[go: up one dir, main page]

JP2009292310A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2009292310A
JP2009292310A JP2008147865A JP2008147865A JP2009292310A JP 2009292310 A JP2009292310 A JP 2009292310A JP 2008147865 A JP2008147865 A JP 2008147865A JP 2008147865 A JP2008147865 A JP 2008147865A JP 2009292310 A JP2009292310 A JP 2009292310A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
rubber
parts
chafer
pneumatic radial
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2008147865A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Uno
仁 宇野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire and Rubber Co Ltd filed Critical Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority to JP2008147865A priority Critical patent/JP2009292310A/ja
Publication of JP2009292310A publication Critical patent/JP2009292310A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】スコーチ性を損なうことなく加硫速度を上げて生産性を向上するとともに、ビード部の耐久性に優れた空気入りラジアルタイヤを提供する。
【解決手段】カーカス(2)のプライ折り返し部(2A)とゴムチェーファー(8)との間に介設されたチェーファーパッド(9)において、ジエン系ゴム100重量部に対して、カーボンブラック30〜60重量部と、硫黄2〜5重量部と、フェノール類化合物又はフェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合したフェノール系樹脂と、そのメチレン供与体としてのヘキサメチレンテトラミン又はメラミン誘導体と、前記硫黄の0.1〜1.0倍重量部の1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンと、を配合したゴム組成物を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りラジアルタイヤに関し、特には、特有のゴム組成物を用いたチェーファーパッドを備える空気入りラジアルタイヤに関するものである。
一般に、空気入りラジアルタイヤにおいては、カーカスの両端部がビード部においてビードコアの周りを巻き上げるように折り返されて係止されている。そして、かかるカーカスの折り返し部を保護するために、リムフランジに当接するビード部外面部分にゴムチェーファー(リムストリップとも称される。)が設けられている。
このようなビード部における故障の要因として、カーカスの折り返し部とリムフランジとで挟まれたゴムが大きく圧縮されることにより、該ゴムがへたり、カーカスのコードと該コードを被覆するコーティングゴムとの界面もしくはコード近傍のゴム内においてセパレーションを引き起こすことが挙げられる。また、上記圧縮による変形によって熱が蓄積され、耐熱限界を超えてブローが発生することなども、ビード部におけるセパレーションの要因となる。
そこで、かかるビード部故障を改良するため、下記特許文献1には、ビード部におけるゴムチェーファーとカーカスの折り返し部との間に補強ゴム(チェーファーパッド)を設け、該補強ゴムを、ジエン系ゴムに1,6−ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・二水和物を配合したゴム組成物で形成することが開示されている。
一方、タイヤビード部の耐久性を向上するために、レゾルシン又はレゾルシン誘導体とそのメチレン供与体であるヘキサメチレンテトラミン又はメラミン誘導体を配合したゴム組成物を用いてビードフィラーを形成することが知られている(下記特許文献2参照)。そのため、このようなフェノール系の接着性樹脂を、チェーファーパッド用ゴム組成物に配合することが考えられる。
しかしながら、上記フェノール系の接着性樹脂を配合すると、加硫速度が遅くなるという問題がある。ビード部、特にトラックやバス等に用いられる重荷重用タイヤのビード部はその厚みが大きいことから、タイヤ加硫成型時に熱が伝わりにくい。そのため、加硫速度が遅いと、生産性を大きく損なうことになる。
そこで、加硫速度を速くするために加硫促進剤を増量することが考えられるが、加硫促進剤を増量すると、カレンダー工程でゴムが焼ける問題が発生したり、接着性悪化によるビード部の耐久性低下がみられたりする。
なお、下記特許文献3には、ゴムチェーファーに1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンを配合したゴム組成物を用いることが開示されている。しかしながら、ゴムチェーファーは、カーカスとの接着性が要求されるチェーファーパッドとは異なる非接着系のゴム部材であり、またタイヤ外面としての耐オゾン性が要求されるなど、本発明が対象とするチェーファーパッドとは要求特性が全く異なるものである。また、本発明の特徴とするチオカルバモイル化合物と上記フェノール系の接着性樹脂を併用する点についても開示されておらず、また、これにより、スコーチ性を損なうことなく加硫速度を速くすることで生産性を向上しつつ、かつ、ビード部の優れた耐久性を維持ないし向上できる点についても何ら開示されていない。
特開2005−219606号公報 特開2006−152043号公報 特開2005−171016号公報
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、スコーチ性を損なうことなく加硫速度を上げて生産性を向上するとともに、ビード部の耐久性に優れた空気入りラジアルタイヤを提供することを目的とする。
本発明に係る空気入りラジアルタイヤは、ビード部に埋設されたビードコアと、前記ビードコアの周りにタイヤ軸方向内側から外側に折り返して係止されたカーカスと、リムフランジに当接するビード部外面部分を構成するゴムチェーファーと、前記カーカスのプライ折り返し部と前記ゴムチェーファーとの間に介設されたチェーファーパッドとを備える空気入りラジアルタイヤにおいて、前記チェーファーパッドに、ジエン系ゴム100重量部に対して、カーボンブラック30〜60重量部と、硫黄2〜5重量部と、フェノール類化合物又はフェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合したフェノール系樹脂と、そのメチレン供与体としてのヘキサメチレンテトラミン又はメラミン誘導体と、前記硫黄の0.1〜1.0倍重量部の1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンと、を配合したゴム組成物を用いたことを特徴とするものである。
本発明の空気入りラジアルタイヤであると、フェノール系の接着性樹脂とともに、1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンを所定量配合したことにより、スコーチ性を損なうことなく加硫速度を速くすることができ、生産性を向上することができる。しかも、接着性樹脂による優れたビード部の耐久性を維持ないし向上することができる。また、1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンを配合することにより、耐リバージョン性と耐熱老化性を向上することができ、また低発熱性を維持ないし向上することができるので、この点からもビード部に優れた耐久性を付与することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本発明の空気入りラジアルタイヤにおいて、チェーファーパッドに用いられるゴム組成物は、ゴム成分としてジエン系ゴムを含む。ジエン系ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム等が挙げられる。この中でも、破壊特性に優れる天然ゴムが好ましく用いられ、従って、ゴム成分は、天然ゴムを主成分とするジエン系ゴムであること、すなわち、天然ゴム単独、又は天然ゴム50重量%以上と他のジエン系ゴムとのブレンドであることが好ましい。
上記ゴム組成物に用いられるカーボンブラックとしては、特に限定されず、チェーファーパッドに一般に用いられているグレード、例えば、ISAF、HAF、FEFのものを用いることができる。カーボンブラックは、チェーファーパッドとしての特性を満足するため、ジエン系ゴム100重量部に対して30〜60重量部にて配合され、より好ましくは40〜50重量部にて配合することである。
上記ゴム組成物に用いられる硫黄は、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、オイル処理硫黄などが挙げられる。硫黄は、ジエン系ゴム100重量部に対して2〜5重量部にて配合される。硫黄の配合量が少なすぎると、チェーファーパッドとして求められる剛性を確保することが難しくなり、逆に多すぎると、加硫速度が遅くなり、また耐熱性が悪化する。
上記ゴム組成物に用いられるフェノール類化合物又はフェノール系樹脂は、メチレン供与体としてのヘキサメチレンテトラミン又はメラミン誘導体に対応するメチレン受容体であり、メチレン供与体のメチレン基と硬化反応することで、カーカスプライに対する接着性を向上する接着性樹脂として作用する。
上記フェノール類化合物には、フェノール、レゾルシンまたはこれらのアルキル誘導体が含まれる。アルキル誘導体には、クレゾール、キシレノールといったメチル基誘導体の他、ノニルフェノール、オクチルフェノールといった比較的長鎖のアルキル基による誘導体が含まれる。フェノール類化合物は、アセチル基等のアシル基を置換基に含むものであってもよい。
また、フェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合したフェノール系樹脂には、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂(即ち、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂)、クレゾール樹脂(即ち、クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂)等の他、複数のフェノール類化合物からなるホルムアルデヒド樹脂が含まれる。これらは、未硬化の樹脂であって、液状又は熱流動性を有するものが用いられる。
これらの中でも、ゴム成分や他の成分との相溶性、硬化後の樹脂の緻密さ及び信頼性の見地から、レゾルシン又はレゾルシン誘導体が好ましく、特には、レゾルシン−アルキルフェノール共縮合ホルマリン樹脂が好ましい。
フェノール類化合物又はフェノール系樹脂の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して0.5〜3重量部であることが好ましく、より好ましくは1〜2重量部である。この配合量が少なすぎると、接着性に劣り、逆に多すぎると、低発熱性、耐熱老化性が損なわれ、耐久性に劣る。
上記メチレン供与体としてのメラミン誘導体としては、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン、メチロールメラミン、メチロールメラミンの部分エーテル化物、メラミンとホルムアルデヒドとメタノールの縮合物等が用いられ、その中でもヘキサメトキシメチルメラミンが特に好ましい。
メチレン供与体としてのヘキサメチレンテトラミン又はメラミン誘導体の配合量は、上記メチレン受容体に対して充分な反応、硬化を行わせるだけの量であり、具体的には、フェノール類化合物又はフェノール系樹脂の配合量の0.5〜2倍重量部であることが好ましい。該配合量が0.5倍重量部よりも少ないと、充分な反応、硬化を行わせることができず、逆に、2倍重量部を超えると、ゴム組成物の物性低下を招くおそれがある。
上記ゴム組成物に用いられる1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン(以下、チオカルバモイル化合物ということがある。)は、硫黄の配合量に対して0.1〜1.0倍重量部にて配合される。より好ましくは硫黄の0.2〜0.5倍重量部にて配合することである。なお、チオカルバモイル化合物のジエン系ゴム100重量部に対する配合量は、特に限定するものではないが、0.5〜3.0重量部であることが好ましい。
このようにチオカルバモイル化合物を所定量配合することにより、スコーチ性を損なうことなく加硫速度を速くすることができる。また、このチオカルバモイル化合物は、耐リバージョン架橋剤として作用するものであり、耐リバージョン性と耐熱老化性を向上することができる。また、低発熱性を維持ないし向上することができ、しかも、上記接着性樹脂による耐接着破壊性を維持することができる。よって、上記接着性樹脂との組み合わせにより、生産性を向上しつつ、ビード部の耐久性に優れた空気入りラジアルタイヤを得ることができる。
上記チオカルバモイル化合物としては、「Vulcuren VP KA9188」(ランクセス社製)が好適なものとして例示され、使用することができる。
上記ゴム組成物には、シリカなどの他の充填剤、加硫促進剤、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、オイルなど、チェーファーパッド用ゴム組成物に一般に用いられている各種添加剤を配合することができる。
本発明の空気入りラジアルタイヤは、以上よりなるゴム組成物をチェーファーパッドに用いたものである。図1にその一実施形態に係るタイヤ(T)の半断面図を示す。
タイヤ(T)は、左右一対のビード部(4)及びサイドウォール部(5)と、両サイドウォール部(5)間にまたがるトレッド部(3)とを備えて構成されている。ビード部(4)には、スチールワイヤを複数回巻回してなる環状のビードコア(6)が設けられている。
左右一対のビードコア(6)間には、タイヤ周方向に対し直角に配列した多数のコードが延在してなるカーカスプライの少なくとも1層で形成されたカーカス(2)が設けられている。そして、カーカス(2)の両端部は、ビードコア(6)をタイヤ軸方向内側から外側に包み込むように折り返されて係止されている。トレッド部(3)におけるカーカス(2)の半径方向外側には少なくとも2枚のベルトプライを重ね合わせてなるベルト(1)が配されている。また、ビードコア(6)のタイヤ外周側には、ゴム製のビードフィラー(7)が、タイヤ半径方向外方に向けて先細状に延びる断面略三角形状をなして設けられている。
ビード部(4)は、リムフランジ(R)に接触する部分の外面部分を構成するゴム部として、ゴムチェーファー(8)を備える。ゴムチェーファー(8)は、タイヤ(T)を正規リムに装着した状態において、リムフランジ(R)に対向配置されて、これに当接するビード部外面部分を構成している。このようにゴムチェーファー(8)は、リムフランジ(R)に当接し、かつタイヤ外面部分を形成するゴム部分であるため、非接着系でかつ耐オゾン性を有するゴム配合により形成されている。
ゴムチェーファー(8)と、カーカス(2)のプライ折り返し部(2A)との間には、比較的薄肉のゴム層からなるチェーファーパッド(9)が介設されている。詳細には、チェーファーパッド(9)は、そのタイヤ軸方向内側面がカーカスの折り返し部(2A)のタイヤ軸方向外側面に接し、かつタイヤ軸方向外側面がゴムチェーファー(8)のタイヤ軸方向内側面に接した状態に形成されている。チェーファーパッド(9)は、接着系のゴム配合からなるカーカス(2)のコーティングゴムと、非接着系のゴム配合からなるゴムチェーファー(8)との緩衝層となって両者を結合するものであり、上述した本発明に係るゴム組成物を用いて形成されている。
この実施形態のタイヤ(T)は、トラックやバス等に用いられる重荷重用空気入りラジアルタイヤである。重荷重用タイヤは一般に、ビード部の厚みが大きいことから加硫するために相当の時間を要するが、本実施形態であると、チェーファーパッドに上記ゴム組成物を用いたので、スコーチ性を損なうことなく加硫速度を上げることができ、従来より大幅に生産性を向上することができる。また、重荷重用タイヤでは、特に高い耐久性が要求されるが、チェーファーパッドに上記ゴム組成物を用いたことで優れた耐久性を付与することができる。このように本発明は、特に、トラックやバス等に用いられる重荷重用空気入りラジアルタイヤに適用することが効果的である。
以下、実施例及び比較例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合に従い、チェーファーパッド用ゴム組成物を調製した。表1中の各配合物の詳細は以下の通りである。
・天然ゴム:RSS#3、
・カーボンブラック:HAF、東海カーボン(株)製「シースト300」、
・p−フェニレンジアミン:フレキシス社製「サントフレックス6PPD」、
・スチレン化ジフェニルアミン:精工化学工業(株)製「LAS−P」、
・レゾルシン誘導体:レゾルシン−アルキルフェノール−ホルマリン樹脂、住友化学工業社製「スミカノール620」、
・ヘキサメトキシメチルメラミン:三井サイテック社製「サイレッツ963L(HMMM)」、
・不溶性硫黄:フレキシス社製「クリステックスHS OT−20」(80重量%が硫黄分)、
・加硫促進剤NS:大内新興化学工業社製「ノクセラーNS−P」、
・チオカルバモイル化合物:1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン、ランクセス社製「Vulcuren VP KA9188」。
各ゴム組成物には、共通配合として、天然ゴム100重量部に対し、オイル(ジャパンエナジー社製「JOMOプロセスP200」)3重量部、亜鉛華(三井金属鉱業社製「亜鉛華3号」)5重量部、ステアリン酸(花王株式会社製「ルナックS20」)3重量部を添加した。
得られた各ゴム組成物について、スコーチ性、加硫速度、耐リバージョン性、耐熱老化性、発熱性を評価した。また、各ゴム組成物をチェーファーパッドに用いた図1に示す断面構造を持つ重荷重用空気入りラジアルタイヤ(タイヤサイズ:11R22.5)を作製し、得られた試作タイヤについて、プライゴムカバレッジと、ドラム耐久性を評価した。各評価方法は以下の通りであり、結果を表1に示す。
・スコーチ性:JIS K6300に準拠して、L形ロータを用いて、125℃で測定したときのスコーチタイムt35(分)を測定した。数値が大きいほど、スコーチ性に優れることを意味する。
・加硫速度:JIS K6300に準拠して、L形ロータを用いて、150℃で測定したときのスコーチタイムt50(分)を測定した。
・耐リバージョン性:JIS K6300に準拠して、L形ロータを用いて、180℃で測定し、トルクが最大値(MH)から、最大値の10%低下するまでの時間Δt10(分)を測定した。数値が大きいほど、耐リバージョン性に優れることを意味する。
・耐熱老化性:各ゴム組成物を150℃×30分で加硫させて試験サンプルを作製し、該試験片につき、未老化のものと、90℃のギヤーオーブン中で96時間老化させたものを用いて、JIS K6253に準拠した引張試験を行って(3号形ダンベル使用)、100%モジュラスを測定した。老化後の測定値を未老化の測定値に対する百分率で求め、100%モジュラス変化率とした。数値が小さいほど耐熱老化性に優れることを意味する。
・低発熱性:各ゴム組成物を150℃×30分で加硫させて試験サンプルを作製し、各サンプルを、東洋精機社製スペクトロメーターで、温度60℃、周波数50Hz、初期歪み10%、動的歪み2%で、tanδを測定した。比較例2の値を100とした指数で表示し、数値が小さいほど低発熱性に優れることを示す。
・プライゴムカバレッジ:各試作タイヤをトラックの後輪に装着し、10万km走行した後にビード部を分解して、チェーファーパッドに接しているカーカス部分のプライゴムカバレッジを測定した。プライゴムカバレッジは、カーカスを構成しているスチールコードを取り出し、該スチールコードがどの程度の面積比率でゴムに覆われているかを判定した。すなわち、スチールコードがゴムに100%覆われているときを100と評価し、100に近いほど接着性(耐接着破壊性、耐熱老化性)に優れることを意味する。
・ドラム耐久性:各試作タイヤについて、直径1.7mの鋼製ドラムを備えた室内ドラム試験機を使用し、空気圧をJIS D4230に規定の100%、速度40km/hとし、タイヤ負荷荷重をJIS規定の140%から始め、150時間毎に荷重を10%ずつ上げてタイヤに故障が発生するまで走行試験を行った。比較例2の試作タイヤの故障発生までの走行距離を基準とし、比較例2よりも故障発生までの走行距離が10%以上短い場合を「×(劣る)」、10%以上長い場合を「○(良好)」、±10%未満の場合を「△(同等)」として評価した。
Figure 2009292310
表1に示すように、比較例1では、接着性樹脂が無いため、プライゴムカバレッジとドラム耐久性に劣っていた。これに対し、比較例2は、プライカバレッジとドラム耐久性は改良されたものの、加硫速度が遅かった。
比較例3では、硫黄を減量し、加硫促進剤を増量することで、加硫速度が速くなり、耐熱老化性も向上したものの、スコーチ性が悪化し、低発熱性にも劣っていた。比較例4では、チオカルバモイル化合物を配合しているが、その配合量が少ないため、比較例2に対して改良効果は得られなかった。一方、チオカルバモイル化合物の配合量が多すぎる比較例5では、耐リバージョン性と耐熱老化性と低発熱性は良好であったが、スコーチ性が劣っていた。なお、比較例5では耐熱老化性等の改良効果はあるものの、部材内破壊が生じてドラム耐久性は比較例2と同等であり、改良されていなかった。これは比較例5のものでは耐疲労性に劣るためと推測される。
比較例6では、チオカルバモイル化合物を配合したものの、接着性樹脂が未配合であるため、プライゴムカバレッジとドラム耐久性に劣っていた。一方、接着性樹脂の配合量が多すぎる比較例7では、低発熱性の悪化が大きかった。そのため、耐リバージョン性に優れるものの、部材内破壊が生じてドラム耐久性は比較例2と同等であった。これは低発熱性に劣るためと推測される。
これに対し、本発明に係る実施例1〜3では、スコーチ性の悪化がなく、加硫速度、耐リバージョン性及び耐熱老化性が向上していた。また、ドラム耐久性も向上していた。
実施例4でも、スコーチ性の悪化がなく、加硫速度、耐熱老化性及び耐熱老化性が向上しており、低発熱性にも優れていた。但し、チオカルバモイル化合物の配合量が多いことから、耐疲労性がやや悪化したためか、ドラム耐久性については実施例1〜3のような向上効果は見られず、比較例2と同等であった。
実施例1に対して接着性樹脂の配合量を減らした実施例5では、更に低発熱性の向上効果が得られた。また、老化防止剤としてp−フェニレンジアミンの代わりにスチレン化ジフェニルアミンを用いた実施例6では、実施例1に対して、低発熱性の向上効果が得られた。
実施形態に係る空気入りラジアルタイヤの半断面図である。
符号の説明
1…ベルト、2…カーカス、2A…プライ折り返し部、3…トレッド部、4…ビード部、5…サイドウォーム部、6…ビードコア、7…ビードフィラー、8…ゴムチェーファー、9…チェーファーパッド

Claims (3)

  1. ビード部に埋設されたビードコアと、前記ビードコアの周りにタイヤ軸方向内側から外側に折り返して係止されたカーカスと、リムフランジに当接するビード部外面部分を構成するゴムチェーファーと、前記カーカスのプライ折り返し部と前記ゴムチェーファーとの間に介設されたチェーファーパッドとを備える空気入りラジアルタイヤにおいて、
    前記チェーファーパッドに、
    ジエン系ゴム100重量部に対して、カーボンブラック30〜60重量部と、硫黄2〜5重量部と、フェノール類化合物又はフェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合したフェノール系樹脂と、そのメチレン供与体としてのヘキサメチレンテトラミン又はメラミン誘導体と、前記硫黄の0.1〜1.0倍重量部の1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンと、を配合したゴム組成物を用いた
    ことを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記ゴム組成物は、前記フェノール類化合物又はフェノール系樹脂を、ジエン系ゴム100重量部に対して0.5〜3重量部配合し、かつ、前記ヘキサメチレンテトラミン又はメラミン誘導体を、前記フェノール類化合物又はフェノール系樹脂の0.5〜2倍重量部配合してなる、請求項1記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記硫黄に対する1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンの配合量が重量部で0.2〜0.5倍である請求項1又は2記載の空気入りラジアルタイヤ。
JP2008147865A 2008-06-05 2008-06-05 空気入りラジアルタイヤ Withdrawn JP2009292310A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008147865A JP2009292310A (ja) 2008-06-05 2008-06-05 空気入りラジアルタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008147865A JP2009292310A (ja) 2008-06-05 2008-06-05 空気入りラジアルタイヤ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009292310A true JP2009292310A (ja) 2009-12-17

Family

ID=41540916

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008147865A Withdrawn JP2009292310A (ja) 2008-06-05 2008-06-05 空気入りラジアルタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009292310A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2733167A1 (en) * 2012-11-20 2014-05-21 The Goodyear Tire & Rubber Company Rubber composition and tire
JP2017159487A (ja) * 2016-03-08 2017-09-14 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤの製造方法、ゴム材料および空気入りタイヤ
CN108248298A (zh) * 2016-12-28 2018-07-06 东洋橡胶工业株式会社 充气轮胎
WO2019107428A1 (ja) * 2017-11-30 2019-06-06 株式会社ブリヂストン ゴム組成物、タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
JP2019111895A (ja) * 2017-12-22 2019-07-11 Toyo Tire株式会社 空気入りタイヤ
JP2019111893A (ja) * 2017-12-22 2019-07-11 Toyo Tire株式会社 空気入りタイヤ
JP2019111894A (ja) * 2017-12-22 2019-07-11 Toyo Tire株式会社 空気入りタイヤ
CN110077174A (zh) * 2011-10-26 2019-08-02 横滨橡胶株式会社 充气轮胎
US11318797B2 (en) 2017-12-22 2022-05-03 Toyo Tire Corporation Pneumatic tire
US11331961B2 (en) 2017-12-22 2022-05-17 Toyo Tire Corporation Pneumatic tire
US11584171B2 (en) 2017-12-22 2023-02-21 Toyo Tire Corporation Pneumatic tire
US11628692B2 (en) 2017-12-22 2023-04-18 Toyo Tire Corporation Pneumatic tire

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110077174B (zh) * 2011-10-26 2021-12-03 横滨橡胶株式会社 充气轮胎
CN110077174A (zh) * 2011-10-26 2019-08-02 横滨橡胶株式会社 充气轮胎
EP2733167A1 (en) * 2012-11-20 2014-05-21 The Goodyear Tire & Rubber Company Rubber composition and tire
JP2017159487A (ja) * 2016-03-08 2017-09-14 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤの製造方法、ゴム材料および空気入りタイヤ
CN108248298A (zh) * 2016-12-28 2018-07-06 东洋橡胶工业株式会社 充气轮胎
CN108248298B (zh) * 2016-12-28 2020-03-17 东洋橡胶工业株式会社 充气轮胎
WO2019107428A1 (ja) * 2017-11-30 2019-06-06 株式会社ブリヂストン ゴム組成物、タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
JP7240326B2 (ja) 2017-11-30 2023-03-15 株式会社ブリヂストン ゴム組成物、タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
US11312842B2 (en) 2017-11-30 2022-04-26 Bridgestone Corporation Rubber composition, rubber composition for tires, and tire
JPWO2019107428A1 (ja) * 2017-11-30 2020-12-10 株式会社ブリヂストン ゴム組成物、タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
JP2019111893A (ja) * 2017-12-22 2019-07-11 Toyo Tire株式会社 空気入りタイヤ
JP2019111894A (ja) * 2017-12-22 2019-07-11 Toyo Tire株式会社 空気入りタイヤ
US11318797B2 (en) 2017-12-22 2022-05-03 Toyo Tire Corporation Pneumatic tire
US11331961B2 (en) 2017-12-22 2022-05-17 Toyo Tire Corporation Pneumatic tire
JP7075207B2 (ja) 2017-12-22 2022-05-25 Toyo Tire株式会社 空気入りタイヤ
JP7075205B2 (ja) 2017-12-22 2022-05-25 Toyo Tire株式会社 空気入りタイヤ
JP7075206B2 (ja) 2017-12-22 2022-05-25 Toyo Tire株式会社 空気入りタイヤ
US11584171B2 (en) 2017-12-22 2023-02-21 Toyo Tire Corporation Pneumatic tire
JP2019111895A (ja) * 2017-12-22 2019-07-11 Toyo Tire株式会社 空気入りタイヤ
US11628692B2 (en) 2017-12-22 2023-04-18 Toyo Tire Corporation Pneumatic tire

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009292310A (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP5395882B2 (ja) 空気入りタイヤ
US10214058B2 (en) Run flat tire
JP5662977B2 (ja) ランフラットタイヤのサイドウォール補強層用ゴム組成物およびランフラットタイヤ
JP5901508B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5061017B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP2009035683A (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP5205128B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP6019219B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5061016B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP5389535B2 (ja) トレッドクッション用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
US20190047332A1 (en) Pneumatic tire
JP2009046576A (ja) ブレーカーエッジカバリング用ゴム組成物およびそれを用いたブレーカーエッジカバリングを有するタイヤ
JP6011152B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP7395124B2 (ja) 空気入りタイヤ
US9931896B2 (en) Run flat tire
JP6342254B2 (ja) ランフラットタイヤ
JP5973267B2 (ja) タイヤビードフィラー用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2007297005A (ja) タイヤのビードカバー用ゴム組成物および重荷重用空気入りタイヤ
JP2009248769A (ja) 空気入りラジアルタイヤ
WO2021157561A1 (ja) ランフラットタイヤ
JP6227493B2 (ja) ランフラットタイヤ
JP2014118505A (ja) ランフラット補強ライナー用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP5073244B2 (ja) タイヤ
JP2008127400A (ja) チェーファー用ゴム組成物およびそれを用いたチェーファーを有するタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20110906