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JP2009302566A - トランス型平衡不平衡変換装置を備えたプラズマ表面処理装置 - Google Patents

トランス型平衡不平衡変換装置を備えたプラズマ表面処理装置 Download PDF

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JP2009302566A JP2009214137A JP2009214137A JP2009302566A JP 2009302566 A JP2009302566 A JP 2009302566A JP 2009214137 A JP2009214137 A JP 2009214137A JP 2009214137 A JP2009214137 A JP 2009214137A JP 2009302566 A JP2009302566 A JP 2009302566A
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Abstract

【課題】
プラズマ表面処理装置では、特に高速製膜用プラズマCVD装置では、高周波電力を電極へ供給する際に、その電極以外の場所及び部材で消費される無駄な電力消費が多大となることに加えて、真空容器内の電力供給回路部品の温度の異常上昇を引き起こし、該電力供給回路部品の劣化及び焼損することによりプラズマCVD装置の稼働率の低下及び製造される製品の品質の低下を招くという問題の解決が求められている。
【解決手段】
真空容器の内部にトランス型平衡不平衡変換器を配置させ、該トランス型平衡不平衡変換器の温度が50℃〜150℃の範囲の任意の値に設定される温度制御装置が配置されることを特徴とする。また、該トランス型平衡不平衡変換器はトロイダルコアの巻き線として複数の同軸ケーブルが用いられることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、プラズマを利用して基板の表面に所定の処理を施す表面処理装置および表面処理方法に関する。本発明は、特に、高品質で高速製膜が必要とされる薄膜シリコン太陽電池及びTFT(薄膜トランジスタ)製造用のプラズマCVD装置及び方法に関する。
プラズマを用いて基板の表面に各種処理を施し、各種電子デバイスを製作することは、LSI(大規模集積回路)、LCD(液晶デイスプレー)用TFT(薄膜トランジスタ)、アモルファスシリコン太陽電池及び微結晶シリコン太陽電池などの分野において、既に実用化されている。
近年、プラズマ表面処理装置及びプラズマ表面処理方法に関する重要なニーズの一つとして、薄膜シリコン太陽電池製造への応用が増加しつつある。
この薄膜シリコン太陽電池分野においては、アモルファスシリコンと微結晶シリコンを組み合わせた集積化タンデム型薄膜太陽電池が注目され、その本格的普及を目指した実用化が急速に進んでいる。
集積化タンデム型薄膜シリコン太陽電池は、光透過性の基板(例えばガラス)に、透明電極層、非晶質シリコン光電変換ユニット層、短波長の光を反射し、長波長の光を透過させる機能を持たせた中間層、結晶質シリコン光電変換ユニット層及び裏面電極層を、順次積層することにより形成される。
上記非晶質シリコン光電変換ユニット層はp型半導体層、i型半導体層及びn型半導体層等で構成され、厚みはpin層全体で、約0.3μm程度である。
上記結晶質シリコン光電変換ユニット層は、p型微結晶半導体層、i型微結晶半導体層及びn型微結晶半導体層等で構成され、厚みはpin層全体で、約2.5〜5μmである。なお、i型微結晶半導体層の厚みは、約2〜4μmである。
この集積化タンデム型薄膜太陽電池と呼ばれる非晶質シリコンと結晶質シリコンを組み合わせた太陽電池を製造する生産ラインは、光電変換効率10〜13%級の高効率モジュールを製造可能であると期待されている。
しかしながら、上記集積化タンデム型薄膜太陽電池は光電変換効率の向上が容易に可能であるというメリットが有る反面、約2〜4μmの厚みが必要な結晶質シリコン光電変換ユニット層のi型微結晶半導体層の製造に多大の時間が必要である。そのため、i型微結晶半導体層の製造装置を複数設置することが必要となり、生産コストが増大するというデメリットがある。
近年、このデメリットの解消のため、i型微結晶半導体層の製膜速度の向上技術の開発、及び大面積で、高品質で、且つ、均一性良く製造可能なプラズマCVD装置の開発等が行われている。
また、最近、i型微結晶半導体層の製膜速度の向上に関する技術として、VHF(超高周波数帯域:30MHz〜300MHz)プラズマCVD装置を用いる方法が、製膜条件として、大量の水素で希釈されたシランガス(SiH4)を用い、高い圧力で、大電力を供給することにより、実現できるようになった。
しかしながら、高速性膜条件でプラズマ生成を行う場合、高周波電源の出力電力、即ち、HF領域の周波数(3MHz〜30MHz)あるいはVHF領域の周波数(30MHz〜300MHz)の高周波電力をプラズマ生成用の一対の電極へ供給する際に、該一対の電極以外の場所あるいは部材で電力の消費が発生する。その一対の電極以外の場所あるいは部材で電力の消費は多大の電力損失を被ると同時に、不必要な場所に不必要なプラズマを発生し、プラズマ制御の面で問題になっている。その一対の電極以外での電力消費が多大であることから、供給電力の無駄使いとなり、製品コスト増大の要因の一つになっている。
更に、上記一対の電極以外での電力の消費は、真空容器内の電力供給回路部品の温度の異常上昇を引き起こし、該電力供給回路部品の劣化及び焼損の原因になっている。
その結果、プラズマCVD装置の稼働率の低下及び製造される製品の品質の低下を招いている。
さらに、一般に生産現場で用いられている薄膜シリコン太陽電池及びTFT(薄膜トランジスタ)製造用のプラズマCVD装置では、その製膜室の配置の仕方がインライン型、マルチチャンバー型、あるいは並列型のいずれであっても、基板搬送装置等との兼ね合いから、プラズマ生成用の電力供給線路の配置に制約が生じることが多い。その結果、電力供給線路の構成部品の一つである同軸ケーブルの配線において、電力の伝搬方向を鋭角に変える必要が発生する。この場合、同軸ケーブル用のL字型コネコターが使用されるが、この場合は次の問題がある。
即ち、大気で使われるL字型コネコターの構造は、例えば、図9に示すように、芯線105と外部導体106と誘電体107からなる直線状の同軸ケーブル100と、芯線108と外部導体109と誘電体110からなる直線状の同軸ケーブル101とがL字型に屈曲する部分111で接続される構造を有する。該L字型屈曲部111の芯線の近傍は空隙になっている。それ故、屈曲部分での特性インピーダンスは、同軸ケーブルの直線部分と著しく異なる。また、同軸ケーブル内部を伝搬する電力の波の速度は、該同軸ケーブルに用いられている誘電体の特性(誘電率と透磁率)で決まるので、電力伝送路で電力をL字型に曲げる場合、光の伝搬路に置かれたプリズムと同様の原理に基づいて曲がるように、L字部の誘電体の特性(誘電率と透磁率)に分布を持たせ、例えばプリズム状の分布をもたせることにより電力伝播に無理が無いようにすることが必要である。しかしながら、同軸ケーブルの誘電体に例えばプリズム状の分布をもたせることは困難であるので、まだ、実現されていない。
また、上記大気で使われるL字型コネコターの屈曲部分の芯線の近傍を誘電体で充填する構造、例えば、図10に示すような真空用L字型コネコターの場合、その屈曲部分での特性インピーダンスは、同軸ケーブルの直線部分と著しく異なる。即ち、図10図示の芯線105と外部導体106と誘電体107からなる直線状の同軸ケーブルの部分100及び芯線108と外部導体109と誘電体110からなる直線状の同軸ケーブルの部分101の特性インピーダンスと屈曲部分111での特性インピーダンスは著しく異なる値になる。そして、電力伝播の形態で見ても、同軸ケーブル内部を伝播する電力の波の速度は、該同軸ケーブルに用いられている誘電体の特性(誘電率と透磁率)で決まるので、L字型に曲げる場合、光の伝搬路に置かれたプリズムと同様の原理に基づいて曲がるように、L字部の誘電体の特性(誘電率と透磁率)に分布を持たせ、例えばプリズム状の分布をもたせることにより電力伝搬に無理が無いようにすることが必要である。即ち、図10図示のL字型部分での 芯線の外側を伝播する電波112は速度大で伝播し、その内側を伝播する電波113は速度小で伝播させなければ無理が生じる。しかしながら、真空用同軸ケーブルにおいても、同軸ケーブルの誘電体に、例えばプリズム状の分布をもたせることは困難であるので、まだ、実現されていない。
即ち、図9及び図10で示されるような鋭角な屈曲部を有する同軸ケーブルを用いて電力を伝送する場合、その屈曲部においてインピーダンスの不連続的変化による強い電力反射が起こるとともに、芯線の内側と外側での電力伝播路の違いによる電気抵抗増大による多量のジュール熱が発生する。
したがって、上記プラズマCVD装置等のプラズマ表面処理装置の分野における問題には、一対の電極間以外の場所及び部材における電力消費に起因する真空容器内の電力供給回路部品の劣化及び焼損という問題と、真空容器内に設置される同軸ケーブルのL字型コネクタ部で発生する電力損失及び焼損という問題がある。
非特許文献1には、平行平板電極を用いたVHFプラズマCVDにより、集積化タンデム型薄膜太陽電池用の結晶質i層膜の高品質、高速製膜に関する技術が示されている。
即ち、実験条件として、平行平板電極のサイズ:直径10cm、原料ガス:高水素希釈SiH4、圧力:2〜4Torr(133〜532Pa)、基板温度:250℃、電源周波数:60MHz、投入電力:製膜速度1.7nm/sの場合、2.54W/cm2、2.5nm/sの場合、3.4W/cm2とすることにより、高品質の微結晶Siが得られることが示されている。
また、1.7〜2.5nm/sという高速製膜条件においても、周波数60MHzのVHFプラズマCVDを用いることにより、高品質の微結晶Siが得られることが示されている。
なお、投入電力が、製膜速度1.7nm/sの場合、2.54W/cm2、2.5nm/sの場合、3.4W/cm2であり、非常に大きい電力が必要であるということは、例えば、基板面積が110cmx140cm(15400cm2)の場合、単純に比例計算すれば、製膜速度1.7nm/sの場合は39.1KW、2.5nm/sの場合は52.4KWが必要であることを意味している。
他方、非特許文献2には、平行平板電極を用いたプラズマ生成における電力消費に関する研究結果が示されている。
即ち、直径30cmの真空容器に設置された平行平板電極(サイズ:直径15cm、電極間隔:5cm)に13.56MHzの電力を、インピーダンス整合器を介して投入して、N2プラズマの生成実験が行われ、投入された電力の消費量が測定されたことが示されている。
また、測定結果として、電源出力(300W)の約52%が平行平板電極間で消費され、残り48%はそれ以外の場所で消費(インピーダンス整合器12%、伝送回路24%、電極と真空容器内壁間などでの無効プラズマ生成12%)されることが示されている。
なお、上記のことは、平行平板電極を用いたRFプラズマCVD装置では、電源から投入された電力の中、目的とする電極間で消費されるのは約52%ということを意味している。
特許文献1には、真空容器内部での電力供給線路において、電力伝搬方向を鋭角に曲げられた屈曲部を有するセミリジッド型の同軸ケーブルが示されている。
また、特許文献1には、筒体と、前記筒体内に格納された放電用の電極と、前記電極に対向して設置される基板と、前記電極に対して前記基板と反対側に対向して設置される防着板と、前記筒体外部に設置される高周波電源から前記筒体内に電力を供給する給電ケーブルと前記電極とを電気的に接続する電極接続用コネクタとを具備し、前記給電ケーブルと前記電極接続用コネクタとの接続点を、前記防着板に対して前記電極と反対側に設置する真空プラズマ処理装置が示されている。
特許文献2には、真空容器内部での電力供給線路において、冷却用の熱媒体が流れる熱媒体供給管を有し、L字型の屈曲部を有する電力供給回路が示されている。
また、特許文献2には、出力側のインピーダンスを整合可能で、供給された第1電力を送電する第1整合器と、一端を前記第1整合器に接続され、前記第1電力の送電を媒介する第1給電伝送路と、前記第1給電伝送路の他端に接続され、前記第1電力を受電する放電電極と、前記放電電極に対向する対向電極とを具備し、前記第1給電伝送路の特性インピーダンスは20Ω以上300Ω以下である薄膜製造装置が示されている。
また、上記薄膜製造装置において、前記第1給電伝送路は、硬い管状の第1外部導体と、前記第1外部導体の内周面から離れて、前記第1外部導体の内部に管状に設けられた第1絶縁体と、前記第1絶縁体の内周面から離れて、前記第1絶縁体の内部に設けられた第1内部導体とを備え、前記第1外部導体と前記第1絶縁体との間隔、及び、前記第1絶縁体と前記第1外部導体との間隔は、いずれも0.1mm以上、1mm以下である薄膜製造装置が示されている。
特許文献3には、電力供給回路におけるインピーダンス整合器と電極上の給電点の間に平衡不平衡変換装置を設置する技術に関する装置及び方法が示されている。
即ち、特許文献3に記載の技術は、排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマ生成用の電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置から成る電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置に用いられる平衡伝送回路であって、2本の長さが略等しい同軸ケーブルの外部導体同士が少なくともそれぞれの両端部で短絡され、かつ、該2本の同軸ケーブルの一方の端部のそれぞれの芯線を入力部とし、他方の端部のそれぞれの芯線を出力部とするという構成を有することを特徴とする平衡伝送回路である。
また、特許文献3に記載の技術は、排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマ生成用の電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置から成る電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置に用いられる平衡伝送回路であって、2本の長さが略等しい同軸ケーブルの外部導体同士が少なくともそれぞれの両端部で他の導体により短絡され、かつ、該2本の同軸ケーブルの一方の端部のそれぞれの芯線を入力部とし、他方の端部のそれぞれの芯線を出力部とするという構成を有することを特徴とする平衡伝送回路である。
また、特許文献3に記載の技術は、排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する第1及び第2の電極からなる一対の電極と、該一対の電極の電力供給点と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置から成る電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段と、上記の構成を有する平衡伝送回路を具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記電力供給系から前記一対の電極へ電力を供給する電力供給回路の装置構成は、電力の流れの上流側から下流側に沿って、高周波電源、インピーダンス整合器、平衡不平衡変換装置、平衡伝送回路および電力供給点の順序に配置させることを特徴とするプラズマ表面処理装置である。
また、特許文献3には、従来の平行平板電極を用いたプラズマCVD装置及びラダー型電極を用いたプラズマCVD装置は、その装置に用いられている電極への給電部において、漏洩電流が発生し、異常放電あるいはアーキングが発生すること、及び一対の電極以外の場所でプラズマが発生し、均一な製膜が困難であることが指摘されている。
即ち、従来のプラズマCVD装置では、電力供給用の同軸ケーブルと電極との接続部は、互いに異なる構造の線路が接続された形になっており、その接続部では漏洩電流が発生する。なお、同軸ケーブルは内部導体(芯線)及び外部導体の内面を、それぞれ往路及び帰路とする伝送方式であり、一対の電極は2本の平行線路に相当する構造である。
特許文献4には、電力供給回路におけるインピーダンス整合器と電極上の給電点の間に平衡不平衡変換装置を設置する技術に関する装置及び方法が示されている。
特許文献4には、プラズマを利用して真空容器に配置される基板の表面を処理する表面処理装置において、前記真空容器内に対向配置された一対の電極と、前記一対の電極にそれぞれ電力を供給する同軸ケーブルと、前記一対の電極にそれぞれ設置されるとともに前記同軸ケーブルの芯線が接続されて、前記同軸ケーブルから電力が供給される給電点と、前記一対の電極の一方の電極に電力を供給する前記同軸ケーブルの外部導体と、他方の電極に電力を供給する前記同軸ケーブルの外部導体とを、それぞれの前記給電点近傍で連結する他の導体を有し、前記一対の電極に供給された前記電力の電圧の位相差が180°であることを特徴とする表面処理装置が記載されている。
また、特許文献4には、真空容器内に対向配置された一対の電極と、前記一対の電極にそれぞれ電力を供給する同軸ケーブルと、前記一対の電極にそれぞれ設置されるとともに前記同軸ケーブルの芯線が接続されて、前記同軸ケーブルから電力が供給される給電点と、前記一対の電極の一方の電極に電力を供給する前記同軸ケーブルの外部導体と、他方の電極に電力を供給する前記同軸ケーブルの外部導体とを、それぞれの前記給電点近傍で連結する他の導体を備えた表面処理装置を用いて、前記一対の電極の間に基板を配置し、プラズマを用いて、その基板の表面を処理する表面処理方法において、前記真空容器内を排気する工程と、前記真空容器内に放電ガスを供給する工程と、前記一対の電極の双方に電力を供給する工程と、を有し、前記一対の電極に供給された前記電力の電圧の位相差が180°であることを特徴とする表面処理方法が記載されている。
特開2006−206935(第3図、第6図) 特開2006−278777(第5図) 特許第3590955号(第1―8図、第15−17図) 特許第3810748号(第1―5図)
M.Kondo、M.Fukawa、L.Guo、A.Matsuda:High rate growth of microcrystalline silicon at low temperatures、Journal of Non−Crystalline Solids 266−269(2000)、84−89. J.A.Baggerman、R.J.Visser、and E.J.H.Collart:Power dissipation measurements in a low−pressure N2 radio−frequency discharge、J.Appl.Phys.、Vol.76、No.2、15 July 1994、738−746.
上述した2つの問題、即ち、HF領域の周波数(3MHz〜30MHz)あるいはVHF領域の周波数(30MHz〜300MHz)の高周波電力をプラズマ生成用の一対の電極へ供給する際に、その一対の電極以外の場所及び部材で消費される無駄な電力消費が多大となることに加えて、上記一対の電極以外での電力の消費は、真空容器内の電力供給回路部品の温度の異常上昇を引き起こし、該電力供給回路部品の劣化及び焼損の原因になることから、プラズマCVD装置の稼働率の低下及び製造される製品の品質の低下を招くという第1の問題と、上記HF領域の周波数(3MHz〜30MHz)あるいはVHF領域の周波数(30MHz〜300MHz)の高周波電力をプラズマ生成用の一対の電極へ供給する際に、同軸ケーブルの配線上でL字型コネクタを使用する場合は、該L字型コネクタ部分で発生する電力の反射とジュール熱発生による電力消費(電力損失)及び該L字型コネクタ部分の焼損発生という第2の問題がある。この第2の問題は、特に、薄膜シリコン太陽電池の分野においては、装置の稼働率低下を招く要因の一つとして、問題視される。
即ち、生産現場でのプラズマCVD装置使用において、該装置の操作上制御不能な電力の無駄使いが発生することにより製品製造コストの低減が困難であること、また、製膜に寄与しない無効電力の異常発生及び異常昇温に起因する電力供給回路の焼損あるいは劣化が原因である該装置の稼働率の低下が避けられないという問題の解決は重要課題である。
本発明では、上記2つの問題を解決できるアイデイアの創出とそれを実現可能な手段の創出を図ることを課題とする。
即ち、本発明は、プラズマ表面処理装置に用いられる電力供給回路での電力損失を抑制可能な技術を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段について、以下に説明するが、本発明者は従来技術の問題の原因がどこにあるのかに関し、鋭意検討してきた。その結果、次の事項が問題の根源であるということを見出した。即ち、次の問題を解決する手段創出が図れれば良いということを見出した。
(あ)高周波電源及び真空容器及び電極の接地に関する問題、特に、同軸ケーブルを用いた電力伝送で起こる漏洩電流に関する問題である。即ち、図11図示の高周波電源115、インピーダンス整合器117、真空容器120、非接地電極121、接地電極122、同軸ケーブル116、118及び、芯線119aと誘電体119bと外部導体119cから成る電流導入端子119を構成部材とするプラズマ表面処理装置において、電極121は、直流的にはアース130と絶縁されていたとしても、高周波的には接地の影響がある。問題であるのは、インピーダンス整合器117及び同軸ケーブルを介して供給される高周波電源115の出力は、例えば、接地線127、128、129の影響を強く受けることである。即ち、高周波電力伝送手段として、不平衡伝送線路である同軸ケーブル116、118が使われていることから、少なくとも、インピーダンス整合器117、同軸ケーブル118及び電流導入端子119は接地の影響を受ける。具体的には、インピーダンス整合器117の出力の電流は、同軸ケーブル118の芯線と、外部導体の内側と、外部導体の外側と、アース130を流れることになる。概念的には、図11図示の同軸ケーブル118の芯線と外部導体を流れる電流Iと、アース130を介して流れる電流Ixが有る。なお、電流Iは望ましい形態としては、差動型の電流あるいは平衡伝送方式の電流I(往路と帰路の電流の振幅が等しく、位相が180°異なる流れ方)と呼ばれるものである。他方、図11図示の電流Ixは、漏洩電流あるいは同相電流と呼ばれるものである。この漏洩電流Ixは電極121、122間以外に発生するプラズマ、例えば、図11図示の不必要なプラズマ124、125、126等を発生させる原因であり、問題の根源である。
(い)大気中及び真空容器中で用いられる同軸ケーブルを、鋭角に、例えばL字型に曲げた形で設置すると、図9、図10に示しているように、該同軸ケーブル中を伝播する電波がスムースに曲がらないので、L字型の屈曲部では電力の大損失が起こるという問題がある。この問題は、光学分野で用いられるプリズムと同様な、波動伝播の本質的性質を考慮したアイデイアを創出しない限り、別の手段を選択せざるを得ないという問題がある。
したがって、上記(あ)、(い)の問題解決の手段を創出することが重要である。
上記目的を達成するために、本発明は以下に示す手段を提供する。
本願に係わる第1の発明のプラズマ表面処理装置、排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記平衡不平衡変換装置としてトランス型平衡不平衡変換器を配置したことを特徴とする。
本願に係わる第2の発明のプラズマ表面処理装置は、排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記電力供給系の装置構成が、電力の流れの上流側から下流側に沿って、高周波電源、インピーダンス整合器、トランス型平衡不平衡変換器及び非接地の2つの導体を電力線路とする電流導入端子の順序に配置されることを特徴とする。
本願に係わる第3の発明のプラズマ表面処理装置は、排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記平衡不平衡変換装置として、巻き線に同軸ケーブルが用いられるトランス型平衡不平衡変換器を有すること特徴とする。
本願に係わる第4の発明のプラズマ表面処理装置は、排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記真空容器内部での電力伝送路の屈曲部分にトランス型平衡不平衡変換器を配置させることを特徴とする。
本願に係わる第5の発明のプラズマ表面処理装置は、排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記平衡不平衡変換装置として、1個のトロイダルコアと、該トロイダルコアに巻かれる巻き線に複数の同軸ケーブルが用いられ、それらが並列に接続されているトランス型平衡不平衡変換器が配置されることを特徴とする。
本願に係わる第6の発明のプラズマ表面処理装置は、排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記平衡不平衡変換装置として、1個のトロイダルコアと1本の同軸ケーブルから成るトランス型平衡不平衡変換器を複数個配置し、該複数個のトランス型平衡不平衡変換器を並列に接続するということを特徴とする。
本願に係わる第7の発明のプラズマ表面処理装置は、上記本願に係わる第1〜第4のプラズマ表面処理装置のいずれかにおいて、前記トランス型平衡不平衡変換器の構成部材の巻線の巻始め部分の線路の方向とその巻終わり部分の線路の方向が互いに略直交関係にあるという構造を有することを特徴とする。
本願に係わる第8の発明のプラズマ表面処理装置は、上記本願に係わる第5あるいは第6のプラズマ表面処理装置において、前記トランス型平衡不平衡変換器の構成部材の同軸ケーブルの巻始め部分の芯線の方向とその巻終わり部分の芯線の方向が互いに略直交関係にあるという構造を有することを特徴とする。
本願に係わる第9の発明のプラズマ表面処理装置は、上記本願に係わる第1〜第8のプラズマ表面処理装置のいずれかにおいて、前記トランス型平衡不平衡変換器の温度が50℃〜150℃の範囲の任意の値に設定される温度制御装置が配置されることを特徴とする。
本願に係わる第10の発明のプラズマ表面処理装置は、上記本願に係わる第1〜第9のプラズマ表面処理装置のいずれかにおいて、前記トランス型平衡不平衡変換器が前記真空容器の内部に配置されるということを特徴とする。
本願に係わる第11の発明のプラズマ表面処理装置は、排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記電力供給系の装置構成が、電力の流れの上流側から下流側に沿って、高周波電源、平衡型インピーダンス整合器、トランス型平衡不平衡変換器及び平衡型電流導入端子の順序に配置されることを特徴とする。
本発明によれば、本発明が解決しようとする課題である前記2つの問題、即ち、第1に、HF領域の周波数(3MHz〜30MHz)あるいはVHF領域の周波数(30MHz〜300MHz)の高周波電力をプラズマ生成用の一対の電極へ供給する際に、その一対の電極以外の場所及び部材で消費される無駄な電力消費が多大となることに加えて、上記一対の電極以外での電力の消費は、真空容器内の電力供給回路部品の温度の異常上昇を引き起こし、該電力供給回路部品の劣化及び焼損の原因になることから、プラズマCVD装置の稼働率の低下及び製造される製品の品質の低下を招くという問題と、第2に、HF領域の周波数(3MHz〜30MHz)あるいはVHF領域の周波数(30MHz〜300MHz)の高周波電力をプラズマ生成用の一対の電極へ供給する際に、同軸ケーブルの配線上でL字型コネクタを使用する場合は、該L字型コネクタ部分で発生する電力の反射とジュール熱発生による電力の消費(電力損失)及び該L字型コネクタ部分の焼損発生という問題を、すべて解決可能である。
即ち、生産現場でのプラズマCVD装置使用において、該装置の操作上制御不能な電力の無駄使いが発生することにより製品製造コストの低減が困難であること、また、製膜に寄与しない無効電力の異常発生及び異常昇温に起因する電力供給回路の焼損あるいは劣化が原因である該装置の稼働率の低下が避けられないという問題が効果的に解決できる。
即ち、高品質膜を高速で処理可能なHFプラズマ及びVHFプラズマの応用分野において、無駄な電力消費を抑制することが可能であることに加えて、異常放電及び電力伝送部材の焼損及び故障による製造される製品の性能品質の低下及び装置稼働率低下を大幅に改善可能である。
したがって、本発明は、例えば、集積化タンデム型薄膜太陽電池モジュールの製造及び微結晶シリコン膜を応用した各種デバイスの製造等の分野における生産ラインに用いられることにより、稼働率向上による生産性増大及び歩留まりの向上による製造コストの低減効果が著しく大きい。また、無効放電プラズマの抑制により、製品性能向上の効果は著しく大きい。また、電力使用の最小限化が図れることによる製造コストの低減効果が期待される。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同様の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
なお、以下の説明では、プラズマ表面処理装置及びプラズマ表面処理法の一例として、太陽電池用のアモルファスシリコン半導体層を製作するプラズマCVD装置及び方法が記載されているが、本願の発明対象が下記の例に限定されるものではない。
(実施例1)
本発明の第1の実施形態に係わるトランス型平衡不平衡変換装置を備えたプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)及びプラズマ表面処理方法(プラズマCVD法)について、図1ないし図4を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係わるトランス型平衡不平衡変換装置を備えたプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)の全体を示す概略図、図2は本発明の第1の実施形態に係わる第1のトランス型平衡不平衡変換装置の全体を示す概略図、図3は図2図示の第1のトランス型平衡不平衡変換装置の構成部材である第1の平衡不平衡変換器の構造に関する説明図、図4は図2図示の第1のトランス型平衡不平衡変換装置の基本的電気回路に関する説明図、図5は、第1のトランス型平衡不平衡変換装置の電気回路に関する説明図である。
先ず、本発明の第1の実施形態に係わるトランス型平衡不平衡変換装置を備えたプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)の構成を説明する。
図1〜図5において、符番1は真空容器である。この真空容器1には、後述の放電ガス混合箱6、後述の放電ガスをプラズマ化する一対の電極2、3、即ち、非接地電極2と、図示しない基板ヒータを内蔵した接地電極3と、後述の第1のトランス型平衡不平衡変換装置4が配置されている。
該非接地電極2は、絶縁物支持材5a、5b及び放電ガス混合箱6を介して真空容器1に設置されている。該接地電極3は、後述の基板の温度を調整するための基板ヒータを内蔵しており、該基板の温度を100℃〜350℃の範囲で任意の値に設定できる。
放電ガス混合箱6は、整流板7とガス供給管8と非接地電極2とを組み合わせて用いられ、ガス噴出孔9から放電ガスを一対の電極2、3間に一様に噴出する。なお、ガス噴出孔9の直径は、約0.2〜1.5mm、例えば0.8mmである。
符番10a、10bは、排気管で、真空容器1内のガスを図示しない真空ポンプで排出する。
符番11はプラズマ処理される基板である。基板11は、図示しないゲートバルブの開閉操作により、接地電極3上に設置される。そして、図示しない基板ヒータにより所定の温度に加熱、維持される。
真空容器1内の圧力は、図示しない圧力計によりモニターされ、図示しない圧力調整弁により自動的に所定の値に調整、設定される。なお、本実施例の場合は、放電ガスが流量200sccm〜1、500sccm程度の場合、圧力0.01Torr〜10Torr(1.33Pa〜1、330Pa)程度に調整できる。真空容器1の真空到達圧力は2〜3E−7Torr(2.66〜3.99E−5Pa)程度である。
符番25は高周波発信器で、周波数10MHz〜30MHz(HF帯域)あるいは30MHz〜300MHz(VHF帯域)の正弦波信号、例えば60MHzの正弦波信号を発生する。
符番26は電力増幅器で、上流側の高周波発信器25の出力を電力増幅する。例えば、その出力は0.5〜10KWの範囲で、任意の大きさの電力を調整し、出力する。その出力は同軸ケーブルで後述のインピーダンス整合器27に伝送される。なお、電力増幅器26には図示しない進行波及び反射波の電力値モニターが付属しており、該電力増幅器26から出力される電力の進行波と反射波の電力の値を知ることができる。
符番27はインピーダンス整合器で上流側の電力増幅器26の出力インピーダンスと下流側の負荷のインピーダンスを整合させる。なお、電極2、3間のインピーダンスは、電極の構造及び放電ガスの種類、圧力等に依存するが、不明な点が多い。インピーダンス整合器27の出力は、同軸ケーブル28と、後述の第1の平衡不平衡変換装置4と、接続線35、36を介して電極2、3に供給される。なお、インピーダンス整合器27のLCの調整器と電力増幅器26に付属の進行波と反射波の電力値モニターを組み合わせて用いることにより、インピーダンス整合器27の上流側に上記供給電力の反射波が極力少なくなるようにできる。しかしながら、一般的には反射波を零にすることは困難である。
なお、ここでは、インピーダンス整合器27としては、製造コスト及び応用上での使いやすさの観点から不平衡型のインピーダンス整合器を用いているが、電気回路的には平衡型のインピーダンス整合器を用いてもよい。
符番31は平衡伝送方式の電流導入端子である。平衡伝送方式の電流導入端子31とは、管状の導電体に誘電体を介して2本あるいは2枚の導電体が取り付けられている電流導入端子である。例えば、特開2008−294465に記載の電流導入端子では電力を平衡方式で伝送可能である。電流導入端子31の入力側には後述の第1の平衡不平衡変換装置4の出力が接続され、その出力側には接続線35、36が接続される。
符番4は第1のトランス型平衡不平衡変換装置で、上流側より同軸ケーブル28を介して伝送された電力を後述の第1のトランス型平衡不平衡変換器33と、第1の電流導入端子31、接続線35、36を介して電極2、3に供給する。第1の平衡不平衡変換装置4は、筒体4aと、蓋4bと、同軸ケーブル28と、第1の平衡不平衡変換器33と、電流導入端子31で構成される。
符番33は第1のトランス型平衡不平衡変換器で、同軸ケーブル28と、後述の同軸ケーブルの巻始め部分29aと、トロイダルコア30と、同軸ケーブル28の一部である巻き付け部29と、後述の同軸ケーブルの巻終わり部分29bとで構成される。なお、トロイダルコア30の温度をキューリ温度以下に制御する図示しないトロイダルコア温度制御装置により、温度が50℃〜150℃の範囲の任意の値に、例えば80度に設定される。
トロイダルコア30の材料は、例えば、透磁率10以下のカーボニル鉄(Fe(Co)5)系、あるいはマンガン・亜鉛(Mn―Zn)系、あるいはニッケル・亜鉛(Ni−Zn)系である。
図2及び図3において、第1のトランス型平衡不平衡変換器33の同軸ケーブル28の一部である巻始め部分29aの芯線と、同軸ケーブル28の一部である巻き終わり部分29bの芯線は、それら芯線の方向が約90度になる関係を持たせて設定される。この意味は、上記巻始め部分29aの芯線と巻き終わり部分29bの芯線の間は約90度の角度に設定されるということである。トロイダルコア30の上に巻く同軸ケーブルの巻き方は図3に示すように、巻き数1〜6巻き程度で巻く。図3図示の同軸ケーブルの巻き方を、ここではバイファイラー巻きと呼ぶ。
なお、無線工学分野で周知であるトリファイラー巻きで巻いても良いが、巻き方が複雑であるので、ここでは説明を省く。
ただし、第1のトランス型平衡不平衡変換器33の製作において、その最適なインダクタンス及び相互インダクタンスを予測することが困難であるので、その巻き数は、1〜6巻きとし、予め1〜6巻きのものと、長さを変えたものとを用意しておく。
ここでは、例えば、長さが異なる1巻のものを1個ずつ、例えば115cmと88cm(波長の四分の一に等しい長さ)のものを1個ずつ、長さが異なる2巻のものを1個ずつ、例えば115cmと88cm(波長の四分の一に等しい長さ)のものを1個ずつ、長さが異なる3巻のものを1個ずつ、例えば115cmと88cm(波長の四分の一に等しい長さ)のものを1個ずつ、長さが異なる4巻のものを1個ずつ、例えば115cmと88cm(波長の四分の一に等しい長さ)のものを1個ずつ、長さが異なる5巻のものを1個ずつ、例えば115cmと88cm(波長の四分の一に等しい長さ)のものを1個ずつ、長さが異なる6巻のものを1個ずつ、例えば約115cmと約88cm(波長の四分の一に等しい長さ)のものを1個ずつ、用意しておく。
そして、後述するように、それらを用いて実際にプラズマを生成して、その結果を比較することによりその中から最適のものを選定する。
上記1〜6巻で作られる第1のトランス型平衡不平衡変換器33の仕様は、概略次の通りとする。該第1のトランス型平衡不平衡変換器33の概念は図3図示の通りである。
同軸ケーブルの巻数1回で同軸ケーブル長さが114cmのもの(ここでは、第1のトランス型平衡不平衡変換器33−1と呼ぶ)・・・トロイダルコア30は、例えばアミドン社製FT―240(透磁率40、外径61.0mmx内径35.6mmx高さ12.7mm)、同軸ケーブル28、29は、例えば同軸ケーブルRG−188A/Uで、長さは任意の値で例えば114cm。巻き方は線材を同軸ケーブルに用いたバイファイラー巻きである。
同軸ケーブルの巻数1回で同軸ケーブル長さが87.5cmのもの(ここでは、第1のトランス型平衡不平衡変換器33−1−aと呼ぶ)・・・トロイダルコア30は、例えばアミドン社製FT―240(透磁率40、外径61.0mmx内径35.6mmx高さ12.7mm)、同軸ケーブル28、29は、例えば同軸ケーブルRG−188A/Uで、長さは87.5cm。なお、長さ87.5cmは、使用する電源周波数60MHzの電波の同軸ケーブル内を伝搬する際(波長短縮率:70%)の波長の四分の一に等しい。巻き方はバイファイラー巻きである。
同軸ケーブルの巻数2回で同軸ケーブル長さが114cmのもの(ここでは、第1のトランス型平衡不平衡変換器33−2と呼ぶ)・・・トロイダルコア30は、例えばアミドン社製FT―240(透磁率40、外径61.0mmx内径35.6mmx高さ12.7mm)、同軸ケーブル28、29は、例えば同軸ケーブルRG−188A/Uで、長さは任意の値で例えば114cm。巻き方は線材を同軸ケーブルに用いたバイファイラー巻きである。
同軸ケーブルの巻数2回で同軸ケーブル長さが87.5cmのもの(ここでは、第1のトランス型平衡不平衡変換器33−2−aと呼ぶ)・・・トロイダルコア30は、例えばアミドン社製FT―240(透磁率40、外径61.0mmx内径35.6mmx高さ12.7mm)、同軸ケーブル28、29は、例えば同軸ケーブルRG−188A/Uで、長さは87.5cm。なお、長さ87.5cmは、使用する電源周波数60MHzの電波の同軸ケーブル内を伝搬する際(波長短縮率:70%)の波長の四分の一に等しい。巻き方はバイファイラー巻きである。
同軸ケーブルの巻数3回で同軸ケーブル長さが114cmのもの(ここでは、第1のトランス型平衡不平衡変換器33−3と呼ぶ)・・・トロイダルコア30は、例えばアミドン社製FT―240(透磁率40、外径61.0mmx内径35.6mmx高さ12.7mm)、同軸ケーブル28、29は、例えば同軸ケーブルRG−188A/Uで、長さは任意の値で例えば114cm。巻き方は線材を同軸ケーブルに用いたバイファイラー巻きである。
同軸ケーブルの巻数3回で同軸ケーブル長さが87.5cmのもの(ここでは、第1のトランス型平衡不平衡変換器33−3−aと呼ぶ)・・・トロイダルコア30は、例えばアミドン社製FT―240(透磁率40、外径61.0mmx内径35.6mmx高さ12.7mm)、同軸ケーブル28、29は、例えば同軸ケーブルRG−188A/Uで、長さは87.5cmである。なお、長さ87.5cmは、使用する電源周波数60MHzの電波の同軸ケーブル内を伝搬する際(波長短縮率:70%)の波長の四分の一に等しい。巻き方はバイファイラー巻きである。
同軸ケーブルの巻数4回で同軸ケーブル長さが114cmのもの(ここでは、第1のトランス型平衡不平衡変換器33−4と呼ぶ)・・・トロイダルコア30は、例えばアミドン社製FT―240(透磁率40、外径61.0mmx内径35.6mmx高さ12.7mm)、同軸ケーブル28、29は、例えば同軸ケーブルRG−188A/Uで、長さは任意の値で例えば114cm。巻き方は線材を同軸ケーブルに用いたバイファイラー巻きである。
同軸ケーブルの巻数4回で同軸ケーブル長さが87.5cmのもの(ここでは、第1のトランス型平衡不平衡変換器33−4−aと呼ぶ)・・・トロイダルコア30は、例えばアミドン社製FT―240(透磁率40、外径61.0mmx内径35.6mmx高さ12.7mm)、同軸ケーブル28、29は、例えば同軸ケーブルRG−188A/Uで、長さは87.5cmである。なお、長さ87.5cmは、使用する電源周波数60MHzの電波の同軸ケーブル内を伝搬する際(波長短縮率:70%)の波長の四分の一に等しい。巻き方はバイファイラー巻きである。
同軸ケーブルの巻数5回で同軸ケーブル長さが114cmのもの(ここでは、第1のトランス型平衡不平衡変換器33−5と呼ぶ)・・・トロイダルコア30は、例えばアミドン社製FT―240(透磁率40、外径61.0mmx内径35.6mmx高さ12.7mm)、同軸ケーブル28、29は、例えば同軸ケーブルRG−188A/Uで、長さは任意の値で例えば114cm。巻き方は線材を同軸ケーブルに用いたバイファイラー巻きである。
同軸ケーブルの巻数5回で同軸ケーブル長さが87.5cmのもの(ここでは、第1のトランス型平衡不平衡変換器33−5−aと呼ぶ)・・・トロイダルコア30は、例えばアミドン社製FT―240(透磁率40、外径61.0mmx内径35.6mmx高さ12.7mm)、同軸ケーブル28、29は、例えば同軸ケーブルRG−188A/Uで、長さは87.5cmである。なお、長さ87.5cmは、使用する電源周波数60MHzの電波の同軸ケーブル内を伝搬する際(波長短縮率:70%)の波長の四分の一に等しい。巻き方はバイファイラー巻きである。
同軸ケーブルの巻数6回で同軸ケーブル長さが114cmのもの(ここでは、第1のトランス型平衡不平衡変換器33−6と呼ぶ)・・・トロイダルコア30は、例えばアミドン社製FT―240(透磁率40、外径61.0mmx内径35.6mmx高さ12.7mm)、同軸ケーブル28、29は、例えば同軸ケーブルRG−188A/Uで、長さは任意の値で例えば114cm。巻き方は線材を同軸ケーブルに用いたバイファイラー巻きである。
同軸ケーブルの巻数6回で同軸ケーブル長さが87.5cmのもの(ここでは、第1のトランス型平衡不平衡変換器33−6−aと呼ぶ)・・・トロイダルコア30は、例えばアミドン社製FT―240(透磁率40、外径61.0mmx内径35.6mmx高さ12.7mm)、同軸ケーブル28、29は、例えば同軸ケーブルRG−188A/Uで、長さは87.5cmである。なお、長さ87.5cmは、使用する電源周波数60MHzの電波の同軸ケーブル内を伝搬する際(波長短縮率:70%)の波長の四分の一に等しい。巻き方はバイファイラー巻きである。
図1図示の第1の実施形態に係わるトランス型平衡不平衡変換装置を備えたプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)に、図2図示の第1の平衡不平衡変換装置4を用いると、図4及び図5に示すように、インピーダンス整合器27の出力、即ち、インピーダンス整合器27及び同軸ケーブル28を介して電極2、3に供給される高周波電源(高周波発信器25及び電力増幅器26)の出力は、第1のトランス型平衡不平衡変換器33の構成部品である同軸ケーブル28の一部である巻き付け部29の芯線29c及び外部導体29dからなる線路を通り、その出力側の芯線29e、外部導体29f、接続線35及び接続線36を介して電極2、3に供給される。
第1のトランス型平衡不平衡変換器33は、アイソレーショントランスの機能を有していることから、図4及び図5図示のアースを介して流れる電流Ixを遮断し、差動型電流の形態で流れる電流Iを通過させるという作用を発揮できる。なお、差動型電流とは、2本の導体から成る電力伝送回路において、両線を往路と帰路として流れる電流の振幅が等しく、位相が180°異なるような伝送形態のことである。ここでは、アースを介して流れる電流Ixを同相電流Ixあるいは漏洩電流と呼ぶ。
図4及び図5において、第1のトランス型平衡不平衡変換器33の入力部分の同軸ケーブル28の芯線28aと、外部導体28bを流れる電流Iは、差動型電流の形態で流れる。同様に、該第1のトランス型平衡不平衡変換器33の出力部分の同軸ケーブル28の芯線29eと、外部導体29fを流れる電流Iは、差動型電流の形態で流れる。電極2、3へ電力供給する接続線35、36には、上記同軸ケーブル28の芯線29eと、外部導体29fを流れる電流Iが流れる。
このことは、接地電極3に接続される真空容器1の部材を介して流れる同相電流Ix(図4及び図5にIxという記号で図示)は、第1のトランス型平衡不平衡変換器33により遮断されて流れないということを意味する。即ち、インピーダンス整合器27と第1のトランス型平衡不平衡変換器33を介して供給される電極2、3への電力は、図4及び図5図示の差動型電流の形態の電流I以外はないということを意味する。
したがって、従来技術で問題を起こす原因である図4及び図5図示の同相電流Ix即ち漏洩電流を抑制することができる。これは、一対の電極2、3間以外でのプラズマ発生の要因である漏洩電流の発生を抑制可能であることを意味している。
次に、上記構成のプラズマ表面処理装置を用いたa−Si太陽電池用のアモルファスSiを製膜するに際し、予め実施する第1のトランス型平衡不平衡変換器33の特性の選定試験(選定工程と呼ぶ)について説明する。
ここでは、具体的には、次に示す12個の第1のトランス型平衡不平衡変換器33−1、33−1−a、33−2、33−2−a、33−3、33−3−a、33−4、33−4−a、33−5、33−5−a、33−6、33−6−aの中から次に示しているアモルファスSiの製膜条件に適しているものを選定する。
アモルファスSiの製膜条件は次の通りである。
(製膜条件)
●放電ガス:SiH4、H2(SiH4/H2=1.3)
●流量:SiH4:200sccm、H2:154sccm、
●圧力:0.5Torr(66.5Pa)、
●電極サイズ:40cmx20cm、
●電極間隔:2.5cm、
●電源周波数:60MHz、
●電力:300W、
●基板の温度:180℃。
アモルファスSiの製膜条件に適合した第1のトランス型平衡不平衡変換器33の特性の選定試験(選定工程と呼ぶ)であるが、先ず、第1のトランス型平衡不平衡変換器33−1を図1図示のプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)の第1の平衡不平衡変換装置4に組み入れる。そして、該プラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)を用いて、プラズマ生成試験を行う。
図1〜図3において、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで300Wとし、その出力をインピーダンス整合器27、同軸ケーブル28、第1の平衡不平衡変換装置4及び接続線35、36を介して、電極2、3に供給する。なお、上記インピーダンス整合器27のLCの調整器と電力増幅器26に付属の進行波及び反射波の電力値モニターを組み合わせて用いることにより、インピーダンス整合器27の上流側には上記供給電力の反射波が少なくなるようにできる。
この第1のトランス型平衡不平衡変換器33−1を用いた場合は、例えば、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで300Wの場合で、進行波170W、反射波130Wというデータが得られる。
次に、第1のトランス型平衡不平衡変換器33−1−aを図1図示のプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)の第1の平衡不平衡変換装置4に組み入れる。そして、該プラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)を用いて、プラズマ生成試験を行う。
図1〜図3において、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで300Wとし、その出力をインピーダンス整合器27、同軸ケーブル28、第1の平衡不平衡変換装置4及び接続線35、36を介して、電極2、3に供給する。なお、上記インピーダンス整合器27のLCの調整器と電力増幅器26に付属の進行波及び反射波の電力値モニターを組み合わせて用いることにより、インピーダンス整合器27の上流側には上記供給電力の反射波が少なくなるようにできる。
この第1のトランス型平衡不平衡変換器33−1−aを用いた場合は、例えば、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで300Wの場合で、進行波190W、反射110Wというデータが得られる。
同様に、第1のトランス型平衡不平衡変換器33−2を図1図示のプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)の第1の平衡不平衡変換装置4に組み入れる。そして、該プラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)を用いて、プラズマ生成試験を行う。
図1〜図3において、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで300Wとし、その出力をインピーダンス整合器27、同軸ケーブル28、第1の平衡不平衡変換装置4及び接続線35、36を介して、電極2、3に供給する。なお、上記インピーダンス整合器27のLCの調整器と電力増幅器26に付属の進行波及び反射波の電力値モニターを組み合わせて用いることにより、インピーダンス整合器27の上流側には上記供給電力の反射波が少なくなるようにできる。
この第1のトランス型平衡不平衡変換器33−2を用いた場合は、例えば、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで300Wの場合で、進行波220W、反射波80Wというデータが得られる。
同様に、第1のトランス型平衡不平衡変換器33−2−aを図1図示のプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)の第1の平衡不平衡変換装置4に組み入れる。そして、該プラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)を用いて、プラズマ生成試験を行う。
図1〜図3において、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで300Wとし、その出力をインピーダンス整合器27、同軸ケーブル28、第1の平衡不平衡変換装置4及び接続線35、36を介して、電極2、3に供給する。なお、上記インピーダンス整合器27のLCの調整器と電力増幅器26に付属の進行波及び反射波の電力値モニターを組み合わせて用いることにより、インピーダンス整合器27の上流側には上記供給電力の反射波が少なくなるようにできる。
この第1のトランス型平衡不平衡変換器33−2−aを用いた場合は、例えば、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで300Wの場合で、進行波240W、反射波60Wというデータが得られる。
同様に、第1のトランス型平衡不平衡変換器33−3を図1図示のプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)の第1の平衡不平衡変換装置4に組み入れる。そして、該プラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)を用いて、プラズマ生成試験を行う。
図1〜図3において、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで300Wとし、その出力をインピーダンス整合器27、同軸ケーブル28、第1の平衡不平衡変換装置4及び接続線35、36を介して、電極2、3に供給する。なお、上記インピーダンス整合器27のLCの調整器と電力増幅器26に付属の進行波及び反射波の電力値モニターを組み合わせて用いることにより、インピーダンス整合器27の上流側には上記供給電力の反射波が少なくなるようにできる。
この第1のトランス型平衡不平衡変換器33−3を用いた場合は、例えば、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで300Wの場合で、進行波210W、反射波90Wというデータが得られる。
同様に、第1のトランス型平衡不平衡変換器33−3−aを図1図示のプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)の第1の平衡不平衡変換装置4に組み入れる。そして、該プラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)を用いて、プラズマ生成試験を行う。
図1〜図3において、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで300Wとし、その出力をインピーダンス整合器27、同軸ケーブル28、第1の平衡不平衡変換装置4及び接続線35、36を介して、電極2、3に供給する。なお、上記インピーダンス整合器27のLCの調整器と電力増幅器26に付属の進行波及び反射波の電力値モニターを組み合わせて用いることにより、インピーダンス整合器27の上流側には上記供給電力の反射波が少なくなるようにできる。
この第1のトランス型平衡不平衡変換器33−3−aを用いた場合は、例えば、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで300Wの場合で、進行波230W、反射波70Wというデータが得られる。
同様に、第1のトランス型平衡不平衡変換器33−4を図1図示のプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)の第1の平衡不平衡変換装置4に組み入れる。そして、該プラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)を用いて、プラズマ生成試験を行う。
図1〜図3において、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで300Wとし、その出力をインピーダンス整合器27、同軸ケーブル28、第1の平衡不平衡変換装置4及び接続線35、36を介して、電極2、3に供給する。なお、上記インピーダンス整合器27のLCの調整器と電力増幅器26に付属の進行波及び反射波の電力値モニターを組み合わせて用いることにより、インピーダンス整合器27の上流側には上記供給電力の反射波が少なくなるようにできる。
この第1のトランス型平衡不平衡変換器33−4を用いた場合は、例えば、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで300Wの場合で、進行波180W、反射波120Wというデータが得られる。
同様に、第1のトランス型平衡不平衡変換器33−4−aを図1図示のプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)の第1の平衡不平衡変換装置4に組み入れる。そして、該プラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)を用いて、プラズマ生成試験を行う。
図1〜図3において、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで300Wとし、その出力をインピーダンス整合器27、同軸ケーブル28、第1の平衡不平衡変換装置4及び接続線35、36を介して、電極2、3に供給する。なお、上記インピーダンス整合器27のLCの調整器と電力増幅器26に付属の進行波及び反射波の電力値モニターを組み合わせて用いることにより、インピーダンス整合器27の上流側には上記供給電力の反射波が少なくなるようにできる。
この第1のトランス型平衡不平衡変換器33−4−aを用いた場合は、例えば、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで300Wの場合で、進行波190W、反射波110Wというデータが得られる。
同様に、第1のトランス型平衡不平衡変換器33−5を図1図示のプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)の第1の平衡不平衡変換装置4に組み入れる。そして、該プラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)を 用いて、プラズマ生成試験を行う。
図1〜図3において、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで300Wとし、その出力をインピーダンス整合器27、同軸ケーブル28、第1の平衡不平衡変換装置4及び接続線35、36を介して、電極2、3に供給する。なお、上記インピーダンス整合器27のLCの調整器と電力増幅器26に付属の進行波及び反射波の電力値モニターを組み合わせて用いることにより、インピーダンス整合器27の上流側には上記供給電力の反射波が少なくなるようにできる。
この第1のトランス型平衡不平衡変換器33−5を用いた場合は、例えば、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで300Wの場合で、進行波80W、反射波220Wというデータが得られる。
同様に、第1のトランス型平衡不平衡変換器33−5−aを図1図示のプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)の第1の平衡不平衡変換装置4に組み入れる。そして、該プラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)を 用いて、プラズマ生成試験を行う。
図1〜図3において、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで300Wとし、その出力をインピーダンス整合器27、同軸ケーブル28、第1の平衡不平衡変換装置4及び接続線35、36を介して、電極2、3に供給する。なお、上記インピーダンス整合器27のLCの調整器と電力増幅器26に付属の進行波及び反射波の電力値モニターを組み合わせて用いることにより、インピーダンス整合器27の上流側には上記供給電力の反射波が少なくなるようにできる。
この第1のトランス型平衡不平衡変換器33−5−aを用いた場合は、例えば、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで300Wの場合で、進行波90W、反射波210Wというデータが得られる。
同様に、第1のトランス型平衡不平衡変換器33−6を図1図示のプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)の第1の平衡不平衡変換装置4に組み入れる。そして、該プラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)を用いて、プラズマ生成試験を行う。
図1〜図3において、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで300Wとし、その出力をインピーダンス整合器27、同軸ケーブル28、第1の平衡不平衡変換装置4及び接続線35、36を介して、電極2、3に供給する。なお、上記インピーダンス整合器27のLCの調整器と電力増幅器26に付属の進行波及び反射波の電力値モニターを組み合わせて用いることにより、インピーダンス整合器27の上流側には上記供給電力の反射波が少なくなるようにできる。
この第1のトランス型平衡不平衡変換器33−6を用いた場合は、例えば、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで300Wの場合で、進行波40W、反射波260Wというデータが得られる。
同様に、第1のトランス型平衡不平衡変換器33−6−aを図1図示のプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)の第1の平衡不平衡変換装置4に組み入れる。そして、該プラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)を用いて、プラズマ生成試験を行う。
図1〜図3において、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで300Wとし、その出力をインピーダンス整合器27、同軸ケーブル28、第1の平衡不平衡変換装置4及び接続線35、36を介して、電極2、3に供給する。なお、上記インピーダンス整合器27のLCの調整器と電力増幅器26に付属の進行波及び反射波の電力値モニターを組み合わせて用いることにより、インピーダンス整合器27の上流側には上記供給電力の反射波が少なくなるようにできる。
この第1のトランス型平衡不平衡変換器33−6−aを用いた場合は、例えば、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで300Wの場合で、進行波50W、反射波250Wというデータが得られる。
上記選定工程において、上記12個の第1のトランス型平衡不平衡変換器33、即ち、33−1、33−1−a、33−2、33−2−a、33−3、33−3−a、33−4、33−4−a、33−5、33−5−a、33−6、33−6−aの中で、インピーダンス整合器27の出力を電極2、3に最も多量に供給できるのは第1のトランス型平衡不平衡変換器33−2−aを用いた場合であるので、該第1のトランス型平衡不平衡変換器33として該第1のトランス型平衡不平衡変換器33−2−aが最適であると判断される。なお、その場合、高周波電源の出力が60MHz、300Wで、進行波240W、反射波60Wとである。
また、第1のトランス型平衡不平衡変換器33−3−aを用いた場合、高周波電源の出力が60MHz、300Wで、進行波230W、反射波70Wとであり、これも第1のトランス型平衡不平衡変換器33として次善の第1のトランス型平衡不平衡変換器33候補であると判断される。
したがって、上記のような結果を得ることにより、第1のトランス型平衡不平衡変換器33の仕様を選定することができる。
次に、上記第1のトランス型平衡不平衡変換器33の選定工程の結果を受けて、製膜工程に進む。上記の場合、第1のトランス型平衡不平衡変換装置4には第1のトランス型平衡不平衡変換器33−2−aを内蔵させる。
予め、基板11を電極3の上に設置し、図示しない真空ポンプを稼動させ、真空容器1内の不純物ガス等を除去した後、放電ガス供給管8からSiH4ガスを、例えば200sccm、H2を154sccm、圧力0.5Torr(66.5Pa)で供給しつつ、一対の電極2、3に高周波電力を、例えば周波数60MHzの電力例えば300Wを供給する。なお、基板温度は80〜350℃の範囲、例えば180℃に保持する。
即ち、図1〜図3において、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで300Wとし、インピーダンス整合器27、同軸ケーブル28、第1のトランス型平衡不平衡変換装置4及び接続線35、36を介して、電極2、3に供給する。
上記インピーダンス整合器27のLCの調整器と電力増幅器26に付属の進行波及び反射波の電力値モニターを組み合わせて用いることにより、インピーダンス整合器27の上流側には上記供給電力の反射波が少なくなるようにできる。
しかしながら、インピーダンス整合器27側から見て、後流側にある第1の平衡不平衡変換装置4と上記アモルファスSiの製膜条件にある電極2、3間に生成されるプラズマからなる負荷とのインピーダンス整合性が良くない場合には、ある程度の反射波が戻ってくる。ここでは、上記のように、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力300Wに対して、反射波は60W、即ち20%程度である。
上記製膜工程において、SiH4ガスがプラズマ化されると、そのプラズマ中に存在するSiH3、SiH2、SiH等のラジカルが拡散現象により拡散し、基板11表面に吸着されることにより、a−Si膜が堆積する。
なお、微結晶Siあるいは薄膜多結晶Si等は、製膜条件の中のSiH4,H2の流量比、圧力および電力を適正化することで製膜できることは公知の技術である。
ここでは、サイズ40cmx20cm(厚み3mm)のガラス基板11に、製膜速度1〜2nm/sのa−Siを製膜することを実施する。製膜条件は次の通りである。
(製膜条件)
●放電ガス:SiH4、H2(SiH4/H2=1.3)
●流量:SiH4:200sccm、H2:154sccm、
●圧力:0.5Torr(66.5Pa)、
●電極サイズ:40cmx20cm、
●電極間隔:2.5cm、
●電源周波数:60MHz、
●電力:500W、
●基板の温度:180℃。
上記製膜条件でプラズマを生成すると、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力はインピーダンス整合器27及び同軸ケーブル28を介して第1の平衡不平衡変換装置4に伝送され、その伝送された電力は同相電流を抑制して差動型電流の形態で接続線を介して電極2、3に供給されるので、一対の電極間以外でのプラズマ発生の要因である漏洩電流の発生が抑制される。
したがって、生成されるプラズマへの有効電力が増大し、従来に比べて、電力損失の少ない電力供給が実現できる。その結果、製膜されるa−Siの製膜速度は、従来に比べて早くなる。数値的にはa−Si膜を製膜速度1〜2nm/sで、製膜可能となる。
なお、差動型電流とは、図4に示しているように、2本の導体から成る電力伝送回路において、両線を往路と帰路として流れる電流の振幅が等しく、位相が180°異なるような伝送形態のことである。
また、本実施例で用いている上記第1のトランス型平衡不平衡変換器33は透磁率40程度のトロイダルコアで、安価に入手できることに加えて、巻き線の線材として同軸ケーブルを用いることにより、巻き方が容易であるという特徴を有する。
また、本実施例は、装置の構成上、次に示す特徴があると言える。
第1に、排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記平衡不平衡変換装置としてトランス型平衡不平衡変換器を配置したことを特徴とする。
第2に、排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記電力供給系の装置構成が、電力の流れの上流側から下流側に沿って、高周波電源、インピーダンス整合器、トランス型平衡不平衡変換器及び非接地の2つの導体を電力線路とする電流導入端子の順序に配置されることを特徴とする。
第3に、排気系を 備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記平衡不平衡変換装置として、巻き線に同軸ケーブルが用いられるトランス型平衡不平衡変換器を有すること特徴とする。
第4に、排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記真空容器内部での電力伝送路の屈曲部分にトランス型平衡不平衡変換器を配置させることを特徴とする。
第5に、前記トランス型平衡不平衡変換器が前記真空容器の内部に配置されるということを特徴とする。
また、本実施例では、電極2、3への給電において、給電点を電極の一端に1点(一対)としているので、基板サイズは上記40x20cm程度に制約されるが、給電点数を増加すればサイズの幅は拡大可能であることは当然のことである。
また、一対の電極を複数個設置し、その個数に応じて、上述した電力供給系を複数個配置すれば、基板サイズの幅は拡大可能であることは当然のことである。
a−Si太陽電池、薄膜トランジスタおよび感光ドラム等の製造では、製膜速度は1nm/s以上であれば、製造製品の低コスト化を目指す上で問題はない。上記実施例では、60MHzの電源周波数を用いているが、13.56MHzを用いることも、当然ながら可能である。
このことは、a−Si太陽電池、薄膜トランジスタおよび感光ドラム等の製造分野での生産性向上および低コスト化に係わる工業的価値が著しく大きいことを意味している。
(実施例2)
本発明の第2の実施形態に係わるトランス型平衡不平衡変換装置を備えたプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)及びプラズマ表面処理方法(プラズマCVD法)について、図1、図2及び図6を参照して説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態に係わるトランス型平衡不平衡変換装置を備えたプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)及びプラズマ表面処理方法(プラズマCVD法)に用いられる第2のトランス型平衡不平衡変換装置の説明図である。ただし、図2図示の第1の平衡不平衡変換装置4の構成部材である筒体4a及び蓋4bと同様の筒体51a及び蓋51bが必要であるが、図6には示していない。
図6において、符番52は第2のトランス型平衡不平衡変換器である。第2のトランス型平衡不平衡変換器52は、インピーダンス整合器27の出力に接続された2本の同軸ケーブル28−1、28−2の一部分をトロイダルコア30に巻き付け、その端部を電流導入端子31に接続するという構造を有する。
なお、ここでは、インピーダンス整合器27としては、製造コスト及び応用上での使いやすさの観点から不平衡型のインピーダンス整合器を用いているが、電気回路的には平衡型のインピーダンス整合器を用いてもよい。
図6において、インピーダンス整合器27は、例えば、コイル40と、該コイル40の両端に接続された容量可変型コンデンサー41、42により構成される。インピーダンス整合器27の入力側において、上流側から電力を伝送する同軸ケーブルの芯線とコイル40の一方の端子及び容量可変型コンデンサー41の一方の端子が接続され、該同軸ケーブルの外部導体と該容量可変型コンデンサー41の他方の端子が接続線45で接続される。そして、該同軸ケーブルの外部導体は接地される。
また、該インピーダンス整合器27の出力側において、容量可変型コンデンサー42の端子と同軸ケーブル28−1、28−2の芯線が接続される。同軸ケーブル28−1、28−2の外部導体は接続線44で接地される。
第2の平衡不平衡変換器52は、図示しない筒体51aと、蓋51bと、2本の同軸ケーブル28―1、28−2と、トロイダルコア30と、2本の同軸ケーブル28−1、28−2の一部である巻き始め部28−1−a、28−2−aと、巻き付け部29−1、29−2と、巻き終わり部29b−1、29b−2と、巻き終わり部29b−1、29b−2の芯線29f−1、29f−2と、電流導入端子31で構成される。
なお、2本の同軸ケーブル28−1、28−2の上流側の端部の芯線はインピーダンス整合器27の出力線43に接続され、該2本の同軸ケーブル28−1、28−2の上流側の端部の外部導体は接続線44によりインピーダンス整合器27の接地部分に接続される。
また、第2の平トランス型衡不平衡変換器52の同軸ケーブルの巻き終わり部29b−1、29b−2のそれぞれの芯線29f−1、29f−2は電流導入端子31の導体32aに接続され、該同軸ケーブルの巻き終わり部29b−1、29b−2のそれぞれの外部導体は導体46で接続されて接続線29eを介して該電流導入端子31の導体32bに接続される。
また、図6において、第2のトランス型平衡不平衡変換器52の同軸ケーブル28−1、28−2のトロイダル30部分の巻始め部分28−1−a、28−2−aの芯線と、その巻き終わり部分29b−1、29b−2の芯線の位置関係は、それら芯線の方向が約90度になるように設定される。この意味は、上記巻き始め部分28−1−a、28−2−aの芯線と巻き終わり部分29b−1、29b−2の芯線の間が約90度の角度にあるということである。
また、実施例1の場合と同様に、トロイダルコア30の温度をキューリ温度以下に制御する図示しないトロイダルコア温度制御装置により、温度が50℃〜150℃の範囲の任意の値に、例えば80度に設定される。
上記トロイダルコア30の材料は、例えば、透磁率10以下のカーボニル鉄(Fe(Co)5)系、あるいはマンガン・亜鉛(Mn―Zn)系、あるいはニッケル・亜鉛(Ni−Zn)系である。
ただし、ここでは、第2のトランス型平衡不平衡変換器52の製作において、コイルの最適なインダクタンス及び相互インダクタンスを予測することが困難であるので、第2のトランス型平衡不平衡変換器52の同軸ケーブルの本数は2〜5本とし、その長さは、使用する電力の波長の四分の一に等しい長さのものを、予め用意しておく。
即ち、第2のトランス型平衡不平衡変換器52の仕様は、概略次の通りとする。同軸ケーブルの本数2本で、巻数2回で同軸ケーブル長さが87.5cmのもの(ここでは、第2のトランス型平衡不平衡変換器52−2並列、と呼ぶ)・・・トロイダルコア30は、例えばアミドン社製FT―240(透磁率40、外径61.0mmx内径35.6mmx高さ12.7mm)、同軸ケーブル28−1、28−2、29−1、29−2は、例えば同軸ケーブルRG−188A/Uで、その長さは87.5cm。なお、該長さ87.5cmは、使用する電源周波数60MHzの電波の同軸ケーブル内を伝搬する際(波長短縮率:70%)の波長の四分の一に等しい。巻き方は図6図示のように巻く。
同軸ケーブルの本数3本で、巻数2回で同軸ケーブル長さが87.5cmのもの(ここでは、第2のトランス型平衡不平衡変換器52−3並列、と呼ぶ)・・・トロイダルコア30は、例えばアミドン社製FT―240(透磁率40、外径61.0mmx内径35.6mmx高さ12.7mm)、同軸ケーブル28−1、28−2、29−1、29−2は、例えば同軸ケーブルRG−188A/Uで、その長さは87.5cm。なお、該長さ87.5cmは、使用する電源周波数60MHzの電波の同軸ケーブル内を伝搬する際(波長短縮率:70%)の波長の四分の一に等しい。巻き方は図6図示のように巻く。
同軸ケーブルの本数4本で、巻数2回で同軸ケーブル長さが87.5cmのもの(ここでは、第2のトランス型平衡不平衡変換器52−4並列、と呼ぶ)・・・トロイダルコア30は、例えばアミドン社製FT―240(透磁率40、外径61.0mmx内径35.6mmx高さ12.7mm)、同軸ケーブル28−1、28−2、29−1、29−2は、例えば同軸ケーブルRG−188A/Uで、その長さは87.5cm。なお、該長さ87.5cmは、使用する電源周波数60MHzの電波の同軸ケーブル内を伝搬する際(波長短縮率:70%)の波長の四分の一に等しい。巻き方は図6図示のように巻く。
同軸ケーブルの本数5本で、巻数2回で同軸ケーブル長さが87.5cmのもの(ここでは、第2のトランス型平衡不平衡変換器52−5並列、と呼ぶ)・・・トロイダルコア30は、例えばアミドン社製FT―240(透磁率40、外径61.0mmx内径35.6mmx高さ12.7mm)、同軸ケーブル28−1、28−2、29−1、29−2は、例えば同軸ケーブルRG−188A/Uで、その長さは87.5cm。なお、長さ87.5cmは、使用する電源周波数60MHzの電波の同軸ケーブル内を伝搬する際(波長短縮率:70%)の波長の四分の一に等しい。巻き方は図6図示のように巻く。
次に、実施例1の場合と同様に、上記第2のトランス型平衡不平衡変換器52−2並列、第2のトランス型平衡不平衡変換器52−3並列、第2のトランス型平衡不平衡変換器52−4並列、及び第2のトランス型平衡不平衡変換器52−5並列の選定試験(選定工程と呼ぶ)を行う。選定試験時のプラズマ生成条件は次の通りである。
(プラズマ生成条件)
●放電ガス:SiH4、H2(SiH4/H2=1.3)
●流量:SiH4:500sccm、H2:384sccm、
●圧力:0.5Torr(66.5Pa)、
●電極サイズ:40cmx20cm、
●電極間隔:2.5cm、
●電源周波数:60MHz、
●電力:900W、
●基板の温度:180℃。
アモルファスSiの製膜条件に適合した第2のトランス型平衡不平衡変換器52の特性の選定試験(選定工程と呼ぶ)であるが、先ず、第2のトランス型平衡不平衡変換器52−2並列を、図1図示のプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)の第1のトランス型平衡不平衡変換装置4に組み入れる。ただし、インピーダンス整合器27と第2のトランス型平衡不平衡変換器52接続は、図6図示の配置に従う。そして、該プラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)を用いて、プラズマ生成試験を行う。
図1、図2及び図6において、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで900Wとし、その出力をインピーダンス整合器27、第2のトランス型平衡不平衡変換器52を内蔵する第1の平衡不平衡変換装置4及び接続線35、36を介して、電極2、3に供給する。
なお、上記インピーダンス整合器27のLCの調整器と電力増幅器26に付属の進行波及び反射波の電力値モニターを組み合わせて用いることにより、インピーダンス整合器27の上流側には上記供給電力の反射波が少なくなるようにできる。
この第2のトランス型平衡不平衡変換器52−2並列を用いた場合は、例えば、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで900Wの場合で、進行波800W、反射波100Wというデータが得られる。
次に、第2のトランス型平衡不平衡変換器52−3並列を、図1図示のプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)の第1の平衡不平衡変換装置4に組み入れる。ただし、インピーダンス整合器27と第2のトランス型平衡不平衡変換器52接続は、図6図示の配置に従う。そして、該プラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)を用いて、プラズマ生成試験を行う。
図1、図2及び図6において、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで900Wとし、その出力をインピーダンス整合器27、第2のトランス型平衡不平衡変換器52を内蔵する第1の平衡不平衡変換装置4及び接続線35、36を介して、電極2、3に供給する。
なお、上記インピーダンス整合器27のLCの調整器と電力増幅器26に付属の進行波及び反射波の電力値モニターを組み合わせて用いることにより、インピーダンス整合器27の上流側には上記供給電力の反射波が少なくなるようにできる。
この第2のトランス型平衡不平衡変換器52−3並列を用いた場合は、例えば、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで900Wの場合で、進行波820W、反射波80Wというデータが得られる。
同様に、第2のトランス型平衡不平衡変換器52−4並列を、図1図示のプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)の第1の平衡不平衡変換装置4に組み入れる。ただし、インピーダンス整合器27と第2のトランス型平衡不平衡変換器52接続は、図6図示の配置に従う。そして、該プラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)を用いて、プラズマ生成試験を行う。
図1、図2及び図6において、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで900Wとし、その出力をインピーダンス整合器27、第2のトランス型平衡不平衡変換器52を内蔵する第1の平衡不平衡変換装置4及び接続線35、36を介して、電極2、3に供給する。
なお、上記インピーダンス整合器27のLCの調整器と電力増幅器26に付属の進行波及び反射波の電力値モニターを組み合わせて用いることにより、インピーダンス整合器27の上流側には上記供給電力の反射波が少なくなるようにできる。
この第2のトランス型平衡不平衡変換器52−4並列を用いた場合は、例えば、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで900Wの場合で、進行波840W、反射波60Wというデータが得られる。
次に、第2のトランス型平衡不平衡変換器52−5並列を、図1図示のプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)の第1の平衡不平衡変換装置4に組み入れる。ただし、インピーダンス整合器27と第2のトランス型平衡不平衡変換器52接続は、図6図示の配置に従う。そして、該プラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)を用いて、プラズマ生成試験を行う。
図1、図2及び図6において、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで900Wとし、その出力をインピーダンス整合器27、第2のトランス型平衡不平衡変換器52を内蔵する第1の平衡不平衡変換装置4及び接続線35、36を介して、電極2、3に供給する。
なお、上記インピーダンス整合器27のLCの調整器と電力増幅器26に付属の進行波及び反射波の電力値モニターを組み合わせて用いることにより、インピーダンス整合器27の上流側には上記供給電力の反射波が少なくなるようにできる。
この第2のトランス型平衡不平衡変換器52−5並列を用いた場合は、例えば、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHzで900Wの場合で、進行波850W、反射波50Wというデータが得られる。
上記のような結果が得られることにより、第2のトランス型平衡不平衡変換器52の仕様を選定することができる。即ち、上記選定工程で上記データが得られると、4個の第2のトランス型平衡不平衡変換器52の中で最適な仕様は第2のトランス型平衡不平衡変換器52−5並列であると判断される。即ち、第2のトランス型平衡不平衡変換器52−5並列を用いた場合、高周波電源の出力が60MHz、900Wで、進行波850W、反射波50Wとであり、上記4個の第2のトランス型平衡不平衡変換器52の中で反射波が最も少ないので、電極2、3へ最も多く電力を供給可能である。したがって、該第2のトランス型平衡不平衡変換器52として該第2のトランス型平衡不平衡変換器52−5並列が最適であると判断される。
上記結果は、トランス型平衡不平衡変換器の構造が、インピーダンス整合器27の後流側に位置する電極2、3及び電流導入端子31等から成る負荷と上流側の高周波電源の出力インピーダンスの整合に大きく影響することを示している。なお、実施例1の場合のトランス型平衡不平衡変換器と実施例2の場合のトランス型平衡不平衡変換器の構造を比べた場合に大きく違う点は、トロイダルコアに巻きつける同軸ケーブルの本数が実施例1の場合1本であるの対して実施例2の場合、複数になっていることである。
また、電気回路的には複数の同軸ケーブルが並列に配置されることから、伝送電力の容量増大が図られることに加えて、同軸ケーブルのインピーダンスを小さくすることが可能であることを示している。即ち、インピーダンス整合器27と電極2、3間の電力伝送線路のインピーダンスが小さくなり、電極2、3及び電流導入端子から成る電気的負荷に対する高周波電源の出力インピーダンスの整合性が良好になっていることが考えられる。
また、上記結果から、インピーダンス整合器27と電極の間に用いられる例えば特性インピーダンス50Ωの同軸ケーブルの場合に比べて、例えば5本の同軸ケーブルが複数並列に配置される場合の特性インピーダンスは、略1/5に比例すると考えられる。即ち、インピーダンス整合器27と電流導入端子の間に配置される同軸ケーブルの特性インピーダンスは50Ω以下であるのが良いと考えられる。
なお、従来の実際の薄膜太陽電池の生産工場では、プラズマ生成用の電力供給には特性インピーダンス50Ωの同軸ケーブルを単数で用いられており、一般的には複数の同軸ケーブルを並列に配置するアイデイアは無いようである。
次に、上記第2のトランス型平衡不平衡変換器52の選定工程の結果を受けて、製膜工程に進む。上記の場合、第1のトランス型平衡不平衡変換装置4には第2のトランス型平衡不平衡変換器52−5並列を内蔵させる。ただし、インピーダンス整合器27と第2のトランス型平衡不平衡変換器52接続は、図6図示の配置に従う。
予め、基板11を電極3の上に設置し、図示しない真空ポンプを稼動させ、真空容器1内の不純物ガス等を除去した後、放電ガス供給管8からSiH4ガスを、例えば500sccm、圧力0.5Torr(66.5Pa)で供給しつつ、一対の電極2、3に高周波電力を、例えば周波数60MHzの電力例えば900Wを供給する。なお、基板温度は80〜350℃の範囲、例えば180℃に保持する。
即ち、図1、図2及び図6において、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力を例えば60MHz900Wとし、インピーダンス整合器27、第2の平衡不平衡変換器52、電流導入端子31及び接続線35、36を介して、電極2、3に供給する。
上記インピーダンス整合器27のLCの調整器と電力増幅器26に付属の進行波及び反射波の電力値モニターを組み合わせて用いることにより、インピーダンス整合器27の上流側には上記供給電力の反射波が少なくなるようにできる。
しかしながら、高周波電源の出力インピーダンスと、インピーダンス整合器27の後流側にある第2のトランス型平衡不平衡変換器52及び電極2、3間に生成されるプラズマからなる負荷とのインピーダンスの整合性が良くない場合には、ある程度の反射波が戻ってくる。ここでは、上記のように、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力900Wに対して、反射波は50W、即ち6%程度である。
上記製膜工程において、SiH4ガスがプラズマ化されると、そのプラズマ中に存在するSiH3、SiH2、SiH等のラジカルが拡散現象により拡散し、基板11表面に吸着されることにより、a−Si膜が堆積する。
なお、微結晶Siあるいは薄膜多結晶Si等は、製膜条件の中のSiH4,H2の流量比、圧力および電力を適正化することで製膜できることは公知の技術である。
ここでは、サイズ40cmx20cm(厚み3mm)のガラス基板11に、製膜速度1〜2nm/sのa−Siを製膜することを実施する。製膜条件は次の通りである。
(製膜条件)
●放電ガス:SiH4、H2(SiH4/H2=1.3)
●流量:SiH4:500sccm、H2:384sccm、
●圧力:0.5Torr(66.5Pa)、
●電極サイズ:40cmx20cm、
●電極間隔:2.5cm、
●電源周波数:60MHz、
●電力:900W、
●基板の温度:180℃。
上記製膜条件でプラズマを生成すると、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力はインピーダンス整合器27及び第2のトランス型平衡不平衡変換器52−3並列を内蔵した第1のトランス型平衡不平衡変換装置4を介して、図4図示の差動型電流の形態を有する電力が、電流導入端子31及び接続線35、36を介して電極2、3に供給される。電極2、3に供給される電力は同相電流を抑制された差動型電流の形態であるので、一対の電極間以外でのプラズマ発生の要因である漏洩電流の発生が抑制される。
したがって、生成されるプラズマへの有効電力が増大し、従来に比べて、電力損失の少ない電力供給が実現できる。その結果、製膜されるa−Siの製膜速度は、従来に比べて早くなる。数値的にはa−Si膜を製膜速度2〜4nm/sで製膜可能となる。
なお、上記差動型電流とは、図4及び図5に示しているように、2本の導体から成る電力伝送回路において、両線を往路と帰路として流れる電流の振幅が等しく、位相が180°異なるような伝送形態のことである。
また、本実施例で用いている上記第2のトランス型平衡不平衡変換器52は透磁率40程度のトロイダルコアで、安価に入手できることに加えて、巻き線の線材として同軸ケーブルを用いることにより、巻き方が容易であるという特徴を有する。
また、第2のトランス型平衡不平衡変換器52では複数の同軸ケーブルが用いられることから、トロイダルコアに巻き付けることが容易な細い同軸ケーブルを用いる場合においても、その本数を増加させることにより、伝送可能な電力の容量を容易に増大可能である。
したがって、生成されるプラズマへの有効電力が増大し、かつ供給電力の容量を増大できるので従来技術に比べて、電力損失の少ない電力供給が実現できる。
また、本実施例は、装置の構成上、次に示す特徴があると言える。
第1に、排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記平衡不平衡変換装置としてトランス型平衡不平衡変換器を配置したことを特徴とする。
第2に、排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記電力供給系の装置構成が、電力の流れの上流側から下流側に沿って、高周波電源、インピーダンス整合器、トランス型平衡不平衡変換器及び非接地の2つの導体を電力線路とする電流導入端子の順序に配置されることを特徴とする。
第3に、排気系を 備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記平衡不平衡変換装置として、巻き線に同軸ケーブルが用いられるトランス型平衡不平衡変換器を有すること特徴とする。
第4に、排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記真空容器内部での電力伝送路の屈曲部分にトランス型平衡不平衡変換器を配置させることを特徴とする。
第5に、前記トランス型平衡不平衡変換器が前記真空容器の内部に配置されるということを特徴とする。
第6に、排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記平衡不平衡変換装置として、1個のトロイダルコアと、該トロイダルコアに巻かれる巻き線に複数の同軸ケーブルが用いられ、それらが並列に接続されているトランス型平衡不平衡変換器が配置されることを特徴とする。
また、本実施例では、電極2、3への給電において、給電点を電極の一端に1点(一対)としているので、基板サイズは上記40x20cm程度に制約されるが、給電点数を増加すればサイズの幅は拡大可能であることは当然のことである。
また、一対の電極を複数個設置し、その個数に応じて、上述した電力供給系を複数個配置すれば、基板サイズの幅は拡大可能であることは当然のことである。
a−Si太陽電池、薄膜トランジスタおよび感光ドラム等の製造では、製膜速度は1nm/s以上であれば、製造製品の低コスト化を目指す上で問題はない。なお、上記製膜速度2〜4nm/sは、従来技術では実際の生産工場では未達成の製膜速度である。
上記実施例では、60MHzの電源周波数を用いているが、13.56MHzを用いることも、当然ながら可能である。
このことは、a−Si太陽電池、薄膜トランジスタおよび感光ドラム等の製造分野での生産性向上および低コスト化に係わる工業的価値が著しく大きいことを意味している。
(実施例3)
本発明の第3の実施形態に係わるトランス型平衡不平衡変換装置を備えたプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)及びプラズマ表面処理方法(プラズマCVD法)について、図1及び図7を参照して説明する。
図7は、本発明の第3の実施形態に係わるトランス型平衡不平衡変換装置を備えたプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)及びプラズマ表面処理方法(プラズマCVD法)に用いられる第3のトランス型平衡不平衡変換装置の説明図である。
図7図示の第3のトランス型平衡不平衡変換装置は、図1図示のトランス型平衡不平衡変換装置を備えたプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)の構成部材のインピーダンス整合器27及び第1のトランス型平衡不平衡変換装置4に代えて用いるものである。即ち、インピーダンス整合器27と第1のトランス型平衡不平衡変換装置が一体化された装置であり、実用性の向上が図られる。
また、第3のトランス型平衡不平衡変換装置のプラズマCVD装置への取り付け位置を電極2、3の長さ方向に面する真空容器1の壁であることを想定している。
なお、ここでは、インピーダンス整合器27の部分には、製造コスト及び応用上での使いやすさの観点から不平衡型のインピーダンス整合器を用いているが、電気回路的には平衡型のインピーダンス整合器を用いてもよい。
図7において、符番73は第3のトランス型平衡不平衡変換装置の筒体である。筒体73には、インピーダンス整合器27と同じ構成部材を配置するとともに、実施例1及び実施例2で用いたトランス型平衡不平衡変換装置と同様の第3のトランス型平衡不平衡変換器74が配置されている。
同図において、インピーダンス整合器27の部分は、例えば、図7図示のように、コイル40と、該コイル40の両端に接続された容量可変型コンデンサー41、42により構成される。該インピーダンス整合器27の部分の入力側において、上流側から電力を伝送する同軸ケーブルの芯線とコイル40の一方の端子及び容量可変型コンデンサー41の一方の端子が接続され、該同軸ケーブルの外部導体と該容量可変型コンデンサー41の他方の端子が接続線45で接続される。そして、該同軸ケーブルの外部導体は筒体73を介して接地される。
第3のトランス型平衡不平衡変換器74の部分は、該インピーダンス整合器27の部分の出力に接続された2本の同軸ケーブル28−1、28−2の一部分をトロイダルコア30に巻き付け、その出力側を電流導入端子31に接続するという構造を有する。
なお、該トランス型衡不平衡変換器の同軸ケーブルの巻き終わり部29b−1、29b−2のそれぞれの芯線29f−1、29f−2は電流導入端子31の導体32aに接続され、該同軸ケーブルの巻き終わり部29b−1、29b−2のそれぞれの外部導体は導体46で接続されて接続線29eを介して該電流導入端子31の導体32bに接続される。
図7図示の第3のトランス型平衡不平衡変換装置はインピーダンス整合器27とトランス型平衡不平衡変換装置が一体化された装置であるが、該装置の構成部材の第3のトランス型平衡不平衡変換器74は、アイソレーショントランスの機能を有していることから、実施例1の場合と同様に、アースを介して流れる漏洩電流Ixを遮断し、差動型電流の形態で流れる電流Iを通過させるという作用を発揮できる。なお、差動型電流とは、2本の導体から成る電力伝送回路において、両線を往路と帰路として流れる電流の振幅が等しく、位相が180°異なるような伝送形態のことである。したがって、従来技術で問題を起こす原因である漏洩電流Ixを抑制することができる。即ち、一対の電極2、3間以外でのプラズマ発生の要因である漏洩電流の発生を抑制可能であることを意味している。
図7図示の第3のトランス型平衡不平衡変換装置の具体的応用についてであるが、実施例1及び実施例2に示したように、個々の応用毎に、第3のトランス型平衡不平衡変換装置の具体的仕様を選定する選定工程が必要である。そして、該選定工程の結果を踏まえて、製膜試験への応用を行うのである。しかしながら、ここでは、実施例1および実施例2と同様であることから説明を省略する。
図7図示の第3のトランス型平衡不平衡変換装置を用いてプラズマを生成すると、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力はインピーダンス整合器27及び第3のトランス型平衡不平衡変換器74を内蔵した第3のトランス型平衡不平衡変換装置を介して、図4図示の差動型電流の形態を有する電力が、電流導入端子31及び接続線35、36を介して電極2、3に供給される。電極2、3に供給される電力は漏洩電流が抑制された差動型電流の形態であるので、一対の電極間以外でのプラズマ発生の要因である漏洩電流の発生が抑制される。
また、第3のトランス型平衡不平衡変換器74の巻線にトロイダルコアに巻き付けることが容易な細い同軸ケーブルを複数用いていることから、その本数を増加させることにより、伝送可能な電力の容量を容易に増大可能である。
したがって、生成されるプラズマへの有効電力が増大し、かつ供給電力の容量を増大できるので従来技術に比べて、電力損失の少ない電力供給が実現できる。その結果、製膜されるa−Siの製膜速度は、従来技術に比べて早くなる。数値的にはa−Si膜を製膜速度2〜4nm/sで製膜可能となる。
なお、上記差動型電流とは、図4及び図5に示しているように、2本の導体から成る電力伝送回路において、両線を往路と帰路として流れる電流の振幅が等しく、位相が180°異なるような伝送形態のことである。
また、本実施例で用いている上記第2のトランス型平衡不平衡変換器52は透磁率40程度のトロイダルコアで、安価に入手できることに加えて、巻き線の線材として同軸ケーブルを用いることにより、巻き方が容易であるという特徴を有する。
また、本実施例は、装置の構成上、次に示す特徴があると言える。
第1に、排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記平衡不平衡変換装置としてトランス型平衡不平衡変換器を配置したことを特徴とする。
第2に、排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記電力供給系の装置構成が、電力の流れの上流側から下流側に沿って、高周波電源、インピーダンス整合器、トランス型平衡不平衡変換器及び非接地の2つの導体を電力線路とする電流導入端子の順序に配置されることを特徴とする。
第3に、排気系を 備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記平衡不平衡変換装置として、巻き線に同軸ケーブルが用いられるトランス型平衡不平衡変換器を有すること特徴とする。
(実施例4)
本発明の第4の実施形態に係わるトランス型平衡不平衡変換装置を備えたプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)及びプラズマ表面処理方法(プラズマCVD法)について、図1及び図8を参照して説明する。
図8は、本発明の第4の実施形態に係わるトランス型平衡不平衡変換装置を備えたプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)及びプラズマ表面処理方法(プラズマCVD法)に用いられる第4のトランス型平衡不平衡変換装置の説明図である。
図8図示の第4のトランス型平衡不平衡変換装置は、図1図示のトランス型平衡不平衡変換装置を備えたプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)の構成部材のインピーダンス整合器27及び第1のトランス型平衡不平衡変換装置4に代えて用いるものである。即ち、インピーダンス整合器27とトランス型平衡不平衡変換装置部分が一体化された装置であり、実用性の向上が図られるものである。
また、第4のトランス型平衡不平衡変換装置のプラズマCVD装置への取り付け位置を電極2、3の長さ方向に面する真空容器1の壁であることを想定している。
なお、ここでは、インピーダンス整合器27としては、製造コスト及び応用上での使いやすさの観点から不平衡型のインピーダンス整合器を用いているが、電気回路的には平衡型のインピーダンス整合器を用いてもよい。
図8において、符番73は第4のトランス型平衡不平衡変換装置の筒体である。筒体73には、インピーダンス整合器27と同じ構成部材を配置するとともに、実施例1及び実施例2で用いたトランス型平衡不平衡変換装置と同様の第4のトランス型平衡不平衡変換器75が配置されている。
同図において、インピーダンス整合器27の部分は、例えば、図8図示のように、コイル40と、該コイル40の両端に接続された容量可変型コンデンサー41、42により構成される。該インピーダンス整合器27の部分の入力側において、上流側から電力を伝送する同軸ケーブルの芯線とコイル40の一方の端子及び容量可変型コンデンサー41の一方の端子が接続され、該同軸ケーブルの外部導体と該容量可変型コンデンサー41の他方の端子が接続線45で接続される。そして、該同軸ケーブルの外部導体は筒体73を介して接地される。
第4のトランス型平衡不平衡変換器75の部分は、該インピーダンス整合器27の部分の出力に接続された、例えば、2本の同軸ケーブルの一部分を、2個のトロイダルコア30―1、30−2に別々に巻き付け、その出力側を電流導入端子31に接続するという構造を有する。
なお、該トランス型衡不平衡変換器の同軸ケーブルの巻き終わり部29b−1、29b−2のそれぞれの芯線29f−1、29f−2は電流導入端子31の導体32aに接続され、該同軸ケーブルの巻き終わり部29b−1、29b−2のそれぞれの外部導体は導体46で接続されて接続線29eを介して該電流導入端子31の導体32bに接続される。
図8図示の第4のトランス型平衡不平衡変換装置はインピーダンス整合器27とトランス型平衡不平衡変換装置が一体化された装置であるが、該装置の構成部材の第4のトランス型平衡不平衡変換器75は、アイソレーショントランスの機能を有していることから、実施例1の場合と同様に、アースを介して流れる漏洩電流Ixを遮断し、差動型電流の形態で流れる電流Iを通過させるという作用を発揮できる。なお、差動型電流とは、2本の導体から成る電力伝送回路において、両線を往路と帰路として流れる電流の振幅が等しく、位相が180°異なるような伝送形態のことである。したがって、従来技術で問題を起こす原因である漏洩電流Ixを抑制することができる。即ち、一対の電極2、3間以外でのプラズマ発生の要因である漏洩電流の発生を抑制可能であることを意味している。
図8図示の第4のトランス型平衡不平衡変換装置の具体的応用についてであるが、実施例1および実施例2に示したように、個々の応用毎に、トランス型平衡不平衡変換器75の具体的仕様を選定する選定工程が必要である。そして、該選定工程の結果を踏まえて、製膜試験への応用を行うのである。しかしながら、ここでは、実施例1および実施例2と同様であることから説明を省略する。
図8図示の第4のトランス型平衡不平衡変換装置を用いてプラズマを生成すると、高周波発信器25と電力増幅器26から成る高周波電源の出力はインピーダンス整合器27及び第4のトランス型平衡不平衡変換器75を内蔵した第4のトランス型平衡不平衡変換装置を介して、図4図示の差動型電流の形態を有する電力が、電流導入端子31及び接続線35、36を介して電極2、3に供給される。電極2、3に供給される電力は漏洩電流が抑制された差動型電流の形態であるので、一対の電極間以外でのプラズマ発生の要因である漏洩電流の発生が抑制される。
また、第4のトランス型平衡不平衡変換器74では複数のトロイダルコアと複数の同軸ケーブルが用いられることから、トロイダルコアに巻き付けることが容易な細い同軸ケーブルを用いる場合においても、その本数を増加させることにより、伝送可能な電力の容量を容易に増大可能である。
したがって、生成されるプラズマへの有効電力が増大し、かつ供給電力の容量を増大できるので従来技術に比べて、電力損失の少ない電力供給が実現できる。その結果、製膜されるa−Siの製膜速度は、従来技術に比べて早くなる。数値的にはa−Si膜を製膜速度2〜4nm/sで製膜可能となる。
なお、上記差動型電流とは、図4及び図5に示しているように、2本の導体から成る電力伝送回路において、両線を往路と帰路として流れる電流の振幅が等しく、位相が180°異なるような伝送形態のことである。
また、本実施例で用いている上記第2のトランス型平衡不平衡変換器52は透磁率40程度のトロイダルコアで、安価に入手できることに加えて、巻き線の線材として同軸ケーブルを用いることにより、巻き方が容易であるという特徴を有する。
また、本実施例は、装置の構成上、次に示す特徴があると言える。
第1に、排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記平衡不平衡変換装置としてトランス型平衡不平衡変換器を配置したことを特徴とする。
第2に、排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記電力供給系の装置構成が、電力の流れの上流側から下流側に沿って、高周波電源、インピーダンス整合器、トランス型平衡不平衡変換器及び非接地の2つの導体を電力線路とする電流導入端子の順序に配置されることを特徴とする。
第3に、排気系を 備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記平衡不平衡変換装置として、巻き線に同軸ケーブルが用いられるトランス型平衡不平衡変換器を有すること特徴とする。
第4に、排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記平衡不平衡変換装置として、1個のトロイダルコアと1本の同軸ケーブルから成るトランス型平衡不平衡変換器を複数個配置し、該複数個のトランス型平衡不平衡変換器を並列に接続するということを特徴とする。
図1は本発明の第1の実施形態に係わるトランス型平衡不平衡変換装置を備えたプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)の全体を示す概略図。 図2は本発明の第1の実施形態に係わる第1のトランス型平衡不平衡変換装置の全体を示す概略図。 図3は図2図示の第1のトランス型平衡不平衡変換装置の構成部材である第1の平衡不平衡変換器の構造に関する説明図。 図4は図2図示の第1のトランス型平衡不平衡変換装置の基本的電気回路に関する説明図。 図5は第1のトランス型平衡不平衡変換装置の電気回路に関する説明図。 図6は本発明の第2の実施形態に係わるトランス型平衡不平衡変換装置を備えたプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)及びプラズマ表面処理方法(プラズマCVD法)に用いられる第2のトランス型平衡不平衡変換装置の説明図。 図7は本発明の第3の実施形態に係わるトランス型平衡不平衡変換装置を備えたプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)及びプラズマ表面処理方法(プラズマCVD法)に用いられる第3のトランス型平衡不平衡変換装置の説明図。 図8は本発明の第4の実施形態に係わるトランス型平衡不平衡変換装置を備えたプラズマ表面処理装置(プラズマCVD装置)及びプラズマ表面処理方法(プラズマCVD法)に用いられる第4のトランス型平衡不平衡変換装置の説明図。 図9はL字型の屈曲部を有する大気用同軸ケーブルの構造の概念図。 図10はL字型の屈曲部を有する真空用同軸ケーブルの構造の概念図。 図11は従来のプラズマ表面処理装置で発生する漏洩電流の概念を示す説明図。
1・・・真空容器、
2・・・非接地電極、
3・・・接地電極、
4・・・トランス型平衡不平衡変換装置、
5a、5b・・・絶縁物支持材、
6・・・放電ガス混合箱、
7・・・整流板、
8・・・ガス供給管、
9・・・ガス噴出孔、
10a、10b・・・排気管、
11・・・基板、
25・・・発信器、
26・・・電力増幅器、
27・・・インピーダンス整合器、
28・・・同軸ケーブル、
30・・・トリダルコア
31・・・電流導入端子、
33・・・第1のトランス型平衡不平衡変換器。

Claims (11)

  1. 排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記平衡不平衡変換装置としてトランス型平衡不平衡変換器を配置したことを特徴とするプラズマ表面処理装置。
  2. 排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記電力供給系の装置構成が、電力の流れの上流側から下流側に沿って、高周波電源、インピーダンス整合器、トランス型平衡不平衡変換器及び非接地の2つの導体を電力線路とする電流導入端子の順序に配置されることを特徴とするプラズマ表面処理装置。
  3. 排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記平衡不平衡変換装置として、巻き線に同軸ケーブルが用いられるトランス型平衡不平衡変換器を有すること特徴とするプラズマ表面処理装置。
  4. 排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記真空容器内部での電力伝送路の屈曲部分にトランス型平衡不平衡変換器を配置させることを特徴とするプラズマ表面処理装置。
  5. 排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記平衡不平衡変換装置として、1個のトロイダルコアと、該トロイダルコアに巻かれる巻き線に複数の同軸ケーブルが用いられ、それらが並列に接続されているトランス型平衡不平衡変換器が配置されることを特徴とするプラズマ表面処理装置。
  6. 排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記平衡不平衡変換装置として、1個のトロイダルコアと1本の同軸ケーブルから成るトランス型平衡不平衡変換器を複数個配置し、該複数個のトランス型平衡不平衡変換器を並列に接続するということを特徴とするプラズマ表面処理装置。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラズマ表面処理装置において、前記トランス型平衡不平衡変換器の構成部材の巻線の巻始め部分の線路の方向とその巻終わり部分の線路の方向が互いに略直交関係にあるという構造を有することを特徴とするプラズマ表面処理装置。
  8. 請求項5あるいは6のいずれか1項に記載のプラズマ表面処理装置において、前記トランス型平衡不平衡変換器の構成部材の同軸ケーブルの巻始め部分の芯線の方向とその巻終わり部分の芯線の方向が互いに略直交関係にあるという構造を有することを特徴とするプラズマ表面処理装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のプラズマ表面処理装置において、前記トランス型平衡不平衡変換器の温度が50℃〜150℃の範囲の任意の値に設定される温度制御装置が配置されることを特徴とするプラズマ表面処理装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のプラズマ表面処理装置において、前記トランス型平衡不平衡変換器が前記真空容器の内部に配置されるということを特徴とするプラズマ表面処理装置。
  11. 排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、プラズマを生成する電極と、高周波電源とインピーダンス整合器と平衡不平衡変換装置からなる電力供給系と、プラズマ処理すべき基板を配置する基板保持手段とを具備し、生成したプラズマを利用して基板の表面を処理するプラズマ表面処理装置において、前記電力供給系の装置構成が、電力の流れの上流側から下流側に沿って、高周波電源、平衡型インピーダンス整合器、トランス型平衡不平衡変換器及び平衡型電流導入端子の順序に配置されることを特徴とするプラズマ表面処理装置。
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