JP2009260274A - 太陽電池用透明部材および太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面に微細凹凸構造を有する太陽電池用透明部材10であって、微細凹凸構造が、陽極酸化アルミナの表面の微細凹凸構造を転写して形成されたものである太陽電池用透明部材10;太陽電池用透明部材10が、前記微細凹凸構造が形成された側の表面が光の入射側となるように配置された太陽電池。
【選択図】図1
Description
太陽電池素子の受光面側がガラスで保護され、該ガラスの表面に低反射コーティング層が設けられた太陽電池(特許文献1)。
受光面側のガラス基板の表面に、低屈折率透明無機薄膜と高屈折率透明無機薄膜とを交互に積層してなる反射防止膜が形成された色素増感型太陽電池(特許文献2)。
前記微細凹凸構造が、複数の凸部を有し、該凸部間の平均周期が400nm以下であることが好ましい。
本発明の太陽電池は、本発明の太陽電池用透明部材が、前記微細凹凸構造が形成された側の表面が光の入射側となるように配置されたものであることを特徴とする。
本発明の太陽電池は、入射する光の反射が抑えられ、受光損出が少ない。
図1は、本発明の太陽電池用透明部材の一例を示す断面図である。太陽電池用透明部材10は、部材本体12と、部材本体12に接着剤層14を介して貼着された、表面に微細凹凸構造(図示略)を有する反射防止フィルム16とを有する。
部材本体12は、光を透過できる部材である。部材本体12の材料としては、ガラス、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、スチレン系樹脂、ポリエステル、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロース等)、ポリオレフィン、脂環式ポリオレフィン等が挙げられる。
接着剤層14の接着剤としては、公知の透明接着剤、粘着剤、両面接着テープ、粘着テープ等が挙げられる。
反射防止フィルム16は、透明性基材18と、透明性基材18の表面に形成された、微細凹凸構造(図示略)を有する硬化樹脂膜20とを有する。
透明性基材18は、光を透過できるフィルムやシートである。透明性基材18の材料としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロース等)、ポリオレフィン系樹脂、脂環式ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
微細凹凸構造は、陽極酸化アルミナの表面の微細凹凸構造を転写して形成されたものであり、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる複数の凸部を有する。
凸部間の平均周期は、電子顕微鏡観察によって隣接する凸部間の間隔(凸部の中心から隣接する凸部の中心までの距離)を50点測定し、これらの値を平均したものである。
凸部の高さは、電子顕微鏡観察によって50個の凸部の高さを測定し、これらの値を平均したものである。
太陽電池用透明部材10は、部材本体12と反射防止フィルム16とを接着剤層14を介して貼着することにより製造される。
表面に微細凹凸構造(図示略)を有するロール状モールド22と、ロール状モールド22の表面に沿って移動する帯状の透明性基材18との間に、タンク24から活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を供給する。
剥離ロール32により、表面に硬化樹脂膜20が形成された透明性基材18を剥離することによって、反射防止フィルム16を得る。
ロール状モールド22は、表面に陽極酸化アルミナを有するモールドである。ロール状モールドは、反射防止フィルムの大面積化が可能であり、且つ作製が簡便である。
(a)ロール状のアルミニウムを電解液中、定電圧下で陽極酸化して酸化皮膜を形成する工程。
(b)酸化皮膜を除去し、陽極酸化の細孔発生点を形成する工程。
(c)ロール状のアルミニウムを電解液中、再度陽極酸化し、細孔発生点に細孔を有する酸化皮膜を形成する工程。
(d)細孔の径を拡大させる工程。
(e)前記(c)工程と(d)工程を繰り返し行う工程。
図3に示すように、アルミニウム34を陽極酸化すると、細孔36を有する酸化皮膜38が形成される。
アルミニウムの純度は、99%以上が好ましく、99.5%以上がより好ましく、99.8%以上が特に好ましい。アルミニウムの純度が低いと、陽極酸化した時に、不純物の偏析により可視光を散乱する大きさの凹凸構造が形成されたり、陽極酸化で得られる細孔の規則性が低下したりすることがある。
電解液としては、シュウ酸、硫酸等が挙げられる。
シュウ酸の濃度は、0.7M以下が好ましい。シュウ酸の濃度が0.7Mを超えると、電流値が高くなりすぎて酸化皮膜の表面が粗くなることがある。
化成電圧が30〜60Vの時、周期が100nmの規則性の高い細孔を有する陽極酸化アルミナを得ることができる。化成電圧がこの範囲より高くても低くても規則性が低下する傾向にある。
電解液の温度は、60℃以下が好ましく、45℃以下がより好ましい。電解液の温度が60℃を超えると、いわゆる「ヤケ」といわれる現象がおこり、細孔が壊れたり、表面が溶けて細孔の規則性が乱れたりすることがある。
硫酸の濃度は0.7M以下が好ましい。硫酸の濃度が0.7Mを超えると、電流値が高くなりすぎて定電圧を維持できなくなることがある。
化成電圧が25〜30Vの時、周期が63nmの規則性の高い細孔を有する陽極酸化アルミナを得ることができる。化成電圧がこの範囲より高くても低くても規則性が低下する傾向がある。
電解液の温度は、30℃以下が好ましく、20℃以下がよりに好ましい。電解液の温度が30℃を超えると、いわゆる「ヤケ」といわれる現象がおこり、細孔が壊れたり、表面が溶けて細孔の規則性が乱れたりすることがある。
図3に示すように、酸化皮膜38を一旦除去し、これを陽極酸化の細孔発生点40にすることで細孔の規則性を向上することができる。
図3に示すように、酸化皮膜を除去したアルミニウム34を再度、陽極酸化すると、円柱状の細孔36を有する酸化皮膜38が形成される。
陽極酸化は、(a)工程と同様な条件で行えばよい。陽極酸化の時間を長くするほど深い細孔を得ることができる。
図3に示すように、細孔36の径を拡大させる処理(以下、細孔径拡大処理と記す。)を行う。細孔径拡大処理は、酸化皮膜を溶解する溶液に浸漬して陽極酸化で得られた細孔の径を拡大させる処理である。このような溶液としては、例えば、5質量%程度のリン酸水溶液等が挙げられる。
細孔径拡大処理の時間を長くするほど、細孔径は大きくなる。
図3に示すように、(c)工程の陽極酸化と、(d)工程の細孔径拡大処理を繰り返すと、直径が開口部から深さ方向に連続的に減少する形状の細孔36を有する陽極酸化アルミナが形成され、表面に陽極酸化アルミナを有するモールド(ロール状モールド22)が得られる。
繰り返し回数は、合計で3回以上が好ましく、5回以上がより好ましい。繰り返し回数が2回以下では、非連続的に細孔の直径が減少するため、このような細孔を有する陽極酸化アルミナを用いて製造された硬化樹脂膜20の反射率低減効果は不十分である。
細孔36間の平均周期は、可視光の波長以下、すなわち400nm以下である。細孔36間の平均周期は、25nm以上が好ましい。
細孔36のアスペクト比(細孔の深さ/細孔間の平均周期)は、1〜5が好ましく、1.2〜4がより好ましく、1.5〜3が特に好ましい。
図3に示すような細孔36を転写して形成された硬化樹脂膜20の表面は、いわゆるモスアイ構造となる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、重合性化合物および重合開始剤を含む。
重合性化合物としては、分子中にラジカル重合性結合および/またはカチオン重合性結合を有するモノマー、オリゴマー、反応性ポリマー等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、非反応性のポリマー、活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物を含んでいてもよい。
単官能モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート誘導体;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体;(メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物としては、アルコキシシラン化合物、アルキルシリケート化合物等が挙げられる。
R1 xSi(OR2)y ・・・(1)
ただし、R1、R1は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基を表し、x、yは、x+y=4の関係を満たす整数を表す。
R3O[Si(OR5)(OR6)O]zR4 ・・・(2)
ただし、R3〜R6は、それぞれ炭素数1〜5のアルキル基を表し、zは、3〜20の整数を表す。
硬化樹脂膜20の微細凹凸構造の表面の水接触角を90°以上にするためには、疎水性の材料を形成しうる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物として、フッ素含有化合物またはシリコーン系化合物を含む組成物を用いることが好ましい。
フッ素含有化合物としては、下記式(3)で表されるフルオロアルキル基を有する化合物が好ましい。
−(CF2)n−X ・・・(3)。
ただし、Xは、フッ素原子または水素原子を表し、nは、1以上の整数を表し、1〜20が好ましく、3〜10がより好ましく、4〜8が特に好ましい。
フルオロアルキル基置換ビニルモノマーとしては、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリレート、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリルアミド、フルオロアルキル基置換ビニルエーテル、フルオロアルキル基置換スチレン等が挙げられる。
CH2=C(R7)C(O)O−(CH2)m−(CF2)p−X ・・・(4)。
ただし、R7は、水素原子またはメチル基を表し、Xは、水素原子またはフッ素原子を表し、mは、1〜6の整数を表し、1〜3が好ましく、1または2がより好ましく、pは、1〜20の整数を表し、3〜10が好ましく、4〜8がより好ましい。
(Rf)aR8 bSiYc ・・・(5)。
加水分解性基としては、アルコキシ基、ハロゲン原子、R9C(O)O(ただし、R9は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、Cl、Br、I等が挙げられる。
R9C(O)Oとしては、CH3C(O)O、C2H5C(O)O等が挙げられる。
ポリ(オキシアルキレン)基としては、下記式(6)で表される基が好ましい。
−(OR10)q− ・・・(6)
ただし、R10は、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、qは、2以上の整数を表す。R10としては、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−等が挙げられる。
シリコーン系化合物としては、(メタ)アクリル酸変性シリコーン、シリコーン樹脂、シリコーン系シランカップリング剤等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸変性シリコーンとしては、シリコーン(ジ)(メタ)アクリレート等が挙げられる。
硬化樹脂膜20の微細凹凸構造の表面の水接触角を25°以下にするためには、親水性の材料を形成しうる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物として、下記の重合性化合物を含む組成物を用いることが好ましい。
4官能以上の多官能(メタ)アクリレートの10〜50質量%、
2官能以上の親水性(メタ)アクリレートの30〜80質量%、
単官能モノマーの0〜20質量%の合計100質量%からなる重合性化合物。
4官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、5官能以上の多官能(メタ)アクリレートがより好ましい。
ポリエチレングリコールジメタクリレートにおいて、一分子内に存在するポリエチレングリコール鎖の平均繰り返し単位の合計は、6〜40が好ましく、9〜30がより好ましく、12〜20が特に好ましい。ポリエチレングリコール鎖の平均繰り返し単位が6以上であれば、親水性が十分となり、防汚性が向上する。ポリエチレングリコール鎖の平均繰り返し単位が40以下であれば、4官能以上の多官能(メタ)アクリレートとの相溶性が良好となり、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が分離しにくい。
親水性単官能モノマーとしては、M−20G、M−90G、M−230G(新中村化学社製)等のエステル基にポリエチレングリコール鎖を有する単官能(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等のエステル基に水酸基を有する単官能(メタ)アクリレート、単官能アクリルアミド類、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート等のカチオン性モノマー類等が挙げられる。
また、単官能モノマーとして、アクリロイルモルホリン、ビニルピロリドン等の粘度調整剤、部材への密着性を向上させるアクリロイルイソシアネート類等の密着性向上剤等を用いてもよい。
本発明の太陽電池は、本発明の太陽電池用透明部材が、微細凹凸構造が形成された側の表面が光の入射側となるように配置されたものである。
太陽電池としては、pn接合型、色素増感型等が知られているが、本発明の太陽電池は、いずれのタイプの太陽電池であってもよい。
図4は、本発明の太陽電池の一例を示す断面図である。太陽電池50は、インターコネクタ52を介して接続された複数の太陽電池素子54と;太陽電池素子54の受光面側に、微細凹凸構造が形成された側の表面が光の入射側となるように配置された太陽電池用透明部材10と;太陽電池素子54の受光面とは反対側に配置された第2の部材56と;太陽電池用透明部材10と第2の部材56とを貼り合わせると同時に、これらの間に太陽電池素子54を固定する透明樹脂層58とを有する。
第2の部材56の材料としては、ガラス、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、スチレン系樹脂、ポリエステル、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロース等)、ポリオレフィン、脂環式ポリオレフィン等が挙げられる。
透明樹脂層58の材料としては、ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
図5は、本発明の太陽電池の他の例を示す断面図である。太陽電池60は、微細凹凸構造が形成された側の表面が光の入射側となるように配置された太陽電池用透明部材10と;太陽電池用透明部材10の、微細凹凸構造が形成された側とは反対側の表面に形成された第1の透明電極62と;第1の透明電極62の表面に形成された、分光増感色素64を吸着させた金属酸化物半導体66からなる金属酸化物半導体膜68と;金属酸化物半導体膜68に対向して配置された第2の部材70と;第2の部材70の、金属酸化物半導体膜68に対向する側の表面に形成された第2の透明電極72と;第2の透明電極72の表面に形成された対電極74と;金属酸化物半導体膜68と対電極74との間に封入された電解質76とを有する。
分光増感色素64としては、金属錯体(金属フタロシアニン等)、有機色素(シアニン系色素等)等が挙げられる。
金属酸化物半導体66としては、酸化チタン等が挙げられる。
第2の部材70の材料としては、ガラス、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、スチレン系樹脂、ポリエステル、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロース等)、ポリオレフィン、脂環式ポリオレフィン等が挙げられる。
対電極74としては、白金電極等が挙げられる。
電解質76としては、I−/I3 −系等のレドックス電解質が挙げられる。
図6は、本発明の太陽電池の他の例を示す断面図である。太陽電池80は、入射側の表面に対して他方の表面が傾斜した断面三角形のプリズム形状の部材本体12、部材本体12の入射側の表面に接着剤層(図示略)を介して貼着された反射防止フィルム16および部材本体12の他方の表面に設けられた反射層82とから構成される太陽電池用透明部材10と;反射防止フィルム16を通って部材本体12に入射した太陽光が部材本体12内で反射しながら集光される部材本体12の端面に設けられた、太陽発電セル84とを有する。
反射層82としては、金属薄膜、金属蒸着膜等が挙げられる。
陽極酸化アルミナの一部を削り、断面にプラチナを1分間蒸着し、電界放出形走査電子顕微鏡(日本電子社製、JSM−7400F)を用いて、加速電圧3.00kVの条件にて、断面を観察し、細孔の間隔、細孔の深さを測定した。各測定は、それぞれ50点について行い、平均値を求めた。
硬化樹脂膜の破断面にプラチナを10分間蒸着し、陽極酸化アルミナと同様に断面を観察し、凸部の間隔、凸部の高さを測定した。各測定は、それぞれ50点について行い、平均値を求めた。
太陽電池用透明部材の、微細凹凸構造が形成されていない側の表面を粗面化した後、つや消し黒色に塗った太陽電池用透明部材について、分光光度計(日立製作所社製、U−4000)を用い、入射角5°、波長380〜780nmの範囲で硬化樹脂膜の表面の相対反射率を測定し、JIS R3106に準拠して算出した。
接触角測定装置(Kruss社製、DSA10−Mk2)を用い、硬化樹脂膜の微細凹凸構造の表面に、1.6μLの水を滴下した後、滴下の10秒後から1秒間隔で水接触角を10点測定し、平均値を求めた。さらに、水を滴下する位置を変えて同様の操作を3回行い、計4回の平均値をさらに平均した。
太陽電池用透明部材の、微細凹凸構造が形成されていない側の表面を粗面化した後、つや消し黒色に塗った太陽電池用透明部材について、分光光度計(日立製作所社製、U−4000)を用い、入射角5°、波長450、550、650、750nmで硬化樹脂膜の表面の相対反射率を測定した。
太陽電池用透明部材の、微細凹凸構造が形成されていない側の表面を粗面化した後、つや消し黒色に塗った太陽電池用透明部材について、分光光度計(日立製作所社製、U−4000)を用い、入射角20、30、40、50、60°で、JIS R3106にしたがって硬化樹脂膜の表面の加重平均反射率を測定した。
入射側の透明基板に反射防止フィルムを貼り付けない太陽電池の発電量に対する、入射側の透明基板に反射防止フィルムを貼り付けた太陽電池の発電量の向上率を求めた。発電量の測定条件は、夏季東京の快晴時、真南向き、傾斜20°で太陽電池を設置したときの条件とした。
純度99.99%のアルミニウムからなるロールを、過塩素酸/エタノール混合溶液(1/4体積比)中で電解研磨した。
(a)工程:
該ロールについて、0.5Mシュウ酸水溶液中で、直流40V、温度16℃の条件で6時間陽極酸化を行った。
(b)工程:
酸化皮膜が形成されたロールを、6質量%リン酸/1.8質量%クロム酸混合水溶液に6時間浸漬して、酸化皮膜を除去した。
該ロールについて、0.3Mシュウ酸水溶液中、直流40V、温度16℃の条件で30秒間陽極酸化を行った。
(d)工程:
酸化皮膜が形成されたロールを、32℃の5質量%リン酸に8分間浸漬して、細孔径拡大処理を行った。
前記(c)工程および(d)工程を合計で5回繰り返し、平均周期:100nm、深さ:240nmの略円錐形状の細孔を有する陽極酸化アルミナが表面に形成されたロール状モールドaを得た。
ロール状モールドaを、オプツールDSX(ダイキン化成品販売社製)の0.1質量%希釈溶液に浸漬し、一晩風乾して、酸化皮膜表面のフッ素化処理を行った。
前記(c)工程における陽極酸化の時間を25秒に変更した以外は、ロール状モールドaの製造と同様にして、平均周期:100nm、深さ:180nmの略円錐形状の細孔を有する陽極酸化アルミナが表面に形成されたロール状モールドbを得た。
ロール状モールドbを、オプツールDSX(ダイキン化成品販売社製)の0.1質量%希釈溶液に浸漬し、一晩風乾して、酸化皮膜表面のフッ素化処理を行った。
表1、表2に示す割合で各成分を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物A、Bを調製した。
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亞合成社製、アロニックスM400)、
M260:ポリエチレングリコールジアクリレートn=13〜14(東亞合成社製、アロニックスM260)、
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート、
Ir184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア184)。
TAS:トリメチロールエタン・アクリル酸・無水コハク酸縮合エステル、
C6DA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、
X−22−1602:ラジカル重合性シリコーンオイル(信越化学工業社製)、
Ir184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア184)。
メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、1,3−ブタジエンおよびメタクリル酸アリルを重合してなるゴム含有多段重合体の75質量部、およびアクリル樹脂(三菱レイヨン社製、BR80)の25質量部をあらかじめ溶融押し出しした後、製膜して、厚さ200μmのアクリル樹脂フィルムを得た。
図2に示す製造装置を用いて、反射防止フィルムを製造した。
ロール状モールド22としては、前記ロール状モールドaを用いた。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物としては、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aを用いた。
透明性基材18としては、前記アクリル樹脂フィルムを用いた。
透明性基材18側から、積算光量3200mJ/cm2の紫外線を、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aの塗膜に照射し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aの硬化を行った。
得られた反射防止フィルムを、両面接着テープ(日東電工社製、CS9621)を介して、厚さ2mmのガラス板に貼着し、太陽電池用透明部材を得た。太陽電池用透明部材について、加重平均反射率、水接触角を測定した。結果を表3に示す。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Bを用いた以外は、実施例1と同様にして、反射防止フィルムおよび太陽電池用透明部材を得た。反射防止フィルムについて、凸部間の平均周期、凸部の高さを測定した。結果を表3に示す。また、太陽電池用透明部材について、加重平均反射率、水接触角を測定した。結果を表3に示す。また、反射率の波長依存性を測定した。結果を表4に示す。また、加重平均反射率の入射角依存性を測定した。結果を表5に示す。
ロール状モールド22として前記ロール状モールドbを用い、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Bを用いた以外は、実施例1と同様にして、反射防止フィルムおよび太陽電池用透明部材を得た。反射防止フィルムについて、凸部間の平均周期、凸部の高さを測定した。結果を表3に示す。また、太陽電池用透明部材について、反射率の波長依存性を測定した。結果を表4に示す。また、加重平均反射率の入射角依存性を測定した。結果を表5に示す。
また、凸部のアスペクト比が大きくなると、高入射角でも低反射が得られた。
透明性基材18として片面を粘着剤加工したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)を用いた以外は、実施例2と同様にして反射防止フィルムを得た。
得られた反射防止フィルムを、ポリビニルブチラールで封止した結晶シリコン系太陽電池の入射側の透明基板に貼り付け、光の入射側に微細凹凸構造が配置された太陽電池を得た。該太陽電池について、入射角に対する発電量の向上率を求めた。結果を表6に示す。
実施例4で得られた反射防止フィルムを、図6に示すプリズム型太陽電池の部材本体12の入射側の表面に貼り付け、光の入射側に微細凹凸構造が配置された太陽電池を得た。太陽発電セル84としては、結晶シリコン系太陽電池を用いた。部材本体12の反射防止フィルムを設けた表面と太陽発電セル84を設けた端面との角度は76°とし、反射層82を設けた表面と太陽発電セル84を設けた端面との角度は90°とした。該太陽電池について、入射角に対する発電量の向上率を求めた。結果を表7に示す。
太陽電池用透明部材のシミュレーションモデルとしては、図7に示す層構造のものを用いた。該シミュレーションモデル90は、上から順に、複数の凸部19が平面六方格子の配置となるように間隔:100nmで形成されたポリメタアクリレート層92(厚さ:0.2mm、波長900nmにおける屈折率:1.482、消衰係数:6.49×10−23)、ポリエチレンテレフタレート層94(厚さ:0.037mm、波長900nmにおける屈折率:1.667、消衰係数:1.65×10−24)、吸収層100(境界条件なので厚さなし)から構成される。
図7のシミュレーションモデルにおけるTW、BWおよびHを、表8に示す値に設定し、入射角αが5°の入射光(波長:500nm、800nm、1000nm)に対する反射率をシミュレーションにより求めた。結果を表8に示す。
50 太陽電池
60 太陽電池
80 太陽電池
Claims (3)
- 表面に微細凹凸構造を有する太陽電池用透明部材であって、
前記微細凹凸構造が、陽極酸化アルミナの表面の微細凹凸構造を転写して形成されたものである、太陽電池用透明部材。 - 前記微細凹凸構造が、複数の凸部を有し、該凸部間の平均周期が400nm以下である、請求項1に記載の太陽電池用透明部材。
- 請求項1または2に記載の太陽電池用透明部材が、前記微細凹凸構造が形成された側の表面が光の入射側となるように配置された、太陽電池。
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