[go: up one dir, main page]

JP2009262557A - カード用コアシートおよびカード基材 - Google Patents

カード用コアシートおよびカード基材 Download PDF

Info

Publication number
JP2009262557A
JP2009262557A JP2009087047A JP2009087047A JP2009262557A JP 2009262557 A JP2009262557 A JP 2009262557A JP 2009087047 A JP2009087047 A JP 2009087047A JP 2009087047 A JP2009087047 A JP 2009087047A JP 2009262557 A JP2009262557 A JP 2009262557A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
card
core sheet
weight
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009087047A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasunori Takahashi
靖典 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP2009087047A priority Critical patent/JP2009262557A/ja
Publication of JP2009262557A publication Critical patent/JP2009262557A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Credit Cards Or The Like (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】クラックや割れ等の材料強度に関する不具合、更にはスクリーン印刷後の融着性に関して大幅に改善されたICカード基材を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂組成物からなるカード用コアシートであって、前記熱可塑性樹脂組成物がポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂(a1)と、所定のメルトフローを有するポリカーボネート樹脂(a2)とを含む樹脂成分(A)を含み、前記樹脂成分(A)中の前記共重合ポリエステル樹脂(a1)とポリカーボネート樹脂(a2)との重量比((a1)/(a2))が、(a1)/(a2)=60/40〜30/70であるカード用コアシート。
【選択図】 なし

Description

本発明は、スクリーン印刷用カード用コアシート及びコアシートに積層して用いるオーバーシートを組み合わせて作製されるICカード用カード基材に関するものである。
近年、クレジットカード、キャッシュカード、プリペイドカード等多種のカードにおいて、従来の磁気カードに代わり記録容量が大きくセキュリティにも優れたICモジュールを搭載したICカードが広く実用化されてきている。ICカードには、記録媒体の読み取り方法により接触型のものと非接触型の2種類に分けられる。従来、接触型方式では端末と通信する際にICカードと読み取り機とが接触する際、その接点が汚れるまたは壊れやすいといった欠点があり読み取り機の保守にも工数を要していた。また、非接触型方式では記録媒体と読み取り機が接点を持たないためセキュリティのシステム化に課題があった。しかしながら、種々のシステム改善等によりこれらの課題の多くは既に解決されてきており、ICカードは、金融系のキャッシュカード、クレジットカード、更には定期券を初めとする交通系の分野でも広く展開され急速に実用化が進んでいる。
これらのICカードの製造方法としては、コアシートへICモジュール埋設穴を切削加工する方法や、コアシートとオーバーシートとの間にスペーサーを挟むことで埋設スペースを確保し、この上にオーバーシートを積層し熱プレスすることでICモジュールを埋設する方法が主流となっている。しかしながら切削加工を行う場合は、ICモジュール埋設部分が構造的にコアシートの厚みが薄くなる。また、スペーサーを使用する場合でもICモジュール埋設部分の厚みはその他の部分に比較して相対的に薄くなる。このような状態で、例えば、キャッシュカードなどの金融系のICカードを繰り返し自動現金支払い機(以下、ATMと称する)に入れた場合、ICカードに加わる力により発生するICモジュール付近のクラックや、ICカード本体の割れが大きな問題となっている。
ところで一般的にプラスチック製カードは、コアシートと呼ばれる白色に着色されたシートの両面に、オーバーシートと呼ばれる透明なシートを積層することで作製される。コアシートとオーバーシートの積層は、熱融着性のある樹脂同士を貼り合わせるか、接着剤を用いることで行われることが多い。
これらのカード用シートは、一般にポリ塩化ビニール樹脂製のシートが用いられてきたが、焼却処理の問題からポリエステル系の樹脂が用いられるケースが増えてきている。その中でも、ポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂(以下PETG樹脂という)が特に多く用いられている。
しかしながらPETG樹脂のような非結晶性のポリエステル系樹脂はインキ、溶剤の乾燥が遅いため印刷後、すぐにシートを積み重ねると、シートの印刷面に積み重ねた上側シート裏面に下側シートのインキ、溶剤が転写してしまい、カードを作成する際、2枚のシート間で融着不良が生じる場合がある。
このような融着不良を防止するため、乾燥時間を長くすることや、インキの溶剤組成を変更する等の手段が検討されている。しかしながら生産効率の観点からは、従来PVC系カードと同様の条件で生産を行う必要があり、乾燥時間を短縮できるポリエステル系シートの開発が求められている。
更に近年広がっているカードの用途の一つとして高速道路におけるノンストップ自動料金収受システム(ETC)用途があげられる。ETC用カードは自動車室内放置される場合や、車内の車載器に差し込まれたままで用いられる場合がある。そのため室内温度が80度〜90℃近くまで上昇する夏季においても、車内に放置された状態でカードが反らないことや車内の車載器に差し込まれた状態で凹みが発生しないことが求められる。すなわちカード用シートには上記のような不具合が発生しないような耐熱性が求められるのである。
カードに耐熱性がないと、反りや凹みが発生し、見た目上好ましくないだけでなく、接触式のICカードあるいは磁気ストライプカード(以下、磁気カードと表記)の場合、カードをリーダライタに抜き差しする際に抵抗が生じる。PETG樹脂自体は耐熱性が低いため、前記のようなETCカード用途に要求される耐熱性を充分満たすことはできない点が指摘されている。
PETG樹脂製のカード用シートに耐熱性を付与する技術は、多数報告されている。例えば、特許文献1,2には、PETG樹脂にポリカーボネート樹脂(PC樹脂)等の耐熱樹脂をブレンドや積層することによって耐熱性を付与できることが報告されている。しかしながら、該文献に記載されている技術では、ポリ塩化ビニール樹脂製のカードと同じ条件でスクリーン印刷を行うと2枚のシート間で融着不良が発生する問題を解決するには至っていない。
従来、ICカード用のオーバーシートとしては、非結晶性の芳香族ポリエステル系樹脂組成物とポリカーボネート系樹脂組の混合物を単層シートとしたもの、若しくは、非結晶性の芳香族ポリエステル系樹脂組成物からなるスキン層とポリカーボネート系樹脂組成物からなるコア層により構成され、共押出法によりスキン層/コア層/スキン層の少なくとも3層構成に積層された多層フィルムが用いられてきた。(例えば、特許文献3)
従来のICカード用オーバーシートではポリカーボネート系樹脂の使用により割れや衝撃性に対する耐性を付与する設計になっていると推察されるが、前述の通りICモジュールを埋設したICカードでは繰り返しの外力等によるクラックや、ICカードそのものが割れてしまうといった不具合が多数発生し重大な品質問題となっている。
また、最近ではIC チップを有するIC モジュールを装着するモジュール用孔又は埋
設凹部を有するカード基材と前記ICモジュール用孔又は前記埋設凹部を塞ぐように前記
カードコアシートに接着されるオーバーシートとを有し、前記ICモジュールの少なくと
も前記ICチップが、2%弾性率0.05〜50kgf/mm2の弾性体で、前記ICモジ
ュール用孔又は前記埋設凹部に封止されていることを特徴とするICカードの製造方法も
提案されてきている。(例えば、特許文献4)
このように、ICモジュールの埋設方法を工夫することにより耐衝撃性を改良する試みが散見されるものの、これまでICカード用に使用されてきた素材の中で、スクリーン印刷後融着不良を引き起こさず、外部からの応力によりICモジュール部を中心に発生する割れやクラックに対して十分な強度を有するコアシート、及びオーバーシート用の材料開発は未だになされていない。
特願2000−89403号
特開2005−84931号
特開2001−80251号
特許第3045112号
本発明の目的は、耐熱性、そり、耐衝撃性、耐屈曲性、印刷適性に優れた、スクリーン印刷対応カード用コアシート及びそれを用いたICカードを提供することにある。
このような目的は下記に記載の本発明により達成される。

[1]熱可塑性樹脂組成物からなるカード用コアシートであって、前記熱可塑性樹脂組成物がポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂(a1)と、メルトフローレイト(測定条件ASTM D−1238準拠、樹脂溶融温度300℃、加重1.2kg)が3.0〜13.0g/10minからなるポリカーボネート樹脂(a2)とを含む樹脂成分(A)を含み、前記樹脂成分(A)中の前記共重合ポリエステル樹脂(a1)とポリカーボネート樹脂(a2)との重量比率((a1)/(a2))が、(a1)/(a2)=60/40〜30/70であるカード用コアシート。
[2]前記熱可塑性樹脂組成物が、前記樹脂成分(A)100重量部に対し、更に無機充填剤(B)5〜25重量部、ゴム状弾性体(C)5〜20重量部、および酸化チタン(D)10〜20重量部を含むものである前記[1]記載のカード用コアシート。
[3]カード用コアシートとオーバーシートを組みあせることにより作製されるカードであって、前記カード用コアシートが前記[1]または[2]記載のカード用コアシートであるカード基材。
[4]前記オーバーシートが、ポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分の10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステルを主成分とする融着層と、ポリカーボネート樹脂(PC)とポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)との重量比がPC/PBT=70/30〜25/75となる樹脂成分を含む保護層とを含むオーバーシートである前記[3]記載のカード基材。
本発明に係るカード用コアシートは、ポリエステル系シートでありながら印刷後長時間の乾燥工程を必要としなくとも2枚のシートをプレスする際の融着性を改善することができ、PVCシート用印刷設備等で従来のPVCシート使用時の生産条件にてスクリーン印刷を行っても融着不良の発生を低減させ生産性を改善することが可能となる。
以下、本発明に係るカード用コアシートおよび基材について詳細に説明する。本発明のカード用コアシートは、熱可塑性樹脂組成物からなり、前記熱可塑性樹脂組成物がPETG樹脂(a1)と、ASTM D−1238に従い、樹脂溶融温度300℃、加重1.2kgで測定したメルトフローレイトが3.0〜13.0g/10minからなるポリカーボネート樹脂(a2)とを含む樹脂成分(A)を含み、前記樹脂成分(A)中の前記共重合ポリエステル樹脂(a1)とポリカーボネート樹脂(a2)との重量比率((a1)/(a2))が、(a1)/(a2)=60/40〜30/70であることを特徴とする。
本発明に用いられる(a)成分であるPETG樹脂は、ポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂であり、そのエチレングリコール成分の置換量は、20〜35モル%であることがさらに好ましい。
エチレングリコール成分の置換量が10モル%未満では、樹脂は充分な非晶性とはならないため、シート化したときのシートの弾性率低下や脆弱化が生じたり、成形性が低下する。また、熱融着を必要とする用途では、融着させた後の冷却時にシートの再結晶化が進行し、熱融着性が無くなってしまうため、充分な接着強度が得られないといった不具合が生じる。一方、エチレングリコール成分の置換量が70モル%を越える場合も、樹脂が充分な非晶性とはならず、エチレングリコール成分の置換量が10モル%未満のときと同様の問題が生じることとなり好ましくない。
本発明に用いられる(b)成分であるポリカーボネート樹脂は、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体である。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられ、これらは単独だけでなく2種類以上混合して使用してもよい。
本発明に用いられる(b)成分であるポリカーボネート樹脂のメルトフローレイトは、成形加工性、強度、耐熱性、印刷適性の観点から、ASTM D−1238に従い、樹脂溶融温度300℃、加重1.2kgで測定した場合、3.0〜13.0g/10minであり、好ましくは4.0〜8.0g/10minである。ポリカーボネート樹脂のメルトフローレイトが3.0g/10min未満になると押出しできなくなる。また、13.0g/10minを超えるとスクリーン印刷後、PC分子鎖中にインク、溶剤が入り込み、40℃、10minの乾燥条件では溶剤が抜けにくくなっている。そのため、2枚のシートをプレスする際、融着不良が発生する。また、かかるポリカーボネート樹脂を製造するに際し分子量調節剤、触媒等を必要に応じて添加してもよい。
さらにコアシート中のポリカーボネート樹脂の配合量が40重量部未満になると、ICカードの携帯時に受ける種々の外部応力により、割れ等の材料強度に関する不具が発生する。また、70重量部を超えると、ポリ塩化ビニール樹脂製のカードと同じ条件でエンボス文字を刻印すると、カードの反りが大きくなる。
本発明において使用するコアシートにおいては、無機充填剤、ゴム状弾性体が含まれても良く、無機充填材としては、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等が挙げられる。中でも、平均粒子径0.5〜50μmのタルクが好ましい。
ゴム状弾性体としては、アルキルアクリレートやアルキルメタクリレートを主体とするアクリル系重合体やメタクリル系重合体、ブタジエンやイソプレンなどの共役ジエンを主体とするジエン系重合体、ポリオルガノシロキサンを主体とするシリコーン系重合体の1種以上の共重合体、メチルメタアクリレート・ブチルアクリレート・スチレン樹脂、メチルメタアクリレート・ブタジエン・スチレン樹脂(以下、MBS樹脂と略す)、ブチルアクリレート・イソプレン・スチレン樹脂などがあり公知のものを用いることができる。特に、MBS樹脂が好ましい。上記以外のゴム状弾性体としては、例えばブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、イソブチレン−イソプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、スチレン−ブタジエンゴムの水素化物、スチレン-イソプレン−スチレンゴム、スチレン−イソプレンゴムの水素化物などを挙げることができる。これらのゴム状弾性体は、1種で用いても2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明に係るカード基材は、前記カード用コアシートとオーバーシートを組み合わせることにより作製される。
本発明に係るカード基材に用いられるオーバーシートはPETG樹脂を含む融着層と、ポリカーボネート樹脂70〜25重量%とポリブチレンテレフタレート30〜75重量%
を含む樹脂成分を有する保護層とからなることが好ましい。
前記オーバーシートの保護層におけるポリカーボネート樹脂の配合量が25重量部未満になると、割れ等の材料強度に関する不具合が発生する。また、70重量部を超えると、カードの反りが大きくなる。
本発明のカード用基材には、所望により通常に使用される添加剤、例えば相溶化剤、安定剤、滑剤、補強剤、加工助剤、顔料、帯電防止剤、酸化防止剤、中和剤、紫外線吸収剤、分散剤、増粘剤、その他無機充填剤等、あるいは他の合成樹脂を含有させても構わない。
(製膜方法)
本発明のカード用コアシートをシート状に加工するためには、カレンダリング法、押し出し法、プレス法、キャスト法などがあるが、ここで特に限定するものではない。また、本発明の多層フィルムの製造法は特に限定されるものではなく、共押出法、押出ラミネート法、ドライラミネート法など従来公知の多層フィルムの製造法をいずれも用いることができる。このようにして得られた本発明の多層フィルムは、当て板/オーバーシート/コアシート/オーバーシート/当て板のプレス構成にてカードを作成する。加圧条件も特に限定はしないが、プレス温度は、80〜150℃、好ましくは100〜130℃で行う。
(ICカードの製造法)
本発明の多層フィルムはカード基材、特にコアシートに対し表裏面側に用いられるオーバーシートとして好適である。オーバーシートには必要に応じてさらに隠蔽層、保護層などが設けられてよい。本発明の多層フィルムを用いてICカードを製造するには、公知の多層フィルムの場合と同様の製造法を使用してよい。従来のICカードにおいて、ICモジュールはカード基材と異なる材料から構成されている。このようなICモジュールをカード基材中に埋設する方法としては、例えばコアシートにオーバーシートが積層形成されたカードにエンドミル、ドリル等の方法によりICモジュール大の凹部を設け、この凹部中に接着剤を介してICモジュールを埋設する方法がある。
以下実施例により本発明を説明するが、これは単なる例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。実施例にて使用した原材料に関しては以下の通りであり、表1に示した原材料は下記のものである。
(1)PETG樹脂:ポリ(エチレン−1,4−シクロへキシレンジメチレンテレフタレート)樹脂、GN071、イーストマンケミカルジャパン(株)製
(2)PC樹脂1:ポリカーボネート樹脂、200−3(MFR:3.0g/10min)、住友ダウ(株)製
(3)PC樹脂2:ポリカーボネート樹脂、E2000N(MFR:5.0g/10min)、三菱エンプラ(株)製
(4)PC樹脂3:ポリカーボネート樹脂、S−1000(MFR:7.5g/10min)、三菱エンプラ(株)製
(5)PC樹脂4:ポリカーボネート樹脂、200−13(MFR:13g/10min)、住友ダウ(株)製
(6)PC樹脂5:ポリカーボネート樹脂、200−22(MFR:22g/10min)、住友ダウ(株)製
(7)PC樹脂6:ポリカーボネート樹脂、H3000(MFR:28g/10min)、三菱エンプラ(株)製
(8)PBT樹脂:ポリブチレンテレフタレート樹脂、5020、三菱エンプラ(株)製
[実施例及び比較例]
(コアシートの作製》
表1の組成内容をシート状に押し出し、コアシートを作製した。シートの厚みは310μmとした。作製したコアシート及びオーバーシートを、オーバーシート/コアシート/コアシート/オーバーシートの構成でプレス板に挟み、140℃で10分間プレスした。得られた多層シートをISO/IEC7810で規定するカードサイズに打ち抜いてカード状サンプルを作製し、ICモジュールサイズの凹部を設け、この凹部中に接着剤を介してICモジュールを埋設する。スクリーン印刷後の融着性,耐熱性、耐衝撃性、耐屈曲性、ATM搬送時の割れ、エンボス文字を刻印した際のカードの反りを評価した。この結果を表2に示す。各種評価については、下記に基づいて実施した。結果を表1に示す。
(スクリーン印刷後の融着性)
作製したシートに印刷を行い、30日間積み重ねた後、印刷無い面同士を融着させ、剥離強度を測定した。
○:材料破断するもの
×:剥離するもの打ち抜き性
(耐熱性)
作製したカード状サンプルを車載器に差し込み、車載器ごと90℃のオーブンに入れて、カードが凹まないか確認した(車載器:EP221 三菱電機製)。
各符号は以下のとおりである。×を不合格とし、それ以外を合格とした。
○:凹みの目立たないもの
×:凹みの目立つもの
(耐屈曲性)
作製したカード状サンプルに、曲げ試験機により該カード状サンプルの短辺方向、長辺方向、短辺裏方向、長辺裏方向に250回ずつ曲げ、サンプルが割れるかどうか確認した。×を不合格とし、それ以外を合格とした。
○:3000回以上割れなかったもの
△:2000回から3000回まで割れたもの
×:2000回未満で割れたもの
(ATM搬送時の割れ:割れ耐久性)
作成したカード状サンプルに、ATM搬送試験機に100回づつ出し入れを行い、割れるかどうかを確認した。×を不合格とし、それ以外を合格とした。
○:3000回以上割れなかったもの
△:2000回から3000回まで割れたもの
×:2000回未満で割れたもの
(反り)
作製したカード状サンプルに日本データカード製エンボッサーDC9000によりエンボス文字を刻印した後、JIS X 6301に従いカード状サンプルの反りを測定した。×を不合格とし、それ以外を合格とした。
○:エンボス文字刻印後の反りが2.5mm未満であったもの
△:エンボス文字刻印後の反りが2.5mm以上又は3.0mm未満のもの
×:エンボス文字刻印後の反りが3.0mm以上のもの
Figure 2009262557
本発明のコアシートと多層フィルムより形成したICカード基材は、耐熱性、高い耐屈曲性を具備しつつ、印刷後の融着性、低反り性、ATMでの繰り返しの搬送や日常に当然受けうる外部からの応力に対し、従来は達成が困難であった長期間での使用が可能となる。

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂組成物からなるカード用コアシートであって、
    前記熱可塑性樹脂組成物が
    ポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステル樹脂(a1)と、
    メルトフローレイト(測定条件ASTM D−1238準拠、樹脂溶融温度300℃、加重1.2kg)が3.0〜13.0g/10minからなるポリカーボネート樹脂(a2)とを含む樹脂成分(A)を含み、
    前記樹脂成分(A)中の前記共重合ポリエステル樹脂(a1)とポリカーボネート樹脂(a2)との重量比((a1)/(a2))が、(a1)/(a2)=60/40〜30/70であるカード用コアシート。
  2. 前記熱可塑性樹脂組成物が、前記樹脂成分(A)100重量部に対し、更に無機充填剤(B)5〜25重量部、ゴム状弾性体(C)5〜20重量部、および酸化チタン(D)10〜20重量部を含むものである請求項1記載のカード用コアシート。
  3. カード用コアシートとオーバーシートを組みあせることにより作製されるカードであって、前記カード用コアシートが請求項1または2記載のカード用コアシートであるカード基材。
  4. 前記オーバーシートが
    ポリエチレンテレフタレート樹脂のエチレングリコール成分の10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合ポリエステルを主成分とする融着層と、
    ポリカーボネート樹脂(PC)とポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)との重量比がPC/PBT=70/30〜25/75となる樹脂成分を含む保護層とを含むオーバーシートである請求項3記載のカード基材。
JP2009087047A 2008-03-31 2009-03-31 カード用コアシートおよびカード基材 Pending JP2009262557A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009087047A JP2009262557A (ja) 2008-03-31 2009-03-31 カード用コアシートおよびカード基材

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008091472 2008-03-31
JP2009087047A JP2009262557A (ja) 2008-03-31 2009-03-31 カード用コアシートおよびカード基材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009262557A true JP2009262557A (ja) 2009-11-12

Family

ID=41389002

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009087047A Pending JP2009262557A (ja) 2008-03-31 2009-03-31 カード用コアシートおよびカード基材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009262557A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018074482A1 (ja) * 2016-10-18 2018-04-26 三菱瓦斯化学株式会社 カード用樹脂フィルム、シート、及びカード用積層体

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07309089A (ja) * 1994-05-18 1995-11-28 Tokin Corp カードの製造方法
JP2000103955A (ja) * 1998-09-23 2000-04-11 Bayer Corp 溶融安定性を示す着色ポリカ―ボネ―ト成形用組成物
JP2002292799A (ja) * 2001-03-29 2002-10-09 Teijin Chem Ltd プラスチックカード積層体
JP2005178211A (ja) * 2003-12-19 2005-07-07 Mitsubishi Plastics Ind Ltd カード用オーバーシート及びカード
JP2005325166A (ja) * 2004-05-12 2005-11-24 Sumitomo Bakelite Co Ltd ポリエステル樹脂シートおよびその積層シート並びにそれを用いるカード
JP2007106057A (ja) * 2005-10-17 2007-04-26 Toppan Cosmo Inc 表面強化高耐候性立体成形用化粧シート
JP2007272806A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Kyodo Printing Co Ltd 非接触icカード
JP2007314664A (ja) * 2006-05-25 2007-12-06 Toray Ind Inc ポリエステル樹脂組成物およびその製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07309089A (ja) * 1994-05-18 1995-11-28 Tokin Corp カードの製造方法
JP2000103955A (ja) * 1998-09-23 2000-04-11 Bayer Corp 溶融安定性を示す着色ポリカ―ボネ―ト成形用組成物
JP2002292799A (ja) * 2001-03-29 2002-10-09 Teijin Chem Ltd プラスチックカード積層体
JP2005178211A (ja) * 2003-12-19 2005-07-07 Mitsubishi Plastics Ind Ltd カード用オーバーシート及びカード
JP2005325166A (ja) * 2004-05-12 2005-11-24 Sumitomo Bakelite Co Ltd ポリエステル樹脂シートおよびその積層シート並びにそれを用いるカード
JP2007106057A (ja) * 2005-10-17 2007-04-26 Toppan Cosmo Inc 表面強化高耐候性立体成形用化粧シート
JP2007272806A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Kyodo Printing Co Ltd 非接触icカード
JP2007314664A (ja) * 2006-05-25 2007-12-06 Toray Ind Inc ポリエステル樹脂組成物およびその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018074482A1 (ja) * 2016-10-18 2018-04-26 三菱瓦斯化学株式会社 カード用樹脂フィルム、シート、及びカード用積層体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101690345B1 (ko) 전자 패스포트용 레이저 마킹 다층 적층체용 복합 힌지 시트, 전자 패스포트용 레이저 마킹 다층 적층체 및 전자 패스포트
CN102046378B (zh) 电子护照用激光标记多层片材及电子护照
US9636857B2 (en) Label for in-mold forming
CN109963908B (zh) 树脂组合物、包含树脂组合物的卡片用树脂片和多层片
JP2005054179A (ja) カード用コアシート及びそれを用いた耐熱カード
US12195602B2 (en) Plastic films having high Vicat softening temperature in layered structures
WO2013058374A1 (ja) 電子パスポート用コンビネーションシート、電子パスポート用レーザーマーキング多層シート、及び電子パスポート
JP5253368B2 (ja) 複合シート
JP2009262557A (ja) カード用コアシートおよびカード基材
JP3628256B2 (ja) カード用樹脂組成物、シートおよびカード
JP2000080263A (ja) プラスチックカード基材
JPH0966590A (ja) Icカード用シート
JP4098014B2 (ja) 印刷用多層シート
JP2011148251A (ja) カードの製造方法
WO2022038973A1 (ja) 樹脂組成物、樹脂シート、多層体、および、カード
JP3961243B2 (ja) カード用樹脂シート及びicカード
JP2006035740A (ja) カード用オーバーシート及びそれを用いるカード
JP4071061B2 (ja) 印刷用多層シート
JP3846836B2 (ja) 耐熱性プラスチックカード用樹脂組成物
JP5428398B2 (ja) カードとその製造方法
JP2004255782A (ja) 耐熱カード
JP3979840B2 (ja) 積層体およびこれを用いたカード、タグ、ラベルのリサイクル方法
EP4321338A1 (en) Laminate body, card, passport, and manufacturing method of these
JPH1178324A (ja) プラスチックカードおよびその製造方法
JP2004025743A (ja) 印刷用プラスチックカード

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120830

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121225

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130423