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JP2009502931A - 体重減少を促すための組成物 - Google Patents

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Abstract

第1の化合物および第2の化合物を含む、体重減少を促すための組成物であって、第1の化合物が、6-β-ナルトレキソールのようなナルトレキソンの代謝物質またはナルトレキソン代謝物質のプロドラッグであり、第2の化合物が、メラノコルチン3受容体(MC3-R)および/またはメラノコルチン4受容体(MC4-R)のアゴニズムを高め、かつ/または中枢神経系におけるα-MSHの濃度を増加させる、組成物が開示される。また、体重減少を促し、エネルギー消費を増加させ、個人の満腹感を高め、個人の食欲を抑制する方法であって、それを必要とする個人を同定するステップと、6-β-ナルトレキソールのようなナルトレキソンの代謝物質またはナルトレキソン代謝物質のプロドラッグでオピオイド受容体活性をアンタゴナイズするようにその個人を治療するステップと、例えば、MC3-Rおよび/またはMC4-Rのアゴニズムを高め、かつ/または中枢神経系におけるα-MSHの濃度を増加させる第2の化合物の投与によって、アルファ-MSH活性を向上させるようにその個人を治療するステップとを含む方法が開示される。

Description

本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、2005年7月27日に出願された米国仮特許出願第60/702,877号の優先権を主張するものである。
本発明は、肥満を治療するための、かつ個人における体重減少を促すための医薬組成物および方法の分野に属する。
肥満は、体内の過剰の脂肪の蓄積によって特徴づけられる。肥満は、疾患の主たる原因の1つと認識され、世界的な問題となっている。高血圧症、非インシュリン依存真性糖尿病、動脈硬化、異脂肪血症、一定の形態の癌、睡眠時無呼吸および骨関節炎のような合併症の発生率の増加は、全体的な人口における肥満の発生率の増加と関連づけられてきた。
肥満は、体重指数(BMI)の観点で定義されてきた。BMIは、体重(kg)/[身長(m)]2で計算される。米国疾病予防管理センター(CDC)および世界保健機関(WHO)のガイドラインによれば、20歳以上の成人について、BMIは、以下の範疇のいずれかに当てはまる。18.5未満は体重不足と見なされ、18.5〜24.9は正常と見なされ、25.0〜29.9は過体重と見なされ、30.0以上は肥満と見なされる(世界保健機関、身体状態:身体計測の利用および解釈。Geneva、スイス:世界保健機関1995、WHO技術報告書シリーズ)。
1994年までは、肥満は、心理的問題と見なされていた。1994年における脂肪抑制ホルモンレプチンの発見は、一定の場合において、肥満には生化学的根拠があり得るという認識をもたらした(Zhangら、「Positional cloning of the mouse obese gene and its human homologue」Nature, 372:425〜432 頁(1994))。この認識により、肥満の治療を化学的手法によって達成できるという発想に至った。それ以来、いくつかの当該化学的治療が市場に参入した。これらの試みのうち最も有名なのが、フェンフルラミンとフェンテルミンの組合せであるFen-Phenの導入であった。残念なことに、フェンフルラミンは、場合によってはユーザを死亡させる心臓弁合併症を引き起こすことが発見された。フェンフルラミンは、それ以来市場から撤去された。特に精神的摂食障害の分野において、他の組合せ治療手法にいくらかの限られた成功があった。そのような例の1つは、フェンテルミンとフルオキセチンの組合せが過食摂食障害の治療にいくらかの効果を示したDevlinら、Int. J. Eating Disord. 28:325〜332頁 (2000)である。
医学的肥満の厳密な定義を満たす個人に加えて、成人人口の多くが過体重である。これらの過体重の個人、ならびに過体重または肥満のリスクを有する個人も有効な体重減少組成物の有用性の恩恵を受けるであろう。したがって、大きな副作用を生じることなく体重増加を防止し、かつ/または体重減少を促すことができる医薬組成物を提供する、まだ満たされていない必要性が当該技術分野に存在する。
米国仮特許出願第60/702,877号 米国特許公開第2004-0254208号 米国特許第4,089,855号 米国特許第6,713,488 世界保健機関、身体状態:身体計測の利用および解釈。Geneva、スイス:世界保健機関1995、WHO技術報告書シリーズ Zhangら、「Positional cloning of the mouse obese gene and its human homologue」Nature, 372:425〜432 頁(1994) Devlinら、Int. J. Eating Disord. 28:325〜332頁 (2000) Coneら、「The arcuate nucleus as a conduit for diverse signals relevant to energy homeostasis」、Int'I Journal of Obesity 25、Suppl 5、S63〜S67 (2001) Sagerら、「The need to feed: Homeostatic and hedonic control of eating」、Neuron、36:199〜211頁 (2002) Kornerら、「The emerging science of body weight regulation and its impact on obesity treatment」、J. Clin. Invest. 111(5):565〜570 (2003) 「Remington's Pharmaceutical Sciences」、Mack Publishing Co., Easton, PA、第18版、1990 Finglら、1975、「The Pharmacological Basis of Therapeutics」、第1章、1頁
一実施形態は、第1の化合物および第2の化合物を含む、体重減少を促し、エネルギー消費を増加させ、個人における満腹感を高め、かつ/または個人の食欲を抑制するための組成物であって、第1の化合物が、ナルトレキソンの代謝物質であり、第2の化合物が、メラノコルチン3受容体(MC3-R)および/またはメラノコルチン4受容体(MC4-R)のアゴニズムの増加を引き起こし、かつ/または中枢神経系におけるα-MSHの濃度を増加させる、組成物を提供する。ナルトレキソンの代謝物質は、ナルトレキソール(例えば6-β-ナルトレキソール)または式(II):
Figure 2009502931
の化合物であってもよい。
式(II)におけるR1およびR2の少なくとも一方は、PO3H基またはその塩、あるいは2から20個の炭素原子、好ましくは3から20個の炭素原子を含み、3-O-エステル誘導体、6-O-エステル誘導体、3-O,6-O-ジエステル誘導体、3-カルバメート誘導体、6-カルバメート誘導体、3,6-ジカルバメート誘導体、3-カーボネート誘導体、6-カーボネート誘導体または3,6-ジカーボネート誘導体を形成するように選択される有機基である。好ましくは、R1およびR2の一方またはいずれもがHでない。例えば、一実施形態において、R1およびR2の一方またはいずれもがHでなく、R1およびR2の少なくとも一方が
Figure 2009502931
から選択される基である。
他の実施形態は、体重減少を促し、エネルギー消費を増加させ、個人における満腹感を高め、かつ/または個人の食欲を抑制する方法であって、それを必要とする個人を同定するステップと、ナルトレキソンの代謝物質でオピオイド受容体活性をアンタゴナイズするようにその個人を治療するステップと、α-MSH活性を向上させるようにその個人を治療するステップとを含む方法を提供する。一実施形態において、個人の治療は、ナルトレキソン代謝物質である第1の化合物と、MC3-Rおよび/またはMC4-Rのアゴニズムを増加させ、かつ/または中枢神経系におけるα-MSHの濃度を増加させる第2の化合物とを投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、第1および第2の化合物は、例えばそれら2つの化合物の個別的な実質的に同時投与によって、または上記の組成物の投与によって、実質的に同時に投与される。他の実施形態において、それら2つの化合物は、いずれかの順序で順次投与される。ナルトレキソンの代謝物質は、ナルトレキソール(例えば6-β-ナルトレキソール)または式(II)の化合物であってもよい。
他の実施形態は、式II(R1およびR2の一方またはいずれもがHでなく、R1およびR2の少なくとも一方が
Figure 2009502931
から選択される)の新規の化合物を提供する。
他の実施形態は、体重減少を促し、エネルギー消費を増加させ、個人における満腹感を高め、かつ/または個人の食欲を抑制するための組成物であって、式(II)の化合物の有効量および医薬として許容し得る担体を含む組成物を提供する。好ましい実施形態において、式(II)の化合物は、ナルトレキソン代謝物質(例えば、ナルトレキソン代謝物質のプロドラッグ)である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物は、上記の新規の化合物である。いくつかの実施形態において、該組成物は、MC3-Rおよび/またはMC4-Rのアゴニズムを増加させ、かつ/または中枢神経系におけるα-MSHの濃度を増加させる第2の化合物をさらに含む。
他の実施形態は、体重減少を促し、エネルギー消費を増加させ、個人における満腹感を高め、かつ/または個人の食欲を抑制する方法であって、それを必要とする個人を同定するステップと、例えば、式(II)の化合物および上記の医薬として許容し得る担体を含む組成物を投与することによって、式IIの化合物の有効量を投与するステップとを含む方法を提供する。好ましい実施形態において、該方法は、例えば、式(II)の化合物、第2の化合物および上記の医薬として許容し得る担体を含む組成物を投与することによって、MC3-Rおよび/またはMC4-Rのアゴニズムを増加させ、かつ/または中枢神経系におけるα-MSHの濃度を増加させる第2の化合物を投与するステップをさらに含む。
本明細書に記載されているいくつかの実施形態において、第1の化合物は、6-β-ナルトレキソールおよび/またはナルトレキソン代謝物質(式IIの化合物等)のプロドラッグを含む。本明細書に開示されているいくつかの実施形態において、第1の化合物は、哺乳類におけるオピオイド受容体をアンタゴナイズすることができ、オピオイド受容体は、μ-オピオイド受容体、κ-オピオイド受容体およびδ-オピオイド受容体からなる群から選択される。
本明細書に記載されている実施形態のいくつかにおいて、第2の化合物は、選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)、セロトニン2Cアゴニストおよびセロトニン1Bアゴニストから選択される少なくとも1つの化合物である。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、フルオキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、パロキセチン、シタロプラム、エスシタロプラム、シブトラミン、デュロキセチンおよびベンラファキシンならびにその医薬として許容し得る塩およびプロドラッグから選択される少なくとも1つの化合物である。その他の実施形態において、第2の化合物は、スマトリプタン、アルモトリプタン、ナラトリプタン、フロバトリプタン、リザトリプタン、ゾミトリプタンおよびエリトリプタンから選択される。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、γ-アミノ酪酸(GABA)阻害薬、GABA受容体アンタゴニスト、GABAチャネルアンタゴニストおよび抗痙攣薬から選択される。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、ゾニサミド、トピラメート、ネムブタール、ロラゼパン、クロナゼパン、クロラゼパン、クロラゼペート、チアガビン、ガバペンチン、ホスフェニトイン、フェニトイン、カルバマゼピン、バルプロエート、フェルバメート、レベチラセタム、オキシカルバゼピン、ラモトリギン、メツキシミドおよびエトスキシミドから選択される。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、ドーパミンアゴニスト、ドーパミン再取込み阻害薬、ノルエピネフリン再取込み阻害薬、ノルエピネフリンリリーサーおよびノルエピネフリンアゴニストから選択される。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、カベルゴリン、アマンタジン、リスリド、ペルゴリド、ロピニロール、プラミペキソール、ブロモクリプチン、フェンテルミン、ブプロピオン、チオニソキセチン、レボキセチン、ジエチルプロピオン、フェンジメトラジンおよびベンズフェタミンからなる群から選択される。本明細書に記載されている実施形態のいずれかにおいて、第2の化合物は、ブプロピオンであり得る。
これらおよび他の実施形態を以下により詳細に説明する。
弓状核ニューロンは、レプチン、インシュリン、ゴナダールステロイドおよびグルコースを含む数多くのホルモンおよび栄養素に応答する。潜在的な輸送機構に加えて、周辺物質は、血液-脳関門を欠く室周辺器官であると考えられる領域である正中隆起内の弓状細胞体または当該隆起の突起を介してこれらのニューロンに接触できる(Coneら、「The arcuate nucleus as a conduit for diverse signals relevant to energy homeostasis」、Int'I Journal of Obesity 25、Suppl 5、S63〜S67 (2001))。
外因性レプチンを投与すると、レプチン受容体を担持する視床および脳幹細胞群におけるいくつかの異なるニューロンが活性化される。弓状核におけるレプチン応答性ニューロンは、核の内側部にニューロペプチドY(NPY)およびアゴニスト関連ペプチド(AgRP)を含むニューロンと、プロ-オピオメラノコルチン(POMC)、およびメラニン細胞刺激ホルモン(α-MSH)ならびにコカインおよびアンフェタミン関連転写酵素(CART)を含むその誘導体を含むニューロンとの両方を含む(Sagerら、「The need to feed: Homeostatic and hedonic control of eating」、Neuron、36:199〜211頁 (2002))。
弓状核におけるレプチン応答性POMCニューロンは、MC3-Rおよび/またはMC4-Rに対するα-MSHの作用により食欲低下および体重減少を引き起こすと考えられる。視床下部および辺縁系においてMC3-Rの発現レベルが最も高いのに対して、MC4-R mRNAは、実質的にすべての主要脳領域において発現する。MC4-Rの刺激に起因する代謝効果の一部は、食物摂取量の減少、およびチロトロピン放出ホルモンの刺激および交感神経系の活性化によるエネルギー消費の増加である。MC4-R遺伝子の誘導欠失は、肥満、過食症、インシュリン過剰血症およびエネルギー消費の低下をもたらす。MC3-Rの誘導欠失は、エネルギー消費の低下による脂肪症をもたらす(Kornerら、「The emerging science of body weight regulation and its impact on obesity treatment」、J. Clin. Invest. 111(5):565〜570 (2003))。したがって、中枢神経系(CNS)におけるα-MSHの濃度の増加は、MC3-Rおよび/またはMC4-Rの作用を向上させて、食欲を抑制すると考えられる。
POMCニューロンは、α-MSHを放出するとβ-エンドルフィンも放出する。β-エンドルフィンは、POMCニューロン上に見られるμ-オピオイド受容体(MOP-R)の外因性アゴニストである。MOP-Rを刺激すると、α-MSHの放出が減少する。これは、正常な生理的状態下でCNSにおけるα-MSHの濃度を制御する生体フィードバック機構である。したがって、オピオイドアンタゴニストによるMOP-Rの阻止は、そのフィードバック機構を破壊し、α-MSHの継続的排泄およびCNSの濃度の増加をもたらすことになる。
弓状核における第2のニューロン集団は、POMCニューロンを強く阻害する。これらのPOMC阻害ニューロンは、NPY、神経伝達物質γ-アミノ酪酸(GABA)およびAgRPを排泄する。NPYおよびGABAは、それぞれNPY Y1受容体およびGABA受容体を介してPOMCニューロンを阻害する。したがって、弓状核内において、NPYおよびGABAは、α-MSHを阻害するため、摂食の刺激物質である。レプチンは、POMCニューロン上にシナプス形成するNPY末端からのGABAの放出を阻害するのに対して、食欲促進ペプチドであるグレリンは、NPYニューロン上のグレリン受容体を刺激し、NPYおよびGABAのPOMC細胞への排泄を増加させ、それが今度はα-MSHの放出を阻害することが知られている。
AgRPは、MC4-Rにおけるα-MSHの相互作用のアンタゴニズムを通じてラットにおける食物摂取を刺激する。AgRP遺伝子の発現は、レプチンによって抑制される。
5-ヒドロキシトリプタミンまたは5-HTとしても知られるセロトニンは、POMCニューロンを活性化させて、α-MSHを排泄させる。しかし、セロトニンは、取り込まれ、単一のセロトニン分子が短期的効果を有するように、特定の輸送体による作用により除去される。選択的再取込み阻害薬(SSRI)は、セロトニンの取込みを防止し、CNSにおけるその濃度を増加させる。したがって、SSRIもα-MSHの排泄およびCNSにおけるその濃度を増加させる。
ドーパミンもPOMCニューロンの活性を向上させて、α-MSHを排泄させる。セロトニンと同様に、ドーパミンも取り込まれ、単一のドーパミン分子が短期的効果を有するように作用により除去される。ドーパミンの取込みを防止または低減するドーパミン再取込み阻害薬もα-MSHの排泄およびCNSにおけるその濃度を増加させることができる。
したがって、セロトニン再取込み阻害のような様々な機構を通じたα-MSHの排泄の増加は、本発明の方法および医薬組成物が、生化学的食欲抑制効果をもたらすために含むことのできる戦略の1つである。
いくつかの態様において、本発明は、体重減少の課題に対する多面的組合せ治療手法を提供する。それは、単一の分子、メッセンジャーまたは受容体を単に扱うだけでなく、摂食および満腹経路における多重点に作用する。本発明の態様は、α-MSHの放出を刺激し、その代謝を抑制し、そのMC3/4-Rにおける相互作用のアンタゴニズムを低減し、その放出を緩慢化または停止させるフィードバック機構を抑制することによってα-MSHに濃度を増加させることに向けられる。本発明の態様は、その構成要素がこれらの機能の1種または複数種を達成する医薬組成物を含む。本発明人は、本明細書に開示されている化合物の2種以上の組合せが、より迅速に、より持続的に体重減少を促す相乗効果をもたらすことを発見した。当業者は、本明細書に提示されている食欲抑制および/または体重減少のための機構の様々な説明を理解し、それらの開示内容は、動作理論に制限されない、本明細書に記載されている発明の範囲を制限するものでないことを認識するであろう。
体重減少を促進させるのを助けるのに有用なものとして様々な組合せが開示されてきた。例えば、肥満の治療のための組成物は、オピオイドアンタゴニスト、ならびに通常の生理的状態と比較して、MC3-RまたはMC4-Rのアゴニズムの増加を引き起こす化合物を含むことができる。その全体が参照により本明細書に組み込まれている2004年12月16日に公開された米国特許公開第2004-0254208号を参照されたい。
本発明人は、ナルトレキソンの代謝物質、例えば6-β-ナルトレキソールのような特定のオピオイドアンタゴニストが、アルファ-MSH活性を向上させる薬剤と併用されると特に有益な特性を有することができることを認識した。
したがって、一実施形態は、第1の化合物および第2の化合物を含む、肥満を治療するため、かつ/または体重減少を促すための組成物であって、第1の化合物が、ナルトレキソンの代謝物質、またはその医薬として許容し得る塩またはプロドラッグであり、第2の化合物が、アルファ-MSH活性を向上させる、組成物を提供する。同様に、ナルトレキソンの代謝物質を使用して体重減少を促進する方法も考えられる。いくつかの実施形態において、ナルトレキソンの代謝物質は、単独で、または体重減少を促進するための他の体重減少促進化合物を伴わずに投与される。他の実施形態において、ナルトレキソンの代謝物質は、ゾニサミドまたはトピラメートのような抗痙攣薬とともに投与される。
一定の実施形態において、ナルトレキソンの代謝物質は、6-β-ナルトレキソールである。6-β-ナルトレキソールの化学構造を以下の式(I)に示す。
Figure 2009502931
一定の実施形態において、第2の化合物は、POMCニューロンの活性を向上させて、MC3-Rおよび/またはMC4-Rにおけるアゴニストを強化する。
一定の実施形態において、ナルトレキソンの代謝物質は、哺乳類におけるμ-オピオイド受容体(MOP-R)をアンタゴナイズする。哺乳類は、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、サル、チンパンジーおよび類人猿のような霊長類およびヒトからなる群から選択され得る。
6-β-ナルトレキソールを合成するための方法が、米国特許第4,089,855号に記載されている。また、薬物依存症の治療における6-β-ナルトレキソールの試用についての記述を米国特許第6,713,488号に見いだすことができる。米国特許第4,089,855号および同第6,713,488号は、ともにその全体が参照により本明細書に組み込まれている。
「医薬として許容し得る塩」という用語は、それが投与される生体に対して著しい刺激を引き起こさず、化合物の生物活性および特性を損なわない製剤を指す。化合物を塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸およびサリチル酸等の酸と反応させることによって医薬としての塩を得ることができる。化合物を塩基と反応させて、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(ナトリウムまたはカリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウムまたはマグネシウム塩等)、有機塩基の塩(ジクロロヘキシルアミン、N-メチル-D-グルカミンおよび/またはトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン塩等)、またはアミノ酸の塩(アルギニンまたはリシン塩等)と反応させることによって医薬としての塩を得ることもできる。
「プロドラッグ」という用語は、インビボで親ドラッグに変換される薬剤を指す。プロドラッグは、状況によっては、親ドラッグより投与が容易であり得るため、しばしば有用である。それらは、例えば、親ドラッグより、経口投与による生物利用能が高いこともある。プロドラッグは、親ドラッグに比べて、医薬組成物への溶解性が向上し、または向上した味を示し、または処方が容易であり得る。プロドラッグの非限定的な例は、水溶性が移動性にとって有害である細胞膜での伝達を容易にするが、水溶性が有益である細胞内部に入ると、代謝により加水分解されて活性物質であるカルボン酸になるナルトレキソン代謝物質のエステルである。プロドラッグのさらなる例は、ペプチドが代謝されて活性成分を与える、酸基に結合された短鎖ペプチド(ポリアミノ酸)を含有するナルトレキソン代謝物質である。
本明細書において、ナルトレキソンの代謝物質を含有する組成物または当該ナルトレキソン代謝物質を使用する方法を指すものは、文脈がそうでないことを明確に示していない限り、それらの代謝物質のプロドラッグを含むことを当業者なら理解するであろう。例えば、一実施形態において、本明細書に記載されている方法および/または組成物に有用なナルトレキソン代謝物質は、一般式(II)のナルトレキソールプロドラッグである。
Figure 2009502931
式(II)において、R1およびR2の少なくとも一方は、PO3H基またはその塩、あるいは2から20個の炭素原子、好ましくは3から20個の炭素原子を含み、3-O-エステル誘導体;6-O-エステル誘導体;3-O,6-O-ジエステル誘導体;3-カルバメート誘導体;6-カルバメート誘導体;3,6-ジカルバメート誘導体;3-カーボネート誘導体;6-カーボネート誘導体または3,6-ジカーボネート誘導体を形成するように選択される有機基である。例えば、一実施形態において、R1およびR2の少なくとも一方は、
PO3H基またはその塩;
2から20個の炭素原子、好ましくは3から20個の炭素原子を含み、3-O-エステル誘導体、6-O-エステル誘導体または3-O,6-O-ジエステル誘導体を形成するように選択される有機基、および
2から20個の炭素原子を含み、3-カルバメート誘導体、6-カルバメート誘導体、3,6-ジカルバメート誘導体、3-カーボネート誘導体、6-カーボネート誘導体または3,6-ジカーボネート誘導体を形成するように選択される有機基から選択される。
本明細書において、ナルトレキソンの代謝物質含有または利用する組成物または方法を指すものは、一般式(II)の当該ナルトレキソールプロドラッグを含むことが理解されるであろう。
式(II)の3-O-エステル誘導体、6-O-エステル誘導体および3-O,6-O-ジエステル誘導体としては、モノおよびジメチルエステル、モノおよびジエチルエステル、モノおよびジプロピルエステル、モノおよびジイソプロピルエステル、モノおよびジジメチルアミノエチルエステル、モノおよびジ-tert-ブチルエステル、モノおよびジイソブチルエステル、場合によってアリールで置換されたモノおよびジフェニルエステル、およびジスクシニルエステルが挙げられる。フェニルエステルは、アリール環がハロ、C1〜6アルコキシおよびC1〜6アルキルのような1つまたは複数の置換基で場合によって置換されていてもよい。エステルは、混合エステル、例えば6-β-ナルトレキソールの3-O-メチル、6-O-エチルエステルであってもよい。一実施形態において、式(II)は、R1およびR2の一方またはいずれもがHでなく、R1およびR2の少なくとも一方が
Figure 2009502931
からなる群から選択される基であるナルトレキソール(6-β-ナルトレキソール)のエステルまたはジエステルプロドラッグを表す。
式(II)の3-カルバメート誘導体、6-カルバメート誘導体および3,6-ジカルバメート誘導体の例としては、モノおよびジメチルカルバメート、モノおよびジエチルカルバメート、モノおよびジプロピルカルバメート、モノおよびジイソプロピルカルバメート、モノおよびジ(ジメチルアミノ)エチルカルバメート、モノおよびジ-tert-ブチルカルバメート、モノおよびジイソブチルカルバメート、および場合によってアリールで置換されたモノおよびジフェニルカルバメートが挙げられる。フェニルカルバメートは、アリール環がハロ、C1〜6アルコキシおよびC1〜6アルキルのような1つまたは複数の置換基で場合によって置換されていてもよい。カルバメートは、混合カルバメート、例えば6-β-ナルトレキソールの3-メチル、6-エチルカルバメートであってもよい。一実施形態において、式(II)は、R1およびR2の一方またはいずれもがHでなく、R1およびR2の少なくとも一方が
Figure 2009502931
からなる群から選択される基であるナルトレキソールのカルバメートまたはジカルバメートプロドラッグを表す。
式(II)の3-カーボネート誘導体、6-カーボネート誘導体および3,6-ジカーボネート誘導体の例としては、モノおよびジメチルカーボネート、モノおよびジエチルカーボネート、モノおよびジプロピルカーボネート、モノおよびジイソプロピルカーボネート、モノおよびジ(ジメチルアミノ)エチルカーボネート、モノおよびジ-tert-ブチルカーボネート、モノおよびジイソブチルカーボネート、モノおよびジベンジルカーボネート、およびモノおよびジフェニルカーボネートが挙げられる。ベンジルおよびフェニルカーボネートは、アリール環がハロ、C1〜6アルコキシおよびC1〜6アルキルのような1つまたは複数の置換基で場合によって置換されていてもよい。カーボネートは、混合カーボネート、例えば6-β-ナルトレキソールの3-メチル、6-エチルカーボネートであってもよい。一実施形態において、式(II)は、R1およびR2の一方またはいずれもがHでなく、R1およびR2の少なくとも一方が
Figure 2009502931
からなる群から選択される基であるナルトレキソールのカーボネートまたはジカーボネートプロドラッグを表す。
ナルトレキソールを適切な誘導化剤と反応させることによって、式(II)のプロドラッグを製造することができる。当業者は、本明細書に提示されている説明に沿って、慣例の実験を用いて当該プロドラッグを製造することができるであろう。例えば、3-O-エステル誘導体、6-O-エステル誘導体および3-O,6-O-ジエステル誘導体を様々な方法で製造することができる。一実施形態において、6-β-ナルトレキソールを好適な溶媒(テトラヒドロフラン(THF)またはDMF)に溶解させ、1当量の塩基(例えばナトリウムメトキシドまたはリチウムジイソプロピルアミン)との反応によって脱プロトン化し、室温で撹拌しながら、または緩やかに加熱しながら、1当量の塩化2-ジメチルアミノアセチルまたは適切な酸無水物(例えば無水酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、コハク酸または安息香酸)のような適切なアシル化剤と反応させることによって、3-O-エステル誘導体を調製することができる。塩化メチレンと重炭酸ナトリウム水溶液を分割した後に、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮することによって処理を遂行して、所望の3-Oエステルを得ることができる。同様にして、6-O-エステル誘導体を調製することができる。一実施形態において、6-β-ナルトレキソールを好適な溶媒(塩化メチレンまたはジメチルホルムアミド(DMF))に溶解させ、それを適切な過剰量の塩化2-ジメチルアミノアセチルまたは適切な酸無水物(例えば例えば無水酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、コハク酸または安息香酸)と室温で撹拌しながら、または過剰の塩基(例えば4.5当量のトリエチルアミン)の存在下で緩やかに加熱しながら反応させることによって、3-O,6-O-ジエステル誘導体を調製することができる。重炭酸ナトリウム抽出を行った後に、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮することによって処理を遂行して、所望のエステルを得ることができる。
式(II)のジカルバメートプロドラッグも様々な方法で製造することができる。一実施形態において、6-β-ナルトレキソールを好適な溶媒(THFまたはDMF等)に溶解させ、わずかな過剰量(例えば1.1当量)の塩基(例えばリチウムジイソプロピルアミン)と0℃で反応させることにより脱プロトン化させ、撹拌しながらわずかな過剰量(例えば1.1当量)の適切なイソシアン酸塩(例えばイソシアン酸メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはフェニル)と反応させることによって、3-カルバメート誘導体を調製することができる。塩化メチレンと重炭酸ナトリウム水溶液を分割した後に、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮することによって処理を遂行して、所望の3-カルバメートを得ることができる。同様にして、対応する6-カルバメート誘導体を調製することができる。一実施形態において、6-β-ナルトレキソールを好適な溶媒(THFまたはDMF等)に溶解させ、1当量の塩基(例えばリチウムジイソプロピルアミン)と0℃で反応させることにより脱プロトン化させ、撹拌しながらわずかな過剰量(例えば1.1当量)の塩化ジメチルカルバモイルと反応させることによって、3-(ジメチルアミノ)エチルカルバメートを調製することができる。塩化メチレンと重炭酸ナトリウム水溶液を分割した後に、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮することによって処理を遂行して、所望の3-(ジメチルアミノ)エチルカルバメートを得ることができる。同様にして、対応する6-(ジメチルアミノ)エチルカルバメート誘導体を調製することができる。一実施形態において、6-β-ナルトレキソールを好適な溶媒(THFまたはDMF等)に溶解させ、過剰量の適切なイソシアン酸塩(例えば2.5当量のイソシアン酸メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはフェニル)と室温で撹拌しながら、または緩やかに加熱しながら反応させることによって、3,6-ジカルバメート誘導体を調製することができる。塩化メチレンと重炭酸ナトリウム水溶液を分割した後に、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮することによって処理を遂行して、所望の3,6-ジカルバメートを得ることができる。一実施形態において、6-β-ナルトレキソールを好適な溶媒(THFまたはDMF等)に溶解させ、0℃で撹拌しながら、過剰の塩基(例えば3当量トリエチルアミン)の存在下で過剰量(
例えば2.5等量)の塩化ジメチルカルバモイルと反応させることによって、カルバミン酸3,6-ジ-(ジメチルアミノ)エチルを調製することができる。塩化メチレンと重炭酸ナトリウム水溶液を分割した後に、塩化メチレン層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮することによって処理を遂行して、所望のカルバミン酸3,6-ジ-(ジメチルアミノ)エチルを得ることができる。
式(II)のジカーボネートプロドラッグも様々な方法で製造することができる。一実施形態において、6-β-ナルトレキソールを好適な溶媒(THFまたはDMF等)に溶解させ、わずかな過剰量の塩基(例えば、0℃で1.2当量のリチウムジイソプロピルアミン)で処理し、次いでわずかな過剰量の適切なクロロギ酸塩(例えば1.1当量のクロロギ酸メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはフェニル)と反応させることによって、3-カーボネート誘導体を調製することができる。塩化メチレンと重炭酸ナトリウム水溶液を分割した後に、塩化メチレン層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮することによって処理を遂行して、所望の3-カーボネートを得ることができる。同様にして、対応する6-カーボネートを調製することができる。一実施形態において、6-β-ナルトレキソールを好適な溶媒(THFまたはDMF等)に溶解させ、0℃で撹拌しながら、過剰の塩基(例えば4当量トリエチルアミン)の存在下で、過剰量の適切なクロロギ酸塩(例えば3当量のクロロギ酸メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはフェニル)と反応させることによって、3,6-ジカーボネート誘導体を調製することができる。塩化メチレンと重炭酸ナトリウム水溶液を分割した後に、塩化メチレン層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮することによって処理を遂行して、所望の3,6-ジカーボネートを得ることができる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている医薬組成物における第2の化合物は、α-MSHの放出を誘発する。第2の化合物は、視床下部における細胞外セロトニン濃度を増加させることができる。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)、セロトニン2Cアゴニストおよびセロトニン1Bアゴニストからなる群から選択される。さらなる実施形態において、第2の化合物は、例えば、フルオキセチン、フルボキサミン、セトラリン、パロキセチン、シタロプラム、エスシタロプラム、シブトラミン、デュロキセチンおよびベンラファキシン、ならびにその医薬として許容し得る塩またはプロドラッグからなる群から選択される。
「セロトニン1B受容体」、「セロトニン2C受容体」、「5-HT1b受容体」および「5-HT2c受容体」という用語は、齧歯類により広く見いだされる受容体を指す。他の哺乳類は、これらの受容体と機能および形態が類似しているセロトニン受容体を様々なニューロンに有することを当業者は理解している。これらの非齧歯類、好ましくはヒトのセロトニン受容体におけるアゴニストまたはアンタゴニストは、本発明の範囲に含まれる。
一定の実施形態において、第2の化合物は、AgRP遺伝子の発現、またはアグーチ関連タンパク質(AgRP)の生成または放出を抑制する。これらの実施形態のいくつかにおいて、第2の化合物は、AgRPを発現するニューロンの活性を抑制する。
他の実施形態において、第2の化合物は、NPY遺伝子の発現、または神経ペプチドY(NPY)の生成または放出を抑制する。これらの実施形態のいくつかにおいて、第2の化合物は、NPYを発現するニューロンの活性を抑制する。さらなる実施形態において、第2の化合物は、NPYアンタゴニスト、グレリンアンタゴニストおよびレプチンからなる群から選択される。一定の他の実施形態において、第2の化合物は、NPY Y2受容体をアンタゴナイズする。
本発明の他の実施形態は、第2の化合物が、γ-アミノ酪酸(GABA)阻害薬、GABA受容体アンタゴニストおよびGABAチャネルアンタゴニストからなる群から選択される実施形態を含む。「GABA阻害薬」とは、GABAのGABA受容体への結合を防止することによって、または当該結合の効果を最小限にすることによって、細胞におけるGABAの生成を低減する、細胞からのGABAの放出を低減する、または受容体に対するGABAの活性を低下させる化合物を意味する。GABA阻害薬は、5-HT1bアゴニスト、またはNPY/AgRP/GABAニューロンの活性を阻害する他の物質であってもよい。また、GABA阻害薬は、AgRP遺伝子の発現を抑制することができ、あるいはGABA阻害薬は、AgRPの生成または放出を抑制することができる。しかし、5-HT1bアゴニストは、GABA経路の阻害薬として作用することなくNPY/AgRP/GABAニューロンを阻害する(したがって、POMCニューロンを活性化させる)ことができる。
一定の他の実施形態において、GABA阻害薬は、POMC遺伝子の発現を増加させる。これらの実施形態のいくつかにおいて、GABA阻害薬は、プロ-オピオメラノコルチン(POMC)タンパク質の生成または放出を増加させる。これらの実施形態の一定の他の実施形態において、GABA阻害薬は、POMC発現ニューロンに対する活性を向上させる。いくつかの実施形態において、GABA阻害薬は、トピラメートである。
他の実施形態において、第2の化合物は、ドーパミン再取込み阻害薬である。フェンテルミンは、ドーパミン再取込み阻害薬の一例である。一定の他の実施形態において、第2の化合物は、ノルエピネフリン再取込み阻害薬である。ノルエピネフリン再取込み阻害薬の例としては、チオニソキセチンおよびレボキセチンが挙げられる。他の実施形態は、第2の化合物がドーパミンアゴニストである実施形態を含む。商業的に入手可能であるいくつかのドーパミンアゴニストとしては、カベルゴリン、アマンタジン、リスリド、ペルゴリド、ロピニロール、プラミペキソールおよびブロモクリプチンが挙げられる。さらなる実施形態において、第2の化合物は、ノルエピネフリンリリーサー、例えばジエチルプロピオン、または混合ドーパミン/ノルエピネフリン再取込み阻害薬、例えばブプロピオンおよびアトモキサチンである。
一定の他の実施形態において、第2の化合物は、スマトリプタン、アルモトリプタン、ナラトリプタン、フロバトリプタン、リザトリプタン、ゾミトリプタンおよびエリトリプタンのような5-HT1bアゴニストである。
さらなる実施形態において、第2の化合物は、抗痙攣薬である。抗痙攣薬をゾニサミド、トピラメート、ネムブタール、ロラゼパム、クロナゼパン、クロラゼペート、チアガビン、ガバペンチン、ホスフェニトイン、フェニトイン、カルバマゼピン、バルプロエート、フェルバメート、レベチラセタム、オキシカルバゼピン、ラモトリギン、メトスクシミドおよびエトスクシミドからなる群から選択することができる。
一定の実施形態において、第2の化合物そのものが2つ以上の化合物の組合せであるか、あるいは第2の化合物は、2つ以上の機能を有する単一の化合物であり得る。例えば、第2の化合物は、ドーパミン再取込み阻害薬とノルエピネフリン再取込み阻害薬、例えばブプロピオンとマジンドールの組合せであってもよい。あるいは、第2の化合物は、SSRIと、シブトラミン、ベンラファキシンおよびデュロキセチンのようなノルエピネフリン再取込み阻害薬との組合せであってもよい。
一定の実施形態において、第2の化合物は、POMCニューロンの活性化体である。POMC活性化体の例としては、Ptx1およびインターロイキン1ベータ(IL-1β)が挙げられる。
いくつかの実施形態において、第1の化合物は、6-β-ナルトレキソールまたは式(II)のプロドラッグであり、第2の化合物は、ブプロピオンである。
他の態様において、本発明は、体重減少を促す方法であって、それを必要とする個人を同定するステップと、オピオイド受容体活性をアンタゴナイズし、α-MSH活性を向上させるようにその個人を治療するステップとを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、オピオイド受容体活性は、ナルトレキソンの代謝物質、またはその医薬として許容し得る塩またはプロドラッグを投与することによってアンタゴナイズされる。いくつかの実施形態において、オピオイドアンタゴニストのその他の代謝物質が使用される。
いくつかの実施形態において、ナルトレキソンの代謝物質は、6-β-ナルトレキソールである。
一定の実施形態において、個人は、25を超える体重指数(BMI)を有する。他の実施形態において、個人は、30を超える体重指数(BMI)を有する。さらに他の実施形態において、個人は、40を超える体重指数(BMI)を有する。しかし、いくつかの実施形態において、個人は、25未満のBMIを有していてもよい。これらの実施形態において、それは、体重減少を促すことによって、BMIをさらに減少させる健康および美容目的に有益であり得る。
上記実施形態のいくつかにおいて、α-MSH活性は、第2の化合物を投与することによって向上され、該化合物は、α-MSHの放出を低減する、またはα-MSHを発現するニューロンの活性を向上させる。第1の化合物は、6-β-ナルトレキソールまたは式(II)のプロドラッグである。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、好ましくは、ブプロピオン、チオニソキセチン、アトモキセチンおよびレボキセチンからなる群から選択されるドーパミンまたはノルエピネフリン再取込み阻害薬である。一定の実施形態において、第2の化合物は、ブプロピオンである。
鬱病にかかっている個人は、鬱病の結果として体重を増加させ得る。また、鬱病にかかっている一定の個人は、鬱病治療の副作用として体重を増加させる。一定の実施形態において、上記の本発明の方法は、個人が鬱病にかかっていないという条件で実施される。いくつかの実施形態において、個人の過体重は、鬱病の治療によって引き起こされたものではなかった。
一定の抗鬱薬は、それを服用した個人の体重増加を引き起こす。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、抗鬱薬の投与に対応づけられる体重増加を防止することに向けられる。他の実施形態において、本発明の方法は、抗鬱治療の結果として体重を増加させた個人の体重減少を引き起こす。
いくつかの実施形態において、上記方法の治療ステップは、個人に第1の化合物および第2の化合物を投与するステップを含み、第1の化合物は、6-β-ナルトレキソールまたは式(II)のプロドラッグのようなナルトレキソンの代謝物質であり、第2の化合物は、α-MSH活性を向上させる。
いくつかの実施形態において、第1の化合物および第2の化合物は、実質的に同時に投与される。他の実施形態において、第1の化合物は、第2の化合物の前に投与される。さらに他の実施形態において、第1の化合物は、第2の化合物の後に投与される。他の実施形態において、該化合物の一方を投与しながら他方の化合物を投与する。
一定の実施形態において、第1の化合物および第2の化合物は、個々に投与される。他の実施形態において、第1の化合物および第2の化合物は、単一の化学物質を形成するように互いに共有結合している。次いで、単一の化学物質は、消化され、代謝されて2つの個別的な生理活性化学物質になり、その一方が第1の化合物であり、他方が第2の化合物である。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、化合物の以下の組合せから選択される。
SSRIと6-β-ナルトレキソールの組合せ;
セロトニンと6-β-ナルトレキソールの組合せ;
ドーパミン再取込み阻害薬と6-β-ナルトレキソールの組合せ;
ドーパミン/ノルエピネフリン再取込み阻害薬と6-β-ナルトレキソールの組合せ;
ドーパミンアゴニストと6-β-ナルトレキソールの組合せ;
式(II)の化合物とブプロピオンの組合せ。
ノルエピネフリンアゴニストの例としては、フェンジメトラジンおよびベンズフェタミンが挙げられる。アデノシン化合物の例としては、アデノシン、カフェイン、テオフィリン、テオブロミンおよびアミノフィリンのようなすべてのキサンチン誘導体が挙げられる。コリン作動性受容体アンタゴニストの一例は、ニコチンである。
他の態様において、本発明は、個人における安全性を向上させる方法であって、それを必要とする個人を同定するステップと、ナルトレキソンの代謝物質でオピオイド受容体活性をアンタゴナイズし、α-MSH活性を向上させるようにその個人を治療するステップとを含む方法を提供する。
いくつかの実施形態において、個人の治療は、該個人に第1の化合物および第2の化合物を投与するステップを含み、第1の化合物は、ナルトレキソンの代謝物質であり、第2の化合物は、α-MSH活性を向上させる。
いくつかの実施形態において、第1の化合物および第2の化合物は、実質的に同時に投与される。他の実施形態において、第1の化合物は、第2の化合物の前に投与される。さらに他の実施形態において、第1の化合物は、第2の化合物の後に投与される。
さらに他の態様において、本発明は、個人の食欲を抑制する方法であって、それを必要とする個人を同定するステップと、オピオイド受容体活性をアンタゴナイズし、α-MSH活性を向上させるようにその個人を治療するステップとを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、個人の治療は、該個人に第1の化合物および第2の化合物を投与するステップを含み、第1の化合物は、ナルトレキソンの代謝物質であり、第2の化合物は、α-MSH活性を向上させる。
いくつかの実施形態において、ナルトレキソンの代謝物質は、6-β-ナルトレキソールである。
他の態様において、本発明は、個人のエネルギー消費を増加させる方法であって、それを必要とする個人を同定するステップと、オピオイド受容体活性をアンタゴナイズし、α-MSH活性を向上させるようにその個人を治療するステップとを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、個人の治療は、該個人に第1の化合物および第2の化合物を投与するステップを含み、第1の化合物は、ナルトレキソンの代謝物質であり、第2の化合物は、α-MSH活性を向上させる。
本明細書に開示されている一定の実施形態において、体重減少を促すために個人は、2つ以上の化合物の組合せを含む医薬組成物が与えられる。これらの実施形態のいくつかにおいて、各化合物は、個別の化学物質である。しかし、他の実施形態において、それら2つの化合物は、それら2つの化合物が同一分子の個別の部分を形成するように、共有結合のような化学結合によって結合される。該化学結合は、体内に入った後に、結合が酵素作用、酸加水分解または塩基加水分解等によって破壊され、次いで2つの個別の化合物が形成されるように選択される。
したがって、他の態様において、本発明は、6-β-ナルトレキソールがフレキシブルなリンカによって選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)に結合される新規の分子への合成経路を提供する。
他の態様において、本発明は、ナルトレキソンの代謝物質と、上記の正常な生理的状態と比較してMC3-Rおよび/またはMC4-Rのアゴニズムを高める化合物との組合せを含む、あるいは本明細書に記載されている結合分子、および生理的に許容し得る担体、希釈剤もしくは賦形剤またはそれらの組合せを含む医薬組成物に関する。
「医薬組成物」という用語は、本発明の化合物と、希釈剤または担体のような他の化学成分との混合物を指す。医薬組成物は、化合物の生体への投与を容易にする。経口、注射、エアロゾル、非経口および局部投与を含むが、それらに限定されない、化合物を投与する多くの技術が存在する。例えば、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸およびサリチル酸のような無機または有機酸との反応によって、本明細書に記載されている化合物の誘導体を形成することによって医薬組成物を得ることもできる。
「担体」という用語は、細胞または組織への化合物の導入を容易にする化学化合物を指す。例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)は、生体の細胞または組織への多くの有機化合物の取込みを容易にするため、広く利用されている担体である。
「希釈剤」という用語は、対象の化合物を溶解させるとともに、化合物の生物活性形態を安定化させる、水に溶解した化学化合物を指す。当該技術分野では、緩衝液に溶解した塩が希釈剤として利用される。1つの広く使用されている緩衝液は、ヒトの血液の塩の状態に似ているという理由からリン酸緩衝生理食塩水である。緩衝塩は、低濃度で溶液のpHを制御することができるため、緩衝希釈剤は、化合物の生物活性を滅多に改質させない。
「生理的に許容し得る」という用語は、化合物の生物活性および特性を損なわない担体または希釈剤を規定する。
本明細書に記載されている医薬組成物をヒト患者にそのまま、あるいは組合せ治療のように他の活性成分と混合される、または好適な担体もしくは賦形剤と混合される医薬組成物で投与することができる。本出願の化合物の処方および投与のための技術を「Remington's Pharmaceutical Sciences」、Mack Publishing Co., Easton, PA、第18版、1990に見いだすことができる。
好適な投与経路としては、経口、直腸、経粘膜または腸投与;筋肉内、皮下、静脈内、随内注射ならびに心室内、腹腔内、鼻内または眼内注射を含む非経口送達を挙げることができる。
あるいは、化合物を全身的ではなく、例えば、しばしばデポー製剤または持続放出製剤で、腎臓または心臓部へ直接注射することにより局部的に投与することができる。また、薬物を誘導された薬物送達系、例えば、組織に特異的な抗体がコーティングされたリポソームで投与することができる。リポソームは、誘導され、器官に取り込まれることになる。
本発明の医薬組成物を、それ自体知られている方法、例えば従来の混合、溶解、造粒、糖剤製造、湿式粉砕、乳化、カプセル化、封入または錠剤化法によって製造することができる。
医薬として使用できる製剤への活性化合物の加工を容易にする賦形剤および補助剤を含む1つまたは複数の生理的に許容し得る担体を使用して、本明細書に記載されている医薬組成物を従来の方法で処方することができる。適正な処方は、選択される投与経路に依存する。良く知られている技術、担体および賦形剤のいずれかを当該技術分野において好適で、理解されているように、例えば上記Remington's Pharmaceutical Sciencesのように使用することができる。
注射については、本発明の薬剤を水溶液、好ましくはハンクス液、リンゲル液または生理食塩水緩衝液のような生理的に適合し得る緩衝液で処方することができる。経粘膜投与については、浸透されるバリヤに適した浸透剤を製剤に使用する。当該浸透剤は、当該技術分野で広く知られている。
経口投与については、活性化合物を当該技術分野で良く知られている医薬として許容し得る担体と組み合わせることによって該化合物を容易に処方することができる。当該担体は、本発明の化合物を、治療される患者による経口消化のための錠剤、丸剤、糖剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤および懸濁剤として処方することを可能にする。1つまたは複数の個体賦形剤を本発明の医薬組合せと混合し、得られた混合物を場合によって粉砕し、要望に応じて好適な補助剤を添加した後に顆粒の混合物を加工して、錠剤または糖剤コアを得ることによって、経口用途の医薬製剤を得ることができる。好適な賦形剤は、特に、乳糖、ショ糖、マンニトールまたはソルビトールを含む糖のような充填剤;例えばトウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル-セルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはポリビニルピロリドン(PVP)のようなセルロース製剤である。要望に応じて、架橋ポリビニルピロリドン、寒天またはアルギン酸、あるいはアルギン酸ナトリウム等のその塩のような崩壊剤を添加することができる。
糖剤コアには、好適なコーティングが施される。この目的のために、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタン、ラッカー液、および好適な有機溶媒または溶媒混合物を場合によって含むことができる濃縮糖溶液を使用することができる。識別のために、または活性化合物投与物の異なる組合せを特徴づけるために、染料または顔料を錠剤または糖剤コーティングに添加することができる。
経口で使用できる医薬製剤としては、ゼラチンで作られたプッシュフィットカプセル、ならびにゼラチンおよびグリセロールまたはソルビトールのような可塑剤で作られた軟質密封カプセルが挙げられる。プッシュフィットカプセルは、活性成分を乳糖のような充填剤、デンプンのようなバインダー、および/またはタルクまたはステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、および場合によって安定剤と混合された形で含むことができる。軟質カプセルでは、活性化合物を脂肪油、液体パラフィンまたは液体ポリエチレングリコールのような好適な液体に溶解または懸濁させることができる。また、安定剤を添加することができる。経口投与のためのすべての製剤は、当該投与に好適な投与量であるべきである。
頬側投与については、組成物は、従来の方法で処方された錠剤または菓子錠剤の形態をとることができる。
吸入による投与については、本発明に従って使用される化合物は、好適な推進剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の好適なガスを使用して、加圧パックまたは噴霧器からエアロゾルスプレーの形態で便利に送達される。加圧エアロゾルの場合は、計量された量を送達するための弁を設けることによって投与単位を測定することができる。化合物と乳糖またはデンプンのような好適な粉末基剤との粉末混合物を含む、例えば、吸入器または注入器に使用されるゼラチンのカプセルおよびカートリッジを処方することができる。
化合物を注射、例えばボーラス注射または連続注入による非経口投与のために処方することができる。注射用製剤を防腐剤が添加された単位剤形、例えばアンプルまたは多投与容器で提供することができる。組成物は、油性または水性媒体中の懸濁剤、液剤または乳剤のような形態をとることができ、懸濁剤、安定剤および/または分散剤のような製剤化剤を含むことができる。
非経口投与のための医薬製剤は、水溶性形態の活性化合物の水溶液を含む。また、活性化合物の懸濁剤を適切な油性注射懸濁剤として調製することができる。好適な親油性溶媒または媒体は、ゴマ油のような脂肪油、オレイン酸エチルまたはトリグリセリドのような合成脂肪酸エステルまたはリポソームを含む。水性注射懸濁剤は、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトールまたはデキストランの如き、懸濁剤の粘度を高める物質を含むことができる。場合によって、懸濁剤は、安定剤、または化合物の溶解性を向上させて、高濃度の溶液の調製を可能にする薬剤を含むこともできる。
あるいは、活性成分は、使用前に好適な媒体、例えば無菌パイロゲンフリー水で構成するための粉末形態であってもよい。
化合物を、例えば、ココアバターまたは他のグリセリドのような従来の坐薬基剤を含み坐薬または滞留浣腸のような直腸組成物に処方することもできる。
先述の製剤に加えて、化合物をデポー製剤として処方することもできる。当該長作用製剤を移植(例えば皮下または筋肉内)によって、または筋肉内注射によって投与することができる。したがって、例えば、化合物を(例えば、許容し得る油中の乳剤としての)好適なポリマーまたは疎水性材料またはイオン交換樹脂、あるいは例えば難溶性塩としての難溶性誘導体で処方することができる。
本発明の疎水性化合物のための医薬担体は、ベンジルアルコール、非極性界面活性剤、水溶性有機ポリマーおよび水相を含む共溶媒系である。使用される一般的な共溶媒は、無水エタノールに含めて構成された3%w/vのベンジルアルコール、8%w/vの非極性界面活性剤Polysorbate 80(商標)および65%w/vのポリエチレングリコール300の溶液であるVPD共溶媒系である。必然的に、共溶媒系の比率を、その溶解性および毒性を破壊しない範囲で、大きく変更してもよい。また、共溶媒構成要素の独自性を変更してもよい。例えば、PORYSORBATE 80(商標)の代わりに他の低毒性非極性界面活性剤を使用してもよく;ポリエチレングリコールのフラクションサイズを変更してもよく;ポリエチレングリコールの代わりに他の生体適合性ポリマー、例えばポリビニルピロリドンを使用してもよく;デキストロースの代わりに他の糖類または多糖類を使用してもよい。
あるいは、疎水性医薬化合物のための他の送達系を採用することができる。リポソームおよびエマルジョンは、疎水性薬物のための送達媒体または担体の良く知られた例である。通常はより強い毒性を犠牲にすることになるが、ジメチルスルホキシドのような一定の有機溶媒を採用することもできる。また、治療薬を含む固体疎水性ポリマーの半浸透マトリックスのような持続放出系を使用して化合物を送達することができる。様々な持続放出材料が確立されており、当業者に良く知られている。持続放出カプセルは、それらの化学的性質に応じて、数週間から100日間までの期間にわたって化合物を放出することができる。治療試薬の化学的性質および生物学的安定性に応じて、タンパク質安定化のためのさらなる戦略を採用することができる。
本発明の医薬組成物に使用される化合物の多くを医薬として適合し得る対イオンによる塩として提供することができる。塩化水素酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、コハク酸等を含むが、それらに限定されない多くの酸によって、医薬として適合し得る塩を形成することができる。塩は、対応する遊離酸または塩基形態より水性または他のプロトン性溶媒に溶解しやすい傾向がある。
本発明での使用に好適な医薬組成物としては、活性成分が、その意図する目的を達成するのに有効な量で含有された組成物が挙げられる。より具体的には、有効または治療有効量は、疾患の症状を予防、緩和または改善する、または治療されている対象の生存を延ばすのに有効な化合物の量を意味する。有効量の決定は、特に本明細書に提示されている詳細な開示内容に鑑みて、十分に当業者の能力の範囲内にある。
本発明の医薬組成物の厳密な処方、投与経路および投与量は、個々の医師が患者の状態に照らし合わせて選択することができる。例えば、Finglら、1975、「The Pharmacological Basis of Therapeutics」、第1章、1頁を参照されたい。典型的には、患者に投与される組成物の投与量範囲は、患者の体重1kg当たり約0.5から1000mg/kgであり得る。投与量は、患者の必要に応じて、単一投与量であってもよいし、1日間以上の過程に与えられる一連の2つ以上の投与量であってもよい。本開示に記載されている具体的な化合物のほぼすべてについて、少なくともある程度の状態を治療するためのヒト投与量が確立されたことに留意されたい。したがって、たいていの場合、本発明は、それらの同じ投与量、または確立されたヒト投与量の約0.1%から500%、より好ましくは約25%から250%の投与量を用いることになる。新たに発見された医薬化合物の場合のように、ヒト投与量が確立されていない場合は、好適なヒト投与量をED50またはID50値、あるいは動物における毒性試験および効能試験によって裏づけられた、インビトロまたはインビボ試験から導かれた他の適切な値から推断することができる。
厳密な投与量は、薬物毎に決定されるが、たいていの場合、投与量に関するいくつかの一般法則を作成することができる。成人患者の日投与量投薬計画は、例えば、本発明の医薬組成物、または遊離塩基として計算されたその医薬として許容可能な塩の各成分が0.1mgから500mg、好ましくは1mgから250mg、例えば5から200mgの経口投与量、あるいは0.01mgから100mg、好ましくは0.1mgから60mg、例えば1から40mgの各成分の静脈内、皮下または筋肉内投与量であってもよく、組成物が1日当たり1から4回投与されてもよい。あるいは、本発明の組成物を、好ましくは1日当たり400mgまでの各成分の投与量で、連続的な静脈内注入によって投与することができる。したがって、各成分の経口投与による全日投与量は、典型的には1から2000mgの範囲にあり、非経口投与による全日投与量は、典型的には0.1から400mgの範囲にある。好適には、該化合物は、連続的治療の期間にわたって、例えば、1週間以上にわたって、または数カ月間もしくは数年間にわたって投与されることになる。
いくつかの実施形態において、ナルトレキソン代謝物質(例えば、6-β-ナルトレキソール、2-ヒドロキシ-3-メトキシ-6-b-ナルトレキソールもしくは2-ヒドロキシ-3-メチル-ナルトレキソンまたはナルトレキソールプロドラッグ)の量は、最小限に抑えられるものの、対象の体重または食欲に有益な影響を与えることを可能にするのに十分な量で存在する。いくつかの実施形態において、ナルトレキソン代謝物質の量は、体重を減少させるのに有効な量であり、その量は、ナルトレキソン、またはそれ以外に使用され得るほかの非6-β-ナルトレキソールオピオイドアンタゴニストの量より少ない。いくつかの実施形態において、使用されるナルトレキソン代謝物質の量は、望ましくない副作用を誘発する量を超えない量である。いくつかの実施形態において、ナルトレキソン代謝物質は、ナルトレキソンに伴う副作用、例えばナルトレキソンの投与量が50〜100mgのときに生じる副作用を誘発しない量で投与される。いくつかの実施形態において、副作用としては、吐き気、頭痛、目眩、疲労、不眠、不安および眠気が挙げられる。
いくつかの実施形態において、投与される、または組成物に存在するナルトレキソン代謝物質の量は、50から800mgである。他の実施形態において、ナルトレキソン代謝物質の量は、1から50mg、例えば、1〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45および45〜50mgである。いくつかの実施形態において、使用されるナルトレキソン代謝物質の量は、有害な副作用を生じることなく使用できるナルトレキソンの量を超え、例えば、50mgを超える6-β-ナルトレキソールを使用することができる。例えば、いくつかの実施形態において、使用されるナルトレキソン代謝物質の量は、50mg、50〜100、100〜150、150〜200、200〜250、250〜300、300〜350または350〜400ミリグラム以上の6-β-ナルトレキソールである。いくつかの実施形態において、(ナルトレキソンの代わりに)ナルトレキソン代謝物質を利用することは、第1の化合物を患者に投与する方法または手段を調整できるという意味において有利である。例えば、ナルトレキソンそのものを使用すればより速い方法が必要とされ得る状況において、通常、化合物より長く有効にできる方法、例えば(静脈内投与に比べて)貼付剤送達を用いて、ナルトレキソン代謝物質を投与することができる。
変調効果または最小有効濃度(MEC)を維持するのに十分である活性成分の血漿値を与えるように投与量および間隔を個別に調整することができる。MECは、化合物毎に異なるが、インビトロデータから推定できる。MECを達成するのに必要な投与量は、個々の特性および投与経路に依存することになる。しかし、HPLCアッセイまたはバイオアッセイを用いて、血漿濃度を決定することができる。
MEC値を用いて投与間隔を決定することもできる。血漿値を時間の10〜90%、好ましくは30〜90%、最も好ましくは50〜90%にわたってMECより高く維持する投薬計画を用いて組成物を投与すべきである。
局部投与または選択的取込みの場合は、薬物の有効局部濃度を血漿濃度に関連づけることはできない。
投与される組成物の量は、勿論、治療されている対象、対象の体重、病気の重度、投与方法および処方医の判断に依存することになる。
組成物は、要望に応じて、活性成分を含む1つまたは複数の単位剤形を含むことができるパックまたはディスペンサデバイスで提供されてもよい。パックは、例えば、ブリスターパックのような金属またはプラスチック箔を含むことができる。パックまたはディスペンサに投与説明書を添えることができる。医薬品の製造、使用または販売を規制する政府機関によって規定された形態で容器に貼付される通知書であって、ヒトまたは獣医投与のための薬物の形態についての該機関による承認を反映する通知書をパックまたはディスペンサに添えることもできる。当該通知書は、処方薬または承認された製品の挿入に対して米国食品医薬品局が承認した標示であってもよい。適合し得る医薬担体で処方された本発明の化合物を含む組成物を調製し、適切な容器に仕込み、指定された状態の治療についてラベル標示することもできる。
本発明の主旨から逸脱することなく、多くの修正および様々な修正を加えることができることを当業者なら理解するであろう。したがって、本発明のそれらの形態は、例示にすぎず、本発明の範囲を限定することを意図するものでないことを明確に理解すべきである。
発明のいくつかの実施形態
本発明の実施形態のいくつかを以下に示す。
第1の実施形態において、本発明は、第1の化合物および第2の化合物を含む、体重減少を促すための組成物であって、前記第1の化合物は、ナルトレキソン代謝物質であり、前記第2の化合物は、1)通常の生理的状態と比較してMC3-Rおよび/またはMC4-Rのアゴニズムを高め、かつ/または2)アルファ-MSH活性を向上させる組成物に関する。第1の実施形態の好ましい実施形態において、第1の化合物は、6-β-ナルトレキソールである。
第2の実施形態において、本発明は、第1の化合物が、哺乳類におけるオピオイド受容体をアンタゴナイズする第1の実施形態の組成物に関する。
第3の実施形態において、本発明は、前記オピオイド受容体が、μ-オピオイド受容体(MOP-R)、κ-オピオイド受容体およびδ-オピオイド受容体から選択される第2の実施形態の組成物に関する。
第4の実施形態において、本発明は、前記第1の化合物が、哺乳類におけるμ-オピオイド受容体(MOP-R)をアンタゴナイズする第2の実施形態の組成物に関する。
第5の実施形態において、本発明は、前記第2の化合物が、α-メラニン細胞刺激ホルモン(α-MSH)の放出を誘発する第1の実施形態の組成物に関する。
第6の実施形態において、本発明は、前記第2の化合物が、視床下部における細胞外セロトニン濃度を増加させる第5の実施形態の組成物に関する。
第7の実施形態において、本発明は、前記第2の化合物が、選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)、セロトニン2Cアゴニストおよびセロトニン1Bアゴニストからなる群から選択される第6の実施形態の組成物に関する。
第8の実施形態において、本発明は、前記第2の化合物が、フルオキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、パロキセチン、シタロプラム、エスシタロプラム、シブトラミン、デュロキセチンおよびベンラファキシンならびにその医薬として許容し得る塩またはプロドラッグからなる群から選択される第7の実施形態の組成物に関する。
第9の実施形態において、本発明は、前記第2の化合物が、AgRP遺伝子の発現、またはアグーチ関連タンパク質(AgRP)の生成または放出を抑制する第1の実施形態の組成物に関する。
第10の実施形態において、本発明は、前記第2の化合物が、AgRPを発現するニューロンの活性を抑制する第1の実施形態の組成物に関する。
第11の実施形態において、本発明は、前記第2の化合物が、NPY遺伝子の発現、またはニューロペプチドY(NPY)の生成または放出を抑制する第1の実施形態の組成物に関する。
第12の実施形態において、本発明は、前記第2の化合物が、NPYを発現するニューロンの活性を抑制する第1の実施形態の組成物に関する。
第13の実施形態において、本発明は、前記第2の化合物が、NPY Y1受容体アンタゴニスト、グレリンアンタゴニストおよびレプチンからなる群から選択される第1の実施形態の組成物に関する。
第14の実施形態において、本発明は、前記第2の化合物が、NPY Y2受容体をアゴナイズする第1の実施形態の組成物に関する。
第15の実施形態において、本発明は、前記第2の化合物が、γ-アミノ酪酸(GABA)阻害薬、GABA受容体アンタゴニストおよびGABAチャネルアンタゴニストからなる群から選択される第1の実施形態の組成物に関する。
第16の実施形態において、本発明は、前記GABA阻害薬が、スマトリプタン、アルモトリプタン、ナラトリプタン、フロバトリプタン、リザトリプタン、ゾミトリプタンおよびエリトリプタンから選択できる5-HT1bアゴニストである第15の実施形態の組成物に関する。
第17の実施形態において、本発明は、前記GABA阻害薬が、AgRP遺伝子の発現を抑制する第15の実施形態の組成物に関する。
第18の実施形態において、本発明は、前記GABA阻害薬が、AgRPの生成または放出を抑制する第15の実施形態の組成物に関する。
第19の実施形態において、本発明は、前記GABA阻害薬が、POMC遺伝子の発現を増加させる第15の実施形態の組成物に関する。
第20の実施形態において、本発明は、前記GABA阻害薬は、プロ-オピオメラノコルチン(POMC)ニューロンからのα-MSHの生成または放出を増加させる第15の実施形態の組成物に関する。
第21の実施形態において、本発明は、前記GABA阻害薬が、POMC発現ニューロンの活性を向上させる第15の実施形態の組成物に関する。第21の実施形態の好ましい実施形態において、GABA阻害薬はトピラメートである。
第22の実施形態において、本発明は、前記第2の化合物が、ドーパミン再取込み阻害薬である第1の実施形態の組成物に関する。
第23の実施形態において、本発明は、前記ドーパミン再取込み阻害薬が、フェンテルミンである第22の実施形態の組成物に関する。
第24の実施形態において、本発明は、前記第2の化合物が、ノルエピネフリン再取込み阻害薬である第1の実施形態の組成物に関する。
第25の実施形態において、本発明は、前記ノルエピネフリン再取込み阻害薬が、ブプロピオン、チオニソキセチンおよびレボキセチンから選択される第24の実施形態の組成物に関する。
第26の実施形態において、本発明は、前記第2の化合物が、ドーパミンアゴニストである第1の実施形態の組成物に関する。
第27の実施形態において、本発明は、前記ドーパミンアゴニストが、カベルゴリン、アマンタジン、リスリド、ペルゴリド、ロピニロール、プラミペキソールおよびブロモクリプチンからなる群から選択される第26の実施形態の組成物に関する。
第28の実施形態において、本発明は、前記第2の化合物が、ノルエピネフリンリリーサーである第1の実施形態の組成物に関する。
第29の実施形態において、本発明は、前記ノルエピネフリンリリーサーが、ジエチルプロピオンである第28の実施形態の組成物に関する。
第30の実施形態において、本発明は、前記第2の化合物が、ドーパミン再取込み阻害薬とノルエピネフリン再取込み阻害薬の組合せである第1の実施形態の組成物に関する。
第31の実施形態において、本発明は、前記第2の化合物が、ブプロピオンおよびマジンドールから選択される第30の実施形態の組成物に関する。
第32の実施形態において、本発明は、前記第2の化合物が、SSRIとノルエピネフリン再取込み阻害薬の組合せである第1の実施形態の組成物に関する。
第33の実施形態において、本発明は、前記第2の化合物が、シブトラミン、ベンラファキシンおよびデュロキセチンから選択される第32の実施形態の組成物に関する。
第34の実施形態において、本発明は、前記第2の化合物が、フルオキセチンである第1の実施形態の組成物に関する。
第35の実施形態において、本発明は、ナルトレキソン代謝物質(例えば、6-β-ナルトレキソールまたは式(II)の化合物)が、限時放出製剤であるのに対して、フルオキセチンが、即時放出製剤である第34の実施形態の組成物に関する。
第36の実施形態において、本発明は、体重減少を促す方法であって、それを必要とする個人を同定するステップと、ナルトレキソン代謝物質の投与およびα-MSH活性の向上によりオピオイド受容体活性をアンタゴナイズするようにその個人を治療するステップとを含む方法に関する。第36の実施形態の好ましい実施形態において、ナルトレキソン代謝物質は、6-β-ナルトレキソールまたは式(II)の化合物である。
第37の実施形態において、本発明は、前記個人が、25を超える体重指数を有する第36の実施形態の方法に関する。
第38の実施形態において、本発明は、ペンタコジン、ブプレノルフィン、ナロルフィン、プロピラムおよびロフェキシジンからなる群から選択される部分的オピオイドアゴニストを投与するステップをさらに含む第36の実施形態の方法に関する。
第39の実施形態において、本発明は、化合物を投与することによってα-MSH活性を向上させ、前記化合物は、α-MSHの放出を誘発する、またはα-MSHを発現するニューロンの活性を向上させる第36の実施形態から第38の実施形態の方法に関する。
第40の実施形態において、本発明は、前記化合物が、選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)または特異的5-HT受容体アゴニストである第39の実施形態の方法に関する。
第41の実施形態において、本発明は、前記5-HT受容体が、5-HT1b受容体および5-HT2c受容体から選択される第40の実施形態の方法に関する。
第42の実施形態において、本発明は、前記SSRIが、前記第2の化合物が、フルオキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、パロキセチン、シタロプラム、エスシタロプラム、シブトラミン、デュロキセチンおよびベンラファキシンならびにその医薬として許容し得る塩またはプロドラッグからなる群から選択される第40の実施形態の方法に関する。
第43の実施形態において、本発明は、前記第2の化合物が、γ-アミノ酪酸(GABA)阻害剤である第39の実施形態の方法に関する。
第44の実施形態において、本発明は、前記GABA阻害薬が、5-HT1b受容体アゴニストである第43の実施形態の方法に関する。
第45の実施形態において、本発明は、前記GABA阻害薬が、AgRP遺伝子の発現を抑制する第43の実施形態の方法に関する。
第46の実施形態において、本発明は、前記GABA阻害薬が、AgRPの生成または放出を抑制する第43の実施形態の方法に関する。
第47の実施形態において、本発明は、前記5-HTアゴニストが、NPY/AgRP/GABAニューロンを阻害する第39の実施形態の方法に関する。
第48の実施形態において、本発明は、前記GABA阻害薬が、AgRPを発現するニューロンの活性を抑制する第43の実施形態の方法に関する。
第49の実施形態において、本発明は、前記GABA阻害薬が、トピラメートである第43の実施形態の方法に関する。
第50の実施形態において、本発明は、前記化合物が、ドーパミン再取込み阻害薬、ノルエピネフリン再取込み阻害薬、ドーパミンアゴニスト、ノルエピネフリンリリーサー、ドーパミン再取込み阻害薬とノルエピネフリン再取込み阻害薬の組合せおよびSSRIとノルエピネフリン再取込み阻害薬の組合せからなる群から選択される第39の実施形態の方法に関する。
第51の実施形態において、本発明は、前記化合物が、フェンテルミンでない第50の実施形態の方法に関する。
第52の実施形態において、本発明は、個人が、プラーダ-ヴィリ症候群にかかっていないことを条件とする第36の実施形態の方法に関する。
第53の実施形態において、本発明は、α-MSHが、フルオキセチンで刺激されないことを条件とする第36の実施形態の方法に関する。
第54の実施形態において、本発明は、前記治療ステップが、前記個人に第1の化合物および第2の化合物を投与するステップであって、前記第1の化合物が、オピオイドアンタゴニストであり、前記第2の化合物が、α-MSH活性を向上させる第36の実施形態の方法に関する。
第55の実施形態において、本発明は、前記第1の化合物および前記第2の化合物が、ほぼ同時に投与される第54の実施形態の方法に関する。
第56の実施形態において、本発明は、前記第1の化合物が、前記第2の化合物の前に投与される第55の実施形態の方法に関する。
第57の実施形態において、本発明は、前記第1の化合物が、前記第2の化合物の後に投与される第55の実施形態の方法に関する。
第58の実施形態において、本発明は、個人における安全性を向上させる方法であって、それを必要とする個人を同定するステップと、その個人を、オピオイド受容体活性をアンタゴナイズするナルトレキソン代謝物質を含む第1の化合物およびα-MSH活性を向上させる第2の化合物で治療するステップとを含を含む方法に関する。第58の実施形態の好ましい実施形態において、前記ナルトレキソン代謝物質は、6-β-ナルトレキソールである。第58の実施形態の他の好ましい実施形態において、前記ナルトレキソン代謝物質は、式(II)の化合物である。
第59の実施形態において、本発明は、前記第1の化合物および前記第2の化合物が、実質的に同時に投与される第58の実施形態の方法に関する。
第60の実施形態において、本発明は、前記第1の化合物が、前記第2の化合物の前に投与される第58の実施形態の方法に関する。
第61の実施形態において、本発明は、前記第1の化合物が、前記第2の化合物の後に投与される第58の実施形態の方法に関する。
第62の実施形態において、本発明は、個人のエネルギー消費を増加させる方法であって、それを必要とする個人を同定するステップと、オピオイド受容体活性をアンタゴナイズし、α-MSH活性を向上させるようにその個人を治療するステップとを含み、該個人の治療は、前記個人に第1の化合物および第2の化合物を投与する工程を含み、前記第1の化合物が、ナルトレキソン代謝物質であり、前記第2の化合物が、α-MSH活性を向上させる、方法に関する。第62の実施形態の好ましい実施形態において、ナルトレキソン代謝物質は、6-β-ナルトレキソールである。第62の実施形態の他の好ましい実施形態において、ナルトレキソン代謝物質は、式(II)の化合物である。
第63の実施形態において、本発明は、前記第1の化合物および前記第2の化合物が、ほぼ同時に投与される第62の実施形態の方法に関する。
第64の実施形態において、本発明は、前記第1の化合物が、前記第2の化合物の前に投与される第62の実施形態の方法に関する。
第65の実施形態において、本発明は、前記第1の化合物が、前記第2の化合物の後に投与される第62の実施形態の方法に関する。
第66の実施形態において、本発明は、個人の食欲を抑制する方法であって、それを必要とする個人を同定するステップと、オピオイド受容体活性をアンタゴナイズし、α-MSH活性を向上させるようにその個人を治療するステップとを含み、該個人の治療は、前記個人に第1の化合物および第2の化合物を投与する工程を含み、前記第1の化合物が、ナルトレキソン代謝物質であり、前記第2の化合物が、α-MSH活性を向上させる、方法に関する。第66の実施形態の好ましい実施形態において、ナルトレキソン代謝物質は、6-β-ナルトレキソールである。第66の実施形態の他の好ましい実施形態において、ナルトレキソン代謝物質は、式(II)の化合物である。
第67の実施形態において、本発明は、前記第1の化合物および前記第2の化合物が、ほぼ同時に投与される第66の実施形態の方法に関する。
第68の実施形態において、本発明は、前記第1の化合物が、前記第2の化合物の前に投与される第66の実施形態の方法に関する。
第69の実施形態において、本発明は、前記第1の化合物が、前記第2の化合物の後に投与される第66の実施形態の方法に関する。
第70の実施形態において、本発明は、個人の体重減少を促す方法であって、それを必要とする個人を同定するステップと、該個人がプラーダ-ヴィリ症候群または過食摂食障害にかかっていないという条件で、その個人をナルトレキソン代謝物質とSSRIの組合せで治療するステップとを含む方法に関する。第70の実施形態の好ましい実施形態において、ナルトレキソン代謝物質は、6-β-ナルトレキソールまたは式(II)の化合物であり、SSRIは、フルオキセチンである。
第71の実施形態において、本発明は、該個人が、30を超えるBMIを有する第70の実施形態の方法に関する。
第72の実施形態において、本発明は、該個人が、25を超えるBMIを有する第70の実施形態の方法に関する。
第73の実施形態において、本発明は、ナルトレキソン代謝物質(例えば、6-β-ナルトレキソールまたは式(II)の化合物)が、限時放出製剤であるのに対して、SSRI(例えばフルオキセチンが、即時放出製剤である第70の実施形態の組成物に関する。
第74の実施形態において、本発明は、ナルトレキソン代謝物質およびSSRIの両方が、同様の濃度プロファイルに従う第73の実施形態の方法に関する。
第75の実施形態において、本発明は、ナルトレキソン代謝物質およびSSRIが、ほぼ同時に投与される第73の実施形態の方法に関する。
第76の実施形態において、本発明は、ナルトレキソン代謝物質が、SSRIの前に投与される第73の実施形態の方法に関する。
第77の実施形態において、本発明は、ナルトレキソン代謝物質が、SSRIの後に投与される第73の実施形態の方法に関する。
第78の実施形態において、本発明は、ナルトレキソン代謝物質の量が、実質的に同量の体重減少を達成するのに投与されるべきナルトレキソンの量より少ない上記方法のいずれかに関する。
第79の実施形態において、本発明は、投与されるナルトレキソン代謝物質(例えば、6-β-ナルトレキソールまたは式(II)の化合物)の量が、50、45、40、35、30、25、20、15、10、5および1mgからなる群から選択される上記方法のいずれかに関する。
第80の実施形態において、本発明は、組成物におけるナルトレキソン代謝物質(例えば、6-β-ナルトレキソールまたは式(II)の化合物)の量が、特定の組成物による実質的に同量の体重減少を達成するのに投与されるべきナルトレキソンの量より少ない上記方法のいずれかに関する。
第81の実施形態において、本発明は、組成物におけるナルトレキソン代謝物質(例えば、6-β-ナルトレキソールまたは式(II)の化合物)の量が、50、45、40、35、30、25、20、15、10、5および1mgからなる群から選択される上記方法のいずれかに関する。
第82の実施形態において、本発明は、体重減少を促す方法であって、治療を必要とする患者または対象にナルトレキソンの代謝物質の有効量を投与するステップを含む方法に関する。好ましい実施形態において、ナルトレキソン代謝物質は、6-β-ナルトレキソールである。
第83の実施形態において、本発明は、ナルトレキソン代謝物質が、プロドラッグ、例えば式(II)の化合物である第1から第82の実施形態のいずれか1つの方法または組成物に関する。
第84の実施形態において、本発明は、6-β-ナルトレキソールがプロドラッグである第1から第83の実施形態のいずれか1つの方法または組成物に関する。
第85の実施形態において、本発明は、R1およびR2の少なくとも一方が、PO3H基またはその塩;2から20個の炭素原子、好ましくは3から20個の炭素原子を含み、3-O-エステル誘導体、6-O-エステル誘導体または3-O,6-O-ジエステル誘導体を形成するように選択される有機基;および2から20個の炭素原子、好ましくは3から20個の炭素原子を含み、3-カルバメート誘導体、6-カルバメート誘導体、3,6-ジカルバメート誘導体、3-カーボネート誘導体、6-カーボネート誘導体または3,6-ジカーボネート誘導体を形成するように選択される有機基から選択される式(II)の化合物に関する。
第86の実施形態において、本発明は、R1およびR2の一方またはいずれもがHでなく、R1およびR2の少なくとも一方が
Figure 2009502931
から選択される基である第85の実施形態の化合物に関する。
第87の実施形態において、本発明は、前記ナルトレキソン代謝物質が、第85または第86の実施形態の化合物である上記実施形態のいずれか1つの方法または組成物に関する。
第88の実施形態において、本発明は、疾患、状態を治療するための、または有益な成果を促すための、本明細書に開示されている化合物または組成物のいずれかを使用して医薬品を製造する方法であって、該疾患、有益な成果の状態は、肥満、体重減少を促す、エネルギー消費を増加させること、個人の満腹感を高めること、または個人の食欲を抑制することを含む方法に関する。
以下の実施例は、非限定的であり、本発明の様々な態様を代表するにすぎない。
(実施例1:6-β-ナルトレキソールとブプロピオンの組合せ)
25を超えるBMIを有する個人を同定する。各個人に20から50mgの6-β-ナルトレキソールを毎日服用するよう指示する。また、各個人にブプロピオンを服用するよう指示する。通常の成人投与量は、1日当たり300mgとし、毎日3回与えられる。投与は、1日当たり200mgの量から開始され、毎日100mgを2回与えられるものとする。臨床的応答に基づいて、この投与量を1日当たり300mgまで増やし、毎日100mgを3回与えるようにしてもよい。単一投与量は、150mgを超えないものとする。
それらの個人を一カ月間にわたって監視する。各個人が、6カ月毎に初期体重の10%の比率で体重を減少させるように、投与量を調整することを推奨する。しかし、各個人の体重減少率は、個人の特定のニーズに基づいて治療医が調整してもよい。
(実施例2:6-β-ナルトレキソールとの組合せ)
6グループを用いた多施設無作為盲検プラシーボ対照臨床試験において、以下の薬物の組合せを試験する。
グループ1:フルオキセチン60mg po QD+6-P-ナルトレキソール50mg po QD
グループ2:フルオキセチン60mg po QD+N-プラシーボpo QD
グループ3:ブプロピオン-SR150mg po BID+6-P-ナルトレキソール50mg po QD
グループ4:ブプロピオン-SR150mg po BID+N-プラシーボpo QD
グループ5:P-プラシーボpo BID+6-β-ナルトレキソール50mg po QD
グループ6:P-プラシーボpo BID+N-プラシーボpo QD
上記グループのいずれにおいても、フルオキセチンの投与量は、6mgから60mgの範囲、例えば6mg、10mg、12mg、18mg、20mg、24mg、30mg、36mg、40mg、42mg、45mg、48mg、54mgおよび60mgであってもよい。ブプロピオンは、30mgから300mgの範囲、例えば30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg、200mg、210mg、220mg、230mg、240mg、250mg、260mg、270mg、280mg、290mgおよび300mgの投与量で投与されてもよい。6-β-ナルトレキソールは、5mgから50mgの範囲、例えば5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mgおよび50mgの投与量で投与されてもよい。
この試験中は対象を外来患者として評価する。この試験におけるすべての対象は、食餌指示、それらの活性を向上させるための行動修正助言および指示、体重減少をもたらすために示される投薬計画を受け取る。対象は、無作為化されて、様々な組合せの試験薬物を受ける。
グループ5および6における対象は、組合せ治療の安全性に関するさらなるデータを提供する延長治療期間に向けて、16週間後に、フルオキセチン+6-β-ナルトレキソールまたはブプロピオンSR+6-β-ナルトレキソールによる治療に切り換えられる。
一次終点は、16週間における体重の基線からの百分率および絶対変化である。二次終点は、24、36および48週間における体重減少、少なくとも5%の体重減少および10%の体重減少(応答者分析)、肥満関連心臓血管リスク要因(全コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド、グルコースおよびインシュリン)および腰囲の変化を達成する対象の数および割合、ならびに安全性および耐性を含む。有害事象、実験室的パラメータ、生命徴候および不安・抑鬱(HAD)尺度を用いて、安全性および耐性を監視する。
(実施例3:体重減少における6-β-ナルトレキソール対ナルトレキソン)
25を超えるBMIを有する個人を同定する。個人を2つのグループに分ける。第1のグループに毎日1つの6-β-ナルトレキソールの50mg錠剤を服用するよう指示する。第2のグループに毎日1つのナルトレキソンの50mg錠剤を服用するよう指示する。
それらの個人を1カ月間にわたって監視する。各個人が、6カ月毎に初期体重の10%の比率で体重を減少させるように、投与量を調整することを推奨する。しかし、各個人の体重減少率は、個人の特定のニーズに基づいて治療医が調整してもよい。
初期投与量が有効でない場合は、いずれの投与量も1日当たり20mgだけ増やすことができるが、1日当たりの合計が80mgを超えないものとする。初期投与量が上記比率より高い体重減少率をもたらす場合は、いずれの投与量も減らすことができる。
これにより、6-β-ナルトレキソールは、ナルトレキソンより体重減少を促進するのに有効であり得ることを証明することができる。
(実施例4:許容し得る6-β-ナルトレキソールの投与量)
本実施例は、患者に投与する6-β-ナルトレキソールの安全な量の範囲を決定することを可能にする。患者にまず40mgのナルトレキソールを投与し、次いで一定期間調査して、望ましくない副作用があるかどうかを判断する。この期間に続いて、望ましくない副作用がない場合は、投与量を50、60、70mg等まで増やして、患者が受け入れることのできる6-β-ナルトレキソールの量を決定する。望ましくない副作用(例えば、高投与量のナルトレキソンにより示された副作用)についての調査に加えて、患者の体重を調査することもできる。特に、患者の体重の減少ならびに患者の食欲の低下を監視することができる。これにより、患者における6-β-ナルトレキソールの効果を調査することが可能になる。
これらの初期ラウンドに続いて、第2の化合物、例えば、アルファ-MSH活性を向上させる化合物を添加し、望ましくない副作用および調査されている対象の体重または食欲の減少について同様に滴定することができる。
別法として、6-β-ナルトレキソールの量を増加させる代わりに、その量を減少させながら滴定することによって、好ましい結果を得るのに必要な6-β-ナルトレキソールの最小量を得ることができる。
本明細書に開示されている実施形態の範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更を加えることができることを当業者なら理解するであろう。当該修正および変更は、添付の請求項に定められているように、本明細書に開示されている範囲内に含まれるものである。

Claims (36)

  1. 第1の化合物および第2の化合物を含む、体重減少を促すための組成物であって、
    前記第1の化合物が、6-β-ナルトレキソールおよび式(II):
    Figure 2009502931
    (式中、R1およびR2の少なくとも一方は、PO3H基またはその塩、あるいは2から20個の炭素原子を含み、3-O-エステル誘導体、6-O-エステル誘導体、3-O,6-O-ジエステル誘導体、3-カルバメート誘導体、6-カルバメート誘導体、3,6-ジカルバメート誘導体、3-カーボネート誘導体、6-カーボネート誘導体または3,6-ジカーボネート誘導体を形成するように選択される有機基である)
    の化合物からなる群から選択され、
    前記第2の化合物が、選択的セロトニン再取込み阻害薬、セロトニン2Cアゴニスト、セロトニン1Bアゴニスト、γ-アミノ酪酸(GABA)阻害薬、GABA受容体アンタゴニスト、GABAチャネルアンタゴニスト、抗痙攣薬、ドーパミンアゴニスト、ドーパミン再取込み阻害薬、ノルエピネフリン再取込み阻害薬、ノルエピネフリンリリーサーおよびノルエピネフリンアゴニストからなる群から選択される、組成物。
  2. 前記第2の化合物がブプロピオンである、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記第1の化合物が6-β-ナルトレキソールである、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記第1の化合物が、式(II):
    Figure 2009502931
    (式中、R1およびR2の少なくとも一方は、PO3H基またはその塩、あるいは2から20個の炭素原子を含み、3-O-エステル誘導体、6-O-エステル誘導体、3-O,6-O-ジエステル誘導体、3-カルバメート誘導体、6-カルバメート誘導体、3,6-ジカルバメート誘導体、3-カーボネート誘導体、6-カーボネート誘導体または3,6-ジカーボネート誘導体を形成するように選択される有機基である)
    の化合物である、請求項1に記載の組成物。
  5. R1およびR2の一方またはいずれもがHでなく、R1およびR2の少なくとも一方が
    Figure 2009502931
    から選択される基である、請求項4に記載の組成物。
  6. 前記第2の化合物が、フルオキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、パロキセチン、シタロプラム、エスシタロプラム、シブトラミン、デュロキセチン、ベンラファキシン、スマトリプタン、アルモトリプタン、ナラトリプタン、フロバトリプタン、リザトリプタン、ゾミトリプタン、エリトリプタン、ゾニサミド、トピラメート、ネムブタール、ロラゼパン、クロナゼパン、クロラゼペート、チアガビン、ガバペンチン、ホスフェニトイン、フェニトイン、カルバマゼピン、バルプロエート、フェルバメート、レベチラセタム、オキシカルバゼピン、ラモトリギン、メツキシミド、エトスキシミド、カベルゴリン、アマンタジン、リスリド、ペルゴリド、ロピニロール、プラミペキソール、ブロモクリプチン、フェンテルミン、ブプロピオン、チオニソキセチン、レボキセチン、ジエチルプロピオン、フェンジメトラジンおよびベンズフェタミン、ならびにその医薬として許容し得る塩またはプロドラッグから選択される、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記第2の化合物がブプロピオンである、請求項4に記載の組成物。
  8. 体重減少を促す方法であって、
    それを必要とする個人を同定するステップと、
    請求項1に記載の組成物の有効量を投与するステップと
    を含む方法。
  9. 第1の化合物が6-β-ナルトレキソールである、請求項8に記載の方法。
  10. 第2の化合物がブプロピオンである、請求項9に記載の方法。
  11. 式(II):
    Figure 2009502931
    (式中、R1およびR2の一方またはいずれもがHでなく、R1およびR2の少なくとも一方が
    Figure 2009502931
    から選択される基である)
    の化合物。
  12. 体重減少を促す方法であって、
    それを必要とする個人を同定するステップと、
    請求項11に記載の化合物の有効量を投与するステップと
    を含む方法。
  13. 選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)、セロトニン2Cアゴニスト、セロトニン1Bアゴニスト、γ-アミノ酪酸(GABA)阻害薬、GABA受容体アンタゴニスト、GABAチャネルアンタゴニスト、抗痙攣薬、ドーパミンアゴニスト、ドーパミン再取込み阻害薬、ノルエピネフリン再取込み阻害薬、ノルエピネフリンリリーサーおよびノルエピネフリンアゴニストからなる群から選択される第2の化合物の有効量を投与するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  14. 第2の化合物がブプロピオンである、請求項13に記載の方法。
  15. 請求項11に記載の化合物の有効量および医薬として許容し得る担体を含む、体重減少を促すための組成物。
  16. 選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)、セロトニン2Cアゴニスト、セロトニン1Bアゴニスト、γ-アミノ酪酸(GABA)阻害薬、GABA受容体アンタゴニスト、GABAチャネルアンタゴニスト、抗痙攣薬、ドーパミンアゴニスト、ドーパミン再取込み阻害薬、ノルエピネフリン再取込み阻害薬、ノルエピネフリンリリーサーおよびノルエピネフリンアゴニストからなる群から選択される第2の化合物の有効量をさらに含む、請求項15に記載の組成物。
  17. 第2の化合物がブプロピオンである、請求項16に記載の組成物。
  18. 体重減少を促す方法であって、
    それを必要とする個人を同定するステップと、
    請求項16に記載の組成物の有効量を投与するステップと
    を含む方法。
  19. 体重減少を促す方法であって、
    それを必要とする個人を同定するステップと、
    第1の化合物および第2の化合物の有効量を投与するステップと
    を含み、前記第1の化合物が、6-β-ナルトレキソールおよび式(II):
    Figure 2009502931
    (式中、R1およびR2の少なくとも一方は、PO3H基またはその塩、あるいは2から20個の炭素原子を含み、3-O-エステル誘導体、6-O-エステル誘導体、3-O,6-O-ジエステル誘導体、3-カルバメート誘導体、6-カルバメート誘導体、3,6-ジカルバメート誘導体、3-カーボネート誘導体、6-カーボネート誘導体または3,6-ジカーボネート誘導体を形成するように選択される有機基である)
    の化合物からなる群から選択され、
    前記第2の化合物が、選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)、セロトニン2Cアゴニスト、セロトニン1Bアゴニスト、γ-アミノ酪酸(GABA)阻害薬、GABA受容体アンタゴニスト、GABAチャネルアンタゴニスト、抗痙攣薬、ドーパミンアゴニスト、ドーパミン再取込み阻害薬、ノルエピネフリン再取込み阻害薬、ノルエピネフリンリリーサーおよびノルエピネフリンアゴニストからなる群から選択される、方法。
  20. 第1の化合物および第2の化合物が、実質的に同時に投与される、請求項19に記載の方法。
  21. 第1の化合物が、第2の化合物の前に投与される、請求項19に記載の方法。
  22. 第1の化合物が、第2の化合物の後に投与される、請求項19に記載の方法。
  23. 前記第1の化合物が6-β-ナルトレキソールである、請求項19に記載の方法。
  24. 前記第1の化合物が、式(II):
    Figure 2009502931
    (式中、R1およびR2の少なくとも一方は、PO3H基またはその塩、あるいは2から20個の炭素原子を含み、3-O-エステル誘導体、6-O-エステル誘導体、3-O,6-O-ジエステル誘導体、3-カルバメート誘導体、6-カルバメート誘導体、3,6-ジカルバメート誘導体、3-カーボネート誘導体、6-カーボネート誘導体または3,6-ジカーボネート誘導体を形成するように選択される有機基である)
    の化合物である、請求項19に記載の方法。
  25. 前記第2の化合物が、選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)、セロトニン2Cアゴニストおよびセロトニン1Bアゴニストからなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
  26. 前記第2の化合物が、フルオキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、パロキセチン、シタロプラム、エスシタロプラム、シブトラミン、デュロキセチンおよびベンラファキシンならびにその医薬として許容し得る塩およびプロドラッグからなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
  27. 前記第2の化合物が、スマトリプタン、アルモトリプタン、ナラトリプタン、フロバトリプタン、リザトリプタン、ゾミトリプタンおよびエリトリプタンからなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
  28. 前記第2の化合物が、γ-アミノ酪酸(GABA)阻害薬、GABA受容体アンタゴニスト、GABAチャネルアンタゴニストおよび抗痙攣薬からなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
  29. 前記第2の化合物が、ゾニサミド、トピラメート、ネムブタール、ロラゼパン、クロナゼパン、クロラゼペート、チアガビン、ガバペンチン、ホスフェニトイン、フェニトイン、カルバマゼピン、バルプロエート、フェルバメート、レベチラセタム、オキシカルバゼピン、ラモトリギン、メツキシミドおよびエトスキシミドからなる群から選択される、請求項28に記載の方法。
  30. 前記第2の化合物が、ドーパミンアゴニスト、ドーパミン再取込み阻害薬、ノルエピネフリン再取込み阻害薬、ノルエピネフリンリリーサーおよびノルエピネフリンアゴニストからなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
  31. 前記第2の化合物が、カベルゴリン、アマンタジン、リスリド、ペルゴリド、ロピニロール、プラミペキソール、ブロモクリプチン、フェンテルミン、ブプロピオン、チオニソキセチン、レボキセチン、ジエチルプロピオン、フェンジメトラジンおよびベンズフェタミンからなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
  32. 前記第2の化合物がブプロピオンである、請求項31に記載の方法。
  33. R1およびR2の一方またはいずれもがHでなく、R1およびR2の少なくとも一方が
    Figure 2009502931
    から選択される基である、請求項19に記載の方法。
  34. 前記第2の化合物がブプロピオンである、請求項33に記載の方法。
  35. 前記第1の化合物が、式(II):
    Figure 2009502931
    (式中、R1およびR2の少なくとも一方は、PO3H基またはその塩、あるいは2から20個の炭素原子を含み、3-O-エステル誘導体、6-O-エステル誘導体、3-O,6-O-ジエステル誘導体、3-カルバメート誘導体、6-カルバメート誘導体、3,6-ジカルバメート誘導体、3-カーボネート誘導体、6-カーボネート誘導体または3,6-ジカーボネート誘導体を形成するように選択される有機基である)
    の化合物である、請求項8に記載の方法。
  36. R1およびR2の一方またはいずれもがHでなく、R1およびR2の少なくとも一方が
    Figure 2009502931
    から選択される基である、請求項35に記載の方法。
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