JP2009282448A - ブレ補正装置および光学機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度なブレ補正を実現できるブレ補正装置および光学機器を提供すること。
【解決手段】固定部材34,36に対して相対移動可能な移動部材32と、固定部材34,36に対して移動部材32を電磁力で相対移動させる駆動部材40a,40b,38a,38bと、固定部材34,36と移動部材32との相対位置を検出する磁気センサ42a,42bと、磁気センサ42a,42bの較正を行うとき、駆動部材40a,40bの駆動を停止させるように駆動部40a,40bを制御する制御部14と、を有するブレ補正装置。
【選択図】図3
【解決手段】固定部材34,36に対して相対移動可能な移動部材32と、固定部材34,36に対して移動部材32を電磁力で相対移動させる駆動部材40a,40b,38a,38bと、固定部材34,36と移動部材32との相対位置を検出する磁気センサ42a,42bと、磁気センサ42a,42bの較正を行うとき、駆動部材40a,40bの駆動を停止させるように駆動部40a,40bを制御する制御部14と、を有するブレ補正装置。
【選択図】図3
Description
本発明は、ブレ補正装置および光学機器に関する。
手振れなどによる撮像画像のブレを抑制することができるブレ補正装置としては、種々のものが知られている。たとえば、下記の特許文献1に示すように、光軸Zに垂直なX−Y平面内で、補正レンズを、検出されたカメラのブレに合わせて、X軸およびY軸の双方にシフト移動させる光学式のブレ補正装置が知られている。
このような光学式のブレ補正装置においては、装置の小型化のために、駆動用の磁石と位置検出用の磁石とを同じ磁石で兼ねる場合がある。ところが、この場合には、駆動用コイルと位置検出用ホール素子との距離が近くなり、ホール素子から検出される検出信号に、駆動用コイルの電流に基づくクロストーク信号が重畳され、位置検出の精度が低下するおそれがある。
ホール素子による位置検出の精度が低下すると、手振れ補正の精度が低下するおそれがある。また、ホール素子による位置検出信号のキャリブレーション時にも誤差が生じる可能性がある。キャリブレーション時には、可動部を駆動軸のメカ制限の両端まで移動させ、その時のホール素子の出力を読み取ることで、キャリブレーションを行う。
ホール素子の出力を読み取る際には、駆動用コイルにも電流が流れているために、ホール素子では、駆動用磁石の磁束による位置検出信号に、駆動用コイルからのクロストーク分の信号が重畳され、キャリブレーションを正確にできないおそれがある。キャリブレーションが正確に行えない場合には、ホール素子が正確な位置を検出することが困難になり、手振れ補正の精度が悪くなる。
特開2007−121518号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、高精度なブレ補正を実現できるブレ補正装置および光学機器を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係るブレ補正装置は、
固定部材(34,36)に対して相対移動可能な移動部材(32)と、
前記固定部材(34,36)に対して前記移動部材(32)を電磁力で相対移動させる駆動部材(40a,40b,38a,38b)と、
前記固定部材(34,36)と前記移動部材(32)との相対位置を検出する磁気センサ(42a,42b)と、
前記磁気センサ(42a,42b)の較正を行うとき、前記駆動部材(40a,40b)の駆動を低減させるように前記駆動部材(40a,40b)を制御する制御部(14)と、を有する。
前記制御部(14)は、前記磁気センサ(42a,42b)の較正を行うとき、前記駆動部材(32)の駆動を停止させるように前記駆動部材(32)を制御しても良い。
固定部材(34,36)に対して相対移動可能な移動部材(32)と、
前記固定部材(34,36)に対して前記移動部材(32)を電磁力で相対移動させる駆動部材(40a,40b,38a,38b)と、
前記固定部材(34,36)と前記移動部材(32)との相対位置を検出する磁気センサ(42a,42b)と、
前記磁気センサ(42a,42b)の較正を行うとき、前記駆動部材(40a,40b)の駆動を低減させるように前記駆動部材(40a,40b)を制御する制御部(14)と、を有する。
前記制御部(14)は、前記磁気センサ(42a,42b)の較正を行うとき、前記駆動部材(32)の駆動を停止させるように前記駆動部材(32)を制御しても良い。
本発明に係るブレ補正装置では、駆動部材(40a,40b)の駆動を低減または停止させて、磁気センサ(42a,42b)の出力信号を較正(キャリブレーション)するために、駆動部材(40a,40b)からのクロストークがなくなり、磁気センサ(42a,42b)の正確なキャリブレーションが可能になる。そのため、高精度なブレ補正制御を実現することができる。
前記固定部材(34,36)には、前記移動部材(32)の動きを制限する制限部材(37)が具備され、
前記制御部(14)は、前記移動部材(32)が前記制限部材(37)に接触している位置で、前記磁気センサ(42a,42b)の較正を行うようにしてあっても良い。移動部材(32)が制限部材(37)に接触している位置は、基準となる既知の位置なので、その位置における磁気センサ(42a,42b)の出力信号を較正することで、磁気センサ(42a,42b)の正確なキャリブレーションが可能になる。
前記制御部(14)は、前記移動部材(32)が前記制限部材(37)に接触している位置で、前記磁気センサ(42a,42b)の較正を行うようにしてあっても良い。移動部材(32)が制限部材(37)に接触している位置は、基準となる既知の位置なので、その位置における磁気センサ(42a,42b)の出力信号を較正することで、磁気センサ(42a,42b)の正確なキャリブレーションが可能になる。
前記制御部(14)は、前記磁気センサ(42a,42b)の較正を行う前に、前記移動部材(32)を、前記磁気センサ(42a,42b)の検出軸に沿って移動させて前記制限部材(37)に当接させてもよい。磁気センサ(42a,42b)の検出軸に沿って移動部材(32)を移動させて制限部材(37)に当接させることで、磁気センサ(42a,42b)の検出信号と、移動部材(32)の移動位置との相関関係が取りやすく、磁気センサ(42a,42b)の正確なキャリブレーションが可能になる。
好ましくは、前記磁気センサ(42a,42b)の検出軸の方向は、前記駆動部の駆動軸の方向と略一致する。磁気センサ(42a,42b)の検出軸の方向を、駆動部の駆動軸の方向と略一致させることで、磁気センサ(42a,42b)の検出信号と、移動部材(32)の移動位置との相関関係が取りやすく、磁気センサ(42a,42b)の正確なキャリブレーションが可能になる。
好ましくは、前記制御部(14)は、前記移動部材(32)が前記制限部材(37)に当接した後、前記磁気センサ(42a,42b)の出力が安定するまでの所定時間経過後に、前記駆動部材(40a,40b)への通電を停止する。通電を停止することで、クロストークを防止することができる。
好ましくは、前記駆動部材が、駆動用コイル(40a,40b)と、その駆動用コイル(40a,40b)に向き合って配置される駆動用磁石(38a,38b)とを有し、
前記固定部材(34,36)及び前記移動部材(32)の一方には、前記磁気センサ(42a,42b)および駆動用コイル(40a,40b)が具備され、
前記固定部材(34,36)及び前記移動部材(32)の他方には、前記駆動用磁石(38a,38b)が具備される。
前記固定部材(34,36)及び前記移動部材(32)の一方には、前記磁気センサ(42a,42b)および駆動用コイル(40a,40b)が具備され、
前記固定部材(34,36)及び前記移動部材(32)の他方には、前記駆動用磁石(38a,38b)が具備される。
駆動部材として用いる駆動用磁石(38a,38b)と、磁気センサ(42a,42b)による位置検出用の磁石(38a,38b)とを同じ磁石で兼ねることで、装置の小型化を図ることができる。
好ましくは、前記移動部材(32)は、像振れを補正するための光学系(L3)を含む。光学系を移動させることで、像ブレの補正が可能になる。あるいは、前記移動部材(32)は、光学系による像を撮像する撮像素子(3)を含んでもよい。
本発明に係る光学機器は、上記のブレ補正装置(30)を含む。
なお、上述の説明では、本発明をわかりやすく説明するために、実施形態を示す図面の符号に対応つけて説明したが、本発明は、これに限定されるものでない。後述の実施形態の構成を適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替させてもよい。更に、その配置について特に限定のない構成要件は、実施形態で開示した配置に限らず、その機能を達成できる位置に配置することができる。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るカメラの概略図、
図2Aは図1に示す手振れ補正部の概略分解斜視図、
図2Bは図2Aに示す可動部の平面図、
図2Cは図2Aに示す手振れ補正部の概略断面図、
図2Dはメカリミットの説明図、
図3は図1に示すCPUが処理するキャリブレーションのフローチャート図、
図4はキャリブレーションの例を示すグラフ、
図5はクロストークを説明するグラフ、
図6Aおよび図6Bはキャリブレーション時にクロストークにより誤差が発生したことを示すグラフ、
図7はキャリブレーションの成功例を示すグラフである。
図1は本発明の一実施形態に係るカメラの概略図、
図2Aは図1に示す手振れ補正部の概略分解斜視図、
図2Bは図2Aに示す可動部の平面図、
図2Cは図2Aに示す手振れ補正部の概略断面図、
図2Dはメカリミットの説明図、
図3は図1に示すCPUが処理するキャリブレーションのフローチャート図、
図4はキャリブレーションの例を示すグラフ、
図5はクロストークを説明するグラフ、
図6Aおよび図6Bはキャリブレーション時にクロストークにより誤差が発生したことを示すグラフ、
図7はキャリブレーションの成功例を示すグラフである。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るカメラ1は、いわゆるコンパクトカメラであり、カメラボディ1aとレンズ鏡筒2とが一体化してある。レンズ鏡筒2は、対物側から順に、第1レンズ群L1、第2レンズ群L2、第3レンズ群(ブレ補正レンズ群)L3を配列して構成された撮像光学系を備えている。また、この実施形態のカメラ1では、第3レンズ群L3の背後(像面側)に、シャッタ4およびCCDなどの撮像素子3を具備してある。
第1レンズ群L1は、撮像光学系のうち最も対物側に設けられ、駆動機構6により光軸Zに沿って移動自在に駆動され、ズーミングが可能になっている。第2レンズ群L2は、駆動機構8により光軸Zに沿って移動自在に駆動され、フォーカシングが可能になっている。
第3レンズ群(ブレ補正レンズ群)L3は、ブレ補正装置30の一部を構成するものである。このブレ補正装置30の構成、機能については後に詳しく説明する。第3レンズ群L3は、他のレンズ群に対して、光軸Zと直交する面内でシフト変位することによって、カメラの動きに起因する像ブレを低減する。
シャッタ4および図示省略してある絞り機構は、カメラの露光を制御するように駆動機構10により駆動される。撮像素子3は、撮像光学系が撮像面上に結像する被写体像の光に基づいて、電気的な画像出力信号を生成し、その信号は、信号処理回路16で、A/D変換やノイズ処理されてCPU14へ入力する。
レンズ鏡筒2には、ジャイロセンサ12が内蔵してあり、カメラ1に生じる手ブレなどの角速度を検出し、CPU14に出力する。CPU14には、AFセンサ18からの検出信号も出力され、その検出信号に基づき、駆動機構8を制御し、オートフォーカス機構を実現している。
CPU14には、記録媒体20、不揮発性メモリ22および各種操作ボタン24に接続してある。記録媒体20は、CPU14からの出力信号を受けて撮影画像を記録したり、読み出されたりするメモリであり、たとえば着脱自在なカード式メモリである。
不揮発メモリ22は、ジャイロセンサのゲイン値などの調整値情報が記録してあり、CPU14と共にカメラの内部に内蔵してある半導体メモリなどで構成される。各種操作ボタン24としては、たとえばレリーズスイッチが例示され、レリーズスイッチを半押しまたは全押しすることで、その信号がCPU14に入力される
以下、カメラ1のレンズ鏡筒2に内蔵してあるブレ補正装置30について、詳細に説明する。ブレ補正装置30は、図2A〜図2Cに示すように、カメラ1のレンズ鏡筒2に固定される第1固定部34と、この第1固定部34に対して、A軸およびB軸を含む平面方向に移動自在な可動部32とを有する。図2Bに示すように、可動部32には、第3レンズ群L3を保持するレンズ保持枠48が固定してある。
A軸およびB軸を含む平面は、図1に示す光軸Zに対して垂直な平面である。A軸およびB軸は、相互に垂直であることが、可動部32の位置座標が単純になり好ましいが、必ずしも垂直である必要はない。
図2Aおよび図2Cに示すように、可動部32は、光軸Z方向に沿って第1固定部34と第2固定部36との間に挟まれている。第2固定部36は、第1固定部34と同様に、図1に示すレンズ鏡筒2に固定してある。図2Cに示すように、第1固定部34と可動部32との間には、ボール軸受44が配置してあり、可動部32が第1固定部34に対して、A軸およびB軸を含む平面方向にスムーズに移動するようになっている。
なお、可動部32の移動に際して、可動部32を常にボール軸受44に接触させ、第2固定部36には擦らないようにするために、図2Aに示すように、可動部32と第1固定部34とは、複数のスプリング35により連結されている。これらのスプリング35は、その他の外力が作用しない状態で、図2dに示すように、第3レンズ群L3の中心を、メカリミット37の中心付近に位置させる機能もある。
図2Aに示すように、メカリミット37は、第1固定部34の中心に形成された開口部であり、この開口部の内部に、図2Bに示す第3レンズ群L3を保持するレンズ保持枠48が入り込む。そのため、図2Dに示すように、第3レンズ群L3のA軸およびB軸を含む平面方向の移動は、レンズ保持枠48がメカリミット37に衝突することで制限される。すなわち、第3レンズ群L3は、メカリミット37の範囲内で移動が可能である。
第1固定部34および第2固定部36に対して可動部32を、光軸Zと直交するA軸−B軸平面内において駆動移動させるために、電磁アクチュエータが、第1固定部32と可動部32とに装着してある。
電磁アクチュエータは、第1駆動用磁石38aおよび第1駆動用コイル40aの対と、第2駆動用磁石38bおよび第2駆動用コイル40bの対とを有する。第1駆動用磁石38aおよび第2駆動用磁石38bは、可動部32に固定してあり、第1駆動用コイル40aおよび第2駆動用コイル40bは第1固定部34に装着してある。駆動用磁石38aおよび38bには、それぞれヨークを装着しても良い。
第1駆動用コイル40aおよび第2駆動用コイル40bは、図1に示すCPU14からの駆動信号に基づき駆動され、所定の電流を流すことで、第1駆動用コイル40aに発生する磁界は、第1駆動用磁石38aに作用し、可動部32をA軸方向に沿って移動させる駆動力を発生させる。また、同様に、第2駆動用コイル40bに発生する磁界は、第2駆動用磁石38aに作用し、可動部32をB軸方向に沿って移動させる駆動力を発生させる。
すなわち、CPU14からの駆動信号に基づき、第1駆動用コイル40aおよび第2駆動用コイル40bに流れる電流を調節することで、可動部32に固定してある第3レンズ群L3を、図2Dに示すメカリミット37の範囲内で、A軸−B軸平面内で自由に移動させることができる。可動部32を移動させるための駆動力は、第1駆動用コイル40aおよび第2駆動用コイル40bに流れる電流の調節により行う。これは、たとえばパルス幅変調(PWM)制御のデューティ比を変化させることで実現することができる。
図1に示すCPU14は、たとえばジャイロセンサ12などの角速度センサによって検出されたカメラ1のブレ加速度に応じて、第1固定部34に対して可動部32を駆動し、第3レンズ群L3の光軸中心を、その他のレンズ群L1,L2の光軸Zに対して移動制御することにより、像ブレを低減することができる。
また、A軸−B軸平面内で第1固定部34および第2固定部36に対して可動部32の移動位置を検出するために、第2固定部36には、第1磁石38aおよび第2磁石38bに対応させて、位置検出センサとしての第1および第2ホール素子42a,42bが配置してある。
第1ホール素子42aは、磁石38aのA軸方向の移動につれてA軸方向に変化する磁界を検出して、可動部32のA軸方向の移動位置を検出する。また、第2ホール素子42bは、磁石38bのB軸方向の移動につれてB軸方向に変化する磁界を検出して、可動部32のB軸方向の移動位置を検出する。本実施形態では、これらのホール素子42aおよび42bによる位置検出軸と、電磁アクチュエータによる駆動軸とが、A軸およびB軸で、それぞれ共通している。
本実施形態では、電磁アクチュエータとしての磁石38a,38bが、可動部32の位置検出センサの一部を兼ねている。すなわち、磁石38aのA軸方向の移動位置に対応する磁界の変化をホール素子42aが検出し、磁石38bのB軸方向の移動位置に対応する磁界の変化をホール素子42bが検出するようになっている。
このように可動部32の位置検出は、磁石38a,38bの磁界の変化をホール素子42a,42bが検出し、ホール素子42a,42bの出力電圧を位置情報に変換することで行われる。出力電圧から位置情報への変換は、図1に示すCPU14が行う。
ところが、これらのホール素子42a,42bが検出する磁界は、磁石38a(または38b)とホール素子42a(または42b)との間隔や、周囲温度などによっても変化する。このため正確な可動部32の位置検出を行い、正確なブレ補正を行うためには、撮影前に、ホール素子42a,42bのキャリブレーションを行う必要がある。
ホール素子42aのキャリブレーションでは、図2Bに示す可動部32のレンズ保持枠48を、図2(A)および図2(D)に示すメカリミット37のA軸方向の両端に押し当てた位置で、その時のホール素子42aからの出力電圧値が、図4に示すVminまたはVmaxとなるように調整を行う。すなわち、A軸方向のメカリミット37の位置でホール素子42aからの出力電圧がVminまたはVmaxとなるように、ストローク(位置)に対する出力電圧直線の傾き調整(γ調整)とシフト調整を行う。キャリブレーションされたホール素子42aの出力電圧におけるVminおよびVmaxの中間電圧Vtypが、メカリミット37の中心に第3レンズ群L3が位置する場合に対応する。
同様にして、ホール素子42bのキャリブレーションでは、図2Bに示す可動部32のレンズ保持枠48を、図2(A)および図2(D)に示すメカリミット37のB軸方向の両端に押し当てた位置で、その時のホール素子42aからの出力電圧値が、図4に示すVminまたはVmaxとなるように調整を行う。
ところが、ホール素子42a,42bの出力電圧には、図2Aに示す駆動用コイル40aまたは40bに流れるコイル電流の影響で、図5に示すように、ホール素子42a,42bの出力電圧には、コイル電流によるクロストーク分の誤差信号が混入する。すなわち、本来であれば、可動部32の移動位置に対応するホール素子の出力電圧は、図5に示すVh+’であるが、コイル電流によるクロストークの影響で、Vh+となってしまう。
従来では、ホール素子42a,42bのキャリブレーション時にも、図6Aに示すように、クロストーク分の誤差ΔVが重畳したホール素子の出力電圧をγ調整あるいはシフト調整してしまうことがあった。そのため、可動部32の位置検出精度が低下し、手ぶれ補正の精度が悪化し、図6Bに示すように、最大でΔLmaxの誤差が生じるおそれがあった。
本発明の実施形態では、以下に示す構成により、ホール素子42a,42bのキャリブレーション時の精度を向上させ、可動部32の位置検出精度を向上させ、結果として、手ぶれ補正の精度を向上させている。すなわち、本実施形態では、図1に示すCPU14が図3に示すフローチャートで示すホール素子42a,42bのキャリブレーションを行うことで、可動部32の位置検出精度を向上させ、結果として、手ぶれ補正の精度を向上させている。
図3に示すステップS1に示すように、キャリブレーション信号が図1に示すCPU14へ入力されると、まずA軸方向の可動部32の移動を検出するホール素子42aのキャリブレーション(メカ中心出し処理)を行う。キャリブレーション信号が図1に示すCPU14へ入力する条件としては、特に限定されないが、カメラ1の電源がオンされる毎が考えられる。
次に、ステップS2では、図2Aに示す駆動用コイル40aを駆動し、図2Dに示すように、可動部32におけるレンズ保持枠48を、A軸方向のメカ制限37a+まで移動させる。駆動用コイル40aを駆動するには、図7に示すように、駆動用コイル40aに所定のデューティ比のパルス状のコイル電圧を印加すればよい。
なお、デューティ比とは、図7において、パルス変調制御(PWM)におけるコイル電圧の駆動周期をf1とし、f2を電圧ONの時間、f3を電圧OFFの時間とした場合に、f2/f1の比である。このデューティ比が1に近ければ、駆動力が最大になり、0に近ければ、駆動力は弱くなる。
図2Dに示すレンズ保持枠48が、A軸方向のメカ制限37a+に突き当たっているか否かは、位置センサなどで検出しても良いが、所定時間以上、パルス状のコイル電圧を図2Aに示す駆動用コイル40aに与え続けることでも良い。所定時間以上、パルス状のコイル電圧を図2Aに示す駆動用コイル40aに与え続ければ、必ず、図2Dに示すレンズ保持枠48が、A軸方向のメカ制限37a+に突き当たるからである。その場合の所定時間は、予め実験により求められて、図1に示す不揮発性メモリ22に記憶されている。
次にステップS3では、図1に示すCPU14は、図2Aに示す駆動用コイル40aへの通電を停止する。その後にステップS4では、図1に示すCPU14は、所定時間を計測し、図7に示すように、ホール素子42aの出力が安定するまで待つ。この場合の所定時間とは、図7に示すように、駆動用コイル40aに流れる電流(コイル電流)の立ち下がり時間以上の時間である。
次にステップS5では、図2Aに示すホール素子42aの出力電圧Vh+を、図1に示すCPU14が読み取る。その出力電圧Vh+は、図2Dに示すレンズ保持枠48が、A軸方向のメカ制限37a+に突き当たった位置で、図2Aおよび図2Bに示す磁石38aから生じる磁界に基づくものであり、可動部32のA軸方向のメカ制限37a+位置に正確に対応する。その出力電圧Vh+には、コイル電流によるクロストーク信号は含まれない。
次にステップS6では、図2Aに示す駆動用コイル40aを駆動し、図2Dに示すように、可動部32におけるレンズ保持枠48を、A軸方向のメカ制限37a−まで逆方向に移動させる。駆動用コイル40aの駆動方法は、ステップS2の場合と同様であるが、逆方向のステップ状コイル電圧を、駆動用コイル40aに印加すればよい。
次にステップS7では、図1に示すCPU14は、図2Aに示す駆動用コイル40aへの通電を停止する。その後にステップS8では、ステップS4と同様にして、ホール素子42aの出力が安定するまで待つ。
次にステップS9では、ステップS5と同様にして、図2Aに示すホール素子42aの出力電圧Vh−を、図1に示すCPU14が読み取る。その出力電圧Vh−は、図2Dに示すレンズ保持枠48が、A軸方向のメカ制限37a−に突き当たった位置で、図2Aおよび図2Bに示す磁石38aから生じる磁界に基づくものであり、可動部32のA軸方向のメカ制限37a−位置に正確に対応する。その出力電圧Vh−には、コイル電流によるクロストーク信号は含まれない。
次にステップS10では、このようにして求められたホール素子42aの出力電圧Vh+およびVh−に基づき、ホール素子42aのキャリブレーションを行う。上述したように、A軸方向のメカ制限37a+およびメカ制限37a−の位置で、図4に示すように、ホール素子42aからの出力電圧がVminまたはVmaxとなるように、ストローク(位置)に対する出力電圧直線の傾き調整(γ調整)とシフト調整を行う。キャリブレーションされたホール素子42aの出力電圧におけるVminおよびVmaxの中間電圧Vtypが、A軸方向のメカ制限37a+およびメカ制限37a−の中心に第3レンズ群L3が位置する場合に対応する。
次にステップS11では、A軸に交差するB軸におけるメカ中心出し処理を行う。このB軸におけるメカ中心出し処理は、ホール素子42aをホール素子42bに置き換え、コイル40aをコイル40bに置き換え、磁石38aを磁石38bに置き換えて、メカ制限37a+をメカ制限37b+に置き換え、メカ制限37a−をメカ制限37b−に置き換えて、A軸におけるステップS2〜S10の処理と同様にして行う。その後に、ステップS12において、全体のキャリブレーション制御を終了する。
本実施形態に係るブレ補正装置では、コイル40a,40bへの駆動電圧の供給を停止させて、ホール素子42a,42bの出力電圧のキャリブレーションを行う。そのため、駆動用コイル40a,40bに流れるコイル電流によるクロストーク信号が重畳することがなくなり、ホール素子42a,42bの正確なキャリブレーションが可能になる。そのため、高精度なブレ補正制御を実現することができる。
また本実施形態では、駆動用磁石38a,38bと、ホール素子42a,42bによる位置検出用の磁石38a,38bとを同じ磁石で兼ねることで、ブレ補正装置30の小型化を図ることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々に改変することができる。たとえば、固定部34,36と可動部32とは逆でも良い。すなわち、固定部34または36に対して、駆動用磁石38a,38bを装着すると共に、可動部32に対して、コイル40a,40bおよびホール素子42a,42bを装着しても良い。ただし、配線の容易性などを考えると、上述した図面に示す実施形態が好ましい。
さらに、ブレ補正装置は、レンズ駆動方式のみでなく、CCD駆動方式にも適用することができる。すなわち、補正レンズ群L3を光軸Zに垂直な平面で移動させるのではなく、CCDなどの撮像素子3を、カメラのブレに応じて、光軸Zに垂直な平面で移動させるタイプのブレ補正装置にも適用が可能である。
また、本実施形態のブレ補正装置は、レンズ鏡筒2を有するカメラ1のみでなく、レンズ鏡筒自体、スチルカメラ、ビデオカメラ、望遠鏡、顕微鏡などのその他の光学装置にも適用することができる。
キャリブレーションは、カメラ1の出荷時に1回のみ行っても良いが、カメラ1の電源オン時に、毎回行うことが好ましい。経時変化などにより、ホール素子の出力信号と、実際のレンズ位置とがずれるおそれがあるからである。
また、上述した実施形態では、ホール素子42a,42bの検出軸と、駆動用コイル40a,40bの駆動軸とが一致しているが、必ずしも一致する必要はなく、ずれていても良い。ただし、座標変換などの計算を必要としないことから、ホール素子42a,42bの検出軸と、駆動用コイル40a,40bの駆動軸とが一致していることが好ましい。
1… カメラ
2… レンズ鏡筒
14… CPU
30… ブレ補正装置
32… 可動部
34,36… 固定部
37… メカリミット
38a,38b… 駆動用磁石
40a,40b… 駆動用コイル
42a,42b… ホール素子
2… レンズ鏡筒
14… CPU
30… ブレ補正装置
32… 可動部
34,36… 固定部
37… メカリミット
38a,38b… 駆動用磁石
40a,40b… 駆動用コイル
42a,42b… ホール素子
Claims (10)
- 固定部材に対して相対移動可能な移動部材と、
前記固定部材に対して前記移動部材を電磁力で相対移動させる駆動部材と、
前記固定部材と前記移動部材との相対位置を検出する磁気センサと、
前記磁気センサの較正を行うとき、前記駆動部材の駆動を低減させるように前記駆動部材を制御する制御部と、を有するブレ補正装置。 - 前記制御部は、前記磁気センサの較正を行うとき、前記駆動部材の駆動を停止させるように前記駆動部材を制御する請求項1に記載のブレ補正装置。
- 前記固定部材には、前記移動部材の動きを制限する制限部材が具備され、
前記制御部は、前記移動部材が前記制限部材に接触している位置で、前記磁気センサの較正を行う請求項1又は請求項2に記載のブレ補正装置。 - 前記制御部は、前記磁気センサの較正を行う前に、前記移動部材を、前記磁気センサの検出軸に沿って移動させて前記制限部材に当接させる請求項3に記載のブレ補正装置。
- 前記磁気センサの検出軸の方向は、前記駆動部の駆動軸の方向と略一致する請求項4に記載のブレ補正装置。
- 前記制御部は、前記移動部材が前記制限部材に当接した後、前記磁気センサの出力が安定するまでの所定時間経過後に、前記駆動部への通電を停止する請求項4または5に記載のブレ補正装置。
- 前記駆動部材が、駆動用コイルと、その駆動用コイルに向き合って配置される駆動用磁石とを有し、
前記固定部材及び前記移動部材の一方には、前記磁気センサおよび駆動用コイルが具備され、
前記固定部材及び前記移動部材の他方には、前記駆動用磁石が具備される請求項1〜6のいずれかに記載のブレ補正装置。 - 前記移動部材は、像振れを補正するための光学系を含む請求項1〜7のいずれかに記載のブレ補正装置。
- 前記移動部材は、光学系による像を撮像する撮像素子を含む請求項1〜8のいずれかに記載のブレ補正装置。
- 請求項1〜9のいずれかに記載のブレ補正装置を含む光学機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008136818A JP2009282448A (ja) | 2008-05-26 | 2008-05-26 | ブレ補正装置および光学機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008136818A JP2009282448A (ja) | 2008-05-26 | 2008-05-26 | ブレ補正装置および光学機器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009282448A true JP2009282448A (ja) | 2009-12-03 |
Family
ID=41452934
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008136818A Pending JP2009282448A (ja) | 2008-05-26 | 2008-05-26 | ブレ補正装置および光学機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009282448A (ja) |
-
2008
- 2008-05-26 JP JP2008136818A patent/JP2009282448A/ja active Pending
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