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JP2009264320A - 内燃機関の排気ガス浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気ガス浄化装置 Download PDF

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JP2009264320A
JP2009264320A JP2008117129A JP2008117129A JP2009264320A JP 2009264320 A JP2009264320 A JP 2009264320A JP 2008117129 A JP2008117129 A JP 2008117129A JP 2008117129 A JP2008117129 A JP 2008117129A JP 2009264320 A JP2009264320 A JP 2009264320A
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exhaust gas
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ozone
internal combustion
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JP2008117129A
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Hiroyuki Matsubara
宏幸 松原
Masaya Ibe
将也 井部
Shinya Hirota
信也 広田
Takeshi Ashida
健 芦田
Mayuko Osaki
真由子 大崎
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】本発明は、内燃機関の排気ガス浄化装置に関し、排気浄化触媒の早期活性化を図ることを目的とする。
【解決手段】本発明の内燃機関の排気ガス浄化装置は、内燃機関10の排気通路15に配置され、排気ガス中の有害成分を浄化するNOx触媒21と、NOx触媒21の上流側に活性酸素としてのオゾンを供給するオゾン供給装置27と、NOx触媒21の上流側の排気ガス中のHC濃度(未燃燃料成分濃度)を通常時より増加させる未燃燃料成分供給手段と、を備える。ECU50は、NOx触媒21の温度を上昇させることが要求される場合に、オゾン供給装置27によりNOx触媒21の上流側にオゾンを供給するとともにNOx触媒21の上流側の排気ガス中のHC濃度を未燃燃料成分供給手段により増加させる、触媒昇温制御を実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の排気ガス浄化装置に関する。
内燃機関の排気ガス中の有害成分を浄化するため、排気通路に触媒を設置する技術が広く用いられている。排気浄化触媒の活性は、ある温度以上にならないと発現しない。すなわち、触媒の温度が低いときには、排気ガスを触媒で十分に浄化することができない。このため、大気中への有害成分の放出を抑制するためには、エンジン始動直後などの触媒が低温の状態のときに、触媒の温度をなるべく早く活性温度以上に上昇させることが重要である。この問題の解決のため、電気加熱触媒なども提案されているが、コストアップ、電力消費増大、重量増加等の欠点があり、普及には至っていない。
特開2007−16635号公報には、PM捕集装置と、その下流側に設けられた選択還元型のNOx触媒と、PM捕集装置の直前にオゾン等の酸化剤を供給する第1の酸化剤供給手段と、NOx触媒の直前に酸化剤を供給する第2の酸化剤供給手段と、NOx触媒の直前にアンモニア等の還元剤を供給する還元剤供給手段とを備えた排気浄化装置が開示されている。この装置では、第2の酸化剤供給手段による酸化剤供給量を第1の酸化剤供給手段による酸化剤供給量より大とすることにより、十分な量のNO2をNOx触媒に供給し、もってNOx触媒によるNOxの浄化を促進することを図っている。
特開2007−16635号公報 特開2007−152336号公報
上記従来の公報に記載された技術では、触媒温度を早期に上昇させることについては十分に考慮されておらず、触媒の早期活性化を図るという問題の解決には至っていない。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、排気浄化触媒の早期活性化を図ることのできる内燃機関の排気ガス浄化装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の排気ガス浄化装置であって、
内燃機関の排気通路に配置され、排気ガス中の有害成分を浄化する触媒と、
前記触媒の上流側に活性酸素を供給する活性酸素供給装置と、
前記触媒の上流側の排気ガス中の未燃燃料成分濃度を通常時より増加させる未燃燃料成分供給手段と、
前記触媒の温度を上昇させることが要求される場合に、前記活性酸素供給装置により前記触媒の上流側に活性酸素を供給するとともに前記触媒の上流側の排気ガス中の未燃燃料成分濃度を前記未燃燃料成分供給手段により増加させる、触媒昇温制御を実行する触媒昇温手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記触媒は、Agを触媒成分として含むことを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
排気ガス流量の指標値を算出する流量指標値算出手段と、
前記指標値が所定値を超える場合に、前記触媒昇温制御の実行を抑制する触媒昇温制御抑制手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明の何れかにおいて、
前記触媒昇温手段は、前記触媒の温度が上昇するにつれて、排気ガス中への活性酸素添加量に対する未燃燃料成分添加量の割合を増大させる添加割合制御手段を含むことを特徴とする。
また、第5の発明は、第1乃至第4の発明の何れかにおいて、
前記活性酸素供給装置は、活性酸素としてオゾンを供給することを特徴とする。
第1の発明によれば、触媒の温度を上昇させることが要求される場合に、触媒の上流側の排気ガス中に活性酸素および未燃燃料成分を添加する触媒昇温制御を実行することができる。活性酸素は強い酸化力を有しているため、添加された活性酸素と未燃燃料成分とは、低温からでも効率良く反応することができる。このため、その反応熱を利用して、触媒の温度を迅速に上昇させることができる。第1の発明によれば、例えば内燃機関の始動直後などの触媒低温時において、触媒を早期に活性化させることができるので、大気中への有害成分の放出を十分に低減することができる。
第2の発明によれば、触媒にAgが含有されている。触媒昇温制御によって活性酸素および未燃燃料成分が添加されると、それらの反応によってCOが発生する。Agは、活性酸素の共存下において、COを効率良く酸化させる活性を低温から発現する。このため、第2の発明によれば、触媒昇温制御において添加された活性酸素および未燃燃料成分の反応によって発生したCOを、Agが触媒となって酸化浄化することができる。また、第2の発明によれば、触媒の温度をより迅速に上昇させることができるという利点もある。その理由は、活性酸素と未燃燃料成分との反応熱だけでなく、COの酸化反応の反応熱によっても触媒を加熱することができるからである。
第3の発明によれば、排気ガス流量の指標値が所定値を超える場合に、触媒昇温制御の実行を抑制することができる。急加速などによって排気ガス流量の指標値が所定値を超えた場合には、反応ガスが触媒内にとどまる時間が短くなるために、活性酸素および未燃燃料成分を添加したとしても、触媒昇温効果が得にくい状態であると判断できる。第3の発明によれば、このような場合に、触媒昇温制御の実行を一時的に抑制することにより、活性酸素や燃料の使用を節約することができる。このため、活性酸素や燃料をより有効に利用することができ、燃費性能を改善することができる。
第4の発明によれば、触媒の温度が上昇するにつれて、排気ガス中への活性酸素添加量に対する未燃燃料成分添加量の割合を増大させることができる。触媒の温度が低い場合には、添加された未燃燃料成分の酸化速度が比較的低くなる。このため、活性酸素添加量に対する未燃燃料成分添加量の割合を比較的小さくすることにより、酸化されずに残る未燃燃料成分が生ずることを確実に抑制することができる。一方、触媒の温度が高くなっていくと、未燃燃料成分の酸化速度は速くなる。このため、活性酸素添加量に対する未燃燃料成分添加量の割合を増大させても、未燃燃料成分を残らずに酸化させることが可能である。よって、活性酸素および未燃燃料成分の添加量を上記のように制御することにより、活性酸素や未燃燃料成分をより有効に活用することができるとともに、未燃燃料成分が触媒をすり抜けることを確実に抑制することができる。
第5の発明によれば、活性酸素としてオゾンを用いることにより、上記効果をより顕著に発揮させることができる。
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態のシステムは、車両等の動力源として使用される内燃機関10を備えている。本実施形態において、内燃機関10は、4つの気筒13を備えた4気筒型の圧縮着火式内燃機関(ディーゼルエンジン)である。本実施形態の内燃機関10は、ターボチャージャ19を備えている。ターボチャージャ19のコンプレッサにより圧縮された吸入空気は、吸気マニホールド11を介して各気筒13に流入する。各気筒13には、それぞれ、筒内に直接に燃料を噴射する燃料インジェクタ14が設けられている。各燃料インジェクタ14には、コモンレール18に蓄えられた高圧の燃料が供給される。図示しない燃料タンク内の燃料は、サプライポンプ17により加圧され、コモンレール18に供給される。各気筒13から排出される排気ガスは、排気マニホールド12で合流し、ターボチャージャ19のタービンに流入する。タービンを通過した排気ガスは、排気通路15を流れる。
排気通路15には、NOxを浄化する機能を有するNOx触媒21が設置されている。本実施形態のNOx触媒21は、吸蔵還元型のNOx触媒(NSR: NOx Storage Reduction)であるものとする。すなわち、NOx触媒21は、例えば、アルミナ(Al23)の表面に、白金Pt等の貴金属と、NOx吸蔵材とが配置された触媒成分を有している。NOx吸蔵材としては、例えば、カリウムK、ナトリウムNa,リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれる少なくとも一つを用いることができる。なお、本明細書において、「吸蔵」という用語には、「保持」、「吸着」、「吸収」等に類似するすべての概念が含まれるものとする。
NOx触媒21の上流側には、オゾン供給ノズル22が設置されている。オゾン供給ノズル22には、複数のオゾン供給口23が設けられている。オゾン供給ノズル22には、オゾン供給通路24を介して、オゾン発生器25が接続されている。図示の構成では、オゾン供給ノズル22は、NOx触媒21を収容するケーシング26の内部であって、NOx触媒21の前方側(上流側)に配置されている。本実施形態では、上述したオゾン発生器25、オゾン供給通路24およびオゾン供給ノズル22により、オゾン供給装置27が構成されている。
オゾン発生器25としては、高電圧を印加可能な放電管内に、原料となる乾燥した空気または酸素を流しつつオゾンを発生させる形態や、他の任意の形式のものを用いることができる。ここで原料となる乾燥した空気または酸素は、排気通路15外から取り込まれる気体、例えば外気に含まれる気体である。
上述したようなオゾン供給装置27によれば、オゾン発生器25によってオゾン(O3)を生成させ、このオゾンをオゾン供給ノズル22のオゾン供給口23から噴射することができる。これにより、NOx触媒21の上流側において、排気ガス中にオゾンを添加することができる。
排気通路15には、NOx触媒21に流入する排気ガスの温度(以下、「触媒入りガス温度」と称する)を検出する温度センサ28と、NOx触媒21の温度(床温)を検出する温度センサ29とが設置されている。
本実施形態のシステムは、ECU(Electronic Control Unit)50を更に備えている。ECU50には、前述した燃料インジェクタ14、オゾン発生器25、温度センサ28,29のほか、クランク角センサ46、エアフローメータ47、アクセルポジションセンサ48等の、内燃機関10を制御するための各種のセンサおよびアクチュエータが電気的に接続されている。
NOx触媒21の吸蔵材は、例えばBa(NO32のような硝酸塩を形成することにより、NOxを吸収する。吸蔵材は、NOxのうち、NO2,NO3あるいはN25を良好に吸収することができる。一方、排気ガス中に元々含まれるNOxの多くは、NO(一酸化窒素)である。NOは、そのままでは、吸蔵材に吸収させることができない。そこで、NOx触媒21では、Pt等の貴金属が触媒となることにより、排気ガス中のNOと酸素O2とを反応させてNO2に転換させ、このNO2を吸蔵材に吸収させるようにしている。
しかしながら、貴金属触媒の活性は、ある温度以上(例えば200℃以上)にならないと発現しない。よって、NOx触媒21の温度がその温度より低い場合には、NOが貴金属触媒によってNO2に酸化されないため、NOxを吸蔵することができない。また、貴金属触媒が十分に活性化するには、より高い温度(例えば300℃程度)が必要となる。このため、NOx触媒21の温度がその温度より低い場合には、NOxを十分に吸蔵することができない。
このため、大気中へのNOxの放出を抑制するためには、内燃機関10の始動直後など、NOx触媒21が低温であるときに、その温度をなるべく早期に上記のような活性温度にまで上昇させることが重要となる。本発明者らは、この課題を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、NOx触媒21の上流側の排気ガス中に未燃燃料成分(以下、「HC」で代表する)とオゾンとを添加することにより、NOx触媒21の温度を迅速に上昇させることができることを見出した。オゾンは、O2と比べ、強い酸化力を有している。このため、オゾンとHCとは、低温域(常温域)においても、気相で、あるいは触媒を介して、効率良く反応することができる。よって、それらをNOx触媒21の上流側で排気ガス中に添加することにより、その反応熱を利用してNOx触媒21を迅速に昇温することができる。
図2は、上記手法の有効性を実証するために行った試験の結果を示す図である。この試験では、触媒として、γAl23にPtを1%担持した1mm角ペレットを使用した。この触媒を、約200℃のモデルガスの気流中に置き、触媒温度を測定した。モデルガスの組成は、HC(ここではC36とした)が1000ppm、O2が10%、H2Oが3%、残りがN2である。図2中の上段のグラフは、触媒の温度、および、触媒に流入するモデルガスの温度(以下「入りガス温度」と言う)の測定結果を示す。この試験において、測定開始800秒後からは、触媒に流入するモデルガス中のO2の一部を放電によりオゾンに転化させた。オゾンの濃度は約1000ppmであった。図2中の下段のグラフは、触媒に流入するモデルガス中のオゾン濃度、および、触媒を通過したモデルガス中のHC濃度の測定結果を示す。
図2の下段のグラフに示すように、測定開始800秒後において触媒へのオゾンの流入が開始すると、触媒後流のHC濃度は急に低くなる。これは、HCが、オゾンとの反応によって消費されていることを示す。そして、図2の上段のグラフに示すように、オゾン流入開始後の触媒温度は、それ以前と比べて、高くなっている。これは、HCとオゾンとの反応熱によるものである。
上述した試験の結果から、触媒の活性が発現していない低温状態にある場合に、HCとオゾンとを触媒の上流側に供給することにより、触媒温度を迅速に上昇させることが可能であることが実証された。そこで、本実施形態のシステムでは、内燃機関10の始動直後など、NOx触媒21が低温であり、NOx触媒21の温度を迅速に上昇させることが要求される場合に、NOx触媒21の上流側の排気ガス中にオゾンとHCとを添加する制御を実行することとした。この制御を以下「触媒昇温制御」と称する。
触媒昇温制御において、排気ガス中に添加するオゾンは、前述したオゾン供給装置27によって供給することができる。また、本明細書において、「HCを添加する」とは、NOx触媒21の上流側の排気ガス中のHC濃度を、通常運転時(燃費を最適とするような運転時)と比べて、増加させることを意味するものとする。HCを添加する方法としては、特に限定されないが、例えば、下記の何れかの方法を採用することができる。
(1)内燃機関10の気筒13の膨張行程または排気行程において燃料インジェクタ14から燃料を噴射する方法(すなわちポスト噴射)。
(2)NOx触媒21の上流側の排気通路15に設けた燃料添加弁(図示せず)から燃料を噴射する方法(すなわち、排気系燃料添加)。
(3)大量のEGR(Exhaust Gas Recirculation)を行うことにより、筒内の空燃比を通常時より大幅にリッチ化させ、煤が生成しないような低温で燃焼させる方法(すなわち低温リッチ燃焼)。
また、ガソリンエンジン等の火花点火式内燃機関の場合には、燃料噴射量を増量することによって、HCを添加することもできる。
[実施の形態1における具体的処理]
図3は、上記のような触媒昇温制御を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。図3に示すルーチンによれば、まず、温度センサ29によって検出されるNOx触媒21の温度が、所定の判定値(本実施形態では300℃とする)未満であるか否かが判別される(ステップ100)。なお、本実施形態では、NOx触媒21の温度を温度センサ29によって直接に検出するようにしているが、本発明では、エンジン回転数、エンジン負荷、排気ガス温度等に基づいてNOx触媒21の温度を推定するようにしてもよい。また、本発明では、このステップ100の判断を、触媒入ガス温度あるいは触媒出ガス温度(触媒を出た排気ガスの温度)に基づいて行うようにしてもよい。
オゾンは、300℃以上程度の高温になると、熱分解し易くなる。このため、NOx触媒21の温度が300℃以上である場合には、オゾン供給口23からオゾンを添加したとしても、その多くは熱分解してしまう。よって、NOx触媒21を昇温させる効果は小さくなる。また、NOx触媒21の温度が300℃以上である場合には、NOx触媒21中の貴金属触媒が十分に活性化しているので、NOxを十分に吸蔵材に吸収することができる。このため、通常は、NOx触媒21の温度を上昇させる必要性もない。そこで、本実施形態では、NOx触媒21の温度が300℃以上になった場合には、触媒昇温制御を停止することとした。このため、上記ステップ100で、NOx触媒21の温度が300℃未満でない(つまり300℃以上である)と判別された場合には、オゾンおよびHCの添加が停止される(ステップ102)。
一方、上記ステップ100で、NOx触媒21の温度が300℃未満であると判別された場合には、次に、NOx触媒21の空間速度SVの値が所定値α未満であるか否かが判別される(ステップ104)。空間速度SVは、触媒を通過する排気ガス流量を触媒体積で割った値として定義される。この空間速度SVが小さいほど、反応ガスがNOx触媒21内に長くとどまることになる。本実施形態では、エアフローメータ47で検出される吸入空気量に基づいて排気ガス流量を算出し、その排気ガス流量を、予め記憶されたNOx触媒21の体積(容積)で除算することにより空間速度SVの値を取得することができる。
車両の急加速などによって内燃機関10の負荷が増大すると、排気ガス流量が多くなるので、空間速度SVが大きくなる。つまり、反応ガスがNOx触媒21内にとどまる時間が短くなる。そうすると、オゾンとHCとの反応熱がNOx触媒21に伝熱する時間が不足するようになり、NOx触媒21を昇温させる効率が低下する。そこで、本実施形態では、空間速度SVが所定値α以上である場合には、触媒昇温制御を停止することとした。
すなわち、上記ステップ104で、空間速度SVの値が所定値α未満でない(所定値α以上である)と判別された場合には、反応ガスがNOx触媒21内にとどまる時間が短いために、オゾンおよびHCを添加したとしても、NOx触媒21を昇温する効果が得にくい状態であると判断できる。そこで、この場合には、オゾンや燃料の使用を節約するため、オゾンおよびHCの添加が停止される(ステップ102)。このように、本実施形態によれば、急加速などによって排気ガス流量が増大し、オゾンおよびHCの添加による触媒昇温の効果が得にくい場合に、それらの添加を停止(中断)することができる。このため、オゾンや燃料をより有効に利用することができ、燃費性能を改善することができる。
一方、上記ステップ104で、空間速度SVの値が所定値α未満であると判別された場合には、オゾンおよびHCの添加による触媒昇温効果が十分に得られる状態であると判断できる。そこで、この場合には、触媒昇温制御、つまりオゾンおよびHCの添加が実行される(ステップ106)。すなわち、オゾン供給装置27により排気ガス中にオゾンが添加されるとともに、所定のHC添加方法(前述したポスト噴射、排気系燃料添加、低温リッチ燃焼、燃料噴射量増量等)を実行することにより、排気ガス中にHCが添加される。
触媒昇温制御により排気ガス中に添加されたオゾンおよびHCは、気相で、あるいはNOx触媒21中の貴金属触媒を介して、低温から効率良く反応し、反応熱を発生する。このため、本実施形態によれば、内燃機関10の始動直後等、NOx触媒21が低温の場合に、NOx触媒21の温度を、十分な活性が得られる温度以上にまで迅速に上昇させることができる。よって、大気中への有害物質の排出を十分に抑制することができる。
図4は、触媒昇温制御実行時の、排気ガス中へのオゾンおよびHCの添加量と、NOx触媒21の温度との関係を示す図である。上記ステップ106では、この図4のようなマップに従い、NOx触媒21の温度に応じてオゾンおよびHCの添加量を制御することが好ましい。図4に示すマップによれば、NOx触媒21の温度が上昇するにつれて、オゾン添加量に対するHC添加量の割合が増大するように、両者の添加量が制御される。これにより、次のような利点がある。NOx触媒21の温度が低い場合には、HCの酸化速度が比較的低くなる。このため、オゾン添加量に対するHC添加量の割合を比較的小さくすることにより、酸化されずに残るHCが生ずることを確実に抑制することができる。一方、NOx触媒21の温度が高くなっていくと、HCの酸化速度は速くなる。このため、オゾン添加量に対するHC添加量の割合を増大させても、HCを残らずに酸化させることが可能である。よって、オゾンおよびHCの添加量を上記のように制御することにより、オゾンやHCをより有効に活用することができるとともに、HCがNOx触媒21をすり抜けることを確実に抑制することができる。
図5は、内燃機関10の始動後におけるNOx触媒21の温度およびエンジン出ガス温度(内燃機関10を出た排気ガスの温度)の時間経過を測定したデータを示す図である。図5中の破線で示す触媒温度は、上述した図3に示すルーチンによる触媒昇温制御を実行した場合の測定データである。なお、上方の矢印で示された期間が、オゾンおよびHCの添加が実行された期間である。一方、図5中の実線で示す触媒温度は、比較例であり、触媒昇温制御を実行しなかった場合、つまりオゾンおよびHCを添加しなかった場合の測定データである。
図5に示す測定データによれば、触媒昇温制御を実行した場合には、実行しなかった場合と比べて、NOx触媒21の温度を、十分な活性が得られる温度(ここでは300℃)まで迅速に上昇させることができるとともに、その温度を確実に維持することができることが明らかとなった。
なお、本実施形態では、NOx触媒21の温度が300℃以上になった場合や空間速度SVが所定値α以上である場合に、オゾンおよびHCの添加を停止するようにしている(上記ステップ102)が、本発明では、オゾンおよびHCの添加を完全に停止するのではなく、それらの添加を抑制する(つまり添加量を減少させる)だけにしてもよい。
また、図5に示す例では、内燃機関10の始動直後に触媒昇温制御を実行した場合を示したが、本発明では、触媒昇温制御の実行時期は、始動直後に限定されるものではない。例えば、NOx還元(還元剤をNOx触媒21に供給し、吸蔵されたNOxを還元浄化する処理)や、硫黄被毒再生、PM再生(捕集された粒子状物質を燃焼除去する処理)等を行うために触媒温度を上昇させる場合に、触媒昇温制御(オゾンおよびHCの添加)を実行するようにしてもよい。
また、本実施形態では、触媒昇温制御の対象が吸蔵還元型NOx触媒であるものとして説明したが、本発明で触媒昇温制御の対象とする触媒はこれに限定されるものではなく、例えば、選択還元型NOx触媒、三元触媒、酸化触媒などであってもよい。
また、本実施形態では、内燃機関10が圧縮着火式であるものとして説明したが、本発明は、火花点火式の内燃機関にも適用可能である。
また、本実施形態のオゾン供給装置27では、オゾン発生器25により生成されたオゾンをそのまま排気通路15内に供給するように構成されているが、本発明では、オゾンを予め生成、貯留しておき、その貯留されたオゾンを必要時に排気通路15内に供給するようにしてもよい。
また、本実施形態では、活性酸素としてオゾンを排気ガス中に添加しているが、本発明では、オゾンに代えて、他の種類の活性酸素(例えば、O-,O2-,O2 -,O3 -,On -等で表される酸素マイナスイオン)を排気ガス中に添加するようにしてもよい。
上述した実施の形態1においては、ECU50が、ポスト噴射、排気系燃料添加等の所定の方法によって未燃燃料成分としてのHCを添加することにより前記第1の発明における「未燃燃料成分供給手段」が、上記ステップ106の処理を実行することにより前記第1の発明における「触媒昇温手段」が、エアフローメータ47の出力に基づいて空間速度SVを算出することにより前記第3の発明における「流量指標値算出手段」が、上記ステップ104および102の処理を実行することにより前記第3の発明における「触媒昇温制御抑制手段」が、図4に示すマップに基づいてオゾンおよびHCの添加量を制御することにより前記第4の発明における「添加割合制御手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態2.
次に、図6および図7を参照して、本発明の実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。
本実施形態のハードウェア構成は、前述した図1に示す構成とほぼ同様である。ただし、本実施形態では、NOx触媒21に、触媒成分としてAg(銀)が更に追加されているものとする。
本実施形態では、実施の形態1と同様に、NOx触媒21の温度を上昇させることが要求される場合に、NOx触媒21の上流側にオゾンおよびHCを添加することにより、NOx触媒21の温度を迅速に上昇させることができる。その際、添加されたオゾンおよびHCの反応によって、CO(一酸化炭素)が発生する。COは有害であるため、酸化させてCO2へと浄化することが好ましい。しかしながら、COとオゾンとの反応性は、NOやHCとオゾンとの反応性に比べて低い。このため、気相中でオゾンとCOとを反応させることによってCOを酸化させることは困難である。
本発明者らは、触媒低温時にCOを十分に浄化するべく鋭意研究を重ねた結果、Agを含む触媒(以下、「Ag触媒」と称する)が、オゾン共存下において、COを効率良く酸化させる活性を、100℃程度の低温から発現することを見出した。図6は、オゾン共存下でAg触媒がCOを酸化させるメカニズムを示す図である。この図に示すように、Agがオゾンと反応することによって、より強力な酸化剤であるAg2OまたはAgOに変化する。このAg2OまたはAgOによってCOがCO2に酸化されるものと考えられる。
本実施形態では、上記のような知見に基づいて、触媒昇温制御において添加されたオゾンおよびHCの反応によって発生したCOを浄化するべく、NOx触媒21に、Agを含有させることとした。これにより、本実施形態では、触媒昇温制御で添加されたオゾンおよびHCの反応によってCOが発生した場合であっても、NOx触媒21中のAg触媒によって、このCOを酸化させて浄化することができる。このため、COがNOx触媒21の下流に流れることを確実に抑制することができる。
また、このCOの酸化反応によって反応熱が発生するので、NOx触媒21の温度を更に迅速に上昇させることができるという利点もある。この点を実証するため、前述した実施の形態1と同様の試験を行った。図7は、その試験の結果を示す図である。この試験では、触媒として、γAl23にPtを1%、Agを10wt%担持した1mm角ペレットを使用した。その他の試験条件は、実施の形態1の試験と同様である。
図7に示す試験結果から明らかなように、オゾンおよびHCが添加された場合に、Agを含有した触媒では、Agを含有しない触媒と比べて、温度が更に高くなる。これは、オゾンとHCとの反応熱に加えて、COの酸化反応熱によって触媒が加熱されるためであると考えられる。
このように、本実施形態によれば、触媒昇温制御の対象とする触媒にAgを含有させることにより、触媒温度をより迅速に上昇させることができるので、触媒暖機性を更に向上することができる。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。 オゾンおよびHCの添加による触媒昇温試験の結果を示す図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 触媒昇温制御実行時の、排気ガス中へのオゾンおよびHCの添加量と、NOx触媒の温度との関係を示す図である。 内燃機関の始動後におけるNOx触媒の温度およびエンジン出ガス温度の時間経過を測定したデータを示す図である。 オゾン共存下でAg触媒がCOを酸化させるメカニズムを示す図である。 オゾンおよびHCの添加による触媒昇温試験の結果を示す図である。
符号の説明
10 内燃機関
11 吸気マニホールド
12 排気マニホールド
13 気筒
14 燃料インジェクタ
15 排気通路
17 サプライポンプ
18 コモンレール
19 ターボチャージャ
21 NOx触媒
22 オゾン供給ノズル
23 オゾン供給口
24 オゾン供給通路
25 オゾン発生器
26 ケーシング
27 オゾン供給装置
28,29 温度センサ
50 ECU

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気通路に配置され、排気ガス中の有害成分を浄化する触媒と、
    前記触媒の上流側に活性酸素を供給する活性酸素供給装置と、
    前記触媒の上流側の排気ガス中の未燃燃料成分濃度を通常時より増加させる未燃燃料成分供給手段と、
    前記触媒の温度を上昇させることが要求される場合に、前記活性酸素供給装置により前記触媒の上流側に活性酸素を供給するとともに前記触媒の上流側の排気ガス中の未燃燃料成分濃度を前記未燃燃料成分供給手段により増加させる、触媒昇温制御を実行する触媒昇温手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の排気ガス浄化装置。
  2. 前記触媒は、Agを触媒成分として含むことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気ガス浄化装置。
  3. 排気ガス流量の指標値を算出する流量指標値算出手段と、
    前記指標値が所定値を超える場合に、前記触媒昇温制御の実行を抑制する触媒昇温制御抑制手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の排気ガス浄化装置。
  4. 前記触媒昇温手段は、前記触媒の温度が上昇するにつれて、排気ガス中への活性酸素添加量に対する未燃燃料成分添加量の割合を増大させる添加割合制御手段を含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の内燃機関の排気ガス浄化装置。
  5. 前記活性酸素供給装置は、活性酸素としてオゾンを供給することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の内燃機関の排気ガス浄化装置。
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