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JP2009299665A - オイルポンプの制御装置および制御方法 - Google Patents

オイルポンプの制御装置および制御方法 Download PDF

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JP2009299665A JP2008158290A JP2008158290A JP2009299665A JP 2009299665 A JP2009299665 A JP 2009299665A JP 2008158290 A JP2008158290 A JP 2008158290A JP 2008158290 A JP2008158290 A JP 2008158290A JP 2009299665 A JP2009299665 A JP 2009299665A
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Masanobu Yamada
正信 山田
Kazuyoshi Fukazawa
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  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)

Abstract

【課題】モータによって駆動されるオイルポンプにおいて、オイルポンプの回転異常による耐久性の低下を適切に抑制する。
【解決手段】ECUは、モータによって駆動され、デファレンシャルギヤ冷却用のオイルを循環させるオイルポンプを制御する。ECUは、オイルポンプの回転数が目標回転数となるように、モータの電流指令値Iをフィードバック制御する。ECUは、オイルポンプの駆動中であると(S100にてYES)、オイル温度THを検出し(S102)、オイル温度THが低いほど大きい値に設定されたしきい値I(1)のマップを参照して、オイル温度THに応じたしきい値I(1)を算出し(S104)、モータの電流指令値Iが算出されたしきい値I(1)よりも小さいと(S110にてYES)、オイルポンプのエア吸い異常と判定し(S112)、オイルポンプを停止させる(S114)。
【選択図】図5

Description

本発明は、オイルポンプの制御に関し、特に、車両に搭載される冷却対象部品に冷却油を出力する電動オイルポンプの制御に関する。
従来から、モータによって羽根車を回転させることにより、作動対象部品に作動油を供給したり冷却対象部品に冷却油を供給したりする電動オイルポンプが知られている。電動オイルポンプにおいて、雰囲気温度が極低温(たとえば−40°C)の場合、油の粘性抵抗が非常に高くなっているめ、電動モータを駆動できない場合あるいは電動モータの回転速度が一定以上にならない場合などが生じ、十分な油を対象部品に供給できないことがある。このような問題を解決する技術が、たとえば特開2000−142435号公報に開示されている。
特開2000−142435号公報に開示された装置は、電動モータによってオイルポンプを駆動して油圧を発生させ、この発生された油圧により操舵を補助するためのパワーステアリング装置である。このパワーステアリング装置は、油温を検出する油温検出部と、電動モータに流れる電流を検出する電流検出部と、電動モータに流れる電流のしきい値を油温の関数として記憶する記憶部と、電流検出部で検出された電動モータに流れる電流が、油温検出部で検出された油温に基づき記憶部より求めたしきい値以上であるか否かを判別する判別部と、判別部において電動モータに流れる電流値が記憶部より求めたしきい値以上であると判別された場合には、電動モータを高速で駆動させる制御部とを含む。記憶部に記憶された電流のしきい値は、油温が高いほど高く、油温が低いほど低く設定される。
特開2000−142435号公報に開示されたパワーステアリング装置によると、電動モータに流れる電流のしきい値を油温の関数として記憶しておき、電動モータに流れる電流が油温に応じたしきい値以上であると判別された場合には、電動モータを高速で駆動させる。電流のしきい値は、油温が高いほど高く、油温が低いほど低く設定される。これにより、油温が低くて作動油の粘性抵抗が高い場合、電流しきい値が低めに設定されるので、電動モータの高速駆動を速めに行なうことができる。そのため、油温を速やかに上昇させることができ、極低温の下でも電動モータの駆動を問題なく行なうことができる。
特開2000−142435号公報 特開2001−241382号公報 特開2003−262264号公報
ところで、電動オイルポンプにおいて、油温が低いと、油の粘性抵抗が高いためにオイルポンプの吸入負荷が高くなり、オイルポンプ内でキャビテーションが発生する場合がある。キャビテーションが発生した状態でオイルポンプを回転し続けると、オイルポンプの耐久性が著しく低下することが考えられる。しかしながら、上述した特開2000−142435号公報には、このようなオイルポンプの回転異常による耐久性の低下を抑制する技術についてなんら言及されていない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、モータによって駆動されるオイルポンプにおいて、オイルポンプの回転異常による耐久性の低下を適切に抑制することができる制御装置および制御方法を提供することである。
第1の発明に係る制御装置は、モータによって駆動されるオイルポンプを制御する。この制御装置は、オイルポンプの回転数を所定回転数に維持するようにモータに供給される駆動電流を制御するための制御手段と、油温が低いほど大きい値になるように設定された駆動電流の第1のしきい値データを予め記憶するための記憶手段と、油温を検出するための油温検出手段と、記憶手段に記憶された第1のしきい値データを参照して、油温検出手段によって検出された油温に対応する駆動電流のしきい値を算出するための算出手段と、駆動電流が算出手段によって算出されたしきい値よりも小さい場合に、オイルポンプの回転が異常であると判定するための判定手段と、判定手段によってオイルポンプの回転が異常であると判定された場合、制御手段による駆動電流の制御を停止して、オイルポンプを停止させるための停止手段とを含む。
第2の発明に係る制御装置は、第1の発明の構成に加えて、停止手段によるオイルポンプの停止後から所定時間が経過した後に、制御手段による駆動電流の制御を復帰してオイルポンプを再び駆動させるための再駆動手段をさらに含む。
第3の発明に係る制御装置においては、第1または2の発明の構成に加えて、第1のしきい値データは、オイルポンプ内に空気と油とが混在している第1の回転異常を判定するためのデータである。記憶手段は、第1のしきい値データに加えて、第1のしきい値データよりも低い値に設定された駆動電流の第2のしきい値データを、オイルポンプが油を吸わずに空転している第2の回転異常を判定するためのデータとして予め記憶する。算出手段は、記憶手段に記憶された第1のしきい値データおよび第2のしきい値データを参照して、油温検出手段によって検出された油温に対応する第1のしきい値および第2のしきい値を算出する。判定手段は、駆動電流が第2のしきい値よりも小さい場合に第2の回転異常と判定し、駆動電流が第2のしきい値よりも大きくかつ第1のしきい値よりも小さい場合に第1の回転異常と判定する。停止手段は、第1の回転異常および第2の回転異常のいずれかの回転異常と判定された場合に、オイルポンプを停止させる。
第4の発明に係る制御装置においては、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、オイルポンプは、車両に搭載される冷却対象部品を冷却する油を、冷却対象部品と放熱器との間で循環させるポンプである。
第5の発明に係る制御装置においては、第4の発明の構成に加えて、冷却対象部品は、デファレンシャルギヤである。
第6〜10の発明に係る制御方法は、それぞれ第1〜5の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
本発明によれば、たとえばオイルポンプ内に油と空気(キャビテーションによって生じる気泡を含む)とが混在した状態でオイルポンプが回転する異常(以下、「エア吸い異常」ともいう)が生じると、オイルポンプの負荷が低下してオイルポンプの回転数が所定回転数よりも増加するため、この回転数増加を低下させて所定回転数に維持するように駆動電流が低下される。このようにエア吸い異常が生じると駆動電流は低下されるが、低下後の駆動電流は、油温が低いほど(油の粘性抵抗が大きいほど)大きい値となる。そこで、油温が低いほど大きい値になるように設定された駆動電流の第1のしきい値データを予め記憶し、この第1のしきい値データを参照して、油温に対応する駆動電流のしきい値を算出し、駆動電流が算出手段によって算出されたしきい値よりも小さい場合に、オイルポンプの回転が異常であると判定する。このようにすると、オイルポンプの回転異常を適切に判定することができる。そして、回転異常と判定された場合にオイルポンプが停止される。これにより、オイルポンプの異常回転が抑制されるため、オイルポンプの耐久性の低下を抑制することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置を備えた冷却装置について説明する。この冷却装置は、車両の動力源(たとえばエンジン)からの動力を左右のドライブシャフト110に伝達するデファレンシャルギヤを冷却する。なお、本発明は、冷却対象がデファレンシャルギヤとは異なる部品(たとえば、エンジン、トランスミッション、あるいはトランスファなど)であっても適用可能である。
この冷却装置は、冷却用のオイルを貯留するオイルタンク200と、オイルの熱を外気に放出してオイルを冷却するオイルクーラ400と、モータ320によって羽根車310を回転させてオイルタンク200とオイルクーラ400との間でオイルを循環させるオイルポンプ300と、蓄電装置600からの電流をモータ320に供給してモータ320を駆動させる駆動回路500と、駆動回路500からモータ320に供給される電流(モータ320の駆動電流)を制御するECU8000とを含む。
オイルタンク200は、デファレンシャルギヤを内部に備えるギヤユニット100の下部に設けられ、ギヤユニット100の内部と連通する。オイルタンク200内の冷却オイルは、デファレンシャルギヤ本体の回転によってギヤユニット100の内部に飛び散る。飛び散ったオイルは、デファレンシャルギヤの回転によって生じた熱を吸収し、自重により再びオイルタンク200に戻る。
なお、デファレンシャルギヤの冷却に用いられるオイルは、一般的に、エンジンオイル、ATF (Automatic Transmission Fluid)、ブレーキフルードなどに比べて、同じ温度における粘性が非常に高いオイルが用いられる。
オイルタンク200とオイルポンプ300とは循環路210Aによって連通される。オイルポンプ300とオイルクーラ400とは循環路210Bによって連通される。オイルクーラ400とオイルタンク200とは循環路210Cによって連通される。
駆動回路500によってモータ320が駆動されると羽根車310が回転する。これにより、オイルタンク200に貯留されているオイルが循環路210Aを経由してオイルポンプ300に吸い込まれて循環路210Bに吐出される。循環路210Bに吐出されたオイルは、オイルクーラ400に供給されて冷却される。オイルクーラ400で冷却されたオイルは、循環路210Cを経由してオイルタンク200に再び戻される。
ECU8000には、油温センサ802と、回転数センサ804とがハーネスなどを介して接続されている。油温センサ802は、オイルタンク200に貯留されているオイル温度THを検出する。回転数センサ804は、モータ320の回転数(ポンプ回転数)Nを検出する。これらのセンサは、検出結果を表わす信号をECU8000に出力する。
本実施の形態に係る制御装置は、このような冷却装置において、モータ320の駆動電流によってオイルポンプ300の回転異常を適切に判定し、回転異常を判定した場合にオイルポンプ300の回転を停止して、オイルポンプ300の耐久性の低下を未然に抑制することが特徴である。
図2に、本実施の形態に係る車両の制御装置であるECU8000の機能ブロック図を示す。ECU8000は、入力インターフェイス8100と、演算処理部8200と、記憶部8300と、出力インターフェイス8400とを含む。
入力インターフェイス8100は、油温センサ802からのオイル温度THおよび回転数センサ804からのポンプ回転数Nを受信して、演算処理部8200に送信する。
記憶部8300には、各種情報、プログラム、しきい値、マップ等が記憶され、必要に応じて演算処理部8200からデータが読み出されたり、格納されたりする。
演算処理部8200は、電流指令値算出部8210と、しきい値算出部8220と、状態判定部8230と、ポンプ制御部8240とを含む。
電流指令値算出部8210は、モータ320の駆動電流の指令値(電流指令値)Iを算出する。この際、電流指令値算出部8210は、回転数センサ804で検出されたポンプ回転数Nが目標回転数Ntagとなるように電流指令値Iをフィードバック制御する。なお、目標回転数Ntagは、たとえば、定格電圧においてモータ320に要求されるトルクを出力させることが可能な回転数に設定される。
しきい値算出部8220は、オイルポンプの回転異常を判定するために、図3に示すマップを参照して、しきい値I(1)およびしきい値I(2)を算出する。
ここで、図3を参照して、しきい値I(1)およびしきい値I(2)について説明する。しきい値I(1)とは、オイルポンプ300内に油とエア(キャビテーションによって生じる気泡を含む)とが混在した状態でオイルポンプ300が回転している異常(エア吸い異常)を判定するために電流指令値Iと比較されるしきい値である。しきい値I(2)は、オイルポンプ300がオイルを吸わずにエアのみを吸って回転している回転異常(空転異常)を判定するために電流指令値Iと比較されるしきい値である。
しきい値I(1),I(2)は、図3に示すようにオイル温度THをパラメータとしてマップ化されて、記憶部8300に予め記憶されている。
図3に示すしきい値I(1)のマップは、エア吸い異常時におけるモータ320の駆動電流をオイルの温度ごとに計測し、計測した値をエア吸い異常を判定するためのしきい値としてマップ化したものである。
しきい値I(1)は、図3に示すように、電流指令値Iの正常回転時の値(図3の破線)よりも小さい値に設定されている。これは、エア吸い異常が発生した場合、正常回転時よりもオイルポンプ300のオイル通過量が低下してオイルポンプ300の負荷トルクが低下し、この負荷トルクの低下によるポンプ回転数Nの増加を抑制するように電流指令値Iがフィードバックされる結果、電流指令値Iが低下することを考慮したためである。
さらに、しきい値I(1)は、オイル温度THが低いほど大きい値に設定されている。このようにしきい値I(1)を設定した理由は、エア吸い異常時においては、オイルポンプ300はエアだけでなくオイルも吸い上げているため、オイル温度THが低いほど(オイルの粘性抵抗が大きいほど)オイルポンプ300の負荷トルクが増加し、この負荷トルクの増加によるポンプ回転数Nの低下を抑制するように電流指令値Iがフィードバック制御される結果、電流指令値Iもオイル温度THが低いほど増加することを考慮したためである。
図3に示すしきい値I(2)のマップは、空転異常時におけるモータ320の駆動電流をオイルの温度ごとに計測し、計測した値を空転異常を判定するためのしきい値としてマップ化したものである。
しきい値I(2)は、図3に示すように、しきい値I(1)よりも小さく、かつオイル温度THの値に関わらずほぼ一定の値に設定されている。これは、空転異常時においては、オイルが吸い込まれていないため、オイルポンプ300の負荷トルクが最も低くなるとともに、オイルの粘性の影響を受けないためである。
再び図2を参照して、状態判定部8230は、しきい値算出部8220で算出されたしきい値I(1),I(2)と電流指令値Iとを比較して、オイルポンプ300の状態を判定する。具体的には、電流指令値Iがしきい値I(2)よりも小さい場合には「空転異常」と判定し、電流指令値Iがしきい値I(2)よりも大きくかつしきい値I(1)よりも小さい場合には「エア吸い異常」と判定し、電流指令値Iがしきい値I(1)よりも大きい場合には、オイルポンプ300が「正常回転」であると判定する。なお、しきい値I(1),I(2)と比較する値を、電流指令値Iに代えて、モータ320の実際の駆動電流値(モータ320の実際の駆動電流を検出するセンサの出力値)にしてもよい。
ポンプ制御部8240は、状態判定部8230の判定結果が「正常回転」である場合、電流指令値Iを含む制御信号を出力インターフェイス8400経由で駆動回路500に出力する。これにより、駆動回路500から電流指令値Iに応じた駆動電流がモータ320に供給される。
一方、ポンプ制御部8240は、状態判定部8230の判定結果が「エア吸い異常」あるいは「空転異常」である場合、オイルポンプ300の回転を停止させる。具体的には、電流指令値算出部8210による電流指令値Iの算出を停止するとともに、駆動回路500への制御信号の出力を停止する。
なお、本実施の形態において、電流指令値算出部8210と、しきい値算出部8220と、状態判定部8230と、ポンプ制御部8240とは、いずれも演算処理部8200であるCPUが記憶部8300に記憶されたプログラムを実行することにより実現される、ソフトウェアとして機能するものとして説明するが、ハードウェアにより実現されるようにしてもよい。なお、このようなプログラムは記憶媒体に記録されて車両に搭載される。
図4を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU8000が電流指令値Iを算出する際に実行するプログラムの制御構造について説明する。なお、このプログラムは、予め定められたサイクルタイムで繰り返し実行される。
ステップ(以下、ステップをSと略す)10にて、ECU8000は、回転数センサ804からのポンプ回転数Nを検出する。
S12にて、ECU8000は、ポンプ回転数Nが目標回転数Ntagよりも大きいか否かを判断する。ポンプ回転数Nが目標回転数Ntagよりも大きいと(S12にてYES)、処理はS14に移される。そうでないと(S12にてNO)、処理はS16に移される。
S14にて、ECU8000は、ポンプ回転数Nと目標回転数Ntagとの差の絶対値|N−Ntag|に応じて電流指令値Iを低下させる。
S16にて、ECU8000は、ポンプ回転数Nと目標回転数Ntagとの差の絶対値|N−Ntag|に応じて電流指令値Iを増加させる。
このようなフィードバック制御により、モータ320には、ポンプ回転数Nを目標回転数Ntagに維持するように算出された駆動電流が供給される。
図5を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU8000がオイルポンプ300の回転異常を判定する際に実行するプログラムの制御構造について説明する。なお、このプログラムは、予め定められたサイクルタイムで繰り返し実行される。
S100にて、ECU8000は、オイルポンプ300の駆動中であるか否かを判断する。オイルポンプ300の駆動中であると(S100にてYES)、処理はS102に移される。そうでないと(S100にてNO)、この処理は終了する。
S102にて、ECU8000は、オイル温度THを検出する。S104にて、ECU8000は、前述の図3に示したマップを参照して、オイル温度THに応じたしきい値I(1),I(2)を算出する。
前述したように、しきい値I(1)はエア吸い異常を判定するためのしきい値であり、しきい値I(2)は、空転異常を判定するためのしきい値である。図3に示したように、しきい値I(1)は正常回転時の駆動電流よりも小さくかつオイル温度THが低いほど大きい値に設定され、しきい値I(2)はしきい値I(1)よりも小さくかつオイル温度THの値に関わらずほぼ一定の値に設定される。
S106にて、ECU8000は、電流指令値Iがしきい値I(2)よりも小さいか否かを判断する。電流指令値Iがしきい値I(2)よりも小さいと(S106にてYES)、処理はS108に移される。そうでないと(S106にてNO)、処理はS110に移される。S108にて、ECU8000は、オイルポンプ300の空転異常と判定する。
S110にて、ECU8000は、電流指令値Iがしきい値I(2)よりも大きくかつしきい値I(1)よりも小さいか否かを判断する。電流指令値Iがしきい値I(2)よりも大きくかつしきい値I(1)よりも小さいと(S110にてYES)、処理はS112に移される。そうでないと(S110にてNO)、処理はS122に移される。S112にて、ECU8000は、オイルポンプ300のエア吸い異常と判定する。S114にて、ECU8000は、オイルポンプ300を停止させる。
S116にて、ECU8000は、オイルポンプ300の停止時間Tを算出する。この際、ECU8000は、空転異常が判定された場合とエア吸い異常が判定された場合とで、停止時間Tを異なる値に算出するようにしてもよい。たとえば、空転異常が判定された場合はエア吸い異常が判定された場合よりも、停止時間Tを長い値に算出するようにしてもよい。また、オイル温度THに基づいて、停止時間Tを算出してもよい。すなわち、オイル温度THが低い場合には、オイルの粘性抵抗の低下に時間がかかるとともにオイルポンプ300を回転させてオイルを冷却させる必要性も低いため、停止時間Tを長く設定するようにしてもよい。また、停止時間Tを空転異常かエア吸い異常かに関わらず所定時間に設定してもよい。
S118にて、ECU8000は、停止時間Tが経過したか否かを判断する。停止時間Tが経過すると(S118にてYES)、処理はS120に移される。そうでないと(S118にてNO)、処理はS118に戻され、停止時間Tが経過するまで待つ。
S120にて、ECU8000は、オイルポンプ300を再駆動させる。なお、その後、オイルポンプ300の異常が回復したか否かを判定するため、処理はS102に戻される。S122にて、ECU8000は、オイルポンプ300が正常に回転していると判定する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるECU8000により制御されるオイルポンプ300の動作について説明する。
オイル温度THが低い状態でオイルポンプ300のエア吸い異常が生じている場合を想定する。エア吸い異常が生じると、オイルポンプ300の負荷が低下してポンプ回転数Nが目標回転数Ntagよりも大きくなる(S12にてYES)ため、ポンプ回転数Nと目標回転数Ntagとの差の絶対値|N−Ntag|に応じて電流指令値Iが低下される(S14)。
一方、オイル温度THが検出され(S102)、オイルポンプ300の回転異常を判定するためのしきい値I(1),I(2)がオイル温度THに応じて算出され(S102)、電流指令値Iが少なくともしきい値I(1)よりも小さくなった時点で(S106にてNO、S110にてYES)、エア吸い異常と判定され(S112)、オイルポンプ300が停止される(S114)。
ここで、エア吸い異常時においては、オイルポンプ300はエアだけでなくオイルも吸い上げており、オイル温度THが低いほど(オイルの粘性抵抗が大きいほど)オイルポンプ300の負荷トルクが増加するため、電流指令値Iもオイル温度THが低いほど増加する。このようなオイル温度THに対する電流指令値Iの変化を考慮して、しきい値I(1)は、図3に示したように、オイル温度THが低いほど大きい値になるように設定される。そのため、オイルポンプ300のエア吸い異常を電流指令値Iの値に基づいて適切に判定することができる。このようにエア吸い異常を適切に判定してオイルポンプ300停止するため、オイルポンプ300の異常回転を適切に抑制することができる。そのため、オイルポンプ300の耐久性の低下を抑制することができる。
その後、停止時間Tが経過すると(S118にてYES)、オイルポンプ300が再駆動され(S120)、再びオイルポンプ300の回転異常の判定が行なわれる(S102、S104、S106、S108等)。そのため、オイルポンプ300の回転異常が回復したか否かを判定することができる。
以上のように、本実施の形態に係る制御装置によれば、オイル温度が低いほど大きい値になるように設定されたエア吸い異常判定用のしきい値マップを予め記憶しておき、このマップを参照してオイル温度に応じたしきい値を算出し、算出されたしきい値よりもモータの駆動電流(電流指令値であっても実際の駆動電流値であってもよい)が小さい場合に、エア吸い異常と判定し、オイルポンプを停止させる。これにより、オイルポンプのエア吸い異常を適切に判定して、オイルポンプの耐久性の低下を抑制することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る制御装置を備えた冷却装置を示す図である。 本発明の実施の形態に係る制御装置の機能ブロック図である。 本発明の実施の形態に係る制御装置の記憶されるしきい値を示す図である。 本発明の実施の形態に係る制御装置を構成するECUの制御構造を示すフローチャート(その1)である。 本発明の実施の形態に係る制御装置を構成するECUの制御構造を示すフローチャート(その2)である。
符号の説明
100 ギヤユニット、110 ドライブシャフト、200 オイルタンク、210A,210B,210C 循環路、300 オイルポンプ、310 羽根車、320 モータ、400 オイルクーラ、500 駆動回路、600 蓄電装置、802 油温センサ、804 回転数センサ、8000 ECU、8100 入力インターフェイス、8200 演算処理部、8210 電流指令値算出部、8220 値算出部、8230 状態判定部、8240 ポンプ制御部、8300 記憶部、8400 出力インターフェイス。

Claims (10)

  1. モータによって駆動されるオイルポンプの制御装置であって、
    前記オイルポンプの回転数を所定回転数に維持するように前記モータに供給される駆動電流を制御するための制御手段と、
    油温が低いほど大きい値になるように設定された前記駆動電流の第1のしきい値データを予め記憶するための記憶手段と、
    油温を検出するための油温検出手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記第1のしきい値データを参照して、前記油温検出手段によって検出された油温に対応する前記駆動電流のしきい値を算出するための算出手段と、
    前記駆動電流が前記算出手段によって算出された前記しきい値よりも小さい場合に、前記オイルポンプの回転が異常であると判定するための判定手段と、
    前記判定手段によって前記オイルポンプの回転が異常であると判定された場合、前記制御手段による前記駆動電流の制御を停止して、前記オイルポンプを停止させるための停止手段とを含む、オイルポンプの制御装置。
  2. 前記制御装置は、前記停止手段による前記オイルポンプの停止後から所定時間が経過した後に、前記制御手段による前記駆動電流の制御を復帰して前記オイルポンプを再び駆動させるための再駆動手段をさらに含む、請求項1に記載のオイルポンプの制御装置。
  3. 前記第1のしきい値データは、前記オイルポンプ内に空気と油とが混在している第1の回転異常を判定するためのデータであり、
    前記記憶手段は、前記第1のしきい値データに加えて、前記第1のしきい値データよりも低い値に設定された前記駆動電流の第2のしきい値データを、前記オイルポンプが油を吸わずに空転している第2の回転異常を判定するためのデータとして予め記憶し、
    前記算出手段は、前記記憶手段に記憶された前記第1のしきい値データおよび前記第2のしきい値データを参照して、前記油温検出手段によって検出された油温に対応する前記第1のしきい値および前記第2のしきい値を算出し、
    前記判定手段は、前記駆動電流が前記第2のしきい値よりも小さい場合に前記第2の回転異常と判定し、前記駆動電流が前記第2のしきい値よりも大きくかつ前記第1のしきい値よりも小さい場合に前記第1の回転異常と判定し、
    前記停止手段は、前記第1の回転異常および前記第2の回転異常のいずれかの回転異常と判定された場合に、前記オイルポンプを停止させる、請求項1または2に記載のオイルポンプの制御装置。
  4. 前記オイルポンプは、車両に搭載される冷却対象部品を冷却する油を、前記冷却対象部品と放熱器との間で循環させるポンプである、請求項1〜3のいずれかに記載のオイルポンプの制御装置。
  5. 前記冷却対象部品は、デファレンシャルギヤ、エンジン、トランスミッション、およびトランスファの少なくともいずれかである、請求項4に記載のオイルポンプの制御装置。
  6. モータによって駆動されるオイルポンプを制御する制御装置が行なう制御方法であって、前記制御装置は、油温が低いほど大きい値になるように設定された前記駆動電流の第1のしきい値データを予め記憶する記憶装置を備え、
    前記オイルポンプの回転数を所定回転数に維持するように前記モータに供給される駆動電流を制御する制御ステップと、
    油温を検出する油温検出ステップと、
    前記記憶装置に記憶された前記第1のしきい値データを参照して、前記油温検出ステップで検出された油温に対応する前記駆動電流のしきい値を算出する算出ステップと、
    前記駆動電流が前記算出ステップで算出された前記しきい値よりも小さい場合に、前記オイルポンプの回転が異常であると判定する判定ステップと、
    前記判定ステップで前記オイルポンプの回転が異常であると判定された場合、前記制御ステップによる前記駆動電流の制御を停止して、前記オイルポンプを停止させる停止ステップとを含む、オイルポンプの制御方法。
  7. 前記制御方法は、前記停止ステップによる前記オイルポンプの停止後から所定時間が経過した後に、前記制御ステップによる前記駆動電流の制御を復帰して前記オイルポンプを再び駆動させる再駆動ステップをさらに含む、請求項6に記載のオイルポンプの制御方法。
  8. 前記第1のしきい値データは、前記オイルポンプ内に空気と油とが混在している第1の回転異常を判定するデータであり、
    前記記憶装置には、前記第1のしきい値データに加えて、前記第1のしきい値データよりも低い値に設定された前記駆動電流の第2のしきい値データが、前記オイルポンプが油を吸わずに空転している第2の回転異常を判定するデータとして予め記憶され、
    前記算出ステップは、前記記憶装置に記憶された前記第1のしきい値データおよび前記第2のしきい値データを参照して、前記油温検出ステップで検出された油温に対応する前記第1のしきい値および前記第2のしきい値を算出し、
    前記判定ステップは、前記駆動電流が前記第2のしきい値よりも小さい場合に前記第2の回転異常と判定し、前記駆動電流が前記第2のしきい値よりも大きくかつ前記第1のしきい値よりも小さい場合に前記第1の回転異常と判定し、
    前記停止ステップは、前記第1の回転異常および前記第2の回転異常のいずれかの回転異常と判定された場合に、前記オイルポンプを停止させる、請求項6または7に記載のオイルポンプの制御方法。
  9. 前記オイルポンプは、車両に搭載される冷却対象部品を冷却する油を、前記冷却対象部品と放熱器との間で循環させるポンプである、請求項6〜8のいずれかに記載のオイルポンプの制御方法。
  10. 前記冷却対象部品は、デファレンシャルギヤ、エンジン、トランスミッション、およびトランスファの少なくともいずれかである、請求項9に記載のオイルポンプの制御方法。
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