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JP2009278356A - アンテナ - Google Patents

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JP2009278356A JP2008127336A JP2008127336A JP2009278356A JP 2009278356 A JP2009278356 A JP 2009278356A JP 2008127336 A JP2008127336 A JP 2008127336A JP 2008127336 A JP2008127336 A JP 2008127336A JP 2009278356 A JP2009278356 A JP 2009278356A
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Abstract

【課題】単一の誘電体基板で構成された製造工程が容易な構造で、かつ、動作周波数範囲の広い平面アンテナを実現する。
【解決手段】アンテナ100においてEBG10は、放射器102と同一の面において、放射器102の長手方向に沿った両側に隣接して配置されおり、所定形状の金属層を周期的に並べて形成されている。さらに、接地電極104は、金属層から成り、誘電体基板101における他方の面において、放射器102およびEBG10が配置された領域における裏面側に相当する領域の全面または略全面を覆うように配置されている。そして、EBG10は、放射器102の共振周波数において、高インピーダンスとなる共振を起こすように設定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、板状の誘電体上に形成されるアンテナに関する。
従来、平面アンテナの代表的な構造に、パッチアンテナがある。パッチアンテナとは、送受信する高周波信号において共振する寸法の四角形や円形状の金属パターンを、誘電体基板の一表面に形成して放射器として利用し、基板の裏面に形成した金属膜を接地電極として用いる構成である。このように、一般的なパッチアンテナは裏面に接地電極を有するので、電波がアンテナの表面(正面)方向に向いた指向性を示す。
また、接地電極のおかげで、移動機器の金属筐体に直接貼り付けても、アンテナ放射素子がシールドされるため、正しく動作する。この特徴を活かし、パッチアンテナは、機器の表面に貼り付けたり、壁面に設置したりして、アンテナの正面方向に向かって電波を送受信する用途に用いられることが多い。
一方、パッチアンテナは誘電体基板上に形成した金属電極の共振現象を用いており、金属電極の短部から誘電体に向かう電界の閉じ込め現象により、急峻な共振が発生する。この結果共振する帯域、すなわちアンテナとして動作可能な周波数帯域は狭いものになってしまう。
ところで、アンテナと組み合わせて、アンテナの不要放射抑制や、小型化を図る技術として、HIP(ハイインピーダンス・プレーン)やPBG(フォトニック・バンドギャップ)あるいはEBG(エレクトロマグネティック・バンドギャップ)と呼ばれる構造がある(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。なお、HIP、PBG、EBGは、基本的には同様の構造を指しているため、本明細書においては代表してEBGと示す。
EBGの一例としては、特許文献1にあるように、誘電体基板を利用し、表面に周期的に配置した金属パッチと、裏面に配置した接地電極と、それぞれのパッチに設けられ、表面の金属パッチと裏面の接地電極とを接続するビアホールで形成された、いわゆるマッシュルーム構造が知られている。
このEBGでは、周期構造の等価回路がインダクタLとキャパシタCとが直列接続された特性を持ち、これらLCが直列共振することにより、高いインピーダンスになることが知られており、この高いインピーダンスをとる周波数帯をバンドギャップと呼んでいる。
EBGとパッチアンテナの組み合わせとして、特許文献1では、金属線をらせん状に加工したカールアンテナとEBGとを組み合わせ、利得の高い平面アンテナを作る技術が開示されている。EBGをバンドギャップの周波数で使うと、EBG表面のインピーダンスが高いため、カールアンテナと近接してEBGを接地しても、金属線に流れる電流をEBGが妨げることなく、アンテナが正しく動作する。この結果、EBGが電波を効率よく反射させアンテナの利得を向上させることが可能となる。
さらに、この従来技術では、金属線を放射素子に使っているため、一般にパッチアンテナに比べて共振の強さが小さく、動作する周波数帯域が広いというメリットもある。
また別の例として、特許文献2では、EBGと類似の構造に直接給電することにより、EBG構造そのものをアンテナとして動作させる技術が開示されている。この従来技術もアンテナの動作周波数範囲を広げるという効果がある。
このように、広い周波数範囲で利用可能な、平面構造のアンテナを形成する従来技術が知られている。
一方、これらアンテナを利用する無線通信システムは、基地局と移動局とが通信する形態と、移動局相互が直接通信する形態に大別でき、それぞれに必要なアンテナの特性が異なる。
基地局と移動局とが通信する形態は、携帯電話をはじめ、携帯情報端末向けのデータ配信、自動車の料金課金システム、業務用移動体向け通信などがある。また、TVやラジオも放送ではあるが、やはりアンテナを利用する。また、人工衛星を使ったGPSや衛星電話などもこの形態の一種である。これらのシステムでは、基地局は電波の飛びやすさを考慮し、比較的高い位置にアンテナを設置することが多い。従って、これらを受信する移動局は、上方からくる電波を受信し、また上方に向かって電波を送信する必要があるため、移動局用のアンテナは、垂直面のビームが上方を向いていることが要求される。
これに対し、移動局相互が直接通信する形態の例として、自動車相互で無線通信を行う車車間通信の用途がある。ここで、図18に車車間通信の利用形態を示す。自動車201に搭載された車車間通信装置は、無線通信を利用して周辺の車両と通信し、互いの車両の位置等を交換する。そして、車車間通信装置は、交換した情報に基づいて、例えば建物202の陰(死角)に入っている車両等、衝突の危険性のある車両を検出し警告することで事故を防止する。この場合、自動車201等の車両は、主に前方と後方の車両と通信する必要があり、水平面のアンテナビームは前後方向に強い利得を持つことが望ましい。また、垂直面では、例えばアンテナを車の屋根に搭載した場合に、天頂ではなく前後水平方向に強い利得を持つことが好ましい。すなわち、車車間通信に用いるアンテナは、通信対象が自らと同じ高さに位置するため、特に垂直面のビーム特性において、基地局と移動局とが通信する形態とは異なるアンテナビーム特性(例えば203に示す指向性)が必要とされる。
特開2007−235460 特開2007−104211
アンテナの利用可能周波数範囲を広げることは、一つのアンテナで複数の周波数チャネルや複数のシステムを利用することが可能であり、利用範囲は広い。しかしながら、特許文献1にある従来技術では、金属線とEBGを積層した構造をとるため、複数の誘電体基板や、加工した金属線を重ねて製作する必要があり、製造工程が複雑になるという問題点がある。
この点において特許文献2では、単一の誘電体基板の表裏に金属層を配した構造であるため、一般的なプリント基板製作工程で簡易に構成できるというメリットがある。しかしながら、アンテナへの給電方法が差動給電になり、一般的な電子回路との接続が複雑になるという課題がある。
また、特許文献2の技術では、アンテナのビームが出る方向が、アンテナ平面と直交する方向が最も強くなるという特性がある。この特性は、アンテナを利用する用途によっては好ましくない場合がある。すなわち、このアンテナを例えば自動車の屋根に搭載した場合、基地局や人工衛星との通信にはふさわしいビーム特性となるが、車車間通信のように、水平方向に強い利得を必要とされる場合には不向きとなるという課題がある。
本発明は、これら問題を考慮し、単一の誘電体基板で構成された製造工程が容易な構造で、かつ、動作周波数範囲の広い平面アンテナを実現することを目的とする。加えて、アンテナの利用用途によってそれぞれ異なるアンテナビームパターンの要求に対しても、所望のビームを実現することを目的とする。
かかる目的を達成するために成された請求項1に記載のアンテナにおいては、板状に形成された誘電体に、放射器、周期構造体、および裏面側金属層を備えて構成されている。放射器は、外部装置からの配線が接続される接続部を備え、誘電体における一方の面に配置され、帯状に形成された金属層から構成されている。
そして、周期構造体は、放射器と同一の面において、放射器の長手方向に沿った両側に隣接して配置されおり、所定形状の金属層を周期的に並べて形成されている。さらに、
裏面側金属層は、金属層から成り、誘電体における他方の面において、放射器および周期構造体が配置された領域における裏面側に相当する領域の全面または略全面を覆うように配置されている。そして、周期構造体は、放射器の共振周波数において、高インピーダンスとなる共振を起こすように設定されている。
即ち、本発明においては、まず、アンテナの放射素子(放射器)に細長い帯状の金属を用いる構成とした。帯状の金属は、従来技術である金属線と同じく、放射素子に用いるとパッチアンテナに比べて帯域が広くなることが期待されるからである。ところが、単純に帯状の金属を放射素子として誘電体上に配置し、裏面に接地電極を配置すると、裏面の電極に放射素子の電流とは逆方向のイメージ電流が励起され、アンテナとして動作しない。このため、特許文献1の技術では、さらに、線状アンテナの下(電波の送信方向とは反対側)にEBGを配置して、イメージ電流を抑制し、この問題を解決している。
一方で、本発明においては、EBG構造を帯状の金属の放射素子と同一平面状に隣接して配置している。従来においては、EBG構造を本発明のように配置する思想は開示されていなかったが、本発明者によって、本発明の配置であってもイメージ電流抑制効果があり、放射素子を動作可能にできることが立証されたからである。
本発明の構成において放射素子を動作可能にする効果が得られる理由は、次のように考えられる。即ち、パッチ状の放射器(図1(c)参照)を流れる電流は、放射器全体に拡散され、その際の電流の方向が一方向には規定され難いのに対して、帯状に形成された放射器(図1(b)参照)を流れる電流は、放射器内における電流の向きが容易に一方向に規定される。
このため、帯状に形成された放射器を流れる電流によって発生する磁界は、一定方向に均一に発生するが予想される。ここで、本発明では、EBGを放射器に隣接配置しているので、この磁界を有効に遮断することができるものと考えられる(図1(a)参照)。なお、パッチ状の放射器においては、放射器自体が広がりを持つ形状なので、磁界の向きが不均一となる。また、この放射器にEBGを近接配置したとしても、放射器の中央部分はEBGと近接することができない。よって、帯状に形成された放射器のほうがパッチ状の放射器よりも、発生する磁界を有効に遮断することができるものと考えられる。
なお、従来技術ではパッチ状の放射器において、誘電体を薄くしたり、あるいは誘電率を高くしたりして、パッチの共振の強さを強く(Qを大きく)し、パッチ状の放射器を流れる電流が広がらずに一方向にそろえる手法も知られている。しかしQを大きくすると、動作する周波数の帯域が狭くなるという副作用があることが知られている。一方、帯状の放射器では、Qを高めなくとも電流の方向をそろえることができるため、周波数帯域を広くとることが出来る。この点からも帯状の放射器を用いることは有効である。
ただし、本発明でいう「帯状」とは、放射器内における電流の向きが概ね一方向に規定される形状をいう。また、裏面側金属層は、シールドとして作用する。
この構造により、単一の誘電体層を用いた構造で、帯状の金属の放射素子を動作させることが可能となり、かつ、パッチアンテナと同様に裏面に接地電極を配置した構造を実現することができる。これにより、アンテナの製造は、広く知られているプリント基板の製造技術で容易に実現でき、パッチアンテナと同様に金属筐体に直接貼り付けるなどの利用が可能で、かつ、帯状の金属の効果により、パッチアンテナより広い動作周波数帯域を得ることができる。
ところで、請求項1に記載のアンテナにおいて、周期構造体は、請求項2に記載のように、周期的に構成されたインダクタ成分とキャパシタンス成分とを有しており、共振する際にはLC共振を起こすよう設定されていてもよい。
このようなアンテナによれば、周期構造体はLC共振を起こして高いインピーダンスを示す構造としているので、周期構造体を従来技術であるEBGで実現でき、従来のEBGの設計手法を用いて共振周波数を計算・設計することができる。
請求項1または請求項2に記載のアンテナにおいては、当該アンテナをいわゆるモノポール構造とすることもできるし、ダイポール構造とすることもできる。まず、当該アンテナをモノポール構造とする場合には、例えば請求項3〜請求項5に記載のように構成すればよい。
つまり、請求項3に記載のアンテナのように、放射器は、一方の端部に接続部を備えているとともに、他方の端部が開放状態とされており、放射器の長さは、放射器の共振周波数における線路内波長の(2n−1)/4倍(ただし、nは自然数。)に設定されていてもよい。
このようなアンテナによれば、所望の周波数で放射器を効率よく共振させることができる。また、接続部が1点(1箇所)で構成できるため、例えば同軸ケーブルなどを容易に接続することができる。
また、請求項3に記載のアンテナにおいては、請求項4に記載のように、放射器と同一の面において、放射器に対して周期構造体を隔てて配置された1または複数の金属製の寄生素子を備えていてもよい。
このようなアンテナによれば、放射素子と寄生素子とが電磁界結合をし、寄生素子にも電流が流れることにより、放射器に加え寄生素子も放射源となる。そして、寄生素子のインピーダンスや位置を適切に配置することにより、アンテナビームの方向を変化させることが可能となる。
さらに、請求項4に記載のアンテナにおいて、寄生素子は、請求項5に記載のように、放射器に対して平行に配置された帯状の金属層によって形成されており、この金属層の一方の端部が金属製の接続部材によって裏面側金属層と接続されているとともに、金属層の他方の端部が開放状態とされていてもよい。
このようなアンテナによれば、アンテナ全体がモノポールアンテナの八木宇多アンテナとして作用する。この結果、公知技術である八木宇多アンテナの設計手法が適用でき、例えば寄生素子の長さを放射素子より短く設定することで、寄生素子側にアンテナのビームが向く導波器として作用させることができる。また、逆に寄生素子の長さを放射素子より長く設定することで、寄生素子と反対側にアンテナのビームが向く反射器として作用させることもできる。
次に、当該アンテナをダイポール構造とする場合には、例えば請求項6〜請求項9に記載のように構成すればよい。
つまり、請求項6に記載のアンテナのように、放射器は、一直線上に並んだ2本の帯状の金属層からなり、該各金属層のお互い近い側の端部に外部装置に繋がる配線が接続される給電部をそれぞれ備えているとともに、放射器における各金属層の合計の長さは、放射器の共振周波数における線路内波長の(2n−1)/2倍(ただし、nは自然数。)に設定されていればよい。
このようなアンテナによれば、従来から広く利用されているダイポールアンテナを平面アンテナとして実現することができる。また、このアンテナは、裏面側金属層が他の金属層で覆われた状態で動作できるため、金属製の筐体等に直接貼り付けるような設置方法も可能である。
請求項6に記載のアンテナにおいては、請求項7に記載のように、放射器と同一の面において、放射器に対して前記周期構造体を隔てて配置された1または複数の金属製の寄生素子を備えていてもよい。
このようなアンテナによれば、ダイポールアンテナにおいて、寄生素子によるアンテナビームパターンを制御する効果を実現することができる。
請求項7に記載のアンテナにおいては、請求項8に記載のように、寄生素子は、帯状の金属層で形成されており、両端とも開放状態にされていてもよい。
このようなアンテナによれば、広く知られた八木宇多アンテナを平面アンテナとして構成することができる。従って、寄生素子の長さを変えて、導波器や反射器として作用させるなど、八木宇多アンテナの設計手法を適用することができる。
請求項6〜請求項8に記載のアンテナにおいては、請求項9に記載のように、放射器における各給電部には、お互い逆の位相となる、差動給電がなされるよう構成されていてもよい。
このようなアンテナによれば、ダイポールアンテナに効率よく給電することができる。
さらに、請求項1〜請求項9の何れかに記載のアンテナにおいて、裏面側金属層は、請求項10に記載のように、当該アンテナに対して給電を行う機器からみて、接地電位に設定されていてもよい。
このようなアンテナによれば、アンテナに接続される機器と接地電位を共通にし、アンテナや機器での不要輻射やノイズの影響を抑制することが可能となる。
なお、アンテナを接続する回路によっては、集積回路(IC)を直接アンテナに接続する用途にも利用することができる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図2は第1実施形態のモノポールアンテナ100の基本構造を示す平面図および断面図である。なお、図2(a)は誘電体基板101の裏面に外部機器(送受信機または受信機)からの配線が接続される接続手法である裏面給電を示す説明図であり、図2(b)は誘電体基板101の側面に外部装置が接続される接続手法である側面給電を示す説明図である。
本実施形態のモノポールアンテナ100においては、図2(a)、図2(b)に示すように、誘電体基板101の表面中央に帯状の金属でできた放射器102を配置した。そして、放射器102と同一平面であって、放射器102の両側にはEBG10(周期構造体)の構造を配置した。
このEBG構造については後ほど詳しく構造について説明する。なお、EBG10は、少なくとも放射器102の長手方向両側の領域に配置されていればよいが、放射器102の周囲を取り囲むように配置されていてもよい。図2(b)には、EBG10が放射器102の三方を取り囲む例を示す。
次に、誘電体基板101の裏面には、ほぼ全域に接地電極104(裏面側金属層)を配置した。なお、接地電極104は、金属層から成り、少なくとも放射器102およびEBG10が配置された領域の裏面側に相当する領域の全面を覆うよう配置されている。
特に、図2(a)に示す裏面給電では、放射器102の一端に給電部103(接続部)を設けている。この給電部103においては誘電体基板101に穴を開け、裏面より同軸ケーブル105の芯線を通して放射器102に接続した。また同軸ケーブル105の外部導体、すなわち接地導体は、給電部103の裏で接地電極104と接続した。
また、図2(b)に示すように、側面給電では、給電部103を誘電体基板の端部に来るよう、放射器102を基板の縁にずらせて配置し、基板側面方向から同軸ケーブル105を接続し、同軸ケーブル105の芯線を放射器102に、同軸ケーブル105の外部導体を接地電極104に、それぞれ接続すればよい。
ここで、モノポールアンテナ100の動作周波数は、放射器102の長さとEBG10の共振周波数の双方を調整することで設定可能である。具体的には、裏面の接地電極104、誘電体基板101、および表面の放射器102がマイクロストリップ線路を構成するため、これらの構成要素形状等の各種パラメータに基づいて、誘電体基板101の比誘電率を考慮した線路内波長を計算することができる。
例えば、放射器102の長さに対しては、線路内波長の(2n−1)/4倍(ただし、nは自然数。例えば3/4倍)の長さにおいて共振する。
またEBG10に対しては、等価的なインダクタ成分Lおよびキャパシタンス成分Cから共振周波数を求める設計手法が知られている。なお、本明細書における各アンテナにおいては、このLCの直列共振周波数にて、EBG10の表面が高いインピーダンスをとるよう設定される。
また、より正確には、EBG構造を電磁界シミュレータにより解析し、EBG表面での反射位相を計算し、この位相が−90度から+90度の範囲に入る周波数帯をアンテナの動作周波数にあわせて利用すればよい。
図3にEBG10のより詳細な実施形態を示す。図3は、誘電体基板101の表面(第1導電層)に形成する単位金属構造(EBG単位セル)の形状を示す。帯状セルのEBG11は、紙面横方向には単位セルが周期的に配置され、EBG特性を示すが、紙面縦方向は連続した金属であり通常の金属帯として動作する。このEBG11はいわゆる1次元のEBGの一種である。
角型セルのEBG12は面内いずれの方向にもEBG特性を示す2次元のEBGである。さらに六角形セルのEBG13も、単位セルの形状が6角形であるが12と同じく2次元のEBGである。ここで、11から13のEBGには、いずれも特定の間隔Pで配置されたビアホール25が形成されており、このビアホールにより、表面の単位セルと裏面の接地電極104とを電気的に接続している。
これらEBGでは、単位セルが向き合うギャップの部分がキャパシタンス成分Cとなり、単位セルとビアホールの接続部がインダクタ成分Lとして作用し、EBGの特性を作り出している。
また別のEBGの実施例として、ユニプレーナ構造のEBG14を利用してもよい。このEBGは表面の金属層のみでLとCの成分を作り出している。従ってビアホールを設けなくともEBGを形成することができる。
これらのEBGのうち、帯状セルのEBG11、角型セルのEBG12、六角形セルのEBG13について、モノポールの放射器102と組み合わせたより詳細な構造を、それぞれ、図4〜図6に示す。
図4に示すモノポールアンテナ111(例1)では、帯状セルのEBGのうち、EBGとして働く方向をモノポールの放射器102と平行になるように配置した。また、図5、図6に示すモノポールアンテナ112(例2),113(例3)では、角型、六角形のセル配置と放射器102との関係を一例として示した。
これら本発明の第1実施形態の、アンテナとしての性能を評価するために、アンテナの反射損失の周波数依存性を比較した。この結果を図7に示す。この結果は、アンテナの設計に広く用いられている電磁界解析ソフトウエアにより、それぞれのアンテナ構造をモデル化し、特性を計算したものである。計算値は実際の作成したアンテナとほぼ等しい特性が得られていることを確認済みである。
ここで、この解析には、図4〜図6で示す、111、112、113のアンテナに加え、図8に示す、公知技術であるパッチアンテナ119も比較に用いた。これらアンテナは、すべて共通の誘電体基板101を用いている。
具体的には、誘電体基板101の大きさは、60×60×3.2mmで、比誘電率は2.6である。また111,112,113においては、放射器102の長さはLe=22.5mm、放射器の幅はWe=2.0mm、放射器とEBGとの間隔Ge=0.4mmとした。これらはいずれも5〜6GHz帯の周波数で共振する設計である。比較の為に検討したパッチアンテナ119も、5.5GHzで共振するように設計した。
図7の結果を見ると、いずれのアンテナも反射損失が低くなる領域が観測されており、アンテナが共振し、電波が反射されずに正しく動作していることがわかる。動作周波数帯域の目安となる、反射損失が−10dBより小さくなる周波数範囲を比べると、従来技術のパッチアンテナ119に比べ、111,112,113のアンテナいずれも、動作周波数範囲が広くなることがわかる。このように、本発明のアンテナは、課題のひとつである、動作周波数を広げるという効果が確かに発揮できることが確かめられた。
なお、アンテナの構造に関しては、これまでに説明したように、単一の誘電体基板の表面上にパターンを形成し、EBGを構成する部分に必要に応じてビアホールを設けるだけで構成でき、通常のプリント基板製作方法で容易に製作できる構造である。
(第1実施形態による効果)
上記に詳述したアンテナ100,111〜113においては、板状に形成された誘電体基板101に、放射器102、EBG10、および接地電極104が形成された構成にされている。放射器102は、外部装置(送受信機や受信機)からの配線(同軸ケーブル105等)が接続される給電部103を備え、誘電体基板101における一方の面に配置され、帯状に形成された金属層から構成されている。
そして、EBG10は、放射器102と同一の面において、放射器102の長手方向に沿った両側に隣接して配置されおり、所定形状の金属層を周期的に並べて形成されている。さらに、接地電極104は、金属層から成り、誘電体基板101における他方の面において、放射器102およびEBG10が配置された領域における裏面側に相当する領域の全面または略全面を覆うように配置されている。そして、EBG10は、放射器102の共振周波数において、高インピーダンスとなる共振を起こすように設定されている。
即ち、本実施形態においては、EBG構造を帯状の金属の放射器102と同一平面状に隣接して配置している。従来においては、EBG構造を本発明のように配置する思想は開示されていなかったが、本発明者によって、本発明の配置であってもイメージ電流抑制効果があり、放射素子を動作可能にすることができることが立証された。
本発明の構成において放射素子を動作可能にする効果が得られる理由は、次のように考えられる。即ち、パッチ状の放射器(図1(c)参照)を流れる電流は、放射器全体に拡散され、その方向が一方向に規定され難いのに対して、帯状に形成された放射器102(図1(b)参照)を流れる電流は、放射器102内における電流の向きが容易に一方向に規定される。
このため、帯状に形成された放射器102を流れる電流によって発生する磁界は、一定方向に均一に発生するが予想される。ここで、本発明では、EBG10を放射器102に隣接配置しているので、この磁界を有効に遮断することができるものと考えられる(図1(a)参照)。なお、パッチ状の放射器においては、放射器自体が広がりを持つ形状なので、磁界の向きが不均一となる。また、この放射器にEBG10を近接配置したとしても、放射器の中央部分はEBGと近接することができない。よって、帯状に形成された放射器102のほうがパッチ状の放射器よりも、発生する磁界を有効に遮断することができるものと考えられる。
ただし、本発明でいう「帯状」とは、放射器102,107内における電流の向きが概ね一方向に規定される形状をいう。また、接地電極104は、シールドとして作用する。
この構造により、単一の誘電体基板101層を用いた構造で、帯状の金属の放射素子を動作させることが可能となり、かつ、パッチアンテナ100,111〜113と同様に裏面に接地電極を配置した構造を実現することができる。これにより、アンテナ100,111〜113の製造は、広く知られているプリント基板の製造技術で容易に実現でき、パッチアンテナ100,111〜113と同様に金属筐体に直接貼り付けるなどの利用が可能で、かつ、帯状の金属の効果により、パッチアンテナ100,111〜113より広い動作周波数帯域を得ることができる。
また、アンテナ100,111〜113において、EBG10は、周期的に構成されたインダクタ成分とキャパシタンス成分とを有しており、共振する際にはLC共振を起こすよう設定されている。
このようなアンテナ100,111〜113によれば、EBG10はLC共振を起こして高いインピーダンスを示す構造としているので、EBG10を従来技術であるEBGで実現でき、従来のEBGの設計手法を用いて共振周波数を計算・設計することができる。
さらに、アンテナ100,111〜113において、放射器102は、一方の端部に給電部103を備えているとともに、他方の端部が開放状態とされており、放射器102の長さは、放射器102の共振周波数における線路内波長の(2n−1)/4倍(ただし、nは自然数。)に設定されている。
このようなアンテナ100,111〜113によれば、所望の周波数で放射器102を効率よく共振させることができる。また、給電部103が1点(1箇所)で構成できるため、例えば同軸ケーブル105などを容易に接続することができる。
さらに、アンテナ100,111〜113において、接地電極104は、当該アンテナ100,111〜113に対して給電を行う機器からみて、接地電位に設定されている。
このようなアンテナ100,111〜113によれば、アンテナ100,111〜113に接続される機器と接地電位を共通にし、アンテナ100,111〜113や機器での不要輻射やノイズの影響を抑制することが可能となる。
なお、アンテナ100,111〜113を接続する回路によっては、集積回路(IC)を直接アンテナ100,111〜113に接続する用途にも利用することができる。
(第2実施形態)
図9に本発明の第2実施形態の寄生素子付アンテナ110を示す。この実施形態は、第1実施形態の構成に加え寄生素子を新たに追加したものである。なお、第2実施形態以下では、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態における寄生素子付アンテナ110では、図9の平面図に示すように、第1実施形態と共通のモノポール型の放射器102に加え、これと平行に寄生素子106を配置した。なお、本実施形態においては、図9のAA断面図に示すように、裏面給電を採用している。
そして、寄生素子付アンテナ110は、図9のBB断面図に示すように、寄生素子106に一方の端はビアホールによって、裏面の接地電極104に、電気的に接続されている。また、寄生素子106のもう一方の端は、開放状態とした。
これら寄生素子106の左右には、EBG10を配置してある。つまり、寄生素子106は、放射器102に隣接して配置されたEBG10を隔てて配置されており、この寄生素子106の長手方向に沿った両側にも、EBG10(を構成する単位セル)が近接して並べて配置されている。
また、この実施形態では、寄生素子106を放射器102よりわずかに短く設定し、放射器と平行に配置することで、従来技術の八木宇多アンテナの導波器として作用させ、寄生素子のある側のアンテナ利得を高くするように、アンテナビームを制御した。
なお、図9に示す寄生素子付アンテナ110の構造は、同軸ケーブル105の給電が、基板の裏面からの給電(裏面給電)となっているが、第1実施形態で説明したように、同軸ケーブルを基板の側面に接続して給電する方法(側面給電)を利用してもよい。
この実施形態による、より具体的な実施例を図10と図11に示す。図10に示すアンテナ114は第2実施形態の第1の例であり、帯状セルのEBG11を用いたものである。また図11に示すアンテナ115は第2の例であり、六角形セルのEBG13を用いたものである。
いずれの例も中央に放射器102を配置し、その両側にEBG、さらにその横に寄生素子106を配置した。さらに寄生素子106の横にもEBGを配置している。
これら図10,図11に示した第2実施形態についても、アンテナの反射損失の周波数依存性を解析した。図12に計算例を示す。この計算結果も、アンテナの構造をモデル化し、広く利用されている電磁界解析ソフトウエアを使ってシミュレーションした。
解析した実施形態は、114、115のアンテナいずれも、60×60×3.2mmの大きさで、比誘電率2.6の誘電体基板101基板を用いた。また放射器102の長さはLe=22.5mm、幅はWe=2.0mm、寄生素子106の長さはLp=19.5mm、幅はWe=2.0mmとした。放射器および寄生素子とEBGとの間隔はGe=Gp=0.5mm、放射器と寄生素子との距離はDp=14.8mmである。
例1のアンテナ114は5.0〜5.5GHzの範囲で−6dBの反射損失を示しており、弱いながらも共振が発生していることがわかる。例2の115のアンテナは共振が強く、5.8GHzを中心として、反射損失が−10dB以下となる範囲が500MHz以上得られることがわかった。このように、特に動作周波数範囲を広く取りたい場合には、例2の構造を利用すると良く、寄生素子106がない場合に比べやや動作周波数範囲は狭くなるものの、図8に119で示したような従来技術を使ったパッチアンテナに比べれば、依然として広い周波数を得られることがわかる。
ここで、第2実施形態の特徴としては、寄生素子106によりアンテナのビームパターンを制御できるという点がある。そこで本発明者らは、アンテナを実際に試作し、そのビームパターンを測定した。
図13にアンテナビームパターンの計測方法を示す。電波暗室内に試作したアンテナを配置し、暗室内に設けた基準アンテナから、基準信号を送信し、試作したアンテナでその基準信号を受信して、受信電力強度を計測することにより、アンテナの利得を計測した。この状態で、アンテナを回転することにより、各方向の利得の変化を求め、アンテナビームのパターンを測定した。今回、垂直平面(z−x平面)内で水平偏波利得Gφを、水平平面(x−y平面)内で、水平偏波利得Gφと垂直偏波利得Gθとをそれぞれ計測した。
計測したデータの例を図14に示す。ここでは図6で示した第1実施形態・例3のアンテナ113と、図10で示した、第2実施形態・例2のアンテナ115のビームパターンを比較した。これらはいずれも六角形セルのEBGを用いたモノポールアンテナであり、113が寄生素子なし、115が放射器の両側に寄生素子106を配置したものである。
図14(a)で示す垂直平面(z−x平面)での利得を見ると、寄生素子を配置したものでは、寄生素子のある方向、すなわち±90度方向の利得が、寄生素子のないものに比べて10dB程度高くなっていることがわかる。また、図14(b)で示す水平平面(x−y平面)のデータでもこの傾向は現れており、寄生素子を配置したものでは、0度および180度方向の利得が、寄生素子のないものに比べて高くなっている。
また、図14(c)で示す垂直偏波の利得Gθも、寄生素子を配置したものでは、0度と180度に近い領域が、寄生素子のないものに比べて高くなっていることが確認できた。この寄生素子を用いたビームパターンの制御は、例えば、本アンテナを自動車の天井に配置し、図13において、x軸を前方方向になるように設置した場合、図18に示した車車間通信に要求されるビームパターンに近くなる。すなわち垂直平面では、前後水平方向の利得が強くなり、水平平面では前後方向に強い利得を示すことがわかる。
(第2実施形態による効果)
上記に詳述したアンテナ114,115においては、放射器102と同一の面において、放射器102に対してEBG10を隔てて配置された1または複数の金属製の寄生素子106を備えている。
このようなアンテナ114,115によれば、放射素子と寄生素子106とが電磁界結合をし、寄生素子106にも電流が流れることにより、放射器102に加え寄生素子106も放射源となる。そして、寄生素子106のインピーダンスや位置を適切に配置することにより、アンテナ114,115のビームの方向を変化させることが可能となる。
また、アンテナ114,115において、寄生素子106は、放射器102に対して平行に配置された帯状の金属層によって形成されており、この金属層の一方の端部が金属製の給電部103によって接地電極104と接続されているとともに、金属層の他方の端部が開放状態とされている。
このようなアンテナ114,115によれば、アンテナ114,115全体がモノポールアンテナの八木宇多アンテナとして作用する。この結果、公知技術である八木宇多アンテナの設計手法が適用でき、例えば寄生素子106の長さを放射素子より短く設定することで、寄生素子106側にアンテナ114,115のビームが向く導波器として作用させることができる。また、逆に寄生素子106の長さを放射素子より長く設定することで、寄生素子106と反対側にアンテナ114,115のビームが向く反射器として作用させることもできる。
(第3実施形態)
図15に第3実施形態の寄生素子付アンテナ120を示す。本実施形態は、基本的構成は第2実施形態と同様であるが、寄生素子106がひとつしかない場合の例である。放射器、寄生素子の構成、給電方法などは第2の実施形態と共通のため省略する。
ここで、寄生素子106の長さを放射器102よりわずかに短く設定すると、八木宇多アンテナの導波器として作用し、導波器のある側のアンテナ利得が高くなるようにビームを制御することができる。
さらに本実施形態では、寄生素子の効果において、従来技術の八木宇多アンテナやアレイアンテナの設計理論を適用できるため、寄生素子を放射器より長く設定して、反射器として利用し、反射器と反対方向の利得を高くしたり、放射器と同じ長さの寄生素子を用いて正面方向の利得を高くするために利用したりも可能である。すなわち、用途に応じて適切なビームパターンを得ることができる。
(第4実施形態)
図16に第4実施形態のダイポールアンテナ130を示す。本実施形態は、基本構成は第1実施形態と同様であるが、放射器107がモノポールではなくダイポールアンテナになっている点が異なる。放射器107は、誘電体基板101基板101上に帯状の金属として形成されているが、2本の分かれた帯からなり、内側にそれぞれ給電部103が設けられている。
この給電部103には、従来技術のダイポールアンテナで広く行われているように、お互い逆の位相となるように差動給電を行えばよい。より具体的には図16(a)に示すように2本の同軸ケーブルを使って差動給電を行う方法を用いればよい。
また、無線機の機能を集約したICや高周波集積モジュールに直接アンテナを接続する場合には、図16(b)に示すようにICのアンテナ出力端子を直接ダイポール型放射器107の端子に直接接続してもよい。
放射器107の長さは、従来からよく知られているように、双方の放射器107の長さ合計がアンテナ動作周波数における電波の線路内波長の(2n−1)/2倍(ただし、nは自然数。例えば1/2倍)に設定すればよい。また、EBG10の構造は第1実施形態と同様な構造を用いればよく、EBGの共振周波数をアンテナの動作周波数に合わせればよい。
(第4実施形態による効果)
上記に詳述したアンテナ130において、放射器107は、一直線上に並んだ2本の帯状の金属層からなり、該各金属層のお互い近い側の端部に外部装置に繋がる配線が接続される給電部103をそれぞれ備えているとともに、放射器107における各金属層の合計の長さは、放射器107の共振周波数における線路内波長の(2n−1)/2倍(ただし、nは自然数。)に設定されている。
このようなアンテナ130によれば、従来から広く利用されているダイポールアンテナ130を平面アンテナとして実現することができる。また、このアンテナ130は、接地電極104が他の金属層で覆われた状態で動作できるため、金属製の筐体等に直接貼り付けるような設置方法も可能である。
(第5実施形態)
図17に第5実施形態のアンテナ131を示す。この実施形態は、広く知られている八木宇多アンテナと同様の構造を実現したものである。放射器の構造はダイポール構造としており、第4実施形態と共通の構造を持つ。従って給電方法も第4実施形態と同様にすることができる。
本実施形態のアンテナ131において誘電体基板101上には、放射器107に加え、同一の平面上に放射器107と同じく第1の導電層を用いて反射器141と導波器142を形成した。放射器107、反射器141、導波器142、の間・両側にはそれぞれEBG10が配置されている。反射器141と導波器142は帯状の金属とし、両端は開放状態とした。
(第5実施形態による効果)
上記のアンテナ131においては、放射器107と同一の面において、放射器107に対してEBG10を隔てて配置された1または複数の金属製の寄生素子である導波器142を備えている。また、アンテナ131において、導波器142は、帯状の金属層で形成されており、両端とも開放状態にされている。
このようなアンテナ131によれば、ダイポールアンテナにおいて、導波器142によるアンテナビームパターンを制御する効果を実現することができる。
このようなアンテナ131によれば、広く知られた八木宇多アンテナを平面アンテナとして構成することができる。従って、導波器142の長さを変えて、導波器や反射器として作用させるなど、八木宇多アンテナの設計手法を適用することができる。
また、この形態をとることにより、導波器142の方向にアンテナビームを鋭く集中させることが可能となる。なお、本実施形態の例では導波器/反射器ともそれぞれ1つずつの構成であるが、従来技術である八木宇多アンテナで実施されているように、導波器を複数配置し、導波器方向へのアンテナビームの集中をさらに強くし、ビームを細く絞ることも可能である。
この際には、複数配置する導波器の間と、先端に位置する導波器の側方にもEBGを配置すればよい。この構造をとることにより、平面アンテナの構造でも、八木宇多アンテナと等しい効果を持つアンテナを実現することができる。
さらにアンテナ131において、放射器107における各給電部103には、お互い逆の位相となる、差動給電がなされるよう構成されている。
このようなアンテナ131によれば、ダイポールアンテナに効率よく給電することができる。
発明の原理を示す説明図である。 第1実施形態のモノポールアンテナ100の基本構造を示す平面図および断面図である。 EBG10のより詳細な実施形態を示す平面図および断面図である。 第1実施形態において帯状セルのEBG11を採用した実施形態を示す平面図である。 第1実施形態において角型セルのEBG12を採用した実施形態を示す平面図である。 第1実施形態において六角形セルのEBG13を採用した実施形態を示す平面図である。 第1実施形態に示す各アンテナにおける反射損失の周波数依存性の計算結果を示すグラフである。 公知技術であるパッチアンテナ119を示す平面図である。 第2実施形態の寄生素子付アンテナ110を示す平面図および断面図である。 第2実施形態において帯状セルのEBG11を採用した実施形態を示す平面図である。 第2実施形態において六角形セルのEBG13を採用した実施形態を示す平面図である。 第2実施形態に示す各アンテナにおける反射損失の周波数依存性の計算結果を示すグラフである。 アンテナビームパターンの計測方法を示す説明図である。 アンテナビームパターンの計測結果を示す説明図である。 第3実施形態の寄生素子付アンテナ120を示す平面図および断面図である。 第4実施形態のダイポールアンテナ130を示す平面図および断面図である。 第5実施形態のアンテナ131を示す平面図および断面図である。 車車間通信の利用形態を示す鳥瞰図である。
符号の説明
10〜14…EBG、25…ビアホール、100,110〜115,119,120,130,131…アンテナ、101…誘電体基板、102…放射器、103…給電部、104…接地電極、105…同軸ケーブル、106…寄生素子、107…放射器、141…反射器、142…導波器、201…自動車。

Claims (10)

  1. 外部装置からの配線が接続される接続部を備え、板状に形成された誘電体における一方の面に配置され、帯状に形成された金属層から成る放射器と、
    前記放射器と同一の面において、前記放射器の長手方向に沿った両側に隣接して配置され、所定形状の金属層を周期的に並べて形成された周期構造体と、
    前記誘電体における他方の面において、前記放射器および前記周期構造体が配置された領域における裏面側に相当する領域の全面または略全面を覆う金属層から成る裏面側金属層と、
    を備え、
    前記周期構造体は、前記放射器の共振周波数において、高インピーダンスとなる共振を起こすように設定されていること
    を特徴とするアンテナ。
  2. 請求項1に記載のアンテナにおいて、
    前記周期構造体は、周期的に構成されたインダクタ成分とキャパシタンス成分とを有しており、共振する際にはLC共振を起こすよう設定されていること
    を特徴とするアンテナ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のアンテナにおいて、
    前記放射器は、一方の端部に前記接続部を備えているとともに、他方の端部が開放状態とされており、
    前記放射器の長さは、前記放射器の共振周波数における線路内波長の(2n−1)/4倍(ただし、nは自然数。)に設定されていること
    を特徴とするアンテナ。
  4. 請求項3に記載のアンテナにおいて、
    前記放射器と同一の面において、前記放射器に対して前記周期構造体を隔てて配置された1または複数の金属製の寄生素子を備えたこと
    を特徴とするアンテナ。
  5. 請求項4に記載のアンテナにおいて、
    前記寄生素子は、前記放射器に対して平行に配置された帯状の金属層によって形成されており、該金属層の一方の端部が金属製の接続部材によって前記裏面側金属層と接続されているとともに、前記金属層の他方の端部が開放状態とされていること
    を特徴とするアンテナ。
  6. 請求項1または請求項2に記載のアンテナにおいて、
    前記放射器は、一直線上に並んだ2本の帯状の金属層からなり、該各金属層のお互い近い側の端部に外部装置に繋がる配線が接続される給電部をそれぞれ備えているとともに、
    前記放射器における各金属層の合計の長さは、前記放射器の共振周波数における線路内波長の(2n−1)/2倍(ただし、nは自然数。)に設定されていること
    を特徴とするアンテナ。
  7. 請求項6に記載のアンテナにおいて、
    前記放射器と同一の面において、前記放射器に対して前記周期構造体を隔てて配置された1または複数の金属製の寄生素子を備えたこと
    を特徴とするアンテナ。
  8. 請求項7に記載のアンテナおいて、
    前記寄生素子は、帯状の金属層で形成されており、両端とも開放状態であること
    を特徴とするアンテナ。
  9. 請求項6〜請求項8の何れかに記載のアンテナにおいて、
    前記放射器における各給電部には、お互い逆の位相となる、差動給電がなされること
    を特徴とするアンテナ。
  10. 請求項1〜請求項9の何れかに記載のアンテナにおいて、
    前記裏面側金属層は、当該アンテナに対して給電を行う機器からみて、接地電位にあることを特徴とするアンテナ。
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