、−SC(Y)R、−SC(Y)OR、−SC(Y)(N(R)(R))、−N(R)C(Y)R、−N(R)C(Y)OR、又は−N(R)C(Y)(N(R)(R))であり;
    3dが−C(Y)R、−C(Y)OR、又は−C(Y)(N(R)(R))であり;
    が1〜18個の炭素原子のアルキル、2〜18個の炭素原子のアルケニル、又は2〜18個の炭素原子のアルキニルであり;
    がRであって、各Rが0〜3個のR基で置換され;
    がW又はWであり;
    がR、−C(Y)R、−C(Y)W、−SO、又は−SOであり;
    が炭素環又は複素環であって、Wが独立して0〜3個のR基で置換され;
    M2が1、2又は3であり;
    M1a、M1c及びM1dが独立して0又は1であり;
    M12cが0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12であり;
    nnが1、2、又は3であり;
    Lが直接結合又は連結基である、
    請求項2に記載の結合体又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
  30. 各Rが以下の化学式である:
    Figure 2009502964
    (式中:
    1aがO又はSであり;
    2cがO、N(R)又はSである)
    Figure 2009502964
    (式中:
    1aがO又はSであり;
    2dがO又はN(R)である)、又は
    Figure 2009502964
    請求項29に記載の結合体。
  31. 各Rが独立してH又は1〜10個の炭素のアルキルである、請求項30に記載の結合体。
  32. 各Rが以下:
    Figure 2009502964
    Figure 2009502964
    の化学式である、請求項29に記載の結合体。
  33. 各YがO又はSである、請求項29に記載の結合体。
  34. 各YがO、N(R)又はSである、請求項29に記載の結合体。
  35. nnが1、2又は3である、請求項29に記載の結合体。
  36. 各Lの分子量が約20ダルトン〜約400ダルトンである、請求項29に記載の結合体。
  37. 各Lの長さが約5オングストローム〜約300オングストロームである、請求項29に記載の結合体。
  38. 各Lが化学式Aの何れか1つの化合物と、前記ホスホン酸基のリンとを、約5オングストロームから約200オングストロームまでで分離する、請求項29に記載の結合体。
  39. 各Lが、2〜25個の炭素原子を有する、二価の分枝鎖又は非分枝鎖の、飽和又は不飽和の炭化水素鎖であり、該炭素原子の1個以上が場合により(−O−)で置換され、該鎖が場合により炭素上にて、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルカノイル、(C−C)アルカノイルオキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、(C−C)アルキルチオ、アジド、シアノ、ニトロ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ(=O)、カルボキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール及びヘテロアリールオキシから選択される、1個以上の置換基で置換される、請求項29に記載の結合体。
  40. 各Lが化学式W−Aであって、式中、Aが、(C−C24)アルキレン、(C−C24)アルケニレン、(C−C24)アルキニレン、(C−C)シクロアルキレン、(C−C10)アリール、又はそれらの組み合わせであり、式中、各Wが、−N(R)C(=O)−、−C(=O)N(R)−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−N(R)−、−C(=O)−、−N(R)C=N(R)−N(R)−、−C(R)=N(R)−、−S(O)M2−N(R)−、−N(R)−S(O)M2−、又は直接結合であり;式中、各Rが独立してH又は1〜10個の炭素原子のアルキルである、請求項29に記載の結合体。
  41. 各Aが1〜10個の炭素のアルキレンである、請求項40に記載の結合体。
  42. 各Lがペプチド又はアミノ酸から形成される二価ラジカルである、請求項29に記載の結合体。
  43. 各Lがポリ−L−グルタミン酸、ポリ−L−アスパラギン酸、ポリ−L−ヒスチジン、ポリ−L−オルニチン、ポリ−L−セリン、ポリ−L−スレオニン、ポリ−L−チロシン、ポリ−L−ロイシン、ポリ−L−リジン−L−フェニルアラニン、ポリ−L−リジン、又はポリ−L−リジン−L−チロシンから形成される二価ラジカルである、請求項29に記載の結合体。
  44. 各Lが、化学式W−(CHであり、式中、nが約1〜約10であり;Wが、−N(R)C(=O)−、−C(=O)N(R)−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−C(=O)−、−N(R)−、−N(R)C=N(R)−N(R)−、−C(R)=N(R)−、−S(O)M2−N(R)−、−N(R)−S(O)M2−、又は直接結合であり;式中、各Rが、独立してH又は(C−C)アルキルである、請求項29に記載の結合体。
  45. 各Lがメチレン、エチレン又はプロピレンである、請求項29に記載の結合体。
  46. 各LがLの炭素原子においてPと結合する、請求項29に記載の結合体。
  47. 単離又は精製されている、請求項2に記載の結合体。
  48. 本明細書に記載のHIV阻害剤結合体。
  49. 薬学的賦形剤及び請求項2に記載の結合体を含む、薬学的組成物。
  50. 請求項2に記載の結合体、及び薬学的賦形剤を含む、単位投薬形態。
  51. 哺乳動物におけるHIVを阻害する方法であって、請求項2に記載の化合物を該哺乳動物に投与することを含む、方法。
  52. 前記化合物が薬学的に許容される賦形剤で処方される、請求項51に記載の方法。
  53. 処方物が更に第二の活性成分を含む、請求項52に記載の方法。
  54. 医学的治療に使用するための、請求項2に記載の化合物。
  55. 動物におけるHIVを阻害するための医薬品を調製するための、請求項2に記載の結合体の使用。
  56. 本明細書に記載の化合物又は結合体を調製する方法。
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