以下、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
〔偏光子保護フィルム〕
本発明の偏光子保護フィルムは、樹脂層(A)と樹脂層(B1)とをこの順に有する。このような層構造を有することで、紫外線吸収剤を比較的多く含む樹脂層(A)からの紫外線吸収剤のブリードアウトを樹脂層(B1)によって抑制することが可能となり、例えば、押出し成形において、Tダイから押出されたフィルムの樹脂層(B1)側をキャストロールに巻き取る際の該ロール側とすることで、キャストロールへのロール付着物の発生を抑制できる。好ましくは、樹脂層(A)の樹脂層(B1)の反対側に樹脂層(B2)を有する。すなわち、好ましい実施形態として、図1に示すように、樹脂層(B1)1と樹脂層(A)2と樹脂層(B2)3とをこの順に有する。
樹脂層(A)の厚みは、好ましくは5〜70μm、より好ましくは10〜60μm、さらに好ましくは15〜60μm、特に好ましくは30〜50μmである。樹脂層(A)の厚みが5μm未満の場合、偏光子保護フィルムとしての機械的強度が乏しくなるおそれがあるとともに、偏光子保護フィルムの紫外線吸収能力が低下してしまうおそれがある。樹脂層(A)の厚みが70μmよりも大きいと、偏光子保護フィルムとしての厚みが大きくなりすぎるおそれがあるとともに、樹脂層(B1)や(B2)によって紫外線吸収剤の揮発を抑制しきれなくなるおそれがある。
樹脂層(B1)の厚みは、好ましくは0.5〜15μm、より好ましくは1〜10μm、さらに好ましくは1.5〜8μm、特に好ましくは2〜7μmである。樹脂層(B1)の厚みが0.5μm未満の場合、樹脂層(B1)の機械的強度が乏しくなるおそれがあるとともに、樹脂層(A)に含まれる紫外線吸収剤の揮発を抑制しきれなくなるおそれがある。樹脂層(B1)の厚みが15μmよりも大きいと、偏光子保護フィルムとしての厚みが大きくなりすぎるおそれがある。
樹脂層(B2)の厚みは、上記樹脂層(B1)と同じであっても異なっていても良い。樹脂層(B2)の厚みは、上記樹脂層(B1)についての同様の理由により、上記樹脂層(B1)の好ましい厚み範囲から選択し得る。
本発明の偏光子保護フィルムの総厚みは、好ましくは15〜100μmであり、より好ましくは18〜90μmであり、さらに好ましくは20〜80μmである。偏光子保護フィルムの厚みが15μm以上であると、適度な強度、剛性を有し、ラミネートや印刷等の二次加工時に取扱性が良好となる。また引取り時の応力により発生する位相差も制御が容易で、安定かつ容易にフィルム製造を行うことが可能である。偏光子保護フィルムの厚みが100μm以下であると、フィルム巻き取りが容易になるほか、ライン速度、生産性、そしてコントロール性が容易になる。
樹脂層(A)は、(メタ)アクリル系樹脂を主成分として含む樹脂層であって紫外線吸収剤を含む。樹脂層(A)中の樹脂成分は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
上記(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、Tg(ガラス転移温度)が115℃以上のものが好ましく、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは125℃以上である。Tg(ガラス転移温度)が115℃以上である(メタ)アクリル系樹脂を主成分として含むことにより、例えば、最終的に偏光板に組み入れた場合に、耐久性に優れたものとなり易い。上記(メタ)アクリル系樹脂のTgの上限値は特に限定されないが、成形性等の点から、好ましくは170℃以下である。上記(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂など)、脂環族炭化水素基を有する重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体など)が挙げられる。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸C1−6アルキルが挙げられる。より好ましくは、メタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂が挙げられる。また、三菱レイヨン社製のアクリペットVHやアクリペットVRL20A、特開2004−70296号公報に記載の分子内に環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂、分子内架橋や分子内環化反応により得られる高Tg(メタ)アクリル系樹脂が挙げられる。また、特開2000−230016号公報、特開2001−151814号公報、特開2002−120326号公報、特開2002−254544号公報、特開2005−146084号公報などに記載の、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂;特開2005−314534号公報、特開2006−206881号公報、特開2006−283013号公報、特開2007−118266号公報などに記載の、グルタル酸無水物構造単位を有する(メタ)アクリル系樹脂;特開2006−309033号公報、特開2006−317560号公報、特開2006−328334号公報、特開2006−337491号公報、特開2006−337492号公報、特開2006−337493号公報、特開2006−337569号公報などに記載の、グルタルイミド構造単位を有する(メタ)アクリル系樹脂;などが挙げられる。
本発明の偏光子保護フィルムにおける樹脂層(A)の中に含まれる(メタ)アクリル系樹脂の含有量は、好ましくは50〜99重量%、より好ましくは50重量%を超えて99重量%以下、さらに好ましくは60〜98重量%、特に好ましくは70〜97重量%である。上記(メタ)アクリル系樹脂の含有量が50重量%未満の場合には、(メタ)アクリル系樹脂が本来有する高耐熱性、高透明性が十分に反映できないおそれがあり、99重量%を超える場合には、機械的強度に劣るおそれがある。
本発明の偏光子保護フィルムにおける樹脂層(A)の中には、上記(メタ)アクリル系樹脂以外の樹脂成分が含まれていても良い。上記(メタ)アクリル系樹脂以外の樹脂成分としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な樹脂成分を採用し得る。
本発明の偏光子保護フィルムを成型する際に用いる、樹脂層(A)となる成型材料中の上記(メタ)アクリル系樹脂の含有量は、好ましくは50〜99重量%、より好ましくは50重量%を超えて99重量%以下、さらに好ましくは60〜98重量%、特に好ましくは70〜97重量%である。上記(メタ)アクリル系樹脂の含有量が50重量%未満の場合には、(メタ)アクリル系樹脂が本来有する高耐熱性、高透明性が十分に反映できないおそれがあり、99重量%を超える場合には、機械的強度に劣るおそれがある。
本発明の偏光子保護フィルムを成型する際に用いる、樹脂層(A)となる成型材料中には、上記(メタ)アクリル系樹脂以外の樹脂成分が含まれていても良い。上記(メタ)アクリル系樹脂以外の樹脂成分としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な樹脂成分を採用し得る。
上記紫外線吸収剤としては、300℃で20分間の加熱における重量減少が10%以下であるトリアゾール系紫外線吸収剤および/またはトリアジン系紫外線吸収剤が好ましい。「300℃で20分間の加熱における重量減少」の測定方法については後述する。上記トリアゾール系紫外線吸収剤および/またはトリアジン系紫外線吸収剤は、300℃で20分間の加熱における重量減少が小さければ小さいほど好ましい。300℃で20分間の加熱における重量減少は、好ましくは9%以下、より好ましくは8%以下、さらに好ましくは6%以下、特に好ましくは5%以下である。300℃で20分間の加熱における重量減少が10%よりも大きいトリアゾール系紫外線吸収剤および/またはトリアジン系紫外線吸収剤を用いた場合、十分な紫外線吸収能を有する偏光子保護フィルムが得られないおそれがある。トリアジン系紫外線吸収剤は分子量400以上のものが好ましい。トリアゾール系紫外線吸収剤は分子量400以上のものが好ましい。
上記紫外線吸収剤としては、例えば、本発明に適した任意の紫外線吸収剤を選択できる。紫外線吸収剤は1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。上記紫外線吸収剤としては、例えば、特開2001−72782号公報や特表2002−543265号公報に記載の紫外線吸収剤が挙げられる。また、上記紫外線吸収剤の融点は、110℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましい。紫外線吸収剤の融点が130℃以上であれば、加熱溶融加工時の揮発を少なくすることができ、成形出口(押出し出口など)への紫外線吸収剤の析出、凝集やフィルム製造時のロール汚れを発生しにくくすることができる。しかしながら、本発明の偏光子保護フィルムによれば、たとえ紫外線吸収剤が揮発しやすいもの(融点が低いもの)であっても、成形出口(押出し出口など)への紫外線吸収剤の析出、凝集やフィルム製造時のロール汚れを防止できるという顕著な効果を発揮できる。
樹脂層(A)は、紫外線吸収剤を、該樹脂層(A)中の樹脂成分に対して0.5〜10重量%の割合で含み、好ましくは1〜9重量%、より好ましくは2〜8重量%である。上記紫外線吸収剤の割合が0.5重量%未満であると、偏光子保護フィルムの紫外線吸収能力が十分に発揮できないおそれがある。上記紫外線吸収剤の割合が10重量%より多いと、偏光子保護フィルムの耐熱性、透明性が低下するおそれがあるとともに、樹脂層(B1)や(B2)によって紫外線吸収剤の揮発を抑制しきれなくなるおそれがある。なお、上記紫外線吸収剤の割合は、本発明の偏光子保護フィルムを成型する際に用いる、樹脂層(A)となる成型材料中の紫外線吸収剤の割合にも援用される。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、1,3,5−トリアジン環を有する化合物を好ましく用いることができる。具体的には、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(へキシル)オキシ]−フェノール等が挙げられる。
トリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−ベンゾトリアゾール−2−イル−4,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノール、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖および側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール等が挙げられる。
市販品としては、例えば、トリアジン系紫外線吸収剤として「チヌビン1577」(チバスペシャリティーケミカルズ社製)、トリアゾール系紫外線吸収剤として「アデカスタブLA−31」(旭電化工業社製)等が挙げられる。
300℃で20分間の加熱における重量減少が10%以下である紫外線吸収剤としては、好ましくは、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]が挙げられる。市販品としては、例えば、トリアゾール系紫外線吸収剤として「アデカスタブLA−31」(旭電化工業社製)が挙げられる。
上記紫外線吸収剤として、シアノアクリレート系紫外線吸収剤を用いても良い。シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、下記一般式(1)で表されるシアノアクリレート構造を含む化合物であれば、任意の適切な化合物を採用し得る。
一般に、紫外線吸収能が必要な光学フィルムには、380nmの光線透過率を低減するために、トリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が選択される。好ましくは、トリアゾール系紫外線吸収剤および/またはトリアジン系紫外線吸収剤が選択される。しかし、これらの紫外線吸収剤は、該紫外線吸収剤を含有する成形材料を押出し成型にて成型してフィルム化する過程において、時間の経過とともに揮発した該紫外線吸収剤がキャストロール等に付着してしまうという問題がある。そして、この付着物がフィルムを汚染したり、この付着物の形状がフィルムに転写したりして、得られるフィルムに外観上の欠点を与えてしまう。また、これらの紫外線吸収剤を用いる場合、波長200〜350nmの範囲において十分な紫外線吸収能が発揮できていない場合がある。本発明においては、紫外線吸収剤として、シアノアクリレート系紫外線吸収剤を含有させることにより、上記問題を解決することができる。
上記シアノアクリレート系紫外線吸収剤として、具体的には、例えば、BASF社製の「Uvinul3030」、「Uvinul3035」、「Uvinul3039」が挙げられる。
本発明の効果をより一層発揮させるため、上記シアノアクリレート系紫外線吸収剤は、分子量が、好ましくは250以上、より好ましくは350以上、さらに好ましくは500以上、特に好ましくは750以上、最も好ましくは1000以上である。該分子量の上限は、好ましくは10000以下、より好ましくは7500以下、さらに好ましくは5000以下、特に好ましくは3000以下、最も好ましくは2000以下である。
上記シアノアクリレート系紫外線吸収剤を用いる場合、該シアノアクリレート系紫外線吸収剤は、樹脂層(A)中の樹脂成分100重量部に対して、0.35〜3.0重量部含有することが好ましい。より好ましくは、0.5〜2.5重量部、さらに好ましくは0.7〜2.0重量部である。上記シアノアクリレート系紫外線吸収剤が樹脂層(A)中の樹脂成分100重量部に対して0.35重量部未満の場合、紫外線吸収能が不足するおそれがある。また、上記シアノアクリレート系紫外線吸収剤が樹脂層(A)中の樹脂成分100重量部に対して3.0重量部より多い場合、フィルム物性や製膜性に影響するおそれがある。具体的には、溶融時の粘度が変化する、相溶しなくなって白濁する、揮発量が増えることによりキャストロールが汚れる、可視光吸収が増えて黄色味が増す、混練時に混ざりにくくなって液体状態でベント部から出てくる、フィルムの可撓性が落ちる、などの弊害が生じるおそれがある。
上記シアノアクリレート系紫外線吸収剤は、好ましくは、300℃で20分間の加熱における重量減少が10%以下である。「300℃で20分間の加熱における重量減少」の測定方法については後述する。上記シアノアクリレート系紫外線吸収剤は、300℃で20分間の加熱における重量減少が小さければ小さいほど好ましい。300℃で20分間の加熱における重量減少は、より好ましくは9%以下、さらに好ましくは8%以下、特に好ましくは6%以下、最も好ましくは5%以下である。300℃で20分間の加熱における重量減少が10%よりも大きいシアノアクリレート系紫外線吸収剤を用いた場合、光学フィルムの成型時の加熱によって紫外線吸収能が低下するおそれがある。
樹脂層(B1)は熱可塑性樹脂を主成分として含む樹脂層であって滑剤(L1)を含む。樹脂層(B2)は熱可塑性樹脂を主成分として含む樹脂層であって滑剤(L2)を含む。滑剤(L1)としては、1種のみの滑剤を用いても良いし、2種以上の滑剤を併用しても良い。滑剤(L2)としては、1種のみの滑剤を用いても良いし、2種以上の滑剤を併用しても良い。樹脂層(B1)に含まれる滑剤(L1)と樹脂層(B2)に含まれる滑剤(L2)とは、同一であっても良いし、異なっていても良い。樹脂層(B1)に含まれる熱可塑性樹脂としては、1種のみの熱可塑性樹脂を用いても良いし、2種以上の熱可塑性樹脂を併用しても良い。樹脂層(B2)に含まれる熱可塑性樹脂としては、1種のみの熱可塑性樹脂を用いても良いし、2種以上の熱可塑性樹脂を併用しても良い。樹脂層(B1)に含まれる熱可塑性樹脂と樹脂層(B2)に含まれる熱可塑性樹脂とは、同一であっても良いし、異なっていても良い。
上記熱可塑性樹脂としては、任意の適切な熱可塑性樹脂を採用し得る。好ましくは、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂から選ばれる少なくとも1種である。
上記(メタ)アクリル系樹脂としては、任意の適切な(メタ)アクリル系樹脂を採用し得る。例えば、本発明における樹脂層(A)に用い得る(メタ)アクリル系樹脂として説明したものが挙げられる。
上記ポリアミド系樹脂としては、任意の適切なポリアミド系樹脂を採用し得る。具体的には、例えば、ナイロン6、ナイロン66等のナイロン系樹脂;アラミド等の全芳香族ポリアミド;これらの変性物や共重合体;が挙げられる。
上記ポリカーボネート系樹脂としては、任意の適切なポリカーボネート系樹脂を採用し得る。具体的には、例えば、ポリカーボネート;これの変性物や共重合体;が挙げられる。
上記ポリスチレン系樹脂としては、任意の適切なポリスチレン系樹脂を採用し得る。具体的には、例えば、ポリスチレン;ABS樹脂(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合樹脂);AS樹脂(アクリロニトリル/スチレン共重合樹脂);AAS樹脂(ABS樹脂のブタジエンゴムの代わりにアクリルゴムを用いたもの);ACS樹脂(ABS樹脂のブタジエンゴムの代わりに塩素化ポリエチレンを用いたもの);AES樹脂(ABS樹脂のブタジエンゴムの代わりにEPDMゴムを用いたもの);MS樹脂(メタクリル酸メチル/スチレン共重合樹脂);SMA樹脂(スチレン/無水マレイン酸共重合樹脂);これらの変性物や共重合体;が挙げられる。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、任意の適切なポリオレフィン系樹脂を採用し得る。具体的には、例えば、ポリエチレン;ポリプロピレン;EVA(エチレン/酢酸ビニル共重合体)、EEA(エチレン/アクリル酸エチル共重合体)等のエチレン系共重合体;アイオノマー;これらの変性物や共重合体;が挙げられる。
上記ポリエステル系樹脂としては、任意の適切なポリエステル系樹脂を採用し得る。具体的には、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート);PEN(ポリエチレンナフタレート);PBT(ポリブチレンテレフタレート);これらの変性物や共重合体;が挙げられる。
上記ポリエーテル系樹脂としては、任意の適切なポリエーテル系樹脂を採用し得る。具体的には、例えば、ポリアセタール;これの変性物や共重合体;が挙げられる。
上記ポリフェニレン系樹脂としては、任意の適切なポリフェニレン系樹脂を採用し得る。具体的には、例えば、ポリフェニレンエーテル;ポリフェニレンスルフィド;これらの変性物や共重合体;が挙げられる。
本発明で用い得る上記熱可塑性樹脂としては、より好ましくは、(メタ)アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂であり、特に好ましくは、(メタ)アクリル系樹脂、AS樹脂(アクリロニトリル/スチレン共重合樹脂)である。
本発明の偏光子保護フィルムにおける樹脂層(B1)中に含まれる熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは50〜99重量%、より好ましくは50重量%を超えて99重量%以下、さらに好ましくは60〜98重量%、特に好ましくは70〜97重量%である。上記熱可塑性樹脂の含有量が50重量%未満の場合には、熱可塑性樹脂が本来有する高耐熱性、高透明性が十分に反映できないおそれがあり、99重量%を超える場合には、機械的強度に劣るおそれがある。なお、上記の本発明の偏光子保護フィルムにおける樹脂層(B1)中に含まれる熱可塑性樹脂の含有量は、本発明の偏光子保護フィルムにおける樹脂層(B2)中に含まれる熱可塑性樹脂の含有量にも援用される。
本発明の偏光子保護フィルムにおける樹脂層(B1)、(B2)中には、上記熱可塑性樹脂以外の樹脂成分が含まれていても良い。上記熱可塑性樹脂以外の樹脂成分としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な樹脂成分を採用し得る。
本発明の偏光子保護フィルムを成型する際に用いる、樹脂層(B1)となる成型材料中の上記熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは50〜99重量%、より好ましくは50重量%を超えて99重量%以下、さらに好ましくは60〜98重量%、特に好ましくは70〜97重量%である。上記熱可塑性樹脂の含有量が50重量%未満の場合には、熱可塑性樹脂が本来有する高耐熱性、高透明性が十分に反映できないおそれがあり、99重量%を超える場合には、機械的強度に劣るおそれがある。なお、上記の本発明の偏光子保護フィルムを成型する際に用いる、樹脂層(B1)となる成型材料中の上記熱可塑性樹脂の含有量は、本発明の偏光子保護フィルムを成型する際に用いる、樹脂層(B2)となる成型材料中の上記熱可塑性樹脂の含有量にも援用される。
本発明の偏光子保護フィルムを成型する際に用いる、樹脂層(B1)、(B2)となる成型材料中には、上記熱可塑性樹脂以外の樹脂成分が含まれていても良い。上記熱可塑性樹脂以外の樹脂成分としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な樹脂成分を採用し得る。
上記滑剤(L1)、滑剤(L2)としては、任意の適切な滑剤を採用し得る。好ましくは、上記滑剤が金属塩である。金属塩としては、任意の適切な金属塩を採用し得る。金属塩は1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記金属塩としては、好ましくは、ステアリン酸の金属塩、12−ヒドロキシステアリン酸の金属塩が挙げられる。具体的には、例えば、ステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム、12−ヒドロキシステアリン酸ナトリウムが好ましく挙げられ、特に好ましくは、ステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムである。
樹脂層(B1)は、滑剤(L1)を、該樹脂層(B1)中の樹脂成分に対して0.1〜1.5重量%の割合で含み、好ましくは0.3〜1.2重量%、より好ましくは0.5〜1.0重量%である。上記滑剤の含有量が0.1重量%未満の場合には、得られるフィルム表面に十分な滑り性を付与できないおそれがある。上記滑剤の含有量が1.5重量%を超える場合には、得られるフィルムの透明性が損なわれるおそれがある。なお、上記滑剤(L1)の割合は、本発明の偏光子保護フィルムを成型する際に用いる、樹脂層(B1)となる成型材料中の滑剤(L1)の割合にも援用される。また、上記の滑剤(L1)の樹脂層(B1)中の樹脂成分に対する割合は、滑剤(L2)の樹脂層(B2)中の樹脂成分に対する割合にも援用される。さらに、上記滑剤(L2)の割合は、本発明の偏光子保護フィルムを成型する際に用いる、樹脂層(B2)となる成型材料中の滑剤(L2)の割合にも援用される。
本発明の偏光子保護フィルムは、酸化防止剤を含有することが好ましく、樹脂層(A)、樹脂層(B1)、樹脂層(B2)のいずれの層にも酸化防止剤を含有することが好ましい。
樹脂層(A)は、酸化防止剤を、該樹脂層(A)中の樹脂成分に対して、好ましくは0.02重量%以上の割合で含み、より好ましくは0.02〜5重量%、さらに好ましくは0.05〜3重量%、特に好ましくは0.1〜2.5重量%である。上記酸化防止剤の量が0.02重量%より小さいと、樹脂成分(特に(メタ)アクリル系樹脂)の分解が促進してしまうおそれがある。上記酸化防止剤の量が5重量%より大きいと、得られる偏光子保護フィルムの光学特性が低下してしまうおそれがある。なお、上記の酸化防止剤の樹脂層(A)中の樹脂成分に対する割合は、本発明の偏光子保護フィルムを成型する際に用いる、樹脂層(A)となる成型材料中の酸化防止剤の割合にも援用される。また、上記の酸化防止剤の樹脂層(A)中の樹脂成分に対する割合は、酸化防止剤の樹脂層(B1)中の樹脂成分に対する割合にも援用される。さらに、上記の酸化防止剤の樹脂層(B1)中の樹脂成分に対する割合は、本発明の偏光子保護フィルムを成型する際に用いる、樹脂層(B1)となる成型材料中の酸化防止剤の割合にも援用される。また、上記の酸化防止剤の樹脂層(A)中の樹脂成分に対する割合は、酸化防止剤の樹脂層(B2)中の樹脂成分に対する割合にも援用される。さらに、上記の酸化防止剤の樹脂層(B2)中の樹脂成分に対する割合は、本発明の偏光子保護フィルムを成型する際に用いる、樹脂層(B2)となる成型材料中の酸化防止剤の割合にも援用される。
上記酸化防止剤は、本発明の効果をより一層発現させるために、フェノール系酸化防止剤を含むことが好ましい。フェノール系酸化防止剤としては、任意の適切なフェノール系酸化防止剤が採用し得る。例えば、n−オクタデシル=3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル=3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−アセテート、n−オクタデシル=3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、n−ヘキシル=3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルベンゾエート、n−ドデシル=3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルベンゾエート、ネオ−ドデシル=3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ドデシル=β(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、エチル=α−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)イソブチレート、オクタデシル=α−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)イソブチレート、オクタデシル=α−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−(n−オクチルチオ)エチル=3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンゾエート、2−(n−オクチルチオ)エチル=3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニルアセテート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル=3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル=3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−(2−ヒドロキシエチルチオ)エチル=3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ジエチルグリコール=ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル=3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ステアルアミド−N,N−ビス−[エチレン=3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、n−ブチルイミノ−N,N−ビス−[エチレン=3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2−(2−ステアロイルオキシエチルチオ)エチル=3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−(2−ステアロイルオキシエチルチオ)エチル=7−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘプタノエート、1,2−プロピレングリコール=ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、エチレングリコール=ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ネオペンチルグリコール=ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、エチレングリコール=ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート)、グリセリン−l−n−オクタデカノエート−2,3−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート)、ペンタエリスリトール−テトラキス−[3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,1,1−トリメチロールエタン−トリス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ソルビトールヘキサ−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2−ヒドロキシエチル=7−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−ステアロイルオキシエチル=7−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘプタノエート、1,6−n−ヘキサンジオール−ビス[(3′,5′−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリトリトール−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、3,9‐ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]−ウンデカンが挙げられる。300℃で20分間の加熱における重量減少が10%以下であるものとしては、例えば、ペンタエリスリトール−テトラキス−[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9‐ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]−ウンデカンが挙げられる。
上記酸化防止剤は、本発明の効果をより一層発現させるために、樹脂層(A)、樹脂層(B1)、樹脂層(B2)それぞれにおいて、該層中の樹脂成分に対して、0.01重量%以上のフェノール系酸化防止剤と0.01重量%以上のチオエーテル系酸化防止剤とを含むことがより好ましい。さらに好ましくは、0.025重量%以上のフェノール系酸化防止剤と0.025重量%以上のチオエーテル系酸化防止剤とを含むことであり、特に好ましくは、0.05重量%以上のフェノール系酸化防止剤と0.05重量%以上のチオエーテル系酸化防止剤とを含むことである。なお、上記酸化防止剤の割合は、本発明の偏光子保護フィルムを成型する際に用いる、樹脂層(A)、樹脂層(B1)、樹脂層(B2)それぞれとなる成型材料中の酸化防止剤の割合にも援用される。
チオエーテル系酸化防止剤としては、任意の適切なチオエーテル系酸化防止剤が採用し得る。例えば、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネートが挙げられる。300℃で20分間の加熱における重量減少が10%以下であるものとしては、例えば、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)が挙げられる。
上記酸化防止剤は、本発明の効果をより一層発現させるために、樹脂層(A)、樹脂層(B1)、樹脂層(B2)それぞれにおいて、該層中の樹脂成分に対して、0.01重量%以上のフェノール系酸化防止剤と0.01重量%以上のリン系酸化防止剤とを含むことがより好ましい。さらに好ましくは、0.1重量%以上のフェノール系酸化防止剤と0.1重量%以上のリン系酸化防止剤とを含むことであり、特に好ましくは、0.5重量%以上のフェノール系酸化防止剤と0.5重量%以上のリン系酸化防止剤とを含むことである。なお、上記酸化防止剤の割合は、本発明の偏光子保護フィルムを成型する際に用いる、樹脂層(A)、樹脂層(B1)、樹脂層(B2)それぞれとなる成型材料中の酸化防止剤の割合にも援用される。
リン系酸化防止剤としては、任意の適切なリン系酸化防止剤が採用し得る。例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン−6−イル]オキシ]−N,N−ビス[2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン−6−イル]オキシ]−エチル]エタナミン、ジフェニルトリデシルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリストールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイトが挙げられる。300℃で20分間の加熱における重量減少が10%以下であるものとしては、例えば、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイトなどが挙げられる。
樹脂層(A)、樹脂層(B1)、樹脂層(B2)それぞれの中には、一般的な配合剤、例えば、安定剤、加工助剤、可塑剤、耐衝撃助剤、位相差低減剤、艶消し剤、抗菌剤、防かび等が含まれていても良い。
本発明の偏光子保護フィルムは、光透過率が高いものが好ましく、面内位相差Δndや厚み方向位相差Rthが低いものが好ましい。面内位相差Δndは、Δnd=(nx−ny)×dによって求めることができる。厚み方向位相差Rthは、Rth=(nx−nz)×dによって求めることができる。ここで、nx、nyは、それぞれ、遅相軸方向、進相軸方向における面内の屈折率であり、nzは厚み方向屈折率である。なお、遅相軸方向とは、面内の屈折率の最大となる方向をいう。
本発明の偏光子保護フィルムの厚み30μmにおける380nmの光線透過率は、好ましくは10%以下であり、より好ましくは9%以下、さらに好ましくは8%以下、さらに好ましくは7%以下、特に好ましくは6%以下、最も好ましくは5%以下である。本発明の偏光子保護フィルムの厚み30μmにおける380nmの光線透過率が10%を超えると、十分な紫外線吸収能力を発揮できないおそれがある。
なお、380nmでの光線透過率は、例えば、偏光子保護フィルムサンプルを3cm角に裁断し、(株)島津製作所製の「UV−VIS−NIR−SPECTROMETER UV3150」にて測定すればよい。
本発明の偏光子保護フィルムの厚み30μmにおけるYIは、好ましくは1.27以下、より好ましくは1.25以下、さらに好ましくは1.23以下、特に好ましくは1.20以下である。上記YIが1.3を超えると、優れた光学的透明性が発揮されないおそれがある。
なお、YIは、例えば、高速積分球式分光透過率測定機(商品名DOT−3C:村上色彩技術研究所製)を用い、測定で得られる色の三刺激値(X、Y、Z)より、次式によって求めることができる。
YI=[(1.28X−1.06Z)/Y]×100
本発明の偏光子保護フィルムの厚み30μmにおけるb値(ハンターの表色系に準じた色相の尺度)は、好ましくは1.5未満、より好ましくは1.0以下である。b値が1.5以上の場合、フィルムの着色により、優れた光学的透明性が発揮されないおそれがある。
なお、b値は、例えば、偏光子保護フィルムサンプルを3cm角に裁断し、高速積分球式分光透過率測定機(商品名DOT−3C:村上色彩技術研究所製)を用いて色相を測定することができる。また、色相をハンターの表色系に準じてb値にて評価することができる。
本発明の偏光子保護フィルムは、JIS−K7125で規定される摩擦係数試験方法において、静摩擦係数が、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下、さらに好ましくは0.8以下、特に好ましくは0.7以下である。静摩擦係数が1.5を超えると、十分な滑り性が発現できないおそれがある。
本発明の偏光子保護フィルムは、JIS−K7125で規定される摩擦係数試験方法において、動摩擦係数が、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下、さらに好ましくは0.8以下、特に好ましくは0.7以下である。動摩擦係数が1.0を超えると、十分な滑り性が発現できないおそれがある。
本発明の偏光子保護フィルムは、光学的透明性を表す内部ヘイズが、低ければ低いほど良く、好ましくは1.0%以下、より好ましくは0.8%以下、さらに好ましくは0.6%以下、特に好ましくは0.4%以下である。内部ヘイズが1.0%以下であると、フィルムに良好なクリヤー感を視覚的に与えることができる。
本発明の偏光子保護フィルムは、面内位相差Δndや厚み方向位相差Rthが低いものが好ましい。面内位相差Δndは、Δnd=(nx−ny)×dによって求めることができる。厚み方向位相差Rthは、Rth=(nx−nz)×dによって求めることができる。ここで、nx、nyは、それぞれ、遅相軸方向、進相軸方向における面内の屈折率であり、nzは厚み方向屈折率である。なお、遅相軸方向とは、面内の屈折率の最大となる方向をいう。
本発明の偏光子保護フィルムにおいては、面内位相差Δndは、好ましくは2.0nm以下、より好ましくは1.5nm以下、さらに好ましくは1.0nm以下である。上記面内位相差Δndが2.0nmを超えると、本発明の効果、特に、優れた光学的特性が発揮されないおそれがある。
本発明の偏光子保護フィルムにおいては、厚み方向位相差Rthは、好ましくは3.0nm以下、より好ましくは2.5nm以下、さらに好ましくは2.0nm以下である。上記厚み方向位相差Rthが3.0nmを超えると、本発明の効果、特に、優れた光学的特性が発揮されないおそれがある。
本発明の偏光子保護フィルムにおいては、透湿度が、好ましくは100g/m2・24hr以下、より好ましくは60g/m2・24hr以下である。上記透湿度が100g/m2・24hrを超えると、耐湿性に劣るおそれがある。
本発明の偏光子保護フィルムは、好ましくは、優れた機械的強度をも有する。引張強度は、MD方向において、好ましくは65N/mm2以上、より好ましくは70N/mm2以上、さらに好ましくは75N/mm2以上、特に好ましくは80N/mm2以上であり、TD方向において、好ましくは45N/mm2以上、より好ましくは50N/mm2以上であり、さらに好ましくは55N/mm2以上、特に好ましくは60N/mm2以上である。引張伸びは、MD方向において、好ましくは6.5%以上、より好ましくは7.0%以上、さらに好ましくは7.5%以上、特に好ましくは8.0%以上であり、TD方向において、好ましくは5.0%以上、より好ましくは5.5%以上、さらに好ましくは6.0%以上、特に好ましくは6.5%以上である。引張強度あるいは引張伸びが上記範囲を外れる場合は、優れた機械的強度が発揮されないおそれがある。
本発明の偏光子保護フィルムは、いずれの層においても、層間剥離強度が、いずれも1.2N/25mm以上であることが好ましく、2.0N/25mm以上であることがより好ましく、2.5N/25mm以上であることがより好ましく、2.9N/25mm以上であることがより好ましい。上限は任意の適切な値を採用し得る。たとえば、50N/25mm以下である。層間剥離強度が1.2N/25mm未満の場合、例えば、延伸処理を行う場合に剥離を生じるおそれがある。
本発明の偏光子保護フィルムは、いずれの層においても、温度240℃、荷重10kgfで測定したメルトフローレートが、1〜20g/10minであることが好ましく、3〜19g/10minであることがより好ましく、5〜18g/10minであることがさらに好ましく、8〜17g/10minであることが特に好ましい。
本発明の偏光子保護フィルムは、樹脂層(B1)、樹脂層(A)、樹脂層(B2)以外に、その他の層を1層以上有していても良い。本発明の偏光子保護フィルムが有する層の総数は2以上であり、好ましくは2〜10、より好ましくは3〜5である。
本発明の偏光子保護フィルムは、各層(すなわち、少なくとも、樹脂層(B1)、樹脂層(A))を形成する樹脂が共押出し成形されて作製されたものであることが好ましい。共押出し成形により層間の接着性が良好な偏光子保護フィルムを生産性よく製造できる。
共押出し成形させるための各層(すなわち、少なくとも、樹脂層(B1)、樹脂層(A))を形成する材料は、上記した各層の成分を任意の適切な方法で混合したものを用いれば良い。なお、樹脂成分への紫外線吸収剤や酸化防止剤やその他の添加剤等のブレンドについては、直接添加あるいはマスターバッチ法を用いた二軸混練を行うことが好ましい。混練方法としては、東芝機械社製のTEM等を用いて、好ましくは樹脂温度が230〜270℃の範囲になるように温度設定を行い、混練を行うことが好ましい。温度が上がりすぎると、(メタ)アクリル系樹脂の分解が進行しやすいおそれがある。また、必要に応じて、加温することが好ましい。
共押出し成形は、ドライラミネーション法のように、加工時に使用される接着剤中の溶媒、例えば、ドライラミネーション用の接着剤中の有機溶剤を乾燥、飛散させる必要がなく、溶媒乾燥工程が不要であり、生産性に優れる。具体的には、例えば、Tダイに連結した3台の押出し機のうち、1台に樹脂層(A)を形成させる樹脂を、別の1台に樹脂層(B1)を形成させる樹脂を、別の1台に樹脂層(B2)を形成させる樹脂を、樹脂層(A)の両側に樹脂層(B1)と樹脂層(B2)とが直接接するように、それぞれ供給し、溶融混練後、押出し、水冷して引き取り、積層フィルムを成形する方法(すなわち、フィードブロック方式、マニホールド方式など)を例示できる。各樹脂層の溶融に用いる押出し機のスクリュータイプは単軸または2軸であってもよい。
成形温度は適宜設定できるが、樹脂のガラス転移温度をTg(℃)とした場合、(Tg+80)℃〜(Tg+180)℃が好ましく、(Tg+100)℃〜(Tg+160)℃がより好ましい。成形温度が低すぎると、樹脂の流動性がなく、成形できなくなるおそれがある。成形温度が高すぎると、樹脂粘度が低くなり、成形物の厚み不均一等の生産安定性に問題が生じるおそれがある。多層成形物の場合、よりガラス転移温度の高い樹脂に設定するのが好ましい。
共押出し成形によれば、接着剤層を介さないため、接着剤中の溶媒の乾燥、飛散させる工程が不要であり、生産性に優れる。また、直接二種類の樹脂が接することにより、接着剤層の劣化による接着力の低下や光学特性の低下といった接着剤層に起因する耐久性低下を抑止できる。
偏光子保護フィルムの光学特性として、正面および厚み方向の位相差の大きさが問題となる。そのため、上記フィルムを形成する樹脂(すなわち、樹脂層(B1)、樹脂層(A)、または樹脂層(B2)を形成する樹脂)中には、位相差低減剤が含まれていてもよい。位相差低減剤としては、例えば、アクリロニトリル−スチレンブロック共重合体、アクリロニトリル−スチレンブロック共重合体コポリマーなど、スチレン含有ポリマーが好ましい。位相差低減剤の添加量としては、各層の樹脂成分に対し、30重量%以下であることが好ましく、より好ましくは25重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下である。この範囲を超えて添加した場合、可視光線を散乱させたり、透明性を損なったりするため、偏光子保護フィルムとしての特性に欠けてしまうおそれがある。
本発明の偏光子保護フィルムは、他の基材に積層して用いることができる。例えば、ガラス、ポリオレフィン樹脂、ハイバリア層となるエチレンビニリデン共重合体、ポリエステル等の基材に対して、接着性樹脂層を含めた多層押出成型や多層インフレーション成型によって、積層成形することもできる。熱融着性が高い場合には、接着層を省略することもある。
本発明の偏光子保護フィルムは、縦延伸および/または横延伸によって延伸されていても良い。
上記延伸は、縦延伸のみによる延伸(自由端一軸延伸)でも良いし、横延伸のみによる延伸(固定端一軸延伸)でも良いが、縦延伸倍率が1.1〜3.0倍、横延伸倍率が1.1〜3.0倍の、逐次延伸または同時二軸延伸であることが好ましい。縦延伸のみによる延伸(自由端一軸延伸)や横延伸のみによる延伸(固定端一軸延伸)では、延伸方向にのみフィルム強度が上がり、延伸方向に対して直角方向には強度がアップせず、フィルム全体として十分なフィルム強度が得られないおそれがある。上記縦延伸倍率は、より好ましくは1.2〜2.5倍、さらに好ましくは1.3〜2.0倍である。上記横延伸倍率は、より好ましくは1.2〜2.5倍、さらに好ましくは1.4〜2.5倍である。縦延伸倍率、横延伸倍率が1.1倍未満の場合、延伸倍率が低すぎて、延伸の効果がほとんどないおそれがある。縦延伸倍率、横延伸倍率が3.0倍を超えると、フィルム端面の平滑性の問題により、延伸切れが生じやすい。
上記延伸温度は、延伸させるフィルムのTg〜(Tg+30℃)が好ましい。上記延伸温度がTgより低いと、フィルムが破断してしまうおそれがある。上記延伸温度が(Tg+30℃)を超えると、フィルムが溶融し始めて通紙が困難になるおそれがある。
本発明の偏光子保護フィルムは、縦延伸および/または横延伸によって延伸されてなることにより、優れた光学的特性を有するとともに、機械的強度にも優れ、生産性やリワーク性が向上する。延伸後の光学フィルムの厚みは、好ましくは10〜80μm、より好ましくは15〜60μmである。
本発明の偏光子保護フィルムは、偏光子保護の用途以外にも、例えば、窓やカーポート屋根材等の建築用採光部材、窓等の車輌用採光部材、温室等の農業用採光部材、照明部材、前面フィルター等のディスプレイ部材等に積層して用いることができ、また、従来から(メタ)アクリル系樹脂フィルムが被覆されていた家電の筐体、車輌内装部材、内装用建築材料、壁紙、化粧板、玄関ドア、窓枠、巾木等にも積層して用いることができる。
〔偏光板〕
本発明の偏光板は、ポリビニルアルコール系樹脂から形成される偏光子と本発明の偏光子保護フィルムとを含む偏光板である。本発明の偏光板の好ましい実施形態の1つは、図2に示すように、偏光子31の一方の面が、接着剤層32および易接着層33を介して本発明の偏光子保護フィルム34に接着されてなり、偏光子31のもう一方の面が、接着剤層35を介して偏光子保護フィルム36に接着されてなる形態である。偏光子保護フィルム36は本発明の偏光子保護フィルムであってもよいし、別の任意の適切な偏光子保護フィルムであってもよい。また、接着剤層35と偏光子保護フィルム36の間に易接着層が存在していてもよい。
偏光子は、特に限定されないが、好ましくは、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性物質(代表的には、ヨウ素、二色性染料)で染色して一軸延伸したポリビニルアルコール系偏光子が用いられる。偏光子を構成するポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、任意の適切な方法(例えば、樹脂を水または有機溶媒に溶解した溶液を流延成膜する流延法、キャスト法、押出法)で成形され得る。偏光子の厚みは、偏光板が用いられるLCDの目的や用途に応じて適宜設定され得るが、代表的には5〜80μmである。
偏光子の製造方法としては、目的、使用材料および条件等に応じて任意の適切な方法が採用され得る。代表的には、上記ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、膨潤、染色、架橋、延伸、水洗、および乾燥工程からなる一連の製造工程に供する方法が採用される。乾燥工程を除く各処理工程においては、それぞれの工程に用いられる溶液を含む浴中にポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬することにより処理を行う。膨潤、染色、架橋、延伸、水洗、および乾燥の各処理の順番、回数および実施の有無は、目的、使用材料および条件等に応じて適宜設定され得る。例えば、いくつかの処理を1つの工程で同時に行ってもよく、特定の処理を省略してもよい。より詳細には、例えば延伸処理は、染色処理の後に行ってもよく、染色処理の前に行ってもよく、膨潤処理、染色処理および架橋処理と同時に行ってもよい。また例えば、架橋処理を延伸処理の前後に行うことが、好適に採用され得る。また例えば、水洗処理は、すべての処理の後に行ってもよく、特定の処理の後のみに行ってもよい。膨潤、染色、架橋、延伸、水洗、乾燥の各処理は、従来の方法を適用することができる。
本発明の偏光板においては、上記偏光子保護フィルムと上記偏光子との間に接着剤層を有する。すなわち、上記偏光子が、接着剤層を介して、本発明の偏光子保護フィルムに接着されてなる。
本発明において、偏光子保護フィルムと偏光子との接着は、接着剤から形成される接着剤層を介して行われる。この接着剤層は、特に限定されないが、ポリビニルアルコール系接着剤から形成される層が好ましい。ポリビニルアルコール系接着剤は、好ましくは、ポリビニルアルコール系樹脂と架橋剤を含有する。
上記ポリビニルアルコール系樹脂は、特に限定されないが、例えば、アセトアセチル基を有するポリビニルアルコール系樹脂を用いることができる。アセトアセチル基を有するポリビニルアルコール系樹脂は、反応性の高い官能基を有するポリビニルアルコール系接着剤であり、偏光板の耐久性が向上する点で好ましい。
アセトアセチル基を有するポリビニルアルコール系樹脂のアセトアセチル基変性度は、0.1モル%以上であれば特に制限はない。0.1モル%未満では接着剤層の耐水性が不十分であり不適当である。アセトアセチル基変性度は、好ましくは0.1〜40モル%、さらに好ましくは1〜20モル%である。アセトアセチル基変性度が40モル%を超えると架橋剤との反応点が少なくなり、耐水性の向上効果が小さい。アセトアセチル基変性度はNMRにより測定した値である。
上記架橋剤としては、ポリビニルアルコール系接着剤に用いられているものを特に制限なく使用できる。架橋剤は、ポリビニルアルコール系樹脂と反応性を有する官能基を少なくとも2つ有する化合物を使用できる。架橋剤としては、メラミン系架橋剤が好ましく、特にメチロールメラミンが好適である。
上記架橋剤の配合量は、ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜35重量部、より好ましくは10〜25重量部である。一方、耐久性をより向上させるには、ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して、架橋剤を30重量部を超え46重量部以下の範囲で配合することができる。特に、アセトアセチル基を含有するポリビニルアルコール系樹脂を用いる場合には、架橋剤の使用量を30重量部を超えて用いるのが好ましい。架橋剤を30重量部を超え46重量部以下の範囲で配合することにより、耐水性が向上する。
なお、上記ポリビニルアルコール系接着剤には、さらにシランカップリング剤、チタンカップリング剤などのカップリング剤、各種粘着付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐加水分解安定剤などの安定剤等を配合することもできる。
本発明の偏光子保護フィルムは、いずれの側の面を偏光子と貼り合わせても良い。なお、偏光子と接する面に接着性向上のために易接着処理を施すことができる。易接着処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、低圧UV処理、ケン化処理等の表面処理や易接着層を形成する方法が挙げられ、これらを併用することもできる。これらの中でも、コロナ処理、易接着層を形成する方法、およびこれらを併用する方法が好ましい。
上記接着剤層の形成は、上記接着剤を偏光子保護フィルムのいずれかの側または両側の面、偏光子のいずれかの側または両側の面に塗布することにより行う。偏光子保護フィルムと偏光子とを貼り合せた後には、乾燥工程を施し、塗布乾燥層からなる接着剤層を形成する。接着剤層を形成した後にこれを貼り合わせることもできる。偏光子と偏光子保護フィルムの貼り合わせは、ロールラミネーター等により行うことができる。加熱乾燥温度、乾燥時間は接着剤の種類に応じて適宜決定される。
接着剤層の厚みは、乾燥後の厚みで厚くなりすぎると、偏光子保護フィルムの接着性の点で好ましくないことから、好ましくは0.01〜10μm、さらに好ましくは0.03〜5μmである。
偏光子への偏光子保護フィルムの貼り合わせは、偏光子の両面に、前記偏光子保護フィルムの一方の側で接着することができる。
また、偏光子の偏光子保護フィルムの貼り合わせは、偏光子の片面に前記偏光子保護フィルムの一方の側で接着し、偏光子のもう一方の片面にセルロース系樹脂や前述の樹脂層(B1)などに用いられる熱可塑性樹脂からなるフィルムを貼り合わせることができ、好ましくは、セルロース系樹脂からなるフィルムである。
上記偏光子のもう一方の片面に貼り合わされるフィルムの厚さは、好ましくは30〜100μm、より好ましくは40〜80μmである。厚さが30μmより薄いとフィルム強度が低下し作業性が劣り、100μmより厚いと耐久性において光透過率の低下が著しくなる。
本発明にかかる偏光板は、樹脂層の少なくとも一方として粘着剤層を有していても良い(このような偏光板を粘着型偏光板と称することがある)。特に好ましい形態として、上記偏光子保護フィルムの偏光子が接着されていない側に、他の光学フィルムや液晶セル等の他部材と接着するための粘着剤層を設けることができる。
上記粘着剤層を形成する粘着剤は、特に限定されないが、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用い得る。
また微粒子を含有して光拡散性を示すなど、各種機能を付与した粘着剤層などであってもよい。
粘着剤層の厚さは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、好ましくは1〜40μmであり、より好ましくは5〜30μmであり、特に好ましくは10〜25μmである。1μmより薄いと耐久性が悪くなり、また、40μmより厚くなると発泡などによる浮きや剥がれが生じやすく外観不良となる。
上記偏光子保護フィルムと上記粘着剤層との間の密着性を向上させるために、その層間にアンカー層を設けることも可能である。
上記アンカー層としては、好ましくは、ポリウレタン、ポリエステル、分子中にアミノ基を含むポリマー類から選ばれるアンカー層が用いられ、特に好ましくは分子中にアミノ基を含んだポリマー類が使用される。分子中にアミノ基を含んだポリマーは、分子中のアミノ基が、粘着剤中のカルボキシル基や、導電性ポリマー中の極性基と反応もしくはイオン性相互作用などの相互作用を示すため、良好な密着性が確保される。
上記アンカー層に帯電防止性を付与するために、帯電防止剤を添加することもできる。
なお本発明において、上記した偏光板を形成する偏光子や粘着剤層などの各層には、例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの方式により紫外線吸収能力をもたせたものなどであってもよい。
本発明の偏光板は、液晶セルの視認側、バックライト側のどちらか片側に設けても、両側に設けてもよく、限定されない。
次に、本発明の画像表示装置について説明する。本発明の画像表示装置は本発明の偏光板を少なくとも1枚含む。ここでは一例として液晶表示装置について説明するが、本発明が偏光板を必要とするあらゆる表示装置に適用され得ることはいうまでもない。本発明の偏光板が適用可能な画像表示装置の具体例としては、エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PD)、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)のような自発光型表示装置が挙げられる。図3は、本発明の好ましい実施形態による液晶表示装置の概略断面図である。図示例では透過型液晶表示装置について説明するが、本発明が反射型液晶表示装置等にも適用されることはいうまでもない。
液晶表示装置100は、液晶セル10と、液晶セル10を挟んで配された位相差フィルム20、20’と、位相差フィルム20、20’の外側に配された偏光板30、30’と、導光板40と、光源50と、リフレクター60とを備える。偏光板30、30’は、その偏光軸が互いに直交するようにして配置されている。液晶セル10は、一対のガラス基板11、11’と、該基板間に配された表示媒体としての液晶層12とを有する。一方の基板11には、液晶の電気光学特性を制御するスイッチング素子(代表的にはTFT)と、このスイッチング素子にゲート信号を与える走査線およびソース信号を与える信号線とが設けられている(いずれも図示せず)。他方のガラス基板11’には、カラーフィルターを構成するカラー層と遮光層(ブラックマトリックス層)とが設けられている(いずれも図示せず)。基板11、11’の間隔(セルギャップ)は、スペーサー13によって制御されている。本発明の液晶表示装置においては、偏光板30、30’の少なくとも1つとして、上記記載の本発明の偏光板が採用される。
例えば、TN方式の場合には、このような液晶表示装置100は、電圧無印加時には液晶層12の液晶分子が、偏光軸を90度ずらすような状態で配列している。そのような状態においては、偏光板によって一方向の光のみが透過した入射光は、液晶分子によって90度ねじられる。上記のように、偏光板はその偏光軸が互いに直交するようにして配置されているので、他方の偏光板に到達した光(偏光)は、当該偏光板を透過する。したがって、電圧無印加時には、液晶表示装置100は白表示を行う(ノーマリホワイト方式)。一方、このような液晶表示装置100に電圧を印加すると、液晶層12内の液晶分子の配列が変化する。その結果、他方の偏光板に到達した光(偏光)は、当該偏光板を透過できず、黒表示となる。このような表示の切り替えを、アクティブ素子を用いて画素ごとに行うことにより、画像が形成される。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例には限定されない。なお、特に示さない限り、実施例中の部およびパーセントは重量基準である。評価は以下のようにして行った。
〈厚みの測定〉
厚みが10μm未満の場合、薄膜用分光光度計[大塚電子(株)製 製品名「瞬間マルチ測光システム MCPD−2000」]を用いて測定した。厚みが10μm以上の場合、アンリツ製デジタルマイクロメーター「KC−351C型」を使用して測定した。
〈300℃で20分間の加熱における重量減少〉
300℃で20分間の加熱における重量減少は、窒素気流中で300℃で20分間加熱した際の重量減少率で評価した。試料約5〜10mgを用い、熱重量分析装置(セイコーインスツルメンツ(株)製、TG/DTA6200)で窒素気流中において測定した。10℃/分で300℃まで昇温させた後、300℃で20分間保持した。処理前の重量=M0、処理後の重量=M1、重量減少率(%)=Mとした時、次式で計算した。
M=(M1−M0)/M0
〈UV吸収能の評価方法〉
得られた光学フィルムについて、日立ハイテクノロジーズ社製の日立分光光度計U−4100を用いて、380nmの光線透過率を測定した。
〈静摩擦係数、動摩擦係数〉
JIS−K7125で規定される摩擦係数試験方法に基づき測定した。
〈内部ヘイズ〉
(株)村上色彩技術研究所製ヘイズメーター「HM−150」を用い、JIS−K7136に基づいて測定を行った。
〈フィルム外観欠点の評価〉
単軸の押出機にて共押出もしくは押出を行って製膜したフィルムを観察し、フィルムに見られる外観欠点の数を観察した。
◎:目視では外観欠点は確認されない。
○:直径(楕円状の場合は長径)0.1mm未満の外観欠点が観察される。
×:全面に直径(楕円状の場合は長径)0.1mm以上の外観欠点が観察される。
××:全面に直径(楕円状の場合は長径)0.1mm以上の外観欠点が多数観察される。
〈ロール付着物の評価〉
Tダイ出口のキャストロールへのロール付着物の有無を観察した。
○:キャストロールにロール付着物が観察されない。
×:キャストロールにロール付着物が観察される。
〈フィルム滑り性の簡易評価1〉
2枚のフィルム同士を擦り合わせ、その時の手感触によって、滑り性を簡易評価した。
○:滑り性が良好な手感触である。
×:滑り性が十分でない手感触である。
〈フィルム滑り性の簡易評価2〉
大小のガラス板それぞれにフィルムを貼り付けた。得られた大小の積層体を、大きいほうの積層体を下にしてフィルム面同士が擦り合うように重ね合わせ、水平に静置した。そのまま大きいほうの積層体を持ってゆっくりと傾けていき、小さいほうの積層体が滑り出す時の、大きいほうの積層体と水平面とのなす角度を測定した(無荷重滑り角度)。また、小さいほうの積層体のガラス板面側に500gの重りを貼り付けて、上記と同様の角度を測定した(荷重滑り角度)。
〔参考例1〕
特開2005−146084号公報に記載のラクトン環含有アクリル系樹脂ペレットに対して、トリアゾール系紫外線吸収剤(ADEKA社製、アデカスタブLA−31)を5.0重量%、フェノール系酸化防止剤(ADEKA社製、アデカスタブAO−60)を0.1重量%、チオエーテル系酸化防止剤(ADEKA社製、アデカスタブAO−412S)を0.1重量%、2軸混練機にて240℃で混合し、樹脂ペレット(1)を作製した。
〔参考例2〕
特開2005−146084号公報に記載のラクトン環含有アクリル系樹脂ペレットに対して、滑剤としてステアリン酸亜鉛(堺化学工業製、グレード:Zn−St)を1.0重量%、リン系酸化防止剤(ADEKA社製、PEP−36)を0.1重量%、フェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティーケミカルズ社製、IRGANOX1010)を0.1重量%を、2軸混練機にて240℃にて混合し、樹脂ペレット(2)を作製した。
〔参考例3〕
アクリル系樹脂ペレット(三菱レイヨン製、「アクリペットVH」)に対して、滑剤としてステアリン酸亜鉛(堺化学工業製、グレード:Zn−St)を1.0重量%、リン系酸化防止剤(ADEKA社製、PEP−36)を0.1重量%、フェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティーケミカルズ社製、IRGANOX1010)を0.1重量%を、2軸混練機にて240℃にて混合し、樹脂ペレット(3)を作製した。
〔参考例4〕
ポリスチレン系樹脂ペレット(日本ポリスチレン製、「G797N」)に対して、滑剤としてステアリン酸亜鉛(堺化学工業製、グレード:Zn−St)を1.0重量%、リン系酸化防止剤(ADEKA社製、PEP−36)を0.1重量%、フェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティーケミカルズ社製、IRGANOX1010)を0.1重量%を、2軸混練機にて240℃にて混合し、樹脂ペレット(4)を作製した。
〔参考例5〕
アクリロニトリル/スチレン共重合樹脂ペレット(旭化成ケミカルズ社製、スタイラックAS)に対して、滑剤としてステアリン酸亜鉛(堺化学工業製、グレード:Zn−St)を1.0重量%、リン系酸化防止剤(ADEKA社製、PEP−36)を0.1重量%、フェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティーケミカルズ社製、IRGANOX1010)を0.1重量%を、2軸混練機にて240℃にて混合し、樹脂ペレット(5)を作製した。
〔参考例6〕
厚さ80μmのポリビニルアルコールフィルムを、5重量%(重量比:ヨウ素/ヨウ化カリウム=1/10)のヨウ素水溶液中で染色した。次いで、3重量%のホウ酸および2重量%ヨウ化カリウムを含む水溶液に浸漬し、さらに4重量%のホウ酸および3重量%のヨウ化カリウムを含む水溶液中で5.5倍まで延伸した後、5重量%のヨウ化カリウム水溶液に浸漬した。その後、40℃のオーブンで3分間乾燥を行い、厚さ30μmの偏光子を得た。
〔実施例1〕
参考例1で得られた樹脂ペレット(1)と参考例2で得られた樹脂ペレット(2)とを、800Pa、100℃で12時間乾燥させた。その後、単軸の押出機2台を用いて、フィードブロック方式にてダイス温度250℃でTダイから共押出を行って製膜した後、2軸延伸機にて固定端の同時2軸延伸を行い、「樹脂ペレット(2)から得られる樹脂層(厚み:3μm)/樹脂ペレット(1)から得られる樹脂層(厚み:24μm)/樹脂ペレット(2)から得られる樹脂層(厚み:3μm)」のフィルム構成を有する、フィルム総厚みが30μmの偏光子保護フィルム(1)を作製した。
偏光子保護フィルム(1)についての評価結果を表1、2に示す。
〔実施例2〕
参考例1で得られた樹脂ペレット(1)と参考例3で得られた樹脂ペレット(3)とを、800Pa、100℃で12時間乾燥させた。その後、単軸の押出機2台を用いて、フィードブロック方式にてダイス温度250℃でTダイから共押出を行って製膜した後、2軸延伸機にて固定端の同時2軸延伸を行い、「樹脂ペレット(3)から得られる樹脂層(厚み:3μm)/樹脂ペレット(1)から得られる樹脂層(厚み:24μm)/樹脂ペレット(3)から得られる樹脂層(厚み:3μm)」のフィルム構成を有する、フィルム総厚みが30μmの偏光子保護フィルム(2)を作製した。
偏光子保護フィルム(2)についての評価結果を表1、2に示す。
〔比較例1〕
参考例1で得られた樹脂ペレット(1)と特開2005−146084号公報に記載のラクトン環含有アクリル系樹脂ペレットとを、800Pa、100℃で12時間乾燥させた。その後、単軸の押出機2台を用いて、フィードブロック方式にてダイス温度250℃でTダイから共押出を行って製膜した後、2軸延伸機にて固定端の同時2軸延伸を行い、「特開2005−146084号公報に記載のラクトン環含有アクリル系樹脂ペレットから得られる樹脂層(厚み:3μm)/樹脂ペレット(1)から得られる樹脂層(厚み:24μm)/特開2005−146084号公報に記載のラクトン環含有アクリル系樹脂ペレットから得られる樹脂層(厚み:3μm)」のフィルム構成を有する、フィルム総厚みが30μmの偏光子保護フィルム(C1)を作製した。
偏光子保護フィルム(C1)についての評価結果を表1、2に示す。
〔比較例2〕
参考例1で得られた樹脂ペレット(1)とアクリル系樹脂ペレット(三菱レイヨン製、「アクリペットVH」)とを、800Pa、100℃で12時間乾燥させた。その後、単軸の押出機2台を用いて、フィードブロック方式にてダイス温度250℃でTダイから共押出を行って製膜した後、2軸延伸機にて固定端の同時2軸延伸を行い、「アクリル系樹脂ペレット(三菱レイヨン製、「アクリペットVH」)から得られる樹脂層(厚み:3μm)/樹脂ペレット(1)から得られる樹脂層(厚み:24μm)/アクリル系樹脂ペレット(三菱レイヨン製、「アクリペットVH」)から得られる樹脂層(厚み:3μm)」のフィルム構成を有する、フィルム総厚みが30μmの偏光子保護フィルム(C2)を作製した。
偏光子保護フィルム(C2)についての評価結果を表1、2に示す。
〔実施例3〕
参考例1で得られた樹脂ペレット(1)と参考例4で得られた樹脂ペレット(4)とを、800Pa、100℃で12時間乾燥させた。その後、単軸の押出機2台を用いて、フィードブロック方式にてダイス温度250℃でTダイから共押出を行って製膜した後、2軸延伸機にて固定端の同時2軸延伸を行い、「樹脂ペレット(4)から得られる樹脂層(厚み:3μm)/樹脂ペレット(1)から得られる樹脂層(厚み:24μm)/樹脂ペレット(4)から得られる樹脂層(厚み:3μm)」のフィルム構成を有する、フィルム総厚みが30μmの偏光子保護フィルム(3)を作製した。
偏光子保護フィルム(3)についての評価結果を表1、2に示す。
〔実施例4〕
参考例1で得られた樹脂ペレット(1)と参考例5で得られた樹脂ペレット(5)とを、800Pa、100℃で12時間乾燥させた。その後、単軸の押出機2台を用いて、フィードブロック方式にてダイス温度250℃でTダイから共押出を行って製膜した後、2軸延伸機にて固定端の同時2軸延伸を行い、「樹脂ペレット(5)から得られる樹脂層(厚み:3μm)/樹脂ペレット(1)から得られる樹脂層(厚み:24μm)/樹脂ペレット(5)から得られる樹脂層(厚み:3μm)」のフィルム構成を有する、フィルム総厚みが30μmの偏光子保護フィルム(4)を作製した。
偏光子保護フィルム(4)についての評価結果を表1、2に示す。
〔比較例3〕
参考例1で得られた樹脂ペレット(1)とポリスチレン系樹脂ペレット(日本ポリスチレン製、「G797N」)とを、800Pa、100℃で12時間乾燥させた。その後、単軸の押出機2台を用いて、フィードブロック方式にてダイス温度250℃でTダイから共押出を行って製膜した後、2軸延伸機にて固定端の同時2軸延伸を行い、「ポリスチレン系樹脂ペレット(日本ポリスチレン製、「G797N」)から得られる樹脂層(厚み:3μm)/樹脂ペレット(1)から得られる樹脂層(厚み:24μm)/ポリスチレン系樹脂ペレット(日本ポリスチレン製、「G797N」)から得られる樹脂層(厚み:3μm)」のフィルム構成を有する、フィルム総厚みが30μmの偏光子保護フィルム(C3)を作製した。
偏光子保護フィルム(C3)についての評価結果を表1、2に示す。
〔比較例4〕
参考例1で得られた樹脂ペレット(1)とアクリロニトリル/スチレン共重合樹脂ペレット(旭化成ケミカルズ社製、スタイラックAS)とを、800Pa、100℃で12時間乾燥させた。その後、単軸の押出機2台を用いて、フィードブロック方式にてダイス温度250℃でTダイから共押出を行って製膜した後、2軸延伸機にて固定端の同時2軸延伸を行い、「アクリロニトリル/スチレン共重合樹脂ペレット(旭化成ケミカルズ社製、スタイラックAS)から得られる樹脂層(厚み:3μm)/樹脂ペレット(1)から得られる樹脂層(厚み:24μm)/アクリロニトリル/スチレン共重合樹脂ペレット(旭化成ケミカルズ社製、スタイラックAS)から得られる樹脂層(厚み:3μm)」のフィルム構成を有する、フィルム総厚みが30μmの偏光子保護フィルム(C4)を作製した。
偏光子保護フィルム(C4)についての評価結果を表1、2に示す。
〔実施例5〕
(接着剤)
アセトアセチル基変性したポリビニルアルコール樹脂100重量部(アセチル化度13%)に対してメチロールメラミン20重量部を含む水溶液を、濃度0.5重量%になるように調整したポリビニルアルコール系接着剤水溶液を調整した。
(偏光板の作製)
参考例6で得られた偏光子の両面に実施例1で得られた偏光子保護フィルム(1)を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り合わせた。ポリビニルアルコール系接着剤は、それぞれアクリル樹脂面側に塗布し、70℃で10分間乾燥させて偏光板を得た。
(粘着剤)
ベースポリマーとして、ブチルアクリレート:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルアクリレート=100:5:0.1(重量比)の共重合体からなる重量平均分子量200万のアクリル系ポリマーを含有する溶液(固形分30%)を用いた。上記アクリル系ポリマー溶液にイソシアネート系多官能性化合物である日本ポリウレタン社製コロネートLをポリマー固形分100部に対して4部、および添加剤(KBM403、信越シリコーン製)を0.5部、粘度調整のための溶剤(酢酸エチル)を加え、粘着剤溶液(固形分12%)を調製した。当該粘着剤溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、離型フィルム(ポリエチレンテレフタレート基材:ダイヤホイルMRF38、三菱化学ポリエステル製)上に塗布した後、熱風循環式オーブンで乾燥して、粘着剤層を形成した。
(偏光板アンカー層)
ポリアクリル酸エステルのポリエチレンイミン付加物(日本触媒社製、商品名ポリメントNK380)をメチルイソブチルケトンで50倍に希釈した。これを偏光板の片面に、ワイヤーバー(#5)を用いて乾燥後の厚みが50nmとなるように塗布乾燥した。
(粘着型偏光板の作製)
上記偏光板のアンカー層に、上記粘着剤層を形成した離型フィルムを貼り合わせ、粘着剤型偏光板を作製した。
(偏光板の評価)
得られた偏光板における、偏光子保護フィルムと偏光子の接着性、および外観を評価した。接着性は良好であり、偏光子とフィルムとが一体化して剥がれが生じなかった。また、外観の評価結果は○であった。